JP4610247B2 - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、半導体装置及びその製造方法に関し、特に、下地絶縁膜上にCrとSiを主成分とする金属薄膜抵抗体を備えた半導体装置及びその製造方法に関するものである。
アナログ集積回路において、抵抗素子は重要な素子として多用されている。近年、抵抗素子の中でも金属薄膜からなる抵抗体(金属薄膜抵抗体と称す)がそのシート抵抗の温度依存性(以下TCRという)の低さから注目を集めている。金属薄膜抵抗体としては、例えばCrとSiを主成分とするクロムシリコン(CrSi)薄膜抵抗体がある。
CrSi薄膜抵抗体のTCR以外の特徴としては、一般的に用いられているポリシリコン膜からなる抵抗体ではバラツキが大きくなる、シート抵抗の高い領域例えば20KΩ/□よりも高い領域において、安定したシート抵抗を得られることを挙げることができる。
ポリシリコン膜による抵抗体では、抵抗値を決定する不純物の注入後に熱処理によって活性化されたキャリアがグレイン境界に存在するダングリングボンドにトラップされてしまうため、シート抵抗が高ければ高いほどこのトラップの影響を強く受けてしまい、バラツキが大きくなる傾向を示す。
一方、CrSi薄膜抵抗体のシート抵抗は、CrSi薄膜抵抗体用のCrSi膜を成膜するためのスパッタリング時に用いるCrSiターゲットのCr含有量の影響と、CrSi薄膜抵抗体の膜厚の影響が支配的であり、シート抵抗バラツキについては成膜されたCrSi膜の膜厚バラツキで決定される。したがって、一般的なスパッタリング装置であっても、バラツキの小さい高抵抗の抵抗体を形成することが可能である。
CrSi膜をスパッタリングにて形成する場合、20KΩ/□以上の抵抗体を形成するためには、Cr含有量が少ないCrSiターゲット、例えばCr含有量が30wt%(重量%)よりも小さいものを用いて非常に薄いCrSi膜、例えば100Å(オングストローム)以下のものを形成する必要がある。
図16はCrSi膜形成に用いたCrSiターゲットのCr含有率(wt%)と得られた薄膜のシート抵抗(Ω/□)の関係を示す図である。CrSi膜成膜のスパッタリング条件は、DCパワー:0.7KW(キロワット)、Ar:85sccm(standard cc/分)、圧力:8.5mTorr(ミリトル)で、スパッタ時間は全て膜厚が50Åとなるように調整した。
図16からわかるように、Cr含有率の低いCrSiターゲットを用いることによってより高いシート抵抗を得ることができ、特にCr含有率が10wt%のCrSiターゲットを用いて、50Åの膜厚の抵抗体を形成することにより、20KΩ/□以上のシート抵抗を得られることがわかる。
しかし、発明者らの調査で、Cr含有量の少ないCrSi膜の特性として、シート抵抗の熱安定性が低い傾向にあることが判明した。
図17は、CrSi膜形成に用いたCrSiターゲットのCr含有率(wt%)と熱処理後のシート抵抗変化率(%)の関係を示す。サンプルは図16と同じ条件で形成したものを用いた。また、熱処理はN2雰囲気中で350℃、30分の条件で電熱炉にて行なった。
Cr含有量が40wt%以上のCrSiターゲットを用いて形成したサンプルの抵抗変化率は0.5%以下と良好であるのに対して、Cr含有率が30wt%以下のCrSiターゲットを用いて形成したサンプルの抵抗変化率は全て0.5%以上であり、CrSiターゲットのCr含有率が減少するほど、シート抵抗の変化率が大きくなることがわかった。
このようなシート抵抗の変動は、近年の高精度アナログデバイスで一般的に行なわれているトリミング技術によって高精度に調整された抵抗値が、後工程で行なわれるモールド樹脂封止工程等での熱処理によって変化してしまうことを意味し、CrSi薄膜抵抗体を用いた高精度アナログデバイスの安定量産の妨げとなってしまう。
図18は、さらに2度目の熱処理を追加した場合の、CrSi膜形成に用いたCrSiターゲットのCr含有率(wt%)と熱処理後のシート抵抗変化率(%)の関係を示す。図18では、図17の熱処理追加後のシート抵抗に対して、2度目の熱処理追加によって発生した抵抗値の変動割合を示している。なお、2度目の熱処理は図17での熱処理(1度目の熱処理)と同じ条件で行なった。
図18に示した結果から、2度目の熱処理においては1度目の熱処理後のシート抵抗変化率よりは若干軽減されていることがわかる。しかし、2度目の熱処理におけるシート抵抗の変化の傾向について、1度目の熱処理と比べて大きな差は認めらない。このことは、形成フローの最終工程で熱処理を加えても、後工程であるモールド樹脂封止工程等で加えられる熱処理によるシート抵抗変動を防止できないことを意味している。
CrSi薄膜抵抗体の熱安定性を向上させる技術として、例えば、一般的なスパッタリング装置で使われるArガス圧、例えば10mTorr以下のArガス圧よりも高い領域、例えば13mTorr以上にArガス圧を調整し、直流パワーデンシティ0.002KW/cm2以下の条件でCrSi膜を形成する方法がある(例えば特許文献1参照。)。
しかし、特許文献1に記載の方法では、Arガス圧の上昇に伴い、膜厚の面内バラツキの悪化、CrSi膜中へのArガスの残存による膜質の低下、スパッタリングレートの低下による量産性の悪化等の問題点があった。
特開平5−55469号公報
本発明は、熱安定性が高く、かつ高いシート抵抗をもつCrSi薄膜抵抗体を形成することができる製造方法、及びその製造方法により形成されたCrSi薄膜抵抗体を備えた半導体装置を提供することを目的とするものである。
本発明にかかる半導体装置の製造方法は、下地絶縁膜上にCrとSiを主成分とする金属薄膜抵抗体を備えた半導体装置の製造方法であって、Cr含有量が重量%で10〜30wt%のCrSiターゲットを用い、ArとN2を含んだ雰囲気中で、かつ、上記金属薄膜抵抗体のペア性を向上させるべく2の分圧が2〜7%の条件でスパッタリングを行なって上記下地絶縁膜上に上記金属薄膜抵抗体用の金属薄膜を形成する工程を含む。
本発明にかかる半導体装置は、下地絶縁膜上にCrとSiを主成分とする金属薄膜抵抗体を備えた半導体装置であって、本発明の製造方法によって形成された金属薄膜抵抗体を備えているものである。
本発明の半導体装置が適用される半導体装置の一例として、2個以上の抵抗素子による分割によって電圧出力を得、ヒューズ素子の切断によって電圧出力を調整できる分割抵抗回路を備えた半導体装置を挙げることができる。その分割抵抗回路を構成する抵抗素子は、本発明の半導体装置を構成する金属薄膜抵抗体により構成される。
本発明の半導体装置が適用される半導体装置の他の例として、2個以上の抵抗素子による分割によって電圧出力を得、抵抗素子へのレーザ照射によって電圧出力を調整できる分割抵抗回路を備えた半導体装置を挙げることができる。その分割抵抗回路を構成する抵抗素子は、本発明の半導体装置を構成する金属薄膜抵抗体により構成される。
本発明の半導体装置が適用される半導体装置のさらに他の例として、入力電圧を分割して分割電圧を供給するための分割抵抗回路と、基準電圧を供給するための基準電圧発生回路と、上記分割抵抗回路からの分割電圧と上記基準電圧発生回路からの基準電圧を比較するための比較回路をもつ電圧検出回路を備えた半導体装置を挙げることができる。その電圧検出回路を構成する分割抵抗回路は、本発明の半導体装置を構成する金属薄膜抵抗体が適用された抵抗素子を備えている。
本発明の半導体装置が適用される半導体装置のさらに他の例として、入力電圧の出力を制御する出力ドライバと、出力電圧を分割して分割電圧を供給するための分割抵抗回路と、基準電圧を供給するための基準電圧発生回路と、上記分割抵抗回路からの分割電圧と上記基準電圧発生回路からの基準電圧を比較し、比較結果に応じて上記出力ドライバの動作を制御するための比較回路をもつ定電圧発生回路を備えた半導体装置を挙げることができる。その定電圧発生回路を構成する分割抵抗回路は、本発明の半導体装置を構成する金属薄膜抵抗体が適用された抵抗素子を備えている。
本発明の製造方法では、Cr含有量が重量%で10〜30wt%のCrSiターゲットを用い、ArとN2を含んだ雰囲気中で、かつ、金属薄膜抵抗体のペア性を向上させるべく2の分圧が2〜7%の条件でスパッタリングを行なって上記下地絶縁膜上に金属薄膜抵抗体用の金属薄膜を形成する工程を含むようにしたので、熱安定性が高く、かつ高いシート抵抗をもつCrSi薄膜抵抗体を形成することができる。これにより、CrSi薄膜抵抗体の形成後に行なわれるモールド樹脂封止工程等の熱処理によるCrSi薄膜抵抗体のシート抵抗変動を低く抑えることができ、CrSi薄膜抵抗体の抵抗値の安定性を向上させることができる。
本発明の半導体装置では、下地絶縁膜上にCrとSiを主成分とする金属薄膜抵抗体を備えた半導体装置において、本発明の製造方法によって形成された金属薄膜抵抗体を備えているようにしたので、熱安定性が高く、かつ高いシート抵抗をもつCrSi薄膜抵抗体を備えた半導体装置を提供することができる。
本発明の半導体装置を、2個以上の抵抗素子による分割によって電圧出力を得、ヒューズ素子の切断によって電圧出力を調整できる分割抵抗回路を備えた半導体装置に適用し、その分割抵抗回路を構成する抵抗素子は、本発明の半導体装置を構成する金属薄膜抵抗体により構成されているようにすれば、抵抗素子の抵抗値の安定性を向上させることができることができ、分割抵抗回路の出力電圧の精度を向上させることができる。
また、本発明の半導体装置を、2個以上の抵抗素子による分割によって電圧出力を得、抵抗素子へのレーザ照射によって電圧出力を調整できる分割抵抗回路を備えた半導体装置に適用し、その分割抵抗回路を構成する抵抗素子は、本発明の半導体装置を構成する金属薄膜抵抗体により構成されているようにすれば、抵抗素子の抵抗値の安定性を向上させることができることができ、分割抵抗回路の出力電圧の精度を向上させることができる。
また、入力電圧を分割して分割電圧を供給するための分割抵抗回路と、基準電圧を供給するための基準電圧発生回路と、上記分割抵抗回路からの分割電圧と上記基準電圧発生回路からの基準電圧を比較するための比較回路をもつ電圧検出回路を備えた半導体装置において、分割抵抗回路として本発明の半導体装置を構成する金属薄膜抵抗体を適用した分割抵抗回路を備えているようにすれば、本発明の半導体装置を構成する金属薄膜抵抗体が適用された分割抵抗回路では分割抵抗回路の出力電圧の精度を向上させることができるので、電圧検出回路の電圧検出能力の精度の向上を図ることができる。
また、入力電圧の出力を制御する出力ドライバと、出力電圧を分割して分割電圧を供給するための分割抵抗回路と、基準電圧を供給するための基準電圧発生回路と、上記分割抵抗回路からの分割電圧と上記基準電圧発生回路からの基準電圧を比較し、比較結果に応じて上記出力ドライバの動作を制御するための比較回路をもつ定電圧発生回路を備えた半導体装置において、分割抵抗回路として本発明の半導体装置を構成する金属薄膜抵抗体を適用した分割抵抗回路を備えているようにすれば、本発明の半導体装置を構成する金属薄膜抵抗体が適用された分割抵抗回路では分割抵抗回路の出力電圧の精度を向上させることができるので、定電圧発生回路の出力電圧の安定性を向上させることができることができる。
図1及び図2は製造方法の一実施例を説明するための工程断面図である。図2(k)は半導体装置の一実施例を示している。図1及び図2では、同一基板上にトランジスタ素子や容量素子などが形成されているが、それらの素子の図示は省略している。まず、図2(k)を参照して半導体装置の一実施例を説明する。
シリコン基板1上に素子分離酸化膜3が形成されている。素子分離酸化膜3の形成領域を含むシリコン基板1上にBPSG(boro-phospho silicate glass)膜又はPSG(phospho silicate glass)膜からなる層間絶縁膜5が形成されている。層間絶縁膜5上に、金属材料パターン7と金属材料パターン7表面に形成された高融点金属膜9からなる金属配線パターン11が形成されている。金属材料パターン7は例えばAlSiCu膜により形成されている。高融点金属膜9は例えばTiN膜により形成されており、反射防止膜兼バリヤ膜として機能するものである。
金属配線パターン11の形成領域を含む層間絶縁膜5上に、下層側から順にプラズマCVD酸化膜13、SOG(spin on glass)膜15、プラズマCVD酸化膜17からなる下地絶縁膜19が形成されている。下地絶縁膜19に、金属薄膜抵抗体の両端部及び金属配線パターン11に対応して接続孔21が形成されている。
下地絶縁膜19上に、接続孔21,21間の領域から接続孔21の内壁及び金属配線パターン11上にわたってCrSi薄膜抵抗体(金属薄膜抵抗体)23が形成されている。CrSi薄膜抵抗体23の両端部は接続孔21内で金属配線パターン11と電気的に接続されている。
CrSi薄膜抵抗体23の形成領域を含む下地絶縁膜19上に、下層側がシリコン酸化膜25、上層側がシリコン窒化膜27からなる、最終保護膜としてのパッシベーション膜29が形成されている。
図1及び図2を参照して、製造方法の一実施例を説明する。
(1)例えば常圧CVD装置を用いて、素子分離酸化膜3及びトランジスタ素子等(図示は省略)の形成が完了したウェハ状のシリコン基板1上に、BPSG膜又はPSG膜からなる層間絶縁膜5を約8000Åの膜厚に形成する。その後、リフロー等の熱処理を行なって層間絶縁膜5の表面を平坦化する(図1(a)参照)。
(2)例えばDCマグネトロンスパッタリング装置を用いて、層間絶縁膜5上に、AlSiCu膜からなる配線用金属膜31を約5000Åの膜厚に形成し、さらにその上に、公知の技術である反射防止膜としての高融点金属膜33、ここではTiN膜を約800Åの膜厚に、真空中で連続的に形成する(図1(b)参照)。ここで、高融点金属膜33は、最終的には後工程で配線用金属膜31から形成される金属材料パターンと、金属薄膜抵抗体との接触抵抗を安定させるためのバリヤ膜としても機能するため、配線用金属膜31と高融点金属膜33を真空中で連続して形成することが好ましい。
(3)公知の写真製版技術及びエッチング技術により、高融点金属膜33及び配線用金属膜31をパターンニングして、金属配線パターン7及び高融点金属膜9からなる金属配線パターン11を形成する(図1(c)参照)。この時、配線用金属膜31上に、反射防止膜として機能する高融点金属膜33が形成されているので、金属配線パターン11の形成領域を画定するためのレジストパターンの太りや細りなどを最小限に抑えることができる。
また、この段階では金属薄膜抵抗体は形成されておらず、金属配線パターン11の下地膜は層間絶縁膜5により形成されているので、高融点金属膜33及び配線用金属膜31のパターンニングをドライエッチング技術により十分なオーバーエッチングをもって行なうことが可能であり、ウェットエッチング技術によるパターニングを適用する必要性は全く無く、回路の微細化に影響を与えることはない。
(4)例えばプラズマCVD法により、金属配線パターン11の形成領域を含む層間絶縁膜5上にプラズマCVD酸化膜13を6000Å程度の膜厚に形成する(図1(d)参照)。
(5)公知の技術であるSOGのコーティング処理及びエッチバック処理を行なうことにより、プラズマCVD酸化膜13上にSOG膜15を形成して平坦化を行なった後、SOG膜15からの成分の拡散を防止するためのプラズマCVD酸化膜17を2000Å程度の膜厚に形成して、プラズマCVD酸化膜13、SOG膜15及びプラズマCVD酸化膜17からなる下地絶縁膜19を形成する(図1(e)参照)。
(6)公知の写真製版技術により、金属薄膜抵抗体の両端部の形成予定領域及び金属配線パターン11に対応して下地絶縁膜19に接続孔を形成するためのレジストパターン35を形成する。レジストパターン35には、金属薄膜抵抗体の両端部の形成予定領域及び金属配線パターン11に対応して開口部36が形成されている(図1(f)参照)。
(7)例えば並行平板型プラズマエッチング装置により、RFパワー:500W(ワット)、Ar:800sccm、CHF3:40sccm、CF4:40sccm、圧力:1.8Torr(トル)の条件で、レジストパターン35をマスクにして下地絶縁膜19を選択的に除去して、下地絶縁膜19に接続孔21を形成する。接続孔21の底部には、反射防止膜兼バリヤ膜としての高融点金属膜9が残存している。
その後、レジストパターン35を除去する(図2(g)参照)。
ここで、接続孔21の形成後に、接続孔21の側壁等に付着しているエッチング時の副生成物除去工程を行なってもよい。また、接続孔21内部での金属薄膜抵抗体のステップカバレージを改善する目的で、エッチング条件の変更によるテーパーエッチングや、ウェットエッチング技術とドライエッチング技術を組み合わせたエッチング処理等により、接続孔21の形状の改善を行なってもよい。
また、上記工程(7)において、プラズマエッチング条件を最適化することにより、下地絶縁膜19のエッチングレートに対する高融点金属膜9のエッチングレートをさらに低く抑えることは十分可能であり、接続孔21の底部に残る高融点金属膜9の膜厚をこの実施例よりも大きくすることもできる。さらに、高融点金属膜9の形成時点での膜厚を低く抑えつつ、接続孔21形成後の高融点金属膜9の残存膜厚を確保するもできる。このように、接続孔21を形成する上記工程(7)を金属薄膜抵抗体が形成されていない段階で行なうので、金属薄膜抵抗体の薄さに起因した制約を一切受けること無く接続孔21の加工が可能であり、ドライエッチング技術の適用による微細化の追求が十分に可能である。
(8)例えばマルチチャンバースパッタリング装置のArスパッタエッチングチャンバーにて、真空中で、DCバイアス:1250V、Ar:20sccm、圧力:8.5mTorr、処理時間:160秒の条件で、接続孔21内を含む下地絶縁膜19の表面に対してArスパッタエッチング処理を行なう。このエッチング条件は、1000℃、ウェット雰囲気で形成した熱酸化膜を約400Åだけエッチングする条件と同等である。この処理を行なった後でも接続孔21底部に高融点金属膜9が残存している。
続けて、Arスパッタエッチング完了後に真空状態を破らずに連続して金属薄膜抵抗体用のCrSi膜(金属薄膜)37を形成する。ここでは、半導体ウェハをArスパッタエッチングチャンバーからCrSiターゲットが装着されたスパッタチャンバーに移送した後、Si/Cr=90/10wt%(重量パーセント)のCrSiターゲットを使用し、DCパワー:0.7KW、Ar:76sccm、N2:9sccm、圧力:8.5mTorr、処理時間:10秒の条件で処理を行ない、接続孔21内を含む下地絶縁膜19上全面にCrSi膜37を約50Åの膜厚に形成した(図2(h)参照)。
このように、金属薄膜抵抗体用のCrSi膜37を形成する前に、接続孔21内を含む下地絶縁膜19に対してArスパッタエッチング処理を行なうことにより、接続孔21の内部を清浄すると共に、接続孔21底部の高融点金属膜9表面に形成されている極少量の自然酸化膜を除去することができる。これにより、金属配線パターン11とCrSi膜37との良好な電気的接続を達成することができる。
(9)写真製版技術により、CrSi膜37上に金属薄膜抵抗体の形成領域を画定するためのレジストパターン39を形成する。例えばRIE(反応性イオンエッチング)装置を用い、レジストパターン39をマスクにしてCrSi膜37をパターニングし、CrSi薄膜抵抗体23を形成する(図2(i)参照)。
(10)レジストパターン39を除去する(図2(j)参照)。ここで、CrSi薄膜抵抗体23は接続孔21内で金属配線パターン11と電気的に接続されているので、金属薄膜抵抗体上面で電気的接続をとるためにフッ酸水溶液によるCrSi薄膜抵抗体23の表面の金属酸化膜除去処理を行なう必要はない。
(11)例えばプラズマCVD法により、CrSi薄膜抵抗体23の形成領域を含む下地絶縁膜19上に、パッシベーション膜としてのシリコン酸化膜25及びシリコン窒化膜27を順次形成する。以上により、半導体装置の製造工程が完了する(図2(k)参照)。
上記実施例によれば、金属配線パターン11及び接続孔21を形成した後、CrSi薄膜抵抗体23を形成して接続孔21内でCrSi薄膜抵抗体23と金属配線パターン11の電気的接続を形成するので、CrSi薄膜抵抗体23をパターニングした後にウェットエッチング技術によるパターニングを行なう必要はない。
さらに、CrSi薄膜抵抗体23の金属配線パターン11との接触面が大気に暴露されることはないので、CrSi薄膜抵抗体23に対する表面酸化膜除去処理及びエッチング防止用バリヤ膜形成を行なわなくても、CrSi薄膜抵抗体23と金属配線パターン11の良好な電気的接続を安定して得ることができる。
これにより、CrSi薄膜抵抗体23の膜厚に関わらず、工程数を増加させることなく、CrSi薄膜抵抗体23の微細化及び抵抗値の安定化を実現することができる。
さらに、CrSi薄膜抵抗体23と金属材料パターン7の間にバリヤ膜として機能する高融点金属膜9を介在させているので、CrSi薄膜抵抗体23と金属配線パターン11の接触抵抗のバラツキを低減することができ、抵抗値の精度及び歩留りの向上を図ることができる。
さらに、高融点金属膜9はバリヤ膜兼反射防止膜としても機能しており、従来技術に比べて製造工程を増加させることなく高融点金属膜9を形成することができるので、製造コストの増大を防止しつつ、金属薄膜抵抗体と配線パターンの接触抵抗を安定させることができる。
図1及び図2を参照して説明した半導体装置及び製造方法の実施例では、接続孔21を介してCrSi薄膜抵抗体23と金属配線パターン11を電気的に接続しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、金属薄膜抵抗体の電気的接続をとる方法はどのような方法であってもよい。
例えば(1)金属薄膜抵抗体上に直接金属配線を形成する方法であってもよいし、(2)金属薄膜抵抗体を形成した後、層間絶縁膜を形成し、その層間絶縁膜に接続孔を形成し、接続孔を介して金属配線を接続する方法であってもよいし、(3)金属薄膜抵抗体層上にバリヤ膜を形成し、そのバリヤ膜に金属配線を接続する方法であってもよいし、(4)絶縁膜に形成された接続孔内に電極を形成し、上記絶縁膜上に抵抗体膜を形成した後、これを上記電極に接続するようにドライエッチングして抵抗体のパターンを形成する方法であってもよいし、(5)金属配線の端部の端面及び上面の少なくとも一部分において金属薄膜抵抗と金属配線との接触をとる方法などを挙げることができる。
図3に、Si/Cr=90/10wt%のCrSiターゲットを用いたスパッタリングによりCrSi膜を成膜したときのN2分圧(%)と熱処理によるシート抵抗変動率(%)の関係を示す。CrSi膜のサンプルは、DCパワー:0.7KW、圧力:8.5mTorr、処理時間:10秒(膜厚50Å相当)の条件で、ArとN2の合計の流量が85sccm固定でN2流量を0〜9sccmで変化させN2分圧を変化させて成膜した。図3においてN2分圧の算出は、N2流量/(Ar+N2流量)×100(%)で規定している。また、CrSi膜後に行なった熱処理はN2雰囲気中で350℃、30分の条件で電熱炉にて行なった。
図3からわかるように、N2を添加しない場合(N2分圧が0%)には10%以上のシート抵抗変動が発生しているが、N2を少し添加するだけで、熱処理に起因するシート抵抗の変化率が大幅に改善されている。
図4は、さらに2度目の熱処理を追加した場合の、CrSi膜を成膜したときのN2分圧(%)と熱処理によるシート抵抗変動率(%)の関係を示す。図4では、図3での熱処理追加後のシート抵抗に対して、2度目の熱処理追加によって発生した抵抗値の変動割合を示している。なお、2度目の熱処理は図3での熱処理(1度目の熱処理)と同じ条件で行なった。
図4から、CrSi膜の成膜時にN2を添加したサンプルでは、2度目の熱処理を施してもシート抵抗の変化率を軽減できることが確認できる。
図5は、Si/Cr=90/10wt%のCrSiターゲットを用いたスパッタリングによりCrSi膜を成膜したときのN2分圧(%)とシート抵抗(Ω/□)の関係を示す。CrSi膜のサンプルは、DCパワー:0.7KW、圧力:8.5mTorr、処理時間:10秒(膜厚50Å相当)の条件で、ArとN2の合計の流量が85sccm固定でN2流量を0〜20sccmで変化させN2分圧を変化させて成膜した。
2分圧の上昇に伴い、シート抵抗の増加傾向が強まり、N2分圧が20%を超える領域からは急激にシート抵抗が上昇する。このような状態では、極僅かなN2流量の変動によりシート抵抗が大幅に変動してしまい、シート抵抗のバラツキが大幅に悪化する。
また、一般的な枚葉式スパッタリング装置で流すAr流量が100sccm程度であることを考慮すると、N2分圧が0.1%以下となる領域では、N2流量の正確な制御は非常に困難と考えられる。
図3に示した結果から、N2添加によるシート抵抗の熱安定性については、極僅かのN2添加でも効果があると予想されるが、上述した通り、シート抵抗の安定性やN2流量の制御性を考慮すると、N2分圧を0.1〜20%程度に設定することが望ましい。
図6に、Si/Cr=70/30wt%のCrSiターゲットを用いたスパッタリングによりCrSi膜を成膜したときのN2分圧(%)と熱処理によるシート抵抗変動率(%)の関係を示す。CrSi膜のサンプル及び熱処理は、図3で作成したサンプルの成膜条件と比べてCrSiターゲットを変更した以外は同じである。
Si/Cr=70/30wt%のCrSiターゲットを用いてCrSi膜を成膜したサンプルにおいても、僅かではあるがN2添加によるシート抵抗の変化率軽減効果が確認できる。
また、図7に、Si/Cr=60/40wt%のCrSiターゲットを用いたスパッタリングによりCrSi膜を成膜したときのN2分圧(%)と熱処理によるシート抵抗変動率(%)の関係を示す。CrSi膜のサンプル及び熱処理は、図3で作成したサンプルの成膜条件と比べてCrSiターゲットを変更した以外は同じである。
Si/Cr=60/40wt%のCrSiターゲットを用いてCrSi膜を成膜したサンプルでは、N2添加によるシート抵抗の変化率軽減効果が認められない。以上の結果から、Crを40wt%以上含んだターゲットを用いて成膜したCrSi膜ではN2を添加しなくても抵抗の熱安定性が高いが、Crが30wt%以下のターゲット用いて成膜したCrSi膜ではN2を添加しない条件では抵抗変動が大きく、N2添加によりこの変動を大幅に改善できることが判明した。
以上のように、Cr含有量が重量%で10〜30wt%のCrSiターゲットを用い、ArとN2を含んだ雰囲気中で、かつN2の分圧が0.1〜20%の条件でスパッタリングを行なってCrSi薄膜を形成するようにすれば、熱安定性が高く、かつ高いシート抵抗をもつCrSi薄膜抵抗体を形成することができ、CrSi薄膜抵抗体の形成後に行なわれるモールド樹脂封止工程等の熱処理によるCrSi薄膜抵抗体のシート抵抗変動を低く抑えられることがわかる。
また、N2添加によりCrSi膜のペア性を改善できることもわかった。
図8に、Si/Cr=90/10wt%、70/30wt%、60/40wt%のCrSiターゲットを用いたスパッタリングによりCrSi膜を成膜したときのN2分圧(%)とペア性(%)の関係を示す。CrSi膜の評価パターンとして幅が0.8μm、長さ40μm、スペース0.8μmの短冊パターンを用いた。ペア性は、隣り合ったCrSi膜の抵抗の差分を平均値で割った値の面内バラツキ(標準偏差)をパーセントで表した値である。
Si/Cr=60/40wt%のCrSiターゲットを用いてCrSi膜を成膜した評価パターンではN2添加量にかかわらずペア性はほぼ一定である。これに対し、Si/Cr=90/10wt%及び70/30wt%のCrSiターゲットを用いてCrSi膜を成膜した評価パターンでは、成膜時にN2を添加しない場合(N2分圧が0%)に比べて、N2添加によりペア性が半分以下に改善されていることがわかる。このことから、Cr含有率が30wt%以下のCrSiターゲットを用いて成膜したCrSi膜では、N2添加によりペア性を改善できることがわかる。
本発明の製造方法により形成された金属薄膜抵抗体は、例えばアナログ回路を備えた半導体装置に適用することができる。以下に、本発明にかかる金属薄膜抵抗体を備えたアナログ回路を備えた半導体装置の実施例について説明する。
図9はアナログ回路である定電圧発生回路を備えた半導体装置の一実施例を示す回路図である。
直流電源51からの電源を負荷53に安定して供給すべく、定電圧発生回路55が設けられている。定電圧発生回路55は、直流電源51が接続される入力端子(Vbat)57、基準電圧発生回路(Vref)59、演算増幅器(比較回路)61、出力ドライバを構成するPチャネルMOSトランジスタ(以下、PMOSと略記する)63、分割抵抗素子R1,R2及び出力端子(Vout)65を備えている。
定電圧発生回路55の演算増幅器61では、出力端子がPMOS63のゲート電極に接続され、反転入力端子(−)に基準電圧発生回路59から基準電圧Vrefが印加され、非反転入力端子(+)に出力電圧Voutを抵抗素子R1とR2で分割した電圧が印加され、抵抗素子R1,R2の分割電圧が基準電圧Vrefに等しくなるように制御される。
図10は、アナログ回路である電圧検出回路を備えた半導体装置の一実施例を示す回路図である。
電圧検出回路67において、61は演算増幅器で、その反転入力端子(−)に基準電圧発生回路59が接続され、基準電圧Vrefが印加される。入力端子(Vsens)69から入力される測定すべき端子の電圧が分割抵抗素子R1とR2によって分割されて演算増幅器61の非反転入力端子(+)に入力される。演算増幅器61の出力は出力端子(Vout)71を介して外部に出力される。
電圧検出回路67では、測定すべき端子の電圧が高く、分割抵抗素子R1とR2により分割された電圧が基準電圧Vrefよりも高いときは演算増幅器61の出力がHレベルを維持し、測定すべき端子の電圧が降下してきて分割抵抗素子R1とR2により分割された電圧が基準電圧Vref以下になってくると演算増幅器61の出力がLレベルになる。
一般に、図9に示した定電圧発生回路や図10に示した電圧検出回路では、製造プロセスのバラツキに起因して基準電圧発生回路からの基準電圧Vrefが変動するので、その変動に対応すべく、分割抵抗素子としてヒューズ素子の切断により抵抗値を調整可能な抵抗素子回路(分割抵抗回路と称す)を用いて、分割抵抗素子の抵抗値を調整している。
図11は、本発明の金属薄膜抵抗体が適用される分割抵抗回路の一例を示す回路図である。図12及び図13は、その分割抵抗回路のレイアウト例を示すレイアウト図であり、図12はヒューズ素子部分のレイアウト例を示し、図13は抵抗素子部分のレイアウト例を示す。
図11に示すように、抵抗素子Rbottom、m+1個(mは正の整数)の抵抗素子RT0,RT1,…,RTm、抵抗素子Rtopが直列に接続されている。抵抗素子RT0,RT1,…,RTmには、各抵抗素子に対応してヒューズ素子RL0,RL1,…,RLmが並列に接続されている。
図12に示すように、ヒューズ素子RL0,RL1,…,RLmは、例えばシート抵抗が20Ω〜40Ωのポリシリコンパターンにより形成されている。
抵抗素子RT0,RT1,…,RTmの値は抵抗素子Rbottom側から順に二進数的に増加するよう設定されている。すなわち、抵抗素子RTnの抵抗値は、抵抗素子RT0の抵抗値を単位値とし、その単位値の2n倍である。
例えば、図13に示すように、CrSi膜からなるCrSi薄膜抵抗体23を用い、抵抗素子RT0を1本のCrSi薄膜抵抗体23を単位抵抗とし、抵抗素子RTnを2n本のCrSi薄膜抵抗体23により構成する。CrSi薄膜抵抗体23は本発明の製造方法により形成されたものが用いられる。
図12及び図13において、符号A−A間、符号B−B間、符号C−C間、符号D−D、符号E−E、符号F−F及び符号G−G間はそれぞれ金属配線パターン73により電気的に接続されている。
このように、抵抗素子の比の精度が重視される分割抵抗回路では、製造工程での作り込み精度を上げるために、一対の抵抗素子及びヒューズ素子からなる単位抵抗素子が直列に接続されて梯子状に配置されている。
このような分割抵抗回路では、任意のヒューズ素子RL0,RL1,…,RLmをレーザービームで切断することにより、所望の直列抵抗値を得ることができる。
本発明の製造方法によれば、熱安定性が高く、かつ高いシート抵抗をもつCrSi薄膜抵抗体を形成することができるので、抵抗素子の抵抗値の安定性を向上させることができ、分割抵抗回路の出力電圧の精度を向上させることができる。
図11に示した分割抵抗回路を図9に示した定電圧発生回路の分割抵抗素子R1,R2に適用する場合、例えば抵抗素子Rbottom端を接地し、抵抗素子Rtop端をPMOS71のドレインに接続する。さらに、抵抗素子Rbottom、RT0間の端子NodeL、又は抵抗素子Rtop、RTm間の端子NodeMを演算増幅器61の非反転入力端子に接続する。
本発明を構成する金属薄膜抵抗体を適用した分割抵抗回路によって分割抵抗素子R1,R2の出力電圧の精度を向上させることができるので、定電圧発生回路55の出力電圧の安定性を向上させることができる。
また、図11に示した分割抵抗回路を図10に示した電圧検出回路の分割抵抗素子R1,R2に適用する場合、例えば抵抗素子Rbottom端を接地し、抵抗素子Rtop端を入力端子77に接続する。さらに、抵抗素子Rbottom、RT0間の端子NodeL、又は抵抗素子Rtop、RTm間の端子NodeMを演算増幅器61の非反転入力端子に接続する。
本発明を構成する金属薄膜抵抗体を適用した分割抵抗回路によって分割抵抗素子R1,R2の出力電圧の精度を向上させることができるので、電圧検出回路67の電圧検出能力の精度を向上させることができる。
図14は、本発明の金属薄膜抵抗体が適用される分割抵抗回路の他の例を示す回路図である。図15は、その分割抵抗回路における粗調整用抵抗素子及び微調整用抵抗素子のレイアウト例を示すレイアウト図である。
図14に示すように、抵抗素子Rbottom、粗調整用抵抗素子75、微調整用抵抗素子77、抵抗素子Rtopが直列に接続されている。
図15に示すように、粗調整用抵抗素子75は複数の帯状のCrSi薄膜抵抗体23aが並列に接続されたものである。微調整用抵抗素子77は板状のCrSi薄膜抵抗体23aにより構成されている。CrSi薄膜抵抗体23a,23bとしては、本発明の製造方法により形成されたCrSi薄膜抵抗体が用いられる。
このような分割抵抗回路では、図15に示すように、例えばレーザ光軌跡79aで示すように任意の本数のCrSi薄膜抵抗体23aを切断又は変質させて絶縁させ、レーザ光軌跡79bで示すようにCrSi薄膜抵抗体23bの任意の領域を切断又は変質させることにより、所望の直列抵抗値を得ることができる。
本発明の製造方法によれば、熱安定性が高く、かつ高いシート抵抗をもつCrSi薄膜抵抗体を形成することができるので、抵抗素子の抵抗値の安定性を向上させることができ、図14に示した分割抵抗回路の出力電圧の精度を向上させることができる。
図14に示した分割抵抗回路を図9に示した定電圧発生回路55の分割抵抗素子R1,R2に適用する場合、例えば抵抗素子Rbottom端を接地し、抵抗素子Rtop端をPMOS87のドレインに接続する。さらに、抵抗素子Rbottom、微調整用抵抗素子77間の端子NodeL、又は抵抗素子Rtop、粗調整用抵抗素子75間の端子NodeMを演算増幅器61の非反転入力端子に接続する。
本発明を構成する金属薄膜抵抗体を適用した分割抵抗回路によって分割抵抗素子R1,R2の出力電圧の精度を向上させることができるので、定電圧発生回路55の出力電圧の安定性を向上させることができる。
また、図14に示した分割抵抗回路を図10に示した電圧検出回路67の分割抵抗素子R1,R2に適用する場合、例えば抵抗素子Rbottom端を接地し、抵抗素子Rtop端を入力端子69に接続する。さらに、抵抗素子Rbottom、微調整用抵抗素子77間の端子NodeL、又は抵抗素子Rtop、粗調整用抵抗素子75間の端子NodeMを演算増幅器61の非反転入力端子に接続する。
本発明を構成する金属薄膜抵抗体を適用した分割抵抗回路によって分割抵抗素子R1,R2の出力電圧の精度を向上させることができるので、電圧検出回路67の電圧検出能力の精度を向上させることができる。
図9から図15を参照して、本発明の製造方法により形成したCrSi薄膜抵抗体を備えた本発明の半導体装置を適用した分割抵抗回路が適用される半導体装置の例を説明したが、本発明の半導体装置を構成する金属薄膜抵抗体を適用した分割抵抗回路が適用される半導体装置は、定電圧発生回路を備えた半導体装置及び電圧検出回路を備えた半導体装置に限定されるものではなく、分割抵抗回路を備えた半導体装置であれば適用することができる。
また、本発明の半導体装置を構成する金属薄膜抵抗体が適用される半導体装置は分割抵抗回路を備えた半導体装置に限定されるものではなく、金属薄膜抵抗体を備えた半導体装置であれば、本発明を適用することができる。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、寸法、形状、材料、配置などは一例であり、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変更が可能である。
製造方法の一実施例の前半を説明するための工程断面図である。 製造方法の同実施例の後半を説明するための工程断面図であり、(k)は半導体装置の一実施例を示す。 Si/Cr=90/10wt%のCrSiターゲットを用いたスパッタリングによりCrSi膜を成膜したときのN2分圧(%)と熱処理によるシート抵抗変動率(%)の関係を示す図である。 図3のサンプルについて、さらに2度目の熱処理を追加した場合の、CrSi膜を成膜したときのN2分圧(%)と熱処理によるシート抵抗変動率(%)の関係を示す図である。 Si/Cr=90/10wt%のCrSiターゲットを用いたスパッタリングによりCrSi膜を成膜したときのN2分圧(%)とシート抵抗(Ω/□)の関係を示す図である。 Si/Cr=70/30wt%のCrSiターゲットを用いたスパッタリングによりCrSi膜を成膜したときのN2分圧(%)と熱処理によるシート抵抗変動率(%)の関係を示す図である。 図6のサンプルについて、さらに2度目の熱処理を追加した場合の、CrSi膜を成膜したときのN2分圧(%)と熱処理によるシート抵抗変動率(%)の関係を示す図である。 Si/Cr=90/10wt%、70/30wt%、60/40wt%のCrSiターゲットを用いたスパッタリングによりCrSi膜を成膜したときのN2分圧(%)とペア性(%)の関係を示す図である。 アナログ回路である定電圧発生回路を備えた半導体装置の一実施例を示す回路図である。 アナログ回路である電圧検出回路を備えた半導体装置の一実施例を示す回路図である。 アナログ回路である分割抵抗回路を備えた半導体装置の一実施例を示す回路図である。 分割抵抗回路のヒューズ素子部分のレイアウト例を示すレイアウト図である。 分割抵抗回路の金属薄膜抵抗体部分のレイアウト例を示すレイアウト図である。 アナログ回路である分割抵抗回路を備えた半導体装置の他の実施例を示す回路図である。 分割抵抗回路の金属薄膜抵抗体部分のレイアウト例を示すレイアウト図である。 従来の製造方法によるCrSi膜形成に用いたCrSiターゲットのCr含有率(wt%)と得られた薄膜のシート抵抗(Ω/□)の関係を示す図である。 従来の製造方法によるCrSi膜形成に用いたCrSiターゲットのCr含有率(wt%)と熱処理後のシート抵抗変化率(%)の関係を示す図である。 図17のサンプルについて、さらに2度目の熱処理を追加した場合の、CrSi膜形成に用いたCrSiターゲットのCr含有率(wt%)と熱処理後のシート抵抗変化率(%)の関係を示す図である。
符号の説明
1 シリコン基板
3 素子分離酸化膜
5 層間絶縁膜
7 金属材料パターン
9 高融点金属膜
11 金属配線パターン
13,17 プラズマCVD酸化膜
15 SOG膜
19 下地絶縁膜
21 接続孔
23,23a,23b CrSi薄膜抵抗体
25 シリコン酸化膜
27 シリコン窒化膜
29 パッシベーション膜
31 配線用金属膜
33 高融点金属膜
35,39 レジストパターン
36 開口部
37 CrSi膜
51 直流電源
53 負荷
55 定電圧発生回路
57 入力端子
59 基準電圧発生回路
61 演算増幅器
63 PチャネルMOSトランジスタ
65 出力端子
67 電圧検出回路
69 入力端子
71 出力端子
73 金属配線パターン
75 粗調整用抵抗素子
77 微調整用抵抗素子
79a,79b レーザ光軌跡
R1,R2 分割抵抗素子
Rbottom,RT0,RT1,…,RTm,Rtop 抵抗素子
RL0,RL1,…,RLm ヒューズ素子
NodeL,NodeM 端子

Claims (6)

  1. 下地絶縁膜上にCrとSiを主成分とする金属薄膜抵抗体を備えた半導体装置の製造方法において、
    Cr含有量が重量%で10〜30wt%のCrSiターゲットを用い、ArとN2を含んだ雰囲気中で、かつ、前記金属薄膜抵抗体のペア性を向上させるべく2の分圧が2〜7%の条件でスパッタリングを行なって前記下地絶縁膜上に前記金属薄膜抵抗体用の金属薄膜を形成する工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 下地絶縁膜上にCrとSiを主成分とする金属薄膜抵抗体を備えた半導体装置において、
    請求項1に記載の製造方法によって形成された金属薄膜抵抗体を備えていることを特徴とする半導体装置。
  3. 2個以上の抵抗素子による分割によって電圧出力を得、ヒューズ素子の切断によって電圧出力を調整できる分割抵抗回路を備えた半導体装置において、
    前記抵抗素子は、請求項2に記載の金属薄膜抵抗体により構成されていることを特徴とする半導体装置。
  4. 2個以上の抵抗素子による分割によって電圧出力を得、抵抗素子へのレーザ照射によって電圧出力を調整できる分割抵抗回路を備えた半導体装置において、
    前記抵抗素子は、請求項2に記載の金属薄膜抵抗体を備えていることを特徴とする半導体装置。
  5. 入力電圧を分割して分割電圧を供給するための分割抵抗回路と、基準電圧を供給するための基準電圧発生回路と、前記分割抵抗回路からの分割電圧と前記基準電圧発生回路からの基準電圧を比較するための比較回路をもつ電圧検出回路を備えた半導体装置において、
    前記分割抵抗回路として請求項3又は4に記載の分割抵抗回路を備えていることを特徴とする半導体装置。
  6. 入力電圧の出力を制御する出力ドライバと、出力電圧を分割して分割電圧を供給するための分割抵抗回路と、基準電圧を供給するための基準電圧発生回路と、前記分割抵抗回路からの分割電圧と前記基準電圧発生回路からの基準電圧を比較し、比較結果に応じて前記出力ドライバの動作を制御するための比較回路をもつ定電圧発生回路を備えた半導体装置において、
    前記分割抵抗回路として請求項3又は4に記載の分割抵抗回路を備えていることを特徴とする半導体装置。
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