JP2004110632A - 硬貨収納繰出カセットおよび硬貨処理機 - Google Patents

硬貨収納繰出カセットおよび硬貨処理機 Download PDF

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JP2004110632A JP2002274688A JP2002274688A JP2004110632A JP 2004110632 A JP2004110632 A JP 2004110632A JP 2002274688 A JP2002274688 A JP 2002274688A JP 2002274688 A JP2002274688 A JP 2002274688A JP 2004110632 A JP2004110632 A JP 2004110632A
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Mitsuhiko Muranaka
村中 光彦
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Abstract

【課題】ホッパ部99に貯留収納した硬貨を1枚ずつ分離状態で送出し、硬貨の送出時点での硬貨のカウントもできる硬貨収納繰出カセット48を提供する。
【解決手段】硬貨を貯留収納するホッパ部99の底部に、回転円盤102を回転可能に設ける。回転円盤102の周縁域に、硬貨を1枚ずつ受け入れて周縁外方へ送出する硬貨受収部を設ける。ホッパ部99の内側面の側壁体104に硬貨通路103の入口部を設け、硬貨通路103で回転円盤102から硬貨を受け入れて1枚ずつ整列状態で送出する。硬貨通路103を送出する硬貨を硬貨カウント域137でカウントする。ホッパ部99に貯留収納した硬貨を1枚ずつ分離状態で送出可能で、硬貨通路103の硬貨カウント域137において硬貨の送出時点での硬貨のカウントもできる。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬貨を貯留収納するとともに硬貨を1枚ずつ繰り出す硬貨収納繰出カセット、およびこの硬貨収納繰出カセットを用いた硬貨処理機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、硬貨出金機、硬貨入出金機、循環式硬貨入出金機などの硬貨処理機では、この硬貨処理機に着脱されて、硬貨処理機に対する硬貨の補充、あるいは硬貨の回収を前提としての硬貨の補充、あるいは補充および回収の両方をするために、硬貨収納繰出カセットを用いることがある。
【0003】
例えば、循環式硬貨入出金機においては、この循環式硬貨入出金機に対して着脱可能で硬貨を金種混合状態で収納する硬貨収納繰出セットが用いられており、この硬貨収納繰出カセットに加え、この硬貨収納繰出カセットから送出される硬貨を受収して搬送する搬送コンベヤ手段、この搬送コンベヤ手段で搬送してくる硬貨を貯留するとともに1枚ずつ繰り出す貯留繰出部、この貯留繰出部から繰り出される硬貨を1枚ずつ搬送しその搬送途中に硬貨を識別する識別部および識別された硬貨を分類する分類部を有する硬貨識別分類通路、この硬貨識別分類通路で識別した出金に使用可能とする硬貨を金種別に収納するとともに出金時に硬貨を投出する金種別硬貨収納投出部、およびこの金種別硬貨収納投出部が満杯の場合のオーバーフロー硬貨を収納するオーバーフロー硬貨収納スタッカを備えている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
そして、従来の硬貨収納繰出カセットは、水平方向の底部ベルト域とその底部ベルト域端部から斜め上方へ向かう送出用傾斜ベルト域とを有する硬貨送出ベルトを備え、この硬貨送出ベルト上に貯留収納される硬貨を、必要時に硬貨送出ベルトを回転させて、送出用傾斜ベルト域上端の出口部から硬貨収納繰出カセット外へ送出している。
【0005】
この硬貨収納繰出カセットの硬貨送出ベルトは、硬貨送出時に硬貨の確実な送り出しができることを意図して、硬貨送出ベルトの表面上に、ベルト移動方向に硬貨数枚が並んで入る間隔のピッチで突起部が立設されている。この突起部のベルト表面からの高さは硬貨1枚厚みより小の寸法になっている。
【0006】
ところが、送出しようとする突起部間のベルト表面上の硬貨が、ベルト移動方向に、厚みの小なる硬貨、厚みの大なる硬貨と並んでいる場合、その上部の貯留収納硬貨の1枚が厚みの小なる硬貨の上に載り、この上に載った硬貨の後端縁が次位の厚みの大なる硬貨の先端縁に引っ掛かり、そのまま2枚重なり状態で出口部から送出されることがある。
【0007】
また、送出しようとするベルト表面上の硬貨に対し、その上部の貯留収納硬貨の作用によってベルト表面上の硬貨の姿勢が変化して突起部上へ載り上げることがある。この突起部へ載り上げたベルト表面上の硬貨の後端縁がベルト表面上の次位の硬貨の先端縁で規制され、そのまま出口部から送出されることがある。
【0008】
こうした種々の硬貨の送出を考慮し、出口部はベルト表面に対して硬貨厚み3〜5枚が通過できる寸法に設定されている。
【0009】
また、上述した硬貨収納繰出カセットの別の例として、硬貨送出ベルトを水平配置し、このベルト表面に、前述の例と同じピッチ、同じ高さの突起部を設けたものもある。しかし、この例の場合も、前述の例と同じ理由で、出口部はベルト表面に対して硬貨厚み3〜5枚が通過できる寸法に設定されている。
【0010】
【特許文献1】
特開昭64−19494号公報(第2頁ないし第4頁、図1)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の硬貨収納繰出カセットは、出口部から送出される硬貨の量が同時に数枚送出可能に設定されている。
【0012】
ところが、この硬貨収納繰出カセットを補充カセットとして用いた循環式硬貨入出金機の場合、次のような問題がある。
【0013】
すなわち、補充カセットから金種別硬貨収納投出部へ硬貨を補充する場合、補充カセットの出口部から金種混合状態の硬貨が同時に数枚重なり状態で送出され、この送出硬貨は搬送コンベヤ手段を通じて貯留繰出部へ送られ、この貯留繰出部を通じて1枚ずつ繰り出される硬貨が硬貨識別分類通路の識別部で識別され、金種別硬貨収納投出部またはオーバーフロー硬貨収納スタッカへ収納される。
【0014】
この場合、金種別硬貨収納投出部へ補充する金種毎の硬貨量は、各金種別硬貨収納投出部の装填可能設定値と識別部の識別に基づく金種別分類硬貨値との比較により決まる。ある金種については装填可能設定値と金種別分類硬貨値が一致しても、他の金種が不一致の場合には、一致金種の硬貨のそれ以後はオーバーフロー硬貨収納スタッカへ送り、不一致金種は一致するまでその金種の金種別硬貨収納投出部へ送っている。
【0015】
こうして、全ての金種別硬貨収納投出部の収納硬貨量が装填可能設定値に達することにより、補充カセットからの硬貨の送出を停止している。
【0016】
一方、搬送コンベヤ手段は、補充カセットの硬貨送出停止後もさらに駆動され、この搬送コンベヤ手段上の硬貨が全て貯留繰出部へ送り込まれる所定時間後に停止している。ところが、搬送コンベヤ手段上の硬貨の搬送時には硬貨が搬送コンベヤ手段上で立ち回りしやすく、硬貨の残留の発生が多い。例えば、搬送コンベヤ手段がコンベヤベルト、コンベヤベルト用プーリー、およびコンベヤベルトの両側の側壁などで構成されている場合、硬貨の立ち回りは、硬貨の上縁が側壁にもたれ、下縁がコンベヤベルト上面で回転し、進行することなく回転したまま残留することをいう。そこで、搬送コンベヤ手段のコンベヤベルト上の硬貨が残留しやすい箇所に残留センサを配置し、補充カセットの硬貨送出停止後も、残留センサによる硬貨残留の確認のために搬送コンベヤ手段を所定時間継続して駆動させ、残留硬貨無しの確認をとるようにしている。残留センサで硬貨残留を検知した場合には、搬送コンベヤ手段をさらに継続して駆動させることにより、硬貨が搬送される機会を継続して与えている。
【0017】
そのため、補充カセットの補充硬貨を金種別硬貨収納投出部へ補充する硬貨補充時に、補充カセットから送出される硬貨を搬送する搬送コンベヤ手段の駆動時間が非常に長くなる問題があり、また、補充カセットの補充硬貨を金種別硬貨収納投出部へ補充する硬貨補充時に、補充カセットから送出される補充硬貨量は確認されず、硬貨識別分類通路の識別部を通過した硬貨量との比較ができず、確実な残留確認ができない問題がある。
【0018】
こうした問題の解消の意図から、硬貨収納繰出カセットに着目し、この硬貨収納繰出カセットを、硬貨が1枚ずつ分離状態で送出でき、硬貨収納繰出カセットからの送出時点で硬貨のカウントも可能とすることが市場で望まれるようになってきた。
【0019】
そこで、硬貨収納繰出カセットの構造の改造を試みた。すなわち、硬貨送出ベルトの未端近傍域に、ベルト面に対向させるとともに出口部に向かうに従いベルト面に次第に接近して硬貨を1層1枚に規制する規制ガイドを設け、出口部近傍で送出される硬貨をカウントするように試みた。
【0020】
ところが、出口部に向かうに従い、ベルト上の硬貨量を絞っていくため、出口部近傍で詰まりが多発し、またベルトによる硬貨送出ゆえ、送出速度にも限界があることが判ってきた。
【0021】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、ホッパ部に貯留収納した硬貨を1枚ずつ分離状態で送出でき、硬貨の送出時点での硬貨のカウントも可能にできる硬貨収納繰出カセット、およびこの硬貨収納繰出カセットを用いた硬貨処理機を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の硬貨収納繰出カセットは、硬貨を貯留収納するホッパ部と、このホッパ部の底部に回転可能に設けられ、周縁域に硬貨を径方向および厚み方向に1枚ずつ受け入れるとともに受け入れた硬貨を周縁外方へ送出する複数の硬貨受収部を有する回転円盤と、前記ホッパ部の内側面を形成する側壁体と、この側壁体に形成される入口部を有し、前記回転円盤から送出される硬貨を入口部から受け入れて1枚ずつ整列状態で送出する硬貨通路と、この硬貨通路を送出される硬貨をカウントする硬貨カウント域とを具備しているものである。そして、この構成では、回転円盤の硬貨受収部に硬貨を1枚ずつ受け入れるとともに受け入れた硬貨を硬貨通路から1枚ずつ整列状態で送出するため、ホッパ部に貯留収納した硬貨を1枚ずつ分離状態で送出可能で、さらに、硬貨通路の硬貨カウント域において硬貨の送出時点での硬貨のカウントも可能になる。
【0023】
請求項2記載の硬貨収納繰出カセットは、請求項1記載の硬貨収納繰出カセットにおいて、ホッパ部は、金種混合硬貨を貯留収納するものであり、金種混合硬貨を1枚ずつ確実に繰り出せる。
【0024】
請求項3記載の硬貨収納繰出カセットは、請求項1または2記載の硬貨収納繰出カセットにおいて、回転円盤の回転を停止させる硬貨送出停止時に回転円盤の隣り合う2個の硬貨受収部の間に位置する回転円盤の周縁域を硬貨通路の入口部に対向させて停止させる第1の停止位置決め手段の少なくとも一部が設けられているものであり、硬貨通路からの不要な硬貨の送出が防止され、ホッパ部内の硬貨を貯留収納状態に確実に保持され、ストッパやシャッタなどが不要になる。
【0025】
請求項4記載の硬貨収納繰出カセットは、請求項3記載の硬貨収納繰出カセットにおいて、第1の停止位置決め手段で位置決めされた回転円盤の停止位置を保持する第2の停止位置決め手段の一部が設けられているものであり、硬貨通路からの不要な硬貨の送出が防止され、搬送時でもホッパ部内の硬貨を貯留収納状態に確実に保持され、ストッパやシャッタなどが不要になる。
【0026】
請求項5記載の硬貨収納繰出カセットは、請求項1ないし4いずれか記載の硬貨収納繰出カセットにおいて、側壁体は、ホッパ部の周囲に設けられるホッパ側壁部、このホッパ側壁部から回転円盤の周縁域上方に突出するとともに回転円盤の周縁域内方へ向かうに従い下り傾斜するガイド部、このガイド部の下側に設けられ回転円盤の周縁域外方へ向かうに従い下り傾斜する傾斜部、およびこの傾斜部の外側に設けられ回転円盤の周縁域に臨む立位壁部を有し、硬貨通路の入口部は、側壁体の立位壁部に形成されたものであり、ホッパ部の側壁体のガイド部によりホッパ部に貯留収納される硬貨の一部を支えて回転円盤にかかる硬貨の荷重を軽減し、ガイド部の下側の傾斜部により硬貨を回転円盤上に確実に倒し、回転円盤の硬貨受収部に硬貨を1枚ずつ受け入れて送出するため、ホッパ部内の上下方向に多量の硬貨を貯留収納してもホッパ部の下部域から1枚ずつ確実に送出される。
【0027】
請求項6記載の硬貨収納繰出カセットは、請求項5記載の硬貨収納繰出カセットにおいて、側壁体のガイド部および傾斜部は、ホッパ側壁部に対して回転可能とし、回転円盤上での硬貨の詰まり解消時に回転するものであり、硬貨の詰まりが容易に解消される。
【0028】
請求項7記載の硬貨収納繰出カセットは、請求項6記載の硬貨収納繰出カセットにおいて、側壁体のガイド部および傾斜部は、回転円盤上での硬貨の詰まり解消時に回転円盤の硬貨送出回転方向と反対方向へ回転するものであり、硬貨の詰まりが容易に解消される。
【0029】
請求項8記載の硬貨収納繰出カセットは、請求項7記載の硬貨収納繰出カセットにおいて、回転円盤を硬貨送出回転方向およびその反対方向のいずれにも回転可能とする駆動伝達部と、前記回転円盤の反対方向への回転時に駆動伝達部からガイド部および傾斜部へ駆動伝達してこれらガイド部および傾斜部を反対方向へ回転させるとともに回転円盤の硬貨送出回転方向への回転時に駆動伝達部からガイド部および傾斜部への駆動伝達を解除するワンウェイクラッチ手段を有する駆動系とを具備しているものであり、簡単な構成で、ガイド部および傾斜部の反対方向のみへの回転が可能となる。
【0030】
請求項9記載の硬貨収納繰出カセットは、請求項8記載の硬貨収納繰出カセットにおいて、ワンウェイクラッチ手段は、回転円盤の反対方向への回転時に駆動伝達部からガイド部および傾斜部へ駆動伝達してこれらガイド部および傾斜部を反対方向へ回転させるとともに回転円盤の硬貨送出回転方向への回転時に駆動伝達部からガイド部および傾斜部への駆動伝達を解除する第1のワンウェイクラッチ、およびガイド部および傾斜部の硬貨送出回転方向への回転を阻止するとともに反対方向への回転を許容する第2のワンウェイクラッチを有しているものであり、貯留収納された硬貨によって回転円盤とともにガイド部および傾斜部が硬貨送出回転方向に回転するのを防止し、貯留収納された硬貨を確実に繰り出せる。
【0031】
請求項10記載の硬貨収納繰出カセットは、請求項8または9記載の硬貨収納繰出カセットにおいて、駆動伝達部は、回転円盤を硬貨送出回転方向へ回転させるときの回転速度より反対方向へ回転させるときの回転速度を遅くするものであり、硬貨の詰まりが確実に解消される。
【0032】
請求項11記載の硬貨収納繰出カセットは、請求項5ないし10いずれか記載の硬貨収納繰出カセットにおいて、ホッパ部の上面に設けられホッパ部に対する硬貨の出し入れが可能な開口部と、この開口部を開閉する開閉扉とを具備しているものであり、硬貨収納繰出カセットの上下面を反転させ、開口部を通じて貯留収納されている硬貨を容易に取り出すことが可能で、その際、側壁体の傾斜部の傾斜を通じて回転円盤上の硬貨を確実に取り出せて、硬貨の残留が防止される。
【0033】
請求項12記載の硬貨収納繰出カセットは、請求項1ないし11いずれか記載の硬貨収納繰出カセットにおいて、硬貨通路は、回転円盤から送出される硬貨の下面を支持する通路底面、回転円盤の周縁域で硬貨送出回転方向の上流側に設けられ硬貨の径方向を規制する第1の規制縁、この第1の規制縁に対向して回転円盤の周縁域で硬貨送出回転方向の下流側に設けられる第2の規制縁、および硬貨通路を送出される硬貨の上面および下面のいずれか一方に押圧接触してこの硬貨を第1の規制縁側へ移動させる自由回転ローラを有しているものであり、硬貨通路の入口部の硬貨が回転円盤側へ戻ることなく、硬貨通路内へ確実に送り込める。
【0034】
請求項13記載の硬貨収納繰出カセットは、請求項1ないし12いずれか記載の硬貨収納繰出カセットにおいて、回転円盤の硬貨受収部は、硬貨の下面が載る底面部を有するものであり、回転円盤に底面部がなく別の固定底面部材を用いる場合に比べて硬貨の摩擦が少ない。
【0035】
請求項14記載の硬貨処理機は、機体と、この機体に対して着脱可能とする請求項1ないし13いずれか記載の硬貨収納繰出カセットと、この硬貨収納繰出カセットから送出される硬貨を受収して搬送する搬送コンベヤ手段と、この搬送コンベヤ手段で搬送してくる硬貨を貯留するとともに1枚ずつ繰り出す貯留繰出部と、この貯留繰出部から繰り出される硬貨を1枚ずつ搬送し、硬貨を識別する識別部および識別した硬貨を分類する分類部を有する硬貨識別分類通路と、この硬貨識別分類通路で識別した出金に使用可能とする硬貨を金種別に収納し、出金時に硬貨を投出する金種別硬貨収納投出部と、この金種別硬貨収納投出部が満杯の場合のオーバーフロー硬貨を収納するオーバーフロー硬貨収納スタッカと、前記機体に設けられ前記硬貨収納繰出カセットを着脱可能とする本体側着脱部と、前記硬貨収納繰出カセットの硬貨カウント域を通じて硬貨をカウントする計数部と、前記硬貨収納繰出カセットの硬貨を繰り出して金種別硬貨収納投出部へ補充する際、前記計数部で計数した計数値データと識別部で識別した識別部データとを監視し、その監視結果に基づき搬送コンベヤ手段の駆動を制御する駆動制御部とを具備しているものであり、硬貨収納繰出カセットの硬貨を繰り出して金種別硬貨収納投出部へ補充する際、搬送コンベヤ手段を不要に長く駆動することがなく、硬貨補充処理を短時間で可能となる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0037】
図11に、硬貨処理機として循環式硬貨入出金機を示し、11は機体で、この機体11の前側上部には入金口および出金口を兼ねる入出金口12が形成され、この入出金口12の内側には、硬貨投入時や硬貨取出時にのみ開放される入出金口シャッタ13が開閉可能に配設されているとともに、入出金口12の下方域周囲を囲んで壁部材14が配設されている。
【0038】
入出金口12の内側下方には入出金部15が形成され、この入出金部15には入金硬貨や機体11内から払い出される硬貨を受け入れる上面を開口した略樋状の受皿16が配設されている。この受皿16は左右両端の軸17を中心として開口が上方に向いて硬貨を受入可能とする受入姿勢と開口が下方へ向いて硬貨を放出する放出姿勢とに回動される。受皿16の下方には、受皿16の放出姿勢への回動によって放出される硬貨を受け入れて下方へ導くシュート18が配設されている。
【0039】
受皿16の下方には、受皿16から放出されてシュート18で導かれる硬貨を受け入れて貯留するとともに1枚ずつ繰り出す貯留繰出部21が配設されている。この貯留繰出部21は、傾斜状に軸支された回転円盤22、およびこの回転円盤22の表面側に形成されたホッパ23を有し、回転円盤22の周縁部近傍には硬貨を1枚ずつ掻き上げるための複数の突起22aが所定間隔ごとに突設されている。そして、貯留繰出部21では、受皿16から放出された硬貨を、ホッパ23に貯留するとともに、回転円盤22の回転により回転円盤22の周縁部の突起22aにて1枚ずつ掻き上げるとともに上部の繰出位置から1枚ずつ繰り出す。
【0040】
また、貯留繰出部21の上部の繰出位置には、貯留繰出部21から1枚ずつ繰り出される硬貨を1枚ずつ間隔をあけた分離状態で搬送する硬貨識別分類通路としての硬貨通路部26の始端部が接続されている。この硬貨通路部26は、貯留繰出部21の上部の繰出位置から斜め上後方へ向けて傾斜状に形成される第1の通路域26a、この第1の通路域26aから後方へ向けて略水平状に形成される第2の通路域26b、この第2の通路域26bから上方に向けて円弧状に折り返し形成される第3の通路域26c、この第3の通路域26cから前方へ向けて略水平状に形成されるとともに硬貨通路部26の終端部である末端が受皿16に接続される第4の通路域26dが形成されている。
【0041】
硬貨通路部26は、硬貨を鉛直方向に対して上側が左側面方向へ所定角度傾いた傾斜状態で搬送する通路板27を有し、この通路板27の下縁に貯留繰出部21の回転円盤22の繰出位置から各通路域26a〜26dの下縁部に沿って硬貨の周縁下部を支持する案内縁28が形成されている。
【0042】
硬貨通路部26上には、貯留繰出部21から1枚ずつ繰り出される硬貨を1枚ずつ間隔をあけた分離状態で搬送する搬送ベルト29が配設されている。この搬送ベルト29は、無端状で、駆動プーリ30と複数の案内プーリ31とによって各通路域26a〜26dに沿って懸架されており、硬貨を通路板27に押し付けながら搬送する。
【0043】
搬送ベルト29には硬貨を1枚ずつ間隔をあけた分離状態で搬送する突起29aが通路板27に対向する面に所定間隔ごとに突設されている。そして、通路板27の上面と搬送ベルト29の突起29aの対向面との間隙は接触しない微小間隙、通路板27の上面と搬送ベルト29の突起29a以外の対向面部との間隙は処理対象とする最小厚み硬貨の厚みよりやや小さい間隙となっている。
【0044】
硬貨通路部26の第1の通路域26aには、搬送される硬貨の適正、不適正、金種などを識別する材質センサやイメージセンサなどにて構成される識別部32が配設されている。
【0045】
硬貨通路部26の第2の通路域26bには、硬貨を分類する分類部33が配設されている。この分類部33は、硬貨通路部26の上流側から順に、識別部32にて識別された硬貨を例えば1円、5円、10円、50円、100円、500円硬貨に分類する金種別分類部34a〜34f、補充時および入金時のオーバーフロー硬貨、回収時の回収硬貨を分類する第1硬貨分類部35、補充時、出金時および回収時のリジェクト硬貨を分類する第2硬貨分類部36がそれぞれ形成されている。
【0046】
また、金種別分類部34a〜34fの下方には、分類される硬貨を受け入れて下方へ案内する金種別のシュート39がそれぞれ配設されている。金種別分類部34a〜34fの各シュート39の下方には複数枚、例えば最大で10枚の硬貨を上下方向に重積状態で一時保留する金種別一時保留部40がそれぞれ配設されている。
【0047】
金種別一時保留部40の下方には、金種別一時保留部40から送り込まれる硬貨を上部から受け入れて収納するとともに出金時などの投出時に収納されている硬貨を上部から1枚ずつ投出する金種別硬貨収納投出部41が配設されている。
【0048】
金種別硬貨収納投出部41の上部近傍の一側には、前後方向に沿って横搬送コンベヤ42が配設されている。この横搬送コンベヤ42では、金種別一時保留部40から放出される返却硬貨、第1硬貨分類部35で分類されたオーバーフロー硬貨(金種別硬貨収納投出部41または金種別一時保留部40が満杯の場合の以後の硬貨)を返却する場合の返却硬貨、金種別硬貨収納投出部41から投出される出金硬貨などを前端側の貯留繰出部21へ搬送し、第1硬貨分類部35で分類されたオーバーフロー硬貨を収納する場合の収納硬貨を後端側へ搬送する。
【0049】
また、機体11内には、硬貨通路部26の第1硬貨分類部35および第2硬貨分類部36の下方にこれらで分類される硬貨を対応する場所へ導く第1シュート手段45および第2シュート手段46が配設され、横搬送コンベヤ42の下方にオーバーフロー硬貨収納スタッカ47が配設され、このオーバーフロー硬貨収納スタッカ47の後方に補充回収カセットである硬貨収納繰出カセット48が配設され、硬貨収納繰出カセット48の左斜め上方にリジェクトカセット50および補充リジェクトカセット49が配設され、さらに、オーバーフロー硬貨収納スタッカ47の下方で硬貨収納繰出カセット48の前側から貯留繰出部21にかけて搬送コンベヤ手段51が配設されている。
【0050】
そして、第1シュート手段45は、上端が第1硬貨分類部35に接続されて第1硬貨分類部35で分類される硬貨を受け入れて案内するもので、下部側がオーバーフローシュート54と回収シュート55とに分岐され、これらオーバーフローシュート54と回収シュート55との間に硬貨を導くシュート方向を切り換えるシュート切換板56が配設されている。オーバーフローシュート54の途中には、オーバーフローシュート54で導かれる硬貨を横搬送コンベヤ42上とオーバーフローシュート54の先端側とに振り分けるシュート切換板57が配設されている。オーバーフローシュート54の先端はオーバーフロー硬貨収納スタッカ47側に配置され、回収シュート55の先端は硬貨収納繰出カセット48側に配置されている。
【0051】
第2シュート手段46は、上端が第2硬貨分類部36に接続されて第2硬貨分類部36で分類される硬貨を受け入れて案内するもので、下部側が、リジェクトカセット50側に配置される図示しないリジェクトシュートと補充リジェクトカセット49側に配置されるリジェクトシュート58とに分岐され、これらリジェクトシュートとリジェクトシュート58との間に硬貨を導くシュート方向を切り換えるシュート切換板59が配設されている。
【0052】
また、オーバーフロー硬貨収納スタッカ47は、機体11内に固定的に配設されており、オーバーフロー硬貨を金種混合状態で収納するとともに、オーバーフロー硬貨を補充硬貨として1枚ずつ分離して搬送コンベヤ手段51に繰り出し可能としている。なお、オーバーフロー硬貨収納スタッカ47で硬貨を収納して1枚ずつ繰り出す構造は、硬貨収納繰出カセット48の構造と同構造に形成されている。
【0053】
硬貨収納繰出カセット48は、機体11の後面の扉体62を開放して機体11内の本体側着脱部63に着脱可能に配置されており、補充硬貨を金種混合状態で収納するとともに、この補充硬貨を1枚ずつ分離して搬送コンベヤ手段51に繰り出し可能とし、かつ、回収シュート55の先端下方に位置されて回収時の回収硬貨を受け入れて収納可能としている。
【0054】
補充リジェクトカセット49は、機体11の後方から機体11内に着脱可能に配置されており、リジェクトシュート58の先端下方に位置されて補充時のリジェクト硬貨を収納する。
【0055】
リジェクトカセット50は、機体11の後方から機体11内に着脱可能に配置されており、リジェクトシュートの先端下方に位置されて出金時および回収時のリジェクト硬貨が収納される。
【0056】
また、搬送コンベヤ手段51は、図示しない両側の側壁、これら両側の側壁間に回転自在に軸支される複数のローラ66、これらローラ66に回動可能に掛け回されるベルト67を有し、ベルト67の表面には硬貨を係止する一対の突起68がベルト長手方向に一定間隔毎に突設されている。搬送コンベヤ手段51には、硬貨収納繰出カセット48の前側域からオーバーフロー硬貨収納スタッカ47の下方域にかけてそれら硬貨収納繰出カセット48およびオーバーフロー硬貨収納スタッカ47から1枚ずつ繰り出される硬貨を受け入れる略水平状の受入搬送部69が形成され、この受入搬送部69の前端から貯留繰出部21にかけて硬貨を揚送させて貯留繰出部21に送り込む上昇搬送部70が形成されている。
【0057】
そして、循環式硬貨入出金機では、硬貨入金時において、入出金部15に投入された入金硬貨を、貯留繰出部21、硬貨通路部26、識別部32、分類部33へ送り、入金リジェクト硬貨は入出金部15へ、出金に使用される入金硬貨は金種別一時保留部40に、入金オーバーフロー硬貨は横搬送コンベヤ42にそれぞれ保留し、入金承認時に一時保留硬貨を金種別硬貨収納投出部41に収納し、入金オーバーフロー硬貨は横搬送コンベヤ42の後端からオーバーフロー硬貨収納スタッカ47へ収納し、入金不承認によって一時保留硬貨を全て横搬送コンベヤ42へ集めこの横搬送コンベヤ42、貯留繰出部21、硬貨通路部26を通じて入出金部15に返却する。
【0058】
また、硬貨出金時において、金種別硬貨収納投出部41から投出される出金硬貨のうちの正規硬貨は、横搬送コンベヤ42、貯留繰出部21、硬貨通路部26を通じて入出金部15に出金し、出金リジェクト硬貨は第2硬貨分類部36からリジェクトカセット50へ収納する。
【0059】
また、硬貨収納繰出カセット48からの硬貨補充時において、硬貨収納繰出カセット48から搬送コンベヤ手段51に繰り出した補充硬貨を、貯留繰出部21、硬貨通路部26、識別部32、分類部33、金種別一時保留部40を通じて金種別硬貨収納投出部41に収納し、補充硬貨中のリジェクト硬貨は補充リジェクトカセット49に収納し、金種別硬貨収納投出部41が満杯となる金種のオーバーフロー硬貨は第1硬貨分類部35、第1シュート手段45、オーバーフローシュート54を通じてオーバーフロー硬貨収納スタッカ47に直接収納する。
【0060】
また、回収時には、まず、硬貨収納繰出カセット48内に補給硬貨が残留しているか否か判断し、残留硬貨がある場合は、硬貨収納繰出カセット48内の硬貨を硬貨収納繰出カセット48から搬送コンベヤ手段51に繰り出し、貯留繰出部21、硬貨通路部26、識別部32、分類部33、金種別一時保留部40を通じて金種別硬貨収納投出部41に収納し、金種別硬貨収納投出部41が満杯の場合は第1硬貨分類部35、第1シュート手段45、オーバーフローシュート54を通じて直接オーバーフロー硬貨収納スタッカ47に収納し、硬貨収納繰出カセット48内の残留硬貨を全て繰り出して残留硬貨を無とする。
【0061】
そして、回収時において、硬貨収納繰出カセット48内に残留硬貨がない場合は即時に、また、硬貨収納繰出カセット48内に残留硬貨がある場合は繰り出して空にした時点で、まず、金種別硬貨収納投出部41から回収のために投出される出金硬貨を、横搬送コンベヤ42、貯留繰出部21、硬貨通路部26、第1硬貨分類部35、回収シュート55を通じて硬貨収納繰出カセット48に回収する。こうして各金種別硬貨収納投出部41内の全ての硬貨が硬貨収納繰出カセット48へ回収されると、次にオーバーフロー硬貨収納スタッカ47内の硬貨を繰り出し、搬送コンベヤ手段51、貯留繰出部21、硬貨通路部26、第1硬貨分類部35、回収シュート55を通じて硬貨収納繰出カセット48に回収する。こうして金種別硬貨収納投出部41内の硬貨およびオーバーフロー硬貨収納スタッカ47の硬貨は硬貨通路部26の識別部32を経由し、回収時の正規硬貨は全て第1硬貨分類部35、回収シュート55を通じて硬貨収納繰出カセット48に回収される。
【0062】
一方、金種別硬貨収納投出部41内の硬貨およびオーバーフロー硬貨収納スタッカ47内の硬貨のうち識別部32で回収時のリジェクト硬貨と判断されると、第2硬貨分類部36、第2シュート手段46を通じてリジェクトカセット50へ回収収納される。
【0063】
このように、回収時には、硬貨収納繰出カセット48内を空状態にしたうえで、金種別硬貨収納投出部41およびオーバーフロー硬貨収納スタッカ47内の硬貨を全て硬貨収納繰出カセット48内(回収時の正規硬貨)およびリジェクトカセット50内(回収時のリジェクト硬貨)へ回収収納する。
【0064】
次に、硬貨収納繰出カセット48の構成を図1ないし図10を参照して説明する。
【0065】
硬貨収納繰出カセット48は、縦長で四角形箱状のケース81を有し、このケース81には硬貨収納繰出カセット48を運搬するための把手部82が使用状態と収納状態とに出入可能に取り付けられている。なお、ケース81の周面のうち、機体11の後面から本体側着脱部63へ向けて装着していく面を前面83とし、この前面83を基準として右側面84、左側面85および後面86を有し、さらに底面87を有する。ケース81の右側面84および後面86の一部にはケース81内を透視可能とする透明窓部88が形成されている。
【0066】
ケース81の上面には開口部89が開口形成され、この開口部89には開閉扉90が支軸91を支点として開閉可能とされている。開閉扉90には開口部89の閉塞状態でキー操作によりケース81側に対して施錠、解錠される錠前体92が取り付けられている。
【0067】
開閉扉90には回収シュート55を通じて送り込まれる硬貨(図中には符号Cで示し、以下省略する)を受け入れる受入口93が形成され、開閉扉90の下面に受入口93を開閉するシャッタ94が前後方向に移動可能に配設されている。シャッタ94は受入口93を閉塞する前方へ向けて図示しない付勢手段で付勢されている。
【0068】
そして、硬貨収納繰出カセット48を機体11の本体側着脱部63(図11に示す)に後方から装着する際に、機体11側から突設された2本のピン95,96(図1および図2に示す)が前面83から内部に挿入され、1本のピン95がシャッタ94に当接してこのシャッタ94を開放移動させ、硬貨収納繰出カセット48を機体11の本体側着脱部63に装着した状態で受入口93を開放するように構成されている。なお、もう1本のピン96は図4に図示のロック片127の下降用である。
【0069】
また、ケース81の内部には、金種混合状態の硬貨を貯留収納するホッパ部99が形成され、このホッパ部99の下部に硬貨を1枚ずつ繰り出す硬貨繰出装置100が配設されている。
【0070】
硬貨繰出装置100は、ケース81の下部に固定されるベース101、このベース101上に回転可能に配設されて硬貨を1枚ずつ送出する回転円盤102、この回転円盤102から送出される硬貨を受け入れて1枚ずつ整列状態で送出する硬貨通路103、およびベース101上で回転円盤102の周囲に配置されてホッパ部99の内側面を形成する側壁体104のガイドユニット105を有している。
【0071】
そして、ベース101の上面には、回転円盤102が回転自在に配置される凹部108が形成され、この凹部108の中央に軸受部109が形成され、凹部108の周縁に沿った右側部から前側にかけて硬貨通路103の一部が形成されている。
【0072】
また、回転円盤102は、図1、図5および図7に示すように、上下2枚の回転板112,113および下側の回転板113の下面に設けられたギヤ114を有し、下面中央に回転軸115が設けられている。回転軸115はベース101の凹部108の中央に設けられた軸受部109に回転自在に挿通され、回転円盤102の下面はベース101の凹部108内で円周方向へ回転自在に軸支された複数の支持ローラ116によって回転可能に支持されている。回転軸115の下端には、硬貨収納繰出カセット48を機体11側に装着した際に、機体11側に設置される駆動モータを有する駆動部117の駆動軸118が連結される駆動伝達部119が設けられている。そして、硬貨繰出時に図中時計回り方向である硬貨送出回転方向aに回転され、また、回転円盤102上での硬貨詰まりの解消時に図中反時計回り方向である反対方向bに回転される。
【0073】
回転円盤102の上面周縁域の複数箇所、本実施の形態では3箇所に、硬貨を径方向および厚み方向に1枚ずつ受け入れるとともに受け入れた硬貨を周縁外方へ送出する硬貨受収部120が形成されている。これら各硬貨受収部120は、図3ないし図6および図8に示すように、下側の回転板113の上面で構成される底面部121、および上側の回転板112が切り欠かれて回転円盤102の周縁へ向けて開口する開口状側壁縁部122を有している。硬貨受収部120の底面部121に平行な方向の幅は、処理対象とする最大径硬貨の径より広く最小径硬貨の2枚分の径より狭く、硬貨が径方向に1枚ずつ嵌り込む寸法に形成されている。硬貨受収部120の上下方向の幅、すなわち回転板113の上面から回転板112の上面までの寸法は、処理対象の最大厚み硬貨寸法(例えば2.8mm)に形成されている。すなわち、硬貨受収部120のうち、回転軸115側の域とこの域から円弧状域でつながる回転方向側の域に位置する開口状側壁縁部122は回転板113の上面つまり底板部121上面から垂直上方に略回転板112の上面まで形成されるが、その上端に面取り部122a(例えば0.2mm)が形成され、操作者が回転円盤102を触れても傷付けないようにし、また、回転円盤102上の硬貨が傷付くのを防ぐように考慮されている。
【0074】
また、回転円盤102の回転方向aと反対方向b側に位置する開口状側縁部122部位はその大半の幅域(回転軸115側から回転円盤102の外周縁近傍に至る域)が最小厚み硬貨(例えば2mm)より小の厚み寸法(例えば1.8mm)とされ、底面部121から垂直上方に形成される。また、その開口状側縁部122の上部には、回転方向aの後方側(b方向)へ傾斜する傾斜側縁部123とされ、硬貨受収部120の底面部121に載る最下層硬貨のみ硬貨受収部120内に入ったまま移動されるが、二層目以上の硬貨をこの傾斜側縁部123を通じて回転方向aの後方側(b方向)へ移動させるようになっている。
【0075】
この傾斜側縁部123の外周縁側端と回転円盤102の外周縁との間には、傾斜側縁部はなく、開口状側縁部122の垂直寸法幅も最大厚み硬貨の厚みに略等しい厚みとされるが、その半径方向域の寸法が3mm程度とされ、多量硬貨の崩しとたった硬貨の倒しの役目をするもので、2枚重なり状態で硬貨受収部120内を送られることはない。
【0076】
回転円盤102の各硬貨受収部120には硬貨検知用孔124が形成されている。そして、機体11側には、硬貨収納繰出カセット48の装着状態において、図8に示すように、ケース81の外部から内部の硬貨検知用孔124の位置に対応して検知光を投受光して硬貨受収部120内の硬貨の有無を検知する硬貨有無センサS1が配設され、さらに、回転円盤102の上面と平行でかつ前記上面から最小硬貨厚み以下の高さに設定されかつ中心部を通るように検知光を投受光して硬貨の有無を検知する硬貨有無センサS2が配設されている。
【0077】
回転円盤102の下面の中心近傍域には、図4に示すように、各硬貨受収部120に対応して、複数の検知片125が突設されている。そして、機体11側には、硬貨収納繰出カセット48の装着状態において、回転円盤102の隣り合う2個の硬貨受収部120の間に位置する回転円盤102の周縁域が硬貨通路103の入口部103aに対向する回転円盤102の回転位置で検知片125を検知する停止位置検知センサS3が配設されている。
【0078】
回転円盤102の下側の回転板113の周縁域には、各硬貨受収部120に対応して、複数のロック溝126が形成されている。硬貨収納繰出カセット48内には回転円盤102のロック溝126に下方から係脱可能とするロック片127が上下動可能に配置され、このロック片127がロック溝126に係合する上方へ向けて図示しない付勢手段によって付勢されている。ロック片127には一体に上下動する受部128が設けられており、硬貨収納繰出カセット48を機体11の本体側着脱部63に後方から装着する際に、硬貨収納繰出カセット48内に挿入されるピン96が受部128の上面(ピン96の挿入方向に上り傾斜するテーパ面)に当接してこの受部128とともにロック片127を下降させてロック溝126から外し、回転円盤102の回転を許容する。
【0079】
そして、硬貨収納繰出カセット48側の検知片125、機体11側の停止位置検知センサS3、回転軸115を回転する駆動部117の駆動モータ(機体11側)の電磁ブレーキ機能によって、回転円盤102の回転を停止させる硬貨送出停止時に回転円盤102の隣り合う2個の硬貨受収部120の間に位置する回転円盤102の周縁域を硬貨通路103の入口部103aに対向させて停止させる第1の停止位置決め手段129Aが構成されている。
【0080】
また、ロック溝126、ロック片127、受部128、ピン96などにより第2の停止位置決め手段129Bが構成され、硬貨収納繰出カセット48が機体11から抜かれる際に回転円盤102の隣り合う2個の硬貨受収部120の間に位置する回転円盤102の周縁域が硬貨通路103の入口部103aに位置する状態の回転円盤102の停止位置を保持し、硬貨収納繰出カセット48の機体11からの引き抜き後、運搬時もその状態が保持される。そのため、硬貨収納繰出カセット48が機体11に装着された状態においては、第1の停止位置決め手段129Aによって、また、硬貨収納繰出カセット48が機体11から引き抜かれた後は、第2の停止位置決め手段129Bによって回転円盤102が所望の位置で停止保持され、硬貨通路103からの不要な硬貨の送出が防止され、機体11への装着状態あるいは機体11からの引き抜き時の運搬状態においても硬貨収納繰出カセット48のホッパ部99内の硬貨は貯留収納状態に確実に保持され、ストッパやシャッタなどが不要になる。
【0081】
なお、第1および第2の停止位置決め手段129A,129Bは各々その構成要素を機体11側と硬貨収納繰出カセット48側とに分担配置している。しかし、第1の停止位置決め手段129Aについては、センサS3,S3、駆動部117の駆動モータが硬貨収納繰出カセット48に設けられている場合には、全ての構成要素が硬貨収納繰出カセット48側に設けられることになる。
【0082】
また、硬貨通路103は、回転円盤102の周縁に沿って形成されており、回転円盤102の周縁に臨み回転円盤102から送出される硬貨を受け入れる入口部103aが形成され、ベース101上に回転円盤102から送出される硬貨の下面を支持する通路底面132が形成され、ガイドユニット105の下面に硬貨の上面を規制する図示しない通路上面が形成され、回転円盤102の周縁域で硬貨送出回転方向aの上流側に対応した通路底面132の一側に硬貨の径方向を規制する第1の規制縁133が形成され、この第1の規制縁133に対向して回転円盤102の周縁域で硬貨送出回転方向aの下流側に対応した通路底面132の他側に第2の規制縁134が設けられている。第2の規制縁134は、硬貨を硬貨通路103の出口部103b側と回転円盤102側とに振り分ける回転自在のローラ135にて構成されている。
【0083】
硬貨通路103の途中の通路底面132には、自由回転ローラ136が自由回転自在に軸支され、この自由回転ローラ136が硬貨通路103を送出される硬貨の下面に押圧接触し、この硬貨の上面を図10に示すようにガイドユニット105の下面、特に後述の下側ガイド部材145の通路上面部145aに押圧する。一方、硬貨受収部120に位置する硬貨の域は外方へ移動し、この硬貨は径方向には第1の規制縁133側へ寄せるように移動する。
【0084】
図10において、自由回転ローラ136が固定される軸136aは軸受136bに回転自在に軸支され、この軸受136bは上下ガイド136c,136cに上下動可能に支持され、かつ、軸受136bの下面側に配置される圧縮ばね136dによって上方へ付勢されている。それ故、通常、自由回転ローラ136は下側ガイド部材145の通路上面部145aに押圧接触しており、硬貨の進入とともに自由回転ローラ136が硬貨の厚み分押し下げられ、その位置で硬貨を押圧接触する。
【0085】
この硬貨通路103の自由回転ローラ136より下流側には、出口部103bへ向かうに従い下り傾斜する硬貨カウント域137が形成され、この硬貨カウント域137に複数のカウント用孔138が通路幅方向に並んで形成されている。そして、機体11側には、硬貨収納繰出カセット48の装着状態において、カウント用孔138を通じて検知光を投受光して硬貨カウント域137を通過する硬貨をカウントする計数部としての検知センサS4が配設されている。
【0086】
硬貨通路103の出口部103bにはこの出口部103bから送り出される硬貨を前方へ案内して放出する出口部材139が取り付けられ、この出口部材139に検知センサS4の検知光が通過する複数のカウント用孔140が形成されている。
【0087】
また、ガイドユニット105は、環状ガイド部材143、この環状ガイド部材143を上下から回転可能に挟み込む上側ガイド部材144および下側ガイド部材145を有している。環状ガイド部材143の外周面に溝部146が形成され、この溝部146に上側ガイド部材144と下側ガイド部材145との間に回転自在に軸支される複数のローラ147によって環状ガイド部材143が回転可能に支持されている。
【0088】
環状ガイド部材143の内周部は回転円盤102の周縁域上方に突出され、環状ガイド部材143の上面に回転円盤102の周縁域内方へ向かうに従い下り傾斜する荷重軽減ガイド部としてのガイド部148が形成され、このガイド部148の下側であって環状ガイド部材143の下面に回転円盤102の周縁域外方へ向かうに従い下り傾斜する倒し傾斜部としての傾斜部149が形成されている。ガイド部148は、曲面で構成され、硬貨が面接触でなく点接触するため、ガイド部148上での硬貨の残留を防止できる。
【0089】
上側ガイド部材144の上面には、環状ガイド部材143のガイド部148に連続する傾斜のガイド部150が形成されている。
【0090】
下側ガイド部材145には、傾斜部149の外端側で回転円盤102の周縁域に臨み立位壁部151が形成され、この立位壁部151に硬貨通路103の入口部103aが形成されている。この立位壁部151に形成される入口部103aおよびそれに続く硬貨通路103の上下方向の幅(通路底板132と下側ガイド部材145の下面に形成される通路上面部145aの間隔)は、処理対象の最大厚み硬貨の厚みより広く最小厚み硬貨の2枚分の厚みより狭く、硬貨が1枚ずつ進入可能とする寸法に形成されている。
【0091】
環状ガイド部材143の外周にはギヤ152が形成され、このギヤ152に、回転円盤102の反対方向bへの回転時に回転円盤102から環状ガイド部材143へ駆動伝達してこの環状ガイド部材143を反対方向bへ回転させるとともに回転円盤102の硬貨送出回転方向aへの回転時に回転円盤102から環状ガイド部材143への駆動伝達を解除するワンウェイクラッチ手段153を有する駆動系154が連結されている。
【0092】
駆動系154は、回転軸155、この回転軸155の中間にワンウェイクラッチ手段153を介して支持されて回転円盤102のギヤ114に噛合するギヤ156、回転軸155の上端に固定されて環状ガイド部材143のギヤ152に噛合するギヤ157を有している。
【0093】
ワンウェイクラッチ手段153は、回転軸155とギヤ156との間に介在される第1のワンウェイクラッチ158、および回転軸155の下端とベース101との間に介在される第2のワンウェイクラッチ159を有している。第1のワンウェイクラッチ158は、回転円盤102の反対方向bへの回転時に回転円盤102から環状ガイド部材143へ駆動伝達してこの環状ガイド部材143を反対方向bへ回転させるとともに回転円盤102の硬貨送出回転方向aへの回転時に回転円盤102から環状ガイド部材143への駆動伝達を解除する。第2のワンウェイクラッチ159は、環状ガイド部材143の硬貨送出回転方向aへの回転を阻止するとともに反対方向bへの回転を許容する。
【0094】
また、ホッパ部99の内側面を形成する側壁体104は、ホッパ部99の周囲であってケース81の内壁面にて形成されるホッパ側壁部162、ガイドユニット105の環状ガイド部材143のガイド部148および傾斜部149、上側ガイド部材144のガイド部150、下側ガイド部材145の立位壁部151などによって構成されている。
【0095】
また、硬貨収納繰出カセット48のケース81および駆動伝達部119などは、機体11の本体側着脱部63に対して着脱される着脱部165として構成されている。
【0096】
次に、図12に、硬貨処理機を制御する制御部171の構成を示し、この制御部171には、処理モード、入金承認、非承認および出金額などを入力する指令入力部172、識別部32、硬貨収納繰出カセット48の検知センサS4および硬貨有無センサS1,S2、停止位置検知センサS3、オーバーフロー硬貨収納スタッカ47から1枚ずつ繰り出される硬貨を検知する検知センサS5およびオーバーフロー硬貨収納スタッカ47の硬貨の有無を検知する硬貨有無センサS6が接続されている。
【0097】
制御部171には、貯留繰出部21の回転円盤22および硬貨通路部26の搬送ベルト29を回転駆動するモータM1、搬送コンベヤ手段51を回転駆動するモータM2、硬貨収納繰出カセット48に駆動力を与える駆動部117のモータM3、オーバーフロー硬貨収納スタッカ47に駆動力を与えるモータM4が接続されている。
【0098】
制御部171は、回収時に金種別硬貨収納投出部41から投出される硬貨の投出枚数を記憶する投出枚数記憶部173、金種別硬貨収納投出部41から投出された硬貨が硬貨通路部26へ送り込まれて識別部32で識別された識別枚数を記憶する識別枚数記憶部174、これら投出枚数記憶部173と識別枚数記憶部174との枚数を比較する比較部175、この比較部175から投出枚数に関するデータを入力する収容量記憶手段176を有している。収容量記憶手段176は、金種別硬貨収納投出部41に収納されている硬貨の収納量を記憶する金種スタッカ収容量記憶部177−1〜177−6、およびオーバーフロー硬貨収納スタッカ47に収納されている硬貨の収納量を記憶するオーバーフロー硬貨収納スタッカ収容量記憶部178を有している。
【0099】
補充時において、硬貨収納繰出カセット48の検知センサS4で検知される硬貨のカウント値を記憶するカウンタカウント値記憶部179、オーバーフロー硬貨収納スタッカ47の検知センサS5で検知される硬貨のカウント値を記憶するカウンタカウント値記憶部180、識別部32で検知される硬貨のカウント値を記憶する識別部カウント値記憶部181、カウンタカウント値記憶部179と識別部カウント値記憶部181とのカウント値を比較する比較部182、カウンタカウント値記憶部180と識別部カウント値記憶部181とのカウント値を比較する比較部183を有している。比較部182または比較部183によるカウント値の比較を監視し、カウント値が一致した場合に搬送コンベヤ手段51のモータM2の駆動を停止制御する駆動制御部184を有している。駆動制御部184はモータM1〜M4を制御する。また、比較部182または183の一致でもって各記憶部179,181または各記憶部180,181がゼロクリアされる。
【0100】
回収時において、硬貨収納繰出カセット48に回収される硬貨の金種別枚数を含む回収硬貨値を記憶する回収硬貨値記憶部185を有している。
【0101】
さらに、制御部171は、硬貨収納繰出カセット48から1枚ずつ繰り出される補充硬貨を検知センサS4により計数して搬送コンベヤ手段51へ送り、搬送コンベヤ手段51、貯留繰出部21、硬貨通路部26の識別部32および分類部33を通じて補充硬貨を金種別硬貨収納投出部41へ、この金種別硬貨収納投出部41が満杯の場合のオーバーフロー硬貨をオーバーフロー硬貨収納スタッカ47へ送り込む補充動作と、硬貨収納繰出カセット48が空状態においてオーバーフロー硬貨収納スタッカ47の硬貨を搬送コンベヤ手段51へ送り、搬送コンベヤ手段51、貯留繰出部21、硬貨通路部26の識別部32および第1硬貨分類部35を経て、硬貨収納繰出カセット48の回収硬貨受入用の受入口93からホッパ部99へ回収収納する回収動作との両動作を制御する補充回収制御部の機能を有している。
【0102】
この補充回収制御部としての制御部171では、硬貨収納繰出カセット48により1枚ずつ繰り出される補充硬貨を検知センサS4により計数して搬送コンベヤ手段51へ送り、搬送コンベヤ手段51、貯留繰出部21、硬貨通路部26の識別部32および分類部33を通じて補充硬貨を金種別硬貨収納投出部41へ、この金種別硬貨収納投出部41が満杯の場合のオーバーフロー硬貨をオーバーフロー硬貨収納スタッカ47へ送り込む第1の補充動作と、オーバーフロー硬貨収納スタッカ47の硬貨を搬送コンベヤ手段51へ送り、搬送コンベヤ手段51、貯留繰出部21、硬貨通路部26の識別部32および分類部33を経て、金種別硬貨収納投出部41へ送り込む第2の補充動作と、硬貨収納繰出カセット48が空状態(空でない場合は後述する)においてオーバーフロー硬貨収納スタッカ47の硬貨を搬送コンベヤ手段51へ送り、搬送コンベヤ手段51、貯留繰出部21、硬貨通路部26の識別部32および第1硬貨分類部35を経て、硬貨収納繰出カセット48へ回収収納するとともに、金種別硬貨収納投出部41の硬貨を貯留繰出部21、硬貨通路部26の識別部32および第1硬貨分類部35を経て、硬貨収納繰出カセット48へ回収収納する回収動作との各動作を制御する機能を有している。
【0103】
なお、回収動作の開始時において、硬貨収納繰出カセット48内に補充硬貨がある場合は、搬送コンベヤ手段51、貯留繰出部21、硬貨通路部26の識別部32および分類部33を経て金種別硬貨収納投出部41へ、この金種別硬貨収納投出部41が満杯の場合は第1硬貨分類部35を通じてオーバーフロー硬貨収納スタッカ47へ送り、硬貨収納繰出カセット48を空にした後、金種別硬貨収納投出部41およびオーバーフロー硬貨収納スタッカ47の硬貨を硬貨収納繰出カセット48へ回収する制御機能を有する。
【0104】
回収動作の開始時に硬貨収納繰出カセット48内の残存補充硬貨を金種別硬貨収納投出部41またはオーバーフロー硬貨収納スタッカ47へ送る動作と制御は、補充動作と全く同じであり、金種スタッカ収容量記憶部177−1〜177−6、およびオーバーフロー硬貨収納スタッカ収容量記憶部178もそれに応じた硬貨値が加算される。
【0105】
さらに、制御部171は、側壁体104の環状ガイド部材143を、回転円盤102上での硬貨の詰まり解消時に回転円盤102の硬貨送出回転方向aと反対方向bへ回転させる機能、この回転円盤102を反対方向bへ回転するときの回転速度を硬貨送出回転方向aへ回転するときの回転速度より遅くする機能を有している。なお、回転円盤102の硬貨送出回転方向aへの回転速度を1とすると、反対方向bへの回転速度は0.6〜0.7であるのが好適である。
【0106】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0107】
硬貨収納カセット48が機体11に装着されている状態で回転円盤102が停止している場合は、第1の停止位置決め手段129A(検知片125、停止位置検知センサS3、回転軸115を回転させる駆動部117の駆動モータの電磁ブレーキ機能)で定位置(回転円盤102の隣り合う2個の硬貨受収部120の間に位置する回転円盤102の周縁域が硬貨通路103の入口部103aに対向する定位置)に位置される。
【0108】
硬貨収納繰出カセット48は、機体11から外されると、第2の停止位置決め手段129Bのロック片127が回転円盤102の1つのロック溝126に係合し、回転円盤102の定位置(回転円盤102の隣り合う2個の硬貨受収部120の間に位置する回転円盤102の周縁域が硬貨通路103の入口部103aに対向した状態)が保持され、硬貨通路103の入口部103aの閉塞が保持され、硬貨収納繰出カセット48の運搬時に硬貨通路103を通じて硬貨が流出するのを防止している。また、上面の受入口93をシャッタ94で閉塞している。
【0109】
錠前体92を解錠して開閉扉90を開き、補充硬貨を開口部89からホッパ部99内に投入して収納し、開閉扉90を閉じて錠前体92を施錠する。
【0110】
硬貨収納繰出カセット48を機体11の設置場所に運搬し、機体11の後方から本体側着脱部63に装着する。硬貨収納繰出カセット48を装着する際、機体11側から突設された2本のピン95,96が硬貨収納繰出カセット48内に挿入され、ピン95でシャッタ94が開放移動して受入口93が開放され、ピン96で受部128とともにロック片127が下降して回転円盤102のロック溝126から外れる。しかし、硬貨収納繰出カセット48が機体11の本体側着脱部64に装着されると機体11側の駆動部117の駆動軸118が回転円盤102の駆動伝達部119に連結され、駆動部117の駆動モータの電磁ブレーキ機能を通じて回転円盤102は定位置(回転円盤102の隣り合う2個の硬貨受収部120の間に位置する回転円盤102の周縁域が硬貨通路103の入口部103aに対向する定位置)にロック保持される。
【0111】
硬貨収納繰出カセット48を機体11に装着し、駆動部117の駆動モータが回転(回転時は電磁ブレーキ機能は解除)して回転円盤102の回転軸115が回転することにより、硬貨通路103の出口部103bの出口部材139から搬送コンベヤ手段51への硬貨の放出が可能となり、受入口93は回収シュート55からの硬貨の受け入れが可能となる。さらに、機体11側の各センサS1,S2,S3,S4が硬貨収納繰出カセット48の対応する箇所での検知が可能となる。
【0112】
硬貨収納繰出カセット48からホッパ部99内の硬貨を1枚ずつ繰り出す場合には、駆動部117の駆動によって回転円盤102が硬貨送出回転方向aに回転し、回転円盤102の各硬貨受収部120にホッパ部99内の硬貨を1枚ずつ受け入れるとともに受け入れた硬貨を硬貨通路103へ送出する。
【0113】
このとき、ホッパ部99の側壁体104のガイド部148によりホッパ部99に貯留収納される硬貨の一部を支えて回転円盤102上の最下層の硬貨にかかる上層の硬貨の荷重を軽減するため、ホッパ部99内の上下方向に多量の硬貨を貯留収納していても、回転円盤102上の硬貨受収部120に受け入れた硬貨を硬貨通路103へ確実に送出できる。しかも、ガイド部148の下側に傾斜部149によって空間部が設けられているため、このガイド部148の下側の空間部に位置する最下層の硬貨つまり硬貨受収部120に受け入れられた硬貨にかかる上層の硬貨の荷重はより軽減できる。さらに、傾斜部149により、図9に示すように、ガイド部148に寄りかかった状態で回転円盤102上を立ち回る硬貨が生じても、この硬貨の下部が回転円盤102の遠心力で周縁外方へ移動して回転円盤102上に倒れるのを許容でき、硬貨を確実に送出できる。
【0114】
また、多量の硬貨が傾斜部149、立位壁部151、回転円盤102間に存在しても、傾斜部149の傾斜面と回転円盤102の遠心力を通じて最下層の硬貨は確実に倒され水平にされる。
【0115】
回転円盤102には駆動系154を介して環状ガイド部材143が接続されているが、この駆動系154に組み込まれた第1のワンウェイクラッチ158により、回転円盤102の硬貨送出回転方向aへの回転時に回転円盤102から環状ガイド部材143への駆動伝達を解除するため、環状ガイド部材143が硬貨送出回転方向aに回転駆動することはない。さらに、第2のワンウェイクラッチ159により、環状ガイド部材143の硬貨送出回転方向aへの回転を阻止するため、ホッパ部99内に貯留収納された硬貨が回転円盤102とともに回転し、この回転する硬貨によって環状ガイド部材143が硬貨送出回転方向aに一緒に回転するのを防止でき、ホッパ部99内に貯留収納された硬貨を崩して確実に送り出すことができる。
【0116】
回転円盤102の各硬貨受収部120に1枚ずつ受け入れられた硬貨には遠心力が作用し、立位壁部151に設けられた入口部103aに対向した硬貨受収部120内の硬貨が硬貨通路103へ送出される。回転円盤102の硬貨受収部120は硬貨の下面が載る底面部121を有するため、回転円盤102にその底面部121がなく別の固定底面部材を用いる場合のように、回転円盤102と一緒に回転移動する硬貨が別の固定底面部材上を接触しながら移動するのに比べて、硬貨の摩擦を低減できる。
【0117】
硬貨通路103へ送出される硬貨は、硬貨受収部120の開口状側壁縁部122で押されながら、通路底面132上に載り移りつつ径方向外縁が第1の規制縁133に沿って移動する。硬貨通路103内での硬貨の移動途中で、硬貨の下面に自由回転ローラ136が押圧接触し、その結果、硬貨の第1の規制縁133側上下面が図10に示すように通路上面部145aと自由回転ローラ136で挟持され、硬貨の回転円盤102の側部位は回転円盤102の遠心力で外方へ移動し、この硬貨は第1の規制縁133に沿わせて硬貨カウント域137へ送出される。硬貨カウント域137では検知センサS4で硬貨の通過を検知する。硬貨カウント域137を通過する硬貨は硬貨通路103の出口部103bから出口部材139を通じて搬送コンベヤ手段51へ放出される。
【0118】
一方、回転円盤102上での硬貨の有無が硬貨有無センサS1,S2によって検知される。硬貨有無センサS2では、回転円盤102の上面に接している硬貨の有無を検知する。硬貨有無センサS1では、硬貨受収部120に受け入れられている硬貨の有無を検知するとともに、環状ガイド部材143上に硬貨がブリッジ状に詰まって回転円盤102上の硬貨有無センサS2で硬貨無しを検知するような場合でもその硬貨の詰まりを検知できる。
【0119】
また、駆動部117の負荷と各センサS1,S2,S4の検知状況とのいずれか一方または両方から回転円盤102上での硬貨詰まりを検知した場合、駆動部117による回転円盤102の駆動を一旦停止し、回転円盤102を反対方向bへ回転させるように逆転させる。この回転円盤102の反対方向bへ回転時には、駆動系154を介して環状ガイド部材143が反対方向bに回転する。この駆動系154の第1のワンウェイクラッチ158では回転円盤102から環状ガイド部材143へ駆動伝達してこの環状ガイド部材143を反対方向bへ回転させ、第2のワンウェイクラッチ159では環状ガイド部材143の反対方向bへの回転を許容する。これら回転円盤102および環状ガイド部材143の反対方向bへの回転により、硬貨の詰まりを容易に解消できる。しかも、回転円盤102を反対方向bへ回転するときの回転速度を硬貨送出回転方向aへ回転するときの回転速度より遅くするため、硬貨の詰まりを確実に解消できる。
【0120】
また、回転円盤102の回転を停止するときには、停止位置検知センサS3でいずれかの検知片125を検知する位置で回転円盤102を停止させるように駆動部117を制御し、回転円盤102のロック溝126をロック片127が係合可能な位置に停止させる。そして、駆動部117を通じて電磁ブレーキがかけられ、回転円盤102の停止位置が保持される。
【0121】
また、硬貨収納繰出カセット48を機体11から後方へ移動させて取り出す際には、機体11側の駆動部117の駆動軸118が回転円盤102の駆動伝達部119から外れ、機体11側から突設された2本のピン95,96が硬貨収納繰出カセット48内から外れる。ピン95で押されていたシャッタ94が付勢にて閉鎖移動して受入口93が閉鎖され、ピン96で押されていた受部128とともにロック片127が上昇して回転円盤102のロック溝126に係合し、回転円盤102の回転をロックする。ロックされた回転円盤102の隣り合う2個の硬貨受収部120の間に位置する回転円盤102の周縁域は硬貨通路103の入口部103aに対向した状態が保持され、硬貨通路103の入口部103aが閉塞され、硬貨通路103を通じて硬貨が流出するのが防止される。
【0122】
また、機体11から外した硬貨収納繰出カセット48のホッパ部99内に収納されている硬貨を取り出す場合には、錠前体92を解錠して開閉扉90を開き、硬貨収納繰出カセット48の上下を反転させて開口部89を通じて硬貨を容易に取り出すことができる。このとき、側壁体104の傾斜部149の傾斜を通じて回転円盤102上の硬貨を確実に取り出すことができ、硬貨の残留を防止できる。
【0123】
次に、図13において、硬貨収納繰出カセット48から金種別硬貨収納投出部41への硬貨の補充処理について説明する。図中、太い実線は正常な補充硬貨の搬送経路を示し、破線は補充リジェクト硬貨の搬送経路を示し、1点鎖線は間引貨の搬送経路を示す。
【0124】
補充硬貨が収納された硬貨収納繰出カセット48が機体11内に装填されている状態で、指令入力部172により硬貨収納繰出カセット48からの補充指令が入力されることにより、モータM1,M2,M3が駆動され、貯留繰出部21の回転円盤22、硬貨通路部26の搬送ベルト29、搬送コンベヤ手段51、および硬貨収納繰出カセット48の回転円盤102がそれぞれ回転される。
【0125】
硬貨収納繰出カセット48内の補充硬貨は、回転円盤102の回転で1枚ずつ搬送コンベヤ手段51へ繰り出される。この繰り出される補充硬貨は、検知センサS4で検知され、制御部171のカウンタカウント値記憶部179に加算記憶される。
【0126】
搬送コンベヤ手段51へ繰り出された補充硬貨は、貯留繰出部21へ搬送され、貯留繰出部21から硬貨通路部26へ1枚ずつ繰り出され、硬貨通路部26内を1枚ずつ分離状態で搬送される。硬貨通路部26の識別部32を補充硬貨が通過する際に、正常貨および識別不能貨を含む全ての硬貨をカウントして、そのカウント値が制御部171の識別部カウント値記憶部181に加算記憶される。
【0127】
硬貨通路部26の識別部32で正常貨と識別された補充硬貨は、識別部32での識別信号に基づき、硬貨通路部26の金種別分類部34a〜34fで金種別に分類され、金種別一時保留部40を通過して、金種別硬貨収納投出部41に収納される。金種別硬貨収納投出部41に補充硬貨が収容される毎に、識別部32による金種別カウント値が制御部171の対応する金種スタッカ収容量記憶部177−1〜177−6に加算記憶される。
【0128】
硬貨通路部26の識別部32で識別不能な補充リジェクト硬貨は、硬貨通路部26の第2硬貨分類部36で分類されて補充リジェクトカセット49に回収される。
【0129】
硬貨通路部26の識別部32で正常貨と識別されても、同一金種の硬貨が連続するために、金種別分類部34a〜34fでの分類が間に合わない場合には、分類しない。この場合、硬貨は、間引貨として、金種別分類部34a〜34fを通過して硬貨通路部26の末端まで搬送され、受皿16が硬貨放出姿勢に切り換えられている入出金部15を通じて貯留繰出部21に戻され、循環される。この間引貨に関しては、識別部32で正常貨としてカウントされているため、間引貨が発生する毎に、その硬貨が金種別分類部34fを通過時に通過センサ(図示せず)の検知により識別部32での金種別カウント値から1枚分減算される。その結果、間引貨金種に対応する金種スタッカ収容量記憶部177−1〜177−6の加算記憶値から1枚分減算される。
【0130】
始業時の初期補充においては、出金に必要な最低量の硬貨、例えば金種別に50枚ずつの硬貨が金種別硬貨収納投出部41に収容される。ある金種について、50枚数目の硬貨が識別部32で識別された場合、それ以降に識別部32で識別される対応金種の補充硬貨はオーバーフロー硬貨として、硬貨通路部26の第1硬貨分類部35で分類されてオーバーフロー硬貨収納スタッカ47に収納される。オーバーフロー硬貨収納スタッカ47にオーバーフロー硬貨が収納される毎に、識別部32による金種別カウント値が制御部171のオーバーフロー硬貨収納スタッカ収容量記憶部178に金種別に加算記憶される。
【0131】
なお、初期補充時において、前回の終業時に機体11内の硬貨を全て回収して空にしている場合、金種別硬貨収納投出部41およびオーバーフロー硬貨収納スタッカ47は空状態にあり、その空状態で補充処理をすることにより、その識別される識別量(金種別加算カウント値)がそのまま収容量として制御部171の金種スタッカ収容量記憶部177−1〜177−6およびオーバーフロー硬貨収納スタッカ収容量記憶部178に加算記憶される。なお、オーバーフロー硬貨収納スタッカ収容量記憶部178については金種別合計カウント値と別に総合計カウント値も記憶される。
【0132】
全ての金種別硬貨収納投出部41に50枚ずつ硬貨が収容され、例えば最後に50枚となる金種の硬貨が識別部32を通過した段階、またはその硬貨が硬貨通路部26から分類された段階(各金種スタッカ収容量記憶部177−1〜177−6に各50枚の値が記憶された段階)で、モータM3が直ちに停止され、硬貨収納繰出カセット48からの硬貨繰出が停止される。硬貨収納繰出カセット48からの硬貨繰出の停止により、制御部171のカウンタカウント値記憶部179のカウント値はそれ以上加算されなくなる。この各記憶部179,181のカウント値の一致により、各記憶部179,181の記憶値はゼロクリアされる。
【0133】
モータM3の停止後も、繰り出されている硬貨を貯留繰出部21、硬貨通路部26を通じて分類するためにモータM1,M2の駆動は継続され、全ての金種別硬貨収納投出部41に補充された後の搬送コンベヤ手段51および硬貨通路部26上にある硬貨がオーバーフロー硬貨としてオーバーフロー硬貨収納スタッカ47に収納される。これに伴い、制御部171の識別部カウント値記憶部181への加算記憶、およびオーバーフロー硬貨収納スタッカ収容量記憶部178への加算記憶は継続される。
【0134】
硬貨収納繰出カセット48から繰り出された全ての硬貨が識別部32を通過した場合には、制御部171のカウンタカウント値記憶部179のカウント値と識別部カウント値記憶部181のカウント値とが一致し、比較部182から駆動制御部184へ一致信号が入力され、モータM2が直ちに停止され、搬送コンベヤ手段51が停止される。さらに、駆動制御部184への一致信号の入力から所定時間後、すなわち硬貨通路部26上の硬貨がオーバーフロー硬貨収納スタッカ47に分類収納され、また、オーバーフロー硬貨収納スタッカ収容量記憶部178の金種別合計カウント値および総合計カウント値に加算記憶させ、補充リジェクト硬貨がある場合にその補充リジェクト硬貨が補充リジェクトカセット49に分類収納されるのに十分な時間後に、モータM1が停止され、回転円盤22および搬送ベルト29が停止される。
【0135】
また、例えばある金種の硬貨が出金最低収容量以下となり、途中補充する場合にも、初期補充と同様に、モータM1,M2,M3が駆動されて、硬貨収納繰出カセット48から補充硬貨が繰り出されて補充される。そして、出金最低収容量以下の金種の金種別硬貨収納投出部41に対する補充完了時(補充硬貨に対応する金種スタッカ収容量記憶部177−1〜177−6に補充枚数分が加算記憶される)にモータM3が直ちに停止され、制御部171のカウンタカウント値記憶部179のカウント値と識別部カウント値記憶部181のカウント値との一致時にモータM2が停止され、一致から所定時間後にモータM1が停止される。
【0136】
この途中補充時において、出金最低収容量以下の金種以外の金種については、補充に必要な値に達していなければその金種の金種別硬貨収納投出部41に補充してもよいし、オーバーフロー硬貨としてオーバーフロー硬貨収納スタッカ47に収納してもよい。この場合は、これら硬貨も対応する金種の金種スタッカ収容量記憶部177−1〜177−6またはオーバーフロー硬貨収納スタッカ収容量記憶部178に加算記憶される。
【0137】
また、初期補充および途中補充の場合とも、補充処理中に硬貨収納繰出カセット48内の硬貨が無くなり、硬貨収納繰出カセット48の硬貨有無センサS1,S2で硬貨無しが検知された場合には、モータM3が直ちに停止され、比較部182の一致信号でモータM2が停止され、一致信号から所定時間後にモータM1が停止される。
【0138】
また、補充処理途中でオーバーフロー硬貨収納スタッカ収容量記憶部178の総合計カウント値が上限領域値に達した場合には、モータM3が直ちに停止され、比較部182の一致信号でモータM2が停止され、一致信号から所定時間後にモータM1が停止される。オーバーフロー硬貨収納スタッカ収容量記憶部178の総合計カウント値の上限領域値は、この上限領域値に達した場合でも、搬送コンベヤ手段51、貯留繰出部21および硬貨通路部26にある硬貨をオーバーフロー硬貨収納スタッカ47に収納可能とする値に設定されている。
【0139】
次に、図14において、金種別硬貨収納投出部41の硬貨およびオーバーフロー硬貨収納スタッカ47の硬貨を硬貨収納繰出カセット48に回収する回収処理について説明する。
【0140】
金種別硬貨収納投出部41からの回収動作の開始により、貯留繰出部21の回転円盤22、硬貨通路部26の搬送ベルト29、横搬送コンベヤ42がそれぞれ回転される。
【0141】
金種別硬貨収納投出部41のうち、まず1つの金種の金種別硬貨収納投出部41から回収硬貨が1枚ずつ順次投出され、横搬送コンベヤ42上に送り込まれる。この金種別硬貨収納投出部41から回収硬貨が1枚ずつ投出される毎に対応する金種スタッカ収容量記憶部177−1〜177−6から1枚分ずつ減算されるとともに、投出された回収硬貨の金種別の枚数が制御部171の投出枚数記憶部173に加算記憶される。
【0142】
横搬送コンベヤ42上に送り込まれた回収硬貨は、貯留繰出部21へ搬送され、貯留繰出部21から硬貨通路部26へ1枚ずつ繰り出され、硬貨通路部26内を1枚ずつ分離状態で搬送される。硬貨通路部26の識別部32を回収硬貨が通過する際に、正常貨および識別不能貨を含む全ての硬貨をカウントして、そのカウント値が制御部171の識別枚数記憶部174に加算記憶される。
【0143】
硬貨通路部26の識別部32で正常貨と識別された回収硬貨は、硬貨通路部26の第1硬貨分類部35で分類されて硬貨収納繰出カセット48に収納される。硬貨収納繰出カセット48に回収硬貨が収納される毎に、制御部171の回収硬貨値記憶部185に各金種毎の枚数値として加算記憶される。
【0144】
硬貨通路部26の識別部32で回収リジェクト硬貨と識別された硬貨は、硬貨通路部26の第2硬貨分類部36で分類されてリジェクトカセット50に回収される。
【0145】
そして、1つの金種別硬貨収納投出部41内の硬貨の投出が完了し、投出された全ての回収硬貨が識別部32を通過した場合、制御部171の投出枚数記憶部173のカウント値と識別枚数記憶部174のカウント値とが一致し、比較部175から一致信号が出力される。この一致信号の出力により、次の金種の金種別硬貨収納投出部41から回収硬貨を投出して上述と同様の回収動作が開始される。このとき、制御部171の投出枚数記憶部173および識別枚数記憶部174はリセットされ、次の金種の金種別硬貨収納投出部41から回収硬貨の投出枚数と識別枚数との確認に用いられる。
【0146】
このようにして、金種別硬貨収納投出部41からは1金種ずつ回収動作がなされ、最後の金種に関して比較部175から一致信号が出力されることにより、横搬送コンベヤ42が直ちに停止され、一致信号の出力から所定時間後、すなわち硬貨通路部26上の回収硬貨が硬貨収納繰出カセット48に分類収納されるとともに回収リジェクト硬貨がある場合にその回収リジェクト硬貨がリジェクトカセット50に分類収納される。次に、オーバーフロー硬貨収納スタッカ47の硬貨が搬送コンベヤ手段51、貯留繰出部21、硬貨通路部26を通じて硬貨収納繰出カセット48へ回収され、モータM1が停止されて回転円盤22および搬送ベルト29が停止される。
【0147】
以上のように、硬貨収納繰出カセット48によれば、回転円盤102の硬貨受収部120に硬貨を1枚ずつ受け入れるとともに受け入れた硬貨を硬貨通路103から1枚ずつ整列状態で送出するため、ホッパ部99に貯留収納した硬貨を1枚ずつ分離状態で送出でき、さらに、硬貨通路103の硬貨カウント域137において硬貨の送出時点での硬貨のカウントも可能にできる。
【0148】
また、回転円盤102の回転を停止させる硬貨停止時は第1の停止位置決め手段129Aとなる駆動部117のモータM3に備えた電磁ブレーキにより回転円盤102の停止位置が保持され、回転円盤102の隣り合う2個の硬貨受収部120の間に位置する回転円盤102の周縁域を硬貨通路103の入口部103aに対向させて停止させるため、硬貨通路103からの不要な硬貨の送出を防止できる。
【0149】
また、機体11から硬貨収納繰出カセット48を抜き取るときには、一部を硬貨収納繰出カセット48に、残りを機体11に分担して設けた第2の停止位置決め手段129Bにより、回転円盤102の回転停止位置が保持される。すなわち、機体11から硬貨収納繰出カセット48が抜き取られると、回転円盤102のロック溝126へロック片127が進入して回転円盤102の回転停止位置が保持される。その結果、機体11から硬貨収納繰出カセット48が抜き取られた状態であっても、回転円盤102の隣り合う2個の硬貨受収部120の間に位置する回転円盤102の周縁域を硬貨通路103の入口部103aに対向させて停止保持するため、硬貨通路103からの不要な硬貨の送出を防止し、運搬時でもホッパ部99内の硬貨を貯留収納状態に確実に保持でき、ストッパやシャッタなどを不要にできる。
【0150】
ホッパ部99の側壁体104のガイド部148によりホッパ部99に貯留収納される硬貨の一部を支えて回転円盤102にかかる硬貨の荷重を軽減し、ガイド部148の下側の傾斜部149により硬貨を回転円盤102上に確実に倒し、回転円盤102の硬貨受収部120に硬貨を1枚ずつ受け入れて送出するため、ホッパ部99内の上下方向に多量の硬貨を貯留収納してもホッパ部99の下部域から1枚ずつ確実に送出できる。
【0151】
また、側壁体104のガイド部148および傾斜部149が、ホッパ側壁部162に対して回転可能とし、回転円盤102上での硬貨の詰まり解消時に回転するため、硬貨の詰まりを容易に解消できる。特に、側壁体104のガイド部148および傾斜部149の回転を詳述すると、回転円盤102上での硬貨の詰まり解消時に回転円盤102が硬貨送出回転方向aと反対方向bに回転するとともにガイド部148および傾斜部149も回転円盤102の反対方向bへ回転するため、硬貨の詰まりをより容易に解消できる。
【0152】
駆動伝達部119からガイド部148および傾斜部149への駆動系154にワンウェイクラッチ手段153を設けるだけの簡単な構成で、回転円盤102の反対方向bへの回転時に駆動伝達部119からガイド部148および傾斜部149へ駆動伝達してこれらガイド部148および傾斜部149を反対方向bへ回転させるとともに回転円盤102の硬貨送出回転方向aへの回転時に駆動伝達部119からガイド部148および傾斜部149への駆動伝達を解除することができる。
【0153】
ワンウェイクラッチ手段153として、回転円盤102の反対方向bへの回転時に駆動伝達部119からガイド部148および傾斜部149へ駆動伝達してこれらガイド部148および傾斜部149を反対方向bへ回転させるとともに回転円盤102の硬貨送出回転方向aへの回転時に駆動伝達部119からガイド部148および傾斜部149への駆動伝達を解除する第1のワンウェイクラッチ158に加えて、ガイド部148および傾斜部149の硬貨送出回転方向aへの回転を阻止するとともに反対方向bへの回転を許容する第2のワンウェイクラッチ159を備えたため、貯留収納された硬貨によって回転円盤102とともにガイド部148および傾斜部149が硬貨送出回転方向aに回転するのを防止でき、貯留収納された硬貨を確実に繰り出すことができる。
【0154】
駆動伝達部119を通じて、回転円盤102を硬貨送出回転方向aへ回転させるときの回転速度より反対方向bへ回転させるときの回転速度を遅くするため、硬貨の詰まりを確実に解消できる。
【0155】
また、ホッパ部99の上面に開閉扉90で開閉される硬貨の出し入れが可能な開口部89を有するため、硬貨収納繰出カセット48の上下面を反転させ、開口部89を通じて貯留収納されている硬貨を容易に取り出すことができ、その際、側壁体104の傾斜部149の傾斜を通じて回転円盤102上の硬貨を確実に取り出すことができ、硬貨の残留を防止できる。
【0156】
また、硬貨通路103を回転円盤102の硬貨送出回転方向aの上流側の第1の規制縁133と下流側の第2の規制縁134との間に形成し、この硬貨通路103を送出される硬貨に自由回転ローラ136が押圧接触してこの硬貨を第1の規制縁133側へ移動させるため、硬貨通路103の入口部103aの硬貨が回転円盤102側へ戻ることなく、硬貨通路103内へ確実に送り込むことができる。
【0157】
また、回転円盤102の硬貨受収部120に硬貨の下面が載る底面部121を有するため、回転円盤102に底面部121がなく別の固定底面部材を用いる場合に比べて硬貨の摩擦を低減できる。
【0158】
また、硬貨処理機に硬貨収納繰出カセット48を用いることにより、硬貨収納繰出カセット48の硬貨を金種別硬貨収納投出部41へ補充する際、検知センサS4で計数した計数値データと識別部32で識別した識別部データとを監視し、その監視結果に基づき搬送コンベヤ手段51の駆動を制御できるため、搬送コンベヤ手段51を不要に長く駆動することがなく、硬貨補充処理を短時間でできる。
【0159】
なお、各センサS1,S2,S3,S4は、硬貨収納繰出カセット48内に設けてもよい。また、駆動部117、および回転円盤102の回転と停止を制御するための制御部などを含む構成は、機体11側と硬貨収納繰出カセット48側とのいずれか一方、あるいは機体11側と硬貨収納繰出カセット48側とに分散して配置してもよい。
【0160】
また、硬貨収納繰出カセット48は、金種混合硬貨を収納して繰り出す硬貨収納繰出カセットでも、単一金種を収納して繰り出す硬貨収納繰出カセットでもよい。
【0161】
また、機体11に対して着脱可能な硬貨収納繰出カセット48に限らず、回収機能のない補充専用の硬貨収納繰出カセットを用いてもよい。
【0162】
また、硬貨収納繰出カセット48を適用する硬貨処理機としては、循環式硬貨入出金機に限らず、硬貨出金機および硬貨入出金機などにも適用でき、同様の作用効果が得られる。
【0163】
さらに、硬貨収納繰出カセット48は、硬貨処理機に限らず、自動販売機および自動両替機などにも適用でき、同様の作用効果が得られる。
【0164】
【発明の効果】
請求項1記載の硬貨収納繰出カセットによれば、回転円盤の硬貨受収部に硬貨を1枚ずつ受け入れるとともに受け入れた硬貨を硬貨通路から1枚ずつ整列状態で送出するため、ホッパ部に貯留収納した硬貨を1枚ずつ分離状態で送出でき、さらに、硬貨通路の硬貨カウント域において硬貨の送出時点での硬貨のカウントも可能にできる。
【0165】
請求項2記載の硬貨収納繰出カセットによれば、請求項1記載の硬貨収納繰出カセットの効果に加えて、金種混合硬貨を1枚ずつ確実に繰り出すことができる。
【0166】
請求項3記載の硬貨収納繰出カセットによれば、請求項1または2記載の硬貨収納繰出カセットの効果に加えて、少なくとも一部を設けた第1の停止位置決め手段により、回転円盤の回転を停止させる硬貨送出停止時に回転円盤の隣り合う2個の硬貨受収部の間に位置する回転円盤の周縁域を硬貨通路の入口部に対向させて停止させるため、硬貨通路からの不要な硬貨の送出を防止し、ホッパ部内の硬貨を貯留収納状態に確実に保持でき、ストッパやシャッタなどを不要にできる。
【0167】
請求項4記載の硬貨収納繰出カセットによれば、請求項3記載の硬貨収納繰出カセットの効果に加えて、第2の停止位置決め手段により、第1の停止位置決め手段で位置決めされた回転円盤の停止位置を保持するため、硬貨通路からの不要な硬貨の送出が防止され、搬送時でもホッパ部内の硬貨を貯留収納状態に確実に保持され、ストッパやシャッタなどが不要にできる。
【0168】
請求項5記載の硬貨収納繰出カセットによれば、請求項1ないし4いずれか記載の硬貨収納繰出カセットの効果に加えて、ホッパ部の側壁体のガイド部によりホッパ部に貯留収納される硬貨の一部を支えて回転円盤にかかる硬貨の荷重を軽減し、ガイド部の下側の傾斜部により硬貨を回転円盤上に確実に倒し、回転円盤の硬貨受収部に硬貨を1枚ずつ受け入れて送出するため、ホッパ部内の上下方向に多量の硬貨を貯留収納してもホッパ部の下部域から1枚ずつ確実に送出できる。
【0169】
請求項6記載の硬貨収納繰出カセットによれば、請求項5記載の硬貨収納繰出カセットの効果に加えて、側壁体のガイド部および傾斜部が、ホッパ側壁部に対して回転可能とし、回転円盤上での硬貨の詰まり解消時に回転するため、硬貨の詰まりを容易に解消できる。
【0170】
請求項7記載の硬貨収納繰出カセットによれば、請求項6記載の硬貨収納繰出カセットの効果に加えて、側壁体のガイド部および傾斜部が、回転円盤上での硬貨の詰まり解消時に回転円盤の硬貨送出回転方向と反対方向へ回転するため、硬貨の詰まりをより容易に解消できる。
【0171】
請求項8記載の硬貨収納繰出カセットによれば、請求項7記載の硬貨収納繰出カセットの効果に加えて、駆動伝達部からガイド部および傾斜部への駆動系にワンウェイクラッチ手段を設けるだけの簡単な構成で、回転円盤の反対方向への回転時に駆動伝達部からガイド部および傾斜部へ駆動伝達してこれらガイド部および傾斜部を反対方向へ回転させるとともに回転円盤の硬貨送出回転方向への回転時に駆動伝達部からガイド部および傾斜部への駆動伝達を解除することができる。
【0172】
請求項9記載の硬貨収納繰出カセットによれば、請求項8記載の硬貨収納繰出カセットの効果に加えて、ワンウェイクラッチ手段として、回転円盤の反対方向への回転時に駆動伝達部からガイド部および傾斜部へ駆動伝達してこれらガイド部および傾斜部を反対方向へ回転させるとともに回転円盤の硬貨送出回転方向への回転時に駆動伝達部からガイド部および傾斜部への駆動伝達を解除する第1のワンウェイクラッチに加えて、ガイド部および傾斜部の硬貨送出回転方向への回転を阻止するとともに反対方向への回転を許容する第2のワンウェイクラッチを備えたため、貯留収納された硬貨によって回転円盤とともにガイド部および傾斜部が硬貨送出回転方向に回転するのを防止でき、貯留収納された硬貨を確実に繰り出すことができる。
【0173】
請求項10記載の硬貨収納繰出カセットによれば、請求項8または9記載の硬貨収納繰出カセットの効果に加えて、駆動伝達部を通じて、回転円盤を硬貨送出回転方向へ回転させるときの回転速度より反対方向へ回転させるときの回転速度を遅くするため、硬貨の詰まりを確実に解消できる。
【0174】
請求項11記載の硬貨収納繰出カセットによれば、請求項5ないし10いずれか記載の硬貨収納繰出カセットの効果に加えて、ホッパ部の上面に開閉扉で開閉される硬貨の出し入れが可能な開口部を有するため、硬貨収納繰出カセットの上下面を反転させ、開口部を通じて貯留収納されている硬貨を容易に取り出すことができ、その際、側壁体の傾斜部の傾斜を通じて回転円盤上の硬貨を確実に取り出すことができ、硬貨の残留を防止できる。
【0175】
請求項12記載の硬貨収納繰出カセットによれば、請求項1ないし11いずれか記載の硬貨収納繰出カセットの効果に加えて、硬貨通路を回転円盤の硬貨送出回転方向の上流側の第1の規制縁と下流側の第2の規制縁との間に形成し、この硬貨通路を送出される硬貨に自由回転ローラが押圧接触してこの硬貨を第1の規制縁側へ移動させるため、硬貨通路の入口部の硬貨が回転円盤側へ戻ることなく、硬貨通路内へ確実に送り込むことができる。
【0176】
請求項13記載の硬貨収納繰出カセットによれば、請求項1ないし12いずれか記載の硬貨収納繰出カセットの効果に加えて、回転円盤の硬貨受収部に硬貨の下面が載る底面部を有するため、回転円盤に底面部がなく別の固定底面部材を用いる場合に比べて硬貨の摩擦を低減できる。
【0177】
請求項14記載の硬貨処理機によれば、請求項1ないし13いずれか記載の硬貨収納繰出カセットを用いることにより、硬貨収納繰出カセットの硬貨を金種別硬貨収納投出部へ補充する際、計数部で計数した計数値データと識別部で識別した識別部データとを監視し、その監視結果に基づき搬送コンベヤ手段の駆動を制御できるため、搬送コンベヤ手段を不要に長く駆動することがなく、硬貨補充処理を短時間でできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す硬貨収納繰出カセットの断面図である。
【図2】同上硬貨収納繰出カセットの斜視図である。
【図3】同上硬貨収納繰出カセットの一部を外した状態の平面図である。
【図4】同上硬貨収納繰出カセットのさらに一部を外した状態の平面図である。
【図5】同上硬貨収納繰出カセットの下部構造部分の分解状態の斜視図である。
【図6】同上硬貨収納繰出カセットの斜視図である。
【図7】同上硬貨収納繰出カセットの回転円盤、ガイド部および傾斜部の駆動系の側面図である。
【図8】同上硬貨収納繰出カセットの回転円盤上での硬貨を検知するセンサの配置を説明する回転円盤の斜視図である。
【図9】同上硬貨収納繰出カセットの側壁体の傾斜部による硬貨の倒し作用を説明する説明図である。
【図10】同上硬貨収納繰出カセットの自由回転ローラによる硬貨押圧状態を示す説明図である。
【図11】同上硬貨収納繰出カセットを用いた硬貨処理機の右側から視た断面図である。
【図12】同上硬貨処理機の制御部のブロック図である。
【図13】同上硬貨収納繰出カセットからの硬貨の補充動作を説明する説明図である。
【図14】同上硬貨収納繰出カセットへの硬貨の回収動作を説明する説明図である。
【符号の説明】
11  機体
21  貯留繰出部
26  硬貨識別分類通路としての硬貨通路部
32  識別部
33  分類部
41  金種別硬貨収納投出部
47  オーバーフロー硬貨収納スタッカ
48  硬貨収納繰出カセット
51  搬送コンベヤ手段
63  本体側着脱部
89  開口部
90  開閉扉
99  ホッパ部
102  回転円盤
103  硬貨通路
103a 入口部
104  側壁体
119  駆動伝達部
120  硬貨受収部
121  底面部
129A 第1の停止位置決め手段
129B 第2の停止位置決め手段
132  通路底面
133  第1の規制縁
134  第2の規制縁
136  自由回転ローラ
137  硬貨カウント域
148  ガイド部
149  傾斜部
151  立位壁部
153  ワンウェイクラッチ手段
154  駆動系
158  第1のワンウェイクラッチ
159  第2のワンウェイクラッチ
162  ホッパ側壁部
184  駆動制御部
S4  計数部としての検知センサ

Claims (14)

  1. 硬貨を貯留収納するホッパ部と、
    このホッパ部の底部に回転可能に設けられ、周縁域に硬貨を径方向および厚み方向に1枚ずつ受け入れるとともに受け入れた硬貨を周縁外方へ送出する複数の硬貨受収部を有する回転円盤と、
    前記ホッパ部の内側面を形成する側壁体と、
    この側壁体に形成される入口部を有し、前記回転円盤から送出される硬貨を入口部から受け入れて1枚ずつ整列状態で送出する硬貨通路と、
    この硬貨通路を送出される硬貨をカウントする硬貨カウント域と、
    を具備していることを特徴とする硬貨収納繰出カセット。
  2. ホッパ部は、金種混合硬貨を貯留収納する
    ことを特徴とする請求項1記載の硬貨収納繰出カセット。
  3. 回転円盤の回転を停止させる硬貨送出停止時に回転円盤の隣り合う2個の硬貨受収部の間に位置する回転円盤の周縁域を硬貨通路の入口部に対向させて停止させる第1の停止位置決め手段の少なくとも一部が設けられている
    ことを特徴とする請求項1または2記載の硬貨収納繰出カセット。
  4. 第1の停止位置決め手段で位置決めされた回転円盤の停止位置を保持する第2の停止位置決め手段の一部が設けられている
    を具備していることを特徴とする請求項3記載の硬貨収納繰出カセット。
  5. 側壁体は、ホッパ部の周囲に設けられるホッパ側壁部、このホッパ側壁部から回転円盤の周縁域上方に突出するとともに回転円盤の周縁域内方へ向かうに従い下り傾斜するガイド部、このガイド部の下側に設けられ回転円盤の周縁域外方へ向かうに従い下り傾斜する傾斜部、およびこの傾斜部の外側に設けられ回転円盤の周縁域に臨む立位壁部を有し、
    硬貨通路の入口部は、側壁体の立位壁部に形成された
    ことを特徴とする請求項1ないし4いずれか記載の硬貨収納繰出カセット。
  6. 側壁体のガイド部および傾斜部は、ホッパ側壁部に対して回転可能とし、回転円盤上での硬貨の詰まり解消時に回転する
    ことを特徴とする請求項5記載の硬貨収納繰出カセット。
  7. 側壁体のガイド部および傾斜部は、回転円盤上での硬貨の詰まり解消時に回転円盤の硬貨送出回転方向と反対方向へ回転する
    ことを特徴とする請求項6記載の硬貨収納繰出カセット。
  8. 回転円盤を硬貨送出回転方向およびその反対方向のいずれにも回転可能とする駆動伝達部と、
    前記回転円盤の反対方向への回転時に駆動伝達部からガイド部および傾斜部へ駆動伝達してこれらガイド部および傾斜部を反対方向へ回転させるとともに回転円盤の硬貨送出回転方向への回転時に駆動伝達部からガイド部および傾斜部への駆動伝達を解除するワンウェイクラッチ手段を有する駆動系とを具備している
    ことを特徴とする請求項7記載の硬貨収納繰出カセット。
  9. ワンウェイクラッチ手段は、回転円盤の反対方向への回転時に駆動伝達部からガイド部および傾斜部へ駆動伝達してこれらガイド部および傾斜部を反対方向へ回転させるとともに回転円盤の硬貨送出回転方向への回転時に駆動伝達部からガイド部および傾斜部への駆動伝達を解除する第1のワンウェイクラッチ、ガイド部および傾斜部の硬貨送出回転方向への回転を阻止するとともに反対方向への回転を許容する第2のワンウェイクラッチを有している
    ことを特徴とする請求項8記載の硬貨収納繰出カセット。
  10. 駆動伝達部は、回転円盤を硬貨送出回転方向へ回転させるときの回転速度より反対方向へ回転させるときの回転速度を遅くする
    ことを特徴とする請求項8または9記載の硬貨収納繰出カセット。
  11. ホッパ部の上面に設けられホッパ部に対する硬貨の出し入れが可能な開口部と、この開口部を開閉する開閉扉とを具備している
    ことを特徴とする請求項5ないし10いずれか記載の硬貨収納繰出カセット。
  12. 硬貨通路は、回転円盤から送出される硬貨の下面を支持する通路底面、回転円盤の周縁域で硬貨送出回転方向の上流側に設けられ硬貨の径方向を規制する第1の規制縁、この第1の規制縁に対向して回転円盤の周縁域で硬貨送出回転方向の下流側に設けられる第2の規制縁、および硬貨通路を送出される硬貨の上面および下面のいずれか一方に押圧接触してこの硬貨を第1の規制縁側へ移動させる自由回転ローラを有している
    ことを特徴とする請求項1ないし11いずれか記載の硬貨収納繰出カセット。
  13. 回転円盤の硬貨受収部は、硬貨の下面が載る底面部を有する
    ことを特徴とする請求項1ないし12いずれか記載の硬貨収納繰出カセット。
  14. 機体と、
    この機体に対して着脱可能とする請求項1ないし13いずれか記載の硬貨収納繰出カセットと、
    この硬貨収納繰出カセットから送出される硬貨を受収して搬送する搬送コンベヤ手段と、
    この搬送コンベヤ手段で搬送してくる硬貨を貯留するとともに1枚ずつ繰り出す貯留繰出部と、
    この貯留繰出部から繰り出される硬貨を1枚ずつ搬送し、硬貨を識別する識別部および識別した硬貨を分類する分類部を有する硬貨識別分類通路と、
    この硬貨識別分類通路で識別した出金に使用可能とする硬貨を金種別に収納し、出金時に硬貨を投出する金種別硬貨収納投出部と、
    この金種別硬貨収納投出部が満杯の場合のオーバーフロー硬貨を収納するオーバーフロー硬貨収納スタッカと、
    前記機体に設けられ前記硬貨収納繰出カセットを着脱可能とする本体側着脱部と、
    前記硬貨収納繰出カセットの硬貨カウント域を通じて硬貨をカウントする計数部と、
    前記硬貨収納繰出カセットの硬貨を繰り出して金種別硬貨収納投出部へ補充する際、前記計数部で計数した計数値データと識別部で識別した識別部データとを監視し、その監視結果に基づき搬送コンベヤ手段の駆動を制御する駆動制御部と
    を具備していることを特徴とする硬貨処理機。
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