JP3867763B2 - 硬貨処理機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、処理硬貨中に金額が同一で種類が異なる硬貨が混在する場合の処理に有効な硬貨処理機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、硬貨を識別して計数する硬貨計数機や硬貨を所定枚数ずつに包装する硬貨包装機等の硬貨処理機における硬貨処理では、計数処理(袋取り)・包装処理等の処理対象硬貨の1つの金種を操作部の金種指定手段により選択設定することにより設定された金種の硬貨のみが処理されている。
【0003】
例えば、硬貨計数機の場合、金種設定された硬貨のみが大袋あるいは小袋といった袋内に所定枚数(4000枚、または2000枚)ずつ収納されるとともに、金種設定された硬貨以外の硬貨(指定外硬貨)は金種別の枚数および金額が計数されて比較的収容量の大きい選別箱へ収納され、外国硬貨や偽造硬貨等の識別不能硬貨(外貨)は計数されることなく比較的収容量が小さいリジェクト箱へ収納されている。
【0004】
また、硬貨包装機の場合、金種設定された硬貨のみが所定枚数毎に包装されるとともに、金種設定された硬貨以外の硬貨(指定外硬貨)は金種別の枚数および金額が計数されて比較的収容量の大きい選別箱へ収納され、外国硬貨や偽造硬貨等の識別不能硬貨(外貨)は計数されることなく比較的収容量が小さいリジェクト箱へ収納されている。
【0005】
また、これらの硬貨処理機には、硬貨の真偽(正常貨か否か)を識別するとともに汚損硬貨(汚れや損傷がひどい硬貨)を検出する機能が付いたものがあり、その汚損硬貨検出機能を有効にした場合は汚損硬貨を何処へ収納するかという指定も可能になっている。つまり、汚損硬貨を選別箱へ収納するかリジェクト箱へ収納するかの設定が可能になっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
現在、日本国内において通常使用される硬貨の金種は6金種であるが、同一金種でありながら種類が異なる硬貨が多数存在している。例えば、オリンピックや博覧会等の記念硬貨がそうであり、また本年改鋳が予定されている新500円硬貨についても発行後しばらくの間は新・旧両方の硬貨が混在使用されることになる。
【0007】
従来の硬貨処理機では、記念硬貨は使用される可能性が非常に少ないことから一般的に外貨としてリジェクトされ、計数すらしていないため、記念硬貨が多量に使用された場合や改鋳硬貨の発行後においてはリジェクト硬貨が多量に発生し、リジェクト箱が満杯になって処理が中断する機会が増加する問題がある。
【0008】
また、改鋳硬貨の発行後においては、新硬貨の流通量が徐々に増加していく傍ら旧硬貨の回収が徐々に進んでいき、新旧両硬貨の割合が変化していく。そのような状況下において、銀行等の金融機関では、新硬貨の割合が少ない時期には必要数に足りないため旧硬貨を回収することなく流通させなければならないが、新硬貨の割合が増加してきた時期には新硬貨だけで必要数に足りるため旧硬貨を回収することになる。また、旧硬貨を回収する場合においても硬貨としての価値は新硬貨と何ら変わらないものであるから金額計算上は計数する必要がある。
【0009】
このように、金額が同一で種類が異なる硬貨が混在する場合の処理においては、従来の硬貨処理機のように金種指定のみでは対応することができない問題がある。
【0010】
そこで、本発明は、金額が同一で種類が異なる硬貨が混在する場合の処理に対応できる硬貨処理機を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の硬貨処理機は、処理対象硬貨の金種を指定する金種指定手段と、硬貨を受け入れて1枚ずつ繰り出す硬貨繰出手段と、この硬貨繰出手段から繰り出される硬貨を搬送しつつ識別しその識別結果に応じて指定金種外の正常硬貨および異常硬貨を排除する硬貨識別排除通路と、この硬貨識別排除通路で排除された指定金種外の正常硬貨を収納する第1の収納部と、前記硬貨識別排除通路で排除された異常硬貨を収納する第2の収納部と、前記硬貨識別排除通路を通過した硬貨を処理する後処理部と、前記金種指定手段で指定される金種のうち金額が同一で種類が異なる硬貨の金種について種類を設定する硬貨種類設定手段と、この硬貨種類設定手段で設定されなかった種類の硬貨の収納先を前記第1の収納部および第2の収納部のうちのいずれかに設定する収納先設定手段と、前記金種指定手段で金額が同一で種類が異なる硬貨の金種が指定された場合、前記硬貨種類設定手段で設定された種類の硬貨のみを前記後処理部へ送って処理させるとともに、設定された種類以外の硬貨を前記収納先設定手段で設定された収納先に収納させる制御部とを具備しているものである。
【0012】
そして、金額が同一で種類が異なる硬貨について、硬貨種類設定手段で処理対象の種類を設定し、収納先設定手段で設定種類以外の硬貨の収納先を設定する。金種指定手段で金額が同一で種類が異なる硬貨の金種が指定された場合、硬貨種類設定手段で設定された種類の硬貨のみを後処理部へ送って処理するとともに、設定された種類以外の硬貨を収納先設定手段で設定された収納先に収納する。
【0013】
請求項2記載の硬貨処理機は、請求項1記載の硬貨処理機において、処理対象硬貨の汚れや損傷度合いから汚損硬貨を検出する汚損検出手段と、硬貨種類設定手段で設定された種類の汚損硬貨の収納先を第1の収納部および第2の収納部のうちのいずれかに設定する汚損硬貨収納先設定手段とを具備し、制御部は、金種指定手段で金額が同一で種類が異なる硬貨の金種が指定された場合、硬貨種類設定手段で設定された種類で汚損硬貨でない硬貨を後処理部へ送って処理させるとともに、設定された種類以外で汚損硬貨でない硬貨を収納先設定手段で設定された収納先に収納させ、設定された種類の汚損硬貨を前記汚損硬貨収納先設定手段で設定された収納先に収納させるものである。
【0014】
そして、金種指定手段で金額が同一で種類が異なる硬貨の金種が指定された場合、硬貨種類設定手段で設定された種類で汚損硬貨でない硬貨を後処理部へ送って処理するとともに、設定された種類以外で汚損硬貨でない硬貨を収納先設定手段で設定された収納先に収納し、設定された種類の汚損硬貨を汚損硬貨収納先設定手段で設定された収納先に収納する。
【0015】
請求項3記載の硬貨処理機は、請求項1または2記載の硬貨処理機において、後処理部へ送って処理した硬貨の処理情報を表示する第1の表示手段と、後処理部へ送って処理した硬貨および第1の収納部へ収納した硬貨の金種別の金額および合計金額を表示する第2の表示手段とを具備しているものである。
【0016】
そして、第1の表示手段と第2の表示手段との表示により、指定金種種類の硬貨の処理情報と全ての正常硬貨の処理情報との両方を確認可能とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0018】
図1に、硬貨処理機の構成の説明図を示す。硬貨処理機は、硬貨を所定枚数ずつに包装する硬貨包装機であり、機体11を有し、この機体11の上部側には、多金種混在状態で硬貨を受け入れて少量ずつ送り出す硬貨貯留装置12、この硬貨貯留装置12から送り出される硬貨を受け入れて1枚ずつ繰り出す硬貨繰出手段13、およびこの硬貨繰出手段13から繰り出される硬貨を搬送しつつ識別部57で識別しその識別部57での検出信号に基づいて予め指定されている指定金種(処理対象硬貨)外の正常硬貨および異常硬貨を排除する硬貨識別排除通路14が配設されている。
【0019】
硬貨識別排除通路14の下部側には、硬貨識別排除通路14で排除された指定金種外の正常硬貨を収納する第1の収納部(選別箱)15、硬貨識別排除通路14で排除された異常硬貨を収納する第2の収納部(リジェクト箱)16、およびこれら各収納部15,16に対して対応する指定金種外の正常硬貨および異常硬貨を振り分ける振分手段17が配設されている。
【0020】
硬貨識別排除通路14の通路下流側には、硬貨識別排除通路14を通過した硬貨を処理する後処理部18が配設されている。この後処理部18は、硬貨を所定枚数ずつ包装する硬貨集積包装部19を有し、また、硬貨計数機の機能も備える場合には硬貨を機体11の外部に導出して袋取りするための計数硬貨導出部も有している。
【0021】
硬貨集積包装部19は、硬貨識別排除通路14から送り出される硬貨を受け入れて集積する硬貨集積部20、集積硬貨を包装する硬貨包装部21、および包装紙22を供給する包装紙供給部23を有している。
【0022】
硬貨集積部20では、対向配置された一対のベルト24間に硬貨を受け入れて突起25上に支えるとともに、硬貨を受け入れる度に突起25の位置を下降させながら、一対のベルト24間に所定枚数の硬貨を集積する。
【0023】
硬貨包装部21では、案内機構26により硬貨集積部20で集積された集積硬貨を複数本の包装ローラ27間に導き、これら包装ローラ27で集積硬貨を挟み込んで回転させながら、包装紙供給部23から供給される包装紙22を集積硬貨の周面に巻き付けるとともに、上下の巻込鉤28で包装紙22の上下縁を巻き込んで、棒状に包装する。
【0024】
包装紙供給部23では、包装紙22を給紙ローラ29によって包装ローラ27で挟持された集積硬貨の周面に供給するとともにカッタ30で所定の供給長さに切断する。
【0025】
硬貨包装部21の下方には、硬貨包装部21で正常に包装された包装硬貨を収納する包装硬貨収納部31、集積が崩れたり包装枚数に満たない場合に硬貨集積部20や硬貨包装部21から放出される硬貨を回収収納する回収硬貨収納部32、およびこれら包装硬貨収納部31または回収硬貨収納部32に対して対応する包装硬貨またはばら硬貨を振り分ける振分手段33が配設されている。
【0026】
また、硬貨包装機を制御する制御部35、各設定事項を設定入力する操作部36、および設定事項や処理結果を表示する表示部37を有している。操作部36および表示部37は、機体11の外面に配置されて操作および視認を可能とし、例えば液晶パネルやCRTで表示部37を構成するとともにこの表示部37の画面に操作部36としてタッチパネルスイッチを配設した一体構造で構成されている。
【0027】
操作部36は、包装する処理対象硬貨の金種を指定する金種指定手段の機能、金種指定手段で指定される金種のうち金額が同一で種類が異なる硬貨の金種について何れか1つの種類または全種類を設定する硬貨種類設定手段の機能、硬貨種類設定手段で設定されなかった種類の硬貨の収納先を第1の収納部15および第2の収納部16のうちのいずれかに設定する収納先設定手段の機能、および硬貨種類設定手段で設定された種類の汚損硬貨の収納先を第1の収納部15および第2の収納部16のうちのいずれかに設定する汚損硬貨収納先設定手段の機能を有している。金額が同一で種類が異なる硬貨の金種としては、例えば500円硬貨があり、旧500円硬貨と新500円硬貨とを対象とする。
【0028】
制御部35は、金種指定手段で金額が同一で種類が異なる硬貨の金種が指定された場合、硬貨種類設定手段で設定された種類の硬貨のみを後処理部18へ送って処理させるとともに、設定された種類以外の硬貨を収納先設定手段で設定された収納先に収納させる機能を有している。さらに、制御部35は、識別部57からの検出信号に基づいて処理対象硬貨の汚れや損傷度合いから汚損硬貨を検出する汚損検出手段の機能、および金種指定手段で金額が同一で種類が異なる硬貨の金種が指定された場合、硬貨種類設定手段で設定された種類で汚損硬貨でない硬貨を後処理部18へ送って処理させるとともに、設定された種類以外で汚損硬貨でない硬貨を収納先設定手段で設定された収納先に収納させ、設定された種類の汚損硬貨を汚損硬貨収納先設定手段で設定された収納先に収納させる機能を有している。
【0029】
表示部37は、後処理部18へ送って処理した硬貨の処理情報を表示する第1の表示手段の機能、後処理部18へ送って処理した硬貨および第1の収納部15へ収納した硬貨の金種別の金額および合計金額を表示する第2の表示手段の機能を有している。
【0030】
次に、図2に、硬貨繰出手段13および硬貨識別排除通路14の平面図を示す。
【0031】
硬貨繰出手段13は、硬貨貯留装置12から送り出される硬貨を受け入れる回転円盤41を有し、この回転円盤41の周囲には周壁42が配設され、この周壁42の一部に形成された開口部43には回転円盤41の上面との間に硬貨が厚み方向に1層状態で通過可能とする間隔をあけて厚み規制部材44が配設されている。そして、回転円盤41の回転による遠心力によって回転円盤41上の硬貨は、周壁42に沿って移行するとともに厚み規制部材44の下を通過し、開口部43の部分に接続された硬貨識別排除通路14に1枚ずつ繰り出される。
【0032】
硬貨識別排除通路14は、回転円盤41の上面と略同一面に配設された通路底板51、およびこの通路底板51上の通路両側位置に配設された両側の通路側板52,53を有し、硬貨繰出手段13から繰り出される硬貨を通路幅方向に1枚ずつ受け入れ可能としている。硬貨識別排除通路14の上方には、モータ54の駆動によって回動される搬送ベルト55,56が張設され、これら搬送ベルト55,56によって通路底板51上との間に硬貨を挟み込みながら下流方向へ搬送する。
【0033】
一方の通路側板52には通路中央側に突出して通路内を搬送される硬貨が必ず接触する基準縁52aが形成され、この基準縁52aを基準として硬貨を識別する識別部57が配設されている。識別部57は、硬貨の材質を磁気的に検出する磁気センサ58、硬貨の周面のギサの有無および硬貨の色彩を検出する光センサ59、硬貨の径および汚れ具合を検出するイメージセンサ60を有している。
【0034】
識別部57の下流側において、通路幅方向の両側には、ソレノイド61によって通路内外に進退されるストッパ62が配設され、これらストッパ62が通路内側に進入することによって搬送中の硬貨が停止される。
【0035】
ストッパ62の下流側において、他方の通路側板53には通路中央側に突出して通路内を搬送される硬貨が必ず接触する基準縁53aが形成され、この基準縁53aを基準として通路底面51には指定金種外の正常硬貨または異常硬貨を第1の収納部15または第2の収納部16へ排除する排除口63が形成されている。基準縁53aと排除口63との間には硬貨の縁が載る縁部の間隔があけられ、基準縁53aから排除口63の反対側の縁までの距離は処理する硬貨より小さく、硬貨の両側縁が排除口63の両側縁上に載ったまま排除口63上を通過可能になっている。
【0036】
排除口63に臨む位置で他方の通路側板53側には、ローラ状の排除部材64が配設され、この排除部材64は、中心から外れた偏心位置で回転可能に軸支され、排除駆動手段65によって排除部材64の周面が通路内外に進退するように回動される。排除部材64の周面が通路外に退避することにより硬貨の通過が許容され、通路内に進入することにより硬貨の縁が排除口63の縁から外れて排除口63に落下される。
【0037】
排除口63に臨む位置で一方の通路側板52側には、処理対象金種に応じて通路幅を可変する可動案内体66が配設されている。この可動案内体66は、通路幅方向に移動可能に支持され、スプリング67によって通路外方へ付勢され、可動案内体66上に回転自在に軸支されたローラ68がカム69に押し付けられた位置で保持されている。カム69はモータ70の駆動で回動され、ローラ68に対するカム69の周面の当接位置を変えることにより、他方の通路側板53と可動案内体66との間の通路幅が処理対象金種に応じた通路幅に変更される。
【0038】
排除口63の下流側には、硬貨識別排除通路14を通過して送り出される処理対象硬貨を検知する通過検知センサ71が配設されている。
【0039】
硬貨識別排除通路14の出口部に臨んで、硬貨識別排除通路14から送り出される硬貨を受け入れて集積する硬貨集積部20が配設されている。硬貨集積部20には、一対のベルト24と一対のガイド板81(片側のみ示し、反対側は図示しない)との間に硬貨を受け入れて集積する集積空間82が形成されている。一対のベルト24はモータ83によって同期回転される。
【0040】
そして、硬貨識別排除通路14では、処理対象硬貨の金種に応じて他方の通路側板53と可動案内体66との間の通路幅を調整し、硬貨繰出手段13から1枚ずつ繰り出される硬貨を、通路内に受け入れて搬送ベルト55で搬送し、識別部57で識別する。
【0041】
識別部57での識別の結果、処理対象硬貨の金種および種類で正常硬貨であると判定されれば、その硬貨を、排除口63上を通過させて硬貨識別排除通路14の末端から後処理部18の硬貨集積部20に送り込む。
【0042】
識別部57での識別の結果、処理対象硬貨以外の金種および種類で正常硬貨であると判定されれば、その硬貨を、排除部材64により排除口63に落とし込んで硬貨識別排除通路14から排除し、予め設定されている収納先である第1の収納部15または第2の収納部16に収納する。
【0043】
識別部57での識別の結果、汚損硬貨であると判定されれば、その硬貨を、排除部材64により排除口63に落とし込んで硬貨識別排除通路14から排除し、予め設定されている収納先である第1の収納部15または第2の収納部16に収納する。
【0044】
識別部57での識別の結果、異常硬貨であると判定されれば、その硬貨を、排除部材64により排除口63に落とし込んで硬貨識別排除通路14から排除し、第2の収納部16に収納する。
【0045】
次に、図3に、表示部37に表示される待機画面を示し、金種(オート、1円、5円、10円、50円、100円、500円)、モード(包装、計数、一括計数)、選択(無限大、定量バッチ、任意バッチ、大量シュート)の各項目を表示するとともに、カーソルキー(三角形の頂部で方向を示す)、設定キー、クリアキー、およびスタートキーの各操作項目を表示する。金種、モードおよび選択の各項目にはカーソルを表示し、カーソルキーの操作によってカーソルを移動して各項目内容を選択可能とする。各キーの操作は表示部37の画面に配設された操作部36のタッチパネルに触れることにより可能とする。図3の状態では、金種が500円、モードが包装、選択が無限大に設定され、新500円包装Aの設定状況を表示する。
【0046】
図3に示す待機画面において、設定キーを操作することにより、図4(a)に示す設定メニューの設定画面を表示部37に表示する。設定メニューの設定画面では、500円設定、機能設定、画面コントラスト、およびブザー音量の各設定項目について、変更有りと無しとを選択する選択項目を表示し、また、汚損レベルの設定項目について、変更有りと入りと切りとを選択する選択項目を表示する。カーソルを設定項目に合わせて変更有りを選択することにより、各設定項目の設定画面を表示して変更設定可能とする。
【0047】
図4(a)に示す設定メニュー画面において、カーソルを機能設定に合わせて、変更有りを選択することにより、図4(b)に示す機能設定の設定画面を表示部37に表示する。機能設定の設定画面では、指定外排除および汚損硬貨排除の各設定項目について、選択箱すなわち第1の収納部15とリジェクト箱すなわち第2の収納部16との選択設定を可能とする。つまり、指定された処理対象硬貨の金種以外の指定外金種の硬貨を第1の収納部15に収納させるか第2の収納部16に収納させるかを選択設定し、汚損硬貨と判定された硬貨を第1の収納部15に収納させるか第2の収納部16に収納させるかを選択設定する(操作部36の汚損硬貨収納先設定手段の機能)。終了キーを操作することにより、図3に示す待機画面に戻る。
【0048】
図4(a)に示す設定メニュー画面において、カーソルを500円設定に合わせて、変更有りを選択することにより、図4(c)に示す500円包装パターンの設定画面を表示部37に表示する。500円包装パターンの設定画面では、新500円包装A(旧500円は選択箱)、新500円包装B(旧500円はリジェクト箱)、旧500円包装(新500円は選択箱)、および混合包装のいずれかを選択設定する(操作部36の硬貨種類設定手段および収納先設定手段の機能)。新500円包装A(旧500円は選択箱)の設定では、新500円を包装して旧500円を第1の収納部15に収納し、また、新500円包装B(旧500円はリジェクト箱)の設定では、新500円を包装して旧500円を第2の収納部16に収納し、また、旧500円包装(新500円は選択箱)の設定では、旧500円を包装して新500円を第1の収納部15に収納し、また、混合包装の設定では、新500円と旧500円とを混合包装する。確認キーを操作することにより、図3に示す待機画面に戻る。
【0049】
次に、図3に示す待機画面において、処理対象硬貨の金種として500円を指定し(操作部36の金種指定手段の機能)、スタートキーを操作することにより、予め設定されている新500円包装A(旧500円は選択箱)、新500円包装B(旧500円はリジェクト箱)、旧500円包装(新500円は選択箱)、および混合包装のいずれかの包装モードで、上述のように500円の包装処理を開始する。
【0050】
混合包装モードが設定されていた場合には、新500円および旧500円の正常硬貨を硬貨識別排除通路14から後処理部18へ送って混合包装し、新500円および旧500円以外の金種の正常硬貨を硬貨識別排除通路14で排除して第1の収納部15に収納し、異常硬貨を硬貨識別排除通路14で排除して第2の収納部16に収納する。
【0051】
混合包装モードでの包装終了時に、図5(a)に示す処理情報の処理画面を表示部37に表示する。処理情報の処理画面では、新500円と旧500円とを混合包装した処理枚数、処理本数、および金額を表示する。
【0052】
図5(a)の処理画面において、詳細キーを操作することにより、図5(b)に示す詳細処理情報の処理画面を表示部37に表示する。詳細処理情報の処理画面では、混合包装した新500円および旧500円に加えて、第1の収納部15に収納した残りの各金種の金額、および合計金額を表示する。
【0053】
また、新500円包装A(旧500円は選択箱)モードが設定されていた場合には、新500円の正常硬貨を硬貨識別排除通路14から後処理部18へ送って包装し、旧500円の正常硬貨、および500円以外の金種の正常硬貨を硬貨識別排除通路14で排除して第1の収納部15に収納し、異常硬貨を硬貨識別排除通路14で排除して第2の収納部16に収納する。
【0054】
新500円包装A(旧500円は選択箱)モードでの包装終了時に、図6(a)に示す処理情報の処理画面を表示部37に表示する。処理情報の処理画面では、新500円を包装した処理枚数、処理本数、および金額を表示する。
【0055】
図6(a)の処理画面において、詳細キーを操作することにより、図6(b)に示す詳細処理情報の処理画面を表示部37に表示する。詳細処理情報の処理画面では、包装した新500円に加えて、第1の収納部15に収納した旧500円および残りの各金種の金額、および合計金額を表示する。
【0056】
また、新500円包装B(旧500円はリジェクト箱)モードが設定されていた場合には、新500円の正常硬貨を硬貨識別排除通路14から後処理部18へ送って包装し、新500円および旧500円以外の金種の正常硬貨を硬貨識別排除通路14で排除して第1の収納部15に収納し、旧500円および異常硬貨を硬貨識別排除通路14で排除して第2の収納部16に収納する。
【0057】
新500円包装B(旧500円はリジェクト箱)モードでの包装終了時に、図6(a)に示す処理情報の処理画面を表示部37に表示する(但し、画面の右上には「新500円包装B」を表示する)。処理情報の処理画面では、新500円を包装した処理枚数、処理本数、および金額を表示する。
【0058】
図6(a)の処理画面において、詳細キーを操作することにより、図6(c)に示す詳細処理情報の処理画面を表示部37に表示する。詳細処理情報の処理画面では、包装した新500円に加えて、第1の収納部15に収納した残りの各金種の金額、および合計金額を表示し、第2の収納部16に収納した旧500円の金額は0と表示する。
【0059】
また、旧500円包装(新500円は選択箱)モードが設定されていた場合には、旧500円の正常硬貨を硬貨識別排除通路14から後処理部18へ送って包装し、新500円の正常硬貨、および500円以外の金種の正常硬貨を硬貨識別排除通路14で排除して第1の収納部15に収納し、異常硬貨を硬貨識別排除通路14で排除して第2の収納部16に収納する。
【0060】
旧500円包装(新500円は選択箱)モードでの包装終了時に、図7(a)に示す処理情報の処理画面を表示部37に表示する。処理情報の処理画面では、旧500円を包装した処理枚数、処理本数、および金額を表示する。
【0061】
図7(a)の処理画面において、詳細キーを操作することにより、図7(b)に示す詳細処理情報の処理画面を表示部37に表示する。詳細処理情報の処理画面では、包装した旧500円に加えて、第1の収納部15に収納した新500円および残りの各金種の金額、および合計金額を表示する。
【0062】
そして、500円の改鋳硬貨の発行後においては、新500円の流通量が徐々に増加していく傍ら旧500円の回収が徐々に進んでいき、新旧両500円の割合が変化していく。そのような状況下において、新500円包装A(旧500円は選択箱)、新500円包装B(旧500円はリジェクト箱)、旧500円包装(新500円は選択箱)、および混合包装のいずれかを適宜選択設定することで適切に対応できる。
【0063】
新500円の割合が少ない時期には、新500円だけでは必要数に足りないため、旧500円を回収することなく流通させなければならず、このような場合、混合包装モードや、旧500円包装(新500円は選択箱)モードを選択設定することで対応できる。
【0064】
新500円の割合が増加してきた時期には、新500円だけでも必要数に足りるようになるため、混合包装モードや、新旧500円を個別に包装する新500円包装A(旧500円は選択箱)モードおよび旧500円包装(新500円は選択箱)モードを選択設定することで対応できる。
【0065】
さらに、新500円の割合がより増加してきた時期には、新500円を包装して旧500円を回収するため、新500円包装B(旧500円はリジェクト箱)モードを選択設定することで対応できる。
【0066】
このように、処理対象硬貨として金額が同一で種類が異なる硬貨の金種が指定された場合、予め設定された種類の硬貨のみを後処理部18へ送って処理するとともに、設定された種類以外の硬貨を予め設定された収納先に収納するので、金額が同一で種類が異なる硬貨が混在する場合の処理に対応できる。
【0067】
また、処理対象硬貨として金額が同一で種類が異なる硬貨の金種が指定された場合、予め設定された種類で汚損硬貨でない硬貨を後処理部18へ送って処理するとともに、設定された種類以外で汚損硬貨でない硬貨を予め設定された収納先に収納し、設定された種類の汚損硬貨を予め設定された収納先に収納するので、汚損硬貨の処理にも対応できる。
【0068】
また、表示部37では、第1の表示手段の機能により後処理部18へ送って処理した硬貨の処理情報の画面を表示(図5(a)、図6(a)、図7(a))し、第2の表示手段の機能により後処理部18へ送って処理した硬貨および第1の収納部15へ収納した硬貨の金種別の金額および合計金額の画面を表示(図5(b)、図6(b)、図6(c)、図7(b))し、これら画面を選択的に表示させるので、指定金種種類の硬貨の処理情報と全ての正常硬貨の処理情報との両方を確認できる。
【0069】
なお、同一の表示部の画面内に第1の表示手段による表示と第2の表示手段による表示とを同時に表示させるようにしてもよく、あるいは、複数の表示部を備えて第1の表示手段による表示と第2の表示手段による表示とを個別に表示させるようにしてもよい。
【0070】
また、後処理部は、硬貨を所定枚数ずつ包装する硬貨集積包装部と、硬貨を機体の外部に導出して袋取りするための計数硬貨導出部との両方を備えて切り換えて使用可能とした併用機でも、いずれか一方のみを備えた専用機でもよく、あるいは、硬貨集積包装部や計数硬貨導出部以外で、硬貨を処理する機構を備えていてもよい。
【0071】
また、金額が同一で種類が異なる硬貨の金種として500円の硬貨を示したが、500円以外にも、金額が同一で種類が異なる硬貨の場合には適用して同様の作用効果を得ることができる。
【0072】
【発明の効果】
請求項1記載の硬貨処理機によれば、金種指定手段で金額が同一で種類が異なる硬貨の金種が指定された場合、硬貨種類設定手段で設定された種類の硬貨のみを後処理部へ送って処理するとともに、設定された種類以外の硬貨を収納先設定手段で設定された収納先に収納するので、金額が同一で種類が異なる硬貨が混在する場合の処理に対応できる。
【0073】
請求項2記載の硬貨処理機によれば、請求項1記載の硬貨処理機の効果に加えて、金種指定手段で金額が同一で種類が異なる硬貨の金種が指定された場合、硬貨種類設定手段で設定された種類で汚損硬貨でない硬貨を後処理部へ送って処理するとともに、設定された種類以外で汚損硬貨でない硬貨を収納先設定手段で設定された収納先に収納し、設定された種類の汚損硬貨を汚損硬貨収納先設定手段で設定された収納先に収納するので、汚損硬貨の処理にも対応できる。
【0074】
請求項3記載の硬貨処理機によれば、請求項1または2記載の硬貨処理機の効果に加えて、後処理部へ送って処理した硬貨の処理情報を第1の表示手段で表示し、後処理部へ送って処理した硬貨および第1の収納部へ収納した硬貨の金種別の金額および合計金額を第2の表示手段で表示するので、指定金種種類の硬貨の処理情報と全ての正常硬貨の処理情報との両方を確認できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す硬貨処理機の構成の説明図である。
【図2】同上硬貨処理機の硬貨繰出手段および硬貨識別排除通路の平面図である。
【図3】同上硬貨処理機の表示部に表示される待機画面を示す説明図である。
【図4】同上硬貨処理機の表示部に表示される設定画面を示し、(a)は設定メニューの設定画面を示す説明図、(b)は機能設定の設定画面を示す説明図、(c)は500円包装パターンの設定画面を示す説明図である。
【図5】同上硬貨処理機の表示部に表示される混合包装モードでの処理画面を示し、(a)は包装終了時の処理情報の処理画面を示す説明図、(b)は詳細処理情報の処理画面を示す説明図である。
【図6】同上硬貨処理機の表示部に表示される新500円包装モードでの処理画面を示し、(a)は包装終了時の処理情報の処理画面を示す説明図、(b)は旧500円を第1の収納部に収納した場合の詳細処理情報の処理画面を示す説明図、(c)は旧500円を第2の収納部に収納した場合の詳細処理情報の処理画面を示す説明図である。
【図7】同上硬貨処理機の表示部に表示される旧500円包装モードでの処理画面を示し、(a)は包装終了時の処理情報の処理画面を示す説明図、(b)は詳細処理情報の処理画面を示す説明図である。
【符号の説明】
13 硬貨繰出手段
14 硬貨識別排除通路
15 第1の収納部
16 第2の収納部
18 後処理部
35 汚損検出手段の機能を有する制御部
36 金種指定手段、硬貨種類設定手段、収納先設定手段および汚損硬貨収納先設定手段の機能を有する操作部
37 第1の表示手段および第2の表示手段の機能を有する表示部
Claims (3)
- 処理対象硬貨の金種を指定する金種指定手段と、
硬貨を受け入れて1枚ずつ繰り出す硬貨繰出手段と、
この硬貨繰出手段から繰り出される硬貨を搬送しつつ識別しその識別結果に応じて指定金種外の正常硬貨および異常硬貨を排除する硬貨識別排除通路と、
この硬貨識別排除通路で排除された指定金種外の正常硬貨を収納する第1の収納部と、
前記硬貨識別排除通路で排除された異常硬貨を収納する第2の収納部と、
前記硬貨識別排除通路を通過した硬貨を処理する後処理部と、
前記金種指定手段で指定される金種のうち金額が同一で種類が異なる硬貨の金種について種類を設定する硬貨種類設定手段と、
この硬貨種類設定手段で設定されなかった種類の硬貨の収納先を前記第1の収納部および第2の収納部のうちのいずれかに設定する収納先設定手段と、
前記金種指定手段で金額が同一で種類が異なる硬貨の金種が指定された場合、前記硬貨種類設定手段で設定された種類の硬貨のみを前記後処理部へ送って処理させるとともに、設定された種類以外の硬貨を前記収納先設定手段で設定された収納先に収納させる制御部と
を具備していることを特徴とする硬貨処理機。 - 処理対象硬貨の汚れや損傷度合いから汚損硬貨を検出する汚損検出手段と、
硬貨種類設定手段で設定された種類の汚損硬貨の収納先を第1の収納部および第2の収納部のうちのいずれかに設定する汚損硬貨収納先設定手段とを具備し、
制御部は、金種指定手段で金額が同一で種類が異なる硬貨の金種が指定された場合、硬貨種類設定手段で設定された種類で汚損硬貨でない硬貨を後処理部へ送って処理させるとともに、設定された種類以外で汚損硬貨でない硬貨を収納先設定手段で設定された収納先に収納させ、設定された種類の汚損硬貨を前記汚損硬貨収納先設定手段で設定された収納先に収納させる
ことを特徴とする請求項1記載の硬貨処理機。 - 後処理部へ送って処理した硬貨の処理情報を表示する第1の表示手段と、
後処理部へ送って処理した硬貨および第1の収納部へ収納した硬貨の金種別の金額および合計金額を表示する第2の表示手段とを具備している
ことを特徴とする請求項1または2記載の硬貨処理機。
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