JP4061230B2 - 複合材料 - Google Patents

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  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は複合材料に関し、さらに詳しくは、廃発泡ポリスチレンを有効利用することができる複合材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
発泡ポリスチレンは、食品容器や家屋における断熱材や保温材、緩衝材として多く利用されている。食品容器に用いられる発泡ポリスチレンは使用毎にゴミとして廃棄されるので、毎日大量の廃発泡ポリスチレンが発生する。廃発泡ポリスチレンは、不燃ゴミとして埋め立てられるが、埋立て処理した廃発泡ポリスチレンは、分解しにくく土中に長く留まるので環境への悪影響が大きく、また、削れた廃発泡ポリスチレンの粒子が飛散して公害問題となることもある。したがって、地球環境の保護や天然資源の枯渇を防ぐ目的で、廃発泡ポリスチレンも再利用の対象となっている。回収された廃発泡ポリスチレンは、熱処理によって加熱収縮され、原料として再利用されているが、熱処理によって加熱収縮されたポリスチレンは、加熱処理の結果として物性が低下するので、再利用が限定的になるという問題があった。また、廃発泡ポリスチレンは、その体積の98%以上を空気が占めており、かさばるので、回収するにもコストがかかり、集積した場合も場所をとるという問題があった。
【0003】
そこで、グリコールエーテル系化合物や脂肪酸ジアルキルエステル系化合物等の減容剤を用いて、廃発泡ポリスチレンの容積を減少させて回収する方法が開発されている。減容剤と共に回収された廃発泡ポリスチレンは、工場や集積所において、ポリスチレンが熱分解しない程度の温度で蒸留し、減容剤とポリスチレンとに分離した上で、ポリスチレン成形品の原料として再利用される。
【0004】
しかし、従来の廃発泡ポリスチレンの減容、回収、再利用方法においては、グリコールエーテル系化合物等の減容剤は、廃発泡ポリスチレンを再生して得られる再生品中に含まれる不純物になり、再生品の物性に影響することや、減容剤自体が高価であることから、減容剤とポリスチレンとを分離して減容剤を回収する必要があり、また、減容剤を分離する際に蒸留等の処理が必要となり、処理の手間がかかることや処理コストが高いという問題が生じていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題を解決することを目的とする。すなわち、廃発泡ポリスチレンを減容させて回収した廃発泡ポリスチレンと減容剤とを分離することなく再利用した処理液を利用した複合材料を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段である本発明は、廃発泡ポリスチレン(A)と、一般式(2)で示されるビニル系モノマー(B)と、架橋剤(C)と、骨材(D)と、充填材(E)とを含有してなり、
前記架橋剤(C)の含有量が、前記廃発泡ポリスチレン(A)、前記ビニル系モノマー(B)及び前記架橋剤(C)との合計(A+B+C)に対して、0〜10質量部であり、
前記廃発泡ポリスチレン(A)と、前記ビニル系モノマーと(B)、前記架橋剤(C)との合計量(A+B+C)が、前記廃発泡ポリスチレン(A)と、前記ビニル系モノマー(B)と、前記架橋剤(C)と、前記骨材(D)と、前記充填材(E)との合計量(A+B+C+D+E)に対して、15〜25質量%であり、かつ前記廃発泡ポリスチレン (A) 及び一般式(2)で示される前記ビニル系モノマー (B) を有する前記廃発泡ポリスチレン処理液と、前記架橋剤 (C) と、前記骨材( D )と、前記充填材 (E) とを混合した混合物を硬化させてなることを特徴とする複合材料である。
【化2】
Figure 0004061230
(前記一般式(2)において、Rは、水素原子又は炭素数1〜3の低級アルキル基を、また、Rは、水素原子、炭素数1〜3の低級アルキル基を示す。)
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明における処理方法は、スチレン系モノマーを除くビニル系モノマー(以下、ビニル系モノマーと称す。)に廃発泡ポリスチレンを溶解させる工程を含む。本発明の廃発泡ポリスチレン処理液は、スチレン系モノマーを除くビニル系モノマーと廃発泡ポリスチレンとを有する。本発明の複合材料は、廃発泡ポリスチレン処理液と骨材とを混合した混合物を硬化させてなる。
【0009】
本発明において使用することができる廃発泡ポリスチレンは、梱包材、緩衝材、食品トレー、インスタント食品容器、断熱材や保温材、防音材等の各種用途に用いられた後に、一般家庭、小売店、会社、建物の解体現場等から廃棄された発泡ポリスチレンに加えて、発泡ポリスチレン容器の製造工場等において容器成形等の際に生じ、未使用のまま廃棄される発泡ポリスチレン片等を含むことができ、廃棄される発泡ポリスチレンである限り、使用済み及び未使用のいずれを問わず、また、完成品、分解品、及び破砕品の形態のいずれを問わず、再利用の必要のある廃発泡ポリスチレンを好適に使用することができる。さらに、この発明における廃発泡ポリスチレンは、ビーズ法により成形された発泡ポリスチレン、及び押出法により成形された発泡ポリスチレン等のように、その製造方法を問わず、いずれの製造方法によって得られた発泡ポリスチレンをも含む。また、その形状についても制限はなく、シート状、特定形状及び不特定形状の塊状であってもよい。
【0010】
前記ビニル系モノマーとして、スチレン系モノマーを除くところの各種のビニル系モノマーを挙げることができ、特に、以下の一般式に示すビニル系モノマーを好適例として挙げることができる。
【0011】
【化1】
Figure 0004061230
【0012】
なお、一般式(1)において、Rは、水素原子、低級アルキル基(−R)、カルボキシル基(−COOH)、低級アルキルオキシカルボニル基(−COOR)、ニトリル基(−CN)、ハロゲン原子、イソシアナート基、低級アルキルカルボニルオキシ基(−OCOR)、低級アルコキシ基(−OR)、ホルミル基、並びにビニル基を示す。Rは、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシカルボニル基、ニトリル基を示す。前記R及びRは同一であっても異なっていても良い。
【0013】
一般式(1)で示されるビニル系モノマーの中でも、取扱いと言う観点からすると、常温で液体であるビニル系モノマーが好ましく、このようなビニル系モノマーとして、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のメタクリル酸系モノマー、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸系モノマー、アクリロニトリル、酢酸ビニル等を挙げることができる。
【0014】
また、好適なビニル系モノマーをさらに一般式(2)で示すことができる。
【0015】
【化2】
Figure 0004061230
【0016】
前記一般式(2)において、Rは、水素原子又は炭素数1〜3の低級アルキル基を、また、Rは、水素原子、炭素数1〜3の低級アルキル基を示す。
【0017】
前記ビニル系モノマーは、その一種を単独で使用することもでき、また、二種以上を併用することができる。
【0018】
前記ビニル系モノマーは、有機溶剤と混合することにより、換言すれば、有機溶剤で希釈して使用することができる。前記有機溶剤としては、取扱いの容易性と言う観点からすると、引火点の高い溶剤が好ましく、引火点が100℃以上のグリコールエーテル類が特に好ましい。また、廃発泡ポリスチレン(以下、EPSと省略する場合あり)を溶解以前、及び溶解中にビニル系モノマーが重合してしまうことを防止する目的で、このビニル系モノマーには、例えば、p−t−ブチルカテコール等の重合禁止剤や酸化防止剤と混合されていても良い。ビニル系モノマーは、廃発泡ポリスチレンの減容剤として機能すると共に、廃発泡ポリスチレンを利用して複合材料を作る場合には、複合材料の結合材として機能することとなる。また、本発明におけるビニル系モノマーは、スチレン系モノマーを除くので、分子容の高い芳香環を含有していないため、この発明におけるビニル系モノマーを使用すると、重合反応の制御が容易であり、また、廃発泡ポリスチレン処理液を硬化させて得られる複合材料は、時間の経過によっても収縮が生じにくいという利点を有する。
【0019】
ビニル系モノマーへの廃発泡ポリスチレンの溶解処理は、ビニル系モノマー中に廃発泡ポリスチレンを投入することにより行われる。廃発泡ポリスチレン溶解時のビニル系モノマーの温度は、5〜80℃であることが好ましい、また、温度範囲は、25〜70℃であることが特に好ましい。特に、迅速に溶解させたい場合は、50℃以上で行うことが好ましい。
【0020】
ビニル系モノマーに溶解する廃発泡ポリスチレン量は、特に制限はないが、廃発泡ポリスチレン処理液を用いて複合材料を形成する場合には、前記廃発泡ポリスチレン処理液全量に対する廃発泡ポリスチレン量が10〜40質量%であることが好ましい。30〜40質量%であることが特に好ましい。前記廃発泡ポリスチレン処理液全量に対する廃発泡ポリスチレン量が40質量%以下であると、廃発泡ポリスチレン処理液と骨材と必要に応じて添加される充填材及び/又は架橋剤とを混ぜる場合に撹拌がしやすく、また、廃発泡ポリスチレン処理液と骨材等とを混ぜた混合物を型枠で成形する場合に混合物にある程度の流動性が得られるので好ましい。廃発泡ポリスチレン処理液全量に対する廃発泡ポリスチレンが40質量%以下であるときは、JIS K 6901のブルックフィールド形粘度計法に従った、20℃、50%(RH)条件における混合溶液粘度は、約10mPa・s以下となる。
【0021】
また、前記混合溶液全量に対する廃発泡ポリスチレン量が10質量%以上であると、廃発泡ポリスチレンの減容率が約95体積%以上の高い値となり、廃発泡ポリスチレンの回収コストを低減できるので好ましい。ここで、メタクリル酸メチル(以下、MMAと称することがある。)に対する廃発泡ポリスチレンの減容率は以下の式で表される。なお、MMA以外のビニル系モノマーを使用する場合は、MMAの全体積の代わりにビニル系モノマーの全体積を以下の式に当てはめるのがよい。
【0022】
【数1】
Figure 0004061230
【0023】
廃発泡ポリスチレンをビニル系モノマー中に溶解する工程は、廃発泡ポリスチレンをそのままの形で回収し、一箇所に集積させた後に、ビニル系モノマーを貯留する大型の槽、すなわち、ビニル系モノマー槽に、回収した廃発泡ポリスチレンを投入することにより行うこともできるが、ビニル系モノマーを入れた貯槽を備えた廃発泡ポリスチレン回収車によって、廃発泡ポリスチレン回収作業時に行うこともできる。廃発泡ポリスチレンを回収しながら、ビニル系モノマーに溶解させる方が、一度に多くの廃発泡ポリスチレン材を回収することができ、回収コストを低減できるので好ましい。なお、廃発泡ポリスチレン回収車によって回収されたビニル系モノマーと廃発泡ポリスチレンとの混合溶液は、回収車毎に廃発泡ポリスチレンの溶解量が異なるので、MMA等のビニル系モノマーをさらに添加することにより、廃発泡ポリスチレンの溶解量の調整を行うことができる。
【0024】
回収した廃発泡ポリスチレンは、ビニル系モノマー槽に投入する前に粉砕して、溶解しやすくすることが望ましい。または、廃発泡ポリスチレン回収車に廃発泡ポリスチレン粉砕装置を設けることが好ましい。また、ビニル系モノマー槽及び廃発泡ポリスチレン回収車に備えられた貯槽には、ビニル系モノマーを加温するための加温装置及び撹拌装置が設けられる。加温によって蒸発したビニル系モノマーは、冷却後回収され、再度利用することができる。
【0025】
廃発泡ポリスチレンをビニル系モノマーに溶解させた廃発泡ポリスチレン処理液は、廃発泡ポリスチレン自体が嵩ばってしまうなどの理由から一度に大量に輸送するのが困難であるという問題を一挙に解決して、廃発泡ポリスチレンを実質的に効率よく移送し、かつ、保管することができるという特長を有する。
【0026】
この廃発泡ポリスチレン処理液は、新たなポリスチレン成形品の原料として再利用することができる。廃発泡ポリスチレン処理液は、ポリスチレンとビニル系モノマーとを含有しているので、ポリスチレン製品成形時に不純物となる成分が含まれていず、従って、従来におけるような減容剤を分離する必要がなく、分離するコスト分のコスト低減を図ることができる。
【0027】
さらに、廃発泡ポリスチレン処理液と、骨材等とを混合した混合物を硬化させることにより、強化された複合材料が得られる。この複合材料は、骨材の種類を選択することにより、いろいろな機能が付与されるので、様々な用途に利用することができる。
【0028】
例えば、細骨材及び粗骨材を選択することにより、コンクリート材料に必要とされる強度を有する複合材料が得られ、木片、木材チップ、木毛、植物繊維、もみがら、プラスチック粒、プラスチック片、プラスチックチップ等の有機骨材を選択することによって、保温性、断熱性に優れた複合材料が得られ、また、不燃性の骨材を選択することによって、難燃性の複合材料が得られる。このため、本発明の複合材料は、構造材料、断熱材料、保温材料、難燃材料等の様々な用途に使用することができる。
【0029】
前記骨材としては、砂、砂利、砕石、砕砂等の無機骨材、スラグ骨材等の工業副産物の骨材、木片、木材チップ、木毛、植物繊維、もみがら、プラスチック粒、プラスチック片、プラスチックチップ等の有機骨材、ケイ砂、再生骨材、及びこれらの混合骨材を挙げることができる。前記骨材は、用途に応じて、細骨材及び粗骨材が組み合わされ、複数の骨材の種類が選択される。使用する骨材の寸法については、特に制限がなく、粗骨材、細骨材のいずれも使用することができる。植物繊維や木片等の不定形の骨材は、大きさをそろえて、複合材料中に均一に分散させるのが好ましい。
【0030】
また、これらの骨材として廃材を利用することができる。例えば、道路工事において生ずる廃アスファルト、建物の解体時に生ずる廃コンクリート、廃木材、廃セッコウボード、排煙脱硫の副生物である排煙脱硫セッコウ、家庭や工場から廃棄されるゴミに含まれる廃プラスチック等が利用できる。廃材を骨材として使用することによって、家庭や工場等から排出される廃棄物の有効利用を図ることができ、また、産業廃棄物や一般廃棄物の量を減らす効果がある。
【0031】
結合材として作用する廃発泡ポリスチレン処理液に対する骨材の混合割合は、特に制限はないが、結合材:骨材が質量比で1:0.1〜1:10であるのが好ましい。また、この複合材料は、骨材を全く加えずに硬化させて使用することも可能である。
【0032】
廃発泡ポリスチレン処理液と骨材との混合は、公知の練混ぜ装置、混合装置を用いて行うことができる。
【0033】
さらに、本発明の複合材料の機能を害さない範囲において、前記廃発泡ポリスチレン処理液と骨材との混合物に充填材を加えることもできる。前記充填材としては、例えば、無機の粉状充填材を挙げることができる。無機の粉状充填材としては、炭酸カルシウム、シリカ、クレー、タルク、水酸化アルミニウム、セメント、セッコウ等を挙げることができる。これらの不燃性物を充填材として使用することによって、複合材料を難燃化させることができる。特に、セッコウを使用することによって、軽量で断熱性、防音性のある複合材料を作ることができる。また酸化チタン等の光触媒材料も充填材として使用することができる。中でも繊維状酸化チタンが望ましい。光触媒材料を本発明の複合材料に適用することによって、複合材料表面に防汚効果が付与される。これらの充填材は、単独でも、二種以上を混合して添加しても良い。また、これらの充填材も、廃材を利用することができる。充填材は、ほとんど含水していないものが望ましい。
【0034】
充填材の粒形、粒子径、粒度分布等は、特に制限しないが、平均粒子径が0.1μm〜1000μmのものが、一般に用いられる。
【0035】
結合材である廃発泡ポリスチレン処理液に対する充填材の配合割合は、特に制限はないが、結合材:充填材が質量比で1:0〜1:2の割合であるのが好ましい。
【0036】
さらに、前記混合物を硬化させる目的で、通常、硬化剤が添加される。硬化剤として、重合を開始させる開始剤と、重合を促進する促進剤とが用いられる。開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、フタル酸ジシクロヘキシル及びこれらの混合物等を挙げることができる。
【0037】
促進剤としては、例えば、ナフテン酸コバルト、オクテン酸コバルト、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチルアニリン等の第三級アミンを挙げることができる。
【0038】
硬化剤の使用量は、硬化温度によっても異なるが、一般に、結合材100質量部に対してそれぞれ、0.1〜5質量部である。また、本発明の複合材料を常温で硬化させる場合には、複合材料の可使時間が20〜60min程度になるように、硬化剤の種類及び使用量を決定することが好ましい。
【0039】
その他にも、架橋剤、着色剤、発泡剤等を前記混合物に添加することができる。架橋剤としては、例えば、三官能性モノマーであるトリメチロールプロパントリメタクリレート(以下、TMPTMAと称す。)を使用することができる。架橋剤を添加することによって、複合材料の可使時間の調節や、複合材料の強度を高めることができる。
【0040】
廃発泡ポリスチレン処理液に対する架橋剤の配合量は、質量比で100:0〜90:10であることが好ましく、特に、95:5以下であることが好ましい。また、廃発泡ポリスチレン処理液に含まれるMMAに対する架橋剤の配合量は、質量比で100:0〜100:16であることが好ましく、特に、100:7.5以下であることが好ましい。
【0041】
本発明における複合材料がプレキャスト成形品である場合は、プレキャスト成形品の製造工場において、廃発泡ポリスチレン処理液と骨材との練混ぜが行われるが、工場の床や道路舗装のように複合材料が建設現場で成形される場合は、建設現場において前記処理液と骨材との練混ぜを行うこともできる。さらに、場合によっては、混合物に充填材、開始剤、促進剤、及び架橋剤が添加される。場合によっては、練混ぜを行いながら、加熱又は冷却も行うことができる。
【0042】
廃発泡ポリスチレン処理液と骨材等との混合物は、混合後、注形、振動成形、遠心成形、圧縮成形、押出成形等の各種成形方法で成形される。成形方法は、複合材料の形状、寸法、生産量等によって適宜決定される。また、型枠を使って打ち込むときは、型枠に適当なシリコーン等の離型剤を塗布することもできる。混合物の硬化は、常温硬化法及び加熱硬化法を採用することができる。さらに、本発明によってMMAを用いる場合は、-25〜-20℃の低温で硬化させることもできる。常温硬化法は、主に現場で打込みを行う場合に採用される。加熱硬化法は、迅速に硬化させたい場合や圧縮成形及び押出成形の場合に適用される。
【0043】
【実施例】
(廃発泡ポリスチレン処理液の調製)
恒温水槽の中で70℃に加温したMMA中に、廃発泡ポリスチレン(EPS)の模擬品として、JIS A 9511に規定するビーズ法発泡ポリスチレンの「保温板4号」(密度、17kg/m)を溶解した。前記EPSを適当な大きさに切断してから、MMA中に投入して溶解させ、EPS:MMA=3:7(質量比)の廃発泡ポリスチレン処理液を調製した。
【0044】
(複合材料の調製)
前記廃発泡ポリスチレン処理液に、架橋剤としてトリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)を、開始剤として50%の過酸化ベンゾイルを含むフタル酸ジシクロヘキシル(BPO)を、促進剤としてN,N−ジメチルアニリン(DMA)を、さらに、カップリング剤としてγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(silane)を表1に示す配合で添加したものを供試結合材とした。この供試結合材に、細骨材として粒子径0.70〜1.17mmのケイ砂(No.4)および0.05〜0.21mmのケイ砂(No.7)を、充填材として粒子径2.5×10−3mm未満の重質炭酸カルシウムを表2に示す配合で添加し、供試ポリマーモルタルを製造した。このようにして得られた混合物を寸法40×40×160mmの型枠に入れた後、次の2種類の養生法によって供試体を作製した。▲1▼乾燥養生―20℃、60%(RH)で24時間養生、▲2▼乾燥+加熱養生―20℃、60%(RH)で24時間養生した後、100℃に加熱して3時間養生、の2種類の養生を行った。
【0045】
【表1】
Figure 0004061230
【0046】
【表2】
Figure 0004061230
【0047】
(フロー試験およびワーカビリティー評価)
供試ポリマーモルタルのフロー試験は、JIS R 5201(セメントの物理試験方法)の11(フロー試験)に準じて行った。また、供試ポリマーモルタルの練混ぜ性、流動性、型枠への打込容易性および表面仕上容易性については、4段階の評価をして、その総合点からワーカビリティーを評価した。(評点4:優、評点3:良、評点2:可、評点1:不可、として採点した。)
フロー試験結果を図1に、また、ワーカビリティー試験結果を図2に示す。
【0048】
(可使時間の測定)
可使時間の測定は、JIS A 1186(ポリエステルレジンコンクリートの可使時間の測定方法)の4.3触感法に準じて行った。可使時間の測定結果を図3に示す。
【0049】
(曲げおよび圧縮強さ試験)
曲げおよび圧縮強さ試験は、JIS A 1184(ポリエステルレジンコンクリートの曲げ強度試験方法)およびJIS A 1183(はりの折片によるポリエステルレジンコンクリートの圧縮強度試験方法)に準じて行った。強さ試験結果を図4および図5に示す。
【0050】
図1および図2に示すように、TMPTMA添加率にかかわらず、供試ポリマーモルタルの流動性は、結合材量に比例して向上し、さらに、ワーカビリティーも向上する。また、図3に示すように、結合材量にかかわらず、供試ポリマーモルタルの可使時間は、TMPTMA添加率0〜10%の範囲では、TMPTMA添加率に比例し、20〜50minの可使時間が確保される。さらに、図4および図5に示すように、結合材量の割合が15〜25%の範囲内であって、TM−PTMA添加率が0〜10%の範囲内であれば、得られた供試体の曲げ強さは、最低でも25MPaを与え、その圧縮強さは、最低でも100MPaを発現する。
【0051】
したがって、本発明によって、作業性を向上させることができ、硬化に要する時間を短縮することができ、高強さの複合材料を製造することができる。
【0052】
本発明における複合材料は、様々な用途に使用することができる。例えば、強度のある複合材料は、建材として使用することができる。その他にも、建築用断熱材や永久型枠、断熱型枠、高速道路用防音壁等に用いることができる。
【0053】
【発明の効果】
本発明における廃発泡ポリスチレンの処理方法によって、かさが大きく、回収や保管が困難な廃発泡ポリスチレンを減容させて回収、貯蔵することができる。
【0054】
また、本発明における廃発泡ポリスチレン処理液は、減容剤としてビニル系モノマーが用いられるので、特に、ビニル系モノマーを分離しなくとも、そのままポリスチレン再生原料として用いることができるので、従来は必要であった減容剤の分離、回収工程を省略することができる。
【0055】
しかも、溶媒としてビニル系モノマーを用いることによって、前記廃発泡ポリスチレン処理液の流動性が良くなり、しかも、混合物が硬化するのに要する時間が短縮できるので、作業性および生産性を向上することが可能となる。
【0056】
さらに、廃発泡ポリスチレンをMMAに溶解した処理液と骨材等と混合し、硬化させることによって、廃発泡ポリスチレン濃度に左右されない物性を有し、かつ、様々な用途に使用できる複合材料を得ることができる。
【0057】
また、本発明の複合材料は、結合材に廃発泡ポリスチレンを使用し、骨材や充填材に廃材を利用することができるので、製造コストを低くすることができる。
【0058】
また、骨材の種類や廃発泡ポリスチレンの量を選択することによって、強度、断熱性、防音性等の物性に優れた複合材料を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、EPS溶液を用いたポリマーモルタルのフローと結合材量との関係を示す図である。
【図2】 図2は、EPS溶液を用いたポリマーモルタルのワーカビリティーと結合材量との関係を示す図である。
【図3】 図3は、EPS溶液を用いたポリマーモルタルの可使時間とTMPTMA添加率との関係を示す図である。
【図4】 図4は、本発明で得られた供試体の曲げ強さ、結合材量およびTMPTMA添加率の関係を示す図である。
【図5】 図5は、本発明で得られた供試体の圧縮強さ、結合材量およびTMPTMA添加率の関係を示す図である。

Claims (1)

  1. 廃発泡ポリスチレン(A)と、一般式(2)で示されるビニル系モノマー(B)と、架橋剤(C)と、骨材(D)と、充填材(E)とを含有してなり、
    前記架橋剤(C)の含有量が、前記廃発泡ポリスチレン(A)、前記ビニル系モノマー(B)及び前記架橋剤(C)との合計(A+B+C)に対して、0〜10質量部であり、
    前記廃発泡ポリスチレン(A)と、前記ビニル系モノマーと(B)、前記架橋剤(C)との合計量(A+B+C)が、前記廃発泡ポリスチレン(A)と、前記ビニル系モノマー(B)と、前記架橋剤(C)と、前記骨材(D)と、前記充填材(E)との合計量(A+B+C+D+E)に対して、15〜25質量%であり、かつ前記廃発泡ポリスチレン (A) 及び一般式(2)で示される前記ビニル系モノマー (B) を有する前記廃発泡ポリスチレン処理液と、前記架橋剤 (C) と、前記骨材( D )と、前記充填材 (E) とを混合した混合物を硬化させてなることを特徴とする複合材料。
    Figure 0004061230
    (前記一般式(2)において、Rは、水素原子又は炭素数1〜3の低級アルキル基を、また、Rは、水素原子、炭素数1〜3の低級アルキル基を示す。)
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