JP2013239480A - レジスト剥離液の回収方法および回収装置 - Google Patents

レジスト剥離液の回収方法および回収装置 Download PDF

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洋志 松尾
Yoichi Shige
洋一 重
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Abstract

【課題】レジスト成分の析出による加熱性能の低下や、装置内での閉塞などを引き起こすことがなく、高い回収率でレジスト剥離液を回収することが可能で、しかも、操業安定性に優れたレジスト剥離液の回収方法およびレジスト剥離液の回収装置を提供する。
【解決手段】レジスト成分を含む使用済レジスト剥離液を蒸留して、レジスト濃縮廃液と、レジスト剥離液を含む留分とに分離する蒸留機構部Bと、2本のスクリュー35a,35bをシリンダ36内に備えた2軸押出機構31と、ヒータ32とを有し、供給されたレジスト濃縮廃液を加熱してレジスト剥離液を蒸発させるとともに、レジスト成分に由来する析出固形物を、スクリューにより掻き取って外部に排出するように構成された蒸発乾燥機構部Cとを備えた構成とする。
また、2軸押出機構31がマテリアルシール構造を備えた構成とする。
さらに、2軸押出機構31がセルフクリーニング構造を備えた構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、レジスト剥離液の回収方法および回収装置に関し、詳しくは、例えば、液晶や半導体などの製造工程で排出されるレジスト剥離液を含む廃液から、レジスト剥離液を回収するための回収方法および回収装置に関する。
液晶パネルの製造工程においては、エッチング工程の終了後に不要となったフォトレジスト(以下、単に「レジスト」という)を剥離液によって除去している。
剥離液としては、例えば、液晶デバイスなどの電子部品の製造工程で使用されるレジストを剥離除去する場合、モノエタノールアミン(MEA)を主成分とし、それに他の有機溶剤(例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ブチルジグリコール(BDG)、N−メチルピロリドン(NMP)など)を添加したレジスト剥離液(以下、単に「剥離液」ともいう)が用いられている。
ところで、レジスト除去の工程で大量に使用される、上述のようなレジスト剥離液は非常に高価であることから、レジスト成分を含有する使用済レジスト剥離液からレジスト成分を分離してレジスト剥離液を回収し、ランニングコストを削減することが、液晶デバイスの製造技術においては必要不可欠な事項となっている。
そして、この使用済レジスト剥離液からレジスト成分を分離して、レジスト剥離液を回収する方法としては、蒸留して、留分に含まれるレジスト剥離液を回収する方法が考えられるが、レジスト成分を含有する使用済レジスト剥離液は濃縮すると粘度が上昇し、さらに濃縮が進むとレジスト成分が固形物として析出し、場合によっては全体が固化するに到る。
このような状況下、レジスト剥離工程で排出される廃液から溶剤を回収する装置として、廃液に含有されている樹脂成分を除去する樹脂成分除去装置と、廃液に含有されている低沸点不純物を除去する第1の蒸留塔と、廃液に含有されている高沸点不純物を除去する第2の蒸留塔と、第1の蒸留塔および第2の蒸留塔のうち一方もしくは双方に工業級溶剤を補充する溶剤貯留槽とを備える溶剤の回収装置が提案されている(特許文献1参照)。
しかしこの回収装置を用いた場合も、濃縮することにより析出したレジスト成分が、装置内に強固なスケールとなって付着し、ヒータの伝熱性能が低下するだけでなく、通常レジスト濃縮液の排出に使用される渦巻きポンプでは高粘度のレジスト濃縮廃液を排出することが困難となり、溶剤回収率の向上が制約されるという問題点がある。
また、仮に、ヒータの加熱面の濃縮液を常に掻き取りながら蒸発させることを可能にする特殊な装置を使用したとしても、蒸留装置からレジスト濃縮液を排出するためにはレジスト濃縮液が流動性を有すること、すなわち液状であることが条件となり、溶剤回収率をさらに向上させるための解決手段にはなりえないという問題点がある。
特開2005−288329号公報
本発明は、上記課題を解決するものであり、レジスト成分の析出による加熱性能の低下や、装置内での閉塞などを引き起こすことがなく、高い回収率でレジスト剥離液を回収することが可能で、しかも、操業安定性に優れたレジスト剥離液の回収方法およびレジスト剥離液の回収装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のレジスト剥離液の回収方法は、
レジスト成分を含む使用済レジスト剥離液を蒸留して、レジスト濃縮廃液と、レジスト剥離液を含む留分とに分離する蒸留工程と、
2本のスクリューをシリンダ内に備えた2軸押出機構と、ヒータとを有する蒸発乾燥機構部に、前記レジスト濃縮廃液を供給して、前記レジスト濃縮廃液に含まれるレジスト剥離液を蒸発させるとともに、前記レジスト成分に由来する析出固形物を、前記2軸押出機構により外部に排出する蒸発乾燥工程と
を具備することを特徴としている。
また、本発明のレジスト剥離液の回収方法は、前記蒸留工程と、前記蒸発乾燥工程とを減圧下で実施することを特徴としている。
また、本発明のレジスト剥離液の回収方法は、
前記レジスト剥離液が、モノエタノールアミンを主成分の1つとして含有するレジスト剥離液であり、
前記蒸留工程の前に、前記使用済レジスト剥離液に水酸化アルカリを添加して、前記使用済レジスト剥離液中の酸性ガス成分を塩として固定する酸性ガス成分固定工程を備えており、
前記酸性ガス成分固定工程で酸性ガス成分を固定した後の使用済レジスト剥離液が前記蒸留工程に供されるように構成されていること
を特徴としている。
また、本発明のレジスト剥離液の回収装置は、
レジスト成分を含む使用済レジスト剥離液を蒸留して、レジスト濃縮廃液と、レジスト剥離液を含む留分とに分離する蒸留機構部と、
2本のスクリューをシリンダ内に備えた2軸押出機構と、ヒータとを有し、供給された前記レジスト濃縮廃液を加熱して、前記レジスト濃縮廃液に含まれる前記レジスト剥離液を蒸発させるとともに、前記レジスト成分に由来する析出固形物を、前記スクリューにより掻き取って外部に排出するように構成された蒸発乾燥機構部と
を具備することを特徴としている。
また、本発明のレジスト剥離液の回収装置は、前記2軸押出機構がマテリアルシール構造を備えており、減圧下で前記レジスト濃縮廃液から前記レジスト剥離液を蒸発させることができるように構成されていることを特徴としている。
また、本発明のレジスト剥離液の回収装置は、前記2軸押出機構がセルフクリーニング構造を備えており、前記2本のスクリューが、その表面や前記ヒータの伝熱面に付着する、前記レジスト濃縮廃液中の前記レジスト成分に由来する固形物を掻き取って系外に排出することにより、前記2軸押出機構の閉塞や、前記ヒータの前記伝熱面に前記固形物が堆積することによる加熱性能の低下を招かないように構成されていることを特徴としている。
また、本発明のレジスト剥離液の回収装置は、
前記レジスト剥離液が、モノエタノールアミンを主成分の1つとして含有するレジスト剥離液であって、
前記使用済レジスト剥離液に水酸化アルカリを添加して、前記使用済レジスト剥離液中の酸性ガス成分を塩として固定するアルカリ添加機構部を備えており、 前記アルカリ添加機構部において水酸化アルカリを添加して、酸性ガス成分を塩として固定した後の使用済レジスト剥離液が前記蒸留機構部に供されるように構成されていること
を特徴としている。
本発明のレジスト剥離液の回収方法は、レジスト成分を含む使用済レジスト剥離液を蒸留して、レジスト濃縮廃液と、レジスト剥離液を含む留分とに分離した後、レジスト濃縮廃液を2軸押出機構とヒータとを有する蒸発乾燥機構部に供給して、レジスト濃縮廃液に含まれるレジスト剥離液を蒸発させるとともに、レジスト成分に由来する析出固形物を、2軸押出機構により外部に排出するようにしているので、レジスト成分の析出による伝熱性能の低下や、装置内での閉塞などを引き起こすことがなく、高い回収率でレジスト剥離液を回収することが可能になる。
すなわち、2軸押出機構は、蒸発が進行して、レジスト成分が固化した場合にも、固形物を確実に掻き出すことが可能で、閉塞や、伝熱性能の低下を招くことを回避して、レジスト剥離液を回収することができる。
また、蒸留工程と蒸発乾燥工程とを、減圧下で実施するようにした場合、低温で蒸留や蒸発乾燥の操作を行うことが可能になり、さらに効率よくレジスト剥離液を回収することができる。
また、使用済レジスト剥離液に水酸化アルカリを添加して、使用済レジスト剥離液中の酸性ガス成分を塩として固定した後、蒸留操作を行うことにより、例えば、塩、水酸化アルカリや炭酸アルカリなどの無機成分およびレジスト成分を釜残として分離するとともに、蒸発ベーパ中の水などを低沸点不純分として分離することが可能になり、レジスト成分、水分、酸性ガス成分をほとんど含まない、モノエタノールアミンを主成分とするレジスト剥離液成分を効率よく回収することが可能になる。
なお、本発明において、酸性ガス成分とは、蒸留などの工程でガス化する酸性の成分を意味する概念であり、亜硫酸ガス、硫化水素ガス、炭酸ガスその他の種々の物質を含む広い概念である。
また、本発明のレジスト剥離液の回収装置は、レジスト成分を含む使用済レジスト剥離液を蒸留して、レジスト濃縮廃液と、レジスト剥離液を含む留分とに分離する蒸留機構部と、2本のスクリューをシリンダ内に備えた2軸押出機構と、ヒータとを有し、供給された前記レジスト濃縮廃液を加熱してレジスト剥離液を蒸発させるとともに、前記レジスト成分に由来する析出固形物を、前記スクリューにより掻き取って外部に排出するように構成された蒸発乾燥機構部とを具備しているので、上述の本発明のレジスト剥離液の回収方法を確実に実施して、レジスト剥離液を効率よく回収することができる。
また、2軸押出機構を、マテリアルシール構造を備えた構成とすることにより、複雑なシール構造を必要とすることなく、減圧下でレジスト濃縮廃液から溶剤を蒸発、乾燥させることが可能になり、本発明をさらに実効あらしめることができる。
また、前記2軸押出機構がセルフクリーニング構造を備えた構成とすることにより、2本のスクリューが、その表面やヒータの伝熱面に付着する、レジスト濃縮廃液中のレジスト成分に由来する固形物を掻き取って系外に排出して、2軸押出機構が閉塞したり、ヒータの伝熱面に固形物が堆積して加熱性能が低下したりすることを防止して、安定して長期間、効率よくレジスト剥離液の回収を行うことが可能なレジスト剥離液の回収装置を提供することができる。
また、レジスト剥離液が、モノエタノールアミンを主成分の1つとして含有するレジスト剥離液である場合に、使用済レジスト剥離液に水酸化アルカリを添加して、使用済レジスト剥離液中の酸性ガス成分を塩として固定するアルカリ添加機構部を備えた構成とすることにより、例えば、炭酸アルカリ、水酸化アルカリなどの無機成分およびレジスト成分を釜残として分離するとともに、蒸発ベーパ中の水などを低沸点不純分として分離することが可能になり、レジスト成分、水分、炭酸成分をほとんど含まない、モノエタノールアミンを主成分とするレジスト剥離液成分を効率よく回収することが可能なレジスト剥離液の回収装置を提供することができる。
本発明の一実施形態にかかるレジスト剥離液の回収装置の構成を示す図である。 本発明の一実施形態にかかるレジスト剥離液の回収装置において用いられている2軸押出機構とヒータを備えた蒸発乾燥機構部の構成を示す断面図である。
以下に本発明の実施形態を示して、本発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
以下、本発明の実施の形態を示して、その特徴とするところをさらに詳しく説明する。
この実施形態では、液晶デバイスの製造工程において、レジストの剥離除去(洗浄)に用いられた使用済レジスト剥離液から、レジスト成分、水分、炭酸成分を除去してレジスト剥離液を回収する場合を例にとって説明する。
なお、この実施形態における処理対象液である使用済レジスト剥離液は、モノエタノールアミン(MEA)を主成分とし、これにジメチルスルホキシド(DMSO)を所定の割合(MEA:DMSO=7:3(重量比))となるように配合したものである。
また、上記レジスト剥離液により剥離除去されたレジストは、フェノール樹脂の1種であるノボラック樹脂を主成分とするレジスト(フォトレジスト)である。
また、使用済レジスト剥離液の概略組成は、以下の通りである。
(1)MEA+DMSO等 :70〜80質量%
(2)レジスト成分 :20〜30質量%
(3)水分 :微量
(4)炭酸成分(CO3換算) :微量
また、図1は、この実施形態において用いたレジスト剥離液の回収装置の構成を示す図である。
このレジスト剥離液の回収装置は、
(a)使用済レジスト剥離液(以下、単に「使用済剥離液」ともいう)に水酸化アルカリを添加して、使用済剥離液中の炭酸成分を炭酸アルカリとして固定する水酸化アルカリ添加機構部Aと、
(b)炭酸成分を炭酸アルカリとして固定した後の使用済レジスト剥離液を蒸留して、レジスト剥離液成分を分離、回収する蒸留機構部Bと、
(c)蒸留機構部Bで水や溶剤などの低沸点不純分、および、モノエタノールアミンを主成分の1つとして含有するレジスト剥離液成分を蒸発させて分離した後の釜残である、レジスト成分、炭酸アルカリなどの無機成分、レジスト剥離液を含有するレジスト濃縮廃液を蒸発乾燥させてさらにレジスト剥離液を回収するための蒸発乾燥機構部Cを備えている。
水酸化アルカリ添加機構部Aは、添加槽1、撹拌手段2、使用済剥離液供給ライン3、NaOH水溶液供給ライン4を備えているとともに、使用済剥離液中の炭酸成分濃度を検出するための炭酸成分検出手段5を備えており、使用済剥離液に、所定量の水酸化アルカリ(この実施形態ではNaOHを水に溶解したNaOH水溶液(NaOH濃度=48質量%))を添加することにより、使用済剥離液中の炭酸成分を炭酸アルカリとして固定することができるように構成されている。なお、NaOH濃度は、上記の濃度に限定されるものではなく、適宜好ましい濃度を選択することが可能である。
なお、添加槽1の構造や攪拌手段2の構成などには特別の制約はなく、種々の構造や構成のものを用いることが可能であり、また、添加槽を設けず、ラインミキサーを配設して、使用済剥離液供給ライン3中でNaOH水溶液の添加、混合を行うように構成することも可能である。また、添加槽1とは別に、水酸化アルカリが添加され、炭酸成分が炭酸アルカリとして固定された使用済剥離液を貯めるためのクッションタンク(図示せず)を設け、このクッションタンクに貯められた使用済剥離液を蒸留機構部Bに供給するように構成することも可能である。
また、使用済剥離液中の炭酸成分濃度を検出するための炭酸成分検出手段5の構成についても、特に制約はなく、中和滴定、電位差滴定、pH測定などの原理を利用した、連続式あるいは非連続式の種々の測定方法を採用することが可能である。また、水酸化アルカリ添加機構部Aに供給する前に予め炭酸成分濃度を測定しておく方法をとることも可能である。
また、蒸留機構部Bは、水や溶剤などの低沸点不純分、および、モノエタノールアミンを主成分の1つとして含有するレジスト剥離液成分を蒸発させ、炭酸アルカリなどの無機成分およびレジスト成分を釜残として分離する蒸発機構部B1と、蒸発機構部B1で発生した蒸発ベーパを精留して、水や溶剤などの低沸点不純分と、モノエタノールアミンを主成分の1つとして含有するレジスト剥離液成分を分離する精留機構部B2を備えている。なお、蒸発機構部B1と精留機構部B2は、それぞれが、蒸留機構部Bの前段と後段を構成している。
前段である蒸発機構部B1は、供給された使用済剥離液を減圧下においてスチームにより間接加熱し、沸騰させて不純分である低沸点不純分とともに、回収すべきレジスト剥離液成分(溶剤)を蒸発ベーパとする機構部であり、使用済剥離液を加熱蒸発させる加熱蒸発部(ヒータ)11と、加熱蒸発部11で発生した、未蒸発の使用済剥離液のミストを含む蒸発ベーパ(低沸点不純分およびレジスト剥離液成分のベーパ)を導き、レジストなどの非揮発性不純分を含むミストを分離除去するセパレータ12とを備えている。
なお、炭酸アルカリ、過剰の水酸化アルカリなどの無機成分およびレジスト成分は、その他の非揮発性の成分とともに蒸発しないで釜残として液(レジスト濃縮廃液)側に残り、レジスト濃縮廃液は、ポンプで装置外へ取り出される。このときのレジスト濃縮廃液には、流動性を保つためにいくらかのレジスト剥離液成分が含まれるように蒸発量が制御される。
また、この実施形態のレジスト剥離液の回収装置においては、加熱蒸発部11に、液膜降下式蒸発器が用いられており、供給された使用済剥離液は,この液膜降下式蒸発器(のチューブ11aの内面)を膜状に自然落下する間に,チューブ11aの外側に供給されたスチームの潜熱によって間接加熱され、濃縮される。なお、チューブ11aの長さや本数は処理能力に合わせて選択決定する。
また、セパレータ12内には、ミスト分離性能に優れた充填物(ミストキャッチャ)13が配設されている。
蒸留機構部Bの後段である精留機構部B2は,水分を主体とした低沸点不純分を除去するために連続精留を行う機構部であり、精留塔21と、リボイラ22と、凝縮器23を備えている。
この精留機構部B2において、水とレジスト剥離液成分からなる混合蒸気は、前段である蒸発機構部B1のセパレータ12から、精留塔21の中央部に蒸気のままで供給され、水分を主体とした低沸点不純分が塔頂側から取り出されて凝縮器23により凝縮されるとともに、低沸点不純分が除去されたレジスト剥離液成分(再生液)が塔底側から取り出されるように構成されている。
なお、この実施形態のレジスト剥離液の回収装置において、精留塔21の上部の濃縮部21aおよび下部の回収部21bはいずれも充填物24が充填された充填塔となっている。また、リボイラ22は前段である蒸発機構部B1の加熱蒸発部11と同様の構成の液膜降下式蒸発器が使用されており、凝縮器23としては、縦型の多管式熱交換器が使用されている。
そして、この実施形態のレジスト剥離液の回収装置においては、加熱蒸発部11の下部から抜き出されたレジスト濃縮廃液の一部が、蒸発乾燥機構部Cに供給される。
蒸発乾燥機構部Cは、図1および2に示すように、2軸押出機構31と、ヒータ32とを備えており、供給されたレジスト濃縮廃液を加熱してレジスト剥離液を蒸発させて回収するとともに、レジスト成分に由来する析出固形物を排出することができるように構成されている。
また、蒸発乾燥機構部Cを構成する2軸押出機構31は、ギヤボックス33に収容されたギヤ(図示せず)を介してモーター34により駆動される2本のスクリュー35a,35bをシリンダ36内に備えており、供給されたレジスト濃縮廃液がスクリュー35a,35bにより、供給口31a側から排出口31b側に送られるように構成されている。
なお、ヒータ32は、シリンダ36の内部に配設されており、シリンダ36の内周面が加熱面となるように構成されている。
また、2軸押出機構31は、固形物によるシールが行われるマテリアルシール構造を備えており、内部を真空(減圧)状態に維持しつつ動作させることができるように構成されている。
さらに、2軸押出機構31は、セルフクリーニング構造を備えており、2軸押出機構31が、スクリュー35a,35bやヒータ32の加熱面(シリンダ36の内周面)に付着、堆積した固形物を掻き取りながら、排出口31b側に押し出し、系外に排出することができるように構成されており、2軸押出機構31の閉塞や、加熱性能の低下を防止して、安定してレジスト剥離液の回収を行うことができるように構成されている。
また、蒸発乾燥機構部Cは、蒸発したレジスト剥離液を冷却して凝縮させるコンデンサ37を備えている。
次に、このように構成されたレジスト剥離液の回収装置を用いてレジスト剥離液を回収する方法について説明する。
まず、水酸化アルカリ添加機構部Aにおいて、使用済剥離液中の炭酸成分がNa2CO3として固定され、かつ、過剰のNaOHがほとんど存在しないように、炭酸成分1モルに対して、2モル以上のNaOHを添加して炭酸成分をNa2CO3として固定する。
それから、蒸留機構部Bの前段である蒸発機構部B1において、炭酸成分が固定された使用済剥離液を連続的に蒸発処理することにより、Na2CO3やレジスト成分を釜残として分離する一方、レジスト剥離液成分や水などの低沸点不純分を蒸発させる。
そして、蒸発機構部B1で蒸発させた蒸発ベーパを、蒸留機構部Bの後段である精留機構部B2の精留塔21に供給し、水分を主体とした低沸点不純分を塔頂側から取り出して分離するとともに、モノエタノールアミンを主成分の1つとして含有するレジスト剥離液成分を塔底側から回収する。
また、蒸発機構部B1の加熱蒸発部11の塔底側から排出されるレジスト濃縮廃液は、蒸発乾燥機構部Cに供給され、蒸発乾燥されることにより、さらにレジスト剥離液の回収が行われる。
なお、この実施形態のレジスト剥離液の回収装置を運転するにあたっては、蒸発機構部B1において、レジスト濃縮廃液にレジスト剥離液成分が含まれるように蒸発量が制御され、レジスト濃縮廃液は流動性を保った状態でポンプにより蒸発機構部B1から蒸発乾燥機構部Cに送られる。
蒸発乾燥機構部Cに供給されたレジスト濃縮廃液は、2軸押出機構31により供給口31a側から排出口31b側に送られる。
レジスト濃縮廃液は、マテリアルシール構造を備え、真空下で操作されている2軸押出機構31内を通過する過程で、ヒータ32により加熱されてレジスト剥離液が蒸発する。発生したレジスト剥離液の蒸気がコンデンサ37で冷却されて、再生剥離液として取り出される。なお、この実施形態では、再生剥離液(レジスト剥離液リッチの回収液)は、添加槽1に戻される。
そして、蒸発乾燥機構部Cで、レジスト剥離液の蒸発さらに進行すると、レジスト濃縮廃液中のレジスト成分に由来する固形物が2軸押出機構31内で析出し、スクリュー35a,35bやヒータ32の加熱面(シリンダ36の内周面)に付着、堆積しようとする。しかし、本発明の2軸押出機構31はセルフクリーニング構造を備えており、析出した固形物は、スクリュー35a,35bにより掻き取られて排出口31b側に送られ、外部に排出される。
その結果、2軸押出機構31の閉塞や、伝熱性能の低下を防止して、効率よく、しかも安定してレジスト剥離液の回収を行うことができる。
なお、蒸発乾燥機構部Cに供給されるレジスト濃縮廃液には、レジスト成分が通常は20〜30%含まれており、残部から可能な限りレジスト剥離液を有価物として回収することにより、液晶デバイスの製造工程におけるコストの低減が可能になる。そして、本発明の実施形態にかかるレジスト剥離液の回収装置を用いることにより、排出口31bにおいて、固形物がレジスト剥離液をほとんど含んでいない状態にまで乾燥することが可能になるため、レジスト剥離液の回収率を95%以上にまで向上させることができる。
また、上記実施形態にかかるレジスト剥離液の回収装置では、蒸留機構部Bが連続式に構成されていることから、設備の大型化を抑制することができる。
なお、上記実施形態では、回収しようとするレジスト剥離液が、モノエタノールアミン(MEA)を主成分とし、これにジメチルスルホキシド(DMSO)を所定の割合(MEA:DMSO=7:3(重量比))となるように配合したレジスト剥離液である場合を例にとって説明したが、本発明はレジスト剥離液の具体的な組成に制約はなく、他の構成のレジスト剥離液を回収する場合にも適用することが可能である。
また、本発明は、その他の構成に関しても、上記実施形態に限定されるものではなく、蒸留機構部および蒸発乾燥機構部の具体的な構成、特に2軸押出機構やヒータの具体的な構成や構造、2軸押出機構のマテリアルシール構造やセルフクリーニング構造、アルカリ添加機構部の構成などに関し、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
A 水酸化アルカリ添加機構部
B 蒸留機構部
B1 蒸発機構部
B2 精留機構部
C 蒸発乾燥機構部
1 添加槽
2 撹拌手段
3 使用済剥離液供給ライン
4 NaOH水溶液供給ライン
5 炭酸成分検出手段
11 加熱蒸発部(ヒータ)
11a チューブ
12 セパレータ
13 充填物(ミストキャッチャ)
21 精留塔
21a 濃縮部
21b 回収部
22 リボイラ
23 凝縮器
24 充填物
31 2軸押出機構
31a 供給口
31b 排出口
32 ヒータ
33 ギヤボックス
34 モーター
35a,35b スクリュー
36 シリンダ
37 コンデンサ

Claims (7)

  1. レジスト成分を含む使用済レジスト剥離液を蒸留して、レジスト濃縮廃液と、レジスト剥離液を含む留分とに分離する蒸留工程と、
    2本のスクリューをシリンダ内に備えた2軸押出機構と、ヒータとを有する蒸発乾燥機構部に、前記レジスト濃縮廃液を供給して、前記レジスト濃縮廃液に含まれるレジスト剥離液を蒸発させるとともに、前記レジスト成分に由来する析出固形物を、前記2軸押出機構により外部に排出する蒸発乾燥工程と
    を具備することを特徴とするレジスト剥離液の回収方法。
  2. 前記蒸留工程と、前記蒸発乾燥工程とを減圧下で実施することを特徴とする請求項1記載のレジスト剥離液の回収方法。
  3. 前記レジスト剥離液が、モノエタノールアミンを主成分の1つとして含有するレジスト剥離液であり、
    前記蒸留工程の前に、前記使用済レジスト剥離液に水酸化アルカリを添加して、前記使用済レジスト剥離液中の酸性ガス成分を塩として固定する酸性ガス成分固定工程を備えており、
    前記酸性ガス成分固定工程で酸性ガス成分を固定した後の使用済レジスト剥離液が前記蒸留工程に供されるように構成されていること
    を特徴とする請求項1または2記載のレジスト剥離液の回収方法。
  4. レジスト成分を含む使用済レジスト剥離液を蒸留して、レジスト濃縮廃液と、レジスト剥離液を含む留分とに分離する蒸留機構部と、
    2本のスクリューをシリンダ内に備えた2軸押出機構と、ヒータとを有し、供給された前記レジスト濃縮廃液を加熱して、前記レジスト濃縮廃液に含まれる前記レジスト剥離液を蒸発させるとともに、前記レジスト成分に由来する析出固形物を、前記スクリューにより掻き取って外部に排出するように構成された蒸発乾燥機構部と
    を具備することを特徴とするレジスト剥離液の回収装置。
  5. 前記2軸押出機構がマテリアルシール構造を備えており、減圧下で前記レジスト濃縮廃液から前記レジスト剥離液を蒸発させることができるように構成されていることを特徴とする請求項4記載のレジスト剥離液の回収装置。
  6. 前記2軸押出機構がセルフクリーニング構造を備えており、前記2本のスクリューが、その表面や前記ヒータの伝熱面に付着する、前記レジスト濃縮廃液中の前記レジスト成分に由来する固形物を掻き取って系外に排出することにより、前記2軸押出機構の閉塞や、前記ヒータの前記伝熱面に前記固形物が堆積することによる加熱性能の低下を招かないように構成されていることを特徴とする請求項4または5記載のレジスト剥離液の回収装置。
  7. 前記レジスト剥離液が、モノエタノールアミンを主成分の1つとして含有するレジスト剥離液であって、
    前記使用済レジスト剥離液に水酸化アルカリを添加して、前記使用済レジスト剥離液中の酸性ガス成分を塩として固定するアルカリ添加機構部を備えており、 前記アルカリ添加機構部において水酸化アルカリを添加して、酸性ガス成分を塩として固定した後の使用済レジスト剥離液が前記蒸留機構部に供されるように構成されていること
    を特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載のレジスト剥離液の回収装置。
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