JP2004253750A - 照明光源、露光装置及び露光方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】射出光のパワーを向上させた照明光源を提供する。
【解決手段】複数の単位固体光源1aと、アレイ状に配列された複数の入射光学面を有するフライアイインテグレータ1bとを備える照明光源であって、複数の単位固体光源1aを、複数の単位固体光源1aのそれぞれの基準軸がフライアイインテグレータ1bの入射面全体の略中心に位置する基準点を通るように放射状に配置し、フライアイインテグレータ1bの入射光学面の入射領域の縦及び横の寸法のうち大きいほうの寸法をa、小さい方の寸法をb、フライアイインテグレータ1bの焦点距離をf、複数の単位固体光源1aのそれぞれの基準軸とフライアイインテグレータ1bの基準点を通る軸とのなす角度のうち最も大きな角度をθmax(rad)としたとき、(1/3)・sin−1[1/{2・(f/b)}]<θmax<sin−1[1/{2・(f/(a2+b2)1/2)}]の条件を満足する。
【選択図】 図2
【解決手段】複数の単位固体光源1aと、アレイ状に配列された複数の入射光学面を有するフライアイインテグレータ1bとを備える照明光源であって、複数の単位固体光源1aを、複数の単位固体光源1aのそれぞれの基準軸がフライアイインテグレータ1bの入射面全体の略中心に位置する基準点を通るように放射状に配置し、フライアイインテグレータ1bの入射光学面の入射領域の縦及び横の寸法のうち大きいほうの寸法をa、小さい方の寸法をb、フライアイインテグレータ1bの焦点距離をf、複数の単位固体光源1aのそれぞれの基準軸とフライアイインテグレータ1bの基準点を通る軸とのなす角度のうち最も大きな角度をθmax(rad)としたとき、(1/3)・sin−1[1/{2・(f/b)}]<θmax<sin−1[1/{2・(f/(a2+b2)1/2)}]の条件を満足する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体素子、液晶表示素子、撮像素子、薄膜磁気ヘッド、その他のマイクロデバイスの製造工程において用いられる露光装置の照明光源、該照明光源を用いた露光装置及び露光方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
マイクロデバイスの一つである液晶表示素子は、通常、ガラス基板(プレート)上に透明薄膜電極をフォトリソグラフィの手法で所望の形状にパターニングして、TFT(Thin Film Transistor)等のスイッチング素子及び電極配線を形成して製造される。このフォトリソグラフィの手法を用いた製造工程では、マスク上に形成された原画となるパターンを、投影光学系を介してフォトレジスト等の感光剤が塗布されたプレート上に投影露光する投影露光装置が用いられている。
【0003】
従来は、マスクとプレートとの相対的な位置合わせを行った後で、マスクに形成されたパターンをプレート上に設定された1つのショット領域に一括して転写し、転写後にプレートをステップ移動させて他のショット領域の露光を行う、ステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(所謂、ステッパー)が多用されていた。
【0004】
近年、液晶表示素子の大面積化が要求されており、これに伴ってフォトリソグラフィ工程において用いられる投影露光装置は露光領域の拡大が望まれている。投影露光装置の露光領域を拡大するためには投影光学系を大型化する必要があるが、残存収差が極力低減された大型の投影光学系を設計及び製造するにはコスト高となってしまう。そこで、投影光学系の大型化を極力避けるために、投影光学系の物体面側(マスク側)における投影光学系の有効径と同程度に長手方向の長さが設定されたスリット状の照明光をマスクに照射し、マスクを介したスリット状の光が投影光学系を介してプレートに照射されている状態で、マスクとプレートとを投影光学系に対して相対的に移動させて走査し、マスクに形成されたパターンの一部を順次プレートに設定された1つのショットに転写し、転写後にプレートをステップ移動させて他のショット領域に対する露光を同様にして行う、所謂ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置が案出されている。
【0005】
また、近年では、更なる露光領域の拡大を図るため、1つの大型の投影光学系を用いるのではなく、小型の部分投影光学系を走査方向に直交する方向(非走査方向)に所定間隔をもって複数配列した第1の配列と、この部分投影光学系の配列の間に部分光学系が配置されている第2の配列とを走査方向に配置した、所謂マルチレンズ方式の投影光学系を備える投影露光装置が案出されている(例えば特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−57986号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上述の投影露光装置の光源としては、波長約360nm程度の紫外領域においては主に水銀ランプなどが用いられていた。この水銀ランプの寿命は、概ね500h〜1000h程度であることから、定期的にランプ交換が必要となり露光装置ユーザには大きな負担となっていた。また、高照度確保のために高電力が必要であり、またそれに伴う発熱対策などが必要になるなど、高いランニングコストの問題や、経時劣化などの要因に伴う破裂の危険性を有していた。
【0008】
これに対して発光ダイオードなどの固体光源は、水銀ランプなどに比べて発光効率が高く、そのため省電力、小発熱という特長を持ち大幅なランニングコストの低減を実現できる。また寿命も3000h程度のものもあるため、交換にかかる負担も少なく、経時劣化などの要因に伴う破裂の危険性もない。さらに最近では、波長365nmで100mw程度の高い光出力を達成したUV−LEDなども開発されている。
【0009】
上述の液晶表示素子の製造においては、プレート上にフォトレジストを塗布し、上述の投影露光装置の何れかを用いてマスクに形成されたパターンをプレートに転写し、フォトレジストの現像、エッチング、及びフォトレジストの剥離といった工程を繰り返すことにより、TFT等のスイッチング素子及び電極配線が形成された素子基板が形成される。そして、この素子基板と別工程で製造されたカラーフィルタを備える対向基板とを張り合わせ、これらの間に液晶を挟持させることにより液晶表示素子が製造される。
【0010】
ところで、従来の液晶表示装置は上述したようにTFTが形成される素子基板とカラーフィルタを備える対向基板とを別々に形成して張り合わせることにより製造されていたが、近年、液晶表示素子の構造の変化に伴って、TFTを形成した基板上にカラーフィルタを併せて形成した構造の液晶表示素子が案出されている。かかる構造の液晶表示素子の製造工程には、TFTが形成された基板上に、着色した顔料が分散された樹脂レジストを塗布し、投影露光装置を用いてこの樹脂レジストを露光して現像することによりカラーフィルタを形成する工程が含まれる。
【0011】
ここで、TFT等を形成する際に用いられるフォトレジストの感度は15〜30mJ/cm2程度であるのに対し、樹脂レジストの感度は50〜100mJ/cm2程度であり、樹脂レジストの露光に必要となるエネルギーは通常のフォトレジストの数倍から数十倍になることもある。従って、投影露光装置の光源として固体光源を用いる場合においても、樹脂レジストの感度に対応することができるように、固体光源からの射出光のパワーを増大させ基板上に照射される照明光の照度を高くする必要がある。
【0012】
この発明の課題は、射出光のパワーを向上させた照明光源、該照明光源を備えた露光装置及び該露光装置を用いた露光方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の照明光源は、複数の単位固体光源とアレイ状に配列された複数の入射光学面を有するフライアイインテグレータとを備える照明光源であって、前記複数の単位固体光源を、前記複数の単位固体光源のそれぞれの基準軸が前記フライアイインテグレータの入射面全体の略中心に位置する基準点を通るように放射状に配置し、前記フライアイインテグレータの前記入射光学面の入射領域の縦及び横の寸法のうち大きいほうの寸法をaとし、小さい方の寸法をbとし、前記フライアイインテグレータの焦点距離をfとし、前記複数の単位固体光源のそれぞれの基準軸と前記フライアイインテグレータの前記基準点を通る軸とのなす角度のうち最も大きな角度をθmax(rad)としたとき、以下の条件を満足すことを特徴とする。
【0014】
(1/3)・sin−1[1/{2・(f/b)}]< θmax <sin−1[1/{2・(f/(a2+b2)1/2)}]
この請求項1に記載の照明光源によれば、フライアイインテグレータの各射出面での光束(光源像)の充填率を向上させることができるため、フライアイインテグレータより射出される光のパワーを増大させることができる。
【0015】
また、請求項2に記載の照明光源は、複数の単位固体光源と内面反射型インテグレータとを備える照明光源であって、前記複数の単位固体光源を、前記複数の単位固体光源のそれぞれの基準軸が前記内面反射型インテグレータの入射面の略中心に位置する基準点を通るように放射状に配置し、前記内面反射型インテグレータを構成している材質の屈折率をnとし、前記複数の単位固体光源のそれぞれの基準軸と前記内面反射型インテグレータの前記基準点を通る軸とのなす角度のうち最も大きな角度をθmax(rad)としたとき、以下の条件を満足すことを特徴とする。
【0016】
sin−1[n・sin{cos−1(1/n)}] > θmax >
(1/3)・sin−1[n・sin{cos−1(1/n)}]
この請求項2に記載の照明光源によれば、多数の単位固体光源を配置することができ、それぞれの単位固体光源より射出される光束が内面反射型インテグレータ内部を全反射して伝播するため、内面反射型インテグレータより射出される光のパワーを増大させることができる。また、内面反射型インテグレータの光積分効果を向上させることができる。
【0017】
また、請求項3に記載の照明光源は、複数の単位固体光源と複数のファイバを束ねたファイバーバンドルとを備える照明光源であって、前記複数の単位固体光源を、前記複数の単位固体光源のそれぞれの基準軸が前記ファイバーバンドルの入射面全体の略中心に位置する基準点を通るように放射状に配置し、前記ファイバーバンドルのコアの屈折率をn1とし、前記ファイバーバンドルのクラッドの屈折率をn2とし、前記複数の単位固体光源の基準軸と前記ファイバーバンドルの前記基準点を通る軸とのなす角度のうち最も大きな角度をθmax(rad)としたとき、以下の条件を満足すことを特徴とする。
【0018】
sin−1[n1・sin{cos−1(n2/n1)}] > θmax >(1/3)・sin−1[n1・sin{cos−1(n2/n1)}]
この請求項3に記載の照明光源によれば、多数の単位固体光源を配置することができ、それぞれの単位固体光源より射出される光束がファイバーバンドルのコアを全反射して伝播するため、ファイバーバンドルより射出される光のパワーを増大させることができる。
【0019】
また、請求項4に記載の照明光源は、前記複数の単位固体光源がそれぞれの基準軸が前記基準点を通るように略球面上に配置されていることを特徴とする。
【0020】
また、請求項5に記載の照明光源は、前記単位固体光源から射出される光束のうち、最も放射強度の強い光線を中心として±50°の範囲内における光線が前記最も放射強度の強い光線に対して半分以上の放射強度を有することを特徴とする。
【0021】
また、請求項6に記載の照明光源は、前記単位固体光源から射出される光束のうち、最も放射強度の強い光線に対して半分の放射強度となる光線と前記最も放射強度の強い光線とのなす角度をθ(rad)とし、前記フライアイインテグレータの前記入射面全体、前記内面反射型インテグレータの前記入射面、又は前記ファイバーバンドルの入射面全体に外接する円の半径をrとし、前記基準点から前記複数の単位固体光源までのそれぞれの距離をLnとしたとき、以下の条件を満足することを特徴とする。
【0022】
0.2 <(Ln・tanθ)/r <5
この請求項6に記載の照明光源によれば、それぞれの単位固体光源から射出される光束が、0.2 <(Ln・tanθ)/r <5、の条件を満足するため、それぞれの単位固体光源から射出される光束を効率よく照明光源の光射出部から射出させることができる。
【0023】
また、請求項7に記載の照明光源は、前記単位固体光源が4mW/個以上の出力を有することを特徴とする。
【0024】
この請求項7に記載の照明光源によれば、それぞれの単位固体光源が4mW/個以上の出力を有しているため、必要十分な光量を確保することが可能である。なお、それぞれの単位固体光源が4mW/個以上の出力を有しない場合には、各単位固体光源を放射状にレイアウトして単位固体光源の数を増加させようとしても、必要十分な光量とするための単位固体光源の数が多くなり過ぎ、放射状に配置することが実際問題として困難になる。
【0025】
また、請求項8に記載の照明光源は、前記単位固体光源の光射出部の面積が1cm2以下であることを特徴とする。
【0026】
この請求項8に記載の照明光源によれば、それぞれの単位固体光源の光射出部の面積が1cm2 以下であるため、放射状に各単位固体光源をレイアウトした場合に十分な数の単位固体光源を配置することが可能である。なお、それぞれの単位固体光源の光射出部の面積が1cm2を超える場合には、各単位固体光源を放射状にレイアウトして単位固体光源の数を増加させようとしても、各単位固体光源自体の大きさが大きすぎるために、放射状に配置することが実際問題として困難になる。
【0027】
また、請求項9に記載の照明光源は、前記単位固体光源が放出される光束のうち最も放射強度の強い光線を中心として±1°の光束の範囲内において、平均放射輝度が200mW/(cm2・sr)以上であることを特徴とする。
【0028】
この請求項9に記載の照明光源によれば、放出される光束のうち最も放射強度が強い光線を中心として±1°の光束の範囲内において、平均放射輝度が200mW/(cm2・sr)以上である単位固体光源を備えるため、投影光学系を介して多くの光束を感光性基板上に照射することができ、露光装置のスループットを向上させることができる。ここで、平均放射輝度とは、±1°内での全ての角度の輝度の平均値である。
【0029】
また、請求項10に記載の照明光源は、前記単位固体光源が0.1sr当たり1個以上配置されていることを特徴とする。この請求項10に記載の照明光源によれば、単位固体光源が0.1sr当たり1個以上配置されているため、各単位固体光源を放射状にレイアウトする場合に単位固体光源の数を必要十分な数だけ確保することができ、十分な光量を達成できる。
【0030】
また、請求項11に記載の照明光源は、前記単位固体光源から射出される光の波長の半値幅は±20nm以下であることを特徴とする。この請求項11に記載の照明光源によれば、特に投影露光装置の照明光源に適用した場合に投影光学系の色収差補正への負荷を小さくすることができる。
【0031】
また、請求項12に記載の露光装置は、請求項1乃至請求項11の何れか一項に記載の照明光源から射出される光束によりマスクを照明し、前記マスクのパターンを感光性基板上に転写することを特徴とする。
【0032】
また、請求項13に記載の露光装置は、前記マスクのパターン像を前記感光性基板上に形成するための投影光学系をさらに備えることを特徴とする。
【0033】
この請求項12及び請求項13に記載の露光装置によれば、照明光源の光射出部の光出力を増大させることができるため、像面照度を高くすることができ、露光装置のスループットを向上させることができる。
【0034】
また、請求項14に記載の露光方法は、請求項12又は請求項13に記載の露光装置を用いた露光方法において、前記照明光源から射出される光束を用いてマスクを照明する照明工程と、前記マスクのパターンを感光性基板上に転写する転写工程とを含むことを特徴とする。
【0035】
この請求項14に記載の露光方法によれば、実用的な露光に要求される像面照度の値を確保した露光装置を用いて露光を行うため、実用的な露光方法としてのスループットを確保することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態にかかる露光装置について説明する。図1は、この発明の第1の実施の形態にかかる露光装置の全体の概略構成を示す斜視図である。この第1の実施の形態においては、複数の反射屈折型の投影光学ユニットからなる投影光学系に対してマスクM1とプレート(基板)P1とを相対的に移動させつつマスクM1に形成された液晶表示素子のパターンDP1の像を感光性材料が塗布された感光性基板としてのプレートP1上に転写するステップ・アンド・スキャン方式の露光装置に適用した場合を例に挙げて説明する。
【0037】
なお、以下の説明においては、図1中に示したXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。XYZ直交座標系は、X軸及びY軸がプレートP1に対して平行となるよう設定され、Z軸がプレートP1に対して直交する方向に設定されている。図中のXYZ座標系は、実際にはXY平面が水平面に平行な面に設定され、Z軸が鉛直上方向に設定される。また、この実施の形態ではマスクM1及びプレートP1を移動させる方向(走査方向)をX軸方向に設定している。
【0038】
この実施の形態にかかる露光装置は、マスクステージ(図1では図示せず)MS1上においてマスクホルダ(図示せず)を介してXY平面に平行に支持されたマスクM1を均一に照明するための照明光源ユニット(照明光源)SU1〜SU5、照明光源ユニットSU1〜SU5に対応した照明光学ユニットIL1〜IL5により構成される照明光学系を備えている。ここで、照明光源ユニットSU1〜SU5は、照明光源ユニットSU1と同一の構成を有するものであるため、照明光源ユニットSU1を代表して説明する。
【0039】
照明光源ユニットSU1は、図2に示すように、複数の単位固体光源1a、アレイ状に配列された複数の入射光学面を有するフライアイインテグレータ1bを備えて構成されている。ここで、複数の単位固体光源1aは、放射強度が最も強い光の進行方向に沿った光線軸を基準軸とした場合に、それぞれの単位固体光源の基準軸がフライアイインテグレータ1bの入射光学面全体の略中心に位置する点(基準点)を通過するように略球面上に配置されている。また、複数の単位固体光源1aは、フライアイインテグレータ1bの入射光学面の縦及び横の寸法のうち大きい方の寸法をa(mm)、小さい方の寸法をb(mm)とし(図3参照)、フライアイインテグレータ1bの焦点距離をf(mm)、それぞれの単位固体光源1aの基準軸とフライアイインテグレータ1bの基準点を通過する軸1cとのなす角度のうち最も大きな角度をθmax(rad)(図2参照)としたとき、
(1/3)・sin−1[1/{2・(f/b)}]< θmax <
sin−1[1/{2・(f/(a2 +b2 )1/2 )}]
の条件を満足するように配置されている。
【0040】
なお、本実施形態では、フライアイインテグレータ1bの複数の入射光学面の形状と複数の射出光学面の形状とが同一形状であるため、図3にはフライアイインテグレータ1bの複数の射出光学面を示し、複数の射出光学面上に形成される光源像を破線で示している。
【0041】
上記条件式において、θmaxの値が下限値を下回る場合には、光束の充填率(光源像の充填率)が低くなりすぎるため好ましくなく、θmaxの値が上限値を上回る場合には、フライアイインテグレータが取り込むことのできる光束の角度範囲を超えて光束が入射することになり、照明光のパワー損失を招くため好ましくない。なお、上記条件式において、θmaxの下限値を(2/3)・sin−1[1/{2・(f/b)}]とすることが好ましい。そして、θmaxの下限値を(4/5)・sin−1[1/{2・(f/b)}]とすることがさらに好ましい。
【0042】
また、それぞれの単位固体光源1aは、放出される光束のうち最も放射強度が強い光線を中心として±50°の範囲内における光線が最も放射強度の強い光線に対して半分以上の放射強度を有する。
【0043】
また、それぞれの単位固体光源1aは、図4に示すように、射出される光束のうち最も放射強度の強い光線に対して半分の放射強度となる光線と最も放射強度の強い光線とのなす角度をθ(rad)とし、フライアイインテグレータ1bの入射面全体に外接する円の半径をr(mm)とし、フライアイインテグレータ1bの基準点からそれぞれの単位固体光源1aまでの距離をLn(mm)としたとき、
0.2 <(Ln・tanθ)/r <5
の条件を満足するように配置されている。
【0044】
上記条件式において、(Ln・tanθ)/rの値が下限値を下回る場合には、フライアイインテグレータの光積分効果を十分に発揮させることができなくなるので好ましくない。また、上記条件式において、(Ln・tanθ)/rの値が上限値を上回る場合には、フライアイインテグレータでの光量ロスが増えるため好ましくない。なお、フライアイインテグレータの光積分効果をさらに十分に発揮させるためには、上記条件式の下限値を0.8とすることが好ましい。また、フライアイインテグレータでの光量ロスを十分に小さくするためには、上記条件式の上限値を2とすることが好ましい。
【0045】
また、それぞれの単位固体光源1aは、少なくとも4mW/個以上の出力を有し、1cm2以下の光射出部の面積を有する。また、それぞれの単位固体光源1aは、放出される光束のうち最も放射強度が強い光線を中心として±1°の光束の範囲内において、平均放射輝度が200mW/(cm2・sr)以上である。更に、単位固体光源1aは0.1sr当たり1個以上配置されており、単位固体光源1aから射出される光(発光スペクトル)の波長の半値幅は±20nm以下である。
【0046】
図5は、照明光源ユニットSU1及び照明光学ユニットIL1の側面図であり、図1に示した部材と同一の部材には同一の符号を付している。なお、この図の示されるXYZ直交座標系は、図1に示す直交座標系と同一のものである。照明光源ユニットSU1とマスクM1の間には、コリメートレンズ20a、フライアイインテグレータ21a、開口絞り22a、ハーフミラー23a及びコンデンサレンズ系27aが順に配置されている。なお、照明光学ユニットIL2〜IL5の構成は、照明光学ユニットIL1の構成と同一であるためその説明を省略する。
【0047】
それぞれの単位固体光源1aから射出された発散光束は、図2に示すように、フライアイインテグレータ1bに入射する。ここで、フライアイインテグレータ1bは、多数の正レンズエレメントを縦横に且つ稠密に配列することによって構成されている。フライアイインテグレータ1bに入射した光束は、多数の正レンズエレメント(入射光学面)により波面分割され、その後側焦点面(即ち、射出面の近傍)にレンズエレメントの数と同数の光源像からなる面光源を形成する。即ち、フライアイインテグレータ1bの後側焦点面には、実質的な面光源が形成される。
【0048】
照明光源ユニットSU1から射出された光束は、図5に示すように、コリメートレンズ20aにより略平行な光束に変換された後、フライアイインテグレータ21aに入射する。フライアイインテグレータ21aは、多数の正レンズエレメントをその中心軸線が光軸AX1に沿って延びるように縦横に且つ稠密に配列することによって構成されている。フライアイインテグレータ21aの後側焦点面に形成された多数の二次光源からの光束は、フライアイインテグレータ21aの後側焦点面の近傍に配置された開口絞り22aにより制限された後、ハーフミラー23aに入射する。ハーフミラー23aにより反射された光束は、レンズ24aを介して照度センサ25aに入射する。この照度センサ25aは、プレートP1と光学的に共役な位置の照度を検出するためのセンサであり、この照度センサ25aにより、露光中においてもスループットを低下させることなくプレートP1上の照度を検出することができる。なお、照度センサ25aの検出値は、主制御系26に入力される。
【0049】
一方、ハーフミラー23aを透過した光束は、コンデンサレンズ系27aに入射する。なお、開口絞り22aは、対応する投影光学ユニットPL11の瞳面と光学的に略共役な位置に配置され、照明に寄与する二次光源の範囲を規定するための開口部を有する。この開口絞り22aの開口部は、開口径が固定であってもよく、また開口径が可変であってもよい。ここでは開口絞り22aの開口径が可変であるものとして説明する。開口絞り22aは、この可変開口部の開口径を変化させることにより、照明条件を決定するσ値(投影光学系PL1を構成する各投影光学ユニットPL11〜PL15の瞳面の開口径に対するその瞳面上での二次光源像の口径の比)を所望の値に設定する。コンデンサレンズ系24aを介した光束は、パターンDP1が形成されたマスクM1を重畳的に照明する。
【0050】
照明光源ユニットSU2〜SU5から射出された光束も同様に、照明光学ユニットIL2〜IL5を介してマスクM1を重畳的にそれぞれ照明する。即ち、照明光学系を構成する照明光学ユニットIL1〜IL5は、マスクM1上においてY軸方向に並んだ複数(図1では合計5つ)の台形状の領域を照明する。
【0051】
なお、主制御系26は、照明光学ユニットIL1の照度センサ25aにより検出された照度、及び照明光学ユニットIL2〜IL5の照度センサにより検出された照度に基づいて、各照明光学ユニットIL1〜IL5によりマスクM1を照明する際の照度が均一になるように、各照明光学ユニットIL1〜IL5に対応して設けられている照明光源SU1〜SU5の光出力を設定する光源出力設定部に対して制御信号を出力する。
【0052】
マスクM1上の各照明領域からの光は、各照明領域に対応するようにY軸方向に沿って配列された複数(図1では合計で5つ)の投影光学ユニットPL11〜PL15からなる投影光学系PL1に入射する。ここで、各投影光学ユニットPL11〜PL15の構成は、互いに同じである。こうして、複数の投影光学ユニットPL11〜PL15から構成された投影光学系PL1を介した光は、プレートステージ(図示せず)上において図示しないプレートホルダを介してXY平面に平行に支持されたプレートP1上にパターンDP1の像を形成する。
【0053】
上述の主制御系26にはハードディスク等の記憶装置28が接続されており、この記憶装置28内に露光データファイルが格納されている。露光データファイルには、プレートP1の露光を行う上で必要となる処理及びその処理順序が記憶されており、この処理毎に、プレートP1上に塗布されているレジストに関する情報(例えば、レジストの分光特性)、必要となる解像度、使用するマスクM1、照明光源ユニットSU1〜SU5の補正量、投影光学系PL1の補正量、及び基板の平坦性に関する情報等(所謂、レシピデータ)が含まれている。
【0054】
なお、上述のレシピデータ(露光データファイル)を通信等の手段により更新又は追加可能とすることが好ましい。具体的には、この実施の形態の露光装置と、当該露光装置が設置されるデバイス製造工場内の管理システムとをローカルエリアネットワーク(LAN)で結び、この管理システムから露光装置のレシピデータを更新或いは追加する構成をとる。この管理システムは、露光装置以外の各種プロセス用製造装置、例えば、レジスト処理装置、エッチング装置、生膜装置等の前工程用機器、組み立て装置、検査装置等の後工程装置ともローカルエリアネットワーク(LAN)で結ばれている。従って、この管理システムでは、どの装置にどのロットが流されているのかを管理することが可能であるため、そのロットに適合したレシピデータを露光装置へ送り、この露光装置は、送られたレシピデータに基づいた制御を行うことが可能となる。
【0055】
図1に戻り、前述したマスクステージMS1には、マスクステージMS1を走査方向であるX軸方向に沿って移動させるための長いストロークを有する走査駆動系(図示せず)が設けられている。また、マスクステージMS1を走査直交方向であるY軸方向に沿って微小量だけ移動させると共にZ軸廻りに微小量だけ回転させるための一対のアライメント駆動系(図示せず)が設けられている。そして、マスクステージMS1の位置座標が移動鏡30を用いたレーザ干渉計(図示せず)によって計測され且つ位置制御されるように構成されている。
【0056】
同様の駆動系が、プレートステージにも設けられている。即ち、プレートステージを走査方向であるX軸方向に沿って移動させるための長いストロークを有する走査駆動系(図示せず)、プレートステージを走査直交方向であるY軸方向に沿って微小量だけ移動させると共にZ軸廻りに微小量だけ回転させるための一対のアライメント駆動系(図示せず)が設けられている。そして、プレートステージの位置座標が移動鏡31を用いたレーザ干渉計(図示せず)によって計測され且つ位置制御されるように構成されている。更に、マスクM1とプレートP1とをXY平面に沿って相対的に位置合わせするための手段として、一対のアライメント系32a,32bがマスクMの上方に配置されている。更に、プレートステージ上には、プレートP1上の照明光の照度を検出するための照度センサ33が設けられており、計測値が照明光学系の主制御系26に入力される。
【0057】
主制御系26は、照度センサ33により検出されたプレートP1上の照度に基づいて、各照明光源ユニットSU1〜SU5の光出力を制御する。なお、主制御計26による各照明光源ユニットSU1〜SU5の光出力の制御の他に、各照明光源ユニットSU1〜SU5を構成する各単位固体光源の光出力の制御によっても行うことができる。
【0058】
こうして、マスクステージMS1側の走査駆動系及びプレートステージ側の走査駆動系の作用により、複数の投影光学ユニットPL11〜PL15からなる投影光学系PL1に対してマスクM1とプレートP1とを一体的に同一方向(X軸方向)に沿って移動させることによって、マスクM1上のパターン領域の全体がプレートP1上の露光領域の全体に転写(走査露光)される。
【0059】
この第1の実施の形態にかかる露光装置によれば、低ランニングコストなどのメリットを持つ固体光源を用いることにより、低ランニングコストで超寿命且つ破裂の危険性のない光源を有する投影露光装置を提供することができる。
【0060】
また、照明光源のθmaxが
(1/3)・sin−1[1/{2・(f/b)}]< θmax <
sin−1[1/{2・(f/(a2+b2)1/2)}]
の条件を満足するため、フライアイインテグレータの各入射光学面の入射領域に入射する光束の充填率を向上させることができ、フライアイインテグレータより射出される光のパワーを増大させることができる。また、照明光源が上述のような複数の単位固体光源を備えているため、像面照度を実用的な露光装置に要求される値にすることができ、露光装置のスループットを向上させることができる。
【0061】
なお、この第1の実施の形態にかかる露光装置の照明光源においては、単位固体光源1aをそれぞれの基準軸がフライアイインテグレータ1bの基準点を通るように略球面上に、即ち、各単位固体光源1aと基準点との距離が略一定となるように配置されているが、各単位固体光源1aの基準軸がフライアイインテグレータ1bの基準点を通るように配置すれば、各単位固体光源1aと基準点との距離が一定でなくてもよい。
【0062】
次に、図面を参照してこの発明の第2の実施の形態にかかる露光装置について説明する。なお、この第2の実施の形態の説明においては、第1の実施の形態にかかる露光装置の部材と同一の部材には、第1の実施の形態の説明で用いたものと同一の符号を付して説明を行う。この発明の第2の実施の形態にかかる露光装置は、照明光源ユニットSU1〜SU5を図6に示す照明光源ユニットSU11に変更したものであり、それ以外の部分については、第1の実施の形態にかかる露光装置と同一の構成を有する。
【0063】
照明光源ユニットSU11は、図6に示すように、複数の単位固体光源11a、内面反射型インテグレータ11bを備えて構成されている。ここで、複数の単位固体光源11aは、放射強度が最も強い光の進行方向に沿った光線軸を基準軸とした場合に、それぞれの単位固体光源の基準軸が内面反射型インテグレータ11bの入射面の略中心に位置する点(基準点)を通過するように略球面上に配置されている。また、複数の単位固体光源11aは、内面反射型インテグレータ11bを構成している材質の屈折率をn、それぞれの単位固体光源11aの基準軸と内面反射型インテグレータ11bの基準点を通過する軸11cとのなす角度のうち最も大きな角度をθmax(rad)としたとき、
sin−1[n・sin{cos−1(1/n)}] > θmax >(1/3)・sin−1[n・sin{cos−1(1/n)}]
の条件を満足するように配置されている。
【0064】
また、それぞれの単位固体光源11aは、放出される光束のうち最も放射強度が強い光線を中心として±50°の範囲内における光線が最も放射強度の強い光線に対して半分以上の放射強度を有する。
【0065】
また、それぞれの単位固体光源11aは、射出される光束のうち最も放射強度の強い光線に対して半分の放射強度となる光線と最も放射強度の強い光線とのなす角度をθ(rad)とし、内面反射型インテグレータ11bの入射面全体に外接する円の半径をr(mm)とし、内面反射型インテグレータ11bの基準点からそれぞれの単位固体光源11aまでの距離をLn(mm)としたとき、
0.2 <(Ln・tanθ)/r <5
の条件を満足するように配置されている。
【0066】
上記条件式において、(Ln・tanθ)/rの値が下限値を下回る場合には、内面反射型インテグレータでの光束の充填率(光源像の充填率)が低くなりすぎるため好ましくない。また、上記条件式において、(Ln・tanθ)/rの値が上限値を上回る場合には、内面反射型インテグレータでの光量ロスが増えるため好ましくない。なお、内面反射型インテグレータでの光束の充填率をさらに向上させるためには、上記条件式の下限値を0.8とすることが好ましい。また、内面反射型インテグレータでの光量ロスを十分に小さくするためには、上記条件式の上限値を2とすることが好ましい。
【0067】
また、それぞれの単位固体光源11aは、少なくとも4mW/個以上の出力を有し、1cm2以下の光射出部の面積を有する。また、それぞれの単位固体光源11aは、放出される光束のうち最も放射強度が強い光線を中心として±1°の光束の範囲内において、平均放射輝度が200mW/(cm2・sr)以上である。更に、単位固体光源11aは0.1sr当たり1個以上配置されており、単位固体光源1aから射出される光(発光スペクトル)の波長の半値幅は±20nm以下である。
【0068】
それぞれの単位固体光源11aから射出された発散光束は、図6に示すように、内面反射型インテグレータ11bに入射する。内面反射型インテグレータ11bに入射した光束は、その内部を全反射して伝播し、内面反射型インテグレータ11bから射出する。その他の点については、第1の実施の形態と同一のため、詳細な説明を省略する。
【0069】
この第2の実施の形態にかかる露光装置によれば、低ランニングコストなどのメリットを持つ固体光源を用いることにより、低ランニングコストで超寿命且つ破裂の危険性のない光源を有する投影露光装置を提供することができる。
【0070】
また、照明光源のθmaxが
sin−1[n・sin{cos−1(1/n)}] > θmax
の条件を満足するため、多数の単位固体光源を配置することができ、内面反射型インテグレータより射出される光のパワーを増大させることができる。また内面反射型インテグレータの光積分効果を向上させることができる。一方、照明光源のθmaxが
θmax >(1/3)・sin−1[n・sin{cos−1(1/n)}]
の条件を満足するため、それぞれの単位固体光源より射出される光束が内面反射型インテグレータ内部を全反射して伝播し、内面反射型インテグレータより射出される光のパワーを増大させることができる。また、照明光源が上述のような複数の単位固体光源を備えているため、像面照度を実用的な露光装置に要求される値にすることができ、露光装置のスループットを向上させることができる。
また、上述の各実施の形態において、複数の固体光源として、複数の発光点を有する固体光源チップ、チップを複数個アレイ状に配列した固体光源チップアレイ、さらに複数の発光点を一枚の基板に作り込んだタイプのものなどを用いても良い。なお、固体光源素子は無機、有機を問わない。
【0071】
なお、この第2の実施の形態にかかる露光装置の照明光源においては、単位固体光源11aをそれぞれの基準軸が内面反射型インテグレータ11bの基準点を通るように略球面上に、即ち、各単位固体光源11aと基準点との距離が略一定となるように配置されているが、各単位固体光源11aの基準軸が内面反射型インテグレータ11bの基準点を通るように配置すれば、各単位固体光源11aと基準点との距離が一定でなくてもよい。
【0072】
次に、図面を参照して、この発明の第3の実施の形態にかかる露光装置について説明する。図7は、この発明の第3の実施の形態にかかる露光装置の全体の概略構成を示す斜視図である。この第3の実施の形態においては、複数の反射屈折型の投影光学ユニットからなる投影光学系に対してマスクM2とプレート(基板)P2とを相対的に移動させつつマスクM2に形成された液晶表示素子のパターンDP2の像を感光性材料が塗布された感光性基板としてのプレートP2上に転写するステップ・アンド・スキャン方式の露光装置に適用した場合を例に挙げて説明する。
【0073】
なお、以下の説明においては、図7中に示したXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。XYZ直交座標系は、X軸及びY軸がプレートP2に対して平行となるよう設定され、Z軸がプレートP2に対して直交する方向に設定されている。図中のXYZ座標系は、実際にはXY平面が水平面に平行な面に設定され、Z軸が鉛直上方向に設定される。また、この実施の形態ではマスクM2及びプレートP2を移動させる方向(走査方向)をX軸方向に設定している。
【0074】
この実施の形態にかかる露光装置は、マスクステージ(図7では図示せず)MS2上においてマスクホルダ(図示せず)を介してXY平面に平行に支持されたマスクM2を均一に照明するための照明光学系ILを備えている。図8は、照明光学系ILの側面図であり、図7に示した部材と同一の部材には同一の符号を付してある。照明光学系ILは、複数の単位固体光源40、複数のファイバ素線をランダムに束ねたファイバーバンドル41を備えて構成される照明光源ユニット(照明光源)SUを備えている。ここで、複数の単位固体光源40は、放射強度が最も強い光の進行方向に沿った光線軸を基準軸とした場合に、それぞれの単位固体光源の基準軸がファイバーバンドル41の入射面全体の略中心に位置する点(基準点)を通過するように略球面上に配置されている。また、複数の単位固体光源40は、ファイバーバンドル41のコアの屈折率をn1、ファイバーバンドル41のクラッドの屈折率をn2、それぞれの単位固体光源40の基準軸とファイバーバンドル41の基準点を通過する軸41cとのなす角度のうち最も大きな角度をθmax(rad)としたとき、
sin−1[n1・sin{cos−1(n2/n1)}] > θmax >(1/3)・sin−1[n1・sin{cos−1(n2/n1)}]
の条件を満足するように配置されている。
【0075】
また、それぞれの単位固体光源40は、放出される光束のうち最も放射強度が強い光線を中心として±50°の範囲内における光線が最も放射強度の強い光線に対して半分以上の放射強度を有する。
【0076】
また、それぞれの単位固体光源40は、射出される光束のうち最も放射強度の強い光線に対して半分の放射強度となる光線と最も放射強度の強い光線とのなす角度をθ(rad)、ファイバーバンドル41の入射面全体に外接する円の半径をr(mm)、ファイバーバンドル41の基準点からそれぞれの単位固体光源40までの距離をLn(mm)としたとき、
0.2 <(Ln・tanθ)/r <5
の条件を満足するように配置されている。
【0077】
上記条件式において、(Ln・tanθ)/rの値が下限値を下回る場合には、ファイバーバンドルでの光積分効果を有効に利用できなくなるため好ましくない。また、上記条件式において、(Ln・tanθ)/rの値が上限値を上回る場合には、ファイバーバンドルでの光量ロスが増えるため好ましくない。なお、ファイバーバンドルの光積分効果のさらなる有効利用を図るためには、上記条件式の下限値を0.8とすることが好ましい。また、ファイバーバンドルでの光量ロスを十分に小さくするためには、上記条件式の上限値を2とすることが好ましい。
【0078】
また、それぞれの単位固体光源40は、少なくとも4mW/個以上の出力を有し、1cm2以下の光射出部の面積を有する。また、それぞれの単位固体光源40は、放出される光束のうち最も放射強度が強い光線を中心として±1°の光束の範囲内において、平均放射輝度が200mW/(cm2・sr)以上である。更に、単位固体光源40は0.1sr当たり1個以上配置されており、単位固体光源40から射出される光(発光スペクトル)の波長の半値幅は±20nm以下である。
【0079】
それぞれの単位固体光源40から射出された発散光束は、ファイバーバンドル41の入射端41aに入射する。ファイバーバンドル41は、1つの入射端41aと、投影光学系PL2を構成する投影光学ユニットの数(図7では5つ)と同じ数の射出端(図8では射出端41bだけを示す)とを備えている。こうして、ファイバーバンドル41の入射端41aへ入射した光束は、その内部を伝播した後、5つの射出端(射出端41b及び他の4つの射出端)から分割されて射出する。
【0080】
ファイバーバンドル41の射出端41bとマスクM2の間には、コリメートレンズ42b、フライアイインテグレータ43b、開口絞り44b、ハーフミラー45b及びコンデンサレンズ系49bが順に配置されている。同様に、ファイバーバンドル41の各射出端(41b以外の4つの射出端)とマスクM2との間には、コリメートレンズ、フライアイインテグレータ、開口絞り、ハーフミラー及びコンデンサレンズ系がそれぞれ順に配置されている。ここでは、説明の簡単化のために、ファイバーバンドル41の射出端(射出端41b及び射出端41b以外の4つの射出端)とマスクM2との間に設けられる光学部材の構成を、ファンバーバンドル41の射出端41bとマスクM2との間に設けられたコリメートレンズ42b、フライアイインテグレータ43b、開口絞り44b、ハーフミラー45b及びコンデンサレンズ系49bに代表させて説明する。
【0081】
ファイバーバンドル41の射出端41bから射出された発散光束は、コリメートレンズ42bにより略平行な光束に変換された後、フライアイインテグレータ43bに入射する。フライアイインテグレータ43bは、多数の正レンズエレメントをその中心軸線が光軸AX2に沿って延びるように縦横に且つ稠密に配列することによって構成されている。従って、フライアイインテグレータ43b入射した光束は、多数のレンズエレメントにより波面分割され、その後側焦点面(即ち、射出面の近傍)にレンズエレメントの数と同数の光源像からなる二次光源を形成する。即ち、フライアイインテグレータ43bの後側焦点面には、実質的な面光源が形成される。
【0082】
フィライアイインテグレータ43bの後側焦点面に形成された多数の二次光源からの光束は、フライアイインテグレータ43bの後側焦点面の近傍に配置された開口絞り44bにより制限された後、ハーフミラー45bに入射する。ハーフミラー45bにより反射された光束は、レンズ46bを介して照度センサ47bに入射する。この照度センサ47bは、プレートP2と光学的に共役な位置の照度を検出するためのセンサであり、この照度センサ47bにより、露光中においてもスループットを低下させることなくプレートP2上の照度を検出することができる。なお、照度センサ47bの検出値は、主制御系48に入力される。
【0083】
一方、ハーフミラー45bを透過した光束は、コンデンサレンズ系49bに入射する。なお、開口絞り44bは、対応する投影光学ユニットPL21の瞳面と光学的に略共役な位置に配置され、照明に寄与する二次光源の範囲を規定するための開口部を有する。この開口絞り44bの開口部は、開口径が固定であってもよく、また開口径が可変であってもよい。ここでは開口絞り44bの開口径が可変であるものとして説明する。開口絞り44bは、この可変開口部の開口径を変化させることにより、照明条件を決定するσ値(投影光学系PL2を構成する各投影光学ユニットPL21〜PL25の瞳面の開口径に対するその瞳面上での二次光源像の口径の比)を所望の値に設定する。
【0084】
コンデンサレンズ系49bを介した光束は、パターンDP2が形成されたマスクM2を重畳的に照明する。ファイバーバンドル41の他の4つの射出端から射出された発散光束も同様に、コリメートレンズ、フライアイインテグレータ、開口絞り、ハーフミラー及びコンデンサレンズ系を順に介してマスクM2を重畳的にそれぞれ照明する。即ち、照明光学系ILは、マスクM2上においてY軸方向に並んだ複数(図1では合計5つ)の台形状の領域を照明する。なお、他の4つの射出端から射出された光も照度センサでそれぞれの光の照度が計測されて主制御部48に入力される。
【0085】
マスクM2上の各照明領域からの光は、各照明領域に対応するようにY軸方向に沿って配列された複数(図1では合計で5つ)の投影光学ユニットPL21〜PL25からなる投影光学系PL2に入射する。ここで、各投影光学ユニットPL21〜PL25の構成は、互いに同じである。こうして、複数の投影光学ユニットPL21〜PL25から構成された投影光学系PL2を介した光は、プレートステージ(図示せず)上において図示しないプレートホルダを介してXY平面に平行に支持されたプレートP2上にパターンDP2の像を形成する。
【0086】
上述の主制御系48にはハードディスク等の記憶装置50が接続されており、この記憶装置50内に露光データファイルが格納されている。露光データファイルには、プレートP2の露光を行う上で必要となる処理及びその処理順序が記憶されており、この処理毎に、プレートP2上に塗布されているレジストに関する情報(例えば、レジストの分光特性)、必要となる解像度、使用するマスクM2、使用する照明光源、照明光学系ILの補正量、投影光学系PL2の補正量、及び基板の平坦性に関する情報等(所謂、レシピデータ)が含まれている。
【0087】
なお、上述のレシピデータ(露光データファイル)を通信等の手段により更新又は追加可能とすることが好ましい。具体的には、この実施の形態の露光装置と、当該露光装置が設置されるデバイス製造工場内の管理システムとをローカルエリアネットワーク(LAN)で結び、この管理システムから露光装置のレシピデータを更新或いは追加する構成をとる。この管理システムは、露光装置以外の各種プロセス用製造装置、例えば、レジスト処理装置、エッチング装置、生膜装置等の前工程用機器、組み立て装置、検査装置等の後工程装置ともローカルエリアネットワーク(LAN)で結ばれている。従って、この管理システムでは、どの装置にどのロットが流されているのかを管理することが可能であるため、そのロットに適合したレシピデータを露光装置へ送り、この露光装置は、送られたレシピデータに基づいた制御を行うことが可能となる。
【0088】
図7に戻り、前述したマスクステージMS2には、マスクステージMS2を走査方向であるX軸方向に沿って移動させるための長いストロークを有する走査駆動系(図示せず)が設けられている。また、マスクステージMS2を走査直交方向であるY軸方向に沿って微小量だけ移動させると共にZ軸廻りに微小量だけ回転させるための一対のアライメント駆動系(図示せず)が設けられている。そして、マスクステージMS2の位置座標が移動鏡51を用いたレーザ干渉計(図示せず)によって計測され且つ位置制御されるように構成されている。
【0089】
同様の駆動系が、プレートステージにも設けられている。即ち、プレートステージを走査方向であるX軸方向に沿って移動させるための長いストロークを有する走査駆動系(図示せず)、プレートステージを走査直交方向であるY軸方向に沿って微小量だけ移動させると共にZ軸廻りに微小量だけ回転させるための一対のアライメント駆動系(図示せず)が設けられている。そして、プレートステージの位置座標が移動鏡52を用いたレーザ干渉計(図示せず)によって計測され且つ位置制御されるように構成されている。更に、マスクM2とプレートP2とをXY平面に沿って相対的に位置合わせするための手段として、一対のアライメント系53a,53bがマスクM2の上方に配置されている。更に、プレートステージ上には、プレートP2上の照明光の照度を検出するための照度センサ54が設けられており、計測値が照明光学系ILの主制御系48に入力される。
【0090】
主制御系48は、照度センサ54により検出されたプレートP2上の照明光による照度に基づいて、電源装置55を介して、光源の電力供給量を制御する。こうして、マスクステージMS2側の走査駆動系及びプレートステージ側の走査駆動系の作用により、複数の投影光学ユニットPL21〜PL25からなる投影光学系PL2に対してマスクM2とプレートP2とを一体的に同一方向(X軸方向)に沿って移動させることによって、マスクM2上のパターン領域の全体がプレートP2上の露光領域の全体に転写(走査露光)される。
【0091】
この第3の実施の形態にかかる露光装置によれば、低ランニングコストなどのメリットを持つ固体光源を用いることにより、低ランニングコストで超寿命且つ破裂の危険性のない光源を有する投影露光装置を提供することができる。
【0092】
また、照明光源のθmaxが
sin−1[n1・sin{cos−1(n2/n1)}]>θmax
の条件を満足するため、多数の単位固体光源を配置することができ、内面反射型インテグレータより射出される光のパワーを増大させることができる。一方、照明光源のθmaxが
θmax>(1/3)・sin−1[n1・sin{cos−1(n2/n1)}]
の条件を満足するため、それぞれの単位固体光源より射出される光束がファイバーバンドル内部を全反射して伝播し、ファイバーバンドルより射出される光のパワーを増大させることができる。また、照明光源が上述のような複数の単位固体光源を備えているため、像面照度を実用的な露光装置に要求される値にすることができ、露光装置のスループットを向上させることができる。
【0093】
なお、この第3の実施の形態にかかる露光装置の照明光源においては、単位固体光源40をそれぞれの基準軸がファイバーバンドル41の基準点を通るように略球面上に、即ち、各単位固体光源40と基準点との距離が略一定となるように配置されているが、各単位固体光源40の基準軸がファイバーバンドル41の基準点を通るように配置すれば、各単位固体光源40と基準点との距離が一定でなくてもよい。
【0094】
なお、上述の各実施の形態においては、複数の投影光学ユニットにより構成される投影光学系を備えるステップ・アンド・スキャン型の投影露光装置を例にして説明したが、1つの投影光学系を有するステップ・アンド・リピート型の投影露光装置にこの発明を適用してもよい。また、プロキシミティ方式の露光装置にこの発明を適用してもよい。この場合には、投影光学系が存在しないことから像面照度を高くすることができる。
【0095】
また、上述の各実施の形態においては、固体光源として発光ダイオード又はレーザダイオード等を用いることができる。
【0096】
次に、この発明の実施の形態にかかる露光装置をリソグラフィ工程で使用したマイクロデバイスの製造方法について説明する。図9は、マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る際の手法のフローチャートである。まず、図9のステップS40において、1ロットのウェハ上に金属膜が蒸着される。次のステップS42において、その1ロットのウェハ上の金属膜上にフォトレジストが塗布される。その後、ステップS44において、この発明の実施の形態にかかる露光装置を用いて、マスク上のパターンの像がその投影光学系(投影光学ユニット)を介して、その1ロットのウェハ上の各ショット領域に順次露光転写される。即ち、照明装置を用いてマスクが照明され、投影光学系を用いてマスク上のパターンの像が基板上に投影され露光転写される。
【0097】
その後、ステップS46において、その1ロットのウェハ上のフォトレジストの現像が行われた後、ステップS48において、その1ロットのウェハ上でレジストパターンをマスクとしてエッチングを行うことによって、マスク上のパターンに対応する回路パターンが、各ウェハ上の各ショット領域に形成される。その後、更に上のレイヤの回路パターンの形成等を行うことによって、半導体素子等のデバイスが製造される。上述の半導体デバイス製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する半導体デバイスをスループット良く得ることができる。
また、この発明の実施の形態にかかる露光装置では、プレート(ガラス基板)上に所定のパターン(回路パターン、電極パターン等)を形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得ることもできる。以下、図10のフローチャートを参照して、このときの手法の一例につき説明する。図10は、この実施の形態の露光装置を用いてプレート上に所定のパターンを形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を製造する方法を説明するためのフローチャートである。
【0098】
図10のパターン形成工程S50では、この実施の形態の露光装置を用いてマスクのパターンを感光性基板(レジストが塗布されたガラス基板等)に転写露光する、所謂光リソグラフィ工程が実行される。この光リソグラフィ工程によって、感光性基板上には多数の電極等を含む所定パターンが形成される。その後、露光された基板は、現像工程、エッチング工程、レチクル剥離工程等の各工程を経ることによって、基板上に所定のパターンが形成され、次のカラーフィルタ形成工程S52へ移行する。
【0099】
次に、カラーフィルタ形成工程S52では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応した3つのドットの組がマトリックス状に多数配列されたり、又はR、G、Bの3本のストライプのフィルタの組を複数水平走査線方向に配列したカラーフィルタを形成する。そして、カラーフィルタ形成工程S52の後に、セル組み立て工程S54が実行される。セル組み立て工程S54では、パターン形成工程S50にて得られた所定パターンを有する基板、及びカラーフィルタ形成工程S52にて得られたカラーフィルタ等を用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。
【0100】
セル組み立て工程S54では、例えば、パターン形成工程S50にて得られた所定パターンを有する基板とカラーフィルタ形成工程S52にて得られたカラーフィルタとの間に液晶を注入して、液晶パネル(液晶セル)を製造する。その後、モジュール組立工程S56にて、組み立てられた液晶パネル(液晶セル)の表示動作を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付けて液晶表示素子として完成させる。上述の液晶表示素子の製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する液晶表示素子をスループット良く得ることができる。
【0101】
【発明の効果】
この発明の照明光源によれば、照明光源が複数の単位固体光源とフライアイインテグレータとを備える場合に、フライアイインテグレータの各入射光学面の入射領域に入射する光束の充填率を向上させることができるため、フライアイインテグレータより射出される光のパワーを増大させることができる。
【0102】
また、この発明の照明光源によれば、照明光源が複数の単位固体光源と内面反射型インテグレータとを備える場合に、多数の単位固体光源を配置することができ、それぞれの単位固体光源より射出される光束が内面反射型インテグレータ内部を全反射して伝播するため、内面反射型インテグレータより射出される光のパワーを増大させることができる。また、内面反射型インテグレータの光積分効果を向上させることができる。
【0103】
また、この発明の照明光源によれば、照明光源が複数の単位固体光源と複数のファイバを束ねたファイバーバンドルとを備える場合に、多数の単位固体光源を配置することができ、それぞれの単位固体光源より射出される光束がファイバーバンドルのコアを全反射して伝播するため、ファイバーバンドルより射出される光のパワーを増大させることができる。
【0104】
また、この発明の露光装置によれば、照明光源の光射出部の光出力を増大させることができるため、像面照度を高くすることができ露光装置のスループットを向上させることができる。
【0105】
更に、この発明の露光方法によれば、実用的な露光に要求される像面照度の値を確保した露光装置を用いて露光を行うため、実用的な露光方法としてのスループットを確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態にかかる露光装置の全体の概略構成を示す斜視図である。
【図2】この発明の第1の実施の形態にかかる照明光源ユニットの構成図である。
【図3】この発明の第1の実施の形態にかかるフライアイインテグレータの射出光学面を説明するための図である。
【図4】この発明の第1の実施の形態にかかる照明光源ユニットを説明するための図である。
【図5】この発明の第1の実施の形態にかかる露光装置の照明光学系の側面図である。
【図6】この発明の第2の実施の形態にかかる照明光源ユニットの構成図である。
【図7】この発明の第3の実施の形態にかかる露光装置の全体の概略構成を示す斜視図である。
【図8】この発明の第3の実施の形態にかかる露光装置の照明光学系の側面図である。
【図9】この発明の実施の形態にかかるマイクロデバイスとしての半導体デバイスを製造する方法のフローチャートである。
【図10】この発明の実施の形態にかかるマイクロデバイスとしての液晶表示素子を製造する方法のフローチャートである。
【符号の説明】
1a,11a,40…単位固体光源、1b,21a,43b…フライアイインテグレータ、11b…内面反射型インテグレータ、41…ファイバーバンドル、20a,42b…コリメートレンズ、22a,44b…開口絞り、23a,45b…ハーフミラー、27a,49b…コンデンサレンズ系、25a,33,47b,54…照度センサ、26,48…主制御系、55…電源装置、28,50…記憶装置、DP1,DP2…パターン、M1,M2…マスク、P1,P2…プレート、SU1〜SU5…照明光源ユニット、IL1〜IL5…照明光学ユニット、IL…照明光学系、PL1,PL2…投影光学系、PL11〜PL15,PL21〜PL25…投影光学ユニット、MS1,MS2…マスクステージ。
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体素子、液晶表示素子、撮像素子、薄膜磁気ヘッド、その他のマイクロデバイスの製造工程において用いられる露光装置の照明光源、該照明光源を用いた露光装置及び露光方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
マイクロデバイスの一つである液晶表示素子は、通常、ガラス基板(プレート)上に透明薄膜電極をフォトリソグラフィの手法で所望の形状にパターニングして、TFT(Thin Film Transistor)等のスイッチング素子及び電極配線を形成して製造される。このフォトリソグラフィの手法を用いた製造工程では、マスク上に形成された原画となるパターンを、投影光学系を介してフォトレジスト等の感光剤が塗布されたプレート上に投影露光する投影露光装置が用いられている。
【0003】
従来は、マスクとプレートとの相対的な位置合わせを行った後で、マスクに形成されたパターンをプレート上に設定された1つのショット領域に一括して転写し、転写後にプレートをステップ移動させて他のショット領域の露光を行う、ステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(所謂、ステッパー)が多用されていた。
【0004】
近年、液晶表示素子の大面積化が要求されており、これに伴ってフォトリソグラフィ工程において用いられる投影露光装置は露光領域の拡大が望まれている。投影露光装置の露光領域を拡大するためには投影光学系を大型化する必要があるが、残存収差が極力低減された大型の投影光学系を設計及び製造するにはコスト高となってしまう。そこで、投影光学系の大型化を極力避けるために、投影光学系の物体面側(マスク側)における投影光学系の有効径と同程度に長手方向の長さが設定されたスリット状の照明光をマスクに照射し、マスクを介したスリット状の光が投影光学系を介してプレートに照射されている状態で、マスクとプレートとを投影光学系に対して相対的に移動させて走査し、マスクに形成されたパターンの一部を順次プレートに設定された1つのショットに転写し、転写後にプレートをステップ移動させて他のショット領域に対する露光を同様にして行う、所謂ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置が案出されている。
【0005】
また、近年では、更なる露光領域の拡大を図るため、1つの大型の投影光学系を用いるのではなく、小型の部分投影光学系を走査方向に直交する方向(非走査方向)に所定間隔をもって複数配列した第1の配列と、この部分投影光学系の配列の間に部分光学系が配置されている第2の配列とを走査方向に配置した、所謂マルチレンズ方式の投影光学系を備える投影露光装置が案出されている(例えば特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−57986号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上述の投影露光装置の光源としては、波長約360nm程度の紫外領域においては主に水銀ランプなどが用いられていた。この水銀ランプの寿命は、概ね500h〜1000h程度であることから、定期的にランプ交換が必要となり露光装置ユーザには大きな負担となっていた。また、高照度確保のために高電力が必要であり、またそれに伴う発熱対策などが必要になるなど、高いランニングコストの問題や、経時劣化などの要因に伴う破裂の危険性を有していた。
【0008】
これに対して発光ダイオードなどの固体光源は、水銀ランプなどに比べて発光効率が高く、そのため省電力、小発熱という特長を持ち大幅なランニングコストの低減を実現できる。また寿命も3000h程度のものもあるため、交換にかかる負担も少なく、経時劣化などの要因に伴う破裂の危険性もない。さらに最近では、波長365nmで100mw程度の高い光出力を達成したUV−LEDなども開発されている。
【0009】
上述の液晶表示素子の製造においては、プレート上にフォトレジストを塗布し、上述の投影露光装置の何れかを用いてマスクに形成されたパターンをプレートに転写し、フォトレジストの現像、エッチング、及びフォトレジストの剥離といった工程を繰り返すことにより、TFT等のスイッチング素子及び電極配線が形成された素子基板が形成される。そして、この素子基板と別工程で製造されたカラーフィルタを備える対向基板とを張り合わせ、これらの間に液晶を挟持させることにより液晶表示素子が製造される。
【0010】
ところで、従来の液晶表示装置は上述したようにTFTが形成される素子基板とカラーフィルタを備える対向基板とを別々に形成して張り合わせることにより製造されていたが、近年、液晶表示素子の構造の変化に伴って、TFTを形成した基板上にカラーフィルタを併せて形成した構造の液晶表示素子が案出されている。かかる構造の液晶表示素子の製造工程には、TFTが形成された基板上に、着色した顔料が分散された樹脂レジストを塗布し、投影露光装置を用いてこの樹脂レジストを露光して現像することによりカラーフィルタを形成する工程が含まれる。
【0011】
ここで、TFT等を形成する際に用いられるフォトレジストの感度は15〜30mJ/cm2程度であるのに対し、樹脂レジストの感度は50〜100mJ/cm2程度であり、樹脂レジストの露光に必要となるエネルギーは通常のフォトレジストの数倍から数十倍になることもある。従って、投影露光装置の光源として固体光源を用いる場合においても、樹脂レジストの感度に対応することができるように、固体光源からの射出光のパワーを増大させ基板上に照射される照明光の照度を高くする必要がある。
【0012】
この発明の課題は、射出光のパワーを向上させた照明光源、該照明光源を備えた露光装置及び該露光装置を用いた露光方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の照明光源は、複数の単位固体光源とアレイ状に配列された複数の入射光学面を有するフライアイインテグレータとを備える照明光源であって、前記複数の単位固体光源を、前記複数の単位固体光源のそれぞれの基準軸が前記フライアイインテグレータの入射面全体の略中心に位置する基準点を通るように放射状に配置し、前記フライアイインテグレータの前記入射光学面の入射領域の縦及び横の寸法のうち大きいほうの寸法をaとし、小さい方の寸法をbとし、前記フライアイインテグレータの焦点距離をfとし、前記複数の単位固体光源のそれぞれの基準軸と前記フライアイインテグレータの前記基準点を通る軸とのなす角度のうち最も大きな角度をθmax(rad)としたとき、以下の条件を満足すことを特徴とする。
【0014】
(1/3)・sin−1[1/{2・(f/b)}]< θmax <sin−1[1/{2・(f/(a2+b2)1/2)}]
この請求項1に記載の照明光源によれば、フライアイインテグレータの各射出面での光束(光源像)の充填率を向上させることができるため、フライアイインテグレータより射出される光のパワーを増大させることができる。
【0015】
また、請求項2に記載の照明光源は、複数の単位固体光源と内面反射型インテグレータとを備える照明光源であって、前記複数の単位固体光源を、前記複数の単位固体光源のそれぞれの基準軸が前記内面反射型インテグレータの入射面の略中心に位置する基準点を通るように放射状に配置し、前記内面反射型インテグレータを構成している材質の屈折率をnとし、前記複数の単位固体光源のそれぞれの基準軸と前記内面反射型インテグレータの前記基準点を通る軸とのなす角度のうち最も大きな角度をθmax(rad)としたとき、以下の条件を満足すことを特徴とする。
【0016】
sin−1[n・sin{cos−1(1/n)}] > θmax >
(1/3)・sin−1[n・sin{cos−1(1/n)}]
この請求項2に記載の照明光源によれば、多数の単位固体光源を配置することができ、それぞれの単位固体光源より射出される光束が内面反射型インテグレータ内部を全反射して伝播するため、内面反射型インテグレータより射出される光のパワーを増大させることができる。また、内面反射型インテグレータの光積分効果を向上させることができる。
【0017】
また、請求項3に記載の照明光源は、複数の単位固体光源と複数のファイバを束ねたファイバーバンドルとを備える照明光源であって、前記複数の単位固体光源を、前記複数の単位固体光源のそれぞれの基準軸が前記ファイバーバンドルの入射面全体の略中心に位置する基準点を通るように放射状に配置し、前記ファイバーバンドルのコアの屈折率をn1とし、前記ファイバーバンドルのクラッドの屈折率をn2とし、前記複数の単位固体光源の基準軸と前記ファイバーバンドルの前記基準点を通る軸とのなす角度のうち最も大きな角度をθmax(rad)としたとき、以下の条件を満足すことを特徴とする。
【0018】
sin−1[n1・sin{cos−1(n2/n1)}] > θmax >(1/3)・sin−1[n1・sin{cos−1(n2/n1)}]
この請求項3に記載の照明光源によれば、多数の単位固体光源を配置することができ、それぞれの単位固体光源より射出される光束がファイバーバンドルのコアを全反射して伝播するため、ファイバーバンドルより射出される光のパワーを増大させることができる。
【0019】
また、請求項4に記載の照明光源は、前記複数の単位固体光源がそれぞれの基準軸が前記基準点を通るように略球面上に配置されていることを特徴とする。
【0020】
また、請求項5に記載の照明光源は、前記単位固体光源から射出される光束のうち、最も放射強度の強い光線を中心として±50°の範囲内における光線が前記最も放射強度の強い光線に対して半分以上の放射強度を有することを特徴とする。
【0021】
また、請求項6に記載の照明光源は、前記単位固体光源から射出される光束のうち、最も放射強度の強い光線に対して半分の放射強度となる光線と前記最も放射強度の強い光線とのなす角度をθ(rad)とし、前記フライアイインテグレータの前記入射面全体、前記内面反射型インテグレータの前記入射面、又は前記ファイバーバンドルの入射面全体に外接する円の半径をrとし、前記基準点から前記複数の単位固体光源までのそれぞれの距離をLnとしたとき、以下の条件を満足することを特徴とする。
【0022】
0.2 <(Ln・tanθ)/r <5
この請求項6に記載の照明光源によれば、それぞれの単位固体光源から射出される光束が、0.2 <(Ln・tanθ)/r <5、の条件を満足するため、それぞれの単位固体光源から射出される光束を効率よく照明光源の光射出部から射出させることができる。
【0023】
また、請求項7に記載の照明光源は、前記単位固体光源が4mW/個以上の出力を有することを特徴とする。
【0024】
この請求項7に記載の照明光源によれば、それぞれの単位固体光源が4mW/個以上の出力を有しているため、必要十分な光量を確保することが可能である。なお、それぞれの単位固体光源が4mW/個以上の出力を有しない場合には、各単位固体光源を放射状にレイアウトして単位固体光源の数を増加させようとしても、必要十分な光量とするための単位固体光源の数が多くなり過ぎ、放射状に配置することが実際問題として困難になる。
【0025】
また、請求項8に記載の照明光源は、前記単位固体光源の光射出部の面積が1cm2以下であることを特徴とする。
【0026】
この請求項8に記載の照明光源によれば、それぞれの単位固体光源の光射出部の面積が1cm2 以下であるため、放射状に各単位固体光源をレイアウトした場合に十分な数の単位固体光源を配置することが可能である。なお、それぞれの単位固体光源の光射出部の面積が1cm2を超える場合には、各単位固体光源を放射状にレイアウトして単位固体光源の数を増加させようとしても、各単位固体光源自体の大きさが大きすぎるために、放射状に配置することが実際問題として困難になる。
【0027】
また、請求項9に記載の照明光源は、前記単位固体光源が放出される光束のうち最も放射強度の強い光線を中心として±1°の光束の範囲内において、平均放射輝度が200mW/(cm2・sr)以上であることを特徴とする。
【0028】
この請求項9に記載の照明光源によれば、放出される光束のうち最も放射強度が強い光線を中心として±1°の光束の範囲内において、平均放射輝度が200mW/(cm2・sr)以上である単位固体光源を備えるため、投影光学系を介して多くの光束を感光性基板上に照射することができ、露光装置のスループットを向上させることができる。ここで、平均放射輝度とは、±1°内での全ての角度の輝度の平均値である。
【0029】
また、請求項10に記載の照明光源は、前記単位固体光源が0.1sr当たり1個以上配置されていることを特徴とする。この請求項10に記載の照明光源によれば、単位固体光源が0.1sr当たり1個以上配置されているため、各単位固体光源を放射状にレイアウトする場合に単位固体光源の数を必要十分な数だけ確保することができ、十分な光量を達成できる。
【0030】
また、請求項11に記載の照明光源は、前記単位固体光源から射出される光の波長の半値幅は±20nm以下であることを特徴とする。この請求項11に記載の照明光源によれば、特に投影露光装置の照明光源に適用した場合に投影光学系の色収差補正への負荷を小さくすることができる。
【0031】
また、請求項12に記載の露光装置は、請求項1乃至請求項11の何れか一項に記載の照明光源から射出される光束によりマスクを照明し、前記マスクのパターンを感光性基板上に転写することを特徴とする。
【0032】
また、請求項13に記載の露光装置は、前記マスクのパターン像を前記感光性基板上に形成するための投影光学系をさらに備えることを特徴とする。
【0033】
この請求項12及び請求項13に記載の露光装置によれば、照明光源の光射出部の光出力を増大させることができるため、像面照度を高くすることができ、露光装置のスループットを向上させることができる。
【0034】
また、請求項14に記載の露光方法は、請求項12又は請求項13に記載の露光装置を用いた露光方法において、前記照明光源から射出される光束を用いてマスクを照明する照明工程と、前記マスクのパターンを感光性基板上に転写する転写工程とを含むことを特徴とする。
【0035】
この請求項14に記載の露光方法によれば、実用的な露光に要求される像面照度の値を確保した露光装置を用いて露光を行うため、実用的な露光方法としてのスループットを確保することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態にかかる露光装置について説明する。図1は、この発明の第1の実施の形態にかかる露光装置の全体の概略構成を示す斜視図である。この第1の実施の形態においては、複数の反射屈折型の投影光学ユニットからなる投影光学系に対してマスクM1とプレート(基板)P1とを相対的に移動させつつマスクM1に形成された液晶表示素子のパターンDP1の像を感光性材料が塗布された感光性基板としてのプレートP1上に転写するステップ・アンド・スキャン方式の露光装置に適用した場合を例に挙げて説明する。
【0037】
なお、以下の説明においては、図1中に示したXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。XYZ直交座標系は、X軸及びY軸がプレートP1に対して平行となるよう設定され、Z軸がプレートP1に対して直交する方向に設定されている。図中のXYZ座標系は、実際にはXY平面が水平面に平行な面に設定され、Z軸が鉛直上方向に設定される。また、この実施の形態ではマスクM1及びプレートP1を移動させる方向(走査方向)をX軸方向に設定している。
【0038】
この実施の形態にかかる露光装置は、マスクステージ(図1では図示せず)MS1上においてマスクホルダ(図示せず)を介してXY平面に平行に支持されたマスクM1を均一に照明するための照明光源ユニット(照明光源)SU1〜SU5、照明光源ユニットSU1〜SU5に対応した照明光学ユニットIL1〜IL5により構成される照明光学系を備えている。ここで、照明光源ユニットSU1〜SU5は、照明光源ユニットSU1と同一の構成を有するものであるため、照明光源ユニットSU1を代表して説明する。
【0039】
照明光源ユニットSU1は、図2に示すように、複数の単位固体光源1a、アレイ状に配列された複数の入射光学面を有するフライアイインテグレータ1bを備えて構成されている。ここで、複数の単位固体光源1aは、放射強度が最も強い光の進行方向に沿った光線軸を基準軸とした場合に、それぞれの単位固体光源の基準軸がフライアイインテグレータ1bの入射光学面全体の略中心に位置する点(基準点)を通過するように略球面上に配置されている。また、複数の単位固体光源1aは、フライアイインテグレータ1bの入射光学面の縦及び横の寸法のうち大きい方の寸法をa(mm)、小さい方の寸法をb(mm)とし(図3参照)、フライアイインテグレータ1bの焦点距離をf(mm)、それぞれの単位固体光源1aの基準軸とフライアイインテグレータ1bの基準点を通過する軸1cとのなす角度のうち最も大きな角度をθmax(rad)(図2参照)としたとき、
(1/3)・sin−1[1/{2・(f/b)}]< θmax <
sin−1[1/{2・(f/(a2 +b2 )1/2 )}]
の条件を満足するように配置されている。
【0040】
なお、本実施形態では、フライアイインテグレータ1bの複数の入射光学面の形状と複数の射出光学面の形状とが同一形状であるため、図3にはフライアイインテグレータ1bの複数の射出光学面を示し、複数の射出光学面上に形成される光源像を破線で示している。
【0041】
上記条件式において、θmaxの値が下限値を下回る場合には、光束の充填率(光源像の充填率)が低くなりすぎるため好ましくなく、θmaxの値が上限値を上回る場合には、フライアイインテグレータが取り込むことのできる光束の角度範囲を超えて光束が入射することになり、照明光のパワー損失を招くため好ましくない。なお、上記条件式において、θmaxの下限値を(2/3)・sin−1[1/{2・(f/b)}]とすることが好ましい。そして、θmaxの下限値を(4/5)・sin−1[1/{2・(f/b)}]とすることがさらに好ましい。
【0042】
また、それぞれの単位固体光源1aは、放出される光束のうち最も放射強度が強い光線を中心として±50°の範囲内における光線が最も放射強度の強い光線に対して半分以上の放射強度を有する。
【0043】
また、それぞれの単位固体光源1aは、図4に示すように、射出される光束のうち最も放射強度の強い光線に対して半分の放射強度となる光線と最も放射強度の強い光線とのなす角度をθ(rad)とし、フライアイインテグレータ1bの入射面全体に外接する円の半径をr(mm)とし、フライアイインテグレータ1bの基準点からそれぞれの単位固体光源1aまでの距離をLn(mm)としたとき、
0.2 <(Ln・tanθ)/r <5
の条件を満足するように配置されている。
【0044】
上記条件式において、(Ln・tanθ)/rの値が下限値を下回る場合には、フライアイインテグレータの光積分効果を十分に発揮させることができなくなるので好ましくない。また、上記条件式において、(Ln・tanθ)/rの値が上限値を上回る場合には、フライアイインテグレータでの光量ロスが増えるため好ましくない。なお、フライアイインテグレータの光積分効果をさらに十分に発揮させるためには、上記条件式の下限値を0.8とすることが好ましい。また、フライアイインテグレータでの光量ロスを十分に小さくするためには、上記条件式の上限値を2とすることが好ましい。
【0045】
また、それぞれの単位固体光源1aは、少なくとも4mW/個以上の出力を有し、1cm2以下の光射出部の面積を有する。また、それぞれの単位固体光源1aは、放出される光束のうち最も放射強度が強い光線を中心として±1°の光束の範囲内において、平均放射輝度が200mW/(cm2・sr)以上である。更に、単位固体光源1aは0.1sr当たり1個以上配置されており、単位固体光源1aから射出される光(発光スペクトル)の波長の半値幅は±20nm以下である。
【0046】
図5は、照明光源ユニットSU1及び照明光学ユニットIL1の側面図であり、図1に示した部材と同一の部材には同一の符号を付している。なお、この図の示されるXYZ直交座標系は、図1に示す直交座標系と同一のものである。照明光源ユニットSU1とマスクM1の間には、コリメートレンズ20a、フライアイインテグレータ21a、開口絞り22a、ハーフミラー23a及びコンデンサレンズ系27aが順に配置されている。なお、照明光学ユニットIL2〜IL5の構成は、照明光学ユニットIL1の構成と同一であるためその説明を省略する。
【0047】
それぞれの単位固体光源1aから射出された発散光束は、図2に示すように、フライアイインテグレータ1bに入射する。ここで、フライアイインテグレータ1bは、多数の正レンズエレメントを縦横に且つ稠密に配列することによって構成されている。フライアイインテグレータ1bに入射した光束は、多数の正レンズエレメント(入射光学面)により波面分割され、その後側焦点面(即ち、射出面の近傍)にレンズエレメントの数と同数の光源像からなる面光源を形成する。即ち、フライアイインテグレータ1bの後側焦点面には、実質的な面光源が形成される。
【0048】
照明光源ユニットSU1から射出された光束は、図5に示すように、コリメートレンズ20aにより略平行な光束に変換された後、フライアイインテグレータ21aに入射する。フライアイインテグレータ21aは、多数の正レンズエレメントをその中心軸線が光軸AX1に沿って延びるように縦横に且つ稠密に配列することによって構成されている。フライアイインテグレータ21aの後側焦点面に形成された多数の二次光源からの光束は、フライアイインテグレータ21aの後側焦点面の近傍に配置された開口絞り22aにより制限された後、ハーフミラー23aに入射する。ハーフミラー23aにより反射された光束は、レンズ24aを介して照度センサ25aに入射する。この照度センサ25aは、プレートP1と光学的に共役な位置の照度を検出するためのセンサであり、この照度センサ25aにより、露光中においてもスループットを低下させることなくプレートP1上の照度を検出することができる。なお、照度センサ25aの検出値は、主制御系26に入力される。
【0049】
一方、ハーフミラー23aを透過した光束は、コンデンサレンズ系27aに入射する。なお、開口絞り22aは、対応する投影光学ユニットPL11の瞳面と光学的に略共役な位置に配置され、照明に寄与する二次光源の範囲を規定するための開口部を有する。この開口絞り22aの開口部は、開口径が固定であってもよく、また開口径が可変であってもよい。ここでは開口絞り22aの開口径が可変であるものとして説明する。開口絞り22aは、この可変開口部の開口径を変化させることにより、照明条件を決定するσ値(投影光学系PL1を構成する各投影光学ユニットPL11〜PL15の瞳面の開口径に対するその瞳面上での二次光源像の口径の比)を所望の値に設定する。コンデンサレンズ系24aを介した光束は、パターンDP1が形成されたマスクM1を重畳的に照明する。
【0050】
照明光源ユニットSU2〜SU5から射出された光束も同様に、照明光学ユニットIL2〜IL5を介してマスクM1を重畳的にそれぞれ照明する。即ち、照明光学系を構成する照明光学ユニットIL1〜IL5は、マスクM1上においてY軸方向に並んだ複数(図1では合計5つ)の台形状の領域を照明する。
【0051】
なお、主制御系26は、照明光学ユニットIL1の照度センサ25aにより検出された照度、及び照明光学ユニットIL2〜IL5の照度センサにより検出された照度に基づいて、各照明光学ユニットIL1〜IL5によりマスクM1を照明する際の照度が均一になるように、各照明光学ユニットIL1〜IL5に対応して設けられている照明光源SU1〜SU5の光出力を設定する光源出力設定部に対して制御信号を出力する。
【0052】
マスクM1上の各照明領域からの光は、各照明領域に対応するようにY軸方向に沿って配列された複数(図1では合計で5つ)の投影光学ユニットPL11〜PL15からなる投影光学系PL1に入射する。ここで、各投影光学ユニットPL11〜PL15の構成は、互いに同じである。こうして、複数の投影光学ユニットPL11〜PL15から構成された投影光学系PL1を介した光は、プレートステージ(図示せず)上において図示しないプレートホルダを介してXY平面に平行に支持されたプレートP1上にパターンDP1の像を形成する。
【0053】
上述の主制御系26にはハードディスク等の記憶装置28が接続されており、この記憶装置28内に露光データファイルが格納されている。露光データファイルには、プレートP1の露光を行う上で必要となる処理及びその処理順序が記憶されており、この処理毎に、プレートP1上に塗布されているレジストに関する情報(例えば、レジストの分光特性)、必要となる解像度、使用するマスクM1、照明光源ユニットSU1〜SU5の補正量、投影光学系PL1の補正量、及び基板の平坦性に関する情報等(所謂、レシピデータ)が含まれている。
【0054】
なお、上述のレシピデータ(露光データファイル)を通信等の手段により更新又は追加可能とすることが好ましい。具体的には、この実施の形態の露光装置と、当該露光装置が設置されるデバイス製造工場内の管理システムとをローカルエリアネットワーク(LAN)で結び、この管理システムから露光装置のレシピデータを更新或いは追加する構成をとる。この管理システムは、露光装置以外の各種プロセス用製造装置、例えば、レジスト処理装置、エッチング装置、生膜装置等の前工程用機器、組み立て装置、検査装置等の後工程装置ともローカルエリアネットワーク(LAN)で結ばれている。従って、この管理システムでは、どの装置にどのロットが流されているのかを管理することが可能であるため、そのロットに適合したレシピデータを露光装置へ送り、この露光装置は、送られたレシピデータに基づいた制御を行うことが可能となる。
【0055】
図1に戻り、前述したマスクステージMS1には、マスクステージMS1を走査方向であるX軸方向に沿って移動させるための長いストロークを有する走査駆動系(図示せず)が設けられている。また、マスクステージMS1を走査直交方向であるY軸方向に沿って微小量だけ移動させると共にZ軸廻りに微小量だけ回転させるための一対のアライメント駆動系(図示せず)が設けられている。そして、マスクステージMS1の位置座標が移動鏡30を用いたレーザ干渉計(図示せず)によって計測され且つ位置制御されるように構成されている。
【0056】
同様の駆動系が、プレートステージにも設けられている。即ち、プレートステージを走査方向であるX軸方向に沿って移動させるための長いストロークを有する走査駆動系(図示せず)、プレートステージを走査直交方向であるY軸方向に沿って微小量だけ移動させると共にZ軸廻りに微小量だけ回転させるための一対のアライメント駆動系(図示せず)が設けられている。そして、プレートステージの位置座標が移動鏡31を用いたレーザ干渉計(図示せず)によって計測され且つ位置制御されるように構成されている。更に、マスクM1とプレートP1とをXY平面に沿って相対的に位置合わせするための手段として、一対のアライメント系32a,32bがマスクMの上方に配置されている。更に、プレートステージ上には、プレートP1上の照明光の照度を検出するための照度センサ33が設けられており、計測値が照明光学系の主制御系26に入力される。
【0057】
主制御系26は、照度センサ33により検出されたプレートP1上の照度に基づいて、各照明光源ユニットSU1〜SU5の光出力を制御する。なお、主制御計26による各照明光源ユニットSU1〜SU5の光出力の制御の他に、各照明光源ユニットSU1〜SU5を構成する各単位固体光源の光出力の制御によっても行うことができる。
【0058】
こうして、マスクステージMS1側の走査駆動系及びプレートステージ側の走査駆動系の作用により、複数の投影光学ユニットPL11〜PL15からなる投影光学系PL1に対してマスクM1とプレートP1とを一体的に同一方向(X軸方向)に沿って移動させることによって、マスクM1上のパターン領域の全体がプレートP1上の露光領域の全体に転写(走査露光)される。
【0059】
この第1の実施の形態にかかる露光装置によれば、低ランニングコストなどのメリットを持つ固体光源を用いることにより、低ランニングコストで超寿命且つ破裂の危険性のない光源を有する投影露光装置を提供することができる。
【0060】
また、照明光源のθmaxが
(1/3)・sin−1[1/{2・(f/b)}]< θmax <
sin−1[1/{2・(f/(a2+b2)1/2)}]
の条件を満足するため、フライアイインテグレータの各入射光学面の入射領域に入射する光束の充填率を向上させることができ、フライアイインテグレータより射出される光のパワーを増大させることができる。また、照明光源が上述のような複数の単位固体光源を備えているため、像面照度を実用的な露光装置に要求される値にすることができ、露光装置のスループットを向上させることができる。
【0061】
なお、この第1の実施の形態にかかる露光装置の照明光源においては、単位固体光源1aをそれぞれの基準軸がフライアイインテグレータ1bの基準点を通るように略球面上に、即ち、各単位固体光源1aと基準点との距離が略一定となるように配置されているが、各単位固体光源1aの基準軸がフライアイインテグレータ1bの基準点を通るように配置すれば、各単位固体光源1aと基準点との距離が一定でなくてもよい。
【0062】
次に、図面を参照してこの発明の第2の実施の形態にかかる露光装置について説明する。なお、この第2の実施の形態の説明においては、第1の実施の形態にかかる露光装置の部材と同一の部材には、第1の実施の形態の説明で用いたものと同一の符号を付して説明を行う。この発明の第2の実施の形態にかかる露光装置は、照明光源ユニットSU1〜SU5を図6に示す照明光源ユニットSU11に変更したものであり、それ以外の部分については、第1の実施の形態にかかる露光装置と同一の構成を有する。
【0063】
照明光源ユニットSU11は、図6に示すように、複数の単位固体光源11a、内面反射型インテグレータ11bを備えて構成されている。ここで、複数の単位固体光源11aは、放射強度が最も強い光の進行方向に沿った光線軸を基準軸とした場合に、それぞれの単位固体光源の基準軸が内面反射型インテグレータ11bの入射面の略中心に位置する点(基準点)を通過するように略球面上に配置されている。また、複数の単位固体光源11aは、内面反射型インテグレータ11bを構成している材質の屈折率をn、それぞれの単位固体光源11aの基準軸と内面反射型インテグレータ11bの基準点を通過する軸11cとのなす角度のうち最も大きな角度をθmax(rad)としたとき、
sin−1[n・sin{cos−1(1/n)}] > θmax >(1/3)・sin−1[n・sin{cos−1(1/n)}]
の条件を満足するように配置されている。
【0064】
また、それぞれの単位固体光源11aは、放出される光束のうち最も放射強度が強い光線を中心として±50°の範囲内における光線が最も放射強度の強い光線に対して半分以上の放射強度を有する。
【0065】
また、それぞれの単位固体光源11aは、射出される光束のうち最も放射強度の強い光線に対して半分の放射強度となる光線と最も放射強度の強い光線とのなす角度をθ(rad)とし、内面反射型インテグレータ11bの入射面全体に外接する円の半径をr(mm)とし、内面反射型インテグレータ11bの基準点からそれぞれの単位固体光源11aまでの距離をLn(mm)としたとき、
0.2 <(Ln・tanθ)/r <5
の条件を満足するように配置されている。
【0066】
上記条件式において、(Ln・tanθ)/rの値が下限値を下回る場合には、内面反射型インテグレータでの光束の充填率(光源像の充填率)が低くなりすぎるため好ましくない。また、上記条件式において、(Ln・tanθ)/rの値が上限値を上回る場合には、内面反射型インテグレータでの光量ロスが増えるため好ましくない。なお、内面反射型インテグレータでの光束の充填率をさらに向上させるためには、上記条件式の下限値を0.8とすることが好ましい。また、内面反射型インテグレータでの光量ロスを十分に小さくするためには、上記条件式の上限値を2とすることが好ましい。
【0067】
また、それぞれの単位固体光源11aは、少なくとも4mW/個以上の出力を有し、1cm2以下の光射出部の面積を有する。また、それぞれの単位固体光源11aは、放出される光束のうち最も放射強度が強い光線を中心として±1°の光束の範囲内において、平均放射輝度が200mW/(cm2・sr)以上である。更に、単位固体光源11aは0.1sr当たり1個以上配置されており、単位固体光源1aから射出される光(発光スペクトル)の波長の半値幅は±20nm以下である。
【0068】
それぞれの単位固体光源11aから射出された発散光束は、図6に示すように、内面反射型インテグレータ11bに入射する。内面反射型インテグレータ11bに入射した光束は、その内部を全反射して伝播し、内面反射型インテグレータ11bから射出する。その他の点については、第1の実施の形態と同一のため、詳細な説明を省略する。
【0069】
この第2の実施の形態にかかる露光装置によれば、低ランニングコストなどのメリットを持つ固体光源を用いることにより、低ランニングコストで超寿命且つ破裂の危険性のない光源を有する投影露光装置を提供することができる。
【0070】
また、照明光源のθmaxが
sin−1[n・sin{cos−1(1/n)}] > θmax
の条件を満足するため、多数の単位固体光源を配置することができ、内面反射型インテグレータより射出される光のパワーを増大させることができる。また内面反射型インテグレータの光積分効果を向上させることができる。一方、照明光源のθmaxが
θmax >(1/3)・sin−1[n・sin{cos−1(1/n)}]
の条件を満足するため、それぞれの単位固体光源より射出される光束が内面反射型インテグレータ内部を全反射して伝播し、内面反射型インテグレータより射出される光のパワーを増大させることができる。また、照明光源が上述のような複数の単位固体光源を備えているため、像面照度を実用的な露光装置に要求される値にすることができ、露光装置のスループットを向上させることができる。
また、上述の各実施の形態において、複数の固体光源として、複数の発光点を有する固体光源チップ、チップを複数個アレイ状に配列した固体光源チップアレイ、さらに複数の発光点を一枚の基板に作り込んだタイプのものなどを用いても良い。なお、固体光源素子は無機、有機を問わない。
【0071】
なお、この第2の実施の形態にかかる露光装置の照明光源においては、単位固体光源11aをそれぞれの基準軸が内面反射型インテグレータ11bの基準点を通るように略球面上に、即ち、各単位固体光源11aと基準点との距離が略一定となるように配置されているが、各単位固体光源11aの基準軸が内面反射型インテグレータ11bの基準点を通るように配置すれば、各単位固体光源11aと基準点との距離が一定でなくてもよい。
【0072】
次に、図面を参照して、この発明の第3の実施の形態にかかる露光装置について説明する。図7は、この発明の第3の実施の形態にかかる露光装置の全体の概略構成を示す斜視図である。この第3の実施の形態においては、複数の反射屈折型の投影光学ユニットからなる投影光学系に対してマスクM2とプレート(基板)P2とを相対的に移動させつつマスクM2に形成された液晶表示素子のパターンDP2の像を感光性材料が塗布された感光性基板としてのプレートP2上に転写するステップ・アンド・スキャン方式の露光装置に適用した場合を例に挙げて説明する。
【0073】
なお、以下の説明においては、図7中に示したXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。XYZ直交座標系は、X軸及びY軸がプレートP2に対して平行となるよう設定され、Z軸がプレートP2に対して直交する方向に設定されている。図中のXYZ座標系は、実際にはXY平面が水平面に平行な面に設定され、Z軸が鉛直上方向に設定される。また、この実施の形態ではマスクM2及びプレートP2を移動させる方向(走査方向)をX軸方向に設定している。
【0074】
この実施の形態にかかる露光装置は、マスクステージ(図7では図示せず)MS2上においてマスクホルダ(図示せず)を介してXY平面に平行に支持されたマスクM2を均一に照明するための照明光学系ILを備えている。図8は、照明光学系ILの側面図であり、図7に示した部材と同一の部材には同一の符号を付してある。照明光学系ILは、複数の単位固体光源40、複数のファイバ素線をランダムに束ねたファイバーバンドル41を備えて構成される照明光源ユニット(照明光源)SUを備えている。ここで、複数の単位固体光源40は、放射強度が最も強い光の進行方向に沿った光線軸を基準軸とした場合に、それぞれの単位固体光源の基準軸がファイバーバンドル41の入射面全体の略中心に位置する点(基準点)を通過するように略球面上に配置されている。また、複数の単位固体光源40は、ファイバーバンドル41のコアの屈折率をn1、ファイバーバンドル41のクラッドの屈折率をn2、それぞれの単位固体光源40の基準軸とファイバーバンドル41の基準点を通過する軸41cとのなす角度のうち最も大きな角度をθmax(rad)としたとき、
sin−1[n1・sin{cos−1(n2/n1)}] > θmax >(1/3)・sin−1[n1・sin{cos−1(n2/n1)}]
の条件を満足するように配置されている。
【0075】
また、それぞれの単位固体光源40は、放出される光束のうち最も放射強度が強い光線を中心として±50°の範囲内における光線が最も放射強度の強い光線に対して半分以上の放射強度を有する。
【0076】
また、それぞれの単位固体光源40は、射出される光束のうち最も放射強度の強い光線に対して半分の放射強度となる光線と最も放射強度の強い光線とのなす角度をθ(rad)、ファイバーバンドル41の入射面全体に外接する円の半径をr(mm)、ファイバーバンドル41の基準点からそれぞれの単位固体光源40までの距離をLn(mm)としたとき、
0.2 <(Ln・tanθ)/r <5
の条件を満足するように配置されている。
【0077】
上記条件式において、(Ln・tanθ)/rの値が下限値を下回る場合には、ファイバーバンドルでの光積分効果を有効に利用できなくなるため好ましくない。また、上記条件式において、(Ln・tanθ)/rの値が上限値を上回る場合には、ファイバーバンドルでの光量ロスが増えるため好ましくない。なお、ファイバーバンドルの光積分効果のさらなる有効利用を図るためには、上記条件式の下限値を0.8とすることが好ましい。また、ファイバーバンドルでの光量ロスを十分に小さくするためには、上記条件式の上限値を2とすることが好ましい。
【0078】
また、それぞれの単位固体光源40は、少なくとも4mW/個以上の出力を有し、1cm2以下の光射出部の面積を有する。また、それぞれの単位固体光源40は、放出される光束のうち最も放射強度が強い光線を中心として±1°の光束の範囲内において、平均放射輝度が200mW/(cm2・sr)以上である。更に、単位固体光源40は0.1sr当たり1個以上配置されており、単位固体光源40から射出される光(発光スペクトル)の波長の半値幅は±20nm以下である。
【0079】
それぞれの単位固体光源40から射出された発散光束は、ファイバーバンドル41の入射端41aに入射する。ファイバーバンドル41は、1つの入射端41aと、投影光学系PL2を構成する投影光学ユニットの数(図7では5つ)と同じ数の射出端(図8では射出端41bだけを示す)とを備えている。こうして、ファイバーバンドル41の入射端41aへ入射した光束は、その内部を伝播した後、5つの射出端(射出端41b及び他の4つの射出端)から分割されて射出する。
【0080】
ファイバーバンドル41の射出端41bとマスクM2の間には、コリメートレンズ42b、フライアイインテグレータ43b、開口絞り44b、ハーフミラー45b及びコンデンサレンズ系49bが順に配置されている。同様に、ファイバーバンドル41の各射出端(41b以外の4つの射出端)とマスクM2との間には、コリメートレンズ、フライアイインテグレータ、開口絞り、ハーフミラー及びコンデンサレンズ系がそれぞれ順に配置されている。ここでは、説明の簡単化のために、ファイバーバンドル41の射出端(射出端41b及び射出端41b以外の4つの射出端)とマスクM2との間に設けられる光学部材の構成を、ファンバーバンドル41の射出端41bとマスクM2との間に設けられたコリメートレンズ42b、フライアイインテグレータ43b、開口絞り44b、ハーフミラー45b及びコンデンサレンズ系49bに代表させて説明する。
【0081】
ファイバーバンドル41の射出端41bから射出された発散光束は、コリメートレンズ42bにより略平行な光束に変換された後、フライアイインテグレータ43bに入射する。フライアイインテグレータ43bは、多数の正レンズエレメントをその中心軸線が光軸AX2に沿って延びるように縦横に且つ稠密に配列することによって構成されている。従って、フライアイインテグレータ43b入射した光束は、多数のレンズエレメントにより波面分割され、その後側焦点面(即ち、射出面の近傍)にレンズエレメントの数と同数の光源像からなる二次光源を形成する。即ち、フライアイインテグレータ43bの後側焦点面には、実質的な面光源が形成される。
【0082】
フィライアイインテグレータ43bの後側焦点面に形成された多数の二次光源からの光束は、フライアイインテグレータ43bの後側焦点面の近傍に配置された開口絞り44bにより制限された後、ハーフミラー45bに入射する。ハーフミラー45bにより反射された光束は、レンズ46bを介して照度センサ47bに入射する。この照度センサ47bは、プレートP2と光学的に共役な位置の照度を検出するためのセンサであり、この照度センサ47bにより、露光中においてもスループットを低下させることなくプレートP2上の照度を検出することができる。なお、照度センサ47bの検出値は、主制御系48に入力される。
【0083】
一方、ハーフミラー45bを透過した光束は、コンデンサレンズ系49bに入射する。なお、開口絞り44bは、対応する投影光学ユニットPL21の瞳面と光学的に略共役な位置に配置され、照明に寄与する二次光源の範囲を規定するための開口部を有する。この開口絞り44bの開口部は、開口径が固定であってもよく、また開口径が可変であってもよい。ここでは開口絞り44bの開口径が可変であるものとして説明する。開口絞り44bは、この可変開口部の開口径を変化させることにより、照明条件を決定するσ値(投影光学系PL2を構成する各投影光学ユニットPL21〜PL25の瞳面の開口径に対するその瞳面上での二次光源像の口径の比)を所望の値に設定する。
【0084】
コンデンサレンズ系49bを介した光束は、パターンDP2が形成されたマスクM2を重畳的に照明する。ファイバーバンドル41の他の4つの射出端から射出された発散光束も同様に、コリメートレンズ、フライアイインテグレータ、開口絞り、ハーフミラー及びコンデンサレンズ系を順に介してマスクM2を重畳的にそれぞれ照明する。即ち、照明光学系ILは、マスクM2上においてY軸方向に並んだ複数(図1では合計5つ)の台形状の領域を照明する。なお、他の4つの射出端から射出された光も照度センサでそれぞれの光の照度が計測されて主制御部48に入力される。
【0085】
マスクM2上の各照明領域からの光は、各照明領域に対応するようにY軸方向に沿って配列された複数(図1では合計で5つ)の投影光学ユニットPL21〜PL25からなる投影光学系PL2に入射する。ここで、各投影光学ユニットPL21〜PL25の構成は、互いに同じである。こうして、複数の投影光学ユニットPL21〜PL25から構成された投影光学系PL2を介した光は、プレートステージ(図示せず)上において図示しないプレートホルダを介してXY平面に平行に支持されたプレートP2上にパターンDP2の像を形成する。
【0086】
上述の主制御系48にはハードディスク等の記憶装置50が接続されており、この記憶装置50内に露光データファイルが格納されている。露光データファイルには、プレートP2の露光を行う上で必要となる処理及びその処理順序が記憶されており、この処理毎に、プレートP2上に塗布されているレジストに関する情報(例えば、レジストの分光特性)、必要となる解像度、使用するマスクM2、使用する照明光源、照明光学系ILの補正量、投影光学系PL2の補正量、及び基板の平坦性に関する情報等(所謂、レシピデータ)が含まれている。
【0087】
なお、上述のレシピデータ(露光データファイル)を通信等の手段により更新又は追加可能とすることが好ましい。具体的には、この実施の形態の露光装置と、当該露光装置が設置されるデバイス製造工場内の管理システムとをローカルエリアネットワーク(LAN)で結び、この管理システムから露光装置のレシピデータを更新或いは追加する構成をとる。この管理システムは、露光装置以外の各種プロセス用製造装置、例えば、レジスト処理装置、エッチング装置、生膜装置等の前工程用機器、組み立て装置、検査装置等の後工程装置ともローカルエリアネットワーク(LAN)で結ばれている。従って、この管理システムでは、どの装置にどのロットが流されているのかを管理することが可能であるため、そのロットに適合したレシピデータを露光装置へ送り、この露光装置は、送られたレシピデータに基づいた制御を行うことが可能となる。
【0088】
図7に戻り、前述したマスクステージMS2には、マスクステージMS2を走査方向であるX軸方向に沿って移動させるための長いストロークを有する走査駆動系(図示せず)が設けられている。また、マスクステージMS2を走査直交方向であるY軸方向に沿って微小量だけ移動させると共にZ軸廻りに微小量だけ回転させるための一対のアライメント駆動系(図示せず)が設けられている。そして、マスクステージMS2の位置座標が移動鏡51を用いたレーザ干渉計(図示せず)によって計測され且つ位置制御されるように構成されている。
【0089】
同様の駆動系が、プレートステージにも設けられている。即ち、プレートステージを走査方向であるX軸方向に沿って移動させるための長いストロークを有する走査駆動系(図示せず)、プレートステージを走査直交方向であるY軸方向に沿って微小量だけ移動させると共にZ軸廻りに微小量だけ回転させるための一対のアライメント駆動系(図示せず)が設けられている。そして、プレートステージの位置座標が移動鏡52を用いたレーザ干渉計(図示せず)によって計測され且つ位置制御されるように構成されている。更に、マスクM2とプレートP2とをXY平面に沿って相対的に位置合わせするための手段として、一対のアライメント系53a,53bがマスクM2の上方に配置されている。更に、プレートステージ上には、プレートP2上の照明光の照度を検出するための照度センサ54が設けられており、計測値が照明光学系ILの主制御系48に入力される。
【0090】
主制御系48は、照度センサ54により検出されたプレートP2上の照明光による照度に基づいて、電源装置55を介して、光源の電力供給量を制御する。こうして、マスクステージMS2側の走査駆動系及びプレートステージ側の走査駆動系の作用により、複数の投影光学ユニットPL21〜PL25からなる投影光学系PL2に対してマスクM2とプレートP2とを一体的に同一方向(X軸方向)に沿って移動させることによって、マスクM2上のパターン領域の全体がプレートP2上の露光領域の全体に転写(走査露光)される。
【0091】
この第3の実施の形態にかかる露光装置によれば、低ランニングコストなどのメリットを持つ固体光源を用いることにより、低ランニングコストで超寿命且つ破裂の危険性のない光源を有する投影露光装置を提供することができる。
【0092】
また、照明光源のθmaxが
sin−1[n1・sin{cos−1(n2/n1)}]>θmax
の条件を満足するため、多数の単位固体光源を配置することができ、内面反射型インテグレータより射出される光のパワーを増大させることができる。一方、照明光源のθmaxが
θmax>(1/3)・sin−1[n1・sin{cos−1(n2/n1)}]
の条件を満足するため、それぞれの単位固体光源より射出される光束がファイバーバンドル内部を全反射して伝播し、ファイバーバンドルより射出される光のパワーを増大させることができる。また、照明光源が上述のような複数の単位固体光源を備えているため、像面照度を実用的な露光装置に要求される値にすることができ、露光装置のスループットを向上させることができる。
【0093】
なお、この第3の実施の形態にかかる露光装置の照明光源においては、単位固体光源40をそれぞれの基準軸がファイバーバンドル41の基準点を通るように略球面上に、即ち、各単位固体光源40と基準点との距離が略一定となるように配置されているが、各単位固体光源40の基準軸がファイバーバンドル41の基準点を通るように配置すれば、各単位固体光源40と基準点との距離が一定でなくてもよい。
【0094】
なお、上述の各実施の形態においては、複数の投影光学ユニットにより構成される投影光学系を備えるステップ・アンド・スキャン型の投影露光装置を例にして説明したが、1つの投影光学系を有するステップ・アンド・リピート型の投影露光装置にこの発明を適用してもよい。また、プロキシミティ方式の露光装置にこの発明を適用してもよい。この場合には、投影光学系が存在しないことから像面照度を高くすることができる。
【0095】
また、上述の各実施の形態においては、固体光源として発光ダイオード又はレーザダイオード等を用いることができる。
【0096】
次に、この発明の実施の形態にかかる露光装置をリソグラフィ工程で使用したマイクロデバイスの製造方法について説明する。図9は、マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る際の手法のフローチャートである。まず、図9のステップS40において、1ロットのウェハ上に金属膜が蒸着される。次のステップS42において、その1ロットのウェハ上の金属膜上にフォトレジストが塗布される。その後、ステップS44において、この発明の実施の形態にかかる露光装置を用いて、マスク上のパターンの像がその投影光学系(投影光学ユニット)を介して、その1ロットのウェハ上の各ショット領域に順次露光転写される。即ち、照明装置を用いてマスクが照明され、投影光学系を用いてマスク上のパターンの像が基板上に投影され露光転写される。
【0097】
その後、ステップS46において、その1ロットのウェハ上のフォトレジストの現像が行われた後、ステップS48において、その1ロットのウェハ上でレジストパターンをマスクとしてエッチングを行うことによって、マスク上のパターンに対応する回路パターンが、各ウェハ上の各ショット領域に形成される。その後、更に上のレイヤの回路パターンの形成等を行うことによって、半導体素子等のデバイスが製造される。上述の半導体デバイス製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する半導体デバイスをスループット良く得ることができる。
また、この発明の実施の形態にかかる露光装置では、プレート(ガラス基板)上に所定のパターン(回路パターン、電極パターン等)を形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得ることもできる。以下、図10のフローチャートを参照して、このときの手法の一例につき説明する。図10は、この実施の形態の露光装置を用いてプレート上に所定のパターンを形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を製造する方法を説明するためのフローチャートである。
【0098】
図10のパターン形成工程S50では、この実施の形態の露光装置を用いてマスクのパターンを感光性基板(レジストが塗布されたガラス基板等)に転写露光する、所謂光リソグラフィ工程が実行される。この光リソグラフィ工程によって、感光性基板上には多数の電極等を含む所定パターンが形成される。その後、露光された基板は、現像工程、エッチング工程、レチクル剥離工程等の各工程を経ることによって、基板上に所定のパターンが形成され、次のカラーフィルタ形成工程S52へ移行する。
【0099】
次に、カラーフィルタ形成工程S52では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応した3つのドットの組がマトリックス状に多数配列されたり、又はR、G、Bの3本のストライプのフィルタの組を複数水平走査線方向に配列したカラーフィルタを形成する。そして、カラーフィルタ形成工程S52の後に、セル組み立て工程S54が実行される。セル組み立て工程S54では、パターン形成工程S50にて得られた所定パターンを有する基板、及びカラーフィルタ形成工程S52にて得られたカラーフィルタ等を用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。
【0100】
セル組み立て工程S54では、例えば、パターン形成工程S50にて得られた所定パターンを有する基板とカラーフィルタ形成工程S52にて得られたカラーフィルタとの間に液晶を注入して、液晶パネル(液晶セル)を製造する。その後、モジュール組立工程S56にて、組み立てられた液晶パネル(液晶セル)の表示動作を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付けて液晶表示素子として完成させる。上述の液晶表示素子の製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する液晶表示素子をスループット良く得ることができる。
【0101】
【発明の効果】
この発明の照明光源によれば、照明光源が複数の単位固体光源とフライアイインテグレータとを備える場合に、フライアイインテグレータの各入射光学面の入射領域に入射する光束の充填率を向上させることができるため、フライアイインテグレータより射出される光のパワーを増大させることができる。
【0102】
また、この発明の照明光源によれば、照明光源が複数の単位固体光源と内面反射型インテグレータとを備える場合に、多数の単位固体光源を配置することができ、それぞれの単位固体光源より射出される光束が内面反射型インテグレータ内部を全反射して伝播するため、内面反射型インテグレータより射出される光のパワーを増大させることができる。また、内面反射型インテグレータの光積分効果を向上させることができる。
【0103】
また、この発明の照明光源によれば、照明光源が複数の単位固体光源と複数のファイバを束ねたファイバーバンドルとを備える場合に、多数の単位固体光源を配置することができ、それぞれの単位固体光源より射出される光束がファイバーバンドルのコアを全反射して伝播するため、ファイバーバンドルより射出される光のパワーを増大させることができる。
【0104】
また、この発明の露光装置によれば、照明光源の光射出部の光出力を増大させることができるため、像面照度を高くすることができ露光装置のスループットを向上させることができる。
【0105】
更に、この発明の露光方法によれば、実用的な露光に要求される像面照度の値を確保した露光装置を用いて露光を行うため、実用的な露光方法としてのスループットを確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態にかかる露光装置の全体の概略構成を示す斜視図である。
【図2】この発明の第1の実施の形態にかかる照明光源ユニットの構成図である。
【図3】この発明の第1の実施の形態にかかるフライアイインテグレータの射出光学面を説明するための図である。
【図4】この発明の第1の実施の形態にかかる照明光源ユニットを説明するための図である。
【図5】この発明の第1の実施の形態にかかる露光装置の照明光学系の側面図である。
【図6】この発明の第2の実施の形態にかかる照明光源ユニットの構成図である。
【図7】この発明の第3の実施の形態にかかる露光装置の全体の概略構成を示す斜視図である。
【図8】この発明の第3の実施の形態にかかる露光装置の照明光学系の側面図である。
【図9】この発明の実施の形態にかかるマイクロデバイスとしての半導体デバイスを製造する方法のフローチャートである。
【図10】この発明の実施の形態にかかるマイクロデバイスとしての液晶表示素子を製造する方法のフローチャートである。
【符号の説明】
1a,11a,40…単位固体光源、1b,21a,43b…フライアイインテグレータ、11b…内面反射型インテグレータ、41…ファイバーバンドル、20a,42b…コリメートレンズ、22a,44b…開口絞り、23a,45b…ハーフミラー、27a,49b…コンデンサレンズ系、25a,33,47b,54…照度センサ、26,48…主制御系、55…電源装置、28,50…記憶装置、DP1,DP2…パターン、M1,M2…マスク、P1,P2…プレート、SU1〜SU5…照明光源ユニット、IL1〜IL5…照明光学ユニット、IL…照明光学系、PL1,PL2…投影光学系、PL11〜PL15,PL21〜PL25…投影光学ユニット、MS1,MS2…マスクステージ。
Claims (14)
- 複数の単位固体光源と、アレイ状に配列された複数の入射光学面を有するフライアイインテグレータとを備える照明光源であって、
前記複数の単位固体光源を、前記複数の単位固体光源のそれぞれの基準軸が前記フライアイインテグレータの入射面全体の略中心に位置する基準点を通るように放射状に配置し、
前記フライアイインテグレータの前記入射光学面の入射領域の縦及び横の寸法のうち大きいほうの寸法をaとし、小さい方の寸法をbとし、前記フライアイインテグレータの焦点距離をfとし、前記複数の単位固体光源のそれぞれの基準軸と前記フライアイインテグレータの前記基準点を通る軸とのなす角度のうち最も大きな角度をθmax(rad)としたとき、以下の条件を満足することを特徴とする照明光源。
(1/3)・sin−1[1/{2・(f/b)}]< θmax <sin−1[1/{2・(f/(a2+b2)1/2)}] - 複数の単位固体光源と、内面反射型インテグレータとを備える照明光源であって、
前記複数の単位固体光源を、前記複数の単位固体光源のそれぞれの基準軸が前記内面反射型インテグレータの入射面の略中心に位置する基準点を通るように放射状に配置し、
前記内面反射型インテグレータを構成している材質の屈折率をnとし、前記複数の単位固体光源のそれぞれの基準軸と前記内面反射型インテグレータの前記基準点を通る軸とのなす角度のうち最も大きな角度をθmax(rad)としたとき、以下の条件を満足すことを特徴とする照明光源。
sin−1[n・sin{cos−1(1/n)}] > θmax >(1/3)・sin−1[n・sin{cos−1(1/n)}] - 複数の単位固体光源と、複数のファイバを束ねたファイバーバンドルとを備える照明光源であって、
前記複数の単位固体光源を、前記複数の単位固体光源のそれぞれの基準軸が前記ファイバーバンドルの入射面全体の略中心に位置する基準点を通るように放射状に配置し、
前記ファイバーバンドルのコアの屈折率をn1とし、前記ファイバーバンドルのクラッドの屈折率をn2とし、前記複数の単位固体光源の基準軸と前記ファイバーバンドルの前記基準点を通る軸とのなす角度のうち最も大きな角度をθmax(rad)としたとき、以下の条件を満足すことを特徴とする照明光源。
sin−1[n1・sin{cos−1(n2/n1)}] > θmax >(1/3)・sin−1[n1・sin{cos−1(n2/n1)}] - 前記複数の単位固体光源は、それぞれの基準軸が前記基準点を通るように略球面上に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の照明光源。
- 前記単位固体光源から射出される光束のうち、最も放射強度の強い光線を中心として±50°の範囲内における光線は、前記最も放射強度の強い光線に対して半分以上の放射強度を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の照明光源。
- 前記単位固体光源から射出される光束のうち、最も放射強度の強い光線に対して半分の放射強度となる光線と前記最も放射強度の強い光線とのなす角度をθ(rad)とし、前記フライアイインテグレータの前記入射面全体、前記内面反射型インテグレータの前記入射面、又は前記ファイバーバンドルの入射面全体に外接する円の半径をrとし、前記基準点から前記複数の単位固体光源までのそれぞれの距離をLnとしたとき、以下の条件を満足することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の照明光源。
0.2 <(Ln・tanθ)/r <5 - 前記単位固体光源は、4mW/個以上の出力を有することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の照明光源。
- 前記単位固体光源の光射出部の面積は、1cm2以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の照明光源。
- 前記単位固体光源は、放出される光束のうち最も放射強度の強い光線を中心として±1°の光束の範囲内において、平均放射輝度が200mW/(cm2・sr)以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の照明光源。
- 前記単位固体光源は、0.1sr当たり1個以上配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れか一項に記載の照明光源。
- 前記単位固体光源から射出される光の波長の半値幅は±20nm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項10の何れか一項に記載の照明光源。
- 請求項1乃至請求項11の何れか一項に記載の照明光源から射出される光束によりマスクを照明し、前記マスクのパターンを感光性基板上に転写することを特徴とする露光装置。
- 前記マスクのパターン像を前記感光性基板上に形成するための投影光学系をさらに備えることを特徴とする請求項12記載の露光装置。
- 請求項12又は請求項13に記載の露光装置を用いた露光方法において、
前記照明光源から射出される光束を用いてマスクを照明する照明工程と、
前記マスクのパターンを感光性基板上に転写する転写工程と、
を含むことを特徴とする露光方法。
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