JP2007223705A - 給紙装置及びそれを備えた画像記録装置 - Google Patents

給紙装置及びそれを備えた画像記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】伝動効率を低下させないものでありながら、簡単な構成で、高強度を有して小型化された給紙装置及びそれを備えた画像記録装置を提供する。
【解決手段】アーム体44の長手方向の中途部には、各中間歯車47の両支軸51を軸支するための一対の軸受体60が相対向して一体成形されている。各軸受体60は、柱状であり、その先端部側に、各支軸51の円周面の一部を支持する断面U型の軸支持溝部61を備えている。軸支持溝部61には、各軸受体60の先端方向に中間歯車47を着脱可能とする開放部62が形成されている。軸支持溝部61と開放部62とに隣接して回転軸線と直交する方向に両支軸51が脱落するのを阻止するための規制片63が一体的に設けられている。これにより、中間歯車47をその支軸51と共に回転軸線と実質的に直交する方向に開放部62から軸支持溝部61の底の方へ押し込んで、両支軸51を軸支持溝部61で軸支できる。
【選択図】図11

Description

本発明は、画像記録部に対して、紙または合成樹脂製シートのカットシート等の用紙(以下、被記録媒体という)を1枚ずつ給送する給紙装置及びそれを備えた画像記録装置の構成に関するものである。
従来、インクジェット式の画像記録装置等の記録部と対向するように被記録媒体を給送するため、基端部を装置本体に回動自在に軸支したアームの先端部に給紙ローラを備えた給紙装置が知られている。この給紙装置によれば、上面が開放された給紙カセット等の給紙部に堆積収容された用紙の最上面に、アームを押えるばねの付勢力により給紙ローラ(給送ローラ)が押圧されている。そして、この状態で給紙ローラが回転駆動されることにより、用紙の端部が給紙部の給送方向下流側の端部に形成された傾斜状の分離壁に突き当てられて、最上層のみの用紙が分離されて画像記録部の方向に給送されるのである(特許文献1参照)。
特許文献1に記載の給紙装置においては、合成樹脂製の枠状(ボックス状)のアームは駆動軸に対して回転可能に軸支され、アームの基端側に駆動軸と一体的に回転する駆動ギヤを備え、アームの長手方向の中途部には駆動ギヤから給紙ローラ側方のギヤ部に動力伝達するための伝動歯車列が配置されている。この伝動歯車列における各伝動歯車(中間歯車(伝動用回転体)は、回転軸線を中心とする軸孔が穿設されている一方、合成樹脂製のアームの一側板の内面には軸孔に嵌まって伝動歯車を回転自在に軸支するための支軸が横向きに一体的に突設されている。そして、支軸上の伝動歯車の端面に正対する板バネ等の弾性体が上記アームに取りつけられているので、その弾性体の弾性力に抗して伝動歯車を押し込むことで、伝動歯車の装着作業が簡単になると共に、一旦支軸に嵌め入れた伝動歯車が簡単には抜け出すことがないようにしている。
特開2005−247521号公報(図5〜図8参照)
しかしながら、上記特許文献1のような構成では、伝動歯車は、アームから突設した支軸に対して片持ち梁的な支持構造となるので、給紙動作に際して作用する回転トルクに耐えるだけの強度を支軸に持たせるには、各支軸は相当程度大きい直径に形成する必要があった。
このように、支軸の直径が大きいと、伝動歯車における軸孔との摺動(接触)面積が大となり、摩擦力が大きくなるので、伝動歯車列の駆動効率が低下する。その結果、アームも大型となると共に、給紙動作のための駆動モータの必要トルクが大きくなるという問題があった。
他方、伝動歯車の両側に突出するように支軸を設ける一方、この両支軸をアームに対して支持する構成にするためには次のような構成を採用する必要があった。即ち、その一つの構成として、アームにおける本体側板に一方の支軸を軸支するための軸孔を穿設しておく。前記本体側板と平行に配置すべき他方の側板にも他方の支軸を軸支するための軸孔を穿設しておき、この他方の側板を本体側板に対して取り外し可能で且つ外れないように固着する手段を備えるというものである。この構成によれば、他方の側板を本体側板と別体にて製造しなければならず、且つ他方の側板を本体側板に固着する手間が掛かるので、製造コストが高くなるという問題が生じる。
他の構成として、アームにおける本体側板と平行に配置すべき他方の側板とを予め所定(伝動歯車の幅寸法程度)の間隔を空けて一体的に形成しておく。この両側板及び伝動歯車には支軸が嵌まる軸孔を形成しておき、別体の支軸を、一対の軸孔及び伝動歯車の軸孔に挿通して後、この支軸が抜け出さないようにするストッパ体を側板に装着するというものである。この構成でも、部品点数が多くなると共に、支軸を3つの軸孔に挿通する手間が面倒となるので、組み立て作業等を含めて製造コストが高くなるという問題は解消できないのであった。
本発明は、上記の従来の課題を解決すべくなされたものであり、支軸の直径を小さくして伝動効率を低下させないものでありながら、簡単な構成で、組み込み作業等を含めて製造コストを低減することができ、さらに、高強度を有して小型化された給紙装置及びそれを備えた画像記録装置を提供することを目的とするものである。
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明の給紙装置は、堆積収容されたシート状の被記録媒体の堆積量に応じて回動可能なアーム体の先端部に給送ローラを配置し、この給送ローラが前記被記録媒体の最上面を押圧しながら回転駆動することにより被記録媒体を1枚ずつ給送する給紙装置において、前記アーム体には、その基端側に位置する駆動軸から前記給送ローラに動力伝達するための複数個の伝動用回転体からなる伝動機構を備え、前記各伝動用回転体にはその回転軸線に沿って両側に突出する支軸が設けられ、前記アーム体には、前記各伝動用回転体における前記両支軸を軸支するための一対の軸受体が相対向するように一体的に形成されているものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の給紙装置において、前記各軸受体は、前記支軸の少なくとも円周面の一部を支持する軸支持溝部を備え、この軸支持溝部には前記回転軸線と直交する方向に前記伝動用回転体を着脱可能とする開放部が形成され、前記軸支持溝部と前記開放部とに隣接して前記回転軸線と直交する方向に前記支軸が脱落するのを阻止する規制片が設けられ、前記一対の軸受体のうち少なくとも一方は、前記回転軸線の延びる方向に撓み可能に構成されているものである。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の給紙装置において、前記各軸受体における前記軸支持溝部の底部は、前記給送ローラによる給紙駆動時に、各伝動用回転体に対して前記回転軸線と直交する方向に作用する外力を支持する側に形成されているものである。
請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載の給紙装置において、前記一対の軸受体のうち少なくとも一方は、前記回転軸線の延びる方向に撓み可能となるように、軸受体の基部がアーム体に固設されて立設しているものである。
請求項5に記載の発明は、請求項2ないし4のいずれかに記載の給紙装置において、前記各軸受体における前記開放部及び前記規制片の双方または何れか一方には、前記支軸を挿入方向に誘い込む傾斜案内面が形成されているものである。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の給紙装置において、駆動上流側の前記伝動用回転体における支軸の位置に対してそれに隣接する駆動下流側の前記伝動用回転体における支軸の位置が、前記駆動上流側からの回転トルクによる各伝動用回転体における回転モーメント方向と逆方向に適宜オフセットされているものである。
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の給紙装置において、前記アーム体及び各軸受体は、合成樹脂材にて一体的に形成されているものである。
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載の給紙装置において、前記伝動用回転体は歯車であり、合成樹脂材にて支軸と共に一体的に形成されているものである。
請求項9に記載の発明の画像記録装置は、前記請求項1乃至8のいずれかに記載の給紙装置と、前記給紙装置から給送された被記録媒体に画像を記録する記録部とを備えたものである。
上述のように、請求項1に記載の発明によれば、各伝動用回転体にはその回転軸線に沿って両側に突出する支軸が設けられ、前記アーム体には、前記各伝動用回転体における前記両支軸を軸支するための一対の軸受体が相対向するように一体的に形成されているから、相対向する一対の軸受体で一対の支軸を軸支するという両持ち梁支持のため、支軸の直径を小さくすることができ、伝動機構の駆動効率を低下させることがない。
また、一対の軸受体が相対向するようにアーム体に一体的に形成されているので、簡単な構成となり、高強度を有して小型化された給紙装置を提供することができる。
請求項2に記載の発明によれば、前記各軸受体は、前記支軸の少なくとも円周面の一部を支持する軸支持溝部を備え、この軸支持溝部には前記回転軸線と直交する方向に前記伝動用回転体を着脱可能とする開放部が形成され、前記軸支持溝部と前記開放部とに隣接して前記回転軸線と直交する方向に前記支軸が脱落するのを阻止する規制片が設けられ、前記一対の軸受体のうち少なくとも一方は、前記回転軸線の延びる方向に撓み可能に構成されているものであるから、開放部に向かって、一対の支軸をその回転軸線と直交する方向に押し込む方法で、伝動用回転体を一対の軸受体に対して装着できるので、簡単な構成で、組み込み作業が至極簡単となるという効果を奏する。
請求項3に記載の発明によれば、各軸受体における前記軸支持溝部の底部は、前記給送ローラによる給紙駆動時に、各伝動用回転体に対して前記回転軸線と直交する方向に作用する外力を支持する側に形成されているものであるので、給紙動作時の大きい駆動トルクを確実に支持でき、小型で、且つ最小構成部品でありながら、必要な機能を充足させることができる。
請求項4に記載の発明によれば、前記一対の軸受体のうち少なくとも一方は、前記回転軸線の延びる方向に撓み可能となるように、軸受体の基部がアーム体に固設されて立設しているものであるので、伝動用回転体の組み込み作業が一層容易になるという効果を奏する。
請求項5に記載の発明によれば、各軸受体における前記開放部及び前記規制片の双方または何れか一方には、前記支軸を挿入方向に誘い込む傾斜案内面が形成されているものであるから、伝動用回転体の組み込み作業がさらに一層容易になるという効果を奏する。
請求項6に記載の発明によれば、駆動上流側の前記伝動用回転体における支軸の位置に対してそれに隣接する駆動下流側の前記伝動用回転体における支軸の位置が、前記駆動上流側からの回転トルクによる各伝動用回転体における回転モーメント方向と逆方向に適宜オフセットされているものであるので、隣接する伝動用回転体同士の回転力の伝達が確実になるという効果を奏する。
請求項7に記載の発明によれば、前記アーム体及び各軸受体は、合成樹脂材にて一体的に形成されているものであるので、別々の部品にて構成する場合に比べて、製造コストが低減でき、部品管理も容易となるという効果を奏する。
請求項8に記載の発明によれば、伝動用回転体は歯車であり、合成樹脂材にて支軸と共に一体的に形成されているものであるので、金属製のものに比べて軽量となり、歯車部分と支軸とを一体で成形するので、製造コストを低減できるという効果を奏する。
請求項9に記載の発明の画像記録装置は、前記請求項1乃至8のいずれかに記載の給紙装置と、前記給紙装置から給送された被記録媒体に画像を記録する記録部とを備えたものであるので、給送ローラへの動力伝達が確実にでき、前記被記録媒体の最上面を押圧しながら回転駆動することにより被記録媒体を1枚ずつ分離給送することが確実できる。そして、画像記録装置の構成が簡単になり、製造コストを低減でき、しかも耐久性が向上するという効果を奏する。
次に、本発明を具体化した実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態である多機能型の画像記録装置1の全体斜視図、図2は上部ケースを除去した本体ケースの平面図、図3は記録部の左右中央部の側断面図、図4は記録部の斜視図、図5はエンジンフレームとその下方の部品を示す平面図、図6は図5のVI−VI線矢視一部切欠き側断面図、図7は給送ローラユニットと離間作動手段の下面側から見た斜視図、図8は給送ローラユニットと離間作動手段の上面側から見た斜視図、図9は図7のIX−IX線矢視側面図、図10は図8のX−X線矢視側断面図、図11(a)は図10のXIa −XIa 線矢視拡大断面図、図11(b)は図11のXIb −XIb 線矢視拡大断面図、図12は伝動用回転体の一つとしての中間歯車と軸受体の斜視図である。
図1に示す多機能型の画像記録装置1は、ファクシミリ機能、プリンタ機能、複写機能、スキャナ機能等を備えている。多機能装置(Multi Function Device)たる画像記録装置1は、上面開放の略箱状の本体ケース2と、この本体ケース2の一側(図1の実施形態では右奥側)に対して、蝶番、ヒンジ部等の回動軸線部(図示せず)を介して上下回動可能に枢着された上部ケース3とを有する。なお、以下の説明において、図1の画像記録装置1の手前側を前側とし、左右方向(主走査方向、Y軸方向)や、前後方向(副走査方向、X軸方向)、上下方向に関しても図1の画像記録装置1の向きを基準に説明する。本体ケース2及び上部ケース3は合成樹脂製の射出成形品である。
上部ケース3の上面前部には操作パネル30が配置されている。操作パネル30にはの数字ボタンやスタートボタン、機能操作ボタン等の各種のボタンが設けられており、これらのボタンを押下することにより、各種の操作が行われる。操作パネル30には液晶(LCD)等のディスプレイ部31が設けられ、画像記録装置1の設定状態や各種の操作メッセージ等が必要に応じて表示される。
上部ケース3には、操作パネル30の後部側にスキャナ装置(画像読取部)33が配置されている。即ち、ファクシミリ機能時に相手ファクシミリ装置に送信すべきファクシミリ原稿や、複写機能時に複写すべき原稿の画像を読取るためのスキャナ装置33は、大判のガラス板上の原稿の画像を読取るフラットベッド読取部と、このフラットベッド読取部の上面を覆う回動可能なカバー体34とからなる。
図示しないが、フラットベッド読取部におけるガラス板の直下には、ガラス板に当接させた原稿の画像面を読取るための光電変換素子の一例としてのライン型の密着型イメージセンサ(CIS:Contact Image Sensor)が、後述するキャリッジの移動方向(主走査方向、Y軸方向)と平行な方向に延びるガイド軸に沿って往復移動可能に設けられている。なお、カバー体34は、画像記録装置1の背面側(図1の奥側)を中心にしてヒンジを介して開閉回動可能に構成されている。
次に、プリンタ装置(記録部)の構成について説明する。図1に示すように、本体ケース2内の左右方向中央部には、その底部に複数枚の被記録媒体としての用紙Pをほぼ水平状にて堆積状態で載置する給紙部としての給紙カセット5が配置され、この給紙カセット5は本体ケース2の前面の開口部2aから挿抜可能に構成されている。
さらに、本体ケース2内には、給紙カセット5より上部に、給送ローラ7を備えた給紙装置としての給送ローラユニット6と、本体ケース2内の後端部で上向きU字状のUターン搬送路9を介して前向きほぼ水平状に用紙Pを搬送する搬送経路と、この搬送経路中に配置された平板状の用紙支持部としてのプラテン11上の用紙Pの表面にインクを吐出して画像記録するインクジェット方式の記録ヘッド12を備えた記録部ユニット10とが配置されている(図3参照)。
カラー記録用の記録ヘッド12にインクを供給するためのインクカートリッジ26は、本体ケース2内であって、前記回動軸線部を有する側面板と対峙して最も離間した位置の側面板の内面に接近した位置の収容部27(図2参照)に対して上方から着脱可能に構成されている。インクカートリッジ26は、複数色毎のインクが収納されており、実施形態ではブラック、シアン、マゼンタ、イエローの四色であるが、それ以上の色のインクを収納しても良い。各インクカートリッジ26から記録ヘッド12へは可撓性を有するインクチューブ28を接続してインク供給する。
図2〜図4に示すように、記録部ユニット10は記録ヘッド12を有するキャリッジ13、合成樹脂製の板状のプラテン11、キャリッジ13を往復移動させるためのCR(キャリッジ)モータ24及びこのCRモータ24に接続されたタイミングベルト25、並びにこれらを支持するための金属板製のエンジンフレーム39を主体として構成されている。エンジンフレーム39は本体ケース2の後部側であって供給カセット5の上方に配されている。支持フレームとしてのエンジンフレーム39は金属製であって、図2及び図4に示すように箱型をなす本体部の上部側に本体ケース2の左右方向(主走査方向、Y軸方向)に伸びて、キャリッジ13を摺動可能に支持する一対のガイドプレート40、41を装着してなる。搬送方向下流側のガイドプレート41には、その長手方向(主走査方向)に沿って延びるようにリニアエンコーダ(エンコーダストリップ)38が配置されて、キャリッジ13のY軸方向(主走査方向)の位置を検知する。この帯状のリニアエンコーダ(エンコーダストリップ)は検査面(Y軸方向に一定間隔で配置されたスリットの形成面)が垂直方向に沿うように配置されている。
搬送される用紙Pの幅(用紙Pの短辺)より外側には、その一端側(実施形態では、図4でエンジンフレーム39の本体部で、用紙Pの給送方向から見て左側の側板39bに近い部位)にインク受け部35が、また、他端側(図4で右側の側板39cに近い部位)にメンテナンスユニットからなるメンテナンス部36がそれぞれ配置されている。これにより、記録ヘッド12はインク受け部35に設けられたフラッシング位置にて記録動作中に定期的にノズルの目詰まり防止のためのインク吐出を行い、インク受け部35にてインクを受ける。
メンテナンス部36では、キャリッジ13が主走査方向(Y軸方向)であって、図4で最も右端に位置するときを原点位置とし、原点位置からY軸方向に沿って左側にキャリッジ13を移動させた位置を待機位置兼用のメンテナンス位置とする。待機位置兼用のメンテナンス位置では、メンテナンス部36におけるキャップ部(図示せず)が記録ヘッド12のノズル面を下方から覆っている。LFモータ42が駆動し、吸引ポンプ(図示せず)を作動させてノズルからインクを選択的に吸引したり、記録ヘッド12上の図示しないバッファタンク内の気泡を除去するための回復処理等を行ったりする。なお、キャリッジ13がメンテナンス部36から、画像記録領域に横方向に移動するとき、図示しないクリーナ(ワイパブレード)でノズル面を拭いてクリーニングを行う。
また、プラテン11を挟んで搬送方向上流側に配置されて用紙Pを記録ヘッド12の下面に送るためのレジストローラ(搬送ローラ)対20のうち、駆動する搬送ローラ20aの両端部と、プラテン11より搬送方向下流側にて配置され、記録済みの用紙Pを排紙部に向かって(図3の矢印B方向参照)搬送するための排紙ローラ対21のうち、駆動する排紙ローラ21aの両端部とが、エンジンフレーム39における一対の側板39b,39cに設けられた軸支部に回転可能に軸支されている。上記搬送される用紙Pは、その上位置の駆動する搬送ローラ20aと、下位置の従動の搬送コロ20bと間にニップ(挟持)される。また、排紙ローラ対21における駆動する排紙ローラ21aは排出される用紙Pの下面に当接し、拍車ローラ21bは用紙Pの上面に当接するようにしてニップ(挟持)する。
そして、上記搬送ローラ20a及び排紙ローラ21a及びメンテナンス部36には、当該メンテナンス部36の配置側と反対側の側板39b近傍に配置された1つのLFモータ(用紙搬送用モータ)42(図4参照)からの動力を所定の歯車伝動機構43を介して伝達される(図4参照)。また、実施形態では、LFモータ42からの回転力が、搬送ローラ20aの他端部から、メンテナンス部36への動力伝達切換部分(図示せず)を介して給送ローラユニット6における駆動軸14の歯車46(図5、図7参照)に動力伝達される。
また、歯車伝動機構43の一部には、搬送ローラ対20aによる用紙Pの搬送量を検知するためのロータリエンコーダ44が設けられている。CRモータ24及びLFモータ42は共に正逆回転可能に構成されている。
次に、図2、図5〜図10を参照しながら、給紙装置としての給送ローラユニット6の構造について、詳細に説明する。給送ローラユニット6は、合成樹脂製の一体成形品であるアーム体44と、駆動軸14と、給送ローラ7と、アーム体44に組み付けられた伝動機構45等を備えている。そして、駆動軸14からの回転力が伝動機構45を介して給送ローラ7に伝達される。伝動機構45は後述するように複数個の伝動用回転体を備えている。
フレーム状(枠状)のアーム体44に対して着脱可能な伝動用回転体は、本実施形態においては複数(4個)の中間歯車47(個別には符号47a、47b、47c、47dを付する)である。ポリアミド樹脂等の合成樹脂材にて一体成形された各中間歯車47は、外周面に歯部が形成された本体部49と、本体部49の左右両端面に突出形成された大径のボス部50と、このボス部50の回転中心線に沿って両側に突出形成された支軸51とを備えている(図11(a)及び図12参照)。
アーム体44の基端側には、駆動軸14を回転可能に軸支するための軸孔52が穿設されている。アーム体44の先端側(自由端側)では、従動ギヤ53aが一体的に設けられた回転軸53が軸孔54に回転可能に軸支され、回転軸53の両端に一対の給送ローラ7が取付けられている(図7、図8及び図10等参照)。
アーム体44の長手方向の中途部には、上記複数の中間歯車47a、47b、47c、47dをそれぞれ噛み合い状態で軸支できる開放状のギヤボックス部55が設けられ、このギヤボックス部55には、各中間歯車47の両支軸51を軸支するための一対の軸受体60が相対向するように一体成形されている。そして、駆動軸14と一体的に回転する駆動ギヤ14aに伝動機構45における第1中間歯車47aが常時噛み合い、順次、第2中間歯車47b、第3中間歯車47c、第4中間歯車47dを介して給送ローラ7における従動ギヤ53aに動力伝達する。
各軸受体60は、柱状であり、その先端部側に、各支軸51の少なくとも円周面の一部を支持する軸支持溝部61を備えている。この軸支持溝部61は断面U型であり、回転軸線O1と直交する方向であって、且つ各軸受体60の先端方向に中間歯車47を着脱可能とする開放部62が形成されている(図10、図11(a)及び図12参照)。従って、一対の軸受体60における上記一対の開放部62は相対向する側にも開放されていることになる。そして、一対の軸受体60の間で、各中間歯車47をその支軸51と共に回転軸線O1と実質的に直交する方向に開放部62から軸支持溝部61の底の方へ押し込んで、両支軸51を軸支持溝部61で軸支することができる。
上述のように、各中間歯車47にはその回転軸線O1に沿って両側に突出する支軸51が設けられ、アーム体44には、各中間歯車47における両支軸51を軸支するための一対の軸受体60が相対向するように一体的に形成されているから、相対向する一対の軸受体60で一対の支軸51を軸支するという両持ち梁支持のため、支軸51の直径を小さくすることができ、軸支持溝部61での摩擦抵抗は少ないので、伝動機構45の駆動効率を低下させることがない。
軸支持溝部61と開放部62とに隣接して回転軸線O1と直交する方向に両支軸51が脱落するのを阻止するための規制片63が一体的に設けられている(図11(a)及び図12参照)。この構成により、各軸支持溝部61で軸支された支軸51の外周面の一部が規制片63に規制されて回転軸線O1と実質的に直交する方向に抜け出すことが困難になる。この規制片63の規制面63aと軸支持溝部61の底部の底面61aとの高さ方向の距離D1が支軸51の直径D0より若干大きくまたは相等しいように設定しておけば(図11(b)参照)、支軸51を軽快に回転可能に軸支できる。
一対の軸受体60のうち少なくとも一方は、回転軸線O1の延びる方向に撓み可能に構成されている。即ち、軸受体60自体の合成樹脂材の弾性能により、当該一対の軸受体60の先端側(自由端側)の間隔が広がり可能となるように構成されている。実施形態では、一対の軸受体60のうち少なくとも一方は、回転軸線O1の延びる方向に撓み可能となるように、各軸受体60の基部のみがアーム体44に固設されて立設している。このように構成すると、相対向する一対の軸受体60の先端側の間隔が広がるように、外力を加えることで、中間歯車47を至極簡単に一対の軸受体60に装備させることができる。外力を加える方法としては、中間歯車47を、その両支軸51が回転軸線O1と実質的に直交する方向に進むように一対の開放部62の間に押し込むことが考えられる。
さらに、各軸受体60における開放部62の内面及び規制片63の内面の双方または何れか一方には、支軸51を挿入方向(回転軸線O1と実質的に直交する方向)に誘い込む傾斜案内面64が形成されている(図10、図11(a)及び図12参照)。このように構成すれば、中間歯車47と共に両支軸51を一対の開放部62の間に挿入し易くなるという効果を奏する。
また、各軸受体60における軸支持溝部61の底部(規制面63a)は、給送ローラ7による給紙駆動時に、各中間歯車47に対して回転軸線O1と直交する方向に作用する外力を支持する側に形成されている(図10、図11(a)、図11(b)及び図12参照)。例えば、図7において、給紙駆動時に給送ローラ7が時計回りに回転するとするとき、駆動軸14は反時計回りに回転し、第1中間歯車47aは時計回りに回転する。順次、第2中間歯車47bは反時計回りに回転し、第3中間歯車47cは時計回りに回転し、第4中間歯車47dは反時計回りに回転し、給送ローラ7における従動ギヤ53aは時計回りに回転するというように交互に回転方向が逆になる。その場合、各中間歯車47の支軸には回転方向に駆動トルクが作用するので、この駆動トルクを受け止めるように、第1中間歯車47aと第3中間歯車47cとをそれぞれ軸支する軸支持溝部61の底部が支軸51の上側に位置するべく、軸受体60は配置されるが、第2中間歯車47bと4中間歯車47dとをそれぞれ軸支する軸支持溝部61の底部が支軸51の下側に位置するように、軸受体60は配置される(図10参照)。これにより、各軸支持溝部61の一方が開放部62の存在により、支軸51が離脱可能であっても、確実に各中間歯車47を軸支することができる。
換言すると、給紙動作時である正回転時の任意の中間歯車47に作用する駆動トルクの大きさは、非給紙動作時である逆回転時の上記同じ中間歯車47に作用する駆動トルクの大きさよりもはるかに大きいので、上述のように、給紙動作時の駆動トルク受ける側に各軸支持溝部61の底部が位置するように、軸受体60をアーム体44に形成することで、一対の軸受体60の必要な強度を保持しながら、柱状の軸受体60を小型化できることになり、ひいてはアーム体44を小型化することができる。
付言すると、各中間歯車47の支軸51による支持強度を必要としない側、つまり開放部62が存在する側から各中間歯車47の支軸51を挿入することで、両持ち梁支持構造であっても、少ない部品点数で中間歯車47の組み付け作業が可能となる。さらに、軸受体60の自由端側(開放部62が存在する側)が撓み可能とする構成により、全ての中間歯車47の組み付け性を良好にできるという効果も奏する。
さらに、駆動上流側の中間歯車47における支軸51の位置に対してそれに隣接する駆動下流側の中間歯車47における支軸51の位置が、駆動上流側からの回転トルクによる各中間歯車47における回転モーメント方向と逆方向に適宜量(T1)だけオフセットされるように、軸支持溝部61の位置を偏倚させている。例えば、図9及び図10に示すように、時計回りに回転する第1中間歯車47aに対して、これに噛合う駆動下流側の第2中間歯車47bは反時計回りの回転モーメントを受ける。また、駆動上流側の第2中間歯車47bに対してそれに噛合う駆動下流側の第3中間歯車47cは時計回りの回転モーメントを受けることになる。以下も同様である。これらの場合、上述のようにオフセットすると、第1中間歯車47aと第3中間歯車47cとの支軸51の中心を結ぶ線に対して第2中間歯車47bの支軸51の中心から垂下させた距離T1を有するように配置することで、第1中間歯車47a及び第3中間歯車47cの両支軸51間の距離に対して第2中間歯車47bの基準ピッチ円の直径の寸法が若干大きいことになり、隣接する中間歯車47同士の歯の噛み合いが緩まないようにすることができるのである。
なお、各中間歯車4に所定以上の負荷(過負荷)が作用したときには、一対の軸受体60の先端側の間隔が広がるように弾性変形する。これにより、中間歯車47は一対の軸受体60の間で、当該軸受体60の基部側に沈み込むようになる。許容以上の負荷が作用したときには、一対の軸受体60の内面側に一体的に形成された段部65(図11(a)及び図12参照)に、中間歯車47におけるボス部50の周面が当接することで、中間歯車47が、軸受体60の基部側に沈み込むことを防止し、ひいては軸受体60の破損を回避できるようにしている。
エンジンフレーム39の本体部には、給送ローラユニット6が駆動軸14を中心に回動自在に装着される。また、ねじりバネ等の付勢手段により、アーム体44は常時下向き回動方向に付勢されている。給紙カセット5から用紙Pを1枚ずつ分離にして給送するときには、LFモータ42が逆回転し、メンテナンス部36を介して駆動軸14が正回転(図3で時計回り方向)する。アーム体44は付勢手段の付勢力にて常時下向き方向に付勢されているので、アーム体44の先端部の給送ローラ7が給紙カセット5に堆積された用紙Pの最上面に押圧され、且つアーム体44に設けられた伝動機構45を介して給送ローラ7は給送方向(図3で反時計廻り方向)に回転される。
伝動機構45及び従動ギヤ53aを介して給送ローラ7は図6において時計回りに回転し、堆積収容されている用紙Pを給紙カセット5の先端(図6において左側端部)に配置されている用紙分離用の分離傾斜板5bに突き当てる。分離傾斜板5bにおける用紙Pの幅方向に中央部位に設けられた分離手段としての弾性分離パッド(実施形態では板バネ製である)により最上層の用紙Pのみが分離されて、Uターン搬送路9を介して記録部に給送できるのである。
給紙カセット5から用紙Pを分離給送しないときには、LFモータ42は正回転して、駆動軸14が逆回転し、アーム体44はねじりバネ等の付勢手段の付勢力に抗して持ち上がることになる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。例えば、給送ローラとしての左右一対の給送ローラ7のものや片方だけの給送ローラ7であっても良い。また、給送ローラ7の外周面をゴムなどの摩擦係数の大きい部材にて構成されていても良いし、給紙カセット5の底板5aのうち、上記各給送ローラ7の外周面と対面する箇所には、同じく高摩擦係数部材(例えば、コルク等)にて構成されているベースパッド67が固着(貼着)されていても良い(図6参照)。
さらに、伝動用回転体として歯車の他、摩擦車であっても良い。また、上記の本体ケース2に対して略水平方向に挿抜移動可能に配置される給紙カセット5のほか、本体ケース2の後部に傾斜状に立設させた板状の給送部に対しても適用できることは言うまでもない。
画像記録装置の全体斜視図である。 上部ケースを除去した本体ケースの平面図である。 記録部の左右中央部の側断面図である。 記録部の斜視図である。 エンジンフレームとその下方の部品を示す平面図である。 図5のVI−VI線矢視一部切欠き側断面図である。 給送ローラユニットと離間作動手段の下面側から見た斜視図である。 給送ローラユニットと離間作動手段の上面側から見た斜視図である。 図7のIX−IX線矢視側面図である。 図8のX−X線矢視側断面図である。 (a)は図10のXIa −XIa 線矢視拡大断面図、(b)は図11のXIb −XIb 線矢視拡大断面図である。 伝動用回転体の一つとしての中間歯車と軸受体の斜視図である。
符号の説明
6 給送手段としての給送ローラユニット
6a アーム体
7 給送ローラ
14 駆動軸
14a 駆動ギヤ
44 アーム体
45 伝動機構
46、53a 従動ギヤ
47、47a、47b、47c、47d 中間歯車
49 本体部
50 ボス部
51 支軸
60 軸受体
61 軸支持溝部
62 開放部
63 規制片
64 傾斜案内面

Claims (9)

  1. 堆積収容されたシート状の被記録媒体の堆積量に応じて回動可能なアーム体の先端部に給送ローラを配置し、この給送ローラが前記被記録媒体の最上面を押圧しながら回転駆動することにより被記録媒体を1枚ずつ給送する給紙装置において、
    前記アーム体には、その基端側に位置する駆動軸から前記給送ローラに動力伝達するための複数個の伝動用回転体からなる伝動機構を備え、
    前記各伝動用回転体にはその回転軸線に沿って両側に突出する支軸が設けられ、
    前記アーム体には、前記各伝動用回転体における前記両支軸を軸支するための一対の軸受体が相対向するように一体的に形成されていることを特徴とする給紙装置。
  2. 前記各軸受体は、前記支軸の少なくとも円周面の一部を支持する軸支持溝部を備え、
    この軸支持溝部には前記回転軸線と直交する方向に前記伝動用回転体を着脱可能とする開放部が形成され、
    前記軸支持溝部と前記開放部とに隣接して前記回転軸線と直交する方向に前記支軸が脱落するのを阻止する規制片が設けられ、
    前記一対の軸受体のうち少なくとも一方は、前記回転軸線の延びる方向に撓み可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の給紙装置。
  3. 前記各軸受体における前記軸支持溝部の底部は、前記給送ローラによる給紙駆動時に、各伝動用回転体に対して前記回転軸線と直交する方向に作用する外力を支持する側に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の給紙装置。
  4. 前記一対の軸受体のうち少なくとも一方は、前記回転軸線の延びる方向に撓み可能となるように、軸受体の基部がアーム体に固設されて立設していることを特徴とする請求項2または3に記載の給紙装置。
  5. 前記各軸受体における前記開放部及び前記規制片の双方または何れか一方には、前記支軸を挿入方向に誘い込む傾斜案内面が形成されていることを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の給紙装置。
  6. 駆動上流側の前記伝動用回転体における支軸の位置に対してそれに隣接する駆動下流側の前記伝動用回転体における支軸の位置が、前記駆動上流側からの回転トルクによる各伝動用回転体における回転モーメント方向と逆方向に適宜オフセットされていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の給紙装置。
  7. 前記アーム体及び各軸受体は、合成樹脂材にて一体的に形成されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の給紙装置。
  8. 前記伝動用回転体は歯車であり、合成樹脂材にて支軸と共に一体的に形成されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の給紙装置。
  9. 前記請求項1乃至8のいずれかに記載の給紙装置と、前記給紙装置から給送された被記録媒体に画像を記録する記録部とを備えたことを特徴とする画像記録装置。
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