JP2004055711A - 基板処理装置 - Google Patents

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Kisaburo Niiyama
新山 喜三郎
Chikara Hara
原 ちから
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Abstract

【課題】第1に、乱流や液溜まりが防止されて、処理がバラツキなく均一化され、プリント配線基板の精度が向上すると共に、第2に、回路の傷等のトラブル発生が防止され、プリント配線基板の不良が減少し、歩留まりが向上する、基板処理装置を提案する。
【解決手段】この基板処理装置5は、プリント配線基板の製造工程で使用される。そしてプリント配線基板材Pを、表面Qや裏面Fの回路形成面Rに無接触状態で、コンベヤ2にて搬送しつつ、スプレーノズル4から処理液Sを噴射すると共に、前後のエアー吹出部6からエアーEを吹付ける。もって、回路形成面Rについて、左右の幅方向Wに沿ったエアーゾーンが形成され、処理液Sは、このエアーゾーンにて挟まれ規制されて、左右の幅方向Wに沿った流路を形成して流れつつ所定の処理を行った後、左右両サイドから流下する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板処理装置に関する。すなわち、プリント配線基板の製造工程で使用され、プリント基板材を搬送しつつ処理する、基板処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
《技術的背景》
電子機器の高性能化,高機能化,小型軽量化に伴い、プリント配線基板も高精度化,ファイン化,極薄化が進み、表面や裏面に形成される回路の高密度化,微細化が著しい。そして、プリント配線基板の製造工程では、各工程において、搬送されるプリント配線基板材の回路形成面に対し処理液が噴射され、もって各種処理が行われていた。
例えば、現像液→エッチング液→剥離液等が順次噴射され、もって、現像→エッチング→剥膜等の処理が順次行われて、回路が形成されていた。又例えば、無電解銅メッキ液への浸漬→現像液の噴射→電解銅メッキ液への浸漬→剥離液の噴射等が順次行われ、もって、化学銅メッキ→現像→電気銅メッキ→剥膜等が順次行われて、回路が形成されていた。
更に、これらの各工程の前後処理として、水洗液等が噴射され、もって洗浄処理が行われていた。
【0003】
《従来技術》
さて、このようなプリント配線基板の製造工程では、各工程において、プリント配線基板材が、それぞれの基板処理装置に供給されて、コンベヤにて水平姿勢で搬送されつつ、処理が行われていた。
図5は、この種従来例の基板処理装置(両面基板用)の説明に供し、(1)図は要部側面図、(2)図は、(1)図のK−K線に沿った矢視断面図である。図6は、この種従来例の基板処理装置(片面基板用)の説明に供し、(1)図は、その1例の要部側面図、(2)図は、回路形成面の要部平面図(底面図)、(3)図は、他の例の要部側面図である。
これらの図面に示したように、前述した現像工程,エッチング工程,剥膜工程,洗浄工程等の各工程では、それぞれの基板処理装置1において、→プリント配線基板材Pをコンベヤ2のローラー3やホイール13にて、水平姿勢で搬送しつつ、→表面Qや裏面Fの回路形成面Rに対し、スプレーノズル4から処理液Sを噴射し、→もって所定の処理を行っていた。
【0004】
すなわち図5に示したように、表面Qと裏面Fに回路形成面Rを備えたプリント配線基板材P用の基板処理装置1、つまり両面基板用の基板処理装置1にあっては、→プリント配線基板材Pを、コンベヤ2のホイール13に載せて搬送しつつ、→表面Qおよび裏面Fの回路形成面Rに対し、上下両側に配設されたスプレーノズル4から処理液Sが噴射され、→もって回路形成面Rが処理されていた。
又、図6の(1)図や(3)図に示したように、表面Qのみに回路形成面Rを備えたプリント配線基板材P用の基板処理装置1、つまり片面基板用の基板処理装置1にあっては、→プリント配線基板材Pを、コンベヤ2のローラー3にて搬送しつつ、→表面Qの回路形成面Rに対し、上側に配設されたスプレーノズル4から処理液Sが噴射され、→もって回路形成面Rが処理されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
《第1の問題点について》
ところで、このようなこの種従来例の基板処理装置1にあっては、次の問題が指摘されていた。
第1に、図5の基板処理装置1(両面基板用)や図6の(1)図の基板処理装置1(片面基板用)については、プリント配線基板材Pの表面Qや裏面Fの回路形成面Rに、乱流Tや液溜まりUが発生し易い、という問題が指摘されていた。
すなわち、回路形成面Rに噴射された処理液S、つまり図5の例では表面Qと裏面Fに噴射された処理液S、図6の(1)図の例では表面Qに噴射された処理液Sは、回路形成面Rを、前後の搬送方向Vと直交する左右の幅方向Wに流れつつ処理した後、左右両サイドから流下することになる。
しかしながら、すべての処理液Sが、このように所期の通り、幅方向Wに流れる訳ではなかった。すなわち、図6の(2)図等に示したように、処理液Sが副次的に、図5の例では表面Qや裏面Fの回路形成面Rに、図6の(1)図の例では表面Qの回路形成面Rに、散乱して前後の搬送方向Vへの乱流Tとなったり、中央部に液溜まりUとなって停滞し易かった。これは、プリント配線基板材Pを搬送しつつ、処理液Sを噴射することに起因する。
【0006】
そして、このように乱流Tや液溜まりUが発生すると、処理液Sの更新が妨げられて処理の遅速・過不足が生じ、もって、処理の均一化が阻害されて処理のバラツキが顕著となり、均一な回路形成に支障が生じてしまう。
このような事態発生は、回路の高密度化,微細化が進むプリント配線基板にとって、精度的欠陥となっていた。
【0007】
《第2の問題点について》
第2に、図5の基板処理装置1(両面基板用)にあっては、プリント配線基板材Pの裏面Fの回路形成面Rに、図6の(3)図の基板処理装置1(片面基板用)にあっては、プリント配線基板材Pの表面Qの回路形成面Rに、それぞれ傷等のトラブルが頻発する、という問題が指摘されていた。
まず、図5の基板処理装置1(両面基板用)は、下側のコンベヤ2のホイール13上に、裏面Fにも回路形成面Rを備えたプリント配線基板材Pが、載せられ接触せしめられて搬送されていた。
又、表面Qに回路形成面Rを備えたプリント配線基板材Pを、搬送する基板処理装置1(片面基板用)のコンベヤ2としては、図6の(3)図中に示したように、プリント配線基板材Pにローラー3を上下から接触,圧接させて、挟んで送るものも使用されていた。
更に、搬送は前述した図6の(1)図の例と同様に、下側のコンベヤ2のローラー3上にプリント配線基板材Pを載せることにより行われるが、前述した乱流Tや液溜まりUを阻止すべく、図6の(3)図中に示したように、上側に規制ローラー3’を配設した基板処理装置1(片面基板用)も使用されていた。すなわち、噴射された処理液Sが前後に流れることなく、所期のとおり左右の幅方向Wへと流れるように、上側の前後に、プリント配線基板材Pの回路形成面Rに圧接されるローラー3’を配設したものも、使用されていた。
【0008】
しかしながら、これらの基板処理装置1にあっては、上側のローラー3,規制ローラー3’や下側のホイール13との接触,圧接により、プリント配線基板材Pの回路形成面Rに、接触傷や擦り傷等が発生し易かった。表面Qや裏面Fの回路形成面Rの感光性レジスト,銅箔,メッキ,回路に、潰れ,凹み,変形等が発生し易かった。
そして、このような傷等の発生は、回路の高密度化,微細化が進むプリント配線基板にとって大きな不良原因となり、歩留まり悪化が問題となっていた。特に、モジュール基板の場合は、微細回路に半導体部品が予め一体的に組み込まれていることに鑑み、不良発生は大きな問題となり、100%に近い歩留まり向上が大きなテーマとなっていた。
【0009】
《本発明について》
本発明の基板処理装置は、このような実情に鑑み、上記従来例の課題を解決すべく、発明者の鋭意研究努力の結果なされたものである。
そして、プリント配線基板の製造工程において、プリント配線基板材の表面や裏面の回路形成面を、無接触状態で搬送しつつ、スプレーノズルから処理液を噴射すると共に、前後のエアー吹出部からエアーを吹付けて、左右の幅方向に向けた処理液の流路を形成すること、を特徴とする。
もって本発明は、第1に、乱流や液溜まりが防止されて、プリント配線基板の精度が向上すると共に、第2に、傷等のトラブルが防止されて、プリント配線基板の不良が大きく減少する、基板処理装置を提案することを、目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
《各請求項について》
このような課題を解決する本発明の技術的手段は、次のとおりである。まず、請求項1については次のとおり。すなわち、請求項1の基板処理装置は、プリント配線基板の製造工程で使用される。
そして、プリント配線基板材を回路形成面に無接触状態で搬送するコンベヤと、該プリント配線基板材に処理液を噴射するスプレーノズルと、該プリント配線基板材にエアーを吹付けるエアー吹出部と、を有してなること、を特徴とする。
【0011】
請求項2については、次のとおり。すなわち、請求項2の基板処理装置(両面基板用)は、請求項1において、該コンベヤは、表面や裏面に該回路形成面を備えた該プリント配線基板材を、裏面の該回路形成面の両外側を保持しつつ水平姿勢で搬送する。
該スプレーノズルは、搬送される該プリント配線基板材の上下両側に配設されており、該回路形成面に対し該処理液を噴射する。該エアー吹出部は、搬送される該プリント配線基板材の上下両側に配設されると共に、該スプレーノズルの前後に配設されており、該回路形成面に対し該エアーを吹付けること、を特徴とする。
請求項3については、次のとおり。すなわち、請求項3の基板処理装置(両面基板用)は、請求項2において、該コンベヤは、該プリント配線基板材を枠台と共に搬送する。そして該枠台は、該プリント配線基板材の回路形成面を中央開口にて露出させると共に、該プリント配線基板材裏面のエッジを載せて固定的に保持し、両側下に該コンベヤのローラーが配設されていること、を特徴とする。
請求項4については次のとおり。すなわち、請求項4の基板処理装置(片面基板用)は、請求項1において、該コンベヤは、表面のみに該回路形成面を備えた該プリント配線基板材を載せて、裏面を接触,保持しつつ水平姿勢で搬送する。
該スプレーノズルは、搬送される該プリント配線基板材の上側に配設されており、該回路形成面に対し該処理液を噴射する。該エアー吹出部は、搬送される該プリント配線基板材の上側に配設されると共に、該スプレーノズルの前後に配設されており、該回路形成面に対し該エアーを吹付けること、を特徴とする。
【0012】
請求項5については次のとおり。すなわち、請求項5の基板処理装置は、請求項2又は4において、該スプレーノズルはスプレー管に配設され、該スプレー管は、該プリント配線基板材の全幅をカバーすべく、左右の幅方向に配設されている。該エアー吹出部は風管に配設され、該風管は、該プリント配線基板材の全幅をカバーすべく、幅方向に配設されると共に、該スプレー管と平行に搬送方向の前後に対をなして配設されていること、を特徴とする。
請求項6については次のとおり。すなわち、請求項6の基板処理装置は、請求項5において、該エアー吹出部から吹付けられた該エアーは、該スプレーノズルから噴射された該処理液が、該プリント配線基板材の回路形成面上にて、前後の搬送方向に乱流となったり液溜まりとなることを規制,防止すべく機能すること、を特徴とする。
請求項7については次のとおり。すなわち、請求項7の基板処理装置は、請求項6において、該エアー吹出部から吹付けられた該エアーは、該プリント配線基板材の回路形成面にて、左右の幅方向に沿ったエアーゾーンを形成し、該スプレーノズルから噴射された該処理液は、前後の該エアーゾーンにて挟まれて規制され、もって該回路形成面に幅方向に沿った流路を形成すること、を特徴とする。
【0013】
請求項8については次のとおり。すなわち、請求項8の基板処理装置は、請求項7であって、該プリント配線基板材の現像工程,エッチング工程,又は剥膜工程にて使用され、該スプレーノズルは、現像液,エッチング液,又は剥離液等の薬液を、該処理液として噴射すること、を特徴とする。
請求項9については次のとおり。請求項9の基板処理装置は、請求項7であって、該プリント配線基板材の洗浄工程にて使用され、該スプレーノズルは、水洗液,中和剤,その他の洗浄液を、該処理液として噴射すること、を特徴とする。
請求項10については次のとおり。すなわち、請求項10の基板処理装置は、請求項7において、該エアー吹出部は、左右の幅方向に直線的なスリット状吹出口よりなり、該エアーを幕状に吹出して吹付けること、を特徴とする。
請求項11については次のとおり。すなわち、請求項11の基板処理装置は、請求項7において、該エアー吹出部は、左右の幅方向に列設された複数の吹出孔の集合体よりなり、該エアーを、全体的には連続した幕状に吹出して吹付けること、を特徴とする。
請求項12については次のとおり。すなわち、請求項12の基板処理装置は、請求項7であって、モジュール基板の製造工程で用いられ、該プリント配線基板材は、回路形成面に微細回路が形成されると共に半導体部品が一体的に組み込まれており、事後に積層使用されること、を特徴とする。
【0014】
《作用について》
本発明は、このようになっているので、次のようになる。
▲1▼この基板処理装置は、プリント配線基板例えばモジュール基板の製造工程において、各種工程に適用される。例えば、現像工程、エッチング工程、剥膜工程や、洗浄工程にて使用される。
▲2▼そしてプリント配線基板材は、表面や裏面に回路形成面を備え、コンベヤにて水平姿勢で搬送される。両面基板用のプリント配線基板材の場合は、枠台に載せられ、裏面の回路形成面の両外側がコンベヤにて保持される。片面基板用のプリント配線基板材の場合は、裏面がコンベヤにて保持される。
▲3▼このようにプリント配線基板材は、回路形成面がコンベヤに無接触状態で搬送されるので、回路形成面に傷等が発生する虞がない。
▲4▼そして、このように搬送されるプリント配線基板材の回路形成面に対し、スプレーノズルから、現像液,エッチング液,剥離液等の薬液や、水洗液等の洗浄液が、処理液として噴射される。スプレーノズルは、幅方向のプレー管に配設されている。
【0015】
▲5▼これと共に、スプレーノズルの前後のエアー吹出部から、エアーが、回路形成面に吹付けられる。エアー吹出部は、スプレー管と平行で対をなす風管に配設されており、直線スリット状の吹出口や列設された吹出孔の集合体よりなり、エアーを幕状に吹出す。
▲6▼そして、プリント配線基板材に吹付けられたエアーが、回路形成面の幅方向にエアーゾーンを形成するので、処理液は、前後のエアーゾーンにて規制され、幅方向に沿った流路を形成する。
▲7▼このように処理液は、所期のとおり、回路形成面を幅方向に流れつつ処理した後、左右両サイドから流出,流下し、乱流や液溜まりとなることはない。
▲8▼そこで、この基板処理装置によると、プリント配線基板材の回路形成面について、処理液の更新が促進され、処理の遅速・過不足が阻止されて、バラツキのない均一した処理が実現される。
【0016】
【発明の実施の形態】
《図面について》
以下本発明を、図面に示す発明の実施の形態に基づいて、詳細に説明する。図1,図2,図3,図4等は、本発明に係る基板処理装置の実施の形態の説明に供する。
そして図1は、その1例(両面基板用)の説明に供し、(1)図は要部側面図、(2)図は、(1)図のJ−J線に沿った矢視断面図、(3)図は、プリント配線基板材や枠台の要部平面図(底面図)である。
図2は、他の例(片面基板用)の説明に供し、図2の(1)図は、要部側面図、(2)図は、(1)図のA−A線に沿った矢視断面図、(3)図は、(1)図のB−B線に沿った矢視断面図である。図3は、要部平断面図である。
図4の(1)図は、プリント配線基板材の回路形成面の要部平面図(底面図)、(2)図は、エアー吹出部の1例の底面図(平面図)、(3)図は、エアー吹出部の他の例の底面図(平面図)である。なお図7は、プリント配線基板(材)の平面(底面)説明図である。
【0017】
《プリント配線基板Cについて》
この基板処理装置5は、プリント配線基板Cの製造工程で用いられる。そこでまず、図7を参照しつつ、プリント配線基板Cの概略を説明しておく。
プリント配線基板Cは、各種電子機器用に広く用いられており、片面基板,両面基板,多層基板(含、最近のビルドアップ法のもの)等、各種のものがある。そして、このようなプリント配線基板Cの一環として、IC,LSI素子,受動部品,駆動部品,コンデンサー等々の半導体部品が一体的に組み込まれたモジュール基板(半導体パッケージ基板)や、プラズマディスプレイPDP,液晶LCDや、CSP,PBGA等も出現している。勿論、本明細書においてプリント配線基板Cとは、このようなものも包含する。
そしてプリント配線基板Cは、電子機器の高性能化,高機能化,小型軽量化に伴い、高精度化,ファイン化,極薄化,多層化等が進み、外表面つまり表面Qや裏面Fの一方又は双方に形成される、回路Dの高密度化,微細化が著しい。
プリント配線基板Cは、縦横が、例えば500mm×500mm程度よりなり、肉厚は、絶縁層部分が1.0mm〜60μm程度、回路D部分が75μm〜35μm、昨今では25μm〜10μm前後まで極薄化されている。多層基板の場合でも、全体の肉厚が1.0mm〜0.4mm程度まで、極薄化されつつある。回路D幅や回路D間スペースも、35μm〜25μm程度と微細化傾向にある。
プリント配線基板Cは、概略このようになっている。
【0018】
《プリント配線基板Cの製造方法について》
次に、この基板処理装置5が使用される、プリント配線基板Cの製造方法について述べる。まず、その第1例の製造方法について述べる。第1例の製造方法において、プリント配線基板Cは、次のステップを辿って製造される。
まず、樹脂,ガラスクロス又はセラミックス製の絶縁層(コア材)の外表面に、銅箔が熱プレス等により張り付けられた、銅張り積層板たるプリント配線基板材Pが準備される。そして、スルホール用の孔あけ加工が、レーザ等を使用して実施される。
スルホールは、プリント配線基板材P(プリント配線基板C)の両外表面(表面Qと裏面F)間の貫通孔よりなり、1枚について、極小径のものが数百個以上形成され、その径は、0.5mm〜0.2mm程度以下のものが多くなっている。そして、両外表面間や多層基板の回路D間の接続用や、回路Dに実装される部品の取り付け用として使用される。
なお最近は、スルホールに代えて小突起状の接点たるバンプを使用し、もってバンプにより、スルホールと同様の機能を孔あけ加工なしに実現する技術、NMBIメソッドも開発されている。
【0019】
さてしかる後、プリント配線基板材Pの銅箔の外表面(表面Q,裏面Fの一方又は双方)に、感光性レジストが膜状に塗布又は張り付けられる。それから、回路Dのネガフィルムである回路写真をあてて、露光することにより、外表面の感光性レジストは、露光されて硬化した回路D形成部分を残し、その他の不要部分が、現像液の噴射により溶解除去される。
しかる後、このようなプリント配線基板材Pの銅箔は、感光性レジストが硬化して被覆された回路D形成部分を残し、現像により感光性レジストが溶解除去されて露出した不要部分が、エッチング液(塩化第二銅,塩化第二鉄,その他の腐食液)の噴射により、溶解除去・エッチングされる。
それから、残っていた回路D形成部分の感光性レジストが、剥離液の噴射により剥膜除去され、残った回路D形成部分の銅箔にて、プリント配線基板材Pの外表面(表面Q,裏面Fの一方又は双方)に、所定の回路Dが形成され、もってプリント配線基板Cが製造される。
なお、上述した現像工程,エッチング工程,剥離工程には、それぞれ後処理用に、水洗液,中和剤液,その他の洗浄液を噴射する洗浄工程が付設されており、もって、プリント配線基板材Pの外表面に付着していた現像液,エッチング液,剥離液等が、洗浄,除去される。
第1例の製造方法は、このようになっている。
【0020】
次に、第2例の製造方法について述べる。プリント配線基板Cの製造方法としては、上述した第1例が代表的であったが、第2例のセミアディティブ法も多用されつつある。
このセミアディティブ法では、まず、予めスルホールが形成されたプリント配線基板材Pの外表面(表面Q,裏面Fの一方又は双方)に、無電解銅メッキが施される。→それから、この無電解銅メッキに、感光性レジストが膜状に塗布又は張り付けた後、→回路Dフィルムである回路写真をあてて、露光する。→もって感光性レジストは、露光されて硬化した部分を残し、他の部分つまり回路D形成部分が、現像液の噴射により溶解除去される。
しかる後、→回路D形成部分、つまり現像により感光性レジストが溶解除去されたメッキパターン部分、つまり無電解銅メッキが露出した部分に対し、電解銅メッキが施されて、→回路Dが形成される。
なお、残っていた硬化した回路D形成部分以外の感光性レジストは、剥離液の噴射により剥膜除去され、→露出した無電解銅メッキが、エッチング液の噴射によりクイックエッチングされて、融解除去される。→なお、各工程の後処理用として、洗浄工程が付設されている。
第2例のセミアディティブ法では、このようにして、電解銅メッキにて回路Dが形成され、もってプリント配線基板Cが製造される。第2例の製造方法は、このようになっている。
ところで、プリント配線基板Cの製造方法は、最近ますます多様化しつつあり、上述した第1例,第2例以外にも、各種方法が開発,使用されている。本発明は勿論、このような各種のプリント配線基板Cの製造方法に、適用される。
プリント配線基板Cの製造方法は、このようになっている。
【0021】
《基板処理装置5の概要について》
以下、本発明の基板処理装置5について、図1,図2,図3,図4等を参照して、詳細に説明する。
この基板処理装置5は、プリント配線基板Cの製造工程に適用され、その各工程用の基板処理装置5が用いられるが、これらの各基板処理装置5はいずれも、プリント配線基板材Pを搬送しつつ処理を行う。
すなわち、この基板処理装置5は、上述したプリント配線基板Cの製造方法の各工程、つまり、その現像工程,エッチング工程,剥膜工程,洗浄工程、等において用いられる。そして各基板処理装置5は、いずれも共通に、コンベヤ2,スプレーノズル4,エアー吹出部6等を、有してなる。
つまり、プリント配線基板材Pを表面Qの回路形成面Rに無接触状態で搬送するコンベヤ2と、プリント配線基板材Pに処理液Sを噴射するスプレーノズル4と、プリント配線基板材PにエアーEを吹付けるエアー吹出部6と、を有してなる。
【0022】
《コンベヤ2について》
まず、コンベヤ2について述べる。図1に示したように、両面基板用の基板処理装置5のコンベヤ2は、表面Qと裏面Fの表裏両面に回路形成面Rを備えたプリント配線基板材Pを、裏面Fの回路形成面Rの両外側を保持しつつ、水平姿勢で搬送する。
図示例のプリント配線基板材Pは、枠台14に載せられ枠台14と共にコンベヤ2にて搬送され、枠台14は、中央に広い開口15が形成された、略ロ字状のフレームボードよりなる。そしてプリント配線基板材Pは、表面Qおよび裏面Fの回路形成面Rが、この開口15にて上方および下方に向け露出される位置関係で、枠台14上に載せられており、裏面Fの回路形成面Rの外周に形成されたエッジY(図7を参照)が、枠台14上に載せられ、例えば形成された段部や介装されるテープを利用して、予め固定的に保持される。
そして、このような枠台14の両側下、つまり略ロ字状をなす枠台14の左右両側下に、コンベヤ2の回転駆動されるローラー16が配設され,接触している。このローラー16は、左右肉厚が薄く略ホイール状をなし、プリント配線基板材Pの裏面Fの露出した回路形成面Rには接触せず、回路形成面Rの左右両外側を枠台14を介して保持しつつ、搬送する。
次に、図2に示したように、片面基板用の基板処理装置5のコンベヤ2は、プリント配線基板材Pを載せて、裏面Fを接触,保持しつつ水平姿勢で搬送する。すなわち、この基板処理装置5の処理室内には、コンベヤ2の回転駆動されるローラー3又はホイールが、前後の搬送方向Vに向け列設されている。そしてプリント配線基板材Pは、表面Qに回路形成面Rが形成され、裏面Fには形成されていないので、コンベヤ2には無接触状態で搬送される。
コンベヤ2は、このようになっている。
【0023】
《スプレーノズル4について》
次に、スプレーノズル4について述べる。この基板処理装置5のスプレーノズル4は、搬送されるプリント配線基板材Pに対し、図1の両面基板用の基板処理装置5では、その上側と下側に対向配設され、図2の片面基板用の基板処理装置5では、上側に対向配設されており、表面Qや裏面Fの回路形成面Rに対し、処理液Sを図示例では斜めに噴射する。
そして、図示例のスプレーノズル4は、搬送方向Vに対し左右の幅方向W(左方向又は右方向)に向けられると共に、左方向又は右方向のいずれかに向け斜めに傾斜した角度で配設されている。つまり、このスプレーノズル4は、左右の幅方向Wに向け斜めに傾斜した噴射角度で固定されており、噴射された処理液Sは、左方向又は右方向に向け斜めに傾斜してプリント配線基板材Pに噴射される。
又、このスプレーノズル4は、現像工程で用いられた場合は、現像液を処理液Sとして噴射し、エッチング工程で用いられた場合は、エッチング液を処理液Sとして噴射し、剥膜工程で用いられた場合は、剥離液を処理液Sとして噴射し、洗浄工程で用いられた場合は、水洗液,中和剤液,その他の洗浄液を処理液Sとして噴射する。
【0024】
このようなスプレーノズル4について、更に詳述する。図1,図2,図3に示したように、基板処理装置5の処理室内には、スプレー管7が、プリント配線基板材Pに対し所定高さ間隔を存しつつ、図1の例では上下両側に、図2の例では上側に配設されている。
これと共に、上側や下側においてスプレー管7は、プリント配線基板材Pの全幅をカバーすべく、左右の幅方向Wに沿って配設されると共に、複数本が、前後の搬送方向Vに前後間隔を存しつつ多段に配設されている。
そして、このような各スプレー管7において、プリント配線基板材Pへの対向面(下面や上面)に、スプレーノズル4が配設されており、図示例では、搬送方向Vに多段に配設されたスプレー管7毎に、左方向に傾斜したものと右方向に傾斜したものが、順次交互に配されている。例えば、1本目のスプレー管7では、左方向に傾斜したスプレーノズル4が用いられ、2本目のスプレー管7では、右方向に傾斜したスプレーノズル4が用いられ、3本目のスプレー管7では、左方向に傾斜したスプレーノズル4が用いられ、以下これが繰り返されている。
又、スプレーノズル4としては、図3のように幅方向Wに列設された複数の吹出孔の集合体タイプや、幅方向Wに直線的な1本のスリット状吹出口タイプのものが、用いられる。
【0025】
そして処理液Sは、図1,図2,図3等に示したように、処理液配管8から各スプレー管7へと圧送された後、→各スプレー管7の傾斜したスプレーノズル4から、水平姿勢で搬送されるプリント配線基板材Pに向けて噴射される。→そこで処理液Sは、図4の(1)図に示したように、その表面Qや裏面Fの回路形成面Rを、右方向又は左方向の幅方向Wに向けて流れた後、→左右の両サイドから流出,流下されて、→下部の液槽へと回収される。→液槽に回収された処理液Sは、→事後、ポンプにて処理液配管8へと圧送され、循環使用される。
なお、裏面Fの回路形成面Rに噴射された処理液Sは、重力により若干量がそのまま下方へと流下するが、大部分は所期のとおり、噴射圧により回路形成面Rを左右の幅方向Wに向けて流れた後、両サイドに至ると、噴射圧より重力が勝り流下する。
スプレーノズル4は、このようになっている。
【0026】
《エアー吹出部6について》
次に、エアー吹出部6について述べる。この基板処理装置5のエアー吹出部6は、搬送されるプリント配線基板材Pに対し、図1の両面基板用の基板処理装置5では、その上側と下側に対向配設され、図2の片面基板用の基板処理装置5では、上側に対向配設されている。
又、このエアー吹出部6は、上側や下側において、前述したスプレーノズル4の前後に配設されると共に、プリント配線基板材Pの表面Qや裏面Fの回路形成面Rに対し、エアーEを吹付ける。そして、吹付けられたエアーEは、図4の(1)図に示したように、プリント配線基板材Pの回路形成面Rについて、幅方向Wに沿ったエアーゾーンGを形成する。
そこで、スプレーノズル4から噴射された処理液Sは、このような前後のエアーゾーンGにて挟まれ,規制され、もって回路形成面Rにおいて幅方向Wに沿った流路Hを形成する。もって処理液Sが、プリント配線基板材Pの回路形成面Rにて、搬送方向Vに乱流Tとなったり、液溜まりUとなったりすること(図5の(1)図,図6の(1)図,(2)図等を参照)は、規制,防止される。
【0027】
このようなエアー吹出部6について、更に詳述する。図1,図2,図3に示したように、基板処理装置5の処理室内には、風管9が、プリント配線基板材Pに対し、所定高さ間隔を存しつつ(前述したスプレー管7よりはプリント配線基板材P側に寄った高さレベルで)、図1の例では上下両側に、図2の例では上側に配設されている。
これと共に風管9は、上側や下側において、プリント配線基板材Pの全幅をカバーすべく、幅方向Wに沿って配設されると共に、スプレー管7と平行に搬送方向Vの前後に配設されている。つまり風管9は、2本で1組をなし、スプレー管7の前後に平行に配設されている。
そして、このような各風管9において、プリント配線基板材Pへの対向面(下面や上面)に、それぞれ、エアー吹出部6が配設されている。エアー吹出部6としては、図3や図4の(2)図に示したように、幅方向Wに沿って直線的な1本のスリット状吹出口10よりなり、エアーEを幕状に吹出し,吹付けるタイプのものや、図4の(3)図に示したように、幅方向Wに直線的に列設された吹出孔11の集合体よりなり、エアーEを全体的には連続した幕状として吹出し,吹付けるタイプのものがある。
【0028】
そしてエアーEは、ブロワ,エアーコンプレッサ,エアーポンプ,ファン等のエアー源から、→エアー配管12を介し、各風管9へと圧送される。→それからエアーEは、各風管9のエアー吹出部6から、プリント配線基板材Pに向けて吹き付けられる。→エアーEは、膜状となってプリント配線基板材Pに対し、図1の例では表面Qと裏面Fの回路形成面Rへと吹付けられ、図2の例では裏面Fの回路形成面Rへと吹付けられる。
つまり、→プリント配線基板材Pの上位空間や下位空間において、スプレーノズル4から噴射された処理液Sの前後に、両エアー吹出部6から吹出されたエアーEの膜が形成される。
そして、→プリント配線基板材Pの回路形成面Rに至ったエアーEは、→図4の(1)図に示したように、図1の例では、表面Qの回路形成面R上と裏面Fの回路形成面R直下に、図2の例では、表面Qの回路形成面R上に、それぞれ一定前後幅を備えつつ左右の幅方向Wに沿った、エアーゾーンGを形成する。→つまり、噴射された1本のスプレーゾーンの処理液Sを中に挟んで、その前後に2本のエアーゾーンGが形成される。
そこで、→プリント配線基板材Pの表面Qや裏面Fの回路形成面Rには、スプレーゾーンの処理液Sにより、左右の幅方向Wに沿った流路Hが形成され、→処理液Sは、流路H幅が一定に規制されつつ、左方向又は右方向へと左右両サイドに向けて流れる。なお、エアーEとして、40℃〜50℃程度のホットエアーを使用すると、例えばエッチング液の温度とほぼ同温となり、都合が良い。
エアー吹出部6は、このようになっている。
【0029】
《作用等について》
本発明の基板処理装置5は、以上説明したように構成されている。そこで、以下のようになる。
この基板処理装置5は、プリント配線基板Cの製造工程で使用され、プリント配線基板材Pを搬送しつつ処理する。例えば、モジュール基板の製造工程で用いられ、回路形成面Rに微細回路と共に半導体部品が組み込まれており、事後に多段・多層に積層使用されるプリント配線基板Cの製造に供される。
【0030】
▲1▼まず、この基板処理装置5は、プリント配線基板Cの製造工程の各工程、例えば、現像工程,エッチング工程,剥膜工程,洗浄工程にて使用される。
▲2▼そして、基板処理装置5に投入,供給されたプリント配線基板材Pは、両面基板用や片面基板用よりなり、コンベヤ2にて水平姿勢で搬送される。
すなわち、図1の両面基板用の基板処理装置5では、表面Q(上面)と裏面F(下面)に回路形成面Rを備えたプリント配線基板材Pが、枠台14に載せられ、裏面F(下面)の回路形成面Rの両外側が、コンベヤ2のローラー16にて保持される。又、図2の片面基板用の基板処理装置5では、表面Q(上面)に回路形成面Rを備えたプリント配線基板材Pが、コンベヤ2のローラー3上に載せられ、その裏面F(下面)を接触,保持される。
つまり、これらのコンベヤ2では、プリント配線基板材Pの表面Qや裏面Fの回路形成面Rに接触,圧接する、ホイール13(図5を参照)や、押さえ用のローラー3や、処理液Sの流れ規制ローラー3’(図6の(3)図を参照)等は、採用されていない。
▲3▼このように、この基板処理装置5において、プリント配線基板材Pは、表面Qや裏面Fの回路形成面Rが、コンベヤ2に対し無接触状態で搬送される。そこで、回路形成面Rについて、コンベヤ2との接触傷や擦り傷等のトラブルが、発生する虞はない。回路形成面Rの感光性レジスト,銅箔,メッキ,回路D等に、潰れ,凹み,変形等が発生することはない。
【0031】
▲4▼そして、この基板処理装置5では、このように搬送されるプリント配線基板材Pに対し、スプレーノズル4から処理液Sが噴射される。
スプレーノズル4は、プリント配線基板材Pの上側や下側に配設されており、回路形成面Rに対し処理液Sを噴射する。例えば、現像液,エッチング液,剥離液等の薬液や、水洗液その他の洗浄液を、処理液Sとして噴射する。
そしてスプレーノズル4は、スプレー管7に配設され、スプレー管7は、プリント配線基板材Pの左右の幅方向Wに配設されており、このようなスプレーノズル4付きのスプレー管7が、前後の搬送方向Vに間隔を存しつつ多段に配設されている。
【0032】
▲5▼これと共に、この基板処理装置5では、プリント配線基板材PにエアーEを吹付けるエアー吹出部6が、採用されている。
このエアー吹出部6は、搬送されるプリント配線基板材Pの上側や下側に配設されると共に、スプレーノズル4の前後に配設されており、プリント配線基板材Pの回路形成面Rに対し、エアーEを吹付ける。
そしてエアー吹出部6は、風管9に配設されており、風管9は、プリント配線基板材Pの幅方向Wに配設されると共に、スプレー管7と平行に、スプレー管7の前後に対をなして配設されている。そして、このようなエアー吹出部6付きの風管9が、2本1組で、搬送方向Vに間隔を存しつつ、多段に配設されている。
なおエアー吹出部6は、スリット状吹出口10タイプや(図3,図4の(2)図を参照)、吹出孔11の集合体タイプよりなり(図4の(3)図を参照)、エアーEを幕状に吹出し,吹付ける。
【0033】
▲6▼そして、この基板処理装置5では、吹付けられたエアーEは、プリント配線基板材Pの回路形成面Rについて、幅方向Wに沿ったエアーゾーンGを形成する(図4の(1)図を参照)。
すなわち、両面基板用の基板処理装置5の場合(図1を参照)は、プリント配線基板材Pの表面Qの回路形成面R上と裏面Fの回路形成面R直下とに、それぞれエアーゾーンGが形成される。片面基板用の基板処理装置5の場合(図2を参照)は、表面Qの回路形成面R上に、エアーゾーンGが形成される。
そこで、噴射されたスプレーゾーンの処理液Sは、前後のエアーゾーンGにて挟まれることにより、表面Qや裏面Fの回路形成面Rにおいて、流れが規制され、もって前後幅が一定に規制されつつ、幅方向Wに沿った流路Hを形成して流れる。もって、乱流Tや液溜まりU(図6の(2)図等を参照)が、規制,防止される。
【0034】
なお、図1の両面基板用の基板処理装置5の場合、上下のエアー吹出部6を、プリント配線基板材Pを介し上下で対向位置させておくと、上下から均等圧で吹付けられるエアー圧の吹付け圧により、搬送中のプリント配線基板材Pが、正確に水平姿勢で位置決め保持されるようになる。もって、その撓み・湾曲・蛇行・跳ね上がり・脱落等が防止されて、スムーズで安定した搬送が確保される、という利点がある。
又、図2の片面基板用の基板処理装置5の場合は、エアーEの吹付け圧により、搬送中のプリント配線基板材Pが下側のコンベヤ2に向けて押し付けられる。もって、その撓み・湾曲・蛇行・跳ね上がり・脱落等が防止されて、スムーズで安定した搬送が確保される、という利点がある。
【0035】
▲7▼このように、この基板処理装置5において、スプレーゾーンの処理液Sは、プリント配線基板材Pの回路形成面Rを、強制的かつ確実に所期のとおり規則的に、幅方向Wに流れて処理した後、プリント配線基板材Pの左右両サイドから、流出,流下,回収される(図4の(1)図を参照)。
処理液Sは図1の例では、表面Qの回路形成面R上および裏面Fの回路形成面R直下を、傾斜したスプレーノズル4に対応して、右方向又は左方向に流れた後、両サイドから流下する。図2の例では、表面Qの回路形成面R上を、傾斜したスプレーノズル4に対応して、右方向又は左方向に流れた後、両サイドから流下する。
よって、処理液Sが、回路形成面Rに散乱して、搬送方向Vに向けた乱流Tとなったり、回路形成面Rの中央部に液溜まりUとなって滞留したりすること(図5の(1)図,図6の(1)図,(2)図等を参照)は、確実に防止される。
【0036】
▲8▼もって、プリント配線基板材Pの表面Qや裏面Fの回路形成面Rについて、処理液Sの更新が促進され、処理の遅速・過不足箇所の発生が阻止される。
例えば、もしも乱流Tや液溜まりUが発生すると、薬液による化学処理の場合は、処理速度に差が生じて、化学処理が遅れ・不足する箇所と、化学処理がオーバー・過度となる箇所とが生じてしまい、形成される回路D幅に、過不足・誤差・ムラ等が生じる。又、洗浄液による洗浄の場合は、洗浄自体がスムーズに実施されなくなる。しかしながら本発明では、これらの事態発生は回避される。
このようにして、この基板処理装置5によると、プリント配線基板材Pの回路形成面Rについて、処理がバラツキなく行われ、全体的に均一化された処理が実現される。
▲9▼ところで、このように基板処理装置5を使用して製造されたプリント配線基板Cは、表面Qと裏面Fに回路Dが形成された両面基板や、表面Qに回路Dが形成された片面基板よりなる。
そして、このようなプリント配線基板Cは、そのまま使用されることもあるが、別途製造された両面基板や片面基板と共に多段・多層に積層され、例えばモジュール基板として使用される。
【0037】
【発明の効果】
《本発明の特徴》
本発明に係る基板処理装置は、以上説明したように、プリント配線基板の製造工程において、プリント配線基板材の表面や裏面の回路形成面を、無接触状態で搬送しつつ、スプレーノズルから処理液を噴射すると共に、前後のエアー吹出部からエアーを吹付けて、左右の幅方向に向けた処理液の流路を形成すること、を特徴とする。
そこで、本発明は、次の効果を発揮する。
【0038】
《第1の効果》
第1に、乱流や液溜まりが防止されて、プリント配線基板の精度が向上する。すなわち、この基板処理装置にあっては、プリント配線基板材の表面や裏面の回路形成面に、エアーゾーンが形成され、もって処理液は、左右の幅方向に向けた流路を形成して流れる。
前述したこの種従来例のように、乱流や液溜まりの発生は防止され、もって処理液の更新が促進され、処理の遅速・過不足箇所の発生が防止されるので、処理が全体的に均一化され処理のバラツキが回避される。そこで、精度が飛躍的に向上し、回路の高密度化,微細化が進むプリント配線基板にとって、その意義は極めて大なるものがある。
【0039】
《第2の効果》
第2に、傷等のトラブルが防止されて、不良が大きく減少する。すなわち、この基板処理装置にあっては、エアーの吹付けにより上述した第1の点が実現され、前述したこの種従来例のように、ローラー,規制ローラー,ホイール等が圧接,接触することはなく、表面や裏面の回路形成面は、無接触状態で搬送される。
そこで、回路形成面や回路に傷等が発生しなくなり、回路の高密度化,微細化が進むプリント配線基板について、不良発生率が大きくダウンし、歩留まりが飛躍的に向上するようになる。特に、モジュール基板の場合は、回路に半導体部品が組み込まれていることに鑑み、このような作用効果の意義は大きい。
このように、この種従来例に存した課題がすべて解決される等、本発明の発揮する効果は、顕著にして大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る基板処理装置について、発明の実施の形態の1例(両面基板用)の説明に供し、(1)図は、要部の側面図、(2)図は、(1)図のJ−J線に沿った矢視断面図、(3)図は、要部の平面図(底面図)である。
【図2】同発明の実施の形態の他の例(片面基板用)の説明に供し、(1)図は、要部の側面図、(2)図は、(1)図のA−A線に沿った矢視断面図、(3)図は、(1)図のB−B線に沿った矢視断面図である。
【図3】同発明の実施の形態の説明に供し、要部の平断面図である。
【図4】同発明の実施の形態の説明に供し、(1)図は、プリント配線基板材の回路形成面の要部の平面図(底面図)、(2)図は、エアー吹出部の1例の底面図(平面図)、(3)図は、エアー吹出部の他の例の底面図(平面図)である。
【図5】この種従来例の基板処理装置(両面基板用)の説明に供し、(1)図は、要部の側面図、(2)図は、(1)図のK−K線に沿った矢視断面図である。
【図6】この種従来例の基板処理装置(片面基板用)の説明に供し、(1)図は、その1例の要部の側面図、(2)図は、回路形成面の要部の平面図(底面図)、(3)図は、他の例の要部の側面図である。
【図7】プリント配線基板(材)の平面(底面)説明図である。
【符号の説明】
1 基板処理装置(この種従来例のもの)
2 コンベヤ
3 ローラー
3’規制ローラー
4 スプレーノズル
5 基板処理装置(本発明のもの)
6 エアー吹出部
7 スプレー管
8 処理液配管
9 風管
10 スリット状吹出口
11 吹出孔
12 エアー配管
13 ホイール
14 枠台
15 開口
16 ローラー
17 フレーム
C プリント配線基板
D 回路
E エアー
F 裏面
G エアーゾーン
H 流路
P プリント配線基板材
Q 表面
R 回路形成面
S 処理液
T 乱流
U 液溜まり
V 搬送方向(前後方向)
W 幅方向(左右方向)
Y エッジ

Claims (12)

  1. プリント配線基板の製造工程で使用される、基板処理装置であって、
    プリント配線基板材を回路形成面に無接触状態で搬送するコンベヤと、該プリント配線基板材に処理液を噴射するスプレーノズルと、該プリント配線基板材にエアーを吹付けるエアー吹出部と、を有してなること、を特徴とする基板処理装置。
  2. 請求項1に記載した基板処理装置において、該コンベヤは、表裏両面に該回路形成面を備えた該プリント配線基板材を、裏面の該回路形成面の両外側を保持しつつ水平姿勢で搬送し、
    該スプレーノズルは、搬送される該プリント配線基板材の上下両側に配設されており、該回路形成面に対し該処理液を噴射し、
    該エアー吹出部は、搬送される該プリント配線基板材の上下両側に配設されると共に、該スプレーノズルの前後に配設されており、該回路形成面に対し該エアーを吹付けること、を特徴とする基板処理装置。
  3. 請求項2に記載した基板処理装置において、該コンベヤは、該プリント配線基板材を枠台と共に搬送し、
    該枠台は、該プリント配線基板材の回路形成面を中央開口にて露出させると共に、該プリント配線基板材裏面のエッジを載せて固定的に保持し、両側下に該コンベヤのローラーが配設されていること、を特徴とする基板処理液装置。
  4. 請求項1に記載した基板処理装置において、該コンベヤは、表面のみに該回路形成面を備えた該プリント配線基板材を載せて、裏面を接触,保持しつつ水平姿勢で搬送し、
    該スプレーノズルは、搬送される該プリント配線基板材の上側に配設されており、該回路形成面に対し該処理液を噴射し、
    該エアー吹出部は、搬送される該プリント配線基板材の上側に配設されると共に、該スプレーノズルの前後に配設されており、該回路形成面に対し該エアーを吹付けること、を特徴とする基板処理装置。
  5. 請求項2又は4に記載した基板処理装置において、該スプレーノズルはスプレー管に配設され、該スプレー管は、該プリント配線基板材の全幅をカバーすべく左右の幅方向に配設されており、
    該エアー吹出部は風管に配設され、該風管は、該プリント配線基板材の全幅をカバーすべく幅方向に配設されると共に、該スプレー管と平行に搬送方向の前後に対をなして配設されていること、を特徴とする基板処理装置。
  6. 請求項5に記載した基板処理装置において、該エアー吹出部から吹付けられた該エアーは、該スプレーノズルから噴射された該処理液が、該プリント配線基板材の回路形成面上にて、前後の搬送方向に乱流となったり液溜まりとなることを規制,防止すべく機能すること、を特徴とする基板処理装置。
  7. 請求項6に記載した基板処理装置において、該エアー吹出部から吹付けられた該エアーは、該プリント配線基板材の回路形成面にて、左右の幅方向に沿ったエアーゾーンを形成し、
    該スプレーノズルから噴射された該処理液は、前後の該エアーゾーンにて挟まれて規制され、もって該回路形成面に幅方向に沿った流路を形成すること、を特徴とする基板処理装置。
  8. 請求項7に記載した基板処理装置において、該基板処理装置は、該プリント配線基板材の現像工程,エッチング工程,又は剥膜工程にて使用され、該スプレーノズルは、現像液,エッチング液,又は剥離液等の薬液を、該処理液として噴射すること、を特徴とする基板処理装置。
  9. 請求項7に記載した基板処理装置において、該基板処理装置は、該プリント配線基板材の洗浄工程にて使用され、該スプレーノズルは、水洗液その他の洗浄液を該処理液として噴射すること、を特徴とする基板処理装置。
  10. 請求項7に記載した基板処理装置において、該エアー吹出部は、左右の幅方向に直線的なスリット状吹出口よりなり、該エアーを幕状に吹出して吹付けること、を特徴とする基板処理装置。
  11. 請求項7に記載した基板処理装置において、該エアー吹出部は、左右の幅方向に列設された複数の吹出孔の集合体よりなり、該エアーを全体的には連続した幕状に吹出して吹付けること、を特徴とする基板処理装置。
  12. 請求項7に記載した基板処理装置において、該基板処理装置は、モジュール基板の製造工程で用いられ、該プリント配線基板材は、回路形成面に微細回路が形成されると共に半導体部品が一体的に組み込まれており、事後に積層使用されること、を特徴とする基板処理装置。
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