JP2004329993A - ポリマーモルタル及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】廃発泡ポリスチレンを有効利用できる新規なポリマーモルタル及びその製造方法の提供。
【解決手段】ポリスチレンをメタクリル酸メチルに溶解し、この溶液を結合材として用いてこの結合材中に、適量の充填材及び細骨材を混合攪拌して混練物を形成し、その後、この混練物を所定の型枠内に打ち込んで硬化、養生させる。これによって、曲げ強度や圧縮強さ等に優れたポリマーモルタルを得ることができるため、リサイクル率の低かった廃発泡スチロールをプレキャスト製品や床材、舗装材等の材料として有効利用できる。
【選択図】 図4
【解決手段】ポリスチレンをメタクリル酸メチルに溶解し、この溶液を結合材として用いてこの結合材中に、適量の充填材及び細骨材を混合攪拌して混練物を形成し、その後、この混練物を所定の型枠内に打ち込んで硬化、養生させる。これによって、曲げ強度や圧縮強さ等に優れたポリマーモルタルを得ることができるため、リサイクル率の低かった廃発泡スチロールをプレキャスト製品や床材、舗装材等の材料として有効利用できる。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリスチレン、特に包装材等として使用された後に廃棄される廃発泡ポリスチレンを利用したポリマーモルタル及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から容器包装材や緩衝材、断熱材等として使用された後に発生する廃発泡ポリスチレン、いわゆる廃発泡スチロールは、容器包装リサイクル法の施行に伴ってその処理が急務となっているが、現在、そのマテリアルリサイクル率は、以下の非特許文献1等に示すように、年間流通量(約17.1万t)の約37.8%となっている。
【0003】
【非特許文献1】
発泡スチロール再資源化協会:ジェスプラ・インフォメーション2002, 発泡スチロール再資源化協会、14p、2002.3
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この廃発泡ポリスチレンのリサイクル率は、まだ、十分とは言い難く、その多くが埋め立てや焼却処分されているのが現状である。
そこで、本発明はこのような課題を有効に解決するために案出されたものであり、その目的は、廃発泡ポリスチレンを有効利用することができる新規なポリマーモルタル及びその製造方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
〔発明1〕
上記課題を解決するために発明1のポリマーモルタルは、ポリスチレンをメタクリル酸メチルに溶解した結合材と、適量の充填材、及び細骨材とからなることを特徴とするものである。
これによって、後述するように優れた曲げ強度や圧縮強さなどを発揮することができるため、プレキャスト製品や床材、舗装材等の材料としてポリスチレンを有効利用することができる。
【0006】
〔発明2〕
発明2のポリマモルタルは、発明1に記載のポリマーモルタルにおいて、
上記ポリスチレンが発泡ポリスチレンであることを特徴とするものである。
これによって、従来その多くが埋め立てや焼却処分されていた発泡ポリスチレンを有効利用することができる。
〔発明3〕
発明3のポリマーモルタルは、発明1又は2に記載のポリマーモルタルにおいて、上記結合材中に占める発泡ポリスチレンの濃度が30%以下であることを特徴とするものである。
これによって、ポリマーモルタルの練り混ぜ易さや流動性、打ち込み易さ及び仕上げ易さ等といったワーカビリティの悪化を抑制しつつ良好な成形体を得ることが可能となる。
【0007】
〔発明4〕
発明4のポリマーモルタルは、発明1〜3のいずれかに記載のポリマーモルタルにおいて、上記結合材の配合比が15%以上であることを特徴とするものである。
これによって、後述するように材料同士の結合性の悪化を防止して材料分離等の不都合が発生し難くなるため、良質でワーカブルなポリマーモルタル成形体を得ることができる。
〔発明5〕
発明5のポリマーモルタルは、発明1〜4のいずれかに記載のポリマーモルタルにおいて、上記充填材が、重質炭酸カルシウムであることを特徴とするものである。
これによって、良質なポリマーモルタル成形体を比較的安価に得ることができる。
【0008】
〔発明6〕
発明6のポリマーモルタルは、発明1〜5のいずれかに記載のポリマーモルタルにおいて、上記細骨材が、けい砂であることを特徴とするものである。
これによって、良質なポリマーモルタル成形体を比較的安価に得ることができる。
〔発明7〕
発明7のポリマーモルタルの製造方法は、ポリスチレンをメタクリル酸メチルに溶解し、この溶液を結合材として用いてこの結合材中に、適量の充填材及び細骨材を混合攪拌して混練物を形成し、その後、この混練物を所定の型枠内に打ち込んで硬化、養生させてなることを特徴とするものである。
これによって、発明1に示すような、曲げ強度や圧縮強さ等に優れたポリマーモルタルを容易に製造することができる。
【0009】
〔発明8〕
発明8のポリマーモルタルの製造方法は、発明7に記載のポリマーモルタルの製造方法において、上記結合材中に占める発泡ポリスチレンの濃度を30%以下にするようにしたことを特徴とするものである。
これによって、発明3と同様に、ワーカブルで良質なポリマーモルタル成形体を容易に得ることができる。
【0010】
〔発明9〕
発明9のポリマーモルタルの製造方法は、発明7又は8に記載のポリマーモルタルの製造方法において、上記混練物中における結合材の配合比を15%以上にするようにしたことを特徴とするものである。
これによって、材料分離等の不都合が発生しない、ワーカブルで良質なポリマーモルタル成形体を容易に得ることができる。
【0011】
〔発明10〕
発明10のポリマーモルタルの製造方法は、発明7〜9のいずれかに記載のポリマーモルタルの製造方法において、上記養生条件は、乾燥養生と加熱養生とを併用するようにしたことを特徴とするものである。
これによって、後述するように、単に乾燥養生を行う場合に比べて、得られるポリマーモルタル成形体の曲げ強さや圧縮強度がさらに向上する。
【0012】
〔発明11〕
発明11のポリマーモルタルの製造方法は、発明7〜10のいずれかに記載のポリマーモルタルの製造方法において、上記充填材として、重質炭酸カルシウムを用いるようにしたことを特徴とするものである。
これによって、発明5と同様に、良質なポリマーモルタル成形体を比較的安価に得ることができる。
【0013】
〔発明12〕
発明12のポリマーモルタルの製造方法は、発明7〜11のいずれかに記載のポリマーモルタルの製造方法において、上記細骨材として、けい砂を用いるようにしたことを特徴とするものである。
これによって、発明6と同様に、良質なポリマーモルタル成形体を比較的安価に得ることができる。
【0014】
〔発明13〕
発明13のポリマーモルタルの製造方法は、発明7〜11のいずれかに記載のポリマーモルタルの製造方法において、上記ポリスチレンとして、発泡ポリスチレンを用いるようにしたことを特徴とするものである。
これによって、廃発泡ポリスチレンをプレキャスト製品や床材、舗装材等の材料として有効利用することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照しながら詳述する。
本発明に係るポリマーモルタルは、廃発泡ポリスチレン等の発泡ポリスチレン(以下、適宜ESPと称す)を、メタクリル酸メチル(以下、適宜MMAと称す)に溶解した結合材(以下、適宜ESPと称す)と、適量の充填材と、細骨材とから主に構成されている。
【0016】
この発泡ポリスチレンは、例えばブタン(C4H10)等の炭化水素系の発泡剤を閉じこめた直径1mm程度のポリスチレン(PS)の粒を原料とし、これをスチームで加熱して50倍程度に膨らませて金型に入れて所定の形状に成形したものであり、基本的には炭素と水素だけで構成されているものである。
一方、メタクリル酸メチル(C5H8O2)は、発泡ポリスチレンの減容剤兼結合材用モノマーの一つであり、例えば、有機ガラス製造原料として古くから興行的に製造され、取り扱いやすい点で広く重合反応研究用等に使用されているビニル単量体である。
【0017】
充填材としては、粒径が2.5μm以下の重質炭酸カルシウムが適しており、また、細骨材としては、粒径が100〜850μm程度のけい砂が適しているが、その他の一般的な充填材及び細骨材の使用も可能である。
そして、このような構成をした本発明のポリマーモルタルにあっては、後述するように優れた曲げ強度や圧縮強さなどを発揮することができるため、プレキャスト製品や床材、舗装材等の材料として有効利用することができる。
【0018】
このようなポリマーモルタルを製造するためには、先ず、発泡ポリスチレンを細かく粉砕し、これをメタクリル酸メチルに溶解して、発泡ポリスチレン溶液(以下、適宜ESP溶液と称す)を作製する。
ここで、結合材中に占める発泡ポリスチレンの濃度は30%以下に抑えることが肝要である。すなわち、廃発泡ポリスチレンの有効利用という観点から考えると、発泡ポリスチレンの濃度(使用量)は多いほど良いように思われるが、後述するように、得られるポリマーモルタルの練り混ぜ易さや流動性、仕上げ易さ等といったワーカビリティは発泡ポリスチレンの濃度に伴って悪化し、30%を越えると良好な成形体を得ることが極めて困難になるからである。
【0019】
次に、このESP溶液に適量の開始剤と促進剤とカップリング剤とを添加し、攪拌して結合材を作製し、この結合材中に、適量の充填材及び細骨材を混合攪拌して混練物を形成する。
ここで、混練物中に占める結合材の配合比は少なくとも15%以上にすることが肝要である。すなわち、後述するようにポリマーモルタル中の結合材の配合比が15%未満では少なすぎて良好な結合性を発揮することができず、材料分離等の不都合が発生し、ワーカブルなポリマーモルタル成形体が得られ難くなるからである。
【0020】
そして、その後、この混練物を所定の型枠内に打ち込んで硬化、養生させることで本発明のポリマーモルタルからなる成形体を得ることができるが、さらに、この養生条件としては単なる乾燥養生だけでなく、乾燥養生と加熱養生とを併用すれば、単に乾燥養生を行う場合に比べて、得られるポリマーモルタル成形体の曲げ強さや圧縮強度をさらに向上することが可能となる。
尚、本実施の形態及び以下の実施例では、発泡ポリスチレンを用いた例で説明したが、発泡していないポリスチレン、例えばビーズ状をしたポリスチレンを用いても同様な作用・効果を発揮できることは勿論である。
【0021】
【実施例】
先ず、廃発泡ポリスチレン(以下、適宜ESPという)としては、その模造品として、JIS A 9511(発泡プラスチック保温板)に規定する、ビーズ法発泡ポリスチレンの「保温板4号」を使用し、また、減容剤兼結合材用モノマーとしては、工業用メタクリル酸メチル(以下、適宜MMAという)を使用した。
【0022】
また、開始剤としては、過酸化ベンゾイルを50%含むフタル酸ジシクロヘキシル(BPO)を、促進剤としては、N,N−ジメチルアニリン(DMA)を、カップリング剤としては、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(silane)を使用した。
なお、ESPについては、60℃で48h乾燥し、その含水率を0.1%以下として使用した。
【0023】
ここで、ESPは、以下の表1に示すように、分子量(Molecular Weight):Ca.300000(g)、密度(Density):17(kg/m3)、曲げ強度(Flexural Strength):24(N/cm2)、圧縮強さ(Compressive Strength):10(N/cm2)のものを用いた。また、MMAは、以下の表2に示すように、分子量(Molecular Weight):100.1(g)、密度(Density):0.94(g/m3)、粘度(Viscosity):0.85(mPa・s)、純度(Purity):99.9(%)のものを用いた。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
次に、充填材としては、以下の表3に示すように、粒径(Size):2.5μm以下、密度(Density):2.70(g/m3、20℃)の重質炭酸カルシウム(Ground Calcium Carbonate)を、また、細骨材としては、同じく以下の表3に示すように、JIS G 5901(鋳型用けい砂)に規定する26号(粒径:425〜850μm、密度:2.63)及び100号(粒径:106〜121μm、密度:2.61)けい砂を用意した。尚、これら充填材及び細骨材については、105℃で48h乾燥し、それらの含水率を0.1%以下として使用した。
【0027】
【表3】
【0028】
そして、このMMAに以下の表4に示す配合に従ってESPを溶解させてESP溶液(廃発泡ポリスチレン溶液)を調整し、その後、このESP溶液に、silane:0.50%、BPO:3.00%及びDMA:0.75%を添加し、良く攪拌してESPの濃度のみが異なる結合材となる4種類の供試ESP溶液(No1〜No4)を作製した。
【0029】
【表4】
【0030】
次に、JIS K 6901(液状不飽和ポリエステル樹脂試験方法)の5.1(浮ひょう法)及び5.5(ブルックフィールド形粘度計法)に従って、これらの4種類の供試ESP溶液(No1〜No4)の密度と粘度とを測定した。それらの関係を図1〜図3に示す。
ここで、図1はESP溶液中のESP濃度と密度との関係を示すグラフ図、また、図2はESP溶液中のESP濃度と粘度との関係を示すグラフ図、図3はESP溶液中の粘度とESP濃度との関係を示すグラフ図である。
【0031】
これら各図から分かるようにESP溶液の密度(Density(kg/m3))及び粘度(Viscosity(mPa・s))は、いずれもESP濃度の増加に伴って増加している。また、ESP濃度と粘度との高い相関性が認められ、その関係は、以下の式(1)で表すことができる。
【0032】
η=2.9e0.22C(γ=0.99)…(1)
ここで、η:ESP溶液の粘度(mPa・s)
C:ESP溶液中のESP濃度(%)
γ:相関係数
【0033】
次に、このようなESP溶液を結合材とし、その結合材に対して上述したような充填材及び細骨材を、以下の表5に示すような配合で練り混ぜて4種類のポリマーモルタルを作製し、その後、これらのポリマーモルタルを用いて、JIS A 1181(ポリエステルレジンコンクリートの強度試験用供試体の作り方)に従って、寸法40×40×160mmに成形後、次の2種類の養生を行って供試成形体を作製した。
【0034】
(1)24時間乾燥(20℃、60%)養生(Dry cure)
(2)24時間乾燥(20℃、60%)養生+3h加熱(100℃)養生(Dry cure+heat cure)
なお、この成形体のワーカビリティを予め考慮し、表4のFormulation No1,No2の結合材を表5のMix No1〜3に、Formulation No3の結合材を表5のMix No2〜4に、並びにFormulation No4の結合材を表5のMix No3,4に適用した。
【0035】
【表5】
【0036】
そして、このようにして得られた4種類の供試ポリマーモルタル及び供試成形体について、それぞれ以下に示すような3種類の試験及び評価を行った。
▲1▼フロー試験及びワーカビリティの評価
JIS R 5201(セメントの物理試験方法)の11(フロー試験)に準じてそれらのフローを測定した。
さらに、供試ポリマーモルタル成形体の作製時における目視観察により、以下の表6に示す6つの評価方法で、それぞれ4段階の評価点を与え、その総合点を指標として供試ポリマーモルタル成形体のワーカビリティを評価した。
【0037】
ここで、具体的な評価方法(Evaluation Item)としては、1.練り混ぜ易さ(Mixability of polymer Mortar)、2.流動性(Flowability of polymer Mortar)、3.打ち込み易さ(Placeability of polymer Mortar in Mold Casting Process)、4.仕上げ易さ(Finishability of Placed polymer Mortar Surface)、5.打ち込み後の材料分離抵抗性(Segregation resistance of Placed polymer Mortar)、6.型分離性(Demoldability of Specimen)の6つであり、また、評価点(Evaluation Point)としては、不良(Bad):1、可(Fair):2、良(Good):3、最良(Excellent):4とした。
【0038】
【表6】
【0039】
▲2▼可使時間(Working Time)の測定
JIS K 6833(接着剤の一般試験方法)及びJIS A 1186(ポリエステルレジンコンクリートの可使時間測定方法)の4.3触感法に従って、供試結合材及び供試ポリマーモルタルの可使時間を測定した。
▲3▼曲げ強さ及び圧縮強さ試験
JIS A 1184(ポリエステルレジンコンクリートの曲げ強度試験方法)及びJIS A 1183(はりの折片によるポリマーコンクリートの圧縮強度試験方法)に従って、供試体の曲げ及び圧縮強さを測定した。
【0040】
図4は、ESP溶液を用いたポリマーモルタルのワーカビリティーに及ぼすESP濃度の影響を示したものである。
図示するように、ポリマーモルタルのワーカビリティは、結合材の量(Binder content(%))にかかわらず、結合材(ESP溶液)のESP濃度(ESP concentration(%)of ESP solution)の増加に伴って悪化するのが分かる。
【0041】
また、ポリマーモルタルのMixability(練り混ぜ易さ)、Flowability(流動性)、Placeability(打ち込み易さ)、Finishability(仕上げ易さ)並びにワーカビリティの総合評価は、結合材(ESP溶液)中のESP濃度が増加に伴ってそれぞれ悪くなる。
これは、結合材中のESP濃度の増加に伴って結合材(ESP溶液)の粘度が増加したためと考えられる。
【0042】
尚、結合材の量が10%のポリマーモルタルは、結合材量が少なすぎることによる材料分離が確認されたので施工が困難と思われる。
図5は、ESP溶液を用いたポリマーモルタルのワーカビリティーに及ぼす結合材の量の影響を示したものである。
図示するように、結合材中のESP濃度にかかわらず、ポリマーモルタルの練り混ぜ易さ、流動性、打ち込み易さ及び仕上げ易さ並びにワーカビリティの総合的評価は、それぞれ結合材の量の増加に伴って改善される。
【0043】
このワーカビリティの総合的評価の上から、ワーカブルなポリマーモルタルを調整するために必要な、ESP濃度及び結合材の量は、それぞれ30%以下、及び15%以上が望ましいと考えられる。
図6及び図7は、ESP濃度又は結合材量とポリマーモルタルのフローとの関係を示したものである。
【0044】
図示するように、ポリマーモルタルのフローは、ESP濃度の増加に伴って減少し、結合材の量の増加に伴って増加する。ワーカビリティの総合的評価の上から、ワーカブルなポリマーモルタルのフローは120以上である。
図8は、ESP濃度(ESP concentration(%)of ESP solution)と、結合材及びポリマーモルタルの可使時間(Working life(min))とのそれぞれの関係を示したものである。図示するように、結合材及びポリマーモルタルの可使時間は、ESP濃度の増加に伴って短くなる。
【0045】
モノマーや高分子溶液の重合反応においては、次のような自己促進効果(Autoacceleration effect又はgel effect)と呼ばれる挙動が引き起こされる。
ESP濃度の増加に伴って、ESP溶液の粘度が増加し、ポリマーラジカルの拡散が阻害され、重合の停止反応が起こり難くなる。一方、残存モノマーは、反応系の濃度に依存することなく拡散し、次々に重合していくことから、反応系全重合速度(overall polymerization rate)が増加する。従って、結合材及びポリマーモルタルの可使時間は、ESP濃度の増加に伴って短くなるものと推測される。
【0046】
また、ポリマーモルタルの可使時間は、結合材のそれよりも1.6〜4.0倍程度長くなる。これはポリマーモルタル中の充填材及び細骨材が、いわゆる“heat sink”の働きをなすことで、結合材の重合熱を奪うためと考えられる。
このESP濃度と、結合材及びポリマーモルタルの可使時間との間には、高い相関性が認められ、それらの相関性は、以下の式(2)及び(3)で表すことができる。
【0047】
Wm=−108.2logC+208.0(γ=0.99)…(2)
Wb= −82.5logC+140.9(γ=0.99)…(3)
ここで、Wm:ポリマーモルタルの可使時間(min)
Wb:結合材の可使時間(min)
C:ESP溶液中のESP濃度(%)
γ:相関係数
【0048】
図9は、ESP濃度とESP溶液を用いたポリマーモルタルの曲げ強さ(Flexural strength(MPa))との関係を示したものである。
図示するように、結合材の量及び養生条件(Dry cure、Dry cure+heat cure)にかかわらず、ポリマーモルタルの曲げ強さは、ESP濃度の増加に伴って減少する傾向にある。これは、図4からも分かるように、ESP溶液中のESP濃度が増加すると、ポリマーモルタルのワーカビリティが悪くなることに起因するものと考えられる。
【0049】
また、乾燥養生(Dry cure)を行ったポリマーモルタルの曲げ強さは、さらに加熱養生(+heat cure)を行うことによってさらに14〜20%増加する。この理由は未反応MMA及び低分子量ポリマーの重合反応が、加熱養生によって促進されたためと考えられる。
図10は、結合材量に対するESP溶液を用いたポリマーモルタルの曲げ強さ(Flexural strength(MPa))の関係を示したものである。
【0050】
図示するように、ポリマーモルタルの曲げ強さは結合材量の増加に伴って減少する。乾燥+加熱養生(Dry cure+heat cure)を行ったポリマーモルタルの曲げ強さが減少する理由は次のように説明される。
結合材の量が増加すると、充填材及び細骨材の“heat sink effect”が弱まるので、結合材の重合時に発生する反応熱が著しく増加し、結合材の重合が促進される。重合速度が速くなると、低分子ポリマーが形成されるため、曲げ強さが減少するものと推察される。
【0051】
図11は、ESP濃度とESP溶液を用いたポリマーモルタルの曲げ強さ(Compressive strength(MPa))との関係を示したものである。
図示するように、結合材の量及び養生条件にもかかわらず、ポリマーモルタルの圧縮強さは、その曲げ強さと同様に、ESP濃度の増加に伴って減少する。また、乾燥養生をポリマーモルタルの圧縮強さは、さらに加熱養生を行うことによってさらに6〜50%増加する。
【0052】
図12は、結合材の量とESP溶液を用いたポリマーモルタルの曲げ強さとの関係を示したものである。
図示するように、ESP濃度にかかわらず、乾燥養生を行ったポリマーモルタルの圧縮強さは、結合材量の増加に伴って増加し、乾燥+加熱養生を行ったもののそれは、結合材量の増加に伴って減少する。
【0053】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、廃発泡スチロールを原料として、曲げ強度や圧縮強さ等に優れたポリマーモルタルを得ることができるため、リサイクル率の低かった廃発泡スチロールをプレキャスト製品や床材、舗装材等の材料として有効利用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】廃発泡ポリスチレン溶液の濃度と密度との関係を示すグラフ図である。
【図2】廃発泡ポリスチレン溶液の濃度と粘度との関係を示すグラフ図である。
【図3】廃発泡ポリスチレン溶液の粘度と濃度との関係を示すグラフ図である。
【図4】廃発泡ポリスチレン溶液を用いたポリマーモルタルのワーカビリティーに及ぼす廃発泡ポリスチレン溶液濃度の影響を示すグラフ図である。
【図5】廃発泡ポリスチレン溶液を用いたポリマーモルタルのワーカビリティーに及ぼす結合材量の影響を示すグラフ図である。
【図6】廃発泡ポリスチレン溶液濃度と、廃発泡ポリスチレン溶液を用いたポリマーモルタルのフローとの関係を示すグラフ図である。
【図7】結合材量と、廃発泡ポリスチレン溶液を用いたポリマーモルタルのフローとの関係を示すグラフ図である。
【図8】結合材及びポリマーモルタルの可使時間と、廃発泡ポリスチレン溶液濃度との関係を示すグラフ図である。
【図9】廃発泡ポリスチレン溶液濃度と、廃発泡ポリスチレン溶液を用いたポリマーモルタルの曲げ強さとの関係を示すグラフ図である。
【図10】結合材量と、廃発泡ポリスチレン溶液を用いたポリマーモルタルの曲げ強さとの関係を示すグラフ図である。
【図11】廃発泡ポリスチレン溶液濃度と、廃発泡ポリスチレン溶液を用いたポリマーモルタルの圧縮強さとの関係を示すグラフ図である。
【図12】結合材量と、廃発泡ポリスチレン溶液を用いたポリマーモルタルの圧縮強さとの関係を示すグラフ図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリスチレン、特に包装材等として使用された後に廃棄される廃発泡ポリスチレンを利用したポリマーモルタル及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から容器包装材や緩衝材、断熱材等として使用された後に発生する廃発泡ポリスチレン、いわゆる廃発泡スチロールは、容器包装リサイクル法の施行に伴ってその処理が急務となっているが、現在、そのマテリアルリサイクル率は、以下の非特許文献1等に示すように、年間流通量(約17.1万t)の約37.8%となっている。
【0003】
【非特許文献1】
発泡スチロール再資源化協会:ジェスプラ・インフォメーション2002, 発泡スチロール再資源化協会、14p、2002.3
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この廃発泡ポリスチレンのリサイクル率は、まだ、十分とは言い難く、その多くが埋め立てや焼却処分されているのが現状である。
そこで、本発明はこのような課題を有効に解決するために案出されたものであり、その目的は、廃発泡ポリスチレンを有効利用することができる新規なポリマーモルタル及びその製造方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
〔発明1〕
上記課題を解決するために発明1のポリマーモルタルは、ポリスチレンをメタクリル酸メチルに溶解した結合材と、適量の充填材、及び細骨材とからなることを特徴とするものである。
これによって、後述するように優れた曲げ強度や圧縮強さなどを発揮することができるため、プレキャスト製品や床材、舗装材等の材料としてポリスチレンを有効利用することができる。
【0006】
〔発明2〕
発明2のポリマモルタルは、発明1に記載のポリマーモルタルにおいて、
上記ポリスチレンが発泡ポリスチレンであることを特徴とするものである。
これによって、従来その多くが埋め立てや焼却処分されていた発泡ポリスチレンを有効利用することができる。
〔発明3〕
発明3のポリマーモルタルは、発明1又は2に記載のポリマーモルタルにおいて、上記結合材中に占める発泡ポリスチレンの濃度が30%以下であることを特徴とするものである。
これによって、ポリマーモルタルの練り混ぜ易さや流動性、打ち込み易さ及び仕上げ易さ等といったワーカビリティの悪化を抑制しつつ良好な成形体を得ることが可能となる。
【0007】
〔発明4〕
発明4のポリマーモルタルは、発明1〜3のいずれかに記載のポリマーモルタルにおいて、上記結合材の配合比が15%以上であることを特徴とするものである。
これによって、後述するように材料同士の結合性の悪化を防止して材料分離等の不都合が発生し難くなるため、良質でワーカブルなポリマーモルタル成形体を得ることができる。
〔発明5〕
発明5のポリマーモルタルは、発明1〜4のいずれかに記載のポリマーモルタルにおいて、上記充填材が、重質炭酸カルシウムであることを特徴とするものである。
これによって、良質なポリマーモルタル成形体を比較的安価に得ることができる。
【0008】
〔発明6〕
発明6のポリマーモルタルは、発明1〜5のいずれかに記載のポリマーモルタルにおいて、上記細骨材が、けい砂であることを特徴とするものである。
これによって、良質なポリマーモルタル成形体を比較的安価に得ることができる。
〔発明7〕
発明7のポリマーモルタルの製造方法は、ポリスチレンをメタクリル酸メチルに溶解し、この溶液を結合材として用いてこの結合材中に、適量の充填材及び細骨材を混合攪拌して混練物を形成し、その後、この混練物を所定の型枠内に打ち込んで硬化、養生させてなることを特徴とするものである。
これによって、発明1に示すような、曲げ強度や圧縮強さ等に優れたポリマーモルタルを容易に製造することができる。
【0009】
〔発明8〕
発明8のポリマーモルタルの製造方法は、発明7に記載のポリマーモルタルの製造方法において、上記結合材中に占める発泡ポリスチレンの濃度を30%以下にするようにしたことを特徴とするものである。
これによって、発明3と同様に、ワーカブルで良質なポリマーモルタル成形体を容易に得ることができる。
【0010】
〔発明9〕
発明9のポリマーモルタルの製造方法は、発明7又は8に記載のポリマーモルタルの製造方法において、上記混練物中における結合材の配合比を15%以上にするようにしたことを特徴とするものである。
これによって、材料分離等の不都合が発生しない、ワーカブルで良質なポリマーモルタル成形体を容易に得ることができる。
【0011】
〔発明10〕
発明10のポリマーモルタルの製造方法は、発明7〜9のいずれかに記載のポリマーモルタルの製造方法において、上記養生条件は、乾燥養生と加熱養生とを併用するようにしたことを特徴とするものである。
これによって、後述するように、単に乾燥養生を行う場合に比べて、得られるポリマーモルタル成形体の曲げ強さや圧縮強度がさらに向上する。
【0012】
〔発明11〕
発明11のポリマーモルタルの製造方法は、発明7〜10のいずれかに記載のポリマーモルタルの製造方法において、上記充填材として、重質炭酸カルシウムを用いるようにしたことを特徴とするものである。
これによって、発明5と同様に、良質なポリマーモルタル成形体を比較的安価に得ることができる。
【0013】
〔発明12〕
発明12のポリマーモルタルの製造方法は、発明7〜11のいずれかに記載のポリマーモルタルの製造方法において、上記細骨材として、けい砂を用いるようにしたことを特徴とするものである。
これによって、発明6と同様に、良質なポリマーモルタル成形体を比較的安価に得ることができる。
【0014】
〔発明13〕
発明13のポリマーモルタルの製造方法は、発明7〜11のいずれかに記載のポリマーモルタルの製造方法において、上記ポリスチレンとして、発泡ポリスチレンを用いるようにしたことを特徴とするものである。
これによって、廃発泡ポリスチレンをプレキャスト製品や床材、舗装材等の材料として有効利用することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照しながら詳述する。
本発明に係るポリマーモルタルは、廃発泡ポリスチレン等の発泡ポリスチレン(以下、適宜ESPと称す)を、メタクリル酸メチル(以下、適宜MMAと称す)に溶解した結合材(以下、適宜ESPと称す)と、適量の充填材と、細骨材とから主に構成されている。
【0016】
この発泡ポリスチレンは、例えばブタン(C4H10)等の炭化水素系の発泡剤を閉じこめた直径1mm程度のポリスチレン(PS)の粒を原料とし、これをスチームで加熱して50倍程度に膨らませて金型に入れて所定の形状に成形したものであり、基本的には炭素と水素だけで構成されているものである。
一方、メタクリル酸メチル(C5H8O2)は、発泡ポリスチレンの減容剤兼結合材用モノマーの一つであり、例えば、有機ガラス製造原料として古くから興行的に製造され、取り扱いやすい点で広く重合反応研究用等に使用されているビニル単量体である。
【0017】
充填材としては、粒径が2.5μm以下の重質炭酸カルシウムが適しており、また、細骨材としては、粒径が100〜850μm程度のけい砂が適しているが、その他の一般的な充填材及び細骨材の使用も可能である。
そして、このような構成をした本発明のポリマーモルタルにあっては、後述するように優れた曲げ強度や圧縮強さなどを発揮することができるため、プレキャスト製品や床材、舗装材等の材料として有効利用することができる。
【0018】
このようなポリマーモルタルを製造するためには、先ず、発泡ポリスチレンを細かく粉砕し、これをメタクリル酸メチルに溶解して、発泡ポリスチレン溶液(以下、適宜ESP溶液と称す)を作製する。
ここで、結合材中に占める発泡ポリスチレンの濃度は30%以下に抑えることが肝要である。すなわち、廃発泡ポリスチレンの有効利用という観点から考えると、発泡ポリスチレンの濃度(使用量)は多いほど良いように思われるが、後述するように、得られるポリマーモルタルの練り混ぜ易さや流動性、仕上げ易さ等といったワーカビリティは発泡ポリスチレンの濃度に伴って悪化し、30%を越えると良好な成形体を得ることが極めて困難になるからである。
【0019】
次に、このESP溶液に適量の開始剤と促進剤とカップリング剤とを添加し、攪拌して結合材を作製し、この結合材中に、適量の充填材及び細骨材を混合攪拌して混練物を形成する。
ここで、混練物中に占める結合材の配合比は少なくとも15%以上にすることが肝要である。すなわち、後述するようにポリマーモルタル中の結合材の配合比が15%未満では少なすぎて良好な結合性を発揮することができず、材料分離等の不都合が発生し、ワーカブルなポリマーモルタル成形体が得られ難くなるからである。
【0020】
そして、その後、この混練物を所定の型枠内に打ち込んで硬化、養生させることで本発明のポリマーモルタルからなる成形体を得ることができるが、さらに、この養生条件としては単なる乾燥養生だけでなく、乾燥養生と加熱養生とを併用すれば、単に乾燥養生を行う場合に比べて、得られるポリマーモルタル成形体の曲げ強さや圧縮強度をさらに向上することが可能となる。
尚、本実施の形態及び以下の実施例では、発泡ポリスチレンを用いた例で説明したが、発泡していないポリスチレン、例えばビーズ状をしたポリスチレンを用いても同様な作用・効果を発揮できることは勿論である。
【0021】
【実施例】
先ず、廃発泡ポリスチレン(以下、適宜ESPという)としては、その模造品として、JIS A 9511(発泡プラスチック保温板)に規定する、ビーズ法発泡ポリスチレンの「保温板4号」を使用し、また、減容剤兼結合材用モノマーとしては、工業用メタクリル酸メチル(以下、適宜MMAという)を使用した。
【0022】
また、開始剤としては、過酸化ベンゾイルを50%含むフタル酸ジシクロヘキシル(BPO)を、促進剤としては、N,N−ジメチルアニリン(DMA)を、カップリング剤としては、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(silane)を使用した。
なお、ESPについては、60℃で48h乾燥し、その含水率を0.1%以下として使用した。
【0023】
ここで、ESPは、以下の表1に示すように、分子量(Molecular Weight):Ca.300000(g)、密度(Density):17(kg/m3)、曲げ強度(Flexural Strength):24(N/cm2)、圧縮強さ(Compressive Strength):10(N/cm2)のものを用いた。また、MMAは、以下の表2に示すように、分子量(Molecular Weight):100.1(g)、密度(Density):0.94(g/m3)、粘度(Viscosity):0.85(mPa・s)、純度(Purity):99.9(%)のものを用いた。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
次に、充填材としては、以下の表3に示すように、粒径(Size):2.5μm以下、密度(Density):2.70(g/m3、20℃)の重質炭酸カルシウム(Ground Calcium Carbonate)を、また、細骨材としては、同じく以下の表3に示すように、JIS G 5901(鋳型用けい砂)に規定する26号(粒径:425〜850μm、密度:2.63)及び100号(粒径:106〜121μm、密度:2.61)けい砂を用意した。尚、これら充填材及び細骨材については、105℃で48h乾燥し、それらの含水率を0.1%以下として使用した。
【0027】
【表3】
【0028】
そして、このMMAに以下の表4に示す配合に従ってESPを溶解させてESP溶液(廃発泡ポリスチレン溶液)を調整し、その後、このESP溶液に、silane:0.50%、BPO:3.00%及びDMA:0.75%を添加し、良く攪拌してESPの濃度のみが異なる結合材となる4種類の供試ESP溶液(No1〜No4)を作製した。
【0029】
【表4】
【0030】
次に、JIS K 6901(液状不飽和ポリエステル樹脂試験方法)の5.1(浮ひょう法)及び5.5(ブルックフィールド形粘度計法)に従って、これらの4種類の供試ESP溶液(No1〜No4)の密度と粘度とを測定した。それらの関係を図1〜図3に示す。
ここで、図1はESP溶液中のESP濃度と密度との関係を示すグラフ図、また、図2はESP溶液中のESP濃度と粘度との関係を示すグラフ図、図3はESP溶液中の粘度とESP濃度との関係を示すグラフ図である。
【0031】
これら各図から分かるようにESP溶液の密度(Density(kg/m3))及び粘度(Viscosity(mPa・s))は、いずれもESP濃度の増加に伴って増加している。また、ESP濃度と粘度との高い相関性が認められ、その関係は、以下の式(1)で表すことができる。
【0032】
η=2.9e0.22C(γ=0.99)…(1)
ここで、η:ESP溶液の粘度(mPa・s)
C:ESP溶液中のESP濃度(%)
γ:相関係数
【0033】
次に、このようなESP溶液を結合材とし、その結合材に対して上述したような充填材及び細骨材を、以下の表5に示すような配合で練り混ぜて4種類のポリマーモルタルを作製し、その後、これらのポリマーモルタルを用いて、JIS A 1181(ポリエステルレジンコンクリートの強度試験用供試体の作り方)に従って、寸法40×40×160mmに成形後、次の2種類の養生を行って供試成形体を作製した。
【0034】
(1)24時間乾燥(20℃、60%)養生(Dry cure)
(2)24時間乾燥(20℃、60%)養生+3h加熱(100℃)養生(Dry cure+heat cure)
なお、この成形体のワーカビリティを予め考慮し、表4のFormulation No1,No2の結合材を表5のMix No1〜3に、Formulation No3の結合材を表5のMix No2〜4に、並びにFormulation No4の結合材を表5のMix No3,4に適用した。
【0035】
【表5】
【0036】
そして、このようにして得られた4種類の供試ポリマーモルタル及び供試成形体について、それぞれ以下に示すような3種類の試験及び評価を行った。
▲1▼フロー試験及びワーカビリティの評価
JIS R 5201(セメントの物理試験方法)の11(フロー試験)に準じてそれらのフローを測定した。
さらに、供試ポリマーモルタル成形体の作製時における目視観察により、以下の表6に示す6つの評価方法で、それぞれ4段階の評価点を与え、その総合点を指標として供試ポリマーモルタル成形体のワーカビリティを評価した。
【0037】
ここで、具体的な評価方法(Evaluation Item)としては、1.練り混ぜ易さ(Mixability of polymer Mortar)、2.流動性(Flowability of polymer Mortar)、3.打ち込み易さ(Placeability of polymer Mortar in Mold Casting Process)、4.仕上げ易さ(Finishability of Placed polymer Mortar Surface)、5.打ち込み後の材料分離抵抗性(Segregation resistance of Placed polymer Mortar)、6.型分離性(Demoldability of Specimen)の6つであり、また、評価点(Evaluation Point)としては、不良(Bad):1、可(Fair):2、良(Good):3、最良(Excellent):4とした。
【0038】
【表6】
【0039】
▲2▼可使時間(Working Time)の測定
JIS K 6833(接着剤の一般試験方法)及びJIS A 1186(ポリエステルレジンコンクリートの可使時間測定方法)の4.3触感法に従って、供試結合材及び供試ポリマーモルタルの可使時間を測定した。
▲3▼曲げ強さ及び圧縮強さ試験
JIS A 1184(ポリエステルレジンコンクリートの曲げ強度試験方法)及びJIS A 1183(はりの折片によるポリマーコンクリートの圧縮強度試験方法)に従って、供試体の曲げ及び圧縮強さを測定した。
【0040】
図4は、ESP溶液を用いたポリマーモルタルのワーカビリティーに及ぼすESP濃度の影響を示したものである。
図示するように、ポリマーモルタルのワーカビリティは、結合材の量(Binder content(%))にかかわらず、結合材(ESP溶液)のESP濃度(ESP concentration(%)of ESP solution)の増加に伴って悪化するのが分かる。
【0041】
また、ポリマーモルタルのMixability(練り混ぜ易さ)、Flowability(流動性)、Placeability(打ち込み易さ)、Finishability(仕上げ易さ)並びにワーカビリティの総合評価は、結合材(ESP溶液)中のESP濃度が増加に伴ってそれぞれ悪くなる。
これは、結合材中のESP濃度の増加に伴って結合材(ESP溶液)の粘度が増加したためと考えられる。
【0042】
尚、結合材の量が10%のポリマーモルタルは、結合材量が少なすぎることによる材料分離が確認されたので施工が困難と思われる。
図5は、ESP溶液を用いたポリマーモルタルのワーカビリティーに及ぼす結合材の量の影響を示したものである。
図示するように、結合材中のESP濃度にかかわらず、ポリマーモルタルの練り混ぜ易さ、流動性、打ち込み易さ及び仕上げ易さ並びにワーカビリティの総合的評価は、それぞれ結合材の量の増加に伴って改善される。
【0043】
このワーカビリティの総合的評価の上から、ワーカブルなポリマーモルタルを調整するために必要な、ESP濃度及び結合材の量は、それぞれ30%以下、及び15%以上が望ましいと考えられる。
図6及び図7は、ESP濃度又は結合材量とポリマーモルタルのフローとの関係を示したものである。
【0044】
図示するように、ポリマーモルタルのフローは、ESP濃度の増加に伴って減少し、結合材の量の増加に伴って増加する。ワーカビリティの総合的評価の上から、ワーカブルなポリマーモルタルのフローは120以上である。
図8は、ESP濃度(ESP concentration(%)of ESP solution)と、結合材及びポリマーモルタルの可使時間(Working life(min))とのそれぞれの関係を示したものである。図示するように、結合材及びポリマーモルタルの可使時間は、ESP濃度の増加に伴って短くなる。
【0045】
モノマーや高分子溶液の重合反応においては、次のような自己促進効果(Autoacceleration effect又はgel effect)と呼ばれる挙動が引き起こされる。
ESP濃度の増加に伴って、ESP溶液の粘度が増加し、ポリマーラジカルの拡散が阻害され、重合の停止反応が起こり難くなる。一方、残存モノマーは、反応系の濃度に依存することなく拡散し、次々に重合していくことから、反応系全重合速度(overall polymerization rate)が増加する。従って、結合材及びポリマーモルタルの可使時間は、ESP濃度の増加に伴って短くなるものと推測される。
【0046】
また、ポリマーモルタルの可使時間は、結合材のそれよりも1.6〜4.0倍程度長くなる。これはポリマーモルタル中の充填材及び細骨材が、いわゆる“heat sink”の働きをなすことで、結合材の重合熱を奪うためと考えられる。
このESP濃度と、結合材及びポリマーモルタルの可使時間との間には、高い相関性が認められ、それらの相関性は、以下の式(2)及び(3)で表すことができる。
【0047】
Wm=−108.2logC+208.0(γ=0.99)…(2)
Wb= −82.5logC+140.9(γ=0.99)…(3)
ここで、Wm:ポリマーモルタルの可使時間(min)
Wb:結合材の可使時間(min)
C:ESP溶液中のESP濃度(%)
γ:相関係数
【0048】
図9は、ESP濃度とESP溶液を用いたポリマーモルタルの曲げ強さ(Flexural strength(MPa))との関係を示したものである。
図示するように、結合材の量及び養生条件(Dry cure、Dry cure+heat cure)にかかわらず、ポリマーモルタルの曲げ強さは、ESP濃度の増加に伴って減少する傾向にある。これは、図4からも分かるように、ESP溶液中のESP濃度が増加すると、ポリマーモルタルのワーカビリティが悪くなることに起因するものと考えられる。
【0049】
また、乾燥養生(Dry cure)を行ったポリマーモルタルの曲げ強さは、さらに加熱養生(+heat cure)を行うことによってさらに14〜20%増加する。この理由は未反応MMA及び低分子量ポリマーの重合反応が、加熱養生によって促進されたためと考えられる。
図10は、結合材量に対するESP溶液を用いたポリマーモルタルの曲げ強さ(Flexural strength(MPa))の関係を示したものである。
【0050】
図示するように、ポリマーモルタルの曲げ強さは結合材量の増加に伴って減少する。乾燥+加熱養生(Dry cure+heat cure)を行ったポリマーモルタルの曲げ強さが減少する理由は次のように説明される。
結合材の量が増加すると、充填材及び細骨材の“heat sink effect”が弱まるので、結合材の重合時に発生する反応熱が著しく増加し、結合材の重合が促進される。重合速度が速くなると、低分子ポリマーが形成されるため、曲げ強さが減少するものと推察される。
【0051】
図11は、ESP濃度とESP溶液を用いたポリマーモルタルの曲げ強さ(Compressive strength(MPa))との関係を示したものである。
図示するように、結合材の量及び養生条件にもかかわらず、ポリマーモルタルの圧縮強さは、その曲げ強さと同様に、ESP濃度の増加に伴って減少する。また、乾燥養生をポリマーモルタルの圧縮強さは、さらに加熱養生を行うことによってさらに6〜50%増加する。
【0052】
図12は、結合材の量とESP溶液を用いたポリマーモルタルの曲げ強さとの関係を示したものである。
図示するように、ESP濃度にかかわらず、乾燥養生を行ったポリマーモルタルの圧縮強さは、結合材量の増加に伴って増加し、乾燥+加熱養生を行ったもののそれは、結合材量の増加に伴って減少する。
【0053】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、廃発泡スチロールを原料として、曲げ強度や圧縮強さ等に優れたポリマーモルタルを得ることができるため、リサイクル率の低かった廃発泡スチロールをプレキャスト製品や床材、舗装材等の材料として有効利用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】廃発泡ポリスチレン溶液の濃度と密度との関係を示すグラフ図である。
【図2】廃発泡ポリスチレン溶液の濃度と粘度との関係を示すグラフ図である。
【図3】廃発泡ポリスチレン溶液の粘度と濃度との関係を示すグラフ図である。
【図4】廃発泡ポリスチレン溶液を用いたポリマーモルタルのワーカビリティーに及ぼす廃発泡ポリスチレン溶液濃度の影響を示すグラフ図である。
【図5】廃発泡ポリスチレン溶液を用いたポリマーモルタルのワーカビリティーに及ぼす結合材量の影響を示すグラフ図である。
【図6】廃発泡ポリスチレン溶液濃度と、廃発泡ポリスチレン溶液を用いたポリマーモルタルのフローとの関係を示すグラフ図である。
【図7】結合材量と、廃発泡ポリスチレン溶液を用いたポリマーモルタルのフローとの関係を示すグラフ図である。
【図8】結合材及びポリマーモルタルの可使時間と、廃発泡ポリスチレン溶液濃度との関係を示すグラフ図である。
【図9】廃発泡ポリスチレン溶液濃度と、廃発泡ポリスチレン溶液を用いたポリマーモルタルの曲げ強さとの関係を示すグラフ図である。
【図10】結合材量と、廃発泡ポリスチレン溶液を用いたポリマーモルタルの曲げ強さとの関係を示すグラフ図である。
【図11】廃発泡ポリスチレン溶液濃度と、廃発泡ポリスチレン溶液を用いたポリマーモルタルの圧縮強さとの関係を示すグラフ図である。
【図12】結合材量と、廃発泡ポリスチレン溶液を用いたポリマーモルタルの圧縮強さとの関係を示すグラフ図である。
Claims (13)
- ポリスチレンをメタクリル酸メチルに溶解した結合材と、適量の充填材、及び細骨材とを主成分としたことを特徴とするポリマーモルタル。
- 請求項1に記載のポリマーモルタルにおいて、
上記ポリスチレンが発泡ポリスチレンであることを特徴とするポリマーモルタル。 - 請求項1又は2に記載のポリマーモルタルにおいて、
上記結合材中に占めるポリスチレンの濃度が30%以下であることを特徴とするポリマーモルタル。 - 請求項1〜3のいずれかに記載のポリマーモルタルにおいて、
上記結合材の配合比が15%以上であることを特徴とするポリマーモルタル。 - 請求項1〜4のいずれかに記載のポリマーモルタルにおいて、
上記充填材が、重質炭酸カルシウムであることを特徴とするポリマーモルタル。 - 請求項1〜5のいずれかに記載のポリマーモルタルにおいて、
上記細骨材が、けい砂であることを特徴とするポリマーモルタル。 - ポリスチレンをメタクリル酸メチルに溶解し、この溶液を結合材として用いてこの結合材中に、適量の充填材及び細骨材を混合攪拌して混練物を形成し、その後、この混練物を所定の型枠内に打ち込んで硬化、養生させてなることを特徴とするポリマーモルタルの製造方法。
- 請求項7に記載のポリマーモルタルの製造方法において、
上記結合材中に占める発泡ポリスチレンの濃度を30%以下にするようにしたことを特徴とするポリマーモルタルの製造方法。 - 請求項7又は8に記載のポリマーモルタルの製造方法において、
上記混練物中における結合材の配合比を15%以上にするようにしたことを特徴とするポリマーモルタルの製造方法。 - 請求項7〜9のいずれかに記載のポリマーモルタルの製造方法において、
上記養生条件は、乾燥養生と加熱養生とを併用するようにしたことを特徴とするポリマーモルタルの製造方法。 - 請求項7〜10のいずれかに記載のポリマーモルタルの製造方法において、
上記充填材として、重質炭酸カルシウムを用いるようにしたことを特徴とするポリマーモルタルの製造方法。 - 請求項7〜11のいずれかに記載のポリマーモルタルの製造方法において、
上記細骨材として、けい砂を用いるようにしたことを特徴とするポリマーモルタルの製造方法。 - 請求項7〜12のいずれかに記載のポリマーモルタルの製造方法において、
上記ポリスチレンとして、発泡ポリスチレンを用いたことを特徴とするポリマーモルタルの製造方法。
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