「第1実施形態」
本発明の第1実施形態に係る硬貨処理機を図1〜図28を参照して以下に説明する。
第1実施形態に係る硬貨処理機1は、機外から投入されたバラ硬貨を識別しつつ計数して金種別に収納するとともに、収納した硬貨を金種別に出金可能な硬貨入出金機であり、図1に示すように、硬貨が投入される硬貨投入繰出部10を上部に有している。また、機体の上部の前面側には、操作者の操作入力を受けつけるとともに操作者に表示を行うタッチパネル式の図2にも示す操作表示部11および印字部15が設けられている。
硬貨投入繰出部10は、図3に示すように、水平に配置された回転円盤12と、この回転円盤12の外縁部から鉛直に立ち上がる、一部が切り欠かれた略円筒状の側壁部13と、回転円盤12との間に硬貨一枚分の隙間をもって側壁部13の切欠部分に設けられた分別環14と、回転円盤12を駆動する図2に示す硬貨投入繰出駆動部10Aとを有している。
機外からこの硬貨投入繰出部10内にバラ硬貨が投入されることになり、この状態で回転円盤12が図3における反時計回りに回転すると、その遠心力によって硬貨が側壁部13の内周面に沿って運ばれ、分別環14との隙間を介して一枚ずつに分離されて硬貨投入繰出部10から外に順次繰り出される。
硬貨投入繰出部10の硬貨繰出位置には、硬貨投入繰出部10から繰り出された硬貨を一列状に案内する搬送路20と、搬送路20上の硬貨を搬送するフィードユニット21と、フィードユニット21を駆動する図2に示すフィードユニット駆動部21Aとが設けられている。
図3に示すように、搬送路20は、回転円盤12の接線方向に沿い且つ機体前後方向に沿って配置された第1通路部23と、この第1通路部23の回転円盤12とは反対側から直交方向(機体左右方向)に延出する第2通路部24と、この第2通路部24の第1通路部23とは反対側から直交方向(機体前後方向)に延出する第3通路部25とを有しており、第1通路部23には、搬送中の硬貨の金種を識別しつつ計数する入金計数部27が設けられている。
第2通路部24には、硬貨を落下可能であり落下した硬貨を機外に取出可能に案内するリジェクト口28と、入金計数部27で識別不能と識別された硬貨をリジェクト口28に落下させるリジェクト部29と、リジェクト部29を駆動する図2に示すリジェクト駆動部29Aとが設けられている。図3に示すリジェクト口28から落下した硬貨は、図1に示す機体前面の取出口30に案内される。
図3に示すように、第3通路部25には、入金計数部27で計数された硬貨を金種別に選別する選別部32が設けられている。この選別部32は、硬貨を落下可能な金種別の選別口32a〜32fが第3通路部25の延在方向である機体前後方向に並べられて設けられている。これら選別口32a〜32fは、硬貨を小さい外径のものから落下させるようになっており、最も上流側の選別口32aが1円硬貨を、その下流側の選別口32bが50円硬貨を、その下流側の選別口32cが5円硬貨を、その下流側の選別口32dが100円硬貨を、その下流側の選別口32eが10円硬貨を、その下流側の選別口32fが500円硬貨を、それぞれ別々に落下させるようになっている。各選別口32a〜32fの直前位置には硬貨を検知する硬貨検知センサ33a〜33fが設けられており、硬貨検知センサ33a〜33fの隣り合うもの同士の検知枚数の差から、選別口32a〜32fのうちの間にあるものから落下した硬貨の数を計数するようになっている。
フィードユニット21は、硬貨投入繰出部10から繰り出された硬貨を上側から搬送路20に押し付けて搬送することになり、この搬送中、硬貨は、まず、入金計数部27で識別され計数されることになる。そして、入金計数部27で識別不能であった硬貨が、リジェクト部29によってリジェクト口28から落下させられることになり、それ以外の硬貨が、選別部32の金種別の選別口32a〜32fの対応するものから落下する。
選別口32a〜32fの下側には、選別部32で選別された硬貨を金種別に案内する図4に示すシュート34が設けられている。シュート34は上下に開口する金種別の角筒状の案内部34a〜34fが機体前後方向に並んで一体に形成されている。
シュート34の下側には、選別部32で選別されシュート34で案内された硬貨を金種別に一時貯留させる図5に示す貯留搬送部35が設けられている。貯留搬送部35は、機体左右方向に水平移動可能となっており、図6に示すように、上下に開口する金種別の略角筒状の区画壁部36a〜36fが機体前後方向に並んで一体に形成された貯留搬送部本体36と、貯留搬送部本体36のすべての区画壁部36a〜36fの下部開口部を開閉可能な図5にも示す底板37とを有している。貯留搬送部本体36は図2に示す貯留搬送部本体駆動部36Aによって駆動され、底板37は図2に示す底板駆動部37Aによって駆動されることになる。これら貯留搬送部本体36と底板37とはそれぞれ単独で水平移動可能であるとともに一体でも水平移動可能となっている。
ここで、貯留搬送部35の貯留搬送部本体36が選別口32a〜32fの鉛直下方の第1の位置に位置する図5に示す状態で、区画壁部36a〜36fが、案内部34a〜34fに対し一対一で対応して鉛直下方に位置することになり、案内部34a〜34fが選別口32a〜32fに対し一対一で対応して鉛直下方に位置することになる。よって、この状態で、選別口32aから落下する硬貨を案内部34aを介して区画壁部36aが、選別口32bから落下する硬貨を案内部34bを介して区画壁部36bが、選別口32cから落下する硬貨を案内部34cを介して区画壁部36cが、選別口32dから落下する硬貨を案内部34dを介して区画壁部36dが、選別口32eから落下する硬貨を案内部34eを介して区画壁部36eが、選別口32fから落下する硬貨を案内部34fを介して区画壁部36fが、それぞれ別々に受け入れることになる。
これにより、底板37が閉状態とされた貯留搬送部35は、図6に示すように、区画壁部36aと底板37とで構成される一時貯留部38aと、区画壁部36bと底板37とで構成される一時貯留部38bと、区画壁部36cと底板37とで構成される一時貯留部38cと、区画壁部36dと底板37とで構成される一時貯留部38dと、区画壁部36eと底板37とで構成される一時貯留部38eと、区画壁部36fと底板37とで構成される一時貯留部38fとに、硬貨を金種別に分類した状態で一時貯留させることになる。なお、貯留搬送部35が水平移動可能となっていることで、金種別の一時貯留部38a〜38fも水平移動可能となっている。
第1の位置に位置する貯留搬送部35つまり一時貯留部38a〜38fの鉛直下方には、図7に示すように底板37が開くことで第1の位置にある一時貯留部38a〜38fから硬貨を機外返却可能に受け入れる返却部40が設けられている。返却部40には、一時貯留部38a〜38fから硬貨を受け入れる返却箱41が着脱可能に設けられている。返却箱41は、図8に示すように、金種別に区画されておらず、第1の位置に位置する一時貯留部38a〜38fの底板37が開くと、一時貯留部38a〜38fに一時貯留されていたすべての硬貨を一括して金種混合の状態で受け入れる。
ここで、返却部40には、返却箱41に換えて、図9に示す金種別出金箱43が装着可能となっている。この金種別出金箱43には、上方にのみ開口する金種別の有底角筒状の出金収容部43a〜43fが一体に、返却部40に装着された状態で機体前後方向に並ぶように形成されており、第1の位置に位置する一時貯留部38a〜38fの底板37が開くと、これら一時貯留部38a〜38fに一時貯留されていた硬貨を金種別に受け入れる。つまり、図6に示す一時貯留部38aの硬貨を図9に示す出金収容部43aに、一時貯留部38bの硬貨を出金収容部43bに、一時貯留部38cの硬貨を出金収容部43cに、一時貯留部38dの硬貨を出金収容部43dに、一時貯留部38eの硬貨を出金収容部43eに、一時貯留部38fの硬貨を出金収容部43fに、それぞれ別々に受け入れる。また、返却部40には、図8に示すように返却箱41が装着されているのか、図9に示すように金種別出金箱43が装着されているのかを確認するための箱種検出センサ44が設けられている。
第1の位置と隣り合う第2の位置に位置する貯留搬送部35の下方には、図10に示すように、上下に開口する金種別の案内部45a〜45fが機体前後方向に一体に並設されたシュート45が設けられており、図11に示すように、シュート45および返却部40の下方には、第2の位置にある一時貯留部38a〜38fからシュート45を介して硬貨を受け入れて金種別に収納する着脱可能な収納庫48が設けられている。この収納庫48には、図12に示すように、上方にのみ開口する金種別の有底角筒状の収納部48a〜48fが機体前後方向に並んで一体に形成されており、図11に示すように、第2の位置に位置する一時貯留部38a〜38fの底板37が開くと、第2の位置に位置する一時貯留部38a〜38fに一時貯留されていた硬貨を金種別に受け入れる。つまり、一時貯留部38aの硬貨を案内部45aを介して収納部48aに、一時貯留部38bの硬貨を案内部45bを介して収納部48bに、一時貯留部38cの硬貨を案内部45cを介して収納部48cに、一時貯留部38dの硬貨を案内部45dを介して収納部48dに、一時貯留部38eの硬貨を案内部45eを介して収納部48eに、一時貯留部38fの硬貨を案内部45fを介して収納部48fに、それぞれ別々に受け入れる。なお、収納庫48は出金はしない。
図13に示すように第2の位置の第1の位置とは反対の第3の位置に位置する一時貯留部38a〜38fと水平方向に重なる位置には、鉛直方向に昇降する硬貨供給部(硬貨供給手段)51が設けられている。硬貨供給部51は、図2に示す硬貨供給部駆動部51Aによって駆動され、図13に示すように第3の位置に位置する一時貯留部38a〜38fの直下となる所定高さの下側位置にあるとき、これら一時貯留部38a〜38fから硬貨を受け入れて金種別に出金可能に収納する。この硬貨供給部51には、図14に示すように、上方に開口する金種別の有底角筒状の出金収納部52a〜52fが機体前後方向に並んで一体に形成されており、第3の位置に位置する一時貯留部38a〜38fの底板37が図13に示すように開いた状態で、これら一時貯留部38a〜38fに一時貯留されていた硬貨を、直下に位置する出金収納部52a〜52fで金種別に受け入れる。つまり、一時貯留部38aの硬貨を出金収納部52aに、一時貯留部38bの硬貨を出金収納部52bに、一時貯留部38cの硬貨を出金収納部52cに、一時貯留部38dの硬貨を出金収納部52dに、一時貯留部38eの硬貨を出金収納部52eに、一時貯留部38fの硬貨を出金収納部52fに、それぞれ別々に受け入れる。
以上により、金種別の出金収納部52a〜52fは、第3の位置にある金種別の一時貯留部38a〜38fの直下の下側位置に位置可能であり、この位置と図15に示す一時貯留部38a〜38fよりも上側の所定高さの上側位置との間で鉛直移動可能となっている。
図14に示すように、金種別の出金収納部52a〜52fの下部には、収納している硬貨を、金種を識別し計数しつつシュート45等の方向に繰り出す金種別の計数繰出部(繰出部)53a〜53fがそれぞれ別々に設けられている。つまり、計数繰出部53aが出金収納部52aの硬貨を、計数繰出部53bが出金収納部52bの硬貨を、計数繰出部53cが出金収納部52cの硬貨を、計数繰出部53dが出金収納部52dの硬貨を、計数繰出部53eが出金収納部52eの硬貨を、計数繰出部53fが出金収納部52fの硬貨を、それぞれ金種を識別し(言い換えれば金種が正常であるか否かを識別し)、計数しつつ指定された枚数だけ繰り出す。以上により、硬貨供給部51は、出金収納部52a〜52fによって硬貨を金種別に貯留するとともに、金種別の計数繰出部53a〜53fによって硬貨を金種別に計数しつつ同じ方向に繰り出し可能となっている。
図15および図16に示すように、硬貨供給部51が上側位置にあるとき、同じく所定高さの上側位置にある出金収納部52a〜52fから繰り出された硬貨を案内するゲート(搬送手段)55が、上側位置にある硬貨供給部51のシュート45側に設けられており、このゲート55のさらにシュート45側には、出金収納部52a〜52fから繰り出された硬貨を受け入れて搬送するベルトコンベア(搬送手段)56が、図17に示すように、出金収納部52a〜52fの並設方向(機体前後方向)に延在して配置されている。ゲート55は、図2に示すゲート駆動部55Aで駆動されて揺動し、ベルトコンベア56は、図2に示すベルトコンベア搬送駆動部56Aで駆動されて硬貨を搬送する。
機体前面側には、ベルトコンベア56で搬送されてきた硬貨を機外に取り出し可能に受け入れる図1に示す出金部57が設けられている。出金部57は、着脱可能な出金箱58を有しており、出金箱58は金種別に区画されておらず、出金収納部52a〜52fから同時に繰り出された硬貨を、ベルトコンベア56を介して一括して金種混合の状態で受け入れる。
ゲート55は、図18に示すように、金種別の角筒状の案内部55a〜55fが機体前後方向に並設されており、揺動することにより、図16(a)に示すように緩く傾斜して、上側位置にある出金収納部52a〜52fから計数繰出部53a〜53fによって繰り出された硬貨をベルトコンベア56上に案内する第1の案内状態と、図16(b)に示すように大きく揺動して、上側位置にある出金収納部52a〜52fから計数繰出部53a〜53fによって繰り出された硬貨を出金収納部52a〜52fの直下の第3の位置にある一時貯留部38a〜38fに案内する第2の案内状態とに切り替えられる。
第2の案内状態にあるとき、ゲート55は、出金収納部52aから計数繰出部53aで計数され繰り出された硬貨を案内部55aで一時貯留部38aに、出金収納部52bから計数繰出部53bで計数され繰り出された硬貨を案内部55bで一時貯留部38bに、出金収納部52cから計数繰出部53cで計数され繰り出された硬貨を案内部55cで一時貯留部38cに、出金収納部52dから計数繰出部53dで計数され繰り出された硬貨を案内部55dで一時貯留部38dに、出金収納部52eから計数繰出部53eで計数され繰り出された硬貨を案内部55eで一時貯留部38eに、出金収納部52fから計数繰出部53fで計数され繰り出された硬貨を案内部55fで一時貯留部38fに、それぞれ別々に案内する。
以上により、ゲート55は、上側位置にある金種別の出金収納部52a〜52fがそれぞれ計数繰出部53a〜53fで計数しつつ繰り出した硬貨を、揺動することによりベルトコンベア56、および第3の位置にある金種別の一時貯留部38a〜38fのいずれかに選択的に案内する。
上記したベルトコンベア56は、水平状態を維持したまま、図2に示すベルトコンベア昇降駆動部(移動退避手段)56Bによって昇降駆動される。つまり、ベルトコンベア56は、図15に示すように、所定の上側位置にある硬貨供給部51の計数繰出部53a〜53fから繰り出され第1の案内状態にあるゲート55で案内された硬貨を、搬送可能となるように上面上に受け入れる通常位置と、図19に示すように、この通常位置から上昇してゲート55よりも上側に退避する退避位置との間で昇降する。言い換えれば、ベルトコンベア昇降駆動部56Bは、ベルトコンベア56を硬貨供給部51に対して相対的に移動させて退避させることになり、所定の上側位置にある硬貨供給部51に対してベルトコンベア56を所定の退避位置まで上昇させることで、ベルトコンベア56を硬貨供給部51から硬貨を受け入れる通常位置に対して退避させる。
そして、所定の上側位置にある硬貨供給部51に対してベルトコンベア56を退避位置に退避させることによりベルトコンベア56の下側に生じた配置スペースSには、硬貨供給部51の計数繰出部53a〜53fから繰り出され第2の案内状態にあるゲート55で案内される硬貨を収容する全金種用収容箱(収容手段)65が配置可能となっている。
つまり、硬貨処理機1の背面側には、図20に示すように、開閉扉66で開閉される開口部67が配置スペースSと位置を合わせて設けられている。開放状態にある開口部67には、機外から、載置台69上の所定の載置位置に載置された状態で全金種用収容箱65が挿入されることになり、載置台69の前後端が硬貨処理機1の係止部70に係止されることで全金種用収容箱65が、図19に示すように、上側位置にある硬貨供給部51の計数繰出部53a〜53fから繰り出され第2の案内状態にあるゲート55で案内される硬貨を収容可能に位置決めされる。なお、図20に示す開閉扉66は、載置台69が開口部67から硬貨処理機1に挿入された状態にあるとき、この載置台69に当接することで、閉状態になることが規制されるようになっている。
全金種用収容箱65は、硬貨供給部51のすべての計数繰出部53a〜53fから繰り出された硬貨を金種別に収容可能な単一のもので、上方に開口する受入口64a〜64fを有する金種別の有底角筒状の回収収容部65a〜65fが一体に形成されており、硬貨処理機1に位置決めされた状態で、上側位置にある硬貨供給部51の計数繰出部53a〜53fから繰り出され第2の案内状態にあるゲート55の案内部55a〜55fで案内された硬貨を受入口64a〜64fから金種別に受け入れる。全金種用収容箱65には、配置スペースSへの配置時に受入口64a〜64fを開放し配置スペースSからの取り外し時に受入口64a〜64fを閉塞する図示略のシャッタ(開閉手段)が設けられている。
つまり、全金種用収容箱65は、計数繰出部53aから繰り出された硬貨を案内部55aを介して回収収容部65aに、計数繰出部53bから繰り出された硬貨を案内部55bを介して回収収容部65bに、計数繰出部53cから繰り出された硬貨を案内部55cを介して回収収容部65cに、計数繰出部53dから繰り出された硬貨を案内部55dを介して回収収容部65dに、計数繰出部53eから繰り出された硬貨を案内部55eを介して回収収容部65eに、計数繰出部53fから繰り出された硬貨を案内部55fを介して回収収容部65fに、それぞれ別々に受け入れる。
また、図21に示すように、載置台69には、上記した全金種用収容箱65とは別に、硬貨供給部51のすべての計数繰出部53a〜53fから繰り出された硬貨を金種混合で収容可能な、上方に開口する単一の受入口72を有する有底角筒状の単一の一括収容箱(収容手段)73が載置可能となっている。そして、機外から、開放状態にある開口部67に、載置台69上の載置位置に載置された状態で一括収容箱73が挿入されることになり、載置台69の前後端が硬貨処理機1の係止部70に係止されることで一括収容箱73が、上側位置にある硬貨供給部51の計数繰出部53a〜53fから繰り出され第2の案内状態にあるゲート55のすべての案内部55a〜55fで案内される硬貨を受入口72から収容可能に位置決めされる。一括収容箱73には、配置スペースSへの配置時に受入口72を開放し配置スペースSからの取り外し時に受入口72を閉塞する図示略のシャッタ(開閉手段)が設けられている。
図22に示すように、載置台69には、上記した全金種用収容箱65および一括収容箱73とは別に、硬貨供給部51の計数繰出部53a〜53fのうちの所定の一金種用の計数繰出部から繰り出された硬貨のみを収容可能な金種別の単金種用収容箱(収容手段)75a〜75fが選択的に少なくとも一つ載置可能となっている(図22では、載置台69にすべての単金種用収容箱75a〜75fを載置させた状態を示す)。個別の単金種用収容箱75a〜75fは、それぞれ、上方に開口する受入口74a〜74fを有する有底角筒状をなしており、載置台69における個別の載置位置にそれぞれ載置されるようになっている。そして、機外から、開放状態にある開口部67に、単金種用収容箱75a〜75fのうちの選択されたものが載置台69上の各載置位置に載置された状態で挿入されることになり、載置台69の前後端が硬貨処理機1の係止部70に係止されることで、単金種用収容箱75a〜75fの載置台69に載置されたものが、上側位置にある硬貨供給部51の計数繰出部53a〜53fの対応する金種のものから繰り出され第2の案内状態にあるゲート55の案内部55a〜55fの対応する金種のもので案内される硬貨を収容可能に位置決めされる。
つまり、載置台69の単金種用収容箱75a用の載置位置に単金種用収容箱75aが載置されている場合、計数繰出部53aから繰り出された硬貨を案内部55aを介して受入口74aから単金種用収容箱75aに受け入れることになり、載置台69の単金種用収容箱75b用の載置位置に単金種用収容箱75bが載置されている場合、計数繰出部53bから繰り出された硬貨を案内部55bを介して受入口74bから単金種用収容箱75bに受け入れることになり、載置台69の単金種用収容箱75c用の載置位置に単金種用収容箱75cが載置されている場合、計数繰出部53cから繰り出された硬貨を案内部55cを介して受入口74cから単金種用収容箱75cに受け入れることになり、載置台69の単金種用収容箱75d用の載置位置に単金種用収容箱75dが載置されている場合、計数繰出部53dから繰り出された硬貨を案内部55dを介して受入口74dから単金種用収容箱75dに受け入れることになり、載置台69の単金種用収容箱75e用の載置位置に単金種用収容箱75eが載置されている場合、計数繰出部53eから繰り出された硬貨を案内部55eを介して受入口74eから単金種用収容箱75eに受け入れることになり、載置台69の単金種用収容箱75f用の載置位置に単金種用収容箱75fが載置されている場合、計数繰出部53fから繰り出された硬貨を案内部55fを介して受入口74fから単金種用収容箱75fに受け入れることになる。単金種用収容箱75a〜75fには、配置スペースSへの配置時に受入口74a〜74fを開放し配置スペースSからの取り外し時に受入口74a〜74fを閉塞する図示略の個別のシャッタ(開閉手段)が設けられている。
ここで、硬貨処理機1には、図2に示すように、開閉扉66の開閉状態を検知する開閉扉検知センサ(検知手段)81と、載置台69がその前後端において係止部70に係止され適正に配置スペースSに配置された状態にあるか否かを検知する載置台検知センサ(検知手段)82と、載置台69に載置されたものが全金種用収容箱65であるか否かを検知する全金種用収容箱検知センサ(検知手段)83と、載置台69に載置されたものが一括収容箱73であるか否かを検知する一括収容箱検知センサ(検知手段)84と、載置台69に載置されたものが単金種用収容箱75aであるか否かを検知する単金種用収容箱検知センサ(検知手段)85aと、載置台69に載置されたものが単金種用収容箱75bであるか否かを検知する単金種用収容箱検知センサ(検知手段)85bと、載置台69に載置されたものが単金種用収容箱75cであるか否かを検知する単金種用収容箱検知センサ(検知手段)85cと、載置台69に載置されたものが単金種用収容箱75dであるか否かを検知する単金種用収容箱検知センサ(検知手段)85dと、載置台69に載置されたものが単金種用収容箱75eであるか否かを検知する単金種用収容箱検知センサ(検知手段)85eと、載置台69に載置されたものが単金種用収容箱75fであるか否かを検知する単金種用収容箱検知センサ(検知手段)85fとが設けられている。
つまり、これらの載置台検知センサ82、全金種用収容箱検知センサ83、一括収容箱検知センサ84および単金種用収容箱検知センサ85a〜85fによって、配置スペースSへの全金種用収容箱65、一括収容箱73および単金種用収容箱75a〜75fの配置状態を検知することになる。また、載置台検知センサ82および単金種用収容箱検知センサ85a〜85fは、金種別の単金種用収容箱75a〜75fの配置スペースSへの配置状態を個別に検知することになる。
次に、上記した硬貨処理機1の図2に示す制御部(制御手段)60による制御内容を作動とともに説明する。なお、図5に示すように、貯留搬送部35は第1の位置を待機位置としており、硬貨供給部51は下側位置を待機位置としていて、ゲート55は第1の案内状態を待機状態としている。
「入金処理」
硬貨投入繰出部10に硬貨が投入されて操作表示部11に入金処理を行う旨の操作が入力されると、制御部60は、貯留搬送部35を第1の位置に位置させた状態で、図2に示す硬貨投入繰出駆動部10Aおよびフィードユニット駆動部21Aによって、図3に示す回転円盤12およびフィードユニット21を駆動することになり、これにより、硬貨投入繰出部10に投入された硬貨が、一枚ずつ分離された状態で一列状に搬送路20を移動する。すると、硬貨は、まず、入金計数部27で識別されて計数されることになり、入金計数部27で識別不能であった硬貨が、リジェクト駆動部29Aで駆動されるリジェクト部29によってリジェクト口28から落下させられて図1に示す取出口30に案内されることになり、それ以外の硬貨が、選別部32の金種別の選別口32a〜32fの対応する金種のものから落下する。選別部32から落下した硬貨は図5に示す第1の位置にある貯留搬送部35の金種別の一時貯留部38a〜38fに金種別に一時貯留される。硬貨投入繰出部10に投入された硬貨がなくなってから所定時間経過すると、制御部60は、図2に示す硬貨投入繰出駆動部10Aおよびフィードユニット駆動部21Aによって、回転円盤12およびフィードユニット21を停止させて、入金処理を終了する。
「返却処理」
上記した入金処理の終了後、制御部60は、操作表示部11に計数結果を表示させることになり、操作表示部11に入金処理を承認しないキャンセル操作が入力されると、箱種検出センサ44で返却部40に返却箱41が装着されていることを条件として、底板駆動部37Aにより、待機状態にあって第1の位置にある貯留搬送部35の底板37のみを図7に示すように第2の位置に向け水平移動させて、第1の位置にある一時貯留部38a〜38fの底部を開放する。これにより、一時貯留部38a〜38fに一時貯留されていた硬貨が、その直下にある返却部40の返却箱41に一括して金種混合の状態で同時に受け渡される。操作者は、この返却箱41を機体から取り出して返却された硬貨を受け取る。一時貯留部38a〜38fの底部を開放後、所定時間経過すると、制御部60は、底板駆動部37Aによって底板37を待機位置に戻す。
「第1の収納処理」
上記した入金処理の終了後、操作表示部11に入金処理を承認する承認操作が入力されると、制御部60は、出金収納部52a〜52fの硬貨の残量が多い場合には、貯留搬送部本体駆動部36Aによって、待機状態にあって第1の位置にある貯留搬送部35の貯留搬送部本体36のみを、図11に示すように第2の位置に水平移動させることで、一時貯留部38a〜38fを第2の位置に位置させるとともに、これらの底部を開放する。これにより、一時貯留部38a〜38fに一時貯留されていた、入金処理を行った硬貨が、その直下にあるシュート45を介して収納庫48の金種別の収納部48a〜48fに金種別に分類された状態のまま同時に収納される。その後、制御部60は、貯留搬送部本体駆動部36Aによって、貯留搬送部本体36を待機位置に戻す。
「第2の収納処理」
上記した入金処理の終了後、操作表示部11に入金処理を承認する承認操作が入力されると、制御部60は、出金収納部52a〜52fの硬貨の残量が少ない場合には、待機状態にあって下側位置にある硬貨供給部51に対して、底板駆動部37Aおよび貯留搬送部本体駆動部36Aによって、待機状態にあって第1の位置にあった貯留搬送部35の貯留搬送部本体36および底板37を一体にした状態のまま第2の位置まで移動させ、底板駆動部37Aによって底板37を停止させる一方、貯留搬送部本体駆動部36Aによって、図13に示すように貯留搬送部本体36を引き続き第3の位置まで移動させることで、一時貯留部38a〜38fを第3の位置に位置させるとともに、これらの底部を開放する。これにより、一時貯留部38a〜38fに一時貯留されていた、入金処理を行った硬貨が、その直下にある出金収納部52a〜52fに金種別に分類された状態のまま同時に収納される。その後、制御部60は、底板駆動部37Aおよび貯留搬送部本体駆動部36Aによって、貯留搬送部35を待機位置に戻す。
「第1の出金処理」
操作表示部11に、出金処理として、金額あるいは金種別の枚数が入力され、金種混合出金放出モードが選択入力されると、制御部60は、ベルトコンベア搬送駆動部56Aによってベルトコンベア56を駆動するとともに、硬貨供給部駆動部51Aによって、待機状態にあって下側位置に位置する硬貨供給部51つまり出金収納部52a〜52fを、図15および図16(a)に示すように上側位置に移動させる。そして、上側位置に位置する出金収納部52a〜52fから並行して、計数繰出部53a〜53fによって硬貨を識別計数しつつ設定枚数だけ、待機状態にあって第1の案内状態となっているゲート55を介してベルトコンベア56に繰り出させ、このベルトコンベア56で出金部57に搬送する第1の出金動作を行う。これにより、出金収納部52a〜52fから繰り出された硬貨が、出金部57の出金箱58に金種混合で収容され、操作者はこの出金箱58から硬貨を取り出す。なお、設定されたすべての硬貨が出金部57に搬送される第1の出金動作の終了後のタイミングで、制御部60は、ベルトコンベア搬送駆動部56Aによってベルトコンベア56を停止させて、硬貨供給部駆動部51Aによって、硬貨供給部51を待機位置に戻す。なお、第1の出金動作の終了後のタイミングで、制御部60は、計数繰出部53a〜53fの計数結果に基づく出金データを、操作表示部11に表示させるとともに印字部15で用紙に印字させる。
「第2の出金処理」
操作表示部11に、出金処理として、金額あるいは金種別の枚数が入力され、金種別出金放出モードが選択入力されると、制御部60は、返却部40に金種別出金箱43の装着を促す旨の案内表示を操作表示部11に行わせる。そして、箱種検出センサ44で、返却部40に金種別出金箱43が装着されたことを検出すると、制御部60は、硬貨供給部駆動部51Aによって、待機状態にあって下側位置に位置する硬貨供給部51つまり出金収納部52a〜52fを、図23に示すように、上側位置に移動させた後、底板駆動部37Aおよび貯留搬送部本体駆動部36Aによって、待機状態にあって第1の位置にある貯留搬送部35の貯留搬送部本体36および底板37、つまり一時貯留部38a〜38fを底部閉塞状態で第3の位置に移動させる。そして、制御部60は、ゲート駆動部55Aによって、ゲート55を第2の案内状態に揺動させた後、上側位置に位置する出金収納部52a〜52fから並行して、計数繰出部53a〜53fによって硬貨を識別計数しつつ設定枚数だけ、ゲート55を介して直下の第3の位置にある一時貯留部38a〜38fに並行して金種別に繰り出させる第2の出金動作を行う。
そして、設定されたすべての硬貨が一時貯留部38a〜38fに受け渡される第2の出金動作の終了後のタイミングで、制御部60は、底板駆動部37Aおよび貯留搬送部本体駆動部36Aによって、第3の位置にあった貯留搬送部35の貯留搬送部本体36および底板37を第2の位置まで一体に移動させ、底板駆動部37Aによって底板37を停止させる一方、貯留搬送部本体駆動部36Aによって貯留搬送部本体36を第1の位置まで引き続き移動させることで、図24に示すように、一時貯留部38a〜38fを第1の位置に移動させるとともに、これらの底部を開放する。これにより、一時貯留部38a〜38fに一時貯留されていた、出金処理を行った硬貨が、その直下にある返却部40に装着された金種別出金箱43の金種別の出金収容部43a〜43fに金種別に分類された状態のまま受け渡される。その後、底板駆動部37Aによって底板37を第1の位置に戻すとともに硬貨供給部駆動部51Aによって硬貨供給部51を下側の待機位置に戻す。これにより、出金収納部52a〜52fから繰り出された硬貨が、返却部40の金種別出金箱43に金種別に分類された状態で収容され、操作者はこの金種別出金箱43から硬貨を取り出す。なお、第2の出金動作の終了後のタイミングで、制御部60は、計数繰出部53a〜53fの計数結果に基づく出金データを、操作表示部11に表示させるとともに印字部15で用紙に印字させる。
「精査処理」
操作表示部11に、精査処理を行う旨の操作が入力されると、制御部60は、硬貨供給部駆動部51Aによって、待機状態にあって下側位置に位置する硬貨供給部51つまり出金収納部52a〜52fを、図25に示すように上側位置に移動させた後、底板駆動部37Aおよび貯留搬送部本体駆動部36Aによって、待機状態にあって第1の位置にある貯留搬送部35の貯留搬送部本体36および底板37、つまり一時貯留部38a〜38fを第3の位置に移動させる。そして、制御部60は、ゲート駆動部55Aによって、ゲート55を第2の案内状態に揺動させた後、上側位置に位置する出金収納部52a〜52fから並行して、計数繰出部53a〜53fによってすべての硬貨を識別計数しつつゲート55を介して直下の第3の位置にある一時貯留部38a〜38fに繰り出させる。つまり、金種別の出金収納部52a〜52fから計数繰出部53a〜53fによって計数され繰り出された硬貨をゲート55によって直下にある金種別の一時貯留部38a〜38fに導く各金種同時の精査計数を行う。
そして、出金収納部52a〜52fからすべての硬貨が一時貯留部38a〜38fに受け渡される精査計数の終了後のタイミングで、計数繰出部53a〜53fの識別結果から、出金収納部52a〜52fのいずれにおいても異金種の硬貨が混入しておらず、金種に異常がなかったことが確認された場合には、制御部60は、底板駆動部37Aおよび貯留搬送部本体駆動部36Aによって、図26に示すように、第3の位置にあった貯留搬送部35の貯留搬送部本体36および底板37を第2の位置まで一体に退避させ、この状態で、硬貨供給部駆動部51Aによって硬貨供給部51つまり出金収納部52a〜52fを下側位置に位置させる。その後、図27に示すように、底板37は停止させた状態のまま貯留搬送部本体駆動部36Aによって貯留搬送部本体36を第3の位置まで再び移動させることで、一時貯留部38a〜38fを第3の位置に移動させるとともに、これらの底部を開放する。これにより、一時貯留部38a〜38fに一時貯留されていた、精査計数を行った硬貨が、その直下にある出金収納部52a〜52fに金種別に分類された状態のまま同時に受け渡される。つまり、精査計数のために一時貯留されていた、金種別の一時貯留部38a〜38fの硬貨を直下にある金種別の出金収納部52a〜52fに導く各金種同時の装填収納を行う。その後、底板駆動部37Aおよび貯留搬送部本体駆動部36Aによって、貯留搬送部35の貯留搬送部本体36および底板37を第1の位置に移動させて待機状態に戻す。なお、精査計数の終了後のタイミングで、制御部60は、計数繰出部53a〜53fの計数結果に基づく精査計数データを、操作表示部11に表示させるとともに印字部15で用紙に印字させる。
他方、上記精査計数の終了後のタイミングで、出金収納部52a〜52fのいずれかにおいて異金種の硬貨が混入しており、金種に異常があったことが確認された場合に、制御部60は、底板駆動部37Aおよび貯留搬送部本体駆動部36Aによって、第3の位置にあった貯留搬送部35の貯留搬送部本体36および底板37を第2の位置まで一体に移動させ、図28に示すように、底板駆動部37Aによって底板37を停止させる一方、貯留搬送部本体駆動部36Aによって貯留搬送部本体36をさらに第1の位置まで移動させることで、一時貯留部38a〜38fを第1の位置に移動させるとともに、これらの底部を開放する。これにより、一時貯留部38a〜38fに一時貯留されていた、金種の異常を含んでいた硬貨が、その直下にある返却部40に装着された返却箱41に受け渡される。また、第3の位置にあった貯留搬送部35が第2の位置に移動した後のタイミングで、硬貨供給部駆動部51Aによって硬貨供給部51つまり出金収納部52a〜52fを下側位置に位置させる。その後、制御部60は、底板駆動部37Aによって底板37を第1の位置に戻し貯留搬送部35を待機状態に戻すとともに、返却箱41の硬貨の硬貨投入繰出部10への投入を促す表示を操作表示部11に行わせる。
その後、返却箱41が返却部40から取り外されたことが箱種検出センサ44で検出され、硬貨投入繰出部10への硬貨の投入が検出されると、制御部60は、上記した「入金処理」および「第2の収納処理」を実行する。つまり、硬貨投入繰出部10に再投入された硬貨を入金計数部27で計数しつつ選別部32の選別口32a〜32fにて選別して金種別の一時貯留部38a〜38fに金種別に分類した状態で貯留させた後、金種別の一時貯留部38a〜38fを第3の位置に位置させて、下側位置に位置する金種別の出金収納部52a〜52fに装填収納する。
「金種別の回収処理」
操作表示部11に、金種別の回収処理を行う旨の操作が入力されると、制御部60は、硬貨供給部駆動部51Aによって、待機状態にあって下側位置に位置する硬貨供給部51つまり出金収納部52a〜52fを、図19に示すように、上側位置に移動させるとともに、ゲート駆動部55Aによって、ゲート55を第2の案内状態に揺動させた後、ベルトコンベア昇降駆動部56Bによって、ベルトコンベア56を退避位置まで上昇させて配置スペースSを形成する。なお、ゲート55を第2の案内状態に揺動させるのは、上昇するベルトコンベア56との干渉を避け、かつ配置スペースSに案内の方向を向けるためであり、第1の案内状態にあっても、上記した干渉がなく、しかもこの案内の方向に配置スペースSを確保できれば、ゲート55を第2の案内状態に揺動させず第1の案内状態のままにできる。
その後、制御部60は、操作表示部11に、全金種用収容箱65のセットを促す表示を行わせる。これを見て、操作者が、図20に示すように、硬貨処理機1の背面側の開閉扉66で開口部67を開き、機外から、載置台69上の設定位置に載置した状態で全金種用収容箱65を挿入することになり、載置台69の前後端を硬貨処理機1の係止部70に係止させる。これにより、載置台69および全金種用収容箱65が、硬貨処理機1に位置決めされることになり、これらが位置決めされたことを、載置台検知センサ82および全金種用収容箱検知センサ83で検知すると、制御部60は、上側位置に位置するすべての出金収納部52a〜52fから並行して、計数繰出部53a〜53fによってすべての硬貨を識別計数しつつゲート55の案内部55a〜55fを介して全金種用収容箱65の回収収容部65a〜65fに繰り出させる。つまり、金種別の出金収納部52a〜52fから計数繰出部53a〜53fによって計数され繰り出された硬貨を配置スペースSにある全金種用収容箱65の回収収容部65a〜65fに導く各金種同時の金種別の回収処理を行う。
そして、出金収納部52a〜52fからすべての硬貨が回収収容部65a〜65fに受け渡されると、制御部60は、計数繰出部53a〜53fの計数結果を、操作表示部11に表示させるとともに印字部15で用紙に印字させ、全金種用収容箱65の取り出しを促す表示を操作表示部11に行わせる。これを見て、操作者が、硬貨処理機1から載置台69および全金種用収容箱65を取り出して開閉扉66で開口部67を閉じることになる。開閉扉検知センサ81で開閉扉66が閉じられたことが検知されると、制御部60は、ベルトコンベア昇降駆動部56Bによって、ベルトコンベア56を下降させ通常位置に戻す。そして、制御部60は、ゲート駆動部55Aによって、ゲート55を第1の案内状態に揺動させるとともに、硬貨供給部駆動部51Aによって、硬貨供給部51を待機位置に戻す。
以上により、操作者が取り出した全金種用収容箱65には、硬貨が回収収容部65a〜65fに金種別に分類されて収容されているため、操作者は、硬貨供給部51の出金収納部52a〜52fに金種別に収納されていた硬貨を金種別に分類した状態のまま計数して回収することになる。
「金種混合の回収処理」
操作表示部11に、金種混合の回収処理を行う旨の操作が入力されると、制御部60は、硬貨供給部駆動部51Aによって、待機状態にあって下側位置に位置する硬貨供給部51つまり出金収納部52a〜52fを、図19に示すように、上側位置に移動させるとともに、ゲート駆動部55Aによって、ゲート55を第2の案内状態に揺動させた後、ベルトコンベア昇降駆動部56Bによって、ベルトコンベア56を退避位置まで上昇させて配置スペースSを形成する。
その後、制御部60は、操作表示部11に、一括収容箱73のセットを促す表示を行わせる。これを見て、操作者が、図21に示すように、硬貨処理機1の背面側の開閉扉66で開口部67を開き、機外から、載置台69上の設定位置に載置した状態で一括収容箱73を挿入することになり、載置台69の前後端を硬貨処理機1の係止部70に係止させる。これにより、載置台69および一括収容箱73が、硬貨処理機1に位置決めされることになり、これらが位置決めされたことを、載置台検知センサ82および一括収容箱検知センサ84で検知すると、制御部60は、上側位置に位置するすべての出金収納部52a〜52fから並行して、計数繰出部53a〜53fによってすべての硬貨を識別計数しつつゲート55の案内部55a〜55fを介して一括収容箱73に繰り出させる。つまり、金種別の出金収納部52a〜52fから計数繰出部53a〜53fによって計数され繰り出された硬貨を配置スペースSにある一括収容箱73に導く各金種同時の金種混合の回収処理を行う。
そして、出金収納部52a〜52fからすべての硬貨が一括収容箱73に受け渡されると、制御部60は、計数繰出部53a〜53fの計数結果を、操作表示部11に表示させるとともに印字部15で用紙に印字させ、一括収容箱73の取り出しを促す表示を操作表示部11に行わせる。これを見て、操作者が、硬貨処理機1から載置台69および一括収容箱73を取り出して開閉扉66で開口部67を閉じることになる。開閉扉検知センサ81で開閉扉66が閉じられたことが検知されると、制御部60は、ベルトコンベア昇降駆動部56Bによって、ベルトコンベア56を下降させ通常位置に戻す。そして、ゲート駆動部55Aによって、ゲート55を第1の案内状態に揺動させるとともに、硬貨供給部駆動部51Aによって、硬貨供給部51を待機位置に戻す。
以上により、操作者が取り出した一括収容箱73には、硬貨が金種混合で収容されているため、操作者は、硬貨供給部51の出金収納部52a〜52fに金種別に収納されていた硬貨を金種別に計数して金種混合状態で回収することになる。
「指定金種の回収処理」
操作表示部11に、指定金種の回収処理を行う旨の操作および回収の指定金種が入力されると、制御部60は、硬貨供給部駆動部51Aによって、待機状態にあって下側位置に位置する硬貨供給部51つまり出金収納部52a〜52fを、図19に示すように上側位置に移動させるとともに、ゲート駆動部55Aによって、ゲート55を第2の案内状態に揺動させた後、ベルトコンベア昇降駆動部56Bによって、ベルトコンベア56を退避位置まで上昇させて配置スペースSを形成する。
その後、制御部60は、操作表示部11に、単金種用収容箱75a〜75fのうち指定金種の単金種用収容箱のセットを促す表示を行わせる。これを見て、操作者が、図22に示すように、硬貨処理機1の背面側の開閉扉66で開口部67を開き、機外から、載置台69上の設定位置に載置した状態で、単金種用収容箱75a〜75fのうち指定金種の単金種用収容箱を挿入することになり、載置台69の前後端を硬貨処理機1の係止部70に係止させる(図22では、載置台69にすべての単金種用収容箱75a〜75fを載置させた状態を示す)。これにより、載置台69および単金種用収容箱75a〜75fのうち指定金種の単金種用収容箱のみが、硬貨処理機1に位置決めされることになり、これらが位置決めされたことを、載置台検知センサ82および単金種用収容箱検知センサ85a〜85fで検知すると、制御部60は、上側位置に位置する出金収納部52a〜52fのうち指定金種の出金収納部のみから並行して、計数繰出部53a〜53fのうち指定金種の計数繰出部のみによってすべての硬貨を識別計数しつつゲート55の案内部55a〜55fのうち指定金種の案内部のみを介して単金種用収容箱75a〜75fのうち指定金種の単金種用収容箱に繰り出させる。つまり、金種別の出金収納部52a〜52fのうち指定金種の出金収納部のみから、計数繰出部53a〜53fのうち指定金種の計数繰出部のみによって計数され繰り出された硬貨を、単金種用収容箱75a〜75fのうち配置スペースSにある指定金種の単金種用収容箱に導く各金種同時の指定金種の回収処理を行う。他方、単金種用収容箱検知センサ85a〜85fで、単金種用収容箱75a〜75fのうち指定金種の単金種用収容箱のみがセットされた状態にないことを検知した場合、操作表示部11にアラームを発生させて指定金種の単金種用収容箱のみがセットされていることを検知するまで待機する。
指定金種の回収処理にて、出金収納部52a〜52fのうち指定金種の出金収納部のみからすべての硬貨が、単金種用収容箱75a〜75fのうち指定金種の単金種用収容箱に受け渡されると、制御部60は、計数繰出部53a〜53fのうち指定金種の計数繰出部の計数結果を、操作表示部11に表示させるとともに印字部15で用紙に印字させ、単金種用収容箱75a〜75fのうち指定金種の単金種用収容箱の取り出しを促す表示を操作表示部11に行わせる。これを見て、操作者が、硬貨処理機1から載置台69および単金種用収容箱75a〜75fのうち指定金種の単金種用収容箱を取り出して開閉扉66で開口部67を閉じることになる。開閉扉検知センサ81で開閉扉66が閉じられたことが検知されると、制御部60は、ベルトコンベア昇降駆動部56Bによって、ベルトコンベア56を下降させ通常位置に戻す。そして、ゲート駆動部55Aによって、ゲート55を第1の案内状態に揺動させるとともに、硬貨供給部駆動部51Aによって、硬貨供給部51を待機位置に戻す。
以上により、操作者が取り出した指定金種の単金種用収容箱には、硬貨が金種別に分類されて収容されているため、操作者は、硬貨供給部51の出金収納部52a〜52fに金種別に収納されていた硬貨のうち指定金種の硬貨のみを金種別に分類した状態のまま計数して回収することになる。
上記により、制御部60は、単金種用収容箱75a〜75fのうち指定された金種用の単金種用収容箱の配置スペースSへの配置が載置台検知センサ82および単金種用収容箱検知センサ85a〜85fで検知された場合に、硬貨供給部51から指定された金種の硬貨の繰り出しを行う一方、単金種用収容箱75a〜75fのうち指定された金種用の単金種用収容箱の配置スペースSへの配置が載置台検知センサ82および単金種用収容箱検知センサ85a〜85fで検知されない場合に、硬貨供給部51から指定された金種の硬貨の繰り出しを禁止してアラームを発生させる。
「セット金種の回収処理」
操作表示部11に、セット金種の回収処理を行う旨の操作が入力されると、制御部60は、硬貨供給部駆動部51Aによって、待機状態にあって下側位置に位置する硬貨供給部51つまり出金収納部52a〜52fを、図19に示すように、上側位置に移動させるとともに、ゲート駆動部55Aによって、ゲート55を第2の案内状態に揺動させた後、ベルトコンベア昇降駆動部56Bによって、ベルトコンベア56を退避位置まで上昇させて配置スペースSを形成する。
その後、制御部60は、操作表示部11に、単金種用収容箱75a〜75fのうち所望の単金種用収容箱のセットを促す表示を行わせる。これを見て、操作者が、図22に示すように、硬貨処理機1の背面側の開閉扉66で開口部67を開き、機外から、載置台69上の設定位置に載置した状態で、単金種用収容箱75a〜75fのうち所望の金種の単金種用収容箱を挿入することになり、載置台69の前後端を硬貨処理機1の係止部70に係止させる(図22では、載置台69にすべての単金種用収容箱75a〜75fを載置させた状態を示す)。これにより、載置台69および単金種用収容箱75a〜75fのうち所望の金種の単金種用収容箱のみが、硬貨処理機1に位置決めされることになり、これらが位置決めされたことを、載置台検知センサ82および単金種用収容箱検知センサ85a〜85fで検知すると、制御部60は、上側位置に位置する出金収納部52a〜52fのうち、単金種用収容箱検知センサ85a〜85fで単金種用収容箱のセットが検知されたセット金種の出金収納部のみから並行して、計数繰出部53a〜53fのうちセット金種の計数繰出部のみによってすべての硬貨を識別計数しつつゲート55の案内部55a〜55fのうちセット金種の案内部のみを介して単金種用収容箱75a〜75fのうちセット金種の単金種用収容箱に繰り出させる。つまり、金種別の出金収納部52a〜52fのうちセット金種の出金収納部のみから、計数繰出部53a〜53fのうちセット金種の計数繰出部のみによって計数され繰り出された硬貨を、単金種用収容箱75a〜75fのうち配置スペースSにあるセット金種の単金種用収容箱に導く各金種同時のセット金種の回収処理を行う。
そして、出金収納部52a〜52fのうちセット金種の出金収納部のみからこれらに貯留されたすべての硬貨が、単金種用収容箱75a〜75fのうちのセット金種の単金種用収容箱に受け渡されると、制御部60は、計数繰出部53a〜53fのうちセット金種の計数繰出部の計数結果を、操作表示部11に表示させるとともに印字部15で用紙に印字させ、単金種用収容箱75a〜75fのうちセット金種の単金種用収容箱の取り出しを促す表示を操作表示部11に行わせる。これを見て、操作者が、硬貨処理機1から載置台69および単金種用収容箱75a〜75fのうちセット金種の単金種用収容箱を取り出して開閉扉66で開口部67を閉じることになる。開閉扉検知センサ81で開閉扉66が閉じられたことが検知されると、制御部60は、ベルトコンベア昇降駆動部56Bによって、ベルトコンベア56を通常位置まで下降させる。そして、ゲート駆動部55Aによって、ゲート55を第1の案内状態に揺動させるとともに、硬貨供給部駆動部51Aによって、硬貨供給部51を待機位置に戻す。
以上により、操作者が取り出した硬貨処理機1にセットされていた単金種用収容箱には、硬貨が金種別に分類されて収容されているため、操作者は、硬貨供給部51の出金収納部52a〜52fに金種別に収納されていた硬貨のうちセット金種の硬貨のみを金種別に分類した状態のまま計数して回収することになる。
上記により、制御部60は、単金種用収容箱75a〜75fのうち配置スペースSへの配置が載置台検知センサ82および単金種用収容箱検知センサ85a〜85fで検知された金種のみ硬貨供給部51から硬貨の繰り出しを行わせることになる。
以上に述べた第1実施形態の硬貨処理機1によれば、出金処理時には、所定の上側位置にある硬貨供給部51に対してベルトコンベア56を退避させずに、硬貨供給部51で硬貨を計数しつつ繰り出すと、繰り出された硬貨をベルトコンベア56で搬送することができる。他方、回収処理時には、ベルトコンベア昇降駆動部56Bで、所定の上側位置にある硬貨供給部51に対してベルトコンベア56を退避させることにより生じる配置スペースSに、全金種用収容箱65、または一括収容箱73、または単金種用収容箱75a〜75fの選択された少なくとも一つを配置した状態で、硬貨供給部51で硬貨を計数しつつ繰り出すと、繰り出された硬貨を、全金種用収容箱65、または一括収容箱73、または単金種用収容箱75a〜75fの選択された少なくとも一つに収容することができる。よって、硬貨供給部51からベルトコンベア56に硬貨を受け渡す第1の出金処理と、硬貨供給部51から全金種用収容箱65、または一括収容箱73、または単金種用収容箱75a〜75fの選択された少なくとも一つに硬貨を受け渡す回収処理とで、ベルトコンベア56と、全金種用収容箱65、または一括収容箱73、または単金種用収容箱75a〜75fの選択された少なくとも一つとの配置用のスペースを共用できる。また、同じ位置の硬貨供給部51の繰り出し先に対して、ベルトコンベア56の配置と、全金種用収容箱65、または一括収容箱73、または単金種用収容箱75a〜75fの選択された少なくとも一つの配置とを切り替えることから、いずれの取引処理も搬送距離が長くならず、また、搬送ルートも複雑にならない。したがって、出金処理および回収処理を可能としつつ、機体の小型化、処理時間の短縮化および低コスト化が可能となる。
また、硬貨供給部51のすべての計数繰出部53a〜53fから繰り出された硬貨を金種別に収容可能な単一の全金種用収容箱65を用いた場合、全金種の硬貨を金種別に単一の全金種用収容箱65に収容することができる。
また、硬貨供給部51のすべての計数繰出部53a〜53fから繰り出された硬貨を金種混合で収容可能な単一の一括収容箱73を用いた場合、全金種の硬貨を金種混合で一括収容箱73に収容することができる。
また、硬貨供給部51の計数繰出部53a〜53fのうち所定の一金種用の計数繰出部から繰り出された硬貨のみを収容可能な単金種用収容箱で75a〜75fを少なくとも一つ用いた場合、所望の少なくとも一金種の硬貨のみをこの金種数と同数の単金種用収容箱に収容することができる。
また、ベルトコンベア昇降駆動部56Bが、ベルトコンベア56を昇降させることになるため、硬貨供給部51から全金種用収容箱65、または一括収容箱73、または単金種用収容箱75a〜75fの選択された少なくとも一つに硬貨を受け渡す回収処理では使用されないベルトコンベア56上にある硬貨搬送用のスペースにベルトコンベア56を退避させることで、全金種用収容箱65、または一括収容箱73、または単金種用収容箱75a〜75fの選択された少なくとも一つを配置する配置スペースを確保する。よって、スペース効率をさらに向上でき、さらなる機体の小型化が図れる。また、比較的小型・軽量のベルトコンベア56を昇降させることになることから、ベルトコンベア昇降駆動部56Bを小型化および低コスト化することができる。
また、全金種用収容箱65、または一括収容箱73、または単金種用収容箱75a〜75fの選択された少なくとも一つの配置スペースSへの配置状態を検知する、載置台検知センサ82、全金種用収容箱検知センサ83、一括収容箱検知センサ84および単金種用収容箱検知センサ85a〜85fが設けられているため、載置台検知センサ82、全金種用収容箱検知センサ83、一括収容箱検知センサ84および単金種用収容箱検知センサ85a〜85fで配置スペースSへの全金種用収容箱65、または一括収容箱73、または単金種用収容箱75a〜75fの選択された少なくとも一つの配置が確認されると、硬貨供給部51から全金種用収容箱65、または一括収容箱73、または単金種用収容箱75a〜75fの選択された少なくとも一つに硬貨を受け渡す回収処理を許容する等の制御が可能となる。
また、制御部60が、セット金種の回収処理において、単金種用収容箱75a〜75fのうち配置スペースSへの配置が、載置台検知センサ82および単金種用収容箱検知センサ85a〜85fで検知された金種のみ硬貨供給部51から硬貨を繰り出すことになるため、配置スペースへ単金種用収容箱が配置されていない金種の硬貨が硬貨供給部51から繰り出されてしまうことを防止できる。
また、制御部60が、指定金種の回収処理において、単金種用収容箱75a〜75fのうち指定された金種用の単金種用収容箱の配置スペースSへの配置が載置台検知センサ82および単金種用収容箱検知センサ85a〜85fで検知された場合に硬貨供給部51から指定された金種の硬貨の繰り出しを行う一方、単金種用収容箱75a〜75fのうち指定された金種の硬貨用の単金種用収容箱の配置スペースSへの配置が載置台検知センサ82および単金種用収容箱検知センサ85a〜85fで検知されない場合に硬貨供給部51から指定された金種の硬貨の繰り出しを禁止してアラームを発生させるため、配置スペースSへ単金種用収容箱が配置されていない金種の硬貨が硬貨供給部51から繰り出されてしまうことを防止できる上、必要な金種の硬貨用の単金種用収容箱が配置スペースSに配置されていないことを報知できる。
また、全金種用収容箱65の配置スペースSへの配置時に受入口64a〜64fを開放し全金種用収容箱65の配置スペースSからの取り外し時に受入口64a〜64fを閉塞するシャッタと、一括収容箱73の配置スペースSへの配置時に受入口72を開放し一括収容箱73の配置スペースSからの取り外し時に受入口72を閉塞するシャッタと、単金種用収容箱75a〜75fの配置スペースSへの配置時に受入口74a〜74fを開放し単金種用収容箱75a〜75fの配置スペースSからの取り外し時に受入口74a〜74fを閉塞する個別のシャッタとを有するため、全金種用収容箱65、一括収容箱73および単金種用収容箱75a〜75fは、硬貨処理機1からの取り出し後、硬貨が無用に取り出されることを防止できる。
「第2実施形態」
次に、本発明の第2実施形態に係る硬貨処理機を主に図29〜図31と上記した図2および図20〜図23とを参照して第1実施形態との相違部分を中心に以下に説明する。なお、第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付しその説明は略す。
第2実施形態においては、第1実施形態のベルトコンベア昇降駆動部は設けられておらず、ベルトコンベア56は、位置が固定となっている。そして、図29および図30に示すように、ゲート55が、硬貨供給部51に対し揺動可能な状態のまま、硬貨供給部51と一体に昇降するようになっている。硬貨供給部51は、硬貨供給部駆動部(移動退避手段)51Aで、図29に示す下側位置と図30に示す上側位置との間の、図31に示す所定の中間位置に移動させられると、計数繰出部53a〜53fから、第2の案内状態にあるゲート55を介してベルトコンベア56よりも下側に硬貨を繰り出すようになっている。言い換えれば、硬貨供給部駆動部51Aは、ベルトコンベア56を硬貨供給部51に対して相対的に移動させて退避させることになり、位置一定のベルトコンベア56に対して硬貨供給部51を所定の中間位置(退避位置)まで下降させることでベルトコンベア56を硬貨供給部51から退避させる。
そして、一定位置にあるベルトコンベア56に対して硬貨供給部51が第2の案内状態にあるゲート55とともに中間位置に移動すること、および貯留搬送部35が第1の位置の位置にあることで生じるベルトコンベア56の下側の配置スペースSに、硬貨供給部51の計数繰出部53a〜53fから繰り出され第2の案内状態にあるゲート55で案内された硬貨を金種別に収容する第1実施形態と同様の全金種用収容箱65が配置可能となっている。
つまり、図20に示すように、配置スペースSと位置を合わせた開口部67には、開閉扉66を開いた状態で、機外から、載置台69上の設定位置に載置された状態で全金種用収容箱65が挿入されることになり、載置台69の前後端が硬貨処理機1の係止部70に係止されることで全金種用収容箱65が、中間位置にある硬貨供給部51の計数繰出部53a〜53fから繰り出され第2の案内状態にあるゲート55で案内された硬貨を収容可能に位置決めされる。
ここで、全金種用収容箱65は、硬貨処理機1に位置決めされた状態で、中間位置にある硬貨供給部51の計数繰出部53a〜53fから繰り出され第2の案内状態にあるゲート55の案内部55a〜55fで案内された硬貨を、上方に開口する受入口64a〜64fから金種別に受け入れる。
また、第2実施形態においても、載置台69には、上記した全金種用収容箱65とは別に、第1実施形態と同様の図21に示す一括収容箱73が載置可能となっている。一括収容箱73は、硬貨処理機1に位置決めされた状態で、中間位置にある硬貨供給部51の計数繰出部53a〜53fから繰り出され第2の案内状態にあるゲート55のすべての案内部55a〜55fで案内される硬貨を受入口72から受け入れる。
また、載置台69には、上記した全金種用収容箱65および一括収容箱73とは別に、第1実施形態と同様の図22に示す金種別の単金種用収容箱75a〜75fが選択的に少なくとも一つ載置可能となっている。単金種用収容箱75a〜75fの載置台69に載置されたものが、硬貨処理機1に位置決めされた状態で、中間位置にある硬貨供給部51の計数繰出部53a〜53fの対応する金種のものから繰り出され第2の案内状態にあるゲート55の案内部55a〜55fの対応する金種のもので案内される硬貨を受入口74a〜74fの対応するものを介して受け入れる。
なお、第2実施形態においては、図31に示すように、出金部57と干渉しない位置まで配置スペースSを下げることができるため、硬貨処理機1の前面側に、配置スペースSと位置を合わせて、開閉扉66で開閉される開口部67を設けることも可能である。
このような第2実施形態においては、硬貨供給部51と一体に設けられたゲート55は第2の案内状態を待機状態としており、第1実施形態に対して、「第1の出金処理」、「第2の出金処理」、「精査処理」、「金種別の回収処理」、 「金種混合の回収処理」、「指定金種の回収処理」および「セット金種の回収処理」の一部の制御が、以下のように相違することになる。
「第1の出金処理」
操作表示部11に、出金処理として、金額あるいは金種別の枚数が入力され、金種混合出金放出モードが選択入力されると、制御部60は、ベルトコンベア搬送駆動部56Aによってベルトコンベア56を駆動するとともに、硬貨供給部駆動部51Aによって、待機状態にあって下側位置に位置する硬貨供給部51つまり出金収納部52a〜52fを、ゲート55とともに、図30に示すように、上側位置に移動させる。その後、制御部60は、ゲート駆動部55Aによって、ゲート55を揺動させて第1の案内状態として、第1実施形態と同様の第1の出金動作を行い、その終了後に、ゲート駆動部55Aによって、ゲート55を揺動させて第2の案内状態とした後、硬貨供給部駆動部51Aによって、硬貨供給部51を待機位置に戻す。
「第2の出金処理」
操作表示部11に、出金処理として、金額あるいは金種別の枚数が入力され、金種別出金放出モードが選択入力されると、制御部60は、図23に示すように、返却部40に金種別出金箱43が装着されたことを条件に、硬貨供給部駆動部51Aによって、硬貨供給部51つまり出金収納部52a〜52fを、ゲート55とともに、上側位置に移動させた後、第1実施形態と同様の第2の出金動作を行い、その終了後に、硬貨供給部駆動部51Aによって硬貨供給部51をゲート55とともに下側の待機位置に戻す。
「精査処理」
操作表示部11に、精査処理を行う旨の操作が入力されると、制御部60は、硬貨供給部駆動部51Aによって、硬貨供給部51つまり出金収納部52a〜52fを第2の案内状態にあるゲート55とともに、上側位置に移動させた後、第1実施形態と同様の処理を行い、その終了後に、硬貨供給部駆動部51Aによって硬貨供給部51をゲート55とともに下側の待機位置に戻す。
「金種別の回収処理」
操作表示部11に、金種別の回収処理を行う旨の操作が入力されると、制御部60は、硬貨供給部駆動部51Aによって、待機状態にあって下側位置に位置する硬貨供給部51つまり出金収納部52a〜52fを、図31に示すように、第2の案内状態にあるゲート55とともに中間位置に移動させて、ベルトコンベア56の下側の配置スペースSに合わせる。
その後、制御部60は、載置台69および全金種用収容箱65が、図20に示すように硬貨処理機1に位置決めされたことを条件に、中間位置に位置するすべての出金収納部52a〜52fから並行して、計数繰出部53a〜53fによってすべての硬貨を識別計数しつつゲート55の案内部55a〜55fを介して全金種用収容箱65の回収収容部65a〜65fに繰り出させる。
そして、出金収納部52a〜52fからすべての硬貨が回収収容部65a〜65fに受け渡された後、硬貨処理機1から載置台69および全金種用収容箱65が取り出されて開閉扉66が開口部67で閉じられると、制御部60は、硬貨供給部駆動部51Aによって、硬貨供給部51をゲート55とともに待機位置に戻す。
「金種混合の回収処理」
操作表示部11に、金種混合の回収処理を行う旨の操作が入力されると、制御部60は、硬貨供給部駆動部51Aによって、待機状態にあって下側位置に位置する硬貨供給部51つまり出金収納部52a〜52fを、図31に示すように、第2の案内状態にあるゲート55とともに中間位置に移動させてベルトコンベア56の下側の配置スペースSに合わせる。
その後、制御部60は、載置台69および一括収容箱73が、図21に示すように硬貨処理機1に位置決めされたことを条件に、制御部60は、中間位置に位置するすべての出金収納部52a〜52fから並行して、計数繰出部53a〜53fによってすべての硬貨を識別計数しつつゲート55の案内部55a〜55fを介して一括収容箱73に繰り出させる。
そして、出金収納部52a〜52fからすべての硬貨が一括収容箱73に受け渡された後、硬貨処理機1から載置台69および一括収容箱73が取り出されて開閉扉66で開口部67が閉じられると、制御部60は、硬貨供給部駆動部51Aによって、硬貨供給部51を待機位置に戻す。
「指定金種の回収処理」
操作表示部11に、指定金種の回収処理を行う旨の操作および回収の指定金種が入力されると、制御部60は、硬貨供給部駆動部51Aによって、待機状態にあって下側位置に位置する硬貨供給部51つまり出金収納部52a〜52fを、図31に示すように、第2の案内状態にあるゲート55とともに中間位置に移動させてベルトコンベア56の下側の配置スペースSに合わせる。
その後、制御部60は、載置台69および単金種用収容箱75a〜75fのうち指定金種の単金種用収容箱のみが、図22に示すように硬貨処理機1に位置決めされたことを条件に、中間位置に位置する出金収納部52a〜52fのうち指定金種の出金収納部のみから並行して、計数繰出部53a〜53fのうち指定金種の計数繰出部のみによってすべての硬貨を識別計数しつつ、第2の案内状態にあるゲート55を介して単金種用収容箱75a〜75fのうち指定金種の単金種用収容箱に繰り出させる。
そして、出金収納部52a〜52fのうち指定金種の出金収納部のみからすべての硬貨が、単金種用収容箱75a〜75fのうち指定金種の単金種用収容箱に受け渡された後、開閉扉66が閉じられると、制御部60は、硬貨供給部駆動部51Aによって、硬貨供給部51を待機位置に戻す。
「セット金種の回収処理」
操作表示部11に、セット金種の回収処理を行う旨の操作が入力されると、制御部60は、硬貨供給部駆動部51Aによって、待機状態にあって下側位置に位置する硬貨供給部51つまり出金収納部52a〜52fを、図31に示すように、第2の案内状態にあるゲート55とともに中間位置に移動させてベルトコンベア56の下側の配置スペースSに合わせる。
その後、制御部60は、載置台69および単金種用収容箱75a〜75fのうち任意の金種の単金種用収容箱のみが、図22に示すように、硬貨処理機1に位置決めされたことを条件に、中間位置に位置する出金収納部52a〜52fのうち、単金種用収容箱検知センサ85a〜85fで単金種用収容箱のセットが検知されたセット金種の出金収納部のみから並行して、計数繰出部53a〜53fのうちセット金種の計数繰出部のみによってすべての硬貨を識別計数しつつ、第2の案内状態にあるゲート55を介して単金種用収容箱75a〜75fのうちセット金種の単金種用収容箱に繰り出させる。
そして、出金収納部52a〜52fのうちセット金種の出金収納部のみからすべての硬貨が、単金種用収容箱75a〜75fのうちセット金種の単金種用収容箱に受け渡された後、開閉扉66が閉じられると、制御部60は、硬貨供給部駆動部51Aによって、硬貨供給部51を待機位置に戻す。
以上に述べた第2実施形態の硬貨処理機1によれば、硬貨供給部駆動部51Aが、硬貨供給部51を昇降させることになるため、硬貨供給部51から全金種用収容箱65、または一括収容箱73、または単金種用収容箱75a〜75fの選択された少なくとも一つに硬貨を受け渡す回収処理では使用されないスペースがベルトコンベア56の下側にある場合に、このスペースを配置スペースとして有効利用して、全金種用収容箱65、または一括収容箱73、または単金種用収容箱75a〜75fの選択された少なくとも一つを配置できる。
また、回収処理にあたって、第1の出金処理、第2の出金処理および精査処理を行うために必要な硬貨供給部駆動部51Aで硬貨供給部51を昇降させることになるため、小型化および低コスト化することができる。
また、硬貨供給部51に加えてゲート55も昇降させることになるが、硬貨供給部51にゲート55を一体的に設けることで、硬貨供給部駆動部51Aの駆動力でゲート55をも昇降させることができるため、ゲート55を昇降するためのコスト増を抑制できる。
「第3実施形態」
次に、本発明の第3実施形態に係る硬貨処理機を主に図32〜図37と上記した図2とを参照して第1実施形態との相違部分を中心に以下に説明する。なお、第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付しその説明は略す。
第3実施形態においては、ベルトコンベア昇降駆動部は設けられておらず、ベルトコンベア56は、位置が固定となっている。そして、硬貨供給部51は、硬貨供給部駆動部(移動退避手段)51Aで、図32に示す下側位置と図33に示す上側位置との間の、図34に示す所定の中間位置に移動させられると、計数繰出部53a〜53fから、第1の案内状態にあるゲート(搬送手段)55よりも下側において硬貨を繰り出すようになっている。言い換えれば、硬貨供給部駆動部51Aは、ゲート55を硬貨供給部51に対して相対的に移動させて退避させることになり、昇降しないゲート55に対して硬貨供給部51を所定の中間位置(退避位置)まで下降させることでゲート55を硬貨供給部51から退避させる。
そして、一定位置にあるゲート55に対して硬貨供給部51が中間位置に移動すること、および貯留搬送部35が第1の位置の位置にあることで生じるゲート55の下側の配置スペースSに、硬貨供給部51の計数繰出部53a〜53fから繰り出された硬貨を収容する全金種用収容箱65が配置可能となっている。
つまり、図35に示すように、配置スペースSと位置を合わせた開口部67には、開閉扉66を開いた状態で、機外から、載置台69上の設定位置に載置された状態で全金種用収容箱65が挿入されることになり、載置台69の前後端が硬貨処理機1の係止部70に係止されることで全金種用収容箱65が、中間位置にある硬貨供給部51の計数繰出部53a〜53fから繰り出された硬貨を直接収容可能に位置決めされる。
ここで、全金種用収容箱65は、図34および図35に示すように、金種別の回収収容部65a〜65fの上部に、受入口64a〜64fを計数繰出部53a〜53fの対応するものに対向させる導入ガイド100a〜100fが設けられている。全金種用収容箱65は、硬貨処理機1に位置決めされた状態で、中間位置にある硬貨供給部51の計数繰出部53a〜53fから繰り出された硬貨を受入口64a〜64fから金種別に受け入れ導入ガイド100a〜100fで金種別に案内して金種別の回収収容部65a〜65fに収容する。
また、第3実施形態においても、載置台69には、上記した全金種用収容箱65とは別に、硬貨供給部51のすべての計数繰出部53a〜53fから繰り出された硬貨を金種混合で収容可能な図36に示す単一の一括収容箱73が載置可能となっている。この一括収容箱73も、その上部に、単一の受入口72をすべての計数繰出部53a〜53fに対向させる導入ガイド102が設けられている。
また、第3実施形態においても、載置台69には、上記した全金種用収容箱65および一括収容箱73とは別に、硬貨供給部51の計数繰出部53a〜53fのうちの所定の一金種用の計数繰出部から繰り出された硬貨のみを収容可能な図37に示す金種別の単金種用収容箱75a〜75fが選択的に少なくとも一つ載置可能となっている(図37では、載置台69にすべての単金種用収容箱75a〜75fを載置させた状態を示す)。これらの単金種用収容箱75a〜75fも、それぞれの上部に、受入口74a〜74fを計数繰出部53a〜53fのうちの対応するものに対向させる導入ガイド104a〜104fが設けられており、載置台69における個別の載置位置にそれぞれ載置されるようになっている。
このような第3実施形態においては、第1実施形態に対して、「金種別の回収処理」、 「金種混合の回収処理」、「指定金種の回収処理」および「セット金種の回収処理」の一部の制御が、以下のように相違することになる。
「金種別の回収処理」
操作表示部11に、金種別の回収処理を行う旨の操作が入力されると、制御部60は、硬貨供給部駆動部51Aによって、待機状態にあって下側位置に位置する硬貨供給部51つまり出金収納部52a〜52fを、図34に示すように中間位置に移動させてゲート55の下側の配置スペースSに合わせる。なお、ゲート55は揺動させない。
その後、制御部60は、載置台69および全金種用収容箱65が、図35に示すように硬貨処理機1に位置決めされたことを条件に、中間位置に位置するすべての出金収納部52a〜52fから並行して、計数繰出部53a〜53fによってすべての硬貨を識別計数しつつ全金種用収容箱65の回収収容部65a〜65fに繰り出させる。
そして、出金収納部52a〜52fからすべての硬貨が回収収容部65a〜65fに受け渡された後、硬貨処理機1から載置台69および全金種用収容箱65が取り出されて開閉扉66で開口部67が閉じられると、制御部60は、硬貨供給部駆動部51Aによって、硬貨供給部51を待機位置に戻す。
「金種混合の回収処理」
操作表示部11に、金種混合の回収処理を行う旨の操作が入力されると、制御部60は、硬貨供給部駆動部51Aによって、待機状態にあって下側位置に位置する硬貨供給部51つまり出金収納部52a〜52fを、図34に示すように中間位置に移動させてゲート55の下側の配置スペースSに合わせる。なお、ゲート55は揺動させない。
その後、制御部60は、載置台69および一括収容箱73が、図36に示すように硬貨処理機1に位置決めされたことを条件に、中間位置に位置するすべての出金収納部52a〜52fから並行して、計数繰出部53a〜53fによってすべての硬貨を識別計数しつつ一括収容箱73に繰り出させる。
そして、出金収納部52a〜52fからすべての硬貨が一括収容箱73に受け渡された後、硬貨処理機1から載置台69および一括収容箱73が取り出されて開閉扉66で開口部67が閉じられると、制御部60は、硬貨供給部駆動部51Aによって、硬貨供給部51を待機位置に戻す。
「指定金種の回収処理」
操作表示部11に、指定金種の回収処理を行う旨の操作および回収の指定金種が入力されると、制御部60は、硬貨供給部駆動部51Aによって、待機状態にあって下側位置に位置する硬貨供給部51つまり出金収納部52a〜52fを、図34に示すように中間位置に移動させてゲート55の下側の配置スペースSに合わせる。なお、ゲート55は揺動させない。
その後、制御部60は、載置台69および単金種用収容箱75a〜75fのうち指定金種の単金種用収容箱のみが、図37に示すように硬貨処理機1に位置決めされたことを条件に、中間位置に位置する出金収納部52a〜52fのうち指定金種の出金収納部のみから並行して、計数繰出部53a〜53fのうち指定金種の計数繰出部のみによってすべての硬貨を識別計数しつつ単金種用収容箱75a〜75fのうち指定金種の単金種用収容箱に繰り出させる。
そして、出金収納部52a〜52fのうち指定金種の出金収納部のみからすべての硬貨が、単金種用収容箱75a〜75fのうち指定金種の単金種用収容箱に受け渡された後、開閉扉66が閉じられると、制御部60は、硬貨供給部駆動部51Aによって、硬貨供給部51を待機位置に戻す。
「セット金種の回収処理」
操作表示部11に、セット金種の回収処理を行う旨の操作が入力されると、制御部60は、硬貨供給部駆動部51Aによって、待機状態にあって下側位置に位置する硬貨供給部51つまり出金収納部52a〜52fを、図34に示すように中間位置に移動させてゲート55の下側の配置スペースSに合わせる。なお、ゲート55は揺動させない。
その後、制御部60は、載置台69および単金種用収容箱75a〜75fのうち任意の金種の単金種用収容箱のみが、図37に示すように硬貨処理機1に位置決めされたことを条件に、中間位置に位置する出金収納部52a〜52fのうち、単金種用収容箱検知センサ85a〜85fで単金種用収容箱のセットが検知されたセット金種の出金収納部のみから並行して、計数繰出部53a〜53fのうちセット金種の計数繰出部のみによってすべての硬貨を識別計数しつつ単金種用収容箱75a〜75fのうちセット金種の単金種用収容箱に繰り出させる。
そして、出金収納部52a〜52fのうちセット金種の出金収納部のみからすべての硬貨が、単金種用収容箱75a〜75fのうちセット金種の単金種用収容箱に受け渡された後、開閉扉66が閉じられると、制御部60は、硬貨供給部駆動部51Aによって、硬貨供給部51を待機位置に戻す。
以上に述べた第3実施形態の硬貨処理機1によれば、硬貨供給部駆動部51Aが、硬貨供給部51を昇降させることになるため、硬貨供給部51から全金種用収容箱65、または一括収容箱73、または単金種用収容箱75a〜75fの選択された少なくとも一つに硬貨を受け渡す回収処理では使用されないスペースがゲート55の下側にある場合に、このスペースを配置スペースとして有効利用して、全金種用収容箱65、または一括収容箱73、または単金種用収容箱75a〜75fの選択された少なくとも一つを配置できる。
また、回収処理にあたって、第1の出金処理、第2の出金処理および精査処理を行うために必要な硬貨供給部駆動部51Aで硬貨供給部51を昇降させることになるため、小型化および低コスト化することができる。