JP2004311791A - 照明装置、バックライト装置および表示装置 - Google Patents

照明装置、バックライト装置および表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な構成でLEDチップから放熱素子への放熱を効率良く行う。
【解決手段】セラミック基板21の一方表面側に深い凹部21aとその周りの浅い凹部21bとが設けられ、凹部21a内に設けられた配線パターンにLEDチップ22がダイボンドされ、LEDチップ22の電極とセラミック基板21の浅い凹部21b上の配線パターンとが接続用ワイヤ23にてワイヤボンドされている。セラミック基板21の発光面側とは反対側の面(裏面)には放熱素子4が直に接合されている。接続基板3にはLED素子基板2からの光を透過させるための窓部31が設けられている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種照明用光源などに使用されるLED照明装置などの照明装置、それを用いたLCDバックライトモジュールなどのバックライト装置およびLCDモジュールなどの表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のLED照明装置について図25〜図29を用いて説明する。
【0003】
図25は、一般的な従来のLED素子基板の構成を示す斜視図である。
【0004】
図25において、このLED素子基板40は、ガラスエポキシ樹脂などからなる樹脂基板41上に配線パターン42が設けられ、その配線パターン42に、1個または異なる発光色を有する複数のLEDチップ43がダイボンドされている。そのLEDチップ43の電極(発光面側の電極)と樹脂基板41上の配線パターン42の所定位置とは、金などからなる接続用ワイヤ44にてワイヤボンドされている。これらのLEDチップ43および接続用ワイヤ44の周囲はエポキシ樹脂などのモールド樹脂45により覆われて封止されている。また、樹脂基板41の発光面側の端縁部から側面および裏面にわたって、このLED素子基板40を外部と電気的に接続するための電極配線用端子46が設けられている。
【0005】
また、一般的な従来のLED素子基板における他の構成例として、図26に示すようなLED素子基板が開示されている。
【0006】
図26において、このLED素子基板40Aは、樹脂基板41Aの表面に凹部41aが形成されている。その凹部41a内には配線パターン42が設けられ、その配線パターン42に、1個または異なる発光色を有する複数のLEDチップ43が半田(図示せず)などによってダイボンドされている。このとき、LEDチップ43は、発光面と反対側の面を樹脂基板41A側に向けて半田付けされている。そのLEDチップ43の電極(発光面側の電極)と樹脂基板41A上の配線パターン42の所定位置とは、金などからなる接続用ワイヤ44にてワイヤボンドされ、凹部41aの内部はエポキシ樹脂などのモールド樹脂45Aにより覆われて封止されている。また、樹脂基板41Aの一部側面から一部裏面にわたって、このLED素子基板40Aを外部と電気的に接続するための電極配線用端子46Aが設けられている。
【0007】
上記図25および図26に示すような従来のLED素子基板40または40Aを用いて照明用光源などのLED照明装置を構成する場合には、複数のLED素子基板40または40Aは、図27および図28に示すように、ガラスエポキシ樹脂などの樹脂材料からなる接続基板47に半田47aなどによって例えば一列または複数列に並ぶようにそれぞれ取り付けられる。このとき、LEDチップ43は、発光面と反対側の面を樹脂基板41または41A側に向けて取り付けている。
【0008】
さらに、例えばLCDバックライト装置や各種照明装置などにLED照明装置を用いる場合には、LED照明装置が大電流で駆動されるため、充分な放熱が必要となる。このような場合には、図27および図28に示すように、複数のLED素子基板40または40Aが取り付けられた接続基板47のLED素子基板取付面とは反対側の面(裏面)に、ヒートシンクなどのような放熱素子48が取り付られている。これらのLED照明装置は、図29に示すように、バックライト装置の導光板49の側面(光入射端面)に沿って、導光板49内に光が入射されるように設置される。
【0009】
例えば特許文献1には、図26のLED素子基板40Aの変形例として、樹脂基板41Aにおいて、凹部41aを囲む4方の外壁のうち相対(対向)する2辺の外壁上面に、凹部41aの底面よりも浅く、凹部41aと外側を連通する所定幅の溝部がそれぞれ設けられたLED素子基板が開示されている。この溝部底面上の配線パターンにLEDチップ43の電極が接続用ワイヤ44にてワイヤボンドされている。
【0010】
この特許文献1のLED素子基板によれば、凹部41aはLEDチップ43を搭載するためだけの小さい面積に限定でき、接続用ワイヤ44は浅い溝部の底面上に接続されるので、これらの凹部41aおよび溝部を樹脂封止するための樹脂量が少なくて済む。その結果、熱応力が加わった場合のストレスを小さくできて、信頼性の向上を図ることができる。また、発光色が異なる複数のLEDチップ43を搭載する場合には、凹部41aの面積が小さいことからチップ間距離も小さくなり、混色発光をより均一化することができる。さらに、その溝部は製造工程において、凹部間に設けられる溝を分割して作製できるため、凹部に樹脂を注入する際に、スキージ法によって容易に樹脂量を調整でき、量産プロセスの効率化を図ることができる。
【0011】
また、特許文献2には、光透過性基板の裏面側に、発光面を基板側に向けたLEDチップとドライバICとが搭載され、LEDチップのアノード電極と基板上に設けられた配線パターンとがバンプを介して接続されたLED表示装置が開示されている。
【0012】
この特許文献2のLED表示装置によれば、高精細化が進んで多数の発光ドット数を有する場合でも、LEDチップの電極と配線パターンとがバンプを介して接続されているため、ワイヤ数が増加せず、歩留まり低下や工程数増加を防ぐことができる。また、発光部の近傍に接続用ワイヤが設けられていないため、接続用ワイヤによってLEDチップから出射された光が反射されることはなく、光特性を良好にすることができる。また、基板の透過光出射面にはLEDチップが設けられておらず、平坦であるため、良好な光特性が得られる。さらに、LEDチップの発光面とは反対側に、放熱部材を設けることによって、LEDチップが発生する熱を効率良く放出することができる。この放熱部材は、光透過性基板の配線パターンとLEDチップの電極とを接続するための配線部材としても用いることができる。
【0013】
さらに、特許文献3には、金属製基板の一方の表面に、熱伝導性液体が充填された中空部を有する金属製容器が設けられ、その上に設けられた絶縁層上にLEDチップと電気的に接続される配線パターンが設けられたLED照明装置が開示されている。
【0014】
この特許文献3のLED照明装置によれば、LEDチップから発生した熱はLEDチップのリード部、配線パターン、絶縁層および金属製容器と順に伝わり、さらに中空部に充填された熱伝導性液体に熱が伝わって金属製容器全体に伝わり、この熱が空気中に放熱される。さらに、基板が金属製であるため、金属製容器全体から金属製基板に効率良く熱が伝わって放熱される。これによって、LEDチップの発熱を抑え、発光効率および寿命特性を向上させることができる。
【0015】
【特許文献1】
特開平7−38154号公報
【0016】
【特許文献2】
特開平6−230731号公報
【0017】
【特許文献3】
特開2001−284659号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記図29の従来のLED照明装置では、複数のLED素子基板40Aが取り付けられた接続基板47のLED素子基板取付面とは反対側の面(裏面)に、ヒートシンクなどのような放熱素子48が取り付られている。このため、LEDチップ43にて発生した熱は、LED素子基板40Aを構成する樹脂基板41Aと接続基板47を経て放熱素子48に伝えられる。ここで、LEDチップ43から放熱素子48に至るまでの途中2枚の樹脂基板41Aと接続基板47は共に樹脂からなっているため、熱伝導性が悪く、充分な放熱効果を期待できないという問題がある。このことはLED素子基板40の場合も同様である。
【0019】
さらに、樹脂基板41Aと接続基板47との間に隙間などが生じた場合には、その隙間に空気層が形成されるため、さらに熱伝導性を悪くする虞がある。その結果、大電流にて駆動される照明用光源などのように、消費電流量が多くなってLEDチップ43からの発熱量が増えると、LED素子基板40Aへの熱ストレスが増加して充分な光度が得られないなど、発光性能上の信頼性の点からも問題が生じる。
【0020】
一方、上記特許文献1のLED素子基板では、凹部および溝部を樹脂封止するための樹脂量を少なくすることによって、熱応力が加わった場合のストレスを小さくできるとされているが、この従来技術では、熱発生源のLEDチップと放熱素子との間の熱伝導性については何ら考慮されておらず、前述したように上記従来の構成による問題と同様の問題が生じる。
【0021】
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、簡単な構成でLEDチップから放熱素子への放熱をより効率良く行うことができる照明装置、これを用いたバックライト装置およびこれを用いた表示装置を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明の照明装置は、電流により光を発生する少なくとも一つの発光素子が表面側に設けられた少なくとも一つの発光素子搭載基板と、この発光素子搭載基板の裏面および側面の少なくとも何れかに接合された放熱部材とを有するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0023】
また、好ましくは、本発明の照明装置における発光素子と放熱部材間には、発光素子を発光素子搭載用基板にダイボンドする接着剤および発光素子搭載用基板のみが介在している。
【0024】
さらに、好ましくは、本発明の照明装置における発光素子搭載基板の表面側に、発光素子に電流を供給するための所定配線パターンを有した接続基板をさらに有し、少なくとも発光素子に対応した接続基板の位置に光透過部が設けられている。
【0025】
さらに、好ましくは、本発明の照明装置における発光素子搭載基板の表面両端部の少なくとも一方には、配線基板の所定配線パターンとの接続用の電極配線用端子が設けられている。
【0026】
さらに、好ましくは、本発明の照明装置における接続基板は、発光素子搭載基板の複数を所定間隔で一列または複数列に配置した状態で所定配線パターンを電極配線用端子に電気的に接続している。
【0027】
さらに、好ましくは、本発明の照明装置における発光素子搭載基板はセラミック基板を含む。即ち、本発明の照明装置における発光素子搭載基板の発光素子搭載用基板はセラミック基板である。
【0028】
さらに、好ましくは、本発明の照明装置における発光素子は発光ダイオードチップである。
【0029】
さらに、好ましくは、本発明の照明装置における発光ダイオードチップは異なる発光色を有する複数のチップである。
【0030】
さらに、好ましくは、本発明の照明装置における発光素子搭載基板の表面側に設けられた配線パターンの所定位置に発光素子がダイボンドされ、この所定位置とは別の配線パターンの所定位置と発光素子の電極とが接続用ワイヤでワイヤボンドされている。
【0031】
さらに、好ましくは、本発明の照明装置における発光素子搭載基板の表面側に凹部が設けられ、この凹部内の配線パターンの所定位置に発光素子がダイボンドされている。
【0032】
さらに、好ましくは、本発明の照明装置における凹部は、中央部の深い凹部と、この深い凹部の周囲の浅い凹部とを有し、この深い凹部内の配線パターンの所定位置に発光素子がダイボンドされ、浅い凹部内の配線パターンの所定位置と発光素子の電極とが接続用ワイヤでワイヤボンドされている。
【0033】
さらに、好ましくは、本発明の照明装置における発光素子搭載基板の平坦な表面の配線パターンの所定位置に発光素子がダイボンドされている。
【0034】
さらに、好ましくは、本発明の照明装置における光透過部には発光素子からの光分散防止用のレンズ手段が設けられている。
【0035】
さらに、好ましくは、本発明の照明装置における光透過部は窓部である。
【0036】
さらに、好ましくは、本発明の照明装置におけるレンズ手段は、接続基板の表面から突出しないように窓部内に嵌め込まれている。
【0037】
さらに、好ましくは、本発明の照明装置におけるレンズ手段はマイクロレンズ手段で構成されている。
【0038】
さらに、好ましくは、本発明の照明装置におけるマイクロレンズ手段は、透明シート部材と、この透明シート部材上に一列または複数列配置された複数のマイクロレンズとを有し、接続基板の発光素子側とは反対側の面上にこのマイクロレンズ手段が設けられている。
【0039】
さらに、好ましくは、本発明の照明装置における接続基板が無色透明材料からなり、レンズ手段が接続基板と一体的に形成されている。
【0040】
さらに、好ましくは、本発明の照明装置における発光素子および接続用ワイヤの周囲が樹脂にてモールドされている。
【0041】
さらに、好ましくは、本発明の照明装置におけるレンズ手段は、少なくとも発光素子の周囲がモールドされた樹脂の表面がドーム状に形成されてレンズ手段を構成している。
【0042】
さらに、好ましくは、本発明の照明装置における樹脂(モールド樹脂)には、発光素子からの光と反応して所望の発光色が得られる蛍光剤が添加されている。
【0043】
さらに、好ましくは、本発明の照明装置における接続基板の発光素子側とは反対側の面に、発光素子からの光と反応して所望の発光色が得られる蛍光剤が添加された透明シート部材が設けられている。
【0044】
さらに、好ましくは、本発明の照明装置における発光素子は青色または紫外領域の発光色を有する。
【0045】
本発明のバックライト装置は、請求項1〜23のいずれかに記載の照明装置と、この照明装置の光出射面側に沿って光入射面側が配置され、光入射面から入射した光を内部で光伝播して一方表面側から光を出射する導光板とを有しており、そのことにより上記目的が達成される。
【0046】
本発明の表示装置は、被表示媒体を間に挟んで一対の基板が設けられ、両基板間に表示電圧を印加することにより表示を行う表示パネルと、この表示パネルの背面側に設けられた請求項24記載のバックライト装置とを有するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0047】
また、好ましくは、本発明の表示装置における表示パネルは、被表示媒体として液晶層を間に挟んで一対の基板が設けられ、両基板間に表示電圧を印加することによりマトリックス状の各絵素毎の液晶分子の配向状態を変化させて表示を行う液晶表示パネルである。
【0048】
上記構成により、以下に、本発明の作用について説明する。
【0049】
本発明にあっては、発光素子(例えば発光ダイオードチップ;これをLEDチップという)と放熱部材(放熱素子)間に発光素子搭載基板(例えばセラミック基板)が介在しているだけであるので、これに加えて樹脂製の接続基板が介在した従来技術と比べると、より簡単な構成でLEDチップから放熱素子への放熱をより効率良く行うことが可能となる。さらに、発光素子搭載基板として従来の樹脂基板から熱伝導性のよい例えばセラミック基板を用いれば、LEDチップから放熱素子への放熱を更に効率良く行うことが可能となる。
【0050】
また、発光素子に対応した接続基板の位置に窓部などの光透過部を設けた接続基板を、発光素子搭載基板の発光表面側に配置したので、LEDチップから窓部を通ることにより光が広がらず、導光板への光入射角度も大きくならず、導光板の光入射面での反射が抑制されて、LEDチップから導光板への光入射効率を大幅に向上でき、表示輝度の向上を図ることが可能となる。
【0051】
ここで、この光入射効率向上の前提としての課題を前述した従来技術を用いて説明する。
【0052】
LCDバックライト装置の光源としてLED照明装置を用いる場合には、図29に示すように、LED素子基板40Aから導光板49に光を照射することになるが、この場合には、LEDチップ43からの光が放射状に広がり、導光板49の入射面に対して角度をもって入射される。このため、導光板49の入射面の表面で反射されるなどによって光入射効率(導光板49への光取り込み効率)が悪くなるという問題も生じる。
【0053】
また、上記特許文献2のLED表示装置では、発光部の前方近傍位置に接続用ワイヤが設けられておらず、また、基板の透過光出射面側にLEDチップが設けられずに平坦であるため、良好な光特性が得られるとされているが、LEDチップから導光板に入射される光の入射効率については全く考慮されておらず、この場合にも、前述したような光入射効率の問題も生じ得る。
【0054】
したがって、本発明は、上記従来の問題を解決するもので、簡単な構成でLEDチップから放熱素子への放熱をより効率良く行うことが可能であり、かつ、LEDチップから導光板への光入射効率を向上させて表示輝度を向上させることが可能である。
【0055】
即ち、発光素子搭載基板と放熱部材間に接続基板を設けた従来構成から接続基板と放熱部材間に発光素子搭載基板を設けただけの簡単な構成により、前述した放熱効率と光入射効率の向上を共に図ることが可能となる。
【0056】
以下、さらに具体的に説明する。
【0057】
本発明にあっては、平板状のセラミック基板上または表面に凹部が設けられたセラミック基板上の配線パターンにLEDチップが発光面とは反対側をセラミック基板に向けてダイボンドされており、セラミック基板の発光面とは反対側の面または発光面と直交する面にヒートシンクなどの放熱素子が接合されているため、電流が流れることによってLEDチップから発せられた熱は、LEDチップをセラミック基板にダイボンドする接着剤およびセラミック基板のみを経て放熱素子に伝えられる。
【0058】
一方、接続基板は、セラミック基板の発光面側に設けられている。したがって、LEDチップと放熱素子との間に樹脂基板と接続基板とが介在するために熱伝導性が悪くなって充分な放熱が得られない従来のLED照明装置に比べて、高効率でLEDチップからの放熱を行うことができる。
【0059】
セラミック基板の発光面側の両端部には電極配線用端子が設けられ、接続基板と半田付けなどによって接続される。また、セラミック基板の発光面とそれに直交する面との少なくとも何れかに放熱素子が設けられ得る。
【0060】
本発明の照明装置は、放熱効率を向上させることができるため、大電流にて駆動されるバックライト装置や各種照明用光源などに好適に用いられる。
【0061】
また、本発明の照明装置がバックライト装置に用いられる場合には、接続基板に設けられた窓部などの光透過部に対応して、LEDチップからの光を放射状から平行に変換するレンズ手段(またはレンズ機能素子)を設けることによって、導光板の入射面に垂直な方向から光を入射させることができるため、入射効率がいっそう向上される。これにより、このバックライト装置を用いた表示装置において、表示輝度の向上を図ることが可能となる。
【0062】
各セラミック基板上に搭載されるLEDチップは、互いに異なる発光色を有する複数のLEDチップであってもよく、1個のLEDチップであってもよい。青色または紫外領域の発光色を有するLEDチップを用いる場合、モールド樹脂に蛍光剤を添加しておくと、添加された蛍光剤とLEDチップからの光とが反応することによって、所望の発光色が得られる。また、接続基板のLEDチップ側とは反対側の面に、蛍光剤を添加された透明シート部材を設けてもよい。この場合にも、蛍光剤とLEDチップからの光とが反応することによって、所望の発光色が得られる。
【0063】
LEDが搭載される基板に設けられる凹部は、深い凹部の周囲に浅い凹部が設けられているものであってもよい。この場合、浅い凹部の上面に設けられた配線パターンとLEDチップの電極とをワイヤボンドすることができるため、上記特許文献1と同様に、モールド樹脂量を減らして熱応力が加わった場合のストレスをさらに減少させることができる。
【0064】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の照明装置、これを用いたバックライト装置および、これを用いた表示装置の実施形態1〜7として、LED照明装置、これを用いたLEDバックライト装置および、これを用いた液晶表示装置に適用した場合について図面を参照しながら説明する。
【0065】
(実施形態1)
図1は、本発明のLED照明装置の実施形態1における構成例を示す断面図である。
【0066】
図1において、このLED照明装置1は、一列または複数列に所定間隔に配列された複数の発光素子搭載基板としての複数のLED素子基板2と、LED素子基板2上に設けられた接続基板3と、LED素子基板2の下面に設けられたヒートシンクなどの放熱部材である放熱素子4とを備えている。
【0067】
LED素子基板2は、発光素子搭載用基板としてのセラミック基板21と、セラミック基板21に設けられた発光源の発光素子としての発光ダイオードチップであるLEDチップ22と、セラミック基板21上の配線パターン(図示せず)の所定位置とLEDチップ2の電極とを接続するための接続用ワイヤ23(または配線ワイヤ)とを有している。
【0068】
セラミック基板21は熱伝導性がよく、セラミック基板21には、その一方表面中央部に凹部が設けられている。この凹部は、その中央部の深い凹部21aと、深い凹部21aの周囲の浅い凹部21bとの2段構造となっている。深い凹部21a内には、1個または、異なる発光色の複数個のLEDチップ22が、発光面とは反対側の面(裏面)をセラミック基板21に向けて配置されて、凹部21a内に設けられた配線パターン(図示せず)の所定位置上にダイボンドされている。LEDチップ22の発光面側の電極は、浅い凹部21b上に設けられた配線パターン(図示せず)の所定位置と接続用ワイヤ23によってワイヤボンドされている。
【0069】
接続基板3は、その下方に配列される複数のセラミック基板21の各凹部またはLEDチップ22に対応して、LED素子基板2からの光を通過または透過させるための光透過部としての窓部31がそれぞれ設けられ、窓部31によりLEDチップ22からの光の広がりを抑えている。また、接続基板3は、LEDチップ22に電流を供給するための配線パターン(図示せず)と、セラミック基板21の発光面側の上面に設けられた配線パターン(図示せず)とが半田32などにより接続されている。
【0070】
放熱素子4は、その上面に、セラミック基板21の発光面側とは反対側の面(裏面;導電性パターンは設けられていない)が接合されている。これによって、LEDチップ22から発せられた熱は、セラミック基板21および、LEDチップ22をセラミック基板21にダイボンドするための接着剤のみを経て放熱素子4に伝えられる。このため、放熱素子4とLEDチップ22との間に樹脂基板と接続基板とが介在していた従来の構成に比べて熱伝導性が大幅に向上し、より効率良く放熱を行うことができる。
【0071】
以下に、本実施形態1のLED照明装置の各構成部材について、さらに詳しく説明する。
【0072】
まず、発光素子搭載用基板としてのセラミック基板21について説明する。
【0073】
図2(a)は、図1のセラミック基板21の構成例を示す上面図、図2(b)はその側面図、図2(c)はその断面図である。
【0074】
図2(a)〜図2(c)において、このセラミック基板21Aには、LEDチップ22が配置される中央部に平面視円形状で深いカップ状の凹部21aと、その周囲に平面視矩形状の浅い凹部21bとが設けられている。凹部21aがカップ状とされる理由は、LEDチップ22の側面から発せられる光をも発光面方向(前方または上方)に反射させて光度を向上させるためである。また、浅い凹部21bが設けられる理由は、LEDチップ22のワイヤボンドを行う面積を確保するためと、その周囲を樹脂封止した場合に樹脂量を少なくするためである。なお、深い凹部21a内にはLEDチップ22をダイボンドするための配線パターンが形成され、浅い凹部21bにはワイヤーボンドを行うための配線パターンが形成されている。
【0075】
LED素子基板2と外部部材(接続基板3の配線パターン)とを接続するための電極配線用端子24は、セラミック基板21における発光面側の長手方向両端部の上面にそれぞれ形成されている。この電極配線用端子24は、接続基板3の配線パターンとの半田付け時に半田がLEDチップ22側に回り込まないように、LEDチップ22を接続するためのランド(図示せず)まで連続したパターンとはなっておらず、LEDチップ22のランドとは独立に設けられている。電極配線用端子24は、例えば側面部分24aまたはスルーホールなどにより接続基板3の配線パターンと電気的に接続される。
【0076】
図3は、図2に示すセラミック基板21にLEDチップ22をダイボンドおよびワイヤボンドした状態を示す斜視図である。
【0077】
図3において、LEDチップ22が発光面とは反対側の面(裏面)をセラミック基板21側に向けて凹部21aに設けられた配線パターンの所定位置にダイボンドされ、LEDチップ22の発光面側の電極が、凹部21bに設けられた配線パターンの所定位置に接続用ワイヤ23によりワイヤボンドされている。
【0078】
図4(a)は、図1のセラミック基板21の他の構成例を示す上面図、図4(b)はその側面図,図4(c)はその断面図である。
【0079】
図4(a)〜図4(c)において、このセラミック基板21Bは、図2に示すセラミック基板21Aと比較して、凹部21b内にも電極配線用端子25が設けられている点が異なっている。
【0080】
図5(a)は、図1のセラミック基板21のさらに他の形状例を示す上面図、図5(b)はその側面図、図5(c)はその断面図である。
【0081】
図5(a)〜図5(c)において、このセラミック基板21Cは、図2に示すセラミック基板21Aと比較して、底面が平面視楕円形状で上部が長方形状となった1段の凹部21cが設けられている点が異なっている。凹部21c内に設けられたランド部分26は、発光面側の電極配線用端子24とは連続しておらず分離して設けられている。
【0082】
図6(a)は、図1のセラミック基板21のさらに他の形状例を示す上面図、図6(b)はその側面図、図6(c)はその断面図である。
【0083】
図6(a)〜図6(c)において、このセラミック基板21Dは、図4に示すセラミック基板21Bと比較して、底面が平面視楕円形状で上部が長方形状となった1段の凹部21cにおいて、側面部分24aからランド部分27まで連続したパターンで形成されている。このため、レジストやシリコンダムなどの絶縁部材28が凹部21c内のランド部分27と発光面側の電極配線用端子24との間に設けられており、LEDチップ22まで半田が回り込まないようになっている。
【0084】
次に、接続基板3について説明する。
【0085】
図7(a)は、図1の接続基板3の構成例を示す上面図、図7(b)は図1の接続基板3の他の構成例を示す上面図である。
【0086】
図7(a)および図7(b)において、接続基板3A,3Bの材質としては、ガラスエポキシ樹脂などを用いた硬質基板やポリイミド材を用いたフレキシブル基板などを用いることができる。この接続基板3A,3Bには、LED素子基板2から発せられる光を透過または通過かさせるための複数の窓部31a,32bが例えば一列に所定間隔で設けられている。この窓部31の形状は、平面視円形状や四角形状(図7(a)では平面視円形状)など、発光状態によって適切なものを設定することができる。窓部31の位置は、図7(a)の窓部31aのように幅方向中心部に沿って設けてもよく、図7(b)の窓部31bのように一方端方向に中心をずらしてU字カットのような形状としてもよい。この接続基板3A,3Bには、複数のLED素子基板2が一列(または複数列)に配置されて、半田付けなどにより電極配線接続用端子24と互いに電気的に接続される。
【0087】
次に、放熱素子4について説明する。
【0088】
図8は、図1の放熱素子4の配置例を示す斜視図である。
【0089】
図8において、放熱素子4Aは、熱伝導性のよいアルミニウム製ヒートシンクなどからなり、セラミック基板21において、LED素子基板2の発光面2a側とは反対側(裏面側)に直接、接合(例えば熱伝導性のよい接着剤で接着)されている。この場合、裏面側(セラミック基板21において放熱素子4Aが取り付けられる面側)には導体パターンは設けられていない。
【0090】
図9は、図1の放熱素子4の他の配置例を示す斜視図である。
【0091】
図9において、放熱素子4B(上記放熱素子4Aと異なっていてもよい)は、セラミック基板21において、LED素子基板2の発光面2a側とは直交する面(側面)に直接、接合(例えば熱伝導性のよい接着剤で接着)されている。この場合、側面側(セラミック基板21において放熱素子4が取り付けられる面側)には導体パターンは設けられていない。この構成は、図8に示す配置例と比べて、LED照明装置の厚みを薄くしたい場合に有効である。
【0092】
なお、本実施形態1では、発光素子搭載基板としてのLED素子基板2の裏面または側面に放熱部材としての放熱素子4を接合したが、これに限らず、LED素子基板2の裏面および側面に放熱素子を接合するように構成することもできる。この場合には、より放熱効果がよくなる。
【0093】
図11は、本発明のLED照明装置の実施形態1における他の構成例を示す断面図である。ここでは1段の凹部の場合を示している。
【0094】
図11において、このLED照明装置1Bは、セラミック基板21Fの一方の表面中央部に1段の凹部21dが設けられている。その凹部21d内には、1個または異なる発光色を有する複数のLEDチップ22が、発光面とは反対側の面(裏面)をセラミック基板21Fに向けて凹部21d内に配置され、凹部21d内に設けられた配線パターン(図示せず)の所定位置にダイボンドされている。LEDチップ22の発光面側の電極は、凹部21dの周囲に設けられた配線パターン(図示せず)の所定位置と接続用ワイヤ23によってワイヤボンドされてLED素子基板2Cを構成している。
【0095】
LED素子基板2Cの発光面側の両端部には電極配線用端子(図示せず)が設けられており、LED素子基板2Cの電極配線用端子と接続基板3Dの配線パターンの所定位置とが半田32などにより接続されている。接続基板3Dの直下には複数のLED素子基板2Cが一列(または複数列)に配置されており、接続基板3DにはLED素子基板2Cからの光を透過または通過させるために各LED素子基板2Cに対応した位置にそれぞれ、光透過部として各窓部31bがそれぞれ設けられている。
【0096】
セラミック基板21Fの発光面側とは反対側の面(裏面)には導電性パターンは設けられておらず、その裏面にはヒートシンクなどの放熱素子4が接合されている。これによって、LED照明装置1Bは、図1のLED照明装置1と同様に、LEDチップ22から発せられた熱がLEDチップ22をセラミック基板21Fの所定位置にダイボンドするための接着剤およびセラミック基板21Fのみを経て放熱素子4に伝えられる。このため、放熱素子4とLEDチップ22との間に樹脂基板と接続基板とが介在していた従来の構成に比べて熱伝導性が大幅に向上し、より効率良く放熱を行うことができる。
【0097】
(実施形態2)
上記実施形態1では、放熱効率と光入射効率の向上を共に図るべく、上から接続基板3、LED素子基板2および放熱素子4の順に配置し、LED素子基板2の表面側に1段または2段の凹部を設け、この凹部内の配線パターンの所定位置にLEDチップ22がダイボンドされた照明装置1、1Bの場合であったが、本実施形態2では、LED素子基板2は凹部を設けず平板状であり、LED素子基板2の平坦な表面の配線パターンの所定位置にLEDチップ22がダイボンドされた照明装置1Aの場合である。
【0098】
図10は、本発明のLED照明装置の実施形態2における構成例を示す断面図である。
【0099】
図10において、このLED照明装置1Aは、平板状のセラミック基板21Eの平坦な一方表面(上面)に、1個または異なる発光色を有する複数のLEDチップ22が、発光面とは反対側の面(裏面)をセラミック基板21Eに向けて配置され、セラミック基板21Eの表面側に設けられた配線パターン(図示せず)の所定位置にダイボンドされている。LEDチップ22の発光面側の電極は、セラミック基板21Eの平坦な表面に設けられた配線パターン(図示せず)の所定位置と接続用ワイヤ23によってワイヤボンドされてLED素子基板1Aが構成されている。LEDチップ22および接続用ワイヤ23の周囲は樹脂29にてモールドされている。
【0100】
LED素子基板2Aの発光面側の両端部には電極配線用端子(図示せず)が設けられており、その電極配線用端子と接続基板3Cの配線パターン(図示せず)の所定位置とが半田32などにより接合されている。接続基板3Cの直下には複数のLED素子基板2Aが一列(または複数列)配置されており、接続基板3CにはLED素子基板2Bからの光を透過または通過させるために各LED素子基板2Aの位置にそれぞれ対応した位置に光透過部として各窓部31がそれぞれ設けられている。
【0101】
セラミック基板21Eの発光面側とは反対側の面(裏面)に導電性パターンは設けられておらず、その裏面にはヒートシンクなどの放熱素子4が接合される。これによって、LED照明装置1Aは、図1のLED照明装置1と同様に、LEDチップ22から発せられた熱がセラミック基板21Eおよび、LEDチップ22をセラミック基板21Eにダイボンドするための接着剤のみを経て放熱素子4に伝えられる。このため、放熱素子4とLEDチップ22との間に樹脂基板と接続基板とが介在していた従来の構成に比べて熱伝導性が大幅に向上し、より効率良く放熱を行うことができる。
【0102】
ここで、上記実施形態1のLED照明装置1または1B、または上記実施形態1のLED照明装置1Aを用いたLCDバックライトモジュール(LCDバックライト装置)、これを用いたLCDモジュール(液晶表示装置)を実施形態3として詳細に説明する。
【0103】
(実施形態3)
図12は、本発明の実施形態3を示すLCDバックライトモジュールの上面図、図13はその断面図であり、図14は、図12および図13のLCDバックライトモジュールを用いたLCDモジュールの斜視図である。
【0104】
図12〜図14において、LCDバックライトモジュール11は、上記LED照明装置1と、LED照明装置1からの光を入射して内部で光伝播し、一方表面側から光を所定方向に出射する面照明用の導光板12とを有している。また、液晶表示装置であるLCDモジュールは、LCDバックライトモジュール11と、これを収容する筺体5と、画像表示用のLCDパネル6(液晶パネル)とを有している。なお、このLED照明装置1に代えてLED照明装置1Aまたは1Bであってもよい。
【0105】
導光板12の光入射面(ここでは対向する2側面であるが、1側面であってもよい)に沿って、LED照明装置1の光出射側(接続基板3側)を導光板12の光入射端面側に向けて配置している。導光板12の一側面(光入射端面)から入射されたLED照明装置1からの光は導光板12の一方の広面(上面)から均等に出射される。
【0106】
このLCD用バックライトモジュール11は、導光板12の光出射面側とは反対側の面(裏面)を筺体5側に向けて筺体5内に収容されている。LCD用バックライトモジュール11の光出射面側(前面側)には、LCDパネル6(液晶パネル)が配置されている。
【0107】
LCDパネル6には液晶層を間に挟んで一対の基板が設けられており、両基板間に電圧を印加することによってマトリックス状の各絵素毎に液晶分子の配向状態を変化させて表示を行うようになっている。この表示電圧は、LCDパネル6に接続された外部接続用配線61から供給される。LCDパネル6の背面側に配置されたLCDバックライトモジュール11からLCDパネル6側に光を照射すると、液晶分子の配向状態の違いによって光が透過・散乱され、表示電圧に応じた文字や図形が液晶表示画面上に表示される。
【0108】
以上により、上記実施形態1〜3によれば、セラミック基板21の発光面側とは反対側の面(裏面)にヒートシンクなどの放熱素子4が直接接合されており、LEDチップ22から発せられた熱がセラミック基板21およびその接着剤のみを経て放熱素子4に伝えられるため、従来のものに比べてより効率良く放熱を行うことができる。したがって、大電流にて駆動されるLCDバックライト装置において、発熱量が増えても充分放熱を行うことができ、信頼性を大幅に向上させることができる。
【0109】
(実施形態4)
本実施形態4では、接続基板3の窓部31内に光分散防止用のレンズ手段を嵌め込んだ場合である。
【0110】
図15は、本発明のLED照明装置における実施形態4の要部構成例を示す断面図、図16は、図15のLED照明装置の斜視図である。
【0111】
図15および図16において、このLED照明装置1Cは、接続基板3Eに設けられた窓部31に、LED素子基板2Cからの光を放射状から平行に変換するレンズ手段としてのレンズ機能素子33が設けられている。このレンズ機能素子33は、その上面が接続基板3Eの上面から突出しないように、窓部31内に嵌め込まれている。また、セラミック基板21Fの発光面側と反対側の面(裏面)には、上記実施形態1と同様に、放熱素子4が接合されている。
【0112】
なお、本実施形態4において、放熱素子4は、上記実施形態1と同様に、セラミック基板21の側面側に設けられていてもよい。また、この場合のレンズ機能素子33は、例えばコリメートレンズが窓部31に嵌め込まれていてもよい。
【0113】
図18に示すように、接続基板3Fの窓部31にレンズ機能素子が設けられていない場合には、窓部31の広さおよび深さによってLED素子基板2Cからの光はある程度は広がるのが抑えられるものの、LED素子基板2Cからの光が上方照射面に対して放射状に広がって発せられてしまう。
【0114】
これに対して、図19に示すように、接続基板3Eの窓部31内にレンズ機能素子33を設けることによって、LED素子基板2Cからの光の方向を変化させて上方照射面(導光板12の光入射面)に対して広がらずに垂直に照射させることが可能になり、導光板12(図示せず)への光入射効率を大幅に向上(斜め入射による反射がなくなる)させることができる。
【0115】
なお、図17に示すように接続基板3E‘の板厚が薄い場合にも、導光板12側にレンズ機能素子33の凸部を嵌め込む構造(凹部)が設けられている場合には、レンズ機能素子33の上面が接続基板3E‘の上面から突出していてもよい。
【0116】
(実施形態5)
上記実施形態4では、接続基板3の窓部31に光分散防止用のレンズ手段をはめ込んだ場合であるが、本実施形態5では、レンズ手段として、透明シート部材上に複数のマイクロレンズを接続基板3の上面に設けた場合である。
【0117】
図20は、本発明のLED照明装置における実施形態5の構成例を示す断面図である。
【0118】
図20において、このLED照明装置1Dは、LED素子基板2Cと、LED素子基板2C上に設けられた接続基板3Fと、接続基板3F上に設けられたレンズ機能素子34と、LED素子基板2C下に設けられた放熱素子4とを有している。
【0119】
レンズ機能素子34は、透明シート部材(図示せず;レンズシート)と、この透明シート部材上に一列または複数列配置された複数のマイクロレンズとからなっており、その透明シート部材および複数のマイクロレンズが接続基板3FのLED素子基板2C側とは反対側の面(上面)上に取り付けられている。この構成によっても、図15のレンズ機能素子33の場合と同様に、導光板12への光は分散せず平行に出射してその光入射効率を大幅に向上させることができる。
【0120】
なお、この場合のレンズ機能素子34は、透明シート部材が接続基板3F上に接着剤で貼り付けられていてもよい。また、接続基板3Fが無色透明材料からなる場合には、窓部を設ける必要がなく、レンズ機能素子34(またはレンズ機能素子33)をも接続基板3Fと一体的に形成することも可能である。
【0121】
(実施形態6)
上記実施形態4ではレンズ手段、上記実施形態5ではマイクロレンズ手段について説明したが、本実施形態6では、LEDチップ22および接続用ワイヤ23の周囲がモールドされた樹脂の表面をドーム状に形成してレンズ手段を構成した場合である。
【0122】
図21〜図23はそれぞれ、本発明のLED照明装置における実施形態6の各構成例を示す断面図である。
【0123】
図21〜図23において、これらのLED光源装置1E〜1Gにおいて、レンズ機能素子35〜37はそれぞれ、LEDチップ22および接続用ワイヤ23の周囲をモールドする樹脂の上面(表面)がドーム状(凸レンズ状)に形成されている。このドーム形状によるレンズ効果によっても、図15のレンズ機能素子33の場合と同様に、導光板(図示せず)への光が散乱せず光入射効率を大幅に向上させることができる。なお、レンズ機能素子35〜37は、モールド樹脂がドーム形状の型などで成形されてもよい。
【0124】
(実施形態7)
本実施形態7では、接続基板3のLEDチップ22側とは反対側の面(上面)に、LEDチップ22からの光と反応して所望の発光色が得られる蛍光剤が添加された透明シート部材を設けた場合である。
【0125】
図24は、本発明のLED照明装置における実施形態7の構成例を示す断面図である。
【0126】
図24において、このLED照明装置1Hは、セラミック基板21Fの一方の表面に設けられた凹部21dの内部に、青色または紫外領域の発光色を有するLEDチップ22aが、発光面とは反対側の面(裏面)をセラミック基板21Fに向けて配置され、凹部21d内に設けられた配線パターン(図示せず)の所定位置にダイボンドされている。LEDチップ22aの発光面側の電極は、凹部21dの周囲に設けられた配線パターン(図示せず)の所定位置と接続用ワイヤ23によってワイヤボンドされてLED素子基板2Cが構成されている。
【0127】
また、接続基板3FのLEDチップ22a側とは反対側の面(上面)に、蛍光剤が添加された透明シート部材38が取り付けられている。この蛍光剤がLEDチップ22aからの光と反応することによって、LEDチップ22aから発せられる光とは異なる所望の色の光が得られるため、LEDチップ22aから発せられた光と透明シート部材38で反射された反射光とが混合されることによって、白色発光など、所望の発光色を得ることができる。これによって、LEDチップ22a自体に蛍光剤を混入させる工程を省略することができるため、生産効率を大幅に向上させることができる。
【0128】
なお、本実施形態7では、蛍光剤が添加された透明シート部材を設けた場合について説明したが、これに限らず、LEDチップ2Cおよび接続用ワイヤ23の周囲が樹脂にてモールドされている場合には、そのモールド樹脂内に蛍光剤を添加することによっても、同様の効果を得ることができる。
【0129】
また、本実施形態7において、LEDチップ22aが配置される凹部21dは、上記実施形態1と同様に、深い凹部21aの周囲に浅い凹部21bが形成されていてもよい。
【0130】
【発明の効果】
以上により、本発明によれば、発光の際に発光素子から発せられる熱が、発光素子搭載基板から従来のように接続基板を介さずに放熱素子に直に伝えられるため、放熱性を向上させることができて、大電流での表示駆動が可能となり、表示輝度を向上させることができる。これによって、発光素子への熱ストレスを低減できて、信頼性を向上させることができる。さらに、発光素子搭載基板として従来の樹脂基板に代えて熱伝導性のよいセラミック基板を用いれば、発光素子から放熱素子への放熱をいっそう効率良く行うことができる。
【0131】
また、発光素子に対応した位置に窓部などの光透過部を設けた接続基板を、発光素子搭載基板の発光表面側に配置したため、発光素子から窓部を通ることにより導光板への光入射角度も広がらず、導光板の光入射面での反射が抑制されて、発光素子から導光板への光入射効率を大幅に向上でき、表示輝度の向上を図ることができる。
【0132】
さらに、接続基板の窓部などに設けたレンズ手段によって、発光素子からの光を放射状から平行状に変換して、導光板の光入射面に垂直な方向から光を入射させることができるため、光入射効率を向上させることができて、表示輝度を向上させることができる。
【0133】
さらに、本発明によれば、蛍光剤と発光素子からの青色または紫外領域の光を反応させることによって、異なる発光色を有する発光素子を用いなくても、所望の発光色を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のLED照明装置の実施形態1における構成例を示す断面図である。
【図2】(a)は、図1のセラミック基板における構成例を示す上面図、(b)はその側面図、(c)はその断面図である。
【図3】図2のセラミック基板にLEDチップを搭載した状態を示す斜視図である。
【図4】(a)は図2のセラミック基板における他の構成例を示す上面図であり、(b)はその側面図であり、(c)はその断面図である。
【図5】(a)は図4のセラミック基板におけるさらに他の構成例を示す上面図であり、(b)はその側面図であり、(c)はその断面図である。
【図6】(a)は図5のセラミック基板におけるさらに別の構成例を示す上面図であり、(b)はその側面図であり、(c)はその断面図である。
【図7】(a)は図1の接続基板の構成例を示す上面図、(b)は(a)の接続基板とは別の構成例を示す上面図である。
【図8】図1の放熱素子の配置例を示す斜視図である。
【図9】図8の放熱素子の配置例とは別の配置例を示す斜視図である。
【図10】本発明のLED照明装置の実施形態1における他の構成例を示す断面図である。
【図11】本発明のLED照明装置の実施形態2における構成例を示す断面図である。
【図12】本発明の実施形態3を示すLCDバックライトモジュールの上面図である。
【図13】図12のLCDバックライトモジュールの断面図である。
【図14】図12および図13のLCDバックライトモジュールを用いたLCDモジュールの斜視図である。
【図15】本発明のLED照明装置における実施形態4の要部構成例を示す断面図である。
【図16】図15のLED照明装置の斜視図である。
【図17】図15のLED照明装置の他の例を示す斜視図である。
【図18】接続基板の窓部にレンズ機能素子を設けていない場合について、LEDチップからの光路を説明するための断面図である。
【図19】接続基板の窓部にレンズ機能素子を設けた場合について、LEDチップからの光路を説明するための断面図である。
【図20】本発明のLED照明装置における実施形態5の構成例を示す断面図である。
【図21】本発明のLED照明装置における実施形態6の構成例を示す断面図である。
【図22】図21の照明装置における他の構成例を示す断面図である。
【図23】図21の照明装置における更に他の構成例を示す断面図である。
【図24】本発明のLED照明装置における実施形態7の構成例を示す断面図である。
【図25】従来のLED素子基板の構成を示す斜視図である。
【図26】従来のLED素子基板における他の構成を示す斜視図である。
【図27】従来のLED照明装置の構成を示す断面図である。
【図28】従来のLED照明装置における他の構成を示す断面図である。
【図29】従来のLCDバックライトモジュールの構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1、1A〜1H LED照明装置
2、2A〜2C LED素子基板(発光素子搭載基板)
21、21A〜21F セラミック基板(発光素子搭載用基板)
21a〜21d 凹部
22、22a LEDチップ(発光素子)
23 接続用ワイヤ(配線ワイヤ)
24 電極配線用端子
3、3A〜3I 接続基板
31、31a、31b 窓部(光透過部)
33 レンズ機能素子(レンズ手段)
34 マイクロレンズ手段
35〜37 モールド樹脂のドーム形状部
38 蛍光剤を含む透明シート部材
4、4A、4B 放熱素子(放熱部材)
6 LCDパネル
11 LCDバックライトモジュール(バックライト装置)
12 導光板
13 LCDモジュール(液晶表示装置)

Claims (26)

  1. 電流により光を発生する少なくとも一つの発光素子が表面側に設けられた少なくとも一つの発光素子搭載基板と、該発光素子搭載基板の裏面および側面の少なくとも何れかに接合された放熱部材とを有する照明装置。
  2. 前記発光素子と放熱部材間には、該発光素子を発光素子搭載用基板にダイボンドする接着剤および該発光素子搭載用基板のみが介在している請求項1記載の照明装置。
  3. 前記発光素子搭載基板の表面側に、前記発光素子に電流を供給するための所定配線パターンを有した接続基板をさらに有し、少なくとも該発光素子に対応した該接続基板の位置に光透過部が設けられている請求項1記載の照明装置。
  4. 前記発光素子搭載基板の表面両端部の少なくとも一方には、前記配線基板の所定配線パターンとの接続用の電極配線用端子が設けられている請求項3記載の照明装置。
  5. 前記接続基板は、前記発光素子搭載基板の複数を所定間隔で一列または複数列に配置した状態で前記所定配線パターンを前記電極配線用端子に電気的に接続した請求項4記載の照明装置。
  6. 前記発光素子搭載基板の発光素子搭載用基板はセラミック基板である請求項1または3記載の照明装置。
  7. 前記発光素子は発光ダイオードチップである請求項1または3記載の照明装置。
  8. 前記発光ダイオードチップは異なる発光色を有する複数のチップである請求項7記載の照明装置。
  9. 前記発光素子搭載基板の表面側に設けられた配線パターンの所定位置に前記発光素子がダイボンドされ、該所定位置とは別の該配線パターンの所定位置と該発光素子の電極とが接続用ワイヤでワイヤボンドされた請求項1記載の照明装置。
  10. 前記発光素子搭載基板の表面側に凹部が設けられ、該凹部内の配線パターンの所定位置に前記発光素子がダイボンドされた請求項9記載の照明装置。
  11. 前記凹部は、中央部の深い凹部と、該深い凹部の周囲の浅い凹部とを有し、該深い凹部内の配線パターンの所定位置に前記発光素子がダイボンドされ、該浅い凹部内の配線パターンの所定位置と該発光素子の電極とが接続用ワイヤでワイヤボンドされた請求項10記載の照明装置。
  12. 前記発光素子搭載基板の平坦な表面の配線パターンの所定位置に前記発光素子がダイボンドされた請求項9記載の照明装置。
  13. 前記光透過部には前記発光素子からの光分散防止用のレンズ手段が設けられている請求項3記載の照明装置。
  14. 前記光透過部は窓部である請求項3または13記載の照明装置。
  15. 前記レンズ手段は、前記接続基板の表面から突出しないように前記光透過部としての窓部内に嵌め込まれている請求項13記載の照明装置。
  16. 前記レンズ手段はマイクロレンズ手段で構成されている請求項13記載の照明装置。
  17. 前記マイクロレンズ手段は、透明シート部材と、該透明シート部材上に一列または複数列配置された複数のマイクロレンズとを有し、前記接続基板の前記発光素子側とは反対側の面上に該マイクロレンズ手段が設けられている請求項16記載の照明装置。
  18. 前記接続基板が無色透明材料からなり、前記レンズ手段が該接続基板と一体的に形成されている請求項3記載の照明装置。
  19. 前記発光素子および接続用ワイヤの周囲が樹脂にてモールドされている請求項9記載の照明装置。
  20. 前記レンズ手段は、少なくとも前記発光素子の周囲がモールドされた樹脂の表面がドーム状に形成されてレンズ手段を構成している請求項12記載の照明装置。
  21. 前記樹脂には、前記発光素子からの光と反応して所望の発光色が得られる蛍光剤が添加されている請求項19または20記載の照明装置。
  22. 前記接続基板の前記発光素子側とは反対側の面に、前記発光素子からの光と反応して所望の発光色が得られる蛍光剤が添加された透明シート部材が設けられた請求項3記載の照明装置。
  23. 前記発光素子は青色または紫外領域の発光色を有する請求項21または22記載の照明装置。
  24. 請求項1〜23のいずれかに記載の照明装置と、該照明装置の光出射面側に沿って光入射面側が配置され、該光入射面から入射した光を内部で光伝播して一方表面側から光を出射する導光板とを有したバックライト装置。
  25. 被表示媒体を間に挟んで一対の基板が設けられ、両基板間に表示電圧を印加することにより表示を行う表示パネルと、該表示パネルの背面側に設けられた請求項24記載のバックライト装置とを有する表示装置。
  26. 前記表示パネルは、前記被表示媒体として液晶層を間に挟んで一対の基板が設けられ、両基板間に表示電圧を印加することによりマトリックス状の各絵素毎の液晶分子の配向状態を変化させて表示を行う液晶表示パネルである請求項25記載の表示装置。
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