JP2004325502A - レジスト回収装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】第1に、剥離液と感光性レジストとが、確実に分離,回収され、剥離液を問題なく再使用でき、第2に、もって剥離液の交換頻度等が低くなると共に、清掃作業も簡単容易化され、第3に、フィルター交換の問題も解消される、レジスト回収装置を提案する。
【解決手段】このレジスト回収装置10の前段分離機構14は、ネット板17を備えており、剥離装置11から供給された使用後の剥離液Bと除去された感光性レジストAとの混合物Dは、まずネット板17上を流れることにより、剥離液Bが、分離されて落下回収される。後段分離機構15は、スクリューコンベヤ26を備えており、前段分離機構14から供給された混合物Dは、スクリューコンベヤ26にて圧縮搬送されることにより、残留していた剥離液Bが、分離されて落下回収されると共に、感光性レジストAが、下流側から導出回収される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レジスト回収装置に関する。すなわち、回路用基板の製造工程において、剥離装置に付設されて使用され、剥離液と感光性レジストとを分離して回収する、レジスト回収装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
《技術的背景》
プリント配線基板等の基板の製造工程では、銅張り積層板たる基板材の外表面に感光性レジストを膜状に塗布又は張り付けてから、→回路用のネガフィルムを当てて、露光した後、→回路部分以外の感光性レジストを、現象により溶解除去し、→回路部分以外の銅箔を、エッチングにより溶解除去してから、→回路部分の感光性レジストを、剥膜除去することにより、→外表面に銅箔にて回路が形成され、もって回路用の基板が製造されている。
そして、上述した剥膜工程では、例えば図3の正断面説明図に示したように、剥離装置1が用いられており、硬化して残っていた回路形成部分の感光性レジストAが、アルカリ性の剥離液Bを噴射することにより、基板材Cの外表面から剥膜除去される。そして、このように剥離装置1にて使用された剥離液Bと、剥膜除去された感光性レジストAとは、混じり合った混合物Dとなって流下する。
そこで、このような混合物Dを、剥離装置1から付帯装置たるレジスト回収装置2に供給して、剥離液Bと感光性レジストAとに分離し、剥離液Bは、剥離装置1に循環供給されて再使用され、感光性レジストAは廃棄されている。
【0003】
《従来技術について》
そして、この種のレジスト回収装置2としては、図3中に示したフィルター3式やドラム式のものが、代表的に使用されていた。
この種従来例のレジスト回収装置2では、混合物Dを、剥離装置1の剥離室4下部の液槽5から、→ポンプ6や配管7を介して、フィルター3や網目ドラムに供給し、→もって、フィルター3や網目ドラムを通過することにより、分離,回収された剥離液Bを、→配管7を介して、スプレーノズル8に供給して、再使用し、→フィルター3や網目ドラムを通過しなかった感光性レジストAを、捕集,回収,廃棄していた。
図中9は、剥離装置1において基板材Cを搬送するローラーコンベヤである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような従来のレジスト回収装置2にあっては、次の問題が指摘されていた。
《第1の問題点について》
第1に、感光性レジストAと剥離液Bとの分離,回収が不確実であり、剥離液Bを再使用できなくなることがある、という問題が指摘されていた。
特に、回路用の基板は最近、高精度化,ファイン化,極薄化が進み、形成される回路の高密度化,微細化が著しい。回路幅は、30μm〜20μm程度のものも多くなっている。そこで、このように微細化された回路上から剥離,除去された感光性レジストAも、微細化傾向が著しい。
このような状況に鑑み、従来のレジスト回収装置2では、混合物D中から感光性レジストAを、剥離液Bと分離して捕集,回収することが、最近ますます容易でなく、不確実化する傾向にある。
【0005】
すなわち、網目ドラム式のレジスト回収装置2にて、感光性レジストAを分離,捕集,回収することは、困難度が極めて高くなってきている。
又、フィルター3式のレジスト回収装置2においても、ポンプ6にて供給された混合物Dをフィルター3に通すと、感光性レジストA特に前述により微細化した感光性レジストAは、ポンプ圧にてフィルター3を容易に通過してしまう、という指摘があった。
このように、レジスト回収装置2を経て回収された剥離液B中に、多量の感光性レジストAが混入しやすい状況にあり、このような剥離液Bを剥離装置1に供給して再使用すると、剥離液Bの本来機能たる基板材Cからの感光性レジストAの剥膜,除去性能が低下してしまうことになる。
【0006】
《第2の問題点について》
第2に、更にこのように感光性レジストAの分離,回収が不確実であることに伴い、剥離液Bの補充,交換頻度が高く、又、液槽5の清掃作業も大変である、という問題が指摘されていた。
すなわち、前述したように回収され再使用される剥離液B中に感光性レジストAが混入し易いので、剥離液Bとしての本来機能を全うさせるためには、新鮮な剥離液Bの補充頻度、そして新たな剥離液Bへの交換頻度が高くなり、コスト負担が大きい、という問題が生じていた。
又、感光性レジストAが混入した剥離液Bを、循環して繰り返し再使用していると、最初は、剥離液B上部に浮遊していた感光性レジストAが白濁化・エマルジョン化し、クリーム状化・のり状化して、液槽5内壁に沈殿,付着してしまい、レジスト回収装置2から剥離装置1にかけて、目詰まり発生の危険もある。
そこで、その除去作業が必要となるが、この除去作業は、容易でなく非常に面倒であり手間と時間を要する、という問題が指摘されていた。
【0007】
《第3の問題点について》
第3に、従来多用されているフィルター3式のレジスト回収装置2については、フィルター3が目詰まりし易く、フィルター3の交換頻度が高く、交換コストがかさむ、という問題が指摘されていた。
特に、前述した感光性レジストA混入問題への対応策として、その分離,捕集,回収性を高めるためには、目がより密なフィルター3を採用することが必要となる。これに対し、分離,捕集対象の感光性レジストAは、前述したように、最近ますます微細化傾向が著しい。
そこで、このフィルター3式のレジスト回収装置2はフィルター3に感光性レジストAが捕集,蓄積されて詰まり易く、目詰まり頻度が高くなる傾向にあり、フィルター3の交換コストが悩みの種となっていた。
【0008】
本発明は、このような実情に鑑み、上記従来例の課題を解決すべく、発明者の鋭意研究努力の結果なされたものである。
そして、このレジスト回収装置は所定のネット板,流れ規制板,傾斜板,プレート等を備えた前段分離機構と、所定のスクリューコンベヤ,筒ネットを備えた後段分離機構とを、採用したこと、を特徴とする。
もって本発明は、第1に、剥離液と感光性レジストとが、確実に分離,回収され、剥離液を問題なく再使用でき、第2に、もって剥離液の交換頻度等が低くなると共に、清掃作業も簡単容易化され、第3に、フィルター交換の問題も解消される、レジスト回収装置を提案することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
《各請求項について》
このような課題を解決する本発明の技術的手段は、次のとおりである。まず、請求項1については次のとおり。
請求項1のレジスト回収装置は、回路用基板の製造工程で使用され、剥離装置に付設される。そして、次の前段分離機構と後段分離機構を有している。
該前段分離機構は、ネット板を備えている。そして、該剥離装置から供給された使用後のアルカリ性の剥離液と除去された感光性レジストとの混合物は、まず該ネット板上を流れることにより、該剥離液が、分離されて落下回収される。
該後段分離機構は、スクリューコンベヤを備えている。そして、該前段分離機構のネット板上から供給された該混合物は、該スクリューコンベヤにて圧縮搬送されることにより、残留していた該剥離液が、途中で分離されて落下回収されると共に、該感光性レジストが、該スクリューコンベヤの下流側から導出回収されること、を特徴とする。
【0010】
請求項2については次のとおり。請求項2のレジスト回収装置は、請求項1において、該前段分離機構は、若干下降傾斜して配設された該ネット板と、複数枚の流れ規制板と、を備えている。
各該流れ規制板は、該ネット板上に上下間隔を存しつつ各々縦に配設され、相互間にそれぞれ左右間隔が存している。そして該混合物は、該ネット板の傾斜に沿って流れると共に、該流れ規制板にて規制され流れが全体的にほぼ均一化されること、を特徴とする。
請求項3については次のとおり。請求項3のレジスト回収装置は、請求項1において、該前段分離機構は、若干下降傾斜して配設された該ネット板と、傾斜板と、複数枚のプレートと、を備えている。
該傾斜板は、該ネット板下に上下間隔を存して配設され、回収孔が形成されている。各該プレートは、該ネット板と該傾斜板との上下間隔間に、垂直より傾斜して配設されると共に、相互間にそれぞれ左右間隔が存している。
そして、該ネット板の傾斜に沿って流れる該混合物中から該ネット板を介して分離された該剥離液は、各該プレート間の左右間隔そして該傾斜板の回収孔を介して、落下回収される。これと共に、一部が、途中で各該プレートに当たって泡立ち、もって泡の力にて、該ネット板が上下に揺すられて該混合物を篩いにかけて流し、該剥離液の分離を促進させると共に、該ネット板への該感光性レジストの付着を阻止すること、を特徴とするレジスト回収装置。
【0011】
請求項4については次のとおり。請求項4のレジスト回収装置は、請求項1において、該後段分離機構は、外筒に回収孔が形成された該スクリューコンベヤと、該スクリューコンベヤの下流側に連設され、横軸の円錐台状をなす等、下流側が径小となった形状の筒ネットと、を備えている。そして該混合物は、該筒ネットにて絞り込まれることにより、該スクリューコンベヤにおいて確実に圧縮搬送される。
もって、残留していた該剥離液が、途中で絞り出され脱水分離されて、該スクリューコンベヤの外筒の回収孔や該筒ネットから落下回収される。これと共に、最後に残った該感光性レジストが、該スクリューコンベヤの下流側から該筒ネットを経て、導出回収されること、を特徴とするレジスト回収装置。
請求項5については次のとおり。請求項5のレジスト回収装置は、請求項2,3又は4において、回収槽を備えており、該回収槽は、落下回収された該剥離液を流下,貯留すると共に、貯留された該剥離液を、ポンプや配管を介し該剥離装置へと、再使用のため循環供給すること、を特徴とする。
【0012】
《作用について》
本発明は、このようになっているので、次のようになる。
▲1▼剥離装置で使用された剥離液と剥膜除去された感光性レジストとが、混合物となって、レジスト回収装置に供給される。
▲2▼この混合物は、上部側に感光性レジストが多く浮遊しているが、レジスト回収装置の前段分離機構のネット板上を流れることにより、下部側から剥離液が分離されて、落下回収される。
▲3▼ところで前段分離機構は、ネット板上に複数枚の流れ規制板が配設されており、混合物は、流れ規制板にて規制されることにより、ネット板上に均一に拡げられ、平均的に流れるようになる。
▲4▼更に前段分離機構は、ネット板と、ネット板下に配設された傾斜板との間に、複数枚のプレートが傾斜して配設されている。
そこで、前述により分離された剥離液は、各プレート間の左右間隔そして傾斜板の回収孔を介して、落下回収されるが、その一部が、各プレートに当たって泡立って、ネット板を揺すり、混合物を篩いにかけるので、剥離液の分離が促進されると共に、感光性レジストをネット板上から離反させる。
【0013】
▲5▼それから混合物は、前段分離機構のネット板上から、後段分離機構のスクリューコンベヤに流下供給されて、圧縮搬送された後、筒ネットに供給されて絞り込まれるので、上流側の圧縮搬送が確実に実施される。
▲6▼そして混合物は、圧縮搬送により、残留していた剥離液が絞り出されて、落下回収される。
▲7▼そして最後に、残った感光性レジストが、筒ネットを経て捕集,導出回収される。
▲8▼このように、このレジスト回収装置では、まず、感光性レジストの少ない下部側から、剥離液を分離,落下回収してから、残った剥離液を、圧縮搬送により分離,落下回収させ、最後に、感光性レジストを捕集回収する。もって、剥離液と感光性レジストが、自然に確実に分離,回収される。
▲9▼回収された剥離液は、感光性レジストが殆ど混入していないので、回収槽に流下,貯留された後、剥離装置へと循環供給されて、問題なく再使用される。又、その補充頻度や交換頻度も減少する。
更に、感光性レジストがエマルジョン化,クリーム状化して沈殿,付着することもなく、清掃作業が軽減される。又、フィルターを使用しないので、部材の交換頻度も低い。
【0014】
【発明の実施の形態】
《図面について》
以下、本発明に係るレジスト回収装置を、図面に示す発明の実施の形態に基づいて、詳細に説明する。図1,図2は、本発明の実施の形態の説明に供する。
そして図1は、剥離装置と共に示した正断面説明図である。図2は、側断面説明図である。なお図4は、基板(材)の模式化した平面説明図である。
【0015】
《基板Eについて》
このレジスト回収装置10は、回路F用の基板Eの製造工程で、使用される。そこでまず、図4を参照しつつ、基板Eの概略を説明しておく。
回路F用の基板Eは、各種電子機器用に広く用いられており、片面基板,両面基板,多層基板(含、最近のビルドアップ法のもの)等、各種のものがある。そして、このような基板Eの一環として、IC,LSI素子,受動部品,駆動部品,コンデンサー等々の半導体部品が、回路Fと一体的に組み込まれたモジュール基板(半導体一体型のパッケージ基板)や、ガラスベースに回路Fと共に半導体部品が埋め込まれたガラス基板、つまりプラズマディスプレイPDP用のガラス基板や、液晶LCD用のガラス基板や、CSP,PBGA等も出現している。勿論、本明細書において基板Eとは、従来よりのプリント配線基板の外、広くこのようなものも包含する。
そして、このような回路F用の基板Eは、電子機器の高性能化,高機能化,小型軽量化に伴い、高精度化,ファイン化,極薄化,多層化等が進み、外表面つまり上面・表面や下面・裏面の一方又は双方に形成される回路F、更には内部に形成される回路Fの高密度化,微細化が著しい。
基板E例えばプリント配線基板は、縦横が、例えば500mm×500mm程度よりなり、肉厚は、絶縁層部分が1.0mm〜60μm程度、更に昨今では20μm前後、回路F部分(銅箔部分)が75μm〜35μm、昨今では16μm〜10μm前後まで、極薄化されている。多層基板の場合でも、全体の肉厚が1.0mm〜0.4mm程度まで、極薄化されつつある。回路F幅や回路F間スペースも、35μm〜25μm程度、更に昨今では10μm前後と、微細化傾向にある。
基板Fは、概略このようになっている。
【0016】
《基板Eの製造方法の例について》
次に、このレジスト回収装置10が使用される基板Eの製造方法について、図1や図4を参照しつつ説明する。まず、第1例の製造方法について述べる。第1例の製造方法において、基板E例えばプリント配線基板は、次のステップを辿って製造される。
まず、樹脂,樹脂繊維,ガラスクロス又はセラミックス製の絶縁層(コア材)の外表面に、銅箔が熱プレス等により張り付けられた、銅張り積層板たる基板材Cが準備される。そして、スルホール用の孔あけ加工が、レーザ等を使用して実施される。
スルホールは、基板材C(基板E)の両外表面間の貫通孔よりなり、1枚について、極小径のものが数百個以上形成され、その径は、0.5mm〜0.2mm程度以下のものが多くなっている。そして、両外表面や多層基板の回路F(銅箔)間の層間導通接続用や、回路Fに実装される部品の取り付け用として使用される。
なお最近は、孔あけ加工を要するスルホールに代えて、小突起状,略円錐台状の接点たるバンプを形成し、もって多層基板等について、このバンプにより、スルホールと同様の機能を実現する技術も開発されている。そしてバンプは、回路Fに準じ、現像工程,エッチング工程,剥離工程等を辿って製造される。
【0017】
さてしかる後、研磨された基板材Cの銅箔の外表面(上面・表面,下面・裏面の一方又は双方)に、感光性レジストAが膜状に塗布又は張り付けられる。感光性レジストAのドライフィルムが、圧着されることも多い。
それから、回路Fのネガフィルムである回路写真を当てて、露光することにより、外表面の感光性レジストAは、保護膜として機能する露光されて硬化した回路F形成部分を残し、その他の不要部分が、処理液たる現像液の噴射により溶解除去される。
しかる後、このような基板材Cの銅箔は、(感光性レジストAが硬化し保護膜として機能して被覆された)回路F形成部分を残し、(現像により感光性レジストAが溶解除去されて露出した)不要部分が、処理液たるエッチング液(塩化第二銅,塩化第二鉄,その他の腐食液)の噴射により、溶解除去・エッチングされる。
それから、残っていた回路F形成部分の感光性レジストAが、処理液たる剥離液Bの噴射により剥膜除去され、残った回路F形成部分の銅箔にて、基板材Cの外表面(上面・表面,下面・裏面の一方又は双方)に、所定の回路Fが形成され、もって、基板Eつまりプリント配線基板が製造される。
なお、上述した現像工程,エッチング工程,剥膜工程には、それぞれの後処理用に、又は剥膜工程の後にまとめての後処理用に、水洗液,中和液,その他の洗浄液を噴射する洗浄工程が付設されており、もって、基板材Cの外表面に付着していた現像液,エッチング液,剥離液B等の処理液が、洗浄,除去される。第1例の製造方法は、このようなウェットプロセス法よりなる。
第1例の製造方法は、このようになっている。
【0018】
次に、第2例の製造方法について述べる。基板E例えばプリント配線基板の製造方法としては、上述した第1例のウェットプロセス法が代表的であるが、第2例のセミアディティブ法も多用されつつある。
このセミアディティブ法では、まず、予めスルホールが形成された基板材Cの外表面(上面・表面,下面・裏面の一方又は双方)に、無電解銅メッキが施される。→それから、この無電解銅メッキに、感光性レジストAを膜状に塗布又は張り付けた後、→回路Fフィルムである回路写真を当て、露光する。→そして感光性レジストAは、露光されて硬化した部分を残し、他の部分つまり回路F形成部分が、処理液たる現像液の噴射により溶解除去される。
しかる後、→回路F成部分、つまり現像により感光性レジストAが溶解除去されたメッキパターン部分、つまり無電解銅メッキが露出した部分に対し、電解銅メッキが施されて、→回路Fが形成される。
なお、残っていた硬化した回路F形成部分以外の感光性レジストAは、処理液たる剥離液Bの噴射により剥膜除去され、→もって露出した無電解銅メッキが、処理液たるエッチング液の噴射により、クイックエッチングされて融解除去される。→なお、各工程の後処理用として、前述した所に準じ、洗浄工程が付設されている。
第2例のセミアディティブ法では、このようにして、電解銅メッキにて回路Fが形成され、もって、基板Eつまりプリント配線基板が製造される。第2例の製造方法は、このようになっている。
ところで、プリント配線基板の製造方法、その他の回路F用の基板Eの製造方法は、最近ますます多様化しつつあり、上述した第1例,第2例以外にも、各種方法が開発,使用されている。本発明は勿論、このような各種の基板Eの製造方法にも、適用される。
基板Eの製造方法は、このようになっている。
【0019】
《レジスト回収装置10の概要について》
以下、本発明のレジスト回収装置10について、図1,図2を参照して、詳細に説明する。
前述したように、回路F用の基板Eの製造工程中、剥膜工程では、搬送される基板材Cに対し剥離液Bが噴射されて、その外表面から感光性レジストAが剥膜除去される。
すなわち、剥膜工程の剥離装置11の剥離室12内では、ローラーコンベヤ9等のコンベヤにて水平に搬送される基板材Cに対し、対向配設された各スプレーノズル8から、アルカリ性で苛性ソーダ等を含有した薬液よりなる剥離液Bが噴射され、もって基板材Cの外表面の感光性レジストA、つまり硬化して残っていた回路F形成部分の感光性レジストAが、剥膜除去される。
【0020】
レジスト回収装置10は、基板Eの製造工程において、このような剥離工程の付帯工程として剥離装置11に付設される。
そして、剥離装置11から、使用後の剥離液Bと除去された感光性レジストAとの混合物Dが供給され、もって供給された混合物Dを、剥離液Bと感光性レジストAに分離,回収する。
そして、このレジスト回収装置10は、回収室13内に、前段分離機構14と、後段分離機構15と回収槽16とを、有している。
レジスト回収装置10は、概略このようになっている。以下、その詳細について述べる。
【0021】
《前段分離機構14について》
まず、レジスト回収装置10の前段分離機構14について述べる。前段分離機構14は、図1に示したように、ネット板17,流れ規制板18,傾斜板19,プレート板20等を備えており、これらは、回路室13の上部に配設される。
まず、前段分離機構13のネット板17は、剥離装置11から供給された混合物D、つまり使用後のアルカリ性の剥離液Bと除去された感光性レジストAとの混合物Dが、その上に流され、もって剥離液Bが、分離されて落下回収される。
【0022】
すなわち混合物Dは、剥離装置11の剥離室12の若干傾斜した仕切り床板21上に落下した後、その傾斜に沿って流れて、剥離装置11の排出口22から排出される。そして排出された混合物Dは、若干下降傾斜して配設,固定された供給管23を介し、レジスト回収装置10の回収管13の受入口24へと流し込まれる。勿論、排出口22は、受入口24よりやや高い位置にある。
そしてネット板17は、微細なネット孔つまり通気孔が密に形成され、長板状をなしており、ネット孔の径は、微細化した感光性レジストAでも通過不能な寸法に設定されており、例えば数10μm〜数μm程度に設定されている。そして、このようなネット板17が、長手方向に若干下降傾斜して配設,固定されており、このネット板17の傾斜は、前述した仕切り床板21や供給管23の傾斜と揃えられ、同一傾斜角度となっている。
混合物Dは、このようなネット板17上を、受入口24下の上流側から下流側へと、その傾斜に沿って流れて行き、混合物D中に混入されていた剥離液Bの大部分が、ネット板17のネット孔にて分離されて、下位のプレート20間の左右間隔や傾斜板19を介し、下方の回収槽16に向けて落下して行く。
【0023】
次に、前段分離機構14の流れ規制板18は、複数枚がネット板17上に上下間隔を存しつつ、各々縦に配設されており、相互間にそれぞれ左右間隔が存している。
すなわち、図示例の各流れ規制板18は、板面を混合物Dの流れ方向に対し直角に向け、各々垂直の縦に配設,固定されている。又、下位の下降傾斜したネット板17に対し、上下間隔が存すると共に、それぞれの下端が傾斜して揃えられている。つまり、各流れ規制板18の下端は、徐々に下位に位置せしめられており、下端間を連続させた仮想線が、傾斜したネット板17と平行となっている。そこで混合物Dは、下部側が、ネット板17の傾斜に沿って流れると共に、上部側の流れが、必要な流れ規制板18にて規制され、もって流れが、全体的にほぼ均一化される。
つまり混合物Dは、各流れ規制板18のうち必要なものにて、上部側が塞き止められ,規制されることにより、上位の流れ規制板18と下位のネット板17との間で、一度に多量に流れたり少量の流れになったりすることなく、均一化されて流れて行くようになる。混合物Dの流れは、前後,左右,上下にわたり、過不足なく全体的に同程度に均一化される。
【0024】
次に、前段分離機構14の傾斜板19は、ネット板17下に上下間隔を存しつつ、並んで横設,配設され、回収孔25が多数形成されている。プレート20は、複数枚がネット板17と傾斜板19との間に、垂直より傾斜して配設されると共に、相互間にそれぞれ左右間隔が存している。
すなわち、まず傾斜板19は、多数の小さな回収孔25を備えると共に、上位のネット板17と見合った大きさの長板状をなし、上位のネット板17との間に上下間隔を存しつつ、ネット板17と同一の傾斜角度で、ネット板17下に平行に配設,固定されている。このような傾斜板19としては、例えばパンチングプレートが使用される。
そしてプレート20は、ネット板17と傾斜板19との間に、複数枚配設されており、相互間に十分な左右間隔を存すると共に、それぞれ垂直から例えば30度程度傾斜して固定されている。傾斜方向は、上流側ほど高く下流側ほど低くなるように、設定されている。
プレート20間の左右間隔は、例えば、ネット板17から落下した剥離液Bの一部が、プレート20に当たらずに傾斜板19に至ることが可能な程度に広く設定されている。
【0025】
そこで、ネット板17の傾斜に沿って流れる混合物D中から、前述によりネット板17を介して分離された剥離液Bは、下位の各プレート20間の左右間隔そして傾斜板19の回収孔25を介した後、下方の回収槽16に向けて落下して行く。なお、プレート20間の左右間隔を通過する際、かなりの剥離液Bは、各プレート20に当たって、各プレート20に沿って流下した後、傾斜板19の回収孔25から回収槽16へと落下して行く。
そしてその際、剥離液Bは、一部が、途中で各プレート20に当たって泡立ち、もって泡Pの力にて、ネット板17を上下に揺すって混合物Dを篩いにかけて流し、もって混合物Dについて、感光性レジストAからの剥離液Bの分離を促進させると共に、ネット板17への感光性レジストAの付着を阻止する。
すなわち剥離液Bは、3%程度の苛性ソーダその他のアルカリ性の薬液よりなり、その温度は50℃程度となっており、ネット板17からの落下途中でプレート20に当たると、泡立つ。
そして、発生した泡Pの力にて、上位のネット板17を揺らすようになる。そこで、ネット板17上を流れる混合物Dを篩いにかけ、もって、剥離液Bと感光性レジストAとの分離を促進させると共に、ネット板17に沈殿,付着しようとした感光性レジストAを、上方の流れへと押し戻すようになる。図1中Gは、前段分離機構14内における混合物Dの流れ方向を示す。
前段分離機構14は、このようになっている。
【0026】
《後段分離機能15について》
次に、レジスト回収装置10の後段分離機構15について述べる。図2に示したように、後段分離機構15は、スクリューコンベヤ26と筒ネット27を、備えており、これらは回収室13の上部に、前述した前段分離機構14に直角に連設して、横設されている。
まずスクリューコンベヤ26は、多数の回収孔28が形成され横軸にて配設,固定された外筒29と、外筒29内に同軸に配設された回転軸30と、回転軸30に付設されたスクリュー31と、回転軸30に連結されると共に、回収室13外に設けられた駆動部32と、を備えている。
外筒29は、上流側が閉鎖され、下流側が開放されている。外筒29の回収孔28の径は、前述したネット板17のネット孔の径に準じ、微細に設定されている。図示例の回収孔28は、外筒29に多数の小開口を形成して、その各小開口に、それぞれネットを貼り付けることにより構成されており、このネット部分に、前述したネット板17に準じたものが使用されている。
【0027】
又、スクリューコンベヤ26の上流側上部には、つまりその外筒29の上流側上部には、開口部33が形成されており、混合物Dは、前段分離機構14のネット板17下流側から、この開口部33を介し、スクリューコンベヤ26内に流下供給される(図1も参照)。
他方、スクリューコンベヤ26の下流側には、筒ネット27が連設して、配設,固定されている。この筒ネット27は、横軸の円錐台状をなす等、下流側が径小となった形状をなし、スクリューコンベヤ26と同軸に横設されている。筒ネット27のネット孔の径は、前述したネット板17のネット孔の径に準じ、微細に設定されている。
筒ネット27の開放された径大な上流側は、スクリューコンベヤ26の外筒29の下流側と連通され、径小の下流側は、導管34を介し外部の回収ボックス35に接続されている。
【0028】
そこで、前段分離機構14のネット板17上から流下供給された混合物Dは、まず、後段分離機構15のスクリュー31が回転駆動されるスクリューコンベヤ26にて、圧縮搬送されることにより、混合物D中に残留していた剥離液Bが、途中で分離されて回収槽16へと落下すると共に、殆んど感光性レジストAのみとなった混合物Dが、スクリューコンベヤ26の下流側から導出される。
そして混合物Dは、徐々に径小となった下流側の筒ネット27にて絞り込まれることにより、上流側のスクリューコンベヤ26内に強力な圧縮力が作用するようになり、スクリューコンベヤ26内において確実に圧縮搬送される。もって、前段分離機構14から供給された混合物D中に残留していた剥離液Bは、スクリューコンベヤ26内や筒ネット27内において絞り出され脱水分離されて、スクリューコンベヤ26の外筒29の回収孔28や筒ネット27から、回収槽16へと落下して行く。
そして、最後に残った感光性レジストAは、スクリューコンベヤ26の下流側から、筒ネット27を経て導出された後、導管34を介し、回収室13外に付設された回収ボックス35に投入,回収された後、廃棄される。図中Hは、後段分離機構15内における混合物Dの搬送方向を示す。
後段分離機構15は、このようになっている。
【0029】
《回収槽16等について》
次に、回収槽16等について述べる。図1,図2中に示したように、回収槽16は、落下回収された剥離液Bを流下,貯留すると共に、貯留された剥離液Bを、ポンプ36や配管37を介し剥離装置11へと、再使用のため循環供給する。すなわち回収槽16は、回収室13内の下部に配設され、上位の前段分離機構14や後段分離機構15と、上下間隔を存して配設されている。そして、前段分離機構14や後段分離機構15において、分離された剥離液Bが、落下,回収,貯留される。
図1中38は、回収槽16に設けられたヒーター38であり、このヒーター38は、回収槽16に貯留された剥離液Bを、例えば55℃程度に加温して再使用に備える。
そして、配管37の一端が回収槽16に接続されており、ポンプ36を経由した配管37の他端は、剥離装置11の各スプレーノズル8に接続されている。
回収槽16等は、このようになっている。
【0030】
《作用等》
本発明のレジスト回収装置10は、以上説明したように構成されている。そこで、以下のようになる。
▲1▼回路用の基板Eの製造工程において、剥離工程の剥離装置11では、基板材Cにアルカリ性の剥離液Bがスプレーされ、→基板材Cの外表面から感光性レジストAが、剥膜除去される。
それから、→使用後の剥離液Bと剥膜除去された感光性レジストAとは、混じり合って流動的な混合物Dとなり、→剥離装置11から、付設されたレジスト回収装置10に供給される(図1を参照)。
▲2▼レジスト回収装置10に供給された混合物Dは、→上部側に、比重が軽い感光性レジストAが多く浮遊しており、逆に下部側は、感光性レジストAが少ない状態となっている。
そこで混合物Dは、→まず、レジスト回収装置10の前段分離機構14の若干下降傾斜したネット板17上を、流れ方向Gに流れることにより、→感光性レジストAが少ない下部側から、剥離液Bのみが容易に分離されて、→回収層6に落下回収される(図1を参照)。
【0031】
▲3▼ところで前段分離機構14は、更に、ネット板17上に複数枚の流れ規制板18を備えている。→この各流れ規制板18は、ネット板17上に上下間隔を存しつつ、各々縦に配設されており、相互間にそれぞれ左右間隔が存している。
そこで混合物Dは、→下部側が、ネット板17の傾斜に沿って流れ方向Gに流れると共に、特に上部側が、必要な流れ規制板18の下端部にて塞き止められて、その流れが規制される。→例えば図示のように、多大・過剰な量の混合物Dが流れて来た場合は、上流側の流れ規制板18を通過する毎に流れの流量が削減され、中流から下流側においては、適切な量の流れに変化して流れて行くようになる。
つまり、混合物Dの流れは、必要な規制板18により(多くの場合は上流側の規制板18により)、前後(流れ方向G),左右(流れ方向Gと直角な幅方向),上下(深さ)にわたり、それぞれ同程度に分散され均一化される。
→このようにして、混合物Dは、ネット板17全面にわたりほぼ均一に拡げられ、ネット板17上を全体に平均的に流れるようになり、→混合物Dの流れが、全体的にほぼ均一化されスムーズ化される(図1を参照)。
【0032】
▲4▼そして前段分離機構14は、更にネット板17下に、横設された傾斜板19と、傾斜設された複数枚のプレート20と、を備えている。→傾斜板19は、ネット板17下に上下間隔を存しつつネット板17と並んで配設され、回収孔25が形成されている。→各プレート20は、ネット板17と傾斜板19との間に、垂直より傾斜して配設されると共に、相互間にそれぞれ左右間隔が存している。
そこで、→ネット板17上をその傾斜に沿って流れ方向Gに流れる混合物D中から、ネット板17を介して分離された剥離液Bは、→各プレート20間の左右間隔そして傾斜板19の回収孔25を介して、→回収槽16に落下回収される。
これと共に、→その途中で、剥離液Bの一部が、各プレート20に当たることにより、→泡立ち(剥離液Bは、アルカリ性で苛性ソーダ等を含有した薬液よりなると逆に、加温されている)、→もって、下からの泡Pの力にて、ネット板17が上下に揺すられて波立ち、→ネット板17上の混合物Dを、篩いにかけて流す。→そこで、剥離液Bの感光性レジストAからの分離が、促進されると共に、ネット板17上に付着しようとした感光性レジストAを、ネット板17から離反させる(図1を参照)。
【0033】
▲5▼さて次に、このレジスト回収装置10において、混合物Dは、このような前段分離機構14から、後段分離機構15に供給される。
すなわち、かなりの剥離液Bがまず分離,回収された混合物Dは、前段分離機構14のネット板17上から、→後段分離機構15のスクリューコンベヤ26に流下供給されて、搬送方向Hに圧送され圧縮搬送された後、→スクリューコンベヤ26の下流側から、筒ネット27に供給される。
→筒ネット27は、下流側が径小な横の円錐台状等をなしており、供給された混合物Dを絞り込む。→混合物Dは、筒ネット27で絞り込まれることにより、上述した上流側の圧縮搬送が、確実に実施されるようになる(図2を参照)。
▲6▼さて、このような後段分離機構15において、→混合物Dは、スクリューコンベヤ26にて、搬送方向Hに圧送され圧縮搬送されることにより、→混合物D中に残留していた剥離液B、つまり前段分離機構14にて分離,回収されることなく混合物D中に残留していた剥離液Bが、途中で、絞り出され脱水分離されて、→スクリューコンベヤ26の外筒29の回収孔28や筒ネット27から、回収槽16に落下回収される(図2を参照)。
▲7▼そして混合物Dは、→最後に残った感光性レジストAが、殆んど剥離液Bを含まない状態となって、スクリューコンベヤ26の下流側から、→筒ネット27を経て、回収ボックス35に捕集,導出回収される(図2を参照)。
【0034】
▲8▼このように、このレジスト回収装置10にあっては、混合物Dについて、まず前段分離機構14により、感光性レジストAの少ない下部側から、剥離液Bのみを、容易かつ確実に分離,落下回収する。
→それから次に、上部側にて浮遊する感光性レジストAを中心とした混合物Dを、網すくい状態で捕集して、後段分離機構15に流下させて、圧縮搬送することにより、→更に残っていた剥離液Bを分離,落下回収させ、→最後に、残った感光性レジストAを、捕集回収する。
→このようにして、剥離液Bと感光性レジストAとが、限りなく分別されると共に、自然な形でスムーズかつ確実に、分離,回収される。もって、最近の微細化された感光性レジストA、つまり回路F用の保護膜として使用された微細な感光性レジストAであっても、確実に分離可能となる。
【0035】
▲9▼そして、このレジスト回収装置10は、回収槽16を備えている。→そこで、上述により分離,回収された剥離液Bは、感光性レジストAの混入が殆ど防止されているので、回収槽16に流下,貯留された後、→ポンプ36や配管37を介し剥離装置11へと、何ら問題なく、再使用のため循環供給される。
又、このレジスト回収装置10では、分離,回収された剥離液Bは、感光性レジストAが殆ど混入していないので、→性能低下が少なく、新鮮な剥離液Bの補充頻度や新たな剥離液Bへの交換頻度も、減少する。
更に、混入した感光性レジストAが白濁化・エマルジョン化,クリーム状化・のり状化して、沈殿,付着する問題も発生せず、→清掃作業の手間と時間が軽減される。
又、このレジスト回収装置10は、フィルター3(この種従来例の図3を参照)を使用せず、上述したように自然な形で、感光性レジストAを分離,捕集するので、→構成部材の交換頻度も低い。
【0036】
【発明の効果】
《本発明の特徴》
本発明に係るレジスト回収装置は、以上説明したように、所定のネット板,流れ規制板,傾斜板,プレート板等を備えた前段分離機構と、所定のスクリューコンベヤ,筒ネットを備えた後段分離機構とを、採用したことを特徴とする。
そこで、本発明のレジスト回収装置は、次の効果を発揮する。
【0037】
《第1の効果》
第1に、剥離液と感光性レジストとが、確実に分離,回収され、剥離液を問題なく再使用することができる。
すなわち、本発明のレジスト回収装置では、混合物について、まず前段分離機構にて、感光性レジストが多く浮遊している上部側を除き、感光性レジストの少ない下部側から剥離液を分離,回収してから、次に、後段分離機構に流下させて、圧縮搬送により、更に残っていた剥離液を分離,回収した後、最後に、感光性レジストを捕集,回収する。
このようにして、剥離液と感光性レジストが、自然な形でスムーズかつ確実に分離,回収される。もって、最近の回路の微細化に伴い微細化された感光性レジストの場合でも、剥離液のみを確実に分離,回収できるようになる。
そこで、フィルター式や網目ドラム式の前述したこの種従来例のレジスト回収装置のように、回収された剥離液中に、多量の感光性レジストが混入してしまうことは、防止される。分離,回収された剥離液は、剥離装置に供給して、問題なく再使用,循環利用可能である。
【0038】
《第2の効果》
第2に、もって剥離液の交換頻度等が低くなると共に、清掃作業も簡単容易化される。
すなわち、本発明のレジスト回収装置では、上述したように、剥離液と感光性レジストとが、確実に分離,回収される。そこで、回収された剥離液は、性能低下も少なく、フィルター式や網目ドラム式の前述したこの種従来例のレジスト回収装置に比し、剥離液の補充頻度や交換頻度が、大幅に減少する。
更に、前述したこの種従来例のように、循環して再使用される剥離液中に混入していた感光性レジストが、沈殿,付着する問題も発生しなくなる。
もって、沈殿,付着した感光性レジストを除去する、面倒で手間と時間を要する清掃作業の頻度も大幅に少なくなり、実施される清掃作業自体も、大幅に簡単容易化される。
【0039】
《第3の効果》
第3に、フィルター交換の問題も解消される。すなわち、本発明のレジスト回収装置は、前述したフィルター式のこの種従来例のように、フィルターを用いて感光性レジストを分離,捕集する方式によらないので、フィルターの目詰まり問題は発生せず、フィルター交換コストの問題も解消される。
つまり、フィルターによる濾過方式ではなく、より自然な形で機構的に感光性レジストを分離,捕集する方式を採用したので、構成部材の交換頻度が大幅に減少し、維持コスト面にも優れている。
このように、この種従来例に存した課題がすべて解決される等、本発明の発揮する効果は、顕著にして大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るレジスト回収装置について、発明の実施の形態の説明に供し、剥離装置と共に示した正断面説明図である。
【図2】同発明の実施の形態の説明に供し、側断面説明図である。
【図3】この種従来例の説明に供する、正断面説明図である。
【図4】基板(材)の模式化した平面説明図である。
【符号の説明】
1 剥離装置(従来例のもの)
2 レジスト回収装置(従来例のもの)
3 フィルター
4 剥離室(従来例のもの)
5 液槽
6 ポンプ
7 配管
8 スプレーノズル
9 ローラーコンベヤ
10 レジスト回収装置(本発明のもの)
11 剥離装置(本発明のもの)
12 剥離室(本発明のもの)
13 回収室
14 前段分離機構
15 後段分離機構
16 回収槽
17 ネット板
18 流れ規制板
19 傾斜板
20 プレート
21 仕切り床板
22 排出口
23 供給管
24 受入口
25 回収孔
26 スクリューコンベヤ
27 筒ネット
28 回収孔
29 外筒
30 回転軸
31 スクリュー
32 駆動部
33 開口部
34 導管
35 回収ボックス
36 ポンプ
37 配管
38 ヒーター
A 感光性レジスト
B 剥離液
C 基板材
D 混合物
E 基板
F 回路
G 流れ方向
H 搬送方向
P 泡

Claims (5)

  1. 回路用基板の製造工程で使用され、剥離装置に付設されるレジスト回収装置であって、前段分離機構と後段分離機構を有してなり、
    該前段分離機構は、ネット板を備えており、該剥離装置から供給された使用後のアルカリ性の剥離液と除去された感光性レジストとの混合物は、まず該ネット板上を流れることにより、該剥離液が、分離されて落下回収され、
    該後段分離機構は、スクリューコンベヤを備えており、該前段分離機構のネット板上から供給された該混合物は、該スクリューコンベヤにて圧縮搬送されることにより、残留していた該剥離液が、途中で分離されて落下回収されると共に、該感光性レジストが、該スクリューコンベヤの下流側から導出回収されること、を特徴とするレジスト回収装置。
  2. 請求項1に記載したレジスト回収装置において、該前段分離機構は、若干下降傾斜して配設された該ネット板と、複数枚の流れ規制板と、を備えており、
    各該流れ規制板は、該ネット板上に上下間隔を存しつつ各々縦に配設され、相互間にそれぞれ左右間隔が存しており、該混合物は、該ネット板の傾斜に沿って流れると共に、該流れ規制板にて規制され流れが全体的にほぼ均一化されること、を特徴とするレジスト回収装置。
  3. 請求項1に記載したレジスト回収装置において、該前段分離機構は、若干下降傾斜して配設された該ネット板と、傾斜板と、複数枚のプレートと、を備えており、
    該傾斜板は、該ネット板下に上下間隔を存して配設され、回収孔が形成されており、各該プレートは、該ネット板と該傾斜板との上下間隔間に、垂直より傾斜して配設されると共に、相互間にそれぞれ左右間隔が存しており、
    該ネット板の傾斜に沿って流れる該混合物中から該ネット板を介して分離された該剥離液は、各該プレート間の左右間隔そして該傾斜板の回収孔を介して、落下回収されると共に、一部が、途中で各該プレートに当たって泡立ち、もって泡の力にて、該ネット板が上下に揺すられて該混合物を篩いにかけて流し、該剥離液の分離を促進させると共に、該ネット板への該感光性レジストの付着を阻止すること、を特徴とするレジスト回収装置。
  4. 請求項1に記載したレジスト回収装置において、該後段分離機構は、外筒に回収孔が形成された該スクリューコンベヤと、該スクリューコンベヤの下流側に連設され、横軸の円錐台状をなす等、下流側が径小となった形状の筒ネットと、を備えており、
    該混合物は、該筒ネットにて絞り込まれることにより、該スクリューコンベヤにおいて確実に圧縮搬送され、残留していた該剥離液が、途中で絞り出され脱水分離されて、該スクリューコンベヤの外筒の回収孔や該筒ネットから落下回収されると共に、最後に残った該感光性レジストが、該スクリューコンベヤの下流側から該筒ネットを経て、導出回収されること、を特徴とするレジスト回収装置。
  5. 請求項2,3又は4に記載したレジスト回収装置において、回収槽を備えており、該回収槽は、落下回収された該剥離液を流下,貯留すると共に、貯留された該剥離液を、ポンプや配管を介し該剥離装置へと、再使用のため循環供給すること、を特徴とするレジスト回収装置。
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