本発明に係る一実施形態の硬貨処理機を図面を参照して以下に説明する。
本実施形態の硬貨処理機11には、その上面に、操作者によりバラ硬貨が投入される図示略の投入口が設けられている。硬貨処理機11の上部には、この投入口の下側に位置して、投入口に投入されたバラ硬貨を受け取る供給円盤13が鉛直軸回りに回転可能に設けられており、この供給円盤13の横に隣接して回転円盤14が鉛直軸回りに回転可能に設けられている。この回転円盤14は、供給円盤13から遠心力で繰り出されるバラ硬貨を受け入れるとともに、この受け入れた硬貨を遠心力で図示せぬ分離部を通過させることにより一枚ずつ後述する硬貨を案内するための硬貨通路15に繰り出す。これら供給円盤13および回転円盤14は、図2に示す制御装置(制御手段)200で制御される図示略のモータを含む供給駆動部201で正逆駆動される。
硬貨処理機11の上部には、図1に示すように、回転円盤14から繰り出される硬貨を両側の一段高いガイド16,17の間の通路面で案内する硬貨通路15が設けられている。この硬貨通路15は、回転円盤14から供給円盤13とは反対側に略直線状に水平に延出する第1通路部21と、この第1通路部21の回転円盤14とは反対側から回転円盤14の配置側に略直角に屈曲して略直線状に水平に延出する第2通路部22と、この第2通路部22の第1通路部21とは反対側から回転円盤14の方向に直角に屈曲し略直線状に水平に延出する第3通路部23とを有しており、回転円盤14から繰り出される硬貨を第1通路部21、第2通路部22、第3通路部23の順に案内する。
硬貨通路15の近傍には、硬貨を硬貨通路15上で搬送する硬貨搬送部(硬貨搬送手段)26が設けられている。この硬貨搬送部26は、硬貨通路15の上側に設けられて、回転円盤14から繰り出された硬貨を硬貨通路15に沿って移動させる搬送ベルト27A〜27Iを有している。つまり、搬送ベルト27A,27B,27C,27Dが、硬貨を第1通路部21上で移動させ、搬送ベルト27E,27Fが硬貨を第2通路部22上で移動させ、搬送ベルト27G,27H,27Iが硬貨を第3通路部23上で移動させる。
また、硬貨搬送部26は、図2に示す制御装置200で制御される図示略のモータを備え、搬送ベルト27A〜27Iを連動して正逆駆動する搬送駆動部202を有している。
図1に示すように、回転円盤14と硬貨通路15の第1通路部21との間であって、一方のガイド17の先端部位置には、このガイド17の先端部に衝突して滞留する硬貨を、回転円盤14内へ戻すか、硬貨通路15へ導きやすくするための、回転自在のガイドローラ28が設けられている。
硬貨通路15の第1通路部21には、第1通路部21上で搬送される硬貨の材質を磁気データにより検出する材質検出センサ30が、第1通路部21の通路面の一部を構成するように配置されている。なお、材質検出センサ30の近傍には、この材質検出センサ30による検出データの取り込みのタイミングを計るための硬貨検知センサ30a,30bが設けられている。すなわち、制御装置200は、これら硬貨検知センサ30a,30bで硬貨が検出されるタイミングに基づいて材質検出センサ30に検出データの取り込みを実行させる。また、第1通路部21の材質検出センサ30よりも第2通路部22側つまり下流側には、材質検出センサ30に近接して、第1通路部21上で搬送される硬貨の直径を検出するラインセンサからなる外径検出センサ31が配置されている。外径検出センサ31は、硬貨の搬送方向に直交する姿勢で第1通路部21の通路面の一部を構成するように配置された受光部と、この受光部と対向するように配置された発光部とからなり、一枚の硬貨が横切る際に遮光される受光部の最大長さを硬貨の直径として検出する。さらに、材質検出センサ30、外径検出センサ31の近傍には、搬送される硬貨の表裏面にそれぞれ光を照射する上下の発光部と、硬貨の表裏面からの反射光をそれぞれ検出する上下の受光部とからなる上下の反射光量検出センサ35・35が設けられている。そして、前記硬貨検知センサ30a,30bで硬貨が検出されるタイミングに基づいて反射光量検出センサ35・35による検出データの取り込みが実行される。
また、第1通路部21の材質検出センサ30、外径検出センサ31および反射光量検出センサ35・35よりも下流側には、第1通路部21で搬送される硬貨の画像を下側から検出するCCDエリアセンサ等の下側画像検出部32が、第1通路部21の通路面の一部を構成するように配置されている。そして、下側画像検出部32の両側には、この下側画像検出部32による検出データの取り込みのタイミングを計るための硬貨検知センサ32a,32bが設けられている。すなわち、制御装置200は、これら硬貨検知センサ32a,32bで共に硬貨が検出された時点で下側画像検出部32に検出データの取り込みを実行させる。
また、第1通路部21の下側画像検出部32よりも下流側には、第1通路部21で搬送される硬貨の画像を上側から検出するCCDエリアセンサ等の上側画像検出部33が第1通路部21の通路面に対向するように配置されている。なお、上側画像検出部33の両側には、この上側画像検出部33による検出データの取り込みのタイミングを計るための硬貨検知センサ33a,33bが設けられている。すなわち、制御装置200は、これら硬貨検知センサ33a,33bで共に硬貨が検出された時点で上側画像検出部33に検出データの取り込みを実行させる。
これにより、硬貨通路15上の硬貨を識別する、これら材質検出センサ30、外径検出センサ31、反射光量検出センサ35・35、下側画像検出部32および上側画像検出部33で構成される識別部(識別手段)34が、硬貨通路15の第1通路部21の範囲内に配置されている。
ここで、識別部34を構成する材質検出センサ30、外径検出センサ31、反射光量検出センサ35・35、下側画像検出部32および上側画像検出部33の出力は、順に、制御装置200に入力されることになり、この制御装置200では、まず、材質検出センサ30の検出硬貨に対する検出データを、取り扱い可能なすべての種類の真硬貨の材質の基準データと順に比較し、材質の検出データが取り扱い可能ないずれの種類の真硬貨の材質の基準データとも所定の一致度以上に一致しない異材質と判定した場合には、その時点で検出硬貨を、識別要因が異材質の異材質偽硬貨と判定し、以降の識別は行わない。
制御装置200は、材質検出センサ30の検出結果から、いずれか一の種類の真硬貨の材質の基準データと所定の一致度以上に一致したと判定した場合には、続けて、この一の種類の真硬貨の材質に応じた基準反射光量データを読み出し、この基準反射光量データと、同じ検出硬貨について反射光量検出センサ35・35で検出した硬貨表裏面の反射光量の検出データとが所定の一致度以上に一致しているか否かを判定する。すなわち、検出した硬貨表裏面の反射光量の検出データが、材質に応じた基準反射光量データをいずれも越えていると判定した場合には、この検出硬貨に汚損は無いと判断し、他方、検出した硬貨表裏面の反射光量の検出データのいずれか一方でも、材質に応じた基準反射光量データを越えていないと判定した場合には、汚損していると判断し、この検出硬貨を、識別要因が反射汚れの反射汚損真硬貨と判定する。
次に、制御装置200は、材質検出センサ30の検出結果から、いずれか一の種類の真硬貨の材質の基準データと所定の一致度以上に一致したと判定した場合には、次に、この一の種類の真硬貨の直径の基準データを読み出し、この基準データと、同じ検出硬貨について外径検出センサ31で検出した直径の検出データとが所定の一致度以上に一致しているか否かを判定する。そして、直径の基準データと直径の検出データとが所定の一致度以上に一致しない異径と判定した場合には、この検出硬貨を、識別要因が異径の異径偽硬貨と識別し、以降の識別は行わない。
外径検出センサ31の検出結果から、直径の基準データと直径の検出データとが所定の一致度以上に一致し、異径偽硬貨ではないと判定した場合、制御装置200は、この検出硬貨についての材質検出センサ30の検出結果に一致した基準データを持つ前記一の種類の真硬貨の表裏の画像の基準パターンデータを読み出し、これらの画像の基準パターンデータと、同じ検出硬貨に対する下側画像検出部32の検出パターンデータおよび上側画像検出部33の検出パターンデータとを比較して、表裏それぞれのパターンデータおよび外径が所定の一致度以上に一致しているか否かを検出する。そして、表裏それぞれの画像の基準パターンデータと検出パターンデータとが所定の一致度以上に一致し、且つこれらの外径が所定の一致度以上に一致していると判定した場合には、この検出硬貨を、前記一の種類の真硬貨と判定する一方、少なくとも表裏のいずれか一方の画像の基準パターンデータと検出パターンデータとが所定の一致度以上には一致せず、あるいは外径が所定の一致度以上には一致していない異画像と判定した場合には、この検出硬貨を識別要因が異画像の異画像偽硬貨と判定する。
なお、硬貨が、ユーロ硬貨のように、すべての金種において、同一金種に対し片面がすべての発行国で共通の図柄であって、逆の片面が発行国毎に異なる図柄の硬貨を識別する場合には、片面の各発行国共通の図柄については各発行国共通の基準マスタデータに対して所定の一致度以上に一致しているか否かを判定する。また、各発行国毎に異なる逆の片面の図柄については、各発行国毎の基準マスタデータと比較して所定の一致度以上に一致しているか否かを判断する。そして、共通の図柄が各発行国共通のマスタデータに対して所定の一致度以上に一致し、各発行国毎に異なる図柄についてはいずれか一の国の発行国の図柄のマスタデータに所定の一致度以上に一致していれば、前記一の国の真硬貨と識別し、それ以外は、識別要因が異画像の異画像偽硬貨であると判定する。
制御装置200は、上記したように、検出硬貨の上下つまり表裏のそれぞれについて、基準パターンデータに対し検出パターンデータが所定の一致度以上に一致し、且つ基準パターンデータの硬貨外径に対し検出パターンデータの硬貨外径が所定の一致度以上に一致しているとき、これらの一致度が高い真硬貨であると判定する一方、検出硬貨の上下つまり表裏のいずれかについて、基準パターンデータに対し検出パターンデータが所定の一致度以上に一致していない場合、または、基準パターンデータの硬貨外径に対し検出パターンデータの硬貨外径が所定の一致度以上に一致していない場合、これらの一致度が低い異画像偽硬貨であると判定する。
加えて、制御装置200は、前記一の種類の真硬貨であると判定した検出硬貨に対して、上下つまり表裏それぞれについて、基準パターンデータに対する検出パターンデータの例えば色調についての一致度を比較し、色調についての一致度が所定の一致度以上に一致している場合に、汚れ度が許容範囲内にあって正常であると判定し、色調についての一致度が所定の一致度以上に一致していない場合に、汚れ度が許容範囲内になく異常であると判定し、検出硬貨を、識別要因が汚れの汚れ真硬貨と判定する。この場合、色調についての一致度の比較に際しては、硬貨全面での一致度の比較でも良く、または、硬貨面の一部領域の一致度の比較でも良い。
さらに、制御装置200は、上記により真硬貨であると判定した検出硬貨に対して、上下つまり表裏それぞれについて、基準パターンデータおよび検出パターンデータの一致度が局所的に所定の割合より低い部分があるか否かを判定し、一致度が局所的に所定の割合より低い部分がない場合に、損傷度が許容範囲内であって正常であると判定し、一致度が局所的に所定の割合より低い部分がある場合に、損傷度が許容範囲内になく異常であると判定し、検出硬貨を、識別要因が局所損傷の局所損傷真硬貨と判定する。
加えて、制御装置200は、上記により真硬貨であると判定した検出硬貨に対して、上下つまり表裏それぞれについて、検出パターンデータから硬貨の外径部の変形度(真円度)を検出することになり、外径部の変形度が所定値未満の場合に、変形度が許容範囲内にあって正常であると判定し、変形度が所定値以上の場合に、変形度が許容範囲内になく異常であると判定し検出硬貨を、識別要因が全体損傷の全体損傷真硬貨と判定する。
そして、制御装置200は、真硬貨のうち、汚れ硬貨、局所損傷硬貨および全体損傷硬貨の少なくともいずれか一つに当てはまる硬貨は、識別要因が画像汚損の画像汚損真硬貨と判定する。また、反射光量検出センサ35・35で汚損硬貨と判定された真硬貨については、汚れ硬貨、局所損傷硬貨および全体損傷硬貨の少なくともいずれにも当てはまらなくても、識別要因が反射汚損の反射汚損真硬貨と判定する。また、真硬貨のうち、画像汚損真硬貨および反射汚損真硬貨のいずれにも当てはまらない硬貨を正常硬貨と判定する。正常硬貨以外の硬貨を、すべて異常硬貨とする。
第1通路部21の上側画像検出部33より下流側には、第1通路部21上の硬貨に下流側から当接してこれを停止させるストッパ部材36a,36bが第1通路部21を挟んで両側に設けられている。これらストッパ部材36a,36bは、図示略のロータリソレノイドを含む図2に示すストッパ駆動部203で所定角度正逆回転させられるものである。
これらストッパ部材36a,36bは、第一にバッチ取り時の計数用のストッパとして機能することになり、その際に、必要金種の硬貨が所定のバッチ取り枚数に達すると、制御装置200の制御により、双方同時に第1通路部21内に突出し第1通路部21で搬送される所定枚数を超える硬貨の通過を阻止する。また、これらストッパ36a,36bは、第二に、ジャム等の異常発生時の停止用のストッパとして機能することになり、異常発生時に、制御装置200の制御により、双方同時に第1通路部21内に突出し硬貨に当接してそれ以降の硬貨の通過を阻止する。なお、計数用のストッパとして機能する場合、これらストッパ部材36a,36bを作動させた後に、制御装置200が硬貨搬送部26で搬送ベルト27A〜27Dを逆回転させることになり、その結果、ストッパ部材36a,36bよりも上流側にあった硬貨をすべて回転円盤14に戻す。
さらに、第2通路部22におけるストッパ部材36a,36bの上流側の直前位置には、これらストッパ部材36a,36bを駆動するストッパ駆動部203の作動タイミングを計るための硬貨検知センサ37aおよび硬貨の停止を確認するための硬貨検知センサ37bが設けられている。すなわち、制御装置200は、硬貨検知センサ37aで目的とする硬貨が検出されるタイミングに基づいてストッパ駆動部203を駆動してストッパ部材36a,36bを第1通路部21に突出させることになり、その結果、ストッパ部材36a,36bが、この目的とする硬貨に当接してこれを停止させることになる。その後、硬貨検知センサ37bで硬貨が検出されると、目的とする硬貨が停止したことを検出する。
第2通路部22の第3通路部23側には、第2通路部22から硬貨を排出可能な第1選別部40が設けられている。この第1選別部40は、第2通路部22の通路面に形成された選別孔41と、この選別孔41の硬貨搬送方向における下流側の端部位置に設けられた図3に示す回動軸42を中心に回動可能に設けられた選別ガイド部材43と、選別ガイド部材43を所定角度正逆回転させる図示略のロータリソレノイドを含む図2に示す選別駆動部204とを有している。選別ガイド部材43は、第2通路部22から上方へ突出して選別孔41を開放する開状態と、第2通路部22内に引込んで選別孔41を閉塞する閉状態とに回動する。
制御装置200は、通常、選別ガイド部材43を第2通路部22に引込めた閉状態を待機状態としており、この待機状態では、第1選別部40を通過しようとする硬貨が、選別ガイド部材43上を移動して選別孔41への落下が回避され、この選別孔41を通過してさらに第2通路部22において下流側に移動するようになっている。他方、制御装置200が選別駆動部204を駆動して選別ガイド部材43を第2通路部22上に突出させる開状態では、第1選別部40を通過しようとする硬貨が、選別ガイド部材43に案内されて選別孔41内に引きこまれ、選別孔41に落下するようになっている。
図1に示すように、第2通路部22における選別孔41の上流側の直前位置には、選別ガイド部材43を駆動するタイミングを計るとともに硬貨を計数するための硬貨検知センサ44a,44bが設けられており、選別孔41の下流側となる直後位置にも、硬貨検知センサ44c,44dが設けられている。すなわち、制御装置200は、上流側の硬貨検知センサ44a,44bで目的とする硬貨が検出されるタイミングに基づいて選別駆動部204により選別ガイド部材43を第2通路部22上に所定時間だけ突出させると、この目的とする硬貨のみを選別孔41に落下させることになる。また、制御装置200は、硬貨検知センサ44a,44bで硬貨が検出されるとこの硬貨を計数する。なお、下流側の硬貨検知センサ44c,44dは、選別孔41への硬貨の落下を確認するためのものであり、制御装置200は、上流側の硬貨検知センサ44a,44bで硬貨が検出され、下流側の硬貨検知センサ44c,44dでこの硬貨が検出されなければ、硬貨検知センサ44a,44bで計数した硬貨が選別孔41に落下したと判定し、硬貨検知センサ44a,44bで硬貨が検出され、下流側の硬貨検知センサ44c,44dでこの硬貨が検出されれば、硬貨検知センサ44a,44bで計数した硬貨が選別孔41を落下せず通過したと判定する。
第1選別部40の下側には、図3に示すように、選別孔41から落下する硬貨を斜め下方に案内する袋取り用の計数シュート50が設けられている。この計数シュート50は、その下端に、硬貨の袋取り用の収容袋55が取り付けられる取付口51が設けられており、この取付口51に取り付けられた収容袋55に、選別孔41から落下する硬貨を収容する。
計数シュート50には、選別孔41の直下位置に、ゲート孔52が形成されており、このゲート孔52には、これを開閉するシュートゲート53が設けられている。このシュートゲート53は、図示略のロータリソレノイドを含む図2に示すゲート駆動部205の駆動で、ゲート孔52の下端側に設けられた回動軸54を中心に正逆回動するもので、ゲート孔52を閉塞する閉状態が待機状態とされ、この状態からゲート駆動部205が駆動されることで、ゲート孔52を開放するとともに計数シュート50のゲート孔52よりも選別孔41とは反対側を閉塞する開状態となる。よって、シュートゲート53が閉状態にあるとき、選別孔41から落下する硬貨がすべて取付口51に案内されることになり、シュートゲート53が閉状態にあるとき、選別孔41から落下する硬貨がすべてゲート孔52を通過するように落下する。
ゲート孔52の下側には、一時貯留庫60が設けられている。一時貯留庫60は、上下に開口する矩形枠状の囲壁部61と、囲壁部61の下部開口を閉塞する底板62とを有している。囲壁部61は、計数シュート50に近接する待機位置と計数シュート50から離間する移動位置との間で水平移動可能に設けられており、図示略のモータを含む図2に示す壁移動駆動部206の駆動で移動する。底板62も、計数シュート50に近接する待機位置と計数シュート50から離間する移動位置との間で水平移動可能に設けられており、図示略のモータを含む図2に示す底板移動駆動部207の駆動で移動する。
一時貯留庫60は、囲壁部61および底板62が共に待機位置にある待機状態においては、囲壁部61の下部開口を底板62で閉塞するとともに、ゲート孔52から落下する硬貨を囲壁部61内で底板62上に貯留させることになる。この待機状態から、底板62のみを移動位置に移動させると、待機位置にある囲壁部61の下部開口が開いてこの待機位置で硬貨を落下させることになる。また、待機状態から、囲壁部61のみを移動位置に移動させると、移動位置に位置する囲壁部61の下部開口が開いてこの移動位置で硬貨を落下させることになる。
待機位置にある一時貯留庫60の下側には、底板62の移動による開放で落下する硬貨を受け取って案内する箱取り用の排出シュート63が設けられており、移動位置にある囲壁部61の下側には、囲壁部61の移動位置への移動で落下する硬貨を受け取って収容する返却箱64が設けられている。返却箱64は、硬貨処理機11の機体に対して着脱可能となっている。箱取り用の排出シュート63は、機体に対して着脱可能な収容箱65に硬貨を案内する。
図1に示すように、第3通路部23の第2通路部22側には、第3通路部23から硬貨を排除可能な第2選別部70が設けられている。この第2選別部70は、第3通路部23の通路面に形成された選別孔71と、選別孔71の硬貨搬送方向における下流側の端部位置に設けられた図4に示す回動軸72を中心に回動可能に設けられた選別ガイド部材73と、選別ガイド部材73を所定角度正逆回転させる図示略のロータリソレノイドを含む図2に示す選別駆動部208とを有している。選別ガイド部材73は、第3通路部23から上方へ突出して選別孔71を開放する開状態と、第3通路部23内に引込んで選別孔71を閉塞する閉状態とに回動する。
制御装置200は、通常、選別ガイド部材73を第3通路部23に引込めた閉状態を待機状態としており、この待機状態では、第2選別部70を通過しようとする硬貨が、選別ガイド部材73上を移動して選別孔71への落下が回避され、この選別孔71を通過してさらに第3通路部23において下流側に移動するようになっている。他方、制御装置200が選別駆動部208を駆動して選別ガイド部材73を第3通路部23上に突出させる開状態では、第2選別部70を通過しようとする硬貨が、選別ガイド部材73に案内されて選別孔71内に引きこまれ、選別孔71に落下するようになっている。
図1に示すように、第3通路部23における選別孔71の上流側の直前位置には、選別ガイド部材73を駆動するタイミングを計るとともに硬貨を計数するための硬貨検知センサ74a,74bが設けられており、選別孔71の下流側となる直後位置にも、硬貨検知センサ74c,74dが設けられている。すなわち、制御装置200は、上流側の硬貨検知センサ74a,74bで目的とする硬貨が検出されるタイミングに基づいて選別駆動部208により選別ガイド部材73を第3通路部23上に所定時間だけ突出させると、この目的とする硬貨のみを選別孔71に落下させることになる。また、制御装置200は、硬貨検知センサ74a,74bで硬貨が検出されるとこの硬貨を計数する。なお、下流側の硬貨検知センサ74c,74dは、選別孔71への硬貨の落下を確認するためのものであり、制御装置200は、上流側の硬貨検知センサ74a,74bで硬貨が検出され、下流側の硬貨検知センサ74c,74dでこの硬貨が検出されなければ、硬貨検知センサ74a,74bで計数した硬貨が選別孔71に落下したと判定し、硬貨検知センサ74a,74bで硬貨が検出され、下流側の硬貨検知センサ74c,74dでこの硬貨が検出されれば、硬貨検知センサ74a,74bで計数した硬貨が選別孔71を落下せず通過したと判定する。
第2選別部70の下側には、図4に示すように、選別孔71から落下する硬貨を斜め下方に案内するシュート75が設けられている。このシュート75は、選別孔71から落下する硬貨を、シュート75の下側に配置される受箱76に案内する。受箱76は、硬貨処理機11の機体に対し着脱自在となっている。
第3通路部23における第2選別部70よりも下流側には、第3通路部23から硬貨を排除可能な第3選別部80が設けられている。この第3選別部80は、第3通路部23の通路面に形成された選別孔81と、選別孔81の硬貨搬送方向における下流側の端部位置に設けられた回動軸82を中心に回動可能に設けられた選別ガイド部材83と、選別ガイド部材83を所定角度正逆回転させる図示略のロータリソレノイドを含む図2に示す選別駆動部209とを有している。選別ガイド部材83は、第3通路部23から上方へ突出して選別孔81を開放する開状態と、第3通路部23内に引込んで選別孔81を閉塞する閉状態とに回動する。
制御装置200は、通常、選別ガイド部材83を第3通路部23内に引込めた閉状態を待機状態としており、この待機状態では、第3選別部80を通過しようとする硬貨が、選別ガイド部材83上を移動して選別孔81への落下が回避され、この選別孔81を通過してさらに第3通路部23において下流側に移動するようになっている。他方、制御装置200が選別駆動部209を駆動して選別ガイド部材83を第3通路部23上に突出させる開状態では、第3選別部80を通過しようとする硬貨が、選別ガイド部材83に案内されて選別孔81内に引きこまれ、選別孔81に落下するようになっている。
図1に示すように、第3通路部23における選別孔81の上流側の直前位置には、選別ガイド部材83を駆動するタイミングを計るとともに硬貨を計数するための硬貨検知センサ84a,84bが設けられており、選別孔81の下流側となる直後位置にも、硬貨検知センサ84c,84dが設けられている。すなわち、制御装置200は、上流側の硬貨検知センサ84a,84bで目的とする硬貨が検出されるタイミングに基づいて選別駆動部209により選別ガイド部材83を第3通路部23上に所定時間だけ突出させると、この目的とする硬貨のみを選別孔81に落下させることになる。また、制御装置200は、硬貨検知センサ84a,84bで硬貨が検出されるとこの硬貨を計数する。なお、下流側の硬貨検知センサ84c,84dは、選別孔81への硬貨の落下を確認するためのものであり、制御装置200は、上流側の硬貨検知センサ84a,84bで硬貨が検出され、下流側の硬貨検知センサ84c,84dでこの硬貨が検出されなければ、硬貨検知センサ84a,84bで計数した硬貨が選別孔81に落下したと判定し、硬貨検知センサ84a,84bで硬貨が検出され、下流側の硬貨検知センサ84c,84dでこの硬貨が検出されれば、硬貨検知センサ84a,84bで計数した硬貨が選別孔81を落下せず通過したと判定する。
第3選別部80の下側には、図4に示すように、選別孔81から落下する硬貨を斜め下方に案内するシュート85が設けられている。このシュート85は、選別孔81から落下する硬貨を、シュート85の下側に配置される受箱86に案内する。受箱86は、硬貨処理機11の機体に対し着脱自在となっている。
第3通路部23における第3選別部80よりも下流側には、第3通路部23から硬貨を排除可能な第4選別部90が設けられている。この第4選別部90は、第3通路部23の通路面に形成された選別孔91と、選別孔91の硬貨搬送方向における下流側の端部位置に設けられた回動軸92を中心に回動可能に設けられた選別ガイド部材93と、選別ガイド部材93を所定角度正逆回転させる図示略のロータリソレノイドを含む図2に示す選別駆動部210とを有している。選別ガイド部材93は、第3通路部23から上方へ突出して選別孔91を開放する開状態と、第3通路部23内に引込んで選別孔91を閉塞する閉状態とに回動する。
制御装置200は、通常、選別ガイド部材93を第3通路部23内に引込めた閉状態を待機状態としており、この待機状態では、第4選別部90を通過しようとする硬貨が、選別ガイド部材93上を移動して選別孔91への落下が回避され、この選別孔91を通過してさらに第3通路部23において下流側に移動するようになっている。他方、制御装置200が選別駆動部210を駆動して選別ガイド部材93を第3通路部23上に突出させる開状態では、第4選別部90を通過しようとする硬貨が、選別ガイド部材93に案内されて選別孔91内に引きこまれ、選別孔91に落下するようになっている。
図1に示すように、第3通路部23における選別孔91の上流側の直前位置には、選別ガイド部材93を駆動するタイミングを計るとともに硬貨を計数するための硬貨検知センサ94a,94bが設けられており、選別孔91の下流側となる直後位置にも、硬貨検知センサ94c,94dが設けられている。すなわち、制御装置200は、上流側の硬貨検知センサ94a,94bで目的とする硬貨が検出されるタイミングに基づいて選別駆動部210により選別ガイド部材93を第3通路部23上に所定時間だけ突出させると、この目的とする硬貨のみを選別孔91に落下させることになる。また、制御装置200は、硬貨検知センサ94a,94bで硬貨が検出されるとこの硬貨を計数する。なお、下流側の硬貨検知センサ94c,94dは、選別孔91への硬貨の落下を確認するためのものであり、制御装置200は、上流側の硬貨検知センサ94a,94bで硬貨が検出され、下流側の硬貨検知センサ94c,94dでこの硬貨が検出されなければ、硬貨検知センサ94a,94bで計数した硬貨が選別孔91に落下したと判定し、硬貨検知センサ94a,94bで硬貨が検出され、下流側の硬貨検知センサ94c,94dでこの硬貨が検出されれば、硬貨検知センサ94a,94bで計数した硬貨が選別孔91を落下せず通過したと判定する。
第4選別部90の下側には、図4に示すように、選別孔91から落下する硬貨を下方に案内するシュート95が設けられている。このシュート95は、選別孔91から落下する硬貨を、シュート95の下側に配置される受箱96に案内する。受箱96は、硬貨処理機11の機体に対し着脱自在となっている。
第3通路部23における第4選別部90よりも下流側には、第3通路部23から硬貨を排出可能な第5選別部100が設けられている。この第5選別部100は、第3通路部23の通路面に形成された選別孔101と、選別孔101を覆うように配置されて選別孔101に硬貨を引き込むガイド102とを有しており、第4選別部90で第3通路部23から排除されなかった硬貨をすべて第3通路部23から排出する。図1に示すように、第3通路部23における選別孔101の上流側の直前位置には、選別孔101からの硬貨の落下を確認する硬貨検知センサ103a,103bが設けられている。
第5選別部の下側には、図4に示すように、選別孔101から落下する硬貨を斜め下方に案内するシュート104が設けられている。このシュート104は、選別孔101から落下する硬貨を、シュート104の下側に配置された受箱105に案内する。受箱105は、硬貨処理機11の機体に対し着脱自在となっている。
さらに、本実施形態の硬貨処理機11は、操作者により操作入力が行われるキーボードを含む図2に示す操作部(モード設定手段,識別要因設定手段)215と、操作者に向けて表示を行う液晶画面を含む表示部216とを備えている。
硬貨処理機11は、操作部215への操作入力で選択設定される複数の動作モードでの硬貨処理が可能となっている。以下、各動作モード別に説明する。
「識別モード」
識別モードは、供給円盤13に投入された、予め設定された一の特定国の取り扱い可能な複数金種の硬貨を識別計数し、正常硬貨であって識別モードの実行の都度任意に設定される一の設定金種の硬貨を計数シュート50から袋取り、または、排出シュート63から箱取りする処理を行う動作モードである。
識別モードにおける処理および硬貨の振分設定は、以下の通りである。
(1)操作部215への操作入力で、一の設定金種が設定され、計数シュート50での袋取りの全数処理が選択された場合。
制御装置200は、識別モードでの全数処理開始にあたって、供給駆動部201および搬送駆動部202を駆動することになり、これにより、供給円盤13および回転円盤14が回転し、硬貨搬送部26の搬送ベルト27A〜27Iが回転する。これにより、供給円盤13の硬貨が回転円盤14に移載されるとともに、回転円盤14から硬貨が一枚ずつ硬貨通路15に繰り出され、硬貨通路15上で一列状に搬送される。
そして、制御装置200は、識別モードでの全数処理中、識別部34の識別結果から、正常硬貨であって、前記一の設定金種の硬貨と識別されたものを、第1選別部40で硬貨通路15から排出し、計数シュート50を介して収容袋55に収容する。その際に硬貨検知センサ44a〜44dの計数の正常・異常に基づいて第1選別部40による選別の正常・異常を確認することになる。
また、制御装置200は、識別モードでの全数処理中、識別部34のうちの材質検出センサ30の検出結果から異材質偽硬貨と識別された異常硬貨、および外径検出センサ31の検出結果から異径偽硬貨と識別された異常硬貨を、第2選別部70で硬貨通路15から排除し、シュート75を介して受箱76に収容する。その際に硬貨検知センサ74a〜74dの計数の正常・異常に基づいて第2選別部70による選別の正常・異常を確認することになる。なお、識別モードにおいて、前記一の特定国以外の国の硬貨が混入していた場合、この硬貨が異材質であれば異材質偽硬貨と識別され、同材質で異径であれば異径偽硬貨と識別されて、第2選別部70で硬貨通路15から排除される。
また、制御装置200は、識別モードでの全数処理中、識別部34のうちの下側画像検出部32の検出結果から異画像偽硬貨と識別された異常硬貨、および上側画像検出部33の検出結果から異画像偽硬貨と識別された異常硬貨を、第3選別部80で硬貨通路15から排除し、シュート85を介して受箱86に収容する。その際に硬貨検知センサ84a〜84dの計数の正常・異常に基づいて第3選別部80による選別の正常・異常を確認することになる。なお、識別モードにおいて、前記一の特定国以外の国の硬貨が混入していた場合、この硬貨が同材質・同径で異画像であれば異画像偽硬貨と識別されて、第3選別部80で硬貨通路15から排除される。
また、制御装置200は、識別モードでの全数処理中、識別部34のうちの反射光量検出センサ35・35の検出結果から反射汚損真硬貨と識別された異常硬貨、下側画像検出部32の検出結果から画像汚損真硬貨と識別された異常硬貨、および上側画像検出部33の検出結果から画像汚損真硬貨と識別された異常硬貨を、第4選別部90で硬貨通路15から排除し、シュート95を介して受箱96に収容する。その際に硬貨検知センサ94a〜94dの計数の正常・異常に基づいて第4選別部90による選別の正常・異常を確認することになる。
また、制御装置200は、識別モードでの全数処理中、正常硬貨であって、前記一の設定金種の硬貨以外の硬貨(前記一の特定国の全金種の硬貨のうち前記一の設定金種の硬貨以外の硬貨)を、第5選別部100で硬貨通路15から排出し、シュート104を介して受箱105に収容する。その際に硬貨検知センサ103a,103dの計数の正常・異常に基づいて第5選別部100による選別の正常・異常を確認することになる。
そして、供給円盤13に投入されたすべての硬貨について、計数異常がなく、収容袋55および受箱76,86,96,105のうちのいずれか対応するものへの収容が完了すると、制御装置200は、供給駆動部201および搬送駆動部202を停止させるとともに、識別モードでの全数処理が正常に終了した旨と、これら収容袋55および受箱76,86,96,105の各別の収容数と、これら収容袋55および受箱76,86,96,105の各別の収容硬貨の種別(収容袋55の硬貨が正常硬貨であって前記一の設定金種の硬貨であり、受箱76の硬貨が異常硬貨であって異材質偽硬貨または異径偽硬貨であり、受箱86の硬貨が異常硬貨であって異画像偽硬貨であり、受箱96の硬貨が異常硬貨であって反射汚損真硬貨または画像汚損真硬貨であり、受箱105の硬貨が正常硬貨であって前記一の設定金種以外の硬貨である旨)とを、日時データ等と関連付けて記憶するとともに表示部216に表示させて、識別モードでの全数処理を終了する。なお、制御装置200は、上記のように異常硬貨があっても、計数異常等がなければ、識別モードでの全数処理開始後、終了まで、ストッパ駆動部203を駆動することはなく、ストッパ部材36a,36bを硬貨通路15に突出させることはない。
他方、識別モードでの全数処理中、識別部34で計数異常を検出した場合、硬貨検知センサ44a〜44dの計数異常から第1選別部40の選別異常を検出した場合、硬貨検知センサ74a〜74dの計数異常から第2選別部70の選別異常を検出した場合、硬貨検知センサ84a〜84dの計数異常から第3選別部80の選別異常を検出した場合、硬貨検知センサ94a〜94dの計数異常から第4選別部90の選別異常を検出した場合、および硬貨検知センサ103a,103bの計数異常から第5選別部100の選別異常を検出した場合のそれぞれについて、検出時点で、制御装置200は、供給駆動部201を停止させて供給円盤13および回転円盤14からの硬貨の繰り出しを停止させる。それとともに、制御装置200は、ストッパ駆動部203を駆動しストッパ部材36a,36bを突出させて、ストッパ部材36a,36bよりも上流側の硬貨を停止させるとともに、ストッパ部材36a,36bと第1選別部40との間の硬貨を、第1選別部40で硬貨通路15から排出し、計数シュート50を介して収容袋55に収容する。加えて、制御装置200は、第1選別部40よりも下流側の硬貨をそれぞれ、第2選別部70、第3選別部80、第4選別部90および第5選別部100の選別予定のもので選別させる。硬貨通路15上のストッパ部材36a,36bよりも下流側の硬貨がなくなると、制御装置200は、供給駆動部201および搬送駆動部202を逆転させて、回転円盤14とストッパ部材36a,36bとの間の硬貨を回転円盤14に戻す。そして、制御装置200は、表示部216に、計数異常が発生した旨と、収容袋55および受箱76,86,96,105の各別の収容硬貨の有無と、再度識別モードで処理を促す旨とを表示させる。これを見て、操作者は、収容硬貨を収容袋55および受箱76,86,96,105の対応するものから取り出し、不要なものを取り除いた後、供給円盤13に投入して、再度、識別モードで処理を実行させる。
(2)操作部215への操作入力で、一の設定金種が設定され、計数シュート50での箱取りのバッチ処理が選択され、バッチ取り枚数が設定された場合。
制御装置200は、識別モードでのバッチ処理開始にあたって、ゲート駆動部205を駆動してシュートゲート53を開状態とする。それとともに、供給駆動部201および搬送駆動部202を駆動することになり、これにより、供給円盤13および回転円盤14が回転し、 硬貨搬送部26の搬送ベルト27A〜27Iが回転する。これにより、供給円盤13の硬貨が回転円盤14に移載されるとともに、回転円盤14から硬貨が一枚ずつ硬貨通路15に繰り出され、硬貨通路15上で一列状に搬送される。
そして、制御装置200は、識別モードでのバッチ処理中、識別部34の識別結果から、正常硬貨であって、前記一の設定金種の硬貨と識別されたものを、設定されたバッチ取り枚数だけ、第1選別部40で硬貨通路15から排出し、開状態のシュートゲート53で、計数シュート50から一時貯留庫60に貯留する。その際に硬貨検知センサ44a〜44dの計数の正常・異常に基づいて第1選別部40による選別の正常・異常を確認することになる。
また、制御装置200は、識別モードでのバッチ処理中、識別部34のうちの材質検出センサ30の検出結果から異材質偽硬貨と識別された異常硬貨、および外径検出センサ31の検出結果から異径偽硬貨と識別された異常硬貨を、第2選別部70で硬貨通路15から排除し、シュート75を介して受箱76に収容する。その際に硬貨検知センサ74a〜74dの計数の正常・異常に基づいて第2選別部70による選別の正常・異常を確認することになる。なお、識別モードにおいて、前記一の特定国以外の国の硬貨が混入していた場合、この硬貨が異材質であれば異材質偽硬貨と識別され、同材質で異径であれば異径偽硬貨と識別されて、第2選別部70で硬貨通路15から排除される。
また、制御装置200は、識別モードでのバッチ処理中、識別部34のうちの下側画像検出部32の検出結果から異画像偽硬貨と識別された異常硬貨、および上側画像検出部33の検出結果から異画像偽硬貨と識別された異常硬貨を、第3選別部80で硬貨通路15から排除し、シュート85を介して受箱86に収容する。その際に硬貨検知センサ84a〜84dの計数の正常・異常に基づいて第3選別部80による選別の正常・異常を確認することになる。なお、識別モードにおいて、前記一の特定国以外の国の硬貨が混入していた場合、この硬貨が同材質・同径で異画像であれば異画像偽硬貨と識別されて、第3選別部80で硬貨通路15から排除される。
また、制御装置200は、識別モードでのバッチ処理中、識別部34のうちの反射光量検出センサ35・35の検出結果から反射汚損真硬貨と識別された異常硬貨、下側画像検出部32の検出結果から画像汚損真硬貨と識別された異常硬貨、および上側画像検出部33の検出結果から画像汚損真硬貨と識別された異常硬貨を、第4選別部90で硬貨通路15から排除し、シュート95を介して受箱96に収容する。その際に硬貨検知センサ94a〜94dの計数の正常・異常に基づいて第4選別部90による選別の正常・異常を確認することになる。
また、制御装置200は、識別モードでのバッチ処理中、正常硬貨であって、前記一の設定金種の硬貨以外の硬貨(前記一の特定国の全金種の硬貨のうち前記一の設定金種の硬貨以外の硬貨)を、第5選別部100で硬貨通路15から排出し、シュート104を介して受箱105に収容する。その際に硬貨検知センサ103a,103dの計数の正常・異常に基づいて第5選別部100による選別の正常・異常を確認することになる。
そして、前記一の設定金種であって設定されたバッチ取り枚数の最後の硬貨が、硬貨検知センサ37a,37bでの検知に基づき、ストッパ部材36a,36bを通過したと判定できるタイミングで、制御装置200は、供給駆動部201を停止させて供給円盤13および回転円盤14からの硬貨の繰り出しを停止させるとともに、ストッパ駆動部203を駆動してストッパ部材36a,36bを突出させて、前記最後の硬貨よりも上流側の硬貨を停止させ、ストッパ部材36a,36bより下流側の硬貨を、一時貯留庫60および受箱76,86,96,105のうちのいずれか対応するものへ収容させる。硬貨通路15上のストッパ部材36a,36bよりも下流側の硬貨がなくなると、供給駆動部201および搬送駆動部202を逆転させて、回転円盤14とストッパ部材36a,36bとの間の硬貨を回転円盤14に戻す。
設定されたバッチ取り枚数だけ、前記一の設定金種の硬貨の一時貯留庫60への収容が、計数異常がなく完了し、識別モードでのバッチ処理中に生じた他の硬貨の受箱76,86,96,105のうちのいずれか対応するものへの収容が完了すると、制御装置200は、一時貯留庫60の硬貨を排出シュート63を介して収容箱65に収容するとともに、識別モードでのバッチ処理が正常に終了した旨と、これら収容箱65および受箱76,86,96,105の各別の収容数と、これら収容箱65および受箱76,86,96,105の各別の収容硬貨の種別(収容箱65の硬貨が正常硬貨であって前記一の設定金種の硬貨であり、受箱76の硬貨が異材質偽硬貨または異径偽硬貨であり、受箱86の硬貨が異常硬貨であって異画像偽硬貨であり、受箱96の硬貨が異常硬貨であって反射汚損真硬貨または画像汚損真硬貨であり、受箱105の硬貨が正常硬貨であって前記一の設定金種以外の硬貨である旨)とを、日時データ等と関連付けて記憶するとともに表示部216に表示させて、識別モードでのバッチ処理を終了する。なお、制御装置200は、上記のように異常硬貨があっても、計数異常等がなければ、識別モードでのバッチ処理開始後、バッチ取り枚数の最後の硬貨の次の硬貨を停止させるまでの間は、ストッパ駆動部203を駆動することはなく、ストッパ部材36a,36bを硬貨通路15に突出させることはない。
他方、識別モードでのバッチ処理中、識別部34で計数異常を検出した場合、硬貨検知センサ44a〜44dの計数異常から第1選別部40の選別異常を検出した場合、硬貨検知センサ74a〜74dの計数異常から第2選別部70の選別異常を検出した場合、硬貨検知センサ84a〜84dの計数異常から第3選別部80の選別異常を検出した場合、硬貨検知センサ94a〜94dの計数異常から第4選別部90の選別異常を検出した場合、および硬貨検知センサ103a,103bの計数異常から第5選別部100の選別異常を検出した場合のそれぞれについて、検出時点で、制御装置200は、供給駆動部201を停止させて供給円盤13および回転円盤14からの硬貨の繰り出しを停止させる。それとともに、制御装置200は、ストッパ駆動部203を駆動してストッパ部材36a,36bを突出させて、ストッパ部材36a,36bよりも上流側の硬貨を停止させるとともに、ストッパ部材36a,36bと第1選別部40との間の硬貨を、第1選別部40で硬貨通路15から排出し、計数シュート50を介して一時貯留部60に貯留するとともに、第1選別部40よりも下流側の硬貨をそれぞれ、第2選別部70、第3選別部80、第4選別部90および第5選別部100の選別予定のもので選別させる。硬貨通路15上のストッパ部材36a,36bよりも下流側の硬貨がなくなると、制御装置200は、一時貯留部60の硬貨を返却箱64に収容するとともに、供給駆動部201および搬送駆動部202を逆転させて、回転円盤14とストッパ部材36a,36bとの間の硬貨を回転円盤14に戻す。そして、表示部216に、計数異常が発生した旨と、返却箱64および受箱76,86,96,105の各別の収容硬貨の有無と、再度識別モードで処理を促す旨とを表示させる。これを見て、操作者は、収容硬貨を、返却箱64および受箱76,86,96,105の対応するものから取り出し、不要なものを取り除いた後、供給円盤13に投入して、再度、識別モードで処理を実行させる。
以上の識別モードでは、第1選別部40および第5選別部100の二つが、識別部34により正常と識別された正常硬貨を硬貨通路15から排出する排出手段を、第2選別部70、第3選別部80および第4選別部90の三つが、識別部34により異常と識別された異常硬貨を硬貨通路15から排除する排除手段を構成している。また、第1選別部40および第5選別部100のうちの一方である第1選別部40が正常硬貨であって特定金種の硬貨を排出する特定排出手段を構成し、他方である第5選別部100が正常硬貨であって前記特定金種の硬貨以外の硬貨を排出する非特定排出手段を構成している。加えて、第1選別部40に続く、正常硬貨であって前記特定金種の硬貨を袋取りするための計数シュート50、および、正常硬貨であって前記特定金種の硬貨を箱取りするための排出シュート63も非特定排出手段を構成している。そして、制御装置200は、異常硬貨を排除する場合に、異常硬貨の識別要因に応じて、第2選別部70、第3選別部80および第4選別部90の三つに振分排除する。
「計数モード」
計数モードは、供給円盤13に投入された、正常硬貨であって、予め設定された一の特定国の、計数モードの実行の都度任意に設定される一の設定金種の硬貨を、識別部34のうちの材質検出センサ30および外径検出センサ31の検出結果のみに基づいて識別し、計数シュート50から袋取り、または、排出シュート63から箱取りする処理を行う動作モードである。
計数モードにおける処理および硬貨の振分設定は、以下の通りである。
(1)操作部215への操作入力で、一の設定金種が設定され、計数シュート50での袋取りの全数処理が選択された場合。
制御装置200は、計数モードでの全数処理開始にあたって、供給駆動部201および搬送駆動部202を駆動することになり、これにより、供給円盤13および回転円盤14が回転し、 硬貨搬送部26の搬送ベルト27A〜27Iが回転する。これにより、供給円盤13の硬貨が回転円盤14に移載されるとともに、回転円盤14から硬貨が一枚ずつ硬貨通路15に繰り出され、硬貨通路15上で一列状に搬送される。
そして、制御装置200は、計数モードでの全数処理中、識別部34の識別結果から、正常硬貨であって、前記一の設定金種の硬貨と識別されたものを、第1選別部40で硬貨通路15から排出し、計数シュート50を介して収容袋55に収容する。その際に硬貨検知センサ44a〜44dの計数の正常・異常に基づいて第1選別部40による選別の正常・異常を確認することになる。
また、制御装置200は、計数モードでの全数処理中、識別部34のうちの材質検出センサ30の検出結果から異材質偽硬貨と識別された異常硬貨、および外径検出センサ31の検出結果から異径偽硬貨と識別された異常硬貨を、第2選別部70で硬貨通路15から排除し、シュート75を介して受箱76に収容する。その際に硬貨検知センサ74a〜74dの計数の正常・異常に基づいて第2選別部70による選別の正常・異常を確認することになる。なお、計数モードにおいて、前記一の設定金種以外の硬貨および前記一の特定国以外の国の硬貨が混入していた場合、この硬貨が異材質であれば異材質偽硬貨と識別され、同材質で異径であれば異径偽硬貨と識別されて、第2選別部70で硬貨通路15から排除される。
また、制御装置200は、計数モードでの全数処理中、識別部34のうちの反射光量検出センサ35・35の検出結果から反射汚損真硬貨と識別された異常硬貨を、第4選別部90で硬貨通路15から排除し、シュート95を介して受箱96に収容する。その際に硬貨検知センサ94a〜94dの計数の正常・異常に基づいて第4選別部90による選別の正常・異常を確認することになる。
そして、供給円盤13に投入されたすべての硬貨について、計数異常がなく、収容袋55および受箱76,96のうちのいずれか対応するものへの収容が完了すると、制御装置200は、供給駆動部201および搬送駆動部202を停止させるとともに、計数モードでの全数処理が正常に終了した旨と、これら収容袋55および受箱76,96の各別の収容数と、これら収容袋55および受箱76,96の各別の収容硬貨の種別(収容袋55の硬貨が正常硬貨であって前記一の設定金種の硬貨であり、受箱76の硬貨が異常硬貨であって異材質偽硬貨または異径偽硬貨であり、受箱96の硬貨が異常硬貨であって反射汚損真硬貨である旨)とを、日時データ等と関連付けて記憶するとともに表示部216に表示させて、計数モードでの全数処理を終了する。なお、制御装置200は、上記のように異常硬貨があっても、計数異常等がなければ、計数モードでの全数処理開始後、終了まで、ストッパ駆動部203を駆動することはなく、ストッパ部材36a,36bを硬貨通路15に突出させることはない。
他方、計数モードでの全数処理中、識別部34で計数異常を検出した場合、硬貨検知センサ44a〜44dの計数異常から第1選別部40の選別異常を検出した場合、硬貨検知センサ74a〜74dの計数異常から第2選別部70の選別異常を検出した場合、および硬貨検知センサ94a〜94dの計数異常から第4選別部90の選別異常を検出した場合のそれぞれについて、検出時点で、制御装置200は、供給駆動部201を停止させて供給円盤13および回転円盤14からの硬貨の繰り出しを停止させる。それとともに、制御装置200は、ストッパ駆動部203を駆動してストッパ部材36a,36bを突出させて、ストッパ部材36a,36bよりも上流側の硬貨を停止させるとともに、ストッパ部材36a,36bと第1選別部40との間の硬貨を、第1選別部40で硬貨通路15から排出し、計数シュート50を介して収容袋55に収容し、第1選別部40よりも下流側の硬貨をそれぞれ、第2選別部70および第4選別部90の選別予定のもので選別させる。硬貨通路15上のストッパ部材36a,36bよりも下流側の硬貨がなくなると、制御装置200は、供給駆動部201および搬送駆動部202を逆転させて、回転円盤14とストッパ部材36a,36bとの間の硬貨を回転円盤14に戻す。そして、制御装置200は、表示部216に、計数異常が発生した旨と、収容袋55および受箱76,96の各別の収納硬貨の有無と、再度計数モードで処理を促す旨とを表示させる。これを見て、操作者は、収容硬貨を収容袋55および受箱76,96の対応するものから取り出し、不要なものを取り除いた後、供給円盤13に投入して、再度、計数モードで処理を実行させる。
(2)操作部215への操作入力で、一の設定金種が設定され、計数シュート50での箱取りのバッチ処理が選択され、バッチ取り枚数が設定された場合。
制御装置200は、計数モードでのバッチ処理開始にあたって、ゲート駆動部205を駆動してシュートゲート53を開状態とする。それとともに、供給駆動部201および搬送駆動部202を駆動することになり、これにより、供給円盤13および回転円盤14が回転し、 硬貨搬送部26の搬送ベルト27A〜27Iが回転する。これにより、供給円盤13の硬貨が回転円盤14に移載されるとともに、回転円盤14から硬貨が一枚ずつ硬貨通路15に繰り出され、硬貨通路15上で一列状に搬送される。
そして、制御装置200は、計数モードでのバッチ処理中、識別部34の識別結果から、正常硬貨であって、前記一の設定金種の硬貨と識別されたものを、設定されたバッチ取り枚数だけ、第1選別部40で硬貨通路15から排出し、開状態のシュートゲート53で、計数シュート50から一時貯留庫60に貯留する。その際に硬貨検知センサ44a〜44dの計数の正常・異常に基づいて第1選別部40による選別の正常・異常を確認することになる。
また、制御装置200は、計数モードでのバッチ処理中、識別部34のうちの材質検出センサ30の検出結果から異材質偽硬貨と識別された異常硬貨、および外径検出センサ31の検出結果から異径偽硬貨と識別された異常硬貨を、第2選別部70で硬貨通路15から排除し、シュート75を介して受箱76に収容する。その際に硬貨検知センサ74a〜74dの計数の正常・異常に基づいて第2選別部70による選別の正常・異常を確認することになる。なお、計数モードにおいて、前記一の設定金種以外の硬貨および前記一の特定国以外の国の硬貨が混入していた場合、この硬貨が異材質であれば異材質偽硬貨と識別され、同材質で異径であれば異径偽硬貨と識別されて、第2選別部70で硬貨通路15から排除される。
また、制御装置200は、計数モードでのバッチ処理中、識別部34のうちの反射光量検出センサ35・35の検出結果から反射汚損真硬貨と識別された異常硬貨を、第4選別部90で硬貨通路15から排除し、シュート95を介して受箱96に収容する。その際に硬貨検知センサ94a〜94dの計数の正常・異常に基づいて第4選別部90による選別の正常・異常を確認することになる。
そして、前記一の設定金種であって設定されたバッチ取り枚数の最後の硬貨が、硬貨検知センサ37a,37bでの検知に基づき、ストッパ部材36a,36bを通過したと判定できるタイミングで、制御装置200は、供給駆動部201を停止させて供給円盤13および回転円盤14からの硬貨の繰り出しを停止させるとともに、ストッパ駆動部203を駆動してストッパ部材36a,36bを突出させて、前記最後の硬貨よりも上流側の硬貨を停止させ、ストッパ部材36a,36bより下流側の硬貨を、一時貯留庫60および受箱76,86,96,105のうちのいずれか対応するものへ収容させる。硬貨通路15上のストッパ部材36a,36bよりも下流側の硬貨がなくなると、制御装置200は、供給駆動部201および搬送駆動部202を逆転させて、回転円盤14とストッパ部材36a,36bとの間の硬貨を回転円盤14に戻す。
設定されたバッチ取り枚数だけ、前記一の設定金種の硬貨の一時貯留庫60への収容が、計数異常がなく完了し、計数モードでのバッチ処理中に生じた他の硬貨の受箱76,96のうちのいずれか対応するものへの収容が完了すると、制御装置200は、一時貯留庫60の硬貨を排出シュート63を介して収容箱65に収容するとともに、計数モードでの全数処理が正常に終了した旨と、これら収容箱65および受箱76,96の各別の収容数と、これら収容箱65および受箱76,96の各別の収容硬貨の種別(収容箱65の硬貨が正常硬貨であって前記一の設定金種の硬貨であり、受箱76の硬貨が異常硬貨であって異材質偽硬貨または異径偽硬貨であり、受箱96の硬貨が異常硬貨であって反射汚損真硬貨である旨)とを、日時データ等と関連付けて記憶するとともに表示部216に表示させて、計数モードでのバッチ処理を終了する。なお、制御装置200は、上記のように異常硬貨があっても、計数異常等がなければ、計数モードでのバッチ処理開始後、バッチ取り枚数の最後の硬貨の次の硬貨を停止させるまでの間は、ストッパ駆動部203を駆動することはなく、ストッパ部材36a,36bを硬貨通路15に突出させることはない。
他方、計数モードでのバッチ処理中、識別部34で計数異常を検出した場合、硬貨検知センサ44a〜44dの計数異常から第1選別部40の選別異常を検出した場合、硬貨検知センサ74a〜74dの計数異常から第2選別部70の選別異常を検出した場合、および硬貨検知センサ94a〜94dの計数異常から第4選別部90の選別異常を検出した場合のそれぞれについて、検出時点で、制御装置200は、供給駆動部201を停止させて供給円盤13および回転円盤14からの硬貨の繰り出しを停止させる。それとともに、制御装置200は、ストッパ駆動部203を駆動してストッパ部材36a,36bを突出させて、ストッパ部材36a,36bよりも上流側の硬貨を停止させるとともに、ストッパ部材36a,36bと第1選別部40との間の硬貨を、第1選別部40で硬貨通路15から排出し、計数シュート50を介して一時貯留庫60に収容し、第1選別部40よりも下流側の硬貨をそれぞれ、第2選別部70および第4選別部90の選別予定のもので選別させる。硬貨通路15上のストッパ部材36a,36bよりも下流側の硬貨がなくなると、制御装置200は、一時貯留部60の硬貨を返却箱64に収容するとともに、供給駆動部201および搬送駆動部202を逆転させて、回転円盤14とストッパ部材36a,36bとの間の硬貨を回転円盤14に戻す。そして、制御装置200は、表示部216に、計数異常が発生した旨と、返却箱64および受箱76,96の各別の収納硬貨の有無と、再度計数モードで処理を促す旨とを表示させる。これを見て、操作者は、収容硬貨を返却箱64および受箱76,96の対応するものから取り出し、不要なものを取り除いた後、供給円盤13に投入して、再度、計数モードで処理を実行させる。
以上の計数モードでは、一つの第1選別部40が、識別部34により正常と識別された正常硬貨を硬貨通路15から排出する排出手段を、第2選別部70および第4選別部90の二つが、識別部34により異常と識別された異常硬貨を硬貨通路15から排除する排除手段を構成している。そして、制御装置200は、異常硬貨を排除する場合に、異常硬貨の識別要因に応じて、第2選別部70および第4選別部90の二つに振分排除する。
「国選別モード」
国選別モードは、供給円盤13に投入された、取り扱い可能な複数国の一の金種の硬貨を識別計数し、正常硬貨であって、国選別モードの実行の都度任意に設定される一の特定国の一の設定金種の硬貨を、計数シュート50から袋取り、または、排出シュート63から箱取りする処理を行う動作モードである。
国選別モードにおける処理および硬貨の振分設定は、以下の通りである。
(1)操作部215への操作入力で、一の特定国の一の設定金種が選択され、計数シュート50での袋取りの全数処理が選択された場合。
制御装置200は、国識別モードでの全数処理開始にあたって、供給駆動部201および搬送駆動部202を駆動することになり、これにより、供給円盤13および回転円盤14が回転し、 硬貨搬送部26の搬送ベルト27A〜27Iが回転する。これにより、供給円盤13の硬貨が回転円盤14に移載されるとともに、回転円盤14から硬貨が一枚ずつ硬貨通路15に繰り出され、硬貨通路15上で一列状に搬送される。
そして、制御装置200は、国選別モードでの全数処理中、識別部34の識別結果から、正常硬貨であって、前記一の特定国の前記一の設定金種の硬貨と識別されたものを、第1選別部40で硬貨通路15から排出し、計数シュート50を介して収容袋55に収容する。その際に硬貨検知センサ44a〜44dの計数の正常・異常に基づいて第1選別部40による選別の正常・異常を確認することになる。
また、制御装置200は、国選別モードでの全数処理中、識別部34のうちの材質検出センサ30の検出結果から異材質偽硬貨と識別された異常硬貨、および外径検出センサ31の検出結果から異径偽硬貨と識別された異常硬貨を、第2選別部70で硬貨通路15から排除し、シュート75を介して受箱76に収容する。その際に硬貨検知センサ74a〜74dの計数の正常・異常に基づいて第2選別部70による選別の正常・異常を確認することになる。
また、制御装置200は、国選別モードでの全数処理中、識別部34のうちの下側画像検出部32の検出結果から異画像偽硬貨と識別された異常硬貨、上側画像検出部33の検出結果から異画像偽硬貨と識別された異常硬貨、反射光量検出センサ35・35の検出結果から反射汚損真硬貨と識別された異常硬貨、下側画像検出部32の検出結果から画像汚損真硬貨と識別された異常硬貨、および上側画像検出部33の検出結果から画像汚損真硬貨と識別された異常硬貨を、第3選別部80で硬貨通路15から排除し、シュート85を介して受箱86に収容する。その際に硬貨検知センサ84a〜84dの計数の正常・異常に基づいて第3選別部80による選別の正常・異常を確認することになる。
また、制御装置200は、国選別モードでの全数処理中、正常硬貨であって、取り扱い可能な複数国のうち前記一の特定国以外の全金種の硬貨を、第4選別部90で硬貨通路15から排出し、シュート95を介して受箱96に収容する。その際に硬貨検知センサ94a〜94dの計数の正常・異常に基づいて第4選別部90による選別の正常・異常を確認することになる。
また、制御装置200は、国選別モードでの全数処理中、正常硬貨であって、取り扱い可能な複数国のうち前記一の特定国の硬貨であって、前記一の設定金種以外の硬貨を、第5選別部100で硬貨通路15から排出し、シュート104を介して受箱105に収容する。その際に硬貨検知センサ103a,103dの計数の正常・異常に基づいて第5選別部100による選別の正常・異常を確認することになる。
そして、供給円盤13に投入されたすべての硬貨について、計数異常がなく、収容袋55および受箱76,86,96,105のうちのいずれか対応するものへの収容が完了すると、制御装置200は、供給駆動部201および搬送駆動部202を停止させるとともに、国選別モードでの全数処理が正常に終了した旨と、これら収容袋55および受箱76,86,96,105の各別の収容数と、これら収容袋55および受箱76,86,96,105の各別の収容硬貨の種別(収容袋55の硬貨が正常硬貨であって前記一の特定国の前記一の設定金種の硬貨であり、受箱76の硬貨が異常硬貨であって異材質偽硬貨または異径偽硬貨であり、受箱86の硬貨が異常硬貨であって異画像偽硬貨、反射汚損真硬貨または画像汚損真硬貨であり、受箱96の硬貨が正常硬貨であって前記一の特定国以外の硬貨であり、受箱105の硬貨が正常硬貨であって前記一の特定国の硬貨であって前記一の設定金種以外の硬貨である旨)とを、日時データ等と関連付けて記憶するとともに表示部216に表示させて、国選別モードでの全数処理を終了する。なお、制御装置200は、上記のように異常硬貨があっても、計数異常等がなければ、国選別モードでの全数処理開始後、終了まで、ストッパ駆動部203を駆動することはなく、ストッパ部材36a,36bを硬貨通路15に突出させることはない。
他方、国選別モードでの全数処理中、識別部34で計数異常を検出した場合、硬貨検知センサ44a〜44dの計数異常から第1選別部40の選別異常を検出した場合、硬貨検知センサ74a〜74dの計数異常から第2選別部70の選別異常を検出した場合、硬貨検知センサ84a〜84dの計数異常から第3選別部80の選別異常を検出した場合、硬貨検知センサ94a〜94dの計数異常から第4選別部90の選別異常を検出した場合、および硬貨検知センサ103a,103bの計数異常から第5選別部100の選別異常を検出した場合のそれぞれについて、検出時点で、制御装置200は、供給駆動部201を停止させて供給円盤13および回転円盤14からの硬貨の繰り出しを停止させる。それとともに、制御装置200は、ストッパ駆動部203を駆動してストッパ部材36a,36bを突出させて、ストッパ部材36a,36bよりも上流側の硬貨を停止させるとともに、ストッパ部材36a,36bと第1選別部40との間の硬貨を、第1選別部40で硬貨通路15から排出し、計数シュート50を介して収容袋55に収容して、第1選別部40よりも下流側の硬貨をそれぞれ、第2選別部70、第3選別部80、第4選別部90および第5選別部100の選別予定のもので選別させる。硬貨通路15上のストッパ部材36a,36bよりも下流側の硬貨がなくなると、制御装置200は、供給駆動部201および搬送駆動部202を逆転させて、回転円盤14とストッパ部材36a,36bとの間の硬貨を回転円盤14に戻す。そして、表示部216に、計数異常が発生した旨と、収容袋55および受箱76,86,96,105の各別の収容硬貨の有無と、再度国選別モードで処理を促す旨とを表示させる。これを見て、操作者は、収容硬貨を収容袋55および受箱76,86,96,105の対応するものから取り出し、不要なものを取り除いた後、供給円盤13に投入して、再度、国選別モードで処理を実行させる。
(2)操作部215への操作入力で、一の特定国の一の設定金種が選択され、計数シュート50での箱取りのバッチ処理が選択され、バッチ取り枚数が設定された場合。
制御装置200は、国選別モードでのバッチ処理開始にあたって、ゲート駆動部205を駆動してシュートゲート53を開状態とする。それとともに、供給駆動部201および搬送駆動部202を駆動することになり、これにより、供給円盤13および回転円盤14が回転し、 硬貨搬送部26の搬送ベルト27A〜27Iが回転する。これにより、供給円盤13の硬貨が回転円盤14に移載されるとともに、回転円盤14から硬貨が一枚ずつ硬貨通路15に繰り出され、硬貨通路15上で一列状に搬送される。
そして、制御装置200は、国選別モードでのバッチ処理中、識別部34の識別結果から、正常硬貨であって、前記一の特定国の前記一の設定金種の硬貨と識別されたものを、設定されたバッチ取り枚数だけ、第1選別部40で硬貨通路15から排出し、開状態のシュートゲート53で、計数シュート50から一時貯留庫60に貯留する。その際に硬貨検知センサ44a〜44dの計数の正常・異常に基づいて第1選別部40による選別の正常・異常を確認することになる。
また、制御装置200は、国選別モードでのバッチ処理中、識別部34のうちの材質検出センサ30の検出結果から異材質偽硬貨と識別された異常硬貨、および外径検出センサ31の検出結果から異径偽硬貨と識別された異常硬貨を、第2選別部70で硬貨通路15から排除し、シュート75を介して受箱76に収容する。その際に硬貨検知センサ74a〜74dの計数の正常・異常に基づいて第2選別部70による選別の正常・異常を確認することになる。
また、制御装置200は、国選別モードでのバッチ処理中、識別部34のうちの下側画像検出部32の検出結果から異画像偽硬貨と識別された異常硬貨、および上側画像検出部33の検出結果から異画像偽硬貨と識別された異常硬貨、反射光量検出センサ35・35の検出結果から反射汚損真硬貨と識別された異常硬貨、下側画像検出部32の検出結果から画像汚損真硬貨と識別された異常硬貨、および上側画像検出部33の検出結果から画像汚損真硬貨と識別された異常硬貨を、第3選別部80で硬貨通路15から排除し、シュート85を介して受箱86に収容する。その際に硬貨検知センサ84a〜84dの計数の正常・異常に基づいて第3選別部80による選別の正常・異常を確認することになる。
また、制御装置200は、国選別モードでのバッチ処理中、正常硬貨であって、前記一の特定国以外の全金種の硬貨を、第4選別部90で硬貨通路15から排出し、シュート95を介して受箱96に収容する。その際に硬貨検知センサ94a〜94dの計数の正常・異常に基づいて第4選別部90による選別の正常・異常を確認することになる。
また、制御装置200は、国選別モードでのバッチ処理中、正常硬貨であって、前記一の特定国の硬貨であって、前記一の設定金種以外の硬貨を、第5選別部100で硬貨通路15から排出し、シュート104を介して受箱105に収容する。その際に硬貨検知センサ103a,103bの計数の正常・異常に基づいて第5選別部100による選別の正常・異常を確認することになる。
そして、前記一の特定国の前記一の設定金種であって設定されたバッチ取り枚数の最後の硬貨が、硬貨検知センサ37a,37bでの検知に基づき、ストッパ部材36a,36bを通過したと判定できるタイミングで、制御装置200は、供給駆動部201を停止させて供給円盤13および回転円盤14からの硬貨の繰り出しを停止させるとともに、ストッパ駆動部203を駆動してストッパ部材36a,36bを突出させて、前記最後の硬貨よりも上流側の硬貨を停止させ、ストッパ部材36a,36bより下流側の硬貨を、一時貯留庫60および受箱76,86,96,105のうちのいずれか対応するものへ収容させる。硬貨通路15上のストッパ部材36a,36bよりも下流側の硬貨がなくなると、供給駆動部201および搬送駆動部202を逆転させて、回転円盤14とストッパ部材36a,36bとの間の硬貨を回転円盤14に戻す。
設定されたバッチ取り枚数だけ、前記一の特定国の一の設定金種の硬貨の一時貯留庫60への収容が、計数異常がなく完了し、国選別モードのバッチ処理中に生じた他の硬貨の受箱76,86,96,105のうちのいずれか対応するものへの収容が完了すると、制御装置200は、一時貯留庫60の硬貨を排出シュート63を介して収容箱65に収容するとともに、国選別モードでの全数処理が正常に終了した旨と、これら収容箱65および受箱76,86,96,105の各別の収容数と、これら収容箱65および受箱76,86,96,105の各別の収容硬貨の種別(収容箱65の硬貨が正常硬貨であって前記一の特定国の前記一の設定金種の硬貨であり、受箱76の硬貨が異常硬貨であって異材質偽硬貨または異径偽硬貨であり、受箱86の硬貨が異常硬貨であって異画像偽硬貨、反射汚損真硬貨または画像汚損真硬貨であり、受箱96の硬貨が正常硬貨であって前記一の特定国以外の硬貨であり、受箱105の硬貨が正常硬貨であって前記一の特定国の前記一の設定金種以外の硬貨である旨)とを、日時データ等と関連付けて記憶するとともに表示部216に表示させて、国選別モードでのバッチ処理を終了する。なお、制御装置200は、上記のように異常硬貨があっても、計数異常等がなければ、国選別モードでのバッチ処理開始後、バッチ取り枚数の最後の硬貨の次の硬貨を停止させるまでの間は、ストッパ駆動部203を駆動することはなく、ストッパ部材36a,36bを硬貨通路15に突出させることはない。
他方、国選別モードでのバッチ処理中、識別部34で計数異常を検出した場合、硬貨検知センサ44a〜44dの計数異常から第1選別部40の選別異常を検出した場合、硬貨検知センサ74a〜74dの計数異常から第2選別部70の選別異常を検出した場合、硬貨検知センサ84a〜84dの計数異常から第3選別部80の選別異常を検出した場合、硬貨検知センサ94a〜94dの計数異常から第4選別部90の選別異常を検出した場合、および硬貨検知センサ103a,103bの計数異常から第5選別部100の選別異常を検出した場合のそれぞれについて、検出時点で、制御装置200は、供給駆動部201を停止させて供給円盤13および回転円盤14からの硬貨の繰り出しを停止させる。それとともに、制御装置200は、ストッパ駆動部203を駆動してストッパ部材36a,36bを突出させて、ストッパ部材36a,36bよりも上流側の硬貨を停止させるとともに、ストッパ部材36a,36bと第1選別部40との間の硬貨を、第1選別部40で硬貨通路15から排出し、計数シュート50を介して一時貯留庫60に収容するとともに、第1選別部40よりも下流側の硬貨をそれぞれ、第2選別部70、第2選別部80、第3選別部90、第4選別部90および第5選別部100の選別予定のもので選別させる。硬貨通路15上のストッパ部材36a,36bよりも下流側の硬貨がなくなると、制御装置200は、一時貯留部60の硬貨を返却箱64に収容するとともに、供給駆動部201および搬送駆動部202を逆転させて、回転円盤14とストッパ部材36a,36bとの間の硬貨を回転円盤14に戻す。そして、制御装置200は、表示部216に、計数異常が発生した旨と、返却箱64および受箱76,86,96,105の各別の収納硬貨の有無と、再度国識別モードで処理を促す旨とを表示させる。これを見て、操作者は、収容硬貨を返却箱64および受箱76,86,96,105の対応するものから取り出し、不要なものを取り除いた後、供給円盤13に投入して、再度、国識別モードで処理を実行させる。
以上の国選別モードでは、第1選別部40、第4選別部90および第5選別部100の三つが、識別部34により正常と識別された正常硬貨を硬貨通路15から排出する排出手段を、第2選別部70および第3選別部80の二つが、識別部34により異常と識別された異常硬貨を硬貨通路15から排除する排除手段を構成している。第1選別部40、第4選別部90および第5選別部100のうちの一つである第1選別部40が正常硬貨であって特定金種の硬貨を排出する特定排出手段を構成し、他の第5選別部100が正常硬貨であって前記特定金種の硬貨以外の硬貨を排出する非特定排出手段を構成している。加えて、第1選別部40に続く、正常硬貨であって前記特定金種の硬貨を袋取りするための計数シュート50、および、正常硬貨であって前記特定金種の硬貨を箱取りするための排出シュート63も非特定排出手段を構成している。そして、制御装置200は、異常硬貨を排除する場合に、異常硬貨の識別要因に応じて、第2選別部70および第3選別部80の二つに振分排除する。
以上のように、操作部215において、識別モード、計数モードおよび国選別モードの三つの動作モードが選択可能である。また、制御装置200は、操作部215により選択設定された動作モードに応じて、識別モードでは第2選別部70、第3選別部80および第4選別部90の三つに振分排除する異常硬貨の識別要因を選択設定し、第2選別部70、第3選別部80および第4選別部90毎に表示部216に異常硬貨の識別要因を表示させることになる。また、計数モードでは第2選別部70および第4選別部90の二つに振分排除する異常硬貨の識別要因を選択設定し、第2選別部70および第4選別部90毎に表示部216に異常硬貨の識別要因を表示させることになる。さらに、国選別モードでは第2選別部70および第3選別部80の二つに振分排除する異常硬貨の識別要因を選択設定し、第2選別部70および第3選別部80毎に表示部216に異常硬貨の識別要因を表示させることになる。
以上に述べた本実施形態の硬貨処理機によれば、識別モードでは、識別部34により異常と識別された異常硬貨を硬貨通路15から排除する、三つの第2選別部70、第3選別部80および第4選別部90を有しており、異常硬貨を排除する場合に、制御装置200が、異常硬貨の識別要因に応じて、第2選別部70、第3選別部80および第4選別部90の三つに振分排除することになる。よって、異常硬貨を識別要因に応じて別々の第2選別部70、第3選別部80および第4選別部90に振分排除することができる。また、計数モードでは、識別部34により異常と識別された異常硬貨を硬貨通路15から排除する、二つの第2選別部70および第4選別部90を有しており、異常硬貨を排除する場合に、制御装置200が、異常硬貨の識別要因に応じて、第2選別部70および第4選別部90の二つに振分排除することになる。よって、異常硬貨を識別要因に応じて別々の第2選別部70および第4選別部90に振分排除することができる。また、国選別モードでは、識別部34により異常と識別された異常硬貨を硬貨通路15から排除する、二つの第2選別部70および第3選別部80を有しており、異常硬貨を排除する場合に、制御装置200が、異常硬貨の識別要因に応じて、第2選別部70および第3選別部80の二つに振分排除することになる。よって、異常硬貨を識別要因に応じて別々の第2選別部70および第3選別部80に振分排除することができる。このような振分排除により、異常硬貨を停止させなくても、異常硬貨を特定しその識別要因を明らかにできる。したがって、仮に比較的多く異常硬貨を含んだ硬貨群を識別する場合であっても、異常硬貨を特定しその識別要因を明らかにでき、かつ、処理効率の低下を防止することができる。
また、識別モードおよび国選別モードでは、第1選別部40および第5選別部100のうちの一方である第1選別部40を、正常硬貨であって特定金種の硬貨を排出する特定排出手段とし、他方である第5選別部100を正常硬貨であって特定金種の硬貨以外の硬貨を排出する非特定排出手段とすることになるため、正常硬貨であって特定金種の硬貨と、正常硬貨であって特定金種の硬貨以外の硬貨とを分離して、排出することができる。
また、特定排出手段が、正常硬貨であって特定金種の硬貨を袋取りするための計数シュート50、および、正常硬貨であって特定金種の硬貨を箱取りするための排出シュート63を有するため、正常硬貨であって特定金種の硬貨を、袋取りおよび箱取りの選択された一方の状態で排出できる。
また、制御装置200は、操作部215により選択設定された動作モードに応じて、識別モードでは三つの第2選別部70、第3選別部80および第4選別部90に、計数モードでは二つの第2選別部70および第4選別部90に、国選別モードでは二つの第2選別部70および第3選別部80に、それぞれ振分排除する異常硬貨の識別要因を選択設定するため、モードが選択されることで、自動的に各振分排除の識別要因が決まることになる。
また、識別モードでは三つの第2選別部70、第3選別部80および第4選別部90毎に、計数モードでは二つの第2選別部70および第4選別部90毎に、国選別モードでは二つの第2選別部70および第3選別部80毎に、表示部216に、異常硬貨の識別要因を表示するため、選別部と異常硬貨の識別要因との対応関係を容易に認識させることができる。
なお、本実施形態の硬貨処理機においては、識別モードでは、第1選別部40、第5選別部100の二つによって、計数モードでは、一つの第1選別部40によって、国選別モードでは、第1選別部40、第4選別部90および第5選別部100の三つによって、識別部34により正常と識別された正常硬貨を硬貨通路15から排出するようにしたが、少なくとも一つあれば良く、四つ以上であっても良い。
また、識別モードでは、第2選別部70、第3選別部80および第4選別部90の三つによって、計数モードでは、第2選別部70および第4選別部90の二つによって、国選別モードでは、第2選別部70および第3選別部80の二つによって、識別部34により異常と識別された異常硬貨を硬貨通路15から排除するようにしたが、少なくとも二つあれば良く、四つ以上であっても良い。
また、袋取りするための計数シュート50および箱取りするための排出シュート63の選択された一方で、正常硬貨であって特定金種の硬貨を硬貨通路15から排出するようにしたが、計数シュート50および排出シュート63のいずれか一方のみを設けても良い。
また、操作部215において、識別モード、計数モードおよび国選別モードの三つの動作モードが選択可能として、選択設定された動作モードに応じて、振分排除する異常硬貨の識別要因を制御装置200が選択設定するようにしたが、少なくとも二つの動作モードを選択可能として、選択設定された動作モードに応じて、振分排除する異常硬貨の識別要因を制御装置200が選択設定するようにすれば良い。
また、操作部(識別要因設定手段)215において、第2選別部70、第3選別部80および第4選別部90等の排除手段毎に、振分排除する識別要因を選択設定可能としても良い。その場合、制御装置200が、操作部215によって一の排除手段に対する識別要因を選択設定する場合には、他の排除手段についてすでに選択設定されている識別要因と重複しないように制限するようにしても良い。このように構成すれば、排除手段毎に識別要因を任意に設定することができる。しかも、制御装置200は、操作部215によって一の排除手段に対する識別要因を選択設定する場合には、他の排除手段について選択設定された識別要因と重複しないように制限するため、同じ識別要因に対して重複して複数の排除手段が設定されてしまうことを防止できる。
また、シュート75,85,95,104から受箱76,86,96,105に硬貨を案内するのではなく、受箱76,86,96,105の少なくともいずれか一つを収容袋としても良い。
ここで、計数異常としては、複数の硬貨が近接して搬送されるニアフィード、硬貨が選別落下できずに行き過ぎてしまうオーバーラン、およびセンサで検出できない位置で移動する片寄せ不良が考えられるが、これらは頻繁に発生する事象ではないため、計数異常が発生したときには、計数シュート50および排出シュート63のいずれか正常硬貨を案内する方に落下させて、それまで計数した正常硬貨とともに再度処理を行うようにした。しかしながら、計数異常時の処理効率向上のため、第1選別部40よりも上流側に別の選別部および返却箱64への別のシュートを設けて、すべてのモードにおいて識別部34で生じた計数異常の硬貨をこれらの選別部およびシュートで直接返却箱64に返却するようにしても良い。