JP2004335821A - パターン形成方法及び露光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】浸漬リソグラフィに用いられる溶液中の泡を低減することにより、レジストパターンの断面形状を良好にする。
【解決手段】化学増幅型レジスト材料よりなるレジスト膜102を形成した後、消泡剤を含み且つ循環しながら溶液貯留部に一時的に貯留されている水(屈折率n:1.44)よりなる溶液103をレジスト膜102の上に供給した状態で、露光光104をレジスト膜102に照射してパターン露光を行なう。パターン露光が行なわれたレジスト膜102に対して、ポストベークを行なった後、アルカリ性現像液により現像を行なうと、レジスト膜102の未露光部102bよりなり良好な断面形状を持つレジストパターン105が得られる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は半導体製造等におけるパターン形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路の大集積化及び半導体素子のダウンサイジングに伴って、リソグラフィ技術の開発の加速が望まれている。現在のところ、露光光としては、水銀ランプ、KrFエキシマレーザ又はArFエキシマレーザ等を用いる光リソグラフィによりパターン形成が行われていると共に、より短波長であるFレーザの使用も検討されているが、露光装置及びレジスト材料における課題が未だ多く残されているため、より短波長の露光光を用いる光リソグラフィの実用化の時期は未だ先になっている。
【0003】
このような状況から、最近従来の露光光を用いてパターンの一層の微細化を進めるべく、浸漬リソグラフィ(immersion lithography)(非特許文献1を参照)が提案されている。
【0004】
この浸漬リソグラフィによれば、露光装置内における集光レンズとウエハー上のレジスト膜との間の領域が屈折率がnである液体で満たされるため、露光装置のNA(開口数)の値がn・NAとなるので、レジスト膜の解像性が向上する。
【0005】
以下、浸漬リソグラフィを用いる従来のパターン形成方法について、図7(a) 〜(d) を参照しながら説明する。
【0006】
まず、以下の組成を有する化学増幅型レジスト材料を準備する。
【0007】
ポリ((ノルボルネン−5−メチレンターシャルブチルカルボキシレート)−(無水マレイン酸))(ノルボルネン−5−メチレンターシャルブチルカルボキシレート:無水マレイン酸=50mol%:50mol%)(ベースポリマー)…………………2g
トリフルオロスルフォニウムトリフラート(酸発生剤)……………0.04g
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(溶媒)…………20g
【0008】
次に、図7(a) に示すように、基板1の上に上記の化学増幅型レジスト材料を塗布して、0.35μmの厚さを持つレジスト膜2を形成する。
【0009】
次に、図7(b) に示すように、レジスト膜2の上に水3を供給しながら、NAが0.65であるArFエキシマレーザよりなる露光光4をマスク5を介してレジスト膜2に照射してパターン露光を行なう。尚、図7(b) においては、マスク5を通過した露光光4をレジスト膜2の表面に集光する集光レンズの図示は省略しているが、集光レンズとレジスト膜2との間の領域は水等の溶液3で満たされている。このようにすると、レジスト膜2の露光部2aにおいては酸発生剤から酸が発生するので、アルカリ性現像液に対して可溶性に変化する一方、レジスト膜2の未露光部2bにおいては酸発生剤から酸が発生しないので、アルカリ性現像液に対して難溶性のままである。
【0010】
次に、図7(c) に示すように、パターン露光が行なわれたレジスト膜2に対して、ホットプレートにより110℃の温度下で60秒間加熱した後、2.38wt%のテトラメチルアンモニウムハイドロキサイド現像液(アルカリ性現像液)により現像を行なうと、図7(d) に示すように、レジスト膜2の未露光部2aよりなるレジストパターン6が得られる。
【0011】
【非特許文献1】
M.Switkes and M.Rothschild,“Immersion lithography at 157 nm”, J.Vac.Sci.Technol., B19, 2353 (2001)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図7(d) に示すように、従来例により得られるレジストパターン6は不良形状であった。
【0013】
本件発明者らは、従来例により得られるレジストパターン6が不良形状になる理由について検討を加えた結果、露光装置の基板1を保持するステージが移動する際に溶液3中に泡が発生し、この泡によって露光光4が散乱する結果、露光光4がレジスト膜2の未露光部2bに到達したり、レジスト膜2の露光部2aにおいて過露光が発生したりし、これによって、レジストパターン6に欠陥が生じるということを見出した。
【0014】
このような不良形状のレジストパターンを用いて被処理膜に対してエッチングを行なうと、得られるパターンの形状も不良になってしまうので、半導体装置の製造プロセスにおける生産性及び歩留まりが低下してしまうという問題が発生する。
【0015】
前記に鑑み、本発明は、浸漬リソグラフィに用いられる溶液中の泡を低減することにより、レジストパターンの断面形状を良好にすることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、本発明に係る第1のパターン形成方法は、レジスト膜の上に、消泡剤を含む溶液を供給した状態で、レジスト膜に対して露光光を選択的に照射してパターン露光を行なう工程と、パターン露光が行なわれたレジスト膜に対して現像を行なってレジストパターンを形成する工程とを備えている。
【0017】
第1のパターン形成方法によると、レジスト膜の上に供給される溶液中に泡が発生しても、発生した泡は消泡剤によって消滅するため、露光光の散乱が抑制されるので、レジストパターンの形状が良好になる。
【0018】
本発明に係る第2のパターン形成方法は、レジスト膜の上に溶液を供給した状態で、レジスト膜に対して露光光を選択的に照射してパターン露光を行なう工程と、パターン露光が行なわれたレジスト膜に対して現像を行なってレジストパターンを形成する工程とを備え、パターン露光を行なう工程は、レジスト膜と露光光をレジスト膜に集光するレンズとの間に設けられ、溶液を溶液流入口から導入すると共に溶液流入口の断面積よりも小さい断面積を持つ溶液流出口から排出させる溶液貯留部の内部に一時的に貯留されている溶液をレジスト膜の上に供給しながら、露光光をレジスト膜に照射する工程を含む。
【0019】
第2のパターン形成方法によると、溶液を溶液貯留部から排出させる溶液流出口の断面積は、溶液を溶液貯留部に導入する溶液流入口の断面積よりも小さいため、溶液貯留部に一時的に貯留されている溶液の圧力が高くなるので、レジスト膜の上に供給される溶液中に発生する泡のサイズが小さくなると共に発生した泡は速やかに消滅する。このため、露光光の散乱が抑制されるので、レジストパターンの形状が良好になる。
【0020】
第1又は第2のパターン形成方法において、レジスト膜の上に供給される溶液としては水を用いることが好ましい。
【0021】
このように、溶液として屈折率の高い水を用いると、n・NAを確実に大きくすることができる。
【0022】
第1又は第2のパターン形成方法において、レジスト膜の上に供給される溶液としてはパーフルオロポリエーテルを用いることが好ましい。
【0023】
このように、溶液としてパーフルオロポリエーテルを用いると、レジストパターンの上に水溶性膜が形成されている場合であっても、水溶性膜が溶液により溶解されてしまう事態を防止できる。
【0024】
第2のパターン形成方法において、レジスト膜の上に供給される溶液は消泡剤を含むことが好ましい。
【0025】
このようにすると、レジスト膜の上に供給される溶液中に発生する泡はより一層速やかに消滅する。
【0026】
第1又は第2のパターン形成方法において、レジスト膜の上に供給される溶液が消泡剤を含む場合、消泡剤としては、シリコーン油、脂肪酸、リン酸エステル、植物性油脂、グリセリン脂肪酸エステル、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、レシチン又はポリエーテルを用いることが好ましい。
【0027】
このようにすると、溶液中の泡を確実に消滅させることができる。
【0028】
本発明に係る露光装置は、マスクを通過した露光光をレジスト膜に集光するレンズと、レジスト膜とレンズとの間に設けられ、レンズにより集光されてレジスト膜に至る露光光が通過する溶液を一時的に貯留する溶液貯留部と、溶液を溶液貯留部に導入する溶液流入口と、溶液貯留部に貯留されている溶液を排出させる溶液流出口とを備えている。
【0029】
本発明に係る露光装置によると、露光装置内における集光レンズとレジスト膜との間の領域を屈折率がnである溶液で確実に満たすことができ、露光装置のNA(開口数)の値をn・NAにできるので、レジスト膜の解像性が向上する。
【0030】
本発明に係る露光装置において、溶液流出口の断面積は、溶液流入口の断面積よりも小さいことが好ましい。
【0031】
このように、溶液を溶液貯留部から排出させる溶液流出口の断面積が、溶液を溶液貯留部に導入する溶液流入口の断面積よりも小さいと、溶液貯留部に一時的に貯留されている溶液の圧力が高くなるため、レジスト膜の上に供給される溶液中に発生する泡のサイズが小さくなると共に発生した泡は速やかに消滅する。このため、露光光の散乱が抑制されるので、レジストパターンの形状が良好になる。
【0032】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態に係るパターン形成方法に用いられる露光装置について、図1を参照しながら説明する。
【0033】
図1に示すように、基板10の上に形成されたレジスト膜11の上方には第1の露光装置の集光レンズ12が配置され、集光レンズ12とレジスト膜11との間には、溶液(屈折率:n)13を貯留する溶液貯留部14が設けられている。溶液貯留部14には、溶液13が流入する溶液流入口14aと溶液13が流出する溶液流出口14bとが設けられており、溶液流入口14aから溶液貯留部14に流入した溶液13は溶液貯留部14に一時的に貯留された後、溶液流出口14bから外部に流出する。従って、露光光15は所望のパターンが描画されたマスク16を通過した後、集光レンズ12により集光され、その後、溶液13の内部を通過してレジスト膜11の表面に到達する。このため、溶液13中を通過してレジスト膜11の表面に到達する露光光15の開口数:NAの値は、溶液13が貯留されていない場合に比べてn倍になる。
【0034】
以下、第1の実施形態に係るパターン形成方法について、図2(a) 〜(d) を参照しながら説明する。
【0035】
まず、以下の組成を有するポジ型の化学増幅型レジスト材料を準備する。
【0036】
ポリ((ノルボルネン−5−メチレンターシャルブチルカルボキシレート)−(無水マレイン酸))(但し、ノルボルネン−5−メチレンターシャルブチルカルボキシレート:無水マレイン酸=50mol%:50mol%)(ベースポリマー)…………2g
トリフルオロスルフォニウムトリフラート(酸発生剤)……………0.04g
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(溶媒)…………20g
【0037】
次に、図2(a) に示すように、基板101の上に上記の化学増幅型レジスト材料を塗布して、0.35μmの厚さを持つレジスト膜102を形成する。
【0038】
次に、図2(b) に示すように、消泡剤としてのシリコーン油を100p.p.m.含み循環しながら溶液貯留部14(図1を参照)に一時的に貯留されている水(屈折率n:1.44)よりなる溶液103をレジスト膜102の上に供給した状態で、NAが0.65であるArFエキシマレーザよりなる露光光104を図示しないマスクを介してレジスト膜102に照射してパターン露光を行なう。このようにすると、レジスト膜102の露光部102aにおいては酸発生剤から酸が発生するので、アルカリ性現像液に対して可溶性に変化する一方、レジスト膜102の未露光部102bにおいては酸発生剤から酸が発生しないので、アルカリ性現像液に対して難溶性のままである。
【0039】
次に、図2(c) に示すように、パターン露光が行なわれたレジスト膜102に対して、ホットプレートにより100℃の温度下で60秒間加熱した後、2.38wt%のテトラメチルアンモニウムハイドロキサイド現像液(アルカリ性現像液)により現像を行なうと、図2(d) に示すように、レジスト膜102の未露光部102bよりなり0.09μmのライン幅を有し且つ良好な断面形状を持つレジストパターン105が得られる。
【0040】
第1の実施形態によると、溶液103には消泡剤が含まれているため、基板101を保持するステージが移動する際に発生する泡は消泡剤により消滅する。このため、露光光104の散乱が抑制されるので、レジストパターン105の形状が良好になる。
【0041】
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態に係るパターン形成方法について、図1及び図3(a) 〜(d) を参照しながら説明する。尚、第2の実施形態に係るパターン形成方法においては、第1の実施形態と同様、図1に示す第1の露光装置が用いられる。
【0042】
まず、以下の組成を有するネガ型の化学増幅型レジスト材料を準備する。
【0043】
ポリ((ノルボルネン−5−メチレンカルボン酸)−(無水マレイン酸))(但し、ノルボルネン−5−メチレンカルボン酸:無水マレイン酸=50mol%:50mol%)(ベースポリマー)……………………………………………………………………2g
1,3,5−N−(トリヒドロキシメチル)メラミン(架橋剤)………………0.7g
トリフルオロスルフォニウムトリフラート(酸発生剤)……………0.04g
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(溶媒)…………20g
【0044】
次に、図3(a) に示すように、基板201の上に上記の化学増幅型レジスト材料を塗布して、0.35μmの厚さを持つレジスト膜202を形成する。
【0045】
次に、図3(b) に示すように、消泡剤としてのシリコーン油を100p.p.m.含み循環しながら溶液貯留部14(図1を参照)に一時的に貯留されている水(屈折率n:1.44)よりなる溶液203をレジスト膜202の上に供給した状態で、NAが0.65であるArFエキシマレーザよりなる露光光204を図示しないマスクを介してレジスト膜202に照射してパターン露光を行なう。このようにすると、レジスト膜202の露光部202aにおいては酸発生剤から酸が発生するので、架橋剤の作用によりアルカリ性現像液に対して難溶性に変化する一方、レジスト膜202の未露光部202bにおいては酸発生剤から酸が発生しないので、アルカリ性現像液に対して可溶性のままである。
【0046】
次に、図3(c) に示すように、パターン露光が行なわれたレジスト膜202に対して、ホットプレートにより120℃の温度下で90秒間加熱した後、2.38wt%のテトラメチルアンモニウムハイドロキサイド現像液(アルカリ性現像液)により現像を行なうと、図3(d) に示すように、レジスト膜202の露光部202aよりなり0.09μmのライン幅を有し且つ良好な断面形状を持つレジストパターン205が得られる。
【0047】
第2の実施形態によると、溶液203には消泡剤が含まれているため、基板101を保持するステージが移動する際に発生する泡は消泡剤により消滅する。このため、露光光204の散乱が抑制されるので、レジストパターン205の形状が良好になる。
【0048】
尚、第1又は第2の実施形態に係るパターン形成方法において、溶液103、203に含まれる消泡剤としては、破泡剤、抑泡剤又は脱泡剤が挙げられるがこれらに限らない。破泡剤は泡に吸着すると表面張力の作用により泡膜に侵入する。その後、破泡剤は表面張力により泡膜表面上に拡張されるため、泡膜は薄くなり、ついには泡膜は破壊される。抑泡剤は液中で起泡性物質と共に泡膜に吸着する。抑泡剤が吸着すると泡膜の表面張力が低下するため泡膜の薄膜化が起きる。このため泡は不安定になり液面上に出たとき破壊する。脱泡剤は液中で泡膜に吸着する。泡同士が液中で吸着すると吸着界面で泡の破壊が起きて、泡が合一して大きくなる。大きくなった泡は浮力が増大するため液面に上昇する速度が速くなる。
【0049】
消泡剤としては、シリコーン油、脂肪酸、リン酸エステル、植物性油脂、グリセリン脂肪酸エステル、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、レシチン又はポリエーテル等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0050】
消泡剤の添加量は、通常数p.p.m.から1%程度で十分な効果があるが、これ以下又はこれ以上の添加量でもよい。
【0051】
溶液103、203としては、光透過率の関係等より、露光光104、204としてg線若しくはi線等の紫外線、KrFエキシマレーザ若しくはArFエキシマレーザ等の遠紫外線を用いる場合には水(屈折率n:1.44)が好ましく、露光光104、204としてFレーザ等の真空紫外線を用いる場合にはパーフルオロポリエーテル(屈折率n:1.37)が好ましい。
【0052】
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態に係るパターン形成方法に用いられる第2の露光装置について、図4を参照しながら説明する。
【0053】
図4に示すように、基板20の上に形成されたレジスト膜21の上方には第2の露光装置の集光レンズ22が配置され、集光レンズ22とレジスト膜21との間には、溶液(屈折率:n)23を貯留する溶液貯留部24が設けられている。溶液貯留部24には、溶液23が流入する溶液流入口24aと溶液23が流出する溶液流出口24bとが設けられており、溶液流入口24aから溶液貯留部24に流入した溶液23は溶液貯留部24に一時的に貯留された後、溶液流出口24bから外部に流出する。従って、溶液23中を通過してレジスト膜21の表面に到達する露光光25の開口数:NAの値は、溶液23が貯留されていない場合に比べてn倍になる。
【0054】
第2の露光装置においては、溶液流出口24bの断面積は溶液流入口24aの断面積よりも小さい。このため、溶液貯留部24に貯留される溶液23の圧力は、溶液流出口14bの断面積と溶液流入口14aの断面積とが等しい第1の露光装置の溶液貯留部14に貯留されている溶液13の圧力よりも大きい。従って、基板20を保持するステージが移動する際に溶液23中に発生した泡は速やかに消えるため、溶液23中の泡は低減する。
【0055】
尚、溶液流出口24bの断面積を溶液流入口24aの断面積よりも小さくする方法としては、溶液流出口24bと溶液流入口24aとが同数の場合には、溶液流出口24bの断面積を溶液流入口24aの断面積よりも小さくすればよく、各溶液流出口24bの断面積と各溶液流入口24aの断面積とが等しい場合には、溶液流出口24bの数を溶液流入口24aの数よりも少なくすればよい。
【0056】
以下、第3の実施形態に係るパターン形成方法について、図5(a) 〜(d) を参照しながら説明する。
【0057】
まず、以下の組成を有する化学増幅型レジスト材料を準備する。
【0058】
ポリ((ノルボルネン−5−メチレンターシャルブチルカルボキシレート)−(無水マレイン酸))(但し、ノルボルネン−5−メチレンターシャルブチルカルボキシレート:無水マレイン酸=50mol%:50mol%)(ベースポリマー)…………2g
トリフルオロスルフォニウムトリフラート(酸発生剤)………………0.4g
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(溶媒)…………20g
【0059】
次に、図5(a) に示すように、基板301の上に上記の化学増幅型レジスト材料を塗布して、0.35μmの厚さを持つレジスト膜302を形成する。
【0060】
次に、図5(b) に示すように、循環しながら溶液貯留部24(図4を参照)に一時的に貯留されている水よりなる溶液303をレジスト膜302の上に供給した状態で、NAが0.65であるArFエキシマレーザよりなる露光光304を図示しないマスクを介してレジスト膜302に照射してパターン露光を行なう。このようにすると、レジスト膜302の露光部302aにおいては酸発生剤から酸が発生するので、アルカリ性現像液に対して可溶性に変化する一方、レジスト膜302の未露光部302bにおいては酸発生剤から酸が発生しないので、アルカリ性現像液に対して難溶性のままである。
【0061】
次に、図5(c) に示すように、パターン露光が行なわれたレジスト膜302に対して、ホットプレートにより100℃の温度下で60秒間加熱した後、2.38wt%のテトラメチルアンモニウムハイドロキサイド現像液(アルカリ性現像液)により現像を行なうと、図5(d) に示すように、レジスト膜302の未露光部302bよりなり0.09μmのライン幅を有し且つ良好な断面形状を持つレジストパターン305が得られる。
【0062】
第3の実施形態によると、第2の露光装置における溶液を溶液貯留部24から排出させる溶液流出口24bの断面積は、溶液を溶液貯留部24に導入する溶液流入口24aの断面積よりも小さいため、溶液貯留部24に一時的に貯留されている溶液303の圧力が高くなるので、溶液303中に発生する泡のサイズが小さくなると共に発生した泡は速やかに消滅する。このため、露光光304の散乱が抑制されるので、レジストパターン305の形状が良好になる。
【0063】
(第4の実施形態)
以下、第4の実施形態に係るパターン形成方法について、図6(a) 〜(d) を参照しながら説明する。尚、第4の実施形態に係るパターン形成方法においては、第3の実施形態と同様、図4に示す第2の露光装置が用いられる。
【0064】
まず、以下の組成を有するネガ型の化学増幅型レジスト材料を準備する。
【0065】
ポリ((ノルボルネン−5−メチレンカルボン酸)−(無水マレイン酸))(但し、ノルボルネン−5−メチレンカルボン酸:無水マレイン酸=50mol%:50mol%)(ベースポリマー)……………………………………………………………………2g
1,3,5−N−(トリヒドロキシメチル)メラミン(架橋剤)………………0.7g
トリフルオロスルフォニウムトリフラート(酸発生剤)……………0.04g
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(溶媒)…………20g
【0066】
次に、図6(a) に示すように、基板401の上に上記の化学増幅型レジスト材料を塗布して、0.35μmの厚さを持つレジスト膜402を形成する。
【0067】
次に、図6(b) に示すように、循環しながら溶液貯留部24(図4を参照)に一時的に貯留されている水よりなる溶液403をレジスト膜402の上に供給した状態で、NAが0.65であるArFエキシマレーザよりなる露光光404を図示しないマスクを介してレジスト膜402に照射してパターン露光を行なう。このようにすると、レジスト膜402の露光部402aにおいては酸発生剤から酸が発生するので、架橋剤の作用によりアルカリ性現像液に対して難溶性に変化する一方、レジスト膜402の未露光部402bにおいては酸発生剤から酸が発生しないので、アルカリ性現像液に対して可溶性のままである。
【0068】
次に、図6(c) に示すように、パターン露光が行なわれたレジスト膜402に対して、ホットプレートにより120℃の温度下で90秒間加熱した後、2.38wt%のテトラメチルアンモニウムハイドロキサイド現像液(アルカリ性現像液)により現像を行なうと、図6(d) に示すように、レジスト膜402の未露光部402bよりなり0.09μmのライン幅を有し且つ良好な断面形状を持つレジストパターン405が得られる。
【0069】
第4の実施形態によると、第2の露光装置における溶液を溶液貯留部24から排出させる溶液流出口24bの断面積は、溶液を溶液貯留部24に導入する溶液流入口24aの断面積よりも小さいため、溶液貯留部24に一時的に貯留されている溶液403の圧力が高くなるので、溶液403中に発生する泡のサイズが小さくなると共に発生した泡は速やかに消滅する。このため、露光光404の散乱が抑制されるので、レジストパターン405の形状が良好になる。
【0070】
尚、第3又は第4の実施形態においては、溶液303、403中には消泡剤が含まれていなかったが、第1又は第2の実施形態と同様の消泡剤を含ませてもよい。このようにすると、溶液303、403中に発生する泡はより一層速やかに消滅する。
【0071】
【発明の効果】
本発明に係る第1のパターン形成方法によると、レジスト膜の上に供給される溶液中に発生した泡は消泡剤によって消滅するため、露光光の散乱が抑制されるので、レジストパターンの形状が良好になる。
【0072】
本発明に係る第2のパターン形成方法によると、溶液貯留部に一時的に貯留されている溶液の圧力が高くなるため、溶液中に発生する泡のサイズが小さくなると共に発生した泡は速やかに消滅するので、露光光の散乱が抑制され、これによって、レジストパターンの形状が良好になる。
【0073】
本発明に係る露光装置によると、露光装置内における集光レンズとレジスト膜との間の領域を屈折率がnである溶液で確実に満たすことができ、露光装置のNA(開口数)の値をn・NAにできるので、レジスト膜の解像性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1又は第2の実施形態に係るパターン形成方法に用いられる第1の露光装置の要部断面図である。
【図2】(a) 〜(d) は第1の実施形態に係るパターン形成方法の各工程を示す断面図である。
【図3】(a) 〜(d) は第2の実施形態に係るパターン形成方法の各工程を示す断面図である。
【図4】第3又は第4の実施形態に係るパターン形成方法に用いられる第2の露光装置の要部断面図である。
【図5】(a) 〜(d) は第3の実施形態に係るパターン形成方法の各工程を示す断面図である。
【図6】(a) 〜(d) は第4の実施形態に係るパターン形成方法の各工程を示す断面図である。
【図7】(a) 〜(d) は従来のパターン形成方法の各工程を示す断面図である。
【符号の説明】
10 基板
11 レジスト膜
12 集光レンズ
13 溶液
14 溶液貯留部
14a 溶液流入口
14b 溶液流出口
15 露光光
20 基板
21 レジスト膜
22 集光レンズ
23 溶液
24 溶液貯留部
24a 溶液流入口
24b 溶液流出口
25 露光光
101 基板
102 レジスト膜
102a 露光部
102b 未露光部
103 溶液
104 露光光
105 レジストパターン
201 基板
202 レジスト膜
202a 露光部
202b 未露光部
203 溶液
204 露光光
205 レジストパターン
301 基板
302 レジスト膜
302a 露光部
302b 未露光部
303 溶液
304 露光光
305 レジストパターン
401 基板
402 レジスト膜
402a 露光部
402b 未露光部
403 溶液
404 露光光
405 レジストパターン

Claims (8)

  1. レジスト膜の上に、消泡剤を含む溶液を供給した状態で、前記レジスト膜に対して露光光を選択的に照射してパターン露光を行なう工程と、
    パターン露光が行なわれた前記レジスト膜に対して現像を行なってレジストパターンを形成する工程とを備えていることを特徴とするパターン形成方法。
  2. レジスト膜の上に溶液を供給した状態で、前記レジスト膜に対して露光光を選択的に照射してパターン露光を行なう工程と、
    パターン露光が行なわれた前記レジスト膜に対して現像を行なってレジストパターンを形成する工程とを備え、
    前記パターン露光を行なう工程は、前記レジスト膜と前記露光光を前記レジスト膜に集光するレンズとの間に設けられ、前記溶液を溶液流入口から導入すると共に前記溶液流入口の断面積よりも小さい断面積を持つ溶液流出口から排出させる溶液貯留部の内部に一時的に貯留されている前記溶液を前記レジスト膜の上に供給しながら、前記露光光を前記レジスト膜に照射する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
  3. 前記溶液は水であることを特徴とする請求項1又は2に記載のパターン形成方法。
  4. 前記溶液はパーフルオロポリエーテルであることを特徴とする請求項1又は2に記載のパターン形成方法。
  5. 前記溶液は消泡剤を含むことを特徴とする請求項2に記載のパターン形成方法。
  6. 前記消泡剤は、シリコーン油、脂肪酸、リン酸エステル、植物性油脂、グリセリン脂肪酸エステル、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、レシチン又はポリエーテルであることを特徴とする請求項1又は5に記載のパターン形成方法。
  7. マスクを通過した露光光をレジスト膜に集光するレンズと、
    前記レジスト膜と前記レンズとの間に設けられ、前記レンズにより集光されて前記レジスト膜に至る前記露光光が通過する溶液を一時的に貯留する溶液貯留部と、
    前記溶液を前記溶液貯留部に導入する溶液流入口と、
    前記溶液貯留部に貯留されている前記溶液を排出させる溶液流出口とを備えていることを特徴とする露光装置。
  8. 前記溶液流出口の断面積は、前記溶液流入口の断面積よりも小さいことを特徴とする請求項7に記載の露光装置。
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