JP2004331281A - 給紙装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】使用しない用紙の取り出し性の向上を図ることができると共に、用紙枚数によらずに安定した押圧力でローラを用紙束に押し付けることのできる給紙装置を提供する。
【解決手段】ピックアップレバー51の回動支点P1に、モータにより回転駆動される駆動軸52を配置し、該駆動軸とピックアップローラ53とを回転伝達手段により連携すると共に、駆動軸とピックアップレバーとの間に、駆動軸に所定以上のトルクが作用するまでは駆動軸とレバーとをトルク伝達可能に係止し且つ駆動軸に所定以上のトルクが作用したときには係止を解除してピックアップレバーに対する駆動軸の回転を許容するクラッチバネ60を介在させ、ピックアップローラが用紙送りするときの駆動軸の回転方向と、ピックアップレバーをトルク伝達部材を介して用紙束側に回動させるときの駆動軸の回転方向とを一致させた。
【選択図】 図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ等の給紙装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリンタ等の給紙装置においては、種々のものが使用されている。この中で、プリンタ等の給紙装置として、基端が回動自在に支持されたピックアップレバーの先端にピックアップローラを設け、ピックアップレバーの回動によりピックアップローラの周面を用紙束に押圧させた状態で、ピックアップローラを回転させて用紙送りを行う給紙装置が知られている。
【0003】
従来、この種の給紙装置では、ピックアップローラを用紙束に押圧する際の押圧力は、一般に、バネでピックアップレバーを付勢することにより、設定されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、バネの力でピックアップローラの押圧力を設定している場合、未使用の用紙を引き出す際にローラの押圧力が負荷となり、用紙を引き出しにくいという問題があった。また、用紙束の厚みによってバネの撓み量が異なるので、ローラによる押圧力が用紙枚数によって変化してしまうという問題もあった。例えば、用紙枚数が多いときにはばねの縮み量が大きいため、ローラの押圧力が大になり、一方用紙枚数が少ないときにはバネの縮み量が小さいため、0ローラの押圧力が小さくなっていた。
【0005】
本発明は、上記事情を考慮し、用紙の取り出し性の向上を図ることができると共に、用紙枚数によらずに安定した押圧力でローラを用紙束に押し付けることのできる給紙装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
(1) 用紙を収容保持する筐体と、
ピックアップレバーと、前記ピックアップレバーの基端側に設けられ、前記ピックアップレバーを前記筐体に対して回動自在に支持する駆動軸と、前記ピックアップレバーの先端側に回転自在に設けられたピックアップローラと、前記駆動軸の回転力を前記ピックアップローラに伝達する回転伝達部材とを有し、前記ピックアップローラを前記用紙に押圧させた状態で、前記ピックアップローラを回転させることにより、前記筐体に収容保持された前記用紙を送り出すピックアップユニットと、
前記ピックアップユニットの前記駆動軸を回転駆動するモータと、
前記駆動軸と前記ピックアップレバーとの間に設けられ、前記駆動軸に作用するトルクが所定値より小さいときには前記駆動軸と前記ピックアップレバーとを連動させ、かつ前記トルクが前記所定値以上のときには前記連動が解除され、前記ピックアップレバーに対する前記駆動軸の回転を許容することにより前記ピックアップローラを回転させるトルク伝達部材と、を備えたことを特徴とする給紙装置。
(2) 前記トルク伝達部材は、前記駆動軸の一方向への回転を伝達することにより、前記駆動軸と前記ピックアップレバーを連動させて、前記ピックアップローラを前記用紙上に当接させ、かつ前記ピックアップローラに用紙送りを実行させることを特徴とする(1)記載の給紙装置。
(3) 前記トルク伝達部材は、前記駆動軸の他方向への回転を伝達することにより、前記駆動軸と前記ピックアップレバーを連動させて、前記ピックアップローラを前記用紙から離れた待機位置に移動させることを特徴とする(1)または(2)記載の給紙装置。
(4) 前記トルク伝達部材は、前記ピックアップレバーに形成されたフック受部に係合するフックと、前記駆動軸の外周に摩擦係止するバネ胴部とを有し、
前記バネ胴部の摩擦係止力により前記所定値が定められていることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか一つに記載の給紙装置。
(5) 前記ピックアップローラの回転により前記ピックアップローラの周面をクリーニングするクリーニング部材を設けたことを特徴とする(1)〜(4)のいずれか一つに記載の給紙装置。
(6) 前記ピックアップローラの周面は、前記ピックアップローラが前記待機位置に保持された状態で、前記クリーニング部材に摺り付けられてクリーニングされることを特徴とする(5)記載の給紙装置。
(7) 前記クリーニングは、前記ピックアップローラによる用紙送り後に実行されることを特徴とする(5)または(6)記載の給紙装置。
(8) 前記駆動軸の回転方向に応じて、前記駆動軸と前記ピックアップレバーの連動を解除するための前記トルクの所定値が異なることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか一つに記載の給紙装置。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る給紙装置の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0008】
(第1実施形態)
図1はプリンタ本体部に取り付けられる第1実施形態の給紙装置(ASF=オート・シート・フィーダ)10を示す外観斜視図、図2は本実施形態の給紙装置10をプリンタ本体部1に取り付けた状態を示す側断面図、図3は給紙装置10の背面側から見た斜視図である。
【0009】
本実施形態の給紙装置10は、後述するフック部9を介してプリンタ本体部1に着脱自在に取り付けることができるように構成されている(装着状態を図2に示す)。給紙装置10は、所定サイズの複数枚の用紙(単票紙)を収納し、用紙を一枚ずつプリンタの本体部1に送り込むものである。
【0010】
この給紙装置10は、下部ケース11と上面カバー12とからなる筐体13を主体に構成されている。下部ケース11は、正面カバー14、背面カバー15、左右の側面カバー16、17、底面カバー18を有する樹脂の一体成形の箱部材である。図2に示すように、用紙Sは斜めに立てた姿勢で背面カバー15上に収容保持される。
【0011】
下部ケース11の上面側であって、正面カバー14と側面カバー16、17と背面カバー15との間には、開口20が設けられている。上面カバー12は、開口20から挿入され、開口20の一部を塞ぐように下部ケース11と嵌合されている。ここで、開口20の塞がれていない部分は、複数の用紙Sが斜めに差し入れられる用紙挿入口として構成されている。側面カバー16,17には、給紙装置10をプリンタ本体部1に装着するためのフック部9,9が設けられている。このフック部9,9は、例えば、逆L字とも云える形状で背面カバー15とは反対側に突出し且つ下向きに張り出した部材であり、プリンタ本体部1の背面部分に引っかかるように構成されている。
【0012】
背面カバー15の上端には、背面カバー15の上方に位置する部分の用紙を支持する平板形状の用紙ガイド19が取り付けられている。同じく、背面カバー15の上端には、開口から挿入される用紙の最大サイズを制限する用紙サイズ規定部材21が設けられている。この用紙サイズ規定部材21は、背面カバー15の上端に沿って摺動可能に構成されており、用紙サイズ規定部材21の位置を適宜変化させることにより、用紙サイズを制限する。また、用紙サイズ規定部材21と側面カバー17との間の幅を挿入すべき用紙の幅とほぼ同一に設定することにより、用紙Sが側面カバー17と用紙サイズ規定部材21によりガイドされて、幅方向に傾くことなく、挿入することが可能になる。
【0013】
下部ケース11の背面カバー15の下部内側には、図2に示すように、その上面に用紙Sの下端が押し当てられる摩擦パッド30が設けられている。この摩擦パッド30は、背面カバー15に対する傾斜角度を変えることができるように回動自在に設けられている。この摩擦パッド30については後ほど詳述する。
【0014】
下部ケース11の底面側には、正面カバー14と側面カバー16、17と底面カバー18との間には開口22が設けられている。この開口22は、用紙挿入口としての上部開口20から挿入された用紙Sがプリンタ本体部1の用紙搬送路5に向けて排出される用紙排出口を構成している。また、図3または図5に示すように、背面カバー15の下端には、用紙Sを手差ししたり、用紙Sの頭出しの際に用紙Sの後端部を装置外に逃がすためのスリット状の開口23が設けられている。
【0015】
また、上面カバー12の内側(背面カバー15側)には、上面カバー12と一体に成形された取付リブ12aが設けられている。取付リブ12aは、用紙Sの挿入方向に沿って設けられた案内端12bを有している。この取付リブ12aの案内端12bは、上部開口20から挿入された用紙Sを背面カバー15との間に位置決めし、そして用紙Sが用紙排出口としての開口22から排出されるように案内する。この案内端12bについては、後ほど説明を行う。また、この取付リブ12aには、用紙送りのためのピックアップユニット50が取り付けられている。
【0016】
図4は、ピックアップユニット50を設けた部分を切断して示す斜め背面側から見た図である。図4では、ピックアップユニット50が待機位置にある状態を示している。また、図5は、ピックアップユニット50を設けた部分だけ背面カバー15を切欠いて示す斜め背面側から見た図である。図5では、ピックアップユニット50を、待機位置から浮かせて示してある。図6は、ピックアップユニット50及び摩擦パッド30等の関係を概念的に示す側面図、図7はピックアップユニット50だけを取り出して示す斜視図、図8はピックアップユニットの側面図、図9はピックアップユニットの駆動軸に装着したトルク伝達部材(クラッチバネ60)の説明図である。
【0017】
ピックアップユニット50は、図6、図7または図8に示すように、ピックアップレバー51と、モータ49(図8のみ図示)で駆動される駆動軸52と、用紙Sに周面が押圧されて用紙Sを送り移動するピックアップローラ53と、駆動軸52とピックアップローラ53との間で回転駆動力を伝達するための順次噛合するギヤ(回転伝達手段)54〜59とからなる。入力段のギヤ54は駆動軸52と一体化され、出力段のギヤ59はピックアップローラ53と一体化されている。
【0018】
ピックアップレバー51は、上端(基端)が上面カバー12の取付リブ12aに回動自在に軸支されている。ピックアップレバー51は、用紙束側に回動することで、ピックアップレバー51の下端(先端)に回転自在に設けられたピックアップローラ53を複数の用紙Sからなる用紙束の最上部の用紙に押圧させている。そして、ピックアップローラ53が用紙S上に押圧された状態で、ピックアップローラ53が回転することにより用紙を送り出すことができるように構成されている。
【0019】
駆動軸52は、ピックアップレバー51の回動支点P1に配置されている。駆動軸52とピックアップレバー51との間には、トルク伝達部材としてのクラッチバネ60が介在されている。このクラッチバネ60は、駆動軸52に所定以上のトルクが作用するまでは駆動軸52とピックアップレバー51とが係止された状態により駆動軸52からピックアップレバー51にトルクが伝達され、且つ駆動軸52に所定以上のトルクが作用したときには係止を解除してピックアップレバー51に対する駆動軸52の回転を許容するものである。
【0020】
クラッチバネ60は、図9に示すように、駆動軸52の外周に摩擦係止する螺旋状のバネ胴部60aと、バネ胴部60aに連接し、ピックアップレバー51に形成されたフック受部51p、51pに係合可能なフック61、61とを有する。このクラッチバネ60は、バネ胴部60aと駆動軸52との間の摩擦係止力により、トルク伝達部材としての設定トルクが定められている。
【0021】
具体的な動作を説明すると、ピックアップユニット50の駆動軸52がモータ49によって駆動されると、駆動軸52の外周に摩擦係止されているクラッチバネ60は、駆動軸52と一体に回動し、フック61,61の一方がフック受部51p,51pの一方に当接する。フック61,61の一方がフック受部51pに当接した状態でさらに駆動軸52が回動すると、駆動軸52とともに回転するクラッチバネ60のフック61,61の一方がフック受け部51pを駆動軸52の周方向に押圧し、クラッチバネ60を介して駆動軸52とピックアップレバー51とが連動して一体に回動する。
【0022】
ここで、例えば、ピックアップレバー51を用紙方向に回動させた場合には、図6に示すように、ピックアップレバー51は、ピックアップレバー51の先端に設けられたピックアップローラ53が用紙Sに当接する位置まで移動する。ピックアップローラ53が用紙S上に当接した状態でさらにモータ49を駆動すると、ピックアップレバー51が用紙Sから受ける反作用により、駆動軸52とクラッチバネ60との間の最大静止摩擦トルク以上のトルクが作用し、駆動軸52の外周とクラッチバネ60との係止が解かれ、すなわち駆動軸52とクラッチバネ60との連動が解除されて、ピックアップレバー51に対して駆動軸52が回転する。これにより、駆動軸52の回転は、ギヤ(回転伝達手段)54〜59を介してピックアップローラ53に伝達され、ピックアップローラ53が回転する。
【0023】
ここで、ピックアップローラ53が用紙送りするときの駆動軸52の回転方向と、ピックアップレバー51をトルク伝達部材であるクラッチバネ60を介して用紙束側に回動させるときの駆動軸52の回転方向とを一致させるため、入力段ギヤ54と出力段ギヤ59の間に挟まれている中間ギヤ55〜58の個数は偶数個とされている。
【0024】
また、ピックアップユニット50を用紙束から離れる方向に回動させて待機位置に保持したときに、ピックアップローラ53の周面が押圧する位置には、ピックアップローラ53の回転により、ピックアップローラ53の周面をクリーニングするための高摩擦材よりなるクリーニング部材40が設けられている。
【0025】
次に図6を用いて摩擦パッド30について説明する。
摩擦パッド30は、背面カバー15に対する傾斜角度を変えることができるように、回動自在に設けられている。即ち、摩擦パッド30は、背面カバー15の下部に配置され、背面カバー15に収容保持された用紙束の下端が当接することで、送り出される用紙を分離するものであり、背面カバー15側に設けた軸31によって回動自在に支持されることにより、用紙送り方向へ延ばした延出部30aが上下方向に傾動可能となっている。そして、その延出部30aが上に持ち上がるようにバネ32で付勢してある。なお、摩擦パッド30の上面には必要に応じて高摩擦係数の部材が貼り付けられている。
【0026】
本実施形態においては、駆動軸52に所定以上のトルクが作用するまでは、駆動軸52をモータ49で回転させることにより、トルク伝達部材であるクラッチバネ60を介して、ピックアップレバー51を回動させることができる。その際、ピックアップローラ53が用紙送りするときの駆動軸52の回転方向と、クラッチバネ60を介してピックアップレバー51を用紙束S側に回動させるときの駆動軸52の回転方向とが同じである。したがって、駆動軸52を給紙方向に回転させることで、ピックアップローラ53を用紙束に押圧させることができる。そして、ピックアップローラ53が用紙束に押圧された段階では、駆動軸52に作用するトルクが設定トルク以上となるので、駆動軸52がピックアップレバー51に対して回転する。ピックアップローラ53は、この駆動軸52の回転により回転して、押圧している用紙Sを一枚送り出す。
【0027】
この場合、ピックアップローラ53の押圧力は、トルク伝達部材であるクラッチバネ60の設定トルクによって自動的に決められる。したがって、用紙Sの束の厚さ(用紙枚数)によらず、一定の押圧力でピックアップローラ53を用紙Sの束に押圧させることができる。
【0028】
また、給紙を終えてピックアップユニット50を待機位置に戻すときには、モータ49を逆転することで駆動軸52を反対方向に回転させる。そうすると、自動的にピックアップレバー51が用紙Sの束から離れる方向に回動し、ピックアップローラ53が用紙Sの束から離間する。従って、ピックアップローラ53が離間した状態で簡単に用紙Sを給紙装置10から取り出すことができる。
【0029】
なお、トルク伝達部材として螺旋状のクラッチバネ60を使用しているので、小さい安価な部品で、駆動軸52とピックアップレバー51との間の係止及び解除を行うことができ、部品配置がやりやすい利点がある。ここで、ピックアップローラ53の押圧力は、クラッチバネ60の摩擦係止トルクによって自動的に決まることになる。
【0030】
このように用紙送りする際、用紙Sの下端は、摩擦パッド30の上面を滑りながら移動する。その際、この給紙装置10では、バネ32により上向き(用紙上端方向)に付勢された摩擦パッド30が、用紙送り出し時の負荷に応じて下に傾くことになる。つまり、ピックアップローラ53が用紙Sを送り出すことにより、用紙Sが摩擦パッド30の表面を押し、それにより摩擦パッド30が傾く。その際の摩擦パッド30の角度は、ピックアップローラ53で送り出される用紙Sに押されて変化する。即ち、摩擦パッド30の表面の摩擦係数と用紙Sのこしの強さ(剛性)に依存する用紙Sの保持力は、摩擦パッド30の角度をある程度傾けていくことによりだんだん小さくなっていき、送り出し力が保持力に勝るある角度になった瞬間、用紙Sが送り出される。
【0031】
このように用紙送りする際、用紙Sの下端は、摩擦パッド30の上面を滑りながら移動する。その際、この給紙装置10では、バネ32により上向きに付勢された摩擦パッド30が、用紙送り出し時の負荷に応じて下に傾くことになる。つまり、ピックアップローラ53が用紙Sを送り出すことにより、用紙Sが摩擦パッド30の表面を押し、それにより摩擦パッド30が傾く。その際の摩擦パッド30の角度は、ピックアップローラ53で送り出される用紙Sに押されて変化する。即ち、摩擦パッド30の表面の摩擦係数と用紙Sのこしの強さ(剛性)に依存する用紙Sの保持力は、摩擦パッド30の角度をある程度傾けていくことによりだんだん小さくなっていき、送り出し力が保持力に勝るある角度になった瞬間、用紙Sが送り出される。
【0032】
また、図11、図12に示すように、剛性の低い用紙(こしの弱い紙:普通紙等)S1を送り出す場合には、送り出し時の負荷が小さくなるので、摩擦パッド30は小さく傾く。従って、用紙束に対する摩擦パッド30の角度が小さくなり、送り出される用紙S2の下端に対する摩擦角が好適値になることで、用紙S1の分離・送り出しがスムーズに行われる。ここで、用紙S1は、摩擦パッド30の角度が小さい場合であっても、上面カバー12と一体に成形された取付リブ12aの案内端12bに沿って開口22まで案内され、開口22からプリンタ本体部1の用紙搬送路5まで搬送される。すなわち、用紙S1のこしが弱く、摩擦パッド30から分離した用紙がそのままでは開口22に向かわないような場合でも、用紙S1は、案内端12bに沿って開口22に向かって導かれ、プリンタ本体部1の用紙搬送路5まで確実に搬送される。
【0033】
一方、図11、図13に示すように、剛性の高い用紙(こしの強い紙:ハガキ等)S2を送り出す場合には、送り出し時の負荷が大きくなるので、摩擦パッド30は大きく下に傾く。従って、用紙束に対する摩擦パッド30の角度が緩くなり、送り出される用紙S2の下端に対する摩擦角が好適値になることで、用紙S2の分離・送り出しがスムーズに行われる。
【0034】
つまり、用紙S1、S2の剛性(こし)に影響されずに、用紙の分離・供給がスムーズに行われるようになる。従って、摩擦パッド30によれば、それぞれ用紙Sの剛性に適した摩擦角で分離が行われるため、例えば用紙Sの厚みの違いによらず、用紙Sの分離信頼性が向上する。
【0035】
給紙が終わったら、ピックアップローラ53を用紙束から離間させることになる。このピックアップローラ53が用紙束から離間した待機位置にはクリーニング部材40が設けられている。駆動軸52を給紙時と逆方向に回転させて、ピックアップレバー51を待機位置まで回動させた状態で、更に数秒間だけ駆動軸52を回し続けることによって、クリーニング部材40に対してピックアップローラ53の周面が摺り付けられる。これにより、用紙給紙時にピックアップローラ53の周面に付着した用紙上のゴミや用紙上をコートしている各種成分等が、クリーニング部材40によりそぎ落とされ、ピックアップローラ53の周面を自動クリーニングすることができる。この場合も、クリーニング部材40に対する押圧力はクラッチバネ60の設定トルクによって定まる。
【0036】
このように、待機位置にピックアップユニット50を戻すだけで自動的にピックアップローラ53のクリーニングが行えるので、ピックアップローラ53の耐久性の向上と、安定した摩擦係数の維持による給紙不良の防止が図れる。
【0037】
なお、図10に示すように、クリーニング部材40の取付角度は、ピックアップレバー51の回動支点P1からピックアップローラ53の周面に引いた接線PSと同じ角度に設定する(図10のbの状態)か、その接線PSよりも、回動支点P1に近い方が内側にくるように傾ける(図10のcの状態)のがよい。これは、接線PSよりも、回動支点P1に近い方が外側にくるように傾けると(図10のaの状態)、ピックアップローラ53の回転(矢印R1方向回転)による摩擦力Mが、ピックアップローラ53の回転をロックする力として働いてしまうからである。
【0038】
また、頭出しのために用紙を前進後退して調整する際に、用紙Sのこしが強い場合には後退する用紙Sの後端が摩擦パッド30等に干渉する可能性があるが、本実施形態の給紙装置10では、図14に示すように、背面カバー15の下端に開口23が開いているので、用紙Sの後端を背面開口23から後方へ逃がすことができる。従って、こしの強い用紙Sの頭出しの際にも用紙Sの後端がスムーズに移動するようになる。この開口23の位置は、用紙供給先であるプリンタ本体部1の用紙搬送路の延長線上に位置し、かつ摩擦パッド30の下側を通過して用紙Sを移動させることの可能な位置である。
【0039】
以上、本実施形態の給紙装置10によれば、駆動軸52に所定以上のトルクが作用するまでは、駆動軸52を回転させることにより、クラッチバネ60を介してピックアップレバー51を回動させることができる。その際、ピックアップローラ53が用紙送りするときの駆動軸52の回転方向と、ピックアップレバー51をクラッチバネ60を介して用紙束側に回動させるときの駆動軸の回転方向とが同じであるから、駆動軸52を給紙方向に回転させることで、ピックアップローラ53を用紙束に押圧させることができる。そして、押圧した段階では駆動軸52に作用するトルクが所定以上となるから、駆動軸52がピックアップレバー51に対して回転し、駆動軸52の回転によりピックアップローラ53が回転して用紙束の最上層にある用紙Sを送り出す。この場合、ピックアップローラ53の押圧力は、クラッチバネ60の設定トルクによって自動的に決まるので、用紙Sの厚さ(用紙枚数)によらず、一定の押圧力でピックアップローラ53を用紙束に押圧させることができる。
【0040】
また、給紙を終えてピックアップユニット50を待機位置に戻すときには、駆動軸52を反対方向に回転させる。これにより、自動的にピックアップレバー51が用紙束から離れる方向に回動し、ピックアップローラ53が用紙束から離間するので、給紙装置10から用紙または用紙束を簡単に取り出すことができる。
【0041】
また、本実施形態によれば、トルク伝達を行うトルク伝達部材として、クラッチバネ60を使用しているので、小さくかつ安価な部品で、駆動軸52とピックアップレバー51との間の係止及び解除を行うことができる。この場合、ピックアップローラ53の用紙束に対する押圧力は、クラッチバネ60と駆動軸52との間の摩擦係止トルクによって自動的に決定される。
【0042】
また、ピックアップローラ53の周面には、紙粉や用紙のコーティング層などが付着し、ピックアップローラ53の摩擦係数が落ちる可能性があるが、本実施形態によれば、ピックアップローラ53の待機位置にクリーニング部材40を設けたので、駆動軸52を給紙時と逆方向に回転させて、ピックアップレバー51を待機位置まで回動させた状態で、更に駆動軸52を回し続けることによって、クリーニング部材40に対してピックアップローラ53の周面を摺り付け、ピックアップローラ53の周面をクリーニングすることができる。この場合も、クリーニング部材40に対する押圧力は、クラッチバネ60の設定トルクによって定められる。
【0043】
また、本実施形態の給紙装置10では、バネ32により用紙上端方向に付勢された摩擦パッド30が、用紙送り出し時の負荷に応じて下に傾くように構成されている。例えば、剛性の高い用紙(こしの強い紙:ハガキ等)を送り出す場合には、送り出し時の負荷が大きくなるので、摩擦パッド30は大きく下に傾く。従って、用紙束に対する摩擦パッド30の角度が緩くなり、送り出される用紙の下端に対する角度が好適値になることで、用紙の分離・送り出しがスムーズに行われる。また、剛性の低い用紙(こしの弱い紙:普通紙等)を送り出す場合には、送り出し時の負荷が小さくなるので、摩擦パッドは小さく傾く。従って、用紙束に対する摩擦パッド30の角度が小さくなり、送り出される用紙の下端に対する角度が好適値になることで、用紙の分離・送り出しがスムーズに行われる。即ち、用紙の剛性(こし)に影響されずに、用紙の分離・供給がスムーズに行われるようになる。
【0044】
また、給紙装置10によって供給先のプリンタ等に用紙送りをした場合、頭出しなどのために給紙装置10内部で用紙Sを前後に移動することがある。その場合、送り出した用紙Sの後端が摩擦パッド30を通過してしまった段階では、用紙Sの後端を用紙束上に戻すことはできなくなり、結果的に用紙後端の逃げ場所がなくなってしまう。そこで、本実施形態では、背面カバー15の下端に開口23を設け、逃げ場の無くなった用紙Sの後端の逃げ場所を確保し、印刷が行われる用紙が変形する等の不具合等の発生を予防している。
【0045】
なお、本実施形態では、トルク伝達部材としてクラッチバネ60を用いたが、これに限られることはなく、所定のトルク値以上が加えられるまでは駆動軸52と係止され、所定のトルク値以上が加えられると、この係止を解除するように構成されたものであればよい。
【0046】
(第2実施形態)
以下、図面を参照しながら、本発明に係る給紙装置の第2実施形態について説明する。第2実施形態の給紙装置は、第1実施形態の給紙装置に用いられていたクラッチバネ60の置換例に関するものであり、その他の構成については、第1実施形態の構成と同様である。以下の説明においては、第1実施形態と同一の部材については重複を避けるため説明を省略する。
【0047】
図15は、ピックアップユニット50の駆動軸に装着されたクラッチバネ160の説明図であり、図16は、クラッチバネ160が給紙方向に付勢された状態を示す斜視図であり、そして図17は、クラッチバネ160がクリーニング方向に付勢された状態を示す斜視図である。
【0048】
クラッチバネ160は、第1実施形態のクラッチバネ60と同様に、駆動軸52とピックアップレバー51との間にトルク伝達部材として介在されている。このクラッチバネ160は、クラッチバネ60と同様に、駆動軸52に所定以上のトルクが作用するまでは駆動軸52とピックアップレバー51とが係止された状態により駆動軸52からピックアップレバー51にトルクが伝達され、且つ駆動軸52に所定以上のトルクが作用したときには係止を解除してピックアップレバー51に対する駆動軸52の回転を許容するものである。
【0049】
クラッチバネ160は、図15に示すように、駆動軸52の外周に摩擦係止する螺旋状のバネ胴部160aと、バネ胴部160aの一端に連接し、ピックアップレバー51に形成されたフック受部51p1,51p2に係合可能な一つのフック161とを有している。第1実施形態とは異なり、バネ胴部160aの他端は、フック受け部51p1,51p2と係合可能ではなく、バネ胴部160aの一端に形成されたフック161がピックアップレバーに形成された二つのフック受部51p1,51p2に係合可能とされている。このクラッチバネ160は、バネ胴部160aと駆動軸52との間の摩擦係止力により、トルク伝達部材としての設定トルクが定められている。
【0050】
以下、本実施形態のピックアップユニット50の動作を説明する。ピックアップユニット50の駆動軸52がモータ49によって駆動されると、駆動軸52の外周に摩擦係止されているクラッチバネ160は、駆動軸52と一体に回動し、フック161がフック受部51p1,51p2の一方に当接する。フック161がフック受部51p1,51p2の一方に当接した状態でさらに駆動軸52が回動すると、駆動軸52とともに回転するクラッチバネ60のフック161がフック受部51p1,51p2の一方を駆動軸52の周方向に押圧し、クラッチバネ160を介して駆動軸52とピックアップレバー51とが連動して一体に回動する。
【0051】
ここで、例えば、ピックアップレバー51を用紙方向に回動させた場合には、ピックアップレバー51は、ピックアップレバー51の先端に設けられたピックアップローラ53が用紙Sに当接する位置まで移動する。ピックアップローラ53が用紙S上に当接した状態でさらにモータ49を駆動すると、ピックアップレバー51が用紙Sから受ける反作用により、駆動軸52とクラッチバネ160との間の最大静止摩擦トルク以上のトルクが作用し、駆動軸52の外周とクラッチバネ160との係止が解かれ、すなわち駆動軸52とクラッチバネ160との連動が解除されて、ピックアップレバー51に対して駆動軸52が回転する。これにより、駆動軸52の回転は、ギヤ(回転伝達手段)54〜59を介してピックアップローラ53に伝達され、ピックアップローラ53が回転する。
【0052】
本実施形態のクラッチバネ160は、第1実施形態のクラッチバネ60と異なり、一つのフック161が二つのフック受部51p1,51p2に係合する。そのため、フック161がフック受部51p1に当接してフック受部51p1を押す場合(図16参照)と、フック161がフック受け部51p2に当接してフック受け部51p2を押す場合(図17参照)では、バネ胴部160aと駆動軸52との係止を解除するために要するトルクの大きさが異なる。
【0053】
具体的に説明すると、フック161がフック受部51p1に当接してフック受部51p1を押す場合には、図16に示すように、フック受け部51p1からフック161に加えられる力は、駆動軸52上に巻回されたバネ胴部160aを緩める方向に作用する。したがって、駆動軸52とクラッチバネ160のバネ胴部160aとの間の係止の解除に必要な最大静止摩擦トルクが小さくなる。
【0054】
一方、フック161がフック受部51p2に当接してフック受部51p2を押す場合には、図17に示すように、フック受け部51p2からフック161に加えられる力は、駆動軸52上に巻回されたバネ胴部160aを締め付ける方向に作用する。したがって、駆動軸52とクラッチバネ160のバネ胴部160aとの間の係止の解除に必要な最大静止摩擦トルクが、図15に示す状態よりも大きくなる。すなわち、フック161がフック受け部51p1を押す場合よりもフック受け部51p2を押す場合のほうが、駆動軸52とクラッチバネ160のバネ胴部160aとの係止を解くためにより大きなトルクが必要となる。
【0055】
本実施形態では、用紙給紙時、すなわちピックアップローラ53を用紙S上に当接させピックアップローラ53により用紙送りする場合には、フック受部51p1にフック161を当接させ、逆にクリーニング時(待機時)には、フック受部51p2にフック161を当接させるように構成している。すなわち、本実施形態では、用紙給紙時にピックアップローラ53を回転させるために必要なトルクは、クリーニング時にピックアップローラ53を回転させるために必要なトルクよりも小さい。
【0056】
ピックアップローラ53を用紙Sに当接させた状態で、大きなトルクが加えられると、ピックアップローラ53が用紙Sの束を強く押し付けた状態で回転するため、用紙Sを2枚以上搬送してしまう、いわゆるダブルフィードが発生する可能性がある。
一方、ピックアップユニット50が待機状態にある場合には、ピックアップレバー52が待機状態で振動したり、待機状態でピックアップローラ53が回転したりしないようにクリーニング部材40にしっかりと強く押し付けられていることが好ましい。
本実施形態では、以上の事情を考慮して、クラッチバネ160は、用紙給紙時にピックアップローラ53が回転するために必要なトルクよりも待機時にピックアップローラ53が回転するために必要なトルクのほうが大きくなるように取り付けられている。
【0057】
以上、本実施形態の給紙装置10によれば、駆動軸52に所定以上のトルクが作用するまでは、駆動軸52を回転させることにより、クラッチバネ160を介してピックアップレバー51を回動させることができる。その際、ピックアップローラ53が用紙送りするときの駆動軸52の回転方向と、ピックアップレバー51をクラッチバネ160を介して用紙束側に回動させるときの駆動軸の回転方向とが同じであるから、駆動軸52を給紙方向に回転させることで、ピックアップローラ53を用紙束に押圧させることができる。そして、押圧した段階では駆動軸52に作用するトルクが所定以上となるから、駆動軸52がピックアップレバー51に対して回転し、駆動軸52の回転によりピックアップローラ53が回転して用紙束の最上層にある用紙Sを送り出す。この場合、ピックアップローラ53の押圧力は、クラッチバネ60の設定トルクによって自動的に決まるので、用紙Sの厚さ(用紙枚数)によらず、一定の押圧力でピックアップローラ53を用紙束に押圧させることができる。
【0058】
さらに、本実施形態の給紙装置10によれば、クラッチバネ160は、用紙給紙時にピックアップローラ53が回転するために必要なトルクよりも待機時にピックアップローラ53が回転するために必要なトルクのほうが大きくなるように取り付けられている。したがって、用紙給紙時には弱いトルク力によってピックアップローラ53が回転することによって、用紙Sのダブルフィードを防止し、かつ待機時には用紙給紙時よりも強いトルク力が加えられない限りピックアップローラ53が回転しないことにより、ピックアップローラ53を含むピックアップユニット50を確実に待機位置に保持させることが可能となる。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ピックアップレバーの回動支点に、モータにより回転駆動される駆動軸を配置し、駆動軸とピックアップローラとを回転伝達手段により連携すると共に、駆動軸とピックアップレバーとの間に、駆動軸に所定以上のトルクが作用するまでは駆動軸とピックアップレバーとがトルク伝達可能に係止されて連動し、且つ駆動軸に所定以上のトルクが作用したときには、この駆動軸とピックアップレバーとの連動を解除してピックアップレバーに対する駆動軸の回転を許容するトルク伝達部材を介在させ、このピックアップローラが用紙送りするときの駆動軸の回転方向と、トルク伝達部材を介してピックアップレバーを用紙束側に回動させるときの駆動軸の回転方向とを一致させたので、ピックアップローラの用紙への押圧がモータのトルクによって行われ、用紙枚数によらずに安定した押圧力でピックアップローラを用紙束に押し付けることができ、用紙の取り出し性の向上を図ることができる給紙装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる第1実施形態の給紙装置を示す外観斜視図である。
【図2】図1の給紙装置をプリンタの本体部1に取り付けた状態を示す側断面図である。
【図3】第1実施形態の給紙装置の背面側から見た斜視図である。
【図4】第1実施形態の給紙装置におけるピックアップユニットを設けた部分を切断して示す斜め背面側から見た図であある。
【図5】第1実施形態の給紙装置におけるピックアップユニットを設けた部分だけ背面カバーを切欠いて示す斜め背面側から見た図である。
【図6】第1実施形態のピックアップユニット及び摩擦パッド等の関係を概略的に示す側面図である。
【図7】第1実施形態のピックアップユニットだけを取り出して示す斜視図である。
【図8】第1実施形態のピックアップユニットの側面図である。
【図9】第1実施形態のピックアップユニットの駆動軸に装着したトルク伝達部材(クラッチバネ60)の説明図である。
【図10】第1実施形態の給紙装置におけるクリーニング部材の適正な取付角度の説明図であり、(a)は好ましくない取付角度、(b)、(c)は好ましい取付角度を示す図である。
【図11】第1実施形態の給紙装置における摩擦パッドの作用説明図である。
【図12】第1実施形態の給紙装置における剛性の高い用紙を送り出すときの作用説明図である。
【図13】第1実施形態の給紙装置における剛性の低い用紙を送り出すときの作用説明図である。
【図14】第1実施形態の給紙装置における用紙の後端を後方へ逃がす場合の説明図である。
【図15】第2実施形態のピックアップユニットの駆動軸に装着されたクラッチバネの説明図である。
【図16】第2実施形態のピックアップユニットにおいて、クラッチバネが給紙方向に付勢された状態を示す斜視図である。
【図17】クラッチバネがクリーニング方向に付勢された状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
10・・給紙装置
13・・筐体
23・・開口
30・・摩擦パッド
30a・・延出部
31・・軸
32・・バネ
40・・クリーニング部材
49・・モータ
50・・ピックアップユニット
51・・ピックアップレバー
51p・・フック受部
52・・駆動軸
53・・ピックアップローラ
54〜59・・ギヤ(回転伝達部材)
60・・クラッチバネ(トルク伝達部材)
61・・フック
P1・・回動支点
S・・用紙・用紙束

Claims (8)

  1. 用紙を収容保持する筐体と、
    ピックアップレバーと、前記ピックアップレバーの基端側に設けられ、前記ピックアップレバーを前記筐体に対して回動自在に支持する駆動軸と、前記ピックアップレバーの先端側に回転自在に設けられたピックアップローラと、前記駆動軸の回転力を前記ピックアップローラに伝達する回転伝達部材とを有し、前記ピックアップローラを前記用紙に押圧させた状態で、前記ピックアップローラを回転させることにより、前記筐体に収容保持された前記用紙を送り出すピックアップユニットと、
    前記ピックアップユニットの前記駆動軸を回転駆動するモータと、
    前記駆動軸と前記ピックアップレバーとの間に設けられ、前記駆動軸に作用するトルクが所定値より小さいときには前記駆動軸と前記ピックアップレバーとを連動させ、かつ前記トルクが前記所定値以上のときには前記連動が解除され、前記ピックアップレバーに対する前記駆動軸の回転を許容することにより前記ピックアップローラを回転させるトルク伝達部材と、を備えたことを特徴とする給紙装置。
  2. 前記トルク伝達部材は、前記駆動軸の一方向への回転を伝達することにより、前記駆動軸と前記ピックアップレバーを連動させて、前記ピックアップローラを前記用紙上に当接させ、かつ前記ピックアップローラに用紙送りを実行させることを特徴とする請求項1記載の給紙装置。
  3. 前記トルク伝達部材は、前記駆動軸の他方向への回転を伝達することにより、前記駆動軸と前記ピックアップレバーを連動させて、前記ピックアップローラを前記用紙から離れた待機位置に移動させることを特徴とする請求項1または2記載の給紙装置。
  4. 前記トルク伝達部材は、前記ピックアップレバーに形成されたフック受部に係合するフックと、前記駆動軸の外周に摩擦係止されるバネ胴部とを有し、
    前記バネ胴部の摩擦係止力により前記所定値が定められていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の給紙装置。
  5. 前記ピックアップローラの回転により前記ピックアップローラの周面をクリーニングするクリーニング部材を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の給紙装置。
  6. 前記ピックアップローラの周面は、前記ピックアップローラが前記待機位置に保持された状態で、前記クリーニング部材に摺り付けられてクリーニングされることを特徴とする請求項5記載の給紙装置。
  7. 前記クリーニングは、前記ピックアップローラによる用紙送り後に実行されることを特徴とする請求項5または6記載の給紙装置。
  8. 前記駆動軸の回転方向に応じて、前記駆動軸と前記ピックアップレバーの連動を解除するための前記トルクの所定値が異なることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の給紙装置。
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