JP2004339283A - エマルジョン組成物および基材の処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】安定性に優れ十分な可使時間を確保することができ、加熱処理によって基材上等に撥水性等に優れた被膜等の架橋硬化物を容易に形成することができる基材処理液を与えるエマルジョン組成物、および基材の処理方法提供する。
【解決手段】(A) ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン: 100重量部、
(B) 硫黄原子を有する有機スズ化合物: 0.01〜30重量部、および
(C) 界面活性剤: 0.5〜50重量部
を含むエマルジョン組成物、並びに、
該エマルジョン組成物を基材に適用し、得られた前記基材を 50〜250℃の温度に加熱する、基材の処理方法。
【選択図】 なし
【解決手段】(A) ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン: 100重量部、
(B) 硫黄原子を有する有機スズ化合物: 0.01〜30重量部、および
(C) 界面活性剤: 0.5〜50重量部
を含むエマルジョン組成物、並びに、
該エマルジョン組成物を基材に適用し、得られた前記基材を 50〜250℃の温度に加熱する、基材の処理方法。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面処理剤等として繊維、紙、木材、建材等の各種基材に適用することができる安定性が良好なエマルジョン組成物、および前記基材の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
繊維製品等の各種基材に撥水性等を付与することを目的として、反応性に富むケイ素原子に結合した水素原子(以下、「SiH」という)を有するオルガノポリシロキサンの架橋硬化物を用いること、架橋硬化反応触媒としてジブチルスズジラウレート等の有機スズ化合物を用いること、並びに、前記架橋硬化反応が水分および酸素の存在下で2個のSiHからSi−O−Si結合が形成される反応であることは公知である(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
一方、アルコキシシリル基を有する湿気硬化型シーリング材の薄層部の硬化促進を向上できる有機溶液系プライマー組成物の配合成分として、硫黄原子を有する有機スズ化合物を用いること(特許文献1参照)、耐熱性等の向上を目的として塩化ビニル系樹脂に安定化剤として硫黄原子を有する有機スズ化合物を配合すること(特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6参照)等のように、硫黄原子を有する有機スズ化合物を樹脂組成物の成分として使用することも知られている。
【0004】
しかしながら、架橋性オルガノポリシロキサンの水性エマルジョンの保存安定性を向上させるために、硫黄原子を有する有機スズ化合物を用いることが有効であるということは知られていない。
【0005】
【非特許文献1】
伊藤邦雄編「シリコーンハンドブック」(1990年8月31日、日刊工業新聞発行)第132頁、第250頁
【特許文献1】
特開2003−73617号公報
【特許文献2】
特開平11−310679号公報
【特許文献3】
特開平10−287783号公報
【特許文献4】
特開平9−157430号公報
【特許文献5】
特開平9−59466号公報
【特許文献6】
特開平8−253645号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、繊維等の各種基材に撥水性等を付与するために、SiHを有するオルガノポリシロキサンを用いる場合、各種基材に適用する処理液として、通常、水性エマルジョンを調製する。しかし、上記オルガノポリシロキサンと触媒であるジブチルスズジラウレート等の有機スズ化合物が共存すると、室温でも上記オルガノポリシロキサンの架橋硬化反応が進行し、前記処理液中に架橋硬化反応生成物であるゲルが生じて析出しやすくなることから、前記処理液は調製後に短時間のうちに使用しなければならず、十分な可使時間(ポットライフ)が確保できないという制約があった。
そこで、本発明の主たる課題は、上記オルガノポリシロキサンと触媒とを含み、安定性が向上した上記エマルジョンを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討を行った結果、触媒として硫黄原子を有する有機スズ化合物を用いると、室温付近では触媒活性が低く、加熱処理条件下では効果的な触媒活性を示すことを見出し、該知見に基づいて本発明を完成させるに至った。
【0008】
即ち、本発明は、第一に、
(A) ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン: 100重量部、
(B) 硫黄原子を有する有機スズ化合物: 0.01〜30重量部、および
(C) 界面活性剤: 0.5〜50重量部
を含むエマルジョン組成物を提供する。
【0009】
また、本発明は、第二に、
上記エマルジョン組成物を基材に適用し、得られた前記基材を 50〜250℃の温度に加熱する、基材の処理方法を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
エマルジョン組成物
【0011】
[(A) SiH含有オルガノポリシロキサン]
(A)成分は、本発明組成物の主剤であり、SiHを1分子中に少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンである。
この(A)成分としては、例えば、直鎖状または環状のオルガノポリシロキサンが挙げられる。なお、前記オルガノポリシロキサンは、本発明の目的を損なわない範囲内で、一部に分岐構造を有するものであっても差し支えない。
上記直鎖状のオルガノポリシロキサンとしては、下記一般式(1):
【0012】
【化1】
(式中、Rは独立にアルケニル基以外の非置換もしくは置換の炭素原子数1〜20、好ましくは1〜6の1価炭化水素基、Xは独立に水素原子または前記Rと同じであり、mは1〜10,000、好ましくは1〜1,000の整数、nは0〜1,000、好ましくは0〜100の整数であり、m+nの和は1〜11,000、好ましくは1〜1,100の整数である。但し、n=0であるとき、Xは水素原子であり、また、n=1であるとき、少なくとも1個のXは水素原子である。)
で表されるものを挙げることができる。
また、環状のオルガノポリシロキサンとしては、下記一般式(2):
【0013】
【化2】
(式中、Rは独立にアルケニル基以外の非置換もしくは置換の炭素原子数1〜20、好ましくは1〜6の1価炭化水素基であり、pは2〜10、好ましくは2〜5の整数、qは0〜8、好ましくは0〜5の整数であり、p+qの和は3〜10、好ましくは3〜8の整数である。)
で表されるものを挙げることができる。
【0014】
上記各式中、Rとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基等のアルキル基;フェニル基、o−,m−,p−トリル基、1−,2−ナフチル基、3−,4−ビフェニル基等のアリール基;ベンジル基、2−フェニルエチル基等のアラルキル基;およびこれらの基の水素原子の1つ以上が、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等のハロゲン原子で置換された基、例えば、フルオロメチル基、3−フルオロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等が挙げられる。これらの中でもメチル基が好ましく、また、全Rの 90モル%以上がメチル基であることが好ましい。
【0015】
上記一般式(1)中のmが 10,000を超えるか、または、m+nの和が 11,000を超えると目的とするエマルジョンの分散安定性が低下する場合がある。また、nが 1,000を超えるオルガノポリシロキサンは製造が困難である。
上記一般式(1)で表されるオルガノポリシロキサンの具体例としては、以下のようなものが例示されるが、これに限定されるものではない。なお、以下、メチル基を「Me」と記載する。
【0016】
【化3】
(式中、nは2〜1,000の整数)
【0017】
【化4】
(式中、mは1〜10,000の整数、nは2〜1,000の整数)
【0018】
【化5】
(式中、mは1〜10,000の整数、nは1〜1,000の整数)
【0019】
【化6】
(式中、mは1〜10,000の整数)
また、上記一般式(2)で表される環状のオルガノポリシロキサンの具体例としては、以下のようなものが例示されるが、これに限定されるものではない。
【0020】
【化7】
(式中、pは3〜10の整数)
【0021】
【化8】
(式中、pは2〜9の整数、qは1〜8の整数、p+q=3〜10の整数)
【0022】
なお、この(A)成分は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。また、上記直鎖状のオルガノポリシロキサンと上記環状のオルガノポリシロキサンとの組み合わせであっても差し支えない。
本発明においては、この(A)成分を後記(B)成分と一緒にしてエマルジョン組成物を形成する前に、後記界面活性剤を用いて、予め(A)成分のエマルジョンを調製しておくことが好ましい。
【0023】
[(B)硫黄原子を有する有機スズ化合物]
上述のとおり、本発明の特徴とするところは、上記(A)成分のSiHを有するオルガノポリシロキサンの架橋硬化反応を促進するための触媒として、(B)成分である硫黄原子を有する有機スズ化合物を採用した点にある。この(B)成分は、従来からSiHを有するオルガノポリシロキサンの架橋硬化反応のために使用されていた有機スズ化合物とは異なり、特に硫黄原子を分子内に有する点に特徴があり、前記架橋硬化反応に関して、室温付近の比較的低温では触媒活性が低く、高温条件下で触媒活性が発揮されるとの性能を有する。
【0024】
この(B)成分としては、スズ原子に炭素原子が直接結合しており、更に分子内に硫黄原子を有する分子構造のものであれば、特に制限なく用いることができる。
(B)成分の好ましい具体例としては、下記一般式(3):
【0025】
【化9】
X1aSn(−S−Y−COO−Z)b (3)
(式中、X1およびZは独立に炭素原子数1〜20、好ましくは2〜16のアルキル基、Yは炭素原子数1〜10、好ましくは1〜6の2価アルキレン基であり、aは1または2の整数、bは2または3の整数であり、a+bの和は4である。)
で表されるエステル結合を有する化合物を挙げることができる。
【0026】
上記X1の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。これらの中でも、好ましくはブチル基およびオクチル基である。
上記Zの具体例としては、X1と同様であるが、中でも好ましくは、ノニル基およびオクチル基である。
【0027】
上記Yの具体例としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは、メチレン基およびエチレン基である。
【0028】
上記一般式(3)で表される硫黄原子を有する有機スズ化合物としては、具体的には、以下のものが例示されるが、これに限定されるものではない。
(n−C4H9)2Sn(−S−CH2−COO−n−C8H17)2
(n−C4H9) Sn(−S−CH2−COO−n−C8H17)3
(n−C4H9)2Sn(−S−C2H4−COO−n−C8H17)2
(n−C4H9) Sn(−S−C2H4−COO−n−C8H17)3
(n−C4H9)2Sn(−S−CH2−COO−n−C9H19)2
(n−C4H9) Sn(−S−CH2−COO−n−C9H19)3
(n−C4H9)2Sn(−S−C2H4−COO−n−C9H19)2
(n−C4H9) Sn(−S−C2H4−COO−n−C9H19)3
(n−C8H17)2Sn(−S−CH2−COO−n−C8H17)2
(n−C8H17) Sn(−S−CH2−COO−n−C8H17)3
(n−C8H17)2Sn(−S−C2H4−COO−n−C8H17)2
(n−C8H17) Sn(−S−C2H4−COO−n−C8H17)3
(n−C8H17)2Sn(−S−CH2−COO−n−C9H19)2
(n−C8H17) Sn(−S−CH2−COO−n−C9H19)3
(n−C8H17)2Sn(−S−C2H4−COO−n−C9H19)2
(n−C8H17) Sn(−S−C2H4−COO−n−C9H19)3
なお、(B)成分は一種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
【0029】
(B)成分の使用量は、固形分中、上記(A)成分 100重量部に対して 0.01〜30重量部、好ましくは 0.1〜20重量部、より好ましくは 0.5〜15重量部である。前記使用量が少なすぎれば、触媒として有効に機能せず、また、逆に多すぎても触媒としての効果は特に変わらず、コスト面で不利となる。
本発明においては、この(B)成分についても、上記(A)成分と同様に、後記界面活性剤を用いて、予め(B)成分のエマルジョンを調製しておくことが好ましい。
【0030】
[(C)界面活性剤]
(C)成分の界面活性剤は、上記(A)および上記(B)成分を含む水性エマルジョンを形成するために用いられるものであり、この界面活性剤としては、特に制限はなく公知のものを全て使用することができる。また、該(C)成分は、上述のとおり上記(A)成分のエマルジョン、および上記(B)成分のエマルジョンを調製する際にも使用される。
【0031】
(C)成分としては、例えば、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル燐酸塩等のアニオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤;第4級アンモニウム塩、アルキルアミン酢酸塩等のカチオン系界面活性剤;アルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤等を挙げることができる。
【0032】
これらの中でも、本発明の目的とするエマルジョン組成物、上記(A)成分のエマルジョン、および上記(B)成分のエマルジョンの分散安定性が良好であることから、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等のノニオン系界面活性剤を用いることが好ましい。このノニオン系界面活性剤の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンノニルエーテル、ポリオキシエチレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル等が挙げられる。
なお、(C)成分の界面活性剤は1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
【0033】
(C)成分の本発明のエマルジョン組成物中における使用量は、固形分中、上記(A)成分 100重量部に対して 0.5〜50重量部、好ましくは 1〜20重量部である。前記使用量が少なすぎれば、エマルジョンを得ることが困難であり、また、逆に多すぎると(A)成分の架橋硬化反応によって得られる基材上の硬化被膜等の撥水性が阻害される。なお、(C)成分の前記使用量は、上記のとおり、予め(A)成分のエマルジョンおよび/または(B)成分のエマルジョンを調製する際に使用した(C)成分の使用量を含む全量である。
【0034】
[その他の配合成分]
本発明の組成物に、上記(A)〜(C)成分に加えて、更に、(A)成分中のSiHと縮合反応する官能基を2個以上有する化合物を配合することは任意である。前記官能基としては、例えば、水酸基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基が挙げられる。前記官能基含有化合物としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、両末端シラノール基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端メトキシシリル基封鎖ジメチルポリシロキサン等が挙げられる。該官能基含有化合物を配合する場合には、その使用量は、(A)成分 100重量部に対して、0.1〜1000重量部程度である。なお、該官能基含有化合物は、本発明のエマルジョン組成物を調製する際に(A)成分と一緒に添加することが好ましい。該官能基含有化合物の配合により、(A)成分の架橋硬化反応に要する時間や、得られる架橋硬化物の架橋密度を適度に調整することが可能となる場合がある。
【0035】
[エマルジョン組成物の調製等]
本発明の組成物は水性のエマルジョン組成物であり、これには上記(A)〜(C)成分、場合により前記成分に加えて上記他の配合成分が含まれる。これらの成分の合計量は、処理対象である基材によって異なり、特に制限されないが、水 100重量部に対して、通常、0.1〜500重量部、好ましくは 0.2〜30重量部、より好ましくは 0.5〜10重量部の範囲とするのがよい。前記全成分の使用量を前記範囲とすることにより、基材の処理をより簡便とし、(A)成分の架橋硬化反応を効果的に行わせることができる。
【0036】
本発明のエマルジョン組成物の調製方法としては、特に制限されず、公知のエマルジョン調製方法が採用できる。例えば、上記各配合成分を水(純水、イオン交換水等)に投入し、ホモミキサー、ホモジナイザー、コロイドミル等の装置を用いて、均一で安定なエマルジョンが得られるまで十分に攪拌または処理すればよい。また、必要に応じpH調整剤を添加しても差し支えない。
【0037】
エマルジョンの調製に要する時間を短縮することができ、均一分散性が良好なエマルジョンが容易に得られることから、上記のとおり、(A)成分のエマルジョン、および(B)成分のエマルジョンを予め調製しておくことが好ましい。
本発明のエマルジョン組成物は、特に、各種基材の撥水剤として有用であり、また、無機もしくは有機物質のバインダー等としても広く応用することが可能である。
【0038】
基材の処理方法
本発明のエマルジョン組成物を用いて、各種基材を処理し、基材の表面、或いは、基材の表面および内部に、上記(A)成分のSiH含有オルガノポリシロキサンの架橋硬化反応生成物である硬化被膜もしくは基材内に浸透した状態の硬化物を形成することができる。
処理対象となる基材は、特に、制限されないが、例えば、天然繊維もしくは合成繊維からなる糸、不織布、織編物等;各種紙類;木材、建材類等が挙げられる。
【0039】
本発明方法では、先ず、上記エマルジョン組成物を、浸漬、或いは、パッディング(たんぽすり)、刷毛塗り、ロールコート、スプレー塗布、ナイフコート等の公知の塗工法により基材に適用する。必要に応じて、これにより得られた前記基材から過剰分の処理液を除去し、また、必要に応じて室温付近の温度で乾燥させ、次いで 50〜250℃、好ましくは 70〜200℃、より好ましくは 100〜180℃の範囲内の温度に加熱する。該加熱処理工程において、(B)成分の硫黄原子を有する有機スズ化合物の触媒作用が発揮されて、(A)成分であるSiHを有するオルガノポリシロキサンの架橋硬化反応が進行する。
【0040】
前記加熱温度が低すぎると上記(B)成分の触媒活性が十分に発揮されず、架橋硬化反応の進行が不十分となり、基材との密着性に富む良好な硬化被膜等を得ることが困難となり、また、逆に高すぎても架橋硬化反応速度を更に向上させる効果はなく、不経済であるとともに、基材を劣化させる恐れもあることから好ましくない。
本発明の方法により、特に、基材の撥水化処理を効果的に行うことができる。
【0041】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものではない。なお、表1の「処理液」および「成分組成」の欄に記載の数は、「重量部」を意味する。
【0042】
(調製例1)
(A)下記一般式:
Me3Si−O−[Me(H)SiO]38−SiMe3
で示されるSiHを有するオルガノポリシロキサン:600g、および(C)ポリオキシエチレンデシルエーテル(オキシエチレン繰り返し単位数=7):15gを、ポリエチレン製容器(2L)に加え、ホモミキサーで撹拌しながらイオン交換水:385gを徐々に添加した。次いで、ホモジナイザーを用いて 30MPaで処理した。その後、酢酸 0.1gを加えてpHを調整し、エマルジョン(A)を得た。
【0043】
(調製例2)
(B1)下記一般式:
(n−C4H9)2Sn(−S−C2H4−COO−n−C9H19)2
で示される硫黄原子を有する有機スズ化合物:300g、および(C)ポリオキシエチレンラウリルエーテル(オキシエチレン繰り返し単位数=9):30gを、ポリエチレン製容器(2L)に加え、ホモミキサーで撹拌しながらイオン交換水:670gを徐々に添加した。次いで、ホモジナイザーを用いて 100MPaで処理し、エマルジョン(B1)を得た。
【0044】
(調製例3)
調製例2に記載の(B1)有機スズ化合物に代えて、(B2)下記一般式:
(n−C4H9)2Sn(−S−CH2−COO−n−C8H17)2
で示される化合物を用いること以外は、調整例2と同様にしてエマルジョン(B2)を得た。
【0045】
(比較調製例)
調製例2に記載の(B1)有機スズ化合物に代えて、(BX)下記一般式:
(n−C8H17)2Sn(−OCO−n−C11H23)2
で示される硫黄原子を有しない化合物を用いること以外は、調整例2と同様にして比較用エマルジョン(BX)を得た。
【0046】
[実施例1−3、比較例1−3]
上記調製例により得られた、SiHを有するオルガノポリシロキサンのエマルジョン(A)と、有機スズ化合物のエマルジョン(B1)、(B2)または(BX)と、イオン交換水とを、表1の「処理液」の欄に記載の配合割合で混合し、処理液を作成した。
得られた各処理液中に含まれる固形分について、表1の「成分組成」の欄に、上記(A)成分を100重量部として、これに対する上記(B1),(B2)および(BX)成分、並びに(C)成分の組成割合を記載した。
【0047】
<評価手法>
[処理液安定性]
各処理液の 100gを、200mlのビーカーに入れてアルミホイルでふたをした状態で、室温で1週間放置した。次いで、各処理液の表面状態を観察した。
エマルジョンの状態に何ら変化が認められない場合について、処理液の安定性が良好であると評価し、表1に○で表示した。多少でもゲル状物が生じており、エマルジョンが不均一となっている場合について、処理液の安定性が不良であると評価し、表1に×で表示した。
【0048】
[処理布撥水性]
各処理液中に綿ブロード布を浸漬した。各処理液により十分に濡れた前記布を取り出して、絞り率が 100%(即ち、処理液残量が布と同量)となるようにマングルで絞った。
その後、前記各布を、(1)150℃の温度に3分間、もしくは(2)80℃の温度に 30分間放置して加熱処理し、または、(3)室温に8時間放置して乾燥させた。
【0049】
前記各条件で処理した布について、JIS L−1092(スプレー法)に準じて、処理布の撥水性を評価した。測定結果を表1に記載した。
なお、表1の「処理布撥水性」に記載した数値が 70〜100のものは撥水性が良好であり、50を超え70未満のものは撥水性がやや不良であり、また、0〜50のものは撥水性が不良(撥水効果なし)と評価される。
【0050】
【表1】
【0051】
[評価]
上記結果から、架橋硬化反応触媒として硫黄原子を含まない有機スズ化合物(BX)を用いた比較例1および比較例2の処理液は、室温で放置すると架橋ゲルが生じ、エマルジョンの安定性が不良であることが分かる。また、前記処理液を適用した処理布は、室温に放置して乾燥させるのみでも撥水性を示し、(A)成分の架橋硬化反応が進行していることが分かる。触媒を配合していない比較例3のものは、エマルジョンの安定性は良好であるが、処理布を高温で処理しても撥水性を示さず、(A)成分の架橋硬化反応が全く生じていないことが分かる。
【0052】
【発明の効果】
本発明のエマルジョン組成物は、SiHを有するオルガノポリシロキサンの架橋硬化反応を促進する触媒として、硫黄原子を有する有機スズ化合物を採用したことにより、前記化合物を含有した状態における室温での保存安定性に優れ、十分なポットライフを確保することができる。また、本発明のエマルジョン組成物を各種基材に適用し、加熱することにより、前記化合物が触媒活性を発揮して前記架橋硬化反応を効果的に進行させ架橋硬化物が形成され、これにより基材に撥水性等の所望の特性を付与することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面処理剤等として繊維、紙、木材、建材等の各種基材に適用することができる安定性が良好なエマルジョン組成物、および前記基材の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
繊維製品等の各種基材に撥水性等を付与することを目的として、反応性に富むケイ素原子に結合した水素原子(以下、「SiH」という)を有するオルガノポリシロキサンの架橋硬化物を用いること、架橋硬化反応触媒としてジブチルスズジラウレート等の有機スズ化合物を用いること、並びに、前記架橋硬化反応が水分および酸素の存在下で2個のSiHからSi−O−Si結合が形成される反応であることは公知である(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
一方、アルコキシシリル基を有する湿気硬化型シーリング材の薄層部の硬化促進を向上できる有機溶液系プライマー組成物の配合成分として、硫黄原子を有する有機スズ化合物を用いること(特許文献1参照)、耐熱性等の向上を目的として塩化ビニル系樹脂に安定化剤として硫黄原子を有する有機スズ化合物を配合すること(特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6参照)等のように、硫黄原子を有する有機スズ化合物を樹脂組成物の成分として使用することも知られている。
【0004】
しかしながら、架橋性オルガノポリシロキサンの水性エマルジョンの保存安定性を向上させるために、硫黄原子を有する有機スズ化合物を用いることが有効であるということは知られていない。
【0005】
【非特許文献1】
伊藤邦雄編「シリコーンハンドブック」(1990年8月31日、日刊工業新聞発行)第132頁、第250頁
【特許文献1】
特開2003−73617号公報
【特許文献2】
特開平11−310679号公報
【特許文献3】
特開平10−287783号公報
【特許文献4】
特開平9−157430号公報
【特許文献5】
特開平9−59466号公報
【特許文献6】
特開平8−253645号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、繊維等の各種基材に撥水性等を付与するために、SiHを有するオルガノポリシロキサンを用いる場合、各種基材に適用する処理液として、通常、水性エマルジョンを調製する。しかし、上記オルガノポリシロキサンと触媒であるジブチルスズジラウレート等の有機スズ化合物が共存すると、室温でも上記オルガノポリシロキサンの架橋硬化反応が進行し、前記処理液中に架橋硬化反応生成物であるゲルが生じて析出しやすくなることから、前記処理液は調製後に短時間のうちに使用しなければならず、十分な可使時間(ポットライフ)が確保できないという制約があった。
そこで、本発明の主たる課題は、上記オルガノポリシロキサンと触媒とを含み、安定性が向上した上記エマルジョンを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討を行った結果、触媒として硫黄原子を有する有機スズ化合物を用いると、室温付近では触媒活性が低く、加熱処理条件下では効果的な触媒活性を示すことを見出し、該知見に基づいて本発明を完成させるに至った。
【0008】
即ち、本発明は、第一に、
(A) ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン: 100重量部、
(B) 硫黄原子を有する有機スズ化合物: 0.01〜30重量部、および
(C) 界面活性剤: 0.5〜50重量部
を含むエマルジョン組成物を提供する。
【0009】
また、本発明は、第二に、
上記エマルジョン組成物を基材に適用し、得られた前記基材を 50〜250℃の温度に加熱する、基材の処理方法を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
エマルジョン組成物
【0011】
[(A) SiH含有オルガノポリシロキサン]
(A)成分は、本発明組成物の主剤であり、SiHを1分子中に少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンである。
この(A)成分としては、例えば、直鎖状または環状のオルガノポリシロキサンが挙げられる。なお、前記オルガノポリシロキサンは、本発明の目的を損なわない範囲内で、一部に分岐構造を有するものであっても差し支えない。
上記直鎖状のオルガノポリシロキサンとしては、下記一般式(1):
【0012】
【化1】
(式中、Rは独立にアルケニル基以外の非置換もしくは置換の炭素原子数1〜20、好ましくは1〜6の1価炭化水素基、Xは独立に水素原子または前記Rと同じであり、mは1〜10,000、好ましくは1〜1,000の整数、nは0〜1,000、好ましくは0〜100の整数であり、m+nの和は1〜11,000、好ましくは1〜1,100の整数である。但し、n=0であるとき、Xは水素原子であり、また、n=1であるとき、少なくとも1個のXは水素原子である。)
で表されるものを挙げることができる。
また、環状のオルガノポリシロキサンとしては、下記一般式(2):
【0013】
【化2】
(式中、Rは独立にアルケニル基以外の非置換もしくは置換の炭素原子数1〜20、好ましくは1〜6の1価炭化水素基であり、pは2〜10、好ましくは2〜5の整数、qは0〜8、好ましくは0〜5の整数であり、p+qの和は3〜10、好ましくは3〜8の整数である。)
で表されるものを挙げることができる。
【0014】
上記各式中、Rとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基等のアルキル基;フェニル基、o−,m−,p−トリル基、1−,2−ナフチル基、3−,4−ビフェニル基等のアリール基;ベンジル基、2−フェニルエチル基等のアラルキル基;およびこれらの基の水素原子の1つ以上が、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等のハロゲン原子で置換された基、例えば、フルオロメチル基、3−フルオロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等が挙げられる。これらの中でもメチル基が好ましく、また、全Rの 90モル%以上がメチル基であることが好ましい。
【0015】
上記一般式(1)中のmが 10,000を超えるか、または、m+nの和が 11,000を超えると目的とするエマルジョンの分散安定性が低下する場合がある。また、nが 1,000を超えるオルガノポリシロキサンは製造が困難である。
上記一般式(1)で表されるオルガノポリシロキサンの具体例としては、以下のようなものが例示されるが、これに限定されるものではない。なお、以下、メチル基を「Me」と記載する。
【0016】
【化3】
(式中、nは2〜1,000の整数)
【0017】
【化4】
(式中、mは1〜10,000の整数、nは2〜1,000の整数)
【0018】
【化5】
(式中、mは1〜10,000の整数、nは1〜1,000の整数)
【0019】
【化6】
(式中、mは1〜10,000の整数)
また、上記一般式(2)で表される環状のオルガノポリシロキサンの具体例としては、以下のようなものが例示されるが、これに限定されるものではない。
【0020】
【化7】
(式中、pは3〜10の整数)
【0021】
【化8】
(式中、pは2〜9の整数、qは1〜8の整数、p+q=3〜10の整数)
【0022】
なお、この(A)成分は、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。また、上記直鎖状のオルガノポリシロキサンと上記環状のオルガノポリシロキサンとの組み合わせであっても差し支えない。
本発明においては、この(A)成分を後記(B)成分と一緒にしてエマルジョン組成物を形成する前に、後記界面活性剤を用いて、予め(A)成分のエマルジョンを調製しておくことが好ましい。
【0023】
[(B)硫黄原子を有する有機スズ化合物]
上述のとおり、本発明の特徴とするところは、上記(A)成分のSiHを有するオルガノポリシロキサンの架橋硬化反応を促進するための触媒として、(B)成分である硫黄原子を有する有機スズ化合物を採用した点にある。この(B)成分は、従来からSiHを有するオルガノポリシロキサンの架橋硬化反応のために使用されていた有機スズ化合物とは異なり、特に硫黄原子を分子内に有する点に特徴があり、前記架橋硬化反応に関して、室温付近の比較的低温では触媒活性が低く、高温条件下で触媒活性が発揮されるとの性能を有する。
【0024】
この(B)成分としては、スズ原子に炭素原子が直接結合しており、更に分子内に硫黄原子を有する分子構造のものであれば、特に制限なく用いることができる。
(B)成分の好ましい具体例としては、下記一般式(3):
【0025】
【化9】
X1aSn(−S−Y−COO−Z)b (3)
(式中、X1およびZは独立に炭素原子数1〜20、好ましくは2〜16のアルキル基、Yは炭素原子数1〜10、好ましくは1〜6の2価アルキレン基であり、aは1または2の整数、bは2または3の整数であり、a+bの和は4である。)
で表されるエステル結合を有する化合物を挙げることができる。
【0026】
上記X1の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。これらの中でも、好ましくはブチル基およびオクチル基である。
上記Zの具体例としては、X1と同様であるが、中でも好ましくは、ノニル基およびオクチル基である。
【0027】
上記Yの具体例としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは、メチレン基およびエチレン基である。
【0028】
上記一般式(3)で表される硫黄原子を有する有機スズ化合物としては、具体的には、以下のものが例示されるが、これに限定されるものではない。
(n−C4H9)2Sn(−S−CH2−COO−n−C8H17)2
(n−C4H9) Sn(−S−CH2−COO−n−C8H17)3
(n−C4H9)2Sn(−S−C2H4−COO−n−C8H17)2
(n−C4H9) Sn(−S−C2H4−COO−n−C8H17)3
(n−C4H9)2Sn(−S−CH2−COO−n−C9H19)2
(n−C4H9) Sn(−S−CH2−COO−n−C9H19)3
(n−C4H9)2Sn(−S−C2H4−COO−n−C9H19)2
(n−C4H9) Sn(−S−C2H4−COO−n−C9H19)3
(n−C8H17)2Sn(−S−CH2−COO−n−C8H17)2
(n−C8H17) Sn(−S−CH2−COO−n−C8H17)3
(n−C8H17)2Sn(−S−C2H4−COO−n−C8H17)2
(n−C8H17) Sn(−S−C2H4−COO−n−C8H17)3
(n−C8H17)2Sn(−S−CH2−COO−n−C9H19)2
(n−C8H17) Sn(−S−CH2−COO−n−C9H19)3
(n−C8H17)2Sn(−S−C2H4−COO−n−C9H19)2
(n−C8H17) Sn(−S−C2H4−COO−n−C9H19)3
なお、(B)成分は一種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
【0029】
(B)成分の使用量は、固形分中、上記(A)成分 100重量部に対して 0.01〜30重量部、好ましくは 0.1〜20重量部、より好ましくは 0.5〜15重量部である。前記使用量が少なすぎれば、触媒として有効に機能せず、また、逆に多すぎても触媒としての効果は特に変わらず、コスト面で不利となる。
本発明においては、この(B)成分についても、上記(A)成分と同様に、後記界面活性剤を用いて、予め(B)成分のエマルジョンを調製しておくことが好ましい。
【0030】
[(C)界面活性剤]
(C)成分の界面活性剤は、上記(A)および上記(B)成分を含む水性エマルジョンを形成するために用いられるものであり、この界面活性剤としては、特に制限はなく公知のものを全て使用することができる。また、該(C)成分は、上述のとおり上記(A)成分のエマルジョン、および上記(B)成分のエマルジョンを調製する際にも使用される。
【0031】
(C)成分としては、例えば、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル燐酸塩等のアニオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤;第4級アンモニウム塩、アルキルアミン酢酸塩等のカチオン系界面活性剤;アルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤等を挙げることができる。
【0032】
これらの中でも、本発明の目的とするエマルジョン組成物、上記(A)成分のエマルジョン、および上記(B)成分のエマルジョンの分散安定性が良好であることから、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等のノニオン系界面活性剤を用いることが好ましい。このノニオン系界面活性剤の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンノニルエーテル、ポリオキシエチレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル等が挙げられる。
なお、(C)成分の界面活性剤は1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
【0033】
(C)成分の本発明のエマルジョン組成物中における使用量は、固形分中、上記(A)成分 100重量部に対して 0.5〜50重量部、好ましくは 1〜20重量部である。前記使用量が少なすぎれば、エマルジョンを得ることが困難であり、また、逆に多すぎると(A)成分の架橋硬化反応によって得られる基材上の硬化被膜等の撥水性が阻害される。なお、(C)成分の前記使用量は、上記のとおり、予め(A)成分のエマルジョンおよび/または(B)成分のエマルジョンを調製する際に使用した(C)成分の使用量を含む全量である。
【0034】
[その他の配合成分]
本発明の組成物に、上記(A)〜(C)成分に加えて、更に、(A)成分中のSiHと縮合反応する官能基を2個以上有する化合物を配合することは任意である。前記官能基としては、例えば、水酸基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基が挙げられる。前記官能基含有化合物としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、両末端シラノール基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端メトキシシリル基封鎖ジメチルポリシロキサン等が挙げられる。該官能基含有化合物を配合する場合には、その使用量は、(A)成分 100重量部に対して、0.1〜1000重量部程度である。なお、該官能基含有化合物は、本発明のエマルジョン組成物を調製する際に(A)成分と一緒に添加することが好ましい。該官能基含有化合物の配合により、(A)成分の架橋硬化反応に要する時間や、得られる架橋硬化物の架橋密度を適度に調整することが可能となる場合がある。
【0035】
[エマルジョン組成物の調製等]
本発明の組成物は水性のエマルジョン組成物であり、これには上記(A)〜(C)成分、場合により前記成分に加えて上記他の配合成分が含まれる。これらの成分の合計量は、処理対象である基材によって異なり、特に制限されないが、水 100重量部に対して、通常、0.1〜500重量部、好ましくは 0.2〜30重量部、より好ましくは 0.5〜10重量部の範囲とするのがよい。前記全成分の使用量を前記範囲とすることにより、基材の処理をより簡便とし、(A)成分の架橋硬化反応を効果的に行わせることができる。
【0036】
本発明のエマルジョン組成物の調製方法としては、特に制限されず、公知のエマルジョン調製方法が採用できる。例えば、上記各配合成分を水(純水、イオン交換水等)に投入し、ホモミキサー、ホモジナイザー、コロイドミル等の装置を用いて、均一で安定なエマルジョンが得られるまで十分に攪拌または処理すればよい。また、必要に応じpH調整剤を添加しても差し支えない。
【0037】
エマルジョンの調製に要する時間を短縮することができ、均一分散性が良好なエマルジョンが容易に得られることから、上記のとおり、(A)成分のエマルジョン、および(B)成分のエマルジョンを予め調製しておくことが好ましい。
本発明のエマルジョン組成物は、特に、各種基材の撥水剤として有用であり、また、無機もしくは有機物質のバインダー等としても広く応用することが可能である。
【0038】
基材の処理方法
本発明のエマルジョン組成物を用いて、各種基材を処理し、基材の表面、或いは、基材の表面および内部に、上記(A)成分のSiH含有オルガノポリシロキサンの架橋硬化反応生成物である硬化被膜もしくは基材内に浸透した状態の硬化物を形成することができる。
処理対象となる基材は、特に、制限されないが、例えば、天然繊維もしくは合成繊維からなる糸、不織布、織編物等;各種紙類;木材、建材類等が挙げられる。
【0039】
本発明方法では、先ず、上記エマルジョン組成物を、浸漬、或いは、パッディング(たんぽすり)、刷毛塗り、ロールコート、スプレー塗布、ナイフコート等の公知の塗工法により基材に適用する。必要に応じて、これにより得られた前記基材から過剰分の処理液を除去し、また、必要に応じて室温付近の温度で乾燥させ、次いで 50〜250℃、好ましくは 70〜200℃、より好ましくは 100〜180℃の範囲内の温度に加熱する。該加熱処理工程において、(B)成分の硫黄原子を有する有機スズ化合物の触媒作用が発揮されて、(A)成分であるSiHを有するオルガノポリシロキサンの架橋硬化反応が進行する。
【0040】
前記加熱温度が低すぎると上記(B)成分の触媒活性が十分に発揮されず、架橋硬化反応の進行が不十分となり、基材との密着性に富む良好な硬化被膜等を得ることが困難となり、また、逆に高すぎても架橋硬化反応速度を更に向上させる効果はなく、不経済であるとともに、基材を劣化させる恐れもあることから好ましくない。
本発明の方法により、特に、基材の撥水化処理を効果的に行うことができる。
【0041】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものではない。なお、表1の「処理液」および「成分組成」の欄に記載の数は、「重量部」を意味する。
【0042】
(調製例1)
(A)下記一般式:
Me3Si−O−[Me(H)SiO]38−SiMe3
で示されるSiHを有するオルガノポリシロキサン:600g、および(C)ポリオキシエチレンデシルエーテル(オキシエチレン繰り返し単位数=7):15gを、ポリエチレン製容器(2L)に加え、ホモミキサーで撹拌しながらイオン交換水:385gを徐々に添加した。次いで、ホモジナイザーを用いて 30MPaで処理した。その後、酢酸 0.1gを加えてpHを調整し、エマルジョン(A)を得た。
【0043】
(調製例2)
(B1)下記一般式:
(n−C4H9)2Sn(−S−C2H4−COO−n−C9H19)2
で示される硫黄原子を有する有機スズ化合物:300g、および(C)ポリオキシエチレンラウリルエーテル(オキシエチレン繰り返し単位数=9):30gを、ポリエチレン製容器(2L)に加え、ホモミキサーで撹拌しながらイオン交換水:670gを徐々に添加した。次いで、ホモジナイザーを用いて 100MPaで処理し、エマルジョン(B1)を得た。
【0044】
(調製例3)
調製例2に記載の(B1)有機スズ化合物に代えて、(B2)下記一般式:
(n−C4H9)2Sn(−S−CH2−COO−n−C8H17)2
で示される化合物を用いること以外は、調整例2と同様にしてエマルジョン(B2)を得た。
【0045】
(比較調製例)
調製例2に記載の(B1)有機スズ化合物に代えて、(BX)下記一般式:
(n−C8H17)2Sn(−OCO−n−C11H23)2
で示される硫黄原子を有しない化合物を用いること以外は、調整例2と同様にして比較用エマルジョン(BX)を得た。
【0046】
[実施例1−3、比較例1−3]
上記調製例により得られた、SiHを有するオルガノポリシロキサンのエマルジョン(A)と、有機スズ化合物のエマルジョン(B1)、(B2)または(BX)と、イオン交換水とを、表1の「処理液」の欄に記載の配合割合で混合し、処理液を作成した。
得られた各処理液中に含まれる固形分について、表1の「成分組成」の欄に、上記(A)成分を100重量部として、これに対する上記(B1),(B2)および(BX)成分、並びに(C)成分の組成割合を記載した。
【0047】
<評価手法>
[処理液安定性]
各処理液の 100gを、200mlのビーカーに入れてアルミホイルでふたをした状態で、室温で1週間放置した。次いで、各処理液の表面状態を観察した。
エマルジョンの状態に何ら変化が認められない場合について、処理液の安定性が良好であると評価し、表1に○で表示した。多少でもゲル状物が生じており、エマルジョンが不均一となっている場合について、処理液の安定性が不良であると評価し、表1に×で表示した。
【0048】
[処理布撥水性]
各処理液中に綿ブロード布を浸漬した。各処理液により十分に濡れた前記布を取り出して、絞り率が 100%(即ち、処理液残量が布と同量)となるようにマングルで絞った。
その後、前記各布を、(1)150℃の温度に3分間、もしくは(2)80℃の温度に 30分間放置して加熱処理し、または、(3)室温に8時間放置して乾燥させた。
【0049】
前記各条件で処理した布について、JIS L−1092(スプレー法)に準じて、処理布の撥水性を評価した。測定結果を表1に記載した。
なお、表1の「処理布撥水性」に記載した数値が 70〜100のものは撥水性が良好であり、50を超え70未満のものは撥水性がやや不良であり、また、0〜50のものは撥水性が不良(撥水効果なし)と評価される。
【0050】
【表1】
【0051】
[評価]
上記結果から、架橋硬化反応触媒として硫黄原子を含まない有機スズ化合物(BX)を用いた比較例1および比較例2の処理液は、室温で放置すると架橋ゲルが生じ、エマルジョンの安定性が不良であることが分かる。また、前記処理液を適用した処理布は、室温に放置して乾燥させるのみでも撥水性を示し、(A)成分の架橋硬化反応が進行していることが分かる。触媒を配合していない比較例3のものは、エマルジョンの安定性は良好であるが、処理布を高温で処理しても撥水性を示さず、(A)成分の架橋硬化反応が全く生じていないことが分かる。
【0052】
【発明の効果】
本発明のエマルジョン組成物は、SiHを有するオルガノポリシロキサンの架橋硬化反応を促進する触媒として、硫黄原子を有する有機スズ化合物を採用したことにより、前記化合物を含有した状態における室温での保存安定性に優れ、十分なポットライフを確保することができる。また、本発明のエマルジョン組成物を各種基材に適用し、加熱することにより、前記化合物が触媒活性を発揮して前記架橋硬化反応を効果的に進行させ架橋硬化物が形成され、これにより基材に撥水性等の所望の特性を付与することができる。
Claims (2)
- (A) ケイ素原子に結合した水素原子を1分子中に少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン: 100重量部、
(B) 硫黄原子を有する有機スズ化合物: 0.01〜30重量部、および
(C) 界面活性剤: 0.5〜50重量部
を含むエマルジョン組成物。 - 請求項1に記載のエマルジョン組成物を基材に適用し、得られた前記基材を 50〜250℃の温度に加熱する、基材の処理方法。
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