JP4610247B2 - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents
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Description
図17は、CrSi膜形成に用いたCrSiターゲットのCr含有率(wt%)と熱処理後のシート抵抗変化率(%)の関係を示す。サンプルは図16と同じ条件で形成したものを用いた。また、熱処理はN2雰囲気中で350℃、30分の条件で電熱炉にて行なった。
このようなシート抵抗の変動は、近年の高精度アナログデバイスで一般的に行なわれているトリミング技術によって高精度に調整された抵抗値が、後工程で行なわれるモールド樹脂封止工程等での熱処理によって変化してしまうことを意味し、CrSi薄膜抵抗体を用いた高精度アナログデバイスの安定量産の妨げとなってしまう。
CrSi薄膜抵抗体23の形成領域を含む下地絶縁膜19上に、下層側がシリコン酸化膜25、上層側がシリコン窒化膜27からなる、最終保護膜としてのパッシベーション膜29が形成されている。
(1)例えば常圧CVD装置を用いて、素子分離酸化膜3及びトランジスタ素子等(図示は省略)の形成が完了したウェハ状のシリコン基板1上に、BPSG膜又はPSG膜からなる層間絶縁膜5を約8000Åの膜厚に形成する。その後、リフロー等の熱処理を行なって層間絶縁膜5の表面を平坦化する(図1(a)参照)。
(5)公知の技術であるSOGのコーティング処理及びエッチバック処理を行なうことにより、プラズマCVD酸化膜13上にSOG膜15を形成して平坦化を行なった後、SOG膜15からの成分の拡散を防止するためのプラズマCVD酸化膜17を2000Å程度の膜厚に形成して、プラズマCVD酸化膜13、SOG膜15及びプラズマCVD酸化膜17からなる下地絶縁膜19を形成する(図1(e)参照)。
その後、レジストパターン35を除去する(図2(g)参照)。
これにより、CrSi薄膜抵抗体23の膜厚に関わらず、工程数を増加させることなく、CrSi薄膜抵抗体23の微細化及び抵抗値の安定化を実現することができる。
例えば(1)金属薄膜抵抗体上に直接金属配線を形成する方法であってもよいし、(2)金属薄膜抵抗体を形成した後、層間絶縁膜を形成し、その層間絶縁膜に接続孔を形成し、接続孔を介して金属配線を接続する方法であってもよいし、(3)金属薄膜抵抗体層上にバリヤ膜を形成し、そのバリヤ膜に金属配線を接続する方法であってもよいし、(4)絶縁膜に形成された接続孔内に電極を形成し、上記絶縁膜上に抵抗体膜を形成した後、これを上記電極に接続するようにドライエッチングして抵抗体のパターンを形成する方法であってもよいし、(5)金属配線の端部の端面及び上面の少なくとも一部分において金属薄膜抵抗と金属配線との接触をとる方法などを挙げることができる。
図3からわかるように、N2を添加しない場合(N2分圧が0%)には10%以上のシート抵抗変動が発生しているが、N2を少し添加するだけで、熱処理に起因するシート抵抗の変化率が大幅に改善されている。
図4から、CrSi膜の成膜時にN2を添加したサンプルでは、2度目の熱処理を施してもシート抵抗の変化率を軽減できることが確認できる。
また、一般的な枚葉式スパッタリング装置で流すAr流量が100sccm程度であることを考慮すると、N2分圧が0.1%以下となる領域では、N2流量の正確な制御は非常に困難と考えられる。
図3に示した結果から、N2添加によるシート抵抗の熱安定性については、極僅かのN2添加でも効果があると予想されるが、上述した通り、シート抵抗の安定性やN2流量の制御性を考慮すると、N2分圧を0.1〜20%程度に設定することが望ましい。
Si/Cr=70/30wt%のCrSiターゲットを用いてCrSi膜を成膜したサンプルにおいても、僅かではあるがN2添加によるシート抵抗の変化率軽減効果が確認できる。
Si/Cr=60/40wt%のCrSiターゲットを用いてCrSi膜を成膜したサンプルでは、N2添加によるシート抵抗の変化率軽減効果が認められない。以上の結果から、Crを40wt%以上含んだターゲットを用いて成膜したCrSi膜ではN2を添加しなくても抵抗の熱安定性が高いが、Crが30wt%以下のターゲット用いて成膜したCrSi膜ではN2を添加しない条件では抵抗変動が大きく、N2添加によりこの変動を大幅に改善できることが判明した。
図8に、Si/Cr=90/10wt%、70/30wt%、60/40wt%のCrSiターゲットを用いたスパッタリングによりCrSi膜を成膜したときのN2分圧(%)とペア性(%)の関係を示す。CrSi膜の評価パターンとして幅が0.8μm、長さ40μm、スペース0.8μmの短冊パターンを用いた。ペア性は、隣り合ったCrSi膜の抵抗の差分を平均値で割った値の面内バラツキ(標準偏差)をパーセントで表した値である。
Si/Cr=60/40wt%のCrSiターゲットを用いてCrSi膜を成膜した評価パターンではN2添加量にかかわらずペア性はほぼ一定である。これに対し、Si/Cr=90/10wt%及び70/30wt%のCrSiターゲットを用いてCrSi膜を成膜した評価パターンでは、成膜時にN2を添加しない場合(N2分圧が0%)に比べて、N2添加によりペア性が半分以下に改善されていることがわかる。このことから、Cr含有率が30wt%以下のCrSiターゲットを用いて成膜したCrSi膜では、N2添加によりペア性を改善できることがわかる。
直流電源51からの電源を負荷53に安定して供給すべく、定電圧発生回路55が設けられている。定電圧発生回路55は、直流電源51が接続される入力端子(Vbat)57、基準電圧発生回路(Vref)59、演算増幅器(比較回路)61、出力ドライバを構成するPチャネルMOSトランジスタ(以下、PMOSと略記する)63、分割抵抗素子R1,R2及び出力端子(Vout)65を備えている。
電圧検出回路67において、61は演算増幅器で、その反転入力端子(−)に基準電圧発生回路59が接続され、基準電圧Vrefが印加される。入力端子(Vsens)69から入力される測定すべき端子の電圧が分割抵抗素子R1とR2によって分割されて演算増幅器61の非反転入力端子(+)に入力される。演算増幅器61の出力は出力端子(Vout)71を介して外部に出力される。
抵抗素子RT0,RT1,…,RTmの値は抵抗素子Rbottom側から順に二進数的に増加するよう設定されている。すなわち、抵抗素子RTnの抵抗値は、抵抗素子RT0の抵抗値を単位値とし、その単位値の2n倍である。
図12及び図13において、符号A−A間、符号B−B間、符号C−C間、符号D−D、符号E−E、符号F−F及び符号G−G間はそれぞれ金属配線パターン73により電気的に接続されている。
このような分割抵抗回路では、任意のヒューズ素子RL0,RL1,…,RLmをレーザービームで切断することにより、所望の直列抵抗値を得ることができる。
本発明を構成する金属薄膜抵抗体を適用した分割抵抗回路によって分割抵抗素子R1,R2の出力電圧の精度を向上させることができるので、定電圧発生回路55の出力電圧の安定性を向上させることができる。
本発明を構成する金属薄膜抵抗体を適用した分割抵抗回路によって分割抵抗素子R1,R2の出力電圧の精度を向上させることができるので、電圧検出回路67の電圧検出能力の精度を向上させることができる。
図15に示すように、粗調整用抵抗素子75は複数の帯状のCrSi薄膜抵抗体23aが並列に接続されたものである。微調整用抵抗素子77は板状のCrSi薄膜抵抗体23aにより構成されている。CrSi薄膜抵抗体23a,23bとしては、本発明の製造方法により形成されたCrSi薄膜抵抗体が用いられる。
本発明を構成する金属薄膜抵抗体を適用した分割抵抗回路によって分割抵抗素子R1,R2の出力電圧の精度を向上させることができるので、定電圧発生回路55の出力電圧の安定性を向上させることができる。
本発明を構成する金属薄膜抵抗体を適用した分割抵抗回路によって分割抵抗素子R1,R2の出力電圧の精度を向上させることができるので、電圧検出回路67の電圧検出能力の精度を向上させることができる。
また、本発明の半導体装置を構成する金属薄膜抵抗体が適用される半導体装置は分割抵抗回路を備えた半導体装置に限定されるものではなく、金属薄膜抵抗体を備えた半導体装置であれば、本発明を適用することができる。
3 素子分離酸化膜
5 層間絶縁膜
7 金属材料パターン
9 高融点金属膜
11 金属配線パターン
13,17 プラズマCVD酸化膜
15 SOG膜
19 下地絶縁膜
21 接続孔
23,23a,23b CrSi薄膜抵抗体
25 シリコン酸化膜
27 シリコン窒化膜
29 パッシベーション膜
31 配線用金属膜
33 高融点金属膜
35,39 レジストパターン
36 開口部
37 CrSi膜
51 直流電源
53 負荷
55 定電圧発生回路
57 入力端子
59 基準電圧発生回路
61 演算増幅器
63 PチャネルMOSトランジスタ
65 出力端子
67 電圧検出回路
69 入力端子
71 出力端子
73 金属配線パターン
75 粗調整用抵抗素子
77 微調整用抵抗素子
79a,79b レーザ光軌跡
R1,R2 分割抵抗素子
Rbottom,RT0,RT1,…,RTm,Rtop 抵抗素子
RL0,RL1,…,RLm ヒューズ素子
NodeL,NodeM 端子
Claims (6)
- 下地絶縁膜上にCrとSiを主成分とする金属薄膜抵抗体を備えた半導体装置の製造方法において、
Cr含有量が重量%で10〜30wt%のCrSiターゲットを用い、ArとN2を含んだ雰囲気中で、かつ、前記金属薄膜抵抗体のペア性を向上させるべくN2の分圧が2〜7%の条件でスパッタリングを行なって前記下地絶縁膜上に前記金属薄膜抵抗体用の金属薄膜を形成する工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 下地絶縁膜上にCrとSiを主成分とする金属薄膜抵抗体を備えた半導体装置において、
請求項1に記載の製造方法によって形成された金属薄膜抵抗体を備えていることを特徴とする半導体装置。 - 2個以上の抵抗素子による分割によって電圧出力を得、ヒューズ素子の切断によって電圧出力を調整できる分割抵抗回路を備えた半導体装置において、
前記抵抗素子は、請求項2に記載の金属薄膜抵抗体により構成されていることを特徴とする半導体装置。 - 2個以上の抵抗素子による分割によって電圧出力を得、抵抗素子へのレーザ照射によって電圧出力を調整できる分割抵抗回路を備えた半導体装置において、
前記抵抗素子は、請求項2に記載の金属薄膜抵抗体を備えていることを特徴とする半導体装置。 - 入力電圧を分割して分割電圧を供給するための分割抵抗回路と、基準電圧を供給するための基準電圧発生回路と、前記分割抵抗回路からの分割電圧と前記基準電圧発生回路からの基準電圧を比較するための比較回路をもつ電圧検出回路を備えた半導体装置において、
前記分割抵抗回路として請求項3又は4に記載の分割抵抗回路を備えていることを特徴とする半導体装置。 - 入力電圧の出力を制御する出力ドライバと、出力電圧を分割して分割電圧を供給するための分割抵抗回路と、基準電圧を供給するための基準電圧発生回路と、前記分割抵抗回路からの分割電圧と前記基準電圧発生回路からの基準電圧を比較し、比較結果に応じて前記出力ドライバの動作を制御するための比較回路をもつ定電圧発生回路を備えた半導体装置において、
前記分割抵抗回路として請求項3又は4に記載の分割抵抗回路を備えていることを特徴とする半導体装置。
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