JP2004332163A - 繊維用消臭抗菌剤及び消臭抗菌性繊維製品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)1分子中にケイ素原子に結合するヒドロキシル基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン、(B)アミノ基を有するオルガノアルコキシシランと多塩基酸無水物との反応生成物、(C)硬化触媒及び(D)二酸化ケイ素と酸化亜鉛との複合物を、界面活性剤の存在下で水中に乳化分散させてなることを特徴とする繊維用消臭抗菌剤、並びに、該繊維用消臭抗菌剤で処理してなることを特徴とする消臭抗菌性繊維製品。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、繊維用消臭抗菌剤及び消臭抗菌性繊維製品に関する。さらに詳しくは、本発明は、洗濯耐久性に優れた消臭性と抗菌性とを付与することができる繊維用消臭抗菌剤及び該消臭抗菌剤で処理して得られる消臭抗菌性繊維製品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、脱臭性能を有する抗菌剤として、金属の酸化物と二酸化ケイ素との無定形の複合物が有効であることが知られている(特許文献1)。しかし、この抗菌剤を繊維に処理した場合、洗濯前すなわち初期の抗菌性と脱臭性能はあるものの、洗濯耐久性を全く有しておらず、洗濯によって著しい性能低下があるという実用上の問題がある。そこで、このような無機系消臭剤に対して、洗濯耐久性を向上させる試みがなされてきた。
例えば、鉱物微粒子粉末を繊維製品に処理する際に、自己架橋型アクリル酸エステルなどの高分子樹脂エマルジョンを耐水性バインダーとして併用することにより、洗濯後も消臭性を維持する方法が提案されている(特許文献2)。しかし、本発明者らの追試によると、この耐水性バインダーでは、社団法人繊維評価技術協議会が定める消臭加工マーク制度の基準を満足せず、洗濯耐久性の面で改良の余地が残されていることが分かった。
また、消臭機能を有する金属成分が担持された無機酸化物を微粒子化することにより、繊維の風合いや洗濯耐久性を向上させる方法が提案されている(特許文献3)。しかし、単に微粒子化による効果のみでは限界があり、同じく、社団法人繊維評価技術協議会が制定する消臭加工マークの取得は困難である。
さらに、近年は、酸化チタンを代表例とする光触媒系の消臭抗菌剤の開発が活発に行われている(特許文献4)。しかし、長期間の使用によっては消臭効果が確認できるものの、短時間では全く効果が見られないという欠点があった。さらに、このような反応性シリコーン系のバインダーを含む組成物は、コーティング処理が一般的であり、パディング処理やスプレー処理等の方法ではスカムが発生するなどの工程上の問題点があり、実用化が困難であると考えられてきた。
【特許文献1】
特公平7−51486号公報(第1頁)
【特許文献2】
特開平5−57007号公報(第2頁)
【特許文献3】
特開平9−299460号公報(第2頁)
【特許文献4】
特開2002−363494号公報(第2頁)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、パディング処理をはじめとする様々な加工形態を可能にし、洗濯耐久性の優れた消臭性及び抗菌性を付与することができる繊維用消臭抗菌剤及びそれにより得られる消臭抗菌性繊維製品を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、二酸化ケイ素と酸化亜鉛との複合物に対して、ケイ素原子に結合するヒドロキシル基を2個以上有するオルガノポリシロキサン及びアミノ基を有するオルガノアルコキシシランと多塩基酸無水物との反応生成物を触媒を用いて硬化させたシリコーン系バインダーを用いることにより、繊維への固着性が良好になり、洗濯耐久性に優れた消臭性及び抗菌性を付与し得ることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)(A)1分子中にケイ素原子に結合するヒドロキシル基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン、(B)アミノ基を有するオルガノアルコキシシランと多塩基酸無水物との反応生成物、(C)硬化触媒及び(D)二酸化ケイ素と酸化亜鉛との複合物を、界面活性剤の存在下で水中に乳化分散させてなることを特徴とする繊維用消臭抗菌剤、
(2)(A)1分子中にケイ素原子に結合するヒドロキシル基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン100質量部に対し、(B)アミノ基を有するオルガノアルコキシシランと多塩基酸無水物との反応生成物0.5〜20質量部、(C)硬化触媒0.01〜10質量部及び(D)二酸化ケイ素と酸化亜鉛との複合物10〜400質量部を含有する第1項記載の繊維用消臭抗菌剤、
(3)(E)エポキシ基を有するオルガノアルコキシシラン及び/若しくはその部分加水分解物、並びに/又は、(F)コロイダルシリカ及び/若しくはポリシルセスキオキサンを含有する第1項記載の繊維用消臭抗菌剤、
(4)(A)1分子中にケイ素原子に結合するヒドロキシル基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン100質量部に対し、(E)エポキシ基を有するオルガノアルコキシシラン及び/若しくはその部分加水分解物1〜20質量部、並びに/又は、(F)コロイダルシリカ及び/又はポリシルセスキオキサン1〜50質量部を含有する第2項記載の繊維用消臭抗菌剤、及び、
(5)第1項ないし第4項のいずれかに記載の繊維用消臭抗菌剤で処理してなることを特徴とする消臭抗菌性繊維製品、
を提供するものである。
さらに、本発明の好ましい態様として、
(6)(D)二酸化ケイ素と酸化亜鉛との複合物中の粒子の平均粒子径が、1μm以下である第1項又は第2項記載の繊維用消臭抗菌剤、
を挙げることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の繊維用消臭抗菌剤は、(A)1分子中にケイ素原子に結合するヒドロキシル基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン、(B)アミノ基を有するオルガノアルコキシシランと多塩基酸無水物との反応生成物、(C)硬化触媒及び(D)二酸化ケイ素と酸化亜鉛との複合物を、界面活性剤の存在下で水中に乳化分散させてなる繊維用消臭抗菌剤である。本発明の繊維用消臭抗菌剤は、(A)1分子中にケイ素原子に結合するヒドロキシル基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン100質量部に対し、(B)アミノ基を有するオルガノアルコキシシランと多塩基酸無水物との反応生成物0.5〜20質量部、(C)硬化触媒0.01〜10質量部及び(D)二酸化ケイ素と酸化亜鉛との複合物10〜400質量部を含有することが好ましい。
本発明に用いる(A)1分子中にケイ素原子に結合するヒドロキシル基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンとしては、例えば、一般式[1]で示される化合物を挙げることができる。
X3SiO−(YZSiO)a−(R2SiO)b−SiX3 ・・・[1]
一般式[1]において、Xは、ヒドロキシル基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換若しくは無置換の炭素数6〜20のアリール基又は置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシル基であり、複数個のXは、すべて同一であっても、異なっていてもよい。Yは、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基又は置換若しくは無置換の炭素数6〜20のアリール基、ヒドロキシル基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシル基又は−O−(X2SiO)c−SiX3で表される基であり、a個のYは、すべて同一であっても、異なっていてもよい。Zは、ヒドロキシル基、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシル基又は−O−(X2SiO)c−SiX3で表される基であり、a個のZは、すべて同一であっても、異なっていてもよい。Rは、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基又は置換若しくは無置換の炭素数6〜20のアリール基であり、2b個のRは、すべて同一であっても、異なっていてもよい。一般式[1]は、オルガノポリシロキサンが、a個の(YZSiO)単位と、b個の(R2SiO)単位を有することを示すものであり、ブロック共重合体構造を意味するものではない。
【0006】
一般式[1]において、aは、0〜1,000であることが好ましく、0〜200であることがより好ましい。aが1,000を超えると、形成される皮膜の強度が不十分になるおそれがある。一般式[1]において、bは、100〜10,000であることが好ましく、1,000〜5,000であることがより好ましい。bが100未満であると、形成される皮膜の柔軟性が乏しいものとなるおそれがある。bが10,000を超えると、形成される皮膜の引裂き強度が低下するおそれがある。cは、0〜1,000であることが好ましい。
一般式[1]においては、複数個のXの2個以上がヒドロキシル基であることが好ましい。複数個のXの2個以上がヒドロキシル基であると、皮膜に架橋構造を形成することができる。
一般式[1]において、Xで表される基としては、例えば、ヒドロキシル基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、へキシル基、へプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基などのアルキル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基などのシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、ナフチル基などのアリール基、メトキシル基、エトキシル基、プロポキシル基、ブトキシル基、ヘキシルオキシ基、へプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、テトラデシルオキシ基などのアルコキシル基、これらの基に結合する水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基などで置換された基などを挙げることができる。
一般式[1]において、Yで表される基としては、例えば、ヒドロキシル基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基などのアルキル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基などのシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、ナフチル基などのアリール基、これらの基に結合する水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基などで置換された基、メトキシル基、エトキシル基、プロポキシル基、ブトキシル基、ヘキシルオキシ基、へプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、テトラデシルオキシ基などのアルコキシル基、これらの基に結合する水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基などで置換された基、−O−(X2SiO)c−SiX3で表される基などを挙げることができる。
一般式[1]において、Zで表される基としては、例えば、ヒドロキシル基、メトキシル基、エトキシル基、プロポキシル基、ブトキシル基、ヘキシルオキシ基、へプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基、テトラデシルオキシ基などのアルコキシル基、これらの基に結合する水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基などで置換された基、−O−(X2SiO)c−SiX3で表される基などを挙げることができる。
一般式[1]において、Rで表される基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基などのアルキル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基などのシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、ナフチル基などのアリール基、これらの基に結合する水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基などで置換された基などを挙げることができる。一般式[1]において、Rが、メチル基であることが特に好ましい。
【0007】
本発明において、(A)1分子中にケイ素原子に結合するヒドロキシル基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンとしては、例えば、下記の化合物を挙げることができる。
HO(CH3)2SiO−[(CH3)2SiO]b−Si(CH3)2OH
HO(CH3)2SiO−[(OCH3)(CH3)SiO]a−[(CH3)2SiO]b−Si(CH3)2OH
HO(CH3)2SiO−[(OCH3)(C6H5)SiO]a−[(CH3)2SiO]b−Si(CH3)2OH
HO(CH3)2SiO−[(OH)(CH3)SiO]a−[(CH3)2SiO]b−Si(CH3)2OH
HO(CH3)2SiO−[(OH)(C6H5)SiO]a−[(CH3)2SiO]b−Si(CH3)2OH
HO(CH3)2SiO−[(CH3){O−[Si(CH3)2O]cH}SiO]a−[(CH3)2SiO]b−Si(CH3)2OH
本発明に用いる(A)オルガノポリシロキサンの製造方法に特に制限はなく、例えば、金属水酸化物などの触媒の存在下で、オクタメチルシクロテトラシロキサンなどの環状シロキサンと、α,ω−ジヒドロキシシロキサンオリゴマーなどのオリゴマーとを平衡化反応させることにより得ることができる。また、(A)オルガノポリシロキサンは、エマルジョンの形態であることが好ましいので、環状シロキサン、α,ω−ジヒドロキシシロキサンオリゴマー、α,ω−ジアルコキシシロキサンオリゴマー、アルコキシシランなどを、アニオン界面活性剤、カオチン界面活性剤などを用いて水中に乳化分散させたのち、必要に応じて、酸、アルカリなどの触媒を添加して乳化重合反応を行うことにより、容易にオルガノポリシロキサンのエマルジョンを製造することができる。
【0008】
本発明において、(B)アミノ基を有するオルガノアルコキシシランと多塩基酸無水物との反応生成物の原料として用いるアミノ基を有するオルガノアルコキシシランは、一般式[2]で表される化合物であることが好ましい。
Rd(OR)3−dSi−R1(NHR1)eNHR2 ・・・[2]
一般式[2]において、Rは、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基又は置換若しくは無置換の炭素数6〜20のアリール基であり、dは、0、1又は2であり、複数個のRは、同一であっても、異なっていてもよい。R1は、炭素数1〜6の2価の炭化水素基であり、eは、0〜6であり、複数個のR1は、同一であっても、異なっていてもよい。R2は、置換若しくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、置換若しくは無置換の炭素数6〜20のアリール基又は水素である。
アミノ基を有するオルガノアルコキシシランとしては、例えば、下記の化合物を挙げることができる。
(CH3O)3SiC3H6NH2
(CH3O)2(CH3)SiC3H6NH2
(C2H5O)3SiC3H6NH2
(C3H5O)2(CH3)SiC3H6NH2
(CH3O)3SiC3H6NHC2H4NH2
(CH3O)2(CH3)SiC3H6NHC2H4NH2
本発明において、アミノ基を有するオルガノアルコキシシランと反応させる多塩基酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水メチルコハク酸、無水グルタル酸、無水イタコン酸、無水フタル酸などを挙げることができる。これらの中で、無水マレイン酸を特に好適に用いることができる。
【0009】
本発明において、アミノ基を有するオルガノアルコキシシランと多塩基酸無水物の反応は、アミノ基と酸無水物のモル比が0.5〜2であることが好ましく、0.8〜1.5であることがより好ましい。アミノ基を有するオルガノアルコキシシランと多塩基酸無水物は、親水性有機溶剤中で、室温又は加熱下に混合することにより、容易に反応させることができる。親水性有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、アセトニトリル、テトラヒドロフランなどを挙げることができる。
本発明の繊維用消臭抗菌剤に(B)アミノ基を有するオルガノアルコキシシランと多塩基酸無水物との反応生成物を含有させることにより、シリコーン成分からなる皮膜と繊維との密着性を向上させることができる。本発明における(B)アミノ基を有するオルガノアルコキシシランと多塩基酸無水物の反応生成物の配合量は、(A)1分子中にケイ素原子に結合するヒドロキシル基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン100質量部に対して0.5〜20質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましい。(B)反応生成物の配合量が(A)オルガノポリシロキサン100質量部に対して0.5質量部未満であると、繊維基材と皮膜の密着性が弱くなるおそれがある。(B)反応生成物の配合量が(A)オルガノポリシロキサン100質量部に対して20質量部を超えると、皮膜が硬く脆いものとなるおそれがある。
【0010】
本発明に用いる(C)硬化触媒は、(A)1分子中にケイ素原子に結合するヒドロキシル基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン同士の縮合反応、及び、(A)1分子中にケイ素原子に結合するヒドロキシル基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンと(B)アミノ基を有するオルガノアルコキシシランと多塩基酸無水物との反応生成物との縮合反応により架橋硬化させる触媒である。このような硬化触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクテート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジバーサテート、ジオクチル錫ジアセテート、ジブチル錫ビスオレイルマレエート、オクチル酸スズ、ステアリン酸亜鉛、オクチル酸亜鉛、酢酸亜鉛、オクチル酸鉄などの有機酸金属塩、へキシルアミン、グアニジンなどのアミン化合物などを挙げることができる。なお、これらの硬化触媒は、水溶性である場合を除き、予め界面活性剤を用いて水中に乳化分散したエマルジョンの形態にしておくことが好ましい。
本発明において、(C)硬化触媒の配合量は、(A)1分子中にケイ素原子に結合するヒドロキシル基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン100質量部に対して0.01〜10質量部であることが好ましく、0.1〜5質量部であることがより好ましい。(C)硬化触媒の配合量が(A)オルガノポリシロキサン100質量部に対して0.01質量部未満であると、繊維用消臭抗菌剤を十分に硬化させることができず、シリコーン皮膜の強度が低下するおそれがある。(C)硬化触媒の配合量が(A)オルガノポリシロキサン100質量部に対して10質量部を超えると、不揮発分として皮膜中に残存する硬化触媒が皮膜特性を阻害し、シリコーン皮膜の強度が低下するおそれがある。
【0011】
本発明に用いる(D)二酸化ケイ素と酸化亜鉛との複合物に特に制限はなく、例えば、水ガラスの水溶液と塩化亜鉛、硫酸亜鉛などの亜鉛塩の水溶液とを混合して反応させて、ゲル状の二酸化ケイ素と酸化亜鉛との無定形複合物スラリーを調製し、乾燥することにより、二酸化ケイ素と酸化亜鉛との無定形の複合物を得ることもできる。繊維用消臭抗菌剤に(D)二酸化ケイ素と酸化亜鉛との複合物を含有させることにより、消臭性と抗菌性とを付与することができる。二酸化ケイ素と酸化亜鉛との無定形の複合物は、良好な初期吸着性能を有し、吸着した気体の再放出がほとんどなく、洗濯により飽和した吸着性能が回復するので、好適に用いることができる。
本発明において、(D)二酸化ケイ素と酸化亜鉛との複合物の配合量は、(A)1分子中にケイ素原子に結合するヒドロキシル基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン100質量部に対して10〜400質量部であることが好ましく、30〜300質量部であることがより好ましい。(D)二酸化ケイ素と酸化亜鉛との複合物の配合量が(A)オルガノポリシロキサン100質量部に対して10質量部未満であると、消臭性及び抗菌性の発現が弱くなるおそれがある。(D)二酸化ケイ素と酸化亜鉛との複合物の配合量が(A)オルガノポリシロキサン100質量部に対して400質量部を超えると、シリコーン皮膜が脆いものとなり、洗濯耐久性が低下するおそれがある。
本発明において、(D)二酸化ケイ素と酸化亜鉛の複合物における二酸化ケイ素と酸化亜鉛の質量比に特に制限はないが、二酸化珪素:酸化亜鉛が1:1〜5:1であることが好ましい。(D)二酸化ケイ素と酸化亜鉛の複合物中の粒子径に特に制限はないが、平均粒子径が5μm以下であることが好ましく、平均粒子径が1μm以下であることがより好ましい。(D)二酸化ケイ素と酸化亜鉛の複合物中の粒子を微粒子化することにより、消臭性と洗濯耐久性が向上し、得られる消臭抗菌性繊維製品の風合いが改善され、白化を防止することができる。
【0012】
本発明においては、前記の(A)〜(D)成分に加えて、さらに(E)エポキシ基を有するオルガノアルコキシシラン及び/又はその部分加水分解物を配合することができる。(E)エポキシ基を有するオルガノアルコキシシラン及び/又はその部分加水分解物は(C)硬化触媒により架橋し、シリコーン皮膜と繊維との密着性をさらに向上させる。エポキシ基を有するオルガノアルコキシシラン及びその部分加水分解物としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジメトキシメチルシラン、β−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルジメトキシメチルシランなどを挙げることができる。(E)エポキシ基を有するオルガノアルコキシシラン及び/又はその部分加水分解物の配合量は、(A)1分子中にケイ素原子に結合するヒドロキシル基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン100質量部に対して、1〜20質量部であることが好ましく、2〜10質量部であることがより好ましい。
本発明において、(E)エポキシ基を有するオルガノアルコキシシラン及び/又はその部分加水分解物の配合量が、(A)オルガノポリシロキサン100質量部に対して1質量部未満であると、シリコーン皮膜と繊維との密着性を向上させる効果が十分に発現しないおそれがある。(E)エポキシ基を有するオルガノアルコキシシラン及び/又はその部分加水分解物の配合量が、(A)オルガノポリシロキサン100質量部に対して20質量部を超えると、皮膜が硬く脆いものとなるおそれがある。
【0013】
本発明においては、さらに、(F)コロイダルシリカ及び/又はポリシルセスキオキサンを配合することができる。コロイダルシリカ及び/又はポリシルセスキオキサンを配合することにより、皮膜を補強して、その強度を高めることができる。使用するコロイダルシリカに特に制限はないが、平均粒子径5〜50nmで、ナトリウム、アンモニウム、アルミニウムなどで安定化したコロイダルシリカを好適に用いることができる。このようなコロイダルシリカとして、例えば、スノーテックス[日産化学工業(株)]、ルドックス[グレース社]、シリカドール[日本化学工業(株)]、アデライトAT[旭電化工業(株)]、カタロイドS[触媒化成工業(株)]などの市販品を挙げることができる。
本発明に用いるポリシルセスキオキサンに特に制限はなく、例えば、ポリメチルシルセスキオキサン、ポリフェニルシルセスキオキサンなどを挙げることができる。ポリメチルシルセスキオキサンは、トリメトキシメチルシランを加水分解縮合して得ることができる。具体的には、界面活性剤水溶液に、縮合触媒として硫酸などの酸、水酸化カリウムなどのアルカリなどを添加し、トリメトキシメチルシランを滴下し、撹拌することによりポリメチルシルセスキオキサンを含有する乳化物を得ることができる。この際、ポリシルセスキオキサンの架橋度を調整するために、アルコキシトリアルキルシラン、ジアルコキシジアルキルシラン、テトラアルコキシシランなどを添加することができる。また、ポリシルセスキオキサンの反応性を高めるために、ビニルシラン、エポキシシラン、アクリルシラン、メタクリルシランなどを添加することができる。ポリシルセスキオキサンの平均粒子径は、2〜200nmであることが好ましい。
本発明において、(F)コロイダルシリカ及び/又はポリシルセスキオキサンの配合量は、(A)1分子中にケイ素原子に結合するヒドロキシル基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン100質量部に対して1〜50質量部であることが好ましく、2〜30質量部であることがより好ましい。(F)コロイダルシリカ及び/又はポリシルセスキオキサンの配合量が(A)オルガノポリシロキサン100質量部に対して1質量部未満であると、皮膜の補強効果が十分に発現しないおそれがある。(F)コロイダルシリカ及び/又はポリシルセスキオキサンの配合量が(A)オルガノポリシロキサン100質量部に対して50質量部を超えると、シリコーン皮膜が硬くて脆いものとなるおそれがある。
【0014】
本発明においては、上記の(A)〜(D)成分、(A)〜(F)成分などを、界面活性剤の存在下で水中に乳化分散させる。(A)〜(F)成分などを乳化分散させる方法に特に制限はなく、例えば、(A)〜(F)成分などの混合物を乳化分散させることができ、あるいは、(A)〜(F)成分などのそれぞれの成分のエマルジョンを混合することもできる。本発明において、各成分をエマルジョンの形態にするために用いる界面活性剤及び分散剤に特に制限はなく、例えば、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル塩、脂肪酸モノグリセライド硫酸エステル塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物塩、クレゾールシェファー酸ホルムアルデヒド縮合物塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ポリアクリル酸塩、カルボキシメチルセルロース塩、オレフィン−マレイン酸共重合体の塩などのアニオン界面活性剤、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリエチレングリコールモノ(トリスチリルフェニル)エーテル、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルなどのノニオン界面活性剤、トリポリリン酸ナトリウムなどの無機塩、第四級アンモニウム塩、アルキルアミン酢酸塩などのカチオン界面活性剤、アルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤、カルボキシメチルセルロース、ザンタンガム、ポリアクリル酸ナトリウム、デンプン、カゼイン、酢酸セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリウレタンなどの水溶性高分子化合物などを挙げることかできる。
【0015】
本発明の繊維用消臭抗菌剤を適用する繊維素材に特に制限はなく、例えば、綿、絹、ウールなどの天然繊維、ポリアミド繊維、ポリウレタン繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維などの合成繊維、アセテートなどの半合成繊維、レーヨンなどの再生繊維、綿/ポリエステル、ナイロン/スパンデックスなどの複合糸などを挙げることができる。また、繊維の形態にも特に制限はなく、例えば、織物、編物、不織布、糸、ワタなどを挙げることができる。
本発明の消臭抗菌性繊維製品は、本発明の繊維用消臭抗菌剤で処理してなる繊維製品である。繊維製品の処理方法に特に制限はなく、例えば、浸漬法、パディング法、刷毛塗り、ロールコート、スプレー塗布、ナイフコートなどのコーティング法、スプレー法などにより処理することができる。また、処理液中の消臭抗菌加工剤の濃度や繊維への処理量は、必要とされる性能に応じて、適宜選択することができる。
【0016】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例において、繊維用消臭抗菌剤の消臭性及び抗菌性を、下記の方法に従って試験し、評価した。
(1)消臭性試験
繊維用消臭抗菌剤3質量部と水97質量部とを均一になるまで混合し、処理液を調製した。この処理液を用いて、ポリエステル100%織物に対してパディング処理した。ピックアップは、70質量%とした。次いで、120℃で2分間乾燥したのち、180℃で30秒間熱処理して、処理布を作製した。
この処理布について、洗濯前及び洗濯10回後の消臭性を評価した。洗濯方法はJIS L 0217(1995)付表1の103法に従った。すなわち、JAFET洗剤40mLを使用し、浴比1:30として、40℃で5分間洗濯したのち、排水及び脱水し、2分間のオーバーフロー濯ぎを2回繰り返した。この工程を洗濯1回とし、10回繰り返して洗濯10回とした。洗濯10回後、処理布をさらに5分間オーバーフロー濯ぎした。次いで、風乾させたのち、20℃、65%RHの条件下に24時間放置し、処理布の調湿を行った。
(1)酢酸に対する消臭性
処理布(10cm×10cm)1枚を5Lテドラーバッグに入れ、バック中の空気を脱気したのち、酢酸50ppm(容量比)を含有する空気3Lを注入し、密封した。20℃で2時間放置したのち、検知管にて酢酸の残留濃度を測定した。また空試験として、処理布を入れないで、同様に試験を行って残留濃度を測定した。消臭率(%)を次式により算出した。
消臭率(%)={1−(試料の残留濃度)/(空試験の残留濃度)}×100
(2)アンモニアに対する消臭性
酢酸を含有する空気の代わりに、アンモニア100ppm(容量比)を含有する空気を用いた以外は、酢酸の場合と同様に試験し、アンモニアに対する消臭率を求めた。
(3)硫化水素に対する消臭性
酢酸を含有する空気の代わりに、硫化水素4ppm(容量比)を含有する空気を用いた以外は、酢酸の場合と同様に試験し、硫化水素に対する消臭率を求めた。
(2)抗菌性試験
繊維用消臭抗菌剤3質量部と水97質量部とを、均一になるまで混合し、処理液を調製した。この処理液を用いて、ポリエステル100%織物に対してパディング処理した。ピックアップは70%とした。次いで、120℃で2分間乾燥し、さらに180℃で30秒間熱処理して、処理布を作製した。この処理布について、洗濯前と、上記と同様にして行った洗濯10回後の抗菌性を評価した。
抗菌性は、JIS L 1902(2002)の定量試験法に準拠して、黄色ブドウ球菌を用いて試験した。静菌活性値が2.2以上の場合、抗菌性:○、静菌活性値が2.2未満の場合、抗菌性:×とした。
【0017】
製造例1
オクタメチルシクロテトラシロキサン498g、トリエトキシフェニルシラン2g、10質量%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液50g及び10質量%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液50gを2Lポリエチレン製ビーカーに仕込み、ホモミキサーで均一に乳化したのち、水400gを徐々に加えて希釈し、圧力29MPaで高圧ホモジナイザーに2回通し、均一な白色エマルジョンを得た。このエマルジョンを撹拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた2Lガラスフラスコに移し、50℃で24時間重合反応を行い、10℃で24時間熟成させたのち、10質量%炭酸ナトリウム水溶液12gでpH6.2に中和した。このエマルジョンは、105℃で3時間乾燥後の不揮発分が45.4質量%であり、エマルジョン中のオルガノポリシロキサンは非流動性の軟ゲル状のものであり、平均組成が[(CH3)2SiO2/2]/[(C6H5)SiO3/2]=100/0.1(モル比)で表され、29Si−NMRで分析したところ、末端が水酸基封鎖されたものであった。このようにして、(A)成分44.4質量%を含有するエマルジョン(A−1)を得た。
製造例2
オクタメチルシクロテトラシロキサン500g、10質量%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液50g及び10質量%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液50gを2Lポリエチレン製ビーカーに仕込み、ホモミキサーで均一に乳化したのち、水400gを徐々に加えて希釈し、圧力29MPaで高圧ホモジナイザーに2回通し、均一な白色エマルジョンを得た。このエマルジョンを撹拌装置、温度計及び還流冷却器を備えた2Lガラスフラスコに移し、50℃で24時間重合反応を行い、10℃で24時間熟成させたのち、10質量%炭酸ナトリウム水溶液12gでpH6.2に中和した。このエマルジョンは、105℃で3時間乾燥後の不揮発分が45.5質量%で、エマルジョン中のオルガノポリシロキサンはHO[(CH3)2SiO]nHで示され、粘度1,000Pa・s以上の生ゴム状のものであった。このようにして、(A)成分44.5質量%を含有するエマルジョン(A−2)を得た。
製造例3
マレイン酸無水物154gをエタノール500gに溶解したのち、3−アミノプロピルトリエトキシシラン346gを室温で1時間で滴下し、さらに80℃でエタノール還流下で24時間反応を行い、(B)成分50質量%を含有する淡黄色透明な溶液(B−1)を得た。
この溶液は、105℃で3時間乾燥後の不揮発分が45.1質量%であり、溶液中の反応生成物は、赤外スペクトル、ガスクロマトグラフィー、核磁気共鳴及びガスクロマトグラフィー/質量分析法により分析したところ、不揮発分中の約60質量%が下記の式で示される2種類の化合物の混合物であり、残りの約40質量%がそれらから誘導されたオリゴマーであった。
(C2H5O)3SiC3H6NHCOCH=CHCOOH
(C2H5O)3SiC3H6N+H3 −OCOCH=CHCOOC2H5
製造例4
ジオクチル錫ジラウレート300gとポリオキシエチレン(10モル)ノニルフェニルエーテル50gを2Lポリエチレン製ビーカーに仕込み、ホモミキサーで均一に混合したのち、水650gを徐々に加えて水中に乳化分散させ、次いで圧力29MPaで高圧ホモジナイザーに2回通し、(C)成分30質量%を含有するエマルジョン(C−1)を得た。
製造例5
(D)成分として、二酸化ケイ素と酸化亜鉛の複合物[ラサ工業(株)、シュークレンズKD−211G、二酸化ケイ素60質量%、酸化亜鉛22質量%]200g、ポリエチレングリコールモノ(トリスチリルフェニル)エーテル[日華化学(株)、3SP−110]1.25g及び水450gを混合し、パールミルで微粒子化し、微分散液(D−1)を得た。平均粒子径は、0.49μmであった。
製造例6
(D)成分として、二酸化ケイ素と酸化亜鉛の複合物[ラサ工業(株)、シュークレンズKD−211G]200g、ポリエチレングリコールモノ(トリスチリルフェニル)エーテル[日華化学(株)、3SP−110]1.25g及び水450gを混合し、分散液(D−2)とした。平均粒子径は、3.65μmであった。
【0018】
実施例1
製造例1で得られたエマルジョン(A−1)225.2質量部、製造例3で得られた溶液(B−1)11.1質量部、製造例4で得られたエマルジョン(C−1)3.3質量部、製造例5で得られた微分散液(D−1)654.8質量部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(E−1)5質量部及びコロイダルシリカ[日産化学工業(株)、スノーテックスC、有効成分20質量%](F−1)75質量部を混合し、さらに全量が1,200質量部となるように水を加え、均一になるまで撹拌して、繊維用消臭抗菌剤を調製し、消臭性と抗菌性の評価を行った。
アンモニアの消臭率は、洗濯前98%、洗濯10回後95%、酢酸の消臭率は、洗濯前、洗濯10回後ともに95%、硫化水素の消臭率は、洗濯前95%、洗濯10回後93%であった。洗濯10回後の静菌活性値は、5.3を超えていた。
実施例2
製造例1で得られたエマルジョン(A−1)の代わりに、製造例2で得られたエマルジョン(A−2)を用いた以外は、実施例1と同様にして、繊維用消臭抗菌剤を調製し、消臭性と抗菌性の評価を行った。
アンモニアの消臭率は、洗濯前98%、洗濯10回後94%、酢酸の消臭率は、洗濯前95%、洗濯10回後94%、硫化水素の消臭率は、洗濯前95%、洗濯10回後92%であった。洗濯10回後の静菌活性値は、5.3であった。
実施例3
製造例5で得られた微分散液(D−1)の代わりに、製造例6で得られた微分散液(D−2)を用いた以外は、実施例1と同様にして、繊維用消臭抗菌剤を調製し、消臭性と抗菌性の評価を行った。
アンモニアの消臭率は、洗濯前98%、洗濯10回後84%、酢酸の消臭率は、洗濯前95%、洗濯10回後85%、硫化水素の消臭率は、洗濯前95%、洗濯10回後83%であった。洗濯10回後の静菌活性値は、4.0であった。
実施例4
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(E−1)及びコロイダルシリカ(F−1)を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして、繊維用消臭抗菌剤を調製し、消臭性と抗菌性の評価を行った。
アンモニアの消臭率は、洗濯前98%、洗濯10回後90%、酢酸の消臭率は、洗濯前95%、洗濯10回後91%、硫化水素の消臭率は、洗濯前95%、洗濯10回後90%であった。洗濯10回後の静菌活性値は、5.0であった。
【0019】
比較例1
製造例5で得られた微分散液(D−1)654.8質量部及び水545.2質量部を用いて繊維用消臭抗菌剤を調製した以外は、実施例1と同様にして、消臭性の評価を行った。
アンモニアの消臭率は、洗濯前98%、洗濯10回後65%、酢酸の消臭率は、洗濯前95%、洗濯10回後57%、硫化水素の消臭率は、洗濯前95%、洗濯10回後45%であった。
比較例2
製造例6で得られた微分散液(D−2)654.8質量部及び水545.2質量部を用いて繊維用消臭抗菌剤を調製した以外は、実施例1と同様にして、消臭性の評価を行った。
比較例3
製造例5で得られた微分散液(D−1)を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして、薬剤を調製し、消臭性と抗菌性の評価を行った。
アンモニアの消臭率は、洗濯前、洗濯10回後ともに40%、酢酸の消臭率は、洗濯前、洗濯10回後ともに15%、硫化水素の消臭率は、洗濯前、洗濯10回後ともに0%であった。洗濯10回後の静菌活性値は、1未満であった。
比較例4
製造例5で得られた微分散液(D−1)654.8質量部及びポリエステル樹脂エマルジョン[日華化学(株)、カセゾールES−7、不揮発分33質量%](G−1)381.8質量部を混合し、さらに全量が1,200質量部となるように水を加え、均一になるまで撹拌して、繊維用消臭抗菌剤を調製し、消臭性と抗菌性の評価を行った。
アンモニアの消臭率は、洗濯前98%、洗濯10回後50%、酢酸の消臭率は、洗濯前95%、洗濯10回後30%、硫化水素の消臭率は、洗濯前95%、洗濯10回後20%であった。洗濯10回後の静菌活性値は、1未満であった。
比較例5
ポリエステル樹脂エマルジョンの代わりに、水性ポリウレタン樹脂エマルジョン[日華化学(株)、エバファノールAP−6、不揮発分26質量%](H−1)484.6質量部を用いた以外は、比較例4と同様にして、繊維用消臭抗菌剤を調製し、消臭性と抗菌性の評価を行った。
比較例6
ポリエステル樹脂エマルジョンの代わりに、アクリル樹脂エマルジョン[日華化学(株)、カセゾールF−10、不揮発分30質量%](I−1)420.0質量部を用いた以外は、比較例4と同様にして、繊維用消臭抗菌剤を調製し、消臭性と抗菌性の評価を行った。
比較例7
製造例1で得られたエマルジョン(A−1)225.2質量部、製造例4で得られたエマルジョン(C−1)3.3質量部及び製造例5で得られた微分散液(D−1)654.8質量部を混合し、さらに全量が1,200質量部となるように水を加え、均一になるまで撹拌して、繊維用消臭抗菌剤を調製し、消臭性と抗菌性の評価を行った。
アンモニアの消臭率は、洗濯前98%、洗濯10回後50%、酢酸の消臭率は、洗濯前95%、洗濯10回後30%、硫化水素の消臭率は、洗濯前95%、洗濯10回後20%であった。洗濯10回後の静菌活性値は、1未満であった。
比較例8
繊維用消臭抗菌剤の代わりに水を用いた以外は、実施例1と同様にポリエステル100%織物を処理し、消臭性と抗菌性の評価を行った。
アンモニアの消臭率は、洗濯前、洗濯10回後ともに40%、酢酸の消臭率は、洗濯前、洗濯10回後ともに15%、硫化水素の消臭率は、洗濯前、洗濯10回後ともに0%であった。洗濯10回後の静菌活性値は、1未満であった。
実施例1〜4及び比較例1〜7の薬剤の組成比を第1表に、実施例1〜4及び比較例1〜8の消臭性試験の結果を第2表に、実施例1〜4及び比較例3〜8の抗菌性試験の結果を第3表に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】
【表4】
【0024】
第2表に見られるように、実施例1〜4の処理布は、いずれも良好な消臭性を示し、洗濯10回後も消臭性が維持されている。特に、二酸化ケイ素と酸化亜鉛との複合物が微粉砕され、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとコロイダルシリカが添加された繊維用消臭抗菌剤を用いた実施例1〜2の処理布は、優れた洗濯耐久性を示している。
これに対して、二酸化ケイ素と酸化亜鉛との複合物のみを含有する繊維用消臭抗菌剤で処理した比較例1〜2の処理布と、二酸化ケイ素と酸化亜鉛との複合物と、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂又はアクリル樹脂からなるバインダーを含有する繊維用消臭抗菌剤で処理した比較例4〜6の処理布は、洗濯前は良好な消臭性を示すが、洗濯10回後はいずれも消臭性が大幅に失われている。また、二酸化ケイ素と酸化亜鉛との複合物を含有しない薬剤で処理した比較例3の処理布は、水を使用して処理した比較例8の処理布の結果と等しく、バインダー成分のみでは消臭性が発現しないことが分かる。
第3表に見られるように、本発明の繊維用消臭抗菌剤を用いて処理した実施例1〜4の処理布は、洗濯10回後も良好な抗菌性を有しているが、比較例3〜8の処理布は、洗濯耐久性がなく、洗濯10回後には抗菌性が完全に失われている。
【0025】
【発明の効果】
本発明の消臭抗菌加工剤を用いることにより、繊維に対して二酸化ケイ素と酸化亜鉛との複合物を強固に固着させることが可能となるために、繊維製品に対し、洗濯耐久性に優れた消臭性能及び抗菌性能を付与することができる。
Claims (5)
- (A)1分子中にケイ素原子に結合するヒドロキシル基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン、(B)アミノ基を有するオルガノアルコキシシランと多塩基酸無水物との反応生成物、(C)硬化触媒及び(D)二酸化ケイ素と酸化亜鉛との複合物を、界面活性剤の存在下で水中に乳化分散させてなることを特徴とする繊維用消臭抗菌剤。
- (A)1分子中にケイ素原子に結合するヒドロキシル基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン100質量部に対し、(B)アミノ基を有するオルガノアルコキシシランと多塩基酸無水物との反応生成物0.5〜20質量部、(C)硬化触媒0.01〜10質量部及び(D)二酸化ケイ素と酸化亜鉛との複合物10〜400質量部を含有する請求項1記載の繊維用消臭抗菌剤。
- (E)エポキシ基を有するオルガノアルコキシシラン及び/若しくはその部分加水分解物、並びに/又は、(F)コロイダルシリカ及び/若しくはポリシルセスキオキサンを含有する請求項1記載の繊維用消臭抗菌剤。
- (A)1分子中にケイ素原子に結合するヒドロキシル基を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン100質量部に対し、(E)エポキシ基を有するオルガノアルコキシシラン及び/若しくはその部分加水分解物1〜20質量部、並びに/又は、(F)コロイダルシリカ及び/又はポリシルセスキオキサン1〜50質量部を含有する請求項2記載の繊維用消臭抗菌剤。
- 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の繊維用消臭抗菌剤で処理してなることを特徴とする消臭抗菌性繊維製品。
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