JP2004335937A - 露光装置の製造方法、光源ユニット、露光装置、露光方法及び露光装置の調整方法 - Google Patents
露光装置の製造方法、光源ユニット、露光装置、露光方法及び露光装置の調整方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】ユーザの既存資産である水銀ランプなどの光源を用いた露光装置に固体光源の使用を可能にする。
【解決手段】コンデンサ光学系を含む照明光学系を用いてマスクを照明して、前記マスクのパターンを感光性基板に転写する露光装置の製造方法において、
複数の固体光源を前記コンデンサ光学系の前側焦点位置又はそれと光学的に共役な位置に配置する固体光源配置工程(S11)と、前記複数の固体光源とは別の光源に対して適切となる第1状態に設定された前記照明光学系の特性を、前記複数の固体光源の配置によって適切となる第2状態の特性に設定する調整工程(S12〜S16)とを含む。
【選択図】 図2
【解決手段】コンデンサ光学系を含む照明光学系を用いてマスクを照明して、前記マスクのパターンを感光性基板に転写する露光装置の製造方法において、
複数の固体光源を前記コンデンサ光学系の前側焦点位置又はそれと光学的に共役な位置に配置する固体光源配置工程(S11)と、前記複数の固体光源とは別の光源に対して適切となる第1状態に設定された前記照明光学系の特性を、前記複数の固体光源の配置によって適切となる第2状態の特性に設定する調整工程(S12〜S16)とを含む。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体露光装置あるいは液晶基板露光装置のような、光源部からの光を所望の面に照射し精密なパターンを形成する露光装置の製造方法、該露光装置に用いられる光源ユニット、該光源ユニットを備えた露光装置、該露光装置を用いた露光方法及び該露光装置の調整方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体露光装置あるいは液晶基板露光装置のような、光源部からの光を所望の面に照射し精密なパターンを基板上に形成する投影露光装置の光源としては、波長約360nm程度の紫外領域においては主に水銀ランプなどが用いられていた。この水銀ランプの寿命は、概ね500h〜1000h程度であることから、定期的にランプ交換が必要となり露光装置ユーザには大きな負担となっていた。また、高照度確保のために高電力が必要であり、またそれに伴う発熱対策などが必要になるなど、高いランニングコストの問題や、経時劣化などの要因に伴う破裂の危険性を有していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
これに対して発光ダイオードは、水銀ランプなどに比べて発光効率が高く、そのため省電力、小発熱という特長を持ち大幅なランニングコストの低減を実現できる。また寿命も3000h程度のものもあるため、交換にかかる負担も少なく、経時劣化などの要因に伴う破裂の危険性もない。さらに最近では、波長365nmで100mw程度の高い光出力を達成したUV−LEDなども開発されている。
【0004】
発光ダイオードなどの固体光源を投影露光装置に用いる場合には、上述のようなメリットを享受できるが、従来の水銀ランプ等を用いた光源を有する投影露光装置を所有するユーザの視点に立てば、新たな露光装置を導入するコストは決して低いものではないことから、現有露光装置が使用できる期間の新規露光装置への移行が促進されない。
【0005】
この発明の課題は、ユーザの既存資産である水銀ランプなどの光源を用いた露光装置に固体光源の使用を可能にすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の露光装置の製造方法は、コンデンサ光学系を含む照明光学系を用いてマスクを照明して、前記マスクのパターンを感光性基板に転写する露光装置の製造方法において、複数の固体光源を前記コンデンサ光学系の前側焦点位置又はそれと光学的に共役な位置に配置する固体光源配置工程と、前記複数の固体光源とは別の光源に対して適切となる第1状態に設定された前記照明光学系の特性を、前記複数の固体光源の配置によって適切となる第2状態の特性に設定する調整工程とを含むことを特徴とする。
【0007】
また、請求項2記載の露光装置の製造方法は、前記照明光学系が前記複数の固体光源と前記コンデンサ光学系との間の光路中にオプティカルインテグレータを含むことを特徴とする。
【0008】
また、請求項3記載の露光装置の製造方法は、照明光学系を用いてマスクを照明して、前記マスクのパターンを感光性基板に転写する露光装置の製造方法において、複数の固体光源を前記照明光学系の所定の位置に配置する固体光源配置工程と、前記複数の固体光源とは別の光源に対して適切となる第1状態に設定された前記照明光学系の特性を、前記複数の固体光源の配置によって適切となる第2状態の特性に設定する調整工程とを含むことを特徴とする。
【0009】
この請求項1、請求項2及び請求項3記載の露光装置の製造方法によれば、複数の固体光源とは別の光源、例えば、水銀ランプにより構成される光源を、複数の固体光源に取り換えた場合等において、調整工程により、複数の固体光源とは別の光源に対して適切となる第1状態に設定された照明光学系の特性を、複数の固体光源の配置によって適切となる第2状態の特性に設定することから、複数の固体光源に適した特性を有する照明光学系を備えた露光装置を製造することができる。
【0010】
また、請求項4記載の露光装置の製造方法は、前記調整工程が、前記マスク又は前記感光性基板での照明むらを調整する照明むら調整工程と、前記マスク又は前記感光性基板でのテレセントリシティを調整するテレセントリシティ調整工程の中の少なくとも一方の工程により調整を行うことを特徴とする。
【0011】
この請求項4記載の露光装置の製造方法によれば、マスク又は感光性基板での照明むら、マスク又は感光性基板でのテレセントリシティを調整した露光装置を製造することができる。
【0012】
また、請求項5記載の露光装置の製造方法は、前記調整工程が、前記複数の固体光源から射出される複数の光の内の少なくとも1つの発散角を調整する発散角調整工程と、前記複数の固体光源から射出される複数の光の内の少なくとも1つの配光分布を調整する配光分布調整工程の中の少なくとも一方の工程により調整を行うことを特徴とする。
【0013】
この請求項5記載の露光装置の製造方法によれば、複数の固体光源から射出される複数の光の発散角、複数の固体光源から射出される複数の光の配光分布を調整した露光装置を製造することができる。
【0014】
また、請求項6記載の露光装置の製造方法は、前記調整工程が、前記照明光学系の照明特性を調整する照明特性調整工程と、前記複数の固体光源からの射出光を調整する射出光調整工程とを含むことを特徴とする。
【0015】
また、請求項7記載の露光装置の製造方法は、前記照明特性調整工程が、前記マスク又は前記感光性基板での照明むらを調整する照明むら調整工程と、前記マスク又は前記感光性基板でのテレセントリシティを調整するテレセントリシティ調整工程の中の少なくとも一方の工程により調整を行い、前記射出光調整工程が、前記複数の固体光源から射出される複数の光の内の少なくとも1つの発散角を調整する発散角調整工程と、前記複数の固体光源から射出される複数の光の内の少なくとも1つの配光分布を調整する配光分布調整工程の中の少なくとも一方の工程により調整を行うことを特徴とする。
【0016】
この請求項6、請求項7記載の露光装置の製造方法によれば、複数の固体光源から射出される複数の光の発散角、複数の固体光源から射出される複数の光の配光分布を調整した露光装置を製造することができる。
【0017】
また、請求項8記載の露光装置の製造方法は、コンデンサ光学系を含む照明光学系を用いてマスクを照明して、前記マスクのパターンを感光性基板に転写する露光装置の製造方法において、複数の固体光源を前記コンデンサ光学系の前側焦点位置又はそれと光学的に共役な位置に配置する固体光源配置工程と、前記複数の固体光源とは別の光源に対して適切となる第1状態に設定された前記露光装置の露光条件を、前記複数の固体光源の配置によって適切となる第2状態の露光条件に設定する調整工程とを含むことを特徴とする。
【0018】
また、請求項9記載の露光装置の製造方法は、照明光学系を用いてマスクを照明して、前記マスクのパターンを感光性基板に転写する露光装置の製造方法において、複数の固体光源を前記照明光学系の所定の位置に配置する固体光源配置工程と、前記複数の固体光源とは別の光源に対して適切となる第1状態に設定された前記露光装置の露光条件を、前記複数の固体光源の配置によって適切となる第2状態の露光条件に設定する調整工程とを含むことを特徴とする。
【0019】
また、請求項10記載の露光装置の製造方法は、前記調整工程が、前記露光量を制御する制御装置にオフセット値を付加する工程を含むことを特徴とする。
【0020】
また、請求項11記載の露光装置の製造方法は、前記調整工程が、前記照明光学系の照明特性を調整する照明特性調整工程と、前記複数の固体光源からの射出光を調整する射出光調整工程の中の少なくとも一方を含むことを特徴とする。
【0021】
この請求項8乃至請求項11記載の露光装置の製造方法によれば、複数の固体光源とは別の光源、例えば、水銀ランプにより構成される光源を、複数の固体光源に取り換えた場合等において、調整工程により、光源を取り換えたことによる露光条件の差をオフセット値として露光量を制御する制御装置に付加した露光装置を製造することができる。
【0022】
また、請求項12記載の露光装置の製造方法は、前記複数の固体光源が、発光ダイオードアレイを含むことを特徴とする。
【0023】
また、請求項13記載の光源ユニットは、照明装置に取り付けられる光源ユニットにおいて、複数の固体光源がアレイ状に配置された固体光源アレイと、前記固体光源アレイの光射出側に配置されたアレイ状の光学素子とを備え、前記固体光源アレイとは別の光源に対して適切となる第1状態に設定された前記照明装置の特性を、前記固体光源アレイの配置によって適切となる第2状態の特性に設定する発散角または配光分布を有する射出光を前記照明装置に対して供給することを特徴とする。
【0024】
また、請求項14記載の光源ユニットは、前記固体光源アレイ及び前記光学素子は、光源としてのランプからの光を集光する楕円鏡と前記照明装置内のオプティカルインテグレータとの間の光路中に配置できるように構成されることを特徴とする。
【0025】
この請求項13、請求項14記載の光源ユニットによれば、照明装置に対して固体光源アレイとは別の光源、例えば、水銀ランプにより構成される光源に対して適切となる第1状態に設定された照明装置の特性を、固体光源アレイの配置によって適切となる第2状態の特性に設定する発散角または配光分布を有する射出光を供給することができる。
【0026】
また、請求項15記載の光源ユニットは、前記固体光源アレイの光射出特性を調整する調整手段を含むことを特徴とする。この請求項15記載の光源ユニットによれば、調整手段により固体光源アレイの光射出特性を調整することができる。
【0027】
また、請求項16記載の光源ユニットは、複数のファイバを更に備え、前記複数のファイバのそれぞれの入射端は前記複数の固体光源と光学的に接続されていることを特徴とする。
【0028】
この請求項16記載の光源ユニットによれば、固体光源の配置の自由度を大きくすることができ、また複数のファイバの射出端の配列形状を容易に任意な形とすることができる。
【0029】
また、請求項17記載の光源ユニットは、複数の固体光源がアレイ状に配置された固体光源アレイと、前記固体光源アレイの光射出特性を調整する調整手段とを含むことを特徴とする。
【0030】
また、請求項18記載の光源ユニットは、前記調整手段が、前記固体光源アレイから射出される光の発散角、前記固体光源アレイから射出される光の配光分布、被照射面での照明むら及びテレセントリシティの内の少なくとも一つを調整可能に構成されることを特徴とする。
【0031】
この請求項17、請求項18記載の光源ユニットによれば、調整手段により固体光源アレイから射出される光の発散角、光の配光分布、被照射面での照明むら及びテレセントリシティを調整することができる。
【0032】
また、請求項19記載の光源ユニットは、複数のファイバを更に備え、前記複数のファイバのそれぞれの入射端は前記複数の固体光源と光学的に接続されていることを特徴とする。
【0033】
この請求項19記載の光源ユニットによれば、固体光源の配置の自由度を大きくすることができ、また複数のファイバの射出端の配列形状を容易に任意な形とすることができる。
【0034】
また、請求項20記載の露光方法は、請求項1乃至請求項12の何れか一項に記載の製造方法により製造された露光装置を用いた露光方法であって、前記複数の固体光源からの光により前記マスクを照明する照明工程と、前記マスクのパターンを前記感光性基板に転写する転写工程とを含むことを特徴とする。
【0035】
また、請求項21記載の露光方法は、前記転写工程が、前記マスクのパターン像を前記感光性基板に投影する投影光学系を用いて、前記マスクのパターンを前記感光性基板に転写する工程を含むことを特徴とする。
【0036】
この請求項20、請求項21記載の露光方法によれば、複数の固体光源とは別の光源に対して適切となる第1状態に設定された照明光学系の特性を、複数の固体光源の配置によって適切となる第2状態の特性に設定された露光装置を用いるため、マスクのパターンを感光性基板に良好に転写することができる。
【0037】
また、請求項22記載の露光装置は、請求項13乃至請求項19の何れか一項に記載の光源ユニットと、マスクのパターンを感光性基板に露光するために、前記光源ユニットからの光により前記マスクを照明する照明装置とを備えることを特徴とする。
【0038】
また、請求項23記載の露光装置は、前記マスクのパターンを前記感光性基板に投影する投影光学系をさらに備えることを特徴とする。
【0039】
この請求項22、請求項23記載の露光装置によれば、光源ユニットが照明装置に対して、固体光源アレイとは別の光源、例えば、水銀ランプにより構成される光源に対して適切となる第1状態に設定された照明装置の特性を、固体光源アレイの配置によって適切となる第2状態の特性に設定する発散角または配光分布を有する射出光を供給するため、マスクのパターンを感光性基板に良好に転写することができる。
【0040】
また、請求項24記載の露光方法は、請求項22又は請求項23に記載の露光装置を用いた露光方法であって、前記光源ユニットからの光により前記マスクを照明する照明工程と、前記マスクのパターンを前記感光性基板に転写する転写工程とを含むことを特徴とする。
【0041】
この請求項24記載の露光方法は、光源ユニットが照明装置に対して、固体光源アレイとは別の光源、例えば、水銀ランプにより構成される光源に対して適切となる第1状態に設定された照明装置の特性を、固体光源アレイの配置によって適切となる第2状態の特性に設定する発散角または配光分布を有する射出光を供給する露光装置を用いるため、マスクのパターンを感光性基板に良好に転写することができる。
【0042】
また、請求項25記載の露光装置の調整方法は、マスクのパターンを感光性基板に転写するために、コンデンサ光学系を含む照明光学系を介して、光源手段からの光によりマスクを照明する露光装置の調整方法において、前記光源手段の代りに複数の固体光源を前記コンデンサ光学系の前側焦点位置又はそれと光学的に共役な位置に配置する固体光源配置工程と、前記複数の固体光源の配置によって前記照明光学系の照明特性を調整する調整工程とを含むことを特徴とする。
【0043】
この請求項25記載の露光装置の調整方法によれば、光源手段の代わりに複数の固体光源をコンデンサ光学系の前側焦点位置又はそれと光学的に共役な位置に配置しても、調整工程により露光装置の照明光学系としての照明特性を良好に維持することができる。
【0044】
また、請求項26記載の露光装置の調整方法は、マスクのパターンを感光性基板に転写するために、照明光学系を介して、光源手段からの光によりマスクを照明する露光装置の調整方法において、前記光源手段の代わりに複数の固体光源を前記照明光学系の所定の位置に配置する固体光源配置工程と、前記複数の固体光源の配置によって前記照明光学系の照明特性を調整する調整工程とを含むことを特徴とする。
【0045】
この請求項26記載の露光装置の調整方法によれば、光源手段の代わりに複数の固体光源を照明光学系の所定の位置に配置したとしても露光装置の照明光学系としての照明特性又は露光条件を良好に維持することが可能となる。
【0046】
また、請求項27記載の露光方法は、請求項25または請求項26に記載の調整方法により調整された露光装置を用いた露光方法であって、照明光学系を介した前記複数の固体光源からの光により前記マスクを照明する照明工程と、前記マスクのパターンを前記感光性基板に転写する転写工程とを含むことを特徴とする。
【0047】
この請求項27記載の露光方法によれば、照明光学系の照明特性が、光源手段の代わりに配置された複数の固体光源に適したものに調整されているため、マスクのパターンを感光性基板に良好に転写することができる。
【0048】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態を説明する。図1は第1の実施の形態にかかる投影露光装置の概略構成を示す図である。
図1に示す投影露光装置は、高圧水銀ランプからなる光源に代えて光源1を備えている。即ち光源1は、発光ダイオード(固体光源)をアレイ状に配列した発光ダイオードアレイにより構成され、回転楕円面からなる反射面を有する楕円鏡2の第2焦点位置に位置決めされている。ここで楕円鏡2の第2焦点位置は、後述するコンデンサ光学系7の前側焦点位置(光源側焦点位置)と光学的に共役な位置である。なお、光源1を配置する位置は、コンデンサ光学系7の前側焦点位置(光源側焦点位置)と光学的に共役な位置の近傍であってもよい。また、光源1を構成する発光ダイオードは、1個当たり10mW以上の出力を有するものであり、出力波長が450nm以下であることが好ましい。
【0049】
楕円鏡2の第2焦点位置に配置された光源1からの光束は、コリメートレンズ3によりほぼ平行な光束に変換された後、オプティカルインテグレータとしてのフライアイレンズ4に入射する。
【0050】
フライアイレンズ4は、正の屈折力を有する多数のレンズエレメントをその光軸が基準光軸AXと平行になるように縦横に且つ稠密に配列することによって構成されている。フライアイレンズ4を構成する各レンズエレメントは、マスク上において形成すべき照野の形状(ひいてはプレート上において形成すべき露光領域の形状)と相似な矩形状の断面を有する。また、フライアイレンズ4を構成する各レンズエレメントの入射側の面は入射側に凸面を向けた球面状に形成され、射出側の面は射出側に凸面を向けた球面状に形成されている。
【0051】
したがって、フライアイレンズ4に入射した光束は多数のレンズエレメントにより波面分割され、各レンズエレメントの後側焦点面には1つの光源像がそれぞれ形成される。すなわち、フライアイレンズ4の後側焦点面には、多数の光源像からなる実質的な面光源すなわち二次光源が形成される。フライアイレンズ4の後側焦点面に形成された二次光源からの光束は、その近傍に配置されたσ絞り5に入射する。σ絞り5は、後述する投影光学系PLの入射瞳面と光学的にほぼ共役な位置に配置され、二次光源の照明に寄与する範囲を規定するための可変開口部を有する。σ絞り5は、可変開口部の開口径を変化させることにより、照明条件を決定するσ値(投影光学系の瞳面の開口径に対するその瞳面上での二次光源像の口径の比)を所望の値に設定する。
【0052】
σ絞り5を介した二次光源からの光は、ミラー6を介して複数のレンズ7a〜7cにより構成されるコンデンサ光学系7の集光作用を受けた後、所定のパターンが形成されたマスクMを重畳的に均一照明する。マスクMのパターンを透過した光束は、投影光学系PLを介して、感光性基板であるプレートP上にマスクパターンの像を形成する。
【0053】
なお、この複数の発光ダイオード(固体光源)により構成される光源1により、プレートP(被照射面)では、50mW/cm2以上の照度が得られる。また、光源1により、プレートP(被照射面)では、照度むらを平均値(基準値)に対して±10%以内に抑えることができる。ここで、プレートP上の照度の基準値に対する照度むらI(%)は、プレートP上の照度の走査方向(X軸方向)での平均値のうちの最大値をImax(W/cm2)、プレートP上の照度の走査方向(X軸方向)での平均値のうちの最小値をImin(W/cm2)とすると、次の数式により定義される。
【0054】
I={(Imax−Imin)/(Imax+Imin)}×100(%)
また、この投影露光装置においては、光源1が、定格出力以下の出力で照明光の射出を行っている。従って、固体光源の寿命を延ばすことができる。
そして、投影光学系PLの光軸と直交する平面内においてプレートPを二次元的に駆動制御しながら一括露光またはスキャン露光を行うことにより、プレートPの各露光領域にはマスクMのパターンが逐次露光される。
【0055】
なお、プレートPは、プレートステージPS上に載置されており、プレートステージPS上には、照度むらセンサ8が配置されている。また、フライアイレンズ4とミラー6との間の光路中には、ビームスプリッタ9が配置され、ビームスプリッタ9により反射された光は、インテグレータセンサ10に入射する。インテグレータセンサ10による検出信号は、制御部11に対して出力される。また、照度むらセンサ8による検出信号も制御部11に対して出力される。
【0056】
ここで、インテグレータセンサ10の検出信号とプレートP上での露光光の照度との関係は予め高精度に計測されて、制御部11内のメモリに記憶されている。制御部11は、インテグレータセンサ10の検出信号より間接的にプレートPに対する露光光の照度(平均値)及びその積分値(積算露光量の平均値)をモニタできるように構成されている。そして、この制御部11は、露光中において、光源1からの光を、インテグレータセンサ10を介してプレートPに対する露光光の照度の積分値を算出する。制御部11では、その照度の積分値を逐次算出し、この結果に応じてプレートP上において適正露光量が得られるように、光源1の出力を制御する。なお、照度むらセンサ8による検出結果及びインテグレータセンサ10による検出結果は、表示部12によっても表示される。
【0057】
次に、この第1の実施の形態にかかる投影露光装置の製造方法の説明を行う。図2は、第1の実施の形態にかかる投影露光装置の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【0058】
まず、高圧水銀ランプからなる光源を有する投影露光装置から高圧水銀ランプからなる光源を取除く(ステップS10)。次に、発光ダイオード(固体光源)をアレイ状に配列した発光ダイオードアレイにより構成される光源1を楕円鏡2の第2焦点位置に配置する(ステップS11)。ここで楕円鏡2の第2焦点位置は、コンデンサ光学系7の前側焦点位置と光学的に共役な位置である。なお、光源1を配置する位置は、コンデンサ光学系7の前側焦点位置と光学的に共役な位置の近傍であってもよい。
【0059】
次に、高圧水銀ランプからなる光源に代えて発光ダイオードアレイにより構成される光源1を配置したことによる露光条件の差をオフセット値として、図示しない入力部を介して制御部11に入力する(ステップS12)。即ち、高圧水銀ランプからなる光源に対して適切となる第1状態に設定された露光装置の露光条件、例えば、露光時間、露光量等を光源1に対して適切となる第2状態の露光条件に適したものに設定する。
【0060】
次に、光源1から射出される光の発散角の調整を行う(ステップS13)。ここで光源1から射出される光の発散角の調整は、光源1から射出された光が入射するコリメートレンズ3の調整により行うことができる。例えばコリメートレンズ3を複数のレンズで構成し、一部のレンズを光軸AX方向に移動等することにより光源1から射出される光の発散角の調整を行うことができる。また、光源1を構成する複数の発光ダイオードの中の一部の発光ダイオードを傾けることによっても、光源1から射出される光の発散角の調整を行うことができる。
【0061】
更に、光源1を構成する複数の発光ダイオードとして、発散角が最適なものを予め選択することによっても、光源1から射出される光の発散角の調整を行うことができる。また、光源1の光射出面側にレンズアレイを配置し、レンズアレイを介した光の発散角を調整するようにしてもよい。
【0062】
次に、光源1から射出される光の配光分布の調整を行う(ステップS14)。ここで光源1から射出される光の配光分布の調整は、光源1の光射出面側にレンズアレイを配置し、レンズアレイに収差を持たせることにより調整することができる。また、光源1を構成する複数の発光ダイオードのそれぞれの光射出面側に角度特性フィルタを配置することにより調整することができる。更に、光源1を構成する複数の発光ダイオードの中の一部の発光ダイオードを傾けることによっても、光源1から射出される光の配光特性の調整を行うことができる。
【0063】
次に、マスクM又はプレートP上の照明むらの調整を行う(ステップS15)。なお、照明むらの調整は、プレートP上に配置されている照度むらセンサ8による検出結果に基づいて行われる。ここで照明むらの調整には、傾斜むら調整と中心対称むら調整が含まれる。傾斜むら調整は、コンデンサ光学系7を構成する一部のレンズ、例えばレンズ7bを光軸AXに対してシフト、又はチルトさせることにより行うことができる。また、コリメートレンズ3を光軸AXに対してシフト、又はチルトさせることにより行うことができる。また、中心対称むら調整は、コンデンサ光学系7を構成する一部のレンズ、例えばレンズ7bを光軸AX方向に移動させることにより行うことができる。
【0064】
次に、マスクM又はプレートP上のテレセントリシティの調整を行う(ステップS16)。なお、テレセントリシティの調整は、プレートPの下部に設けられた図示しないポジショニングセンサを投影光学系の光軸方向に移動させつつ結像位置の検出を行いこの検出結果に基づいて行う。ここでマスクM又はプレートP上のテレセントリシティの調整には、傾斜テレセントリシティの調整及び倍率テレセントリシティの調整が含まれる。傾斜テレセントリシティの調整は、フライアイユニット、即ちフライアイレンズ4及びσ絞り5を一体として光軸AXに対してシフトさせることにより、又はσ絞り5のみを光軸AXに対してシフトさせることにより行うことができる。また、光源1を構成している複数の発光ダイオードの光量分布を制御することによっても行うことができる。
【0065】
また、倍率テレセントリシティの調整は、フライアイユニット、即ちフライアイレンズ4及びσ絞り5を一体として光軸方向に移動させることにより、又はσ絞り5のみを光軸方向に移動させることにより行うことができる。以上の調整を行うことにより、光源1を備えた投影露光装置の製造が終了する。
【0066】
この実施の形態にかかる投影露光装置の製造方法によれば、既存の投影露光装置の光源を、金属ガスや希ガス等を用いたランプから長寿命、低ランニングコストなどのメリットを持つ発光ダイオードやレーザーダイオードなど、いわゆる固体光源に置き換えることができる。従って、低ランニングコストで長寿命かつ破裂の危険性のない光源を有する投影露光装置を提供することができる。
【0067】
次に、図3を参照して、この発明の第2の実施の形態にかかる投影露光装置の説明を行う。この第2の実施の形態の説明においては、第1の実施の形態にかかる投影露光装置の構成と同一の構成には、第1の実施の形態に用いたものと同一の符号を付して説明を行う。
【0068】
図3は第2の実施の形態にかかる投影露光装置の概略構成を示す図である。図3に示す投影露光装置は、高圧水銀ランプからなる光源に代えて光源1を備えている。ここで光源1は、発光ダイオード(固体光源)をアレイ状に配列した発光ダイオードアレイにより構成され、コンデンサ光学系7の前側焦点位置に位置決めされている。なお、光源1を配置する位置は、コンデンサ光学系7の前側焦点位置の近傍であってもよい。
【0069】
コンデンサ光学系7の前側焦点位置に配置された光源1から射出された光束は、ミラー6を介して複数のレンズ7a〜7cにより構成されるコンデンサ光学系7の集光作用を受けた後、所定のパターンが形成されたマスクMを重畳的に均一照明する。マスクMのパターンを透過した光束は、投影光学系PLを介して、感光性基板であるプレートP上にマスクパターンの像を形成する。こうして、投影光学系PLの光軸と直交する平面内においてプレートPを二次元的に駆動制御しながら一括露光またはスキャン露光を行うことにより、プレートPの各露光領域にはマスクMのパターンが逐次露光される。
【0070】
なお、プレートPは、プレートステージPS上に載置されており、プレートステージPS上には、照度むらセンサ8が配置されている。また、光源1とミラー6との間の光路中には、ビームスプリッタ9が配置され、ビームスプリッタ9により反射された光は、インテグレータセンサ10に入射する。インテグレータセンサ10による検出信号は、制御部11に対して出力される。また、照度むらセンサ8による検出信号も制御部11に対して出力される。制御部11は、記憶されている露光条件に基づいて、光源1に対して制御信号の出力を行う。なお、照度むらセンサ8による検出結果及びインテグレータセンサ10による検出結果は、表示部12により表示される。
【0071】
次に、この第2の実施の形態にかかる投影露光装置の製造方法の説明を行う。図4は、第1の実施の形態にかかる投影露光装置の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【0072】
まず、高圧水銀ランプからなる光源を有する投影露光装置から高圧水銀ランプからなる光源、コリメートレンズ、フライアイレンズ及びσ絞り等を取除く(ステップS20)。次に、発光ダイオードをアレイ状に配列した発光ダイオードアレイにより構成される光源1をコンデンサレンズ7の前側焦点位置に配置する(ステップS21)。なお、光源1を配置する位置は、コンデンサ光学系7の前側焦点位置の近傍でもよい。
【0073】
次に、高圧水銀ランプからなる光源に代えて発光ダイオードアレイにより構成される光源1を配置したことによる露光条件の差をオフセット値として、図示しない入力部を介して制御部11に入力する(ステップS22)。即ち、高圧水銀ランプからなる光源に対して適切となる第1状態に設定された露光装置の露光条件、例えば、露光時間、露光量等を光源1に対して適切となる第2状態の露光条件に適したものに設定する。
【0074】
次に、光源1から射出される光の発散角の調整を行う(ステップS23)。ここで光源1から射出される光の発散角の調整は、光源1から射出された光が入射するコンデンサ光学系7の調整により行うことができる。即ち、コンデンサ光学系7を構成する複数のレンズ7a〜7cの中の一部のレンズを光軸AX方向に移動等することにより光源1から射出される光の発散角の調整を行うことができる。また、光源1を構成する複数の発光ダイオードの中の一部の発光ダイオードを傾けることによっても、光源1から射出される光の発散角の調整を行うことができる。
【0075】
更に、光源1を構成する複数の発光ダイオードとして、発散角が最適なものを予め選択することによっても、光源1から射出される光の発散角の調整を行うことができる。また、光源1の光射出面側にレンズアレイを配置し、レンズアレイを介した光の発散角を調整するようにしてもよい。
【0076】
次に、光源1から射出される光の配光分布の調整を行う(ステップS24)。ここで光源1から射出される光の配光分布の調整は、光源1の光射出面側にレンズアレイを配置し、レンズアレイに収差を持たせることにより調整することができる。また、光源1を構成する複数の発光ダイオードのそれぞれの光射出面側に角度特性フィルタを配置することにより調整することができる。更に、光源1を構成する複数の発光ダイオードの中の一部の発光ダイオードを傾けることによっても、光源1から射出される光の配光特性の調整を行うことができる。
【0077】
次に、マスクM又はプレートP上の照明むらの調整を行う(ステップS25)。なお、照明むらの調整は、プレートP上に配置されている照明むらセンサ8による検出結果に基づいて行われる。ここで照明むらの調整には、傾斜むら調整と中心対称むら調整が含まれる。傾斜むら調整は、光源1の光射出面側の近傍に濃度傾斜フィルタを配置することにより行うことができる。また、コンデンサ光学系7を構成する一部のレンズ、例えばレンズ7bを光軸AXに対してシフト、又はチルトさせることにより行うことができる。また、光源1を構成する複数の発光ダイオードの中の一部の発光ダイオードの方向を変化させることにより行うことができる。更に、光源1全体を一体として傾けることにより行うことができる。
【0078】
また、中心対称むら調整は、光源1の光射出面側の近傍に濃度分布(中心対称)フィルタを配置することにより行うことができる。また、コンデンサ光学系7を構成する一部のレンズ、例えばレンズ7bを光軸AX方向に移動させることにより行うことができる。更に中心対称むらを補正するためのむら補正板、むら補正レンズをマスクMの近傍、マスクMと光学的に共役な位置又はその近傍などの光路中に挿入することにより行うことができる。
【0079】
次に、マスクM又はプレートP上のテレセントリシティの調整を行う(ステップS26)。なお、テレセントリシティの調整は、プレートPの下部に設けられた図示しないポジショニングセンサを投影光学系の光軸方向に移動させつつ結像位置の検出を行いこの検出結果に基づいて行う。ここでマスクM又はプレートP上のテレセントリシティの調整には、倍率テレセントリシティの調整及び傾斜テレセントリシティの調整が含まれる。倍率テレセントリシティの調整は、光源1を光軸AX方向に移動させることにより行うことができる。また、コンデンサ光学系7を構成する一部のレンズ、例えばレンズ7bを光軸AX方向に移動させることにより行うことができる。更にテレセントリシティを補正するためのテレセン補正板、テレセン補正レンズをマスクMの近傍、マスクMと光学的に共役な位置又はその近傍などの光路中に挿入することにより行うことができる。
【0080】
また、傾斜テレセントリシティの調整は、光源1を光軸AXに対して垂直な方向に移動させることにより行うことができる。また、光源1を構成している発光ダイオードアレイにおける光強度分布を変化させることにより行うことができる。更にテレセントリシティを補正するためのテレセン補正板、テレセン補正レンズをマスクMの近傍、マスクMと光学的に共役な位置又はその近傍などの光路中に挿入することにより行うことができる。以上の調整を行うことにより、光源1を備えた投影露光装置の製造が終了する。
【0081】
この第2の実施の形態にかかる投影露光装置の製造方法によれば、既存の投影露光装置の光源を、金属ガスや希ガス等を用いたランプから長寿命、低ランニングコストなどのメリットを持つ発光ダイオードやレーザーダイオードなど、いわゆる固体光源に置き換えることができる。従って、低ランニングコストで長寿命かつ破裂の危険性のない光源を有する投影露光装置を提供することができる。また、既存の投影露光装置の集光光学系を取除くことができる。従って、コンパクトな投影露光装置を提供することができる。
【0082】
なお、上述の第1及び第2の実施の形態においては、照明光学系の照明特性の調整を、露光量制御のためのオフセット値の付加、光源1から射出される光の発散角の調整、光源1から射出される光の配光分布の調整、マスクM又はプレートP上の照明むらの調整、及びマスクM又はプレートP上のテレセントリシティの調整により行っているが、この中の少なくとも1つを行うことにより照明光学系の照明特性の調整を行うようにしてもよい。
【0083】
次に、図5を参照して、この発明の第3の実施の形態にかかる投影露光装置の説明を行う。この第3の実施の形態の説明においては、第1の実施の形態にかかる投影露光装置の構成と同一の構成には、第1の実施の形態において用いたものと同一の符号を付して説明を行う。
【0084】
図5は第3の実施の形態にかかる投影露光装置の概略構成を示す図である。図5に示す投影露光装置は、高圧水銀ランプからなる光源に代えて光源ユニット20を備えている。即ち光源ユニット20は、回転楕円面からなる反射面を有する楕円鏡2の第2焦点位置に位置決めされている。ここで楕円鏡2の第2焦点位置は、後述するコンデンサ光学系7の前側焦点位置と光学的に共役な位置である。なお、光源ユニット20を配置する位置は、コンデンサ光学系7の前側焦点位置と共役な位置の近傍であってもよい。その他の点においては、第1の実施の形態にかかる投影露光装置と同一の構成である。
【0085】
次に、図6を参照して、この発明の第4の実施の形態にかかる投影露光装置の説明を行う。この第4の実施の形態の説明においては、第1の実施の形態にかかる投影露光装置の構成と同一の構成には、第1の実施の形態において用いたものと同一の符号を付して説明を行う。
【0086】
図6は第4の実施の形態にかかる投影露光装置の概略構成を示す図である。図6に示す投影露光装置は、高圧水銀ランプからなる光源に代えて光源ユニット20を備えている。即ち光源ユニット20は、コンデンサ光学系7の前側焦点位置に位置決めされている。なお、光源ユニット20を配置する位置は、コンデンサ光学系7の前側焦点位置の近傍であってもよい。その他の点においては、第2の実施の形態にかかる投影露光装置と同一の構成である。
【0087】
この第3及び第4の実施の形態にかかる投影露光装置に備えられている光源ユニット20は、図7(a)に示すように、基板20a上に発光ダイオード20bをアレイ状に配列した発光ダイオードアレイ(固体光源アレイ)及び正のパワーを持つマイクロレンズ20cをアレイ状に配列したマイクロレンズアレイにより構成され、マイクロレンズアレイが発光ダイオードアレイの光射出面の近傍に配置されている。この光源ユニット20においては、正のパワーを持つマイクロレンズアレイにより発光ダイオードアレイの開口数を制御することにより、各発光ダイオード20bから射出される光の発散角を収束方向に調整することができる。
【0088】
また、光源ユニット20は、図7(b)に示すような構成であってもよい。この図7(b)に示す光源ユニット20は、基板20a上に発光ダイオード20bをアレイ状に配列した発光ダイオードアレイ(固体光源アレイ)及び負のパワーを持つマイクロレンズ20dをアレイ状に配列したマイクロレンズアレイにより構成され、マイクロレンズアレイが発光ダイオードアレイの光射出面の近傍に配置されている。この光源ユニット20においては、負のパワーを持つマイクロレンズアレイにより発光ダイオードアレイの開口数を制御することにより、発光ダイオード20bから射出される光の発散角を発散方向に調整することができる。
【0089】
また、光源ユニット20は、図8に示すような構成であってもよい。この図8に示す光源ユニット20は、基板20a上に発光ダイオード20bをアレイ状に配列した発光ダイオードアレイ、むら補正板(濃度分布(中心対称)フィルタ及び濃度傾斜フィルタ)20e、及びテレセントリシティ補正板20fにより構成され、むら補正板20e及びテレセントリシティ補正板20fが発光ダイオードアレイの光射出面側の近傍に配置されたものである。なお、むら補正板、テレセントリシティ補正板は、それぞれむら補正レンズ、テレセントリシティ補正レンズに置き換えてもよい。図8に示されている光源ユニット20においては、むら補正板20e、及びテレセントリシティ補正板20fを光路内に出し入れするための機構が設けられており、むら補正板20e、テレセントリシティ補正板20fを光路内に出し入れすることにより傾斜むら、中心対称むら、傾斜テレセントリシティ及び倍率テレセントリシティを調整することができる。
【0090】
また、照明光学系の傾斜むら調整は、図9(a)に示すように、光源ユニット20を傾けることにより行うこともできる。また、照明光学系の倍率テレセントリシティの調整は、図9(b)に示すように、光源ユニット20を光軸方向に移動させることにより行うことができる。また、照明光学系の傾斜テレセントリシティ調整は、図9(c)に示すように、光源ユニット20を光軸垂直方向に移動させることにより行うことができる。このような光源ユニット20の傾きの調整、光軸方向又は光軸に垂直な方向への移動は、図示しない光源ユニット位置調整機構により行うことができる。更に、照明光学系の傾斜テレセントリシティ調整は、固体光源アレイを構成する複数の発光ダイオードの光量を制御することによっても行うことができる。
【0091】
この第3及び第4の実施の形態にかかる投影露光装置によれば、既存の投影露光装置の光源を、発光ダイオードやレーザーダイオードなどの固体光源及びマイクロレンズアレイにより構成した光源ユニットに置き換えることができる。また、この光源ユニットにおいては、固体光源から射出される光の発散角、照明光学系の傾斜むら、中心対称むら、照明光学系の倍率テレセントリシティ、及び傾斜テレセントリシティの調整を行うことができる。
【0092】
上述の各実施の形態にかかる露光装置では、照明光学装置によってマスクを照明し(照明工程)、投影光学系を用いてマスクに形成された転写用のパターンを感光性基板に露光する(露光工程)ことにより、マイクロデバイス(半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等)を製造することができる。以下、実施の形態の露光装置を用いて感光基板としてのウエハ(プレート)等に所定の回路パターンを形成することによって、マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る半導体デバイスの製造方法を、図10のフローチャートを参照して説明する。
【0093】
先ず、図10のステップS301において、1ロットのウエハ上に金属膜が蒸着される。次のステップS302において、その1ロットのウエハ上の金属膜上にフォトレジストが塗布される。その後、ステップS303において、本実施の形態の露光装置を用いて、マスク上のパターンの像がその投影光学系を介して、その1ロットのウエハ上の各ショット領域に順次露光転写される。即ち、照明光学装置によりマスクを照明し(照明工程)、マスクのパターンをウエハ上に転写する(露光工程)。
【0094】
その後、ステップS304において、その1ロットのウエハ上のフォトレジストの現像が行われた後、ステップS305において、その1ロットのウエハ上でレジストパターンをマスクとしてエッチングを行うことによって、マスク上のパターンに対応する回路パターンが、各ウエハ上の各ショット領域に形成される。その後、更に上のレイヤの回路パターンの形成等を行うことによって、半導体素子等のデバイスが製造される。上述の半導体デバイス製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する半導体デバイスをスループット良く得ることができる。
【0095】
また、図1、図3、図5及び図6に示す本実施の形態の露光装置では、プレート(ガラス基板)上に所定のパターン(回路パターン、電極パターン等)を形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得ることもできる。以下、図11のフローチャートを参照して、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を製造する方法を説明する。
【0096】
図11において、パターン形成工程S401では、実施の形態の露光装置を用いてマスクのパターンを感光性基板(レジストが塗布されたガラス基板等)に転写露光する、所謂光リソグラフィ工程が実行される。この光リソグラフィ工程によって、感光性基板上には多数の電極等を含む所定パターンが形成される。その後、露光された基板は、現像工程、エッチング工程、レジスト剥離工程等の各工程を経ることによって、基板上に所定のパターンが形成され、次のカラーフィルタ形成工程S402へ移行する。
【0097】
次に、カラーフィルタ形成工程S402では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応した3つのドットの組がマトリックス状に多数配列され、またはR、G、Bの3本のストライプのフィルタの組を複数水平走査線方向に配列したカラーフィルタを形成する。そして、カラーフィルタ形成工程S402の後に、セル組み立て工程S403が実行される。セル組み立て工程S403では、パターン形成工程S401にて得られた所定パターンを有する基板、およびカラーフィルタ形成工程S402にて得られたカラーフィルタ等を用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。セル組み立て工程S403では、例えば、パターン形成工程S401にて得られた所定パターンを有する基板とカラーフィルタ形成工程S402にて得られたカラーフィルタとの間に液晶を注入して、液晶パネル(液晶セル)を製造する。
【0098】
その後、モジュール組み立て工程S404にて、組み立てられた液晶パネル(液晶セル)の表示動作を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付けて液晶表示素子として完成させる。上述の液晶表示素子の製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する液晶表示素子をスループット良く得ることができる。
【0099】
また、上述の各実施の形態において、複数の固体光源として、複数の発光点を有する固体光源チップ、チップを複数個アレイ状に配列した固体光源チップアレイ、さらに複数の発光点を一枚の基板に作り込んだタイプのものなどを用いても良い。なお、固体光源素子は無機、有機を問わない。
【0100】
また、上述の各実施の形態において、光源として、複数個の固体光源と各固体光源に対応して設けられた複数の光ファイバ等のライトガイド(ファイバ)とを組み合わせたファイバ光源を用いても良い。この場合には、第1及び第2の実施の形態の光源1がファイバ光源に変更され、第3及び第4の実施の形態の光源ユニット20内の固体光源アレイ(20a、20b)がファイバ光源に変更される。
【0101】
図12は、固体光源71と各固体光源71に対応して設けられた光ファイバ72とを複数個束ね合わせたファイバ光源69を示す図である。図12に示すファイバ光源69においては、固体光源71から射出される光は、光ファイバ72の入射端に入射して、光ファイバ72の射出端から射出する。即ち、光ファイバ72のそれぞれの入射端は、固体光源71と光学的に接続されている。また、図13は、固体光源71、各固体光源71に対応して設けられたレンズ(集光光学系)73及び光ファイバ72を複数個束ね合わせたファイバ光源70を示す図である。図13に示すファイバ光源70においては、固体光源71から射出される光は、レンズ73に入射して、レンズ73により集光されて光ファイバ72の入射端に入射し、光ファイバ72の射出端から射出する。即ち、光ファイバ72のそれぞれの入射端は、固体光源71と光学的に接続されている。
【0102】
図12に示すファイバ光源69及び図13に示すファイバ光源70においては、適切な開口数を有する光ファイバ72を用いることにより、通常楕円形である固体光源71のビームプロファイル75(図14(a)参照)を円形のビームプロファイル76(図14(b)及び図14(c)参照)に成形することができる。
【0103】
また、複数個の光ファイバの射出端部分を任意の形に束ね合わせることにより光源の射出端の形状(射出端の配置形状)を最適な形状に成形することが可能である。例えば、図15(a)に示すような矩形状に成形することもでき、図15(b)に示すような形状に成形することもできる。また、図16に示すように、ファイバ光源69、70の光ファイバの射出端を束ねた形状とフライアイ・インテグレータ80の1つのエレメント81の形状とが相似形になるように、複数個の光ファイバの射出端部分の形状を成形することも極めて容易となる。
【0104】
ここで、図17は、図13に示すファイバ光源70の1つの固体光源71、それに対応して設けられたレンズ(集光光学系)73及び光ファイバ72を示す図である。図13に示すファイバ光源70においては、固体光源71の発散光の内で最大の射出角度を持つ光の開口数(最大の射出角度(半角)の正弦(sin)、以下、最大開口数と呼ぶこととする)をNA1、固体光源71の発光部の大きさ(直径)の最大値をφ、光ファイバ72が光を取り込むことが可能な角度範囲(半角)の正弦(sin)、いわゆる光ファイバ72の開口数をNA2、光ファイバ72の入射端のコア直径をDとしたとき、NA2≧φ/D×NA1の条件を満足している。この条件を満足することにより、固体光源71から射出される光を無駄なく光ファイバ72に取り込むことができ、固体光源71から射出される光の光量を維持して、光ファイバ72の射出端から射出させることができる。
【0105】
また、光ファイバとして石英ファイバを用いる場合、固体光源71の最大開口数をNA1、固体光源71の発光部の大きさ(直径)の最大値をφ、石英ファイバの入射端のコア直径をDとしたとき、0.3≧φ/D×NA1の条件を満足している。この条件を満足することにより、固体光源から射出される光を無駄なく石英ファイバに取り込むことができ、固体光源から射出される光の光量を維持して、光ファイバ72の射出端から射出させることができる。
【0106】
また、図18はファイバ光源69、70の射出端からフライアイ・インテグレータ80までの構成を示す図、図19はフライアイ・インテグレータ80の1つのエレメント81における入射面の形状を示す図、図20はファイバ光源69、70の射出端83の形状を示す図である。ここで、フライアイ・インテグレータ80のエレメント81の入射面の一方の長さをa、他方の長さをb、複数個の光ファイバ72を束ね合わせた射出端83の形状において一方の長さをA、他方の長さをB、光ファイバ72とフライアイ・インテグレータ80との間に位置するコリメートレンズ82の焦点距離をf1、フライアイ・インテグレータ80の焦点距離をf2としたとき、A×f2/f1≦a及びB×f2/f1≦bの関係が成り立つ。
【0107】
また、ファイバ光源がm組の光ファイバ光源69、70で構成される場合(mは自然数)、m組の光ファイバ72から射出される光出力の総量をW、光ファイバ72の射出端のコア直径をdとしたとき、[m×{d(f2/f1)}2π/(4×a×b)]×W≧30(mW)の条件を満足することが望ましい。この条件を満足することにより、フライアイ・インテグレータ80の1つのエレメント81に対する光源像の充填率を最適な状態にすることができ、露光装置として実用的な照度を得ることができる。なお、この場合において、光ファイバ72の射出端を束ねた形状とフライアイ・インテグレータ80のエレメント81の形状とは相似形であることが望ましい。
【0108】
また、図12に示すファイバ光源69及び図13に示すファイバ光源70においては、光ファイバ72の射出端における時間的に変化する光量の最大値をPmax、最小値をPminとしたとき、その光ファイバ72の射出端における光量の平均リップル幅ΔPは、ΔP=(Pmax−Pmin)/(Pmax+Pmin)により算出される。ここで、フライアイ・インテグレータ80の入射端において要求される光量のリップル幅をΔWとしたとき、固体光源71の数nはn≧(ΔP/ΔW)2の条件を満足することが望ましい。
【0109】
この条件を満足することにより、ファイバ光源69、70の射出端から射出される光出力のばらつきは、固体光源71の数nを(ΔP/ΔW)2より多くすることにより平均化され、その平均化効果により安定した光出力を有するファイバ光源69、70を提供することができる。
【0110】
また、図12に示すファイバ光源69及び図13に示すファイバ光源70においては、それぞれの固体光源71の波長、光量等の出力特性にばらつきがある場合、それら出力特性の異なる複数個の固体光源71をファイバ光源の光源として用いることによりファイバ光源69、70の射出端において出力特性のばらつきが平均化される。ファイバ光源69、70の射出端において平均化された光は、さらにフライアイ・インテグレータ80により平均化される。図21は、各固体光源71の出力特性のばらつきを平均化した状態をグラフ化した図である。それぞれ異なった出力特性を持つ固体光源71を平均化して、グラフ化したものがAVEである。このように、出力特性の異なる複数個の固体光源71を組み合わせたものをファイバ光源69、70に使用した場合において、平均化効果により安定した光出力を有する照明光を得ることができる。
【0111】
また、露光装置が走査型露光装置である場合に、同期ブラインドを備えても良い。図22は、走査型露光装置の構成図である。この露光装置は、投影光学系に対して、マスクステージ及び基板ステージが移動しつつ、マスクのパターンをプレート上に転写する走査型露光装置であり、同期ブラインド(可動ブラインド機構)90を有する。その他の点においては、第1の実施の形態にかかる露光装置と同一の構成を有する。
【0112】
図22に示すように、マスクMの近傍には、固定ブラインドBL0と、可動ブラインド機構90とが配置されており、図23に示すように、この可動ブラインド機構は、4枚の可動ブレードBL1、BL2、BL3、BL4からなる。可動ブレードBL1、BL2のエッジによって走査露光方向の開口APの幅が決定され、可動ブレードBL3、BL4のエッジによって非走査方向の開口APの長さが決定される。また、4枚の可動ブレードBL1〜BL4の各エッジで規定された開口APの形状は、投影レンズPLの円形イメージフィールドIF内に包含されるように定められる。
【0113】
固定ブラインドBL0の開口と可動ブランド機構90の開口APとを通過した照明光はマスクMを照射する。つまり、各可動ブレードBL1〜BL4によって形成される開口APと固定ブラインドの開口とが重なっている領域についてのみ、マスクMの照明が行われることになる。通常の露光状態においては、固定ブラインドBL0の開口の像がマスクMのパターン面に結像されるが、マスクM上の特定走査露光領域の周辺すなわち遮光部分の近傍領域の露光が行われる場合、4枚の可動ブレードBL1〜BL4によって遮光部分の外側に照明光が入射することが防止される。即ち、マスクステージの走査に際して、照明光学系から射出される光束とマスクMとの相対位置に関する情報が監視される。この監視情報に基づいて、マスクM上の特定走査露光領域の露光開始時や露光終了時において遮光部分の近傍領域について露光が始まると判断した場合、可動ブレードBL1、BL2のエッジ位置を移動させ、走査露光方向の開口APの幅を制御する。これにより、不要なパターン等がプレートに対して転写されるのを防止することができる。なお、この露光装置においては、マスクM近傍に可動ブラインド機構90を設けているが、マスクMと共役な位置又はその近傍の位置であれば、他の位置に可動ブラインド機構を設けても良い。
【0114】
また、露光装置に帯電防止手段を設けるようにしても良い。図24は、帯電防止手段を備えた露光装置の構成図である。その他の点においては、第1の実施の形態にかかる露光装置と同一の構成を有する。この露光装置においては、光源を収容する筐体92と、照明光学系及び投影光学系等の露光装置本体を収容する筐体93とが別々に設けられており、筐体92と筐体93とが電気的に接続され、更にアースされている。即ち、筐体92と筐体93とが同電位に保たれている。また、光源に電力を供給する電源部94と露光装置本体に電力を供給する電源部95とが別々に設けられており、それぞれアースされている。したがって、露光装置の光源及び露光装置本体に静電気が帯電するのを防止することができ、静電気による固体光源の破損を防止することができる。
【0115】
また、上述の各実施形態におけるマスクに替えて、投影すべきパターンを生成する可変パターン生成装置を用いても良い。このような可変パターン生成装置は、自発光型画像表示素子と、非発光型画像表示素子とに大別される。自発光型画像表示素子としては、CRT(cathode ray tube)、無機ELディスプレイ、有機ELディスプレイ(OLED:Organic Light Emitting diode)、LEDディスプレイ、LDディスプレイ、電界放出ディスプレイ(FED:field emission display)、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)が例としてあげられる。また、非発光型画像表示素子は、空間光変調器 (Spatial Light Modulator:以下SLMと略記する)とも呼ばれ、光の振幅、位相あるいは偏光の状態を空間的に変調する素子であり、透過型空間光変調器と反射型空間光変調器とに分けられる。透過型空間光変調器としては、透過型液晶表示素子(LCD:Liquid Crystal Display)、エレクトロクロミックディスプレイ(ECD)などが例としてあげられ、反射型空間光変調器としては、DMD(Deformable Micro−mirror Device, またはDigital Micro−mirror Device)、反射ミラーアレイ、反射型液晶表示素子、電気泳動ディスプレイ(EPD:ElectroPhoretic Display)、電子ペーパー(または電子インク)、光回折型ライトバルブ(Grating Light Valve)などが例としてあげられる。
【0116】
【発明の効果】
この発明の露光装置の製造方法によれば、複数の固体光源とは別の光源、例えば、水銀ランプにより構成される光源を、複数の固体光源に取り換えた場合等において、調整工程により、複数の固体光源とは別の光源に対して適切となる第1状態に設定された照明光学系の特性を、複数の固体光源の配置によって適切となる第2状態の特性に設定することから、複数の固体光源に適した特性を有する照明光学系を備えた露光装置を製造することができる。
【0117】
また、この発明の光源ユニットによれば、照明装置に対して固体光源アレイとは別の光源、例えば、水銀ランプにより構成される光源に対して適切となる第1状態に設定された照明装置の特性を、固体光源アレイの配置によって適切となる第2状態の特性に設定する発散角または配光分布を有する射出光を供給することができる。
【0118】
また、この発明の露光方法によれば、複数の固体光源とは別の光源に対して適切となる第1状態に設定された照明光学系の特性を、複数の固体光源の配置によって適切となる第2状態の特性に設定された露光装置を用いるため、マスクのパターンを感光性基板に良好に転写することができる。
【0119】
また、この発明の露光装置によれば、光源ユニットが照明装置に対して、固体光源アレイとは別の光源、例えば、水銀ランプにより構成される光源に対して適切となる第1状態に設定された照明装置の特性を、固体光源アレイの配置によって適切となる第2状態の特性に設定する発散角または配光分布を有する射出光を供給するため、マスクのパターンを感光性基板に良好に転写することができる。
【0120】
また、この発明の露光装置の調整方法によれば、光源手段の代わりに複数の固体光源を照明光学系の所定の位置に配置した場合に調整工程により照明光学系の照明特性を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態のかかる投影露光装置の概略構成図である。
【図2】この発明の第1の実施の形態のかかる投影露光装置の製造方法を示すフローチャートである。
【図3】この発明の第2の実施の形態のかかる投影露光装置の概略構成図である。
【図4】この発明の第2の実施の形態のかかる投影露光装置の製造方法を示すフローチャートである。
【図5】この発明の第3の実施の形態のかかる投影露光装置の概略構成図である。
【図6】この発明の第4の実施の形態のかかる投影露光装置の概略構成図である。
【図7】この発明の実施の形態にかかる光源ユニットを説明するための図である。
【図8】この発明の実施の形態にかかる光源ユニットを説明するための図である。
【図9】この発明の実施の形態にかかる光源ユニットを説明するための図である。
【図10】この発明の実施の形態のかかるマイクロデバイスの製造方法を示すフローチャートである。
【図11】この発明の実施の形態のかかるマイクロデバイスの製造方法を示すフローチャートである。
【図12】この発明の実施の形態にかかるファイバ光源の構成を示す図である。
【図13】この発明の実施の形態にかかる別のファイバ光源の構成を示す図である。
【図14】この発明の実施の形態にかかる光源から射出されるビームプロファイルの形状を説明するための図である。
【図15】この発明の実施の形態にかかるファイバ光源の射出端の形状を示す図である。
【図16】この発明の実施の形態にかかるファイバ光源の射出端の形状とフライアイ・インテグレータのエレメントの形状とが相似形であることを示す図である。
【図17】この発明の実施の形態にかかるファイバ光源において、固体光源から射出される光を無駄なく光ファイバに取り込むための条件を説明するための図である。
【図18】この発明の実施の形態にかかるファイバ光源の射出端からフライアイ・インテグレータまでの構成を示す図である。
【図19】この発明の実施の形態にかかるフライアイ・インテグレータの1つのエレメントの形状を示す図である。
【図20】この発明の実施の形態にかかるファイバ光源の射出端の形状を示す図である。
【図21】この発明の実施の形態にかかる各固体光源の出力特性のばらつきを平均化した状態をグラフ化した図である。
【図22】この発明の実施の形態にかかる走査型露光装置の構成を示す図である。
【図23】この発明の実施の形態にかかる走査型露光装置に設けられた4枚の可動ブレードを示す図である。
【図24】この発明の実施の形態にかかる帯電防止手段を備えた露光装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 光源
3 コリメートレンズ
4 フライアイレンズ
5 σ絞り
7 コンデンサ光学系
8 照度むらセンサ
10 インテグレータセンサ
11 制御部
12 表示部
M マスク
P プレート
PL 投影光学系
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体露光装置あるいは液晶基板露光装置のような、光源部からの光を所望の面に照射し精密なパターンを形成する露光装置の製造方法、該露光装置に用いられる光源ユニット、該光源ユニットを備えた露光装置、該露光装置を用いた露光方法及び該露光装置の調整方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体露光装置あるいは液晶基板露光装置のような、光源部からの光を所望の面に照射し精密なパターンを基板上に形成する投影露光装置の光源としては、波長約360nm程度の紫外領域においては主に水銀ランプなどが用いられていた。この水銀ランプの寿命は、概ね500h〜1000h程度であることから、定期的にランプ交換が必要となり露光装置ユーザには大きな負担となっていた。また、高照度確保のために高電力が必要であり、またそれに伴う発熱対策などが必要になるなど、高いランニングコストの問題や、経時劣化などの要因に伴う破裂の危険性を有していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
これに対して発光ダイオードは、水銀ランプなどに比べて発光効率が高く、そのため省電力、小発熱という特長を持ち大幅なランニングコストの低減を実現できる。また寿命も3000h程度のものもあるため、交換にかかる負担も少なく、経時劣化などの要因に伴う破裂の危険性もない。さらに最近では、波長365nmで100mw程度の高い光出力を達成したUV−LEDなども開発されている。
【0004】
発光ダイオードなどの固体光源を投影露光装置に用いる場合には、上述のようなメリットを享受できるが、従来の水銀ランプ等を用いた光源を有する投影露光装置を所有するユーザの視点に立てば、新たな露光装置を導入するコストは決して低いものではないことから、現有露光装置が使用できる期間の新規露光装置への移行が促進されない。
【0005】
この発明の課題は、ユーザの既存資産である水銀ランプなどの光源を用いた露光装置に固体光源の使用を可能にすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の露光装置の製造方法は、コンデンサ光学系を含む照明光学系を用いてマスクを照明して、前記マスクのパターンを感光性基板に転写する露光装置の製造方法において、複数の固体光源を前記コンデンサ光学系の前側焦点位置又はそれと光学的に共役な位置に配置する固体光源配置工程と、前記複数の固体光源とは別の光源に対して適切となる第1状態に設定された前記照明光学系の特性を、前記複数の固体光源の配置によって適切となる第2状態の特性に設定する調整工程とを含むことを特徴とする。
【0007】
また、請求項2記載の露光装置の製造方法は、前記照明光学系が前記複数の固体光源と前記コンデンサ光学系との間の光路中にオプティカルインテグレータを含むことを特徴とする。
【0008】
また、請求項3記載の露光装置の製造方法は、照明光学系を用いてマスクを照明して、前記マスクのパターンを感光性基板に転写する露光装置の製造方法において、複数の固体光源を前記照明光学系の所定の位置に配置する固体光源配置工程と、前記複数の固体光源とは別の光源に対して適切となる第1状態に設定された前記照明光学系の特性を、前記複数の固体光源の配置によって適切となる第2状態の特性に設定する調整工程とを含むことを特徴とする。
【0009】
この請求項1、請求項2及び請求項3記載の露光装置の製造方法によれば、複数の固体光源とは別の光源、例えば、水銀ランプにより構成される光源を、複数の固体光源に取り換えた場合等において、調整工程により、複数の固体光源とは別の光源に対して適切となる第1状態に設定された照明光学系の特性を、複数の固体光源の配置によって適切となる第2状態の特性に設定することから、複数の固体光源に適した特性を有する照明光学系を備えた露光装置を製造することができる。
【0010】
また、請求項4記載の露光装置の製造方法は、前記調整工程が、前記マスク又は前記感光性基板での照明むらを調整する照明むら調整工程と、前記マスク又は前記感光性基板でのテレセントリシティを調整するテレセントリシティ調整工程の中の少なくとも一方の工程により調整を行うことを特徴とする。
【0011】
この請求項4記載の露光装置の製造方法によれば、マスク又は感光性基板での照明むら、マスク又は感光性基板でのテレセントリシティを調整した露光装置を製造することができる。
【0012】
また、請求項5記載の露光装置の製造方法は、前記調整工程が、前記複数の固体光源から射出される複数の光の内の少なくとも1つの発散角を調整する発散角調整工程と、前記複数の固体光源から射出される複数の光の内の少なくとも1つの配光分布を調整する配光分布調整工程の中の少なくとも一方の工程により調整を行うことを特徴とする。
【0013】
この請求項5記載の露光装置の製造方法によれば、複数の固体光源から射出される複数の光の発散角、複数の固体光源から射出される複数の光の配光分布を調整した露光装置を製造することができる。
【0014】
また、請求項6記載の露光装置の製造方法は、前記調整工程が、前記照明光学系の照明特性を調整する照明特性調整工程と、前記複数の固体光源からの射出光を調整する射出光調整工程とを含むことを特徴とする。
【0015】
また、請求項7記載の露光装置の製造方法は、前記照明特性調整工程が、前記マスク又は前記感光性基板での照明むらを調整する照明むら調整工程と、前記マスク又は前記感光性基板でのテレセントリシティを調整するテレセントリシティ調整工程の中の少なくとも一方の工程により調整を行い、前記射出光調整工程が、前記複数の固体光源から射出される複数の光の内の少なくとも1つの発散角を調整する発散角調整工程と、前記複数の固体光源から射出される複数の光の内の少なくとも1つの配光分布を調整する配光分布調整工程の中の少なくとも一方の工程により調整を行うことを特徴とする。
【0016】
この請求項6、請求項7記載の露光装置の製造方法によれば、複数の固体光源から射出される複数の光の発散角、複数の固体光源から射出される複数の光の配光分布を調整した露光装置を製造することができる。
【0017】
また、請求項8記載の露光装置の製造方法は、コンデンサ光学系を含む照明光学系を用いてマスクを照明して、前記マスクのパターンを感光性基板に転写する露光装置の製造方法において、複数の固体光源を前記コンデンサ光学系の前側焦点位置又はそれと光学的に共役な位置に配置する固体光源配置工程と、前記複数の固体光源とは別の光源に対して適切となる第1状態に設定された前記露光装置の露光条件を、前記複数の固体光源の配置によって適切となる第2状態の露光条件に設定する調整工程とを含むことを特徴とする。
【0018】
また、請求項9記載の露光装置の製造方法は、照明光学系を用いてマスクを照明して、前記マスクのパターンを感光性基板に転写する露光装置の製造方法において、複数の固体光源を前記照明光学系の所定の位置に配置する固体光源配置工程と、前記複数の固体光源とは別の光源に対して適切となる第1状態に設定された前記露光装置の露光条件を、前記複数の固体光源の配置によって適切となる第2状態の露光条件に設定する調整工程とを含むことを特徴とする。
【0019】
また、請求項10記載の露光装置の製造方法は、前記調整工程が、前記露光量を制御する制御装置にオフセット値を付加する工程を含むことを特徴とする。
【0020】
また、請求項11記載の露光装置の製造方法は、前記調整工程が、前記照明光学系の照明特性を調整する照明特性調整工程と、前記複数の固体光源からの射出光を調整する射出光調整工程の中の少なくとも一方を含むことを特徴とする。
【0021】
この請求項8乃至請求項11記載の露光装置の製造方法によれば、複数の固体光源とは別の光源、例えば、水銀ランプにより構成される光源を、複数の固体光源に取り換えた場合等において、調整工程により、光源を取り換えたことによる露光条件の差をオフセット値として露光量を制御する制御装置に付加した露光装置を製造することができる。
【0022】
また、請求項12記載の露光装置の製造方法は、前記複数の固体光源が、発光ダイオードアレイを含むことを特徴とする。
【0023】
また、請求項13記載の光源ユニットは、照明装置に取り付けられる光源ユニットにおいて、複数の固体光源がアレイ状に配置された固体光源アレイと、前記固体光源アレイの光射出側に配置されたアレイ状の光学素子とを備え、前記固体光源アレイとは別の光源に対して適切となる第1状態に設定された前記照明装置の特性を、前記固体光源アレイの配置によって適切となる第2状態の特性に設定する発散角または配光分布を有する射出光を前記照明装置に対して供給することを特徴とする。
【0024】
また、請求項14記載の光源ユニットは、前記固体光源アレイ及び前記光学素子は、光源としてのランプからの光を集光する楕円鏡と前記照明装置内のオプティカルインテグレータとの間の光路中に配置できるように構成されることを特徴とする。
【0025】
この請求項13、請求項14記載の光源ユニットによれば、照明装置に対して固体光源アレイとは別の光源、例えば、水銀ランプにより構成される光源に対して適切となる第1状態に設定された照明装置の特性を、固体光源アレイの配置によって適切となる第2状態の特性に設定する発散角または配光分布を有する射出光を供給することができる。
【0026】
また、請求項15記載の光源ユニットは、前記固体光源アレイの光射出特性を調整する調整手段を含むことを特徴とする。この請求項15記載の光源ユニットによれば、調整手段により固体光源アレイの光射出特性を調整することができる。
【0027】
また、請求項16記載の光源ユニットは、複数のファイバを更に備え、前記複数のファイバのそれぞれの入射端は前記複数の固体光源と光学的に接続されていることを特徴とする。
【0028】
この請求項16記載の光源ユニットによれば、固体光源の配置の自由度を大きくすることができ、また複数のファイバの射出端の配列形状を容易に任意な形とすることができる。
【0029】
また、請求項17記載の光源ユニットは、複数の固体光源がアレイ状に配置された固体光源アレイと、前記固体光源アレイの光射出特性を調整する調整手段とを含むことを特徴とする。
【0030】
また、請求項18記載の光源ユニットは、前記調整手段が、前記固体光源アレイから射出される光の発散角、前記固体光源アレイから射出される光の配光分布、被照射面での照明むら及びテレセントリシティの内の少なくとも一つを調整可能に構成されることを特徴とする。
【0031】
この請求項17、請求項18記載の光源ユニットによれば、調整手段により固体光源アレイから射出される光の発散角、光の配光分布、被照射面での照明むら及びテレセントリシティを調整することができる。
【0032】
また、請求項19記載の光源ユニットは、複数のファイバを更に備え、前記複数のファイバのそれぞれの入射端は前記複数の固体光源と光学的に接続されていることを特徴とする。
【0033】
この請求項19記載の光源ユニットによれば、固体光源の配置の自由度を大きくすることができ、また複数のファイバの射出端の配列形状を容易に任意な形とすることができる。
【0034】
また、請求項20記載の露光方法は、請求項1乃至請求項12の何れか一項に記載の製造方法により製造された露光装置を用いた露光方法であって、前記複数の固体光源からの光により前記マスクを照明する照明工程と、前記マスクのパターンを前記感光性基板に転写する転写工程とを含むことを特徴とする。
【0035】
また、請求項21記載の露光方法は、前記転写工程が、前記マスクのパターン像を前記感光性基板に投影する投影光学系を用いて、前記マスクのパターンを前記感光性基板に転写する工程を含むことを特徴とする。
【0036】
この請求項20、請求項21記載の露光方法によれば、複数の固体光源とは別の光源に対して適切となる第1状態に設定された照明光学系の特性を、複数の固体光源の配置によって適切となる第2状態の特性に設定された露光装置を用いるため、マスクのパターンを感光性基板に良好に転写することができる。
【0037】
また、請求項22記載の露光装置は、請求項13乃至請求項19の何れか一項に記載の光源ユニットと、マスクのパターンを感光性基板に露光するために、前記光源ユニットからの光により前記マスクを照明する照明装置とを備えることを特徴とする。
【0038】
また、請求項23記載の露光装置は、前記マスクのパターンを前記感光性基板に投影する投影光学系をさらに備えることを特徴とする。
【0039】
この請求項22、請求項23記載の露光装置によれば、光源ユニットが照明装置に対して、固体光源アレイとは別の光源、例えば、水銀ランプにより構成される光源に対して適切となる第1状態に設定された照明装置の特性を、固体光源アレイの配置によって適切となる第2状態の特性に設定する発散角または配光分布を有する射出光を供給するため、マスクのパターンを感光性基板に良好に転写することができる。
【0040】
また、請求項24記載の露光方法は、請求項22又は請求項23に記載の露光装置を用いた露光方法であって、前記光源ユニットからの光により前記マスクを照明する照明工程と、前記マスクのパターンを前記感光性基板に転写する転写工程とを含むことを特徴とする。
【0041】
この請求項24記載の露光方法は、光源ユニットが照明装置に対して、固体光源アレイとは別の光源、例えば、水銀ランプにより構成される光源に対して適切となる第1状態に設定された照明装置の特性を、固体光源アレイの配置によって適切となる第2状態の特性に設定する発散角または配光分布を有する射出光を供給する露光装置を用いるため、マスクのパターンを感光性基板に良好に転写することができる。
【0042】
また、請求項25記載の露光装置の調整方法は、マスクのパターンを感光性基板に転写するために、コンデンサ光学系を含む照明光学系を介して、光源手段からの光によりマスクを照明する露光装置の調整方法において、前記光源手段の代りに複数の固体光源を前記コンデンサ光学系の前側焦点位置又はそれと光学的に共役な位置に配置する固体光源配置工程と、前記複数の固体光源の配置によって前記照明光学系の照明特性を調整する調整工程とを含むことを特徴とする。
【0043】
この請求項25記載の露光装置の調整方法によれば、光源手段の代わりに複数の固体光源をコンデンサ光学系の前側焦点位置又はそれと光学的に共役な位置に配置しても、調整工程により露光装置の照明光学系としての照明特性を良好に維持することができる。
【0044】
また、請求項26記載の露光装置の調整方法は、マスクのパターンを感光性基板に転写するために、照明光学系を介して、光源手段からの光によりマスクを照明する露光装置の調整方法において、前記光源手段の代わりに複数の固体光源を前記照明光学系の所定の位置に配置する固体光源配置工程と、前記複数の固体光源の配置によって前記照明光学系の照明特性を調整する調整工程とを含むことを特徴とする。
【0045】
この請求項26記載の露光装置の調整方法によれば、光源手段の代わりに複数の固体光源を照明光学系の所定の位置に配置したとしても露光装置の照明光学系としての照明特性又は露光条件を良好に維持することが可能となる。
【0046】
また、請求項27記載の露光方法は、請求項25または請求項26に記載の調整方法により調整された露光装置を用いた露光方法であって、照明光学系を介した前記複数の固体光源からの光により前記マスクを照明する照明工程と、前記マスクのパターンを前記感光性基板に転写する転写工程とを含むことを特徴とする。
【0047】
この請求項27記載の露光方法によれば、照明光学系の照明特性が、光源手段の代わりに配置された複数の固体光源に適したものに調整されているため、マスクのパターンを感光性基板に良好に転写することができる。
【0048】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態を説明する。図1は第1の実施の形態にかかる投影露光装置の概略構成を示す図である。
図1に示す投影露光装置は、高圧水銀ランプからなる光源に代えて光源1を備えている。即ち光源1は、発光ダイオード(固体光源)をアレイ状に配列した発光ダイオードアレイにより構成され、回転楕円面からなる反射面を有する楕円鏡2の第2焦点位置に位置決めされている。ここで楕円鏡2の第2焦点位置は、後述するコンデンサ光学系7の前側焦点位置(光源側焦点位置)と光学的に共役な位置である。なお、光源1を配置する位置は、コンデンサ光学系7の前側焦点位置(光源側焦点位置)と光学的に共役な位置の近傍であってもよい。また、光源1を構成する発光ダイオードは、1個当たり10mW以上の出力を有するものであり、出力波長が450nm以下であることが好ましい。
【0049】
楕円鏡2の第2焦点位置に配置された光源1からの光束は、コリメートレンズ3によりほぼ平行な光束に変換された後、オプティカルインテグレータとしてのフライアイレンズ4に入射する。
【0050】
フライアイレンズ4は、正の屈折力を有する多数のレンズエレメントをその光軸が基準光軸AXと平行になるように縦横に且つ稠密に配列することによって構成されている。フライアイレンズ4を構成する各レンズエレメントは、マスク上において形成すべき照野の形状(ひいてはプレート上において形成すべき露光領域の形状)と相似な矩形状の断面を有する。また、フライアイレンズ4を構成する各レンズエレメントの入射側の面は入射側に凸面を向けた球面状に形成され、射出側の面は射出側に凸面を向けた球面状に形成されている。
【0051】
したがって、フライアイレンズ4に入射した光束は多数のレンズエレメントにより波面分割され、各レンズエレメントの後側焦点面には1つの光源像がそれぞれ形成される。すなわち、フライアイレンズ4の後側焦点面には、多数の光源像からなる実質的な面光源すなわち二次光源が形成される。フライアイレンズ4の後側焦点面に形成された二次光源からの光束は、その近傍に配置されたσ絞り5に入射する。σ絞り5は、後述する投影光学系PLの入射瞳面と光学的にほぼ共役な位置に配置され、二次光源の照明に寄与する範囲を規定するための可変開口部を有する。σ絞り5は、可変開口部の開口径を変化させることにより、照明条件を決定するσ値(投影光学系の瞳面の開口径に対するその瞳面上での二次光源像の口径の比)を所望の値に設定する。
【0052】
σ絞り5を介した二次光源からの光は、ミラー6を介して複数のレンズ7a〜7cにより構成されるコンデンサ光学系7の集光作用を受けた後、所定のパターンが形成されたマスクMを重畳的に均一照明する。マスクMのパターンを透過した光束は、投影光学系PLを介して、感光性基板であるプレートP上にマスクパターンの像を形成する。
【0053】
なお、この複数の発光ダイオード(固体光源)により構成される光源1により、プレートP(被照射面)では、50mW/cm2以上の照度が得られる。また、光源1により、プレートP(被照射面)では、照度むらを平均値(基準値)に対して±10%以内に抑えることができる。ここで、プレートP上の照度の基準値に対する照度むらI(%)は、プレートP上の照度の走査方向(X軸方向)での平均値のうちの最大値をImax(W/cm2)、プレートP上の照度の走査方向(X軸方向)での平均値のうちの最小値をImin(W/cm2)とすると、次の数式により定義される。
【0054】
I={(Imax−Imin)/(Imax+Imin)}×100(%)
また、この投影露光装置においては、光源1が、定格出力以下の出力で照明光の射出を行っている。従って、固体光源の寿命を延ばすことができる。
そして、投影光学系PLの光軸と直交する平面内においてプレートPを二次元的に駆動制御しながら一括露光またはスキャン露光を行うことにより、プレートPの各露光領域にはマスクMのパターンが逐次露光される。
【0055】
なお、プレートPは、プレートステージPS上に載置されており、プレートステージPS上には、照度むらセンサ8が配置されている。また、フライアイレンズ4とミラー6との間の光路中には、ビームスプリッタ9が配置され、ビームスプリッタ9により反射された光は、インテグレータセンサ10に入射する。インテグレータセンサ10による検出信号は、制御部11に対して出力される。また、照度むらセンサ8による検出信号も制御部11に対して出力される。
【0056】
ここで、インテグレータセンサ10の検出信号とプレートP上での露光光の照度との関係は予め高精度に計測されて、制御部11内のメモリに記憶されている。制御部11は、インテグレータセンサ10の検出信号より間接的にプレートPに対する露光光の照度(平均値)及びその積分値(積算露光量の平均値)をモニタできるように構成されている。そして、この制御部11は、露光中において、光源1からの光を、インテグレータセンサ10を介してプレートPに対する露光光の照度の積分値を算出する。制御部11では、その照度の積分値を逐次算出し、この結果に応じてプレートP上において適正露光量が得られるように、光源1の出力を制御する。なお、照度むらセンサ8による検出結果及びインテグレータセンサ10による検出結果は、表示部12によっても表示される。
【0057】
次に、この第1の実施の形態にかかる投影露光装置の製造方法の説明を行う。図2は、第1の実施の形態にかかる投影露光装置の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【0058】
まず、高圧水銀ランプからなる光源を有する投影露光装置から高圧水銀ランプからなる光源を取除く(ステップS10)。次に、発光ダイオード(固体光源)をアレイ状に配列した発光ダイオードアレイにより構成される光源1を楕円鏡2の第2焦点位置に配置する(ステップS11)。ここで楕円鏡2の第2焦点位置は、コンデンサ光学系7の前側焦点位置と光学的に共役な位置である。なお、光源1を配置する位置は、コンデンサ光学系7の前側焦点位置と光学的に共役な位置の近傍であってもよい。
【0059】
次に、高圧水銀ランプからなる光源に代えて発光ダイオードアレイにより構成される光源1を配置したことによる露光条件の差をオフセット値として、図示しない入力部を介して制御部11に入力する(ステップS12)。即ち、高圧水銀ランプからなる光源に対して適切となる第1状態に設定された露光装置の露光条件、例えば、露光時間、露光量等を光源1に対して適切となる第2状態の露光条件に適したものに設定する。
【0060】
次に、光源1から射出される光の発散角の調整を行う(ステップS13)。ここで光源1から射出される光の発散角の調整は、光源1から射出された光が入射するコリメートレンズ3の調整により行うことができる。例えばコリメートレンズ3を複数のレンズで構成し、一部のレンズを光軸AX方向に移動等することにより光源1から射出される光の発散角の調整を行うことができる。また、光源1を構成する複数の発光ダイオードの中の一部の発光ダイオードを傾けることによっても、光源1から射出される光の発散角の調整を行うことができる。
【0061】
更に、光源1を構成する複数の発光ダイオードとして、発散角が最適なものを予め選択することによっても、光源1から射出される光の発散角の調整を行うことができる。また、光源1の光射出面側にレンズアレイを配置し、レンズアレイを介した光の発散角を調整するようにしてもよい。
【0062】
次に、光源1から射出される光の配光分布の調整を行う(ステップS14)。ここで光源1から射出される光の配光分布の調整は、光源1の光射出面側にレンズアレイを配置し、レンズアレイに収差を持たせることにより調整することができる。また、光源1を構成する複数の発光ダイオードのそれぞれの光射出面側に角度特性フィルタを配置することにより調整することができる。更に、光源1を構成する複数の発光ダイオードの中の一部の発光ダイオードを傾けることによっても、光源1から射出される光の配光特性の調整を行うことができる。
【0063】
次に、マスクM又はプレートP上の照明むらの調整を行う(ステップS15)。なお、照明むらの調整は、プレートP上に配置されている照度むらセンサ8による検出結果に基づいて行われる。ここで照明むらの調整には、傾斜むら調整と中心対称むら調整が含まれる。傾斜むら調整は、コンデンサ光学系7を構成する一部のレンズ、例えばレンズ7bを光軸AXに対してシフト、又はチルトさせることにより行うことができる。また、コリメートレンズ3を光軸AXに対してシフト、又はチルトさせることにより行うことができる。また、中心対称むら調整は、コンデンサ光学系7を構成する一部のレンズ、例えばレンズ7bを光軸AX方向に移動させることにより行うことができる。
【0064】
次に、マスクM又はプレートP上のテレセントリシティの調整を行う(ステップS16)。なお、テレセントリシティの調整は、プレートPの下部に設けられた図示しないポジショニングセンサを投影光学系の光軸方向に移動させつつ結像位置の検出を行いこの検出結果に基づいて行う。ここでマスクM又はプレートP上のテレセントリシティの調整には、傾斜テレセントリシティの調整及び倍率テレセントリシティの調整が含まれる。傾斜テレセントリシティの調整は、フライアイユニット、即ちフライアイレンズ4及びσ絞り5を一体として光軸AXに対してシフトさせることにより、又はσ絞り5のみを光軸AXに対してシフトさせることにより行うことができる。また、光源1を構成している複数の発光ダイオードの光量分布を制御することによっても行うことができる。
【0065】
また、倍率テレセントリシティの調整は、フライアイユニット、即ちフライアイレンズ4及びσ絞り5を一体として光軸方向に移動させることにより、又はσ絞り5のみを光軸方向に移動させることにより行うことができる。以上の調整を行うことにより、光源1を備えた投影露光装置の製造が終了する。
【0066】
この実施の形態にかかる投影露光装置の製造方法によれば、既存の投影露光装置の光源を、金属ガスや希ガス等を用いたランプから長寿命、低ランニングコストなどのメリットを持つ発光ダイオードやレーザーダイオードなど、いわゆる固体光源に置き換えることができる。従って、低ランニングコストで長寿命かつ破裂の危険性のない光源を有する投影露光装置を提供することができる。
【0067】
次に、図3を参照して、この発明の第2の実施の形態にかかる投影露光装置の説明を行う。この第2の実施の形態の説明においては、第1の実施の形態にかかる投影露光装置の構成と同一の構成には、第1の実施の形態に用いたものと同一の符号を付して説明を行う。
【0068】
図3は第2の実施の形態にかかる投影露光装置の概略構成を示す図である。図3に示す投影露光装置は、高圧水銀ランプからなる光源に代えて光源1を備えている。ここで光源1は、発光ダイオード(固体光源)をアレイ状に配列した発光ダイオードアレイにより構成され、コンデンサ光学系7の前側焦点位置に位置決めされている。なお、光源1を配置する位置は、コンデンサ光学系7の前側焦点位置の近傍であってもよい。
【0069】
コンデンサ光学系7の前側焦点位置に配置された光源1から射出された光束は、ミラー6を介して複数のレンズ7a〜7cにより構成されるコンデンサ光学系7の集光作用を受けた後、所定のパターンが形成されたマスクMを重畳的に均一照明する。マスクMのパターンを透過した光束は、投影光学系PLを介して、感光性基板であるプレートP上にマスクパターンの像を形成する。こうして、投影光学系PLの光軸と直交する平面内においてプレートPを二次元的に駆動制御しながら一括露光またはスキャン露光を行うことにより、プレートPの各露光領域にはマスクMのパターンが逐次露光される。
【0070】
なお、プレートPは、プレートステージPS上に載置されており、プレートステージPS上には、照度むらセンサ8が配置されている。また、光源1とミラー6との間の光路中には、ビームスプリッタ9が配置され、ビームスプリッタ9により反射された光は、インテグレータセンサ10に入射する。インテグレータセンサ10による検出信号は、制御部11に対して出力される。また、照度むらセンサ8による検出信号も制御部11に対して出力される。制御部11は、記憶されている露光条件に基づいて、光源1に対して制御信号の出力を行う。なお、照度むらセンサ8による検出結果及びインテグレータセンサ10による検出結果は、表示部12により表示される。
【0071】
次に、この第2の実施の形態にかかる投影露光装置の製造方法の説明を行う。図4は、第1の実施の形態にかかる投影露光装置の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【0072】
まず、高圧水銀ランプからなる光源を有する投影露光装置から高圧水銀ランプからなる光源、コリメートレンズ、フライアイレンズ及びσ絞り等を取除く(ステップS20)。次に、発光ダイオードをアレイ状に配列した発光ダイオードアレイにより構成される光源1をコンデンサレンズ7の前側焦点位置に配置する(ステップS21)。なお、光源1を配置する位置は、コンデンサ光学系7の前側焦点位置の近傍でもよい。
【0073】
次に、高圧水銀ランプからなる光源に代えて発光ダイオードアレイにより構成される光源1を配置したことによる露光条件の差をオフセット値として、図示しない入力部を介して制御部11に入力する(ステップS22)。即ち、高圧水銀ランプからなる光源に対して適切となる第1状態に設定された露光装置の露光条件、例えば、露光時間、露光量等を光源1に対して適切となる第2状態の露光条件に適したものに設定する。
【0074】
次に、光源1から射出される光の発散角の調整を行う(ステップS23)。ここで光源1から射出される光の発散角の調整は、光源1から射出された光が入射するコンデンサ光学系7の調整により行うことができる。即ち、コンデンサ光学系7を構成する複数のレンズ7a〜7cの中の一部のレンズを光軸AX方向に移動等することにより光源1から射出される光の発散角の調整を行うことができる。また、光源1を構成する複数の発光ダイオードの中の一部の発光ダイオードを傾けることによっても、光源1から射出される光の発散角の調整を行うことができる。
【0075】
更に、光源1を構成する複数の発光ダイオードとして、発散角が最適なものを予め選択することによっても、光源1から射出される光の発散角の調整を行うことができる。また、光源1の光射出面側にレンズアレイを配置し、レンズアレイを介した光の発散角を調整するようにしてもよい。
【0076】
次に、光源1から射出される光の配光分布の調整を行う(ステップS24)。ここで光源1から射出される光の配光分布の調整は、光源1の光射出面側にレンズアレイを配置し、レンズアレイに収差を持たせることにより調整することができる。また、光源1を構成する複数の発光ダイオードのそれぞれの光射出面側に角度特性フィルタを配置することにより調整することができる。更に、光源1を構成する複数の発光ダイオードの中の一部の発光ダイオードを傾けることによっても、光源1から射出される光の配光特性の調整を行うことができる。
【0077】
次に、マスクM又はプレートP上の照明むらの調整を行う(ステップS25)。なお、照明むらの調整は、プレートP上に配置されている照明むらセンサ8による検出結果に基づいて行われる。ここで照明むらの調整には、傾斜むら調整と中心対称むら調整が含まれる。傾斜むら調整は、光源1の光射出面側の近傍に濃度傾斜フィルタを配置することにより行うことができる。また、コンデンサ光学系7を構成する一部のレンズ、例えばレンズ7bを光軸AXに対してシフト、又はチルトさせることにより行うことができる。また、光源1を構成する複数の発光ダイオードの中の一部の発光ダイオードの方向を変化させることにより行うことができる。更に、光源1全体を一体として傾けることにより行うことができる。
【0078】
また、中心対称むら調整は、光源1の光射出面側の近傍に濃度分布(中心対称)フィルタを配置することにより行うことができる。また、コンデンサ光学系7を構成する一部のレンズ、例えばレンズ7bを光軸AX方向に移動させることにより行うことができる。更に中心対称むらを補正するためのむら補正板、むら補正レンズをマスクMの近傍、マスクMと光学的に共役な位置又はその近傍などの光路中に挿入することにより行うことができる。
【0079】
次に、マスクM又はプレートP上のテレセントリシティの調整を行う(ステップS26)。なお、テレセントリシティの調整は、プレートPの下部に設けられた図示しないポジショニングセンサを投影光学系の光軸方向に移動させつつ結像位置の検出を行いこの検出結果に基づいて行う。ここでマスクM又はプレートP上のテレセントリシティの調整には、倍率テレセントリシティの調整及び傾斜テレセントリシティの調整が含まれる。倍率テレセントリシティの調整は、光源1を光軸AX方向に移動させることにより行うことができる。また、コンデンサ光学系7を構成する一部のレンズ、例えばレンズ7bを光軸AX方向に移動させることにより行うことができる。更にテレセントリシティを補正するためのテレセン補正板、テレセン補正レンズをマスクMの近傍、マスクMと光学的に共役な位置又はその近傍などの光路中に挿入することにより行うことができる。
【0080】
また、傾斜テレセントリシティの調整は、光源1を光軸AXに対して垂直な方向に移動させることにより行うことができる。また、光源1を構成している発光ダイオードアレイにおける光強度分布を変化させることにより行うことができる。更にテレセントリシティを補正するためのテレセン補正板、テレセン補正レンズをマスクMの近傍、マスクMと光学的に共役な位置又はその近傍などの光路中に挿入することにより行うことができる。以上の調整を行うことにより、光源1を備えた投影露光装置の製造が終了する。
【0081】
この第2の実施の形態にかかる投影露光装置の製造方法によれば、既存の投影露光装置の光源を、金属ガスや希ガス等を用いたランプから長寿命、低ランニングコストなどのメリットを持つ発光ダイオードやレーザーダイオードなど、いわゆる固体光源に置き換えることができる。従って、低ランニングコストで長寿命かつ破裂の危険性のない光源を有する投影露光装置を提供することができる。また、既存の投影露光装置の集光光学系を取除くことができる。従って、コンパクトな投影露光装置を提供することができる。
【0082】
なお、上述の第1及び第2の実施の形態においては、照明光学系の照明特性の調整を、露光量制御のためのオフセット値の付加、光源1から射出される光の発散角の調整、光源1から射出される光の配光分布の調整、マスクM又はプレートP上の照明むらの調整、及びマスクM又はプレートP上のテレセントリシティの調整により行っているが、この中の少なくとも1つを行うことにより照明光学系の照明特性の調整を行うようにしてもよい。
【0083】
次に、図5を参照して、この発明の第3の実施の形態にかかる投影露光装置の説明を行う。この第3の実施の形態の説明においては、第1の実施の形態にかかる投影露光装置の構成と同一の構成には、第1の実施の形態において用いたものと同一の符号を付して説明を行う。
【0084】
図5は第3の実施の形態にかかる投影露光装置の概略構成を示す図である。図5に示す投影露光装置は、高圧水銀ランプからなる光源に代えて光源ユニット20を備えている。即ち光源ユニット20は、回転楕円面からなる反射面を有する楕円鏡2の第2焦点位置に位置決めされている。ここで楕円鏡2の第2焦点位置は、後述するコンデンサ光学系7の前側焦点位置と光学的に共役な位置である。なお、光源ユニット20を配置する位置は、コンデンサ光学系7の前側焦点位置と共役な位置の近傍であってもよい。その他の点においては、第1の実施の形態にかかる投影露光装置と同一の構成である。
【0085】
次に、図6を参照して、この発明の第4の実施の形態にかかる投影露光装置の説明を行う。この第4の実施の形態の説明においては、第1の実施の形態にかかる投影露光装置の構成と同一の構成には、第1の実施の形態において用いたものと同一の符号を付して説明を行う。
【0086】
図6は第4の実施の形態にかかる投影露光装置の概略構成を示す図である。図6に示す投影露光装置は、高圧水銀ランプからなる光源に代えて光源ユニット20を備えている。即ち光源ユニット20は、コンデンサ光学系7の前側焦点位置に位置決めされている。なお、光源ユニット20を配置する位置は、コンデンサ光学系7の前側焦点位置の近傍であってもよい。その他の点においては、第2の実施の形態にかかる投影露光装置と同一の構成である。
【0087】
この第3及び第4の実施の形態にかかる投影露光装置に備えられている光源ユニット20は、図7(a)に示すように、基板20a上に発光ダイオード20bをアレイ状に配列した発光ダイオードアレイ(固体光源アレイ)及び正のパワーを持つマイクロレンズ20cをアレイ状に配列したマイクロレンズアレイにより構成され、マイクロレンズアレイが発光ダイオードアレイの光射出面の近傍に配置されている。この光源ユニット20においては、正のパワーを持つマイクロレンズアレイにより発光ダイオードアレイの開口数を制御することにより、各発光ダイオード20bから射出される光の発散角を収束方向に調整することができる。
【0088】
また、光源ユニット20は、図7(b)に示すような構成であってもよい。この図7(b)に示す光源ユニット20は、基板20a上に発光ダイオード20bをアレイ状に配列した発光ダイオードアレイ(固体光源アレイ)及び負のパワーを持つマイクロレンズ20dをアレイ状に配列したマイクロレンズアレイにより構成され、マイクロレンズアレイが発光ダイオードアレイの光射出面の近傍に配置されている。この光源ユニット20においては、負のパワーを持つマイクロレンズアレイにより発光ダイオードアレイの開口数を制御することにより、発光ダイオード20bから射出される光の発散角を発散方向に調整することができる。
【0089】
また、光源ユニット20は、図8に示すような構成であってもよい。この図8に示す光源ユニット20は、基板20a上に発光ダイオード20bをアレイ状に配列した発光ダイオードアレイ、むら補正板(濃度分布(中心対称)フィルタ及び濃度傾斜フィルタ)20e、及びテレセントリシティ補正板20fにより構成され、むら補正板20e及びテレセントリシティ補正板20fが発光ダイオードアレイの光射出面側の近傍に配置されたものである。なお、むら補正板、テレセントリシティ補正板は、それぞれむら補正レンズ、テレセントリシティ補正レンズに置き換えてもよい。図8に示されている光源ユニット20においては、むら補正板20e、及びテレセントリシティ補正板20fを光路内に出し入れするための機構が設けられており、むら補正板20e、テレセントリシティ補正板20fを光路内に出し入れすることにより傾斜むら、中心対称むら、傾斜テレセントリシティ及び倍率テレセントリシティを調整することができる。
【0090】
また、照明光学系の傾斜むら調整は、図9(a)に示すように、光源ユニット20を傾けることにより行うこともできる。また、照明光学系の倍率テレセントリシティの調整は、図9(b)に示すように、光源ユニット20を光軸方向に移動させることにより行うことができる。また、照明光学系の傾斜テレセントリシティ調整は、図9(c)に示すように、光源ユニット20を光軸垂直方向に移動させることにより行うことができる。このような光源ユニット20の傾きの調整、光軸方向又は光軸に垂直な方向への移動は、図示しない光源ユニット位置調整機構により行うことができる。更に、照明光学系の傾斜テレセントリシティ調整は、固体光源アレイを構成する複数の発光ダイオードの光量を制御することによっても行うことができる。
【0091】
この第3及び第4の実施の形態にかかる投影露光装置によれば、既存の投影露光装置の光源を、発光ダイオードやレーザーダイオードなどの固体光源及びマイクロレンズアレイにより構成した光源ユニットに置き換えることができる。また、この光源ユニットにおいては、固体光源から射出される光の発散角、照明光学系の傾斜むら、中心対称むら、照明光学系の倍率テレセントリシティ、及び傾斜テレセントリシティの調整を行うことができる。
【0092】
上述の各実施の形態にかかる露光装置では、照明光学装置によってマスクを照明し(照明工程)、投影光学系を用いてマスクに形成された転写用のパターンを感光性基板に露光する(露光工程)ことにより、マイクロデバイス(半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等)を製造することができる。以下、実施の形態の露光装置を用いて感光基板としてのウエハ(プレート)等に所定の回路パターンを形成することによって、マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る半導体デバイスの製造方法を、図10のフローチャートを参照して説明する。
【0093】
先ず、図10のステップS301において、1ロットのウエハ上に金属膜が蒸着される。次のステップS302において、その1ロットのウエハ上の金属膜上にフォトレジストが塗布される。その後、ステップS303において、本実施の形態の露光装置を用いて、マスク上のパターンの像がその投影光学系を介して、その1ロットのウエハ上の各ショット領域に順次露光転写される。即ち、照明光学装置によりマスクを照明し(照明工程)、マスクのパターンをウエハ上に転写する(露光工程)。
【0094】
その後、ステップS304において、その1ロットのウエハ上のフォトレジストの現像が行われた後、ステップS305において、その1ロットのウエハ上でレジストパターンをマスクとしてエッチングを行うことによって、マスク上のパターンに対応する回路パターンが、各ウエハ上の各ショット領域に形成される。その後、更に上のレイヤの回路パターンの形成等を行うことによって、半導体素子等のデバイスが製造される。上述の半導体デバイス製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する半導体デバイスをスループット良く得ることができる。
【0095】
また、図1、図3、図5及び図6に示す本実施の形態の露光装置では、プレート(ガラス基板)上に所定のパターン(回路パターン、電極パターン等)を形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得ることもできる。以下、図11のフローチャートを参照して、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を製造する方法を説明する。
【0096】
図11において、パターン形成工程S401では、実施の形態の露光装置を用いてマスクのパターンを感光性基板(レジストが塗布されたガラス基板等)に転写露光する、所謂光リソグラフィ工程が実行される。この光リソグラフィ工程によって、感光性基板上には多数の電極等を含む所定パターンが形成される。その後、露光された基板は、現像工程、エッチング工程、レジスト剥離工程等の各工程を経ることによって、基板上に所定のパターンが形成され、次のカラーフィルタ形成工程S402へ移行する。
【0097】
次に、カラーフィルタ形成工程S402では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応した3つのドットの組がマトリックス状に多数配列され、またはR、G、Bの3本のストライプのフィルタの組を複数水平走査線方向に配列したカラーフィルタを形成する。そして、カラーフィルタ形成工程S402の後に、セル組み立て工程S403が実行される。セル組み立て工程S403では、パターン形成工程S401にて得られた所定パターンを有する基板、およびカラーフィルタ形成工程S402にて得られたカラーフィルタ等を用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。セル組み立て工程S403では、例えば、パターン形成工程S401にて得られた所定パターンを有する基板とカラーフィルタ形成工程S402にて得られたカラーフィルタとの間に液晶を注入して、液晶パネル(液晶セル)を製造する。
【0098】
その後、モジュール組み立て工程S404にて、組み立てられた液晶パネル(液晶セル)の表示動作を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付けて液晶表示素子として完成させる。上述の液晶表示素子の製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する液晶表示素子をスループット良く得ることができる。
【0099】
また、上述の各実施の形態において、複数の固体光源として、複数の発光点を有する固体光源チップ、チップを複数個アレイ状に配列した固体光源チップアレイ、さらに複数の発光点を一枚の基板に作り込んだタイプのものなどを用いても良い。なお、固体光源素子は無機、有機を問わない。
【0100】
また、上述の各実施の形態において、光源として、複数個の固体光源と各固体光源に対応して設けられた複数の光ファイバ等のライトガイド(ファイバ)とを組み合わせたファイバ光源を用いても良い。この場合には、第1及び第2の実施の形態の光源1がファイバ光源に変更され、第3及び第4の実施の形態の光源ユニット20内の固体光源アレイ(20a、20b)がファイバ光源に変更される。
【0101】
図12は、固体光源71と各固体光源71に対応して設けられた光ファイバ72とを複数個束ね合わせたファイバ光源69を示す図である。図12に示すファイバ光源69においては、固体光源71から射出される光は、光ファイバ72の入射端に入射して、光ファイバ72の射出端から射出する。即ち、光ファイバ72のそれぞれの入射端は、固体光源71と光学的に接続されている。また、図13は、固体光源71、各固体光源71に対応して設けられたレンズ(集光光学系)73及び光ファイバ72を複数個束ね合わせたファイバ光源70を示す図である。図13に示すファイバ光源70においては、固体光源71から射出される光は、レンズ73に入射して、レンズ73により集光されて光ファイバ72の入射端に入射し、光ファイバ72の射出端から射出する。即ち、光ファイバ72のそれぞれの入射端は、固体光源71と光学的に接続されている。
【0102】
図12に示すファイバ光源69及び図13に示すファイバ光源70においては、適切な開口数を有する光ファイバ72を用いることにより、通常楕円形である固体光源71のビームプロファイル75(図14(a)参照)を円形のビームプロファイル76(図14(b)及び図14(c)参照)に成形することができる。
【0103】
また、複数個の光ファイバの射出端部分を任意の形に束ね合わせることにより光源の射出端の形状(射出端の配置形状)を最適な形状に成形することが可能である。例えば、図15(a)に示すような矩形状に成形することもでき、図15(b)に示すような形状に成形することもできる。また、図16に示すように、ファイバ光源69、70の光ファイバの射出端を束ねた形状とフライアイ・インテグレータ80の1つのエレメント81の形状とが相似形になるように、複数個の光ファイバの射出端部分の形状を成形することも極めて容易となる。
【0104】
ここで、図17は、図13に示すファイバ光源70の1つの固体光源71、それに対応して設けられたレンズ(集光光学系)73及び光ファイバ72を示す図である。図13に示すファイバ光源70においては、固体光源71の発散光の内で最大の射出角度を持つ光の開口数(最大の射出角度(半角)の正弦(sin)、以下、最大開口数と呼ぶこととする)をNA1、固体光源71の発光部の大きさ(直径)の最大値をφ、光ファイバ72が光を取り込むことが可能な角度範囲(半角)の正弦(sin)、いわゆる光ファイバ72の開口数をNA2、光ファイバ72の入射端のコア直径をDとしたとき、NA2≧φ/D×NA1の条件を満足している。この条件を満足することにより、固体光源71から射出される光を無駄なく光ファイバ72に取り込むことができ、固体光源71から射出される光の光量を維持して、光ファイバ72の射出端から射出させることができる。
【0105】
また、光ファイバとして石英ファイバを用いる場合、固体光源71の最大開口数をNA1、固体光源71の発光部の大きさ(直径)の最大値をφ、石英ファイバの入射端のコア直径をDとしたとき、0.3≧φ/D×NA1の条件を満足している。この条件を満足することにより、固体光源から射出される光を無駄なく石英ファイバに取り込むことができ、固体光源から射出される光の光量を維持して、光ファイバ72の射出端から射出させることができる。
【0106】
また、図18はファイバ光源69、70の射出端からフライアイ・インテグレータ80までの構成を示す図、図19はフライアイ・インテグレータ80の1つのエレメント81における入射面の形状を示す図、図20はファイバ光源69、70の射出端83の形状を示す図である。ここで、フライアイ・インテグレータ80のエレメント81の入射面の一方の長さをa、他方の長さをb、複数個の光ファイバ72を束ね合わせた射出端83の形状において一方の長さをA、他方の長さをB、光ファイバ72とフライアイ・インテグレータ80との間に位置するコリメートレンズ82の焦点距離をf1、フライアイ・インテグレータ80の焦点距離をf2としたとき、A×f2/f1≦a及びB×f2/f1≦bの関係が成り立つ。
【0107】
また、ファイバ光源がm組の光ファイバ光源69、70で構成される場合(mは自然数)、m組の光ファイバ72から射出される光出力の総量をW、光ファイバ72の射出端のコア直径をdとしたとき、[m×{d(f2/f1)}2π/(4×a×b)]×W≧30(mW)の条件を満足することが望ましい。この条件を満足することにより、フライアイ・インテグレータ80の1つのエレメント81に対する光源像の充填率を最適な状態にすることができ、露光装置として実用的な照度を得ることができる。なお、この場合において、光ファイバ72の射出端を束ねた形状とフライアイ・インテグレータ80のエレメント81の形状とは相似形であることが望ましい。
【0108】
また、図12に示すファイバ光源69及び図13に示すファイバ光源70においては、光ファイバ72の射出端における時間的に変化する光量の最大値をPmax、最小値をPminとしたとき、その光ファイバ72の射出端における光量の平均リップル幅ΔPは、ΔP=(Pmax−Pmin)/(Pmax+Pmin)により算出される。ここで、フライアイ・インテグレータ80の入射端において要求される光量のリップル幅をΔWとしたとき、固体光源71の数nはn≧(ΔP/ΔW)2の条件を満足することが望ましい。
【0109】
この条件を満足することにより、ファイバ光源69、70の射出端から射出される光出力のばらつきは、固体光源71の数nを(ΔP/ΔW)2より多くすることにより平均化され、その平均化効果により安定した光出力を有するファイバ光源69、70を提供することができる。
【0110】
また、図12に示すファイバ光源69及び図13に示すファイバ光源70においては、それぞれの固体光源71の波長、光量等の出力特性にばらつきがある場合、それら出力特性の異なる複数個の固体光源71をファイバ光源の光源として用いることによりファイバ光源69、70の射出端において出力特性のばらつきが平均化される。ファイバ光源69、70の射出端において平均化された光は、さらにフライアイ・インテグレータ80により平均化される。図21は、各固体光源71の出力特性のばらつきを平均化した状態をグラフ化した図である。それぞれ異なった出力特性を持つ固体光源71を平均化して、グラフ化したものがAVEである。このように、出力特性の異なる複数個の固体光源71を組み合わせたものをファイバ光源69、70に使用した場合において、平均化効果により安定した光出力を有する照明光を得ることができる。
【0111】
また、露光装置が走査型露光装置である場合に、同期ブラインドを備えても良い。図22は、走査型露光装置の構成図である。この露光装置は、投影光学系に対して、マスクステージ及び基板ステージが移動しつつ、マスクのパターンをプレート上に転写する走査型露光装置であり、同期ブラインド(可動ブラインド機構)90を有する。その他の点においては、第1の実施の形態にかかる露光装置と同一の構成を有する。
【0112】
図22に示すように、マスクMの近傍には、固定ブラインドBL0と、可動ブラインド機構90とが配置されており、図23に示すように、この可動ブラインド機構は、4枚の可動ブレードBL1、BL2、BL3、BL4からなる。可動ブレードBL1、BL2のエッジによって走査露光方向の開口APの幅が決定され、可動ブレードBL3、BL4のエッジによって非走査方向の開口APの長さが決定される。また、4枚の可動ブレードBL1〜BL4の各エッジで規定された開口APの形状は、投影レンズPLの円形イメージフィールドIF内に包含されるように定められる。
【0113】
固定ブラインドBL0の開口と可動ブランド機構90の開口APとを通過した照明光はマスクMを照射する。つまり、各可動ブレードBL1〜BL4によって形成される開口APと固定ブラインドの開口とが重なっている領域についてのみ、マスクMの照明が行われることになる。通常の露光状態においては、固定ブラインドBL0の開口の像がマスクMのパターン面に結像されるが、マスクM上の特定走査露光領域の周辺すなわち遮光部分の近傍領域の露光が行われる場合、4枚の可動ブレードBL1〜BL4によって遮光部分の外側に照明光が入射することが防止される。即ち、マスクステージの走査に際して、照明光学系から射出される光束とマスクMとの相対位置に関する情報が監視される。この監視情報に基づいて、マスクM上の特定走査露光領域の露光開始時や露光終了時において遮光部分の近傍領域について露光が始まると判断した場合、可動ブレードBL1、BL2のエッジ位置を移動させ、走査露光方向の開口APの幅を制御する。これにより、不要なパターン等がプレートに対して転写されるのを防止することができる。なお、この露光装置においては、マスクM近傍に可動ブラインド機構90を設けているが、マスクMと共役な位置又はその近傍の位置であれば、他の位置に可動ブラインド機構を設けても良い。
【0114】
また、露光装置に帯電防止手段を設けるようにしても良い。図24は、帯電防止手段を備えた露光装置の構成図である。その他の点においては、第1の実施の形態にかかる露光装置と同一の構成を有する。この露光装置においては、光源を収容する筐体92と、照明光学系及び投影光学系等の露光装置本体を収容する筐体93とが別々に設けられており、筐体92と筐体93とが電気的に接続され、更にアースされている。即ち、筐体92と筐体93とが同電位に保たれている。また、光源に電力を供給する電源部94と露光装置本体に電力を供給する電源部95とが別々に設けられており、それぞれアースされている。したがって、露光装置の光源及び露光装置本体に静電気が帯電するのを防止することができ、静電気による固体光源の破損を防止することができる。
【0115】
また、上述の各実施形態におけるマスクに替えて、投影すべきパターンを生成する可変パターン生成装置を用いても良い。このような可変パターン生成装置は、自発光型画像表示素子と、非発光型画像表示素子とに大別される。自発光型画像表示素子としては、CRT(cathode ray tube)、無機ELディスプレイ、有機ELディスプレイ(OLED:Organic Light Emitting diode)、LEDディスプレイ、LDディスプレイ、電界放出ディスプレイ(FED:field emission display)、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)が例としてあげられる。また、非発光型画像表示素子は、空間光変調器 (Spatial Light Modulator:以下SLMと略記する)とも呼ばれ、光の振幅、位相あるいは偏光の状態を空間的に変調する素子であり、透過型空間光変調器と反射型空間光変調器とに分けられる。透過型空間光変調器としては、透過型液晶表示素子(LCD:Liquid Crystal Display)、エレクトロクロミックディスプレイ(ECD)などが例としてあげられ、反射型空間光変調器としては、DMD(Deformable Micro−mirror Device, またはDigital Micro−mirror Device)、反射ミラーアレイ、反射型液晶表示素子、電気泳動ディスプレイ(EPD:ElectroPhoretic Display)、電子ペーパー(または電子インク)、光回折型ライトバルブ(Grating Light Valve)などが例としてあげられる。
【0116】
【発明の効果】
この発明の露光装置の製造方法によれば、複数の固体光源とは別の光源、例えば、水銀ランプにより構成される光源を、複数の固体光源に取り換えた場合等において、調整工程により、複数の固体光源とは別の光源に対して適切となる第1状態に設定された照明光学系の特性を、複数の固体光源の配置によって適切となる第2状態の特性に設定することから、複数の固体光源に適した特性を有する照明光学系を備えた露光装置を製造することができる。
【0117】
また、この発明の光源ユニットによれば、照明装置に対して固体光源アレイとは別の光源、例えば、水銀ランプにより構成される光源に対して適切となる第1状態に設定された照明装置の特性を、固体光源アレイの配置によって適切となる第2状態の特性に設定する発散角または配光分布を有する射出光を供給することができる。
【0118】
また、この発明の露光方法によれば、複数の固体光源とは別の光源に対して適切となる第1状態に設定された照明光学系の特性を、複数の固体光源の配置によって適切となる第2状態の特性に設定された露光装置を用いるため、マスクのパターンを感光性基板に良好に転写することができる。
【0119】
また、この発明の露光装置によれば、光源ユニットが照明装置に対して、固体光源アレイとは別の光源、例えば、水銀ランプにより構成される光源に対して適切となる第1状態に設定された照明装置の特性を、固体光源アレイの配置によって適切となる第2状態の特性に設定する発散角または配光分布を有する射出光を供給するため、マスクのパターンを感光性基板に良好に転写することができる。
【0120】
また、この発明の露光装置の調整方法によれば、光源手段の代わりに複数の固体光源を照明光学系の所定の位置に配置した場合に調整工程により照明光学系の照明特性を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態のかかる投影露光装置の概略構成図である。
【図2】この発明の第1の実施の形態のかかる投影露光装置の製造方法を示すフローチャートである。
【図3】この発明の第2の実施の形態のかかる投影露光装置の概略構成図である。
【図4】この発明の第2の実施の形態のかかる投影露光装置の製造方法を示すフローチャートである。
【図5】この発明の第3の実施の形態のかかる投影露光装置の概略構成図である。
【図6】この発明の第4の実施の形態のかかる投影露光装置の概略構成図である。
【図7】この発明の実施の形態にかかる光源ユニットを説明するための図である。
【図8】この発明の実施の形態にかかる光源ユニットを説明するための図である。
【図9】この発明の実施の形態にかかる光源ユニットを説明するための図である。
【図10】この発明の実施の形態のかかるマイクロデバイスの製造方法を示すフローチャートである。
【図11】この発明の実施の形態のかかるマイクロデバイスの製造方法を示すフローチャートである。
【図12】この発明の実施の形態にかかるファイバ光源の構成を示す図である。
【図13】この発明の実施の形態にかかる別のファイバ光源の構成を示す図である。
【図14】この発明の実施の形態にかかる光源から射出されるビームプロファイルの形状を説明するための図である。
【図15】この発明の実施の形態にかかるファイバ光源の射出端の形状を示す図である。
【図16】この発明の実施の形態にかかるファイバ光源の射出端の形状とフライアイ・インテグレータのエレメントの形状とが相似形であることを示す図である。
【図17】この発明の実施の形態にかかるファイバ光源において、固体光源から射出される光を無駄なく光ファイバに取り込むための条件を説明するための図である。
【図18】この発明の実施の形態にかかるファイバ光源の射出端からフライアイ・インテグレータまでの構成を示す図である。
【図19】この発明の実施の形態にかかるフライアイ・インテグレータの1つのエレメントの形状を示す図である。
【図20】この発明の実施の形態にかかるファイバ光源の射出端の形状を示す図である。
【図21】この発明の実施の形態にかかる各固体光源の出力特性のばらつきを平均化した状態をグラフ化した図である。
【図22】この発明の実施の形態にかかる走査型露光装置の構成を示す図である。
【図23】この発明の実施の形態にかかる走査型露光装置に設けられた4枚の可動ブレードを示す図である。
【図24】この発明の実施の形態にかかる帯電防止手段を備えた露光装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 光源
3 コリメートレンズ
4 フライアイレンズ
5 σ絞り
7 コンデンサ光学系
8 照度むらセンサ
10 インテグレータセンサ
11 制御部
12 表示部
M マスク
P プレート
PL 投影光学系
Claims (27)
- コンデンサ光学系を含む照明光学系を用いてマスクを照明して、前記マスクのパターンを感光性基板に転写する露光装置の製造方法において、
複数の固体光源を前記コンデンサ光学系の前側焦点位置又はそれと光学的に共役な位置に配置する固体光源配置工程と、
前記複数の固体光源とは別の光源に対して適切となる第1状態に設定された前記照明光学系の特性を、前記複数の固体光源の配置によって適切となる第2状態の特性に設定する調整工程と
を含むことを特徴とする露光装置の製造方法。 - 前記照明光学系は、前記複数の固体光源と前記コンデンサ光学系との間の光路中にオプティカルインテグレータを含むことを特徴とする請求項1に記載の露光装置の製造方法。
- 照明光学系を用いてマスクを照明して、前記マスクのパターンを感光性基板に転写する露光装置の製造方法において、
複数の固体光源を前記照明光学系の所定の位置に配置する固体光源配置工程と、
前記複数の固体光源とは別の光源に対して適切となる第1状態に設定された前記照明光学系の特性を、前記複数の固体光源の配置によって適切となる第2状態の特性に設定する調整工程と
を含むことを特徴とする露光装置の製造方法。 - 前記調整工程は、
前記マスク又は前記感光性基板での照明むらを調整する照明むら調整工程と、
前記マスク又は前記感光性基板でのテレセントリシティを調整するテレセントリシティ調整工程の中の少なくとも一方の工程により調整を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の露光装置の製造方法。 - 前記調整工程は、
前記複数の固体光源から射出される複数の光の内の少なくとも1つの発散角を調整する発散角調整工程と、前記複数の固体光源から射出される複数の光の内の少なくとも1つの配光分布を調整する配光分布調整工程の中の少なくとも一方の工程により調整を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の露光装置の製造方法。 - 前記調整工程は、
前記照明光学系の照明特性を調整する照明特性調整工程と、前記複数の固体光源からの射出光を調整する射出光調整工程とを含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の露光装置の製造方法。 - 前記照明特性調整工程は、前記マスク又は前記感光性基板での照明むらを調整する照明むら調整工程と、前記マスク又は前記感光性基板でのテレセントリシティを調整するテレセントリシティ調整工程の中の少なくとも一方の工程により調整を行い、
前記射出光調整工程は、前記複数の固体光源から射出される複数の光の内の少なくとも1つの発散角を調整する発散角調整工程と、前記複数の固体光源から射出される複数の光の内の少なくとも1つの配光分布を調整する配光分布調整工程の中の少なくとも一方の工程により調整を行うことを特徴とする請求項6に記載の露光装置の製造方法。 - コンデンサ光学系を含む照明光学系を用いてマスクを照明して、前記マスクのパターンを感光性基板に転写する露光装置の製造方法において、
複数の固体光源を前記コンデンサ光学系の前側焦点位置又はそれと光学的に共役な位置に配置する固体光源配置工程と、
前記複数の固体光源とは別の光源に対して適切となる第1状態に設定された前記露光装置の露光条件を、前記複数の固体光源の配置によって適切となる第2状態の露光条件に設定する調整工程と
を含むことを特徴とする露光装置の製造方法。 - 照明光学系を用いてマスクを照明して、前記マスクのパターンを感光性基板に転写する露光装置の製造方法において、
複数の固体光源を前記照明光学系の所定の位置に配置する固体光源配置工程と、
前記複数の固体光源とは別の光源に対して適切となる第1状態に設定された前記露光装置の露光条件を、前記複数の固体光源の配置によって適切となる第2状態の露光条件に設定する調整工程と
を含むことを特徴とする露光装置の製造方法。 - 前記調整工程は、前記露光量を制御する制御装置にオフセット値を付加する工程を含むことを特徴とする請求項8または請求項9に記載の露光装置の製造方法。
- 前記調整工程は、前記照明光学系の照明特性を調整する照明特性調整工程と、前記複数の固体光源からの射出光を調整する射出光調整工程の中の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項8乃至請求項10の何れか一項に記載の露光装置の製造方法。
- 前記複数の固体光源は、発光ダイオードアレイを含むことを特徴とする請求項1乃至請求項11の何れか一項に記載の露光装置の製造方法。
- 照明装置に取り付けられる光源ユニットにおいて、
複数の固体光源がアレイ状に配置された固体光源アレイと、
前記固体光源アレイの光射出側に配置されたアレイ状の光学素子とを備え、
前記固体光源アレイとは別の光源に対して適切となる第1状態に設定された前記照明装置の特性を、前記固体光源アレイの配置によって適切となる第2状態の特性に設定する発散角または配光分布を有する射出光を前記照明装置に対して供給することを特徴とする光源ユニット。 - 前記固体光源アレイ及び前記光学素子は、光源としてのランプからの光を集光する楕円鏡と前記照明装置内のオプティカルインテグレータとの間の光路中に配置できるように構成されることを特徴とする請求項13に記載の光源ユニット。
- 前記固体光源アレイの光射出特性を調整する調整手段を含むことを特徴とする請求項13または請求項14に記載の光源ユニット。
- 複数のファイバを更に備え、
前記複数のファイバのそれぞれの入射端は前記複数の固体光源と光学的に接続されていることを特徴とする請求項13乃至請求項15の何れか一項に記載の光源ユニット。 - 複数の固体光源がアレイ状に配置された固体光源アレイと、
前記固体光源アレイの光射出特性を調整する調整手段と
を含むことを特徴とする光源ユニット。 - 前記調整手段は、前記固体光源アレイから射出される光の発散角、前記固体光源アレイから射出される光の配光分布、被照射面での照明むら及びテレセントリシティの内の少なくとも一つを調整可能に構成されることを特徴とする請求項17に記載の光源ユニット。
- 複数のファイバを更に備え、
前記複数のファイバのそれぞれの入射端は前記複数の固体光源と光学的に接続されていることを特徴とする請求項17または請求項18に記載の光源ユニット。 - 請求項1乃至請求項12の何れか一項に記載の製造方法により製造された露光装置を用いた露光方法であって、
前記複数の固体光源からの光により前記マスクを照明する照明工程と、
前記マスクのパターンを前記感光性基板に転写する転写工程と
を含むことを特徴とする露光方法。 - 前記転写工程は、前記マスクのパターン像を前記感光性基板に投影する投影光学系を用いて、前記マスクのパターンを前記感光性基板に転写する工程を含むことを特徴とする請求項20に記載の露光方法。
- 請求項13乃至請求項19の何れか一項に記載の光源ユニットと、
マスクのパターンを感光性基板に露光するために、前記光源ユニットからの光により前記マスクを照明する照明装置と
を備えることを特徴とする露光装置。 - 前記マスクのパターンを前記感光性基板に投影する投影光学系をさらに備えることを特徴とする請求項22に記載の露光装置。
- 請求項22または請求項23に記載の露光装置を用いた露光方法であって、
前記光源ユニットからの光により前記マスクを照明する照明工程と、
前記マスクのパターンを前記感光性基板に転写する転写工程と
を含むことを特徴とする露光方法。 - マスクのパターンを感光性基板に転写するために、コンデンサ光学系を含む照明光学系を介して、光源手段からの光によりマスクを照明する露光装置の調整方法において、
前記光源手段の代りに複数の固体光源を前記コンデンサ光学系の前側焦点位置又はそれと光学的に共役な位置に配置する固体光源配置工程と、
前記複数の固体光源の配置によって前記照明光学系の照明特性を調整する調整工程と
を含むことを特徴とする露光装置の調整方法。 - マスクのパターンを感光性基板に転写するために、照明光学系を介して、光源手段からの光によりマスクを照明する露光装置の調整方法において、
前記光源手段の代わりに複数の固体光源を前記照明光学系の所定の位置に配置する固体光源配置工程と、
前記複数の固体光源の配置によって前記照明光学系の照明特性を調整する調整工程と
を含むことを特徴とする露光装置の調整方法。 - 請求項25または請求項26に記載の調整方法により調整された露光装置を用いた露光方法であって、
照明光学系を介した前記複数の固体光源からの光により前記マスクを照明する照明工程と、
前記マスクのパターンを前記感光性基板に転写する転写工程とを含むことを特徴とする露光方法。
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