JP2009001403A - 画像記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ユーザがクリーニング部材を設置したり、或いは取り外して保管するといった面倒な作業を行うことなく、簡易な構成でローラをクリーニングすることができる画像記録装置の提供。
【解決手段】記録用紙は、給紙ローラ25によって給紙トレイ20から第1搬送路22へ供給され、第1搬送路22を搬送される過程で画像が記録される。給紙ローラ25は、基軸28を中心として回動可能なアーム26の先端側に回転可能に設けられている。アーム26が第1姿勢に維持された状態では、給紙ローラ25がクリーニング部材130から離間されて、例えば給紙トレイ20上の記録用紙に圧接される。アーム26が第2姿勢に維持された状態では、給紙ローラ25がクリーニング部材130に圧接される。この状態で給紙ローラ25が回転駆動されることにより、給紙ローラ25がクリーニングされる。
【選択図】図17

Description

本発明は、トレイに収容されたシートを搬送し、その搬送過程でシートに画像を記録する画像記録装置に関する。
画像記録装置では、トレイに収容された記録用紙に対してローラが圧接され、この状態でローラが回転駆動される。これにより、記録用紙がトレイから所定の搬送路へ供給される。記録用紙は、この搬送路に沿って搬送される過程においてインクやトナーが付着される。これにより、記録用紙に所望の画像が形成される。上述のように、ローラが記録用紙に圧接された状態で回転駆動されるので、ローラには紙粉や記録用紙上のゴミ等が付着する。ローラに紙粉やゴミ等が付着した場合、記録用紙のジャムや供給不良が発生するという問題がある。従来の画像記録装置には、これらの問題を解決するために、ローラをクリーニングする手段が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のプリンタは、トレイに着脱自在な清掃シートを有する。清掃シートは、台紙にフック及びスポンジ状の清掃布が設けられたものである。清掃シートは、フックによりトレイ内に固定される。トレイは、清掃シートが固定され且つ記録用紙が載置されていない状態でプリンタ本体に装着される。これにより、ローラが清掃布に接触される。この状態で給紙ボタンが押下されると、ローラが回転駆動されてローラの表面が清掃布によって清掃される。
特開平5−92641号公報
ところで、特許文献1に記載のプリンタでは、ローラの清掃前に、トレイから記録用紙などのシートを取り出してトレイに清掃シートを固定し、そのトレイをプリンタに装着する作業が必要である。また、ローラの清掃後には、トレイから清掃シートを取り外して保管する作業が必要である。このように、上記プリンタでは、ローラの清掃前後にユーザが面倒な作業を行う必要があった。
また、トレイの形状及びローラの配置に応じて清掃シートを構成する必要がある。このため、プリンタ全体としての構成が複雑になり、結果としてプリンタのコストがかさむという問題がある。
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、ユーザがクリーニング部材を設置したり、或いは取り外して保管するといった面倒な作業を行うことなく、簡易な構成でローラをクリーニングすることができる画像記録装置を提供することを目的とする。
(1) 本発明に係る画像記録装置は、シートが載置される第1トレイと、上記第1トレイから供給されたシートが搬送される第1搬送路と、上記シートの搬送過程において当該シートに画像を記録する記録部と、所定の支点を中心として上記第1トレイに対して接離する方向へ回動可能なアームと、上記アームの先端側に回転可能に設けられ、上記第1トレイ上のシートを上記第1搬送路へ供給するローラと、上記ローラの上方に設けられ、当該ローラをクリーニングするクリーニング部材と、を備え、上記アームは、上記ローラが上記クリーニング部材から離間された第1姿勢と、当該ローラが上記クリーニング部材に圧接された第2姿勢との間で姿勢変化可能に構成されたものである。
この画像記録装置では、印刷開始が指示されると、第1トレイから第1搬送路へシートが供給される。このシートは、第1搬送路に沿って搬送される過程において記録部によって画像が記録される。この画像記録は、シートにインクやトナーを付着させることにより行われる。第1トレイ上のシートは、当該シートに圧接されたローラが回転駆動されることにより第1搬送路へ供給される。このローラは、アームの先端側に設けられている。アームは、所定の支点を中心として第1トレイに対して接離する方向へ回動可能に構成されている。
このアームは、第1姿勢と第2姿勢との間で姿勢変化可能に構成されている。第1姿勢は、ローラが当該ローラの上方に位置するクリーニング部材から離間された状態である。第2姿勢は、第1姿勢に対してアームが上方へ回動されてローラがクリーニング部材に圧接された状態である。アームが第2姿勢に維持された状態でローラが回転駆動されることにより、クリーニング部材によってローラがクリーニングされる。ここで、クリーニングとは、ローラにクリーニング部材を接触させた状態でローラを回転駆動させる動作である。これにより、ローラに付着した紙粉、インク、トナー、ゴミ等がローラから除去される。この除去動作に使用されるクリーニング部材としては、ゴム、ブラシ、フェルト等が挙げられる。上述のように、ローラを支持するアームを回動させることによりローラのクリーニングが可能な状態となる。このため、ユーザがクリーニング部材を設置したり、或いは取り外して保管するといった面倒な作業を行うことなく、簡易な構成でローラをクリーニングすることが可能となる。
(2) 上記第1トレイは、装置本体から引き出し可能に設けられており、上記アームは、上記第1トレイが上記装置本体から所定位置まで引き出されることに連動して上記第1姿勢から上記第2姿勢へ姿勢変化されるものであってもよい。
装置本体から第1トレイが引き出されていない場合、アームが第1姿勢に維持される。これにより、例えば第1トレイ上のシートにローラが圧接される。この状態でローラが回転駆動されると、第1トレイ上のシートが第1搬送路へ供給される。ユーザによって第1トレイが所定位置まで引き出されると、それに連動してアームが第1姿勢から第2姿勢へ姿勢変化される。この姿勢変化によりローラがクリーニング部材に圧接されて、ローラのクリーニングが可能な状態となる。すなわち、第1トレイを装置本体から引き出すといった簡単な作業でローラがクリーニング位置に配置される。
(3) 本発明の画像記録装置は、上記第1トレイの引出方向と略直交する水平な第1方向に対向する上記第1トレイの少なくとも一方の側壁に形成されたカムと、上記アームから上記第1方向へ延出され、上記第1トレイの引出に伴う上記カムの運動を上記アームへ伝達するカムフォロワと、を備えていてもよい。
第1トレイの引出に伴うカムの運動がカムフォロワを介してアームに伝達され、アームが第1姿勢と第2姿勢との間で姿勢変化される。上記構成により、アームが簡易な構成で姿勢変化される。
(4) 上記第1トレイは、上記アームを上記第1姿勢とする第1位置と、上記アームを上記第2姿勢とする第2位置と、上記クリーニング部材が上記ローラによって上記第2姿勢における押圧力よりも強い押圧力で押圧されるように上記アームを第3姿勢とする第3位置と、の間を移動可能に構成されていることが好ましい。
第1トレイが第2位置に配置されている場合、アームが第2姿勢に維持される。トレイが第3位置に配置されている場合、アームが第3姿勢に維持される。アームが第3姿勢に維持された状態では、クリーニング部材は、ローラによって第2姿勢における押圧力よりも強い押圧力で押圧される。上記構成により、ユーザが装置本体に対して第1トレイの引出方向における位置を変更することにより、ローラのクリーニング効果を増減させることが可能となる。
(5) 本発明の画像記録装置は、上記アームを姿勢変化させるアクチュエータを備えていてもよい。
アクチュエータが駆動されることにより、アームが第1姿勢と第2姿勢との間で姿勢変化される。このため、ユーザが第1トレイを挿抜するといった操作を行うことなく、ローラのクリーニングが可能となる。
(6) 本発明の画像記録装置は、上記アームを上記第1姿勢から上記第2姿勢へ姿勢変化するように弾性付勢する付勢部材を備えていてもよい。
上記構成により、アームは、アクチュエータが駆動されていない状態で第2姿勢に維持される。アクチュエータが駆動されることにより、アームが第2姿勢から第1姿勢へ姿勢変化される。この姿勢変化により、例えば第1トレイ上のシートを第1搬送路へ供給可能な状態となる。このように、上記構成により、例えばシートの供給動作が行われていない通常の状態において、ローラがクリーニング部材に圧接された状態が維持される。このため、アームを回動させることなくローラのクリーニングを開始することが可能となる。
(7) 上記クリーニング部材は、弾性変形が可能なものであってもよい。
上記構成により、ローラがクリーニング部材に圧接された際に、クリーニング部材がローラに密着し、その結果、クリーニング効果が増大される。
(8) 本発明の画像記録装置は、上記第1搬送路及び上記第1トレイに連結されて、上記第1搬送路を搬送されたシートがスイッチバック搬送される第2搬送路と、上記第1搬送路を搬送されたシートが排出される第2トレイと、上記第1搬送路を搬送されたシートを上記第2トレイ又は上記第2搬送路へ送る経路切換部と、を備えていてもよい。
第1搬送路へ供給されたシートは、その搬送過程で記録部によって一方の面に画像が記録される。このシートは、片面記録が設定されている場合、経路切換部によって第2トレイに排出される。一方、両面記録が設定されている場合、シートは、経路切換部によって第2搬送路へ送られる。このシートは、第2搬送路に沿ってスイッチバック搬送されて第1トレイへ供給される。このシートは、アームが第1姿勢に維持された状態でローラが回転駆動されることにより第1搬送路へ再送される。シートは、その搬送過程において記録部によって他方の面に画像が記録される。このように両面に画像が記録されたシートは、経路切換部によって第1搬送路から第2トレイに排出される。
一方の面に画像が記録されたシートは、第1搬送路へ再送される際に記録面にローラが圧接される。記録面とは、記録部によってインクやトナーが付着されたシートの一方の面である。インクやトナーが充分に乾燥していない状態でシートが第1搬送路へ再送されると、シート上のインクやトナーがローラに付着することがある。アームが第1姿勢から第2姿勢に姿勢変化されて、ローラが回転駆動される。これによりローラがクリーニングされ、ローラに付着したインクやトナーがローラから除去される。
本発明によれば、ローラを支持するアームを回動させることによりローラのクリーニングが可能な状態となる。このため、ユーザがクリーニング部材を設置したり、或いは取り外して保管するといった面倒な作業を行うことなく、簡易な構成でローラをクリーニングすることができる。
以下、適宜図面が参照されて、本発明の好ましい実施形態が説明する。なお、本実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更され得る。
まず、本発明の画像記録装置の一実施形態に係る複合機10の構成及び動作について説明する。
<複合機10の概略構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る複合機10の外観斜視図である。図2は、複合機10のプリンタ部11の内部構造を示す縦断面図である。なお、図2においては、給紙トレイ20(本発明における第1トレイの一例)の一部及び排紙トレイ21(本発明における第2トレイの一例)が省略されている。
図1に示されるように、複合機10は、プリンタ部11及びスキャナ部12を備えた多機能装置(MFD:Multi Function Device)であり、プリント機能、スキャン機能、コピー機能、ファクシミリ機能を有する。本発明に係る画像記録装置は、複合機10のプリンタ部11として実施されている。したがって、プリント機能以外の機能は任意のものである。なお、本実施形態においては、プリンタ部11が画像記録にインクを使用するインクジェットプリンタである形態について説明する。ただし、プリンタ部11は、画像記録にトナーを使用するレーザプリンタであってもよい。
複合機10は、主にコンピュータ等の外部情報装置(不図示)と接続される。複合機10は、外部情報装置から送信された画像データや文書データなどを含む印刷データを受信する。複合機10は、その印刷データに基づいて記録用紙(本発明におけるシートの一例)に画像を記録する。また、複合機10は、スキャナ部12によって読み取られた原稿の画像データに基づいて記録用紙に画像を記録する。また、複合機10は、デジタルカメラ等が接続されて、デジタルカメラ等から出力される画像データに基づいて記録用紙に画像を記録する。また、複合機10は、メモリカード等の各種記憶媒体が装填されて、該記憶媒体に記憶された画像データ等に基づいて記録用紙に画像を記録する。
図1に示されるように、複合機10は、高さより横幅及び奥行きが大きい幅広薄型の概ね直方体形状に形成されている。プリンタ部11は、その装置本体35(本発明における装置本体の一例)の正面36側に開口13を有する。この開口13は、画像が記録されて開口13内に胴内排出された記録用紙をユーザが取り出すためのものである。この開口13内には、記録用紙を収容する給紙カセット70(図6参照)が配置される。給紙カセット70は、開口13を通じてプリンタ部11に対して挿抜される。なお、図1では給紙カセット70が省略されている。
装置本体35の正面36の右下部には、扉38(図1参照)が開閉自在に設けられている。扉38の内側にはカートリッジ装着部66が設けられている。図1に示されるように扉38が開かれると、カートリッジ装着部66が装置本体35の正面36側に露出される。これにより、カートリッジ装着部66に対するインクカートリッジ68の挿抜が可能になる。インクカートリッジ68は、カートリッジ装着部66に装着されることにより、インクチューブを介してインクジェット記録ヘッド41(図3参照)と連結される。インクジェット記録ヘッド41は、インクカートリッジ68から供給されるインクを吐出して記録用紙に画像を記録する。
複合機10の上部がスキャナ部12である。スキャナ部12は、フラットベッドスキャナ(FBS:Flat Bed Scanner)、及び自動原稿搬送装置(ADF:Automatic Document Feeder)を有して構成されている。図1に示されるように、複合機10の天板として原稿カバー30が開閉自在に設けられている。ADFは、この原稿カバー30に設けられている。図には示されていないが、原稿カバー30の下側には、プラテンガラス及びイメージセンサが設けられている。スキャナ部12では、プラテンガラスに載置された原稿、又はADFにより搬送される原稿の画像がイメージセンサによって読み取られる。
複合機10の正面上部には、操作パネル14が設けられている。操作パネル14は、各種情報を表示する液晶ディスプレイ、ユーザが情報を入力する入力キー等から構成される。なお、図1では、液晶ディスプレイや入力キー等が省略されている。複合機10は、この操作パネル14からの操作入力、又は外部情報装置から送信される情報に基づいて動作する。
<プリンタ部11>
以下に、プリンタ部11の構成を詳細に説明する。
図1に示されるように、プリンタ部11の正面36の中央に開口13が設けられている。給紙カセット70(図6参照)は、この開口13を通じて装置本体35に対して挿抜可能に設けられる。すなわち、給紙カセット70は、装置本体35に対して挿入方向90へ挿し込み可能、且つ装置本体35から引出方向92(本発明の引出方向に相当する)へ引き出し可能である。給紙カセット70は、給紙トレイ20及び排紙トレイ21を有して構成されている(図6参照)。給紙トレイ20には、画像記録に使用される記録用紙が載置される。排紙トレイ21には、画像が記録された記録用紙が排出される。
図2に示されるように、プリンタ部11は、給紙トレイ20、給紙ローラ25(本発明におけるローラの一例)、アーム26(本発明におけるアームの一例)、及び動力伝達機構27を備えている。
図3は、プリンタ部11の主要部を示す拡大断面図である。
<給紙ローラ25>
図2及び図3に示されるように、給紙トレイ20の上側に給紙ローラ25が配置されている。給紙ローラ25は、給紙トレイ20上の記録用紙を第1搬送路22(本発明における第1搬送路の一例)へ供給するものである。給紙トレイ20の上方にはアーム26が設けられている。給紙ローラ25は、このアーム26の先端側に回転可能に設けられている。給紙ローラ25は、不図示のモータを駆動源として動力伝達機構27を介して駆動伝達されて回転する。動力伝達機構27は複数のギヤを有し、これらが直列に噛合されることにより構成されている。
<アーム26>
アーム26は、基軸28(本発明における所定の支点に相当する、図6参照)に支持されている。アーム26は、その基端部が基軸28に支持されている。これにより、アーム26は、基軸28を中心として給紙トレイ20に対して接離する方向へ回動可能である。アーム26は、アーム26及び給紙ローラ25の重量又はバネ等に付勢されて下側へ回動付勢されている。
アーム26が下側へ回動付勢されることにより、給紙ローラ25が給紙トレイ20上の記録用紙に圧接される。この状態で給紙ローラ25が回転されると、給紙ローラ25のローラ面と記録用紙との間に発生する摩擦力により、給紙トレイ20における最上位置の記録用紙が傾斜板32へ向けて送り出される。記録用紙の先端が傾斜板32に当接すると、記録用紙の束のうちの最上位置の1枚が捌かれて上方へ案内される。このようにして、記録用紙は、給紙トレイ20から第1搬送路22へ1枚ずつ供給される。
<第1搬送路22>
傾斜板32の上方には、第1搬送路22が設けられている。第1搬送路22は、傾斜板32から上方へ向かった後、正面36側(図2における右側)へ横向きU字形状に曲がっている。第1搬送路22は、複合機10の背面側(図2における左側)から正面36側へと延び、記録部24(本発明における記録部の一例)を経て排紙トレイ21(図6参照)へ通じている。つまり、排紙トレイ21は、第1搬送路22における記録用紙の搬送方向下流側に配置されている。給紙トレイ20から供給された記録用紙は、第1搬送路22に沿って搬送される。記録用紙は、第1搬送路22に沿って下方から上方へUターンするように案内されて記録部24に至り、記録部24によって画像が記録された後、排紙トレイ21に排出される。
第1搬送路22は、記録部24等が配設されている箇所以外では、外側ガイド面と内側ガイド面とによって区画形成されている。例えば、複合機10の背面側の第1搬送路22の湾曲部分は、外側ガイド部材18と内側ガイド部材19とが所定の間隔で対向配置されることにより構成されている。この場合、外側ガイド部材18が湾曲外側のガイド面を構成し、内側ガイド部材19が湾曲内側のガイド面を構成する。内側ガイド部材19は、後述のフレーム133(図11参照)に固定されている。
<記録部24>
図3に示されるように、記録部24は、第1搬送路22が複合機10の背面側から正面36側へ延びる途中に配置されている。記録部24は、第1搬送路22における記録用紙の搬送過程において記録用紙に画像を記録するものである。記録部24は、キャリッジ40、インクジェット記録ヘッド41、及びプラテン42を備えている。インクジェット記録ヘッド41は、キャリッジ40に搭載されている。キャリッジ40は、ガイドレール43,44に沿って記録用紙の幅方向(図3における紙面垂直方向)に往復移動される。図3には示されていないが、ガイドレール44には、モータを駆動源とするベルト駆動機構が設けられている。このようなベルト駆動機構は周知であるが、例えば、ガイドレール44の幅方向両端付近に駆動プーリ及び従動プーリがそれぞれ設けられ、この駆動プーリ及び従動プーリに無端環状の駆動ベルトが巻架されてなる。ベルト駆動機構の駆動ベルトにキャリッジ40が連結されることにより、モータの駆動がベルト駆動機構を介してキャリッジ40へ伝達され、キャリッジ40が往復移動する。
第1搬送路22には、インクジェット記録ヘッド41と対向するプラテン42が設けられている。プラテン42は、第1搬送路22を搬送される記録用紙を下から支持する。プラテン42により、記録用紙がインクジェット記録ヘッド41と所定のヘッドギャップを有して支持される。複合機10の内部には、インクジェット記録ヘッド41と独立してインクカートリッジ68が配置されている(図1参照)。インクカートリッジ68に収容された各色インクは、インクチューブを通じてインクジェット記録ヘッド41へ供給される。キャリッジ40が往復移動される間に、インクジェット記録ヘッド41から各色インクが微小なインク滴としてプラテン42へ向けて選択的に吐出される。プラテン42上を搬送される記録用紙は、その搬送過程において記録部24によって画像が記録される。
<第2搬送路23>
図3に示されるように、第2搬送路23(本発明における第2搬送路の一例)は、第1搬送路22及び給紙トレイ20に連結されている。詳細には、第2搬送路23の一端側が、第1搬送路22における記録部24の下流側(下流側部位45)と接続されている。また、第2搬送路23の他端側が、給紙トレイ20における給紙ローラ25より上流側(図3における右側)と接続されている。給紙トレイ20は、給紙ローラ25よりも下流側(図3における左側)が、傾斜板32を介して第1搬送路22と接続されている。このため、第2搬送路23は、給紙トレイ20を介して、第1搬送路22における記録部24の上流側(上流側部位46)と接続されている。第2搬送路23は、一方の面(記録面64:図4及び図5参照)に画像が記録されてスイッチバック搬送される記録用紙65を給紙トレイ20上へ導くものである。すなわち、第1搬送路22を搬送された記録用紙65がスイッチバック搬送されるものである。
第2搬送路23は、所定の間隔で対向配置された一対の上側ガイド部材47と下側ガイド部材48とによって区画形成されている。上側ガイド部材47及び下側ガイド部材48は、第1搬送路22の下流側部位45から給紙ローラ25の上流側へ向かって、斜め下方へ延出されている。
<搬送部15>
搬送部15は、第1搬送路22及び第2搬送路23に沿って記録用紙を搬送するものである。この搬送部15は、上述の給紙ローラ25、搬送ローラ50、排紙ローラ51、及び経路切換部72(本発明における経路切換部の一例)を有して構成されている。
図2及び図3に示されるように、第1搬送路22における記録部24よりも上流側に、搬送ローラ50が設けられている。図には示されていないが、搬送ローラ50の下側には、搬送ローラ50に圧接するピンチローラが設けられている。搬送ローラ50は、第1搬送路22の幅方向(図3における紙面垂直方向)に渡って設けられている。ピンチローラは、第1搬送路22の幅方向に所定間隔で複数が設けられている。搬送ローラ50とピンチローラによって、第1搬送路22を搬送される記録用紙が挟持されてプラテン42上へ搬送される。
第1搬送路22における記録部24よりも下流側に、排紙ローラ51及び拍車52が設けられている。拍車52は、排紙ローラ51の上側に設けられており、排紙ローラ51に圧接されている。排紙ローラ51は、第1搬送路22の幅方向に渡って設けられている。拍車52は、第1搬送路22の幅方向に所定間隔で複数が設けられている。画像が記録された記録用紙は、排紙ローラ51及び拍車52に挟持されて、第1搬送路22の下流側部位45へ搬送される。
搬送ローラ50及び排紙ローラ51は、不図示のモータを駆動源として駆動される。搬送ローラ50及び排紙ローラ51の駆動は同期されており、画像記録時において間欠駆動され、画像記録の前後においては連続駆動される。これによって、記録用紙は、記録部24へ到達するまでは第1搬送路22を所定の速度で搬送され、記録部24へ到達すると所定の改行幅で間欠して搬送される。記録用紙の搬送が間欠された間に、キャリッジ40が往復移動されて、インクジェット記録ヘッド41によって記録用紙の所定位置に画像が記録される。
<経路切換部72>
図2及び図3に示されるように、第1搬送路22における下流側部位45には、経路切換部72が設けられている。経路切換部72は、第1搬送路22を搬送された記録用紙を排紙トレイ21又は第2搬送路23へ送るものである。この経路切換部72は、スイッチバックローラ53、拍車54、フレーム55、及び拍車56を有して構成されている。
図3に示されるように、第1搬送路22における下流側部位45の直下流側には、スイッチバックローラ53及び拍車54が設けられている。拍車54は、スイッチバックローラ53の上側に設けられており、スイッチバックローラ53に圧接されている。スイッチバックローラ53は、第1搬送路22の幅方向に渡って設けられている。拍車54は、第1搬送路22の幅方向に所定間隔で複数が配置されている。第1搬送路22を搬送された記録用紙は、スイッチバックローラ53及び拍車54によって排紙トレイ21へ排出される。また、第1搬送路22を搬送された記録用紙は、スイッチバックローラ53及び拍車54によって第2搬送路23をスイッチバック搬送される。
スイッチバックローラ53は、不図示のモータを駆動源として駆動される。スイッチバックローラ53は正逆双方向へ回転可能である。スイッチバックローラ53の回転方向は、モータの正逆転により制御される。なお、モータからスイッチバックローラ53への駆動伝達過程において、ギヤ列の切換によって、一定方向のモータの回転をスイッチバックローラ53の双方向の回転として伝達するようにしてもよい。スイッチバックローラ53の「正転」及び「逆転」は相対的なものであるが、本実施形態では、記録用紙を排紙トレイ21側へ送る回転が「正転」と称され、記録用紙を第2搬送路23へ送る回転が「逆転」と称される。
拍車54は、フレーム55に支持されて、スイッチバックローラ53に対して接離可能にスライドされる。図2及び図3には詳細に示されていないが、拍車54は、その回転軸がコイルバネによって弾性付勢されて、常にスイッチバックローラ53に圧接されている。したがって、スイッチバックローラ53が回転されると、それに従動して拍車54も回転する。コイルバネによって拍車54に付与される弾性付勢力が、スイッチバックローラ53及び拍車54による記録用紙のニップ力である。スイッチバックローラ53及び拍車54は、画像記録直後の記録用紙を挟持するので、これらによるニップ力は比較的弱く設定されている。したがって、スイッチバックローラ53及び拍車54に挟持された状態で記録用紙に外力が付与されると、記録用紙の剛性(腰)にニップ力が負けて、記録用紙は容易に姿勢変化される。つまり、記録用紙に外力が付与されると、記録用紙がスイッチバックローラ53及び拍車54に対して滑りうる。
図4は、水平姿勢に維持されたフレーム55を示す拡大断面図である。図5は、回動姿勢に維持されたフレーム55を示す拡大断面図である。
経路切換部72は、フレーム55及び拍車56を備える。フレーム55には、上述のスイッチバックローラ53が回転自在に支持されている。フレーム55は、スイッチバックローラ53から搬送方向上流側(図4及び図5における左側)へ延出されて下流側部位45へ至る。フレーム55の延出端に拍車56が回転自在に支持されて、拍車56が下流側部位45に配置されている。フレーム55は、第1搬送路22の幅方向に延出されている。拍車56は、第1搬送路22の幅方向(図4及び図5における紙面垂直方向)に所定間隔で複数が配置されている。
フレーム55は、スイッチバックローラ53の回転軸を中心として、延出端側(図4及び図5における左側)が回転可能に構成されている。フレーム55には、モータの駆動力が伝達されて、所定の回転位置に姿勢変化される。この回転位置は、後述される水平姿勢及び回動姿勢である。フレーム55の基端側に支持された拍車54、及びフレーム55の延出端に支持された拍車56は、フレーム55とともスイッチバックローラ53の回転軸周りに回転される。
図4に示されるように、水平姿勢に維持されたフレーム55は、スイッチバックローラ53から水平方向へ、その延出端を延ばす。水平姿勢において、スイッチバックローラ53と拍車54とのニップ位置を通過する拍車56の接線57は、搬送ローラ50及びピンチローラによるニップ位置と、排紙ローラ51及び拍車52によるニップ位置とを結ぶ直線と一致する。つまり、記録用紙65は、搬送ローラ50及びピンチローラ、並びに排紙ローラ51及び拍車52にそれぞれ挟持されて接線57に沿って搬送される。そして、接線57に沿って搬送される記録用紙65は、拍車56の最下部を通過して、スイッチバックローラ53及び拍車54に挟持される。つまり、水平姿勢のフレーム55によって、記録用紙65が排紙トレイ21側へ案内される。
図5に示されるように、回動姿勢に維持されたフレーム55は、スイッチバックローラ53から斜め下方へ、その延出端を延ばす。フレーム55が水平姿勢から回動姿勢へ姿勢変化することにより、フレーム55とともに、拍車54,56がスイッチバックローラ53の回転軸周りに回転する。スイッチバックローラ53及び拍車54によってスイッチバック搬送される記録用紙65は、その後端62が拍車56によって接線59方向へ案内される。ここで、接線59は、スイッチバックローラ53と拍車54とのニップ位置を通過する拍車56の接線である。回動姿勢のフレーム55によって、記録用紙65が第2搬送路23を通過できる方向へ案内される。
図4及び図5に示されるように、スイッチバックローラ53及び拍車54より搬送方向下流側(図4及び図5における右側)に拍車60が設けられている。拍車60は、第1搬送路22の幅方向に所定間隔で複数が設けられている。拍車60は、その最下部が拍車54の最下部より上側となる位置に配置されている。したがって、図4に示されるように、水平姿勢のフレーム55によって接線57に沿って搬送される記録用紙65は、拍車60とは接触しない。
記録用紙65は、回動姿勢のフレーム55によって接線59に沿ってスイッチバック搬送される。この記録用紙65は、その剛性によって、スイッチバックローラ53及び拍車54による挟持位置より排紙トレイ21側(図4及び図5における右側)の部分を、接線59に沿って上側へ持ち上げようとする。この場合に、図5に示されるように、記録用紙65の当該部分に拍車60が接触する。記録用紙65は、拍車60と接触することにより撓んで、スイッチバックローラ53に巻き付けられる。これにより、記録用紙65の剛性がスイッチバックローラ53への圧接力として作用する。
<給紙カセット70>
図6は、給紙カセット70の斜視図であり、給紙トレイ20が第1位置に配置された状態を示す。図7は、給紙トレイ20の構成を示す斜視図である。
図6に示されるように、給紙カセット70は、全体として薄肉の直方体形状に形成されており、給紙トレイ20及び排紙トレイ21を備える。給紙トレイ20及び排紙トレイ21は、排紙トレイ21を給紙トレイ20の上側として上下二段となるように配置されている。給紙カセット70は、開口13を通じて装置本体35に対して挿し込み可能、且つ装置本体35から引き出し可能である。給紙トレイ20及び排紙トレイ21は、給紙カセット70として一体的に構成されている。このため、装置本体35に対する給紙トレイ20の挿抜に併せて排紙トレイ21も挿抜される。
装置本体35に給紙カセット70が装着される。これにより、アーム26及び給紙ローラ25の下方に給紙トレイ20が配置される。アーム26の基軸28は、その軸方向が第1方向94(本発明における第1方向に相当する)となるように装置本体35内のフレーム(不図示)に回転可能に設けられている。ここで、第1方向94は、給紙トレイ20の引出方向92と略直交する水平な方向である。図6に示されるように、基軸28は、給紙トレイ20の幅方向(第1方向94)の中央から側壁123(本発明における一方の側壁の一例)の上方へ延びるように設けられている。基軸28は、不図示のモータを駆動源として軸方向周りに回転される。基軸28の回転が動力伝達機構27を介して給紙ローラ25へ伝達され、給紙ローラ25が回転駆動される。基軸28には、径方向及び軸方向に延びる多数のリブが設けられている。これにより、基軸28は、高いねじり剛性及び曲げ剛性が確保されている。
<排紙トレイ21>
排紙トレイ21は、給紙カセット70の幅方向(第1方向94)を軸方向として、上側へ回動可能に構成されている。給紙トレイ20に対して排紙トレイ21が倒伏される。これにより、排紙トレイ21の後端部75が拡張トレイ114の後端部78に下方から支持される。これとともに、排紙トレイ21の側壁106がトレイ本体102の側壁110に下方から支持される。その結果、給紙トレイ20の上面が排紙トレイ21に覆われる。この状態で、排紙トレイ21は、画像が記録された記録用紙を保持するとともに給紙トレイ20の蓋として機能する。これにより、給紙トレイ20への紙粉やゴミの進入が防止される。また、給紙トレイ20に対して排紙トレイ21が起立されることにより、給紙トレイ20の上面が開放される。すなわち、給紙トレイ20への記録用紙の補充が可能となる。なお、図6に示されるように、給紙トレイ20の奥側における上方は、給紙ローラ25やアーム26が配置されるために開放されている。
<給紙トレイ20>
図7に示されるように、給紙トレイ20は、平面視で挿入方向90及び引出方向92に長い矩形の皿状に概ね形成されている。給紙トレイ20は、トレイ本体102及び拡張トレイ114を有する。給紙トレイ20は、トレイ本体102に対して拡張トレイ114が挿入方向90及び引出方向92へスライド可能に構成されている。ここで、挿入方向90は、給紙トレイ20が装置本体35の開口13(図1参照)内へ押し込まれる方向である。引出方向92は、給紙トレイ20が装置本体35から引き出される方向である。トレイ本体102に対して拡張トレイ114が必要に応じて挿入方向90又は引出方向92へスライドされる。これにより、給紙トレイ20のシート積載面が拡張又は縮小され、給紙トレイ20に各種サイズの記録用紙を収容することができる。
図7に示されるように、トレイ本体102は、挿入方向90及び引出方向92に長い矩形状に形成されている。トレイ本体102は、底板84を有する。記録用紙は、この底板84に載置される。上述の傾斜板32は、トレイ本体102の先端74に設けられている。傾斜板32は、トレイ本体102の幅方向(第1方向94)に長い板状部材である。傾斜板32は、装置背面側(挿入方向90側)へ傾倒している。したがって、傾斜板32に記録用紙の先端が当接すると、その先端が傾斜板32の内側面77に沿って斜め上方へ案内される。すなわち、内側面77は、記録用紙を第1搬送路22(図3参照)へ案内するガイド面の役割を担う。
<サイドガイド80,81>
トレイ本体102には、一対のサイドガイド80,81が設けられている。サイドガイド80,81は、給紙トレイ20に載置された記録用紙の幅方向の位置を給紙トレイ20の幅方向の中央に略一致させるように規制するものである。トレイ本体102の底板84には、第1方向94に沿って一対のガイド溝86,87が設けられている。ガイド溝86,87は、底板84を表面から裏面へ貫通した形状に形成されている。サイドガイド80には、ガイド溝86に沿って底板84の幅方向中央側へ延出されたラックギヤ88が設けられている。サイドガイド81には、ガイド溝87に沿って底板84の幅方向中央側へ延出されたラックギヤ89が設けられている。底板84の幅方向中央位置であってガイド溝86及びガイド溝87の中間位置に、ピニオンギヤ82が設けられている。ラックギヤ88は、ガイド溝86を介して底板84の裏面側に配置され、ピニオンギヤ82に噛合されている。ラックギヤ89は、ガイド溝87を介して底板84の裏面側に配置され、ピニオンギヤ82に噛合されている。
サイドガイド80,81のうちいずれか一方が第1方向94へスライドされる。これに連動して、サイドガイド80,81のうちの他方が相反する方向へスライドされる。したがって、給紙トレイ20に載置された記録用紙の幅がサイドガイド80,81の離間距離よりも短い場合は、サイドガイド80,81の一方をスライドさせることにより、サイドガイド80,81が同時に移動される。これにより、記録用紙の幅方向の中央位置が上記基準位置に略一致する。
<リヤガイド120>
トレイ本体102における第1方向94の中央に、リヤガイド120が設けられている。リヤガイド120は、給紙トレイ20に載置された記録用紙がトレイ本体102の後端側(引出方向92側)へ移動することを規制するものである。底板84には、挿入方向90及び引出方向92に長い溝97が形成されている。この溝97は、トレイ本体102の長手方向の略中央付近から後端まで延設されている。リヤガイド120は、この溝97に沿ってスライド可能にトレイ本体102に設けられている。給紙トレイ20に記録用紙が載置された状態で、溝97に沿ってリヤガイド120が挿入方向90へスライドされる。これにより、リヤガイド120が記録用紙の後端に当接する。その結果、記録用紙の後端が揃えられるとともに、後端が記録用紙のサイズに応じた位置に規制される。記録用紙は、その先端が記録用紙のサイズに関わらず給紙トレイ20内の傾斜板32に近接する所定位置に位置決めされる。
図8は、アーム26及びカムフォロワ58の構成を示す斜視図である。
<カムフォロワ58>
図6及び図8に示されるように、基軸28の下方にはカムフォロワ58(本発明におけるカムフォロワの一例)が設けられている。カムフォロワ58は、装置本体35に対する給紙トレイ20(給紙カセット70)の挿し込み又は引出に伴うカム125(本発明におけるカムの一例、図6及び図9参照)の運動をアーム26へ伝達するものである。カムフォロワ58は、基軸28及びアーム26に固定されている。カムフォロワ58は、アーム26から第1方向94へカム125の上方まで延出されている(例えば図10参照)。カムフォロワ58は、アーム26と略平行に基軸28から延出されている。カムフォロワ58は、カム125に当接される平面91及び湾曲面93を有する。平面91は、カムフォロワ58の下面であって、アーム26の長手方向と略平行となるようにカムフォロワ58に形成されている。したがって、水平方向に対するアーム26の傾斜角と平面91の傾斜角とが、アーム26の姿勢に関わらず常に等しい。湾曲面93は、平面91から上方へ向けて湾曲するようにカムフォロワ58に形成されている。
トレイ本体102には、トレイ本体102の幅方向の両端に側壁122,123(本発明における側壁の一例)が設けられている。側壁122,123は、トレイ本体102の底板84から上方へ垂直に起立している。
<カム125>
図9は、図7におけるIX部の拡大図である。図10は、図6におけるX部の拡大図である。
図7に示されるように、側壁123の挿入方向90側には、カム125(図9及び図10参照)が形成されている。カム125は、装置本体35に対する給紙トレイ20の挿抜(挿し込み又は引出)に伴う給紙トレイ20の運動をカムフォロワ58へ伝達するものである。換言すれば、カム125は、挿入方向90又は引出方向92への給紙トレイ20の運動をカムフォロワ58へ伝達するものである。カムフォロワ58がアーム26に連結されているので、給紙トレイ20の挿抜に伴う運動は、カム125及びカムフォロワ58を介してアーム26へ伝達される。その結果、アーム26は、装置本体35に対する給紙トレイ20の挿抜に連動して基軸28回りに回動される。
図9及び図10に示されるように、カム125は、第1傾斜面111、第2傾斜面112、及び水平面113を有して構成されている。第1傾斜面111、第2傾斜面112、及び水平面113は、側壁123の上面109から挿入方向90へ向けて連続的に形成されている。上面109及び水平面113は、底板84からの高さが略等しくなるように側壁123に設けられている。第1傾斜面111及び第2傾斜面112は、上面109及び水平面113の間に設けられている。第1傾斜面111は、上面109と第2傾斜面112との間を挿入方向90へ向けて下方に傾斜されている。第2傾斜面112は、第1傾斜面111と水平面113との間を挿入方向90へ向けて上方に傾斜されている。水平面113は、図6に示されるように、第2傾斜面112とトレイ本体102の先端74との間に上面109と略平行に設けられている。このように、カム125は、底板84(図7参照)からの高さが挿入方向90及び引出方向92に沿って変化するように、側壁123に形成されている。
なお、本実施形態においては、第1方向94に対向する側壁122,123のうちの一方の側壁123にカム125が形成されている。このカム125は、側壁123ではなく側壁122に形成されていてもよい。この場合、基軸28及びカムフォロワ58をアーム26の基端から側壁122側へ延設すればよい。また、カム125は、側壁122,123の両方に形成されていてもよい。この場合、基軸28及びカムフォロワ58をアーム26の基端から側壁122及び側壁123の両方へ向けて延設すればよい。
<クリーニング部材130>
図11は、フレーム133及び給紙カセット70の側面図であり、給紙トレイ20が第1位置に配置された状態を示す。図12は、フレーム133及び給紙カセット70の縦断面図であり、給紙トレイ20が第1位置に配置された状態を示す。図13は、図12におけるXIII部の拡大図である。
複合機10は、装置本体35の内部における装置背面側にフレーム133(図11及び図12)を備える。図11に示されるように、アーム26は、その基軸28がフレーム133に回動可能に支持されている。フレーム133の下面側には、上方へ回動されたアーム26の大部分を収容可能な空間が設けられている(図12及び図22参照)。フレーム133の下面側のこの空間に、クリーニング部材130(本発明におけるクリーニング部材の一例)が設けられている。図12及び図13に示されるように、クリーニング部材130は、フレーム133の空間内における給紙ローラ25の上方に設けられている。すなわち、クリーニング部材130は、アーム26が上方へ回動された際に給紙ローラ25が当接可能な位置に設けられている。
アーム26が上方へ回動されると、給紙ローラ25がクリーニング部材130に圧接される(図18及び図23参照)。この状態で給紙ローラ25が回転駆動されることにより、クリーニング部材130によって給紙ローラ25がクリーニングされる。ここで、クリーニングとは、給紙ローラ25にクリーニング部材130を接触させた状態で給紙ローラ25を回転駆動させることにより、給紙ローラ25に付着した紙粉、インク、ゴミ等を給紙ローラ25から除去する動作である。なお、プリンタ部11がインクジェットプリンタではなくレーザプリンタである場合には、給紙ローラ25に付着したトナーを除去する動作も本発明のクリーニングに含まれる。この除去動作に使用されるクリーニング部材130としては、弾性変形が可能なものが好適に用いられる。クリーニング部材130としては、ゴム、ブラシ、フェルト等が挙げられるが、給紙ローラ25のローラ面の材質を考慮して変更され得る。
本実施形態においては、ゴムで形成された平板状のクリーニング部材130が、給紙ローラ25側へ突出するように撓んだ状態でフレーム133に固定されている。なお、図には表れていないが、クリーニング部材130は、第1方向94に並設された2つの給紙ローラ25(図8参照)のそれぞれに対応する位置に設けられている。なお、給紙ローラ25の数は2つに限定されるものではなく、例えばアーム26の先端側に1つの給紙ローラ25が設けられてもよい。
次に、装置本体35に対する給紙トレイ20の引出に伴うアーム26の姿勢変化について説明する。
図14は、給紙カセット70の斜視図であり、給紙トレイ20が第2位置に配置された状態を示す。図15は、図14におけるXV部の拡大図である。図16は、フレーム133及び給紙カセット70の側面図であり、給紙トレイ20が第2位置に配置された状態を示す。図17は、フレーム133及び給紙カセット70の縦断面図であり、給紙トレイ20が第2位置に配置された状態を示す。図18は、図17におけるXVIII部の拡大図である。図19は、給紙カセット70の斜視図であり、給紙トレイ20が第3位置に配置された状態を示す。図20は、図19におけるXX部の拡大図である。図21は、フレーム133及び給紙カセット70の側面図であり、給紙トレイ20が第3位置に配置された状態を示す。図22は、フレーム133及び給紙カセット70の縦断面図であり、給紙トレイ20が第3位置に配置された状態を示す。図23は、図22におけるXXIII部の拡大図である。
図3に示されるように、給紙ローラ25は、アーム26の先端側に設けられている。アーム26は、基軸28を中心として給紙トレイ20に対して接離する方向へ回動可能に構成されている。このアーム26は、本実施形態においては、第1姿勢(図12参照)と、第2姿勢(図17参照)と、第3姿勢(図22参照)との間で姿勢変化可能に構成されている。後に詳述されるが、アーム26が第1姿勢に維持された状態では、給紙ローラ25がクリーニング部材130から離間される(図12及び図13参照)。アーム26が第2姿勢に維持された状態では、給紙ローラ25がクリーニング部材130に圧接される(図17及び図18参照)。アーム26が第3姿勢に維持された状態では、給紙ローラ25がクリーニング部材130に圧接される(図22及び図23参照)。その際、クリーニング部材130は、給紙ローラ25によって第2姿勢における押圧力よりも強い押圧力で押圧される(図18及び図23参照)。
アーム26は、給紙トレイ20が第1位置(図6及び図11参照)に配置された状態で第1姿勢となる。アーム26は、給紙トレイ20が第2位置(本発明における所定位置、図14及び図16参照)に配置された状態で第2姿勢となる。アーム26は、給紙トレイ20が第3位置(図19及び図21参照)に配置された状態で第3姿勢となる。すなわち、アーム26を第1姿勢とする給紙トレイ20の位置が第1位置であり、アーム26を第2姿勢とする給紙トレイ20の位置が第2位置であり、アーム26を第3姿勢とする給紙トレイ20の位置が第3位置である。アーム26は、装置本体35に対して給紙トレイ20が第1位置から第2位置へ引き出されることにより第1姿勢から第2姿勢へ姿勢変化される。アーム26は、装置本体35に対して給紙トレイ20が第2位置から第3位置へ引き出されることにより第2姿勢から第3姿勢へ姿勢変化される。
<第1位置、第1姿勢>
給紙トレイ20は、図6及び図11に示されるように、プリンタ部11において画像記録が行われる場合に第1位置に配置される。すなわち、本実施形態における第1位置は、装置本体35に対して給紙トレイ20が奥まで挿し込まれた位置である。換言すれば、第1位置は、装置本体35から給紙トレイ20が引き出されていない状態における給紙トレイ20の位置である。給紙トレイ20は、第1位置に配置された状態において、傾斜板32が第1搬送路22の下端に当接される(図2及び図3参照)。
給紙トレイ20が第1位置に配置された状態では、図10に示されるように、カムフォロワ58の平面91がカム125の第1傾斜面111に当接し、湾曲面93が変曲面115に当接する。これにより、カムフォロワ58の給紙トレイ20側への回動が規制される。変曲面115は、第1傾斜面111及び第2傾斜面112の間に形成された面である。カムフォロワ58は、カムフォロワ58、アーム26、及び給紙ローラ25の重量により給紙トレイ20側へ回動付勢されている。このため、カムフォロワ58は、平面91が第1傾斜面111に当接した状態に維持される。アーム26は、その長手方向が平面91と略平行であるため、第1傾斜面111と略同じ角度で下方に傾斜される(図6参照)。
給紙トレイ20に記録用紙が載置されていない状態では、給紙ローラ25は、図12及び図13に示されるように、トレイ本体102の底板84に当接する。このため、給紙トレイ20に記録用紙が載置された場合、載置された記録用紙の厚さ分だけ給紙ローラ25が上方へ移動される。これにより、カムフォロワ58の水平面91が第1傾斜面111から離間される。給紙ローラ25が給紙トレイ20上の記録用紙に支持される状態となるため、給紙ローラ25は、給紙トレイ20上の記録用紙に圧接される。この状態で給紙ローラ25が回転駆動されることにより、給紙トレイ20上の記録用紙が第1搬送路22へ供給される。このように、給紙トレイ20に記録用紙が載置された状態で給紙トレイ20が第1位置に配置された場合、給紙トレイ20上の記録用紙を第1搬送路22へ供給できる。
<第2位置、第2姿勢>
給紙トレイ20は、第1位置に配置された状態(図11及び図12参照)から、装置本体35に対して引出方向92へ引き出される。これに伴い、給紙トレイ20に設けられたカム125が装置本体35に設けられたカムフォロワ58に対して引出方向92へスライドされる(図6及び図14参照)。これにより、カムフォロワ58の変曲面93が第2傾斜面112に沿って摺動しつつ上昇する(図10及び図15参照)。これに伴って、カムフォロワ58及びアーム26が上方へ回動され、給紙ローラ25がクリーニング部材130へ向けて持ち上げられる。すなわち、装置本体35に対する給紙トレイ20の引出に連動して、給紙ローラ25がクリーニング部材130へ向けて移動される。変曲面93が第2傾斜面112に沿って所定の高さまで上昇することにより、アーム26は、給紙ローラ25がクリーニング部材130に圧接された第2姿勢となる(図17及び図18参照)。このように、アーム26を第2姿勢とする給紙トレイ20の位置が第2位置である(図14及び図16参照)。
<第3位置、第3姿勢>
給紙トレイ20は、第2位置に配置された状態(図16及び図17参照)から、装置本体35に対して引出方向92へ引き出される。これに伴い、カム125がカムフォロワ58に対して引出方向92へスライドされる(図14及び図19参照)。これにより、給紙トレイ20が第2位置に配置されていた状態に比べて、カムフォロワ58の変曲面93が第2傾斜面112に沿って摺動しつつ更に上昇する(図15及び図20参照)。これに伴って、カムフォロワ58及びアーム26が上方へ回動され、給紙トレイ20が第2位置に配置されていた状態に比べて、給紙ローラ25がクリーニング部材130へ向けてさらに持ち上げられる。
カムフォロワ58の変曲面93が第2傾斜面112を越えると、カムフォロワ58が水平面113に乗り上げる(図19〜図21参照)。すなわち、カムフォロワ58の平面91が水平面113に当接した状態となる。その結果、給紙ローラ25がクリーニング部材130に圧接された所定の高さに維持される。これにより、アーム26は、給紙ローラ25がクリーニング部材130に圧接された第3姿勢となる(図22及び図23参照)。この第3姿勢では、第2姿勢に比べて給紙ローラ25がさらに上方へ移動されている。したがって、アーム26が第3姿勢にある状態では、クリーニング部材130が給紙ローラ25によって第2姿勢における押圧力よりも強い押圧力で押圧される(図18及び図23参照)。換言すれば、給紙ローラ25がクリーニング部材130に対してより密着される。このように、アーム26を第3姿勢とする給紙トレイ20の位置が第3位置である(図19及び図21参照)。
上述のように、装置本体35に装着されている給紙トレイ20が引出方向92へ向けて引き出される。この給紙トレイ20の引出により、カムフォロワ58が当接するカム125の当接面の高さが上昇する。これにより、カムフォロワ58が上方へ回動される。このカムフォロワ58には、アーム26が連結されている。このため、カム125の運動がカムフォロワ58を介してアーム26へ伝達される。その結果、装置本体35に対する給紙トレイ20の引出によりアーム26が回動される。
図には示されていないが、給紙トレイ20には、上述の第2位置と第3位置とを示す表示が記されている。ユーザは、この表示を目印として、給紙トレイ20を装置本体35から第2位置又は第3位置まで引き出すことができる。
<画像記録>
記録用紙が載置された給紙トレイ20が装置本体35に装着される。これにより、給紙トレイ20が第1位置に配置され、給紙トレイ20上の記録用紙に給紙ローラ25が圧接される。操作パネル14からのユーザの所定操作に基づいて印刷開始が指示されると、給紙ローラ25が回転駆動される。これにより、給紙トレイ20上の記録用紙が矢印17(図3参照)の方向に第1搬送路22へ供給される。給紙トレイ20から第1搬送路22へ供給された記録用紙65は、搬送ローラ50とピンチローラ、及び排紙ローラ51と拍車52によって第1搬送路22に沿って搬送される。この記録用紙65は、その搬送過程で記録部24によって一方の面(記録面64)に画像が記録される。
印刷設定が片面記録に設定されている場合、経路切換部72のフレーム55が水平姿勢に維持された状態(図4参照)でスイッチバックローラ53が正転される。これにより、記録面64に画像が記録された記録用紙65は、第1搬送路22から排紙トレイ21へ排出される。
印刷設定が両面記録に設定されている場合、フレーム55が水平姿勢に維持された状態でスイッチバックローラ53が正転される。これにより、上述のように記録面64に画像が記録された記録用紙65は、排紙トレイ21側(図4における右側)へ送られる。そして、この記録用紙65の後端62が拍車56よりも上流側の規定位置に到達したとき(図4に示される状態)に、フレーム55が水平姿勢から回動姿勢へ姿勢変化される(図4及び図5参照)。記録用紙65の後端62は、拍車56によって下側へ押圧され、第2搬送路23側へ向けられる(図5参照)。
スイッチバックローラ53が逆転されることにより、記録用紙65は搬送方向が変えられて、第2搬送路23に沿ってスイッチバック搬送される。この記録用紙65は、第2搬送路23から給紙トレイ20へ送られる。具体的には、記録用紙65は、給紙トレイ20に収容された最上位置の記録用紙と給紙ローラ25との間(以下、「当接位置」とも称される。)へ送られる。記録用紙65の後端62が当接位置に到達すると、給紙ローラ25が回転駆動されて記録用紙65が記録部24の上流側(上流側部位46)へ送られる。これにより、記録用紙65は表裏反転される。すなわち、記録用紙65がプラテン42上へ搬送された際に記録面64とは反対側の面がインクジェット記録ヘッド41と対向する。記録用紙65は、プラテン42上を通過する際に他方の面(記録面64の反対側の面)に画像が記録される。記録用紙65が第2搬送路23から第1搬送路22へ送られると、経路切換部72のアーム55が回動姿勢から水平姿勢へ姿勢変化される。両面に画像が記録された記録用紙65は、スイッチバックローラ53が正転されることにより第1搬送路22から排紙トレイ21へ排出される。
プリンタ部11では、給紙トレイ20から第1搬送路22へ記録用紙を供給するために、給紙トレイ20上の記録用紙に給紙ローラ25が圧接された状態で回転駆動される。このため、給紙ローラ25には、記録用紙上の紙粉やゴミが付着する。また、プリンタ部11において両面記録が行われる場合、記録面64(図4及び図5参照)に画像が記録された記録用紙65は、第1搬送路22へ再送される際に記録面64に給紙ローラ25が圧接される。記録面64は、上述のように、記録部24によってインクが付着された記録用紙65の一方の面である。インクが充分に乾燥していない状態で記録用紙65が第1搬送路22へ再送されると、記録用紙65上のインクが給紙ローラ25に付着することがある。このように、給紙ローラ25には、紙粉、ゴミ、インク等が付着する。その結果、給紙トレイ20から第1搬送路22への記録用紙の供給不良が生じる場合がある。
本実施形態における複合機10では、記録用紙の供給不良を解消するために、装置本体35から給紙トレイ20を引き出すという簡単な操作で給紙ローラ25をクリーニングすることができる。なお、複合機10では、装置本体35から引き出される給紙トレイ20の位置を第2位置から第3位置へ変更することにより、給紙ローラ25のクリーニング効果を増大させることができる。
<クリーニング>
給紙ローラ25のクリーニングは、以下の要領で行われる。
給紙トレイ20から第1搬送路22へ記録用紙が正しく搬送されない場合、給紙トレイ20がユーザによって装置本体35から所定位置まで引き出される。すなわち、給紙トレイ20に記された表示を目印として、給紙トレイ20が第1位置(図11参照)から第2位置(図16参照)まで装置本体35から引き出される。これに伴う給紙トレイ20の運動が、上述のようにカム125及びカムフォロワ58を介してアーム26へ伝達され、アーム26が第1姿勢(図12及び図13参照)から第2姿勢(図17及び図18参照)へ姿勢変化される。すなわち、クリーニング部材130から離間されていた給紙ローラ25がクリーニング部材130に圧接され、給紙ローラ25のクリーニングが可能な状態となる(図13及び図18参照)。この状態で操作パネル14から所定操作が行われることにより、給紙ローラ25が回転駆動される。クリーニング部材130が密着した状態で給紙ローラ25が回転駆動されるので、給紙ローラ25に付着している紙粉、インク、ゴミ等がクリーニング部材130によって給紙ローラ25から除去される。
給紙トレイ20が第2位置に配置された状態で給紙ローラ25をクリーニングしても給紙トレイ20から第1搬送路22へ記録用紙が正しく搬送されないことがある。この場合、給紙トレイ20がユーザによって装置本体35からさらに引き出される。すなわち、給紙トレイ20に記された表示を目印として、給紙トレイ20が第2位置(図16参照)から第3位置(図21参照)まで装置本体35から引き出される。これに伴う給紙トレイ20の運動が、上述のようにカム125及びカムフォロワ58を介してアーム26へ伝達され、アーム26が第2姿勢(図17及び図18参照)から第3姿勢(図22及び図23参照)へ姿勢変化される。すなわち、クリーニング部材130に圧接された給紙ローラ25がより強くクリーニング部材130に圧接された状態となる(図18及び図23参照)。この状態で操作パネル14から所定操作が行われることにより、給紙ローラ25が回転駆動される。給紙トレイ20が第2位置に配置された場合に比べてクリーニング部材130がより密着した状態で給紙ローラ25が回転駆動されるので、給紙ローラ25に付着している紙粉、インク、ゴミ等がクリーニング部材130によって給紙ローラ25から一層除去される。
<本実施形態の作用効果>
以上説明したように、給紙ローラ25を支持するアーム26を回動させることにより給紙ローラ25のクリーニングが可能な状態となる。このため、ユーザがクリーニング部材を設置したり、或いは取り外して保管するといった面倒な作業を行うことなく、簡易な構成で給紙ローラ25をクリーニングすることができる。また、給紙トレイ20を完全に引き抜く必要がないため、印刷中であっても給紙ローラ25のクリーニングを行うことができる。
給紙トレイ20の運動がカム125及びカムフォロワ58を介してアーム26に伝達されるので、アーム26が簡易な構成で姿勢変化される。ユーザによって給紙トレイ20が第2位置まで引き出されると、これに連動してアーム26が第1姿勢から第2姿勢へ姿勢変化される。ユーザによって給紙トレイ20が第3位置まで引き出されると、これに連動してアーム26が第2姿勢から第3姿勢へ姿勢変化される。アーム26が第1姿勢から第2姿勢又は第3姿勢へ姿勢変化されることにより、給紙ローラ25がクリーニング部材130に圧接され、給紙ローラ25のクリーニングが可能な状態となる。すなわち、給紙トレイ20を装置本体35から引き出すといった簡単な作業で給紙ローラ25がクリーニング位置に配置される。
また、給紙トレイ20は、装置本体35から引き抜かれることなく第2位置又は第3位置に配置される。すなわち、複合機10では、装置本体35から給紙トレイ20を完全に引き抜くことなく、給紙ローラ25をクリーニング位置に配置することができる。このため、ユーザの手が給紙ローラ25に触れるおそれがなく、給紙ローラ25のクリーニングが安全に行われる。
また、本実施形態におけるクリーニング部材130は、弾性変形が可能なゴム等で形成されている。このため、給紙ローラ25がクリーニング部材130に圧接された際に、クリーニング部材130が給紙ローラ25に密着する。クリーニング部材130が弾性変形が可能なものでない場合に比べて、クリーニング効果が増大される。ただし、クリーニング部材130は、弾性変形しない材料で構成されてもよい。この場合、クリーニングによる給紙ローラ25の損傷を防止するために、給紙ローラ25のローラ面を弾性変形部材で形成することが好ましい。
なお、本実施形態においては、給紙トレイ20の引出に連動してアーム26が第1姿勢から第2姿勢、第2姿勢から第3姿勢へと姿勢変化される形態について説明した。ただし、アーム26の姿勢変化はこれに限定されるものではない。すなわち、給紙トレイ20の引出に連動してアーム26が第1姿勢から第3姿勢、第3姿勢から第2姿勢へと姿勢変化されるように、カム125及びカムフォロワ58が形成されてもよい。
また、本実施形態においては、クリーニング効果を増減させるためにアーム26が第2姿勢又は第3姿勢に維持された状態で給紙ローラ25がクリーニングされる形態について説明した。ただし、アーム26の姿勢変化はこれに限定されるものではなく、アーム26は、例えば第1姿勢と第2姿勢との2つの姿勢の間を姿勢変化可能に構成されていてもよい。すなわち、アーム26を第3姿勢に姿勢変化可能に構成するか否かは、任意である。
また、本実施形態においては、本発明に係る画像記録装置が記録用紙65の両面に画像を記録できる両面記録装置である形態について説明した。本発明に係る画像記録装置は、両面記録装置に限定されるものではない。すなわち、記録用紙65の一方の面のみに画像を記録可能な片面記録装置であってもよい。ただし、本発明に係る画像記録装置が両面記録装置に適用された場合、給紙ローラ25に付着したインクを給紙ローラ25から除去することができる。
[第1変形例]
プリンタ部11は、アクチュエータを備えていてもよい。アクチュエータは、アーム26を給紙トレイ20に対して接離する方向へ姿勢変化させるものである。この場合、アクチュエータが駆動されることにより、アーム26が第1姿勢と第2姿勢との間、或いは、第1姿勢と第3姿勢との間で姿勢変化される。このため、上記実施形態のように、ユーザが装置本体35に対して給紙トレイ20を挿抜するといった操作を行うことなく、給紙ローラ25をクリーニングすることができる。すなわち、給紙ローラ25をクリーニング位置に配置するために給紙トレイ25を引き出すといったユーザの操作が不要となる。したがって、プリンタ部11にアクチュエータを設ける場合には、給紙トレイ20を必ずしも装置本体35から引き出し可能に設ける必要はない。
プリンタ部11は、アクチュエータに加えて、例えばネジリコイルバネ(本発明の付勢部材の一例)を備えていてもよい。ネジリコイルバネは、例えば基軸28に設けられる。これにより、アーム26は、第1姿勢から第2姿勢へ姿勢変化するように弾性付勢される。
アーム26は、アクチュエータが駆動されていない状態で第2姿勢に維持される。アクチュエータが駆動されることにより、アーム26が第2姿勢から第1姿勢へ姿勢変化される。この姿勢変化により、例えば給紙トレイ25上の記録用紙を第1搬送路22へ供給可能な状態となる。この構成により、例えば記録用紙の供給動作が行われていない通常の状態において、給紙ローラ25がクリーニング部材130に圧接された状態が維持される。このため、装置本体35から給紙トレイ20を引き出すことなく給紙ローラ25のクリーニングを開始することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る複合機10の外観斜視図である。 図2は、複合機10のプリンタ部11の内部構造を示す縦断面図である。 図3は、プリンタ部11の主要部を示す拡大断面図である。 図4は、水平姿勢に維持されたフレーム55を示す拡大断面図である。 図5は、回動姿勢に維持されたフレーム55を示す拡大断面図である。 図6は、給紙カセット70の斜視図であり、給紙トレイ20が第1位置に配置された状態を示す。 図7は、給紙トレイ20の構成を示す斜視図である。 図8は、アーム26及びカムフォロワ58の構成を示す斜視図である。 図9は、図7におけるIX部の拡大図である。 図10は、図6におけるX部の拡大図である。 図11は、フレーム133及び給紙カセット70の側面図であり、給紙トレイ20が第1位置に配置された状態を示す。 図12は、フレーム133及び給紙カセット70の縦断面図であり、給紙トレイ20が第1位置に配置された状態を示す。 図13は、図12におけるXIII部の拡大図である。 図14は、給紙カセット70の斜視図であり、給紙トレイ20が第2位置に配置された状態を示す。 図15は、図14におけるXV部の拡大図である。 図16は、フレーム133及び給紙カセット70の側面図であり、給紙トレイ20が第2位置に配置された状態を示す。 図17は、フレーム133及び給紙カセット70の縦断面図であり、給紙トレイ20が第2位置に配置された状態を示す。 図18は、図17におけるXVIII部の拡大図である。 図19は、給紙カセット70の斜視図であり、給紙トレイ20が第3位置に配置された状態を示す。 図20は、図19におけるXX部の拡大図である。 図21は、フレーム133及び給紙カセット70の側面図であり、給紙トレイ20が第3位置に配置された状態を示す。 図22は、フレーム133及び給紙カセット70の縦断面図であり、給紙トレイ20が第3位置に配置された状態を示す。 図23は、図22におけるXXIII部の拡大図である。
符号の説明
10・・・複合機
11・・・プリンタ部(本発明の画像記録装置の一例)
20・・・給紙トレイ(本発明の第1トレイの一例)
21・・・排紙トレイ(本発明の第2トレイの一例)
22・・・第1搬送路
23・・・第2搬送路
24・・・記録部
25・・・給紙ローラ(本発明のローラの一例)
26・・・アーム(本発明のアームの一例)
28・・・基軸(本発明の所定の支点に相当)
35・・・装置本体
58・・・カムフォロワ
65・・・記録用紙(本発明のシートの一例)
72・・・経路切換部
92・・・引出方向
94・・・第1方向
122,123・・・側壁
125・・・カム
130・・・クリーニング部材

Claims (8)

  1. シートが載置される第1トレイと、
    上記第1トレイから供給されたシートが搬送される第1搬送路と、
    上記シートの搬送過程において当該シートに画像を記録する記録部と、
    所定の支点を中心として上記第1トレイに対して接離する方向へ回動可能なアームと、
    上記アームの先端側に回転可能に設けられ、上記第1トレイ上のシートを上記第1搬送路へ供給するローラと、
    上記ローラの上方に設けられ、当該ローラをクリーニングするクリーニング部材と、を備え、
    上記アームは、上記ローラが上記クリーニング部材から離間された第1姿勢と、当該ローラが上記クリーニング部材に圧接された第2姿勢との間で姿勢変化可能に構成されたものである画像記録装置。
  2. 上記第1トレイは、装置本体から引き出し可能に設けられており、
    上記アームは、上記第1トレイが上記装置本体から所定位置まで引き出されることに連動して上記第1姿勢から上記第2姿勢へ姿勢変化されるものである請求項1に記載の画像記録装置。
  3. 上記第1トレイの引出方向と略直交する水平な第1方向に対向する上記第1トレイの少なくとも一方の側壁に形成されたカムと、
    上記アームから上記第1方向へ延出され、上記第1トレイの引出に伴う上記カムの運動を上記アームへ伝達するカムフォロワと、を備える請求項2に記載の画像記録装置。
  4. 上記第1トレイは、上記アームを上記第1姿勢とする第1位置と、上記アームを上記第2姿勢とする第2位置と、上記クリーニング部材が上記ローラによって上記第2姿勢における押圧力よりも強い押圧力で押圧されるように上記アームを第3姿勢とする第3位置と、の間を移動可能に構成されている請求項2又は3に記載の画像記録装置。
  5. 上記アームを姿勢変化させるアクチュエータを備える請求項1に記載の画像記録装置。
  6. 上記アームを上記第1姿勢から上記第2姿勢へ姿勢変化するように弾性付勢する付勢部材を備える請求項5に記載の画像記録装置。
  7. 上記クリーニング部材は、弾性変形が可能なものである請求項1から6のいずれかに記載の画像記録装置。
  8. 上記第1搬送路及び上記第1トレイに連結されて、上記第1搬送路を搬送されたシートがスイッチバック搬送される第2搬送路と、
    上記第1搬送路を搬送されたシートが排出される第2トレイと、
    上記第1搬送路を搬送されたシートを上記第2トレイ又は上記第2搬送路へ送る経路切換部と、を備える請求項1から7のいずれかに記載の画像記録装置。
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