JP2004327966A - リン酸鉄系皮膜被覆r−t−b系磁石及びその化成処理方法 - Google Patents

リン酸鉄系皮膜被覆r−t−b系磁石及びその化成処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 クロムを含有せずに良好な耐食性及び耐酸化性を有し、かつ磁石素材の熱減磁が著しく少ない化成皮膜が形成されたR−T−B系磁石、及びかかる化成皮膜被覆R−T−B系磁石の経済性に優れた製造方法を提供する。
【解決手段】 被覆R−T−B系磁石は、R14B金属間化合物(RはYを含む希土類元素の少なくとも1種であり、TはFe又はFe及びCoである。)を主相とするR−T−B系磁石の上にリン酸鉄系皮膜を有し、前記リン酸鉄系皮膜には前記R−T−B系磁石を構成するR(希土類元素)の少なくとも1種が存在することを特徴とする。
【選択図】 図5

Description

本発明は、クロムを含有しない化成皮膜を有するR−T−B系磁石、及びかかるR−T−B系磁石の化成処理方法に関する。
希土類磁石の中でも特に錆び易いR−Fe−B系磁石(RはYを含む希土類元素の少なくとも1種である。)の表面には、従来より各種のめっきや化成皮膜が被覆され、実用に供されている。特許文献1には、R−Fe−B系磁石の表面に化成皮膜と樹脂層とを順次積層して耐酸化性を向上した希土類磁石が開示されている。この実施例1には、R−Fe−B系磁石にクロム酸塩処理を行って形成したクロメート皮膜が良好な耐食性を有することが記載されている。
しかし、特許文献1に記載のクロメート皮膜には人体に有害な6価クロムを含有するという問題があり、欧州では2007年から6価クロムの規制が行われようとしている。そのため、クロムを含有せずに耐食性及び熱減磁抵抗に富む、新規な化成皮膜を有するR−T−B系磁石及びその化成皮膜の形成方法が求められており、本出願人は特許文献2にモリブデンMoとリンPのモル比[Mo/P]が1〜30であり、ピロリン酸塩を3×10−5〜3×10−3kg/リットル及び過酸化水素を5×10−5〜3×10−3リットル/リットル含有する化成処理液によるR−T−B系磁石の皮膜形成方法を提案している。この方法によれば、R−T−B系磁石に、耐食性が従来のクロメート皮膜とほぼ同等で、熱減磁抵抗性の良好な化成皮膜を形成することが可能である。
また、本出願人は特許文献3に、R14B金属間化合物(RはYを含む希土類元素の少なくとも1種であり、TはFe又はFe及びCoである。)を主相とするR−T−B系磁石を、MoとPのモル比Mo/Pが12〜60で、モリブドリン酸イオンを主成分とし、pH=4.2〜6に調整された化成処理液により化成処理することで、Moの酸化物及びRの水酸化物を含む化成皮膜を形成する方法を提案している。この方法によれば耐食性が従来のクロメート皮膜とほぼ同等で、熱減磁抵抗性の良好な化成皮膜を形成した被覆R−T−B系磁石製造することが可能とされる。
特開昭60−63902号公報(第4頁) 特開2002−212750号公報(第2頁) 特再2002−6562号公報(第2頁)
しかし、特許文献2及び特許文献3に記載の方法に用いる化成処理液は、いずれもモリブデンを主成分としているが、この場合皮膜にピンホールが多くなることがあり、耐食性は必ずしも十分なものとは言えず、製造上安定して高耐食性を実現することが困難であった。また、モリブドリン酸イオンが化成処理中に還元されるなどの影響により液の寿命が短い。その結果、同じ化成処理液で処理できるR−T−B系磁石の量が少なく、そのために処理コストが高くなるという問題があった。よって、特許文献2及び特許文献3に記載の方法をもってしても、クロメート処理の代替方法としては、実用上十分満足のいくものとは成りえなかった。
従って本発明の目的は、クロムを含有せずに良好な耐食性を有し、かつ磁石素材の熱減磁が著しく少ない新規な化成皮膜が形成された被覆R−T−B系磁石、及びかかるR−T−B系磁石の経済性に優れた新規な化成処理方法を提供することである。
上記目的を達成するために本発明の被覆R−T−B系磁石は、R14B金属間化合物(RはYを含む希土類元素の少なくとも1種であり、TはFe又はFe及びCoである。)を主相とするR−T−B系磁石の上にリン酸鉄系皮膜を有することを特徴とするものである。また、さらに前記リン酸鉄系皮膜には前記R−T−B系磁石を構成するR(Yを含む希土類元素の少なくとも1種)の少なくとも1種が存在することを特徴とするものである。かかる構成により、化成皮膜被覆R−T−B系磁石の耐食性の向上と磁気特性劣化防止を同時に実現することが可能となる。
さらに前記R−T−B系磁石の耐食性をより向上させるためには、前記リン酸鉄系皮膜上に樹脂を被覆することが好ましい。
また、前記リン酸鉄系皮膜の平均膜厚を1nm以上10nm未満とし、かつ前記リン酸鉄系皮膜上に樹脂を被覆したリン酸鉄系皮膜被覆R−T−B系磁石により、樹脂皮膜の密着強度の向上と耐食性の向上を実現することができる。
また、前記リン酸鉄系皮膜の平均膜厚を10〜20nmとしたリン酸鉄系皮膜被覆R−T−B系磁石は、それ自体十分な耐食性を具備することから、該リン酸鉄系皮膜上にさらに樹脂皮膜を被覆しなくて実用に供することが可能となる。
また、上記目的を達成するために本発明の被覆R−T−B系磁石の製造方法は、R14B金属間化合物(RはYを含む希土類元素の少なくとも1種であり、TはFe又はFe及びCoである。)を主相とするR−T−B系磁石を化成処理する方法において、前処理として前記R−T−B系磁石を酢酸水溶液に浸漬し、その後リン酸を主成分としMoを含まない化成処理液に浸漬しリン酸鉄系皮膜を被覆することを特徴とするものである。
さらに、リン酸鉄系皮膜を強力に被覆させて高耐食性を実現しつつ磁気特性の劣化を抑制するためには、本発明のR−T−B系磁石の化成処理方法において、前処理に用いる前記酢酸水溶液は酢酸濃度が0.5質量%以上3.0質量%未満であることが望ましく、さらに化成処理液はリン酸の濃度が0.02〜0.11mol/リットルで、かつpHが2.5超4以下であることがより望ましい。
本発明によれば、人体や環境に有害なクロムを使用することなく、従来のクロメート皮膜と耐食性が同等以上で、熱減磁抵抗性の良好な化成皮膜を被覆したR−T−B系磁石を提供することができる。また、同じ化成処理液でより多くのR−T−B系磁石を処理することができるために化成処理液の寿命が長く、経済性に優れた化成処理方法を提供することができる。
先ず本発明で化成皮膜を形成するR−T−B系磁石について説明する。R−T−B系磁石は、主要成分であるR、B及びTの総計を100質量%として、R:27〜34質量%、B:0.5〜2質量%、及び残部Tからなり、R14B金属間化合物を主相とする。R−T−B系磁石の質量を100質量%としたときの不可避的不純物の許容量は、酸素が0.6質量%以下、好ましくは0.3質量%以下、より好ましくは0.2質量%以下であり、炭素が0.2質量%以下、好ましくは0.1質量%以下であり、窒素が0.08質量%以下、好ましくは0.03質量%以下であり、水素が0.02質量%以下、好ましくは0.01質量%以下であり、及びCaが0.2質量%以下、好ましくは0.05質量%以下、より好ましくは0.02質量%以下である。
Rとして実用的には(Nd、Dy),Pr,(Pr、Dy)又は(Nd、Dy、Pr)を選択するのが好ましい。Rの含有量は27〜34質量%とするのが好ましく、29〜32質量%とするのがより好ましい。Rを27質量%未満にすると保磁力HcJが大きく低下し、また34質量%超にすると残留磁束密度Brが大きく低下する。
Bの含有量は0.5〜2質量%とするのが好ましく、0.8〜1.5質量%とするのがより好ましい。Bの含有量が0.5質量%未満では実用に耐えるHcJが得られず、また2質量%超ではBrが大きく低下する。
磁気特性を改善するために、Nb、Al、Co、Ga及びCuからなる群から選択された少なくとも1種の元素を含有するのが好ましい。Nbの含有量は0.1〜2質量%が好ましい。Nbの添加によりNbのホウ化物が生成し、結晶粒の異常粒成長が抑制される。しかしNbの含有量が0.1質量%未満では十分な添加効果が得られず、また2質量%超ではNbのホウ化物の生成量が多くなり、Brが大きく低下する。Alの含有量は0.02〜2質量%が好ましい。Alの含有量が0.02質量%未満では保磁力及び耐酸化性の向上効果が得られず、2質量%超ではBrが急激に低下する。Coの含有量は0.3〜5質量%が好ましい。Coの含有量が0.3質量%未満ではキュリー点及び耐食性を向上する効果が得られず、5質量%超ではBr及びHcJが大きく低下する。Gaの含有量は0.01〜0.5質量%が好ましい。Gaの含有量が0.01質量%未満ではHcJの向上効果が得られず、0.5質量%超ではBrの低下が顕著になる。Cuの含有量は0.01〜1質量%が好ましい。Cuの微量添加はHcJの向上をもたらすが、Cuの含有量が1質量%を超えると添加効果は飽和し、Cuの含有量が0.01質量%未満では添加効果が得られない。
本発明の化成皮膜を形成するのに好ましいR−T−B系磁石の態様としては、ラジアル異方性又は極異方性を有するリング磁石、外径5〜50mm及び内径2〜30mmで、軸方向長さ(厚さ)が0.5〜2mmの扁平リング磁石(厚さ方向が磁界配向方向)、及びCD又はDVD等のピックアップ装置のアクチュエータ等に好適な縦2.0〜6.0mm、横2.0〜6.0mm及び厚さ0.4〜3mmの薄肉板状磁石(厚さ方向が磁界配向方向)が挙げられる。
次いで、本発明における前処理について説明する。クロメート処理では、クロメート処理液はpHが1.6前後の強酸性であるので、被処理物を浸漬することによって素地のエッチングと皮膜の形成が同時に進行する。したがって、アンカー効果によって優れた密着性を示し、塗装下地として優れている。これに対し、他の化成処理もクロメート処理と同様に鉄材等の塗装下地として用いられているが、クロメート皮膜相当の密着性は得られない。これは、処理液のエッチング能力が低いために十分なアンカー効果が得られないためであることが本発明者の検討により明らかとなった。したがって、R−T−B系磁石にクロメート皮膜相当の密着性を有する皮膜を他の化成処理により得るためには、素地を粗すために前処理を行う必要があり、前処理として弱酸の前処理液を用いることが有効であることを知見した。
本発明で前処理に使用する酢酸水溶液の酢酸濃度は、0.5質量%以上3.0質量%未満であることが望ましい。これは、酢酸濃度が0.5質量%未満であると、素地のエッチングが不十分であるため、十分な皮膜の密着性が得られないからである。一方、酢酸濃度が3.0質量%以上となると過剰なエッチングとなり磁気特性が低下する。より好ましくは0.7〜2.5質量%であり、特に好ましくは1.0〜2.0質量%である。この前処理のエッチング効果により磁石素地の表面粗さを適度に大きくし、皮膜の密着性・耐食性の向上を図ることができる。
クロメート皮膜と同等の密着力を得るためには、前処理の浸漬時間は2分以上であればよいが、20分を超えると工程が必要以上に長くなり製造コストの増加につながる。したがって浸漬時間は工業生産上2〜20分とするのが好ましく、5〜10分とするのがより好ましい。また、前処理液の温度は、10〜35℃とすることが好ましい。10℃未満であるとエッチングの進行が遅く前処理工程が長くなり、35℃超であるとエッチングの進行が速すぎるためにその制御が困難になる。より好ましくは15〜30℃である。浸漬後は前処理液を切り、十分に水洗する。なお、均一にエッチングする目的から、前処理において振動等の揺動を与える装置等により被処理物であるR−T−B系磁石の配置を変えることが好ましい。
次いで、本発明における化成処理について説明する。本発明では化成処理液にリン酸水溶液を使用し、R−T−B系磁石の素地に化成皮膜を形成する。この化成処理液は、Moを含まない。ここで例えば引用文献2には、化成処理液にリン酸塩の他Moを含む場合、得られる化成皮膜はピロリン酸、Rの水酸化物およびMoの酸化物を含むものとなる旨開示されている。これに対して化成処理液にリン酸水溶液を使用すると、素地が鉄の場合には、形成される化成皮膜はリン酸鉄二水和物(FePO・2HO)を主成分としたリン酸鉄系皮膜となる。本発明でR−T−B系磁石に形成される化成皮膜は、リン酸鉄皮膜を主成分とし、鉄以外にさらにNd、Pr等の希土類元素が存在するリン酸鉄系皮膜であり、前記Moを含有する化成処理液を使用する場合に得られる化成皮膜とその膜構成を異にしピンホールが少ないため、良好な耐食性を発揮するのである。高い耐食性を得るためには化成皮膜中の希土類元素含有量は10〜60質量%が好ましく、より好ましくは20〜50質量%であり、特に好ましくは30〜40質量%である。本発明で化成処理に使用する化成処理液は、リン酸濃度が0.02〜0.11mol/リットルであるリン酸水溶液である。リン酸濃度が0.02mol/リットル未満になると化成皮膜が形成しなくなる。一方、リン酸濃度が0.11mol/リットルを超えると効果が飽和するので、処理コストが高くなるだけであり、経済的でない。また、化成処理液のpHは2.5超4以下が望ましく、水酸化ナトリウムNaOH等によりpHが前記範囲となるように調整する。化成処理液のpHが2.5以下であると、酸性が強くなり素地へのエッチングが進行しすぎて磁気特性が低下する。また、pHが4を超えると化成皮膜が生成されなくなる。化成処理液のpHはより好ましくは3〜4である。
R−T−B系磁石に対しては、浸漬法、スプレー法、ブラッシング法、ローラーコーティング法、スチームガン法、TFS法(金属表面をトリクロルエチレンで処理する方法)、ブラスト法又はワンブース法等の公知の化成処理方法を適用できるが、浸漬法が最も実用的である。浸漬法の場合、化成処理液の温度を5〜70℃にするのが好ましく、20〜60℃にするのがより好ましい。これは、浴温が5℃未満では化成皮膜形成反応が顕著に遅くなり、また浴中に沈殿が生じて化成処理液の組成ずれを招来するからである。一方浴温が70℃超では化成処理液の蒸発が顕著になり、化成処理液の管理が煩雑になる。また、均一な皮膜を形成し耐食性の向上を図る観点から、化成処理において振動等の揺動を与える装置等により被処理物であるR−T−B系磁石の配置を変えることが好ましい。
次いで本発明における化成処理液への浸漬時間について説明する。樹脂塗装のための下地処理として化成処理を行い、その後樹脂を被覆して使用される被覆R−T−B系磁石の場合、浸漬時間は0.5〜7分であることが望ましい。これは、皮膜上に樹脂を塗装して使用するために、化成皮膜への要求は耐食性よりも皮膜の密着性を重要視した結果である。0.5分未満の浸漬時間では事実上化成皮膜の形成はないが、0.5〜7分の浸漬時間では化成皮膜は素地に不均一にアイランド状に形成される。より好ましくは2〜5分である。その状態では磁石の表面が化成皮膜で全て覆われていないために耐食性は十分ではない。しかし、その後例えば電着塗装を施すと、化成皮膜に覆われていない素地には充分な電流が流れるので樹脂がしっかりと塗装されて良好な耐食性を得ることができる。また、化成皮膜は素地に楔状に形成されるため良好な密着性を得ることができる。ポリパラキシリレン樹脂等の熱可塑性樹脂を被覆する場合は、樹脂皮膜自体にピンホールが少なく耐食性に優れることから、化成処理の時間は上述の範囲内において、より短い時間とすることができる。例えば0.5〜2分の化成処理によって十分な密着性、耐食性を得ることができる。
上述のように化成皮膜の上にさらに樹脂皮膜を被覆する場合は、化成皮膜の平均膜厚は1nm以上10nm未満とすることが好ましく、このような構成とすることで皮膜全体としての密着性の向上、耐食性の向上が図られる。化成皮膜の平均膜厚が1nm未満では密着性・耐食性向上の効果が十分でなく、10nm以上では樹脂の十分な密着性を得にくいからである。より好ましくは3〜9nmである。ここで、化成皮膜の平均膜厚は、TEM(透過型電子顕微鏡)等による膜部分の断面観察において50nm以上の間隔をもって等間隔で10箇所の膜厚を計測し、それを平均した値を用いた。化成皮膜の平均膜厚を1nm以上10nm未満とし、該化成皮膜の上にさらに樹脂皮膜を被覆したリン酸鉄系皮膜被覆R−T−B系磁石は、例えばCDやDVDのピックアップ装置等の用途に好適に用いられ、特に化成皮膜上の樹脂皮膜をポリパラキシリレン樹脂等の熱可塑性樹脂で構成する場合は、例えば質量1×10−3kg以下の小型薄物品の用途に好適である。
一方、化成皮膜のみで使用される被覆R−T−B系磁石の場合、化成処理液への浸漬時間は10〜20分であることが望ましい。これは浸漬時間を10分以上とすると平均膜厚10〜20nmの化成皮膜が磁石の表面全体に均一に形成されるので、化成皮膜のみでも良好な耐食性が得られるためである。この化成皮膜上にさらに樹脂を塗装することは、磁石の表面全体が化成皮膜で覆われていることから通電性が悪化するため、良好な樹脂密着性が得られないので好ましくない。また、化成処理液への浸漬時間が、20分を超えると化成皮膜が更に厚く形成されることが考えられ、化成皮膜の亀裂の発生につながるので好ましくない。よって、被覆R−T−B系磁石に良好な耐食性を付加するためには化成皮膜の平均膜厚は10〜20nmであることが望ましい。上述のように、リン酸鉄系皮膜の平均膜厚を10〜20nmとしたR−T−B系磁石は、化成皮膜のみでも良好な耐食性を示すため、例えば主に組み立てまでの耐食性が求められる産業用モータ等の用途に好適に用いることができる。
なお、本発明の化成処理方法を用いた場合、化成処理液の寿命が、例えばモリブデン含有の化成処理液に比べて4倍になり、クロメート処理の場合と同等の液寿命を実現することができる。
次いで、本発明において化成皮膜上に被覆する樹脂について説明する。被覆する樹脂には公知の熱可塑性樹脂(ポリアミド樹脂、ポリパラキシリレン樹脂又は塩素化ポリパラキシリレン樹脂等)又は熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂等)を用いることができる。リサイクルを優先する場合は熱可塑性樹脂が適し、耐熱性を重視する場合は熱硬化性樹脂が適する。特にポリパラキシリレン樹脂又は塩素化ポリパラキシリレン樹脂の皮膜はピンホールが少なく、ガス及び水蒸気透過性が極めて低いので好ましい。ポリパラキシリレン樹脂又は塩素化ポリパラキシリレン樹脂として、米国ユニオン・カーバイド社製のパリレンN(ポリパラキシリレンの商品名)、パリレンC(ポリモノクロロパラキシリレンの商品名)又はパリレンD(ポリジクロロパラキシリレンの商品名)等が挙げられる。
樹脂の被覆方法としては、電着法、吹き付け法、塗布法、浸漬法、真空蒸着法、又はプラズマ重合法等の公知の方法を採用できるが、電着法又は真空蒸着法が実用性に富む。良好な耐食性を付与するために、樹脂皮膜の厚さ(平均値)を0.5〜30μmにするのが好ましく、5〜20μmにするのがより好ましい。樹脂皮膜の厚さが0.5μm未満では耐食性の向上効果が得られず、また30μm超では非磁性の樹脂皮膜の厚さ増加により、磁石応用製品に組み込んだときの磁気ギャップによる磁束密度の低下が無視できなくなる。
樹脂皮膜を形成する前に化成皮膜上に塗布するカップリング剤には、(1)チタネート系のカップリング剤、(2)シラン系カップリング剤及び(3)アルミニウム系、ジルコニウム系、鉄系又は錫系のカップリング剤があげられる。
(1)チタネート系のカップリング剤には、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、又はイソプロピルトリオクタノイルチタネート等がある。
(2)シラン系カップリング剤には、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシ−プロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシ−シクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ジフェニルジメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、又は3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等がある。
(3)アルミニウム系、ジルコニウム系、鉄系又は錫系のカップリング剤にはアセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等がある。
化成皮膜被覆R−T−B系磁石をカップリング剤により表面処理する方法は2通りある。(1)化成皮膜被覆R−T−B系磁石の総表面積の1〜5倍に相当するカップリング剤の添加量を、カップリング剤の最小被覆面積から換算して求める。次いで所定量のシランカップリング剤を溶媒(エタノール等)により希釈し、この希釈溶液に化成皮膜被覆R−T−B系磁石を浸漬し、真空ポンプで排気しながら約50〜60℃に加熱し溶媒を蒸発させ、冷却すれば、化成皮膜の表面にカップリング剤の皮膜を形成できる。(2)カップリング剤0.05〜5質量%と被覆樹脂99.95〜95質量%とをミキサーにより混合し、得られた混合物で化成皮膜被覆R−T−B系磁石を被覆すると、化成皮膜と樹脂皮膜との界面にカップリング剤の皮膜が形成される。なお、(1)及び(2)のカップリング剤の添加量の下限未満では、耐食性及び熱減磁率の向上効果が得られず、また前記添加量の上限を超えると脆いカップリング剤の皮膜が形成され、耐食性及び熱減磁率は大きく劣化する。
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はそれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
Nd:26.2質量%、Pr:5.0質量%、Dy:0.8質量%、B:0.97質量%、Co:3.0質量%、Al:0.1質量%、Ga:0.1質量%、Cu:0.1質量%、及び残部Feの主要成分組成を有し、縦5mm×横5mm×厚さ1mm(厚さ方向が磁界配向方向)の矩形薄板状CDピックアップ用R−T−B系磁石を水中で超音波洗浄した。次いで、そのR−T−B系磁石を、純水に純度99.5%の酢酸を2質量%添加した酢酸水溶液に浸漬した。処理条件は、処理液温度20℃、酢酸濃度2質量%、浸漬時間は2分である。次いで水洗、乾燥した後、リン酸濃度が0.07mol/リットルのリン酸水溶液に浸漬させて化成処理を行った。なお、リン酸水溶液は、85質量%のHPO水溶液を純水に添加して作製した。化成処理条件は、化成処理液温度60℃、pH3.0で、浸漬時間2分、5分及び10分の3水準とした。得られた被覆R−T−B系磁石の化成皮膜の断面写真と断面模式図を図1〜図6に示す。写真は透過型電子顕微鏡((株)日立製作所製FE−TEM、型式:HF−2100)により撮影した。化成処理液への浸漬時間は図1及び図2のものが2分、図3及び図4のものが5分、図5及び図6のものが10分である。2〜5分の浸漬時間では図1〜図4に示すように化成皮膜1はR−T−B系磁石素地2に不均一にアイランド状に形成される事がわかる。また、浸漬時間10分以上では図5及び図6に示すように、膜厚が10〜20nmの化成皮膜1が均一に素地2に形成される事がわかる。なお、化成皮膜の平均膜厚は、浸漬時間が2分、5分、10分の場合でそれぞれ3nm、9nm、17nmであった。
(実施例2)
Nd:26.2質量%、Pr:5.0質量%、Dy:0.8質量%、B:0.97質量%、Co:3.0質量%、Al:0.1質量%、Ga:0.1質量%、Cu:0.1質量%、及び残部Feの主要成分組成を有し、縦5mm×横5mm×厚さ1mm(厚さ方向が磁界配向方向)の矩形薄板状CDピックアップ用R−T−B系磁石を水中で超音波洗浄した。次いで前処理として、表1のNo2、No3に示す前処理液に浸漬した。前処理条件は、前処理液の液温は20℃、前処理液への浸漬時間は5分である。次いで水洗し乾燥後、表1のNo2、No3に示す化成処理液に浸漬して化成処理を行い化成皮膜被覆R−T−B系磁石を作製した。なお、リン酸水溶液は、85質量%のHPO水溶液を純水に添加して作製した。化成処理条件は化成処理液の液温60℃、化成処理時間は5分である。次いで化成皮膜被覆R−T−B系磁石に電着法により平均膜厚20μmのエポキシ樹脂皮膜を形成した。得られた化成皮膜/エポキシ樹脂皮膜被覆R−T−B系磁石について皮膜の耐食性と、磁気特性の劣化の度合いとしての熱減磁性に関する評価を行った。皮膜の耐食性は恒温恒湿試験での皮膜の密着性を指標とし、化成処理後に樹脂を塗装した被覆R−T−B系磁石を温度120℃、相対湿度100%及び内圧(ゲージ圧)202.6kPaのプレッシャークッカ((株)平山製作所製、型式:PC−242HS−A)に入れ、24時間おきに最大192時間まで状態を観察し、樹脂塗装に膨れが発生する膨れ発生時間を計測して評価した。判定基準は、膨れ発生時間が、クロメート処理による皮膜上の被覆の膨れ発生時間と同等と判断する48時間を超えるものを合格とした。熱減磁性は熱減磁率で評価した。熱減磁率とは得られた皮膜被覆R−T−B系磁石の熱履歴による減磁率を示し、皮膜被覆R−T−B系磁石を室温において飽和条件で着磁した後の総磁束量Φと、該皮膜被覆R−T−B系磁石を大気中で85℃で2時間加熱後室温まで冷却した後の総磁束量Φとから、下記式により求めた。
熱減磁率=[(Φ−Φ)/Φ]×100(%)
判定基準は、熱減磁率が3.9%以下、即ちクロメート処理による皮膜上に被覆を施したR−T−B系磁石の熱減磁率と同等以下のものを合格とした。皮膜の耐食性としての膨れ発生時間および磁気特性の劣化の度合いとしての熱減磁率による評価結果を表1に示す。なお、No3の試料についてEDX(エネルギー分散型X線分光法)によって化成皮膜の組成分析を行ったところ、主構成元素としてFe、Nd、Pr、P、Oが検出された。これらの総量を100質量%とした場合の組成比(質量百分率)は、Fe54.2%、Nd26.4%、Pr7.0%、P6.8%、O5.6%であった。
(比較例1)
表1のNo1、No4に示す前処理液及び化成処理液を使用して処理を行った以外は、実施例2と同様に処理を行い化成皮膜被覆R−T−B系磁石を作製し、化成皮膜上に電着法により平均膜厚20μmのエポキシ樹脂皮膜を形成した。得られた化成皮膜/エポキシ樹脂皮膜被覆R−T−B系磁石について耐食性及び磁気特性の劣化の度合いとしての熱減磁率を実施例2と同様の方法で評価した結果を表1に示す。
(従来例)
化成処理液に従来のクロム酸を用いて化成処理した以外は実施例2と同様にして化成皮膜被覆R−T−B系磁石を作製し、化成皮膜上に電着法により平均膜厚20μmのエポキシ樹脂皮膜を形成した。得られた化成皮膜/エポキシ樹脂皮膜被覆R−T−B系磁石について耐食性及び磁気特性の劣化の度合いとしての熱減磁率を実施例2と同様の方法で評価した結果を表1に示す。
表1より前処理液として酢酸濃度が0.5質量%未満(酢酸濃度が0%の純水を含む)の酢酸水溶液を使用した場合、クロメート処理と比較すると化成皮膜の耐食性が悪化することがわかる。また、酢酸水溶液の酢酸濃度が3.0質量%以上となると熱減磁率が悪化することがわかる。
Figure 2004327966
(実施例3)
表2のNo6〜10に示す前処理液及び化成処理液を使用して化成処理を行った以外は実施例2と同様にして化成皮膜被覆R−T−B系磁石を作製し、化成皮膜上に電着法により平均膜厚20μmのエポキシ樹脂皮膜を形成した。得られた化成皮膜/エポキシ樹脂皮膜被覆R−T−B系磁石について耐食性及び磁気特性の劣化の度合いとしての熱減磁率を実施例2と同様の方法で評価した結果を表2に示す。
(実施例4)
前処理の酢酸水溶液の酢酸濃度を2質量%、化成処理のリン酸水溶液のリン酸濃度を0.07mol/リットルとした以外は実施例2と同様にして化成皮膜被覆R−T−B系磁石を作製した。これをさらにシラン系カップリング剤を添加したメタノールに30分浸漬、乾燥した後、真空蒸着法により平均膜厚10μmの塩素化ポリパラキシリレン樹脂皮膜を形成した。得られた化成皮膜/塩素化ポリパラキシリレン樹脂皮膜被覆R−T−B系磁石について耐食性及び磁気特性の劣化の度合いとしての熱減磁率を実施例2と同様の方法で評価した結果を表2に示す。
(比較例2)
表2のNo12に示す前処理液及び化成処理液を使用して化成処理を行った以外は実施例2と同様にして化成皮膜被覆R−T−B系磁石を作製し、化成皮膜上に電着法により平均膜厚20μmのエポキシ樹脂皮膜を形成した。得られた化成皮膜/エポキシ樹脂皮膜被覆R−T−B系磁石について耐食性及び磁気特性の劣化の度合いとしての熱減磁率を実施例2と同様の方法で評価した結果を表2に示す。
(比較例3)
Nd:26.2質量%、Pr:5.0質量%、Dy:0.8質量%、B:0.97質量%、Co:3.0質量%、Al:0.1質量%、Ga:0.1質量%、Cu:0.1質量%、及び残部Feの主要成分組成を有し、縦5mm×横5mm×厚さ1mm(厚さ方向が異方性方向)の矩形薄板状CDピックアップ用R−T−B系磁石を水中で超音波洗浄した。次いで前処理として、酢酸濃度が2.8質量%の酢酸水溶液に浸漬した。前処理条件は、前処理液の液温は20℃、前処理液への浸漬時間は2分である。次いで水洗し乾燥後、リン酸水溶液の代わりに以下の化成処理液に浸漬して化成処理を行い化成皮膜被覆R−T−B系磁石を作製した。化成処理液は、Mo酸ナトリウムを3.0×10−3kg/リットル、リン酸二水素ナトリウム0.1×10−3kg/リットル、ピロリン酸カリウムを0.5×10−3kg/リットル、過酸化水素を0.5×10−3リットル/リットルを含有するものとした。化成処理条件は化成処理液の液温を60℃、化成処理時間を10分とした。次いで化成皮膜被覆R−T−B系磁石に電着法により平均膜厚20μmのエポキシ樹脂皮膜を形成した。得られた化成皮膜/エポキシ樹脂皮膜被覆R−T−B系磁石について耐食性及び磁気特性劣化の度合いとしての熱減磁率を実施例2と同様の方法で評価した結果を表2に示す。
表2より、前処理液の酢酸濃度が2質量%のときに化成処理液のリン酸の濃度が0.02mol/リットル〜0.11mol/リットルの範囲を外れると、化成皮膜の耐食性がクロメート処理と比較すると劣ることがわかる。また、本発明の化成処理液を用いた場合は、リン酸塩の他Moを含有する化成処理液を用いた場合に比べて耐食性が大幅に向上していることがわかる。これは、本発明のリン酸水溶液を用いた化成処理の場合は、リン酸塩の他Moを含有する化成処理液を用いた場合に比べて化成皮膜中のピンホールや亀裂などの欠陥が非常に少なくなっており、これが樹脂皮膜も含めた最終的な耐食性の向上に寄与しているものと考えられる。
Figure 2004327966
(実施例5)
表3のNo15〜17に示す前処理液及び化成処理液を使用して化成処理を行った以外は実施例2と同様にして化成皮膜被覆R−T−B系磁石を作製し、化成皮膜上に電着法により平均膜厚20μmのエポキシ樹脂皮膜を形成した。得られた化成皮膜/エポキシ樹脂皮膜被覆R−T−B系磁石について耐食性及び磁気特性劣化の度合いとしての熱減磁率を実施例2と同様の方法で評価した結果を表3に示す。
(比較例4)
表3のNo14、No18に示す前処理液及び化成処理液として使用し化成処理を行った以外は実施例2と同様にして化成皮膜被覆R−T−B系磁石を作製し、化成皮膜上に電着法により平均膜厚20μmのエポキシ樹脂皮膜を形成した。得られた化成皮膜/エポキシ樹脂皮膜被覆R−T−B系磁石について耐食性及び磁気特性劣化の度合いとしての熱減磁率を実施例2と同様の方法で評価した結果を表3に示す。
表3より化成処理液のpH値が4を超えると、化成皮膜の耐食性がクロメート処理と比較すると低下することがわかる。また、pH値が2.5以下になると熱減磁率が悪化することがわかる。
Figure 2004327966
化成処理液への浸漬時間が2分の場合の化成皮膜の断面顕微鏡写真である。 図1の断面を模式的に示す図である。 化成処理液への浸漬時間が5分の場合の化成皮膜の断面顕微鏡写真である。 図3の断面を模式的に示す図である。 化成処理液への浸漬時間が10分の場合の化成皮膜の断面顕微鏡写真である。 図5の断面を模式的に示す図である。
符号の説明
1:化成皮膜
2:R−T−B系磁石素地

Claims (8)

  1. 14B金属間化合物(RはYを含む希土類元素の少なくとも1種であり、TはFe又はFe及びCoである。)を主相とするR−T−B系磁石の上にリン酸鉄系皮膜を有することを特徴とするリン酸鉄系皮膜被覆R−T−B系磁石。
  2. 前記リン酸鉄系皮膜には前記R−T−B系磁石を構成するR(Yを含む希土類元素の少なくとも1種)の少なくとも1種が存在する請求項1に記載のリン酸鉄系皮膜被覆R−T−B系磁石。
  3. 前記リン酸鉄系皮膜上に樹脂を被覆したことを特徴とする、請求項1または2に記載のリン酸鉄系皮膜被覆R−T−B系磁石。
  4. 前記リン酸鉄系皮膜の平均膜厚が1nm以上10nm未満である請求項3に記載のリン酸鉄系皮膜被覆R−T−B系磁石。
  5. 前記リン酸鉄系皮膜の平均膜厚が10〜20nmである請求項1または2に記載のリン酸鉄系皮膜被覆R−T−B系磁石。
  6. 14B金属間化合物(RはYを含む希土類元素の少なくとも1種であり、TはFe又はFe及びCoである。)を主相とするR−T−B系磁石を化成処理する方法において、前処理として前記R−T−B系磁石を酢酸水溶液に浸漬し、その後リン酸を主成分としMoを含まない化成処理液に浸漬しリン酸鉄系皮膜を被覆することを特徴とするR−T−B系磁石の化成処理方法。
  7. 前記酢酸水溶液は酢酸濃度が0.5質量%以上3.0質量%未満である請求項6に記載のR−T−B系磁石の化成処理方法。
  8. 前記化成処理液は、リン酸濃度が0.02〜0.11mol/リットルであり、pHが2.5超4以下である請求項6または7に記載のR−T−B系磁石の化成処理方法。
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