JP2004311718A - ヒートシンク - Google Patents
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Abstract
【課題】放熱効率に優れ、発熱量が多く発熱密度が高い被冷却部品を効率的に冷却することができるヒートシンクを提供する。
【解決手段】金属製ベースプレートと、金属製ベースプレートの一方の表面に熱的に接続された複数の金属製フィンと、金属製ベースプレートの金属フィンが接続される側の一部に埋め込まれたヒートパイプを備えたヒートシンク。上述した接続が、金属製ベースプレートの金属製フィン取り付け面に複数の溝部を形成し、溝部に金属製フィンを装入し、金属製フィン取付面の溝部両側近傍に、塑性変形により、平らな底面および傾斜した側面を有する断面が概ね台形状に先細りに形成された凹部を形成して、金属製フィンを溝部内にかしめ接合することからなっている。
【選択図】図1
【解決手段】金属製ベースプレートと、金属製ベースプレートの一方の表面に熱的に接続された複数の金属製フィンと、金属製ベースプレートの金属フィンが接続される側の一部に埋め込まれたヒートパイプを備えたヒートシンク。上述した接続が、金属製ベースプレートの金属製フィン取り付け面に複数の溝部を形成し、溝部に金属製フィンを装入し、金属製フィン取付面の溝部両側近傍に、塑性変形により、平らな底面および傾斜した側面を有する断面が概ね台形状に先細りに形成された凹部を形成して、金属製フィンを溝部内にかしめ接合することからなっている。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、構造的に所望の強度を有し、高密度で配置された複数のフィンを備えたヒートシンクに関する。
【0002】
【従来の技術】
CPU、素子等の発熱量、発熱密度の増大によって、放熱効率に優れた高性能のヒートシンクが求められている。従来、製造コストの安価なアルミニウムの押し出し材によるヒートシンクが利用されてきた。押し出し材によるヒートシンクは、ベースプレートと放熱フィンとが一体的に形成されるので、製造は容易であるが、製造上の制限によってピッチが限定され細かなピッチでフィンを形成することが技術的に困難であった。更に、フィンの高さも同様に、製造上制限され、高いフィンの形成が技術的に困難であった。
【0003】
特開2000−31354号公報に従来のヒートシンクが開示されている。図9にその概要を示す。図9に示すように、従来のヒートシンク100はプレートフィン型ヒートシンクであり、押し出し材による一体型ヒートシンクである。ヒートシンクは、放熱フィンである多数のプレートフィン部102とそれと一体のベースプレート部101とからなっている。プレートフィン部102は、等間隔で且つベースプレート部101に対して直角に、多数並設されて一体的に形成されている。ヒートシンク100は、上述したように、アルミニウムまたはその合金を押出し成形することによって製造されている。
【0004】
【特許文献】
特開2000−31354号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この従来のヒートシンクにおいては、上述したように、ベースプレートと放熱フィンとが一体的に形成されるので、製造は容易であるが、製造上の制限によってピッチが限定され細かなピッチでフィンを形成することが技術的に困難であった。更に、フィンの高さも同様に、製造上制限され、高いフィンの形成が技術的に困難であった。従って、放熱効率が劣り、発熱量が多く、発熱密度が高い被冷却部品を効率的に冷却することができないという問題点があった。
【0006】
本発明はこのような状況に鑑みなされたもので、その目的とするところは、放熱効率に優れ、発熱量が多く発熱密度が高い被冷却部品を効率的に冷却することができるヒートシンクを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
発明者は、上述した従来の問題点を解決するため、鋭意研究を重ねた。その結果、金属製ベースプレートの被冷却部品が接続される面ではなく、金属製フィンが接続される面と同一面にヒートパイプを埋め込み、その上に金属製フィンを接続すると、金属製ベースプレートに接続された被冷却部品の熱が、金属製フィンおよびヒートパイプによって極めて効率的に放熱されることが判明した。
【0008】
その際、金属製フィンを溝に装入し、溝の両側近傍を塑性変形によって溝内にかしめ接合すると、細かいピッチでフィンを高密度に多数形成することができ、更に、フィンによってヒートパイプが固定されて熱的に接続されるので、発熱量が多く発熱密度が高い被冷却部品を効率的に冷却することができることが判明した。
この際、薄肉フィンと所定の厚さの厚肉フィンとからなる厚さの異なる複数の金属製フィンを接合すると、厚肉フィンによって、薄肉フィンの構造上の強度を補い、全体として構造的な強度を備えた、フィン密度の高い、更に高性能のヒートシンクを得ることができることが判明した。
【0009】
この発明は、上述した研究結果に基づくものであって、この発明のヒートシンクの第1の態様は、金属製ベースプレートと、前記金属製ベースプレートの一方の表面に熱的に接続された複数の金属製フィンと、前記金属製ベースプレートの前記金属フィンが接続される側の一部に埋め込まれたヒートパイプを備えたヒートシンクである。
【0010】
この発明のヒートシンクの第2の態様は、前記接続が、前記金属製ベースプレートの金属製フィン取り付け面に複数の溝部を形成し、前記溝部に金属製フィンを装入し、前記金属製フィン取付面の溝部両側近傍に、塑性変形により、平らな底面および傾斜した側面を有する断面が概ね台形状に先細りに形成された凹部を形成して、前記金属製フィンを前記溝部内にかしめ接合することからなっているヒートシンクである。
【0011】
この発明のヒートシンクの第3の態様は、前記金属製ベースプレートに前記ヒートパイプを埋め込むための別の溝部が形成されており、前記別の溝部が前記金属製ベースプレートの長手方向に沿って形成された複数の溝部からなっているヒートシンクである。
【0012】
この発明のヒートシンクの第4の態様は、前記金属製ベースプレートに前記ヒートパイプを埋め込むための別の溝部が形成されており、前記別の溝部が前記金属製ベースプレート上で交差するように形成された複数の溝部からなっているヒートシンクである。
【0013】
この発明のヒートシンクの第5の態様は、前記金属製ベースプレートに前記ヒートパイプを埋め込むための別の溝部が形成されており、前記別の溝部が前記金属製ベースプレートの中央部から端部に向かって放射状に形成された複数の溝部からなっているヒートシンクである。
【0014】
この発明のヒートシンクの第6の態様は、前記接続が、前記金属製ベースプレートと金属製フィンとを金属接合することからなっているヒートシンクである。
【0015】
この発明のヒートシンクの第7の態様は、前記金属フィンが、埋め込まれた前記ヒートパイプに熱的に接続する当接部を備えており、前記金属製フィンが接合された状態で、前記当接部が前記ヒートパイプに熱的に接続するヒートシンクである。
【0016】
この発明のヒートシンクの第8の態様は、前記金属製フィンは、薄肉フィンと厚肉フィンとからなっており、複数の金属製フィンのうち少なくとも両外側端の1枚が前記厚肉フィンからなっているヒートシンクである。
【0017】
この発明のヒートシンクの第9の態様は、前記金属製フィンは、薄肉フィンと厚肉フィンとからなっており、複数の金属製フィンのうち少なくとも中央部の1枚が、前記厚肉フィンからなっているヒートシンクである。
【0018】
この発明のヒートシンクの第10の態様は、前記金属製フィンが種類の異なる金属からなっているヒートシンクである。
【0019】
この発明のヒートシンクのその他の態様は、前記ヒートパイプが、グリース、接着剤、または、熱伝導シートを介して前記金属製ベースプレートに熱的に接触し、前記金属製フィンによって固定されているヒートシンクである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施態様を図面を参照して具体的に説明する。
この発明のヒートシンクの1つの態様は、金属製ベースプレートと、前記金属製ベースプレートの一方の表面に熱的に接続された複数の金属製フィンと、前記金属製ベースプレートの前記金属フィンが接続される側の一部に埋め込まれたヒートパイプを備えたヒートシンクである。
上述した接続が、金属製ベースプレートの金属製フィン取り付け面に複数の溝部を形成し、溝部に金属製フィンを装入し、金属製フィン取付面の溝部両側近傍に、塑性変形により、平らな底面および傾斜した側面を有する断面が概ね台形状に先細りに形成された凹部を形成して、金属製フィンを溝部内にかしめ接合することからなっている。
【0021】
図1は、この発明のヒートシンクの、溝部および別の溝部を備えた金属製ベースプレートを示す図である。図1に示すように、金属製ベースプレート2は、複数の金属製フィンが装入される溝部4およびヒートパイプが埋め込まれるための別の溝部5を備えている。図1および以下の図において、溝部は説明のために一部のみ示されているだけであるが、金属製ベースプレートの概ね全面にわたり形成され、フィンは溝部に対応する数だけ溝部に装入される。
金属製フィンが装入される溝部4は、金属製フィンの厚さに対応した幅を有しており、金属製フィンが装入され、溝部両側近傍を塑性変形することによって、金属製フィンをかしめることができる深さを有している。別の溝部には、ヒートパイプの上面が概ね金属製ベースプレートの表面と同一面となるように、ヒートパイプが埋め込まれる。図1に示す態様では、ヒートパイプを埋め込むための別の溝部が、金属製ベースプレートの金属製フィン用の溝部が形成される面に、金属製ベースプレートの長手方向に2本設けられている。別の溝部は、2本に限定されることなく、1本でも複数本でもよい。
【0022】
図2は、金属製フィン用の溝部およびヒートパイプ用の別の溝部が設けられた金属製ベースプレートの、溝部に装入される金属製フィンを説明する図である。
上述したように、金属製ベースプレート2は、複数の金属製フィン3が装入される溝部4およびヒートパイプが埋め込まれるための別の溝部5を備えている。図2に示すように、金属フィン3は、別の溝部5に埋め込まれるヒートパイプに熱的に接続する当接部8を備えており、金属製フィン3が金属製ベースプレート2に接合された状態で、当接部8がヒートパイプに熱的に接続する。
【0023】
当接部8の数は、ヒートパイプの数に対応し、そして、当接部は、図2に示すように、金属製フィン3の溝部4に装入される部分9よりも高く位置している(即ち、装入される部分9と当接部8との間に段差が生じている)。この段差によって、金属製フィンが溝部に装入されると、当接部が別の溝部に埋め込まれたヒートパイプの上面を押し付けて、固定し、同時に、金属製フィンとヒートパイプが熱的に接続される。
【0024】
図3は、別の溝部に埋め込まれたヒートパイプと金属製フィンの当接部の熱的接続状況を説明する断面図である。図3に示すように、溝部に装入され固定された金属フィン3によって、金属製ベースプレート2の別の溝部に埋め込まれたヒートパイプ6の表面上に、金属製フィン3の当接部の下端部7が押し付けられて、熱的に接続した状態で固定されている。
なお、当接部の形状は、溝部に装入され固定された金属製フィンとヒートパイプが熱的に接続される形状であれば、どのような形状であっても良い。
【0025】
図4は、金属製ベースプレートに埋め込まれたヒートパイプを説明する断面図である。図4に示すように、金属製ベースプレート2の一方の面に、(図示しない)金属製フィンが装入される溝部に直角に形成された、幅δ、深さηを有する別の溝部5に、扁平型ヒートパイプ6が埋め込まれている。埋め込まれたヒートパイプの下面は、接着剤、または、熱伝導シートを介して、広い面で、金属製ベースプレートに熱的に接触している。埋め込まれたヒートパイプの上面は、金属製ベースプレートの上面と概ね同一面を形成している。即ち、図2を参照して説明したように、金属フィンは、別の溝部5に埋め込まれるヒートパイプに熱的に接続する当接部を備えており、金属製フィン3の一部が金属製ベースプレート2の溝部に装入されかしめられた状態で、当接部がヒートパイプの上面に押し付けられて固定されて、熱的に接続する。
【0026】
図5は、この発明のヒートシンクを説明する図である。図5に示すように、金属製ベースプレート2の一方の面には、金属製フィン3用の溝部4と、金属製フィン用の溝部と直交するヒートパイプ用の別の溝部5が形成されている。別の溝部5には、グリース、接着剤、または、熱伝導シートを介してヒートパイプ6が埋め込まれ、溝部4には、金属製フィン3が装入され、当接部がヒートパイプの上面を押しつけた状態でかしめられて固定される。
【0027】
即ち、金属製ベースプレート2の金属製フィン取り付け面に形成された複数の溝部4に金属製フィン3を装入し、金属製フィン取付面の溝部4の両側近傍に、塑性変形により、平らな底面および傾斜した側面を有する断面が概ね台形状に先細りに形成された凹部を形成して、金属製フィン3を溝部4内にかしめ接合する。
上述したように、この発明のヒートシンクの1つの態様においては、金属製ベースプレートに形成された、ヒートパイプを埋め込むための別の溝部は、金属製ベースプレートの長手方向に沿って形成された複数の溝部からなっている。
【0028】
更に、金属製ベースプレートに形成された、ヒートパイプを埋め込むための別の溝部が金属製ベースプレート上で交差するように形成された複数の溝部からなっていてもよい。
図6は、金属製ベースプレート上で交差するように形成された複数の溝部からなるヒートパイプ用の別の溝部を備えたこの発明のヒートシンクを説明する図である。図6(a)は、溝部に装入される金属製フィン、図6(b)は、交差する2本のヒートパイプ、図6(c)は、交差するように形成された複数の溝部からなるヒートパイプ用の別の溝部、図6(d)は、交差するヒートパイプの交差部分を示す断面図を、それぞれ示す。
【0029】
先ず、図6(c)に示されたように、金属製ベースプレート2の一方の面に、交差する2本のヒートパイプを埋め込むための別の溝部5−1、5−2が設けられ、同一面に、金属製フィンが装入される複数の溝部4が形成されている。この態様においては、溝部および別の溝部のそれぞれの深さは、別の溝部にヒートパイプを埋め込んだ状態で、溝部に金属フィンを装入すると、別の溝部に対応する位置にある金属フィンの下端部9がそのままヒートパイプの上面を押し付けることができるように設定される。
【0030】
このように深さが設定された別の溝部に、図6(b)に示すような交差する2本のヒートパイプ6−1、6−2を埋め込む。その際には、2本のヒートパイプ6−1、6−2の交差部は、図6(d)に示すように、2本のヒートパイプの交差部の合計高さが、ヒートパイプの他の部分の高さと同一である。従って、別の溝部に埋め込まれた2本の交差するヒートパイプの上面は、同一面を形成する。このように金属製ベースプレート2の別の溝部5−1、5−2に交差する2本のヒートパイプ6−1、6−2が埋め込まれた状態で、複数の金属製フィン3が溝部4に装入される。
【0031】
金属製フィンの接合は、次の通り行なわれる。即ち、金属製ベースプレート2の金属製フィン取り付け面に形成された複数の溝部4に金属製フィン3を装入し、金属製フィン取付面の溝部4の両側近傍に、塑性変形により、平らな底面および傾斜した側面を有する断面が概ね台形状に先細りに形成された凹部を形成して、金属製フィン3を溝部4内にかしめ接合する。
【0032】
その結果、金属製フィン3の下端部8、9が、溝部の底に接する部分9と、別の溝部に埋め込まれたヒートパイプの上面を押し付ける当接部8とからなっており、金属製フィンが全体として、金属製ベースプレートにかしめられ、且つ、ヒートパイプを固定している。
【0033】
図7は、金属製ベースプレートに形成される他の別の溝部を示す図である。別の溝部は、金属製ベースプレートの中央部から端部に向かって放射状に形成された複数の溝部からなっていてもよい。図7に示すように、金属製ベースプレート2の一方の面に、放射状に延びた複数本のヒートパイプを埋め込むための別の溝部5−1、5−2、5−3、5−4、5−5、5−6、5−7、5−8が設けられ、同一面に、金属製フィンが装入される複数の溝部4が形成されている。この態様においても、溝部および別の溝部のそれぞれの深さは、別の溝部にヒートパイプを埋め込んだ状態で、溝部に金属フィンを装入すると、別の溝部に対応する位置にある金属フィンの下端部9がそのままヒートパイプの上面を押し付けることができるように設定される。
【0034】
このように深さが設定された中央部から端部に放射状に形成される別の溝部に、図示しない複数本のヒートパイプを埋め込む。その際には、別の溝部に埋め込まれた複数本の放射状に配置されたヒートパイプの上面は、同一面を形成することが望ましい。このように金属製ベースプレート2の中央部から端部に放射状に配置された別の溝部5−1、5−2、5−3、5−4、5−5、5−6、5−7、5−8に8本のヒートパイプが埋め込まれた状態で、複数の金属製フィン3が溝部4に装入される。
金属製フィンの接合は、上述したと同様に行なわれる。即ち、金属製ベースプレート2の金属製フィン取り付け面に形成された複数の溝部4に金属製フィン3を装入し、金属製フィン取付面の溝部4の両側近傍に、塑性変形により、平らな底面および傾斜した側面を有する断面が概ね台形状に先細りに形成された凹部を形成して、金属製フィン3を溝部4内にかしめ接合する。
【0035】
その結果、金属製フィン3の下端部が、溝部の底に接する部分と、別の溝部に埋め込まれたヒートパイプの上面を押し付ける当接部とからなっており、金属製フィンが全体として、金属製ベースプレートにかしめられ、且つ、ヒートパイプを固定している。この態様のヒートシンクによると、被冷却部品が熱的に接続される中央部から金属製ベースプレートの周辺部に向かって速やかに熱移動が行なわれ、金属製フィンによって効率的に放熱される。従って、発熱量の大きい、発熱密度の極めて高い素子等を効果的に冷却することができる。
【0036】
図8は、金属製ベースプレートに形成される他の別の溝部を示す図である。別の溝部は、金属製ベースプレートの中央部から端部に向かう1対のU字形の溝部からなっていてもよい。図8に示すように、金属製ベースプレート2の一方の面に、対称に配置された2本のU字形のヒートパイプを埋め込むための別の溝部5−1、5−2が設けられ、金属製ベースプレート2の同一面に、金属製フィンが装入される複数の溝部4が形成されている。この態様においても、溝部および別の溝部のそれぞれの深さは、別の溝部にヒートパイプを埋め込んだ状態で、溝部に金属フィンを装入すると、別の溝部に対応する位置にある金属フィンの下端部がそのままヒートパイプの上面を押し付けることができるように設定される。
【0037】
このように深さが設定された対称に配置された2本のU字形の別の溝部に、図示しない2本のU字形ヒートパイプを埋め込む。その際には、別の溝部に埋め込まれた2本のヒートパイプの上面は、同一面を形成することが望ましい。このように金属製ベースプレート2に対称に形成された2本のU字形の別の溝部5−1、5−2に2本のU字形ヒートパイプが埋め込まれた状態で、複数の金属製フィン3が溝部4に装入される。
金属製フィンの接合は、機械的にかしめることによって行われている。詳細は上述したと同様である。
【0038】
その結果、金属製フィン3の下端部が、溝部の底に接する部分と、別の溝部に埋め込まれたヒートパイプの上面を押し付ける当接部とからなっており(実際は、1つの共通の下端部)、金属製フィンが全体として、金属製ベースプレートにかしめられ、且つ、ヒートパイプを固定している。この態様のヒートシンクによると、放射状のヒートパイプが配置される場合と同様に、被冷却部品が熱的に接続される中央部から金属製ベースプレートの周辺部に向かって速やかに熱移動が行なわれ、金属製フィンによって効率的に放熱される。従って、発熱量の大きい、発熱密度の極めて高い素子等を効果的に冷却することができる。
【0039】
上述した対称な2本のU字形の別の溝部の代わりに、対称に配置された2本のV字形の別の溝部を設けてもよい。更に、接続は、上述したかしめによることなく、ハンダ等によって接合してもよい。
この発明のヒートシンクにおいて、金属製フィンは、薄肉フィンと厚肉フィンとからなっており、複数の金属製フィンのうち少なくとも両外側端の1枚が厚肉フィンからなっていてもよい。更に、金属製フィンは、薄肉フィンと厚肉フィンとからなっており、複数の金属製フィンのうち少なくとも中央部の1枚が、厚肉フィンからなっていてもよい。更に、金属製フィンが種類の異なる金属からなっていてもよい。
【0040】
即ち、金属製フィンは、薄肉フィンと所定の厚さの厚肉フィンとからなっており、複数の金属製フィンのうち両外側端のそれぞれ2枚が厚肉フィンからなっている場合には、外側の2枚の金属製フィンが厚肉フィンによって形成されているので、その中間部に配置された薄肉フィンの強度を構造的に補強することができる。この態様のヒートシンクによると、薄肉の金属フィンを高い密度でベースプレート上に設けることができ、更に、強度に劣る金属製フィンの強度を構造的に補強することができるので、高い密度で金属製フィンが配置された高い性能のヒートシンクを得ることができる。
【0041】
なお、上述した態様において、異なる金属(例えば、銅とアルミニウム)製のフィンを組合わせてもよい。厚肉の金属製フィンの代わりに強度の高い金属製フィンを用いることによって、強度の弱い金属製フィンの変形を防護することができる。
上述したようにこの発明のヒートシンクにおける金属製フィンとして、板状体の例を示したが、棒状体(中実、中空を含む)等の他の形状であってもよい。
この発明のヒートシンクによると、受熱面(即ち、ベースプレートのフィンを設置していない側)からの入熱は、ベースプレートとそこに埋め込まれたヒートパイプによって拡散し、均熱化し、更に固体されたフィンへと放熱する。ヒートパイプを設置しない場合と比較すると、ヒートパイプの優れた等価熱伝導によって均熱化は促進し、全体でのフィン効率が向上する。従って、熱源の温度上昇を抑制し、高性能ヒートシンクを提供することができる。更に、ヒートパイプの固定に際し、押し込み変形やフィンの負荷を利用することによって、よりベースプレートとの接触が向上し、熱伝達が容易になる。
更に、ヒートパイプを熱源の上部から放射状に設置することによって、さらに効率よく均熱化を図ることができる。
【0042】
以下に、この発明のヒートシンクを実施例によって詳細に説明する。
【実施例】
実施例1
図1に示すように、幅60mm、長さ100mm、厚さ9mmの銅製のベースプレートを調製した。このように調製されたベースプレートに、幅0.45mm、深さ1.5mmのフィン用の溝部が2mm間隔で28本設けられ、そして、フィン用溝部に直角に、幅8mm、深さ3mmで断面形状がU字形のヒートパイプ用の別の溝部が2本平行に設けられている。
【0043】
ヒートパイプ用の別の溝部にグリースを塗布し、ヒートパイプを埋め込んだ。その後、図5に示すように、フィン用の溝部に厚さ概ね0.35mmの銅製のフィンを挿入し、フィン取り付け面の溝部の両側近傍に、塑性変形により、平らな底面および傾斜した側面を有する断面が概ね台形状に先細りに形成された凹部を形成して、フィンを固定した。
この発明のヒートシンクでは、従来のヒートパイプを伴わない銅無垢のベースプレートより、ベースプレートの等価熱伝導が向上し、ベースプレートの均熱化が図れるため、同一のファンと同一の入熱量で、熱抵抗が0.05C/W低減された。
【0044】
実施例2
図2に示すように、幅60mm、長さ100mm、厚さ6mmの銅製のベースプレートを調製した。このように調製されたベースプレートに、幅0.35mm、深さ1mmのフィン用の溝部が2mm間隔で28本設けられ、そして、フィン用溝部に直角に、幅8mm、深さ3mmで断面形状がU字形のヒートパイプ用の別の溝部が2本平行に設けられている。
【0045】
ヒートパイプ用の別の溝部に相変化型のサーマルシートを挿入し、直径6mmを3mm厚さまで扁平させたヒートパイプを埋め込んだ。その後、大略E字形のフィンをフィン用の溝部に厚さ概ね0.25mmの銅製のフィンを挿入し、フィン取り付け面の溝部の両側近傍に、塑性変形により、平らな底面および傾斜した側面を有する断面が概ね台形状に先細りに形成された凹部を形成して、フィンを固定した。図3、図4に示すように、ヒートパイプの上面は、扁平により平らになっており、フィンの底部(即ち、当接部)がヒートパイプの平らな部分に接触してフィンが固定されるようになっている。
この発明のヒートシンクでは、埋設されたヒートパイプとフィンが直接固定されるため、フィンへの熱伝達が、グリースやベースプレートを介する場合よりも優れ、熱抵抗が低減し、放熱性能が向上した。
【0046】
実施例3
図6に示すように、幅80mm、長さ100mm、厚さ10mmの銅製のベースプレートを調製した。このように調製されたベースプレートに、幅0.35mm、深さ1mmのフィン用の溝部が2mm間隔で37本設けられ、そして、ベースプレートの対角線上に、幅6.2mm、深さ6mmで断面形状がU字形のヒートパイプ用の別の溝部が2本平行に設けられている。
【0047】
ヒートパイプ用の別の溝部にグリースを塗布し、ヒートパイプを埋め込んだ。中央部で2本のヒートパイプが交差しているが、交差部分は、ヒートパイプを互いに3mm厚に扁平させて、別の溝部から飛び出すことなく、埋設させている。なお、扁平によってパイプの幅が広がるため、この部分は溝幅が8mmとなっている。その後、フィン用の溝部に厚さ概ね0.25mmの銅製のフィンを挿入し、フィン取り付け面の溝部の両側近傍に、塑性変形により、平らな底面および傾斜した側面を有する断面が概ね台形状に先細りに形成された凹部を形成して、フィンを固定した。
この発明のヒートシンクでは、上述した実施例1のヒートパイプの配列よりも、熱源近くにパイプを設置させることができるので、ベースプレート全体に均熱化が図れ、放熱性能が向上した。
【0048】
上述したように、この発明によると、金属製ベースプレートの、金属製フィンが接続される面と同一面にヒートパイプを埋め込み、その上に金属製フィンを接続するので、金属製ベースプレートに接続された被冷却部品の熱が、金属製フィンおよびヒートパイプによって極めて効率的に放熱される。更に、金属製フィンを溝に装入し、溝の両側近傍を塑性変形によって溝内にかしめ接合するので、細かいピッチでフィンを高密度に多数形成することができ、更に、フィンによってヒートパイプが固定されて熱的に接続されるので、発熱量が多く発熱密度が高い被冷却部品を効率的に冷却することができる。更に、薄肉フィンと所定の厚さの厚肉フィンとからなる厚さの異なる複数の金属製フィンを用いると、厚肉フィンによって、薄肉フィンの構造上の強度を補い、全体として構造的な強度を備えた、フィン密度の高い、更に高性能のヒートシンクを得ることができる。
【0049】
更に、この発明のヒートシンクにおいては、熱源の直上またはその近傍にヒートパイプを配置することができるので、放熱効率が極めて高い。その結果、ベースプレートに貫通孔をあけてその貫通孔にパイプを通す方法は、孔加工が困難であり、パイプの固定方法および熱接触に工夫をしなければならないという従来の問題を解決することができる。更に、ベースプレートの熱源側にヒートパイプを直接配置する方法は、ヒートパイプを直接配置するとドライアウト等の性能上の不具合が生じる、更に、ヒートパイプの平面度の問題があり、熱源の直上にはヒートパイプを配置することができないという従来の問題を解決することができる。
【0050】
なお、上述したベースプレート、ヒートパイプ、フィンおよびそれに付随する部材は、上で説明したものに限定されることなく、ベースプレートは、銅、アルミニウム、その他の熱伝導性材料であってもよい。また、フィンは、銅、アルミニウム、その他の熱伝導性材料であってもよい。ヒートパイプは、断面が丸径であっても、扁平であっても、平面型であってもよい。また、内部形状はいかなる構造であっても、作動流体の潜熱で熱輸送するものであればよい。また、ヒートパイプとベースプレート間に介在させる物質は、グリース、接着剤、サーマルシート等、間隔を埋める機能を有するものであればよい。必要に応じてハンダであってもよい。
また、ヒートパイプの配置は、直線上であっても曲げ部があっても、上述した実施例のように交差するものであってもよい。また、より密着してベースプレートと接触させるために、ヒートパイプの挿入時にパイプを扁平させて、その拡管を利用して接触を強固にしてもよい。
【0051】
【発明の効果】
以上に述べたように、この発明によると、放熱効率に優れ、発熱量が多く発熱密度が高い被冷却部品を効率的に冷却することができるヒートシンクを提供することができる。即ち、クリンプフィンのベースプレートにヒートパイプを埋め込むことによって、熱伝導率が向上する。その際、ヒートパイプを熱源から放射状に配置すると更に熱伝導率が向上する。更に、ヒートパイプとフィンを直接接触させるので、熱抵抗を低減することができる。従って、高性能のヒートシンクを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明のヒートシンクの、溝部および別の溝部を備えた金属製ベースプレートを示す図である。
【図2】図2は、金属製フィン用の溝部およびヒートパイプ用の別の溝部が設けられた金属製ベースプレートの、溝部に装入される金属製フィンを説明する図である。
【図3】図3は、別の溝部に埋め込まれたヒートパイプと金属製フィンの当接部の熱的接続状況を説明する断面図である。
【図4】図4は、金属製ベースプレートに埋め込まれたヒートパイプを説明する断面図である。
【図5】図5は、この発明のヒートシンクを説明する図である。
【図6】図6は、金属製ベースプレート上で交差するように形成された複数の溝部からなるヒートパイプ用の別の溝部を備えたこの発明のヒートシンクを説明する図である。
【図7】図7は、金属製ベースプレートに形成される他の別の溝部を示す図である。
【図8】図8は、金属製ベースプレートに形成される他の別の溝部を示す図である。
【図9】図9は、従来の押し出し材によるヒートシンクを示す図である。
【符号の説明】
1 ヒートシンク
2 金属製ベースプレート
3 金属製フィン
4 フィン用の溝部
5 ヒートパイプ用の別の溝部
6 ヒートパイプ
7 フィンの下端部(当接部)
8 フィンの当接部
9 フィン用の溝部に挿入される部分
【発明の属する技術分野】
本発明は、構造的に所望の強度を有し、高密度で配置された複数のフィンを備えたヒートシンクに関する。
【0002】
【従来の技術】
CPU、素子等の発熱量、発熱密度の増大によって、放熱効率に優れた高性能のヒートシンクが求められている。従来、製造コストの安価なアルミニウムの押し出し材によるヒートシンクが利用されてきた。押し出し材によるヒートシンクは、ベースプレートと放熱フィンとが一体的に形成されるので、製造は容易であるが、製造上の制限によってピッチが限定され細かなピッチでフィンを形成することが技術的に困難であった。更に、フィンの高さも同様に、製造上制限され、高いフィンの形成が技術的に困難であった。
【0003】
特開2000−31354号公報に従来のヒートシンクが開示されている。図9にその概要を示す。図9に示すように、従来のヒートシンク100はプレートフィン型ヒートシンクであり、押し出し材による一体型ヒートシンクである。ヒートシンクは、放熱フィンである多数のプレートフィン部102とそれと一体のベースプレート部101とからなっている。プレートフィン部102は、等間隔で且つベースプレート部101に対して直角に、多数並設されて一体的に形成されている。ヒートシンク100は、上述したように、アルミニウムまたはその合金を押出し成形することによって製造されている。
【0004】
【特許文献】
特開2000−31354号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この従来のヒートシンクにおいては、上述したように、ベースプレートと放熱フィンとが一体的に形成されるので、製造は容易であるが、製造上の制限によってピッチが限定され細かなピッチでフィンを形成することが技術的に困難であった。更に、フィンの高さも同様に、製造上制限され、高いフィンの形成が技術的に困難であった。従って、放熱効率が劣り、発熱量が多く、発熱密度が高い被冷却部品を効率的に冷却することができないという問題点があった。
【0006】
本発明はこのような状況に鑑みなされたもので、その目的とするところは、放熱効率に優れ、発熱量が多く発熱密度が高い被冷却部品を効率的に冷却することができるヒートシンクを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
発明者は、上述した従来の問題点を解決するため、鋭意研究を重ねた。その結果、金属製ベースプレートの被冷却部品が接続される面ではなく、金属製フィンが接続される面と同一面にヒートパイプを埋め込み、その上に金属製フィンを接続すると、金属製ベースプレートに接続された被冷却部品の熱が、金属製フィンおよびヒートパイプによって極めて効率的に放熱されることが判明した。
【0008】
その際、金属製フィンを溝に装入し、溝の両側近傍を塑性変形によって溝内にかしめ接合すると、細かいピッチでフィンを高密度に多数形成することができ、更に、フィンによってヒートパイプが固定されて熱的に接続されるので、発熱量が多く発熱密度が高い被冷却部品を効率的に冷却することができることが判明した。
この際、薄肉フィンと所定の厚さの厚肉フィンとからなる厚さの異なる複数の金属製フィンを接合すると、厚肉フィンによって、薄肉フィンの構造上の強度を補い、全体として構造的な強度を備えた、フィン密度の高い、更に高性能のヒートシンクを得ることができることが判明した。
【0009】
この発明は、上述した研究結果に基づくものであって、この発明のヒートシンクの第1の態様は、金属製ベースプレートと、前記金属製ベースプレートの一方の表面に熱的に接続された複数の金属製フィンと、前記金属製ベースプレートの前記金属フィンが接続される側の一部に埋め込まれたヒートパイプを備えたヒートシンクである。
【0010】
この発明のヒートシンクの第2の態様は、前記接続が、前記金属製ベースプレートの金属製フィン取り付け面に複数の溝部を形成し、前記溝部に金属製フィンを装入し、前記金属製フィン取付面の溝部両側近傍に、塑性変形により、平らな底面および傾斜した側面を有する断面が概ね台形状に先細りに形成された凹部を形成して、前記金属製フィンを前記溝部内にかしめ接合することからなっているヒートシンクである。
【0011】
この発明のヒートシンクの第3の態様は、前記金属製ベースプレートに前記ヒートパイプを埋め込むための別の溝部が形成されており、前記別の溝部が前記金属製ベースプレートの長手方向に沿って形成された複数の溝部からなっているヒートシンクである。
【0012】
この発明のヒートシンクの第4の態様は、前記金属製ベースプレートに前記ヒートパイプを埋め込むための別の溝部が形成されており、前記別の溝部が前記金属製ベースプレート上で交差するように形成された複数の溝部からなっているヒートシンクである。
【0013】
この発明のヒートシンクの第5の態様は、前記金属製ベースプレートに前記ヒートパイプを埋め込むための別の溝部が形成されており、前記別の溝部が前記金属製ベースプレートの中央部から端部に向かって放射状に形成された複数の溝部からなっているヒートシンクである。
【0014】
この発明のヒートシンクの第6の態様は、前記接続が、前記金属製ベースプレートと金属製フィンとを金属接合することからなっているヒートシンクである。
【0015】
この発明のヒートシンクの第7の態様は、前記金属フィンが、埋め込まれた前記ヒートパイプに熱的に接続する当接部を備えており、前記金属製フィンが接合された状態で、前記当接部が前記ヒートパイプに熱的に接続するヒートシンクである。
【0016】
この発明のヒートシンクの第8の態様は、前記金属製フィンは、薄肉フィンと厚肉フィンとからなっており、複数の金属製フィンのうち少なくとも両外側端の1枚が前記厚肉フィンからなっているヒートシンクである。
【0017】
この発明のヒートシンクの第9の態様は、前記金属製フィンは、薄肉フィンと厚肉フィンとからなっており、複数の金属製フィンのうち少なくとも中央部の1枚が、前記厚肉フィンからなっているヒートシンクである。
【0018】
この発明のヒートシンクの第10の態様は、前記金属製フィンが種類の異なる金属からなっているヒートシンクである。
【0019】
この発明のヒートシンクのその他の態様は、前記ヒートパイプが、グリース、接着剤、または、熱伝導シートを介して前記金属製ベースプレートに熱的に接触し、前記金属製フィンによって固定されているヒートシンクである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施態様を図面を参照して具体的に説明する。
この発明のヒートシンクの1つの態様は、金属製ベースプレートと、前記金属製ベースプレートの一方の表面に熱的に接続された複数の金属製フィンと、前記金属製ベースプレートの前記金属フィンが接続される側の一部に埋め込まれたヒートパイプを備えたヒートシンクである。
上述した接続が、金属製ベースプレートの金属製フィン取り付け面に複数の溝部を形成し、溝部に金属製フィンを装入し、金属製フィン取付面の溝部両側近傍に、塑性変形により、平らな底面および傾斜した側面を有する断面が概ね台形状に先細りに形成された凹部を形成して、金属製フィンを溝部内にかしめ接合することからなっている。
【0021】
図1は、この発明のヒートシンクの、溝部および別の溝部を備えた金属製ベースプレートを示す図である。図1に示すように、金属製ベースプレート2は、複数の金属製フィンが装入される溝部4およびヒートパイプが埋め込まれるための別の溝部5を備えている。図1および以下の図において、溝部は説明のために一部のみ示されているだけであるが、金属製ベースプレートの概ね全面にわたり形成され、フィンは溝部に対応する数だけ溝部に装入される。
金属製フィンが装入される溝部4は、金属製フィンの厚さに対応した幅を有しており、金属製フィンが装入され、溝部両側近傍を塑性変形することによって、金属製フィンをかしめることができる深さを有している。別の溝部には、ヒートパイプの上面が概ね金属製ベースプレートの表面と同一面となるように、ヒートパイプが埋め込まれる。図1に示す態様では、ヒートパイプを埋め込むための別の溝部が、金属製ベースプレートの金属製フィン用の溝部が形成される面に、金属製ベースプレートの長手方向に2本設けられている。別の溝部は、2本に限定されることなく、1本でも複数本でもよい。
【0022】
図2は、金属製フィン用の溝部およびヒートパイプ用の別の溝部が設けられた金属製ベースプレートの、溝部に装入される金属製フィンを説明する図である。
上述したように、金属製ベースプレート2は、複数の金属製フィン3が装入される溝部4およびヒートパイプが埋め込まれるための別の溝部5を備えている。図2に示すように、金属フィン3は、別の溝部5に埋め込まれるヒートパイプに熱的に接続する当接部8を備えており、金属製フィン3が金属製ベースプレート2に接合された状態で、当接部8がヒートパイプに熱的に接続する。
【0023】
当接部8の数は、ヒートパイプの数に対応し、そして、当接部は、図2に示すように、金属製フィン3の溝部4に装入される部分9よりも高く位置している(即ち、装入される部分9と当接部8との間に段差が生じている)。この段差によって、金属製フィンが溝部に装入されると、当接部が別の溝部に埋め込まれたヒートパイプの上面を押し付けて、固定し、同時に、金属製フィンとヒートパイプが熱的に接続される。
【0024】
図3は、別の溝部に埋め込まれたヒートパイプと金属製フィンの当接部の熱的接続状況を説明する断面図である。図3に示すように、溝部に装入され固定された金属フィン3によって、金属製ベースプレート2の別の溝部に埋め込まれたヒートパイプ6の表面上に、金属製フィン3の当接部の下端部7が押し付けられて、熱的に接続した状態で固定されている。
なお、当接部の形状は、溝部に装入され固定された金属製フィンとヒートパイプが熱的に接続される形状であれば、どのような形状であっても良い。
【0025】
図4は、金属製ベースプレートに埋め込まれたヒートパイプを説明する断面図である。図4に示すように、金属製ベースプレート2の一方の面に、(図示しない)金属製フィンが装入される溝部に直角に形成された、幅δ、深さηを有する別の溝部5に、扁平型ヒートパイプ6が埋め込まれている。埋め込まれたヒートパイプの下面は、接着剤、または、熱伝導シートを介して、広い面で、金属製ベースプレートに熱的に接触している。埋め込まれたヒートパイプの上面は、金属製ベースプレートの上面と概ね同一面を形成している。即ち、図2を参照して説明したように、金属フィンは、別の溝部5に埋め込まれるヒートパイプに熱的に接続する当接部を備えており、金属製フィン3の一部が金属製ベースプレート2の溝部に装入されかしめられた状態で、当接部がヒートパイプの上面に押し付けられて固定されて、熱的に接続する。
【0026】
図5は、この発明のヒートシンクを説明する図である。図5に示すように、金属製ベースプレート2の一方の面には、金属製フィン3用の溝部4と、金属製フィン用の溝部と直交するヒートパイプ用の別の溝部5が形成されている。別の溝部5には、グリース、接着剤、または、熱伝導シートを介してヒートパイプ6が埋め込まれ、溝部4には、金属製フィン3が装入され、当接部がヒートパイプの上面を押しつけた状態でかしめられて固定される。
【0027】
即ち、金属製ベースプレート2の金属製フィン取り付け面に形成された複数の溝部4に金属製フィン3を装入し、金属製フィン取付面の溝部4の両側近傍に、塑性変形により、平らな底面および傾斜した側面を有する断面が概ね台形状に先細りに形成された凹部を形成して、金属製フィン3を溝部4内にかしめ接合する。
上述したように、この発明のヒートシンクの1つの態様においては、金属製ベースプレートに形成された、ヒートパイプを埋め込むための別の溝部は、金属製ベースプレートの長手方向に沿って形成された複数の溝部からなっている。
【0028】
更に、金属製ベースプレートに形成された、ヒートパイプを埋め込むための別の溝部が金属製ベースプレート上で交差するように形成された複数の溝部からなっていてもよい。
図6は、金属製ベースプレート上で交差するように形成された複数の溝部からなるヒートパイプ用の別の溝部を備えたこの発明のヒートシンクを説明する図である。図6(a)は、溝部に装入される金属製フィン、図6(b)は、交差する2本のヒートパイプ、図6(c)は、交差するように形成された複数の溝部からなるヒートパイプ用の別の溝部、図6(d)は、交差するヒートパイプの交差部分を示す断面図を、それぞれ示す。
【0029】
先ず、図6(c)に示されたように、金属製ベースプレート2の一方の面に、交差する2本のヒートパイプを埋め込むための別の溝部5−1、5−2が設けられ、同一面に、金属製フィンが装入される複数の溝部4が形成されている。この態様においては、溝部および別の溝部のそれぞれの深さは、別の溝部にヒートパイプを埋め込んだ状態で、溝部に金属フィンを装入すると、別の溝部に対応する位置にある金属フィンの下端部9がそのままヒートパイプの上面を押し付けることができるように設定される。
【0030】
このように深さが設定された別の溝部に、図6(b)に示すような交差する2本のヒートパイプ6−1、6−2を埋め込む。その際には、2本のヒートパイプ6−1、6−2の交差部は、図6(d)に示すように、2本のヒートパイプの交差部の合計高さが、ヒートパイプの他の部分の高さと同一である。従って、別の溝部に埋め込まれた2本の交差するヒートパイプの上面は、同一面を形成する。このように金属製ベースプレート2の別の溝部5−1、5−2に交差する2本のヒートパイプ6−1、6−2が埋め込まれた状態で、複数の金属製フィン3が溝部4に装入される。
【0031】
金属製フィンの接合は、次の通り行なわれる。即ち、金属製ベースプレート2の金属製フィン取り付け面に形成された複数の溝部4に金属製フィン3を装入し、金属製フィン取付面の溝部4の両側近傍に、塑性変形により、平らな底面および傾斜した側面を有する断面が概ね台形状に先細りに形成された凹部を形成して、金属製フィン3を溝部4内にかしめ接合する。
【0032】
その結果、金属製フィン3の下端部8、9が、溝部の底に接する部分9と、別の溝部に埋め込まれたヒートパイプの上面を押し付ける当接部8とからなっており、金属製フィンが全体として、金属製ベースプレートにかしめられ、且つ、ヒートパイプを固定している。
【0033】
図7は、金属製ベースプレートに形成される他の別の溝部を示す図である。別の溝部は、金属製ベースプレートの中央部から端部に向かって放射状に形成された複数の溝部からなっていてもよい。図7に示すように、金属製ベースプレート2の一方の面に、放射状に延びた複数本のヒートパイプを埋め込むための別の溝部5−1、5−2、5−3、5−4、5−5、5−6、5−7、5−8が設けられ、同一面に、金属製フィンが装入される複数の溝部4が形成されている。この態様においても、溝部および別の溝部のそれぞれの深さは、別の溝部にヒートパイプを埋め込んだ状態で、溝部に金属フィンを装入すると、別の溝部に対応する位置にある金属フィンの下端部9がそのままヒートパイプの上面を押し付けることができるように設定される。
【0034】
このように深さが設定された中央部から端部に放射状に形成される別の溝部に、図示しない複数本のヒートパイプを埋め込む。その際には、別の溝部に埋め込まれた複数本の放射状に配置されたヒートパイプの上面は、同一面を形成することが望ましい。このように金属製ベースプレート2の中央部から端部に放射状に配置された別の溝部5−1、5−2、5−3、5−4、5−5、5−6、5−7、5−8に8本のヒートパイプが埋め込まれた状態で、複数の金属製フィン3が溝部4に装入される。
金属製フィンの接合は、上述したと同様に行なわれる。即ち、金属製ベースプレート2の金属製フィン取り付け面に形成された複数の溝部4に金属製フィン3を装入し、金属製フィン取付面の溝部4の両側近傍に、塑性変形により、平らな底面および傾斜した側面を有する断面が概ね台形状に先細りに形成された凹部を形成して、金属製フィン3を溝部4内にかしめ接合する。
【0035】
その結果、金属製フィン3の下端部が、溝部の底に接する部分と、別の溝部に埋め込まれたヒートパイプの上面を押し付ける当接部とからなっており、金属製フィンが全体として、金属製ベースプレートにかしめられ、且つ、ヒートパイプを固定している。この態様のヒートシンクによると、被冷却部品が熱的に接続される中央部から金属製ベースプレートの周辺部に向かって速やかに熱移動が行なわれ、金属製フィンによって効率的に放熱される。従って、発熱量の大きい、発熱密度の極めて高い素子等を効果的に冷却することができる。
【0036】
図8は、金属製ベースプレートに形成される他の別の溝部を示す図である。別の溝部は、金属製ベースプレートの中央部から端部に向かう1対のU字形の溝部からなっていてもよい。図8に示すように、金属製ベースプレート2の一方の面に、対称に配置された2本のU字形のヒートパイプを埋め込むための別の溝部5−1、5−2が設けられ、金属製ベースプレート2の同一面に、金属製フィンが装入される複数の溝部4が形成されている。この態様においても、溝部および別の溝部のそれぞれの深さは、別の溝部にヒートパイプを埋め込んだ状態で、溝部に金属フィンを装入すると、別の溝部に対応する位置にある金属フィンの下端部がそのままヒートパイプの上面を押し付けることができるように設定される。
【0037】
このように深さが設定された対称に配置された2本のU字形の別の溝部に、図示しない2本のU字形ヒートパイプを埋め込む。その際には、別の溝部に埋め込まれた2本のヒートパイプの上面は、同一面を形成することが望ましい。このように金属製ベースプレート2に対称に形成された2本のU字形の別の溝部5−1、5−2に2本のU字形ヒートパイプが埋め込まれた状態で、複数の金属製フィン3が溝部4に装入される。
金属製フィンの接合は、機械的にかしめることによって行われている。詳細は上述したと同様である。
【0038】
その結果、金属製フィン3の下端部が、溝部の底に接する部分と、別の溝部に埋め込まれたヒートパイプの上面を押し付ける当接部とからなっており(実際は、1つの共通の下端部)、金属製フィンが全体として、金属製ベースプレートにかしめられ、且つ、ヒートパイプを固定している。この態様のヒートシンクによると、放射状のヒートパイプが配置される場合と同様に、被冷却部品が熱的に接続される中央部から金属製ベースプレートの周辺部に向かって速やかに熱移動が行なわれ、金属製フィンによって効率的に放熱される。従って、発熱量の大きい、発熱密度の極めて高い素子等を効果的に冷却することができる。
【0039】
上述した対称な2本のU字形の別の溝部の代わりに、対称に配置された2本のV字形の別の溝部を設けてもよい。更に、接続は、上述したかしめによることなく、ハンダ等によって接合してもよい。
この発明のヒートシンクにおいて、金属製フィンは、薄肉フィンと厚肉フィンとからなっており、複数の金属製フィンのうち少なくとも両外側端の1枚が厚肉フィンからなっていてもよい。更に、金属製フィンは、薄肉フィンと厚肉フィンとからなっており、複数の金属製フィンのうち少なくとも中央部の1枚が、厚肉フィンからなっていてもよい。更に、金属製フィンが種類の異なる金属からなっていてもよい。
【0040】
即ち、金属製フィンは、薄肉フィンと所定の厚さの厚肉フィンとからなっており、複数の金属製フィンのうち両外側端のそれぞれ2枚が厚肉フィンからなっている場合には、外側の2枚の金属製フィンが厚肉フィンによって形成されているので、その中間部に配置された薄肉フィンの強度を構造的に補強することができる。この態様のヒートシンクによると、薄肉の金属フィンを高い密度でベースプレート上に設けることができ、更に、強度に劣る金属製フィンの強度を構造的に補強することができるので、高い密度で金属製フィンが配置された高い性能のヒートシンクを得ることができる。
【0041】
なお、上述した態様において、異なる金属(例えば、銅とアルミニウム)製のフィンを組合わせてもよい。厚肉の金属製フィンの代わりに強度の高い金属製フィンを用いることによって、強度の弱い金属製フィンの変形を防護することができる。
上述したようにこの発明のヒートシンクにおける金属製フィンとして、板状体の例を示したが、棒状体(中実、中空を含む)等の他の形状であってもよい。
この発明のヒートシンクによると、受熱面(即ち、ベースプレートのフィンを設置していない側)からの入熱は、ベースプレートとそこに埋め込まれたヒートパイプによって拡散し、均熱化し、更に固体されたフィンへと放熱する。ヒートパイプを設置しない場合と比較すると、ヒートパイプの優れた等価熱伝導によって均熱化は促進し、全体でのフィン効率が向上する。従って、熱源の温度上昇を抑制し、高性能ヒートシンクを提供することができる。更に、ヒートパイプの固定に際し、押し込み変形やフィンの負荷を利用することによって、よりベースプレートとの接触が向上し、熱伝達が容易になる。
更に、ヒートパイプを熱源の上部から放射状に設置することによって、さらに効率よく均熱化を図ることができる。
【0042】
以下に、この発明のヒートシンクを実施例によって詳細に説明する。
【実施例】
実施例1
図1に示すように、幅60mm、長さ100mm、厚さ9mmの銅製のベースプレートを調製した。このように調製されたベースプレートに、幅0.45mm、深さ1.5mmのフィン用の溝部が2mm間隔で28本設けられ、そして、フィン用溝部に直角に、幅8mm、深さ3mmで断面形状がU字形のヒートパイプ用の別の溝部が2本平行に設けられている。
【0043】
ヒートパイプ用の別の溝部にグリースを塗布し、ヒートパイプを埋め込んだ。その後、図5に示すように、フィン用の溝部に厚さ概ね0.35mmの銅製のフィンを挿入し、フィン取り付け面の溝部の両側近傍に、塑性変形により、平らな底面および傾斜した側面を有する断面が概ね台形状に先細りに形成された凹部を形成して、フィンを固定した。
この発明のヒートシンクでは、従来のヒートパイプを伴わない銅無垢のベースプレートより、ベースプレートの等価熱伝導が向上し、ベースプレートの均熱化が図れるため、同一のファンと同一の入熱量で、熱抵抗が0.05C/W低減された。
【0044】
実施例2
図2に示すように、幅60mm、長さ100mm、厚さ6mmの銅製のベースプレートを調製した。このように調製されたベースプレートに、幅0.35mm、深さ1mmのフィン用の溝部が2mm間隔で28本設けられ、そして、フィン用溝部に直角に、幅8mm、深さ3mmで断面形状がU字形のヒートパイプ用の別の溝部が2本平行に設けられている。
【0045】
ヒートパイプ用の別の溝部に相変化型のサーマルシートを挿入し、直径6mmを3mm厚さまで扁平させたヒートパイプを埋め込んだ。その後、大略E字形のフィンをフィン用の溝部に厚さ概ね0.25mmの銅製のフィンを挿入し、フィン取り付け面の溝部の両側近傍に、塑性変形により、平らな底面および傾斜した側面を有する断面が概ね台形状に先細りに形成された凹部を形成して、フィンを固定した。図3、図4に示すように、ヒートパイプの上面は、扁平により平らになっており、フィンの底部(即ち、当接部)がヒートパイプの平らな部分に接触してフィンが固定されるようになっている。
この発明のヒートシンクでは、埋設されたヒートパイプとフィンが直接固定されるため、フィンへの熱伝達が、グリースやベースプレートを介する場合よりも優れ、熱抵抗が低減し、放熱性能が向上した。
【0046】
実施例3
図6に示すように、幅80mm、長さ100mm、厚さ10mmの銅製のベースプレートを調製した。このように調製されたベースプレートに、幅0.35mm、深さ1mmのフィン用の溝部が2mm間隔で37本設けられ、そして、ベースプレートの対角線上に、幅6.2mm、深さ6mmで断面形状がU字形のヒートパイプ用の別の溝部が2本平行に設けられている。
【0047】
ヒートパイプ用の別の溝部にグリースを塗布し、ヒートパイプを埋め込んだ。中央部で2本のヒートパイプが交差しているが、交差部分は、ヒートパイプを互いに3mm厚に扁平させて、別の溝部から飛び出すことなく、埋設させている。なお、扁平によってパイプの幅が広がるため、この部分は溝幅が8mmとなっている。その後、フィン用の溝部に厚さ概ね0.25mmの銅製のフィンを挿入し、フィン取り付け面の溝部の両側近傍に、塑性変形により、平らな底面および傾斜した側面を有する断面が概ね台形状に先細りに形成された凹部を形成して、フィンを固定した。
この発明のヒートシンクでは、上述した実施例1のヒートパイプの配列よりも、熱源近くにパイプを設置させることができるので、ベースプレート全体に均熱化が図れ、放熱性能が向上した。
【0048】
上述したように、この発明によると、金属製ベースプレートの、金属製フィンが接続される面と同一面にヒートパイプを埋め込み、その上に金属製フィンを接続するので、金属製ベースプレートに接続された被冷却部品の熱が、金属製フィンおよびヒートパイプによって極めて効率的に放熱される。更に、金属製フィンを溝に装入し、溝の両側近傍を塑性変形によって溝内にかしめ接合するので、細かいピッチでフィンを高密度に多数形成することができ、更に、フィンによってヒートパイプが固定されて熱的に接続されるので、発熱量が多く発熱密度が高い被冷却部品を効率的に冷却することができる。更に、薄肉フィンと所定の厚さの厚肉フィンとからなる厚さの異なる複数の金属製フィンを用いると、厚肉フィンによって、薄肉フィンの構造上の強度を補い、全体として構造的な強度を備えた、フィン密度の高い、更に高性能のヒートシンクを得ることができる。
【0049】
更に、この発明のヒートシンクにおいては、熱源の直上またはその近傍にヒートパイプを配置することができるので、放熱効率が極めて高い。その結果、ベースプレートに貫通孔をあけてその貫通孔にパイプを通す方法は、孔加工が困難であり、パイプの固定方法および熱接触に工夫をしなければならないという従来の問題を解決することができる。更に、ベースプレートの熱源側にヒートパイプを直接配置する方法は、ヒートパイプを直接配置するとドライアウト等の性能上の不具合が生じる、更に、ヒートパイプの平面度の問題があり、熱源の直上にはヒートパイプを配置することができないという従来の問題を解決することができる。
【0050】
なお、上述したベースプレート、ヒートパイプ、フィンおよびそれに付随する部材は、上で説明したものに限定されることなく、ベースプレートは、銅、アルミニウム、その他の熱伝導性材料であってもよい。また、フィンは、銅、アルミニウム、その他の熱伝導性材料であってもよい。ヒートパイプは、断面が丸径であっても、扁平であっても、平面型であってもよい。また、内部形状はいかなる構造であっても、作動流体の潜熱で熱輸送するものであればよい。また、ヒートパイプとベースプレート間に介在させる物質は、グリース、接着剤、サーマルシート等、間隔を埋める機能を有するものであればよい。必要に応じてハンダであってもよい。
また、ヒートパイプの配置は、直線上であっても曲げ部があっても、上述した実施例のように交差するものであってもよい。また、より密着してベースプレートと接触させるために、ヒートパイプの挿入時にパイプを扁平させて、その拡管を利用して接触を強固にしてもよい。
【0051】
【発明の効果】
以上に述べたように、この発明によると、放熱効率に優れ、発熱量が多く発熱密度が高い被冷却部品を効率的に冷却することができるヒートシンクを提供することができる。即ち、クリンプフィンのベースプレートにヒートパイプを埋め込むことによって、熱伝導率が向上する。その際、ヒートパイプを熱源から放射状に配置すると更に熱伝導率が向上する。更に、ヒートパイプとフィンを直接接触させるので、熱抵抗を低減することができる。従って、高性能のヒートシンクを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明のヒートシンクの、溝部および別の溝部を備えた金属製ベースプレートを示す図である。
【図2】図2は、金属製フィン用の溝部およびヒートパイプ用の別の溝部が設けられた金属製ベースプレートの、溝部に装入される金属製フィンを説明する図である。
【図3】図3は、別の溝部に埋め込まれたヒートパイプと金属製フィンの当接部の熱的接続状況を説明する断面図である。
【図4】図4は、金属製ベースプレートに埋め込まれたヒートパイプを説明する断面図である。
【図5】図5は、この発明のヒートシンクを説明する図である。
【図6】図6は、金属製ベースプレート上で交差するように形成された複数の溝部からなるヒートパイプ用の別の溝部を備えたこの発明のヒートシンクを説明する図である。
【図7】図7は、金属製ベースプレートに形成される他の別の溝部を示す図である。
【図8】図8は、金属製ベースプレートに形成される他の別の溝部を示す図である。
【図9】図9は、従来の押し出し材によるヒートシンクを示す図である。
【符号の説明】
1 ヒートシンク
2 金属製ベースプレート
3 金属製フィン
4 フィン用の溝部
5 ヒートパイプ用の別の溝部
6 ヒートパイプ
7 フィンの下端部(当接部)
8 フィンの当接部
9 フィン用の溝部に挿入される部分
Claims (10)
- 金属製ベースプレートと、前記金属製ベースプレートの一方の表面に熱的に接続された複数の金属製フィンと、前記金属製ベースプレートの前記金属フィンが接続される側の一部に埋め込まれたヒートパイプを備えたヒートシンク。
- 前記接続が、前記金属製ベースプレートの金属製フィン取り付け面に複数の溝部を形成し、前記溝部に金属製フィンを装入し、前記金属製フィン取付面の溝部両側近傍に、塑性変形により、平らな底面および傾斜した側面を有する断面が概ね台形状に先細りに形成された凹部を形成して、前記金属製フィンを前記溝部内にかしめ接合することからなっている、請求項1に記載のヒートシンク。
- 前記金属製ベースプレートに前記ヒートパイプを埋め込むための別の溝部が形成されており、前記別の溝部が前記金属製ベースプレートの長手方向に沿って形成された複数の溝部からなっている、請求項2に記載のヒートシンク。
- 前記金属製ベースプレートに前記ヒートパイプを埋め込むための別の溝部が形成されており、前記別の溝部が前記金属製ベースプレート上で交差するように形成された複数の溝部からなっている、請求項2に記載のヒートシンク。
- 前記金属製ベースプレートに前記ヒートパイプを埋め込むための別の溝部が形成されており、前記別の溝部が前記金属製ベースプレートの中央部から端部に向かって放射状に形成された複数の溝部からなっている、請求項2に記載のヒートシンク。
- 前記接続が、前記金属製ベースプレートと金属製フィンとを金属接合することからなっている、請求項1に記載のヒートシンク。
- 前記金属フィンが、埋め込まれた前記ヒートパイプに熱的に接続する当接部を備えており、前記金属製フィンが接合された状態で、前記当接部が前記ヒートパイプに熱的に接続する、請求項3から6の何れか1項に記載のヒートシンク。
- 前記金属製フィンは、薄肉フィンと厚肉フィンとからなっており、複数の金属製フィンのうち少なくとも両外側端の1枚が前記厚肉フィンからなっている、請求項1から7の何れか1項に記載のヒートシンク。
- 前記金属製フィンは、薄肉フィンと厚肉フィンとからなっており、複数の金属製フィンのうち少なくとも中央部の1枚が、前記厚肉フィンからなっている、請求項1から7の何れか1項に記載のヒートシンク。
- 前記金属製フィンが種類の異なる金属からなっている、請求項1から9の何れか1項に記載のヒートシンク。
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