JP2004315602A - 固形描画材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ガラスなどの平滑面上に描画可能な固形描画材であって、少なくとも着色材と形成材と微小中空粉体からなり、形成材としてはワックス、ゲル形成剤、粘土、界面活性剤などを単独もしくは組み合わせて用い、微小中空粉体として、平均粒径30〜70μmで中身が中空の球状粉体を用いることを特徴とする。
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス、金属、プラスチックなどの平滑面上において、のり具合(磨耗性)の良好な固形描画材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ガラスなどの平滑面上に描画する固形描画材として種々検討されており、その構成としては一般的に顔料などの着色材、ワックス、界面活性剤、樹脂、体質材などが用いられている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開昭57−92069号公報
特開平6−287501号公報
特開平9−143418号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、平滑面上に描画する場合に、通常紙面上と比べどうしても磨耗性、つまり平滑面上へののり具合に問題が生じる。即ち、紙面上では紙の繊維が描画材に対してやすりのように働くため、描画材が削られるような形となって磨耗、載置されるが、ガラスやプラスチック上では平滑面であるためやすり作用が働かず、紙面上よりものり具合に劣り、描画材の成分によってはすべってしまって描けなくなる場合も生ずるのである。このため、ワックスを用いたり体質材を加えることで、ねばりによる定着を利用したり描画材自体を崩れさせたりして平滑面上に載置させる方法が挙げられるが、これだけではのり具合としてはいまだ十分ではなく、書き味の問題と絡めて満足できるものではない。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ガラスなどの平滑面上において紙面上と同じように良好なのり具合を示し、かつ描画材の磨耗に伴うなめらかな書き味を有する固形描画材を提供するものであって、少なくとも着色材と形成材と微小中空紛体からなることを要旨とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明に用いる着色材としては、従来公知の顔料であればいずれも用いることができ、例えば無機顔料、有機顔料、白色顔料、パール顔料、金属顔料、蛍光顔料などが挙げられ、単独もしくは組み合わせて用いる。具体的には無機顔料としてカーボンブラック、鉄黒、群青、紺青、弁柄などが、また有機顔料としてはアゾ系顔料、インジゴ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、チオインジゴ系顔料などが挙げられる。白色顔料としては酸化チタン、酸化亜鉛、亜鉛華などが挙げられる。着色材の含有量は、固形描画材全量に対し1〜50重量%が好ましい。
【0007】
本発明に用いる形成材は、固形描画材としての形状を保持するものであって、例えば代表的にはワックス、ゲル形成剤、粘土、界面活性剤などが挙げられ、これらを単独もしくは組み合わせて用いる。ワックスとしては、従来公知のものであれば何でもよく、例えば密ろう、木ろう、カルナバワックス、キャンデリラワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、低分子量ポリエチレンなどが挙げられ、形成材としてばかりでなく、塗布性を向上する役割も有する。またゲル形成剤としては、脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩あるいはアンモニウム塩、ジベンジリデンソルビトール類、ベンザル化ソルビット、アミノ酸系油などが挙げられる。粘土鉱物としては、従来公知の粘土の他に、有機ベントナイト、無機ベントナイト、天然スメクタイト、合成スメクタイトなどが挙げられる。界面活性剤は、非イオン性、陽イオン性、陰イオン性などの界面活性剤が挙げられ、通常は固形描画材自体を水溶化して消去性を向上させたり、あるいはワックスなど他成分どうしを相溶化させる役割を有するが、融点の異なる界面活性剤を2種以上用いることにより、形成材としての役割も有するようになる。従って、界面活性剤を他成分と組み合わせて用いる場合には、主に成分どうしの相溶化のために働き、単独で用いるときは前記役割の他に形成材としての働きも担うことになる。界面活性剤として特にはポリオキシエチレンアルキルエーテル系、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系などの非イオン性界面活性剤が好ましい。
【0008】
本発明に用いる微小中空粉体は、中身が中空で略球状の粉体であって、材質としてはガラスや樹脂などが用いられ、特にガラスの微小中空粉体が良好な磨耗性を示すという点で好ましい。微小中空粉体を含有させることにより、ガラスやプラスチックなどの平滑面上において、のり具合(磨耗性)の良好な固形描画材が得られるのである。のり具合が良好となる理由は定かでないが、恐らく微小な中空体が平滑面上で描画される際、筆圧により力がかかって中空体が次々と割れ、それと共に固形描画材の描画面が平滑面上において崩壊を起こして載置されていくものと思われる。また非常に細かい中空体であるために、スムーズな崩れとなり、滑らかな書き味も得られるものと考えられる。
【0009】
微小中空粉体の粒径としては200μm以下、特には10〜150μmのものが好適であり、またその平均粒径としては30〜70μmの範囲が好ましく、のり具合に優れ、良好な書き味が顕現される。含有量としては、材質、配合等によって適宜設定すればよいが、好ましくは固形描画材全量に対し、0.1〜20重量%の範囲が好適である。0.1重量%以下になると十分なのり具合が得られず、20重量%以上になると、書き味がざらつくなどの問題が生ずる恐れがある。ここで、例えばガラスの中空粉体はその比重が概ね0.12〜0.6程度できわめて軽く、そのため描画材内において偏ることなく、きわめて均一に分散されるため、品質のばらつきという点でも好ましいものとなる。
【0010】
上記成分以外に、必要に応じて水、有機溶剤や、体質材、粘着剤を添加してもよい。体質材は増量材、充填材としての役割の他に、磨耗性を向上させるという特徴を有し、例えばマイカ、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどが挙げられる。粘着剤は、平滑面上への定着性を向上する役割を有し、例えば合成樹脂、天然樹脂が用いられ、具体的にはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、アラビアガム、酢酸ビニル、テルペン、ロジンエステルなどが挙げられる。
【0011】
本発明の固形描画材の製造方法としては、上記成分をニーダーなどの混練機にて混合、分散させ、得られた混練物を押出成形や射出成形して固形描画材とする。あるいは混練後型に流し込み、冷却固化させて固形描画材とすることもできる。次に、実施例を示す。なお、「部」は「重量部」である。
【0012】
【実施例】
(実施例1)
顔料(キナクリドン系顔料、マゼンタ色) 17部
顔料(アゾ系顔料、黄色) 5部
パラフィンワックス 20.5部
グリセリン脂肪酸エステル 30部
タルク 17.5部
ガラス微小中空粉体(平均粒径40μm) 5部
(スコッチライトK37、住友スリーエム社製)
テルペン樹脂 5部
上記成分を混合して、ニーダーで100℃にて加熱混練した。得られた混練物をペレット化したのち、押出成形して外径2mmの赤色の固形描画材とした。この固形描画材は油性で、ガラス上において適度に磨耗してのり具合が良好となり、書き味も滑らかとなった。なお、紙面上にも良好に描けることは勿論である。
【0013】
(実施例2)
顔料(キナクリドン系顔料、マゼンタ色) 17部
顔料(アゾ系顔料、黄色) 5部
木ろう 13部
グリセリン脂肪酸エステル 20部
ポリエチレングリコール#4000 17.5部
タルク 17.5部
ガラス微小中空粉体(平均粒径40μm) 5部
(スコッチライトK37、住友スリーエム社製)
テルペン樹脂 5部
上記成分を混合して、ニーダーで100℃にて加熱混練した。得られた混練物をペレット化したのち、押出成形して外径2mmの赤色の固形描画材とした。この固形描画材は水性で、ガラス上において適度に磨耗してのり具合が良好となり、書き味も滑らかとなった。
【0014】
(実施例3)
顔料(キナクリドン系顔料、マゼンタ色) 17部
顔料(アゾ系顔料、黄色) 5部
ポリオキシエチレンミリスチルエーテル 15部
ポリオキシエチレンモノステアレート 15部
ポリオキシエチレンステアリルエーテル 10部
タルク 28部
ガラス微小中空粉体(平均粒径65μm) 5部
(スコッチライトK1、住友スリーエム社製)
ロジンエステル 5部
上記成分を混合して、ニーダーで100℃にて加熱混練した。得られた混練物をペレット化したのち、押出成形して外径2mmの赤色の固形描画材とした。この固形描画材は水性で、ガラス上において適度に磨耗してのり具合が良好となり、書き味も滑らかとなった。
【0015】
比較例として、実施例1、2、3において微小中空粉体を除いた固形描画材を作製したところ、ガラス上には描画できるものの、それぞれ実施例1、2、3のものと比べると、書き味および磨耗性において劣り、のり具合は不十分なものとなった。
【0016】
【発明の効果】
以上、本発明の固形描画材はガラスなどの平滑面上において適度の磨耗性を有し、のり具合が良好となり、しかも滑らかな書き味を有するものとなる。
Claims (1)
- 少なくとも着色材と形成材と微小中空粉体からなることを特徴とする固形描画材。
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Publications (2)
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ID=33470384
Family Applications (1)
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Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004315602A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008045043A (ja) * | 2006-08-17 | 2008-02-28 | Mitsubishi Pencil Co Ltd | 非焼成色鉛筆芯 |
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-
2003
- 2003-04-14 JP JP2003109121A patent/JP2004315602A/ja active Pending
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