JP5838415B2 - 化成処理のための組成物およびその組成物により形成された化成皮膜を備える部材の製造方法 - Google Patents

化成処理のための組成物およびその組成物により形成された化成皮膜を備える部材の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5838415B2
JP5838415B2 JP2012518652A JP2012518652A JP5838415B2 JP 5838415 B2 JP5838415 B2 JP 5838415B2 JP 2012518652 A JP2012518652 A JP 2012518652A JP 2012518652 A JP2012518652 A JP 2012518652A JP 5838415 B2 JP5838415 B2 JP 5838415B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chemical conversion
water
acid
soluble
chromium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012518652A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2012137677A1 (ja
Inventor
良規 平松
良規 平松
真理 浅野
真理 浅野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yuken Industry Co Ltd
Original Assignee
Yuken Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yuken Industry Co Ltd filed Critical Yuken Industry Co Ltd
Priority to JP2012518652A priority Critical patent/JP5838415B2/ja
Publication of JPWO2012137677A1 publication Critical patent/JPWO2012137677A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5838415B2 publication Critical patent/JP5838415B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C22/00Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals
    • C23C22/05Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using aqueous solutions
    • C23C22/06Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using aqueous solutions using aqueous acidic solutions with pH less than 6
    • C23C22/48Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals using aqueous solutions using aqueous acidic solutions with pH less than 6 not containing phosphates, hexavalent chromium compounds, fluorides or complex fluorides, molybdates, tungstates, vanadates or oxalates
    • C23C22/53Treatment of zinc or alloys based thereon
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C2222/00Aspects relating to chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive medium
    • C23C2222/10Use of solutions containing trivalent chromium but free of hexavalent chromium

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Treatment Of Metals (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)

Description

本発明は、自然環境に有害な6価クロムの溶出が抑制された化成皮膜を形成することが可能な化成処理のための組成物およびその処理により形成された化成皮膜を有する部材に関し、具体的には、化成処理のための組成物、その組成物を調製するための液状組成物、およびその組成物により形成された化成皮膜を有する部材の製造方法に関するものである。
近年、RoHS(Restriction of the Use of Certain Hazardous Substances in Electrical and Electronic Equipment、電気・電子機器有害物質使用規制)指令や、ELV(End of Life Vehicles 使用済み自動車)指令など環境に配慮した指令により、有害物質(鉛、水銀、カドミウム、6価クロムなど)の使用を規制することが求められてきている。
この流れを受け、亜鉛めっき部材などの金属表面を有する部材の防食用の化成皮膜として有効なクロメート皮膜は、6価クロムを含むクロム酸塩を用いる化成処理のための組成物(以下、化成処理のための組成物を「化成処理液」という。)ではなく、3価クロムを含む化成処理液によって形成するようになってきている。従来の6価クロムを含む化成処理液により得られる化成皮膜は、皮膜中に可溶性の6価クロムが含まれる。このため、そのような皮膜は上記の指令による規制の対象となる。
このように3価クロムを含む化成処理液によるクロメートは一般的となったが、この化成処理液によって得られた化成皮膜から、ごく微量であるが6価クロムが検出されることが明らかになってきた。その皮膜からの溶出量は、計測方法にも依存するが、おおむね0.1μg/cm以下であり、6価クロムを含む化成処理液によって得られた化成皮膜からの溶出量に比べるとはるかに小さい。
しかしながら、環境負荷を低減する動きは今後さらに厳しくなることが予想されるため、この3価クロムを含む化成処理液によって得られた化成皮膜(以下、単に「化成皮膜」という。)から溶出する6価クロムの濃度を低減する手段が検討されてきている。
特許文献1には、化成皮膜を形成した金属部品を、6価クロムの還元処理工程において所定濃度の還元処理溶液中に所定設定時間浸漬し、これを乾燥させて6価クロムの溶出量を低減させる方法が開示されている。この手段で好適に使用される還元剤はL−アスコルビン酸である。
特許文献2には、化成処理液に6価クロムを3価クロムに還元する還元剤を添加する方法が開示されている。この手段で好適に使用される還元剤は重亜硫酸ナトリウムであり、還元剤の添加は、支持塩の添加の前後に行うこととされている。
特開2005−240084号公報 特開2006−28547号公報
しかしながら、3価クロムを含む化成処理液によって得られた化成皮膜から6価クロムが溶出する理由についてはいまだ明確になっていない。このため、上記のような還元剤を添加することが6価クロム溶出を抑制する最適手段であるかは不明である。
また、6価クロム溶出を抑制する効果は長期にわたり実現されることが必要であるところ、特許文献2では化成皮膜形成直後の溶出量のみが評価されており、特許文献1でも通常環境で10日程度保持された後の溶出量が評価されているにすぎない。したがって、長期にわたって6価クロム溶出を抑制する効果が維持されるかは不明である。この点に関し、本発明者が6価クロム溶出の促進試験環境として高温多湿環境(80℃、100%RH)に保管した後の化成皮膜について溶出量の測定を行った。その結果、6価クロムの溶出を抑制することについて有意な物質(以下、そのような物質を「溶出抑制剤」と総称する。)と従来認識されていた物質では、短期間(1日程度)の間に急速に6価クロムが溶出してしまうことが明らかになった。しかも、このような従来技術に係る溶出抑制剤を化成処理液に添加すると、得られた化成皮膜が黄色や茶色などに着色することが明らかになった。
そこで、本発明では、化成皮膜についての新たな6価クロム溶出抑制手段、特に高温多湿環境に保管されたときにも6価クロムの溶出を抑制することができる化成皮膜を形成することが可能な化成処理手段を提供することを目的とする。
本発明者は、従来技術とは異なるアプローチで上記課題を解決することを検討した。すなわち、従来技術では、従来から存在する3価クロムを含む化成処理液(以下、「従来化成処理液」ともいう。)に対して、6価クロム溶出を抑制する機能を有する材料(以下、「溶出抑制剤」ともいう。)を別添することによって、上記課題を解決するアプローチが採用されていた。このような別添の場合には、新たな成分追加に伴い、製品のコストアップおよび製造過程での管理負荷の増大は避けられない。そこで、本発明者らは、3価クロムを含む化成処理液の基本成分である有機酸化合物の種類を見直すことによって6価クロム溶出を抑制する、という新たなアプローチで上記課題を解決することを目指した。
かかるアプローチでの検討の結果、従来化成処理液では、有機酸化合物としてシュウ酸に代表される水可溶性ジカルボン酸化合物が一般的に使用されているが、水可溶性ジカルボン酸化合物に代えて、水可溶性ヒドロキシカルボン酸系物質を用いることにより、高温多湿環境に保管されても6価クロム溶出を抑制することができるという知見が得られた。本明細書において、水可溶性ヒドロキシカルボン酸系物質とは、ヒドロキシカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸イオン、ヒドロキシカルボン酸塩、ならびにヒドロキシカルボン酸および/またはヒドロキシカルボン酸のイオンを含む配位化合物からなる群から選ばれる1種または2種以上の物質であって、水系の組成物である化成処理液に可溶な物質を意味する。
上記知見に基づき提供される本発明の一態様は、水可溶性3価クロム含有物質と水可溶性ヒドロキシカルボン酸系物質とを備える水系酸性組成物(化成処理液)であって、水可溶性3価クロム含有物質の全組成物に対するクロム換算モル濃度は0.05mol/L以上であり、水可溶性ヒドロキシカルボン酸系物質のヒドロキシカルボン酸換算モル濃度の、水可溶性3価クロム含有物質のクロム換算モル濃度に対する比が1.2以上2.2以下であり、水可溶性ヒドロキシカルボン酸系物質を与えるヒドロキシカルボン酸は、炭素数が4以下の脂肪族モノヒドロキシモノカルボン酸であり、pHが2.5以上3.8以下であることを特徴とする化成処理のための組成物である。
上記組成物は、全組成物に対して、コバルト換算で2mmol/L以上50mmol/L以下の水可溶性コバルト含有物質、および/またはピロガロール換算で0.05g/L以上3.0g/L以下のピロガロール化合物を含有してもよい。
上記の組成物のpHは2.0以上4.0以下の広い範囲で安定的に使用することができる。
また、本発明は、別の一態様として、亜鉛系めっきが施された部材に上記の化成処理のための組成物を接触させることによって、亜鉛系めっき上に化成皮膜を備える部材を得ることを特徴とする化成皮膜を備える部材の製造方法を提供する。
さらに、本発明は、また別の一態様として、上記の組成物(化成処理液)を製造するための水系酸性組成物であって、水可溶性3価クロム含有物質と水可溶性ヒドロキシカルボン酸系物質とを備え、水可溶性3価クロム含有物質の全組成物に対するクロム換算モル濃度は0.25mol/L以上であり、水可溶性ヒドロキシカルボン酸系物質のヒドロキシカルボン酸換算モル濃度の水可溶性3価クロム含有物質のクロム換算モル濃度に対する比が1.2以上2.2以下であり、水可溶性ヒドロキシカルボン酸系物質を与えるヒドロキシカルボン酸は、炭素数が4以下の脂肪族モノヒドロキシモノカルボン酸であり、pHが2.5以上3.8以下であることを特徴とする組成物(化成処理用濃厚液)も提供する。
上記の発明によれば、化成処理液に対して特段の溶出抑制剤を配合することなく、化成処理液によって得られた耐食性および外観に優れた化成皮膜からの6価クロム溶出量を、高温多湿環境に暴露させた後も特に低いレベルに抑制することが可能である。また、本発明に係る化成処理液は、従来技術に係る化成処理液に比べて良好な化成皮膜を安定的に形成しうるpH範囲が広いため、生産性に優れる。
1.化成処理のための組成物
本発明の一実施形態に係る化成処理のための組成物(化成処理液)は、水可溶性3価クロム含有物質および水可溶性ヒドロキシカルボン酸系物質を備える水系酸性組成物であって、水可溶性3価クロム含有物質の全組成物に対するクロム換算モル濃度は0.05mol/L以上であり、水可溶性ヒドロキシカルボン酸系物質のヒドロキシカルボン酸換算モル濃度の、水可溶性3価クロム含有物質のクロム換算モル濃度に対する比が0.4以上2.5未満である。
金属表面(例えば亜鉛めっき)を有する部材に本実施形態に係る化成処理液を接触させる処理を行うことで、6価クロムの溶出が抑制され耐食性に優れた化成皮膜が形成される。以下、化成処理が施される上記の部材を「被処理部材」ともいう。処理温度は、濃度やpHなどにも依存するため、確定的に決定することはできない。温度が20℃以上の場合には10秒間以上接触させる処理を行うことが好ましく、40℃以上の場合には5〜50秒間の接触が特に好ましい。接触方法は特に限定されず、被処理部材を本実施形態に係る化成処理液に浸漬させたり、被処理部材に化成処理液をスプレー噴霧させたりすればよい。化成処理との接触が終了したら、その部材に対して水洗などのすすぎを行い、さらに乾燥させることで、被処理部材の金属表面に化成皮膜が形成される。すなわち、本実施形態に係る化成処理液は、塗布型(被処理部材上に処理液の成分からなる塗液層を形成し、これを乾燥させて得られる塗膜を化成皮膜とする方式)ではなく、被処理部材と化成処理液との接触終了後、その部材上に残留した塗液層はすすぎにより除去され、化成処理液と被処理部材とが接触している間に被処理部材上に析出した成分および/または形成された成分によって主として化成皮膜が形成される反応型の化成処理液である。
以下に本実施形態に係る化成処理液の成分について詳しく説明する。
(1)水可溶性3価クロム含有物質
本実施形態に係る化成処理液は少なくとも一種の水可溶性3価クロム含有物質を含有する。水可溶性3価クロム含有物質は、3価クロム(Cr3+)およびこれを含有する水可溶性物質からなる群から選ばれる。3価クロムを含有する水可溶性物質として、Cr[HO] 3+が例示される。
水可溶性3価クロム含有物質を化成処理液に含有させるために配合される物質、つまり水可溶性3価クロム含有物質の原料物質として、水中で水可溶性3価クロム含有物質を生成することが可能な水可溶性化合物(以下「水可溶性3価クロム化合物」という。)を用いることが好ましい。
水可溶性3価クロム化合物を例示すれば、塩化クロム、硫酸クロム、硝酸クロム、リン酸クロム、酢酸クロム等の3価クロム塩の他、クロム酸や重クロム酸塩等の6価クロム化合物を還元剤により3価に還元した化合物が挙げられる。水可溶性3価クロム化合物は一種の化合物のみで構成されていてもよいし、複数種類で構成されていてもよい。なお、本実施形態に係る化成処理液に対して6価クロム化合物が原材料として積極的に添加されていないため、本実施形態に係る化成処理液は6価クロムを実質的に含有していない。
水可溶性3価クロム化合物の含有量は、化成皮膜の形成のしやすさの観点からクロム換算で0.05mol/L以上とし、0.07mol/L以上であることが好ましい。なお、この水可溶性3価クロム化合物の含有量とは、水可溶性3価クロム化合物のうち、化成処理液に溶解している成分の含有量を意味する。水可溶性3価クロム化合物の含有量上限は特に限定されないが、過度に多く含有させることは経済性の観点や廃液処理の観点から問題を生ずるおそれがあるため、0.5mol/L程度を上限とすることが好ましい。6価クロム溶出量を安定的に抑制する観点から、0.25mol/L以下とすればさらに好ましい。
(2)水可溶性ヒドロキシカルボン酸系物質
本実施形態に係る化成処理液は、水可溶性ヒドロキシカルボン酸系物質を含有する。ここで、「水可溶性ヒドロキシカルボン酸系物質」とは、分子内に少なくとも一つの水酸基を有するカルボン酸であるヒドロキシカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸イオン、ヒドロキシカルボン酸塩、ならびにヒドロキシカルボン酸および/またはヒドロキシカルボン酸のイオンを含む配位化合物からなる群から選ばれる1種または2種以上の物質であって、水系の組成物である化成処理液中に可溶な化合物を意味する。したがって、その全てが化成処理液に溶解している必要はなく、一部は化成処理液に分散していたり、沈殿していたりしてもよい。
本実施形態に係る化成処理液から得られる化成皮膜は、化成処理液が水可溶性ヒドロキシカルボン化合物を含有することにより、水可溶性ジカルボン酸化合物(本実施形態において、「ジカルボン酸」とは、カルボン酸基を二つ有し水酸基を有さない有機化合物を意味し、「ジカルボン酸化合物」とは、この定義に基づくジカルボン酸、ジカルボン酸イオン、ジカルボン酸塩、ならびにジカルボン酸および/またはジカルボン酸のイオンを含む配位化合物からなる群から選ばれる1種または2種以上の水に可溶な物質を意味する。)を基本成分として一般的に含有する従来化成処理液から得られる化成皮膜に比べて、高温多湿環境に置かれた場合における6価クロム溶出量が顕著に少なくなる。また、このような高温多湿環境に置かれた場合であっても、化成皮膜の外観の劣化、具体的には黄色や茶色への変色が生じにくい。すなわち、本実施形態に係る化成処理液は、水可溶性ジカルボン酸化合物に代えて水可溶性ヒドロキシカルボン酸系物質を基本成分として用いることにより、経時的安定性に特に優れる化成皮膜を形成することが可能である。
ヒドロキシカルボン酸は脂肪族ヒドロキシカルボン酸と芳香族ヒドロキシカルボン酸とに大別することができる。脂肪族ヒドロキシカルボン酸を例示すれば、グリコール酸、乳酸、β−ヒドロキシプロピオン酸、タルトロン酸、グリセリン酸、2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、γ−ヒドロキシ酪酸、リンゴ酸、酒石酸、シトラマル酸、クエン酸、イソクエン酸、ロイシン酸、メバロン酸、パントイン酸、リシノール酸、リシネライジン酸、セレブロン酸、キナ酸およびシキミ酸が挙げられる。芳香族ヒドロキシ酸を例示すれば、サリチル酸、クレオソート酸、バニリン酸、シリング酸などのモノヒドロキシ安息香酸誘導体;ピロカテク酸、レソルシル酸、プロトカテク酸、ゲンチジン酸、オルセリン酸などのジヒドロキシ安息香酸誘導体;没食子酸などのトリヒドロキシ安息香酸誘導体;アトロラクチン酸、ベンジル酸、マンデル酸などのフェニル酢酸誘導体;メリロト酸、フロレト酸、クマル酸、ウンベル酸、コーヒー酸、フェルラ酸、シナピン酸などのケイヒ酸またはヒドロケイヒ酸誘導体が挙げられる。
本実施形態に係るヒドロキシカルボン酸は、水系組成物である本実施形態に係る化成処理液に対する溶解度や、副生成物の生成しにくさの観点から、脂肪族ヒドロキシカルボン酸のほうが好ましく、骨格炭素数は少ないことが好ましい。また、分子内におけるカルボン酸基(イオン化されている場合を含む。)の数の水酸基の数に対する比(カルボン酸基数/水酸基数)は1に近いことが好ましく、この比が1である、つまりカルボン酸基数と水酸基数とが等しいことが特に好ましい。これらの観点から、本実施形態に係るヒドロキシカルボン酸として特に好ましい化合物はグリコール酸、ヒドロキシプロピオン酸およびヒドロキシ酪酸などの炭素数が4以下の脂肪族モノヒドロシキモノカルボン酸である。
なお、ヒドロキシカルボン酸塩を構成する金属イオンの種類は特に限定されない。また、ヒドロキシカルボン酸の配位化合物の具体的な構造も特に限定されない。いずれの物質についても、水系の組成物である化成処理液内に溶解していればよい。
本実施形態に係る水可溶性ヒドロキシカルボン酸系物質のヒドロキシカルボン酸換算モル濃度は、水可溶性3価クロム含有物質のクロム換算モル濃度に対する比(以下、「HC/Cr比」ともいう。)として0.4以上2.5未満とする。なお、水可溶性ヒドロキシカルボン酸系物質のヒドロキシカルボン酸換算モル濃度とは、化成処理液中に存在する水可溶性ヒドロキシカルボン酸系物質のうち、化成処理液に溶解している成分のヒドロキシカルボン酸換算モル濃度を意味する。HC/Cr比が過度に小さい場合には、外観の劣化や耐食性の低下が顕著となる。一方、HC/Cr比が過度に大きい場合には、液安定性が低下する、副生成物が生成しやすくなる、外観不良が生じるなどの不具合を発生させる可能性が高まる。処理品の耐食性および液安定性の維持を安定的に達成する観点から、HC/Cr比を0.8から2.2の範囲とすることが好ましい。
なお、本実施形態に係る水可溶性ヒドロキシカルボン酸系物質は、化成処理液の調製に当たり、ヒドロキシカルボン酸として添加されてもよいし、ヒドロキシカルボン酸の塩や配位化合物として添加されてもよい。あるいは、ラクトンとして添加されてもよいし、エステルのような誘導体として添加されてもよい。
(3)任意添加成分
(A)水可溶性コバルト含有物質
本実施形態に係る化成処理液はコバルト含有物質を含有してもよい。水可溶性コバルト含有物質は、コバルトイオン(Co2+)およびこれを含有する水可溶性物質からなる群から選ばれる。水可溶性コバルト含有物質として、Co[HO] 2+、コバルトイオンとカルボン酸化合物との配位化合物などが例示される。
水可溶性コバルト含有物質を化成処理液に含有させるために配合される物質、つまり水可溶性コバルト含有物質の原料物質として、水中で水可溶性コバルト含有物質を生成することが可能な水可溶性化合物(以下「水可溶性コバルト化合物」という。)を用いることが好ましい。
水可溶性コバルト化合物を例示すれば、塩化コバルト、硫酸コバルト、硝酸コバルト、リン酸コバルト、酢酸コバルトが挙げられる。水可溶性コバルト化合物は一種の化合物のみで構成されていてもよいし、複数種類で構成されていてもよい。
水可溶性コバルト含有物質の含有量は、コバルト換算で50mmol/L以下とすることが好ましい。なお、この水可溶性コバルト化合物の含有量とは、水可溶性コバルト化合物のうち、化成処理液に溶解している成分の含有量を意味する。50mmol/Lを超えて含有させると、耐食性を向上させる効果よりも、6価クロム溶出量を増加させる効果のほうが優勢になってしまう場合がある。また、水可溶性コバルト含有物質を過度に含有させるとむしろ耐食性が低下する傾向を示す場合もあるため、耐食性を向上させる効果を安定的に確保する観点から、コバルト換算で20mmol/L以下とすることがより好ましく、この範囲内で、用途により決定される耐食性を確保する目的を達成できる最小限の含有量とすることが特に好ましい。
一般的な用途に適用される場合には、水可溶性コバルト含有物質の含有量をコバルト換算で4mmol/L以上20mmol/L以下の範囲とすればよく、JIS Z2371に準拠した塩水噴霧試験を72時間行った後においても、得られた化成皮膜における白錆面積率を全体の5%以下とすることが達成される。
(B)ピロガロール化合物
本実施形態に係る化成処理液は、その化成処理液により得られた化成皮膜から6価クロムが溶出することをさらに抑制するために、ピロガロール化合物を含有してもよい。本明細書において、「ピロガロール化合物」とは、ピロガロールおよび炭素数が3以下のアルキルピロガロールから選ばれる一種または二種以上の化合物を意味する。5−メチルピロガロールや5−エチルピロガロールのようなアルキルピロガロールも、アルキル基の炭素数が3以下であれば、ピロガロールと同等の性能を示す。
化成処理液中のピロガロール化合物の濃度は特に限定されないが、0.05g/L以上3.0g/L以下とすることが好ましい。なお、この化成処理液中のピロガロール化合物の濃度とは、化成処理液中に存在するピロガロール化合物の濃度のうち、化成処理液に溶解している成分の含有量を意味する。ピロガロール化合物の濃度が過度に低い場合にはその添加の効果が得られない。逆に過度に高い場合には処理外観が黄色よりも濃くなって茶色っぽくなる上に、後述する濃厚液において未溶解分が発生しやすくなったりする。
(C)その他の成分
本実施形態に係る化成処理液は、上記の物質に加え、金属イオン、無機酸およびその陰イオン、無機コロイド、シランカップリング剤、有機リン化合物ならびにフッ素化合物からなる群から選ばれる一種または二種以上を含んでもよい。また、ワックスなどポリマー、腐食抑制剤、ジオール、トリオール、アミンなどの界面活性剤、可塑性分散、染料、顔料、金属色素生成剤などの色素生成剤、乾燥剤および分散剤からなる群から選ばれる一種または二種以上の材料をさらに含有していてもよい。
金属イオンとしては、Al,Si,Ni、Na、K、Ag、Fe、Ca、Mg、Zr、Sc、Ti、Mn、Cu、Zn、Sn、Mo、VおよびWのイオンが例示され、タングステン酸イオンのように酸素酸イオンの形で存在していてもよい。
無機酸としては、塩化水素酸、フッ化水素酸、臭化水素酸などのハロゲン化水素酸、塩素酸、過塩素酸、亜塩素酸、次亜塩素酸、硫酸、亜硫酸、硝酸、亜硝酸、リン酸(オルトリン酸)、ポリリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、ウルトラリン酸、次亜リン酸、および過リン酸が例示され、特にハロゲン化水素酸、硫酸、硝酸およびリン酸(オルトリン酸)からなる群から選ばれる一種または二種以上が陰イオンとして含有されることが好ましい。
これらの酸および/または酸イオンの化成処理液中濃度は、特に限定されない。一般的には、3価クロムおよび上記の金属イオンの合計モル濃度に対するこれらの合計の酸換算モル濃度の比率として、0.1〜10であり、好ましくは、0.5〜3である。
無機コロイドとして、シリカゾル、アルミナゾル、チタンゾル、ジルコニアゾルが例示され、シランカップリング剤として、ビニルトリエトキシシランおよびγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが例示される。
有機リン化合物としては、有機ホスホン酸化合物が特に好ましい。本明細書において、「有機ホスホン酸化合物」とは、有機ホスホン酸、有機ホスホン酸イオン、および有機ホスホン酸塩からなる群から選ばれる一種以上からなる化合物を意味し、「有機ホスホン酸」とは、示性式がR−P(=O)(OH)である(Rは有機基)、ホスホン基に有機基が結合したものを意味する。有機ホスホン酸として、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、2−ホスホノブタン1,2,4−トリカルボン酸、アミノ(トリメチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)およびジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)が例示される。これらの有機ホスホン酸の塩として、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸4ナトリウム塩、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸3ナトリウム塩、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)5ナトリウム塩、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)7ナトリウム塩が例示される。これらの塩は化成処理液中ではナトリウムイオンが解離している場合が多い。
なお、本実施形態に係る化成処理液は、従来化成処理液が基本成分の一つとして一般的に含有する水可溶性ジカルボン酸化合物に代えて、水可溶性ヒドロキシカルボン酸系物質を含有することから、水可溶性ヒドロシキカルボン酸化合物以外の水可溶性有機酸化合物を含有しないことが好ましい。しかしながら、6価クロム溶出量を著しく増加させない程度であれば、水可溶性ヒドロキシカルボン酸系物質以外の水可溶性有機酸化合物を含有させてもよい。ただし、この場合においても、水可溶性ジカルボン酸化合物は含有させないことが好ましい。また、本実施形態に係る化成処理液は、有機系樹脂材料やその前駆体(モノマー、オリゴマー等)など有機系の造膜成分を実質的に含有しないことが好ましい。ここで、「実質的」とは、該当成分がごく少量が不可避的に混入する場合を許容する意味である。本実施形態に係る化成処理液は、環境への配慮から、チタン、アルミニウムなどの金属のヘキサフルオロイオンのようなフッ素系の物質も実質的に含有しないことが好ましい。なお、本実施形態に係る化成処理液は、溶出する6価クロム量が少ない化成皮膜を形成するものであるから、水可溶性6価クロム含有物質を実質的に含有しない。
(4)溶媒、pH
本実施形態に係る化成処理液の溶媒は水を主成分とする。水以外の溶媒としてアルコール、エーテル、ケトンなど水への溶解度が高い有機溶媒を混在させてもよい。この場合には、化成処理液全体の安定性の観点から、その比率は全溶媒に対して10体積%以下とすることが好ましい。
また、化成処理液は化成処理を進行させる観点から酸性とされ、したがってpHは7未満とされる。
前述のように、本実施形態に係る化成処理液は水可溶性ジカルボン酸化合物に代えて水可溶性ヒドロキシカルボン酸系物質を含有することから、水可溶性ジカルボン酸化合物を含有する従来化成処理液に比べて、優れた外観および耐食性を備える化成皮膜を安定的に提供しうるpH域が広い。具体的には、従来化成処理液における現実的なpH管理幅は1.0未満であるところ、本実施形態に係る化成処理液は、2近傍から4近傍まで、具体的には2.0以上4.0以下の広い範囲にわたり優れた特性の化成皮膜を安定的に提供することが可能である。
また、本実施形態に係る組成物は、pHを2.5以上3.5以下とすることにより塩化浴により得られた亜鉛めっき上に化成皮膜を形成することに特に適した組成物となり、pHを3.0以上4.0以下とすることによりジンケート浴により得られた亜鉛めっき上に化成皮膜を形成することに特に適した組成物となる。
2.化成処理液を調製するための濃厚組成物
上記の化成処理液の主要成分が5から20倍程度に濃縮された組成を有する流動性を有する組成物(以下、「化成処理用濃厚液」という。)を用意すれば、各成分の含有量を個別に調製する手間が省ける上に、保管が容易であるから、好ましい。この化成処理用濃厚液を調製する場合には、上記の各成分の溶解度も考慮してその含有量に上限が設定される。
具体的には、水可溶性3価クロム含有物質と水可溶性ヒドロキシカルボン酸系物質とを備え、前記水可溶性3価クロム含有物質の全組成物に対するクロム換算モル濃度は0.25mol/L以上であり、前記水可溶性ヒドロキシカルボン酸系物質のヒドロキシカルボン酸換算モル濃度の前記水可溶性3価クロム含有物質のクロム換算モル濃度に対する比が0.4以上2.5未満である水系酸性組成物を化成処理用濃厚液として準備すれば、所定の溶媒、通常は水を用いて5〜20倍の適切な倍率で希釈する工程を含む調製工程によって、上記の本実施形態に係る化成処理液を容易に得ることが実現される。
3.化成皮膜中の6価クロムの分析方法
本実施形態に係る化成処理液から得られた化成皮膜の単位表面積あたりの6価クロム濃度は、EN(European Norm)15205:2006に記載されるジフェニルカルバジッド比色法に基づく、次の分析方法によって求める。
化成皮膜の表面が50±5cmになるように被検部材を切断し、この切断後の部材をビーカーに入れる。このとき、EN15205:2006とは異なり、切断後の部材のあらかじめの加熱は行わず、室温のままとする。イオン交換カラムを通過させることや蒸留などによって1μS/cm未満にされた水55mLをこのビーカーに入れて、沸石は添加せず、ビーカー開口部をフィルムで覆った状態で加熱し、10分間煮沸する。煮沸後、ビーカーを空冷して室温にし、部材を取り出して50mLに定容する。この定容後の溶液に、75%オルソリン酸およびジフェニルカルバジッド溶液をそれぞれ1mL添加する。このジフェニルカルバジッド溶液は、1,5−ジフェニルカルバジッド1.0gを70mLアセトンに溶解し、これを100mLにメスアップすることで調製する。なお、このジフェニルカルバジッド溶液は冷暗所に保管し、調製後4週間以内のもののみを使用する。上記の添加後の液体は10分間静置され、その後、吸光度の測定を行う。一方、クロム酸カリウム0.113gを1000mLの水に溶解させた標準溶液を用意し、これに対して、上記の75%オルソリン酸およびジフェニルカルバジッド溶液をそれぞれ1mL添加し、10分間静置後吸光度を測定する。この標準溶液の吸光度に基づいて試験溶液の6価クロム濃度を算出し、その結果から被検部材の単位面積当たりの6価クロム濃度を求める。
ここで、上記の分析に供する化成皮膜を高温多湿の環境に所定期間暴露して、化成皮膜から6価クロムが溶出しやすい状態としてから分析する。高温多湿環境への暴露としては、具体的には、化成皮膜が形成された部材ごと、80℃で90%RHに保持された恒温槽に72時間保管する。このように6価クロムの形成がある程度促進された状態の化成皮膜を分析することで長期間にわたる溶出抑制の効果を確実に把握することが可能となる。なお、化成皮膜が形成された部材を含む製品は、東南アジアなどにおいて高温多湿環境に置かれる場合もあるため、このような高温多湿環境への暴露は、加速試験だけでなく、現実の使用環境の再現の側面をも有する。
本実施形態に係る水可溶性ヒドロシキカルボン酸化合物を含む化成処理液による化成処理が施された部材に対して、上記の分析前処理としての高温多湿環境への暴露、具体的には80℃で90%RHの環境下に72時間保持を行い、その後上記の分析方法を行うと、単位表面積あたりの6価クロム濃度として0.007μg/cm以下を安定的に得ることが実現される。
このように、本実施形態に係る化成処理液から得られた化成皮膜は、苛酷な環境であっても長期にわたって6価クロムの溶出を抑制することが実現される。
従来化成処理液による処理を行って得られる化成皮膜における単位表面積あたりの6価クロム濃度は、上記の分析前処理および分析方法を行った結果として、典型的には0.025μg/cm程度以上であるから、本実施形態に係る化成処理液を用いる化成処理により、通常の化成皮膜に比べて溶出量を30%以下にすることが実現されることとなる。
なお、他の分析方法、例えばJIS H8625やいわゆるVOLVO法を用いた場合には、溶出処理が異なるため当然に6価クロム濃度として得られる数値は異なる。しかしながら、いずれの分析方法を用いても、本実施形態に係る化成処理液を用いて化成処理を施せば、施さない場合に比べて、6価クロム濃度を大幅に低減させることが実現される。
4.化成処理が行われる部材(被処理部材)
本実施形態に係る化成処理液を用いる化成処理は、3価クロムを含む化成処理液によるクロメート皮膜における6価クロムの溶出を抑制するためのものであるから、化成処理が行われる部材(被処理部材)の素材は、このクロメート皮膜を形成できる金属表面を有する部材であれば特に制限されない。被処理部材の好ましい素材は金属であり、特に、亜鉛系のめっきが施された鋼板が特に好ましい。この亜鉛系めっきの組成は、純亜鉛でもよいし、例えばアルミニウムを含有する亜鉛合金でもよい。めっき方法は電気めっきでも溶融めっきでもよい。電気めっきの場合には、シアン浴、塩化浴、硫酸浴およびジンケート浴のいずれであってもよい。また、溶融めっきの場合には合金化処理がめっき後に施されてもよい。
ここで、本実施形態に係る化成処理液は、電気めっきによる亜鉛めっきの種類によらず、耐食性および外観に優れた化成皮膜を安定的に提供することができる。具体的には、化成処理が施される基材の表面が塩化浴およびジンケート浴のいずれにより形成された亜鉛めっきであっても、耐食性および外観に優れ、かつ長期にわたり6価クロム溶出が抑制された化成皮膜を形成することができる。本実施形態に係る化成処理液から形成された化成皮膜は、リン酸などのリンを含有する無機系酸素酸の金属塩を含有しないことが好ましい。すなわち、本実施形態に係る化成処理液は、リンを含有する無機系酸素酸に基づく成分を造膜成分として含有しないことが好ましい。
以下、本発明の効果を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[実施例1]
(1)試験部材の準備
まず、水可溶性3価クロム化合物として硝酸クロムをクロム換算含有量で0.76mol/L、水可溶性コバルト化合物としての硝酸コバルト(II)6水和物を57g/L、ピロガロールを1g/L、硝酸ナトリウムを100g/Lおよび表1に示される種類の有機酸を1.0mol/L含有する化成処理液用濃厚液を調製した。この濃厚液を100mL/L含有し、硝酸および水酸化ナトリウムを用いてそのpHが3.2に設定された化成処理液を調製した。
Figure 0005838415
続いて、常法に従って電気亜鉛めっき(ジンケート浴)が施された鋼板(5cm×5cm×t1mm、表面積50cm)を水洗した後、硝酸浸漬(67.5%硝酸3ml/L、液温は常温、浸漬時間10秒間)を行うことで表面を活性化させた。この試験部材をさらに常温で10秒間水洗した後、30℃に維持され攪拌されている上記の化成処理液(pHはいずれも3.2)に30秒間浸漬させた。処理液から引き上げた試験部材を、水洗(常温、10秒間)後、80±10℃で10分間乾燥させた。
(2)評価方法
化成処理液用濃厚液および乾燥後の試験部材について以下の評価を行った。
(A)化成処理液用濃厚液の性状
調製された化成処理液用濃厚液を目視で観察し、その性状を次の判定基準で評価した:
A(優):化成処理液用濃厚液には沈殿も浮遊物も認められず、自己分解は認められなかった、
B(良):化成処理液用濃厚液に自己分解は認められないが、長期保存時にガスが発生した、
C(不良):化成処理液用濃厚液を調製した段階で自己分解が生じ、液性状は劣悪であった。
(B)6価クロム溶出量
まず、乾燥後の試験部材を、80℃で90%RHに維持した恒温槽に72時間保管し、化成皮膜からの6価クロムの溶出を促進させた。続いて、前述のEN15205に基づく評価方法により、保管後の試験部材上に形成された化成皮膜に含まれる6価クロムの濃度を測定した。
(C)耐食性
JIS Z2371に準拠して塩水噴霧試験を96時間行い、試験後の試験部材について白錆面積率を測定した。
(D)外観
乾燥後の試験部材の表面の色調を目視で観察し、次の判定基準で評価した:
A(優):青色〜白銀色、
B(良):薄黄色〜黄色、
C(不良):茶色〜紫黒色。
(E)経時変色
上記の6価クロム溶出量の評価のために恒温槽に保管した試験部材の表面の色調を目視で観察し、次の判定基準で評価した:
A(優):青色〜白銀色、
B(良):薄黄色〜黄色、
C(不良):茶色〜紫黒色。
(3)評価結果
評価結果を表1に示す。なお、表中の「−」は、化成処理液の性状が劣悪であったり、化成皮膜の質が劣悪であったりしたため、当該評価について実施することができない、または実施する必要がないことを意味している。
[実施例2]
水可溶性3価クロム化合物として硝酸クロムをクロム換算含有量で0.76mol/L、水可溶性コバルト化合物としての硝酸コバルト(II)6水和物を57g/L、ピロガロールを1g/L、硝酸ナトリウムを100g/Lおよび表2に示される種類の有機酸を1.0mol/L含有する化成処理液用濃厚液を調製した。この濃厚液を100mL/L含有し、硝酸および水酸化ナトリウムを用いてそのpHが3.2に設定された化成処理液を調製した。
Figure 0005838415
常法に従って電気亜鉛めっき(ジンケート浴)が施された鋼板(5cm×5cm×t1mm、表面積50cm)を水洗した後、硝酸浸漬(67.5%硝酸3ml/L、液温は常温、浸漬時間10秒間)を行うことで表面を活性化させた。この試験部材をさらに常温で10秒間水洗した後、30℃に維持され攪拌されている上記の化成処理液(pHはいずれも3.2)に30秒間浸漬させた。処理液から引き上げた試験部材を、水洗(常温、10秒間)後、80±10℃で10分間乾燥させた。
得られた試験部材に対して、実施例1と同様の評価を行った。
評価結果を表2に示す。
[実施例3]
水可溶性3価クロム化合物として硝酸クロムをクロム換算含有量で0.76mol/L、水可溶性コバルト化合物としての硝酸コバルト(II)6水和物を57g/L、ピロガロールを1g/L、硝酸ナトリウムを100g/Lおよび乳酸を表3に示される濃度で含有する化成処理液用濃厚液を調製した。この濃厚液を100mL/L含有し、硝酸および水酸化ナトリウムを用いてそのpHが3.2に設定された化成処理液を調製した。
Figure 0005838415
常法に従って電気亜鉛めっき(ジンケート浴)が施された鋼板(5cm×5cm×t1mm、表面積50cm)を水洗した後、硝酸浸漬(67.5%硝酸3ml/L、液温は常温、浸漬時間10秒間)を行うことで表面を活性化させた。この試験部材をさらに常温で10秒間水洗した後、30℃に維持され攪拌されている上記の化成処理液(pHはいずれも3.2)に30秒間浸漬させた。処理液から引き上げた試験部材を、水洗(常温、10秒間)後、80±10℃で10分間乾燥させた。
得られた試験部材に対して、実施例1と同様の評価を行った。ただし、塩水噴霧試験の試験時間は72時間とした。
評価結果を表3に示す。
[実施例4]
水可溶性3価クロム化合物として硝酸クロムをクロム換算含有量で0.76mol/L、水可溶性コバルト化合物としての硝酸コバルト(II)6水和物を57g/L、および硝酸ナトリウムを100g/Lならびに表4に示されるように有機酸および必要に応じピロガロールを含有する化成処理液用濃厚液を調製した。この濃厚液を100mL/L含有し、硝酸および水酸化ナトリウムを用いてそのpHが3.2に設定された化成処理液を調製した。
Figure 0005838415
常法に従って電気亜鉛めっき(ジンケート浴)が施された鋼板(5cm×5cm×t1mm、表面積50cm)を水洗した後、硝酸浸漬(67.5%硝酸3ml/L、液温は常温、浸漬時間10秒間)を行うことで表面を活性化させた。この試験部材をさらに常温で10秒間水洗した後、30℃に維持され攪拌されている上記の化成処理液(pHはいずれも3.2)に30秒間浸漬させた。処理液から引き上げた試験部材を、水洗(常温、10秒間)後、80±10℃で10分間乾燥させた。
得られた試験部材に対して、実施例1と同様の評価を行った。ただし、塩水噴霧試験の試験時間は72時間とした。
評価結果を表4に示す。
[実施例5]
水可溶性3価クロム化合物として硝酸クロムをクロム換算含有量で0.76mol/L、水可溶性コバルト化合物としての硝酸コバルト(II)6水和物をコバルト換算濃度で表5に示される量、ピロガロールを1g/L、硝酸ナトリウムを100g/Lおよび乳酸を1.0mol/L含有する化成処理液用濃厚液を調製した。この濃厚液を100mL/L含有し、硝酸および水酸化ナトリウムを用いてそのpHが3.2に設定された化成処理液を調製した。
Figure 0005838415
常法に従って電気亜鉛めっき(ジンケート浴)が施された鋼板(5cm×5cm×t1mm、表面積50cm)を水洗した後、硝酸浸漬(67.5%硝酸3ml/L、液温は常温、浸漬時間10秒間)を行うことで表面を活性化させた。この試験部材をさらに常温で10秒間水洗した後、30℃に維持され攪拌されている上記の化成処理液(pHはいずれも3.2)に30秒間浸漬させた。処理液から引き上げた試験部材を、水洗(常温、10秒間)後、80±10℃で10分間乾燥させた。
得られた試験部材に対して、実施例1と同様の評価を行った。ただし、塩水噴霧試験の試験時間は72時間とした。
評価結果を表5に示す。

Claims (5)

  1. 水可溶性3価クロム含有物質と水可溶性ヒドロキシカルボン酸系物質とを備える水系酸性組成物であって、
    前記水可溶性3価クロム含有物質の全組成物に対するクロム換算モル濃度は0.05mol/L以上であり、
    前記水可溶性ヒドロキシカルボン酸系物質のヒドロキシカルボン酸換算モル濃度の前記水可溶性3価クロム含有物質のクロム換算モル濃度に対する比が1.2以上2.2以下であり、
    前記水可溶性ヒドロキシカルボン酸系物質を与えるヒドロキシカルボン酸は、炭素数が4以下の脂肪族モノヒドロキシモノカルボン酸であり、
    pHが2.5以上3.8以下であ
    ことを特徴とする化成処理のための組成物。
  2. 全組成物に対して、コバルト換算で2mmol/L以上50mmol/L以下の水可溶性コバルト含有物質を含有する請求項1記載の組成物。
  3. 全組成物に対して、ピロガロール換算で0.05g/L以上3.0g/L以下のピロガロール化合物を含有する請求項1記載の組成物。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載される組成物を亜鉛系めっきが施された部材に接触させることによって、亜鉛系めっき上に化成皮膜を備える部材を得ることを特徴とする化成皮膜を備える部材の製造方法。
  5. 請求項1から3のいずれかに記載される組成物を製造する際に使用しうる水系酸性組成物であって、水可溶性3価クロム含有物質と水可溶性ヒドロキシカルボン酸系物質とを備え、前記水可溶性3価クロム含有物質の全組成物に対するクロム換算モル濃度は0.25mol/L以上であり、前記水可溶性ヒドロキシカルボン酸系物質のヒドロキシカルボン酸換算モル濃度の前記水可溶性3価クロム含有物質のクロム換算モル濃度に対する比が1.2以上2.2以下であり、前記水可溶性ヒドロキシカルボン酸系物質を与えるヒドロキシカルボン酸は、炭素数が4以下の脂肪族モノヒドロキシモノカルボン酸であり、pHが2.5以上3.8以下であることを特徴とする組成物。
JP2012518652A 2011-04-01 2012-03-30 化成処理のための組成物およびその組成物により形成された化成皮膜を備える部材の製造方法 Active JP5838415B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012518652A JP5838415B2 (ja) 2011-04-01 2012-03-30 化成処理のための組成物およびその組成物により形成された化成皮膜を備える部材の製造方法

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011081716 2011-04-01
JP2011081716 2011-04-01
PCT/JP2012/058532 WO2012137677A1 (ja) 2011-04-01 2012-03-30 化成処理のための組成物およびその組成物により形成された化成皮膜を備える部材の製造方法
JP2012518652A JP5838415B2 (ja) 2011-04-01 2012-03-30 化成処理のための組成物およびその組成物により形成された化成皮膜を備える部材の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2012137677A1 JPWO2012137677A1 (ja) 2014-07-28
JP5838415B2 true JP5838415B2 (ja) 2016-01-06

Family

ID=46969078

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012518652A Active JP5838415B2 (ja) 2011-04-01 2012-03-30 化成処理のための組成物およびその組成物により形成された化成皮膜を備える部材の製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5838415B2 (ja)
WO (1) WO2012137677A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6216936B2 (ja) * 2013-01-24 2017-10-25 ユケン工業株式会社 反応型化成処理用酸性組成物および化成皮膜をその表面に備える部材の製造方法
WO2016021461A1 (ja) * 2014-08-04 2016-02-11 シチズンホールディングス株式会社 皮革又は革製品およびこれらの製造方法、6価クロム処理剤、粗皮革又は粗革製品中の6価クロムの処理方法
WO2022209019A1 (ja) * 2021-03-31 2022-10-06 ユケン工業株式会社 化成処理液および化成皮膜をその表面に備える部材の製造方法
JP7133889B1 (ja) * 2021-03-31 2022-09-09 ユケン工業株式会社 化成処理液および化成皮膜をその表面に備える部材の製造方法

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1081976A (ja) * 1996-09-05 1998-03-31 Nisshin Steel Co Ltd クロメ−ト処理液および処理方法
JP2004346360A (ja) * 2003-05-21 2004-12-09 Okuno Chem Ind Co Ltd 黒色化成皮膜形成用組成物
JP2005126797A (ja) * 2003-10-27 2005-05-19 Dipsol Chem Co Ltd 3価クロメート液及びそれを用いた亜鉛ニッケル合金めっき上に6価クロムフリー耐食性皮膜を形成する方法
JP2005240084A (ja) * 2004-02-25 2005-09-08 Nitto Seiko Co Ltd 三価クロメート鍍金システム
JP2008255407A (ja) * 2007-04-04 2008-10-23 Okuno Chem Ind Co Ltd 黒色化成皮膜形成用組成物
JP2009149926A (ja) * 2007-12-19 2009-07-09 Dipsol Chem Co Ltd 亜鉛又は亜鉛合金めっき上に3価クロム化成処理皮膜を形成させるための3価クロム化成処理液
WO2009132344A2 (en) * 2008-04-25 2009-10-29 Henkel Ag & Co. Kgaa Trichrome passivates for treating galvanized steel
JP2009299179A (ja) * 2008-06-17 2009-12-24 Pangang Group Research Inst Co Ltd シリカゾルを含む組成物及びその製造方法及びこの組成物を使用した自己潤滑性亜鉛めっき金属材料
JP2010529300A (ja) * 2007-06-14 2010-08-26 アトテック・ドイチュラント・ゲーエムベーハー 化成層の防食処理
JP2010196174A (ja) * 2009-01-30 2010-09-09 Yuken Industry Co Ltd 化成処理のための組成物およびその組成物による化成皮膜を備える部材
JP4568863B2 (ja) * 2007-09-03 2010-10-27 ユケン工業株式会社 化成処理のための組成物およびその処理により形成された化成皮膜を有する部材

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4145016B2 (ja) * 2001-01-31 2008-09-03 日本パーカライジング株式会社 亜鉛系メッキ鋼板用防錆処理剤および亜鉛系メッキ鋼板
JP5061395B2 (ja) * 2004-02-24 2012-10-31 日本表面化学株式会社 亜鉛又は亜鉛−ニッケル合金めっき用六価クロムフリー被膜形成剤及び形成方法
JP2007162098A (ja) * 2005-12-15 2007-06-28 Nippon Parkerizing Co Ltd 水系金属表面処理剤、表面処理方法及び表面処理金属材料

Patent Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1081976A (ja) * 1996-09-05 1998-03-31 Nisshin Steel Co Ltd クロメ−ト処理液および処理方法
JP2004346360A (ja) * 2003-05-21 2004-12-09 Okuno Chem Ind Co Ltd 黒色化成皮膜形成用組成物
JP2005126797A (ja) * 2003-10-27 2005-05-19 Dipsol Chem Co Ltd 3価クロメート液及びそれを用いた亜鉛ニッケル合金めっき上に6価クロムフリー耐食性皮膜を形成する方法
JP2005240084A (ja) * 2004-02-25 2005-09-08 Nitto Seiko Co Ltd 三価クロメート鍍金システム
JP2008255407A (ja) * 2007-04-04 2008-10-23 Okuno Chem Ind Co Ltd 黒色化成皮膜形成用組成物
JP2010529300A (ja) * 2007-06-14 2010-08-26 アトテック・ドイチュラント・ゲーエムベーハー 化成層の防食処理
JP4568863B2 (ja) * 2007-09-03 2010-10-27 ユケン工業株式会社 化成処理のための組成物およびその処理により形成された化成皮膜を有する部材
JP2009149926A (ja) * 2007-12-19 2009-07-09 Dipsol Chem Co Ltd 亜鉛又は亜鉛合金めっき上に3価クロム化成処理皮膜を形成させるための3価クロム化成処理液
WO2009132344A2 (en) * 2008-04-25 2009-10-29 Henkel Ag & Co. Kgaa Trichrome passivates for treating galvanized steel
JP2011518953A (ja) * 2008-04-25 2011-06-30 ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン 亜鉛めっきスチールを処理するための3価クロム不動態化剤
JP2009299179A (ja) * 2008-06-17 2009-12-24 Pangang Group Research Inst Co Ltd シリカゾルを含む組成物及びその製造方法及びこの組成物を使用した自己潤滑性亜鉛めっき金属材料
JP2010196174A (ja) * 2009-01-30 2010-09-09 Yuken Industry Co Ltd 化成処理のための組成物およびその組成物による化成皮膜を備える部材

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2012137677A1 (ja) 2014-07-28
WO2012137677A1 (ja) 2012-10-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2672871C (en) Surface pretreatment fluid for the metal to be coated by cationic electrodeposition
JP6026016B2 (ja) 亜鉛めっき鋼板用表面処理組成物、亜鉛めっき鋼板の表面処理方法及び亜鉛めっき鋼板
JP5622247B2 (ja) 鉄系部材上にクロムを含有する化成皮膜を形成するための水系酸性組成物およびその組成物により形成された化成皮膜を有する鉄系部材
JP4845064B2 (ja) 化成処理のための組成物およびその組成物による化成皮膜を備える部材
CN105779984A (zh) 一种适用于铝合金的无铬钝化剂
TW200406472A (en) Corrosion resistant trivalent chromium phosphated chemical conversion coatings
JP5838415B2 (ja) 化成処理のための組成物およびその組成物により形成された化成皮膜を備える部材の製造方法
US20190145009A1 (en) Conversion coatings for metal surfaces
EP3305942B1 (en) Insulating coating film for electromagnetic steel sheet
JP6216936B2 (ja) 反応型化成処理用酸性組成物および化成皮膜をその表面に備える部材の製造方法
US9915006B2 (en) Reactive-type chemical conversion treatment composition and production method of member with chemical conversion coated surface
WO2012035917A1 (ja) 化成皮膜の仕上げ剤およびその製造方法
WO2013183644A1 (ja) アルミ変性コロイダルシリカを含有した3価クロム化成処理液
CN107338429B (zh) 高耐蚀三价铬镀锌钝化剂及其制备方法
US20220411934A1 (en) Passivation composition and method for depositing a chromium-comprising passivation layer on a zinc or zinc-nickel coated substrate
EP2784188B2 (en) Process for corrosion protection of iron containing materials
JP2012062577A (ja) 化成皮膜の仕上げ剤およびその製造方法
WO2022167624A1 (en) Method for depositing a chromium-comprising passivation layer on a zinc-comprising coating
WO2021198429A1 (en) Method for forming a black-passivation layer on a zinc-iron alloy and black-passivation composition
JP5194217B2 (ja) 化成皮膜の仕上げ剤およびその製造方法
JP2022521646A (ja) 水性後処理組成物及び腐食保護のための方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140501

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150113

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150309

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150908

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150916

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5838415

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250