JP2004345272A - 積層フィルム - Google Patents

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有理 窪田
Hagumu Takada
育 高田
Takashi Mimura
尚 三村
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Abstract

【課題】水蒸気と酸素のバリア性の両立のみならず、積層膜と基材フィルムとの接着性や耐熱性にも優れた積層フィルムを提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に、芳香族ポリアミドおよび/または芳香族ポリイミド(A)、ならびに無機系層状化合物(B)からなる積層膜を設けてなり、その配合割合(A/B)が固形分重量比で95/5〜20/80である積層フィルムである。その無機系層状化合物(B)としては膨潤性無機層状ケイ酸塩が用いられる。この積層膜は、上記(A)及び(B)を含有する双極性非プロトン溶媒の溶液の塗布により形成される。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は積層フィルムに関し、詳しくは、水蒸気と酸素のバリア性の両立のみならず、積層膜と基材フィルムとの接着性や耐熱性にも優れた積層フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリエステルやポリオレフィンなどの汎用熱可塑性樹脂からなるフィルムは、その透明性、機械的特性、電気的特性などから磁気記録材料、電気絶縁材料、コンデンサ用材料、包装材料、写真、グラフィック、感熱転写などの各種工業材料として使用されている。
【0003】
また、芳香族ポリアミドに代表される高機能性樹脂からなるフィルムは、高い耐熱性や寸法安定性、機械的強度、ガスバリア性、不燃性などの特長を持ち、高密度の磁気記録媒体やフレキシブルプリント基板などに使用されている。
【0004】
しかし、上記した一般的な熱可塑性樹脂フィルムには、熱によって軟化あるいは溶融しかつ燃焼しやすいなどの熱的欠点やガスバリア性の不十分さがあり、一方の芳香族ポリアミドのような高機能性樹脂からなるフィルムは、通常湿式製膜法により生産されるため生産性が悪く非常に高価なフィルムとなり、その用途が限定されている。
【0005】
そこで、これらの欠点を補うために、両者の貼合わせや塗布による積層体(特許文献1参照)、界面の接着性を改善した耐熱樹脂積層フィルムの製造方法(特許文献2参照)などが提案されている。
一方、主に包装材料用途において、無機層状化合物は水溶性高分子などと併用されて塗膜を形成しガスバリア性フィルムを得る手法が提案されている(特許文献3参照)。
【0006】
【特許文献1】特開平1−97638号公報
【特許文献2】特開2000−177003号公報
【特許文献3】特開平9−150484号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記した耐熱樹脂積層フィルムではガスバリア性が不十分であり、また、前記した従来のガスバリア性フィルムは耐熱性や積層膜と基材フィルムとの接着性等が不十分であるという欠点があった。そこで、本発明はこのような欠点を改良し、水蒸気と酸素のバリア性がともに優れ、しかも、積層膜と基材フィルムとの接着性や耐熱性にも優れた積層フィルムを提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、本発明の積層フィルムは、熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に、芳香族ポリアミドおよび/または芳香族ポリイミド(A)、ならびに無機系層状化合物(B)からなる積層膜を設けてなり、その配合割合(A/B)が固形分重量比で95/5〜20/80であることを特徴とする。
また、その積層フィルムにおいて、無機系層状化合物(B)が膨潤性無機層状ケイ酸塩であることを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明における熱可塑性樹脂フィルムは、溶融押し出し可能で、かつ二軸延伸により結晶配向可能な熱可塑性樹脂からなるフィルムである。二軸配向しているとは、未延伸、すなわち結晶配向が完了する前の熱可塑性樹脂フィルムを長手方向および幅方向にそれぞれ2.5〜5.0倍程度延伸し、その後熱処理により結晶配向を完了させたものであり、広角X線回折で二軸配向のパターンを示すものをいう。本発明における熱可塑性樹脂フィルムは積層膜が設けられた状態で二軸配向されたものである。
【0010】
その熱可塑性樹脂フィルムの具体例としては、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリフェニレンスルフィドなどの一般的な熱可塑性樹脂からなる二軸配向フィルムであり、特にポリエステルフィルムが透明性、寸法安定性、機械的特性、および、積層膜との接着性などの点で好ましい。好ましいポリエステルとしては、特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンナフタレートなどが挙げられ、これらの2種以上が混合されたものであってもよい。また、これらと他のジカルボン酸成分やジオール成分が共重合されたものであってもよいが、この場合は、結晶配向が完了したフィルムにおいて、その結晶化度が25%以上、好ましくは30%以上、更に好ましくは35%以上のものが好ましい。結晶化度が25%未満の場合には、寸法安定性や機械的強度、ガスバリア性が不十分となりやすい。
【0011】
また内層と表層の2層以上の複合体フィルムであってもよい。例えば、内層部に実質的に粒子を含有せず、表層部に粒子を含有させた層を設けた複合体フィルム、内層部に粗大粒子を有し、表層部に微細粒子を含有させた積層体フィルム、内層部が微細な気泡を含有した層であって表層部は実質的に気泡を含有しない複合体フィルムなどが挙げられる。また、上記複合体フィルムは、内層部と表層部が異種のポリマーであっても同種のポリマーであってもよい。
【0012】
上述したポリエステルを使用する場合には、その極限粘度(25℃のo−クロロフェノール中で測定)は0.4〜1.2dl/gが好ましく、0.5〜0.8dl/gであるのがより好ましい。このポリエステル中には、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、有機および無機の粒子、顔料、染料、充填剤、帯電防止剤および核剤などが、本発明の効果を損なわない範囲で添加されていてもよい。
【0013】
本発明の積層フィルムの総厚みは、特に限定されるものではなく、本発明のフィルムが使用される用途に応じて適宜選択されるが、機械的強度、ハンドリング性、生産性などの点から、好ましくは10〜250μm、より好ましくは20〜200μmである。
【0014】
本発明においては、熱可塑性樹脂フィルム(基材フィルム)の少なくとも片面に、芳香族ポリアミドおよび/または芳香族ポリイミド(A)、ならびに無機系層状化合物(B)からなる積層膜が積層される。この積層膜は、それら(A)及び(B)を双極性非プロトン溶媒に溶解した塗液を基材フィルムの片面に塗布することによって形成することができる。この双極性非プロトン溶媒の一例としては、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキシドなどを挙げることができる。これら双極性非プロトン溶媒に溶解させた塗液を用いることが基材フィルムとの接着において有利に働く。
【0015】
本発明における積層膜を構成する一成分の芳香族ポリアミドおよび/または芳香族ポリイミド(A)としては、具体的には、芳香族ポリアミド系樹脂、芳香族ポリイミド系樹脂およびその前駆体、また、ポリアミドイミド系樹脂およびその前駆体をいう。そのガラス転移点が200℃以上であること、および/または300℃以下に融点または分解点を持たないことが好ましい。特に、基材フィルムとしてポリエステルフィルムを選択した場合には、積層膜との接着性、ガスバリア性、耐熱特性、寸法安定性、再溶解による回収性などの点で芳香族ポリアミドが好適である。
【0016】
芳香族ポリアミドとしては、次の一般式Iで表される繰り返し単位および/または一般式IIで表される繰り返し単位を単独あるいは共重合の形で50モル%以上、好ましくは70モル%以上含むものであるのが望ましい。
【0017】
【化1】
Figure 2004345272
【0018】
ここで、Ar、Ar、Arとしては、例えば下記の一般式に示すような基が挙げられる。
【0019】
【化2】
Figure 2004345272
【0020】
式中のX、Yは、−O−、−CH−、−CO−、−SO−、−S−、−C(CH−などから選ばれるが、これらに限定されるものではない。更に、これらの芳香環上の水素原子の一部が塩素、フッ素、臭素などのハロゲン基(特に塩素基が好ましい)、ニトロ基、メチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基(特にメチル基が好ましい)、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などのアルコキシ基などの置換基で置換されているものも含み、また重合体を構成するアミド結合中の水素が他の置換基によって置換されているものも含むものである。
【0021】
特に、上記一般式IIの芳香環Arがパラ位で結合されたものが、全芳香環の50モル%以上、より好ましくは70モル%以上を占める重合体が、耐熱性、寸法安定性の点で好ましい。また、芳香環上の水素原子の一部が塩素、フッ素、臭素などのハロゲン基(特に塩素基が好ましい)、ニトロ基、メチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基(特にメチル基が好ましい)、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などのアルコキシ基などの置換基で置換された芳香環が全体の30モル%以上、好ましくは50%モル以上であると、耐湿性、吸湿での寸法安定性などが改善されるので好ましい。
【0022】
本発明においては、一般式Iで表される繰り返し単位および/または一般式IIで表される繰り返し単位が50モル%以上、好ましくは70モル%以上である芳香族ポリアミドを用いることが望ましいが、それら一般式I、IIの共重合割合が上記値未満の他の共重合体や他のポリマーが混合されてもよい。
【0023】
本発明における積層膜を構成する他成分の無機系層状化合物(B)とは、極薄の単位結晶層が重なって一つの板状粒子を形成している無機粒子のことであり、溶媒に膨潤・へき開するものが好ましい。これらの中でも特に溶媒への膨潤性を持つ膨潤性無機層状ケイ酸塩が好ましく用いられる。本発明における溶媒への膨潤性を持つ膨潤性無機層状ケイ酸塩は、極薄の単位結晶層間に溶媒が配位され、吸収・膨潤する性質を有するものであり、一般には、Si4+がO2−に対して配位し4面体構造を構成する層と、Al3+、Mg2+、Fe2+、Fe3+、Li等がO2−またはOHまたはFに対して配位し8面体構造を構成する層とが、1対1あるいは2対1で結合し積み重なって層状構造を構成しており、天然のものであっても合成されたものであってもよい。代表的なものとしては、モンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、カオリナイト、ハロイサイト、バーミキュライト、ディッカイト、ナクライト、アンチゴライト、パイロフィライト、マーガライト、タルク、テトラシリリックマイカ、マイカ、テニオライト、白雲母、金雲母、緑泥石等が挙げられる。また、合成されたものの場合、層間イオンが1〜3価の金属塩のみならず、各種有機アミン類で置換されたタイプを用いてもよい。
【0024】
本発明における積層膜において、芳香族ポリアミドおよび/または芳香族ポリイミド(A)と無機系層状化合物(B)との割合(A/B)は、固形分重量比で95/5〜20/80である必要がある。A/Bの範囲は、より好ましくは90/10〜25/75、さらに好ましくは85/15〜30/70である。芳香族ポリアミドおよび/または芳香族ポリイミド(A)の量が少な過ぎると耐熱性や基材フィルムとの接着性が低下し、また、無機系層状化合物(B)の量が少な過ぎるとガスバリア性が低下する。
【0025】
また、積層膜の厚みは、0.1〜6μmが好ましく、より好ましくは0.3〜5μmである。該厚みが薄すぎると耐熱性やガスバリア性が不足する場合があり、厚すぎると生産性や基材フィルムとの接着性が不足する場合がある。
【0026】
本発明の積層フィルムにおける積層膜中には、本発明の効果が損なわれない範囲内で、他の添加剤や樹脂、架橋剤などが含有されていてもよい。例えば、有機粒子、無機系層状化合物以外の無機粒子(例えばシリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナゾル、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、カーボンブラック、ゼオライト、酸化チタン、金属微粉末など)、酸化防止剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、帯電防止剤、核剤、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ゴム系樹脂、ワックス、メラミン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、メチロール化またはアルキロール化された尿素系架橋剤、エポキシ架橋剤、イソシアネート架橋剤、アジリジン架橋剤、アクリルアミド、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤などを挙げることができる。
【0027】
本発明の積層フィルムにおける基材フィルムとなる熱可塑性樹脂フィルムの部分は、熱可塑性樹脂を溶融押出してシート状にした後、一軸延伸もしくは二軸延伸を行い、その後に熱処理する方法によって製造することができる。また、その基材フィルムの片面に積層された積層膜の部分は、芳香族ポリアミドおよび/または芳香族ポリイミド(A)、ならびに無機系層状化合物(B)を双極性非プロトン溶媒に溶解した塗液を基材フィルムの表面に塗布する手段によって形成されるが、その塗液は、基材フィルムの結晶配向が完了する前に塗布してもよいし、二軸に結晶配向が完了した基材フィルムに塗布してもよい。特に、結晶配向が完了する前に塗布する方法は、積層膜と基材フィルムとの接着性が著しく向上するので好ましく用いられる。
【0028】
次に、本発明の積層フィルムを製造する方法についてさらに具体的に説明するが、これに限定されるものではない。
【0029】
ポリエステルペレットを真空乾燥した後、溶融押出機に供給し200〜300℃で溶融してT字型口金よりシート状に溶融状態で押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度10〜60℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付けて、冷却固化せしめて未延伸フィルムを作製する。続いて、この未延伸フィルムを60〜120℃に加熱されたロール間で縦方向(フィルムの進行方向)に2.5〜5倍延伸する。続いて、このフィルムの少なくとも片面にコロナ放電処理を施し、積層膜形成用の塗液を塗布する。さらに続いて、この塗布されたフィルムをクリップで把持して70〜150℃に加熱された熱風ゾーンに導き、乾燥した後、幅方向に2.5〜5倍延伸し、引き続き150〜250℃の熱処理ゾーンに導き、1〜30秒間の熱処理を行う。この熱処理工程中で、必要に応じて幅方向あるいは長手方向に3〜12%の弛緩処理を施してもよい。なお、二軸延伸は、上記した縦、横逐次延伸の他に同時二軸延伸で行ってもよく、また、縦、横延伸後、縦、横いずれかの方向に再延伸する方法によって行ってもよい。
【0030】
本発明の積層フィルムは、特にガスバリア性や、積層膜と基材フィルムとの接着性や、耐熱性などが良好であることが要求される用途に好適である。例えば、カード用、ラベル用、写真、OHP、感熱転写やインクジェット、オフセット印刷などの受容シート基材、ハードコートフィルム、包装材料用、磁気記録媒体用、各種工業材料用、建築材料用、電気絶縁材料用などに用いることができる。
【0031】
【実施例】
次に、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明はこれに限定されない。
【0032】
[特性の測定方法および効果の評価方法]
本発明における特性の測定方法及び効果の評価方法は次の通りである。
(1)積層膜の厚み
透過型電子顕微鏡H−7100FA型((株)日立製作所製)を用い、積層フィルムの横断面を観察した電子顕微鏡写真から求めた。厚みは測定視野内の3点の平均値とした。
【0033】
(2)接着性
積層フィルムを40℃相対湿度80%で12時間調湿した後、積層膜表面上に1mmのクロスカットを100個入れ、その上にポリエステル粘着テープ(日東電工(株)製、No.31B)を貼り付けた後、ゴムローラーで圧着させ、その後、テープを90℃方向に急激に剥離して、積層フィルム側に残存した積層膜の個数を次の基準で評価し、「◎」「○」を良好とした。
◎:90〜100個、 ○:80〜89個、 △:50〜79個、 ×:0〜49個
【0034】
(4)水蒸気バリア性
透湿度測定装置(PARMATRAN−W3/30、モダンコントロール社製)を用いて水蒸気透過率を測定した。測定条件は40℃相対湿度100%である。基材フィルムが38μm厚みのとき、10(g/(m・day))以下を良好とした。
【0035】
(3)酸素バリア性
酸素透過率測定装置(OX−TRAN2/20、モダンコントロール社製)を用いて酸素透過率を測定した。測定条件は20℃相対湿度80%である。基材フィルムが38μm厚みのとき、10(ml/(m・day))以下を良好とした。
【0036】
(積層膜形成用塗液)
全芳香族ポリアミドフィルム“ミクトロン”(東レ(株)製)をN−メチル−2−ピロリドンに固形分濃度5重量%となるように50℃で溶解して常温まで冷却し、塗液Aを作成した。次に、無機系層状化合物として有機アミン置換マイカのN−メチル−2−ピロリドン分散液(トピー工業(株)製、固形分濃度約5重量%)(塗液B)を、塗液Aと固形分重量比が50/50になるように混合して積層膜形成用塗液とした。
【0037】
(実施例1)
平均粒径0.4μmのコロイダルシリカを0.015重量%、平均粒径1.5μmのコロイダルシリカを0.005重量%含有するポリエチレンテレフタレート(PET)チップを真空乾燥した後、溶融押出機に供給して280℃で溶融しT字型口金よりシート状に溶融状態で押し出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度25℃の鏡面キャスティングドラムに巻き付けて冷却固化して未延伸フィルムとした。この未延伸フィルムを78℃に加熱して長手方向に3.3倍延伸し、一軸延伸フィルムとした。次にこの一軸延伸フィルムの片面に、空気中でコロナ放電処理を施し、30℃に保温した積層膜形成用塗液(濃度約5重量%)をダイコート法で塗布した。塗液が塗布された一軸延伸フィルムをクリップで把持しながら予熱ゾーンに導き、90℃で乾燥後、引き続き連続的に100℃の加熱ゾーンで幅方向に3.3倍延伸し、更に加熱ゾーンで220℃で熱処理を施して積層フィルム(基材フィルム厚みが38μm、積層膜厚みが0.5μm)を作製した。得られたフィルムの評価結果は表1の通りであり、接着性及びガスバリア性がともに優れていた。
【0038】
(実施例2)
芳香族ポリアミドと無機系層状化合物との固形分重量比が75/25となるような割合で前記塗液Aと前記塗液Bとを混合して積層膜形成用塗液とした。この塗液を用い、積層膜の厚みを4μmと変更した以外は、実施例1と同様にして、積層フィルム(基材フィルム厚み38μm)を作製した。得られたフィルムの評価結果は表1の通りであり、接着性及びガスバリア性がともに優れていた。
【0039】
(実施例3)
芳香族ポリアミドと無機系層状化合物との固形分重量比が90/10となるような割合で前記塗液Aと前記塗液Bとを混合して積層膜形成用塗液とした。この塗液を用い、積層膜の厚みを2μmと変更した以外は、実施例1と同様にして、積層フィルム(基材フィルム厚み38μm)を作製した。得られたフィルムの評価結果は表1の通りであり、接着性及びガスバリア性がともに優れていた。
【0040】
(実施例4)
芳香族ポリアミドと無機系層状化合物との固形分重量比が25/75となるような割合で前記塗液Aと前記塗液Bとを混合して積層膜形成用塗液とした。この塗液を用い、積層膜の厚みを3μmと変更した以外は、実施例1と同様にして、積層フィルム(基材フィルム厚み38μm)を作製した。得られたフィルムの評価結果は表1の通りであり、接着性及びガスバリア性がともに優れていた。
【0041】
(実施例5)
実施例1において、積層膜形成用塗液の代わりに、水分散ポリエステル液(“バイロナール”MD1100(東洋紡績(株)製)(濃度 約5重量%))を、フィルムの片面にバーコート法で塗布した以外は、実施例1と同様にして二軸延伸PETフィルム(ポリエステル塗布層の厚み0.05μm)を作製した。この二軸延伸PETフィルムのポリエステル塗布層の表面に、実施例1と同じ積層膜形成用塗液を塗布し、120℃で2分間の乾燥後、次に220℃で1分間の乾燥を施して、積層フィルム(基材フィルム厚み38μm、積層膜厚み1μm)を作製した。得られたフィルムの評価結果は表1の通りであり、接着性及びガスバリア性がともに優れていた。
【0042】
(比較例1)
厚み38μmの二軸配向PETフィルム(“ルミラー”T60(東レ(株)製))についてガスバリア性の評価を行った。なお、積層膜が設けられていないこのフィルムでは接着性の評価は行わなかった。ガスバリア性の評価結果は表1の通り、不十分なものであった。
【0043】
(比較例2)
積層膜形成用塗液として前記塗液Aのみからなるものを使用した以外は、実施例1と同様にして、積層フィルム(基材フィルム厚み38μm)を作製した。得られたフィルムの評価結果は表1の通りであり、ガスバリア性が不十分なものであった。
【0044】
(比較例3)
芳香族ポリアミドと無機系層状化合物との固形分重量比が15/85となるような割合で前記塗液Aと前記塗液Bとを混合して積層膜形成用塗液とした。この塗液を用いた以外は実施例3と同様にして積層フィルムを作製した。得られたフィルムの評価結果は表1の通りであり、ガスバリア性が不十分なものであった。
【0045】
【表1】
Figure 2004345272
【0046】
【発明の効果】
本発明によると、水蒸気と酸素のバリア性がともに優れ、しかも、積層膜と基材フィルムとの接着性や耐熱性にも優れた積層フィルムとすることができる。

Claims (2)

  1. 熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に、芳香族ポリアミドおよび/または芳香族ポリイミド(A)、ならびに無機系層状化合物(B)からなる積層膜を設けてなり、その配合割合(A/B)が固形分重量比で95/5〜20/80であることを特徴とする積層フィルム。
  2. 無機系層状化合物(B)が膨潤性無機層状ケイ酸塩であることを特徴とする請求項1に記載の積層フィルム。
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