JP2004323178A - 乗客コンベア - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、踏板の幅寸法を広く枠体の高さ寸法を低くしても乗降床の床厚を増大させる必要のない乗客コンベアを提供することにある。
【解決手段】本発明は、乗降床25,26の幅方向中間部を下方から支える支持体(28,30)を乗客コンベア(3)の枠体4内に設けたのである。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗客を輸送するエスカレーターや電動道路等の乗客コンベアに係り、特に、踏板の幅寸法が広く枠体の高さ寸法が小さい乗客コンベアに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の乗客コンベアにおいて、踏板の幅寸法が広い場合、乗降床の幅寸法も広くなるので、その乗降床を補強するために、例えば特許文献1に示すように床厚を厚くした乗降床を構成している。
【0003】
【特許文献1】
特開昭53−43390号公報(第3図〜第6図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術によれば、幅広の乗降床を補強することができるが、その補強は乗降床としての高さ寸法(床厚)を高く(厚く)している。そのために、上記乗降床の高さ寸法の増加は、例えば、踏板の奥行き寸法を小さくしたりして踏板方向転換部での踏板回転半径を小さくし、それによって枠体の高さ寸法を低くする乗客コンベアにおいては、大きな障害となっている。
【0005】
本発明の目的は、踏板の幅寸法を広く枠体の高さ寸法を低くしても乗降床の床厚を増大させる必要のない乗客コンベアを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、乗降床の幅方向中間部を下方から支える支持体を乗客コンベアの枠体内に設けたのである。
【0007】
上記構成とすることにより、乗降床は支持体によって下方から支持されるので、乗降床自身の床厚を増加させて補強する必要はなくなる。その結果、乗降床の厚さが、枠体の高さ寸法を低くした乗客コンベアにおいて障害となることはなくなる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下本発明による乗客コンベアの第1の実施の形態を、図1〜図3に示す電動道路に基づいて説明する。
【0009】
通常、建築物や地盤の床1を掘削して設けた設置用溝2内に設置される電動道路3は、前記設置用溝2内に設置される枠体4と、この枠体4の長手方向両端部に形成された機械室5,6内に軸支された駆動スプロケット7及び縦動スプロケット8と、これら駆動スプロケット7と縦動スプロケット8間に無端状に巻掛けられた踏板チェーン9と、この踏板チェーン9に連結された複数の踏板10と、これら踏板10の移動方向両側に対向する前記枠体4に立設された欄干11と、この欄干11の周縁に案内されて移動する移動手摺12と、前記機械室5内に設置され前記駆動スプロケット7を駆動する駆動装置13とを備えている。
【0010】
前記枠体4は、左右の側枠14A,14Bと、これら側枠体14A,14Bを水平方向に連結する底部材15及び横桁16と、図示は省略するが前記側枠14A,14B及び底部材15を被う側部カバー及び底カバーとを備え、断面U字状の収納空間を形成している。
【0011】
前記駆動スプロケット7は、駆動軸17上に間隔を空けて一対固定されており、上述のように形成された前記枠体4の機械室5内に軸受装置18を介して回転自在に軸支されている。前記駆動軸17の前記駆動スプロケット7よりも軸受装置18側には、一対の手摺駆動スプロケット19が固定されている。この手摺駆動スプロケット19の動力を図示しない手摺駆動装置に付与して前記移動手摺12を駆動するのである。
【0012】
さらに、前記駆動軸17の一方端側に動力伝達用スプロケット20が固定されており、この動力伝達用スプロケット20と前記駆動装置13の出力スプロケット21間にチェーン22を巻掛けて前記駆動軸17を回転駆動している。
【0013】
前記駆動装置13は、電動機23と、この電動機23の回転速度を減速して前記出力スプロケット21に伝える減速機24とを備えている。
【0014】
前記踏板10は、図示はしないが、車輪を備えており、前記枠体4内に敷設したガイドレールに案内されて移動する。そして車輪を支持する車軸を前記踏板チェーン9に連結することにより、前記踏板10を前記駆動スプロケット7と縦動スプロケット8との間で循環移動させている。
【0015】
また、前記枠体4の長手方向両端部に位置する機械室5,6の上部には、前記踏板10の方向転換部を被い、前記床1と面一となる乗降床25,26が着脱自在に設置されている。そして前記駆動装置13が設置されている機械室5の乗降床25の下方には、電動道路3の運転を制御する制御装置27も設置されている。
【0016】
前記乗降床25,26は、踏板幅方向に沿う両端と前記床1に対向する端部の三方を前記枠体4の側枠14A,14B及び14Cによって支持されている。しかしながら、踏板10の幅方向寸法が広い場合には、枠体4の幅寸法も広くなり、そうすると、端枠14Cから離れた部分、云い代えれば踏板10に接近する側の乗降床25,26は、乗客が乗ったときに撓みやすくなり、危険要素を含むことになる。
【0017】
そこで、本実施の形態においては、機械室5,6を複数に分割する支持体である支持板28を枠体4内に設置したのである。本実施の形態においては、機械室5,6を2分し、機械室5では駆動装置13と制御装置27と間を仕切るように設置されている。そして、支持板28は、下端を枠体4の底部材15に支持させ、上端を前記乗降床25,26の下面に当接するように立設させている。勿論、支持板28は前記乗降床25,26の幅方向の中間部を支持するように立設させ、図2に示す方向転換中の踏板10Rと干渉しないように枠体4の長手方向に沿って立設させている。
【0018】
さらに、機械室5,6内に立設した支持板28の表面に、吸音機能や熱絶縁機能を有する部材29を装着することにより、踏板10の循環移動に伴って発生する騒音を吸音して機械室5,6外への騒音の漏れを防止することができると共に、駆動装置13や制御装置27から発生する熱から互いを保護することができる。
【0019】
本実施の形態によれば、前記乗降床25,26の幅方向の中間部を支持体である支持板28によって支持したので、前記乗降床25,26の厚さを厚くすることなく前記乗降床25,26の撓みを防止することができる。その結果、踏板10の幅寸法が大きく枠体4の高さ寸法が小さい電動道路3を実現することができる。
【0020】
本発明による乗客コンベアの第2の実施の形態を、図4及び図5に示す電動道路に基づいて説明する。
【0021】
ここに示す第2の実施の形態は、第1の実施の形態による支持板28の上端に補助支持体30を設けたのである。この補助支持体30は乗降床25の厚さ寸法内に収まるように配置することが望ましいが、乗降床25の厚さ寸法外に配置することも可能である。
【0022】
この補助支持体30は、支持板28の踏板側の端よりも張出して延長しており、乗降床25の踏板側も十分に支持するように構成している。
【0023】
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同じ効果を奏することができるのは勿論であるが、乗降床25の長手方向の半分以上を支持しているので、乗降床25を枠体長手方向に複数に分割した分割型乗降床としても、十分に撓みを防止することができる。
【0024】
本発明による乗客コンベアの第3の実施の形態を、図6に示す電動道路に基づいて説明する。
【0025】
ここに示す第3の実施の形態は、乗降床25が、支持板28の上端を支点として支持された複数の分割床を有していることである。即ち、乗降床25は、駆動スプロケット7や方向転換中の踏板10Rを上方から被い左右の側枠14A,14Bに跨る第1の分割床31と、第1の分割床31よりも細かく分割された第2の分割床を備えている。第2の分割床は、側枠14Aと支持板28に跨る分割床32と、側枠14Bと支持板28に跨る分割床33とを有し、さらに、各分割床32,33は、夫々枠体の長手方向に分割された分割床32A,32B及び33A,33Bを有している。
【0026】
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同じ効果を奏することができるのは勿論のこと、上述のように乗降床25を分割床としたので、方向転換中の踏板10R部や前記駆動装置13及び制御装置27の上方を夫々別個に開放することができる。その結果、例えば、駆動装置13のみの保守点検を行ない場合、乗降床25を全部取り外すことなく、駆動装置13に対応する分割床32を取り外すだけで、保守点検を行うことができる。さらに、支持板28と分割床32が取り外されて開放された空間によって保守点検スペースが区画されるので、保守点検時に、他の機械や装置に接触したり誤動作させたりする機会を低減することができる。尚、さらに細かく分割した分割床32A,32B及び33A,33Bを設けたことにより、最小限の床を外して目視点検等を行うことができ、保守員の労力を軽減することができる。
【0027】
次に、本発明による乗客コンベアの第4の実施の形態を、図7に示す電動道路に基づいて説明する。
【0028】
ここに示す第4の実施の形態は、支持板28に、方向転換中の踏板10R部と前記駆動装置13及び制御装置27との間を仕切る仕切体として仕切板34を固定したのである。そして、仕切板34の反踏板10側に支持体28の表面に施したと同じ吸音機能や熱絶縁機能を有する部材29を装着している。
【0029】
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同じ効果を奏することができるのは勿論のこと、上述のように仕切板34を設けたので、駆動装置13や制御装置27の保守点検時に、作業者が踏板10Rに触れることはない。特に、制御装置27により、駆動装置13を寸動させて保守運転している場合には、方向転換中の踏板10Rに作業服等が引き込まれる事故を仕切板34によって皆無とすることができる。さらに、電動道路の運転中に、駆動装置13や制御装置27から発生する騒音を吸音機能や熱絶縁機能を有する部材29で封じ込めることができる。尚、駆動装置13や制御装置27が低層音対策が施されている場合には、方向転換中の踏板10Rに対して作業者を隔離する機能を有するだけでよいので、仕切板34に代えて金網や格子状の仕切体を支持板28に取付けるようにしてもよい。さらに、仕切板34は、左右の側枠14A,14Bに亘って設けた例を図示したが、側枠14A,14Bとの間に隙間が介在するように支持板28に取付けてもよい。
【0030】
上記各実施の形態において、支持体として枠体4の底部材15に下端を支持させ上端を前記乗降床25,26の下面に当接するように立設させた支持板28を説明したが、前記乗降床25,26の支持機能のみを達成したい場合には、支持体として支柱や支持枠等を立設するようにしてもよい。また、図示しないが、前記乗降床25,26と支持板28の間にジャッキボルトを設ければ床自体の僅かな高さの誤差も調節出来、床表面を精度良く平らに保持することが出来る。
【0031】
さらに、上記各実施の形態において、乗客コンベアとして電動道路を説明したが、電動道路に限定されるものではなく、エスカレーターにも適用することができる。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、踏板の幅寸法を広く枠体の高さ寸法を低くしても乗降床の床厚を増大させる必要のない乗客コンベアを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による乗客コンベアの第1の実施の形態である電動道路を示す縦断概略側面図。
【図2】図1における駆動装置を収納した機械室部を示す拡大平面図。
【図3】図2のA−A線に沿う断面図。
【図4】本発明による乗客コンベアの第2の実施の形態である電動道路の一方側の機械室を示す縦断概略側面図。
【図5】図4のB−B線に沿う断面図。
【図6】本発明による乗客コンベアの第3の実施の形態である電動道路の一方側の機械室部を示す図2相当図。
【図7】本発明による乗客コンベアの第4の実施の形態である電動道路の一方側の機械室周囲を示す図2相当図。
【符号の説明】
1…床、3…電動道路、4…枠体、5,6…機械室、7…駆動スプロケット、8…従動スプロケット、9…踏板チェーン、10…踏板、25,26…乗降床、28…支持板、30…補助支持体、31…第1の分割床、32,32A,32B,33,33A,33B…分割床、34…仕切板。

Claims (8)

  1. 建築構造物に設置された枠体と、この枠体の長手方向両端部に設けた乗降床と、これら乗降床間を無端状に連結されて循環移動する踏板と、前記踏板の移動方向の両側に対向する前記枠体上に立設した欄干とを備えた乗客コンベアにおいて、前記枠体内に前記乗降床の幅方向中間部を下方から支える支持体を設けたことを特徴とする乗客コンベア。
  2. 建築構造物に設置された枠体と、この枠体の長手方向両端部に設けた乗降床と、これら乗降床間を無端状に連結されて循環移動する踏板と、前記枠体の長手方向両端部の前記乗降床の下方に形成された機械室と、これら機械室内に軸支され前記踏板を循環移動させるスプロケットと、前記機械室の一方側に設置され前記踏板の駆動制御を行う駆動機構及び制御装置と、前記踏板の移動方向の両側に対向する前記枠体上に立設した欄干とを備えた乗客コンベアにおいて、前記乗降床を下方から支え前記機械室を複数に分割する支持体を前記枠体内に設けたことを特徴とする乗客コンベア。
  3. 建築構造物に設置された枠体と、この枠体の長手方向両端部に設けた乗降床と、これら乗降床間を無端状に連結されて循環移動する踏板と、前記枠体の長手方向両端部の前記乗降床の下方に形成された機械室と、これら機械室内に軸支され前記踏板を循環移動させるスプロケットと、前記機械室の一方側に設置され前記踏板の駆動制御を行う駆動装置及び制御装置と、前記踏板の移動方向の両側に対向する前記枠体上に立設した欄干とを備えた乗客コンベアにおいて、前記乗降床を下方から支え前記機械室内の駆動装置と制御装置とを仕切る支持体を前記枠体内に設けたことを特徴とする乗客コンベア。
  4. 前記支持体は、前記枠体の底部から前記乗降床の下面に亘る高さ寸法を有することを特徴とする請求項1,2又は3記載の乗客コンベア。
  5. 前記支持体は、前記乗降床を前記枠体の長手方向に沿って支持していることを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の乗客コンベア。
  6. 前記乗降床は、前記支持体を支点として支持された複数の分割床を有していることを特徴とする請求項3記載の乗客コンベア。
  7. 前記分割床は、前記駆動装置と制御装置の上方を夫々別個に開放できる大きさに形成されていることを特徴とする請求項6記載の乗客コンベア。
  8. 建築構造物に設置された枠体と、この枠体の長手方向両端部に設けた乗降床と、これら乗降床間を無端状に連結されて循環移動する踏板と、前記枠体の長手方向両端部における前記乗降床の下方に形成された機械室と、これら機械室内に軸支され前記踏板を循環移動させるスプロケットと、前記機械室の一方側に設置され前記踏板の駆動制御を行う駆動装置及び制御装置と、前記踏板の移動方向の両側に対向する前記枠体上に立設した欄干とを備えた乗客コンベアにおいて、前記枠体内に、前記乗降床を下方から支え前記機械室を複数に分割する支持体と、この支持体に固定され前記踏板の循環移動部と前記駆動装置及び制御装置の設置空間と前記踏板の方向転換部とを仕切る仕切体を設けたことを特徴とする乗客コンベア。
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