JP2004327660A - 走査型投影露光装置、露光方法及びデバイス製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】デバイスの大きさにかかわらず安価なマスクによりデバイスを形成することが可能な走査型投影露光装置を提供する。
【解決手段】転写パターンを形成する可変パターン生成装置10a〜10eと、前記可変パターン生成装置により生成された転写パターンを感光性基板P上へ投影する投影光学系PL1〜PL5と、前記感光性基板を走査するための基板ステージとを備える走査型投影露光装置において、前記可変パターン生成装置は、前記基板ステージの走査に同期して、該可変パターン生成装置において生成される転写パターンを変化させる制御部を備え、前記投影光学系は、前記転写パターンの像の調整を行う調整機構を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】転写パターンを形成する可変パターン生成装置10a〜10eと、前記可変パターン生成装置により生成された転写パターンを感光性基板P上へ投影する投影光学系PL1〜PL5と、前記感光性基板を走査するための基板ステージとを備える走査型投影露光装置において、前記可変パターン生成装置は、前記基板ステージの走査に同期して、該可変パターン生成装置において生成される転写パターンを変化させる制御部を備え、前記投影光学系は、前記転写パターンの像の調整を行う調整機構を備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体素子、液晶表示素子、その他のマイクロデバイスの製造工程において用いられる露光装置に関し、特に液晶表示素子製造工程において用いられる走査型投影露光装置、該走査型投影露光装置を用いた露光方法及びデバイス製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
マイクロデバイスの一つである半導体素子又は液晶表示素子を製造する場合において、マスク(レチクル、フォトマスク等)のパターンを、投影光学系を介してフォトレジスト等の感光剤が塗布されたプレート(ガラスプレート、半導体ウエハ等)上に投影露光する投影露光装置が使用されている。
【0003】
従来は、プレート上の各ショット領域にそれぞれマスクのパターンを一括して露光するステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパー)が多用されていた。近年、1つの大型の投影光学系を使用する代わりに、複数の小型部分投影光学系を走査方向に沿って所定間隔で複数列に配置し、各部分投影光学系においてそれぞれマスクのパターンをプレート上に露光するステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特願平5−161588号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、プレートは液晶表示素子の大型化に伴い大型化しており、現在では1m角以上のプレート(ガラス基板)も用いられており、同時にマスクも大型化している。大型のマスクは、露光装置に要求されるデバイスのパターンルールが変わらなければ小型のマスクと同様の平面度が要求されるため、小型のマスクのたわみやうねりと同程度に抑えるために小型マスクよりも大幅に厚くする必要がある。また、一般にTFT(Thin Film Transistor)で使用されているマスクは、コスト高の石英ガラスであるため、大型化すれば当然に製造コストが増大する。更に、マスクの平面度を維持するためのコスト、マスクパターンの検査時間の拡大等によるコスト等が増大している。
【0006】
この発明の課題は、デバイスの大きさにかかわらず安価なマスクによりデバイスを形成することが可能な走査型投影露光装置、該走査型投影露光装置を用いた露光方法及びデバイス製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の走査型投影露光装置は、転写パターンを形成する可変パターン生成装置と、前記可変パターン生成装置により生成された転写パターンを感光性基板上へ投影する投影光学系と、前記感光性基板を走査するための基板ステージとを備える走査型投影露光装置において、前記可変パターン生成装置は、前記基板ステージの走査に同期して、該可変パターン生成装置において生成される転写パターンを変化させ、前記投影光学系は、前記転写パターンの像の調整を行う調整機構を備えることを特徴とする。
【0008】
この請求項1記載の走査型投影露光装置によれば、基板ステージの走査に同期して可変パターン生成装置において生成される転写パターンを変化させることができるため、所望のパターンを容易に生成することができる。また、物体パターンであるマスク使用時に必要であったマスクステージを備える必要がなく、露光装置のコストダウン及び小型化を可能とする。また、この走査型投影露光装置によれば、投影光学系が転写パターンの像の調整を行う調整機構を備えているため、可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像を正確に投影露光することができる。
【0009】
また、請求項2記載の走査型投影露光装置は、前記可変パターン生成装置が発光パターンを形成する自発光型画像表示素子を備えることを特徴とする。この請求項2記載の走査型投影露光装置によれば、可変パターン生成装置が自発光型画像表示素子を備えているため、照明光学系を設置する必要がなく、露光装置のコストダウン及び小型化を可能とする。
【0010】
また、請求項3記載の走査型投影露光装置は、前記可変パターン生成装置が光源と、該光源からの照明光の光路中に配置された非発光型画像表示素子とを備えることを特徴とする。この請求項3記載の走査型投影露光装置によれば、所望のパターンを容易に生成することができる。
【0011】
また、請求項4記載の走査型投影露光装置は、前記非発光型画像表示素子が透過型液晶表示素子を備え、前記光源からの照明光の波長λは、
350nm≦λ≦600nm
の条件を満たすことを特徴とする。
【0012】
この請求項4記載の走査型投影露光装置によれば、非発光型画像表示素子が透過型液晶表示素子を備えている場合に、光源からの照明光の波長を350nmより長波長にすることにより、照明光が容易に非発光型画像表示素子を透過することができ、光源からの照明光の波長を600nmより、短波長にすることにより高分解能を実現することができる。
【0013】
また、請求項5記載の走査型投影露光装置は、前記非発光型画像表示素子が微小反射ミラー素子アレイを備え、前記光源からの照明光の波長λは、
190nm≦λ≦550nm
の条件を満たすことを特徴とする。
【0014】
この請求項5記載の走査型投影露光装置によれば、非発光型画像表示素子が微小反射ミラー素子アレイを備えている場合に、光源からの照明光の波長を190nmより長波長にすることにより、照明光が非発光型画像表示素子により確実に反射され、光源からの照明光の波長を550nmより短波長にすることにより高分解能を実現することができる。
【0015】
また、請求項6記載の走査型投影露光装置は、前記調整機構が前記投影光学系により投影される転写パターンの像の倍率、像の位置、像の回転位置、フォーカス位置の少なくとも一つを調整することを特徴とする。
【0016】
この請求項6記載の走査型投影露光装置によれば、可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像の倍率、像の位置、像の回転位置、フォーカス位置の少なくとも一つを調整する調整機構を備えているため、可変パターン生成装置において生成される転写パターンの像を感光性基板上に正確に形成することができ、微細な転写パターンの投影露光を良好に行なうことができる。
【0017】
また、請求項7記載の走査型投影露光装置は、前記可変パターン生成装置により生成された前記転写パターンと前記感光性基板の相対的な位置を計測するアライメント系を備え、前記アライメント系の計測結果に基づいて、前記基板ステージの位置の調整を行うことを特徴とする。
【0018】
この請求項7記載の走査型投影露光装置によれば、可変パターン生成装置により生成された転写パターンと感光性基板の相対的な位置を計測するアライメント系の計測結果に基づいて基板ステージの位置の調整するため、可変パターン生成装置において生成される転写パターンの像を感光性基板上の正確な位置に形成することができ、微細な転写パターンの投影露光を良好に行なうことができる。
【0019】
また、請求項8記載の走査型投影露光装置は、前記投影光学系を介して前記感光性基板上へ到達する光を計測するための計測系と、前記計測系の計測結果に基づいて、前記投影光学系からの光を調光する調光手段を備えることを特徴とする。
【0020】
この請求項8記載の走査型投影露光装置によれば、投影光学系を介して感光性基板上へ到達する光を計測する計測系の計測結果に基づいて投影光学系からの光を調光する調光手段を備えているため、最適な感光性基板上の照度を確保することができ、転写パターンの投影露光を良好に行なうことができる。
【0021】
また、請求項9記載の走査型投影露光装置は、前記可変パターン生成装置が複数の部分可変パターン生成装置により構成され、各部分可変パターン生成装置は、前記基板ステージの走査に同期して、該部分可変パターン生成装置において生成される転写パターンを変化させる制御部を備え、前記投影光学系は、前記部分可変パターン生成装置のそれぞれに対応して設けられた複数の部分投影光学系により構成され、各部分投影光学系は、他の部分投影光学系との関係を考慮して前記転写パターンの像の調整を行う部分投影光学系調整機構を備えることを特徴とする。
【0022】
この請求項9記載の走査型投影露光装置によれば、複数の部分可変パターン生成装置及びそれらに対応した複数の部分投影光学系により構成されているため、転写パターンが生成されるパターン表示面を小さく設定することができ、露光装置のコストダウン及び小型化を可能とする。また、この走査型投影露光装置によれば、各部分投影光学系が転写パターンの像の調整を行う部分投影光学系調整機構を備えているため、可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像を正確に投影露光することができる。
【0023】
また、請求項10記載の走査型投影露光装置は、前記部分投影光学系により前記感光性基板上に投影された複数の転写パターンの像が少なくとも一部のオーバーラップ領域を有することにより前記感光性基板上に転写パターンの像を形成することを特徴とする。
【0024】
この請求項10記載の走査型投影露光装置によれば、各部分投影光学系により感光性基板上に投影される複数の転写パターンの像の継ぎを確実に行なうことができ、転写パターンの像を良好に投影露光することができる。
【0025】
また、請求項11記載の走査型投影露光装置は、前記部分投影光学系間の相対的な位置合わせを行なうための計測光学系を更に有し、前記計測光学系による計測結果に基づいて、前記調整機構により前記部分投影光学系の調整を行うことを特徴とする。
【0026】
この請求項11記載の走査型投影露光装置によれば、部分投影光学系間の相対的な位置合わせを行なうための計測光学系による計測結果に基づいて部分投影光学系の調整を行うため、各部分投影光学系の相対的な位置合わせを確実に行うことができ、転写パターンの投影露光を良好に行なうことができる。
【0027】
また、請求項12記載の走査型投影露光装置は、前記部分投影光学系が前記基板ステージの走査方向に直行する方向に配列され、前記感光性基板の前記基板ステージの走査方向に直行する方向の幅と略同等の露光幅を有することを特徴とする。
【0028】
この請求項12記載の走査型投影露光装置によれば、基板ステージの走査方向に直行する方向の幅と略同等の露光幅を有するように複数の部分投影光学系が配列されているため、プレートの走査長を短くすることが可能となり、かつプレートアライメント系またはオートフォーカス系を配置する場合において、配置を容易にすることができる。
【0029】
また、請求項13記載の走査型投影露光装置は、転写パターンを形成する可変パターン生成装置と、前記可変パターン生成装置により生成された転写パターンを感光性基板へ投影する投影光学系と、前記感光性基板を走査するための基板ステージとを備える走査型投影露光装置において、前記可変パターン生成装置は、前記基板ステージの走査に同期して、該可変パターン生成装置において生成される転写パターンを変化させる制御部を備え、前記投影光学系は、瞳収差に基づく主光線と前記投影光学系の光軸とがなす角度θ1が
θ1≦100mrad
の条件を満たす像側テレセントリックに構成されていることを特徴とする。
【0030】
この請求項13記載の走査型投影露光装置によれば、基板ステージの走査に同期して可変パターン生成装置において生成される転写パターンを変化させることができるため、所望のパターンを容易に生成することができる。また、物体パターンであるマスク使用時に必要であったマスクステージを備える必要がなく、露光装置のコストダウン及び小型化を可能とする。また、この走査型投影露光装置によれば、投影光学系が瞳収差に基づく主光線と投影光学系の光軸とのなす角度が100mrad以下の像側テレセントリックに構成されているため、投影光学系により投影される転写パターンの像を正確な位置に結像させることができ、転写パターンの投影露光を良好に行なうことができる。
【0031】
また、請求項14記載の走査型投影露光装置は、転写パターンを形成する可変パターン生成装置と、前記可変パターン生成装置により生成された転写パターンを感光性基板へ投影する投影光学系と、前記感光性基板の位置を計測する基板位置計測手段と、前記感光性基板を走査するための基板ステージとを備える走査型投影露光装置において、前記可変パターン生成装置は、前記基板ステージの走査に同期して、該可変パターン生成装置において生成される転写パターンを変化させる制御部を備え、前記投影光学系は、前記基板位置計測手段により計測された前記感光性基板の位置に基づいて前記転写パターンの像の調整を行う調整機構を備えることを特徴とする。
【0032】
この請求項14記載の投影露光装置によれば、基板ステージの走査に同期して可変パターン生成装置において生成される転写パターンを変化させることができるため、所望のパターンを容易に生成することができる。また、物体パターンであるマスク使用時に必要であったマスクステージを備える必要がなく、露光装置のコストダウン及び小型化を可能とする。また、この走査型投影露光装置によれば、基板位置計測手段により計測された感光性基板の位置に基づいて転写パターンの像の調整を行う調整機構を備えているため、感光性基板にゆがみ等が生じている場合においても、可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像を正確な位置に投影露光することができる。
【0033】
また、請求項15記載の走査型投影露光装置は、前記可変パターン生成装置が発光パターンを形成する自発光型画像表示素子を備えることを特徴とする。この請求項15記載の走査型投影露光装置によれば、可変パターン生成装置が自発光型画像表示素子を備えているため、照明光学系を設置する必要がなく、露光装置のコストダウン及び小型化を可能とする。
【0034】
また、請求項16記載の走査型投影露光装置は、前記自発光型画像表示素子の光射出方向を前記部分投影光学系の瞳収差に基づいて設定することを特徴とする。この請求項16記載の走査型投影露光装置によれば、自発光型画像表示素子の光射出方向を部分投影光学系の瞳収差に基づいて設定することにより、ディストーションの発生を防止することができ、転写パターンの像を正確に投影露光することができる。
【0035】
また、請求項17記載の走査型投影露光装置は、前記可変パターン生成装置が、光源と、該光源からの照明光の光路中に配置された非発光型画像表示素子とを備えることを特徴とする。この請求項17記載の露光装置によれば、所望のパターンを容易に生成することができる。
【0036】
また、請求項18記載の走査型投影露光装置は、前記非発光型画像表示素子が、透過型液晶表示素子を備え、前記光源からの照明光の波長λは、
350nm≦λ≦600nm
の条件を満たすことを特徴とする。
【0037】
この請求項18記載の走査型投影露光装置によれば、非発光型画像表示素子が透過型液晶表示素子を備えている場合に、光源からの照明光の波長を350nmより長波長にすることにより、照明光が容易に非発光画像表示素子を透過することができ、光源からの照明光の波長を600nmより短波長にすることにより、高分解能を実現することができる。
【0038】
また、請求項19記載の走査型投影露光装置は、前記非発光型画像表示素子が、微小反射ミラー素子アレイを備え、前記光源からの照明光の波長λは、
190nm≦λ≦550nm
の条件を満たすことを特徴とする。
【0039】
この請求項19記載の走査型投影露光装置によれば、非発光型画像表示素子が微小反射ミラー素子アレイを備えている場合に、光源からの照明光の波長を190nmより長波長にすることにより、照明光が非発光画像表示素子により確実に反射され、光源からの照明光の波長を550nmより短波長にすることにより、高分解能を実現することができる。
【0040】
また、請求項20記載の走査型投影露光装置は、前記可変パターン生成装置が複数の部分可変パターン生成装置により構成され、各部分可変パターン生成装置は、前記基板ステージの走査に同期して、該部分可変パターン生成装置において生成される転写パターンを変化させる制御部を備え、前記投影光学系は、前記部分可変パターン生成装置のそれぞれに対応して設けられた複数の部分投影光学系により構成され、各部分投影光学系は、他の部分投影光学系との関係を考慮して前記転写パターンの像の調整を行う部分投影光学系調整機構を備えることを特徴とする。
【0041】
この請求項20記載の走査型投影露光装置によれば、基板ステージの走査に同期して部分可変パターン生成装置において生成される転写パターンを変化させることができるため、所望のパターンを容易に生成することができる。また、物体パターンであるマスク使用時に必要であったマスクステージを備える必要がなく、露光装置のコストダウン及び小型化を可能とする。また、この走査型投影露光装置によれば、他の部分投影光学系との関係を考慮して転写パターンの像の調整を行う部分投影光学系調整機構を備えているため、部分可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像を正確に投影露光することができる。
【0042】
また、請求項21記載の走査型投影露光装置は、前記投影光学系の前記感光性基板側の開口数N.A.iが
0.04≦N.A.i≦0.4
の条件を満たすことを特徴とする。
【0043】
この請求項21記載の走査型投影露光装置によれば、投影光学系の感光性基板側の開口数を0.04より大きくすることにより実用的な分解能を確保することができ、開口数を0.4より小さくすることにより投影光学系の製造を容易に行うことができる。
【0044】
また、請求項22記載の走査型投影露光装置は、前記感光性基板上に形成された前記転写パターンの像の明部の照度Eiが
Ei≧20mW/cm2
の条件を満たすことを特徴とする。
【0045】
この請求項22記載の走査型投影露光装置によれば、感光性基板上に形成された転写パターンの像の明部の照度を20mW/cm2以上にすることにより、実用的なスループットを確保することができる。
【0046】
また、請求項23記載の走査型投影露光装置は、前記感光性基板上に前記転写パターンの像を投影する光の波長λが
190nm≦λ≦600nm
の条件を満たすことを特徴とする。
【0047】
この請求項23記載の走査型投影露光装置によれば、190nm以上かつ600nm以下の実用的な波長域の光を使用することにより、実用的な露光を確保することができる。
【0048】
また、請求項24記載の走査型投影露光装置は、前記感光性基板上の照度むらが6%以下であることを特徴とする。この請求項24記載の走査型投影露光装置によれば、実用的な露光装置に要求される解像度や線幅均一性を確保することができる。
【0049】
また、請求項25記載の走査型投影露光装置は、前記感光性基板上に前記転写パターンの像を投影する光束の中心線と前記感光性基板の法線とのなす角度θ2が
θ2≦20mrad
の条件を満たすことを特徴とする。
【0050】
この請求項25記載の走査型投影露光装置によれば、感光性基板上に転写パターンの像を投影する光束の中心線と感光性基板の法線とのなす角度を20mradより小さくすることにより、ディストーションの発生を防止することができ、転写パターンの像を正確に投影露光することができる。
【0051】
また、請求項26記載の走査型投影露光装置は、転写パターンを形成する可変パターン生成装置と、前記可変パターン生成装置により生成された転写パターンを感光性基板へ投影する投影光学系と、前記感光性基板を走査するための基板ステージとを備える走査型投影露光装置において、前記可変パターン生成装置は、複数の部分可変パターン生成装置により構成され、各部分可変パターン生成装置は、前記基板ステージの走査に同期して、該部分可変パターン生成装置において生成される転写パターンを変化させる制御部を備え、前記投影光学系は、前記部分可変パターン生成装置のそれぞれに対応して設けられた複数の部分投影光学系により構成され、各部分投影光学系のイメージサークル径をφ1、瞳径をφ2としたとき、
0.5≦φ1/φ2≦4
の条件を満たすことを特徴とする。
【0052】
この請求項26記載の走査型投影露光装置によれば、各部分投影光学系のイメージサークル径をφ1、瞳径をφ2とした場合に0.5≦φ1/φ2の条件を満足することによりレンズの外形に対するフィールドのサイズが小さくなりすぎることを防止でき、走査幅を確保するために部分可変パターン生成装置及び部分投影光学系の数を増大させることなく露光装置を小型化することができる。また、φ1/φ2≦4の条件を満足することにより温度変化等による像面湾曲等の軸外収差の発生を防止できる。従って、可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像を正確に投影露光することができる。
【0053】
また、請求項27記載の露光方法は、請求項1乃至請求項26の何れか一項に記載の走査型投影露光装置を用いた露光方法であって、転写パターンを生成する転写パターン生成工程と、前記転写パターン生成工程により生成された転写パターンの像を感光性基板上へ投影する投影工程とを含むことを特徴とする。
【0054】
この請求項27記載の露光方法によれば、請求項1乃至請求項26の何れか一項に記載の走査型投影露光装置を用いているため、可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像を正確に投影露光することができ、微細な転写パターンの投影露光を良好に行なうことができる。
【0055】
また、請求項28記載の露光方法は、投影光学系の光学特性を調整することにより転写パターンの像を調整する調整工程と、基板ステージの走査に同期して、可変パターン生成装置により転写パターンを生成する転写パターン生成工程と、前記転写パターン生成工程により生成された転写パターンを前記基板ステージを走査しつつ前記感光性基板上へ投影する投影工程とを含むことを特徴とする。
【0056】
この請求項28記載の露光方法によれば、投影光学系の光学特性を調整することにより転写パターンの像を調整するため、可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像を正確に投影露光することができ、微細な転写パターンの投影露光を良好に行なうことができる。
【0057】
また、請求項29記載の露光方法は、前記調整工程が投影光学系の光学特性を計測する計測工程と、前記投影光学系により投影される転写パターンの像の倍率、像の位置、像の回転位置、フォーカス位置の少なくとも一つを調整する工程とを含むことを特徴とする。
【0058】
この請求項29記載の露光方法によれば、投影光学系の光学特性を計測し、転写パターンの像の倍率、像の位置、像の回転位置、フォーカス位置の少なくとも一つを調整するため、可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像を正確に投影露光することができ、微細な転写パターンの投影露光を良好に行なうことができる。
【0059】
また、請求項30記載の露光方法は、前記調整工程がプレートの位置を計測する計測工程と、前記計測工程により計測されたプレートの位置に基づいて投影光学系の光学特性を調整する工程を含むことを特徴とする。
【0060】
この請求項30記載の露光方法によれば、計測されたプレートの位置に基づいて投影光学系の光学特性を調整するため、可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像を正確な位置に投影露光することができ、微細な転写パターンの投影露光を良好に行なうことができる。
【0061】
また、請求項31記載のデバイス製造方法は、請求項1乃至請求項26の何れか一項に記載の走査型投影露光装置を用いたデバイス製造方法であって、転写パターンの像を感光性基板上に露光する露光工程と、前記露光工程により露光された前記感光性基板を現像する現像工程とを含むことを特徴とする。
【0062】
また、請求項32記載のデバイス製造方法は、請求項27乃至請求項30の何れか一項に記載の露光方法を用いたデバイス製造方法であって、転写パターンの像を感光性基板上に露光する露光工程と、前記露光工程により露光された前記感光性基板を現像する現像工程とを含むことを特徴とする。
【0063】
この請求項31及び請求項32記載のデバイス製造方法によれば、計測されたプレートの位置に基づいて投影光学系の光学特性を調整するため、可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像を正確な位置に結像することができ、スループット良くデバイスを製造することができる。
【0064】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の第1の実施の形態の説明を行う。図1は、第1の実施の形態にかかる走査型投影露光装置の全体の概略構成を示す斜視図である。この実施の形態においては、複数の反射屈折型の部分投影光学系からなる投影光学系PLに対してプレートPを相対的に移動させつつ液晶表示素子のパターン等の転写パターンの像を感光性材料(レジスト)が塗布された感光性基板としてのプレートP上に転写するステップ・アンド・スキャン方式の走査型投影露光装置を例に挙げて説明する。
【0065】
また、以下の説明においては、図1中に示したXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。XYZ直交座標系は、X軸及びY軸がプレートPに対して平行となるよう設定され、Z軸がプレートPに対して直交する方向に設定されている。図中のXYZ座標系は、実際にはXY平面が水平面に平行な面に設定され、Z軸が鉛直上方向に設定される。また、この実施の形態ではプレートPを移動させる方向(走査方向)をX軸方向に設定している。
【0066】
この実施の形態の走査型投影露光装置は、Y軸方向に沿って配列された複数(図1では合計で5つ)の部分可変パターン生成装置10a〜10eからなる可変パターン生成装置を備えている。ここで、部分可変パターン生成装置10a〜10eにおいては、プレートPの走査に同期して、対応する露光領域に投影される転写パターンが順次生成される。部分可変パターン生成装置10aは、光源12aと、この光源12aに対応して設けられ、光源12aからの照明光の光路中に配置された非発光型画像表示素子である電子マスク14aを備えて構成されている。同様に、部分可変パターン生成装置10b〜10eも、光源12b〜12eと、この光源12b〜12eに対応して設けられた非発光型画像表示素子である電子マスク14b〜14eを備えて構成されている。なお、光源12a〜12eからの照明光の波長λは、350nm≦λ≦600nmの条件を満たす波長である。また、各電子マスク14a〜14eには、透過型液晶表示素子(LCD:Liquid Crystal Display)を用いており、後述する部分投影光学系PL1〜PL5の視野領域に対応した台形状領域の有効エリアが設けられている。
【0067】
各部分可変パターン生成装置10a〜10eからの光は、各部分可変パターン生成装置10a〜10eに対応してY軸方向に沿って配列された複数(図1では合計で5つ)の部分投影光学系PL1〜PL5からなる投影光学系PLに入射する。図2は、部分投影光学系PL1の構成を示す側面図である。なお、部分可変パターン生成装置10b〜10eに対応して設けられている部分投影光学系PL2〜PL5は、部分投影光学系PL1と同一の構成を有するため、部分投影光学系PL1に代表させてその説明を行う。
【0068】
部分投影光学系PL1は、部分可変パターン生成装置10aからの光に基づいて転写パターンの像を形成する結像光学系K1を備えて構成されている。結像光学系K1は、電子マスク14aから−Z軸方向に沿って入射する光を−X軸方向に反射するようにマスク面(XY平面)に対して45°の角度で斜設された直角プリズムPrの第1反射面P1rを備えている。また、結像光学系K1は、第1反射面P1r側から順に、正の屈折力を有する屈折光学系G1Pと、第1反射面P1r側に凹面を向けた凹面反射鏡M1とを備えている。屈折光学系G1P及び凹面反射鏡M1はX軸方向に沿って配置され、全体として反射屈折光学系HK1を構成している。更に、結像光学系K1は、反射屈折光学系HK1から+X方向に沿って入射する光を−Z軸方向に反射するようにマスク面(XY平面)に対して45°の角度で斜設された直角プリズムPrの第2反射面P2rを備えている。
【0069】
第2反射面P2rとプレートPとの間の光路中には、転写パターン像の倍率を調整する倍率調整装置22aが設けられている。また、倍率調整装置22aによる倍率調整により発生する像ずれを補正するために部分可変パターン生成装置10aの電子マスク14aと第1反射面P1rとの間の光路中にクサビレンズ16a、像シフタ19aが設けられている。ここでクサビレンズ16aは、転写パターンの結像位置(フォーカス位置)を補正する焦点位置補正手段を構成する。また、像シフタ19aは、転写パターンの結像位置を補正(シフト)する像シフト手段を構成する。
【0070】
図3は、クサビレンズ16aの側面図である。図3に示すように、クサビレンズ16aは、光学部材17a及び光学部材18aを備えている。ここで光学部材17a及び光学部材18aは、くさび状に形成され露光光を透過可能なガラス板である。光学部材17aは、クサビレンズ駆動部42(図15参照)により駆動されることにより、射出面を光学部材18aの入射面に対してスライドさせるように移動する。
【0071】
図4は、光学部材18aに対して光学部材17aをX軸方向にスライドした際に部分投影光学系の結像位置が変化する様子を説明する図である。図4に示すように、光学部材17aを2点鎖線で示す位置から、実線で示す位置にスライドすることにより、光学部材17aの入射面170aと光学部材18aの射出面180aとの相対寸法(厚さ)が変更される。すると、結像位置は距離δだけ変更される。すなわち、図4に示すように、光学部材17aが−X側に移動して光学部材17aの入射面170aと光学部材18aの射出面180aとの相対寸法が大きくなると、結像位置は−Z側にシフトする。一方、相対寸法が小さくなると、結像位置は+Z側にシフトする。したがって、光学部材17aを光学部材18aに対しておおよそX軸方向にスライドすることにより、投影光学系PL1の結像位置(フォーカス位置)を調整することができる。
【0072】
図5は、像シフタ19aの外観図である。像シフタ19aは、Y軸まわりに回転可能に設けられた平行平面ガラス板20aと、X軸まわりに回転可能に設けられた平行平面ガラス板21aと有している。平行平面ガラス板20aは、像シフタ駆動部43(図15参照)により駆動されてY軸まわりに回転し、平行平面ガラス板21aは像シフタ駆動部43により駆動されてX軸まわりに回転する。平行平面ガラス板20aがY軸まわりに回転することによりプレートP上における電子マスク14aのパターンの像はX軸方向にシフトし、平行平面ガラス板21aがX軸まわりに回転することによりプレートP上における電子マスク14aのパターンの像はY軸方向にシフトする。
【0073】
図6は、像シフタ19aを駆動させることによりプレートP上における電子マスク14aのパターンの像がシフトした状態を示す図である。即ち、平行平面ガラス板20aをY軸まわりに回転させ、平行平面ガラス板21aをX軸まわりに回転させることにより、電子マスク14aに部分投影光学系PL1の視野領域に対応して設けられている台形領域である有効エリア140aのプレートP上における像がX方向及びY方向にシフト(実線で示す像が破線で示す像にシフト)する。
【0074】
図7は、部分投影光学系PL1の結像光学系K1の斜視図である。直角プリズムPrは、プリズム台30にピエゾ素子等のプリズム駆動部44を介して固定されており、プリズム駆動部44を駆動させることによりZ軸まわり(図中矢印a方向、またはその反対方向)に回転する。これによりプレートP上における電子マスク14aのパターンの像が回転する。
【0075】
図8は、直角プリズムPrを回転させることによりプレートP上における電子マスク14aのパターンの像が回転した状態を示す図である。即ち、直角プリズムPrをZ軸まわりに回転させることにより、電子マスク14aに部分投影光学系PL1の視野領域に対応して設けられている台形領域である有効エリア140aのプレートP上における像がZ軸まわりに回転(実線で示す像が破線で示す像に回転)する。
【0076】
図9は、倍率調整装置22aの外観図である。図9に示すように、倍率調整装置22aは、平凹レンズ23a、両凸レンズ24a、平凹レンズ25aの3枚のレンズから構成されている。倍率調整装置駆動部45(図15参照)により平凹レンズ23aと平凹レンズ25aとの間に位置する両凸レンズ24aをZ軸方向に移動させることにより、電子マスク14aの転写パターンの像の倍率調整を行う。
【0077】
投影光学系PLを構成する部分投影光学系PL1〜PL5は、像側テレセントリックに構成されており、部分投影光学系PL1〜PL5の瞳収差に基づく主光線と、部分投影光学系PL1〜PL5の光軸とがなす角度θ1がθ1≦100mradの条件を満たすように構成されている。従って、転写パターンの像を正確な位置に結像させることができる。なお、部分投影光学系PL1〜PL5の瞳収差に基づく主光線と部分投影光学系PL1〜PL5の光軸とがなす角度θ1はθ1≦50mradの条件を満たすことが好ましく、θ1≦30mradの条件を満たすことが更に好ましい。また、θ1≦20mradの条件を満たすことが最も好ましい。θ1が小さい値になればなるほど、プレートステージ、プレートホルダ等に高い設計精度を要求する必要がなくなり、また、各部分投影光学系の露光領域の継ぎも確実に行うことができ、プレートの全体において転写パターンの投影露光を良好に行うことができる。
【0078】
部分投影光学系PL1〜PL3と部分投影光学系PL4〜PL5の間には、プレートPに設けられているアライメントマークを検出する複数のアライメント系及びプレートPのZ軸方向における位置を検出する複数のプレート側AF検出系が内蔵されたアライメントユニットALUが設けられている。
【0079】
図10は、アライメントユニットALUの斜視図である。図10に示すように、アライメント系AL1〜AL4は、部分投影光学系PL1〜PL3と部分投影光学系PL4〜PL5との間において、非走査方向であるY軸方向に、4つ並べて配置されている。
【0080】
一方、プレートPには、図11に示すように、アライメント処理に用いられる複数のアライメントマークm1〜m4が設けられている。即ち、プレートステージPSTに載置されたプレートP上にはアライメント系AL1〜AL4に対応させてY軸方向に4つ並んだアライメントマークm1〜m4がX軸方向の6箇所に間隔をおいて形成されており、全部で24個のアライメントマークが形成されている。したがって、これら4つのアライメント系AL1〜AL4によりアライメントマークm1〜m4のそれぞれを同時に検出可能である。なお、図11ではアライメントマークは、黒丸のマークとして示されているが、例えば十字状のマークでもボックスマークでもよい。
【0081】
図10に示すように、アライメント系AL1〜AL4のX軸方向両側には、5つのプレート側AF検出系40a〜40eが設けられている。プレート側AF検出系40a〜40eは、プレートステージPSTに支持されたプレートPの露光面に直交する方向、すなわちZ軸方向における位置をそれぞれ検出する。
【0082】
図12は、アライメント系AL1の概略構成図である。なお、他のアライメント系AL2〜AL4も、アライメント系AL1と同等の構成である。図12に示すように、アライメント系AL1は、アライメント用検出光を射出するアライメント用光源50と、光源50から射出した検出光をリレーレンズ52に導く光ファイバからなるライトガイド51と、リレーレンズ52の光路下流側に設けられたハーフミラー53と、ハーフミラー53と検出対象であるプレートP(アライメントマークm1〜m4)との間に設けられているハーフミラー53を通過した検出光をプレートP上に照射する対物レンズ54と、検出光の照射によりプレートP(アライメントマークm1〜m4)で発生した反射光がハーフミラー53を介して導かれる偏向ミラー55と、偏向ミラー55からの反射光を分岐するビームスプリッタ56と、ビームスプリッタ56で分岐された2つの光束のうち一方の光束が入射する低倍率アライメント受光系57と、他方の光束が入射する高倍率アライメント受光系58とを備えている。
【0083】
低倍率アライメント受光系57は、低倍用レンズ系57Aと、低倍用撮像素子(CCD)57Bとを有しており、プレートP上の広い領域を所定の精度で計測可能である。高倍率アライメント受光系58は、高倍用レンズ系58Aと、高倍用撮像素子(CCD)58Bとを有しており、プレートPの狭い領域を高精度で計測可能である。これら低倍率アライメント受光系57と高倍率アライメント受光系58とは同軸に配置されている。そして、アライメント用検出光のプレートPに対する照射により発生した光(反射光)は、低倍率アライメント受光系57と高倍率アライメント受光系58とのそれぞれに受光される。
【0084】
低倍率アライメント受光系57は、アライメント用検出光により照射されたプレートPの広い領域からの光情報に基づいて、アライメントマークm1(m2〜m4)の位置情報をラフな精度で検出するサーチアライメント処理を行う。一方、高倍率アライメント受光系58は、アライメント用検出光により照射されたプレートPの狭い領域からの光情報に基づいて、アライメントマークm1(m2〜m4)の位置情報を高い精度で検出するファインアライメント処理を行う。低倍率アライメント受光系57及び高倍率アライメント受光系58のそれぞれは受光信号を制御装置27に出力し、制御装置27はアライメント受光系57、58それぞれの受光信号に基づいて画像処理を行い、マーク位置情報を求める。
【0085】
図13は、プレート側AF検出系40aを示す概略構成図である。なお、他のプレート側AF検出系40b〜40eは、プレート側AF検出系40aと同等の構成である。図13に示すように、プレート側AF検出系40aは、AF用検出光を射出するLEDからなるAF用光源61と、光源61から射出した検出光が入射される送光レンズ系62と、送光レンズ系62を通過した光を、検出対象であるプレートPに斜方向から導くミラー63と、ミラー63を介して照射された検出光に基づきプレートPで反射された反射光を受光レンズ系65に導くミラー64と、受光レンズ系65を通過した光を受光する撮像素子(CCD)66とを備えている。送光レンズ系62は、検出光を例えばスリット状に整形してからプレートPに照射する。ここで、図13に示すように、検出対象であるプレートPのZ軸方向における位置がΔZ変位すると、斜方向から照射されたスリット状の検出光は、撮像素子66におけるX軸方向における結像位置をΔX変位させる。撮像素子66の撮像信号は制御装置27に出力され、制御装置27は撮像素子66による撮像位置の基準位置に対する変位量ΔXに基づいて、プレートPのZ軸方向における変位量ΔZを求める。
【0086】
図1に戻って、プレートステージPSTの−X方向の端部には、Y軸方向に複数並んだAISマーク70(図11参照)を有する基準部材71が設けられている。AISマーク70のZ軸方向における形成位置(高さ)は、プレートPの表面(露光面)と略一致するように設定されている。また、基準部材71の下方には、空間像計測センサ(AIS)が設けられている。図14は、空間像計測センサ72の構成を示す図である。空間像計測センサ72は、プレートステージPST内に埋設されており、基準部材71を透過した光をレンズ系73を介して撮像素子74に導き検出する。
【0087】
この実施の形態における走査型投影露光装置においては、電子マスク14a〜14eの位置と、電子マスク14a〜14eにより生成される転写パターンの像がプレートP上に投影される位置の関係を空間像計測センサ72を用いて求める。即ち、電子マスク14a〜14eに表示した基準マークの像とAISマーク70が一致するようにプレートステージPSTを移動し、基準マークの像とAISマーク70とを空間像計測センサ72で検出し、この検出結果に基づいて電子マスク14a〜14eの位置と電子マスク14a〜14eにより生成される転写パターンの像がプレートP上に投影される位置、即ち電子マスク14a〜14eとプレートステージPSTとの相対位置を求める。なお、この場合に電子マスク14a〜14eに表示される基準マークは、マスクパターン記憶部28(図15参照)に記憶されているものであり、プレートステージPSTの位置は後述のレーザ干渉計により検出される。
【0088】
また、この実施の形態における走査型投影露光装置においては、アライメント系AL1〜AL4の位置とプレートステージPST位置の関係を空間像計測センサ72を用いて求める。即ち、プレートステージPSTを移動し、アライメント系AL1〜AL4の計測領域中心(具体的には計測領域に設けられている指標マーク)にAISマーク70を一致させ、このときのプレートステージPSTの位置をレーザ干渉計で検出する。この検出結果に基づいて、アライメント系AL1〜AL4の位置とプレートステージPST位置の関係を求める。
【0089】
この走査型投影露光装置には、プレートPが載置されているプレートステージ(基板ステージ)PSTを走査方向であるX軸方向に沿って移動させ、かつステップ方向であるY軸方向に沿って移動させるための長いストロークを有する走査駆動系(図15に示すプレートステージ駆動部29及びプレートステージ制御部30)、プレートステージPSTを走査直交方向であるY軸方向に沿って微小量だけ移動させると共にZ軸回りに微小量だけ回転させるための一対のアライメント駆動系(図示せず)が設けられている。そして、プレートステージPSTの位置座標が移動鏡26を用いたレーザ干渉計(図示せず)によって計測され、かつ位置制御されるように構成されている。
【0090】
図15は、この実施の形態にかかる走査型投影露光装置のシステム構成を示すブロック図である。各部分可変パターン生成装置10a〜10e、及び各部分投影光学系PL1〜PL5は、制御装置27に接続されている。部分投影光学系PL1には、クサビレンズ16aを駆動するクサビレンズ駆動部42、像シフタ19aを駆動する像シフタ駆動部43、直角プリズムPrを駆動する直角プリズム駆動部44、倍率調整装置22aを駆動する倍率調整装置駆動部45が設けられている。同様に、各部分投影光学系PL2〜PL5にも、クサビレンズを駆動するクサビレンズ駆動部、像シフタを駆動する像シフタ駆動部、直角プリズムを駆動する直角プリズム駆動部、倍率調整装置を駆動する倍率調整装置駆動部が設けられている。
【0091】
また、制御装置27には、部分可変パターン生成装置10a〜10eにおいて生成する転写パターン及び電子マスク14a〜14eに表示する基準マークを記憶するマスクパターン記憶部28、プレートステージPSTを走査方向に移動させるプレートステージ駆動部29を制御するプレートステージ制御部30が接続されている。また、制御装置27には、アライメント系AL1〜AL4、プレート側AF検出系40b〜40e、空間像計測センサ72が接続されている。
【0092】
図16は、この実施の形態にかかる走査型投影露光装置のプレートP上における部分投影光学系PL1〜PL5のそれぞれによる投影領域48a〜48eを示す平面図である。各投影領域48a〜48eは、各部分投影光学系PL1〜PL5の視野領域に対応して所定の形状に設定されており、この実施の形態においては台形形状を有している。投影領域48a、48b、48cと投影領域48d、48eとはX軸方向に対向して配置されている。さらに、投影領域48a〜48eのそれぞれは隣り合う投影領域の端部(境界部)どうし(48aと48d、48dと48b、48bと48e、48eと48c)が二点鎖線で示すように、Y軸方向に重ね合わせるように並列配置され、X軸方向における投影領域の幅の総計がほぼ等しくなるように設定されている。すなわち、X軸方向に走査露光したときの露光量が等しくなるように設定されている。
【0093】
このように、投影領域48a〜48eのそれぞれが重ね合わせられる継ぎ部により、継ぎ部における光学収差の変化や照度変化が滑らかになる。なお、この実施の形態の投影領域48a〜48eの形状は台形であるが、六角形や菱形、あるいは平行四辺形であっても構わない。
【0094】
この実施の形態にかかる走査型投影露光装置においては、各部分投影光学系PL1〜PL5のプレート側の開口数N.A.iが、
0.04≦N.A.i≦0.4
の条件を満たすように構成されている。各部分投影光学系PL1〜PL5のプレート側の開口数N.A.iを0.04よりも大きくすることにより実用的な分解能を確保することができ、開口数N.A.iを0.4よりも小さくすることにより投影光学系の製造を容易に行うことができる。
【0095】
また、プレートPに形成された転写パターンの像の明部の照度Eiが、
Ei≧20mW/cm2
の条件を満たすように構成されている。従って、実用的なスループットを確保することができる。また、プレートP上の照度むらが6%以下となるように構成されている。ここで、プレートP上の照度の基準値に対する照度むらI(%)は、プレートP上の照度の最大値をImax(W)、プレートP上の照度の最小値をImin(W)とすると、次の数式により定義される。
I={(Imax−Imin)/(Imax+Imin)}×100(%)
従って、実用的な露光装置に要求される解像度や線幅均一性を確保することができる。
【0096】
更に、プレートP上に転写パターンの像を投影する光束の中心線とプレートの法線とのなす角度θ2が、
θ2≦20mrad
の条件を満たすように構成されている。従って、ディストーションの発生を防止することができ、転写パターンの像を正確に投影露光することができる。
【0097】
この実施の形態にかかる走査型投影露光装置においては、まず、電子マスク14a〜14eの位置と、電子マスク14a〜14eにより生成される転写パターンの像がプレートP上に投影される位置の関係を空間像計測センサ72を用いて求める。この計測の際に、電子マスク14aに表示した基準マークがAISマーク70と一致するように、制御装置27から投影光学系PL1のクサビレンズ駆動部42に制御信号を出力し、クサビレンズ16aを駆動して、投影光学系PL1のZ方向の結像位置の調整を行う。また、制御装置27から投影光学系PL1の像シフタ駆動部43に制御信号を出力し、像シフタ19aを駆動して、投影像をX軸方向、Y軸方向にシフトさせて結像位置の調整を行う。また、制御装置27から投影光学系PL1のプリズム駆動部44に制御信号を出力し、直角プリズムPrを駆動して、投影像を回転させて投影像の回転位置の調整を行う。更に、制御装置27から投影光学系PL1の倍率調整装置駆動部45に制御信号を出力し、部分投影光学系PL1の倍率調整を行う。
【0098】
同様に、制御装置27から部分投影光学系PL2〜PL5に対して制御信号の出力を行い、部分投影光学系PL2〜PL5のZ方向の結像位置の調整、部分投影光学系PL2〜PL5の投影像のX軸方向、Y軸方向の位置の調整、部分投影光学系PL2〜PL5の投影像の回転位置の調整、部分投影光学系PL2〜PL5の倍率の調整を行う。この調整を各部分投影光学系PL1〜PL5において行うことにより、各部分投影光学系PL1〜PL5において、他の部分投影光学系との関係を考慮した光学特性の調整を行うことができる。また、部分投影光学系PL1〜PL5の相対的な位置合わせを行うことができる。
【0099】
次に、上述のようにしてアライメント系AL1〜AL4の位置とプレートステージPST位置の関係を空間像計測センサ72を用いて求める。そして、プレートステージPST上にプレートPを搬送してアライメント系AL1〜AL4によりプレートPに形成されているアライメントマークm1〜m4の検出を行い、プレートPのX軸方向、Y軸方向の位置、及び回転位置の補正を行い露光を開始する。即ち、各部分可変パターン生成装置10a〜10e及び部分投影光学系PL1〜PL5に対してプレートPを相対的に移動させつつ、プレートPの走査に同期して各部分可変パターン生成装置10a〜10eの透過型液晶表示素子14a〜14eにおいて転写パターンを生成し、各部分投影光学系PL1〜PL5は、生成された転写パターンの像を感光性材料(レジスト)が塗布された感光性基板としてのプレートP上に転写する。
【0100】
なお、露光を行っている間においても、アライメント系AL1〜AL4によりアライメントマークm1〜m4の検出を行いプレートPのゆがみ、たわみ等の検出を行う。したがって、制御装置27は、各部分投影光学系PL1〜PL5に対して制御信号の出力を行い、各部分投影光学系PL1〜PL5のZ方向の結像位置の調整、部分投影光学系PL1〜PL5の投影像のX軸方向、Y軸方向の位置の調整、部分投影光学系PL1〜PL5の投影像の回転位置の調整、部分投影光学系PL1〜PL5の倍率の調整を行う。また、プレート側AF検出系40a〜40eのそれぞれの検出結果は制御装置27に出力され、制御装置27はプレート側AF検出系40a〜40eの検出結果に基づいて、プレートPのZ軸方向における位置を求める。更に、プレート側AF検出系40a〜40eはX軸方向及びY軸方向のそれぞれにおいて2次元的に配置されているので、制御装置27は複数のプレート側AF検出系40a〜40eの検出結果に基づいて、プレートPのX軸まわり方向及びY軸まわり方向における姿勢を求めることができる。制御装置27は、求めたZ軸方向における位置、及びX軸、Y軸まわり方向における姿勢に基づいて、プレートステージ制御部30を介してプレートステージ駆動部29を駆動し、プレートPのZ軸方向における位置の調整、及びX軸、Y軸まわり方向における姿勢の調整、すなわちレベリング調整を行う。
【0101】
こうして、複数の部分投影光学系PL1〜PL5からなる投影光学系PLに対してプレートPを走査方向(X軸方向)に沿って移動させることによって、転写パターンの全体がプレートP上の露光領域の全体に転写(走査露光)される。
【0102】
この実施の形態にかかる走査型投影露光装置によれば、基板ステージの走査に同期して可変パターン生成装置において生成される転写パターンを変化させることができるため、所望のパターンを容易に生成することができる。また、物体パターンであるマスク使用時に必要であったマスクステージを備える必要がなく、露光装置のコストダウン及び小型化を可能とする。また、この走査型投影露光装置によれば、投影光学系が転写パターンの像の調整を行う調整機構を備えているため、可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像を正確に投影露光することができる。
【0103】
また、投影光学系が瞳収差に基づく主光線と投影光学系の光軸とのなす角度が100mrad以下の像側テレセントリックに構成されているため、投影光学系により投影される転写パターンの像を正確な位置に結像させることができ、転写パターンの投影露光を良好に行なうことができる。
【0104】
また、非発光型画像表示素子が透過型液晶表示素子を備え、光源からの照明光の波長λが350nm≦λ≦600nmの条件を満たす。即ち、光源からの照明光の波長を350nmより長波長にすることにより、照明光が容易に非発光型画像表示素子を透過することができ、光源からの照明光の波長を600nmより、短波長にすることにより高分解能を実現することができる。
【0105】
また、可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像の倍率、像の位置、像の回転位置、フォーカス位置の少なくとも一つを調整する調整機構を備えているため、可変パターン生成装置において生成される転写パターンの像を感光性基板上に正確に形成することができ、微細な転写パターンの投影露光を良好に行なうことができる。
【0106】
次に、図面を参照して、この発明の第2の実施の形態の説明を行なう。図17は、この実施の形態にかかる走査型投影露光装置の全体の概略構成を示す斜視図である。なお、第1の実施の形態にかかる走査型投影露光装置の部材と同一の構成を示す部材には、第1の実施の形態の説明で用いたものと同一の符号を付して説明を行なう。
【0107】
この実施の形態にかかる走査型投影露光装置は、複数(図17では合計で5つ)の部分可変パターン生成装置10a〜10eからなる可変パターン生成装置を備えている。なお、部分可変パターン生成装置10a〜10eは、Y軸方向に沿って1列に露光領域1つ分ずつ間隔をあけて配列されている。各部分可変パターン生成装置10a〜10eからの光は、各部分可変パターン生成装置10a〜10eに対応してY軸方向に沿って1列に露光領域1つ分ずつ間隔をあけて配列された複数(図17では合計で5つ)の部分投影光学系PL1〜PL5からなる投影光学系に入射する。各部分投影光学系PL1〜PL5をそれぞれ射出した光は、プレート(基板)P上において対応する露光領域に転写パターンの像を形成する。
【0108】
この走査型投影露光装置では、プレートPが載置されているプレートステージ(基板ステージ、図示せず)をプレートPの一端P1から他端P2まで走査方向であるX軸方向に移動させながら露光を行なう。図18は、プレートPの一端P1から他端P2まで露光を行なった状態を示す図である。図18に示すように、aは部分投影光学系PL1により投影露光された領域、bは部分投影光学系PL2により投影露光された領域、cは部分投影光学系PL3により投影露光された領域、dは部分投影光学系PL4により投影露光された領域、eは部分投影光学系PL5により投影露光された領域である。
【0109】
次に、プレートステージを+Y軸方向に露光領域1つ分移動させ、プレートPをプレートPの他端P2から一端P1までX軸方向に移動させながら露光を行なう。即ち、往復走査させることによりプレートPの全体に対して転写パターンの露光を行なう。
【0110】
この実施の形態にかかる走査型投影露光装置においては、各部分投影光学系PL1〜PL5は、瞳収差に基づく主光線と各部分投影光学系PL1〜PL5の光軸とがなす角度θ1が、
θ1≦100mrad
の条件を満たす像側テレセントリックに構成されている。なお、部分投影光学系PL1〜PL5の瞳収差に基づく主光線と部分投影光学系PL1〜PL5の光軸とがなす角度θ1はθ1≦50mradの条件を満たすことが好ましく、θ1≦30mradの条件を満たすことが更に好ましい。また、θ1≦20mradの条件を満たすことが最も好ましい。θ1が小さい値になればなるほど、プレートステージ、プレートホルダ等に高い設計精度を要求する必要がなくなり、また、各部分投影光学系の露光領域の継ぎも確実に行うことができ、プレートの全体において転写パターンの投影露光を良好に行うことができる。
【0111】
また、各部分投影光学系PL1〜PL5のプレート側の開口数N.A.iが、
0.04≦N.A.i≦0.4
の条件を満たすように構成されている。各部分投影光学系PL1〜PL5のプレート側の開口数N.A.iを0.04よりも大きくすることにより実用的な分解能を確保することができ、開口数N.A.iを0.4よりも小さくすることにより投影光学系の製造を容易に行うことができる。
【0112】
また、プレートPに形成された転写パターンの像の明部の照度Eiが、
Ei≧20mW/cm2
の条件を満たすように構成されている。従って、実用的なスループットを確保することができる。また、プレートP上の照度むらが6%以下となるように構成されている。従って、実用的な露光装置に要求される解像度や線幅均一性を確保することができる。
【0113】
更に、プレートP上に転写パターンの像を投影する光束の中心線とプレートの法線とのなす角度θ2が、
θ2≦20mrad
の条件を満たすように構成されている。従って、ディストーションの発生を防止することができ、転写パターンの像を正確に投影露光することができる。
【0114】
この第2の実施の形態にかかる走査型投影露光装置によれば、基板ステージの走査に同期して可変パターン生成装置において生成される転写パターンを変化させることができるため、所望のパターンを容易に生成することができる。また、物体パターンであるマスク使用時に必要であったマスクステージを備える必要がなく、露光装置のコストダウン及び小型化を可能とする。また、この走査型投影露光装置によれば、投影光学系が転写パターンの像の調整を行う調整機構を備えているため、可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像を正確に投影露光することができる。
【0115】
また、投影光学系が瞳収差に基づく主光線と投影光学系の光軸とのなす角度が100mrad以下の像側テレセントリックに構成されているため、投影光学系により投影される転写パターンの像を正確な位置に結像させることができ、転写パターンの投影露光を良好に行なうことができる。
【0116】
また、各部分可変パターン生成装置及びそれに対応する各部分投影光学系を1列に配列されているため、プレートのスキャン長を短くすることができる。また、プレートアライメント系、オートフォーカス系を容易に設置することができる。
【0117】
次に、図面を参照して、この発明の第3の実施の形態の説明を行なう。この第3の実施の形態にかかる走査型投影露光装置の構成は、部分可変パターン生成装置及び部分投影光学系の構成以外の部分においては、第1の実施の形態にかかる走査型投影露光装置と同一である。即ち、第1の実施の形態にかかる部分可変パターン生成装置10a〜10eに代えて、部分可変パターン生成装置100a及び部分可変パターン生成装置100aと同一の構成を有する4つの部分可変パターン生成装置を備え、部分投影光学系PL1〜PL5に代えて、部分投影光学系PL10及び部分投影光学系PL10と同一の構成を有する4つの部分投影光学系を備えている。なお、第1の実施の形態にかかる走査型投影露光装置の部材と同一の構成を示す部材には、第1の実施の形態の説明で用いたものと同一の符号を付して説明を行なう。
【0118】
図19は、この実施の形態にかかる走査型投影露光装置の部分可変パターン生成装置100a及びそれに対応して設けられている部分投影光学系PL10の構成を示す図である。部分可変パターン生成装置100aは、光源99、シャッタ100、照度調光ウエッジ102、コリメートレンズ104、フライアイインテグレータ106、コンデンサレンズ108、及び非発光型画像表示素子である電子マスク109を備えて構成されている。なお、各電子マスク109には、微少反射ミラー素子アレイであるDMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)を用いている。光源99からの照明光の波長λは、190nm≦λ≦550nmの条件を満たす波長である。光源からの照明光の波長を190nmより長波長にすることにより、照明光がDMDにより確実に反射され、光源からの照明光の波長を550nmより短波長にすることにより高分解能を実現することができる。
【0119】
また、照度調光ウエッジ102は、部分投影光学系PL10を介してプレートPに到達する光の照度を他の部分投影光学系を介してプレートPに到達する光の照度と一致させるように調整(調光)するための機構(調光手段)であり、線形的に透過濃度が変化するように微小パターンが配置されており、光の透過する位置を変更することより照度を調整することができる。
【0120】
部分可変パターン生成装置100a及び他の4つの部分可変パターン生成装置からの光は、部分可変パターン生成装置100a及び他の4つの部分可変パターン生成装置に対応して設けられた部分投影光学系PL10及び他の4つの部分投影光学系からなる投影光学系PLに入射する。図19に示すように、部分投影光学系PL10は、部分可変パターン生成装置100aからの光に基づいて転写パターンの像を形成する結像光学系K10を備えて構成されている。結像光学系K10は、正の屈折力を有する屈折光学系G1P、凹面反射鏡M1、及びミラー110を備えており、全体として反射屈折光学系を構成している。
【0121】
部分可変パターン生成装置100aからの光は、屈折光学系G1Pを介して、凹面反射鏡M1に達する。凹面反射鏡M1により反射された光は、再び屈折光学系G1Pを介して、ミラー110により反射されて、像シフタ19aを介して、倍率調整装置22aを介して、プレートP上において対応する露光領域に転写パターンの像を形成する。なお、像シフタ19a及び倍率調整装置22aの構成は、第1に実施の形態にかかる像シフタ19a及び倍率調整装置22aの構成と同一であり、投影像のX方向の位置、Y方向の位置の調整が可能であり、部分投影光学系PL10及び他の4つの部分投影光学系の倍率の調整が可能である。
【0122】
また、ミラー110を光軸に沿って回転させることにより部分投影光学系PL10により投影される像の回転位置の調整を行なう。なお、ミラーは、部分投影光学系PL10と同様に、他の4つの部分投影光学系のそれぞれに対応して設けられている。
【0123】
なお、プレートPを載置しているプレートステージPST上には、照度センサ(図示せず、計測系)が配置されている。ここで、照度センサ(計測系)は、各部分投影光学系によりプレートP上に投影された複数の転写パターンの像のオーバーラップ領域の照度を計測し、計測結果を制御装置に送信する。制御装置は、投影光学系PL10及び他の4つの部分投影光学系を介してプレートPに到達する照度を一致させるために、照度センサにより計測された計測結果に基づいて、調光ウエッジ102により調光を行なう。
【0124】
この実施の形態にかかる走査型投影露光装置においては、各部分投影光学系は、瞳収差に基づく主光線と各部分投影光学系の光軸とがなす角度θ1が、
θ1≦100mrad
の条件を満たす像側テレセントリックに構成されている。なお、部分投影光学系の瞳収差に基づく主光線と部分投影光学系の光軸とがなす角度θ1はθ1≦50mradの条件を満たすことが好ましく、θ1≦30mradの条件を満たすことが更に好ましい。また、θ1≦20mradの条件を満たすことが最も好ましい。θ1が小さい値になればなるほど、プレートステージ、プレートホルダ等に高い設計精度を要求する必要がなくなり、また、各部分投影光学系の露光領域の継ぎも確実に行うことができ、プレートの全体において転写パターンの投影露光を良好に行うことができる。
【0125】
また、各部分投影光学系のプレート側の開口数N.A.iが、
0.04≦N.A.i≦0.4
の条件を満たすように構成されている。
【0126】
また、プレートPに形成された転写パターンの像の明部の照度Eiが、
Ei≧20mW/cm2
の条件を満たすように構成されている。
【0127】
また、プレートP上の照度むらが6%以下となるように構成されている。更に、プレートP上に転写パターンの像を投影する光束の中心線とプレートの法線とのなす角度θ2が、
θ2≦20mrad
の条件を満たすように構成されている。
【0128】
この第3の実施の形態にかかる走査型投影露光装置によれば、基板ステージの走査に同期して可変パターン生成装置において生成される転写パターンを変化させることができるため、所望のパターンを容易に生成することができる。また、物体パターンであるマスク使用時に必要であったマスクステージを備える必要がなく、露光装置のコストダウン及び小型化を可能とする。また、この走査型投影露光装置によれば、投影光学系が転写パターンの像の調整を行う調整機構を備えているため、可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像を正確に投影露光することができる。
【0129】
また、投影光学系が瞳収差に基づく主光線と投影光学系の光軸とのなす角度が100mrad以下の像側テレセントリックに構成されているため、投影光学系により投影される転写パターンの像を正確な位置に結像させることができ、転写パターンの投影露光を良好に行なうことができる。
【0130】
次に、図面を参照して、この発明の第4の実施の形態の説明を行なう。図20は、この実施の形態にかかる走査型投影露光装置の全体の概略構成を示す斜視図である。以下の説明においては、図20中に示したXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。XYZ直交座標系は、X軸及びY軸がプレートPに対して平行となるよう設定され、Z軸がプレートPに対して直交する方向に設定されている。図中のXYZ座標系は、実際にはXY平面が水平面に平行な面に設定され、Z軸が鉛直上方向に設定される。また、この実施の形態ではプレートPを移動させる方向(走査方向)をX軸方向に設定している。
【0131】
この実施の形態においては、複数の投影光学ユニット200を備え、複数の投影光学ユニット200に対してプレートPを相対的に移動させつつ液晶表示素子のパターン等の転写パターンの像を感光性材料(レジスト)が塗布された感光性基板としてのプレートP上に転写するステップ・アンド・スキャン方式の露光装置を例に挙げて説明する。
【0132】
図21は、この実施の形態にかかる走査型投影露光装置に備えられている投影光学ユニット200の概略構成を示す図である。図21に示すように、各投影光学ユニット200は、円筒形状を有する鏡筒80を有し、鏡筒80の上部に転写パターンを形成する可変パターン生成装置(部分可変パターン生成装置)81を備えると共に、鏡筒80内に可変パターン生成装置81により形成された転写パターンをプレートステージ(図示せず)上に保持されたプレートP上に投影する投影光学系(部分投影光学系)PLを備えている。ここで投影光学系PLは、投影光学系PLのイメージサークル径をφ1、瞳径をφ2としたとき、
0.5≦φ1/φ2≦4
の条件を満足することが望ましい。この投影光学系PLは縮小倍率を有する。なお、投影光学系PLの倍率は等倍であってもよい。
【0133】
可変パターン生成装置81は、プレートP上に転写する転写パターンに基づいて発光パターンを形成する自発光型画像表示素子により構成されている。ここで自発光型画像表示素子の光射出方向は、投影光学系PLの瞳収差に基づいて、例えば、瞳収差に基づく主光線の傾きの方向に一致するように設定されている。
【0134】
また、各投影光学ユニット200は、投射部AF1及び検出部AF2を有する斜入射オートフォーカス系を備えている。斜入射オートフォーカス系は、投射部AF1からの投射光がプレートPの表面で反射される際に、検出部AF2において受光される光の位置を検出することにより、投影光学系PLの像面(露光面)とプレートPの表面との合焦状態を光電的に検出する。更に、各投影光学ユニット200は、投影光学ユニット200を投影光学系PLの光軸方向(Z方向)に移動させるためのユニット駆動部82を備えている。
【0135】
図22は、各投影光学ユニット200の配置状態を説明するための図である。投影光学ユニット200は、第1列目(図22における最も手前の列)にY方向に等間隔で7個配置されており、第2列目〜第5列目にY方向に等間隔で各6個配置されており、第6列目にY方向に等間隔で7個配置されている。ここで各投影光学ユニット200は、露光エリア83がY方向に隣り合う他の何れかの投影光学ユニット200の露光エリア83と重なるように、即ちオーバラップ露光が行えるように配置されている。
【0136】
各投影光学ユニット200の可変パターン生成装置81において生成された転写パターンは、各投影光学ユニット200の投影光学系PLによりプレートP上に投影され転写パターンの像が形成される。
【0137】
また、この露光装置には、プレートステージを走査方向であるX軸方向に沿って移動させるための長いストロークを有する走査駆動系(図23に示すプレートステージ駆動部86及びプレートステージ制御部87)、プレートステージを走査直交方向であるY軸方向に沿って微小量だけ移動させると共にZ軸廻りに微小量だけ回転させるための一対のアライメント駆動系(図示せず)が設けられている。そして、プレートステージの位置座標が移動鏡88を用いたレーザ干渉計(図示せず)によって計測され、かつ位置制御されるように構成されている。
【0138】
図23は、この実施の形態にかかる露光装置のシステム構成を示すブロック図である。各投影光学ユニット200は、制御装置84に接続されている。また、制御装置84には、各投影光学ユニット200の可変パターン生成装置81において生成する転写パターンを記憶するマスクパターン記憶部85、プレートステージを走査方向に移動させるプレートステージ駆動部86を制御するプレートステージ制御部87が接続されている。
【0139】
制御装置84は、プレートステージの走査に同期して、各投影光学ユニット200の可変パターン生成装置81において生成する転写パターンを各投影光学ユニット200の可変パターン生成装置81に対して順次出力する。また、制御装置84は、各投影光学ユニット200の斜入射オートフォーカス系において検出されたプレートP表面の位置に基づいて、各投影光学ユニット200を光軸(Z方向)に沿って移動させるための制御信号を各投影光学ユニット200のユニット駆動部82に対して順次出力する。
【0140】
この露光装置においては、各投影光学ユニット200に対してプレートPを相対的に移動させつつ、プレートPの走査に同期して各投影光学ユニット200の可変パターン生成装置81において液晶表示素子のパターン等の転写パターンを順次生成し、各投影光学ユニット200は、生成された転写パターンの像を感光性材料(レジスト)が塗布された感光性基板としてのプレートP上に順次転写する。ここで、各投影光学ユニット200は、斜入射オートフォーカス系により検出されたプレートPの面の位置に基づいて、ユニット駆動部82により投影光学ユニット200の全体を光軸方向(Z方向)に移動させることにより、投影光学系PLの結像位置をプレートPの面の位置に合致させつつ転写パターンの像をプレートP上に転写する。即ち、各投影光学ユニット200は、プレートPのたわみ、うねりに影響されることなく、投影光学系PLの結像位置をプレートPの表面の位置に合致させることができる。こうして、マスクパターン記憶部85に記憶されている転写パターンの全体がプレートP上の露光領域の全体に転写(走査露光)される。
【0141】
なお、合致方法については、ユニット駆動部82により投影光学ユニット200を動かす方法以外にも投影光学系内の一部のレンズと光軸方法に動かす方法でもよい。
【0142】
また、この実施の形態においては、可変パターン生成装置81が自発光型画像表示素子を備える場合について説明を行なったが、可変パターン生成装置81が光源と、この光源からの照明光の光路中に配置される非発光型画像表示素子を備えるようにしてもよい。なお、このとき透過型液晶表示素子を備えた非発光型画像表示素子を用いた場合においては、光源からの照明光の波長λは、
350nm≦λ≦600nm
の条件を満足することが望ましい。
【0143】
また、微小反射ミラー素子アレイを備えた非発光型画像表示素子を用いた場合においては、光源からの照明光の波長λは、
190nm≦λ≦550nm
の条件を満足することが望ましい。
【0144】
この第4の実施の形態にかかる走査型投影露光装置によれば、各部分投影光学系のイメージサークル径をφ1、瞳径をφ2とした場合に0.5≦φ1/φ2の条件を満足することによりレンズの外形に対するフィールドのサイズが小さくなりすぎることを防止でき、走査幅を確保するために部分可変パターン生成装置及び部分投影光学系の数を増大させることなく露光装置を小型化することができる。また、φ1/φ2≦4の条件を満足することにより温度変化等による像面湾曲等の軸外収差の発生を防止できる。従って、可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像を正確に投影露光することができる。
【0145】
なお、上述の第1及び第2の実施の形態においては、像位置の回転誤差を直角プリズムPrをZ軸まわりに回転させることにより調整し、第3の実施の形態においては、ミラーをZ軸まわりに回転させることにより調整したが、電子マスク自体を回転させることにより像位置の回転誤差を調整してもよい。この場合においては、電子マスクを固定しているマスクホルダ(図示せず)が微動するための駆動系を備え、その駆動系によりマスクホルダを微動させることにより電子マスクを回転させる。
【0146】
また、上述の第1乃至第3の実施の形態にかかる走査型投影露光装置においては、それぞれの部分可変パターン生成装置が光源を備えて構成されている。しかしながら、部分可変パターン生成装置外に1つの光源を備え、その光源からの光を所定の露光波長を選択する波長選択フィルタ及びリレー光学系を介して、複数(この実施の形態においては5つ)の射出口を備えたライトガイドファイバに入射させ、ライトガイドファイバのそれぞれの射出口より射出される光を、コリメートレンズ、フライアイレンズ等のオプティカルインテグレータ及びコンデンサレンズを介して、それぞれの部分可変パターン生成装置に入射させるようにしてもよい。
【0147】
また、上述の第1乃至第3の実施の形態においては、部分可変パターン生成装置に非発光型画像表示素子を備えているが、自発光型表示素子を備えるようにしてもよい。この場合には、自発光型画像表示素子の光射出方向を、部分投影光学系の瞳収差に基づいて、例えば、瞳収差に基づく、主光線の傾きの方向に一致するように設定する。
【0148】
また、上述の実施の形態においては、電子マスクの各素子をオンオフすることにより転写パターンを形成しているが、電子マスクの各素子をオンオフすることに加え各素子の中間調を用いて転写パターンを形成してもよい。電子マスクとして透過型液晶マスクを用いる場合には、電子マスクの各素子を中間調で駆動することにより、電子マスク面を照明する照明光が不均一であった場合においても実質的に均一な露光光とすることができる。従って、照明光学系のムラまたは経年劣化により生じる照明光の不均一性を補正することが可能となる。
【0149】
また、この実施の形態において、電子マスクとしてDMD等の反射型素子を用いている場合には、電子マスク面を照明する照明光が斜入射であることから、ビームスプリッタ等を用いることなく電子マスク面を均一に照明するためには、複雑な照明光学系を構成する必要がある。しかしながら、この場合においても、電子マスクの各素子を中間調で駆動することにより簡単な照明光学系を構成することが可能となり、コストを低減することができる。また、各素子の中間調を用いることにより、通常の露光より露光量を少なくした所謂ハーフドーズ露光を任意の場所で容易に行なうことができる。
【0150】
また、上述の実施の形態にかかる露光装置において、プレートステージPST上に、プレートPの露光面とほぼ同じ高さのディテクタを配設しても良い。ディテクタは、プレートP上の露光光の光量に関する情報(照度)を検出する照度センサであってCCDセンサにより構成されており、プレートP上の各部分投影光学系のそれぞれに対応する位置の露光光の照度を検出し、検出した検出信号を制御装置へ出力する。
【0151】
また、上述の第1及び第2の実施の形態においては、露光装置が光源とこの光源からの照明光の光路中に設置された非発光型画像表示素子である透過型液晶表示素子を備える可変パターン生成装置を備えているが、透過型液晶表示素子に代えて、以下に説明する非発光型画像表示素子を用いても良い。ここで非発光型画像表示素子とは、空間光変調器(SLM : Spatial Light Modulator)とも呼ばれ、光の振幅、位相あるいは偏光の状態を空間的に変調する素子であり、透過型空間光変調器としては、上述の透過型液晶表示素子(LCD : Liquid Crystal Display)以外に、エレクトロクロミックディスプレイ(ECD)等が例として挙げられる。また、反射型空間光変調器としては、DMD(Deformable Micro−mirror Device、またはDigital Micro−mirror Device)、反射ミラーアレイ、反射型液晶表示素子、電気泳動ディスプレイ(EPD : ElectroPhoretic Display)、電子ペーパー(または電子インク)、光回折型ライトバルブ(Grating Light Valve)等が例として挙げられる。
【0152】
また、光源とこの光源からの照明光の光路中に設置された非発光型画像表示素子を備える可変パターン生成装置に代えて、自発光型画像表示素子を備える可変パターン生成装置を備えるようにしてもよい。ここで自発光型画像表示素子としては、例えば、CRT(Cathode ray tube)、無機ELディスプレイ、有機ELディスプレイ(OLED : Organic Light Emitting Diode)、LEDディスプレイ、LDディスプレイ、電界放出ディスプレイ(FED : Field Emission Display)、プラズマディスプレイ(PDP : Plasma Display Panel)等が挙げられる。また、可変パターン生成装置が備える自発光型画像表示素子として、複数の発光点を有する固体光源チップ、チップを複数個アレイ状に配列した固体光源チップアレイ、または複数の発光点を1枚の基板に作り込んだタイプのもの等を用い、該固体光源チップを電気的に制御してパターンを形成してもよい。なお、固体光源素子は、無機、有機を問わない。
【0153】
次に、この発明の実施の形態による露光装置をリソグラフィ工程で使用したマイクロデバイスの製造方法について説明する。図24は、マイクロデバイスとしての半導体デバイスの製造方法を説明するためのフローチャートである。まず、図24のステップS40において、1ロットのウエハ(プレート)上に金属膜が蒸着される。次のステップS42において、その1ロットのウエハ(プレート)上の金属膜上にフォトレジストが塗布される。その後、ステップS44において、この発明の実施の形態にかかる露光装置を用いて、可変パターン生成装置において生成された転写パターンの像がその投影光学系(複数の部分投影光学系)を介して、その1ロットのウエハ(プレート)上の各ショット領域に順次露光転写される。即ち、可変パターン生成装置において生成された転写パターンの像が光学特性の調整を行った投影光学系により感光性基板上に投影され露光転写される。その後、ステップS46において、その1ロットのウエハ(プレート)上のフォトレジストの現像が行われた後、ステップS48において、その1ロットのウエハ(プレート)上でレジストパターンをマスクとしてエッチングを行うことによって、可変パターン生成装置において生成された転写パターンに対応する回路パターンが、各ウエハ(プレート)上の各ショット領域に形成される。その後、更に上のレイヤの回路パターンの形成等を行うことによって、半導体素子等のデバイスが製造される。従って、可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像を正確に投影露光することができ、微細な転写パターンの投影露光を良好に行なうことができる。また、投影光学系の光学特性を調整することにより転写パターンの像を調整するため、可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像を正確に投影露光することができ、微細な転写パターンの投影露光を良好に行なうことができる。
【0154】
また、この発明の実施の形態にかかる露光装置では、プレート(ガラス基板)上に所定のパターン(回路パターン、電極パターン等)を形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得ることもできる。図25は、この実施の形態の露光装置を用いてプレート上に所定のパターンを形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を製造する方法を説明するためのフローチャートである。
【0155】
図25のパターン形成工程S50では、この実施の形態の露光装置を用いて、可変パターン生成装置において生成された転写パターンを感光性基板(レジストが塗布されたガラス基板等)に転写露光する、所謂光リソグラフィ工程が実行される。この光リソグラフィ工程によって、感光性基板上には多数の電極等を含む所定パターンが形成される。その後、露光された基板は、現像工程、エッチング工程、レジスト剥離工程等の各工程を経ることによって、基板上に所定のパターンが形成され、次のカラーフィルタ形成工程S52へ移行する。
【0156】
次に、カラーフィルタ形成工程S52では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応した3つのドットの組がマトリックス状に多数配列されたり、又はR、G、Bの3本のストライプのフィルタの組を複数水平走査線方向に配列したカラーフィルタを形成する。そして、カラーフィルタ形成工程S52の後に、セル組み立て工程S54が実行される。セル組み立て工程S54では、パターン形成工程S50にて得られた所定パターンを有する基板、及びカラーフィルタ形成工程S52にて得られたカラーフィルタ等を用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。
【0157】
セル組み立て工程S54では、例えば、パターン形成工程S50にて得られた所定パターンを有する基板とカラーフィルタ形成工程S52にて得られたカラーフィルタとの間に液晶を注入して、液晶パネル(液晶セル)を製造する。その後、モジュール組立工程S56にて、組み立てられた液晶パネル(液晶セル)の表示動作を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付けて液晶表示素子として完成させる。従って、このマイクロデバイスの製造方法のパターン形成工程においては、可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像を正確に投影露光することができ、微細な転写パターンの投影露光を良好に行なうことができる。また、投影光学系の光学特性を調整することにより転写パターンの像を調整するため、可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像を正確に投影露光することができ、微細な転写パターンの投影露光を良好に行なうことができる。
【0158】
【発明の効果】
この発明の走査型投影露光装置によれば、基板ステージの走査に同期して可変パターン生成装置において生成される転写パターンを変化させることができるため、所望のパターンを容易に生成することができる。また、物体パターンであるマスク使用時に必要であったマスクステージを備える必要がなく、露光装置のコストダウン及び小型化を可能とする。また、この走査型投影露光装置によれば、投影光学系が転写パターンの像の調整を行う調整機構を備えているため、可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像を正確に投影露光することができる。
【0159】
また、この発明の走査型投影露光装置によれば、投影光学系が瞳収差に基づく主光線と投影光学系の光軸とのなす角度が100mrad以下の像側テレセントリックに構成されているため、投影光学系により投影される転写パターンの像を正確な位置に結像させることができ、転写パターンの投影露光を良好に行なうことができる。
【0160】
また、この発明の走査型投影露光装置によれば、基板位置計測手段により計測された感光性基板の位置に基づいて転写パターンの像の調整を行う調整機構を備えているため、感光性基板にゆがみ等が生じている場合においても、可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像を正確な位置に投影露光することができる。
【0161】
また、この発明の走査型投影露光装置によれば、各部分投影光学系のイメージサークル径をφ1、瞳径をφ2とした場合に0.5≦φ1/φ2の条件を満足することによりレンズの外形に対するフィールドのサイズが小さくなりすぎることを防止でき、走査幅を確保するために部分可変パターン生成装置及び部分投影光学系の数を増大させることなく露光装置を小型化することができる。また、φ1/φ2≦4の条件を満足することにより温度変化等による像面湾曲等の軸外収差の発生を防止できる。従って、可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像を正確に投影露光することができる。
【0162】
また、この発明の露光方法によれば、可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像を正確に投影露光することができ、微細な転写パターンの投影露光を良好に行なうことができる。また、投影光学系の光学特性を調整することにより転写パターンの像を調整するため、可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像を正確に投影露光することができ、微細な転写パターンの投影露光を良好に行なうことができる。
【0163】
また、この発明のデバイス製造方法によれば、計測されたプレートの位置に基づいて投影光学系の光学特性を調整するため、可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像を正確な位置に結像することができ、スループット良くデバイスを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態にかかる露光装置の全体の概略構成を示す斜視図である。
【図2】第1の実施の形態にかかる部分投影光学系の構成を示す側面図である。
【図3】第1の実施の形態にかかるクサビレンズの側面図である。
【図4】第1の実施の形態にかかるクサビレンズを用いた結像位置の変化の状態を説明するための図である。
【図5】第1の実施の形態にかかる像シフタの外観図である。
【図6】第1の実施の形態にかかる像シフタを用いた像のシフトの状態を説明するための図である。
【図7】第1の実施の形態にかかる部分投影光学系の結像光学系の斜視図である。
【図8】第1の実施の形態にかかる結像光学系の直角プリズムの回転による像の回転の状態を説明するための図である。
【図9】第1の実施の形態にかかる倍率調整装置の外観図である。
【図10】第1の実施の形態にかかるアライメントユニットの斜視図である。
【図11】第1の実施の形態にかかるプレートに形成されたアライメントマークを説明するための図である。
【図12】第1の実施の形態にかかるアライメント系の概略構成図である。
【図13】第1の実施の形態にかかるプレート側AF検出系の概略構成図である。
【図14】第1の実施の形態にかかる空間像計測センサの概略構成図である。
【図15】第1の実施の形態にかかる露光装置のシステム構成を示すブロック図である。
【図16】第1の実施の形態にかかる露光装置の露光領域を説明するための図である。
【図17】第2の実施の形態にかかる露光装置の全体の概略構成を示す斜視図である。
【図18】第2の実施の形態にかかる露光装置の露光領域を説明するための図である。
【図19】第3の実施の形態にかかる露光装置の部分可変パターン生成装置及び部分投影光学系の構成図である。
【図20】第4の実施の形態にかかる露光装置の全体の概略構成を示す斜視図である。
【図21】第4の実施の形態にかかる露光装置の投影光学ユニットの構成図である。
【図22】第4の実施の形態にかかる露光装置の投影光学ユニットの露光領域を説明するための図である。
【図23】第4の実施の形態にかかる露光装置のシステム構成を示すブロック図である。
【図24】実施の形態にかかるマイクロデバイスとしての半導体デバイスを製造する方法のフローチャートである。
【図25】実施の形態にかかるマイクロデバイスとしての液晶表示素子を製造する方法のフローチャートである。
【符号の説明】
10a〜10e…可変パターン生成装置、12a〜12e…光源、14a〜14e…透過型液晶表示素子、26…移動鏡、16a…クサビレンズ、19a…像シフタ、22a…倍率調整装置、27…制御装置、28…マスクパターン記憶部、29…プレートステージ駆動部、30…プレートステージ制御部、42…クサビレンズ駆動部、43…像シフタ駆動部、44…プリズム駆動部、45…倍率調整装置駆動部、72…空間像計測センサ、ALU…アライメントユニット、AL1〜AL4…アライメント系、P…プレート、PL1〜PL5…部分投影光学系。
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体素子、液晶表示素子、その他のマイクロデバイスの製造工程において用いられる露光装置に関し、特に液晶表示素子製造工程において用いられる走査型投影露光装置、該走査型投影露光装置を用いた露光方法及びデバイス製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
マイクロデバイスの一つである半導体素子又は液晶表示素子を製造する場合において、マスク(レチクル、フォトマスク等)のパターンを、投影光学系を介してフォトレジスト等の感光剤が塗布されたプレート(ガラスプレート、半導体ウエハ等)上に投影露光する投影露光装置が使用されている。
【0003】
従来は、プレート上の各ショット領域にそれぞれマスクのパターンを一括して露光するステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパー)が多用されていた。近年、1つの大型の投影光学系を使用する代わりに、複数の小型部分投影光学系を走査方向に沿って所定間隔で複数列に配置し、各部分投影光学系においてそれぞれマスクのパターンをプレート上に露光するステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特願平5−161588号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、プレートは液晶表示素子の大型化に伴い大型化しており、現在では1m角以上のプレート(ガラス基板)も用いられており、同時にマスクも大型化している。大型のマスクは、露光装置に要求されるデバイスのパターンルールが変わらなければ小型のマスクと同様の平面度が要求されるため、小型のマスクのたわみやうねりと同程度に抑えるために小型マスクよりも大幅に厚くする必要がある。また、一般にTFT(Thin Film Transistor)で使用されているマスクは、コスト高の石英ガラスであるため、大型化すれば当然に製造コストが増大する。更に、マスクの平面度を維持するためのコスト、マスクパターンの検査時間の拡大等によるコスト等が増大している。
【0006】
この発明の課題は、デバイスの大きさにかかわらず安価なマスクによりデバイスを形成することが可能な走査型投影露光装置、該走査型投影露光装置を用いた露光方法及びデバイス製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の走査型投影露光装置は、転写パターンを形成する可変パターン生成装置と、前記可変パターン生成装置により生成された転写パターンを感光性基板上へ投影する投影光学系と、前記感光性基板を走査するための基板ステージとを備える走査型投影露光装置において、前記可変パターン生成装置は、前記基板ステージの走査に同期して、該可変パターン生成装置において生成される転写パターンを変化させ、前記投影光学系は、前記転写パターンの像の調整を行う調整機構を備えることを特徴とする。
【0008】
この請求項1記載の走査型投影露光装置によれば、基板ステージの走査に同期して可変パターン生成装置において生成される転写パターンを変化させることができるため、所望のパターンを容易に生成することができる。また、物体パターンであるマスク使用時に必要であったマスクステージを備える必要がなく、露光装置のコストダウン及び小型化を可能とする。また、この走査型投影露光装置によれば、投影光学系が転写パターンの像の調整を行う調整機構を備えているため、可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像を正確に投影露光することができる。
【0009】
また、請求項2記載の走査型投影露光装置は、前記可変パターン生成装置が発光パターンを形成する自発光型画像表示素子を備えることを特徴とする。この請求項2記載の走査型投影露光装置によれば、可変パターン生成装置が自発光型画像表示素子を備えているため、照明光学系を設置する必要がなく、露光装置のコストダウン及び小型化を可能とする。
【0010】
また、請求項3記載の走査型投影露光装置は、前記可変パターン生成装置が光源と、該光源からの照明光の光路中に配置された非発光型画像表示素子とを備えることを特徴とする。この請求項3記載の走査型投影露光装置によれば、所望のパターンを容易に生成することができる。
【0011】
また、請求項4記載の走査型投影露光装置は、前記非発光型画像表示素子が透過型液晶表示素子を備え、前記光源からの照明光の波長λは、
350nm≦λ≦600nm
の条件を満たすことを特徴とする。
【0012】
この請求項4記載の走査型投影露光装置によれば、非発光型画像表示素子が透過型液晶表示素子を備えている場合に、光源からの照明光の波長を350nmより長波長にすることにより、照明光が容易に非発光型画像表示素子を透過することができ、光源からの照明光の波長を600nmより、短波長にすることにより高分解能を実現することができる。
【0013】
また、請求項5記載の走査型投影露光装置は、前記非発光型画像表示素子が微小反射ミラー素子アレイを備え、前記光源からの照明光の波長λは、
190nm≦λ≦550nm
の条件を満たすことを特徴とする。
【0014】
この請求項5記載の走査型投影露光装置によれば、非発光型画像表示素子が微小反射ミラー素子アレイを備えている場合に、光源からの照明光の波長を190nmより長波長にすることにより、照明光が非発光型画像表示素子により確実に反射され、光源からの照明光の波長を550nmより短波長にすることにより高分解能を実現することができる。
【0015】
また、請求項6記載の走査型投影露光装置は、前記調整機構が前記投影光学系により投影される転写パターンの像の倍率、像の位置、像の回転位置、フォーカス位置の少なくとも一つを調整することを特徴とする。
【0016】
この請求項6記載の走査型投影露光装置によれば、可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像の倍率、像の位置、像の回転位置、フォーカス位置の少なくとも一つを調整する調整機構を備えているため、可変パターン生成装置において生成される転写パターンの像を感光性基板上に正確に形成することができ、微細な転写パターンの投影露光を良好に行なうことができる。
【0017】
また、請求項7記載の走査型投影露光装置は、前記可変パターン生成装置により生成された前記転写パターンと前記感光性基板の相対的な位置を計測するアライメント系を備え、前記アライメント系の計測結果に基づいて、前記基板ステージの位置の調整を行うことを特徴とする。
【0018】
この請求項7記載の走査型投影露光装置によれば、可変パターン生成装置により生成された転写パターンと感光性基板の相対的な位置を計測するアライメント系の計測結果に基づいて基板ステージの位置の調整するため、可変パターン生成装置において生成される転写パターンの像を感光性基板上の正確な位置に形成することができ、微細な転写パターンの投影露光を良好に行なうことができる。
【0019】
また、請求項8記載の走査型投影露光装置は、前記投影光学系を介して前記感光性基板上へ到達する光を計測するための計測系と、前記計測系の計測結果に基づいて、前記投影光学系からの光を調光する調光手段を備えることを特徴とする。
【0020】
この請求項8記載の走査型投影露光装置によれば、投影光学系を介して感光性基板上へ到達する光を計測する計測系の計測結果に基づいて投影光学系からの光を調光する調光手段を備えているため、最適な感光性基板上の照度を確保することができ、転写パターンの投影露光を良好に行なうことができる。
【0021】
また、請求項9記載の走査型投影露光装置は、前記可変パターン生成装置が複数の部分可変パターン生成装置により構成され、各部分可変パターン生成装置は、前記基板ステージの走査に同期して、該部分可変パターン生成装置において生成される転写パターンを変化させる制御部を備え、前記投影光学系は、前記部分可変パターン生成装置のそれぞれに対応して設けられた複数の部分投影光学系により構成され、各部分投影光学系は、他の部分投影光学系との関係を考慮して前記転写パターンの像の調整を行う部分投影光学系調整機構を備えることを特徴とする。
【0022】
この請求項9記載の走査型投影露光装置によれば、複数の部分可変パターン生成装置及びそれらに対応した複数の部分投影光学系により構成されているため、転写パターンが生成されるパターン表示面を小さく設定することができ、露光装置のコストダウン及び小型化を可能とする。また、この走査型投影露光装置によれば、各部分投影光学系が転写パターンの像の調整を行う部分投影光学系調整機構を備えているため、可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像を正確に投影露光することができる。
【0023】
また、請求項10記載の走査型投影露光装置は、前記部分投影光学系により前記感光性基板上に投影された複数の転写パターンの像が少なくとも一部のオーバーラップ領域を有することにより前記感光性基板上に転写パターンの像を形成することを特徴とする。
【0024】
この請求項10記載の走査型投影露光装置によれば、各部分投影光学系により感光性基板上に投影される複数の転写パターンの像の継ぎを確実に行なうことができ、転写パターンの像を良好に投影露光することができる。
【0025】
また、請求項11記載の走査型投影露光装置は、前記部分投影光学系間の相対的な位置合わせを行なうための計測光学系を更に有し、前記計測光学系による計測結果に基づいて、前記調整機構により前記部分投影光学系の調整を行うことを特徴とする。
【0026】
この請求項11記載の走査型投影露光装置によれば、部分投影光学系間の相対的な位置合わせを行なうための計測光学系による計測結果に基づいて部分投影光学系の調整を行うため、各部分投影光学系の相対的な位置合わせを確実に行うことができ、転写パターンの投影露光を良好に行なうことができる。
【0027】
また、請求項12記載の走査型投影露光装置は、前記部分投影光学系が前記基板ステージの走査方向に直行する方向に配列され、前記感光性基板の前記基板ステージの走査方向に直行する方向の幅と略同等の露光幅を有することを特徴とする。
【0028】
この請求項12記載の走査型投影露光装置によれば、基板ステージの走査方向に直行する方向の幅と略同等の露光幅を有するように複数の部分投影光学系が配列されているため、プレートの走査長を短くすることが可能となり、かつプレートアライメント系またはオートフォーカス系を配置する場合において、配置を容易にすることができる。
【0029】
また、請求項13記載の走査型投影露光装置は、転写パターンを形成する可変パターン生成装置と、前記可変パターン生成装置により生成された転写パターンを感光性基板へ投影する投影光学系と、前記感光性基板を走査するための基板ステージとを備える走査型投影露光装置において、前記可変パターン生成装置は、前記基板ステージの走査に同期して、該可変パターン生成装置において生成される転写パターンを変化させる制御部を備え、前記投影光学系は、瞳収差に基づく主光線と前記投影光学系の光軸とがなす角度θ1が
θ1≦100mrad
の条件を満たす像側テレセントリックに構成されていることを特徴とする。
【0030】
この請求項13記載の走査型投影露光装置によれば、基板ステージの走査に同期して可変パターン生成装置において生成される転写パターンを変化させることができるため、所望のパターンを容易に生成することができる。また、物体パターンであるマスク使用時に必要であったマスクステージを備える必要がなく、露光装置のコストダウン及び小型化を可能とする。また、この走査型投影露光装置によれば、投影光学系が瞳収差に基づく主光線と投影光学系の光軸とのなす角度が100mrad以下の像側テレセントリックに構成されているため、投影光学系により投影される転写パターンの像を正確な位置に結像させることができ、転写パターンの投影露光を良好に行なうことができる。
【0031】
また、請求項14記載の走査型投影露光装置は、転写パターンを形成する可変パターン生成装置と、前記可変パターン生成装置により生成された転写パターンを感光性基板へ投影する投影光学系と、前記感光性基板の位置を計測する基板位置計測手段と、前記感光性基板を走査するための基板ステージとを備える走査型投影露光装置において、前記可変パターン生成装置は、前記基板ステージの走査に同期して、該可変パターン生成装置において生成される転写パターンを変化させる制御部を備え、前記投影光学系は、前記基板位置計測手段により計測された前記感光性基板の位置に基づいて前記転写パターンの像の調整を行う調整機構を備えることを特徴とする。
【0032】
この請求項14記載の投影露光装置によれば、基板ステージの走査に同期して可変パターン生成装置において生成される転写パターンを変化させることができるため、所望のパターンを容易に生成することができる。また、物体パターンであるマスク使用時に必要であったマスクステージを備える必要がなく、露光装置のコストダウン及び小型化を可能とする。また、この走査型投影露光装置によれば、基板位置計測手段により計測された感光性基板の位置に基づいて転写パターンの像の調整を行う調整機構を備えているため、感光性基板にゆがみ等が生じている場合においても、可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像を正確な位置に投影露光することができる。
【0033】
また、請求項15記載の走査型投影露光装置は、前記可変パターン生成装置が発光パターンを形成する自発光型画像表示素子を備えることを特徴とする。この請求項15記載の走査型投影露光装置によれば、可変パターン生成装置が自発光型画像表示素子を備えているため、照明光学系を設置する必要がなく、露光装置のコストダウン及び小型化を可能とする。
【0034】
また、請求項16記載の走査型投影露光装置は、前記自発光型画像表示素子の光射出方向を前記部分投影光学系の瞳収差に基づいて設定することを特徴とする。この請求項16記載の走査型投影露光装置によれば、自発光型画像表示素子の光射出方向を部分投影光学系の瞳収差に基づいて設定することにより、ディストーションの発生を防止することができ、転写パターンの像を正確に投影露光することができる。
【0035】
また、請求項17記載の走査型投影露光装置は、前記可変パターン生成装置が、光源と、該光源からの照明光の光路中に配置された非発光型画像表示素子とを備えることを特徴とする。この請求項17記載の露光装置によれば、所望のパターンを容易に生成することができる。
【0036】
また、請求項18記載の走査型投影露光装置は、前記非発光型画像表示素子が、透過型液晶表示素子を備え、前記光源からの照明光の波長λは、
350nm≦λ≦600nm
の条件を満たすことを特徴とする。
【0037】
この請求項18記載の走査型投影露光装置によれば、非発光型画像表示素子が透過型液晶表示素子を備えている場合に、光源からの照明光の波長を350nmより長波長にすることにより、照明光が容易に非発光画像表示素子を透過することができ、光源からの照明光の波長を600nmより短波長にすることにより、高分解能を実現することができる。
【0038】
また、請求項19記載の走査型投影露光装置は、前記非発光型画像表示素子が、微小反射ミラー素子アレイを備え、前記光源からの照明光の波長λは、
190nm≦λ≦550nm
の条件を満たすことを特徴とする。
【0039】
この請求項19記載の走査型投影露光装置によれば、非発光型画像表示素子が微小反射ミラー素子アレイを備えている場合に、光源からの照明光の波長を190nmより長波長にすることにより、照明光が非発光画像表示素子により確実に反射され、光源からの照明光の波長を550nmより短波長にすることにより、高分解能を実現することができる。
【0040】
また、請求項20記載の走査型投影露光装置は、前記可変パターン生成装置が複数の部分可変パターン生成装置により構成され、各部分可変パターン生成装置は、前記基板ステージの走査に同期して、該部分可変パターン生成装置において生成される転写パターンを変化させる制御部を備え、前記投影光学系は、前記部分可変パターン生成装置のそれぞれに対応して設けられた複数の部分投影光学系により構成され、各部分投影光学系は、他の部分投影光学系との関係を考慮して前記転写パターンの像の調整を行う部分投影光学系調整機構を備えることを特徴とする。
【0041】
この請求項20記載の走査型投影露光装置によれば、基板ステージの走査に同期して部分可変パターン生成装置において生成される転写パターンを変化させることができるため、所望のパターンを容易に生成することができる。また、物体パターンであるマスク使用時に必要であったマスクステージを備える必要がなく、露光装置のコストダウン及び小型化を可能とする。また、この走査型投影露光装置によれば、他の部分投影光学系との関係を考慮して転写パターンの像の調整を行う部分投影光学系調整機構を備えているため、部分可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像を正確に投影露光することができる。
【0042】
また、請求項21記載の走査型投影露光装置は、前記投影光学系の前記感光性基板側の開口数N.A.iが
0.04≦N.A.i≦0.4
の条件を満たすことを特徴とする。
【0043】
この請求項21記載の走査型投影露光装置によれば、投影光学系の感光性基板側の開口数を0.04より大きくすることにより実用的な分解能を確保することができ、開口数を0.4より小さくすることにより投影光学系の製造を容易に行うことができる。
【0044】
また、請求項22記載の走査型投影露光装置は、前記感光性基板上に形成された前記転写パターンの像の明部の照度Eiが
Ei≧20mW/cm2
の条件を満たすことを特徴とする。
【0045】
この請求項22記載の走査型投影露光装置によれば、感光性基板上に形成された転写パターンの像の明部の照度を20mW/cm2以上にすることにより、実用的なスループットを確保することができる。
【0046】
また、請求項23記載の走査型投影露光装置は、前記感光性基板上に前記転写パターンの像を投影する光の波長λが
190nm≦λ≦600nm
の条件を満たすことを特徴とする。
【0047】
この請求項23記載の走査型投影露光装置によれば、190nm以上かつ600nm以下の実用的な波長域の光を使用することにより、実用的な露光を確保することができる。
【0048】
また、請求項24記載の走査型投影露光装置は、前記感光性基板上の照度むらが6%以下であることを特徴とする。この請求項24記載の走査型投影露光装置によれば、実用的な露光装置に要求される解像度や線幅均一性を確保することができる。
【0049】
また、請求項25記載の走査型投影露光装置は、前記感光性基板上に前記転写パターンの像を投影する光束の中心線と前記感光性基板の法線とのなす角度θ2が
θ2≦20mrad
の条件を満たすことを特徴とする。
【0050】
この請求項25記載の走査型投影露光装置によれば、感光性基板上に転写パターンの像を投影する光束の中心線と感光性基板の法線とのなす角度を20mradより小さくすることにより、ディストーションの発生を防止することができ、転写パターンの像を正確に投影露光することができる。
【0051】
また、請求項26記載の走査型投影露光装置は、転写パターンを形成する可変パターン生成装置と、前記可変パターン生成装置により生成された転写パターンを感光性基板へ投影する投影光学系と、前記感光性基板を走査するための基板ステージとを備える走査型投影露光装置において、前記可変パターン生成装置は、複数の部分可変パターン生成装置により構成され、各部分可変パターン生成装置は、前記基板ステージの走査に同期して、該部分可変パターン生成装置において生成される転写パターンを変化させる制御部を備え、前記投影光学系は、前記部分可変パターン生成装置のそれぞれに対応して設けられた複数の部分投影光学系により構成され、各部分投影光学系のイメージサークル径をφ1、瞳径をφ2としたとき、
0.5≦φ1/φ2≦4
の条件を満たすことを特徴とする。
【0052】
この請求項26記載の走査型投影露光装置によれば、各部分投影光学系のイメージサークル径をφ1、瞳径をφ2とした場合に0.5≦φ1/φ2の条件を満足することによりレンズの外形に対するフィールドのサイズが小さくなりすぎることを防止でき、走査幅を確保するために部分可変パターン生成装置及び部分投影光学系の数を増大させることなく露光装置を小型化することができる。また、φ1/φ2≦4の条件を満足することにより温度変化等による像面湾曲等の軸外収差の発生を防止できる。従って、可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像を正確に投影露光することができる。
【0053】
また、請求項27記載の露光方法は、請求項1乃至請求項26の何れか一項に記載の走査型投影露光装置を用いた露光方法であって、転写パターンを生成する転写パターン生成工程と、前記転写パターン生成工程により生成された転写パターンの像を感光性基板上へ投影する投影工程とを含むことを特徴とする。
【0054】
この請求項27記載の露光方法によれば、請求項1乃至請求項26の何れか一項に記載の走査型投影露光装置を用いているため、可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像を正確に投影露光することができ、微細な転写パターンの投影露光を良好に行なうことができる。
【0055】
また、請求項28記載の露光方法は、投影光学系の光学特性を調整することにより転写パターンの像を調整する調整工程と、基板ステージの走査に同期して、可変パターン生成装置により転写パターンを生成する転写パターン生成工程と、前記転写パターン生成工程により生成された転写パターンを前記基板ステージを走査しつつ前記感光性基板上へ投影する投影工程とを含むことを特徴とする。
【0056】
この請求項28記載の露光方法によれば、投影光学系の光学特性を調整することにより転写パターンの像を調整するため、可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像を正確に投影露光することができ、微細な転写パターンの投影露光を良好に行なうことができる。
【0057】
また、請求項29記載の露光方法は、前記調整工程が投影光学系の光学特性を計測する計測工程と、前記投影光学系により投影される転写パターンの像の倍率、像の位置、像の回転位置、フォーカス位置の少なくとも一つを調整する工程とを含むことを特徴とする。
【0058】
この請求項29記載の露光方法によれば、投影光学系の光学特性を計測し、転写パターンの像の倍率、像の位置、像の回転位置、フォーカス位置の少なくとも一つを調整するため、可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像を正確に投影露光することができ、微細な転写パターンの投影露光を良好に行なうことができる。
【0059】
また、請求項30記載の露光方法は、前記調整工程がプレートの位置を計測する計測工程と、前記計測工程により計測されたプレートの位置に基づいて投影光学系の光学特性を調整する工程を含むことを特徴とする。
【0060】
この請求項30記載の露光方法によれば、計測されたプレートの位置に基づいて投影光学系の光学特性を調整するため、可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像を正確な位置に投影露光することができ、微細な転写パターンの投影露光を良好に行なうことができる。
【0061】
また、請求項31記載のデバイス製造方法は、請求項1乃至請求項26の何れか一項に記載の走査型投影露光装置を用いたデバイス製造方法であって、転写パターンの像を感光性基板上に露光する露光工程と、前記露光工程により露光された前記感光性基板を現像する現像工程とを含むことを特徴とする。
【0062】
また、請求項32記載のデバイス製造方法は、請求項27乃至請求項30の何れか一項に記載の露光方法を用いたデバイス製造方法であって、転写パターンの像を感光性基板上に露光する露光工程と、前記露光工程により露光された前記感光性基板を現像する現像工程とを含むことを特徴とする。
【0063】
この請求項31及び請求項32記載のデバイス製造方法によれば、計測されたプレートの位置に基づいて投影光学系の光学特性を調整するため、可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像を正確な位置に結像することができ、スループット良くデバイスを製造することができる。
【0064】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の第1の実施の形態の説明を行う。図1は、第1の実施の形態にかかる走査型投影露光装置の全体の概略構成を示す斜視図である。この実施の形態においては、複数の反射屈折型の部分投影光学系からなる投影光学系PLに対してプレートPを相対的に移動させつつ液晶表示素子のパターン等の転写パターンの像を感光性材料(レジスト)が塗布された感光性基板としてのプレートP上に転写するステップ・アンド・スキャン方式の走査型投影露光装置を例に挙げて説明する。
【0065】
また、以下の説明においては、図1中に示したXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。XYZ直交座標系は、X軸及びY軸がプレートPに対して平行となるよう設定され、Z軸がプレートPに対して直交する方向に設定されている。図中のXYZ座標系は、実際にはXY平面が水平面に平行な面に設定され、Z軸が鉛直上方向に設定される。また、この実施の形態ではプレートPを移動させる方向(走査方向)をX軸方向に設定している。
【0066】
この実施の形態の走査型投影露光装置は、Y軸方向に沿って配列された複数(図1では合計で5つ)の部分可変パターン生成装置10a〜10eからなる可変パターン生成装置を備えている。ここで、部分可変パターン生成装置10a〜10eにおいては、プレートPの走査に同期して、対応する露光領域に投影される転写パターンが順次生成される。部分可変パターン生成装置10aは、光源12aと、この光源12aに対応して設けられ、光源12aからの照明光の光路中に配置された非発光型画像表示素子である電子マスク14aを備えて構成されている。同様に、部分可変パターン生成装置10b〜10eも、光源12b〜12eと、この光源12b〜12eに対応して設けられた非発光型画像表示素子である電子マスク14b〜14eを備えて構成されている。なお、光源12a〜12eからの照明光の波長λは、350nm≦λ≦600nmの条件を満たす波長である。また、各電子マスク14a〜14eには、透過型液晶表示素子(LCD:Liquid Crystal Display)を用いており、後述する部分投影光学系PL1〜PL5の視野領域に対応した台形状領域の有効エリアが設けられている。
【0067】
各部分可変パターン生成装置10a〜10eからの光は、各部分可変パターン生成装置10a〜10eに対応してY軸方向に沿って配列された複数(図1では合計で5つ)の部分投影光学系PL1〜PL5からなる投影光学系PLに入射する。図2は、部分投影光学系PL1の構成を示す側面図である。なお、部分可変パターン生成装置10b〜10eに対応して設けられている部分投影光学系PL2〜PL5は、部分投影光学系PL1と同一の構成を有するため、部分投影光学系PL1に代表させてその説明を行う。
【0068】
部分投影光学系PL1は、部分可変パターン生成装置10aからの光に基づいて転写パターンの像を形成する結像光学系K1を備えて構成されている。結像光学系K1は、電子マスク14aから−Z軸方向に沿って入射する光を−X軸方向に反射するようにマスク面(XY平面)に対して45°の角度で斜設された直角プリズムPrの第1反射面P1rを備えている。また、結像光学系K1は、第1反射面P1r側から順に、正の屈折力を有する屈折光学系G1Pと、第1反射面P1r側に凹面を向けた凹面反射鏡M1とを備えている。屈折光学系G1P及び凹面反射鏡M1はX軸方向に沿って配置され、全体として反射屈折光学系HK1を構成している。更に、結像光学系K1は、反射屈折光学系HK1から+X方向に沿って入射する光を−Z軸方向に反射するようにマスク面(XY平面)に対して45°の角度で斜設された直角プリズムPrの第2反射面P2rを備えている。
【0069】
第2反射面P2rとプレートPとの間の光路中には、転写パターン像の倍率を調整する倍率調整装置22aが設けられている。また、倍率調整装置22aによる倍率調整により発生する像ずれを補正するために部分可変パターン生成装置10aの電子マスク14aと第1反射面P1rとの間の光路中にクサビレンズ16a、像シフタ19aが設けられている。ここでクサビレンズ16aは、転写パターンの結像位置(フォーカス位置)を補正する焦点位置補正手段を構成する。また、像シフタ19aは、転写パターンの結像位置を補正(シフト)する像シフト手段を構成する。
【0070】
図3は、クサビレンズ16aの側面図である。図3に示すように、クサビレンズ16aは、光学部材17a及び光学部材18aを備えている。ここで光学部材17a及び光学部材18aは、くさび状に形成され露光光を透過可能なガラス板である。光学部材17aは、クサビレンズ駆動部42(図15参照)により駆動されることにより、射出面を光学部材18aの入射面に対してスライドさせるように移動する。
【0071】
図4は、光学部材18aに対して光学部材17aをX軸方向にスライドした際に部分投影光学系の結像位置が変化する様子を説明する図である。図4に示すように、光学部材17aを2点鎖線で示す位置から、実線で示す位置にスライドすることにより、光学部材17aの入射面170aと光学部材18aの射出面180aとの相対寸法(厚さ)が変更される。すると、結像位置は距離δだけ変更される。すなわち、図4に示すように、光学部材17aが−X側に移動して光学部材17aの入射面170aと光学部材18aの射出面180aとの相対寸法が大きくなると、結像位置は−Z側にシフトする。一方、相対寸法が小さくなると、結像位置は+Z側にシフトする。したがって、光学部材17aを光学部材18aに対しておおよそX軸方向にスライドすることにより、投影光学系PL1の結像位置(フォーカス位置)を調整することができる。
【0072】
図5は、像シフタ19aの外観図である。像シフタ19aは、Y軸まわりに回転可能に設けられた平行平面ガラス板20aと、X軸まわりに回転可能に設けられた平行平面ガラス板21aと有している。平行平面ガラス板20aは、像シフタ駆動部43(図15参照)により駆動されてY軸まわりに回転し、平行平面ガラス板21aは像シフタ駆動部43により駆動されてX軸まわりに回転する。平行平面ガラス板20aがY軸まわりに回転することによりプレートP上における電子マスク14aのパターンの像はX軸方向にシフトし、平行平面ガラス板21aがX軸まわりに回転することによりプレートP上における電子マスク14aのパターンの像はY軸方向にシフトする。
【0073】
図6は、像シフタ19aを駆動させることによりプレートP上における電子マスク14aのパターンの像がシフトした状態を示す図である。即ち、平行平面ガラス板20aをY軸まわりに回転させ、平行平面ガラス板21aをX軸まわりに回転させることにより、電子マスク14aに部分投影光学系PL1の視野領域に対応して設けられている台形領域である有効エリア140aのプレートP上における像がX方向及びY方向にシフト(実線で示す像が破線で示す像にシフト)する。
【0074】
図7は、部分投影光学系PL1の結像光学系K1の斜視図である。直角プリズムPrは、プリズム台30にピエゾ素子等のプリズム駆動部44を介して固定されており、プリズム駆動部44を駆動させることによりZ軸まわり(図中矢印a方向、またはその反対方向)に回転する。これによりプレートP上における電子マスク14aのパターンの像が回転する。
【0075】
図8は、直角プリズムPrを回転させることによりプレートP上における電子マスク14aのパターンの像が回転した状態を示す図である。即ち、直角プリズムPrをZ軸まわりに回転させることにより、電子マスク14aに部分投影光学系PL1の視野領域に対応して設けられている台形領域である有効エリア140aのプレートP上における像がZ軸まわりに回転(実線で示す像が破線で示す像に回転)する。
【0076】
図9は、倍率調整装置22aの外観図である。図9に示すように、倍率調整装置22aは、平凹レンズ23a、両凸レンズ24a、平凹レンズ25aの3枚のレンズから構成されている。倍率調整装置駆動部45(図15参照)により平凹レンズ23aと平凹レンズ25aとの間に位置する両凸レンズ24aをZ軸方向に移動させることにより、電子マスク14aの転写パターンの像の倍率調整を行う。
【0077】
投影光学系PLを構成する部分投影光学系PL1〜PL5は、像側テレセントリックに構成されており、部分投影光学系PL1〜PL5の瞳収差に基づく主光線と、部分投影光学系PL1〜PL5の光軸とがなす角度θ1がθ1≦100mradの条件を満たすように構成されている。従って、転写パターンの像を正確な位置に結像させることができる。なお、部分投影光学系PL1〜PL5の瞳収差に基づく主光線と部分投影光学系PL1〜PL5の光軸とがなす角度θ1はθ1≦50mradの条件を満たすことが好ましく、θ1≦30mradの条件を満たすことが更に好ましい。また、θ1≦20mradの条件を満たすことが最も好ましい。θ1が小さい値になればなるほど、プレートステージ、プレートホルダ等に高い設計精度を要求する必要がなくなり、また、各部分投影光学系の露光領域の継ぎも確実に行うことができ、プレートの全体において転写パターンの投影露光を良好に行うことができる。
【0078】
部分投影光学系PL1〜PL3と部分投影光学系PL4〜PL5の間には、プレートPに設けられているアライメントマークを検出する複数のアライメント系及びプレートPのZ軸方向における位置を検出する複数のプレート側AF検出系が内蔵されたアライメントユニットALUが設けられている。
【0079】
図10は、アライメントユニットALUの斜視図である。図10に示すように、アライメント系AL1〜AL4は、部分投影光学系PL1〜PL3と部分投影光学系PL4〜PL5との間において、非走査方向であるY軸方向に、4つ並べて配置されている。
【0080】
一方、プレートPには、図11に示すように、アライメント処理に用いられる複数のアライメントマークm1〜m4が設けられている。即ち、プレートステージPSTに載置されたプレートP上にはアライメント系AL1〜AL4に対応させてY軸方向に4つ並んだアライメントマークm1〜m4がX軸方向の6箇所に間隔をおいて形成されており、全部で24個のアライメントマークが形成されている。したがって、これら4つのアライメント系AL1〜AL4によりアライメントマークm1〜m4のそれぞれを同時に検出可能である。なお、図11ではアライメントマークは、黒丸のマークとして示されているが、例えば十字状のマークでもボックスマークでもよい。
【0081】
図10に示すように、アライメント系AL1〜AL4のX軸方向両側には、5つのプレート側AF検出系40a〜40eが設けられている。プレート側AF検出系40a〜40eは、プレートステージPSTに支持されたプレートPの露光面に直交する方向、すなわちZ軸方向における位置をそれぞれ検出する。
【0082】
図12は、アライメント系AL1の概略構成図である。なお、他のアライメント系AL2〜AL4も、アライメント系AL1と同等の構成である。図12に示すように、アライメント系AL1は、アライメント用検出光を射出するアライメント用光源50と、光源50から射出した検出光をリレーレンズ52に導く光ファイバからなるライトガイド51と、リレーレンズ52の光路下流側に設けられたハーフミラー53と、ハーフミラー53と検出対象であるプレートP(アライメントマークm1〜m4)との間に設けられているハーフミラー53を通過した検出光をプレートP上に照射する対物レンズ54と、検出光の照射によりプレートP(アライメントマークm1〜m4)で発生した反射光がハーフミラー53を介して導かれる偏向ミラー55と、偏向ミラー55からの反射光を分岐するビームスプリッタ56と、ビームスプリッタ56で分岐された2つの光束のうち一方の光束が入射する低倍率アライメント受光系57と、他方の光束が入射する高倍率アライメント受光系58とを備えている。
【0083】
低倍率アライメント受光系57は、低倍用レンズ系57Aと、低倍用撮像素子(CCD)57Bとを有しており、プレートP上の広い領域を所定の精度で計測可能である。高倍率アライメント受光系58は、高倍用レンズ系58Aと、高倍用撮像素子(CCD)58Bとを有しており、プレートPの狭い領域を高精度で計測可能である。これら低倍率アライメント受光系57と高倍率アライメント受光系58とは同軸に配置されている。そして、アライメント用検出光のプレートPに対する照射により発生した光(反射光)は、低倍率アライメント受光系57と高倍率アライメント受光系58とのそれぞれに受光される。
【0084】
低倍率アライメント受光系57は、アライメント用検出光により照射されたプレートPの広い領域からの光情報に基づいて、アライメントマークm1(m2〜m4)の位置情報をラフな精度で検出するサーチアライメント処理を行う。一方、高倍率アライメント受光系58は、アライメント用検出光により照射されたプレートPの狭い領域からの光情報に基づいて、アライメントマークm1(m2〜m4)の位置情報を高い精度で検出するファインアライメント処理を行う。低倍率アライメント受光系57及び高倍率アライメント受光系58のそれぞれは受光信号を制御装置27に出力し、制御装置27はアライメント受光系57、58それぞれの受光信号に基づいて画像処理を行い、マーク位置情報を求める。
【0085】
図13は、プレート側AF検出系40aを示す概略構成図である。なお、他のプレート側AF検出系40b〜40eは、プレート側AF検出系40aと同等の構成である。図13に示すように、プレート側AF検出系40aは、AF用検出光を射出するLEDからなるAF用光源61と、光源61から射出した検出光が入射される送光レンズ系62と、送光レンズ系62を通過した光を、検出対象であるプレートPに斜方向から導くミラー63と、ミラー63を介して照射された検出光に基づきプレートPで反射された反射光を受光レンズ系65に導くミラー64と、受光レンズ系65を通過した光を受光する撮像素子(CCD)66とを備えている。送光レンズ系62は、検出光を例えばスリット状に整形してからプレートPに照射する。ここで、図13に示すように、検出対象であるプレートPのZ軸方向における位置がΔZ変位すると、斜方向から照射されたスリット状の検出光は、撮像素子66におけるX軸方向における結像位置をΔX変位させる。撮像素子66の撮像信号は制御装置27に出力され、制御装置27は撮像素子66による撮像位置の基準位置に対する変位量ΔXに基づいて、プレートPのZ軸方向における変位量ΔZを求める。
【0086】
図1に戻って、プレートステージPSTの−X方向の端部には、Y軸方向に複数並んだAISマーク70(図11参照)を有する基準部材71が設けられている。AISマーク70のZ軸方向における形成位置(高さ)は、プレートPの表面(露光面)と略一致するように設定されている。また、基準部材71の下方には、空間像計測センサ(AIS)が設けられている。図14は、空間像計測センサ72の構成を示す図である。空間像計測センサ72は、プレートステージPST内に埋設されており、基準部材71を透過した光をレンズ系73を介して撮像素子74に導き検出する。
【0087】
この実施の形態における走査型投影露光装置においては、電子マスク14a〜14eの位置と、電子マスク14a〜14eにより生成される転写パターンの像がプレートP上に投影される位置の関係を空間像計測センサ72を用いて求める。即ち、電子マスク14a〜14eに表示した基準マークの像とAISマーク70が一致するようにプレートステージPSTを移動し、基準マークの像とAISマーク70とを空間像計測センサ72で検出し、この検出結果に基づいて電子マスク14a〜14eの位置と電子マスク14a〜14eにより生成される転写パターンの像がプレートP上に投影される位置、即ち電子マスク14a〜14eとプレートステージPSTとの相対位置を求める。なお、この場合に電子マスク14a〜14eに表示される基準マークは、マスクパターン記憶部28(図15参照)に記憶されているものであり、プレートステージPSTの位置は後述のレーザ干渉計により検出される。
【0088】
また、この実施の形態における走査型投影露光装置においては、アライメント系AL1〜AL4の位置とプレートステージPST位置の関係を空間像計測センサ72を用いて求める。即ち、プレートステージPSTを移動し、アライメント系AL1〜AL4の計測領域中心(具体的には計測領域に設けられている指標マーク)にAISマーク70を一致させ、このときのプレートステージPSTの位置をレーザ干渉計で検出する。この検出結果に基づいて、アライメント系AL1〜AL4の位置とプレートステージPST位置の関係を求める。
【0089】
この走査型投影露光装置には、プレートPが載置されているプレートステージ(基板ステージ)PSTを走査方向であるX軸方向に沿って移動させ、かつステップ方向であるY軸方向に沿って移動させるための長いストロークを有する走査駆動系(図15に示すプレートステージ駆動部29及びプレートステージ制御部30)、プレートステージPSTを走査直交方向であるY軸方向に沿って微小量だけ移動させると共にZ軸回りに微小量だけ回転させるための一対のアライメント駆動系(図示せず)が設けられている。そして、プレートステージPSTの位置座標が移動鏡26を用いたレーザ干渉計(図示せず)によって計測され、かつ位置制御されるように構成されている。
【0090】
図15は、この実施の形態にかかる走査型投影露光装置のシステム構成を示すブロック図である。各部分可変パターン生成装置10a〜10e、及び各部分投影光学系PL1〜PL5は、制御装置27に接続されている。部分投影光学系PL1には、クサビレンズ16aを駆動するクサビレンズ駆動部42、像シフタ19aを駆動する像シフタ駆動部43、直角プリズムPrを駆動する直角プリズム駆動部44、倍率調整装置22aを駆動する倍率調整装置駆動部45が設けられている。同様に、各部分投影光学系PL2〜PL5にも、クサビレンズを駆動するクサビレンズ駆動部、像シフタを駆動する像シフタ駆動部、直角プリズムを駆動する直角プリズム駆動部、倍率調整装置を駆動する倍率調整装置駆動部が設けられている。
【0091】
また、制御装置27には、部分可変パターン生成装置10a〜10eにおいて生成する転写パターン及び電子マスク14a〜14eに表示する基準マークを記憶するマスクパターン記憶部28、プレートステージPSTを走査方向に移動させるプレートステージ駆動部29を制御するプレートステージ制御部30が接続されている。また、制御装置27には、アライメント系AL1〜AL4、プレート側AF検出系40b〜40e、空間像計測センサ72が接続されている。
【0092】
図16は、この実施の形態にかかる走査型投影露光装置のプレートP上における部分投影光学系PL1〜PL5のそれぞれによる投影領域48a〜48eを示す平面図である。各投影領域48a〜48eは、各部分投影光学系PL1〜PL5の視野領域に対応して所定の形状に設定されており、この実施の形態においては台形形状を有している。投影領域48a、48b、48cと投影領域48d、48eとはX軸方向に対向して配置されている。さらに、投影領域48a〜48eのそれぞれは隣り合う投影領域の端部(境界部)どうし(48aと48d、48dと48b、48bと48e、48eと48c)が二点鎖線で示すように、Y軸方向に重ね合わせるように並列配置され、X軸方向における投影領域の幅の総計がほぼ等しくなるように設定されている。すなわち、X軸方向に走査露光したときの露光量が等しくなるように設定されている。
【0093】
このように、投影領域48a〜48eのそれぞれが重ね合わせられる継ぎ部により、継ぎ部における光学収差の変化や照度変化が滑らかになる。なお、この実施の形態の投影領域48a〜48eの形状は台形であるが、六角形や菱形、あるいは平行四辺形であっても構わない。
【0094】
この実施の形態にかかる走査型投影露光装置においては、各部分投影光学系PL1〜PL5のプレート側の開口数N.A.iが、
0.04≦N.A.i≦0.4
の条件を満たすように構成されている。各部分投影光学系PL1〜PL5のプレート側の開口数N.A.iを0.04よりも大きくすることにより実用的な分解能を確保することができ、開口数N.A.iを0.4よりも小さくすることにより投影光学系の製造を容易に行うことができる。
【0095】
また、プレートPに形成された転写パターンの像の明部の照度Eiが、
Ei≧20mW/cm2
の条件を満たすように構成されている。従って、実用的なスループットを確保することができる。また、プレートP上の照度むらが6%以下となるように構成されている。ここで、プレートP上の照度の基準値に対する照度むらI(%)は、プレートP上の照度の最大値をImax(W)、プレートP上の照度の最小値をImin(W)とすると、次の数式により定義される。
I={(Imax−Imin)/(Imax+Imin)}×100(%)
従って、実用的な露光装置に要求される解像度や線幅均一性を確保することができる。
【0096】
更に、プレートP上に転写パターンの像を投影する光束の中心線とプレートの法線とのなす角度θ2が、
θ2≦20mrad
の条件を満たすように構成されている。従って、ディストーションの発生を防止することができ、転写パターンの像を正確に投影露光することができる。
【0097】
この実施の形態にかかる走査型投影露光装置においては、まず、電子マスク14a〜14eの位置と、電子マスク14a〜14eにより生成される転写パターンの像がプレートP上に投影される位置の関係を空間像計測センサ72を用いて求める。この計測の際に、電子マスク14aに表示した基準マークがAISマーク70と一致するように、制御装置27から投影光学系PL1のクサビレンズ駆動部42に制御信号を出力し、クサビレンズ16aを駆動して、投影光学系PL1のZ方向の結像位置の調整を行う。また、制御装置27から投影光学系PL1の像シフタ駆動部43に制御信号を出力し、像シフタ19aを駆動して、投影像をX軸方向、Y軸方向にシフトさせて結像位置の調整を行う。また、制御装置27から投影光学系PL1のプリズム駆動部44に制御信号を出力し、直角プリズムPrを駆動して、投影像を回転させて投影像の回転位置の調整を行う。更に、制御装置27から投影光学系PL1の倍率調整装置駆動部45に制御信号を出力し、部分投影光学系PL1の倍率調整を行う。
【0098】
同様に、制御装置27から部分投影光学系PL2〜PL5に対して制御信号の出力を行い、部分投影光学系PL2〜PL5のZ方向の結像位置の調整、部分投影光学系PL2〜PL5の投影像のX軸方向、Y軸方向の位置の調整、部分投影光学系PL2〜PL5の投影像の回転位置の調整、部分投影光学系PL2〜PL5の倍率の調整を行う。この調整を各部分投影光学系PL1〜PL5において行うことにより、各部分投影光学系PL1〜PL5において、他の部分投影光学系との関係を考慮した光学特性の調整を行うことができる。また、部分投影光学系PL1〜PL5の相対的な位置合わせを行うことができる。
【0099】
次に、上述のようにしてアライメント系AL1〜AL4の位置とプレートステージPST位置の関係を空間像計測センサ72を用いて求める。そして、プレートステージPST上にプレートPを搬送してアライメント系AL1〜AL4によりプレートPに形成されているアライメントマークm1〜m4の検出を行い、プレートPのX軸方向、Y軸方向の位置、及び回転位置の補正を行い露光を開始する。即ち、各部分可変パターン生成装置10a〜10e及び部分投影光学系PL1〜PL5に対してプレートPを相対的に移動させつつ、プレートPの走査に同期して各部分可変パターン生成装置10a〜10eの透過型液晶表示素子14a〜14eにおいて転写パターンを生成し、各部分投影光学系PL1〜PL5は、生成された転写パターンの像を感光性材料(レジスト)が塗布された感光性基板としてのプレートP上に転写する。
【0100】
なお、露光を行っている間においても、アライメント系AL1〜AL4によりアライメントマークm1〜m4の検出を行いプレートPのゆがみ、たわみ等の検出を行う。したがって、制御装置27は、各部分投影光学系PL1〜PL5に対して制御信号の出力を行い、各部分投影光学系PL1〜PL5のZ方向の結像位置の調整、部分投影光学系PL1〜PL5の投影像のX軸方向、Y軸方向の位置の調整、部分投影光学系PL1〜PL5の投影像の回転位置の調整、部分投影光学系PL1〜PL5の倍率の調整を行う。また、プレート側AF検出系40a〜40eのそれぞれの検出結果は制御装置27に出力され、制御装置27はプレート側AF検出系40a〜40eの検出結果に基づいて、プレートPのZ軸方向における位置を求める。更に、プレート側AF検出系40a〜40eはX軸方向及びY軸方向のそれぞれにおいて2次元的に配置されているので、制御装置27は複数のプレート側AF検出系40a〜40eの検出結果に基づいて、プレートPのX軸まわり方向及びY軸まわり方向における姿勢を求めることができる。制御装置27は、求めたZ軸方向における位置、及びX軸、Y軸まわり方向における姿勢に基づいて、プレートステージ制御部30を介してプレートステージ駆動部29を駆動し、プレートPのZ軸方向における位置の調整、及びX軸、Y軸まわり方向における姿勢の調整、すなわちレベリング調整を行う。
【0101】
こうして、複数の部分投影光学系PL1〜PL5からなる投影光学系PLに対してプレートPを走査方向(X軸方向)に沿って移動させることによって、転写パターンの全体がプレートP上の露光領域の全体に転写(走査露光)される。
【0102】
この実施の形態にかかる走査型投影露光装置によれば、基板ステージの走査に同期して可変パターン生成装置において生成される転写パターンを変化させることができるため、所望のパターンを容易に生成することができる。また、物体パターンであるマスク使用時に必要であったマスクステージを備える必要がなく、露光装置のコストダウン及び小型化を可能とする。また、この走査型投影露光装置によれば、投影光学系が転写パターンの像の調整を行う調整機構を備えているため、可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像を正確に投影露光することができる。
【0103】
また、投影光学系が瞳収差に基づく主光線と投影光学系の光軸とのなす角度が100mrad以下の像側テレセントリックに構成されているため、投影光学系により投影される転写パターンの像を正確な位置に結像させることができ、転写パターンの投影露光を良好に行なうことができる。
【0104】
また、非発光型画像表示素子が透過型液晶表示素子を備え、光源からの照明光の波長λが350nm≦λ≦600nmの条件を満たす。即ち、光源からの照明光の波長を350nmより長波長にすることにより、照明光が容易に非発光型画像表示素子を透過することができ、光源からの照明光の波長を600nmより、短波長にすることにより高分解能を実現することができる。
【0105】
また、可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像の倍率、像の位置、像の回転位置、フォーカス位置の少なくとも一つを調整する調整機構を備えているため、可変パターン生成装置において生成される転写パターンの像を感光性基板上に正確に形成することができ、微細な転写パターンの投影露光を良好に行なうことができる。
【0106】
次に、図面を参照して、この発明の第2の実施の形態の説明を行なう。図17は、この実施の形態にかかる走査型投影露光装置の全体の概略構成を示す斜視図である。なお、第1の実施の形態にかかる走査型投影露光装置の部材と同一の構成を示す部材には、第1の実施の形態の説明で用いたものと同一の符号を付して説明を行なう。
【0107】
この実施の形態にかかる走査型投影露光装置は、複数(図17では合計で5つ)の部分可変パターン生成装置10a〜10eからなる可変パターン生成装置を備えている。なお、部分可変パターン生成装置10a〜10eは、Y軸方向に沿って1列に露光領域1つ分ずつ間隔をあけて配列されている。各部分可変パターン生成装置10a〜10eからの光は、各部分可変パターン生成装置10a〜10eに対応してY軸方向に沿って1列に露光領域1つ分ずつ間隔をあけて配列された複数(図17では合計で5つ)の部分投影光学系PL1〜PL5からなる投影光学系に入射する。各部分投影光学系PL1〜PL5をそれぞれ射出した光は、プレート(基板)P上において対応する露光領域に転写パターンの像を形成する。
【0108】
この走査型投影露光装置では、プレートPが載置されているプレートステージ(基板ステージ、図示せず)をプレートPの一端P1から他端P2まで走査方向であるX軸方向に移動させながら露光を行なう。図18は、プレートPの一端P1から他端P2まで露光を行なった状態を示す図である。図18に示すように、aは部分投影光学系PL1により投影露光された領域、bは部分投影光学系PL2により投影露光された領域、cは部分投影光学系PL3により投影露光された領域、dは部分投影光学系PL4により投影露光された領域、eは部分投影光学系PL5により投影露光された領域である。
【0109】
次に、プレートステージを+Y軸方向に露光領域1つ分移動させ、プレートPをプレートPの他端P2から一端P1までX軸方向に移動させながら露光を行なう。即ち、往復走査させることによりプレートPの全体に対して転写パターンの露光を行なう。
【0110】
この実施の形態にかかる走査型投影露光装置においては、各部分投影光学系PL1〜PL5は、瞳収差に基づく主光線と各部分投影光学系PL1〜PL5の光軸とがなす角度θ1が、
θ1≦100mrad
の条件を満たす像側テレセントリックに構成されている。なお、部分投影光学系PL1〜PL5の瞳収差に基づく主光線と部分投影光学系PL1〜PL5の光軸とがなす角度θ1はθ1≦50mradの条件を満たすことが好ましく、θ1≦30mradの条件を満たすことが更に好ましい。また、θ1≦20mradの条件を満たすことが最も好ましい。θ1が小さい値になればなるほど、プレートステージ、プレートホルダ等に高い設計精度を要求する必要がなくなり、また、各部分投影光学系の露光領域の継ぎも確実に行うことができ、プレートの全体において転写パターンの投影露光を良好に行うことができる。
【0111】
また、各部分投影光学系PL1〜PL5のプレート側の開口数N.A.iが、
0.04≦N.A.i≦0.4
の条件を満たすように構成されている。各部分投影光学系PL1〜PL5のプレート側の開口数N.A.iを0.04よりも大きくすることにより実用的な分解能を確保することができ、開口数N.A.iを0.4よりも小さくすることにより投影光学系の製造を容易に行うことができる。
【0112】
また、プレートPに形成された転写パターンの像の明部の照度Eiが、
Ei≧20mW/cm2
の条件を満たすように構成されている。従って、実用的なスループットを確保することができる。また、プレートP上の照度むらが6%以下となるように構成されている。従って、実用的な露光装置に要求される解像度や線幅均一性を確保することができる。
【0113】
更に、プレートP上に転写パターンの像を投影する光束の中心線とプレートの法線とのなす角度θ2が、
θ2≦20mrad
の条件を満たすように構成されている。従って、ディストーションの発生を防止することができ、転写パターンの像を正確に投影露光することができる。
【0114】
この第2の実施の形態にかかる走査型投影露光装置によれば、基板ステージの走査に同期して可変パターン生成装置において生成される転写パターンを変化させることができるため、所望のパターンを容易に生成することができる。また、物体パターンであるマスク使用時に必要であったマスクステージを備える必要がなく、露光装置のコストダウン及び小型化を可能とする。また、この走査型投影露光装置によれば、投影光学系が転写パターンの像の調整を行う調整機構を備えているため、可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像を正確に投影露光することができる。
【0115】
また、投影光学系が瞳収差に基づく主光線と投影光学系の光軸とのなす角度が100mrad以下の像側テレセントリックに構成されているため、投影光学系により投影される転写パターンの像を正確な位置に結像させることができ、転写パターンの投影露光を良好に行なうことができる。
【0116】
また、各部分可変パターン生成装置及びそれに対応する各部分投影光学系を1列に配列されているため、プレートのスキャン長を短くすることができる。また、プレートアライメント系、オートフォーカス系を容易に設置することができる。
【0117】
次に、図面を参照して、この発明の第3の実施の形態の説明を行なう。この第3の実施の形態にかかる走査型投影露光装置の構成は、部分可変パターン生成装置及び部分投影光学系の構成以外の部分においては、第1の実施の形態にかかる走査型投影露光装置と同一である。即ち、第1の実施の形態にかかる部分可変パターン生成装置10a〜10eに代えて、部分可変パターン生成装置100a及び部分可変パターン生成装置100aと同一の構成を有する4つの部分可変パターン生成装置を備え、部分投影光学系PL1〜PL5に代えて、部分投影光学系PL10及び部分投影光学系PL10と同一の構成を有する4つの部分投影光学系を備えている。なお、第1の実施の形態にかかる走査型投影露光装置の部材と同一の構成を示す部材には、第1の実施の形態の説明で用いたものと同一の符号を付して説明を行なう。
【0118】
図19は、この実施の形態にかかる走査型投影露光装置の部分可変パターン生成装置100a及びそれに対応して設けられている部分投影光学系PL10の構成を示す図である。部分可変パターン生成装置100aは、光源99、シャッタ100、照度調光ウエッジ102、コリメートレンズ104、フライアイインテグレータ106、コンデンサレンズ108、及び非発光型画像表示素子である電子マスク109を備えて構成されている。なお、各電子マスク109には、微少反射ミラー素子アレイであるDMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)を用いている。光源99からの照明光の波長λは、190nm≦λ≦550nmの条件を満たす波長である。光源からの照明光の波長を190nmより長波長にすることにより、照明光がDMDにより確実に反射され、光源からの照明光の波長を550nmより短波長にすることにより高分解能を実現することができる。
【0119】
また、照度調光ウエッジ102は、部分投影光学系PL10を介してプレートPに到達する光の照度を他の部分投影光学系を介してプレートPに到達する光の照度と一致させるように調整(調光)するための機構(調光手段)であり、線形的に透過濃度が変化するように微小パターンが配置されており、光の透過する位置を変更することより照度を調整することができる。
【0120】
部分可変パターン生成装置100a及び他の4つの部分可変パターン生成装置からの光は、部分可変パターン生成装置100a及び他の4つの部分可変パターン生成装置に対応して設けられた部分投影光学系PL10及び他の4つの部分投影光学系からなる投影光学系PLに入射する。図19に示すように、部分投影光学系PL10は、部分可変パターン生成装置100aからの光に基づいて転写パターンの像を形成する結像光学系K10を備えて構成されている。結像光学系K10は、正の屈折力を有する屈折光学系G1P、凹面反射鏡M1、及びミラー110を備えており、全体として反射屈折光学系を構成している。
【0121】
部分可変パターン生成装置100aからの光は、屈折光学系G1Pを介して、凹面反射鏡M1に達する。凹面反射鏡M1により反射された光は、再び屈折光学系G1Pを介して、ミラー110により反射されて、像シフタ19aを介して、倍率調整装置22aを介して、プレートP上において対応する露光領域に転写パターンの像を形成する。なお、像シフタ19a及び倍率調整装置22aの構成は、第1に実施の形態にかかる像シフタ19a及び倍率調整装置22aの構成と同一であり、投影像のX方向の位置、Y方向の位置の調整が可能であり、部分投影光学系PL10及び他の4つの部分投影光学系の倍率の調整が可能である。
【0122】
また、ミラー110を光軸に沿って回転させることにより部分投影光学系PL10により投影される像の回転位置の調整を行なう。なお、ミラーは、部分投影光学系PL10と同様に、他の4つの部分投影光学系のそれぞれに対応して設けられている。
【0123】
なお、プレートPを載置しているプレートステージPST上には、照度センサ(図示せず、計測系)が配置されている。ここで、照度センサ(計測系)は、各部分投影光学系によりプレートP上に投影された複数の転写パターンの像のオーバーラップ領域の照度を計測し、計測結果を制御装置に送信する。制御装置は、投影光学系PL10及び他の4つの部分投影光学系を介してプレートPに到達する照度を一致させるために、照度センサにより計測された計測結果に基づいて、調光ウエッジ102により調光を行なう。
【0124】
この実施の形態にかかる走査型投影露光装置においては、各部分投影光学系は、瞳収差に基づく主光線と各部分投影光学系の光軸とがなす角度θ1が、
θ1≦100mrad
の条件を満たす像側テレセントリックに構成されている。なお、部分投影光学系の瞳収差に基づく主光線と部分投影光学系の光軸とがなす角度θ1はθ1≦50mradの条件を満たすことが好ましく、θ1≦30mradの条件を満たすことが更に好ましい。また、θ1≦20mradの条件を満たすことが最も好ましい。θ1が小さい値になればなるほど、プレートステージ、プレートホルダ等に高い設計精度を要求する必要がなくなり、また、各部分投影光学系の露光領域の継ぎも確実に行うことができ、プレートの全体において転写パターンの投影露光を良好に行うことができる。
【0125】
また、各部分投影光学系のプレート側の開口数N.A.iが、
0.04≦N.A.i≦0.4
の条件を満たすように構成されている。
【0126】
また、プレートPに形成された転写パターンの像の明部の照度Eiが、
Ei≧20mW/cm2
の条件を満たすように構成されている。
【0127】
また、プレートP上の照度むらが6%以下となるように構成されている。更に、プレートP上に転写パターンの像を投影する光束の中心線とプレートの法線とのなす角度θ2が、
θ2≦20mrad
の条件を満たすように構成されている。
【0128】
この第3の実施の形態にかかる走査型投影露光装置によれば、基板ステージの走査に同期して可変パターン生成装置において生成される転写パターンを変化させることができるため、所望のパターンを容易に生成することができる。また、物体パターンであるマスク使用時に必要であったマスクステージを備える必要がなく、露光装置のコストダウン及び小型化を可能とする。また、この走査型投影露光装置によれば、投影光学系が転写パターンの像の調整を行う調整機構を備えているため、可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像を正確に投影露光することができる。
【0129】
また、投影光学系が瞳収差に基づく主光線と投影光学系の光軸とのなす角度が100mrad以下の像側テレセントリックに構成されているため、投影光学系により投影される転写パターンの像を正確な位置に結像させることができ、転写パターンの投影露光を良好に行なうことができる。
【0130】
次に、図面を参照して、この発明の第4の実施の形態の説明を行なう。図20は、この実施の形態にかかる走査型投影露光装置の全体の概略構成を示す斜視図である。以下の説明においては、図20中に示したXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。XYZ直交座標系は、X軸及びY軸がプレートPに対して平行となるよう設定され、Z軸がプレートPに対して直交する方向に設定されている。図中のXYZ座標系は、実際にはXY平面が水平面に平行な面に設定され、Z軸が鉛直上方向に設定される。また、この実施の形態ではプレートPを移動させる方向(走査方向)をX軸方向に設定している。
【0131】
この実施の形態においては、複数の投影光学ユニット200を備え、複数の投影光学ユニット200に対してプレートPを相対的に移動させつつ液晶表示素子のパターン等の転写パターンの像を感光性材料(レジスト)が塗布された感光性基板としてのプレートP上に転写するステップ・アンド・スキャン方式の露光装置を例に挙げて説明する。
【0132】
図21は、この実施の形態にかかる走査型投影露光装置に備えられている投影光学ユニット200の概略構成を示す図である。図21に示すように、各投影光学ユニット200は、円筒形状を有する鏡筒80を有し、鏡筒80の上部に転写パターンを形成する可変パターン生成装置(部分可変パターン生成装置)81を備えると共に、鏡筒80内に可変パターン生成装置81により形成された転写パターンをプレートステージ(図示せず)上に保持されたプレートP上に投影する投影光学系(部分投影光学系)PLを備えている。ここで投影光学系PLは、投影光学系PLのイメージサークル径をφ1、瞳径をφ2としたとき、
0.5≦φ1/φ2≦4
の条件を満足することが望ましい。この投影光学系PLは縮小倍率を有する。なお、投影光学系PLの倍率は等倍であってもよい。
【0133】
可変パターン生成装置81は、プレートP上に転写する転写パターンに基づいて発光パターンを形成する自発光型画像表示素子により構成されている。ここで自発光型画像表示素子の光射出方向は、投影光学系PLの瞳収差に基づいて、例えば、瞳収差に基づく主光線の傾きの方向に一致するように設定されている。
【0134】
また、各投影光学ユニット200は、投射部AF1及び検出部AF2を有する斜入射オートフォーカス系を備えている。斜入射オートフォーカス系は、投射部AF1からの投射光がプレートPの表面で反射される際に、検出部AF2において受光される光の位置を検出することにより、投影光学系PLの像面(露光面)とプレートPの表面との合焦状態を光電的に検出する。更に、各投影光学ユニット200は、投影光学ユニット200を投影光学系PLの光軸方向(Z方向)に移動させるためのユニット駆動部82を備えている。
【0135】
図22は、各投影光学ユニット200の配置状態を説明するための図である。投影光学ユニット200は、第1列目(図22における最も手前の列)にY方向に等間隔で7個配置されており、第2列目〜第5列目にY方向に等間隔で各6個配置されており、第6列目にY方向に等間隔で7個配置されている。ここで各投影光学ユニット200は、露光エリア83がY方向に隣り合う他の何れかの投影光学ユニット200の露光エリア83と重なるように、即ちオーバラップ露光が行えるように配置されている。
【0136】
各投影光学ユニット200の可変パターン生成装置81において生成された転写パターンは、各投影光学ユニット200の投影光学系PLによりプレートP上に投影され転写パターンの像が形成される。
【0137】
また、この露光装置には、プレートステージを走査方向であるX軸方向に沿って移動させるための長いストロークを有する走査駆動系(図23に示すプレートステージ駆動部86及びプレートステージ制御部87)、プレートステージを走査直交方向であるY軸方向に沿って微小量だけ移動させると共にZ軸廻りに微小量だけ回転させるための一対のアライメント駆動系(図示せず)が設けられている。そして、プレートステージの位置座標が移動鏡88を用いたレーザ干渉計(図示せず)によって計測され、かつ位置制御されるように構成されている。
【0138】
図23は、この実施の形態にかかる露光装置のシステム構成を示すブロック図である。各投影光学ユニット200は、制御装置84に接続されている。また、制御装置84には、各投影光学ユニット200の可変パターン生成装置81において生成する転写パターンを記憶するマスクパターン記憶部85、プレートステージを走査方向に移動させるプレートステージ駆動部86を制御するプレートステージ制御部87が接続されている。
【0139】
制御装置84は、プレートステージの走査に同期して、各投影光学ユニット200の可変パターン生成装置81において生成する転写パターンを各投影光学ユニット200の可変パターン生成装置81に対して順次出力する。また、制御装置84は、各投影光学ユニット200の斜入射オートフォーカス系において検出されたプレートP表面の位置に基づいて、各投影光学ユニット200を光軸(Z方向)に沿って移動させるための制御信号を各投影光学ユニット200のユニット駆動部82に対して順次出力する。
【0140】
この露光装置においては、各投影光学ユニット200に対してプレートPを相対的に移動させつつ、プレートPの走査に同期して各投影光学ユニット200の可変パターン生成装置81において液晶表示素子のパターン等の転写パターンを順次生成し、各投影光学ユニット200は、生成された転写パターンの像を感光性材料(レジスト)が塗布された感光性基板としてのプレートP上に順次転写する。ここで、各投影光学ユニット200は、斜入射オートフォーカス系により検出されたプレートPの面の位置に基づいて、ユニット駆動部82により投影光学ユニット200の全体を光軸方向(Z方向)に移動させることにより、投影光学系PLの結像位置をプレートPの面の位置に合致させつつ転写パターンの像をプレートP上に転写する。即ち、各投影光学ユニット200は、プレートPのたわみ、うねりに影響されることなく、投影光学系PLの結像位置をプレートPの表面の位置に合致させることができる。こうして、マスクパターン記憶部85に記憶されている転写パターンの全体がプレートP上の露光領域の全体に転写(走査露光)される。
【0141】
なお、合致方法については、ユニット駆動部82により投影光学ユニット200を動かす方法以外にも投影光学系内の一部のレンズと光軸方法に動かす方法でもよい。
【0142】
また、この実施の形態においては、可変パターン生成装置81が自発光型画像表示素子を備える場合について説明を行なったが、可変パターン生成装置81が光源と、この光源からの照明光の光路中に配置される非発光型画像表示素子を備えるようにしてもよい。なお、このとき透過型液晶表示素子を備えた非発光型画像表示素子を用いた場合においては、光源からの照明光の波長λは、
350nm≦λ≦600nm
の条件を満足することが望ましい。
【0143】
また、微小反射ミラー素子アレイを備えた非発光型画像表示素子を用いた場合においては、光源からの照明光の波長λは、
190nm≦λ≦550nm
の条件を満足することが望ましい。
【0144】
この第4の実施の形態にかかる走査型投影露光装置によれば、各部分投影光学系のイメージサークル径をφ1、瞳径をφ2とした場合に0.5≦φ1/φ2の条件を満足することによりレンズの外形に対するフィールドのサイズが小さくなりすぎることを防止でき、走査幅を確保するために部分可変パターン生成装置及び部分投影光学系の数を増大させることなく露光装置を小型化することができる。また、φ1/φ2≦4の条件を満足することにより温度変化等による像面湾曲等の軸外収差の発生を防止できる。従って、可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像を正確に投影露光することができる。
【0145】
なお、上述の第1及び第2の実施の形態においては、像位置の回転誤差を直角プリズムPrをZ軸まわりに回転させることにより調整し、第3の実施の形態においては、ミラーをZ軸まわりに回転させることにより調整したが、電子マスク自体を回転させることにより像位置の回転誤差を調整してもよい。この場合においては、電子マスクを固定しているマスクホルダ(図示せず)が微動するための駆動系を備え、その駆動系によりマスクホルダを微動させることにより電子マスクを回転させる。
【0146】
また、上述の第1乃至第3の実施の形態にかかる走査型投影露光装置においては、それぞれの部分可変パターン生成装置が光源を備えて構成されている。しかしながら、部分可変パターン生成装置外に1つの光源を備え、その光源からの光を所定の露光波長を選択する波長選択フィルタ及びリレー光学系を介して、複数(この実施の形態においては5つ)の射出口を備えたライトガイドファイバに入射させ、ライトガイドファイバのそれぞれの射出口より射出される光を、コリメートレンズ、フライアイレンズ等のオプティカルインテグレータ及びコンデンサレンズを介して、それぞれの部分可変パターン生成装置に入射させるようにしてもよい。
【0147】
また、上述の第1乃至第3の実施の形態においては、部分可変パターン生成装置に非発光型画像表示素子を備えているが、自発光型表示素子を備えるようにしてもよい。この場合には、自発光型画像表示素子の光射出方向を、部分投影光学系の瞳収差に基づいて、例えば、瞳収差に基づく、主光線の傾きの方向に一致するように設定する。
【0148】
また、上述の実施の形態においては、電子マスクの各素子をオンオフすることにより転写パターンを形成しているが、電子マスクの各素子をオンオフすることに加え各素子の中間調を用いて転写パターンを形成してもよい。電子マスクとして透過型液晶マスクを用いる場合には、電子マスクの各素子を中間調で駆動することにより、電子マスク面を照明する照明光が不均一であった場合においても実質的に均一な露光光とすることができる。従って、照明光学系のムラまたは経年劣化により生じる照明光の不均一性を補正することが可能となる。
【0149】
また、この実施の形態において、電子マスクとしてDMD等の反射型素子を用いている場合には、電子マスク面を照明する照明光が斜入射であることから、ビームスプリッタ等を用いることなく電子マスク面を均一に照明するためには、複雑な照明光学系を構成する必要がある。しかしながら、この場合においても、電子マスクの各素子を中間調で駆動することにより簡単な照明光学系を構成することが可能となり、コストを低減することができる。また、各素子の中間調を用いることにより、通常の露光より露光量を少なくした所謂ハーフドーズ露光を任意の場所で容易に行なうことができる。
【0150】
また、上述の実施の形態にかかる露光装置において、プレートステージPST上に、プレートPの露光面とほぼ同じ高さのディテクタを配設しても良い。ディテクタは、プレートP上の露光光の光量に関する情報(照度)を検出する照度センサであってCCDセンサにより構成されており、プレートP上の各部分投影光学系のそれぞれに対応する位置の露光光の照度を検出し、検出した検出信号を制御装置へ出力する。
【0151】
また、上述の第1及び第2の実施の形態においては、露光装置が光源とこの光源からの照明光の光路中に設置された非発光型画像表示素子である透過型液晶表示素子を備える可変パターン生成装置を備えているが、透過型液晶表示素子に代えて、以下に説明する非発光型画像表示素子を用いても良い。ここで非発光型画像表示素子とは、空間光変調器(SLM : Spatial Light Modulator)とも呼ばれ、光の振幅、位相あるいは偏光の状態を空間的に変調する素子であり、透過型空間光変調器としては、上述の透過型液晶表示素子(LCD : Liquid Crystal Display)以外に、エレクトロクロミックディスプレイ(ECD)等が例として挙げられる。また、反射型空間光変調器としては、DMD(Deformable Micro−mirror Device、またはDigital Micro−mirror Device)、反射ミラーアレイ、反射型液晶表示素子、電気泳動ディスプレイ(EPD : ElectroPhoretic Display)、電子ペーパー(または電子インク)、光回折型ライトバルブ(Grating Light Valve)等が例として挙げられる。
【0152】
また、光源とこの光源からの照明光の光路中に設置された非発光型画像表示素子を備える可変パターン生成装置に代えて、自発光型画像表示素子を備える可変パターン生成装置を備えるようにしてもよい。ここで自発光型画像表示素子としては、例えば、CRT(Cathode ray tube)、無機ELディスプレイ、有機ELディスプレイ(OLED : Organic Light Emitting Diode)、LEDディスプレイ、LDディスプレイ、電界放出ディスプレイ(FED : Field Emission Display)、プラズマディスプレイ(PDP : Plasma Display Panel)等が挙げられる。また、可変パターン生成装置が備える自発光型画像表示素子として、複数の発光点を有する固体光源チップ、チップを複数個アレイ状に配列した固体光源チップアレイ、または複数の発光点を1枚の基板に作り込んだタイプのもの等を用い、該固体光源チップを電気的に制御してパターンを形成してもよい。なお、固体光源素子は、無機、有機を問わない。
【0153】
次に、この発明の実施の形態による露光装置をリソグラフィ工程で使用したマイクロデバイスの製造方法について説明する。図24は、マイクロデバイスとしての半導体デバイスの製造方法を説明するためのフローチャートである。まず、図24のステップS40において、1ロットのウエハ(プレート)上に金属膜が蒸着される。次のステップS42において、その1ロットのウエハ(プレート)上の金属膜上にフォトレジストが塗布される。その後、ステップS44において、この発明の実施の形態にかかる露光装置を用いて、可変パターン生成装置において生成された転写パターンの像がその投影光学系(複数の部分投影光学系)を介して、その1ロットのウエハ(プレート)上の各ショット領域に順次露光転写される。即ち、可変パターン生成装置において生成された転写パターンの像が光学特性の調整を行った投影光学系により感光性基板上に投影され露光転写される。その後、ステップS46において、その1ロットのウエハ(プレート)上のフォトレジストの現像が行われた後、ステップS48において、その1ロットのウエハ(プレート)上でレジストパターンをマスクとしてエッチングを行うことによって、可変パターン生成装置において生成された転写パターンに対応する回路パターンが、各ウエハ(プレート)上の各ショット領域に形成される。その後、更に上のレイヤの回路パターンの形成等を行うことによって、半導体素子等のデバイスが製造される。従って、可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像を正確に投影露光することができ、微細な転写パターンの投影露光を良好に行なうことができる。また、投影光学系の光学特性を調整することにより転写パターンの像を調整するため、可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像を正確に投影露光することができ、微細な転写パターンの投影露光を良好に行なうことができる。
【0154】
また、この発明の実施の形態にかかる露光装置では、プレート(ガラス基板)上に所定のパターン(回路パターン、電極パターン等)を形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得ることもできる。図25は、この実施の形態の露光装置を用いてプレート上に所定のパターンを形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を製造する方法を説明するためのフローチャートである。
【0155】
図25のパターン形成工程S50では、この実施の形態の露光装置を用いて、可変パターン生成装置において生成された転写パターンを感光性基板(レジストが塗布されたガラス基板等)に転写露光する、所謂光リソグラフィ工程が実行される。この光リソグラフィ工程によって、感光性基板上には多数の電極等を含む所定パターンが形成される。その後、露光された基板は、現像工程、エッチング工程、レジスト剥離工程等の各工程を経ることによって、基板上に所定のパターンが形成され、次のカラーフィルタ形成工程S52へ移行する。
【0156】
次に、カラーフィルタ形成工程S52では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応した3つのドットの組がマトリックス状に多数配列されたり、又はR、G、Bの3本のストライプのフィルタの組を複数水平走査線方向に配列したカラーフィルタを形成する。そして、カラーフィルタ形成工程S52の後に、セル組み立て工程S54が実行される。セル組み立て工程S54では、パターン形成工程S50にて得られた所定パターンを有する基板、及びカラーフィルタ形成工程S52にて得られたカラーフィルタ等を用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。
【0157】
セル組み立て工程S54では、例えば、パターン形成工程S50にて得られた所定パターンを有する基板とカラーフィルタ形成工程S52にて得られたカラーフィルタとの間に液晶を注入して、液晶パネル(液晶セル)を製造する。その後、モジュール組立工程S56にて、組み立てられた液晶パネル(液晶セル)の表示動作を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付けて液晶表示素子として完成させる。従って、このマイクロデバイスの製造方法のパターン形成工程においては、可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像を正確に投影露光することができ、微細な転写パターンの投影露光を良好に行なうことができる。また、投影光学系の光学特性を調整することにより転写パターンの像を調整するため、可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像を正確に投影露光することができ、微細な転写パターンの投影露光を良好に行なうことができる。
【0158】
【発明の効果】
この発明の走査型投影露光装置によれば、基板ステージの走査に同期して可変パターン生成装置において生成される転写パターンを変化させることができるため、所望のパターンを容易に生成することができる。また、物体パターンであるマスク使用時に必要であったマスクステージを備える必要がなく、露光装置のコストダウン及び小型化を可能とする。また、この走査型投影露光装置によれば、投影光学系が転写パターンの像の調整を行う調整機構を備えているため、可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像を正確に投影露光することができる。
【0159】
また、この発明の走査型投影露光装置によれば、投影光学系が瞳収差に基づく主光線と投影光学系の光軸とのなす角度が100mrad以下の像側テレセントリックに構成されているため、投影光学系により投影される転写パターンの像を正確な位置に結像させることができ、転写パターンの投影露光を良好に行なうことができる。
【0160】
また、この発明の走査型投影露光装置によれば、基板位置計測手段により計測された感光性基板の位置に基づいて転写パターンの像の調整を行う調整機構を備えているため、感光性基板にゆがみ等が生じている場合においても、可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像を正確な位置に投影露光することができる。
【0161】
また、この発明の走査型投影露光装置によれば、各部分投影光学系のイメージサークル径をφ1、瞳径をφ2とした場合に0.5≦φ1/φ2の条件を満足することによりレンズの外形に対するフィールドのサイズが小さくなりすぎることを防止でき、走査幅を確保するために部分可変パターン生成装置及び部分投影光学系の数を増大させることなく露光装置を小型化することができる。また、φ1/φ2≦4の条件を満足することにより温度変化等による像面湾曲等の軸外収差の発生を防止できる。従って、可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像を正確に投影露光することができる。
【0162】
また、この発明の露光方法によれば、可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像を正確に投影露光することができ、微細な転写パターンの投影露光を良好に行なうことができる。また、投影光学系の光学特性を調整することにより転写パターンの像を調整するため、可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像を正確に投影露光することができ、微細な転写パターンの投影露光を良好に行なうことができる。
【0163】
また、この発明のデバイス製造方法によれば、計測されたプレートの位置に基づいて投影光学系の光学特性を調整するため、可変パターン生成装置により生成される転写パターンの像を正確な位置に結像することができ、スループット良くデバイスを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態にかかる露光装置の全体の概略構成を示す斜視図である。
【図2】第1の実施の形態にかかる部分投影光学系の構成を示す側面図である。
【図3】第1の実施の形態にかかるクサビレンズの側面図である。
【図4】第1の実施の形態にかかるクサビレンズを用いた結像位置の変化の状態を説明するための図である。
【図5】第1の実施の形態にかかる像シフタの外観図である。
【図6】第1の実施の形態にかかる像シフタを用いた像のシフトの状態を説明するための図である。
【図7】第1の実施の形態にかかる部分投影光学系の結像光学系の斜視図である。
【図8】第1の実施の形態にかかる結像光学系の直角プリズムの回転による像の回転の状態を説明するための図である。
【図9】第1の実施の形態にかかる倍率調整装置の外観図である。
【図10】第1の実施の形態にかかるアライメントユニットの斜視図である。
【図11】第1の実施の形態にかかるプレートに形成されたアライメントマークを説明するための図である。
【図12】第1の実施の形態にかかるアライメント系の概略構成図である。
【図13】第1の実施の形態にかかるプレート側AF検出系の概略構成図である。
【図14】第1の実施の形態にかかる空間像計測センサの概略構成図である。
【図15】第1の実施の形態にかかる露光装置のシステム構成を示すブロック図である。
【図16】第1の実施の形態にかかる露光装置の露光領域を説明するための図である。
【図17】第2の実施の形態にかかる露光装置の全体の概略構成を示す斜視図である。
【図18】第2の実施の形態にかかる露光装置の露光領域を説明するための図である。
【図19】第3の実施の形態にかかる露光装置の部分可変パターン生成装置及び部分投影光学系の構成図である。
【図20】第4の実施の形態にかかる露光装置の全体の概略構成を示す斜視図である。
【図21】第4の実施の形態にかかる露光装置の投影光学ユニットの構成図である。
【図22】第4の実施の形態にかかる露光装置の投影光学ユニットの露光領域を説明するための図である。
【図23】第4の実施の形態にかかる露光装置のシステム構成を示すブロック図である。
【図24】実施の形態にかかるマイクロデバイスとしての半導体デバイスを製造する方法のフローチャートである。
【図25】実施の形態にかかるマイクロデバイスとしての液晶表示素子を製造する方法のフローチャートである。
【符号の説明】
10a〜10e…可変パターン生成装置、12a〜12e…光源、14a〜14e…透過型液晶表示素子、26…移動鏡、16a…クサビレンズ、19a…像シフタ、22a…倍率調整装置、27…制御装置、28…マスクパターン記憶部、29…プレートステージ駆動部、30…プレートステージ制御部、42…クサビレンズ駆動部、43…像シフタ駆動部、44…プリズム駆動部、45…倍率調整装置駆動部、72…空間像計測センサ、ALU…アライメントユニット、AL1〜AL4…アライメント系、P…プレート、PL1〜PL5…部分投影光学系。
Claims (32)
- 転写パターンを形成する可変パターン生成装置と、
前記可変パターン生成装置により生成された転写パターンを感光性基板上へ投影する投影光学系と、
前記感光性基板を走査するための基板ステージと
を備える走査型投影露光装置において、
前記可変パターン生成装置は、前記基板ステージの走査に同期して、該可変パターン生成装置において生成される転写パターンを変化させる制御部を備え、
前記投影光学系は、前記転写パターンの像の調整を行う調整機構を備えることを特徴とする走査型投影露光装置。 - 前記可変パターン生成装置は、発光パターンを形成する自発光型画像表示素子を備えることを特徴とする請求項1記載の走査型投影露光装置。
- 前記可変パターン生成装置は、光源と、該光源からの照明光の光路中に配置された非発光型画像表示素子とを備えることを特徴とする請求項1記載の走査型投影露光装置。
- 前記非発光型画像表示素子は、透過型液晶表示素子を備え、前記光源からの照明光の波長λは、以下の条件を満たすことを特徴とする請求項3記載の走査型投影露光装置。
350nm≦λ≦600nm - 前記非発光型画像表示素子は、微小反射ミラー素子アレイを備え、前記光源からの照明光の波長λは、以下の条件を満たすことを特徴とする請求項3記載の走査型投影露光装置。
190nm≦λ≦550nm - 前記調整機構は、前記投影光学系により投影される転写パターンの像の倍率、像の位置、像の回転位置、フォーカス位置の少なくとも一つを調整することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の走査型投影露光装置。
- 前記可変パターン生成装置により生成された前記転写パターンと前記感光性基板の相対的な位置を計測するアライメント系を備え、
前記アライメント系の計測結果に基づいて、前記基板ステージの位置の調整を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の走査型投影露光装置。 - 前記投影光学系を介して前記感光性基板上へ到達する光を計測するための計測系と、
前記計測系の計測結果に基づいて、前記投影光学系からの光を調光する調光手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の走査型投影露光装置。 - 前記可変パターン生成装置は、複数の部分可変パターン生成装置により構成され、各部分可変パターン生成装置は、前記基板ステージの走査に同期して、該部分可変パターン生成装置において生成される転写パターンを変化させる制御部を備え、
前記投影光学系は、前記部分可変パターン生成装置のそれぞれに対応して設けられた複数の部分投影光学系により構成され、各部分投影光学系は、他の部分投影光学系との関係を考慮して前記転写パターンの像の調整を行う部分投影光学系調整機構を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の走査型投影露光装置。 - 前記部分投影光学系により前記感光性基板上に投影された複数の転写パターンの像は、少なくとも一部のオーバーラップ領域を有することにより前記感光性基板上に転写パターンの像を形成することを特徴とする請求項9に記載の走査型投影露光装置。
- 前記部分投影光学系間の相対的な位置合わせを行なうための計測光学系を更に有し、
前記計測光学系による計測結果に基づいて、前記調整機構により前記部分投影光学系の調整を行うことを特徴とする請求項9または請求項10に記載の走査型投影露光装置。 - 前記部分投影光学系は、前記基板ステージの走査方向に直行する方向に配列され、前記感光性基板の前記基板ステージの走査方向に直行する方向の幅と略同等の露光幅を有することを特徴とする請求項9乃至請求項11の何れか一項に記載の走査型投影露光装置。
- 転写パターンを形成する可変パターン生成装置と、
前記可変パターン生成装置により生成された転写パターンを感光性基板へ投影する投影光学系と、
前記感光性基板を走査するための基板ステージと
を備える走査型投影露光装置において、
前記可変パターン生成装置は、前記基板ステージの走査に同期して、該可変パターン生成装置において生成される転写パターンを変化させる制御部を備え、
前記投影光学系は、瞳収差に基づく主光線と前記部分投影光学系の光軸とがなす角度θ1が以下の条件を満たす像側テレセントリックに構成されていることを特徴とする走査型投影露光装置。
θ1≦100mrad - 転写パターンを形成する可変パターン生成装置と、
前記可変パターン生成装置により生成された転写パターンを感光性基板へ投影する投影光学系と、
前記感光性基板の位置を計測する基板位置計測手段と、
前記感光性基板を走査するための基板ステージと
を備える走査型投影露光装置において、
前記可変パターン生成装置は、前記基板ステージの走査に同期して、該可変パターン生成装置において生成される転写パターンを変化させる制御部を備え、
前記投影光学系は、前記基板位置計測手段により計測された前記感光性基板の位置に基づいて前記転写パターンの像の調整を行う調整機構を備えることを特徴とする走査型投影露光装置。 - 前記可変パターン生成装置は、発光パターンを形成する自発光型画像表示素子を備えることを特徴とする請求項13または請求項14に記載の走査型投影露光装置。
- 前記自発光型画像表示素子の光射出方向を前記投影光学系の瞳収差に基づいて設定することを特徴とする請求項15記載の走査型投影露光装置。
- 前記可変パターン生成装置は、光源と、該光源からの照明光の光路中に配置された非発光型画像表示素子とを備えることを特徴とする請求項13または請求項14に記載の走査型投影露光装置。
- 前記非発光型画像表示素子は、透過型液晶表示素子を備え、前記光源からの照明光の波長λは、以下の条件を満たすことを特徴とする請求項17記載の走査型投影露光装置。
350nm≦λ≦600nm - 前記非発光型画像表示素子は、微小反射ミラー素子アレイを備え、前記光源からの照明光の波長λは、以下の条件を満たすことを特徴とする請求項17記載の走査型投影露光装置。
190nm≦λ≦550nm - 前記可変パターン生成装置は、複数の部分可変パターン生成装置により構成され、各部分可変パターン生成装置は、前記基板ステージの走査に同期して、該部分可変パターン生成装置において生成される転写パターンを変化させる制御部を備え、
前記投影光学系は、前記部分可変パターン生成装置のそれぞれに対応して設けられた複数の部分投影光学系により構成され、各部分投影光学系は、他の部分投影光学系との関係を考慮して前記転写パターンの像の調整を行う部分投影光学系調整機構を備えることを特徴とする請求項13乃至請求項19の何れか一項に記載の走査型投影露光装置。 - 前記投影光学系の前記感光性基板側の開口数N.A.iが以下の条件を満たすことを特徴とする請求項1乃至請求項20の何れか一項に記載の走査型投影露光装置。
0.04≦N.A.i≦0.4 - 前記感光性基板上に形成された前記転写パターンの像の明部の照度Eiが以下の条件を満たすことを特徴とする請求項1乃至請求項20の何れか一項に記載の走査型投影露光装置。
Ei≧20mW/cm2 - 前記感光性基板上に前記転写パターンの像を投影する光の波長λが以下の条件を満たすことを特徴とする請求項1乃至請求項20の何れか一項に記載の走査型投影露光装置。
190nm≦λ≦600nm - 前記感光性基板上の照度むらが6%以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項20の何れか一項に記載の走査型投影露光装置。
- 前記感光性基板上に前記転写パターンの像を投影する光束の中心線と前記感光性基板の法線とのなす角度θ2が以下の条件を満たすことを特徴とする請求項1乃至請求項20の何れか一項に記載の走査型投影露光装置。
θ2≦20mrad - 転写パターンを形成する可変パターン生成装置と、
前記可変パターン生成装置により生成された転写パターンを感光性基板へ投影する投影光学系と、
前記感光性基板を走査するための基板ステージと
を備える走査型投影露光装置において、
前記可変パターン生成装置は、複数の部分可変パターン生成装置により構成され、各部分可変パターン生成装置は、前記基板ステージの走査に同期して、該部分可変パターン生成装置において生成される転写パターンを変化させる制御部を備え、
前記投影光学系は、前記部分可変パターン生成装置のそれぞれに対応して設けられた複数の部分投影光学系により構成され、各部分投影光学系のイメージサークル径をφ1、瞳径をφ2としたとき、以下の条件を満たすことを特徴とする走査型投影露光装置。
0.5≦φ1/φ2≦4 - 請求項1乃至請求項26の何れか一項に記載の走査型投影露光装置を用いた露光方法であって、
転写パターンを生成する転写パターン生成工程と、
前記転写パターン生成工程により生成された転写パターンの像を感光性基板上へ投影する投影工程と
を含むことを特徴とする露光方法。 - 投影光学系の光学特性を調整することにより転写パターンの像を調整する調整工程と、
基板ステージの走査に同期して、可変パターン生成装置により転写パターンを生成する転写パターン生成工程と、
前記転写パターン生成工程により生成された転写パターンを前記基板ステージを走査しつつ前記感光性基板上へ投影する投影工程と
を含むことを特徴とする露光方法。 - 前記調整工程は、投影光学系の光学特性を計測する計測工程と、
前記投影光学系により投影される転写パターンの像の倍率、像の位置、像の回転位置、フォーカス位置の少なくとも一つを調整する工程と
を含むことを特徴とする請求項28記載の露光方法。 - 前記調整工程は、
プレートの位置を計測する計測工程と、
前記計測工程により計測されたプレートの位置に基づいて投影光学系の光学特性を調整する工程を含むことを特徴とする請求項28記載の露光方法。 - 請求項1乃至請求項26の何れか一項に記載の走査型投影露光装置を用いたデバイス製造方法であって、
転写パターンの像を感光性基板上に露光する露光工程と、
前記露光工程により露光された前記感光性基板を現像する現像工程と
を含むことを特徴とするデバイス製造方法。 - 請求項27乃至請求項30の何れか一項に記載の露光方法を用いたデバイス製造方法であって、
転写パターンの像を感光性基板上に露光する露光工程と、
前記露光工程により露光された前記感光性基板を現像する現像工程と
を含むことを特徴とするデバイス製造方法。
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