JP2004335608A - 半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】溶断箇所を確実にパッド部から離すことができ、且つ、安定して溶断ができる小型のフューズを提供する。
【解決手段】フューズ3は、フューズ本体部3Aと当該フューズ本体部3Aによって連結されている2つのパッド部3Ba,3Bbとを備えている。フューズ本体部3Aの第1の領域3A1が有する単位抵抗値R1が、フューズ本体部3Aの第1の領域以外の第2の領域3A2が有する単位抵抗値R2より大きく設定されている。
【選択図】 図1
【解決手段】フューズ3は、フューズ本体部3Aと当該フューズ本体部3Aによって連結されている2つのパッド部3Ba,3Bbとを備えている。フューズ本体部3Aの第1の領域3A1が有する単位抵抗値R1が、フューズ本体部3Aの第1の領域以外の第2の領域3A2が有する単位抵抗値R2より大きく設定されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体基板上の積層構造内に導電材料からなるフューズを有する半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体集積回路(IC)の特性を調整する技術(トリミング技術)として、たとえばポリシリコンからなるフューズを用いるものと、ツェナーザップダイオードを用いるものがある。
【0003】
フューズを用いたトリミング技術は、IC内のトランジスタのゲート電極または抵抗などに多用されているポリシリコン層の形成と同時にフューズの形成が可能であり、遮断したい電流路にフューズを挿入するだけの簡単な構成で特性調整が可能であることから広く用いられている。フューズの溶断は、一般に、レーザビーム照射により行うか、あるいは、フューズに電流を流すことにより達成する。
【0004】
図4および図5に、電流供給によりフューズを溶断するトリミング回路を、抵抗値を調整する場合を例として示す。図4は、トリミング回路の構成を示す回路図である。
図4に示す回路の直列抵抗Rは、基準抵抗R0(抵抗値:r0)とトリミング用抵抗R1,R2(抵抗値:r1,r2)により構成され、これらの抵抗R0〜R2が直列接続されている。トリミング用抵抗R1,R2に対し、それぞれポリシリコンからなるフューズF1,F2が並列に接続されている。基準抵抗R0とトリミング用抵抗R1との接続中点に電極パッドPD1が接続され、トリミング用抵抗R1,R2の接続中点に電極パッドPD2が接続され、トリミング用抵抗R2のもう一方の側に電極パッドPD3が接続されている。
【0005】
図5(A)および図5(B)は、フューズF1の平面図および断面図である。半導体基板100上に絶縁膜101が形成され、絶縁膜101上にポリシリコンからなるフューズF1が形成されている。フューズF1を構成するポリシリコン層102は、2つのパッド部102Baおよび102Bbと、その間を連結するフューズ本体部102Aとからなる形状にパターンニングされている。さらに、フューズ本体部102Aは、フューズライン部102Aaと、コーナー部での電界集中を分散させるなどの理由からフューズライン部102Aaの両端から外側ほど幅広に形成された連結部102Abとからなる。
【0006】
ポリシリコン層102上に、たとえば酸化シリコンまたは窒化シリコンなどからなる層間絶縁膜103が形成されている。層間絶縁膜103は、ポリシリコン層102の両端のパッド部102Baおよび102Bbのほぼ中央で開口され、これによりパッド開口部103Aと103Bが形成されている。層間絶縁膜103のパッド開口部103A,103Bより一回り大きなパターンにて電極層104Aと104Bが形成されている。電極層104Aと104Bは、配線としてICチップの周縁部に延び、ここで図4に示す電極パッドPD1,PD2に接続されている。
【0007】
このような構成のトリミング回路では、たとえば、ICのウエハ工程最終段階における特性チェック時に、ICの特性測定結果に応じて、所定の特性を理想値に近づけるために、必要に応じてフューズF1またはF2の溶断を行う。具体的には、抵抗Rの値がr0のままでよい場合にはフューズの溶断は行わないが、抵抗Rの値をr0より大きくしたいときは、フューズF1またはF2の溶断を行う。フューズF1を溶断する際は、電極パッドPD1,PD2にそれぞれ針を立て、所定の電流を供給する。これにより、ポリシリコン層102のフューズ本体部102Aで電流密度が増大し、この部分でポリシリコン層102が溶断され、フューズF1が遮断状態となる。その結果、抵抗Rの値は(r0+r1)に変化する。同様に、電極パッドPD2,PD3からの電流供給によりフューズF2を溶断させると抵抗Rの値は(r0+r2)に変化し、また、フューズF1,F2の双方を溶断させると抵抗Rの値は(r0+r1+r2)に変化する。
【0008】
ところが、この従来のフューズではフューズの溶断箇所がばらつき、図5(A)に示すように、本来溶断を行うべき中央のポイントZと異なる箇所で溶断がされることがある。そのため、図5(A)に示すように、電極層104Aまたは104Bに近接した位置Z1またはZ2で溶断が発生することがある。この場合、電極層104Aまたは104Bのアルミニューム等の配線材料が、発熱によってフューズに溶け出し、ポリシリコンの溶断箇所をつなぐため、溶断が十分になされないという不具合が発生する。その結果、トリミング歩留まりが悪くなるという問題があった。
【0009】
このような不具合を防止するには、本来溶断が行われるべき箇所Zで溶断する確率を高める必要がある。
このような目的に沿ったものとして、フューズ本体部102Aの中央部分のみフューズの幅を狭くしたフューズが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】
特開2001−291777号公報(第6図、第2頁参照)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記特許文献1の第6図に示すように、線幅のみでフューズの溶断箇所を特定すると、この細い中央部をリソグラフィの最小線幅Fとするため、その周囲の他のフューズ本体部の線幅は、その最小線幅Fよりかなり大きくする必要がある。そのため、フューズ素子のサイズが大きくなってしまう。また、フューズ本体部の中央部の線幅を最小線幅Fより小さくすると、線幅のばらつきが保証できないため、フューズの抵抗値そのものがばらつき、精度が高いフューズの溶断が困難になる。
【0011】
本発明の目的は、フューズの溶断箇所を確実にパッド部から離すことができ、且つ、安定して溶断ができる小型のフューズを有する半導体装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る半導体装置は、フューズ本体部と当該フューズ本体部によって連結されている2つのパッド部とを備えているフューズが半導体基板上の積層構造内に形成されている半導体装置であって、前記フューズ本体部の第1の領域が有する単位抵抗値が、前記フューズ本体部の前記第1の領域以外の第2の領域が有する単位抵抗値より大きいことを特徴とする。
望ましくは、前記第1の領域が、前記2つのパッド部から離れた前記フューズ本体部の内側部分に規定されている。
【0013】
ここで、「単位抵抗値」とは単位線幅で単位長さ当たりの抵抗値をいう。
第1および第2の領域間で、この単位抵抗値に差をつけるために、望ましくは、不純物濃度差をつける、膜厚差をつける、膜構造を異なるものとする、といった方法の何れかにより達成されている。
【0014】
本発明に係る他の半導体装置は、フューズ本体部と当該フューズ本体部によって連結されている2つのパッド部とを備えているフューズが半導体基板上の積層構造内に形成されている半導体装置であって、前記フューズ本体部に第1の領域が規定され、前記フューズ本体部の前記第1の領域以外の第2の領域が、前記第1の領域と同じパターン幅にて形成され、前記第1の領域より小さい抵抗値を有している。
【0015】
本発明によれば、2つのパッド部間に所定の電圧または電流といった電気的ストレスを印加すると、正極側のパッド部側からフューズ本体部に電流が流れる。これによりフューズ本体部内をジュール熱による発熱、その熱伝導および放熱が起こり、その熱の一部が主に2つのパッド部側に逃げる。また、フューズ本体部内を熱伝効果による熱の移動が正極側に向かって起きようとする。ところが、フューズ本体内の第1の領域の単位抵抗値は、その周囲の第2の領域の単位抵抗値より高いため、第1の領域でのジュール熱による発熱効率が高く、発熱のピーク点が第1の領域に固定される。その結果、パッド部から離れた第1の領域でフューズの溶断が生じる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態に係る半導体装置において、そのフューズ本体部の一部(以下、第1の領域という)の単位抵抗値または抵抗値が、その他のフューズ本体部の領域(以下、第2の領域という)の単位抵抗値または抵抗値より高く設定されている。ここで、「単位抵抗値」とは、フューズ本体部の単位線幅で単位長さ当たりの抵抗値をいう。また、「抵抗値」というとき、体積抵抗または面積抵抗で規定される抵抗値をいう。
単位抵抗値が異なる構成では、フューズ本体部の線幅が第1の領域と第2の領域との間で異なっても良いし、同じでも良い。線幅が異なる場合は、たとえば前述した特許文献1の第6図のように、パッド部から離れた位置(例えば、フューズ本体部の長さ中心部)で第1の領域の線幅を、他の第2の領域の線幅より狭くし、かつ、第1の領域で単位抵抗値が高くなるように、その材料または構造等を第2の領域と異なるようにする。つまり、この単位抵抗値が異なる構成では、第1の領域と第2の領域を仮に同じ線幅とした場合でも、抵抗値同士で異なるようにフューズの材料や構造が規定されている。
一方、抵抗値が異なる構成では、第1の領域と第2の領域の線幅は等しく設定されている。
【0017】
以下、第1の領域と第2の領域の線幅が同じ場合を例として、より詳細に実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0018】
[第1の実施の形態]
図1(A)および図1(B)に、本発明の実施の形態に係るフューズの平面図と断面図を示す。
半導体基板1上に絶縁膜2が形成され、絶縁膜2上にポリシリコンなどの導電材料からなるフューズ3が形成されている。フューズ3は、2つのパッド部3Baおよび3Bbと、その間を連結するフューズ本体部3Aとからなる。フューズ本体部3Aは、フューズライン部3Aaと、コーナー部での電界集中を分散させるなどの理由からフューズライン部3Aaの両端それぞれで、外側ほど幅広に形成された連結部3Abとからなる。これらフューズライン部3Aa、2つの連結部3Ab、2つのパッド部3Baおよび3Bbは、たとえばポリシリコン膜にP型またはN型の不純物を導入して形成される導電膜をパターンニングすることにより一括して形成される。
【0019】
フューズ3上に、たとえば酸化シリコンまたは窒化シリコンなどからなる層間絶縁膜4が形成されている。層間絶縁膜4は、フューズ3の両端のパッド部3Baおよび3Bbのほぼ中央で開口され、これにより開口部4Aと4Bが形成されている。層間絶縁膜4の開口部4A,4Bより一回り大きなパターンにて導電層5Aと5Bが形成されている。
【0020】
第1の実施の形態では、フューズ本体部3Aが、単位抵抗値が相対的に大きい第1の領域3A1(単位抵抗値:R1)と、単位抵抗値が相対的に小さい第2の領域3A2(単位抵抗値:R2)とからなる。第1の領域の位置は、正極側のパッド部から十分離れた位置であれば良い。ここでは、第1の領域3A1が、フューズライン部3Aaの長さ方向のほぼ中心部付近に形成されている。その他のフューズ本体部分、すなわち第1の領域3A1よりパッド部3Ba側のフューズライン部と連結部3Ab、および、第1の領域3A1よりパッド部3Bb側のフューズライン部と連結部3Abが、第2の領域3A2となる。
【0021】
一般に、あるバイアス条件の下で、フューズ3の3次元形状、即ち膜厚および平面パターン並びにフューズ3の材料、少なくとも正極側の導電層5Aの3次元形状、即ち膜厚および平面パターン並びに導電層の材料、さらには、各種構造パラメータにより、フューズの溶断位置が変化する。
本実施の形態では、このようなフューズの溶断位置を決定する要因がどのようにばらついても、第1の領域3A1で必ず溶断が起きるように、第1の領域の単位抵抗値R1と第2の領域の単位抵抗値R2との差が規定されている。具体的には、図1(B)に示されるように、第1の領域3A1と第2の領域3A2とは、同じ膜厚のポリシリコンからなるが、その不純物濃度が異なっている。不純物濃度の種類、導電型に限定はないが、少なくとも第1の領域3A1の導電率が、第2の領域3A2の導電率より低く設定されている。
【0022】
以下、フューズの製造方法を示すことによって、より具体的なフューズの構成例を説明する。なお、ここで示す各種構造パラメータや製造方法は一例であり、これに限定されるものではない。
【0023】
P型シリコンウエハ等の半導体基板1の表面に、900〜1000℃程度のスチーム酸化により、600〜800nm程度の厚さのLOCOS酸化膜を形成する。このLOCOS酸化膜が、図1(B)における絶縁膜2とする。
【0024】
続いて、CVD法により100〜200nm程度のポリシリコン膜を形成する。次に、フォトリソグラフィー技術及びイオンインプランテーション技術を用いて、フューズ本体部の第1の領域3A1の単位抵抗値R1を規定する濃度の不純物として、1×1014〜5×1014/cm2程度のホウ素(B)を注入する。
続いて、フォトリソグラフィー技術を用いて第1の領域3A1となる領域上にフォトレジストを形成し、これをマスクとしてイオンインプランテーションを行う。これにより、第1の領域3A1以外のフューズの不純物濃度を規定する濃度の不純物として、1×1015〜5×1015/cm2程度のホウ素(B)を注入する。
【0025】
フォトレジストを除去後、フォトリソグラフィー技術及びRIE等の異方性エッチング技術を用いて、不純物が導入されたドープドポリシリコン膜をパターンニングし、フューズ3の形状とする。
このパターンニングに用いたフォトレジストを除去し、その後、CVD法により300nm程度の酸化膜(層間絶縁膜4)を形成し、更に900〜950℃程度の熱処理を行う。この熱処理によって、ポリシリコン膜中に注入されたホウ素(B)が拡散し、フューズ3が形成される。このとき第1の領域3A1は相対的に不純物濃度が低く、その他の第2の領域3Aは相対的に不純物濃度が高くなる。その結果、第1の領域の単位抵抗値R1は、第2の領域の単位抵抗値R1より高くなる。
【0026】
次に、フォトリソグラフィー技術及びRIE技術によって、フューズ3のパッド部3Baと3Bbの部分で、層間絶縁膜4に開口部4Aと4Bを形成する。この開口部形成に用いたフォトレジストを除去し、その後、アルミニウム(AL)等からなる金属膜をスパッタにより堆積させる。この金属膜を、フォトリソグラフィー技術及びRIE技術によってパターンニングし、電極層4Aおよび4Bを形成する。なお、電極層4Aおよび4Bを配線として用いる場合、開口部4Aまたは4Bに端部が重なるライン状に形成される。
【0027】
このように形成されたフューズは、半導体装置内の回路の特性調整、あるいは、回路ブロックの選択のために、必要に応じて溶断される。より詳細には、2つの電極層4Aと4B間に所定の電圧または電流といった電気的ストレスを印加する。このとき、正極側の電極層側からフューズ本体部3Aに電流が流れる。これによりフューズ本体部3A内をジュール熱による発熱、その熱伝導および放熱が起こり、その熱の一部が主に2つのパッド部側に逃げる。また、フューズ本体部3A内を熱伝効果による熱の移動が正極側に向かって起きようとする。
【0028】
ところが、フューズ本体部3A内の第1の領域の単位抵抗値R1は、その周囲の第2の領域の単位抵抗値R2より高いため、第1の領域でのジュール熱による発熱効率が高くなる。換言すると、電流をI[A]、電圧をV[V]、抵抗値をR[Ω]とすると、消費電力P=IV=I2Rで表されるため、単位抵抗値が大きい第1の領域3A1で、より多くの電力が熱に変換される。その結果、発熱のピーク点が第1の領域3A1に固定され、電極層から離れた第1の領域3A1でフューズの溶断が生じる。したがって、確実にフューズの溶断が起こる上、電極層5Aまたは5Bが熱によって溶け出すことが有効に防止され一端切断されたフューズが再びショート状態になることがない。
このように、本実施の形態によれば、安定したフューズ溶断により、その不良の低減が達成できる。また、フューズ本体部の線幅をプロセスの最小寸法として、全体として小型のフューズが実現できる。
【0029】
なお、第1の実施の形態では、フューズ材料をポリシリコンとしたが、例えば、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、コバルト(Co)等の高融点金属に他の元素を選択的に注入することにより単位抵抗値を変化させることができる。例えば、タンタル(Ta)の場合、窒素(N)を添加して窒化すると抵抗値が下がり、酸素を添加して酸化すると抵抗値が上がるため、その何れか、又は、両者の組み合わせによって単位抵抗値を変化させることができる。
【0030】
[第2の実施の形態]
図2は、第2の実施の形態に係るフューズの第1の領域周囲の一部を拡大して示す断面図である。第2の実施の形態では、第1の領域と第2の領域の膜厚が異なるが、不純物濃度は同じである点で第1の実施の形態と異なる。その他の構成は、第1の実施の形態と共通するので、ここでの図解と説明は省略する。
このフューズでは、膜厚に差を設けている。膜厚差を設ける方法はこの図示例に限定されず、単一膜の一部を途中までエッチングする方法もあるが、ここでは、制御性が高い方法として、同じ材料の2つの膜を用いる方法を示している。つまり、第1層目の導電膜10Aを形成し、これが第2の領域3A2となる部分にのみ残るように、第1の領域3A1となる部分で除去する。その後、第2層目の導電膜10Bを形成する。
これにより、第1の領域の単位抵抗値R1が、第2の領域の単位抵抗値R2より高くなり、第1の実施の形態と同様な効果が得られる。
【0031】
[第3の実施の形態]
図3は、第3の実施の形態に係るフューズの第1の領域周囲の一部を拡大して示す断面図である。第3の実施の形態では、第1の領域と第2の領域の膜構造(シリサイドの有無)が異なるが、ベースとなるポリシリコンの不純物濃度は同じである点で第1の実施の形態と異なる。その他の構成は、第1の実施の形態と共通するので、ここでの図解と説明は省略する。
このフューズでは、膜構造に差を設けている。膜構造に差を設ける方法はこの図示例に限定されず、より低抵抗な層を第2の領域側にのみ形成すればよい。ここでは、シリサイドの有無により抵抗差を設ける例を説明する。つまり、第1層目の導電膜20Aとして、所定の濃度のポリシリコンを形成し、第1の領域3A1となる部分のみ絶縁層マスクで多い、高融点金属を堆積して加熱する。これにより第2の領域にのみ合金層(シリサイド)が形成される。その後、合金化していない高融点金属を薬液で除去する。
これにより、第2の領域の単位抵抗値R2が、第1の領域の単位抵抗値R1より低くなり、第1の実施の形態と同様な効果が得られる。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、フューズの溶断箇所を確実にパッド部から離すことができ、且つ、安定して溶断ができる小型のフューズを有する半導体装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るフューズの平面図と断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係るフューズの第1の領域周囲の一部を拡大して示す断面図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態に係るフューズの第1の領域周囲の一部を拡大して示す断面図である。
【図4】トリミング回路の構成を示す回路図である。
【図5】従来のフューズの平面図および断面図である。
【符号の説明】
1…半導体基板、2…絶縁膜、3…フューズ、3A…フューズ本体部、3A1…第1の領域、3A2…第2の領域、3Ba,3Bb…パッド部、4…層間絶縁膜、5A,5B…導電層、R1…第1の領域の単位抵抗値、R2…第2の領域の単位抵抗値
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体基板上の積層構造内に導電材料からなるフューズを有する半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体集積回路(IC)の特性を調整する技術(トリミング技術)として、たとえばポリシリコンからなるフューズを用いるものと、ツェナーザップダイオードを用いるものがある。
【0003】
フューズを用いたトリミング技術は、IC内のトランジスタのゲート電極または抵抗などに多用されているポリシリコン層の形成と同時にフューズの形成が可能であり、遮断したい電流路にフューズを挿入するだけの簡単な構成で特性調整が可能であることから広く用いられている。フューズの溶断は、一般に、レーザビーム照射により行うか、あるいは、フューズに電流を流すことにより達成する。
【0004】
図4および図5に、電流供給によりフューズを溶断するトリミング回路を、抵抗値を調整する場合を例として示す。図4は、トリミング回路の構成を示す回路図である。
図4に示す回路の直列抵抗Rは、基準抵抗R0(抵抗値:r0)とトリミング用抵抗R1,R2(抵抗値:r1,r2)により構成され、これらの抵抗R0〜R2が直列接続されている。トリミング用抵抗R1,R2に対し、それぞれポリシリコンからなるフューズF1,F2が並列に接続されている。基準抵抗R0とトリミング用抵抗R1との接続中点に電極パッドPD1が接続され、トリミング用抵抗R1,R2の接続中点に電極パッドPD2が接続され、トリミング用抵抗R2のもう一方の側に電極パッドPD3が接続されている。
【0005】
図5(A)および図5(B)は、フューズF1の平面図および断面図である。半導体基板100上に絶縁膜101が形成され、絶縁膜101上にポリシリコンからなるフューズF1が形成されている。フューズF1を構成するポリシリコン層102は、2つのパッド部102Baおよび102Bbと、その間を連結するフューズ本体部102Aとからなる形状にパターンニングされている。さらに、フューズ本体部102Aは、フューズライン部102Aaと、コーナー部での電界集中を分散させるなどの理由からフューズライン部102Aaの両端から外側ほど幅広に形成された連結部102Abとからなる。
【0006】
ポリシリコン層102上に、たとえば酸化シリコンまたは窒化シリコンなどからなる層間絶縁膜103が形成されている。層間絶縁膜103は、ポリシリコン層102の両端のパッド部102Baおよび102Bbのほぼ中央で開口され、これによりパッド開口部103Aと103Bが形成されている。層間絶縁膜103のパッド開口部103A,103Bより一回り大きなパターンにて電極層104Aと104Bが形成されている。電極層104Aと104Bは、配線としてICチップの周縁部に延び、ここで図4に示す電極パッドPD1,PD2に接続されている。
【0007】
このような構成のトリミング回路では、たとえば、ICのウエハ工程最終段階における特性チェック時に、ICの特性測定結果に応じて、所定の特性を理想値に近づけるために、必要に応じてフューズF1またはF2の溶断を行う。具体的には、抵抗Rの値がr0のままでよい場合にはフューズの溶断は行わないが、抵抗Rの値をr0より大きくしたいときは、フューズF1またはF2の溶断を行う。フューズF1を溶断する際は、電極パッドPD1,PD2にそれぞれ針を立て、所定の電流を供給する。これにより、ポリシリコン層102のフューズ本体部102Aで電流密度が増大し、この部分でポリシリコン層102が溶断され、フューズF1が遮断状態となる。その結果、抵抗Rの値は(r0+r1)に変化する。同様に、電極パッドPD2,PD3からの電流供給によりフューズF2を溶断させると抵抗Rの値は(r0+r2)に変化し、また、フューズF1,F2の双方を溶断させると抵抗Rの値は(r0+r1+r2)に変化する。
【0008】
ところが、この従来のフューズではフューズの溶断箇所がばらつき、図5(A)に示すように、本来溶断を行うべき中央のポイントZと異なる箇所で溶断がされることがある。そのため、図5(A)に示すように、電極層104Aまたは104Bに近接した位置Z1またはZ2で溶断が発生することがある。この場合、電極層104Aまたは104Bのアルミニューム等の配線材料が、発熱によってフューズに溶け出し、ポリシリコンの溶断箇所をつなぐため、溶断が十分になされないという不具合が発生する。その結果、トリミング歩留まりが悪くなるという問題があった。
【0009】
このような不具合を防止するには、本来溶断が行われるべき箇所Zで溶断する確率を高める必要がある。
このような目的に沿ったものとして、フューズ本体部102Aの中央部分のみフューズの幅を狭くしたフューズが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】
特開2001−291777号公報(第6図、第2頁参照)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記特許文献1の第6図に示すように、線幅のみでフューズの溶断箇所を特定すると、この細い中央部をリソグラフィの最小線幅Fとするため、その周囲の他のフューズ本体部の線幅は、その最小線幅Fよりかなり大きくする必要がある。そのため、フューズ素子のサイズが大きくなってしまう。また、フューズ本体部の中央部の線幅を最小線幅Fより小さくすると、線幅のばらつきが保証できないため、フューズの抵抗値そのものがばらつき、精度が高いフューズの溶断が困難になる。
【0011】
本発明の目的は、フューズの溶断箇所を確実にパッド部から離すことができ、且つ、安定して溶断ができる小型のフューズを有する半導体装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る半導体装置は、フューズ本体部と当該フューズ本体部によって連結されている2つのパッド部とを備えているフューズが半導体基板上の積層構造内に形成されている半導体装置であって、前記フューズ本体部の第1の領域が有する単位抵抗値が、前記フューズ本体部の前記第1の領域以外の第2の領域が有する単位抵抗値より大きいことを特徴とする。
望ましくは、前記第1の領域が、前記2つのパッド部から離れた前記フューズ本体部の内側部分に規定されている。
【0013】
ここで、「単位抵抗値」とは単位線幅で単位長さ当たりの抵抗値をいう。
第1および第2の領域間で、この単位抵抗値に差をつけるために、望ましくは、不純物濃度差をつける、膜厚差をつける、膜構造を異なるものとする、といった方法の何れかにより達成されている。
【0014】
本発明に係る他の半導体装置は、フューズ本体部と当該フューズ本体部によって連結されている2つのパッド部とを備えているフューズが半導体基板上の積層構造内に形成されている半導体装置であって、前記フューズ本体部に第1の領域が規定され、前記フューズ本体部の前記第1の領域以外の第2の領域が、前記第1の領域と同じパターン幅にて形成され、前記第1の領域より小さい抵抗値を有している。
【0015】
本発明によれば、2つのパッド部間に所定の電圧または電流といった電気的ストレスを印加すると、正極側のパッド部側からフューズ本体部に電流が流れる。これによりフューズ本体部内をジュール熱による発熱、その熱伝導および放熱が起こり、その熱の一部が主に2つのパッド部側に逃げる。また、フューズ本体部内を熱伝効果による熱の移動が正極側に向かって起きようとする。ところが、フューズ本体内の第1の領域の単位抵抗値は、その周囲の第2の領域の単位抵抗値より高いため、第1の領域でのジュール熱による発熱効率が高く、発熱のピーク点が第1の領域に固定される。その結果、パッド部から離れた第1の領域でフューズの溶断が生じる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態に係る半導体装置において、そのフューズ本体部の一部(以下、第1の領域という)の単位抵抗値または抵抗値が、その他のフューズ本体部の領域(以下、第2の領域という)の単位抵抗値または抵抗値より高く設定されている。ここで、「単位抵抗値」とは、フューズ本体部の単位線幅で単位長さ当たりの抵抗値をいう。また、「抵抗値」というとき、体積抵抗または面積抵抗で規定される抵抗値をいう。
単位抵抗値が異なる構成では、フューズ本体部の線幅が第1の領域と第2の領域との間で異なっても良いし、同じでも良い。線幅が異なる場合は、たとえば前述した特許文献1の第6図のように、パッド部から離れた位置(例えば、フューズ本体部の長さ中心部)で第1の領域の線幅を、他の第2の領域の線幅より狭くし、かつ、第1の領域で単位抵抗値が高くなるように、その材料または構造等を第2の領域と異なるようにする。つまり、この単位抵抗値が異なる構成では、第1の領域と第2の領域を仮に同じ線幅とした場合でも、抵抗値同士で異なるようにフューズの材料や構造が規定されている。
一方、抵抗値が異なる構成では、第1の領域と第2の領域の線幅は等しく設定されている。
【0017】
以下、第1の領域と第2の領域の線幅が同じ場合を例として、より詳細に実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0018】
[第1の実施の形態]
図1(A)および図1(B)に、本発明の実施の形態に係るフューズの平面図と断面図を示す。
半導体基板1上に絶縁膜2が形成され、絶縁膜2上にポリシリコンなどの導電材料からなるフューズ3が形成されている。フューズ3は、2つのパッド部3Baおよび3Bbと、その間を連結するフューズ本体部3Aとからなる。フューズ本体部3Aは、フューズライン部3Aaと、コーナー部での電界集中を分散させるなどの理由からフューズライン部3Aaの両端それぞれで、外側ほど幅広に形成された連結部3Abとからなる。これらフューズライン部3Aa、2つの連結部3Ab、2つのパッド部3Baおよび3Bbは、たとえばポリシリコン膜にP型またはN型の不純物を導入して形成される導電膜をパターンニングすることにより一括して形成される。
【0019】
フューズ3上に、たとえば酸化シリコンまたは窒化シリコンなどからなる層間絶縁膜4が形成されている。層間絶縁膜4は、フューズ3の両端のパッド部3Baおよび3Bbのほぼ中央で開口され、これにより開口部4Aと4Bが形成されている。層間絶縁膜4の開口部4A,4Bより一回り大きなパターンにて導電層5Aと5Bが形成されている。
【0020】
第1の実施の形態では、フューズ本体部3Aが、単位抵抗値が相対的に大きい第1の領域3A1(単位抵抗値:R1)と、単位抵抗値が相対的に小さい第2の領域3A2(単位抵抗値:R2)とからなる。第1の領域の位置は、正極側のパッド部から十分離れた位置であれば良い。ここでは、第1の領域3A1が、フューズライン部3Aaの長さ方向のほぼ中心部付近に形成されている。その他のフューズ本体部分、すなわち第1の領域3A1よりパッド部3Ba側のフューズライン部と連結部3Ab、および、第1の領域3A1よりパッド部3Bb側のフューズライン部と連結部3Abが、第2の領域3A2となる。
【0021】
一般に、あるバイアス条件の下で、フューズ3の3次元形状、即ち膜厚および平面パターン並びにフューズ3の材料、少なくとも正極側の導電層5Aの3次元形状、即ち膜厚および平面パターン並びに導電層の材料、さらには、各種構造パラメータにより、フューズの溶断位置が変化する。
本実施の形態では、このようなフューズの溶断位置を決定する要因がどのようにばらついても、第1の領域3A1で必ず溶断が起きるように、第1の領域の単位抵抗値R1と第2の領域の単位抵抗値R2との差が規定されている。具体的には、図1(B)に示されるように、第1の領域3A1と第2の領域3A2とは、同じ膜厚のポリシリコンからなるが、その不純物濃度が異なっている。不純物濃度の種類、導電型に限定はないが、少なくとも第1の領域3A1の導電率が、第2の領域3A2の導電率より低く設定されている。
【0022】
以下、フューズの製造方法を示すことによって、より具体的なフューズの構成例を説明する。なお、ここで示す各種構造パラメータや製造方法は一例であり、これに限定されるものではない。
【0023】
P型シリコンウエハ等の半導体基板1の表面に、900〜1000℃程度のスチーム酸化により、600〜800nm程度の厚さのLOCOS酸化膜を形成する。このLOCOS酸化膜が、図1(B)における絶縁膜2とする。
【0024】
続いて、CVD法により100〜200nm程度のポリシリコン膜を形成する。次に、フォトリソグラフィー技術及びイオンインプランテーション技術を用いて、フューズ本体部の第1の領域3A1の単位抵抗値R1を規定する濃度の不純物として、1×1014〜5×1014/cm2程度のホウ素(B)を注入する。
続いて、フォトリソグラフィー技術を用いて第1の領域3A1となる領域上にフォトレジストを形成し、これをマスクとしてイオンインプランテーションを行う。これにより、第1の領域3A1以外のフューズの不純物濃度を規定する濃度の不純物として、1×1015〜5×1015/cm2程度のホウ素(B)を注入する。
【0025】
フォトレジストを除去後、フォトリソグラフィー技術及びRIE等の異方性エッチング技術を用いて、不純物が導入されたドープドポリシリコン膜をパターンニングし、フューズ3の形状とする。
このパターンニングに用いたフォトレジストを除去し、その後、CVD法により300nm程度の酸化膜(層間絶縁膜4)を形成し、更に900〜950℃程度の熱処理を行う。この熱処理によって、ポリシリコン膜中に注入されたホウ素(B)が拡散し、フューズ3が形成される。このとき第1の領域3A1は相対的に不純物濃度が低く、その他の第2の領域3Aは相対的に不純物濃度が高くなる。その結果、第1の領域の単位抵抗値R1は、第2の領域の単位抵抗値R1より高くなる。
【0026】
次に、フォトリソグラフィー技術及びRIE技術によって、フューズ3のパッド部3Baと3Bbの部分で、層間絶縁膜4に開口部4Aと4Bを形成する。この開口部形成に用いたフォトレジストを除去し、その後、アルミニウム(AL)等からなる金属膜をスパッタにより堆積させる。この金属膜を、フォトリソグラフィー技術及びRIE技術によってパターンニングし、電極層4Aおよび4Bを形成する。なお、電極層4Aおよび4Bを配線として用いる場合、開口部4Aまたは4Bに端部が重なるライン状に形成される。
【0027】
このように形成されたフューズは、半導体装置内の回路の特性調整、あるいは、回路ブロックの選択のために、必要に応じて溶断される。より詳細には、2つの電極層4Aと4B間に所定の電圧または電流といった電気的ストレスを印加する。このとき、正極側の電極層側からフューズ本体部3Aに電流が流れる。これによりフューズ本体部3A内をジュール熱による発熱、その熱伝導および放熱が起こり、その熱の一部が主に2つのパッド部側に逃げる。また、フューズ本体部3A内を熱伝効果による熱の移動が正極側に向かって起きようとする。
【0028】
ところが、フューズ本体部3A内の第1の領域の単位抵抗値R1は、その周囲の第2の領域の単位抵抗値R2より高いため、第1の領域でのジュール熱による発熱効率が高くなる。換言すると、電流をI[A]、電圧をV[V]、抵抗値をR[Ω]とすると、消費電力P=IV=I2Rで表されるため、単位抵抗値が大きい第1の領域3A1で、より多くの電力が熱に変換される。その結果、発熱のピーク点が第1の領域3A1に固定され、電極層から離れた第1の領域3A1でフューズの溶断が生じる。したがって、確実にフューズの溶断が起こる上、電極層5Aまたは5Bが熱によって溶け出すことが有効に防止され一端切断されたフューズが再びショート状態になることがない。
このように、本実施の形態によれば、安定したフューズ溶断により、その不良の低減が達成できる。また、フューズ本体部の線幅をプロセスの最小寸法として、全体として小型のフューズが実現できる。
【0029】
なお、第1の実施の形態では、フューズ材料をポリシリコンとしたが、例えば、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、コバルト(Co)等の高融点金属に他の元素を選択的に注入することにより単位抵抗値を変化させることができる。例えば、タンタル(Ta)の場合、窒素(N)を添加して窒化すると抵抗値が下がり、酸素を添加して酸化すると抵抗値が上がるため、その何れか、又は、両者の組み合わせによって単位抵抗値を変化させることができる。
【0030】
[第2の実施の形態]
図2は、第2の実施の形態に係るフューズの第1の領域周囲の一部を拡大して示す断面図である。第2の実施の形態では、第1の領域と第2の領域の膜厚が異なるが、不純物濃度は同じである点で第1の実施の形態と異なる。その他の構成は、第1の実施の形態と共通するので、ここでの図解と説明は省略する。
このフューズでは、膜厚に差を設けている。膜厚差を設ける方法はこの図示例に限定されず、単一膜の一部を途中までエッチングする方法もあるが、ここでは、制御性が高い方法として、同じ材料の2つの膜を用いる方法を示している。つまり、第1層目の導電膜10Aを形成し、これが第2の領域3A2となる部分にのみ残るように、第1の領域3A1となる部分で除去する。その後、第2層目の導電膜10Bを形成する。
これにより、第1の領域の単位抵抗値R1が、第2の領域の単位抵抗値R2より高くなり、第1の実施の形態と同様な効果が得られる。
【0031】
[第3の実施の形態]
図3は、第3の実施の形態に係るフューズの第1の領域周囲の一部を拡大して示す断面図である。第3の実施の形態では、第1の領域と第2の領域の膜構造(シリサイドの有無)が異なるが、ベースとなるポリシリコンの不純物濃度は同じである点で第1の実施の形態と異なる。その他の構成は、第1の実施の形態と共通するので、ここでの図解と説明は省略する。
このフューズでは、膜構造に差を設けている。膜構造に差を設ける方法はこの図示例に限定されず、より低抵抗な層を第2の領域側にのみ形成すればよい。ここでは、シリサイドの有無により抵抗差を設ける例を説明する。つまり、第1層目の導電膜20Aとして、所定の濃度のポリシリコンを形成し、第1の領域3A1となる部分のみ絶縁層マスクで多い、高融点金属を堆積して加熱する。これにより第2の領域にのみ合金層(シリサイド)が形成される。その後、合金化していない高融点金属を薬液で除去する。
これにより、第2の領域の単位抵抗値R2が、第1の領域の単位抵抗値R1より低くなり、第1の実施の形態と同様な効果が得られる。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、フューズの溶断箇所を確実にパッド部から離すことができ、且つ、安定して溶断ができる小型のフューズを有する半導体装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るフューズの平面図と断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係るフューズの第1の領域周囲の一部を拡大して示す断面図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態に係るフューズの第1の領域周囲の一部を拡大して示す断面図である。
【図4】トリミング回路の構成を示す回路図である。
【図5】従来のフューズの平面図および断面図である。
【符号の説明】
1…半導体基板、2…絶縁膜、3…フューズ、3A…フューズ本体部、3A1…第1の領域、3A2…第2の領域、3Ba,3Bb…パッド部、4…層間絶縁膜、5A,5B…導電層、R1…第1の領域の単位抵抗値、R2…第2の領域の単位抵抗値
Claims (7)
- フューズ本体部と当該フューズ本体部によって連結されている2つのパッド部とを備えているフューズが半導体基板上の積層構造内に形成されている半導体装置であって、
前記フューズ本体部の第1の領域が有する単位抵抗値が、前記フューズ本体部の前記第1の領域以外の第2の領域が有する単位抵抗値より大きい
半導体装置。 - 前記第1の領域が、前記2つのパッド部から離れた前記フューズ本体部の内側部分に規定されている
請求項1に記載の半導体装置。 - 前記第1の領域および前記第2の領域が不純物を添加して導電性を高めた膜から構成され、
前記第1の領域と前記第2の領域に添加した不純物濃度が異なる
請求項1に記載の半導体装置。 - 前記第1の領域および前記第2の領域が導電膜から構成され、
前記第1の領域の導電膜厚が前記第2の導電膜厚より薄い
請求項1に記載の半導体装置。 - 前記第1の領域および前記第2の領域が導電膜から構成され、
少なくとも前記第2の領域の導電膜が積層膜構造を有し、当該積層膜構造に、前記第1の領域を構成する導電膜より低い抵抗率の導電膜を含む
請求項1に記載の半導体装置。 - フューズ本体部と当該フューズ本体部によって連結されている2つのパッド部とを備えているフューズが半導体基板上の積層構造内に形成されている半導体装置であって、
前記フューズ本体部に第1の領域が規定され、
前記フューズ本体部の前記第1の領域以外の第2の領域が、前記第1の領域と同じパターン幅にて形成され、前記第1の領域より小さい抵抗値を有している
半導体装置。 - 前記第1の領域が、前記2つのパッド部から離れた前記フューズ本体部の内側部分に規定されている
請求項6に記載の半導体装置。
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2003
- 2003-05-02 JP JP2003127244A patent/JP2004335608A/ja active Pending
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