JP2004335952A - 照明光源装置、照明装置、露光装置、及び露光方法 - Google Patents

照明光源装置、照明装置、露光装置、及び露光方法 Download PDF

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Motoo Koyama
元夫 小山
Shigeru Aoki
滋 青木
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Abstract

【課題】固体光源を備えた照明光源装置、露光装置及びこの露光装置を用いた露光方法を提供すること。
【解決手段】発光ダイオード21bをアレイ状に配置した擬似面光源を備える固体光源ユニット21を用いるので、十分な照明強度を確保しつつ、長い発光寿命と高い発光効率とを達成することができ、照明光の波長の任意性を極めて高めることができる。さらに、干渉フィルタ23によって、中心波長に対する端部波長の相対的強度が低減するように固体光源ユニット21からの照明光を狭帯化するので、照明光の単色性を高めた状態でマスクMAを照明することができる。これにより、投影光学系6で色収差が発生しにくくなる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体素子、液晶表示素子、撮像素子、薄膜磁気ヘッド、その他のマイクロデバイスの製造工程において用いられる照明光源装置、照明装置、露光装置及び露光方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子や液晶基板等を製造するためのリソグラフィ工程において、レチクルあるいはフォトマスク等(以下単に「レチクル」という)のパターン像を投影光学系を介して感光基板上に露光する投影露光装置が使用されている。一般に、このような投影露光装置は、光源の光でレチクルを均一に照明するための照明光学系と、レチクルに形成された回路パターンをウェハ等の基板上に結像するための投影光学系と、基板を支持しつつ適宜移動させて位置決めするためのステージ装置とからなっている(例えば特許文献1等参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−154643号公報
【発明が解決しようとする課題】
ところで上述の投影露光装置の光源としては、波長約360nm程度の紫外領域においては主に水銀ランプなどが用いられていた。この水銀ランプの寿命は、概ね500h〜1000h程度であることから、定期的にランプ交換が必要となり投影露光装置ユーザには大きな負担となっていた。また、高照度確保のために高電力が必要であり、またそれに伴う発熱対策などが必要になるなど、高いランニングコストの問題や、経時劣化などの要因に伴う破裂の危険性を有していた。
【0004】
これに対して発光ダイオードは、水銀ランプなどに比べて発光効率が高く、そのため省電力、小発熱という特長を持ち大幅なランニングコストの低減を実現できる。また寿命も3000h程度のものもあるため、交換にかかる負担も少なく、経時劣化などの要因に伴う破裂の危険性もない。さらに最近では、波長365nmで100mW程度の高い光出力を達成したUV−LEDなども開発されている。
【0005】
この発明の課題は、固体光源を備えた光源装置、照明装置、露光装置及びこの露光装置を用いた露光方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、第1の発明に係る照明光源装置は、複数の単位固体光源を有し、当該複数の単位固体光源からの照明光によって擬似面光源を形成する光源装置と、前記擬似面光源から射出される照明光を、前記単位固体光源に固有の波長特性を基準として、前記照明光のうち最も放射強度の強い中心波長の強度に対する端部波長の相対的強度が低減するように狭帯化する狭帯化手段とを備える。
【0007】
上記照明光源装置では、複数の単位固体光源からの照明光によって形成される擬似面光源を用いるので、十分な照明強度を確保しつつ、長い発光寿命と高い発光効率とを達成することができる。さらに、固体光源は、その構造の調節によって可視から紫外域にかけて多様な波長の光を発生させることができるので、照明光の波長の任意性を極めて高めることができる。さらに、狭帯化手段によって、照明光のうち最も放射強度の強い中心波長の強度に対する端部波長の相対的強度が低減するように擬似面光源から射出される照明光を狭帯化するので、照明光の単色性を高めた状態で対象を照明することができる。これにより、例えば照明光源装置の後段に設けた光学系で色収差が発生しにくくなり、色収差の補正系が存在する場合その負担が軽減される。
【0008】
なお、「固体光源」とは、発光ダイオード、半導体レーザ、エレクトロルミネッセンス(EL)素子等の各種固体発光素子を含む概念である。また、「擬似面光源」とは、照明光が少なくとも見かけ上一定の面状の広がりを有する領域から射出する光源を意味し、このような領域が不連続に広がっている場合を含む。
【0009】
また、第2の発明は、第1の発明に係る照明光源装置において、前記光源装置は、前記複数の単位固体光源をアレイ状に配置することによって前記擬似面光源を形成することを特徴とする。この場合、複数の単位固体光源自体が光源ユニットを構成する。
【0010】
また、第2の発明は、第1の発明に係る照明光源装置において、前記光源装置は、前記複数の単位固体光源と、当該複数の単位固体光源からの照明光を入射端で受けて案内するライトガイドとを有し、当該ライトガイドの射出端に前記擬似面光源を形成することを特徴とする。ここで、「ライトガイド」とは、光ファイバ、導波路等を意味する。この場合、複数の単位固体光源とライトガイドとによってファイバ光源を構成する。
【0011】
また、第4の発明は、第1〜3の発明に係る照明光源装置において、上記狭帯化手段が、前記中心波長をλ0とし、当該中心波長における最大放射強度に対して相対的強度が10%以上となる波長域に対応する波長幅をΔλ1とした場合に、
0.002<Δλ1/λ0<0.05
の条件を満たす狭帯化を行うことを特徴とする。この場合、照明光の強度を維持しつつその単色性を高めることができる。なお、上記の値Δλ1/λ0が上限値0.05より大きくなると、照明光の波長幅が広がって、後段の光学系で色収差が大きくなり、かかる照明光を利用した投影露光等において色収差に起因して解像度が低下する。一方、値Δλ1/λ0が下限値0.002より小さくなると、照明光のパワーロスが顕著となって、このような照明光を利用した投影露光等の処理のスループットが低下する。
【0012】
また、第5の発明は、第1〜3の発明に係る照明光源装置において、前記狭帯化手段が、前記中心波長における最大放射強度に対して相対的強度が10%以上となる波長域に対応する波長幅をΔλ1とし、前記最大放射強度に対して相対的強度が90%以上となる波長域に対応する波長幅をΔλ2とした場合に、
Δλ2/Δλ1>0.2
の条件を満たす狭帯化を行うことを特徴とする。この場合、ピーク波長やその周辺波長で放射強度が低下することを防止しつつ、波長分布の分散を小さくすることができる。なお、値Δλ2/Δλ1が0.2未満である場合、後段の光学系で色収差が許容できる範囲(例えばΔλ1の範囲)で、照明光の光量が不充分となり、このような照明光を利用した投影露光等の処理において所期のスループットを得ることができない。また、さらなるスループットの向上を図るためには、値Δλ2/Δλ1を0.4未満とすることが好ましい。
【0013】
また、第6の発明は、複数の単位固体光源を有し当該複数の単位固体光源からの照明光によって擬似面光源を形成する光源装置を備える照明光源装置であって、前記擬似面光源から射出される照明光のうち最も放射強度の強い中心波長をλ0とし、当該中心波長における最大放射強度に対して相対的強度が10%以上となる波長域に対応する波長幅をΔλ1とした場合に、
0.002<Δλ1/λ0<0.05
の条件を満たす。
【0014】
上記照明光源装置では、複数の単位固体光源からの照明光によって形成される擬似面光源を用いるので、十分な照明強度を確保しつつ、長い発光寿命と高い発光効率とを達成することができる。また、固体光源は、その構造の調節によって可視から紫外域にかけて多様な波長の光を発生させることができるので、照明光の波長の任意性を極めて高めることができる。さらに、上記条件式が満たされることにより、ピーク波長やその周辺波長で放射強度が低下することを防止しつつ、波長分布の分散を小さくすることができる。
【0015】
また、第7の発明は、複数の単位固体光源を有し当該複数の単位固体光源からの照明光によって擬似面光源を形成する光源装置を備える照明光源装置であって、前記擬似面光源から射出される照明光のうち最も放射強度の強い中心波長における最大放射強度に対して相対的強度が10%以上となる波長域に対応する波長幅をΔλ1とし、前記最大放射強度に対して相対的強度が90%以上となる波長域に対応する波長幅をΔλ2とした場合に、
Δλ2/Δλ1>0.2
の条件を満たす。
【0016】
上記照明光源装置では、複数の単位固体光源からの照明光によって形成される擬似面光源を用いるので、十分な照明強度を確保しつつ、長い発光寿命と高い発光効率とを達成することができる。また、固体光源は、その構造の調節によって可視から紫外域にかけて多様な波長の光を発生させることができるので、照明光の波長の任意性を極めて高めることができる。さらに、上記条件式が満たされることにより、この場合、ピーク波長やその周辺波長で放射強度が低下することを防止しつつ、波長分布の分散を小さくすることができる。
【0017】
また、第8の発明は、上記第1〜5の発明に係る照明光源装置において、前記狭帯化手段が、前記擬似面光源から放出される前記照明光のうち、所定の波長を選択的に透過又は反射させる波長選択手段であることを特徴とする。この場合、狭帯化手段の光学的構成を簡単なものとすることができる。
【0018】
また、第9の発明は、上記第8の発明に係る照明光源装置において、前記波長選択手段が、干渉フィルタを有することを特徴とする。
【0019】
また、第10の発明は、上記第8の発明に係る照明光源装置において、前記波長選択手段が、ダイクロイックミラーを有することを特徴とする。
【0020】
また、第11の発明は、上記第8の発明に係る照明光源装置において、前記波長選択手段が、色ガラスフィルタを有することを特徴とする。
【0021】
また、第12の発明は、上記第1〜5の発明に係る照明光源装置において、前記波長選択手段は、回折格子と、当該回折格子の射出側に配置される所定幅の開口とを有することを特徴とする。
【0022】
また、第13の発明は、上記第1〜12の発明に係る照明光源装置において、前記複数の単位固体光源に電力を供給する電源装置と、前記複数の単位固体光源から射出される光の強度を観測する観測手段と、当該観測手段からの信号に基づいて前記電源装置から前記複数の単位固体光源に供給する電力を調節する制御手段とをさらに備えることを特徴とする。この場合、観測手段からの信号に基づいて、複数の単位固体光源の出力を供給電力を介して調節することができ、いわゆるフィードバック制御が可能になる。
【0023】
また、第14の発明は、上記第1〜12の発明に係る照明光源装置において、前記複数の単位固体光源に電力を供給する電源装置と、前記複数の単位固体光源から射出される光の強度を観測する観測手段と、当該観測手段からの信号に基づいて前記電源装置から前記複数の単位固体光源に供給する電流を調節する制御手段とをさらに備えることを特徴とする。この場合、観測手段からの信号に基づいて、複数の単位固体光源の出力を供給電流を介して調節することができ、いわゆるフィードバック制御が可能になる。
【0024】
また、第15の発明は、請求項13、14の発明に係る照明光源装置において、前記観測手段が、所定波長の光の強度を観測することを特徴とする。この場合、照明光として使用する光の強度を正確に監視することができ、照明光の輝度制御を確実なものとすることができる。
【0025】
また、第16の発明は、請求項13〜15の発明に係る照明光源装置において、前記観測手段が、前記複数の単位固体光源から射出される光の少なくとも一部を入射させる観測光選択手段と、当該観測光選択手段を経た光を光電変換する光電変換手段とを有することを特徴とする。
【0026】
また、第17の発明は、請求項13〜15の発明に係る照明光源装置において、前記観測手段が、前記波長選択手段を経た光の一部を観測することを特徴とする。
【0027】
また、第18の発明は、請求項13〜17の発明に係る照明光源装置において、前記制御手段が、前記観測手段によって観測される光が最大となるように前記照明光源装置を制御することを特徴とする。この場合、複数の単位固体光源から許容範囲で最大強度の照明光を引き出すことができるとともに、複数の単位固体光源を安定して動作させることができる。
【0028】
また、第19の発明は、請求項13〜17の発明に係る照明光源装置において、前記制御手段が、前記複数の単位固体光源に供給する電力を、前記電源装置を介して非一様に調節することを特徴とする。この場合、擬似面光源の面内の強度分布を調整・変更することができるので、例えば均一な輝度の擬似面光源を提供することができる。
【0029】
また、第20の発明は、第1〜19の発明に係る照明光源装置であって、装置外に出力させる光の強度を任意の値に調節可能な透過率可変機構をさらに備えることを特徴とする。この場合、照明光源装置から射出させる照明光を所望の強度に調節することができる。
【0030】
また、第21の発明は、被照射面を照明する照明装置において、上記第1〜第20の発明に係る照明光源装置を備える。
【0031】
上記照明装置では、上述の照明光源装置からの照明光を利用することができるので、十分な照明強度を確保しつつ、長い発光寿命と高い発光効率とを達成することができる。さらに、照明光の波長の任意性を極めて高めることができるとともに、照明光の単色性を高めた状態で対象を照明することができる。これにより、照明光源装置の後段に設けた光学系で色収差が発生しにくくなり、色収差の補正系が存在する場合その負担が軽減される。
【0032】
また、第22の発明は、マスクのパターンを感光性基板上に転写する露光装置であって、被照射面又は被照射面と光学的に共役な位置に配置された前記マスクを照明するために第21の発明に係る照明装置を備えることを特徴とする。
【0033】
上記露光装置では、上述の照明装置を備えるので、十分な照明強度で露光を行うことができるとともに、照明装置の部分を長時間に亘って効率よく動作させることができる。さらに、露光に所用する照明光の波長の任意性を極めて高めることができるとともに、照明光の単色性を高めた状態で対象を露光することができる。これにより、投影光学系等で色収差が発生しにくくなり、色収差の補正系が存在する場合その負担が軽減される。
【0034】
また、第23の発明は、第22の発明に係る露光装置を用いた露光方法であって、被照射面又は被照射面と光学的に共役な位置に配置されたマスクを前記照明装置から射出される光を用いて照明する照明工程と、前記マスクのパターンを感光性基板上に転写する転写工程とを含むことを特徴とする。
【0035】
上記露光方法では、上述の露光装置を用いるので、十分な照明強度で露光を行うことができるとともに、照明装置の部分を長時間に亘って効率よく動作させることができる。さらに、露光に所用する照明光の波長の任意性を極めて高めることができるとともに、照明光の単色性を高めた状態で対象を露光することができる。これにより、投影光学系等で色収差が発生しにくくなり、色収差の補正系が存在する場合その負担が軽減される。
【0036】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕
図1は、第1実施形態に係る露光装置の概略構成を示す図である。この露光装置10は、照明光源装置2と、照明光学系4と、マスクステージ5と、投影光学系6と、プレートステージ7と、主制御系8とを備え、プレート(感光性基板)PL上にマスクMAの像を投影することによって露光処理を行う。
【0037】
ここで、照明光源装置2は、従来の高圧水銀ランプからなる照明光源装置に代わるものであり、発光ダイオード(LED)のパッケージである単位固体光源をアレイ状に配列した発光ダイオードアレイからなる固体光源ユニット21により構成される。この固体光源ユニット21は、基準光軸AX方向に垂直な方向に一定の面状の広がりを有する擬似面光源を形成する。
【0038】
図2は、照明光源装置2の構成を説明するための図である。この照明光源装置2は、固体光源ユニット21と、コリメートレンズ22と、干渉フィルタ23と、電源装置24とを備え、狭帯化された単色の照明光を発生する。ここで、固体光源ユニット21は、コリメートレンズ22の前側焦点位置に配置され、電源装置24から供給される駆動電流によって適当な輝度で発光する。干渉フィルタ23は、固体光源ユニット21から射出する照明光を狭帯化するための波長選択手段としてのバンドパスフィルタであり、照明光の波長特性分布において中心波長の強度に対する端部波長の相対的強度を低減させる。この際、干渉フィルタ23であるバンドパスフィルタの透過中心波長は、固体光源ユニット21の発光中心波長と一致させてあり、このバンドパスフィルタの透過波長幅は、誘電体多層膜の光学設計を調節することによって、目標とする狭帯化に対応したものに適宜設定されている。
【0039】
なお、コリメートレンズ22は、固体光源ユニット21から射出させる照明光の波長にもよるが、例えば反射鏡等に置き換えることができ、この場合も、反射鏡等の焦点位置に固体光源ユニット21を配置する。
【0040】
図3は、単位固体光源である発光ダイオードの発光波長分布の一例を示すグラフである。横軸は発光波長を示し、縦軸は光出力を示す。また、実線は狭帯化後の波長特性を示し、破線は狭帯化前の波長特性を示す。グラフから明らかなように、中心波長λ0は狭帯化の前後で約365nmと一致しているが、狭帯化前の端部波長であった約355nm周辺と380nm周辺の光出力は、干渉フィルタ23によって遮断されて照明光として取り出されない状態となっている。
【0041】
ここで、中心波長λ0における最大放射強度I0に対して、相対的強度が10%以上となる波長域に対応する波長幅をΔλ1とした場合に、以下の式(1)
0.002<Δλ1/λ0<0.05 … (1)
が満たされるような狭帯化が行われる。なお、式(1)中の値Δλ1/λ0が上限値0.05より大きくなると、照明光の波長幅が広がって、例えば後段の投影光学系6による結像等における色収差補正が困難になり、十分な解像度が得られなくなる。一方、値Δλ1/λ0が下限値0.002より小さくなると、過度の狭帯化によって照明光のパワーロスが顕著となり、このような照明光を利用した投影露光の処理のスループットが低下する。
【0042】
また、干渉フィルタ23によって、中心波長λ0における最大放射強度に対して、相対的強度が90%以上となる波長域に対応する波長幅をΔλ2とした場合に、
Δλ2/Δλ1>0.2 … (2)
の条件を満たす狭帯化が行われる。なお、式(2)中の値Δλ2/Δλ1が0.2未満である場合、例えば後段の投影光学系6で色収差が許容できる波長範囲(例えばΔλ1の範囲)で、照明光の光量が不充分となり、このような照明光を利用した投影露光のスループットが低下する。
【0043】
図4は、固体光源ユニット21の外観の一例を示す斜視図である。固体光源ユニット21は、矩形状の基板21a上に発光ダイオード(固体光源)21bが複数個、2次元アレイ状に配列されている。なお、発光ダイオード21bの個数や配列は図示のものに限らず、様々な変形が可能である。例えば、発光ダイオード21bの個数や密度は、マスクMAやプレートPL上での照度の値が適当な値となるように調節される。また、発光ダイオード21bの配列は、マスクMAの輪郭等の露光装置の仕様に応じて適宜変更される。
【0044】
図5は、図4に示す固体光源ユニット21の一変形例である別の固体光源ユニット121を示す正面図である。この固体光源ユニット121の場合、帯状の基板121a上に2列の発光ダイオード21bが配列されている。このような固体光源ユニット21を照明光源装置2中に組み込むことによっても、図4の固体光源ユニット21と同様の照明光を得ることができる。
【0045】
図1に戻って、照明光学系4は、フライアイレンズ41と、開口絞り42と、ミラー43と、コンデンサーレンズ系44とを備え、マスクMAに対して波面分割重畳型のケーラー照明を可能にする。なお、この照明光学系4と上述の照明光源装置2とを組み合わせることによって照明装置が構成される。
【0046】
フライアイレンズ41は、正の屈折力を有する多数のレンズエレメントをその光軸が基準光軸AXと平行になるように縦横に且つ稠密に配列することによって構成されている。フライアイレンズ41を構成する各レンズエレメントは、マスクMA上において形成すべき照野の形状、ひいてはプレートPL上において形成すべき露光領域の形状とほぼ相似な矩形状の断面を有する。また、フライアイレンズ41を構成する各レンズエレメントの入射側の光学面は入射側に凸面を向けた球面状に形成され、射出側の光学面は射出側に凸面を向けた球面状に形成されている。
【0047】
したがって、フライアイレンズ41に入射した光束は、多数のレンズエレメントにより波面分割され、各レンズエレメントの後側焦点面には、固体光源ユニット21の一組の発光部に対応する擬似面状の光源像がそれぞれ形成される。すなわち、フライアイレンズ41の後側焦点面には、多数の擬似面光源像を2次元的に配列した多重の面光源すなわち2次光源像が形成される。
【0048】
フライアイレンズ41の後側焦点面に形成された2次光源像からの光束は、その近傍に配置されたσ絞りとも呼ばれる開口絞り42を通過する。開口絞り42は、後述する投影光学系6の入射瞳面と光学的にほぼ共役な位置に配置され、2次光源像のうち照明に寄与する範囲を規定するための可変開口部を有する。この可変開口部の開口径を変化させることにより、照明条件を決定する重要なファクタであるσ値(投影光学系6の瞳面の開口EPの径に対するその瞳面上での2次光源像の口径の比)を所望の値に設定することができる。
【0049】
なお、フライアイレンズ41には、固体光源ユニット21からコリメートレンズ22を経た照明光が入射するが、この際、照明光を効率的にフライアイレンズ41に取り込むべく、フライアイレンズ41の入射側光学面の全体形状を照明光のビーム形状に一致させることが望ましい。
【0050】
コンデンサ光学系44は、フライアイレンズ41の各レンズエレメントの後側焦点面に形成された2次光源像から射出される照明光を、それぞれ平行光束としてプレートPL上に入射させる。つまり、フライアイレンズ41の各レンズエレメントの射出面に形成された多数の2次光源によって、プレートPL上に重畳してケーラー照明が行われるので、プレートPLが照明光によって極めて均一に照明される。
【0051】
マスクステージ5は、マスク駆動部51に駆動されて基準光軸AXに垂直な面内で2次元的に移動する。マスクステージ5の位置は、マスク駆動部51に設けたレーザ干渉計等によって計測され、主制御系8に出力される。主制御系8は、この位置情報に基づいてマスク駆動部51に設けたモータを駆動してマスクMAを目標位置に所望の速度で移動させることができる。
【0052】
投影光学系6は、屈折レンズ等の光学素子で構成されており、照明光によって照明されたマスクMAの像を適当な倍率でプレートPL上に投影する。なお、この投影光学系6の瞳面に設けた可変の開口EPは、照明光学系4に設けた開口絞り42と光学的に共役な配置となっている。
【0053】
プレートステージ7は、プレート駆動部71に駆動されて基準光軸AXに垂直な面内及び基準光軸AXに沿って3次元的に移動する。プレートステージ7の位置は、プレート駆動部71に設けたレーザ干渉計やフォーカスセンサ等によって計測され、主制御系8に出力される。主制御系8は、この位置情報に基づいてプレート駆動部71に設けたモータを駆動してプレートPLを目標位置に所望の速度で移動させることができ、プレートPL上に投影されるマスクMAの像の結像位置や結像状態を調節することができる。なお、プレートステージ7上には、照度センサ72が配置されている。この照度センサ72による検出信号は、後述する露光量制御のため主制御系8に対して出力される。
【0054】
主制御系8は、照明光源装置2、マスクステージ5、プレートステージ7等を適当なタイミングで動作させて、プレートPL上の適所にマスクMAの像を投影するとともに投影位置を変更しながら露光を繰り返す、いわゆるステップ・アンド・リピート型の露光処理を行う。なお、主制御系8にはハードディスク等の記憶装置が内臓されており、この記憶装置内には露光データファイルが格納されている。露光データファイルには、プレートPLの露光を行う上で必要となる処理及びその処理順が記憶されており、この処理毎に、プレートPL上に塗布されているレジストに関する情報(例えば、レジストの分光特性)、必要となる解像度、使用するマスクMA、照明光学系の補正量(照明光学特性情報)、投影光学系の補正量(投影光学特性情報)、及び基板の平坦性に関する情報等(所謂、レシピデータ)が含まれている。
【0055】
以下、図1に示す第1実施形態に係る露光装置10の動作について説明する。固体光源ユニット21からは、発光ダイオード21bに固有の単色の照明光が出力される。固体光源ユニット21からの光束は、コリメートレンズ22によりほぼ平行な光束に変換された後、干渉フィルタ23で狭帯化され、オプティカルインテグレータとしてのフライアイレンズ41に入射する。フライアイレンズ41に入射した光束は波面分割され、各レンズエレメントの後側焦点面には2次光源像が形成される。各2次光源からの光束は、その近傍に配置された開口絞り42を通過し、ミラー43を介してコンデンサ光学系44の集光作用を受けた後、所定のパターンが形成されたマスクMAを重畳的に均一照明する。マスクMAのパターンを透過した光束は、投影光学系6を介して、感光性基板であるプレートPL上にマスクパターンの像を形成する。そして、投影光学系6の光軸すなわち基準光軸AXと直交する平面内においてプレートPLを二次元的に駆動制御しながら一括露光を行うことにより、プレートPLの各露光領域にマスクMAのパターンが逐次露光される。この際、主制御系8は、照度センサ72からの出力に基づいて、固体光源ユニット21の出力を制御し、適正な照度すなわち露光量が確保されるようにする。
【0056】
上記第1実施形態の露光装置10では、発光ダイオード21bをアレイ状に配置した擬似面光源を備える固体光源ユニット21を用いるので、十分な照明強度を確保しつつ、長い発光寿命と高い発光効率とを達成することができる。さらに、発光ダイオード21bは、その組成を調整するバンド構造の変更によって可視から紫外域にかけて多様な波長の光を発生させることができるので、照明光の波長の任意性を極めて高めることができる。さらに、干渉フィルタ23によって、中心波長に対する端部波長の相対的強度が低減するように固体光源ユニット21からの照明光を狭帯化するので、照明光の単色性を高めた状態でマスクMAを照明することができる。これにより、投影光学系6で色収差が発生しにくくなり、色収差の補正系が不要となり、或いは投影光学系6に設けるべき色収差の補正系の負担を軽減することができる。
【0057】
〔第2実施形態〕
以下、第2実施形態に係る露光装置について説明する。この露光装置は、第1実施形態の露光装置に部分的に変更を加えたものであり、同一部分には同一の符号を付し、重複説明を省略する。
【0058】
図6は、第2実施形態の露光装置に組み込まれる照明光源装置202の要部構成を説明する図である。この照明光源装置202は、固体光源ユニット21と、コリメートレンズ22と、ダイクロイックミラー223とを備え、狭帯化された単色の照明光を発生する。
【0059】
ダイクロイックミラー223は、固体光源ユニット21から射出する照明光を狭帯化するための波長選択手段としてのローパス又はハイパス・フィルタであり、照明光の固有の波長特性分布において中心波長の強度に対する端部波長の相対的強度を低減させる。この際、ダイクロイックミラー223の透過又は遮断波長端は、固体光源ユニット21の発光中心波長と一致させてあり、固体光源ユニット221からの照明光を概ね通過させつつも狭帯化することができる。
【0060】
なお、ダイクロイックミラー223は、単独で使用することもできるが、図2に示す干渉フィルタ23と組み合わせて使用することもでき、この場合、照明光の狭帯化の自由度を高めることができる。
【0061】
〔第3実施形態〕
以下、第3実施形態に係る露光装置について説明する。この露光装置も、第2実施形態と同様に第1実施形態の露光装置に部分的に変更を加えたものである。
【0062】
図7は、第3実施形態の露光装置に組み込まれる照明光源装置302の要部構成を説明する図である。この照明光源装置302は、固体光源ユニット21と、コリメートレンズ22と、反射型回折格子323aと、スリット323bを備え、狭帯化された単色の照明光を発生する。
【0063】
反射型回折格子323a及びスリット323bは、固体光源ユニット21から射出する照明光を狭帯化するための波長選択手段であり、照明光の波長特性分布において中心波長の強度に対する端部波長の相対的強度を低減させる。なお、反射型回折格子323aで分離された不要な照明光は、基準光軸AXから外れた方向に反射されるので、所定幅の開口を有するスリット323bによってカットされる。なお、反射型回折格子323a等は、単独で使用することもできるが、図2や図6に示す干渉フィルタ23やダイクロイックミラー223と組み合わせて使用することもできる。
【0064】
〔第4実施形態〕
以下、第4実施形態に係る露光装置について説明する。この露光装置も、第1実施形態の露光装置に部分的に変更を加えたものである。
【0065】
図8は、第4実施形態の露光装置に組み込まれる照明光源装置402の構成を説明する図である。この照明光源装置402は、固体光源ユニット21と、コリメートレンズ22と、干渉フィルタ23と、電源装置24と、光量センサ425と、濃度ウェッジ426と、ウェッジ駆動装置427と、光源制御装置428とを備える。ここで、光量センサ425は、観測手段の一部を構成し、濃度ウェッジ426及びウェッジ駆動装置427は、両者を併せて透過率可変機構を構成する。
【0066】
コリメートレンズ22で略平行光束とされた照明光は、干渉フィルタ23を経て狭帯化された後、ハーフミラーであるビームスプリッタ425aで約2%がサンプリング用に反射される。ビームスプリッタ425aは、観測光選択手段としてその反射光をレンズ425bを介して光量センサ425に入射させる。光量センサ425は、照明光の波長域で入射光の強度に応じた電気信号を発生する例えばフォトダイオード等の光電変換手段であり、その光量検出出力は、光源制御装置428に出力され照明光の光量制御に用いられる。一方、ビームスプリッタ425aを通過した透過光は、濃度傾斜を有するフィルタである濃度ウェッジ426を経て図1の照明光学系4に入射する。この際、ウェッジ駆動装置427は、制御手段である光源制御装置428からの指示に基づいて濃度ウェッジ426を動作させ、照明光源装置402から射出させる照明光の光量を減光させることにより、図1の照明光学系4に供給すべき照明光の強度を調節することができる。この際、主制御系8は、例えば照度センサ72からの出力に基づいて光源制御装置428に光量制御信号を出力する。光源制御装置428は、この光量制御信号に基づいて固体光源ユニット21の出力を制御し、適正な照度すなわち露光量が確保されるようにする。
【0067】
光源制御装置428は、主制御系8からの指令に基づいて動作するが、通常の動作モードでは、光量センサ425の出力が一定となるように電源装置24をフィードバック制御して、照明光源装置402から射出させる照明光の光量を一定に保つ。この際、固体光源ユニット21を定格電流若しくは電力の上限で動作させるように、固体光源ユニット21すなわち各発光ダイオード21bへの供給電流が調整される。このように、定格電流の上限で各発光ダイオード21bを発光させることにより、最大限の照明光を出力させることができ、露光処理のスループットを上げることができる。また、固体光源ユニット21を一定の電流若しくは電力で駆動することにより、波長特性が安定し、固体光源ユニット21から射出される照明光の波長が変動することを防止することができ、結果的に照明光源装置402から出力される照明光を安定したものとすることができる。
【0068】
なお、発光ダイオード21bの出力ピーク波長が供給電流に応じて変動するものである場合、固体光源ユニット21の目標波長における出力が最大となるように、各発光ダイオード21bへの供給電流を調整することもできる。この場合、目標波長において取り出される照明光の強度を最大限とすることができるとともに、固体光源ユニット21から出力される照明光の波長変動を最小限に抑えて、照明光の強度の安定化を図ることができる。
【0069】
〔第5実施形態〕
以下、第5実施形態に係る露光装置について説明する。この露光装置も、第4実施形態の露光装置に部分的に変更を加えたものである。
【0070】
図9は、第5実施形態の露光装置に組み込まれる照明光源装置502の要部構成を説明する図である。この照明光源装置502は、図8に示すようなビームスプリッタ425aを用いない。その代わりに、固体光源ユニット21の近傍に配置したレンズ525bを用いて、光路から外れた照明光を後方の光量センサ525に直接取り込む。この場合も、例えば光量センサ525の出力が一定となるように電源装置24をフィードバック制御して、照明光源装置502から射出させる照明光の光量を一定に保つことができる。
【0071】
〔第6実施形態〕
以下、第6実施形態に係る露光装置について説明する。この露光装置も、第4実施形態の露光装置に部分的に変更を加えたものである。
【0072】
図10は、第6実施形態の露光装置に組み込まれる照明光源装置602の要部構成を説明する図である。この照明光源装置602は、2次元的な照度分布を検出するアレイセンサ625を備える。このアレイセンサ625は、光量センサを2次元的に配列したものであり、固体光源ユニット21の発光面が投影されるので、固体光源ユニット21の発光面における2次元的光量分布を検出することができる。アレイセンサ625の照度検出出力は、光源制御装置428に出力され照明光の光量制御に用いられる。なお、電源装置24は、固体光源ユニット21を構成する各発光ダイオード21bへの供給電流を個別に制御することができるので、光源制御装置428は、アレイセンサ625の照度検出出力に基づいて固体光源ユニット21の発光面の輝度分布を算出するとともにその輝度分布をキャンセルするようなフィードバック制御を行う。これにより、固体光源ユニット21から射出させる照明光の光量の2次元的な分布を一定に保つことができ、結果的に、照明光源装置502から射出される照明光の特性を極めて均一なものとすることができ、露光処理における照明ムラの発生を防止することができる。
【0073】
〔第7実施形態〕
以下、第7実施形態に係る露光装置について説明する。この露光装置は、第1実施形態を変形した、ステップ・アンド・スキャン方式の露光装置である。
【0074】
図11は、第7実施形態に係る露光装置の要部を説明する斜視図である。固体光源ユニット21からは、単色の照明光が出力される。固体光源ユニット21からの光束は、コリメートレンズ22によりほぼ平行な光束に変換された後、干渉フィルタ23で狭帯化され、フライアイレンズ41に入射する。フライアイレンズ41に入射した光束は波面分割され、各レンズエレメントの後側焦点面には2次光源像が形成される。各2次光源からの光束は、リレーレンズ746を経て視野絞り747に入射する。この視野絞り747は、矩形スリット状の開口747aを有する。視野絞り747は、フライアイレンズ41の入射面及び図1のマスクMAと光学的に共役な位置に配置されており、視野絞り747を通過した光は、図1のコンデンサ光学系44に入射してマスクMAを重畳的に照明する。マスクMA上には、開口747aの形状に対応して、矩形スリット状の照明領域が形成される。この矩形スリット状の照明領域は、図1の投影光学系6のマスクMA側における有効径と同程度になるように、開口747aの寸法調整によって長手方向の幅が設定されている。なお、フライアイレンズ41を構成する各レンズエレメントの断面形状は、矩形スリット状の照明領域をカバーできるものあることが必要であり、開口747aの形状が固定されたものである場合、その開口形状と相似なものとし、開口747aの形状が可変である場合、その最も正方形に近い開口形状と相似なものとすることが、照明光の利用効率上望ましい。
【0075】
このように、スリット状の照明光でマスクMAを照明することにより、マスクMAを介したスリット状の光が投影光学系6を介してプレートPLに照射された状態となる。この状態で、マスク駆動部51及びプレート駆動部71を同期動作させることにより、マスクMAとプレートPLとを、投影光学系6に対して矩形スリット状の照明領域の短手方向に関して相対的に移動させて走査し、マスクMAに形成されたパターンの一部を順次プレートPLに設定された1つのショットに転写し、このような走査型の転写動作後にプレートPLをステップ移動させて他のショット領域に対する露光を同様にして行う。
【0076】
なお、照明光源装置2は、図示の光学系に限らず、第2〜6実施形態として図6〜10に例示した各種照明光源装置202,302,402,502,602に置き換えることができる。
【0077】
〔第8実施形態〕
以下、第8実施形態に係る露光装置について説明する。この露光装置は、ステップ・アンド・スキャン方式に加え、露光領域の拡大を図るため、所謂マルチレンズ方式の投影光学系(不図示)を備える。つまり、この投影光学系は、1つの大型の投影光学系を用いるのではなく、小型の部分投影光学系を走査方向に直交する方向(非走査方向)に所定間隔をもって複数配列した第1の配列と、これらの部分投影光学系の配列の間に部分光学系が配置されている第2の配列とを走査方向に配置した構造をとる。具体的な装置構成は、照明光源装置を除き、特開平7−57986号公報に開示されたものと同様であり詳細な説明を省略する。なお、照明光源装置は、同公報の図2に示す水銀ランプ、楕円鏡等からなる光源に代えて、第1〜7実施形態に例示するような照明光源装置2,202,302,402,502,602を備える。
【0078】
このような露光装置おいても、照明光源装置2,202,302,402,502,602を組み込むことにより、十分な照明強度を確保しつつ、長い発光寿命と高い発光効率とを達成することができるとともに、照明光の波長の任意性を高めることができる。さらに、干渉フィルタ23その他の狭帯化手段によって照明光を狭帯化するので、照明光の単色性を高めた状態でマスクMAを照明することができ、投影光学系で色収差が発生しにくくなる。
【0079】
〔第1〜8実施形態の変形例〕
上述の各実施形態において、光源として、複数個の固体光源と各固体光源に対応して設けられた複数の光ファイバ等のライトガイドとを組み合わせたファイバ光源を用いても良い。この場合には、第1から第7実施形態の露光装置に組み込まれる照明光源装置2,202,302,402,502,602の固体光源ユニット21,121がファイバ光源に変更される。
【0080】
図12は、固体光源ユニット21,121に代わるファイバ光源802を示す。ファイバ光源802は、固体光源21aと各固体光源21aに対応して設けられた光ファイバ21dとからなる単位光源を複数個束ね合わせた構造を有する。図12に示すファイバ光源802においては、各固体光源71が各光ファイバ21dの入射端に対して光学的に結合されており、各固体光源21aから射出される光は、光ファイバ21dの入射端に入射して、面状に配列された光ファイバ21dの射出端21gすなわち擬似面光源から射出される。図13は、図12に示すファイバ光源802の変形例を示す。ファイバ光源902は、固体光源21aと、各固体光源21aに対応して設けられたレンズ(集光光学系)21eと、各レンズ21eに対応して設けられた光ファイバ21dとからなる単位光源を複数個束ね合わせた構造を有する。図13に示すファイバ光源902においては、各固体光源21aが各光ファイバ21dの入射端に対して光学的に結合されており、固体光源71から射出される光は、レンズ21eに入射して、レンズ21eにより集光されて光ファイバ21dの入射端に入射し、面状に配列された光ファイバ21dの射出端21gすなわち擬似面光源から射出される。
【0081】
図12に示すファイバ光源802及び図13に示すファイバ光源902においては、適切な開口数を有する光ファイバ21dを用いることにより、通常楕円断面を有する固体光源21dのビームプロファイルBP0(図14(a)参照)を円形断面のビームプロファイルBP1(図14(b)及び図14(c)参照)に修正することができる。
【0082】
図15は、図13に示すファイバ光源902の単位光源、すなわち1つの固体光源21a、それに対応して設けられたレンズ21e及び光ファイバ21dの具体的構成例を示す。このファイバ光源902においては、固体光源21aからの発散光の内で最大の射出角度を持つ光の開口数(最大の射出角度(半角)の正弦(sin)、以下最大開口数と呼ぶこととする)をNA1、固体光源21aの発光部の大きさ(直径)の最大値をφ、光ファイバ21dが光を取り込むことが可能な角度範囲(半角)の正弦(sin)、いわゆる光ファイバ21dの開口数をNA2、光ファイバ21dの入射端のコア直径をDとしたとき、
NA2≧(φ/D)×NA1
の条件を満足している。この条件を満足することにより、固体光源21aから射出される光を無駄なく光ファイバ21dに取り込むことができ、固体光源71から射出される光の光量を維持して、光ファイバ21dの射出端から射出させることができる。
【0083】
また、上記のファイバ光源902においては、固体光源21dのビームプロファイルBP0の最大角がDAで与えられ、光ファイバ21dの光を取り込むことが可能な開口数をNA0とするとき、
NA0≧NA2
の条件を満足している。この条件を満足することにより、固体光源21dから射出される光を無駄なく光ファイバ21dに取り込むことができるとともに、このように取り込んだ光の光量を維持しつつ光ファイバ21d内で伝搬させて、光ファイバ21dの射出端から効率良く射出させることができる。以上において、例えば光ファイバとして石英ファイバを用いる場合、通常
0.3≧(φ/D)×NA1
の条件を満足することになる。この条件を満足することにより、固体光源21dから射出される光を無駄なく石英ファイバに取り込むことができるとともに、光ファイバ21dに取り込んだ光の光量を維持して、光ファイバ21dの射出端から射出させることができる。
【0084】
また、図12に示すファイバ光源802及び図13に示すファイバ光源902においては、複数個の光ファイバ21dの射出端部分を任意の形に束ね合わせることにより、光源の射出端21g(擬似面光源)の形状を最適な形状に成形することが可能である。射出端21gは、例えば図16(a)に示すような矩形状に成形することもでき、図16(b)に示すような形状に成形することもできる。また、図17に示すように、ファイバ光源802、902の光ファイバ21dの射出端21gの形状とフライアイレンズ41の1つのエレメント41aの形状とが相似形になるように、複数個の光ファイバ21dから光源の射出端21gを形成することも極めて容易となる。
【0085】
また、図18はファイバ光源802、902の射出端からフライアイレンズ41までの構成を示す図、図19はフライアイレンズ41の1つのエレメント41aにおける入射面の形状を示す図、図20はファイバ光源802,902の射出端21gの形状を示す図である。ここで、フライアイレンズ41の1つのエレメント41aの入射面の長さをa、他方の長さをb、複数個の光ファイバ21dを束ね合わせた射出端21gの形状において一方の長さをA、他方の長さをBとする。さらに、コリメートレンズ22の焦点距離をf1、フライアイレンズ41の焦点距離をf2としたとき、
A×f2/f1≦a
及び
B×f2/f1≦b
の関係が成り立つようにする。これにより、光源の射出端21gからの照明光を各フライアイレンズ41に無駄なく取り込むことができるようになり、照明光の利用効率(パワー)を高めることができる。
【0086】
さらに、このファイバ光源802,902では、ファイバ光源がm組の光ファイバ光源802,902で構成される場合(mは自然数)、m組の光ファイバ21dから射出される光出力の総量をW、光ファイバ21dの射出端のコア直径をdとしたとき、
[m×{d(f2/f1)}π/(4×a×b)]×W≧30(mW)
の条件を満足することが望ましい。この条件を満足することにより、フライアイレンズ41の1つのエレメント41aに対する光源像の充填率を最適な状態にすることができ、露光装置として実用的な照度を得ることができる。なお、この場合において、光ファイバ21dを束ねた射出端21gの形状とフライアイレンズ41の1つのエレメント41aの形状とは相似形であることが望ましい。
【0087】
また、図12に示すファイバ光源802及び図13に示すファイバ光源902においては、特定の固体光源21aについての光ファイバ21dの射出端における時間的に変化する光量の最大値をPmax、最小値をPminとしたとき、その光ファイバ72の射出端における光量の平均リップル幅ΔPは、
ΔP=(Pmax−Pmin)/(Pmax+Pmin)
により算出される。ここで、フライアイレンズ41の入射端において要求される光量のリップル幅をΔWとしたとき、固体光源21aの数nは
n≧(ΔP/ΔW)
の条件を満たすことが望ましい。この条件を満足することにより、つまり、固体光源21aの数nを(ΔP/ΔW)より多くすることにより、ファイバ光源802,902を構成する個々の固体光源21aから射出される光出力のばらつきが平均化され、その平均化効果によって安定した光出力を有するファイバ光源802,902を提供することができる。
【0088】
また、図12に示すファイバ光源802及び図13に示すファイバ光源902においては、それぞれの固体光源21dの波長、光量等の出力特性に固有のばらつきがある場合、それら出力特性の異なる複数個の固体光源21dをファイバ光源の光源として用いることにより光ファイバ21dを束ねた射出端21gにおいて出力特性のばらつきが均一化される。このように均一化された照明光は、干渉フィルタ23によって狭帯化されるが、このような狭帯化後の照明光の光量は安定して高い状態となっている。干渉フィルタ23によって狭帯化された光は、さらにフライアイレンズ41を経て均一化される。図21は、各固体光源21aの出力特性のばらつきを均一化した状態をグラフ化した図である。それぞれ異なった出力特性を持つ固体光源21aを均一化して、グラフ化したものが波長特性AVEである。この波長特性AVEは干渉フィルタ23を経て狭帯化された波長特性NBPとなる。このように、出力特性の異なる複数個の固体光源21aを組み合わせたものをファイバ光源802,902に使用した場合において、均一化効果により狭帯化後も安定した光出力を有する照明光を得ることができる。
【0089】
また、露光装置が走査型露光装置である場合に、同期ブラインドを備えてもよい。図22は、走査型露光装置の構成図である。この露光装置は、投影光学系に対して、マスクステージ及び基板若しくはプレートステージが移動しつつ、マスクMAのパターンをプレート上に転写する走査型露光装置であり、同期ブラインド(可動ブラインド機構)91を有する。その他の点においては、第1の実施形態に係る露光装置と同一の構成を有する。
【0090】
図22に示すように、マスクMAの近傍には、固定ブラインドBL0と、可動ブラインド機構91とが配置されており、図23に示すように、この可動ブラインド機構91は、4枚の可動ブレードBL1,BL2,BL3,BL4からなる。可動ブレードBL1,BL2のエッジによって走査露光方向(X方向)の開口APの幅が決定され、可動ブレードBL3,BL4のエッジによって非走査方向の開口APの長さが決定される。また、4枚の可動ブレードBL1〜BL4の各エッジで規定された開口APの形状は、投影レンズ6の円形イメージフィールドIF内に包含されるように定められる。
【0091】
固定ブラインドBL0の開口と可動ブラインド機構91の開口APとを通過した照明光は図15に示すようにマスクMAを照射する。つまり、各可動ブレードBL1〜BL4によって形成される開口APと固定ブラインドBL0の開口とが重なっている領域についてのみ、マスクMAの照明が行われることになる。通常の露光状態においては、固定ブラインドBL0の開口の像がマスクMAのパターン面に結像されるが、マスクMA上の特定走査露光領域の周辺すなわち遮光部分の近傍領域の露光が行われる場合、4枚のブレードBL1〜BL4によって遮光部分の外側に照明光が入射することが防止される。すなわち、マスクステージ5の走査に際して、照明光源装置2から射出される光束とマスクMAとの相対位置に関する情報が監視される。この監視情報に基づいて、マスクMA上の特定走査露光領域の露光開始時や露光終了時において遮光部分の近傍領域について露光が始まると判断した場合、ブレードBL1,BL2のエッジ位置を移動させ、走査露光方向の開口APの幅を制御する。これにより、不要なパターン等がプレートに対して転写されるのを防止することができる。なお、この露光装置においては、マスクMA近傍に可動ブラインド機構91を設けているが、マスクMAと共役な位置であれば他の位置に可動ブラインド機構を設けても良い。
【0092】
また、露光装置に帯電防止手段を設けるようにしても良い。図24は、帯電防止手段を備えた露光装置の構成例である。その他の点においては、第1実施形態にかかる露光装置と同一の構成を有する。この露光装置においては、照明光源装置2のうち固体光源ユニット21を収容する筐体93と、照明光学系4、投影光学系6等の露光装置本体を収容する筐体94とが別々に設けられており、両筐体93,94が互いに電気的に接続され、さらにアースされている。すなわち、筐体93と筐体94とが同電位に保たれている。また、固体光源ユニット21に電力を供給する電源部95とプレート駆動部71等を含む露光装置本体に電力を供給する電源部96とが別々に設けられており、それぞれアースされている。したがって、両電源部95,96が互いに独立して相互の干渉を防止できるだけでなく、露光装置本体側からの静電気による固体光源ユニット21の破損を防止することができる。
【0093】
〔第9実施形態〕
以下、本発明の第9実施形態に係る投影露光方法について説明する。この投影露光方法は、第1〜8実施形態及びその変形例の露光装置をリソグラフィ工程で使用したマイクロデバイスの製造方法である。この場合、ウェハ上に所定のパターン(回路パターン、電極パターン等)を形成することによって、マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る。
【0094】
図25は、マイクロデバイスとしての半導体デバイスの製造方法を説明するためのフローチャートである。まず、図25のステップS40において、1ロットのウェハ上に金属膜が蒸着される。次のステップS42において、その1ロットのウェハ上の金属膜上にフォトレジストが塗布され、プレートPLである感光性基板が準備される。その後、ステップS44において、上記実施形態に係る露光装置を用いて、マスクMA上のパターンの像がその投影光学系6を介して、その1ロットのウェハ上の各ショット領域に順次露光転写される。即ち、照明光源装置2,202,302,402,502,602、照明光学系4等を用いてマスクMAを照明することで、投影光学系6を介してマスクMA上のパターンの像がウェハ上に投影され露光転写される。
【0095】
その後、ステップS46において、その1ロットのウェハ上のフォトレジストの現像が行われた後、ステップS48において、その1ロットのウェハ上でレジストパターンをマスクとしてエッチングを行うことによって、マスク上のパターンに対応する回路パターンが、各ウェハ上の各ショット領域に形成される。その後、更に上のレイヤの回路パターンの形成等を行うことによって、半導体素子等のデバイスが製造される。上述の半導体デバイス製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する半導体デバイスをスループット良く得ることができる。
【0096】
図26は、第1〜8実施形態及びその変形例の露光装置を用いて、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を製造する方法を説明するためのフローチャートである。この場合、ガラス基板上に所定のパターンを形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得る。
【0097】
図26のパターン形成工程(ステップS50)では、この実施の形態の露光装置を用いてマスクのパターンをプレートPLである感光性基板(レジストが塗布されたガラス基板等)に転写露光する、所謂光リソグラフィ工程が実行される。この光リソグラフィ工程によって、基板上には多数の電極等を含む所定パターンが形成される。その後、露光された基板は、現像工程、エッチング工程、レジスト剥離工程等の各工程を経ることによって、基板上に所定のパターンが形成され、次のカラーフィルタ形成工程(ステップS52)へ移行する。
【0098】
次のカラーフィルタ形成工程S52では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応した3つのドットの組がマトリックス状に多数配列され、或いはR、G、Bの3本からなるストライプのフィルタの組を複数水平走査線方向に配列したカラーフィルタを形成する。 そして、カラーフィルタ形成工程(ステップS52)の後に、セル組み立て工程(ステップS54)が実行される。このセル組み立て工程では、パターン形成工程(ステップS50)にて得られた所定パターンを有する基板、及びカラーフィルタ形成工程(ステップS52)にて得られたカラーフィルタ等を用いて液晶パネルすなわち液晶セルを組み立てる。
【0099】
セル組み立て工程(ステップS54)では、例えば、パターン形成工程(ステップS50)にて得られた所定パターンを有する基板とカラーフィルタ形成工程(ステップS52)にて得られたカラーフィルタとの間に液晶を注入して、液晶パネルを製造する。その後、モジュール組立工程(ステップS56)にて、組み立てられた液晶パネルの表示動作を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付けて液晶表示素子として完成させる。上述の液晶表示素子の製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する液晶表示素子をスループット良く得ることができる。
【0100】
なお、以上のようなマイクロデバイスの製造方法によれば、固体光源からの照明光を狭帯化して用いるので、十分な照明強度を確保し、長い発光寿命と高い発光効率とを達成することができ、照明光の波長の任意性を高めることができるだけでなく、照明光の単色性を高めた状態でマスクMAを照明することができ、投影光学系で色収差が発生しにくくなる。
【0101】
以上、実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記第1実施形態において、干渉フィルタ23は、適当な光吸収特性を有する色ガラスフィルタに置き換えることができる。
【0102】
また、上記第1〜第7実施形態及びその変形例では、照明光源装置2,202,302,402,502,602及び照明光学系4をケーラー照明型の構成としているが、これらをクリティカル照明型の照明系とすることもできる。この場合、固体光源ユニット21によって形成される擬似面光源の像を、例えばコリメートレンズ22に代わる適当な結像レンズによってフライアイレンズ41の入射側の光学面全体に投影する。この際、フライアイレンズ41を構成する各レンズエレメントの入射側の各光学面は、マスクMAと光学的に共役な位置若しくはその近傍となる。
【0103】
また、上記第1〜第7実施形態及びその変形例では、露光装置が基本的に屈折光学系で構成される場合について説明したが、照明光源装置2,202,302,402,502,602、照明光学系4、投影光学系6等は、すべて等価若しくは類似の機能を有する反射光学系或いは反射屈折光学系に置き換え得ることはいうまでもない。
【0104】
また、上記第1〜第8実施形態及びその変形例では、照明装置にオプティカルインテグレータとしてのフライアイレンズ等を用いているが、これに代えて、反射型のフライアイ・インテグレータや、ロッド型又はシリンダ型のインテグレータを用いてもよい。なお、ロッド型のインテグレータを用いる場合には、光源(発光ダイオードアレイ)の形状とロッドの断面形状を相似形とすることが好ましい。また、シリンダ型のインテグレータを用いる場合には、シリンダ型のインテグレータを構成する一方のシリンダレンズのピッチとこれと直交して配置される他方のシリンダレンズのピッチとで形成される矩形領域(オプティカルインテグレータの射出面側の光学面の有効領域)と、光源(発光ダイオードアレイ)の形状とを相似形とすることが好ましい。
【0105】
また、上記第1〜第8実施形態及びその変形例では、ステップ・アンド・リピート型又はステップ・アンド・スキャン型の露光装置を例として説明したが、プロキシミティ方式の露光装置に本発明に係る照明装置若しくは露光装置を適用してもよい。この場合には、投影光学系が存在しないことから像面照度を高くすることができる。
【0106】
また、上記第1〜第8実施形態及びその変形例では、固体光源として発光ダイオードを用いているが、レーザダイオードその他の各種の固体光源を用いるこができる。
【0107】
また、上述の各実施形態において、複数の固体光源として、複数の発光点を有する固体光源チップ、チップを複数個アレイ状に配列した固体光源チップアレイ、さらに複数の発光点を一枚の基板に作り込んだタイプのものなどを用いても良い。なお、固体光源素子は、無機、有機を問わない。
【0108】
また、上述の各実施形態におけるマスクに替えて、投影すべきパターンを生成する可変パターン生成装置を用いても良い。このような可変パターン生成装置は、自発光型画像表示素子と、非発光型画像表示素子とに大別される。自発光型画像表示素子としては、CRT(cathode ray tube)、無機ELディスプレイ、有機ELディスプレイ(OLED:Organic Light Emitting diode)、LEDディスプレイ、LDディスプレイ、電界放出ディスプレイ(FED:field emission display)、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)が例としてあげられる。また、非発光型画像表示素子は、空間光変調器 (Spatial Light Modulator:以下SLMと略記する)とも呼ばれ、光の振幅、位相あるいは偏光の状態を空間的に変調する素子であり、透過型空間光変調器と反射型空間光変調器とに分けられる。透過型空間光変調器としては、透過型液晶表示素子(LCD:Liquid Crystal Display)、エレクトロクロミックディスプレイ(ECD)などが例としてあげられ、反射型空間光変調器としては、DMD(Deformable Micro−mirror Device, またはDigital Micro−mirror Device)、反射ミラーアレイ、反射型液晶表示素子、電気泳動ディスプレイ(EPD:ElectroPhoretic Display)、電子ペーパー(または電子インク)、光回折型ライトバルブ(Grating Light Valve)などが例としてあげられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る露光装置の全体の概略構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態に係る照明光源装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示す光源の波長特性を説明するグラフである。
【図4】図2の照明光源装置を構成する光源ユニットの構成を示す正面図である。
【図5】図4の光源ユニットの変形例の構成を示す正面図である。
【図6】第2実施形態に係る照明光源装置の構成を示すブロック図である。
【図7】第3実施形態に係る照明光源装置の構成を示すブロック図である。
【図8】第4実施形態に係る照明光源装置の構成を示すブロック図である。
【図9】第5実施形態に係る照明光源装置の構成を示すブロック図である。
【図10】第6実施形態に係る照明光源装置の構成を示すブロック図である。
【図11】第7実施形態に係る照明光源装置及び照明光学系の構成を示すブロック図である。
【図12】固体光源ユニットに代わるファイバ光源の構造を示す図である。
【図13】図12のファイバ光源を変形したファイバ光源の構造を示す図である。
【図14】(a)〜(c)は、図12等に示すファイバ光源を用いた場合のビームプロファイルを説明する図である。
【図15】図13に示すファイバ光源の具体的な構造を説明する図である。
【図16】(a)、(b)は、図12及び図13に示すファイバ光源の射出端の様子を説明する図である。
【図17】ファイバ光源の射出端の外形をフライアイレンズのレンズエレメントの外形に対して相似にする場合を説明する図である。
【図18】ファイバ光源の射出端の外形とフライアイレンズのレンズエレメントの外形との関係を説明する図である。
【図19】ファイバ光源の射出端の外形とフライアイレンズのレンズエレメントの外形との関係を説明する図である。
【図20】ファイバ光源の射出端の外形とフライアイレンズのレンズエレメントの外形との関係を説明する図である。
【図21】複数の固体光源からの照明光の合波による均一化の効果を説明する図である。
【図22】可動ブラインドを用いた走査を行う露光装置について説明する図である。
【図23】可動ブラインドの構造を説明する図である。
【図24】帯電防止機能を設けた露光装置について説明する図である。
【図25】第9実施形態に係るマイクロデバイスとしての半導体デバイスを製造する方法のフローチャートである。
【図26】第9実施形態に係るマイクロデバイスとしての液晶表示素子を製造する方法のフローチャートである。
【符号の説明】
2,202,302,402,502,602…照明光源装置、 4…照明光学系、 5…マスクステージ、 6…投影光学系、 7…プレートステージ、 8…主制御系、 10…露光装置、 21,221… 固体光源ユニット、 21b…発光ダイオード、 22…コリメートレンズ、 23…干渉フィルタ、 24…電源装置、 41…フライアイレンズ、 42…開口絞り、 44…コンデンサ光学系、 51…マスク駆動部、 71…プレート駆動部、 425…光量センサ、 426…濃度ウェッジ、 427…ウェッジ駆動装置、 428…光源制御装置、 625…アレイセンサ、 AX…基準光軸、 MA…マスク、PL…プレート

Claims (23)

  1. 複数の単位固体光源を有し、当該複数の単位固体光源からの照明光によって擬似面光源を形成する光源装置と、
    前記擬似面光源から射出される照明光を、前記単位固体光源に固有の波長特性を基準として、前記照明光のうち最も放射強度の強い中心波長の強度に対する端部波長の相対的強度が低減するように狭帯化する狭帯化手段と
    を備える照明光源装置。
  2. 前記光源装置は、前記複数の単位固体光源をアレイ状に配置することによって前記擬似面光源を形成することを特徴とする請求項1記載の照明光源装置。
  3. 前記光源装置は、前記複数の単位固体光源と、当該複数の単位固体光源からの照明光を入射端で受けて案内するライトガイドとを有し、当該ライトガイドの射出端に前記擬似面光源を形成することを特徴とする請求項1記載の照明光源装置。
  4. 前記狭帯化手段は、前記中心波長をλ0とし、当該中心波長における最大放射強度に対して相対的強度が10%以上となる波長域に対応する波長幅をΔλ1とした場合に、
    0.002<Δλ1/λ0<0.05
    の条件を満たす狭帯化を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか記載の照明光源装置。
  5. 前記狭帯化手段は、前記中心波長における最大放射強度に対して相対的強度が10%以上となる波長域に対応する波長幅をΔλ1とし、前記最大放射強度に対して相対的強度が90%以上となる波長域に対応する波長幅をΔλ2とした場合に、
    Δλ2/Δλ1>0.2
    の条件を満たす狭帯化を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか記載の照明光源装置。
  6. 複数の単位固体光源を有し当該複数の単位固体光源からの照明光によって擬似面光源を形成する光源装置を備える照明光源装置であって、
    前記擬似面光源から射出される照明光のうち最も放射強度の強い中心波長をλ0とし、当該中心波長における最大放射強度に対して相対的強度が10%以上となる波長域に対応する波長幅をΔλ1とした場合に、
    0.002<Δλ1/λ0<0.05
    の条件を満たすことを特徴とする照明光源装置。
  7. 複数の単位固体光源を有し当該複数の単位固体光源からの照明光によって擬似面光源を形成する光源装置を備える照明光源装置であって、
    前記擬似面光源から射出される照明光のうち最も放射強度の強い中心波長における最大放射強度に対して相対的強度が10%以上となる波長域に対応する波長幅をΔλ1とし、前記最大放射強度に対して相対的強度が90%以上となる波長域に対応する波長幅をΔλ2とした場合に、
    Δλ2/Δλ1>0.2
    の条件を満たすことを特徴とする照明光源装置。
  8. 前記狭帯化手段は、前記擬似面光源から放出される前記照明光のうち、所定の波長を選択的に透過又は反射させる波長選択手段であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項記載の照明光源装置。
  9. 前記波長選択手段は、干渉フィルタを有することを特徴とする請求項8記載の照明光源装置。
  10. 前記波長選択手段は、ダイクロイックミラーを有することを特徴とする請求項8記載の照明光源装置。
  11. 前記波長選択手段は、色ガラスフィルタを有することを特徴とする請求項8記載の照明光源装置。
  12. 前記波長選択手段は、回折格子と、当該回折格子の射出側に配置される所定幅の開口とを有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項記載の照明光源装置。
  13. 前記複数の単位固体光源に電力を供給する電源装置と、前記複数の単位固体光源から射出される光の強度を観測する観測手段と、当該観測手段からの信号に基づいて前記電源装置から前記複数の単位固体光源に供給する電力を調節する制御手段とをさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか一項記載の照明光源装置。
  14. 前記複数の単位固体光源に電力を供給する電源装置と、前記複数の単位固体光源から射出される光の強度を観測する観測手段と、当該観測手段からの信号に基づいて前記電源装置から前記複数の単位固体光源に供給する電流を調節する制御手段とをさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか一項記載の照明光源装置。
  15. 前記観測手段は、所定波長の光の強度を観測することを特徴とする請求項13及び請求項14のいずれか一項記載の照明光源装置。
  16. 前記観測手段は、前記複数の単位固体光源から射出される光の少なくとも一部を入射させる観測光選択手段と、当該観測光選択手段を経た光を光電変換する光電変換手段とを有することを特徴とする請求項13から請求項15のいずれか一項記載の照明光源装置。
  17. 前記観測手段は、前記波長選択手段を経た光の一部を観測することを特徴とする請求項13から請求項15のいずれか一項記載の照明光源装置。
  18. 前記制御手段は、前記観測手段によって観測される光が最大となるように前記照明光源装置を制御することを特徴とする請求項13から請求項17のいずれか一項記載の照明光源装置。
  19. 前記制御手段は、前記複数の単位固体光源に供給する電力を、前記電源装置を介して非一様に調節することを特徴とする請求項13から請求項17のいずれか一項記載の照明光源装置。
  20. 装置外に出力させる光の強度を任意の値に調節可能な透過率可変機構をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項19のいずれか一項記載の照明光源装置。
  21. 被照射面を照明する照明装置であって、
    請求項1から請求項20のいずれか一項記載の照明光源装置を備える照明装置。
  22. マスクのパターンを感光性基板上に転写する露光装置であって、
    被照射面又は被照射面と光学的に共役な位置に配置された前記マスクを照明するために請求項21記載の照明装置を備えることを特徴とする露光装置。
  23. 請求項22記載の露光装置を用いた露光方法であって、
    被照射面又は被照射面と光学的に共役な位置に配置されたマスクを前記照明装置から射出される光を用いて照明する照明工程と、
    前記マスクのパターンを感光性基板上に転写する転写工程と
    を含むことを特徴とする露光方法。
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