JP2006014794A - 転写玩具セット - Google Patents

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Abstract

【課題】 使用者が汎用の紙面に、擦過により容易に剥離することのない筆跡で、カラフルに絵や文字を描くことができると共に、描いた絵や文字を容易に転写できる興趣に富んだ転写玩具セットを提供する。
【解決手段】 多孔質面を有する被筆記体への筆跡形成が可能であり、被筆記体内へ浸透されず被筆記体上で定着状態を維持できる吸着力を有する着色剤を含むインキを内蔵する筆記具と、該筆記具による筆跡上に乗せて押圧することで自身に転写できる転写具とからなる。多孔質面を有する被筆記体への印影形成が可能であり、被筆記体内へ浸透されず被筆記体上で定着状態を維持できる吸着力を有する着色剤を含むインキと、該インキを内蔵又は別に備え、前記インキを被筆記体に移転塗布するスタンプ具と、該スタンプ具による印影上に乗せて押圧することで自身に転写できる転写具とからなる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、転写玩具セットに関する。更には、筆記又はスタンプ具と転写具とからなる転写玩具セットに関する。
従来より、使用者がホワイトボードマーカーにより非浸透性シート上に描いた筆跡を、透明性を有する粘着シールに転写させることでオリジナルのシールを作製する玩具セットが提案されている(特許文献1参照)。
実開平9−114376号公報
前記特許文献1で開示される玩具セットは、使用者が自由に描いた絵や文字を転写できるものであるが、筆記されるシートが非浸透性を有するものでなくてはならず、樹脂枠内に備え付けられた特定のシートに筆記する必要があるので、持ち運びに不便であり、決められた範囲内でしか描くことができなかった。また、筆記具としては、前記非浸透性シート用のインキを内蔵したもの(ホワイトボードマーカー等)しか使用できないため、インキ中に揮発性の高い溶剤が使用されると共に、得られる筆跡が太く、該筆跡が手指や布帛での擦過により容易に剥離してしまうものであった。
本発明は、使用者が汎用の紙面に、擦過により容易に剥離することのない筆跡で、カラフルに絵や文字を描くことができると共に、描いた絵や文字を容易に転写できる興趣に富んだ転写玩具セットを提供するものである。
本発明の転写玩具セットは、多孔質面を有する被筆記体への筆跡形成が可能であり、被筆記体内へ浸透されず被筆記体上で定着状態を維持できる吸着力を有する着色剤を含むインキを内蔵する筆記具と、該筆記具による筆跡上に乗せて押圧することで自身に転写できる転写具とからなることを要件とする。更に、多孔質面を有する被筆記体への印影形成が可能であり、被筆記体内へ浸透されず被筆記体上で定着状態を維持できる吸着力を有する着色剤を含むインキと、該インキを内蔵又は別に備え、前記インキを被筆記体に移転塗布するスタンプ具と、該スタンプ具による印影上に乗せて押圧することで自身に転写できる転写具とからなることを要件とする。更に、前記インキが、着色樹脂粒状体及び粘着性樹脂粒状体、又は、表面の少なくとも一部が粘着性を有する粘着性着色樹脂粒状体を媒体に分散させてなることを要件とする。更には、前記転写具が延伸性を有すること、前記転写具が粘着体を備えること、前記粘着体が粘土であることを要件とする。
本発明の請求項1により、紙面等の多孔質面を有する被筆記体に対して自由な筆跡を描くことができ、描いた筆跡を容易に転写できる、興趣に富んだ転写玩具を提供できる。
本発明の請求項2により、紙面等の多孔質面を有する被筆記体に対して自由に印影を形成でき、該印影を容易に転写できる、興趣に富んだ転写玩具を提供できる。
本発明の請求項3により、揮発性溶剤を用いることなく、色数が豊富で色彩性に優れた、必要量の定着力を有するインキが得られる。
本発明の請求項4により、使用時に広い転写面を形成できると共に、非使用時にはコンパクトに収納できるものとなる。
本発明の請求項5により、擦過により剥離し難い筆跡や印影をより容易に転写できるようになる。
本発明の請求項6により、筆跡や印影を確実に転写できると共に、転写具自体を繰り返し使用できるものとなる。
本発明の転写玩具セットは、多孔質面を有する被筆記体(汎用の紙面)に対して筆記が可能な筆記具又は塗布具と、該筆記具又はスタンプ具による筆跡や印影を転写する転写具とからなるものである。
前記筆記具としては、紙面に筆記した際に、インキ中の着色剤が紙内に浸透されず、紙面上で定着状態を維持できる吸着力を有するインキを内蔵したものが用いられる。
筆記具として、具体的には、ボールペンや、繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップ、ローラー等を筆記先端部に装着し、軸筒内部に直接インキを収容して、直接又は弁機構やインキ保溜体を介して前記筆記先端部にインキを供給する構造のマーキングペンや、前記チップを筆記先端部に装着し、軸筒内にインキを含浸させたインキ吸蔵体を収容するマーキングペン等の汎用のものが挙げられる。
前記スタンプ具としては、紙面に押印した際に、インキ中の着色剤が紙内に浸透されず、紙面上で定着状態を維持できる吸着力を有するインキをスタンプ台から移転塗布するものや、前記インキを内蔵し直接押印できるインキ自給式のものが用いられる。
前記スタンプ具の印面としては、金属、セラミック、ガラス、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ゴム等からなる多孔質印面が適用できる。
前記筆記具やスタンプ具に使用されるインキとしては、筆記又は押印時に、着色剤が紙内へ浸透せず紙面上で定着し、手指等による擦過で剥離しない程度の定着性を有するものが適用できる。例えば、顔料を含む着色樹脂粒状体、染料を含む着色樹脂粒状体、金属光沢顔料から選ばれる着色剤と、粘着性樹脂粒状体とを媒体中に含むものや、粘着性着色樹脂粒状体を媒体中に含むものや、顔料と0℃以下の造膜温度若しくは0℃以下のガラス転移温度を有する樹脂とを媒体中に含むものの何れかが例示できる。
前記粘着性樹脂粒状体と併用される着色剤のうち、顔料を含む着色樹脂粒状体としては、樹脂粒子中に顔料が均質に分散された着色樹脂粒状体、樹脂粒子の表面が顔料で被覆されている着色樹脂粒状体が挙げられる。
前記着色樹脂粒状体を構成する樹脂類としては、ポリスチレン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ベンゾグアナミン樹脂、ポリアミド、ウレタン樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリル−ウレタン共重合体、フェノール樹脂、ポリエチレン、ポリアクリロニトリル、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等が挙げられる。
前記樹脂を着色する顔料としては、アゾ系、アンスラキノン系、縮合ポリアゾ系、チオインジゴ系、金属錯塩系、フタロシアニン系、ペリノン系、ペリレン系、ジオキサジン系及びキナクリドン系の有機顔料、カーボンブラック、アニリンブラック、群青、黄鉛、酸化チタン、酸化鉄等の無機顔料が挙げられる。これらの顔料は適宜必要に応じて1種類又は2種類以上を混合して用いることができる。更には、特殊な顔料として蛍光顔料、金属粉顔料、パール顔料、蓄光顔料、可逆性熱変色顔料、導電性顔料等を挙げることもできる。なお、前記顔料類は、該モノマー等の溶液への分散性を向上する目的で、従来公知の種々の方法により表面処理されたものであってもよい。
前記着色樹脂粒状体は、従来より公知の粉砕法、重合法及びスプレードライ法等の製造方法を利用して得ることができる。前記重合法として具体的には、懸濁重合法、懸濁重縮合法、分散重合法、乳化重合法等が挙げられ、マイクロカプセル化法を用いることもできる。
また、染料を含む着色樹脂粒状体としては、樹脂粒子中に染料が均質又は不均質に分散又は溶解された着色樹脂粒状体が挙げられる。
尚、染料が樹脂中で会合したり、或いは、偏在して発色を損なうことを防止するため、樹脂中に均質に溶解することが好ましい。
染料を含む着色樹脂粒状体には熱可塑性樹脂も使用できるが、特に熱硬化性樹脂が好ましく用いられる。
前記熱硬化性樹脂としては、エポキシ系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、キシレン系樹脂、トルエン系樹脂、グアナミン系樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、フェノール系樹脂、アルキッド系樹脂、アミド系樹脂、イミド系樹脂、ポリアミドエステル系樹脂、尿素系樹脂、シリコーン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂等が挙げられる。
前記熱硬化性樹脂は、熱可塑性樹脂と比較して耐溶剤性、耐熱性に優れると共に、含有される染料の耐移行性にも優れており、よって、含有させる染料の溶出を抑制でき、筆跡を消去させる本発明の消しゴム消去性インキ組成物の着色剤として好適である。
また、前記熱硬化性樹脂のうち、グアナミン系樹脂或いはメラミン系樹脂は、含有させる染料の溶出を妨げる機能に優れているため、好適に用いられる。
前記樹脂を着色する染料としては、酸性染料、塩基性染料、直接染料、油溶性染料が挙げられる。
前記染料のうち、塩基性染料は、酸性染料や直接染料と比較して、熱硬化性樹脂と結合し易く、インキ組成物中で染料の溶出を生じ難いため、特に好適に用いられる。
前記酸性染料としては、ニューコクシン(C.I.16255)、タートラジン(C.I.19140)、アシッドブルーブラック10B(C.I.20470)、ギニアグリーン(C.I.42085)、ブリリアントブルーFCF(C.I.42090)、アシッドバイオレット6BN(C.I.43525)、ソルブルブルー(C.I.42755)、ナフタレングリーン(C.I.44025)、エオシン(C.I.45380)、フロキシン(C.I.45410)、エリスロシン(C.I.45430)、ニグロシン(C.I.50420)、アシッドフラビン(C.I.56205)等を例示できる。
塩基性染料としては、クリソイジン(C.I.11270)、メチルバイオレットFN(C.I.42535)、クリスタルバイオレット(C.I.42555)、マラカイトグリーン(C.I.42000)、ビクトリアブルーFB(C.I.44045)、ローダミンB(C.I.45170)、アクリジンオレンジNS(C.I.46005)、メチレンブルーB(C.I.52015)等を例示できる。
また、蛍光性塩基染料としては、C.I.BASIC YELLOW 1、C.I.BASIC YELLOW 9、C.I.BASIC YELLOW 35、C.I.BASIC YELLOW 40、C.I.BASIC RED 1、C.I.BASIC RED 1─1、C.I.BASIC RED 2、C.I.BASIC RED 12、C.I.BASIC RED 13、C.I.BASIC RED 14、C.I.BASIC RED 15、C.I.BASIC RED 36、C.I.BASIC VIOLET 7、C.I.BASIC VIOLET 10、C.I.BASIC VIOLET 11、C.I.BASIC VIOLET 15、C.I.BASIC VIOLET 16、C.I.BASIC VIOLET 27、C.I.BASIC ORANGE 15、C.I.BASIC ORANGE 22、C.I.BASIC BLUE 1、C.I.BASIC BLUE 3、C.I.BASIC BLUE 7、C.I.BASIC BLUE 9、C.I.BASIC GREEN 1等を例示できる。
前記直接染料としては、コンゴーレッド(C.I.22120)、ダイレクトスカイブルー5B(C.I.24400)、バイオレットBB(C.I.27905)、ダイレクトディープブラックEX(C.I.30235)、カヤラスブラックGコンク(C.I.35225)、ダイレクトファストブラックG(C.I.35255)、フタロシアニンブルー(C.I.74180)等を例示できる。
前記油溶性染料としては、C.I.SOLVENT BLACK 7、C.I.SOLVENT BLACK 123、C.I.SOLVENT BLUE 2、C.I.SOLVENT BLUE 25、C.I.SOLVENT BLUE 55、C.I.SOLVENT BLUE 70、C.I.SOLVENT RED 8、C.I.SOLVENT RED 49、C.I.SOLVENT RED 100、C.I.SOLVENT VIOLET 8、C.I.SOLVENT VIOLET 21、C.I.SOLVENT GREEN 3、C.I.SOLVENT GREEN 3、C.I.SOLVENT YELLOW 21、C.I.SOLVENT YELLOW 44、C.I.SOLVENT YELLOW 61、C.I.SOLVENT ORANGE 37等を例示できる。
前記着色樹脂粒状体に含まれる染料の重量比率としては、0.1〜20重量%であることが好ましい。0.1重量%未満では所望の色調を呈する筆跡及び印影が得られ難く、また、20重量%を越えると溶出の度合いが激しくなる。
また、前記着色樹脂粒状体中には、所望により顔料を添加することもできるし、別途調製した粒子分布が2μm〜20μmの範囲に70重量%以上含まれる顔料を含む着色樹脂粒状体を添加することもできる。
前記熱硬化性樹脂から形成される着色樹脂粒状体は、従来より公知の粉砕法、重合法及びスプレードライ法等の製造方法を利用して得ることができる。前記重合法として具体的には、懸濁重合法、懸濁重縮合法、分散重合法、乳化重合法等が挙げられる。
また、前記着色剤となる金属光沢顔料としては、アルミニウムや真鍮等の金属光沢顔料、天然雲母や合成雲母の表面を酸化チタンで被覆した真珠光沢性を有する金属光沢顔料、酸化アルミニウムや偏平状ガラス片を表面を酸化チタンで被覆した真珠光沢性を有する金属光沢顔料、透明性樹脂層を複数積層した虹彩性フィルムを細かく裁断した虹彩性を有する金属光沢顔料、透明又は着色透明フィルムに金属蒸着膜を形成した金属光沢顔料等を例示できる。
更に、アルミニウムや真鍮等の金属光沢顔料を用いる場合、前記金属光沢顔料の表面を透明又は着色透明性樹脂で被覆した顔料が好適に用いられる。
前記透明又は着色透明性樹脂で被覆した金属光沢顔料を用いることにより、インキ組成物中での安定性に優れる。
前記透明又は着色透明性樹脂で被覆した金属光沢顔料として、具体的には、偏平状金属粉の両面を透明又は着色透明性の樹脂フィルムで被覆したものを例示できる。
又、前記粒子径分布の金属光沢顔料を用いることにより、例えば、粒子径の小さい金属光沢顔料を樹脂中に分散して形成した金属光沢調樹脂粒状体を用いた系と比較して、金属光沢性に優れるため、光輝性に富む筆跡や印影が得られる。
前記着色剤としては、紙への浸透を防ぐためにその粒子分布が2μm〜20μmの範囲に70重量%以上含まれることを必要とする。
次に、前記着色剤と併用してインキ組成物中に添加される粘着性樹脂粒状体について説明する。
前記粘着樹脂粒状体は、紙面に対し接着又は粘着性を示さない前記着色樹脂粒状体や金属光沢顔料を紙面に接着させ、耐軽擦過性を付与すると共に転写具による剥離性を付与する役割を有する。粘着樹脂粒状体自体の粘着力とインキ組成中における配合量は転写具による剥離性と耐軽擦過性を満たす良好な範囲で決定される。粘着性樹脂粒状体についても紙面への浸透を防止、低減させるためにその粒子分布は2μm〜20μmの範囲に70重量%以上含まれることを必要とする。
前記粘着性樹脂粒状体は、少なくとも表層部が粘着性を有していれば特に製造方法に制約を受けるものではなく、従来公知の樹脂粒子合成方法を用いることができる。
粘着性樹脂粒状体の具体的な形態としては、粘着性樹脂粒状体を形成する樹脂の全体が粘着性を有する均質ポリマー組成物であるもの、粘着性樹脂粒状体の全表面が粘着性を有するポリマー組成物で被覆されたもの、粘着性樹脂粒状体が多層構造状のもので、少なくとも表面の一部が粘着性を有するもの、粘着性樹脂粒状体の少なくとも表面の一部が連続又は非連続状態の粘着性を有するポリマー組成物で構成されたものが挙げられる。
前記の粘着性樹脂粒状体を得る方法としては、懸濁重合法、懸濁重縮合法、懸濁付加反応法、シード重合法、分散重合法、液中溶媒蒸発法等が適用できる。粒状体を形成する樹脂の全部が粘着性を有する均質ポリマー組成のものを得るには、主として懸濁重合法、分散重合法、シード重合法、液中溶媒蒸発法が適用でき、一方、粒状体が多層構造状であるものを得るには、懸濁重合法、懸濁重縮合法、懸濁付加反応法、シード重合法、分散重合法、液中溶媒蒸発法を適宜組み合わせたり、二次処理的な表面改質の手段を適用することができる。前記多層構造の例としては、中心部が硬質で表層部が粘着性を有するものが挙げられる。
粘着性付与のための二次処理とは、粘着性の有無に関わらず得られた一次粒子に対して、更に前記一次粒子を改質して粘着性を付与する処理をいう。
なお、粘着性樹脂粒状体を調製する方法としては懸濁重合法、分散重合法、シード重合法から選ばれる少なくとも1つの重合法より調製されることが好ましく、これらの重合法のうちシード重合法及び分散重合法は、シャープな粒子分布曲線を示す粒状体(粒子分布の狭い粒状体)を得ることができることから、反応後の分級処理を実質上省略することもできるためより好ましい。
前記粘着性樹脂粒状体が示す粘着性とは、それ自体が転写具による剥離が可能であり、且つ、軽擦過に対して必要最低限の粘着力を示す程度を意味する。即ち、粘着力が強すぎれば転写具による剥離性が低下し、逆に、粘着力が弱すぎれば軽擦過により粘着性樹脂粒状体は容易に剥離するため、良好な耐軽擦過性を満たすように粘着力を調整することが必要である。
粘着性樹脂粒状体に好適な粘着性を付与する指標として、得られた粘着性樹脂粒状体のガラス転移点が40℃未満であることが好ましく、より好ましくは20℃未満である。ガラス転移点が40℃を越える粘着性樹脂を用いると概して室温条件下において粘着性の程度が弱く、耐軽擦過性を伴ない難くなる。
粘着性樹脂粒状体の調製に用いられるポリマー類としては粘着性を有していれば特に限定されないが、具体的なポリマーを例示すると、アクリル酸エステル樹脂、アクリルスチレン共重合樹脂、アクリル酸エステル共重合樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル共重合樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、エチレンアクリル共重合樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂等が挙げられる。
前記粘着性樹脂粒状体の粘着性の調整方法としては、(1)潜在的に粘着性を有するモノマー類の種類を変えたり、混合して粘着性樹脂を得たり、(2)多官能性モノマー(架橋性モノマー)の量を調整することによって所望の粘着性を有する樹脂を得ることができるが、更に、粘着性を調節するためにロジン、ロジン誘導体、クマロン・インデン樹脂、ポリテルペン樹脂、非反応性フェノール樹脂、石油系炭化水素樹脂等の粘着性付与剤を添加することもできる。また、ミネラルオイル、液状ポリブテン、ラノリン、二塩基酸エステル等の可塑剤、顔料や体質顔料等を適宜加えてもよい。
更に、インキ組成中における着色剤及び粘着性樹脂粒状体の配合重量及びこれらの重量比率について説明する。
インキ組成物中のそれぞれの粒状体の配合量は、着色樹脂粒状体が5〜30重量%、粘着性樹脂粒状体が0.5〜15重量%であり、且つ、着色剤と粘着性樹脂粒状体の重量比率が着色剤100に対して粘着性樹脂粒状体2〜200であることが好ましい。
着色剤が5重量%未満では良好な色濃度が得られず、30重量%を越えるとインキ組成物中での固形分比率が高くなり、ペン先又は印面からの円滑なインキの吐出を妨げ易くなる。
粘着性樹脂粒状体が0.5重量%未満では良好な耐軽擦過性が得られず、15重量%を越えると良好な転写性能が得られ難くなることがある。又、着色剤との配合比率が2未満では、良好な耐軽擦過性が得られず、200を越えると良好な転写性能が得られ難くなることがある。
次に、粘着性着色樹脂粒状体について説明する。
粘着性着色樹脂粒状体とは、それ自体が粘着と着色の2つの機能を有するものであり、顔料と粘着性樹脂からなる着色樹脂粒子表面の少なくとも一部が粘着性を有してなる。
前記粘着性着色樹脂粒状体が示す粘着性とは、粒状体が転写具による剥離が可能であり、且つ、軽擦過に対して必要最低限の粘着力を示す程度を意味する。即ち、粘着力が強すぎれば剥離性が低下し、粘着力が弱すぎれば軽擦過により容易に剥離するため、耐軽擦過性を満たすように粘着力を調整することが必要である。
尚、前記粘着性着色樹脂粒状体の粘着性は、粘着性樹脂のガラス転移点(Tg)のみによって決定されるものではない。粘着性を決定する要因は一般的に様々な要因からなり、主な要因としては樹脂自体の特性、例えば、結晶性、流動性、ガラス転移点、分子量、架橋密度等が挙げられ、多くの要因が複雑に関与している。一例として、ガラス転移点が−58℃のスチレン−ブタジエンゴム(SBR)のラテックスは室温下で全く粘着性を有さず、ゴム質で脆い性質を示す。一方、ガラス転移点が−45℃のポリアクリル酸ブチルは室温下で強い粘着性を示す。前記のように、樹脂の粘着性は必ずしもガラス転移点に依存するものではない。
前記粘着性着色樹脂粒状体は、顔料を含む着色樹脂粒子の表面の少なくとも一部が粘着性を有する粒子であれば特に製造方法は制約を受けるものではなく、従来公知の樹脂粒子合成技術を用いて得ることができる。粘着性着色樹脂粒状体の形態としては、着色樹脂粒状体を形成する樹脂の全部が粘着性を有する均質ポリマー組成物であるもの、着色樹脂粒状体の全表面が粘着性を有するポリマー組成物で被覆されたもの、着色樹脂粒状体の表面の一部が連続又は非連続状態の粘着性を有するポリマー組成物で構成されたものが挙げられる。
前記の粘着性着色樹脂粒状体を得る方法としては、懸濁重合法、懸濁重縮合法、懸濁付加反応法、シード重合法、分散重合法、液中乾燥法が適用できる。着色樹脂粒状体を形成する樹脂の全部が粘着性を有する均質ポリマー組成であるものを得るには、主として懸濁重合法、液中溶媒蒸発法が適用でき、一方、着色樹脂粒状体の全表面又は表面の一部が連続又は非連続状態で粘着性を有するポリマー組成であるものを得るには、懸濁重合法、懸濁重縮合法、懸濁付加反応法、シード重合法、分散重合法、液中溶媒蒸発法を適宜組み合わせたり、二次処理的な表面改質の手段を適用することができる。
粘着性着色樹脂粒状体に好適な粘着性を付与する指標として、得られた粘着性着色樹脂粒状体のガラス転移点が40℃未満であることが好ましい。40℃以上の粘着性樹脂を用いると室温条件下において粘着性の程度が弱く、耐軽擦過性を満たすことができない。
本発明の粘着性着色樹脂粒状体の粘着性の調整方法としては、(1)粘着性を有するモノマー類の種類を変えたり、二種以上のモノマーを混合したり、(2)多官能性モノマー(架橋性モノマー)の量を調整することによって所望の粘着性を有する樹脂を得ることができるが、更に、粘着性を調節するためにロジン、ロジン誘導体、クマロン・インデン樹脂、ポリテルペン樹脂、非反応性フェノール樹脂、石油系炭化水素樹脂等の粘着性付与剤を添加することもできる。また、ミネラルオイル、液状ポリブテン、ラノリン、二塩基酸エステル等の可塑剤、顔料や体質顔料等を適宜加えてもよい。
前記粘着性着色樹脂粒状体の粒子径としては、2〜20μmの範囲に70重量%が含まれる粒子分布を有する必要があり、好ましくは2μm〜15μmの範囲に80重量%以上が含まれる。
粒子径が2μmより小さい粒子の割合が多いと前述のように、紙の繊維間に浸透する割合が顕著に多くなる。一方、20μmより大きい粒子の割合が多くなると、手や指での擦過で剥離し易くなり、満足な耐軽擦過性が得られにくくなると共に、各種筆記具のインキ導出部、例えば繊維ペン、プラスチックペン、フェルトチップ、ボールチップや、印面からインキが円滑に導出し難くなる。
前記粘着性着色樹脂粒状体は着色手段として顔料が用いられ、着色方法としては、顔料を分散剤の存在下でモノマー、オリゴマー、プレポリマー又はポリマー中に、所望に応じて溶剤を加えて顔料を分散する。その後、各々の反応形態によって顔料を含んだ粘着性着色樹脂粒状体が調製される。顔料は粒状体中に均一に分散していてもよいし、粒状体中で局在化した不均一なものであってもよい。
前記粘着性着色樹脂粒状体はインキ組成物中5〜35重量%の範囲で添加されることが好ましい。5重量%未満では良好な色濃度が得られず、35重量%を越えるとインキ組成物中での固形分比率が高くなり、ペン先や印面からの円滑なインキの吐出を妨げがちである。従って、添加量については前記範囲内で粘着性着色樹脂粒状体自体の色濃度や使用目的に応じて適宜決めることができる。
前記粘着性着色樹脂粒状体は粘着性、色調、色濃度、粒子径分布の異なる2種類以上の粘着性着色樹脂粒状体を所望に応じて混合して使用することもできる。
更に、粘着性着色樹脂粒状体中に含まれる顔料の重量比率は、2〜30重量%であることが好ましい。特に顔料が均質に分散された粘着性着色樹脂粒状体の場合は30重量%を越えると粒状体の調整、特に粒子径の調整ができ難くなる。一方、2重量%未満では良好な色濃度を示す筆跡が得られ難い。非均質形態の粘着性着色樹脂粒状体についても、一次粒子の調整時に同様の条件が適用される。
又、本発明のインキ組成物には該粘着性着色樹脂粒状体と同様の粒子径分布をもつ粘着性を有さない着色粒状体を補色や粘着性を調節するために重量比で粘着性着色樹脂粒状体100に対して40以内の比率で所望に応じて添加することができる。
次に、顔料と、0℃以下の造膜温度若しくは0℃以下のガラス転移温度を有する樹脂とを含むインキについて説明する。
前記樹脂の具体例としては、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリルとブタジエンとの共重合物であるニトリルゴム、イソブチレンとイソプレンとの共重合物であるブチルゴム、シス−1,4−ポリイソプレン、アクリル酸の各種エステルのゴム状重合体(アクリルゴム)、多硫化系ゴム、エチレン−プロピレンゴム、ウレタンゴムなどのゴム状物質、スチレン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン三元共重合体、アクリロニトリル−塩化ビニリデン共重合体などのアクリロニトリル系共重合体、塩化ビニル系重合体、塩化ビニリデン系重合体などのビニル塩化物重合体、酢酸ビニル重合体、酢酸ビニル−エチレン重合体、酢酸ビニル−エチレン−塩化ビニル重合体、酢酸ビニルマレート重合体などの酢酸ビニル系共重合体、ポリブテン、ポリエチレンなどのポリオレフィン等があり、一種若しくは二種以上混合して用いることができる。
インキ中における樹脂の配合量は、2〜50重量%、好ましくは20〜30重量%の範囲で使用される。樹脂量が2重量%未満では転写具による剥離ができず、また、樹脂量が50重量%を越えると、筆記中に樹脂の造膜に伴う糸引きが発生し易くなる。
前記顔料としては、前述の有機顔料、無機顔料、蛍光顔料、蓄光顔料、金属光沢顔料、可逆性熱変色顔料、導電性顔料等を用いることができるが、粒子径は10μm以下であることが好ましい。10μmを越えると、筆記具のチップ内や印面の多孔質体で目詰まりをおこし、インキの流出ができ難くなる。
前記着色剤や粘着樹脂等を添加する媒体としては、水性媒体又は油性媒体のいずれを用いることもできるが、玩具として使用することから、安全性を考慮して水性媒体が好適に用いられる。
その際、必要に応じて水溶性有機溶剤を添加することができる。
前記水溶性有機溶剤としては、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、グリセリン、ソルビトール、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、スルフォラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
前記水溶性有機溶剤は一種又は二種以上を併用することもでき、3〜30重量%の範囲で用いられる。
また、上記成分以外に、必要に応じて炭酸ナトリウム、燐酸ナトリウム、酢酸ソーダ等の無機塩類、水溶性のアミン化合物等の有機塩基性化合物等のpH調整剤、ベンゾトリアゾール及びその誘導体、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、チオ硫酸ナトリウム、サポニン等の防錆剤、石炭酸、1,2−ベンズチアゾリン−3−オンのナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン等の防腐剤或いは防黴剤、金属石鹸、ポリアルキレングリコール、脂肪酸エステル、エチレンオキサイド付加型カチオン活性剤、燐酸系活性剤、チオカルバミン酸塩、ジメチルジチオカルバミン酸塩等の潤滑剤、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、α−トコフェロール、カテキン、カテキン誘導体、合成ポリフェノール、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、亜硫酸塩、スルホキシル酸塩、亜ジチオン酸塩、チオ硫酸塩、二酸化チオ尿素、ホルムアミジンスルフィン酸、グルタチオン等の酸化防止剤、尿素、ピロリン酸ナトリウム等の湿潤剤、インキの浸透性を向上させるフッ素系界面活性剤やノニオン系、アニオン系、カチオン系の界面活性剤、ジメチルポリシロキサン等の消泡剤、分散剤等を使用してもよい。
更に、筆記具に適用する際には、必要に応じて剪断減粘性付与剤を添加し、インキに適当な粘性を与えて実用に供することができる。用いられる剪断減粘性付与剤は従来より公知のものから適宜選択することができ、その具体例としては、キサンタンガム、サクシノグリカン、カラギーナン等の多糖類、ポリアクリル酸、架橋型アクリル酸、ポリビニルアセトアミド、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、会合性ウレタンエマルジョン等が挙げられ、単独或いは混合して用いられる。
また、前記インキをインキ収容部内に充填した後、必要に応じてインキの後端にインキ逆流防止体を充填することもできる。
前記インキ逆流防止体組成物は不揮発性液体又は難揮発性液体からなる。
具体的には、ワセリン、スピンドル油、ヒマシ油、オリーブ油、精製鉱油、流動パラフィン、ポリブテン、α−オレフィン、α−オレフィンのオリゴマーまたはコオリゴマー、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル等があげられ、一種又は二種以上を併用することもできる。
前記不揮発性液体及び/又は難揮発性液体には、ゲル化剤を添加して好適な粘度まで増粘させることが好ましく、表面を疎水処理したシリカ、表面をメチル化処理した微粒子シリカ、珪酸アルミニウム、膨潤性雲母、疎水処理を施したベントナイトやモンモリロナイトなどの粘土系増粘剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属石鹸、トリベンジリデンソルビトール、脂肪酸アマイド、アマイド変性ポリエチレンワックス、水添ひまし油、脂肪酸デキストリン等のデキストリン系化合物、セルロース系化合物を例示できる。
更に、前記液状のインキ逆流防止体組成物と、固体のインキ逆流防止体を併用することもできる。
前記筆記具又はスタンプ具による筆跡や印影を転写する転写具としては、押圧により自身に転写できるものであれば適用できるが、好ましくは、少なくとも転写面に粘着体を備えたものが用いられる。また、使用時に広い転写面を形成できることから、延伸性を有するものも好適に用いられる。
前記転写面を構成する粘着体としては、紙粘土、樹脂粘土、石粉粘土、木塑粘土、軽量粘土、油性粘土、小麦粘土、土粘土、練り消しゴム等の粘土類や、粘着シール、弾性樹脂、ゲル状流動体等が用いられる。特に、玩具に用いる場合、全体の形状を変形させることができ、転写した印面を練り込んだり、除去することで繰り返し転写面を形成できることから紙粘土、樹脂粘土、油性粘土、小麦粘土等の粘土が好適に用いられる。
前記筆跡や印影を転写した転写具は、置物や壁飾り等の装飾品として保存したり、転写した面の裏面に粘着剤の塗布やピンを設けてシールやバッヂとすることも可能である。その際、転写面側に保護層を設けることが好ましい。
また、前記転写玩具セットに用いられる筆記具やスタンプ具は、一般的な使用方法にも適しており、転写具が粘土である場合には、粘土遊びに使用することもできる。
更に、前記転写玩具セットとして、筆記具とスタンプ具を併用することもできる。
以下に実施例を示す。尚、実施例中の部は重量部を示す。
又、実施例における粒子径分布の測定にはレーザー回折式粒度分布測定機〔(株)島津製作所製;SALD 1100〕を用い、ガラス転移温度の測定には示差走査熱量計〔理学電気(株)製:DSC 8230L〕を用いて測定した。
実施例1
粘着性樹脂粒状体の調製
撹拌機付きセパラブルフラスコ(2リットル)に水600部を入れ、更にラウリル硫酸ナトリウム0.2部、メチルセルロース(商品名メトローズ90SH−100、信越化学(株)製)20部を溶解して分散媒とした。前記分散媒にブチルアクリレート120部、メタクリル酸メチル10部、エチレングリコールジメタクリレート2部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2.0部からなる油相溶液を加え、400rpmで平均粒子径が約6μmとなるよう撹拌を続けた。ついで、窒素雰囲気下で懸濁液を70℃に昇温して撹拌を6時間続けて懸濁重合を行なった。その後室温まで冷却し、水1000部を加えて希釈した後、遠心分離法によって固液分離し、水で固形分を30%に調整して粘着性樹脂粒状体分散体Aを得た。
前記粘着性樹脂粒状体分散体A中の粒状体の平均粒子径は7.8μmであり、粒子は2μm〜20μmの範囲に全粒状体の85重量%が含まれるものであった。
筆記具用インキ組成物の調製
得られた粘着性樹脂粒状体分散体A10.0部、黒色樹脂粒状体〔商品名:アートパールC−800、根上工業(株)製〕10.0部、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム0.3部、ダイナマイトグリセリン10.0部、サクシノグリカン0.3部、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン0.1部、トリエタノールアミン0.3部、ジエチルヒドロキシルアミン0.1部、シリコーン変性消泡剤(ジメチルポリシロキサン)0.1部、水58.8部を混合し、ディスパーにて室温で3時間撹拌した後、濾過することで黒色インキ組成物を得た。
得られたインキを直径0.7mmのボールを抱持するステンレススチール製チップがポリプロピレン製パイプの一端に嵌着されたボールペンレフィールに充填し、更にインキ後端にインキ追従体を充填した後、前記ボールペンレフィールを軸筒に組み込み、黒色ボールペンを得た。
次に、得られた黒色ボールペンと共に、転写具として肌色樹脂粘土30gを用いて転写玩具セットを得た。
前記転写玩具セットは、紙面にボールペンで筆記した筆跡上に、転写具を押圧することで筆跡を容易に転写具側に転写できるものであった。
実施例2
着色樹脂粒状体の調製
ビーカー(2リットル)に水480部を入れ、更にポリビニルアルコール〔商品名:ゴーセノールGL−03、日本合成(株)製〕20部を溶解して分散媒とした。
前記分散媒にフタロシアニン系青色有機顔料(商品名ファーストゲンブルー5007、大日本インキ(株)製)15部、エポキシ樹脂(ビスフェノールA/ジグリシジルエーテル系、エポキシ当量184〜194)85部、酢酸エチル60部からなる着色組成物を加えて高速撹拌により約5μmの液滴とした後、撹拌継続下で60℃まで昇温し、エポキシ樹脂硬化剤(脂肪族ポリアミン)21部を水200部中に溶解した溶液を約1時間かけて滴下した。ついで液温を80℃まで昇温度させて5時間撹拌を続けることにより酢酸エチルを揮散させた。
室温まで冷却し、水1000部を加えて洗浄して遠心分離によって固液分離した後、水で固形分を調整して固形分50%の青色樹脂粒状体分散液を得た。
前記青色樹脂粒状体分散液中の粒状体の平均粒子径は6.7μmであり、粒子は2μm〜10μmの範囲に全粒状体の91重量%が含まれるものであった。
筆記具用インキ組成物の調製
実施例1の黒色樹脂粒状体を青色樹脂粒状体分散液に変えた以外は、実施例1と同様にして青色インキ組成物を得た。
得られたインキを直径0.7mmのボールを抱持するステンレススチール製チップがポリプロピレン製パイプの一端に嵌着されたボールペンレフィールに充填し、更にインキ後端にインキ追従体を充填した後、前記ボールペンレフィールを軸筒に組み込み、青色ボールペンを得た。
次に、得られた青色ボールペンと共に、転写具として延伸性を有する肌色樹脂粘土30gを用いて転写玩具セットを得た。
前記転写玩具セットは、紙面にボールペンで筆記した筆跡上に、転写具を押圧することで筆跡を容易に転写具側に転写できるものであった。
実施例3
粘着性着色樹脂粒状体分散液の調製
セパラブルフラスコ(2リットル)に水475.0部を入れ、更にポリビニルアルコール〔商品名:ゴーセノールGL−03、日本合成(株)製〕25.0部を溶解して分散媒とした。
前記分散媒に赤色有機顔料(商品名:CINQUASIA Scarlet RT−787−D、チバガイギー社製)11部、アクリル酸ブチル80.1部、メタクリル酸メチル3.6部、エチレングリコールジメタクリレート5.3部、t−ブチルパーオキシピバレート2.0部からなる着色組成物を加え、高速撹拌により約5μmの液滴とした後、撹拌を続けながら60℃で6時間懸濁重合を行った。
室温まで冷却した後、実施例3と同様の方法で充分洗浄した後、遠心分離を行い、水で固形分を50重量%に調整して粘着性赤色樹脂粒状体分散液を得た。
得られた粘着性赤色樹脂粒状体分散液中の粒状体のガラス転移温度は−32℃であり、平均粒子径は5.8μmであり、粒子は2μm〜10μmの範囲に全粒状体の90.5重量%が含まれるものであった。
筆記具用インキ組成物の調製
得られた粘着性赤色粒状体分散液30.0部、POE(10)アセチレングリコール0.3部、ジエチレングリコール10.0部、キサンタンガム0.3部、石炭酸0.3部、炭酸ナトリウム0.2部、シリコーン変性消泡剤(ジメチルポリシロキサン)0.1部、次亜リン酸一ナトリウム0.3部、水58.5部を混合し、室温でディスパーにて3時間攪拌後、濾過することにより赤色インキ組成物を得た。
得られたインキを直径0.7mmのボールを抱持するステンレススチール製チップがポリプロピレン製パイプの一端に嵌着されたボールペンレフィールに充填し、更にインキ後端にインキ追従体を充填した後、前記ボールペンレフィールを軸筒に組み込み、赤色ボールペンを得た。
次に、得られた赤色ボールペンと共に、樹脂製把手部に転写面として肌色樹脂粘土を備えた転写具を用いて転写玩具セットを得た。
前記転写玩具セットは、紙面にボールペンで筆記した筆跡上に、転写具を押圧することで筆跡を容易に転写具側に転写できるものであった。
実施例4
着色樹脂粒状体の調製
反応容器に、p−トルエンスルホンアミド72部、ホルムアルデヒド18部、蛍光黄色染料〔ダイアレジンブリリアントイエロー6G、油溶性染料、三菱化学(株)製〕3部を投入し、150℃まで加温して均一溶解した後、メラミン18部を加えて1時間反応させた。更に、熱風乾燥機を用いて150℃で3時間加熱処理を行ない、室温下で放冷した後、ハンマーミルで粗粉砕し、ついで、ジェットミルで微粉砕し、風力分級機で分級を行って蛍光黄色樹脂粒状体を得た。
前記蛍光黄色樹脂粒状体中の粒状体の平均粒子径は6.3μmであり、粒子は2μm〜20μmの範囲に全粒状体の91重量%が含まれるものであった。
筆記具用インキ組成物の調製
実施例1の黒色樹脂粒状体を蛍光黄色樹脂粒状体分散液に変えた以外は、実施例1と同様にして蛍光黄色インキ組成物を得た。
得られたインキを直径0.7mmのボールを抱持するステンレススチール製チップがポリプロピレン製パイプの一端に嵌着されたボールペンレフィールに充填し、更にインキ後端にインキ追従体を充填した後、前記ボールペンレフィールを軸筒に組み込み、蛍光黄色色ボールペンを得た。
次に、得られた蛍光黄色ボールペンと共に、転写具として白色紙粘土30gを用いて転写玩具セットを得た。
前記転写玩具セットは、紙面にボールペンで筆記した筆跡上に、転写具を押圧することで筆跡を容易に転写具側に転写できるものであった。
実施例5
筆記具用インキ組成物の調製
金属光沢顔料〔商品名:エルジー R.GOLD #500、尾池工業(株)製〕6.0部、粘着性樹脂粒状体分散体A20.0部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム0.3部〔商品名:OTP−100、日光ケミカルズ(株)製〕、ダイナマイトグリセリン10.0部、ナトリウムオマジン0.3部〔商品名:トップサイド280、パーマケム社製〕、シリコーン変性消泡剤(ジメチルポリシロキサン)0.1部、サクシノグリカン0.3部、亜ジチオン酸ナトリウム0.2部、水62.8部を混合しディスパーにて均質になるまで撹拌して金属光沢色インキ組成物を得た。
得られたインキを直径0.7mmのボールを抱持するステンレススチール製チップがポリプロピレン製パイプの一端に嵌着されたボールペンレフィールに充填し、更にインキ後端にインキ追従体を充填した後、前記ボールペンレフィールを軸筒に組み込み、金属光沢色ボールペンを得た。
次に、得られた金属光沢色ボールペンと共に、転写具として青色樹脂粘土30gを用いて転写玩具セットを得た。
前記転写玩具セットは、紙面にボールペンで筆記した筆跡上に、転写具を押圧することで筆跡を容易に転写具側に転写できるものであった。
実施例6
スタンプ具用インキ組成物の調製
実施例3で得られた粘着性赤色粒状体分散液25.0部を、プロピレングリコール10.0部、トリエタノールアミン5.0部、グリセリン50.0部、水7.0部からなる混合液中に分散し、更に、オレイン酸ジエタノールアミド7.0部、消泡剤0.5部、浸透剤1.0部を添加することで赤色インキ組成物を得た。
得られた赤色インキと共に、多孔質状材からなる円形及び星型の印面を有するスタンプ具と、転写具として肌色樹脂粘土30gとを用いて転写玩具セットを得た。
前記転写玩具セットは、紙面に押印した印影上に、転写具を押圧することで印影を容易に転写具側に転写できるものであった。
実施例7
実施例1乃至6で得られた5色のボールペン及びスタンプ具と共に、延伸性を有する肌色樹脂粘土30gを用いて転写玩具セットを得た。
前記転写玩具セットは、ボールペンやスタンプ具を用いて紙面にカラフルな像を形成した後、この像の上に肌色樹脂粘土を被覆し押圧することにより、粘土にカラフルな像を容易に転写できるものであった。
また、前記筆跡や印影は手指による擦過で剥離することなく紙面に定着しており、前記樹脂粘土は、延伸して広い転写面を形成でき、転写後に転写面を練り込むことで転写された像が消失し、新たな転写面を形成できるため、繰り返し遊ぶことができた。

Claims (6)

  1. 多孔質面を有する被筆記体への筆跡形成が可能であり、被筆記体内へ浸透されず被筆記体上で定着状態を維持できる吸着力を有する着色剤を含むインキを内蔵する筆記具と、該筆記具による筆跡上に乗せて押圧することで自身に転写できる転写具とからなる転写玩具セット。
  2. 多孔質面を有する被筆記体への印影形成が可能であり、被筆記体内へ浸透されず被筆記体上で定着状態を維持できる吸着力を有する着色剤を含むインキと、該インキを内蔵又は別に備え、前記インキを被筆記体に移転塗布するスタンプ具と、該スタンプ具による印影上に乗せて押圧することで自身に転写できる転写具とからなる転写玩具セット。
  3. 前記インキが、着色樹脂粒状体及び粘着性樹脂粒状体、又は、表面の少なくとも一部が粘着性を有する粘着性着色樹脂粒状体を媒体に分散させてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の転写玩具セット。
  4. 前記転写具が延伸性を有することを特徴とする請求項請求項1乃至3のいずれかに記載の転写玩具セット。
  5. 前記転写具が粘着体を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の転写玩具セット。
  6. 前記粘着体が粘土であることを特徴とする請求項5記載の転写玩具セット。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014188294A (ja) * 2013-03-28 2014-10-06 Pilot Ink Co Ltd 転写玩具セット
CN110577714A (zh) * 2019-10-29 2019-12-17 佛山市腾塑塑料有限公司 一种强度更高的网纹pe膜配方及其制备方法

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