JP2004329509A - メダル貸出装置 - Google Patents
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Abstract
本発明の第2の目的は、自動的に供給されるメダル収納容器を案内・保持する装置によって幼児が怪我をしないようにすることを目的とする。
本発明の第3の目的は、自動的に供給されるメダル収納容器を所定の位置に案内・保持する装置を小型にすることを目的とする。
【解決手段】払い出し信号に基づいてメダルを収納するバケット型容器を一個ずつ下方の払出部に落下させる容器供給装置、前記払出部に供給された前記容器に前記メダルを払い出すメダル払出装置、前記払出部に落下する容器をはさんで向かい合わせに容器と接する凹状の保持面を有し、かつ、互いに近づく方向に付勢される一対のホルダを配置したメダル貸出装置である。
【選択図】図6
Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、受け入れた価値媒体に基づいて所定数のメダルを貸し出すメダル貸出装置に関する。
特に、払い出したメダルを容器に収納して貸し出すメダル貸出装置に関する。
なお、本明細書で使用する「メダル」は、ゲーム機用のメダル、トークン、代用コイン等の遊技媒体の総称である。
以下、ゲーム機のメダル貸出装置を例として説明する。
【0002】
【従来の技術】
メダルの収納容器を自動的に払出部に自由落下させ、その容器に投入金額に対応する所定数のメダルを自動的に払い出して貸し出す装置が知られている(例えば、特許文献1参照、)。
また、カップ式飲料自動販売機において、飲料を入れる容器を所定の位置に案内するため、一対の樋形のシュートを用いることが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特許第2860818号(第2頁、第1―2図)
【特許文献2】
特公昭58−46755号(第2―3頁、第1―2図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1の技術において、メダルを収納する容器は自動的に払出部に自由落下される。
この場合、容器が払出部の底に当接した反動によって、跳ね飛んで最終的な落下位置が一定しないため、払い出されたメダルが容器に収納されないことがある。
【0005】
特許文献2において、一対のシュートによって下すぼまりのガイドを構成し、落下する容器がこれらシュートに案内されて所定の位置に達する。
その位置で容器に所定量の飲料を供給した後、購入者が容器の下部を掴んで引き出すことにより、弾性的に付勢されているシュートを容器上部で移動させて取り出すものである。
前記シュートは、衛生等の観点からステンレスの薄板材の組み合わせにより構成される。
【0006】
特許文献1における問題を解消するため、ゲーム機のメダル貸出装置に特許文献2に開示されるシュートを装着することが考えられる。
この構成において、メダルが容器からこぼれた場合、シュートよりも奥に位置することがある。
この場合、シュートと払出部の壁面との間に手や指を押し込まなければメダルを取り出すことができない。
このため、シュートエッジに手や指が強く押し付けられることがあるため、シュートのエッジに丸みを持たせたとしても、利用者が怪我をする懸念がある。
【0007】
また、ゲーム場におけるメダル貸出装置は補助的装置であるため、その小型化が求められる。
さらに、容器を自動的に補給する場合、補給作業を減らすため容器のストック量を多くすることが求められる。
そのため、容器供給部からメダル払出部間の可及的に短い経路で容器を所定の位置に案内し、かつ、姿勢を安定保持することが求められる。
しかし、特許文献2に開示される技術は比較的に長いシュートによって案内されるので、メダル貸出装置の高さが高くなってしまうものであった。
【0008】
本発明の第1の目的は、自動的に供給されるメダル収納容器を所定の位置に案内・保持することを目的とする。
本発明の第2の目的は、自動的に供給されるメダル収納容器を案内・保持する装置によって利用者が怪我をしないようにすることを目的とする。
本発明の第3の目的は、自動的に供給されるメダル収納容器を所定の位置に案内・保持する装置を小型にすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明にかかるメダル貸出装置は以下のように構成されている。
払い出し信号に基づいてメダルを収納するバケット型容器を一個ずつ下方の払出部に落下させる容器供給装置、前記払出部に供給された前記容器に前記メダルを払い出すメダル払出装置、前記払出部に落下する容器をはさんで向かい合わせに容器と接する凹状の保持面を有し、かつ、互いに近づく方向に付勢される一対のホルダを配置したメダル貸出装置である。
【0010】
この構成において、積み上げられたバケット型容器のうち最下の容器が容器供給装置によって、落下される。
落下した容器は、一対のホルダの凹状の保持面間に落下し、払出部の底に達する前に保持面に当接する。
保持面、したがってホルダは、弾性的に後退し、容器の落下エネルギーを吸収する。
換言すれば、容器が払出部の底に当接する際の衝撃が緩和される。
【0011】
また、容器を一対のホルダで両サイドから挟むので容器の落下位置がずれていても、両側から凹状の保持面に案内されるので、容器は両保持面に対して一定の位置に案内される。
換言すれば、保持面は弾性的に移動可能であり、その弾性により復元力があるため、ホルダによって挟まれた容器は、その復元力が釣り合うところまで移動される。
結果として、容器は毎回ほぼ一定位置に案内・保持されるので払い出されるメダルが確実に容器に収納される。
【0012】
本発明は、前記ホルダが凹状の保持面の両端部に位置する矯正部、両矯正部並び前記保持面から外方及び上方へ向かって伸びる案内面を有することが好ましい。
この構成において、バッケット型の容器が取出口の方向に傾いて落下した場合、両サイドの矯正部が容器の側壁に当接する。
矯正部と接した容器は、その接点を支点に回動しつつ落下しするため、反対側の矯正部側に移動し、両ホルダの凹部に囲まれた保持部に水平になるよう案内される。
また、容器が左右に傾いて落下した場合、その底部と側壁とのコーナーが外方及び上方へ向かって伸びる案内面によって案内されるため、容器が保持部に水平になるよう案内される。
結果として、容器は、落下姿勢が傾いていたり、所定の位置からずれていても確実に所定の位置に案内保持される。
また、ホルダは矯正部及び案内面とも全て面で構成されるため、板状の端面が露出しないので、手、指を強く押し付けても怪我をしない利点がある。
【0013】
本発明は、前記払出部が側壁の一面を解放して取出口を形成し、かつ、他の三側壁が壁面で囲まれたボックス状であり、前記取出口に続く両側壁にホルダ開口がそれぞれ開口され、前記ホルダ開口から払出部に向けてホルダがそれぞれ突出配置されていることが好ましい。
この構成において、払出部はボックス状であり、その左右側面のホルダ開口からホルダが払出部に突出している。
このため、払出部には板状の端部が位置しないので、手、指を強く押し付けても怪我をすることがない。
【0014】
本発明は、さらに、払出部の容器の有無を検出する容器検出装置、前記容器検出装置の容器有り信号に基づいて前記メダル払出装置を起動する払出指示装置、前記メダル払出装置からの払い出し数をカウントするカウンタ、前記カウンタが所定量のメダルを検出したとき、払出装置の停止信号を出力する停止装置を有することが好ましい。
この構成により、払出部の所定位置に自動的に供給された容器を容器検出装置が検出し、その検出信号に基づいてメダル払出装置が起動されてメダルが容器に払いだされる。
払い出されたメダルが所定数になるとカウンタから停止信号が出力される。
この停止信号により、メダル払出装置が停止され、メダルの払出が停止される。結果として、容器の払出及びメダルの払出が全て自動で行われるため、利用者の利便性がよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は、実施例のメダル貸出装置の概要図である。
図2は、実施例のメダル貸出装置に用いる容器供給装置の斜視図である。
図3は、実施例の容器ホルダの斜視図である。
図4は、実施例の容器ホルダの平面図である。
図5は、実施例の待機状態の容器ホルダの正面図である。
図6は、実施例のホールド状態の容器ホルダの正面図である。
図7は、実施例の制御ブロック図である。
図8は、実施例の作動説明用のフローチャートである。
【0016】
図1において、メダル貸出装置10は、その箱型の筐体12内に紙幣識別受入装置14、硬貨識別受入装置16、メダル払出装置18、メダル収納容器20の容器供給装置22、前記容器20及びメダルの払出部24、表示装置26、操作ボード28および制御装置30を含んでいる。
【0017】
紙幣識別受入装置14は、受入口32に挿入された紙幣の真偽を判別し、偽紙幣の場合返却し、真紙幣の場合、紙幣の金種を制御装置30に出力すると共に収納部(図示せず)に収納する。
硬貨識別受入装置16は、投入口34に投入された硬貨の真偽を判別し、偽硬貨の場合返却し、真硬貨の場合硬貨の金種を制御装置30に出力すると共に収納部(図示せず)に収納する。
【0018】
貨幣の受入装置として、金額情報を記憶している磁気カードやICカードの読み込み書き込み装置を用いることができる。
また、前記貨幣の受け入れ装置を適宜組み合わせて装着してもよい。
メダル払出装置18は、払出信号に基づいてメダルを一つずつ区分けして払い出す機能を有している。
メダル払出装置18は、例えば実用新案登録第2538531号に開示された所謂コインホッパーが使用される。
このコインホッパーは、払い出したメダルのカウントのためのセンサを有しているので好ましい。
また、メダルの払出を迅速に行うため、メダル払出装置を複数配置することができる。
【0019】
容器供給装置22は、供給信号に基づいてメダルを収納するバケット型のメダル収納容器20を自動的に一つずつ払出部24に供給する機能を有している。
このため、容器20が積み重ねられた容器保留部36と、その積み重ねられた最下の容器20を区分けし、払出部24へ落下させる分離部38とを有する。
分離部38は、図2に示すように、モータ39からギヤ42を介して回転される複数のカム44の上面で容器20の鍔46の下面を水平に支え、螺旋状のカムで最下の容器20の鍔46の上面を押し下げることにより、バケット型の側壁の外周面と内周面との間の摩擦力により保持されている最下の容器20を分離し、自由落下させる。
【0020】
払出部24において、容器供給装置22から供給された容器20が所定位置に保持され、メダル払出装置18から払い出されたメダルがその容器20に供給される。
払出部24は、取出口である前面開口46と上面開口48を有し、左側壁50、右側壁52及び後側壁54によって囲われ、かつ、底壁56を有するボックス58である。
分離部38の直下に上面開口48が位置し、前面開口46はメダル貸出装置10の前面に位置している。
【0021】
底壁56は、前面開口46側が低い下底壁56Lと、後側壁54側が高い上底壁56Uとよりなる段付き底になっている。
これにより、後述のホルダによって所定位置に保持された容器20の前面開口46側の底と下底壁56Lとの間に指一本以上の隙間が形成され、容器20を取り出す場合、親指を鍔46にかけ、その他の指を容器20の底にあてがって引き出すことができる。
図4に示すように、左右側壁50、52の上下方向の中間及び前後方向においてやや後ろ側に矩形状の左ホルダ開口60及び右ホルダ開口62が形成されている。
これら左右ホルダ開口60及び62に対応して左ホルダ装置64、右ホルダ装置66が配置されている。
【0022】
左ホルダ装置64と右ホルダ装置66は、対象に構成されているので、主に左ホルダ装置64を参照して説明し、右ホルダ装置64の対応部品には同一数字にRを付して説明を省略する。
左ホルダ装置64は、ホルダ68L、ベース70L、付勢装置72L及び位置調整装置74Lを含んでいる。
図4に示すように、ホルダ68Lは、水平方向に所定の間隔で配置した矯正部76L、78L、両矯正部間を外方に向かって膨らむ円弧で結んだ凹状の保持面80L、それら矯正部76L、保持面80L及び矯正部78Lから上方及び外方に向かって伸びる案内面82Lとを有し、それらは滑らかな曲面で結ばれ、図3に示すように上下方向に伸びる凹部84Lを有する凸部86Lである。
なお、外方及び上下方向は、払出部24を構成するボックス58の中央部に対する相対的な位置である。
【0023】
したがって、ホルダ68Lは、樹脂によって一体成型するのがよい。
矯正部76Lと78Lの間隔は、容器20を所定位置に保持している状態において、容器20の周長の約6分の1程度がよい。
この場合、容器20を外側から囲う量が少なく、容器20を取り出す際の邪魔にならないと共に、ホルダ68L及び68Rの移動量が小さいため、付勢装置72L、72Rの押力に基づく取り出し抵抗が小さいため、容器20の取り出しが容易である。
凸部86Lの周囲のフランジ88Lは、垂直方向に伸びる矩形状のベース70Lに固定してある。
【0024】
ベース70Lは左ホルダ開口60よりも大きく、左側壁50に固定したブラケット90Lに固定した水平のシャフト92Lにその上端部がピボット可能に取り付けられ、シャフト92Lに巻き付けた付勢装置72Lであるスプリングにより凸部86Lが払出部24に突出するよう付勢されている。
次に位置調整装置74Lを説明する。
ベース70Lの下端部中央に調整スクリュウ94Lがねじ込まれ、ロックナット96Lによりロックされている。
【0025】
したがって、通常、ベース70Lは付勢装置72Lによって図5において反時計方向に付勢され、調整スクリュウ94Lの先端が左側壁50に係止されることにより、待機位置(図5における実線位置)に位置している。
この状態において、左ホルダ開口60は凸部86Lがそのほとんどを占めており、
凸部86Lと左ホルダ開口60の隙間は、幼児の指よりも狭く設定されているので、幼児がその隙間に指を挿入することができない。
調整スクリュウ94Lのねじ込み量を変更することにより、ホルダ68Lの待機位置を調整できる。
左右ホルダ68L、68Rの待機位置は、容器20の底20Bが上底壁56Uと接したとき、1ミリ程度移動するよう設定する。
【0026】
換言すれば、上底壁56Uに支持される直前にホルダ68L、68Rに容器20が支えられるため、ホルダ68L、68Rが弾性的に移動することにより、その落下速度が減速され、上底壁56Uに衝突した際の衝撃が緩和される。
右側壁52の右ホルダ装置66の上方に矩形の開口96が形成され、メダルシュート98が挿入されている。
【0027】
メダル払出装置18から払い出されたメダルは、このメダルシュート98に投げ出された後、このメダルシュート98を滑落して払出部24の容器20内に供給される。
しかし、メダル払出装置18からダイレクトに払出部24の容器20内に投出してもよい。
左側壁50の下部に投光器100、右側壁52に受光器102が固定され、払出部24における容器20の有無を検出する容器検出装置104を構成している。
このように、払出部24の下部に検出装置104を配置することにより、容器20が斜めに落下してその底20Bが上底壁56Uに接していない場合、容器20の供給異常として検出できる利点がある。
【0028】
この容器検出装置104は、容器20の有無を検出する機能を有していれば、光電式、機械式、音波式等何れの方式でもよい。
カウンタ106は、払出部24の容器20内のメダル量を検出する機能を有している。
【0029】
実施例のカウンタ106は、メダル払出装置18からメダルシュート98へ一つずつ払い出されるメダルを光学的に検出してカウンタ(制御装置30内のソフトウエアカウンタ)によってカウントする間接方式である。
このカウントは、メダル払出装置18が払い出されたメダルに基づいて信号を出力するセンサを備えている場合、そのセンサからの信号をカウント(ソフトカウンタ)することによって行われる。
【0030】
表示装置26は、利用者に対する各種メッセージを表示する機能を有し、液晶表示装置、CRT、蛍光表示管、プラズマディスプレイ等のドット表示装置等公知の表示装置である。
操作ボード28は、利用者が貨幣からメダルに両替する際、各種処理を開始させるゲイン機能を有している。
例えば、紙幣識別受入装置14および硬貨識別受入装置16に投入した貨幣によって両替を行うかどうか決定するための金額決定ボタン108である。
したがって、金額決定ボタン108は、購入可能な金額の数設定する。
例えば、1000円、2000円、3000円、5000円の金額決定ボタンが設定される。
しかし、操作ボード28は、キーボードやタッチパネル等を用いることができる。
【0031】
制御装置30は、紙幣識別受入装置14、硬貨識別受入識別装置16、操作ボード28、容器検出装置104及びカウンタ106から信号を入力して所定の演算を行い、メダル払出装置18、容器供給装置22及び表示装置26に所定の処理を行わせる。
【0032】
制御装置30は、マイクロプロセッサである。
次に、制御装置30を図7のブロック図を参照して説明する。
制御装置30は、少なくとも停止装置110と払出指示装置112を含んでいる。
本実施例の停止装置110は、ソフトウエアで構成されている。
【0033】
停止装置110は、カウンタ106からカウント信号を入力し、所定のカウント値になった場合、メダル払出装置18に払出停止信号Sを出力する。
メダル払出装置18は、この払出停止信号Sを受信した場合、メダルの払出を停止する。
また、停止装置110は、除去信号Dを出力し、表示装置26に払出部24においてフル状態にある容器20の取り出しを促す表示を行わせる。
【0034】
払出指示装置112は、容器検出装置104から払出部24における容器20の無し信号Nを受信した場合、最初に容器供給装置22を作動させて容器20を払出部24に一個供給する。
次いでメダル払出装置18を作動させてメダルを払出部24の容器20に払い出す。
【0035】
次に本実施例の作用を図8のフローチャートも参照して説明する。
稼動に先立ち、受入金額に対するメダル数が制御装置30において設定される。
例えば、1000円で100枚、2000円で200枚、3000円で350枚、5000円で800枚である。
また、容器20のフル値が300枚に設定される。
【0036】
メダルへの両替に先だって、紙幣識別受入装置14および/または硬貨識別受入装置16に貨幣が投入され、受入金額が表示装置26に表示される。
利用者は、購入希望の金額決定ボタン108を押す。
購入金額よりも受入金額が多い場合、差額を釣り銭払出口(図示せず)に払い出す。
【0037】
金額決定ボタン108が押された場合、ステップS1において、両替信号ありと判断され、ステップS2に進む。
ステップS2において、金額決定ボタン108が1000円の場合、メダルの払出枚数が100枚に設定される。
【0038】
次いで、ステップS3に進み、容器供給装置22を作動させて容器保留部36の最下の容器20を払出部24に供給する。
すなわち、最下の容器20のみが分離部38によって落下されるので、落下した容器20は、ホルダ68L及び68Rによって落下速度を減速され、かつ、案内されて払出部24の所定位置に落下する。
換言すれば、モータ39の回転によってギヤ42を介して複数のカム46が回転される。
【0039】
これにより、その周面に形成されたカム面によって最下の容器20の鍔46の上面が下方へ押し下げられるため、最下の容器20が垂直下方へ落下する。
容器20が落下する場合、その姿勢は一様ではなく、各状況において様々に傾いたり位置ズレして落下する。
例えば、容器20が垂直にホルダ68Lと68Rとの中央に落下した場合、容器20の側壁20Sが保持面80L及び80Rに接触した直後にその底20Bが上底壁56Uに支えられる。
【0040】
ホルダ68L及び68Rは、側壁20Sにより、図5の位置から図6の位置へ押される。
換言すれば、図5において、べース70Lは時計方向へ付勢装置72Lの付勢力に抗して回動され、ベース70Rは反時計方向へ付勢装置72Rの付勢力に抗して回動される。
したがって、容器20の側壁20Sは付勢装置72L及び72Rの押力に抗し、かつ、保持面80L及び80Rと摩擦しつつ落下するので、その落下速度が大幅に減速される。
【0041】
結果として、容器20の底20Bが上底壁56Uに衝突した際の衝撃は小さく、落下した際の跳ね上がり力は小さい。
また、容器20はホルダ68L及び68Rによって挟み込まれているので、容器20が跳ね上がろうとしても側壁20S及び保持面80L並びに80Rとの摩擦により跳ね上がることができずに落下した位置を保持される。
また、容器20が図4に一点鎖線で示すように前面開口46側にずれて落下した場合、前面開口46側の側壁20Sが矯正部78L及び78Rよりも前面開口46側の案内面82L、82R、保持面80L及び80Rに同時或いは時間遅れを持って接触する。
これにより、容器20は後側壁54に押し出されつつ落下する。
【0042】
換言すれば、容器20の位置は保持面80L及び80Rで保持された際のほぼ中央の上底壁56Uに着座する。
この落下途中に、前述同様ホルダ68L及び68Rは容器20によって左右に押されるので、その落下速度は前述同様減速される。
結果として、容器20は上底壁56Uから実質的に跳ね上がることなく所定の位置に保持される。
着座したときに容器20が未だ取出口46側に位置ズレしている場合、容器20は付勢装置72L及び72Rに基づくホルダ68L及び68Rの押力によって保持面80L及び80Rの凹面から後側壁54に向かう押力を受け、保持面80L及び80Rから均等に押力を受ける位置に移動することもある、
【0043】
容器20が後側壁54側にずれて落下した場合、容器20は前述と逆方向に押されつつ落下し、跳ね上がることなく所定の位置に保持される。
容器20が図4に破線で示すように、前後方向に大きく傾いて落下する場合、側壁20Sは矯正部78L及び78Rに接触し、それら矯正部78L及び78Rとの接点を支点に垂直になるように回動し、かつ、後側壁54側へ押し出されつつ落下し、上底壁56Uに着座する。
結果として、容器20は上底壁56Uから実質的に跳ね上がることなく所定の位置に保持される。
【0044】
容器20が前述と逆方向に大きく傾いて落下した場合、前述と逆に案内されて容器20は上底壁56Uから実質的に跳ね上がることなく所定の位置に保持される。
容器20が図5において一点鎖線で示すように左方向に傾いて落下した場合、その底20Bと側壁20Sのコーナーは案内面82Rに接触し、その傾斜面によって反対側のホルダ68L側に案内されつつ落下する。
さらに、側壁20Sが案内面82Rによってホルダ68L側へ押され、かつ、矯正部78L、78R及び76L、76Rによってその前後方向の位置を所定位置に保持されつつ落下する。
【0045】
この途上で容器20の側壁20Sは、ホルダ68Lの保持面80Lにも接触して案内されつつ上底壁56Uに着座する。
同時に、容器20は、ホルダ68L及び68Rを外側へ押しやるので、それにより落下速度が減速される。
結果として、容器20は上底壁56Uから実質的に跳ね上がることなく所定の位置に保持される。
【0046】
容器20が前述と逆方向に傾いて落下した場合、前述と逆に案内されて上底壁56Uから実質的に跳ね上がることなく所定の位置に保持される。
また、容器20が前後及び左右に傾いて落下する場合、前記説明した前後及び左右のホルダ68L及び68Rによるガイド機能と緩衝機能により上底壁56Uから実質的に跳ね上がることなく所定の位置に保持される。
【0047】
次にステップS4に進み、容器検出装置104からの容器20の存在信号を判定する。容器存在信号が無い場合、ステップS5に進み、容器供給装置22の作動から所定時間経過したか判断する。
ステップS5において、所定時間経過した場合、換言すれば容器供給装置22が作動した後所定時間経過しても容器20が払出部24に存在しない場合、表示装置26にエラー表示をし、全ての処理を中断する異常処理を行って待機状態になる。
【0048】
ステップS4において容器20が存在する場合、ステップS6に進みメダル払出装置18を作動させる。
これにより、メダル払出装置18は、メダルを一個ずつ区分けしてメダルシュート98に払い出す。
【0049】
メダルシュート98に落下したメダルは、メダルシュート98を滑落して払出部24の容器20内に落下する。
このメダルの払出と並行してメダル払出装置18から払出されるメダルをカウンタ106で検出してカウントし、間接的に容器20内のメダル収納量を検出する。
【0050】
次にステップS7において、前記カウント値がフル値の300と比較される。
払出メダル100枚の場合、当然300以下であるので、ステップS8に進む。
ステップS8において、ステップS2で設定された払出数100と比較される。
設定数に満たない場合、ステップS7に戻り、払出を継続する。
ステップS8において、カウントが設定数の100と一致したとき、ステップS9に進み、メダル払出装置18を停止し、払出処理が終了する。
このメダル払出装置18の停止と共に表示装置26に払出終了表示を行うことが好ましい。
【0051】
次に、3000円の金額決定ボタン108が押されたケースを説明する。
前記説明と同様に、ステップS2において、払出枚数が350枚に設定される。
したがって、払出が行われてカウンタ106のカウント値がフル値である300になった場合、停止装置110が払出停止信号Sと除去信号Dを出力し、ステップS7からステップS10に進む。
ステップS10において、この払出停止信号Sに基づいてメダル払出装置18が停止され、メダルの払出が中断される。
【0052】
次にステップS11において、除去信号Dに基づいて表示装置26に容器20の払出部24からの取り出しを促す表示を行う。
この取り出しを促す表示に代えて、もしくは並行して、音声で取り出しを促す指示を行うようにしても良い。
また、容器20の自動取出装置を別に設置して自動的にフル状態の容器20を取り出すようにしてもよい。
【0053】
次にステップS12において、容器検出装置104からの信号に基づいて払出部24における容器20の有無を判断する。
換言すれば、容器検出装置104からの容器無し信号Nによってフル容器20が取り出されたことを判断する。
ステップS12において、容器20が存在する場合、ステップS13に進み、所定時間経過したか判定される。
【0054】
ステップS13において所定時間経過した場合、異常であると判断して前述のように表示装置26にエラー表示をし、異常処理を行う。
ステップS12において容器20が無い場合、無し信号Nに基づいてステップS14に進み、表示装置26における容器20の取り出しを促す表示を終了する。
【0055】
次にステップS15に進み、設定された払出枚数350から既に払い出した300枚を減算した50枚が払出枚数として新たに設定される。
次に、ステップS3に戻り、容器供給装置22を作動させて新たな容器20を払出部24に供給する。
この場合、前述したように容器20の姿勢が傾いたり、位置がずれていてもホルダ68L及び68Rによって所定の位置に案内され、保持される。
その後、ステップS4において容器20の存在を判別した後、ステップS6においてメダル払出装置18を作動させて残りの50枚を払い出す。
ステップS8において、50枚が払出された場合、ステップS9に進み、メダル払出装置18を停止させてメダルの払出処理を終了する。
【0056】
5000円の金額決定ボタン108が押され、払出枚数が800に設定された場合、ステップS10からS15の処理が2回行われる。
すなわち、メダルの払出枚数が300枚を超える毎にステップS10からS15の処理が1回行われる。
2回目のステップS15において、残りの払出枚数が200に設定されるので、ステップS8においてカウント数が200と一致した場合ステップS9に進み、メダル払出装置18を停止し、払出処理が終了する。
【0057】
本実施例において、メダル払出装置18を停止させるステップS9、S10が停止装置110に相当する。
また、ステップS3が払出指示装置112に相当する。
これら停止装置110および払出指示装置112は、ロジック装置によって構成することができる。
【0058】
上記実施例のように、カウンタ106をメダル払出装置18から払い出されるメダルのカウンタで構成した場合、容器20のフル値をデジタルできめ細かに設定できるので、いたずらに容器の取り出し処理を増加することがないと共に毎回同一数のメダルを容器に収納することができる。
【0059】
【発明の効果】
本発明は、一対のホルダによって落下する容器は減速され、毎回ほぼ一定位置に案内・保持されるので、払い出されるメダルが確実に容器に収納される効果がある。
また、容器は、落下姿勢が傾いていても確実に所定の位置に案内保持される。
さらに、ホルダは矯正部と案内面の全てが面で構成されるため、板状の端面が露出しないので、利用者が怪我をしない利点がある。
【0060】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例のメダル貸出装置の概要図である。
【図2】図2は、実施例のメダル貸出装置に用いる容器供給装置の斜視図である。
【図3】図3は、実施例の容器ホルダの斜視図である。
【図4】図4は、実施例の容器ホルダの平面図である。
【図5】図5は、実施例の待機状態の容器ホルダの正面図である。
【図6】図6は、実施例のホールド状態の容器ホルダの正面図である。
【図7】図7は、実施例の制御ブロック図である。
【図8】図8は、実施例の作動説明用のフローチャートである。
【符号の説明】
18 メダル払出装置
20 容器
22 容器供給装置
24 払出部
46 取出口
50、54、52 側壁
60、62 ホルダ開口
68L、68R ホルダ
76L、76R、78L、78R 矯正部
80L、80R保持面
82L、82R 案内面
104 容器検出装置
106 カウンタ
110 停止装置
112 払出指示装置
N 容器有り信号
S 停止信号
Claims (4)
- 払い出し信号に基づいてメダルを収納するバケット型容器(20)を一個ずつ下方の払出部(24)に落下させる容器供給装置(22)、前記払出部(24)に供給された前記容器(20)に前記メダルを払い出すメダル払出装置(18)、前記払出部(24)に落下する容器(20)をはさんで向かい合わせに前記容器(20)と接する凹状の保持面(80L、80R)を有し、かつ、互いに近づく方向に付勢される一対のホルダ(68L、68R)を配置したメダル貸出装置。
- 前記ホルダ(68L、68R)が保持面(80L、80R)の両端部に位置する矯正部(76L、76R、78L、78R)、前記矯正部(76L、76R、78L、78R)及び前記保持面(80L、80R)から外方及び上方へ向かって伸びる案内面(82L、82R)を形成した請求項1のメダル貸出装置。
- 前記払出部(24)が側壁の一面を解放して取出口(46)を形成し、かつ、他の三面が側壁(50、54、52)で囲まれたボックス状であり、前記取出口(46)に続く両側壁にホルダ開口(60、62)がそれぞれ開口され、前記ホルダ開口(60、62)から払出部(24)に向けてホルダ(68L、68R)がそれぞれ突出配置されている請求項2のメダル貸出装置。
- さらに、払出部(24)の容器(20)の有無を検出する容器検出装置(104)、前記容器検出装置(104)の容器有り信号(N)に基づいて前記メダル払出装置(18)を起動する払出指示装置(112)、前記メダル払出装置(18)からの払い出し数をカウントするカウンタ(106)、前記カウンタ(106)が所定量のメダルを検出したとき、払出装置(18)の停止信号(S)を出力する停止装置(110)、を有する請求項1のメダル貸出装置。
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