JP5258452B2 - 硬貨放出装置および硬貨処理装置 - Google Patents

硬貨放出装置および硬貨処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5258452B2
JP5258452B2 JP2008213788A JP2008213788A JP5258452B2 JP 5258452 B2 JP5258452 B2 JP 5258452B2 JP 2008213788 A JP2008213788 A JP 2008213788A JP 2008213788 A JP2008213788 A JP 2008213788A JP 5258452 B2 JP5258452 B2 JP 5258452B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coin
coins
state
unit
carrying disk
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008213788A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010049527A (ja
Inventor
勝之 茂原
武徳 土屋
Original Assignee
株式会社高見沢サイバネティックス
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社高見沢サイバネティックス filed Critical 株式会社高見沢サイバネティックス
Priority to JP2008213788A priority Critical patent/JP5258452B2/ja
Publication of JP2010049527A publication Critical patent/JP2010049527A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5258452B2 publication Critical patent/JP5258452B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、収納した硬貨を一枚ずつ外部に放出する硬貨放出装置および該硬貨放出装置を用いた硬貨処理装置に関する。特に、複数の金種の硬貨を短時間に大量に処理可能な硬貨放出装置及び硬貨処理装置に関する。
硬貨処理装置は、例えば、駅の自動券売機に使用されるもので、硬貨入金口から入金された硬貨の合計額を算出して表示し、購入した券等の額を入金額から差し引いたつり銭を払い出し、精算した金額の硬貨を払い出したりする装置である。このつり銭等に充当するための硬貨は、入金された硬貨を金種毎に分別して貯留しておき、再び使用する循環方式が用いられる(例えば、文献1)。しかし、循環方式を用いてもつり銭が不足することがあり、このような場合に備えて予めつり銭を補充・収納する必要がある(例えば、文献2)。
つり銭の補充に当たっては、補充硬貨が真正なものであることを収納先の硬貨処理装置で収納時に1枚ずつチェックすることが求められている。このため、硬貨処理装置には補充された硬貨を1枚ずつ一定の時間をおいて放出し、硬貨識別部に繰り出す硬貨放出装置を備える必要がある。従来の硬貨放出装置としては、図12のようなキャリングディスク(回転円板)を用いたものがある(例えば、文献3,4)。図12(a)は従来の硬貨放出装置の側面断面図、図12(b)は図12(a)のA−A’矢視図である。この種の硬貨放出装置は、硬貨収納部19(以下、「補充庫19」ということがある)に補充硬貨2が貯留した状態で、硬貨収納部の底部19aに位置し、その表面を傾斜して設置させたキャリングディスク5を回転させる構造を有し、重力の助けを受けつつ貯留した硬貨2がキャリングディスクの複数の貫通孔4からキャリンディスク5の裏面の凹部8を経由して移動し、順次放出口7から放出されるようになっている。このような構造では、凹部8には、同時に1枚の硬貨しか入らないので1枚ずつ硬貨が放出されることになる。
特開2003−162749号公報(図1、段落0026) 特開平10−255102号公報(図11、段落0041) 特開2005−284812号公報(図4、段落0029) 特開2002−222449号公報(図4、段落0028)
硬貨補充では硬貨収納部に複数の金種が混在する硬貨を短時間に大量に処理可能なことが要求される。このためには、キャリングディスク5の回転数を上げることが行われる。
しかし、単にキャリングディスク5の回転数を上げると、以下のような問題が生じることが本願発明者の永年の開発経験で明らかになっている。即ち、
(1)キャリングディスク5と補充硬貨2とが互いに噛み合いキャリングディスク5の回転がロックして補充硬貨2の放出が停止することがある(このような状態を以下「噛み込み不良」と言う)。
(2)また、補充硬貨2の状態が後に詳述するブリッジ状態、俵状態、同期状態のような、キャリングディスク5は回転するが、補充硬貨2が外部に放出されないことがある(このような状態を以下「掻き揚げ不良」と言う)。
このような(1)、(2)の異常状態は、単一の金種だけを取り扱うようにし、特定の金種に対して寸法等を最適化するとある程度防ぐことができる。しかし、金種別に放出装置を設ける構成では硬貨処理装置全体が大型化する欠点がある。また、硬貨補充では異なる金種をまとめて処理できることが作業上の理由から要求されており、上記問題点の解決は重要である。
従って、本発明は、上記従来のキャリングディスク5を用いた硬貨放出装置の問題点を解決するもので、簡易な構造で上記噛み込み状態、掻き揚げ状態が生じない硬貨放出装置を実現することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の硬貨放出装置は、例えば、図1、図2に示すように、硬貨2が摺動して移動する平坦な摺動面3aを有するベース部3と、摺動面3aに平行に配置され、摺動面3aに沿って予め定められた正方向R1に回転運動をし、硬貨2が納まる複数の孔4〜4が形成され、孔4〜4に納まった硬貨2を回転運動により摺動面3aに沿って移動することで硬貨2を1枚ずつ、外部に放出するキャリングディスク5と、摺動面3aと対向する面cと反対側のキャリングディスク5の面bに、回転運動の中心O以外に固定配置された複数の突起6〜6であって、突起6〜6のうち少なくとも1つの回転運動の中心Oからの距離(例えば、r)が他の突起の前記回転中心からの距離r,rと異なり、かつ、突起6のうち少なくとも1つの形状、高さ、または太さが他の突起6と異なる突起6とを備える。
ここで、「硬貨」は、典型的には複数の金種を含む。但し、単一の金種である場合を除外するものではない。「正方向」とは、孔4〜4に落ち込んだ硬貨2がキャリングディスク5の回転運動により摺動面3aを摺動し、放出口7を介して外部に放出される回転方向を言う。この回転方向はキャリングディスク5の裏面に設けた凹部8の形状に依存する。「孔」は、補充される硬貨のうち最も大きな半径より大きな半径を有し、当該硬貨を収納するのに十分な大きさの孔である。「前記回転運動の中心以外」とは、キャリングディスク5の回転中心O上に設けた突起6は含まない、言い換えれば突起6のキャリングディスク5側の底面内に回転中心Oは含まないとする主旨である。従って、例えば、図2(b)で示す中央凸部14は本発明における突起に該当しない。
このような構造になっているので、硬貨放出装置に収納された硬貨の堆積状態が、後述する、ロック状態、ブリッジ状態、俵状態、同期状態等の異状状態であっても、前記突起により硬貨をランダムに攪拌するので硬貨の堆積状態がその都度変化し、硬貨を正常に孔に導入し、正常状態を回復することができる。
更に、本発明では、突起から回転中心Oの距離の少なくとも1つを他の突起の距離と相違させたので硬貨の攪拌の不規則化(ランダム化)が促進され、上記ロック状態等の異常状態を効果的に回避することができる。また、これに加えて、突起6の形状や高さ、太さについても互いに他の突起と相違させたので攪拌の不規則化が促進される。
上記目的を達成するため、本発明の硬貨放出装置は、例えば、図1、図10に示すように、更に、硬貨放出装置1の放出動作をモニタするモニタ手段9と、モニタ手段9により、前記放出動作が異常であると判断される場合(S9,S10)、キャリングディスク5の回転方向を逆方向に回転させて(S11)、前記放出動作を正常状態に回復させる手段を備える。
このように構成すると、異常時において、キャリングディスク上の突起が硬貨を通常の回転方向とは逆方向に攪拌することになり、正回転方向では取りきれない硬貨の異常堆積状態を正常状態に回復することができる。
上記目的を達成するため、本発明による硬貨処理装置10は、例えば図11に示すように、前記硬貨放出装置1(図1参照)を含む補充部26から1枚ずつ放出された硬貨2を、硬貨振分部31に搬送する入金搬送部30を備える。
このような構成になっているので、複数の金種を大量に補充することができる小型で信頼性の高い硬貨処理装置を実現することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。尚、各図において、互いに同一又は相当する部分には同一符号を付し,重複した説明は省略する。また、下付き数字又は英文字は、同一の構成のものが複数ある場合個々を区別するものであるが、特に区別する必要が無いときは下付き数字等を付けずに説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る硬貨放出装置1の全体構造を説明する図である。ここで、図1(a)は硬貨放出装置1の断面模式図、図1(b)は図1(a)のC方向から見た図であって、硬貨収納部でもある補充庫19を除いた主要部を示した模式図である。図1(a)に示すように、硬貨放出装置1は、硬貨2が繰り出されて移動する平坦な摺動面3aを有するベース部3と、ベース部3と協働して硬貨2を収納する囲い部であって一部に開口部としての放出口7が形成された補充庫19と、摺動面3aに平行に配置され、摺動面3aに沿って所定の方向に回転運動をするキャリングディスク5を備えている。硬貨は補充口20から補充庫19に投入される。補充口20は大量の硬貨の投入が容易なように補充庫底部19aより大きく広げた構造となっている。投入される硬貨は複数の金種が混在したものである。例えば、10円硬貨500枚、50円硬貨200枚、100円硬貨500枚、500円硬貨200枚の合計1400枚程度が収納可能な容積を有する。補充された硬貨は、補充庫底部19aに貯留する。この場合、硬貨の方向が一定せず、また種々の金種が混在した所謂バラ積の状態にある。キャリングディスク5には、前記硬貨2が納まるキャリングディスク5を貫通する孔4が形成され、孔4に納まった硬貨2を回転運動により摺動面3aに沿って移動することで前記硬貨2を1枚ずつ、放出口7から放出する。ベース部3及びキャリングディスク5は放出口7が下になるように傾斜しており、硬貨2が重力の助けにより円滑に導けるようになっている。キャリングディスク5はギアヘッド11を介し駆動モータ12により駆動軸線17を中心に回転する。
キャリングディスク5のベース部3の摺動面3aに対向するキャリングディスク5の面cとは反対側のキャリングディスク5の面b(以下、「上面」という)には、複数個の突起6(図1(a)では6,6、図1(b)では6〜6)が設けられている。また、該上面にはキャリグディスク5の駆動軸17の位置に中央凸部14を設ける場合がある。
図1(b)は、図1(a)をC方向から見た補充庫19の底部及びその周辺を示したものである。放出口7の左右には送出ガイド16及び送出ローラ15が配置され、放出される硬貨2を左右に保持して硬貨放出装置1の外部に導くように動作する。放出口7の直上であって、キャリングディスク5の上面と略同じ高さに検出光が投光するように一対のエンドセンサ13が設けられている。エンドセンサ13は、補充された硬貨2が補充庫19内に残存しているか否かを検出するもので、キャリングディスク5が傾斜している関係で残留硬貨は放出口7の直上の位置に検出されるので投光パスが当該位置を通過するように設置する。エンドセンサ13は、光を投光する投光部13tと、投光部より投光された光を受光する受光部13rとで構成され、投光部13tで投光された光が残留硬貨で遮光されることにより、受光部13rで検出できなくなることでその物体の存在を検知する光学センサ、例えばフォトセンサである。エンドセンサ13は、硬貨の検知結果を例えばキャリングディスク5の回転運動を制御する制御部40へ出力する。
図1を参照して本発明の硬貨放出装置1について、更に説明する。本実施の形態の硬貨放出装置1は、多くの金種の硬貨を大量、高速に処理するものに適するもので、例えば自動販売機や遊技機等に内蔵される。本実施の形態では硬貨を処理するもので説明するが、メダル、トークンを対象とするものに適用することも出来る。本硬貨放出装置1は例えばキャリングディスク5の回転運動が制御部40により制御されるように構成されている。制御部40は、本硬貨放出装置が組み込まれる自動販売機等に設けてもよいし、本硬貨放出装置1自身に内蔵するようにしてもよい。
補充庫19は、硬貨2を収納するものであり、硬貨放出装置1の上部に配置されている。また、補充庫19は、上部に補充口20を有しており、この補充口20から硬貨が供給できるように構成されている。補充庫19は、透明な樹脂により形成されている。これにより収納された硬貨の状態を外部から目視することで確認できる。
また硬貨送出装置1は、キャリングディスク5を回転運動させるように駆動する駆動手段を有している。さらに駆動手段は、ギアヘッド11と駆動モータ12とを含んで構成される。駆動モータ12には、トルクに優れるもの例えば直流モータ(DCモータ)を用いるとよい。以下駆動モータ12は、DCモータの場合で説明する。ギアヘッド11は、駆動モータ12の回転を減速してキャリングディスク5に伝達する。キャリングディスク5は、ギアヘッド11を介して駆動モータ12により回転駆動可能に構成されている。駆動モータ12は、キャリングディスク5の回転運動を制御する制御部40に電気的に接続されている。駆動モータ12は、制御部40より電源供給を受け、制御部40より出力される駆動信号により制御される。
ベース部3には、その上面に水平面に対して所定の角度で傾斜した摺動面3aが形成されている。またキャリングディスク5は、ベース部3の摺動面3a上に回転可能に取り付けられている。即ちキャリングディスク5は、水平面に対して所定の角度で傾斜している。言い換えれば、鉛直方向から所定の角度で傾斜した軸回りに回転運動可能に取り付けられる。所定の角度は、好ましくは20〜40度程度である。なお、図2では30度程度の場合を示している。このように傾斜させることで、硬貨放出装置1は、例えばキャリングディスク5上に堆積した硬貨2の荷重が適切に作用し、重力を利用して放出口7に誘導し収納した硬貨2を安定して放出できる。
ここで図2を主に、適宜図1を参照して硬貨放出装置1についてさらに説明する。図2(a)は図1(a)のB−B’矢視図である図2(b)は図2(a)のキャリングディスク5の側面図、図2(c)はキャリングディスク5の裏面図である。
キャリングディスク5は、鉛直方向から所定の角度で傾斜した中心O(オー)を通る駆動軸線17の回りで、前記駆動モータ12により駆動されることで回転運動する(以上、図1(a)参照)。キャリングディスク5は、所定の方向の回転運動として図中R1方向に回転運動することで硬貨2を放出口7(図1参照)より放出できる。以下所定の方向の回転を正方向回転という)。なお、キャリングディスク5は、所定の方向と逆方向の図中R2方向にも回転運動される(以下所定の方向と逆方向の回転を逆方向回転という)。R2方向に回転した場合には、硬貨2は放出口7(図1参照)から放出されないように構成されている。
キャリングディスク5の中心部には中央凸部14が設けられている。該中央凸部14は必須のものではないが、硬貨2が中心Oに留置することを防止するのに有益なものである。
キャリングディスク5には、硬貨2を受入可能な大きさの孔4が複数個形成されている。さらに言えば、孔4の形状は円形であり、その直径は、処理する硬貨の最大直径よりも少し大きい。本実施の形態では、孔4として、回転中心Oと同心のピッチ円上にその中心点がO,O、Oである3つの円形の孔4,4、4が形成されている。これらは、硬貨2の滑り込みを良くするためキャリングディスク5の上面側の孔の縁の角が落されている。本実施の形態では孔4〜孔4の大きさは同じである。これにより安定した一定間隔の硬貨の放出を行うことが出来る。また、本実施の形態では、中心点O,O、Oが同心円上にある例を示した。硬貨2を孔4に落下させる場合、遠心力で硬貨2を補充庫19の内壁側に移動させて行っている関係上、中心点O,O、Oは同心円上にあることになる。更に、孔4の数については、キャリングディスク5の大きさと処理する硬貨2の最大直径に依存する。孔4の数が多いと硬貨2の放出間隔を短くでき、逆に少なければ孔4へ落とし込むための縁などキャリングディスク5の構成物の加工に自由度が増し、掻き揚げ不良を少なくすることが可能となる。孔4の数は通常2個〜4個である。本実施の形態では3個の場合を示した。以上、孔4の大きさ、位置、数について典型的な形態について説明したが、勿論、上記の形態に限定されるものではなく、必要に応じて適宜変更されるものであり、特許請求の範囲を限定するものではない。
キャリングディスク5の上面には突起6〜6が設けられている。これらの突起6はキャリングディスク5の回転中心Oと各孔4〜4の中心O〜Oを結ぶ線h〜hで分けられるキャリングディスク5の上面の領域内に1個を超えない数(即ち、1又は0個)設けられる。各突起6の回転中心Oからの距離r〜rは互いに少なくとも一つは相違するよう設定されている。ここで、各突起6の孔4に対する円周方向の位置が、本実施の形態では各孔4の中間点にある形態(図2(a)において、例えば、線分h1,h3で挟まれる角の2等分線上に突起6がある形態)を示したが、必ずしも中間点である必要はない。また、各突起6の高さ又は太さは互いに少なくとも一つは相違するようにするとよい。更に、各突起の形状についても互いに少なくとも一つは相違するようにするとよい。尚、本実施の形態では、突起6について、回転中心Oからの距離r、高さ、太さ、及び形状の項目の全てが各突起6で相違しているものについて示すが、その内一部だけが相違するものであってもよい。突起6の作用の詳細については後述する。ここで、形状としては、円柱、楕円柱、円錐台、楕円錐台、円柱の上に同じ半径の半球を組合したものといった各種形状を使用できる。後述する硬貨の噛み込みを回避するためその形状は角を落とした滑らかなものが望ましい。
キャリングディスク5の裏面には、孔4が受け入れた硬貨2を押し出し、放出するための段差21が形成されている。この段差21は、手裏剣形状の部位22を残して、最も厚さの厚い硬貨のおよそ1枚分の厚さより少し厚い分だけ削り凹部8が形成されている。凹部8で段差21の対面には、段差23が形成される。また、手裏剣形状の部位22には、ベース部3に固定設置された後述のゲートピン24が逃げるための溝25が形成されている。
図3を用いて、硬貨放出装置1についてさらに説明する。図3(a)は、キャリングディスク5及びその周辺部を上部から見た模式図である。図3(b)は、図3(a)のC−C’断面図である。ベース部3には、キャリングディスク5の孔4に受け入れられた硬貨2を放出口7へ案内するためのゲートピン24が備えられている。ベース部3には、硬貨送出装置1の放出口7の幅を規制するための送出ガイド16と、硬貨2の放出を規制するとともに硬貨2をはじき飛ばすための送出ローラ15とを有している。送出ガイド16は、ベース部3の摺動面3aが含まれる平面内に略含まれ、放出口7近傍に取り付けられている。送出ガイド16は、硬貨放出装置1の出口である放出口7の幅を規制するもので、キャリングディスク5の上面側から見て略台形の板状のものである。さらに、送出ガイド16は、後述の送出ローラ15の回動による不図示のバネの伸び量が一定となるようにし、不図示のバネの付勢力をほぼ一定に保つようにして、放出されるコインの動きを規制する構造となっている。送出ローラ15は、ベース部3の摺動面3aで放出口7近傍に、送出ガイド16に対向して取り付けられている。
ここで、更に図3を参照して、キャリングディスク5の回転による硬貨2の放出動作について説明する。キャリングディスク5の孔4に受け入れられた硬貨2(図4(a)中、2aと示す)は、キャリングディスク5の正回転(R1方向の回転)により紙面において放出口7の近くの位置で、2本のゲートピン24によりR1方向への移動が規制される(図3(a)の2bへ移動)。ここで硬貨2bは正回転するキャリングディスク5の段差21により更に押し込まれ、段差21の形状に起因して硬貨2と段差21との接触点はキャリングディスク5の半径方向外側に移動し、更に送出ローラ15の不図示のバネによる付勢力に打ち勝って送出ローラ15を回動させながら移動方向を図中下方向に変え、キャリングディスク5の中心Oから見て半径方向外方向であるM1方向に押出される。硬貨2は、さらに段差21により押出されると、送出ローラ15の回動により蓄積された送出ローラ15のバネの弾性エネルギーにより、はじき飛ばされるように放出される(図4(a)の2cを参照)。
[ロック状態]
以上説明した動作は、突起6の作用がない時の動作である。大量の硬貨を種々の金種を混在させて高速で処理するために、キャリングディスク5の回転数を上げると、以下の問題が生じることが本願発明の発明者の永年の開発経験により明らかになった。即ち、
(ア)処理硬貨2とキャリングディスク5の間で噛みこみが生じ(噛み込み不良)、キャリングディスク5が回転不能となる(ロック状態)、
(イ)キャリングディスクは回転可能であるが、何らかの理由で硬貨が外部に放出されない場合(掻き揚げ不良)、である。
図4は、上記ロック状態の例を示すものである。図4(a)は、このような場合の硬貨放出装置1を補充庫19の補充口20側から見た図である。図4(b)は図4(a)のD−D’矢視図である。この図では二つの硬貨2,2がキャリングディスク5の中央突起14と補充庫19の内壁の間に挟み込まれると共に硬貨2がキャリングディスク5の外周縁rにも接触しその摩擦によりキャリングディスク5が回転不能となっている状態である。このような状態は、特に材質がやわらかい金属の貨幣(1円や10円等)が混在する場合に生じ易い。又、このようなロック状態は中央凸部14がない場合にも生じる事がある。このようなロック状態の回復はキャリングディスク5を逆回転することによって行う。回復の手順については後述する。また、図4(c)のように、硬貨2、2が突起6とキャリングディスク5の外周縁rと補充庫19の内壁に噛み込みロック状態になっている場合もある。尚、ロック状態については、この他に種々の態様があり図4(a)〜(c)の状態には限定されない点に留意されたい。
図5、図6は、掻き揚げ不良状態の例を示すものである。掻き揚げ不良を生じる場合の硬貨の具体的態様を以下に説明するが分類すると、ブリッジ状態、俵状態、同期状態がある。尚、実際の態様はこれらの状態の複合状態であることが多く、また明確に分類出来ない場合がある。
[ブリッジ状態]
図5にブリッジ状態の典型的な例を示す。この状態は、バラ積された硬貨2が補充庫19の相対する内壁を橋渡しするようになる状態で、硬貨2とキャリングディスク5の上面との間に空間(S)が生じているものである。このような場合、キャリングディスク5自身は回転可能であるが硬貨2はキャリングディスク5の上面に接していないのでキャリングディスク5の孔4に落ち込むことが出来ず硬貨が放出されない。このような場合では、ロック状態での回復処理と同じようにキャリングディスク5を逆回転させても空回りするだけで回復することはできない。図5では、硬貨2が中央凸部14に接触している場合を示している。この場合、完全なブリッジ状態ではないが、キャリングディスク5は回転可能の場合があり、掻き揚げ不良となることがある。
図6は、俵状態の一例を示したものである。図6(a)のように、複数の硬貨2の広い面どうしが互いに面接触した状態(このような状態を「俵状態」と言う)で補充庫19の相対する内壁に嵌まり込んだ状態である。図6(b)は図6(a)の側面図である。これは前述したブリッジ状態であるとも言える。同様に硬貨2とキャリングディスク5の上面との間に空間(S)が生じている。このため、キャリングディスク5は回転可能であるが硬貨2が放出されない。
図6(c)は、数枚の硬貨2がキャリングディスク5の上面で俵状態となって重力や遠心力のため補充庫19の内壁近くに留まる状態で、キャリングディスク5の孔4に硬貨が落ち込まない。このような状態は補充庫19に収容された硬貨が少なくなった時に起こり易い。尚、この状態は俵状態となった硬貨が他の硬貨とぶつかった場合に解消されることが多い。
図7は、同期状態の一例を示すものである。この状態は、前述した図6(c)の俵状態の硬貨2がキャリングディスク5の孔4に落ち込むが、同時に複数の硬貨が落ち込んだために孔4の中に一枚の硬貨全体が収納されず、この状態を保ったまま硬貨がキャリングディスク5の回転と同期して回転するもので、このような状態になるとやはり硬貨の放出が出来なくなる。このような状態は補充庫19に収容された硬貨が少なくなった時に起こり易い。尚、この状態は他の硬貨が孔4に落ち込んでいる硬貨2とぶつかった場合に解消されることが多い。
本発明は、キャリングディスク5の上面に設けた突起6によって、上述したロック状態、ブリッジ状態、俵状態、同期状態を解消するものである。以下、図8、図9を参照して説明する。
図8は、本発明によりロック状態を解消させる様子を説明する模式図である。図8(b)は突起6が2個の場合である。突起6が1個の場合では、キャリングディスク5の逆回転により突起6が硬貨2に衝突し、硬貨2の噛み込みを崩すことによりロック状態を解消出来る場合がある。
しかし、図4(b)で示したように二つの硬貨2,2の下に空間Sが出来ているような場合には突起の高さによっては突起6が有効に働かない場合がある。そこで、本願発明では図8(b)のように、突起6の他に突起6を設ける。例えば、突起6は中心Oからの距離rが突起6の中心Oからの距離rより小さい位置に設けられる。このように構成すると突起6でロックが解消されない場合でも別の突起6が硬貨2の別の位置に衝突し、ロック状態を解消することができる。尚、別の突起6が硬貨2に直接衝突せず、突起6で飛ばされた他の硬貨2が硬貨2、2に衝突して解消する場合もある。ここで、各突起6の中心Oからの距離rは本図の場合に限定されず互いに異なればよい。また、距離rが同じでも突起6の形状、高さ又は太さが異なっても良い。即ち、突起6と硬貨2との衝突がランダムに起こるようにすれば良い。
このように、複数の突起6を使用すると、ロックの原因となる硬貨への衝突がランダムに起こるようになりロック状態の解消の確率を向上させる。また、貯留している硬貨2をランダムに攪拌するので他の硬貨2との衝突の機会が増加し、同様にロック状態を解消する確率を向上させる。硬貨をランダムに攪拌するには各突起の高さや太さを異ならせたり、各突起の形状を異ならせるとより効果的である。尚、突起6の位置、高さ、太さ、形状を各突起6で全て相違させると最も効果的であるが、一部が同じであっても同様に近い効果が得られる。例えば、位置、形状、高さ、太さのうち一つだけが相違する組み合わせ、位置、高さのうちの二つが相違し、他の二つは同じであるなどの組み合わせであり、これらは任意に設定してもよい。
このように複数の突起6を使用することによりロック状態の解消が容易になることが多い。しかし、逆に突起6の数が多過ぎると、図4(c)のような硬貨2が突起6に噛み込まれることによってロック状態となる確率も上がってしまう。また、後述するような掻き揚げ不良になる確率もあがる。従って、突起6の数は多すぎても良くなく、キャリングディスク5の孔4の間の領域、より詳細には、図2(a)に示すようにキャリングディスク5の回転中心Oと各孔4〜4の中心O〜Oを結ぶ線h〜hで分けられるキャリングディスク5の上面の領域に1個程度が適切であることが本願発明者の実験により明らかになっている。尚、分割された上記キャリングディスク5の上面の領域の全部に突起6を設けることは必要でなく、一部の領域には突起6を設けない場合も同様の効果があり、そのような実施の形態もある。
図9は、図5のブリッジ状態や、図6の俵状態(尚、本図のような状態はブリッジ状態であるとも言える)を本願発明により解消する様子を説明する模式図である。このようなブリッジ状態又は俵状態で、突起6がない時は、キャリングディスク5の逆回転を行っても空回りするだけで不良状態を解消することができない。このため、突起6をキャリングディスク5の上面に設け、キャリングディスク5の回転と共に移動させることにより硬貨2と突起6とを衝突させ形成されたブリッジを崩す。この解消処理は正方向回転でも逆方向回転でも同様な効果がある。ところで、図5(b)の場合で突起6が一本の場合、空間Sのため高さの低い突起6は硬貨2に届かずブリッジ状態を崩すことができない。そこで、例えばそのキャリングディスク5上の位置(キャリングディスク5の中心Oからの距離、以下同じ)、高さの異なる別の突起6を設けることにより当該ブリッジの別の位置に衝突を起こさせ、ブリッジを崩すことが可能となる。尚、突起6が硬貨2に直接衝突する場合以外に、キャリングディスク5上面にあるブリッジを形成した硬貨以外の硬貨が突起6に運ばれブリッジを形成する硬貨に衝突することによりブリッジを崩す場合もある。このような場合、突起6の高さ、位置だけでなく形状、太さを相違させると硬貨との衝突の状態が変わりブリッジを形成した硬貨以外との衝突がランダムに起こり、ブリッジ状態の解消に有効に作用する。
即ち、本願発明は位置、高さ、太さ、又は形状が異なる複数の突起により硬貨への衝突又は硬貨の攪拌のランダム性を高めることによりブリッジ状態を崩すものである。このような作用からは、突起6の位置、形状、高さ、太さを各突起6で全て相違させると最も効果的であるが、一部が同じであっても同様の効果が得られる。例えば、位置、形状、高さ、太さのうち一つだけが相違する組み合わせ、位置、高さのうちの二つが相違し、他の二つは同じであるなどの組み合わせであり、これらは任意に設定してもよい。尚、このように多くの突起6を使用することによりブリッジ状態の解消が容易になることが多いが、逆に突起6の数が多いと、図4(c)のような硬貨2が突起6に噛み込まれることによりロック状態となる確率も上がってしまうので、突起の数には限度がある。この点についてはすでに説明したのでこれ以上説明しない。
図9は、図6(c)のような俵状態においても本願発明の突起を有する構成が有効であることを説明する模式図である。即ち、俵状態になった硬貨2に対して、突起6が衝突したり(図9(a))、または、突起6でキャリングディスク5の上面を移動した別の硬貨2が硬貨に衝突して俵状態を崩す(図9(b))。この場合にも突起6の位置、高さ、太さ、又は形状を各突起6で異ならせ、硬貨6の攪拌のランダム性(不規則性)を高めることにより俵状態を更に有効に崩すことが出来る。
本願発明は、図7のような同期状態にも有効である。即ち、図9(c)のように、キャリングディスク5上面にある別の硬貨2が突起6で移動し、同期状態にある硬貨21に衝突することにより孔4から硬貨2を追い出し、2が孔4に収納されることにより、同期状態を解消するものである。このような場合も、突起6を複数設け、各突起の位置、形状、高さ、太さを相違させることにより硬貨の攪拌のランダム性を高めることにより更に同期状態を有効に崩すことが出来る。
[回復処理]
以上説明した掻き揚げ不良の大半は複数の異なった突起6を有するキャリングディスク5の正回転動作で回避することが出来る。しかし、硬貨2の堆積状況によっては掻き揚げ不良が維持されることがある。この状態を解消するにはキャリングディスク5を少し逆方向回転させ、再び正方向回転させると解決できることが多い。逆回転により正方向回転の場合とは別の態様の衝突が生じるからである。次に、この方法により回復させる具体的な手順について説明する。尚、噛み込み不良(ロック状態)の回復についても同様の手順が有効であるので併せて説明する。
図1(a)に、噛み込み不良、掻き揚げ不良を検出するモニタ手段9の構成を示す。キャリングディスク5のロック状態の検出は駆動モータ12の駆動電流を駆動電流検出部39でモニタすることによって行う。駆動電流は駆動モータ12がロックされると正常運転状態に比べて増加するので、その電流を検出することによりロック状態の検出を行うことが出来る。掻き揚げ不良は硬貨放出装置1の放出口7から放出される硬貨2が所定時間内に補充計数センサ38で検出され、かつ、キャリングディスク5が回転しているかの双方が検出されることで判断する。即ち、駆動モータ12の回転開始から制御部40のタイマが設定され、カウントを開始し、放出される硬貨が所定カウント数(=所定時間)内に補充計数センサ38で計数(投光状態から遮光)されないが、駆動モータ12の駆動電流が所定の値以上に増加していない場合は、掻き揚げ不良が生じていると判断する。尚、キャリングディスクの回転不能についてはロック状態の検出と同様に駆動電流検出部39で駆動電流を検出することにより行う。掻き揚げ不良の判断を行うのは制御部40である。尚、回転不能の検出については、光センサを用いる等、駆動電流モニタの検出以外の方法も可能であることは周知であり、適宜他の方法を用いることが出来る。又、掻き揚げ状態検出についても他の方法を適用することを制限する主旨ではない。
図10は、硬貨の補充処理と解除処理の具体的な手順を示したものである。適宜図1及び図3を参照しながら説明する。最初に係員の手作業により補充庫19に硬貨が補充される(S1)。すると、駆動モータ12が動作し、キャリングディスク5を正方向回転駆動する(S2)。同時に、駆動電流の過電流検出閾値を設定し、補充計数センサ38の計数時間(補充計数タイマタイム)を設定し駆動電流検出及び補充計数センサの検出をスタートする(S3)。尚、補充計数タイマタイムは、通常動作においてキャリングディスク5が回転してから放出されるまでの時間間隔より十分長い時間であって、この時間を経過しても硬貨2が放出されない場合は異常と判断される時間間隔に設定されるもので、典型的には数秒である。駆動モータ12の駆動電流の電流値を駆動電流検出部39で検出し(S4)、所定の電流値以上のときは噛み込み状態であると判断する(S4:YES)。所定の電流値未満のときは(S4:NO)、キャリングディスク5の回転を継続し、放出動作を継続する(S6)。次に、補充計数センサ38の放出硬貨の検出を行い(S7)、放出がない場合(S7:NO)はS4に戻る。以上のステップS4〜S7の動作は補充計数タイマがタイムアップになるまで繰り返される。タイムアップになった場合(S5:YES)掻き揚げ不良が生じていると判断する。補充計数センサ38(図1参照)が遮光され放出硬貨が検出された場合は(S7:YES)正常に放出動作が行われると判断し、エンドセンサ13(図1参照)により補充庫19の残存硬貨の有無を確認し(S8)、硬貨が残存している場合は(S8:YES)ステップS3に戻る。この一連の動作(S3〜S8)は、補充硬貨が補充庫19から無くなるまで継続される。補充硬貨の放出/停止の制御は制御部40によって行われ停止の指令があるまでは硬貨放出が継続される。
掻き揚げ不良の場合(S9)では、キャリングディスク5が逆方向回転と正方向回転を繰り返す不良動作回復処理(S9〜S19)に移行する。先ず、駆動モータ12の回転を逆方向回転させる(S11)。この場合の回転角度は適宜設定されるがここでは通常1周未満とする。ブリッジ又は俵状態となっている硬貨2はキャリングディスク5が、異なる位置に設けられ、その高さ、太さ又は形状等の異なる突起6を備えているため、各突起の硬貨への作用が不規則となり各状態を崩すと共に孔4への落とし込みを促すことが出来る(S12)。正方向回転動作で解除できなかった掻き揚げ状態が逆方向回転動作で崩れるのは逆方向回転によって他の硬貨2との衝突条件が正方向回転とは異なるためである。次に、再び正方向回転方向にキャリングディスク5を回転させる(S14)。この正方向回転/逆方向回転動作は予め定めた回数を限度に(本実施の形態では6回)不良動作が解消されるまで繰り返されるが、S12とS14の間で正方向回転/逆方向回転の繰り返し回数をカウントし(S13)、予め定めた回数を超えた場合は(S13:YES)エラーメッセージを発出する。正方向回転/逆方向回転の繰り返し回数が予め定めた回数以下の場合は上述したようにキャリングディスク5を正方向回転駆動し(S14)、S3〜S7と同様の手順で不良動作が回復したかを確認する。即ち、駆動電流の過電流検出の閾値、補充計数タイマを設定し(S15)、駆動電流を検出してロック状態になっていないかを検出し(S16)、補充計数タイマがタイムアップしても硬貨が放出されないことを検出することで掻き揚げ状態があるかを確認し(S17)、ロック又は掻き揚げ状態の場合(S16:YES,S17:YES)には、再びキャリングディスク5を逆方向回転させる(S11)。補充計数タイマがタイムアップ以前であれば、硬貨の放出動作を実行し(S18)、補充計数センサで硬貨の放出を確認し、確認されない場合(S19:NO)放出動作を補充計数タイマ設定値の時間まで繰り返えす。硬貨の放出が確認された場合(S19:YES)、正常動作に回復したと判断しステップS3に戻り、回復処理を終了する。
噛み込み不良(ロック状態)の場合(S10)も同様の処理を行う。噛み込み不良の解除では、逆方向回転駆動により(S11)ロック状態の原因となった突起6とは異なる位置、或いは異なる形状・高さ・太さの突起6が当該ロックの原因となっている硬貨2の近辺の硬貨に作用する。更に、逆回転の回転角度を大きくし、1周以上とするとロック状態の原因となった突起6が当該硬貨2に逆方向に作用し、これらの突起6の作用によりロック状態を崩す機会が増加する。また、逆方向回転/正方向回転の前述した予め定めた回数のうち各回の回転角度をそれぞれ任意な値に設定し、例えば各回で異なるものとすることで硬貨2への作用をより不規則なものとすることが出来、解除の効果を向上することができる。
尚、このような回転角度を相違させる点は、掻き揚げ不良の解除にも同様に有効である。また、図10で説明した手順は一例を述べたものであり、各手順の順序を変更したりすることが出来ることは明らかである。また、噛み込み/掻き揚げ不良の検出方法を初めとする各種検出方法はここで述べたものに限定されない。要は、位置や形状、高さ、太さ等が異なる複数の突起6を備えたキャリングディスク5を用いた硬貨放出装置の動作を検出する手段を有し、動作が不良を検出した場合はキャリングディスク5の逆方向回転/正方向回転を行えば良い。
[硬貨処理装置の構成]
次に、図11を参照して、上述した硬貨放出装置1を使用する硬貨処理装置10の構成について説明する。硬貨処理装置10は、入金口27、入金繰出部28、識別部29、入金搬送部30、硬貨振分部31、一時保留部32、スタッカ部33、補充リジェクト庫34、出金搬送部35、金庫部36、出金口37、硬貨補充部26並びに制御部40を備えている。
入金口27は、利用者から投入される一枚または複数枚の硬貨を硬貨処理装置10内に受け付けるものである。
入金繰出部28は、入金口27に一括投入された複数の硬貨を一枚ずつ分離し入金搬送部30へ繰出す。
入金搬送部30は、入金搬送路(不図示)、駆動手段(不図示)、プーリ(不図示)、識別部29などからなり、入金繰出部28から繰出された硬貨を識別し、硬貨振分部31へ搬送する。入金搬送路は、板金や搬送ベルトの組み合わせにより、入金繰出部28より繰出された硬貨を搬送し、搬送ベルトは、略中央に硬貨を挟みこむようにして搬送する。駆動手段は、プーリ、駆動モータなどからなり搬送ベルトを駆動する。識別部29は、投入された硬貨の識別を行うセンサで、内部に検出回路、CPU、データ格納部などを備え、硬貨の真偽と種類を識別し、その識別情報が制御部40に出力される。
硬貨振分部31は、硬貨を金種別、およびリジェクトすべきものに振分けるもので、振分板(不図示)およびリジェクト部(不図示)を含む。振分板は、金種別の大きさの孔を備え、搬送ベルトにより搬送される硬貨を金種毎に対応する一時保留部32へそれぞれ振り分けるものである。尚、金種振分は振分板に限定されるものではなく、振分爪を複数備えるものであっても良い。リジェクト部は、振分板(不図示)の上流に設けられた振分爪(不図示)、その下方のシュート(不図示)などからなる。入金動作の場合には正硬貨以外の入金をリジェクトし、出金口37に硬貨が振り分けられる。補充動作の場合は補充できない補充硬貨をリジェクトし、補充リジェクト庫34に硬貨を振り分ける。各リジェクト硬貨は識別部29からの識別情報に基づき制御部40から動作タイミングが出力され、図示しない駆動手段(ソレノイド)やリンク機構により振分爪が動作することで振り分けられる。尚、本願発明の場合、入金と補充の切り換えが後述する一時保留部32の入金/補充振り分け手段により行われ、リジェクト部(不図示)の下方のシュートも一時保留部32と同一にユニットに備えられる。
一時保留部32は、利用者の投入した入金硬貨や係員の投入した補充硬貨を一旦保留するもので、図示しない、入金/補充振分手段、シャッタ・仕切板開閉機構、シャッタ位置検知手段、硬貨残留検知手段からなる保留部、保留部を駆動する駆動手段などから構成される。
スタッカ部33は、金種毎に硬貨を大量に収納し、必要な時に硬貨を外部に放出するもので、放出機構は取引により出金が必要な時や硬貨の回収時毎に作動する。出金硬貨は出金搬送部35を通じて出金口37に送られ、回収硬貨は金庫部36へ送られる。
出金搬送部35は、図示しない搬送ベルト、搬送ベルトを駆動するモータなどからなり、スタッカ部33から放出された出金硬貨を搬送する。また、硬貨振分部31でリジェクトされた入金リジェクト硬貨も出金口37まで搬送する。
出金口37は、接客部分に設けられ、出金搬送部35の搬送ベルトにより返却・出金硬貨が放出される部分である。また、入金リジェクトされた硬貨および入金繰出部28により繰出された硬貨以外の異物なども放出される。
補充部26は、つり銭の不足等に備えて硬貨を補充するための部分である。前述した硬貨放出装置1と放出動作をモニタするモニタ手段9で構成される。硬貨放出装置1で放出された硬貨は入金搬送部30に合流して搬送され、識別部29で補充硬貨の真偽をチェックした後硬貨振分部31で金種毎に振分けられた後一時保留部32を経てスタッカ部33に収納される。
[硬貨処理装置の動作:入金/返却/回収/補充/出金]
以下に、硬貨処理装置10の動作を説明する。図11(a)は入金および返却の場合の硬貨の流れを示したもので各々実線および破線で示す。
入金、返却の収納手順は以下の通りである。
(ア)利用者からの入金に対して待機する。
(イ)利用者が入金口27へ硬貨を投入すると、図示しない検知器がそれを検知し、硬貨処理装置10の制御部40からの指令により入金処理を開始する。
(ウ)入金口27に投入された硬貨は入金繰出部28に供給される。入金繰出部28は供給された硬貨を収納し、収納した硬貨を1枚ずつ入金搬送部30に繰り出す。
(エ)入金繰出部28から1枚ずつ繰り出された硬貨は入金搬搬送部30で搬送され、入金搬送部30に設けられた識別部29に到達する。
(オ)識別部29は搬送されてきた硬貨の真偽を識別し、識別結果を制御部40に出力する。識別部29を通過した硬貨は引き続き入金搬搬送部30により硬貨振分部31に搬送される。
(カ)硬貨振分部31まで搬送された硬貨は制御部40の信号により、前記(オ)の識別結果に基づいて真硬貨と判別されたものを一時保留部32に一時保留し、それ以外の外国硬貨,処理対象以外の硬貨などを入金リジェクト硬貨として返却する。
(キ)硬貨振分部31と一時保留部32の間に設けた不図示のセンサにより通過枚数を計数する。計数結果は入金データとして制御部40に出力される。
(ク)一時保留部32に保留された硬貨は取引終了によりスタッカ部33へ収納される。ここで、「取引」とは、例えば発券における、入金→発券→つり銭返却、のような一連の行為を言う。
(ケ)利用者が取引を取り消す操作がなされた場合は、一時保留部32に保留された硬貨は出金搬送部35を経由して出金口37に返却される。
次に、硬貨の回収における動作を図1(a)を参照して説明する。図中、点線でその流れを示す。
(コ)係員により硬貨処理装置10の回収操作がなされる。
(サ)スタッカ部33の放出機構で振分爪(不図示)を作動させ回収側として硬貨を放出する。
(シ)スタッカ部33から放出された硬貨は金庫部36に収納される。
次に、硬貨の補充処理動作及び補充リジェクト動作を図11(b)を参照して説明する。尚、前者の流れを一点鎖線で、後者の流れを二点鎖線で示す。
(ス)係員により硬貨処理装置10の補充部26(硬貨放出装置1を含む部分)に補充硬貨が収納される。
(セ)硬貨補充装置26は供給された硬貨を収納し、収納した硬貨を1枚ずつ図示しない補充搬送部に繰出す。1枚ずつ繰出すのは識別部29において振分の確実性を確保するためである。
(ソ)硬貨は補充搬送路から入金搬送部30に合流して搬送され、入金搬送別部30に設けられた識別部29に到着する。
(タ)識別部29は搬送されてきた硬貨の真偽を識別し、識別結果を制御部40に出力する。識別部29を通過した硬貨は硬貨振分部31へ搬送される。
(チ)硬貨振分部31まで搬送された硬貨は制御部40の指令に基づき、真硬貨と判別されたものを一時保留部32に一時保留し、それ以外のものは補充リジェクト硬貨として補充リジェクト部34に振り分けられる。
(ツ)硬貨振分部31と一時保留部32の間には図示しないセンサが設けられており、通過硬貨の枚数を計数する。この計数結果は補充データとして制御部40へ出力される。
(テ)一時保留部32に保留された硬貨は、補充終了または所定補充枚数ごとにスタッカ部33へ収納される。尚、ここでの「所定補充枚数」は、本発明では30枚程度である。
(ト)何らかの理由により補充が中止された場合には、一時保留部32に保留されている硬貨(補充搬送路に残っているものを含む)は補充リジェクト部34に収納される。
次に、硬貨出金における動作を図11(b)を参照して説明する。尚、動作の流れを破線で示す。
(ナ)制御部40は入金された金額と、例えば利用者の操作で確定された取引に必要な金額とを比較して、余剰金額即ち出金に必要な硬貨の金種と各々の金種の枚数を算出する。
(ニ)制御部40は上記算出結果に基づいて、出金が不要の場合には出金処理を行わず動作を終了し、入金に対して待機する。
(ヌ)制御部40は出金が必要な場合には、該当する金種のスタッカ部33へ必要枚数の繰り出しを指示する払い出し指示信号を出力する。これによりスタッカ部33の各スタッカは必要枚数の硬貨を出金搬送部35に放出する。
(ネ)出金搬送部35に放出された硬貨は出金口37まで搬送され、出金処理が終了する。
図11(c)は、各部と制御部40との制御信号関係を示したものである。各部は制御部40とバス接続される。
以上説明した硬貨処理装置10は、本願の発明である硬貨放出装置1を補充部26に適用した実施の形態である。しかし、本願発明は、この実施の形態に限定されるだけではなく、本硬貨放出装置1をスタッカ部33に適用することも出来る。また、以上説明した複数の実施の形態は、個々で説明した構成の範囲に限定されるものではなく、各々の実施の形態を適宜組み合わせてもよい。
本発明の硬貨放出装置の主要部を示す模式図 本発明キャリングディスクを示す図 本発明の硬貨処理装置の動作を示す図 ロック状態を説明する図 ブリッジ状態を説明する図 俵状態を説明する図 同期状態を説明する図 本発明によるロック状態を解除する場合の動作を説明する図 本発明による俵状態、及び同期状態を解除する場合の動作を説明する図 本発明の硬貨放出装置の動作、及び異常状態を回復させる手順を示した図 本発明の硬貨処理装置の構成と動作を示した図 従来の硬貨放出装置の構造の例
符号の説明
1 硬貨放出装置
2 硬貨
3 ベース部
3a 摺動面
4 孔
5 キャリングディスク
6 突起
7 放出口
8 凹部
9 モニタ手段
10 硬貨処理装置
11 ギアヘッド
12 駆動モータ
13 エンドセンサ
14 中央凸部
15 送出ローラ
16 送出ガイド
17 駆動軸
19 補充庫(硬貨収納部)
19a 補充庫底部
20 補充口
21 段差
22 手裏剣状の部位
23 段差
24 ゲートピン
25 溝
26 補充部
27 入金口
28 入金繰出部
29 識別部
30 入金搬送部
31 硬貨振分部
32 一時保留部
33 スタッカ部
34 補充リジェクト庫
35 出金搬送部
36 金庫部
37 出金口
38 補充計数センサ
39 駆動電流検出部
40 制御部

Claims (3)

  1. 硬貨が摺動して移動する平坦な摺動面を有するベース部と;
    前記摺動面に平行に配置され、前記摺動面に沿って予め定められた正方向に回転運動をし、前記硬貨が納まる複数の孔が形成され、該孔に納まった前記硬貨を前記回転運動により前記摺動面に沿って移動することで前記硬貨を1枚ずつ、外部に放出するキャリングディスクと;
    前記摺動面と対向する面と反対側の前記キャリングディスクの面に、前記回転運動の中心以外に固定配置された複数の突起であって、該突起のうち少なくとも1つの前記回転運動の中心からの距離が他の突起の前記回転中心からの距離と異なり、かつ、前記突起のうち少なくとも1つの形状、高さ、または太さが他の突起と異なる突起と;
    を備える、硬貨放出装置。
  2. 前記硬貨放出装置の放出動作をモニタするモニタ手段と;
    該モニタ手段により、前記放出動作が異常であると判断される場合、前記キャリングディスクの回転方向を逆方向に回転させて、前記放出動作を正常状態に回復させる手段;
    を備える、請求項1記載の硬貨放出装置。
  3. 請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の硬貨放出装置と;
    前記硬貨放出装置を含む補充部から1枚ずつ放出された硬貨を、硬貨振分部に搬送する入金搬送部;
    を備える硬貨処理装置。
JP2008213788A 2008-08-22 2008-08-22 硬貨放出装置および硬貨処理装置 Active JP5258452B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008213788A JP5258452B2 (ja) 2008-08-22 2008-08-22 硬貨放出装置および硬貨処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008213788A JP5258452B2 (ja) 2008-08-22 2008-08-22 硬貨放出装置および硬貨処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010049527A JP2010049527A (ja) 2010-03-04
JP5258452B2 true JP5258452B2 (ja) 2013-08-07

Family

ID=42066554

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008213788A Active JP5258452B2 (ja) 2008-08-22 2008-08-22 硬貨放出装置および硬貨処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5258452B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5337182B2 (ja) * 2011-03-04 2013-11-06 東芝テック株式会社 硬貨処理装置、硬貨処理システムおよびプログラム

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0467775U (ja) * 1990-10-23 1992-06-16
JP3706241B2 (ja) * 1998-02-26 2005-10-12 株式会社高見沢サイバネティックス 硬貨繰出装置、硬貨処理装置及び硬貨繰出方法
JP4727786B2 (ja) * 2000-02-02 2011-07-20 グローリー株式会社 硬貨処理装置
JP2005027747A (ja) * 2003-07-08 2005-02-03 Sanyo Electric Co Ltd コイン状部材送出装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010049527A (ja) 2010-03-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH07129804A (ja) 両替機
JP5103109B2 (ja) 硬貨入出金機
JP6270443B2 (ja) 両替機
JP5142637B2 (ja) 貨幣入出金機
JP5258452B2 (ja) 硬貨放出装置および硬貨処理装置
JP4132745B2 (ja) 硬貨出金処理機
JP3510121B2 (ja) 硬貨入出金機
JP6317560B2 (ja) 硬貨処理装置
JP4163918B2 (ja) 硬貨収納繰出装置
JPH10208107A (ja) 硬貨入金装置および循環式硬貨入出金機
JP2004110632A (ja) 硬貨収納繰出カセットおよび硬貨処理機
JP4376547B2 (ja) 硬貨放出装置
JP3248849B2 (ja) 硬貨入出金機
JP3663042B2 (ja) 硬貨入出金装置
JP5368128B2 (ja) 硬貨処理装置
JP3258571B2 (ja) 硬貨入出金機
JP3456857B2 (ja) 硬貨選別装置
WO2015083682A1 (ja) 包装硬貨投出装置
JP3086681B2 (ja) 硬貨処理装置
JP3086575B2 (ja) 硬貨処理装置
JP3258574B2 (ja) 硬貨入出金機
JP3320989B2 (ja) 硬貨入出金機
JP3510076B2 (ja) 硬貨入金装置
JP2015130141A (ja) 包装硬貨投出装置
JP3866195B2 (ja) 硬貨処理機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110802

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130219

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130402

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130423

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160502

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5258452

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150