JP2004346360A - 黒色化成皮膜形成用組成物 - Google Patents

黒色化成皮膜形成用組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】6価クロム等の有害性の高い成分を用いることなく、亜鉛又は亜鉛合金からなる物品の表面に、耐食性、装飾性等に優れた黒色化成皮膜を形成することが可能な新規な化成処理液を提供する。
【解決手段】下記(1)〜(3)の条件を満足するpH1〜5の水溶液からなる黒色化成皮膜形成用組成物:
(1)3価クロム化合物、カルボン酸類及びリンの酸素酸類からなる3成分の加熱反応物を、クロム金属量として、0.1〜20g/l含有すること、
(2)ニッケル及びコバルトからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属を含む化合物を、金属量として0.1〜20g/l含有すること
(3)硝酸イオンを0.01〜10g/l含有すること。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、亜鉛又は亜鉛合金に対する黒色化成皮膜形成用組成物、黒色化成皮膜形成方法、及び黒色化成皮膜を有する物品に関する。
【0002】
【従来の技術】
亜鉛、亜鉛合金などの金属表面には、耐食性の向上、意匠性の付与などを目的として、種々の防錆処理、着色処理などがなされている。
【0003】
例えば、亜鉛めっき処理品の耐食性向上、意匠性付与等を目的として、クロメート皮膜と称される化成皮膜を形成する処理、即ち、クロメート処理が広く行われている。また、形成されるクロメート皮膜は、塗装下地等の機能性皮膜としても広く適用されている。特に、黒色の色調を有するクロメート皮膜は、優れた耐食性と良好な外観が要求される家電製品、自動車部品等に広く使用されている。
【0004】
クロメート処理液としては、従来、主成分としてクロム酸等の6価クロム化合物を含有する水溶液が広く用いられている。黒色クロメート皮膜を形成するための処理液としても、クロム酸を主成分とし、これに銀塩溶液を配合した溶液などが用いられている。
【0005】
しかしながら、近年、6価クロム溶出による公害発生などが環境問題として注目されており、クロメート処理は、6価クロム化合物を用いる方法から3価クロム化合物を用いる方法へと移行している。
【0006】
3価クロム化合物を含有する化成処理液としては、例えば、3価クロム化合物と鉱酸を含有する処理液(例えば、特許文献1参照)、3価クロムイオン、リン酸イオン及び硝酸イオンを含有する処理液(例えば、特許文献2参照)、カルボキシル基を含む水溶性樹脂、3価クロムイオン、硝酸イオン及びリン酸イオンを含有する防錆皮膜形成用組成物(例えば、特許文献3参照)、3価クロムイオン、リン及び金属塩を含有する処理液(例えば、特許文献4参照)、3価クロムイオン、有機酸及び金属塩を含有する処理液(例えば、特許文献5参照)、3価クロムイオン、シュウ酸及びコバルトを含有する処理液(例えば、特許文献6参照)、3価クロムイオン、シュウ酸、コバルト及びシリコン化合物を含有する処理液(例えば、特許文献7参照)等が知られている。
【0007】
しかしながら、これらの化成処理液を用いる場合には、形成される皮膜は銀青色若しくは淡い黄緑橙色を呈するものとなり、装飾性および耐食性に優れた黒色化成皮膜を形成することはできない。
【0008】
クロメート処理以外の方法で亜鉛等の表面に黒色皮膜を形成する方法としては、アンチモンイオンとニッケル、鉄、コバルト等の金属塩を用いる方法が報告されている(例えば、特許文献8参照)。しかしながら、この方法では、形成される皮膜は、十分な耐食性を有するものとはならない。また、ノニオン性界面活性剤とカーボンブラック、クロムイオン、アクリル系重合体エマルジョン等を含む処理液を使用する方法も知られているが、皮膜を形成するために高温で乾燥する必要があり、作業性が劣るという欠点がある(例えば、特許文献9参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開昭50−1934号公報
【0010】
【特許文献2】
特開平11−152588号公報
【0011】
【特許文献3】
特開2001−107273号公報
【0012】
【特許文献4】
特開2000−54157号公報
【0013】
【特許文献5】
特表2000−509434号公報
【0014】
【特許文献6】
特許第3332373号公報
【0015】
【特許文献7】
特許第3332374号公報
【0016】
【特許文献8】
特公平5−88314号公報
【0017】
【特許文献9】
特開平6−173025号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した従来技術に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、6価クロム等の有害性の高い成分を用いることなく、表面部分が亜鉛又は亜鉛合金からなる物品に、耐食性、装飾性等に優れた黒色化成皮膜を形成することが可能な新規な化成処理液を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記した目的を達成すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、3価クロム化合物、カルボン酸類及びリンの酸素酸類の3成分を加熱混合して得られる反応物、ニッケル及びコバルトから選ばれた少なくとも1種の金属を含む化合物、並びに硝酸イオンを含有する水溶液によれば、亜鉛又は亜鉛合金の表面に耐食性、装飾性などに優れた黒色乃至黒緑色の化成皮膜を形成することができ、しかも、この水溶液は安定性に優れ、長期間優れた性能を維持できることを見出し、ここに本発明を完成するに至った。
【0020】
即ち、本発明は、下記の黒色化成皮膜形成用組成物、黒色化成皮膜形成方法、及び黒色化成皮膜を有する物品を提供するものである。
1. 下記(1)〜(3)の条件を満足するpH1〜5の水溶液からなる黒色化成皮膜形成用組成物:
(1)3価クロム化合物、カルボン酸類及びリンの酸素酸類からなる3成分の加熱反応物を、クロム金属量として、0.1〜20g/l含有すること、
(2)ニッケル及びコバルトからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属を含む化合物を、金属量として0.1〜20g/l含有すること
(3)硝酸イオンを0.01〜10g/l含有すること。
2. 3価クロム化合物、カルボン酸類及びリンの酸素酸類からなる3成分の加熱反応物が、3価クロム化合物におけるクロム金属1モルに対してカルボン酸類0.5〜3モル及びリンの酸素酸類0.1〜3モルの割合で、これらの3成分を水中において40℃〜沸点未満の温度で混合して得られるものである上記項1に記載の黒色化成皮膜形成用組成物。
3. カルボン酸類が、モノカルボン酸、モノカルボン酸塩、ジカルボン酸、ジカルボン酸塩、トリカルボン酸、トリカルボン酸塩、オキシカルボン酸、オキシカルボン酸塩、アミノカルボン酸及びアミノカルボン酸塩からなる群から選ばれた少なくとも1種である上記項1又は2に記載の黒色化成皮膜形成用組成物。
4. リンの酸素酸類が、正リン酸、正リン酸塩、縮合リン酸、縮合リン酸塩、次亜リン酸、次亜リン酸塩、亜リン酸及び亜リン酸塩からなる群から選ばれた少なくとも1種である上記項1〜3のいずれかに記載の黒色化成皮膜形成用組成物。
5. 更に、コロイダルシリカを固形分量として0.1〜50g/l含有することを特徴とする上記項1〜4のいずれかに記載の黒色化成皮膜形成用組成物。
6. 更に、カルボキシル基を含む水溶性樹脂を、樹脂固形分量として0.1〜100g/l含有することを特徴とする上記項1〜5のいずれかに記載の黒色化成皮膜形成用組成物。
7. 更に、Mo、W、V、Nb、Ta、Ti、Zr、Ce、Sr、Fe、Al及びMnからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属を含む化合物を、金属成分の量として0.01〜20g/l含有することを特徴とする上記項1〜6のいずれかに記載の黒色化成皮膜形成用組成物。
8. 少なくとも表面部分が亜鉛又は亜鉛合金で形成された被処理物を、上記項1〜7のいずれかに記載の黒色化成皮膜形成用組成物に接触させることを特徴とする黒色化成皮膜形成方法。
9. 上記項8の方法によって黒色化成皮膜を形成した後、オーバーコート処理を行うことを特徴とする防錆方法。
10. 上記項8又は9の方法によって形成された皮膜を有する物品。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の黒色化成皮膜形成用組成物は、3価クロム化合物、カルボン酸類及びリンの酸素酸類からなる3成分の加熱反応物、ニッケル及びコバルトから選ばれた少なくとも1種の金属を含む化合物、並びに硝酸イオンを含む水溶液である。この様な化成処理用組成物を用いることによって、6価クロム化合物を用いることなく、亜鉛又は亜鉛合金の表面に、外観、耐食性等に優れた黒色化成皮膜を形成することができる。
【0022】
被処理物は、処理対象となる表面部分が、亜鉛又は亜鉛合金で形成されている物品であればよく、亜鉛又は亜鉛合金自体を素材とする物品の他、湿式めっき法などによって、各種素材上に亜鉛又は亜鉛合金による皮膜を形成した物品も被処理物とすることができる。亜鉛合金の種類については、特に限定的ではなく、例えば、亜鉛を50重量%程度以上含む各種合金を処理対象物とすることができる。具体例としては、亜鉛−鉄合金、亜鉛−ニッケル合金等を挙げることができる。
【0023】
3価クロム化合物、カルボン酸類及びリンの酸素酸類からなる3成分の加熱反応物は、例えば、水を溶媒として、3価クロム化合物、カルボン酸類及びリンの酸素酸類からなる3成分を、40℃程度〜沸点未満、好ましくは70〜90℃程度の温度範囲で十分に撹拌混合することによって得ることができる。
【0024】
または、3価クロム化合物とカルボン酸類とを40℃程度〜沸点未満、好ましくは70〜90℃程度の温度範囲で混合した後、これにリンの酸素酸類を加えて40℃程度〜沸点未満、好ましくは70〜90℃程度の温度範囲で混合することによっても、上記3成分の加熱反応物を得ることができる。
【0025】
3価クロム化合物、カルボン酸類及びリンの酸素酸類の3成分の混合割合は、3価クロム化合物におけるクロム金属1モルに対して、カルボン酸類を0.5〜3モル程度、好ましくは1〜2モル程度とし、リンの酸素酸類を0.1〜3モル程度、好ましくは0.5〜2モル程度とすればよい。カルボン酸類の使用量が少なすぎる場合には、3価クロム化合物が十分に安定化されず、形成される化成皮膜の外観、耐食性などが劣るものとなりやすい。また、リンの酸素酸類の使用量が少なすぎる場合には、黒色外観を得ることができず、しかも耐食性が低下する。
【0026】
3価クロム化合物、カルボン酸類及びリンの酸素酸類の3成分を加熱混合する時間については、特に限定的ではないが、通常、30分〜300分程度、好ましくは30分〜120分程度の範囲内とすればよい。また、3価クロム化合物とカルボン酸類を加熱混合した後、リンの酸素酸類を加えて加熱混合して反応させる場合には、加熱混合する時間の合計が上記範囲内となればよい。この様な条件で上記した3成分を混合して、熟成することにより、安定な反応物が形成されるものと考えられる。上記化合物を混合する際の水溶液中の濃度については特に限定的ではなく、3価クロム化合物、カルボン酸類及びリンの酸素酸類を均一に溶解できる濃度範囲であればよい。通常、3価クロム化合物濃度が、クロム金属量として0.1〜100g/l程度の範囲内となるようにすればよく、濃厚溶液となる場合は、化成処理組成物を調製する際に適宜希釈して用いればよい。
【0027】
この様な方法で3価クロム化合物、カルボン酸類及びリンの酸素酸類からなる3成分を加熱混合することにより、安定な反応物が形成されて、水溶液中において加熱反応物が安定に存在することができる。これに対して、これらの成分を予め加熱混合することなく、水溶液中に直接添加する場合には、沈殿が生じ易いために処理液の寿命が短くなり、しかも良好な外観の黒色化成皮膜を形成することができない。
【0028】
3価クロム化合物としては、特に限定的ではなく、カルボン酸類及びリンの酸素酸類と共に加熱反応物を調製する際に、水溶液中に十分に溶解できる化合物であればよい。その具体例としては、硫酸クロム(Cr(SO)、クロムミョウバン(KCr(SO)、硝酸クロム(Cr(NO)、塩化クロム(CrCl)、酢酸クロム(Cr(CHCOO))等を挙げることができる。
【0029】
これらの内で、硫酸クロム、クロムミョウバン、塩化クロム、酢酸クロム等が使い易く、硫酸クロムについては、耐食性に優れた皮膜を形成できる点で特に好ましい。これらの3価クロム化合物は、一種単独又は二種以上混合して用いることができる。
【0030】
カルボン酸類としては、例えば、モノカルボン酸、その塩等のモノカルボン酸類;ジカルボン酸、その塩等のジカルボン酸類;トリカルボン酸、その塩等のトリカルボン酸類;オキシカルボン酸、その塩等のオキシカルボン酸類;アミノカルボン酸、その塩等のアミノカルボン酸類等を用いることができる。
【0031】
これらのカルボン酸類は、所定の濃度の水溶液とするために必要な溶解度を有するものであれば特に限定することなく使用できる。例えば、総炭素数が1〜10程度の範囲内にあるカルボン酸類を好適に用いることができる。カルボン酸類の具体例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等のモノカルボン酸、これらのアルカリ金属(Na、K)塩、アンモニウム塩等;マロン酸、コハク酸、シュウ酸等のジカルボン酸、これらのアルカリ金属(Na、K)塩、アンモニウム塩等;トリカルバリル酸等のトリカルボン酸、これらのアルカリ金属(Na、K)塩、アンモニウム塩等;グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、グルコン酸等のオキシカルボン酸、これらのアルカリ金属(Na、K)塩、アンモニウム塩等;グリシン、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、イミノジ酢酸、ニトリロトリ酢酸等のアミノカルボン酸、これらのアルカリ金属(Na、K)塩、塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩等を挙げることができる。特に、マロン酸、コハク酸、シュウ酸、グリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、グルコン酸、これらのアルカリ金属(Na、K)塩、アンモニウム塩等が好ましい。これらのカルボン酸類は、一種単独又は二種以上混合して用いることができる。
【0032】
リンの酸素酸類についても特に限定的ではなく、所定の濃度の水溶液とするために必要な溶解度を有するリンの酸素酸、その塩などを用いることができる。例えば、正リン酸、そのアルカリ金属塩(Na、K)、アンモニウム塩等;縮合リン酸、そのアルカリ金属塩(Na、K)、アンモニウム塩等;次亜リン酸、そのアルカリ金属塩(Na、K)、アンモニウム塩等;亜リン酸、そのアルカリ金属塩(Na、K)、アンモニウム塩等を挙げることができる。特に、正リン酸およびそのアルカリ金属塩(Na、K)、アンモニウム塩が好ましい。これらのリンの酸素酸類は、一種単独又は二種以上混合して用いることができる。
【0033】
本発明の黒色化成皮膜形成用組成物において、3価クロム化合物、カルボン酸類及びリンの酸素酸類からなる3成分の加熱反応物の濃度は、クロム金属量として、0.1〜20g/l程度とすればよく、1〜10g/l程度とすることが好ましい。該加熱反応物の濃度が低すぎる場合には、被処理物の表面に十分な化成皮膜が形成されないために、耐食性が不十分となりやすく、外観についても満足いくものとならない。濃度が高すぎる場合には、大きな弊害はないが経済的に不利である。
【0034】
本発明の化成皮膜形成用組成物は、ニッケル及びコバルトからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属を含む化合物を含有することが必要である。この様な化合物としては、ニッケル及び/又はコバルトを含み、本発明組成物中に可溶性の化合物であれば特に限定なく使用できる。この様な化合物としては、例えば、硝酸ニッケル、硝酸コバルト、硫酸ニッケル、硫酸コバルト等の無機塩、塩化ニッケル、塩化コバルト等のハロゲン化物、ニッケル又はコバルトを含む有機酸塩等を用いることができる。また、ニッケルとコバルトを同時に含む化合物を用いても良い。これらの化合物は、一種のみ用いても良く、二種以上混合して用いても良い。これらの化合物は、金属量として0.1〜20g/l程度、特に1〜10g/l程度とすることが好ましい。これらの金属塩が上記した濃度範囲で存在することによって、被処理物の表面に耐食性が良好な黒色化成皮膜を形成することができる。これに対して濃度が低すぎる場合には、均一な黒色外観を得ることができない。
【0035】
本発明の黒色化成皮膜形成用組成物中には、更に、硝酸イオンが存在することが必要である。硝酸イオンが含まれることによって、被処理物の表面を溶解乃至活性化でき、均一で安定した黒色外観の化成皮膜を形成することが可能となる。
【0036】
硝酸イオンの供給源となる化合物については特に限定はなく、本発明の化成処理液中で硝酸イオンを生じ得る化合物であれば良い。例えば、硝酸;硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸アンモニウム等の硝酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩等を用いることができる。また、3価クロムの供給源として硝酸クロムを用いる場合や、ニッケル又はコバルトの供給源として硝酸塩を用いる場合等には、これらの硝酸塩が硝酸イオンの供給源となるので、その他の硝酸イオンの供給源となる化合物を添加しないことも可能である。硝酸イオンの供給源となる化合物は、一種単独又は二種以上混合して用いることができる。
【0037】
硝酸イオンの供給源となる化合物の量は、本発明組成物中の硝酸イオン濃度として0.01〜10g/l程度とすることが好ましく、特に0.1〜5g/l程度とすることがより好ましい。硝酸イオン濃度が低すぎる場合には、処理品の表面に十分な化成皮膜が形成されないために、耐食性が不十分となり、外観についても満足いくものとならない。また、高すぎる場合には、黒色化成皮膜を形成することができない。尚、本願明細書では、硝酸イオン量は、本発明組成物中に含まれる硝酸イオンの供給源となる化合物が全て硝酸イオンに解離しているとした量である。
【0038】
本発明の組成物には、更に、必要に応じて、コロイダルシリカを配合することができる。コロイダルシリカを配合することによって、形成される化成皮膜中にコロイダルシリカが適度に取り込まれて、化成皮膜の耐食性を向上させることができる。
【0039】
コロイダルシリカは、粒子径が1〜100nm程度のものが好ましい。この範囲の粒子径のコロイダルシリカを用いる場合には、処理液中において凝集や沈降を生じることなくコロイダルシリカが安定に存在して、化成皮膜中に均一に分散、共析し、良好な耐食性を有する保護皮膜を形成できる。コロイダルシリカの配合量は、固形分量として0.1〜50g/l程度とすることが好ましく、1〜30g/l程度とすることがより好ましい。コロイダルシリカの配合量が少なすぎると、コロイダルシリカの添加による効果が十分には発揮されず、一方、コロイダルシリカの配合量が多すぎても、液だまり部などに余分な成分が残留するため形成される皮膜の外観が低下し、しかも、余分な成分が水洗により洗い流されるので経済的に好ましくない。
【0040】
本発明の組成物には、更に必要に応じて、カルボシキル基を含む水溶性樹脂を添加することができる。該水溶性樹脂を用いることによって、形成される化成皮膜の耐食性をより向上させることができる。
【0041】
カルボシキル基を含む水溶性樹脂としては、水溶性アクリル樹脂が好ましく、例えば、アクリル酸及びメタアクリル酸から選ばれた少なくとも一種のモノマーをモノマー成分とする重合体、或いは、アクリル酸及びメタアクリル酸から選ばれた少なくとも一種のモノマーと他のモノマーとの共重合体等を用いることができる。これらの内で、ポリアクリル酸樹脂、ポリメタクリル酸樹脂などが好ましく、特に、ポリアクリル酸樹脂が好ましい。
【0042】
カルボキシル基を含む水溶性樹脂は、数平均分子量が5,000〜100,000程度のものが好ましく、20,000〜30,000程度のものがより好ましい。この範囲内の分子量の樹脂を用いることによって、特に良好な耐食性を有する保護皮膜を形成できる。
【0043】
カルボキシル基を含む水溶性樹脂の配合量は、樹脂固形分量として0.1〜100g/l程度とすることが好ましく、1〜50g/l程度とすることがより好ましい。該水溶性樹脂の配合量が少なすぎる場合には、該水溶性樹脂の添加による効果を十分に発揮することができない。一方、該水溶性樹脂の配合量が多すぎると、十分に皮膜化されない樹脂成分が被処理物表面に残存して水洗により洗い流されるので経済的に好ましくない。
【0044】
本発明の組成物では、カルボシキル基を含む水溶性樹脂とコロイダルシリカを同時に含む場合には、形成される化成皮膜中に両者が適度に取り込まれて、極めて優れた耐食性を有する化成皮膜を形成できる。
【0045】
本発明の組成物には、更に、必要に応じて、Mo、W、V、Nb、Ta、Ti、Zr、Ce、Sr、Fe、Al及びMnからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属を含む化合物を添加することができる。この様な化合物を用いることによって、形成される化成皮膜の耐食性を更に向上させることができる。これは、該化合物を添加することによって化成皮膜の成長が促進され、強固な厚い化成皮膜が形成されることによるものと考えられる。
【0046】
Mo、W、V、Nb、Ta、Ti、Zr、Ce、Sr、Fe、Al及びMnからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属を含む化合物としては、本発明組成物に可溶性の化合物であれば特に限定なく使用できる。この様な化合物としては、例えば、上記した金属成分を含む酸素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物(塩化物など)、有機酸塩等を用いることができる。これらの化合物は、一種のみ用いても良く、二種以上混合して用いても良い。また、二種以上の金属成分を同時に含む化合物を用いることもできる。上記した化合物の内で、特に、W、V、Ce、Al及びTiからなる群から選択される少なくとも1種の金属を含む化合物が好ましい。
【0047】
上記した金属化合物の濃度は、金属成分の量として、0.01〜20g/l程度であることが好ましく、0.05〜10g/l程度であることがより好ましい。これらの化合物の濃度が低すぎる場合には、耐食性を向上させる効果を十分には得ることができない。一方、これらの化合物の濃度が高すぎる場合には、大きな弊害はないが、経済的に不利である。
【0048】
Mo、W、V、Nb、Ta、Ti、Zr、Ce、Sr、Fe、Al及びMnからなる群から選択される少なくとも1種の金属を含む化合物を用いる場合には、この化合物を本発明組成物の他の成分と共に混合すればよいが、3価クロム化合物、カルボン酸類及びリンの酸素酸類を加熱反応させる際に上記化合物を添加して混合しても良い。
【0049】
本発明の化成皮膜形成用組成物には、更に、必要に応じて、フッ酸、フッ化アンモニウム、フッ化ナトリウム等のフッ化物を配合しても良い。特に、被処理物の表面部分が侵されやすい材料で構成されている場合は、化成皮膜の形成時に素材表面の溶解が進行し易いので、素材の溶解を抑制するために、フッ化物を配合することが好ましい。この場合、フッ化物の配合量は、フッ素イオン量として、1〜5g/l程度とすることが好ましい。
【0050】
本発明組成物を用いることにより被処理物の表面に黒色化成皮膜を形成することが可能であるが、被処理物表面が亜鉛合金の場合には、化成皮膜が黒緑色乃至黒褐色となる場合がある。この様な場合には、本発明の化成処理組成物に、更に、銀塩を添加することによって、形成される化成皮膜をより黒色化することができる。銀塩としては、本発明の組成物に可溶性のものであれば良く、例えば、硝酸銀などを用いることができる。銀塩の濃度としては、銀塩に含まれる銀(金属成分)として、0.01〜1g/l程度とすることが好ましい。
【0051】
本発明の化成皮膜形成用組成物は、上記したいずれの場合にも、pHが1〜5程度の範囲内とすることが必要であり、1.5〜3程度の範囲内とすることが好ましい。この様なpH範囲とすることによって、被処理物表面の金属分が適度に溶出して良好な化成皮膜を形成することができる。pHが低すぎる場合には、素材金属が過度に溶解されて良好な化成皮膜の形成が難しく、一方、pHが高すぎると、素材金属の溶解量が不足し、化成皮膜の形成が遅くなり、耐食性も低下するので好ましくない。
【0052】
本発明の組成物では、上記した各成分を水に溶解した状態で上記pH範囲にある場合には、特にpH調整を行うことなくそのまま使用できるが、pHが高すぎる場合には、硫酸、塩酸等の鉱酸、有機酸などを添加して、上記pH範囲に調整すれば良い。また、pHが低すぎる場合には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ性化合物を添加して、上記pH範囲に調整すればよい。また、予め、各成分を混合した混合物中に、所定のpH値に調整するために必要な成分を添加しておき、この混合物を同時に水に溶解してもよい。
【0053】
本発明の化成皮膜形成用組成物は、上記した各成分を所定の割合で含有する水溶液である。例えば、上記した加熱反応物を形成した水溶液中に他の成分を添加し、必要に応じて、水を加えて濃度を調整し、pH調整してもよく、或いは、加熱反応物の必要量を水溶液の状態で採取し、他の成分と混合し、必要に応じて、水を加えて濃度を調整し、pH調整してもよい。この場合、各成分を別個に溶解させても良く、或いは各成分を予め混合したものを添加しても良い。また、全成分を含有する濃厚溶液として調整しておき、使用時に希釈して用いても良い。
【0054】
本発明の化成皮膜形成用組成物を用いて化成処理を行う方法については、特に限定的ではないが、通常、10〜70℃程度の組成物中に被処理物を浸漬すればよい。特に良好な耐食性と黒色外観を有する皮膜を形成するためには、液温を30〜60℃程度の範囲内とすることが好ましい。処理液の液温が低すぎる場合には、処理液の反応性が低下するため、良好な化成皮膜を形成することは困難である。また、液温が高すぎる場合には、素材金属が過度に溶解されて良好な化成皮膜を形成できず、さらに処理作業時の熱的損失が大きくなるために経済的に好ましくない。
【0055】
処理時間については、10〜300秒程度の広い範囲とすることができ、処理液の液温が高い場合は処理時間を短くし、液温が低い場合には処理時間を長くすればよい。例えば、均一な外観が得られ、耐食性が良好な化成皮膜を形成するためには、処理液の液温が30〜60℃の温度範囲では、処理時間を30〜180秒程度とすればよい。
【0056】
上記した方法によれば、処理対象となる表面部分が亜鉛または亜鉛合金で形成された被処理物に対して、良好な黒色化成皮膜を形成できる。化成皮膜の色調は、素材の材質などによって、黒緑色から黒褐色を呈する場合がある。形成される化成皮膜は、優れた耐食性を有し、外観も良好であり、後処理を行うことなく、そのままで各種製品の最終処理として利用できる。
【0057】
また、該化成皮膜には、更に必要に応じて、オーバーコート処理を施しても良い。この場合のオーバーコート処理としては、特に限定はなく、例えば、シリコン系皮膜、金属石けんなどを形成する市販の防錆剤皮膜、塗装を含む有機物皮膜等を例示することができる。
【0058】
【発明の効果】
本発明の黒色化成皮膜形成用組成物によれば、下記の様な顕著な効果が奏される。
(1)本発明の組成物は、有害な6価のクロム化合物を含有しない安全性の高い化成処理液であり、亜鉛または亜鉛合金により形成された表面を有する各種被処理物に対して、外観及び耐食性に優れた黒色の化成皮膜を形成できる。
(2)3価クロム化合物、カルボン酸類及びリンの酸素酸類の加熱反応物は、安定性が良好であり、長期間優れた性能を維持できる。
(3)本発明の組成物を用いて形成される化成皮膜は、優れた耐食性を有するものであり、更に保護皮膜を形成する必要がない。このため、6価クロム化合物を含む処理液を用いる従来の処理方法と同様の工程で処理を行うことが可能であり、既存設備を変更することなくそのまま使用できる。
【0059】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
【0060】
実施例1
40%酢酸クロム溶液400g/l、70%グリコール酸110g/l、89%正リン酸120g/lを含有する水溶液を80℃において2時間撹拌し、その後室温に冷却し、水を添加して加熱前の液量として、加熱反応液を得た。得られた加熱反応液を用いて、下記組成の化成処理液を調製した。
【0061】
一方、被処理物として亜鉛めっき皮膜(10μm)を形成した鋼板(50×100×0.5mm)を用い、5%水酸化ナトリウム水溶液中に30秒間浸漬し、水洗した後、1%硝酸水溶液に15秒間浸漬し水洗した。その後、下記化成処理液中に下記処理条件で浸漬し、水洗した後、60℃の温風で5分間乾燥した。
Figure 2004346360
上記した方法で形成された化成皮膜について、外観、安定性及び耐食性を下記の方法で評価した。結果を下記表1に示す。
(外観)
形成された化成皮膜の色調及び均一性を目視によって評価した。
(安定性試験)
70℃で8時間放置した後、室温で16時間放置することを1サイクルとして、上記化成処理液を20サイクル放置する加熱冷却サイクル試験を行い、その後、再度、上記した方法で化成処理を行い、形成された化成皮膜の外観を確認した。
【0062】
安定性の評価については、加熱冷却試験後の処理液を用いて形成された化成皮膜の外観が、加熱冷却試験前の処理液を用いて形成された化成皮膜の外観と同様である場合を良好とし、化成皮膜の外観が異なる場合を不安定とした。
(耐食性試験)
JIS H 8502に基づく中性塩水噴霧試験法によって、50時間後、100時間後、200時間後の耐食性を評価した。
【0063】
試験結果については、試料面積の5%以内に白錆が発生したものを一部錆発生と表示し、試料面積の30%以上に錆が発生したものを錆発生と表示する。
【0064】
実施例2
40%硫酸クロム溶液400g/l、シュウ酸(2水塩)250g/lを含有する水溶液を70℃で1時間撹拌し、その後リン酸2水素1ナトリウム180g/lを加え、さらに80℃で1時間撹拌した後、室温に冷却し、水を添加して加熱前の液量として、加熱反応液を得た。この加熱反応液を用いて、下記組成の化成処理液を調製した。
【0065】
得られた化成処理液を用いて下記条件で化成皮膜を形成すること以外は、実施例1と同様の方法で化成皮膜を形成し、外観、安定性及び耐食性を評価した。結果を下記表1に示す。
Figure 2004346360
実施例3
40%塩化クロム溶液400g/l、酒石酸150g/l、リンゴ酸70g/l、リン酸2水素1ナトリウム60g/l及び89%正リン酸50g/lを含有する水溶液を70℃で2時間撹拌し、その後室温に冷却し、水を添加して加熱前の液量として、加熱反応液を得た。この加熱反応液を用いて、下記組成の化成処理液を調製した。
【0066】
得られた化成処理液を用いて下記条件で化成皮膜を形成すること以外は、実施例1と同様の方法で化成皮膜を形成し、外観、安定性及び耐食性を評価した。結果を下記表1に示す。
Figure 2004346360
実施例4
40%硫酸クロム溶液200g/l、40%塩化クロム200g/l、70%グリコール酸200g/l及び89%正リン酸100g/lを含有する水溶液を80℃で1時間撹拌し、その後室温に冷却し、水を添加して加熱前の液量として、加熱反応液を得た。この加熱反応液を用いて、下記組成の化成処理液を調製した。
【0067】
得られた化成処理液を用いて下記条件で化成皮膜を形成すること以外は、実施例1と同様の方法で化成皮膜を形成し、外観、安定性及び耐食性を評価した。結果を下記表1に示す。
Figure 2004346360
実施例5
実施例1で得た加熱反応液を用いて、下記組成の化成処理液を調製した。得られた化成処理液を用いて下記条件で化成皮膜を形成すること以外は、実施例1と同様の方法で化成皮膜を形成し、外観、安定性及び耐食性を評価した。結果を下記表1に示す。
Figure 2004346360
実施例6
実施例1で得た加熱反応液を用いて、下記組成の化成処理液を調製した。この化成処理液を用いて下記条件で化成皮膜を形成すること以外は、実施例1と同様の方法で化成皮膜を形成し、外観、安定性及び耐食性を評価した。結果を下記表1に示す。
Figure 2004346360
実施例7
実施例2で得た加熱反応液を用いて、下記組成の化成処理液を調製した。
【0068】
この化成処理液を用いて下記条件で化成皮膜を形成すること以外は、実施例1と同様の方法で化成皮膜を形成し、外観、安定性及び耐食性を評価した。結果を下記表1に示す。
Figure 2004346360
実施例8
実施例2で得た加熱反応液を用いて、下記組成の化成処理液を調製した。
【0069】
この化成処理液を用いて下記条件で化成皮膜を形成すること以外は、実施例1と同様の方法で化成皮膜を形成し、外観、安定性及び耐食性を評価した。結果を下記表1に示す。
Figure 2004346360
実施例9
実施例2で得た加熱反応液を用いて、下記組成の化成処理液を調製した。この化成処理液を用いて下記条件で化成皮膜を形成すること以外は、実施例1と同様の方法で化成皮膜を形成した。
Figure 2004346360
その後、ポリアクリル樹脂系有機皮膜処理剤(商標名:ESガード(奥野製薬工業(株)製)の500ml/l水溶液)に25℃で15秒間浸漬して、オーバーコート処理を行い、水洗を行うことなく、直ちに60℃の温風にて乾燥した。形成された皮膜の外観、安定性及び耐食性を評価した結果を下記表1に示す。
【0070】
比較例1
化成処理液の組成及び処理条件を下記の通りとする他は、実施例1と同様の方法で化成皮膜を形成し、外観、安定性及び耐食性を評価した。結果を下記表1に示す。
Figure 2004346360
比較例2
35%硝酸クロム溶液50g/l、シュウ酸ナトリウム15g/l、硝酸コバルト(7水塩)10g/lを含有する水溶液を室温で撹拌してpH2の化成処理液を得た。
【0071】
この化成処理液中に、実施例1と同一の被処理物を40℃で30秒間浸漬して化成皮膜を形成し、外観、安定性及び耐食性を評価した。結果を下記表1に示す。
【0072】
比較例3
40%酢酸クロム溶液400g/l、70%グリコール酸110g/l、89%正リン酸120g/lを含有する水溶液を室温で2時間撹拌して、室温混合液を得た。これを用いて、下記組成の化成処理液を調製した。
【0073】
この化成処理液を用いて下記条件で化成皮膜を形成すること以外は、実施例1と同様の方法で化成皮膜を形成し、外観、安定性及び耐食性を評価した。結果を下記表1に示す。
Figure 2004346360
【0074】
【表1】
Figure 2004346360
【0075】
以上の結果から明らかなように、本発明の化成処理用組成物を用いることにより、外観、安定性及び耐食性に優れた黒色化成皮膜を形成できる。

Claims (10)

  1. 下記(1)〜(3)の条件を満足するpH1〜5の水溶液からなる黒色化成皮膜形成用組成物:
    (1)3価クロム化合物、カルボン酸類及びリンの酸素酸類からなる3成分の加熱反応物を、クロム金属量として、0.1〜20g/l含有すること、
    (2)ニッケル及びコバルトからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属を含む化合物を、金属量として0.1〜20g/l含有すること
    (3)硝酸イオンを0.01〜10g/l含有すること。
  2. 3価クロム化合物、カルボン酸類及びリンの酸素酸類からなる3成分の加熱反応物が、3価クロム化合物におけるクロム金属1モルに対してカルボン酸類0.5〜3モル及びリンの酸素酸類0.1〜3モルの割合で、これらの3成分を水中において40℃〜沸点未満の温度で混合して得られるものである請求項1に記載の黒色化成皮膜形成用組成物。
  3. カルボン酸類が、モノカルボン酸、モノカルボン酸塩、ジカルボン酸、ジカルボン酸塩、トリカルボン酸、トリカルボン酸塩、オキシカルボン酸、オキシカルボン酸塩、アミノカルボン酸及びアミノカルボン酸塩からなる群から選ばれた少なくとも1種である請求項1又は2に記載の黒色化成皮膜形成用組成物。
  4. リンの酸素酸類が、正リン酸、正リン酸塩、縮合リン酸、縮合リン酸塩、次亜リン酸、次亜リン酸塩、亜リン酸及び亜リン酸塩からなる群から選ばれた少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載の黒色化成皮膜形成用組成物。
  5. 更に、コロイダルシリカを固形分量として0.1〜50g/l含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の黒色化成皮膜形成用組成物。
  6. 更に、カルボキシル基を含む水溶性樹脂を、樹脂固形分量として0.1〜100g/l含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の黒色化成皮膜形成用組成物。
  7. 更に、Mo、W、V、Nb、Ta、Ti、Zr、Ce、Sr、Fe、Al及びMnからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属を含む化合物を、金属成分の量として0.01〜20g/l含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の黒色化成皮膜形成用組成物。
  8. 少なくとも表面部分が亜鉛又は亜鉛合金で形成された被処理物を、請求項1〜7のいずれかに記載の黒色化成皮膜形成用組成物に接触させることを特徴とする黒色化成皮膜形成方法。
  9. 請求項8の方法によって黒色化成皮膜を形成した後、オーバーコート処理を行うことを特徴とする防錆方法。
  10. 請求項8又は9の方法によって形成された皮膜を有する物品。
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