JP2004103734A - ヒートシンクおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ベース板のフィン収容穴に柱状フィンが強固にかしめ接合された放熱特性に優れたヒートシンクおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】複数のフィン収容穴および前記フィン収容穴の周囲の少なくとも一部に、塑性変形によって形成された、底面および傾斜した側面を有する断面が凹部を備えたベースプレートと、
フィン収容穴に装入され、凹部の塑性変形によって形成された傾斜した側面によって、かしめ接合された複数の柱状フィンとからなるヒートシンク。
【選択図】図1
【解決手段】複数のフィン収容穴および前記フィン収容穴の周囲の少なくとも一部に、塑性変形によって形成された、底面および傾斜した側面を有する断面が凹部を備えたベースプレートと、
フィン収容穴に装入され、凹部の塑性変形によって形成された傾斜した側面によって、かしめ接合された複数の柱状フィンとからなるヒートシンク。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、柱状フィンが強固にかしめ接合されたヒートシンクおよびその製造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ヒートシンクとファンとが一体となった所謂アクティブヒートシンクにおいては、ファンをヒートシンクの上部に取り付け、ヒートシンクのベース部に向けて空気を吹き付けるタイプが一般的に用いられている。この場合、発熱素子等の発熱体の発熱量がそれほど多くない場合には、アルミニウムの押し出し材等を利用して、放熱することが可能であった。しかし、発熱素子の発熱量が増加すると、アルミニウムの押し出し材等を利用して、充分に放熱することが困難である。そのために、ファンからの風の流れを有効(風の流れの抵抗を軽減する)に利用するために、フィンの形状に各種のアイディアを取り入れ、形状を変化させた。その1つに、角柱や円柱形状のフィンを立てて使用するいわゆるピンフィンがある。ピンフィンを用いると、フィンに吹き付けられた風の流れ方向を規制することがなく自由に流れ、且つ、ピンフィンの側面が放熱面となるので、押し出し材よりも放熱性能が向上する場合がある。
ピンフィンの製造方法の例としては、アルファ社製のマイクロフォージングと呼ばれる特殊な冷間鍛造法や、ブレージングなどによるロウ付けによる製造法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、冷間鍛造法は製造時間が長くかかり、数量が多い場合には、量産には適しない。また、ブレージングはアルミニウムが炉中で軟化するため、ピンの整直性や強度に不安があった。
【0004】
本発明はこのような状況に鑑みなされたもので、その目的とするところは、ベース板のフィン収容穴に柱状フィンが強固にかしめ接合された放熱特性に優れたヒートシンクおよびその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
発明者は、上述した従来の問題点を解決するため、鋭意研究を重ねた。その結果、柱状フィンの周りの塑性変形量を多くすることによって、柱状フィンが装入されるフィン収容穴の深い位置まで塑性変形され、かしめの強度および精度を高め、放熱特性を向上させることが判明した。更に、ベースプレートの隣接するフィン収容穴の間に、平らな底面および傾斜した側面を有する断面が概ね台形状に先細りに塑性変形によって形成された凹部を備えることによって、塑性変形量を多くすることが判明した。
【0006】
この発明は、上述した研究結果に基づくものであって、この発明のヒートシンクの第1の態様は、複数のフィン収容穴および前記フィン収容穴の周囲の少なくとも一部に、塑性変形によって形成された、底面および傾斜した側面を有する断面が凹部を備えたベースプレートと、
前記フィン収容穴に装入され、前記凹部の前記塑性変形によって形成された前記傾斜した側面によって、かしめ接合された複数の柱状フィンとからなるヒートシンクである。
【0007】
この発明のヒートシンクの第2の態様は、前記凹部が平らな底面および傾斜した側面を有する断面が概ね台形状に先細りに形成されている、ヒートシンクである。
【0008】
この発明のヒートシンクの第3の態様は、前記フィン収容穴の全周に前記凹部が形成され、前記柱状フィンが周囲からかしめ接合されている、ヒートシンクである。
【0009】
この発明のヒートシンクの第4の態様は、前記柱状フィンが円筒状ピンフィン、または、四角注状ピンフィンからなっている、ヒートシンクである。
【0010】
この発明のヒートシンクの第5の態様は、前記複数の柱状フィンが概ね格子状に配置されている、ヒートシンクである。
【0011】
この発明のヒートシンクの第6の態様は、前記複数の柱状フィンが概ね千鳥格子状に配置されている、ヒートシンクである。
【0012】
この発明のヒートシンクの第7の態様は、前記凹部が、前記柱状フィンの廻りに、前記柱状フィンと相似形に形成されているヒートシンクである。
【0013】
この発明のヒートシンクの第8の態様は、ファンが前記柱状フィンの上部に更に備えられている、ヒートシンクである。
【0014】
この発明のヒートシンクの製造方法の第1の態様は、下記工程を備えたヒートシンクの製造方法である:
ベースプレートのフィン取付面に複数のフィン収容穴を形成し、
前記フィン収容穴に柱状フィンを装入し、
前記フィン収容穴の周囲の少なくとも一部に、塑性変形により、底面および傾斜した側面を有する断面が凹部を形成して、前記柱状フィンを前記フィン収容穴にかしめ接合する。
【0015】
この発明のヒートシンクの製造方法のその他の態様は、前記凹部が平らな底面および傾斜した側面を有する断面が概ね台形状に先細りに形成されている、ヒートシンクの製造方法である。
【0016】
この発明のヒートシンクの製造方法のその他の態様は、前記複数のフィン収容穴が概ね格子状に形成され、前記フィン収容穴に挿入された前記柱状フィンの間の間隙を、平面状の刃先によって、前記凹部を形成して、前記柱状フィンを前記フィン収容穴にかしめ接合する、ヒートシンクの製造方法である。
【0017】
この発明のヒートシンクの製造方法のその他の態様は、前記複数のフィン収容穴が概ね格子状に形成され、前記フィン収容穴に挿入された前記柱状フィンの全周に、前記柱状フィンの形状と概ね相似形の平面状の刃先によって、前記凹部を形成して、前記柱状フィンを前記フィン収容穴にかしめ接合する、ヒートシンクの製造方法である。
【0018】
この発明のヒートシンクの製造方法のその他の態様は、前記複数のフィン収容穴が概ね千鳥格子状に形成されている、ヒートシンクの製造方法である。
【0019】
この発明のヒートシンクの製造方法のその他の態様は、前記刃が二股形状の刃からなっており、前記二股形状の刃のそれぞれの断面が台形状に先細りに形成されてた平面状の刃先からなっている、ヒートシンクの製造方法である。
【0020】
この発明のヒートシンクの製造方法のその他の態様は、前記柱状フィンが円筒状ピンフィン、または、四角注状ピンフィンからなっている、ヒートシンクの製造方法である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施態様を図面を参照して具体的に説明する。
この発明のヒートシンクは、複数のフィン収容穴および前記フィン収容穴の周囲の少なくとも一部に、塑性変形によって形成された、底面および傾斜した側面を有する断面が凹部を備えたベースプレートと、
前記フィン収容穴に装入され、前記凹部の前記塑性変形によって形成された前記傾斜した側面によって、かしめ接合された複数の柱状フィンとからなるヒートシンクである。即ち、柱状フィンの形状に応じて、その周りの一部、または、全周を完全にカシメる。
【0022】
図1は、本発明のヒートシンクの1つの態様を示す概略平面図である。図2(a)は、ベースプレートに形成されたフィン収容穴を示す部分図である。図2(b)は、フィン収容穴に装入される柱状フィンの一例を示す図である。図3(e)は、柱状フィン間に形成された、平らな底面および傾斜した側面を有する断面形状が凹部を示す部分拡大図である。
【0023】
この態様のヒートシンクにおいては、ベースプレート1のフィン取付面に、概ね格子状(等間隔で縦横方向に)に設けた複数のフィン収容穴2に柱状(例えば、角柱状)フィン3が装入され、フィン収容穴の周囲に、平らな底面および傾斜した側面からなる断面が概ね台形状に先細りに形成された凹部が、塑性変形によって形成されている。このようになされた塑性変形によって、柱状フィン3がフィン収容穴2内にかしめ接合されている。
【0024】
図3(e)に示すように、このヒートシンクにおいては、フィン取付面のフィン収容穴側方の近傍に塑性変形によって形成された凹部4は、断面が概ね台形状に先細りに形成されているので、塑性変形の量が多く、傾斜した側面4bが柱状フィン3に押し付けられて、フィン収容穴2の深い位置まで圧縮される。従って、柱状フィン3は、広い面積において、フィン収容穴2の側面によって強固にかしめ接合される。
【0025】
この発明のヒートシンクは、下記工程によって製造される:即ち、
ベースプレートのフィン取付面に複数のフィン収容穴を形成し、
前記フィン収容穴に柱状フィンを装入し、
前記フィン収容穴の周囲の少なくとも一部に、塑性変形により、底面および傾斜した側面を有する断面が概ね先細りに形成された凹部を形成して、前記柱状フィンを前記フィン収容穴にかしめ接合する。
【0026】
図3は、この発明のヒートシンクの製造方法を示す図である。図3(a)は、柱状フィンの間にカシメ刃を配置した部分断面図である。図3(b)は、柱状フィンの間に配置されたカシメ刃が、柱状フィンの近傍に押圧された状態を示す部分断面図である。図3(c)は、柱状フィンが、塑性変形によって形成された傾斜した側面によってカシメ接合された状態を示す部分断面図である。図3(d)は、カシメ刃の先端部の断面の拡大図である。図3(e)は、柱状フィン間に形成された、平らな底面および傾斜した側面を有する断面形状が概ね台形状に先細りに形成された凹部を示す部分拡大図である。
【0027】
図2(a)に示す、ベースプレート1に形成されたフィン収容穴2に、柱状フィン例えば四角柱フィン3が装入される。図3(a)に示すように、ベースプレート1に形成されたフィン収容穴2に装入された柱状フィン3の間に、その先端がベースプレート1に接するように、カシメ刃5が配設される。図3(d)に示すように、カシメ刃5の先端部は、二股形状の刃からなっており、二股形状の刃のそれぞれの断面が台形状に先細りに形成された平面状の刃先51、52からなっている。
【0028】
次いで、図3(b)に示すように、ベースプレート1に形成されたフィン収容穴2に装入された柱状フィン3の間に、その先端がベースプレート1に接するように配設されたカシメ刃5が、ベースプレートに押圧され、柱状フィン間を塑性変形させる。このように柱状フィン間になされた塑性変形によって、柱状フィンがベースプレートに堅固にカシメ接合される。
【0029】
即ち、図3(e)に示すように、フィン収容穴2側方の近傍に塑性変形によって形成された凹部4は、断面が概ね台形状に先細りに形成されているので、塑性変形の量が多い。従って、傾斜した側面4bが柱状フィン3に押し付けられて、フィン収容穴2の深い位置まで圧縮される。その結果、柱状フィン3は、広い面積において、フィン収容穴2の側面によって強固にかしめ接合される。
【0030】
図5は、この発明のヒートシンクおよびその製造方法の他の態様を示す概略平面図である。この態様のヒートシンクは、概ね千鳥格子状に配置された複数のフィン収容穴および前記フィン収容穴の周囲の少なくとも一部に、塑性変形によって形成された、底面および傾斜した側面を有する断面が概ね先細りに形成された凹部を備えたベースプレートと、
フィン収容穴に装入され、凹部の塑性変形によって形成された傾斜した側面によって、かしめ接合された複数の柱状フィンとからなるヒートシンクである。
【0031】
この態様にヒートシンクは、下記工程によって製造される:即ち、
ベースプレートのフィン取付面に複数のフィン収容穴を概ね千鳥格子状に形成し、
前記フィン収容穴に柱状フィンを装入し、
前記フィン収容穴に挿入された前記柱状フィンの間の間隙を、平面状の刃先によって、底面および傾斜した側面を有する断面が概ね先細りに形成された凹部を、塑性変形によって形成して、前記柱状フィンを前記フィン収容穴にかしめ接合する。
【0032】
図5に示すように、ベースプレート1上に、概ね千鳥格子状にフィン収容穴を形成し、このように形成されたフィン収容穴に、円柱状フィンを装入する。例えば、図5に示すように、フィン収容穴、装入された円柱フィンが、3a、3b、3c、3d、3eと千鳥格子状に概ね正三角形を形成するように配置する。このように配置されたフィン収容穴に装入された円柱フィンの間の間隙を、平面状の刃先によって塑性変形する。
【0033】
例えば、図5に示すように、円柱フィン3aと3b3cの間、3b、3c、と3d、3eの間の間隙を、平行に配置されたカシメ刃群(図中には、2枚のカシメ刃25を示す)によって押圧して、平らな底面および傾斜した側面を有する断面が概ね先細りに形成された凹部を形成して、円柱状フィンをフィン収容穴にかしめ接合する。更に、上述したカシメ刃群に交差する方向に(図中に点線で示す)、同様にカシメ群を用いて、円柱状フィンをフィン収容穴にかしめ接合する。
【0034】
図6を参照して、その詳細を説明する。図6は、この態様のヒートシンクの製造方法を示す図である。図6(a)は、柱状フィンの間にカシメ刃を配置した部分断面図である。図6(b)は、柱状フィンの間に配置されたカシメ刃が、柱状フィンの間の間隙に押圧された状態を示す部分断面図である。図6(c)は、柱状フィンが、塑性変形によって形成された傾斜した側面によってカシメ接合された状態を示す部分断面図である。図6(d)は、カシメ刃の先端部の断面の拡大図である。図6(e)は、柱状フィン間に形成された、平らな底面および傾斜した側面を有する断面形状が概ね台形状に先細りに形成された凹部を示す部分拡大図である。
【0035】
図6(a)に示す、ベースプレート1に、千鳥格子状に形成されたフィン収容穴2に、柱状フィン例えば円柱フィン3が装入される。図6(a)に示すように、ベースプレート1に形成されたフィン収容穴2に装入された柱状フィン3の間の間隙に、その先端がベースプレート1に接するように、平行に配置されたカシメ刃25が配設される。図6(d)に示すように、カシメ刃5の先端部は、平面状の刃先からなっている。
【0036】
次いで、図6(b)に示すように、ベースプレート1に形成されたフィン収容穴2に装入された柱状フィン3の間に、その先端がベースプレート1に接するように配設されたカシメ刃25が、ベースプレートに押圧され、柱状フィン間を塑性変形させる。このように柱状フィン間になされた塑性変形によって、柱状フィンがベースプレートに堅固にカシメ接合される。
【0037】
即ち、図6(e)に示すように、フィン収容穴2側方の近傍に塑性変形によって形成された凹部24は、断面が概ね台形状に先細りに形成されているので、塑性変形の量が多い。従って、傾斜した側面24bが柱状フィン3に押し付けられて、フィン収容穴2の深い位置まで圧縮される。その結果、柱状フィン3は、広い面積において、フィン収容穴2の側面によって強固にかしめ接合される。
【0038】
この態様のヒートシンクにおいては、フィン収容穴に装入された円柱フィンが、平行に配置されたカシメ刃群によって、先ず、一方の方向に沿って押圧され、更に、それと交差する他の方向に沿って更に押圧されて、フィン収容穴にカシメ接合される。従って、固定強度が高まる。
【0039】
図7は、この発明のヒートシンクおよびその製造方法の他の態様を示す概略平面図である。この態様のヒートシンクは、概ね千鳥格子状に配置された複数のフィン収容穴、および、前記フィン収容穴の周囲に、塑性変形によって形成された、底面および傾斜した側面を有する断面が概ね先細りに形成された凹部を備えたベースプレートと、
フィン収容穴に装入され、凹部の塑性変形によって形成された傾斜した側面によって、かしめ接合された複数の柱状フィンとからなるヒートシンクである。上述した凹部が、柱状フィンの廻りに、柱状フィンと相似形に形成されている
【0040】
この態様にヒートシンクは、下記工程によって製造される:即ち、
ベースプレートのフィン取付面に複数のフィン収容穴を概ね千鳥格子状に形成し、
前記フィン収容穴に柱状フィンを装入し、
前記フィン収容穴に挿入された前記柱状フィンの間の全周に、前記柱状フィンの形状と概ね相似形の平面状の刃先によって、底面および傾斜した側面を有する断面が概ね先細りに形成された凹部を、塑性変形によって形成して、柱状フィンをフィン収容穴にかしめ接合する。
【0041】
図8に示すように、ベースプレート1上に、概ね千鳥格子状にフィン収容穴を形成し、このように形成されたフィン収容穴に、円柱状フィンを装入する。例えば、図8に示すように、フィン収容穴、装入された円柱フィンが、3a、3b、3c、更に、3d、3e、3fと千鳥格子状に概ね正三角形を形成するように配置する。このように配置されたフィン収容穴に装入された各円柱フィンの全周に、円柱フィンと概ね相似形の平面状の刃先によって塑性変形する。図7に円柱状フィンと相似形の円筒状のカシメ刃を配設した状態を示す。図7に示すように、ベースプレート1上に形成されたフィン収容穴に装入された円柱状フィンのそれぞれの全周をフィンと相似形の円筒状のカシメ刃が囲み、押圧される。
【0042】
図9を参照して、その詳細を説明する。図9は、この態様のヒートシンクの製造方法を示す図である。図9(a)は、柱状フィンの周りに円筒状のカシメ刃を配置した部分断面図である。図9(b)は、図9(a)の刃先部を拡大した部分断面図である。図9(c)は、柱状フィンが、塑性変形によって形成された傾斜した側面によってカシメ接合された状態を示す部分断面図である。図9(d)は、カシメ刃の先端部の断面の拡大図である。
【0043】
図9(a)に示すように、ベースプレート1に、千鳥格子状に形成されたフィン収容穴2に、柱状フィン例えば円柱フィン3が装入される。ベースプレート1に形成されたフィン収容穴2に装入された柱状フィン3の全周を囲み、その先端がベースプレート1に接するように、円筒状のカシメ刃35が配設される。図9(d)に示すように、円筒状のカシメ刃35の先端部35aは、平面状の刃先からなっている。
【0044】
図9(b)に示すように、ベースプレート1に形成されたフィン収容穴2に装入された柱状フィン3の全周を囲むように、その先端がベースプレート1に接するように配設されたカシメ刃25が、柱状フィンの周囲の近傍を押圧し、先端部が平面状の刃先によって、塑性変形させる。円筒状カシメ刃は、円柱状フィンと同心円である。図9(c)に示すように、フィン収容穴2の全周を囲むように、塑性変形によって形成された凹部34は、断面が概ね台形状に先細りに形成されているので、塑性変形の量が多い。従って、傾斜した側面34bが柱状フィン3に押し付けられて、フィン収容穴2の深い位置まで圧縮される。その結果、柱状フィン3の全周は、広い面積において、フィン収容穴2の側面34bによって強固にかしめ接合される。
【0045】
この態様のヒートシンクにおいては、カシメ刃群をベースプレートに所定の圧力で押し付けるので、円柱状フィンの周囲のベースプレートが円周状にカシメられ、完全に固定される。円筒状のカシメ刃は、板状のカシメ刃よりも強度が高く、細かい間隙でも、効果的にカシメることができる。
上述した柱状フィンの断面形状は、多角形、長方形、舟形、翼型でもよい。柱状フィンの材質として、アルミニウム、銅、その他の熱伝導素材を利用することができる。更に、柱状フィンの配置は格子状に限定されることはない。穴あけ等の必要な箇所、他の部品が存在する箇所は、柱状フィンを配置しなくてもよい。更に、柱状フィンの高さは、状況に対応して、適宜、変更することができる。
【0046】
図4は、柱状フィンの上に設けられるファンの取り付け方法の一例を示す。図4(a)は部分側面図を示す。図4(b)は平面図を示す。図4に示すように、4本の柱状フィンの先端を外側から固定し、その中心部にネジを挿入することができるファンアタッチメント7を使用して、柱状ファンの上部にファンを取り付ける。このようにファンを配置することによって、ファンの風はヒートシンクに向かって吹き付けられる。
【0047】
複数の柱状フィンが格子状、または、千鳥格子状に配置されているので、ファンから吹き付けられた風の流れの方向は、特定の方向に固定されること無く、四方八方にファンの間を広がり、通過するので、均一な熱伝達によって放熱性能が向上する。
更に、この発明のヒートシンクにおいては、ヒートシンクのベースプレート1が板型ヒートパイプからなっていてもよい。この場合には、ベースプレートに伝わった熱が、ヒートパイプにより速やかに移動するため、ベースプレート内の熱拡散が効率良く行われ、ヒートシンクの放熱特性が向上する。
この発明のヒートシンクを実施例によって更に詳細に説明する。
【0048】
【実施例】
実施例1
縦80mm、横80mm、厚さ10mmのアルミニウム製のベースプレート1に、8mmピッチで、図2(a)に示すような一辺が4mmの正方形のフィン収容穴2を格子状に合計100箇所配列した。このフィン収容穴は、鍛造によって形成した。
上述したフィン収容穴に、図2(b)に示すような一辺が4mm、長さ(高さ)44mmの銅製の正方形柱のフィン部材を装入した。次いで、正方形柱状フィンの間を、平行に配置された複数のカシメ刃からなるカシメ刃群によって、押圧して塑性変形して、正方形柱状フィンをベースプレートにカシメ接合した。即ち、カシメ刃は、正方形柱フィン間の中心に、それぞれ平行に等間隔で挿入され、その刃先は2つの刃を有する二股形状からなっている。
【0049】
二股形状の刃先のそれぞれが、正方形柱状フィンから約1mmの部分を連続的に押し込んで、図3(e)に示すように、底面4aと傾斜した側面4bを有する断面が概ね台形状に先細りに形成された凹部を、塑性変形によって形成し、このように塑性変形された傾斜した側面4bによって、正方形柱状フィンをベースプレートと機械的にかしめて、図1に示すようなヒートシンクを作製した。
【0050】
このように作製したヒートシンクにおいては、正方形柱状フィンがベースプレートから外れることがない充分な機械的強度が得られると共に、正方形柱状フィンとベースプレートが広い面積で熱的に接触して、伝熱性能が向上する。
更に、本実施例では、図4に示すように、隣接する4本の角柱状フィン3の上端部を外側から固定して、その中心にネジ6を挿入することができるファンアタッチメント7を用いて、上部にファン8を取り付けている。ファンの風は、ヒートシンクに向かって吹き付けられるが、従来の押し出し材によるヒートシンクと異なり、風の流れ方向が固定されることなく、四方八方に角柱状フィン間を通過するため、均一な熱伝達によって放熱性能が向上する。
【0051】
実施例2
図5に示すように、縦60mm、横60mm、厚さ8mmのアルミニウム製のベースプレート1に、6mmピッチでφ4mm、深さ3mmのフィン収容穴2を、正三角形からなる千鳥格子状に配置(3a、3b、3c、3d、3e…)されるように、形成した。このフィン収容穴は、エンドミルによって機械加工を施した。上述したファン収容穴2に、アルミニウム製のφ4mm、長さ(高さ)32mmの円筒形のフィン部材3を装入した。次いで、円筒形状フィンの間を、平行に配置された複数のカシメ刃からなるカシメ刃群によって、交差する2方向において押圧し、塑性変形して、円筒形状フィンをベースプレートにカシメ接合した。
【0052】
即ち、カシメ刃25は、図5に示すように、平行に配置された複数本のカシメ刃からなっており、それぞれ刃厚が1.4mmで、ベースプレートの周囲の辺に対して、30°の角度で平行に約8.5mm間隔で配設され、ベースプレート部を、刃先で押圧して、図6(e)に示すような、底面24aと傾斜した側面24bを有する断面が概ね台形状に先細りに形成された凹部を、塑性変形によって形成して、傾斜した側面によって、円筒状フィンとベースプレートとを機械的にかしめて接合している。次いで、図5に点線で示すように、30°方向で再度カシメの刃先で、ベースプレート部を押圧して、上述したと同様に、塑性変形された傾斜した側面によって、円筒状フィンとベースプレートとを機械的にかしめて接合し、固定強度を増した。
【0053】
このように作製したヒートシンクにおいては、円筒形状フィンがベースプレートから外れることがない充分な機械的強度が得られると共に、円筒形状フィンとベースプレートが広い面積で熱的に接触して、伝熱性能が向上する。
【0054】
実施例3
図8に示すように、縦60mm、横60mm、厚さ8mmのアルミニウム製のベースプレートに、6mmピッチでφ3mm、深さ3mmのフィン収容穴を、正三角形からなる千鳥格子状に配置されるように、形成した。このフィン収容穴は、鍛造工程によって成型されている。上述したフィン収容穴に、アルミニウム製のφ3mm、長さ(高さ)33mmの円筒形のフィン部材を装入した。次いで、円筒形状フィンの周囲を、円筒形状フィンと同心円の相似形の複数のカシメ刃からなるカシメ刃群によって、押圧して塑性変形して、円筒形状フィンをベースプレートにカシメ接合した。
【0055】
即ち、カシメ刃は、刃先の直径が4.5mm、厚さが1.4mmの円筒形からなっており、カシメ刃も、ピッチ6mmの正三角形からなる千鳥格子状に配列されており、各円筒形状フィンに対して同心円上で囲むようになっている。このカシメ群をベースプレートに所定の圧力で押し付けることによって、円筒形状フィンは、その全周をベースプレートにカシメられ、完全に固定される。円筒形のカシメ刃は、平板状のカシメ刃よりも強度が高いので、円筒形状フィンの間隙が更に細かいときにも、円筒形状フィンをベースプレートに効果的にカシメることができる。
【0056】
上述したように、この発明によると、柱状フィンの間をカシメ刃でプレスすることによって、銅などの硬い部材であってもアルミニウムと同等の設備で製造が可能となるばかりでなく、フィン全体を均一に嵌合でき信頼性が向上する。
【0057】
カシメ刃の刃先の形状は、上述した以外の各種態様を用いることもできる。カシメ刃のプレス方法は、フィン間を1回づつクリンプしていっても、一度に何本かの刃でクリンプしても構わない。また、カシメ刃を移動するのではなく、固定したカシメ刃に対して、柱状フィンが装入されたベースプレートをプレスする等の方法をとっても構わない。また、カシメ刃の刃先の形状は、材質、硬度、大きさによって自由に変更することができる。
【0058】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明のヒートシンクは、ベースプレートのフィン取付面に設けた複数のフィン収容穴に柱状フィンが装入され、フィン収容穴の近傍に断面略台形の凹部が塑性変形によって設けられ、この塑性変形によって柱状フィンがフィン収容穴内にかしめ接合されているので、柱状フィンはフィン収容穴の奥深くまで圧縮され、柱状フィンはフィン収容穴に強固にかしめ接合される。更に、柱状フィンとベースプレートの接触面積が広いので、熱的に広い範囲で接続され、伝熱効果に優れており、工業上顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のヒートシンクの1つの態様を示す概略平面図である。
【図2】図2(a)は、ベースプレートに形成されたフィン収容穴を示す部分図である。図2(b)は、フィン収容穴に装入される柱状フィンの一例を示す図である。
【図3】図3(a)は、柱状フィンの間にカシメ刃を配置した部分断面図である。図3(b)は、柱状フィンの間に配置されたカシメ刃が、柱状フィンの近傍に押圧された状態を示す部分断面図である。図3(c)は、柱状フィンが、塑性変形によって形成された傾斜した側面によってカシメ接合された状態を示す部分断面図である。図3(d)は、カシメ刃の先端部の断面の拡大図である。
【図4】図4は、柱状フィンの上に設けられるファンの取り付け方法の一例を示す。
【図5】図5は、この発明のヒートシンクおよびその製造方法の他の態様を示す概略平面図である。
【図6】図6は、この態様のヒートシンクの製造方法を示す図である。図6(a)は、柱状フィンの間にカシメ刃を配置した部分断面図である。図6(b)は、柱状フィンの間に配置されたカシメ刃が、柱状フィンの間の間隙に押圧された状態を示す部分断面図である。図6(c)は、柱状フィンが、塑性変形によって形成された傾斜した側面によってカシメ接合された状態を示す部分断面図である。図6(d)は、カシメ刃の先端部の断面の拡大図である。図6(e)は、柱状フィン間に形成された、平らな底面および傾斜した側面を有する断面形状が概ね台形状に先細りに形成された凹部を示す部分拡大図である。
【図7】図7は、この発明のヒートシンクおよびその製造方法の他の態様を示す概略平面図である。
【図8】図8は、この発明のヒートシンクの1つの態様の平面図である。
【図9】図9(a)は、柱状フィンの周りに円筒状のカシメ刃を配置した部分断面図である。図9(b)は、図9(a)の刃先部を拡大した部分断面図である。図9(c)は、柱状フィンが、塑性変形によって形成された傾斜した側面によってカシメ接合された状態を示す部分断面図である。図9(d)は、カシメ刃の先端部の断面の拡大図である。
【符号の説明】
1 ベースプレート
2 フィン収容穴
3 柱状フィン
4 凹部
4a底面
4b傾斜した側面
5 カシメ刃
6 ネジ
7 ファンアタッチメント
8 ファン
24a底面
24b傾斜した側面
25カシメ刃
34a底面
34b傾斜した側面
35カシメ刃
【発明の属する技術分野】
本発明は、柱状フィンが強固にかしめ接合されたヒートシンクおよびその製造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ヒートシンクとファンとが一体となった所謂アクティブヒートシンクにおいては、ファンをヒートシンクの上部に取り付け、ヒートシンクのベース部に向けて空気を吹き付けるタイプが一般的に用いられている。この場合、発熱素子等の発熱体の発熱量がそれほど多くない場合には、アルミニウムの押し出し材等を利用して、放熱することが可能であった。しかし、発熱素子の発熱量が増加すると、アルミニウムの押し出し材等を利用して、充分に放熱することが困難である。そのために、ファンからの風の流れを有効(風の流れの抵抗を軽減する)に利用するために、フィンの形状に各種のアイディアを取り入れ、形状を変化させた。その1つに、角柱や円柱形状のフィンを立てて使用するいわゆるピンフィンがある。ピンフィンを用いると、フィンに吹き付けられた風の流れ方向を規制することがなく自由に流れ、且つ、ピンフィンの側面が放熱面となるので、押し出し材よりも放熱性能が向上する場合がある。
ピンフィンの製造方法の例としては、アルファ社製のマイクロフォージングと呼ばれる特殊な冷間鍛造法や、ブレージングなどによるロウ付けによる製造法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、冷間鍛造法は製造時間が長くかかり、数量が多い場合には、量産には適しない。また、ブレージングはアルミニウムが炉中で軟化するため、ピンの整直性や強度に不安があった。
【0004】
本発明はこのような状況に鑑みなされたもので、その目的とするところは、ベース板のフィン収容穴に柱状フィンが強固にかしめ接合された放熱特性に優れたヒートシンクおよびその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
発明者は、上述した従来の問題点を解決するため、鋭意研究を重ねた。その結果、柱状フィンの周りの塑性変形量を多くすることによって、柱状フィンが装入されるフィン収容穴の深い位置まで塑性変形され、かしめの強度および精度を高め、放熱特性を向上させることが判明した。更に、ベースプレートの隣接するフィン収容穴の間に、平らな底面および傾斜した側面を有する断面が概ね台形状に先細りに塑性変形によって形成された凹部を備えることによって、塑性変形量を多くすることが判明した。
【0006】
この発明は、上述した研究結果に基づくものであって、この発明のヒートシンクの第1の態様は、複数のフィン収容穴および前記フィン収容穴の周囲の少なくとも一部に、塑性変形によって形成された、底面および傾斜した側面を有する断面が凹部を備えたベースプレートと、
前記フィン収容穴に装入され、前記凹部の前記塑性変形によって形成された前記傾斜した側面によって、かしめ接合された複数の柱状フィンとからなるヒートシンクである。
【0007】
この発明のヒートシンクの第2の態様は、前記凹部が平らな底面および傾斜した側面を有する断面が概ね台形状に先細りに形成されている、ヒートシンクである。
【0008】
この発明のヒートシンクの第3の態様は、前記フィン収容穴の全周に前記凹部が形成され、前記柱状フィンが周囲からかしめ接合されている、ヒートシンクである。
【0009】
この発明のヒートシンクの第4の態様は、前記柱状フィンが円筒状ピンフィン、または、四角注状ピンフィンからなっている、ヒートシンクである。
【0010】
この発明のヒートシンクの第5の態様は、前記複数の柱状フィンが概ね格子状に配置されている、ヒートシンクである。
【0011】
この発明のヒートシンクの第6の態様は、前記複数の柱状フィンが概ね千鳥格子状に配置されている、ヒートシンクである。
【0012】
この発明のヒートシンクの第7の態様は、前記凹部が、前記柱状フィンの廻りに、前記柱状フィンと相似形に形成されているヒートシンクである。
【0013】
この発明のヒートシンクの第8の態様は、ファンが前記柱状フィンの上部に更に備えられている、ヒートシンクである。
【0014】
この発明のヒートシンクの製造方法の第1の態様は、下記工程を備えたヒートシンクの製造方法である:
ベースプレートのフィン取付面に複数のフィン収容穴を形成し、
前記フィン収容穴に柱状フィンを装入し、
前記フィン収容穴の周囲の少なくとも一部に、塑性変形により、底面および傾斜した側面を有する断面が凹部を形成して、前記柱状フィンを前記フィン収容穴にかしめ接合する。
【0015】
この発明のヒートシンクの製造方法のその他の態様は、前記凹部が平らな底面および傾斜した側面を有する断面が概ね台形状に先細りに形成されている、ヒートシンクの製造方法である。
【0016】
この発明のヒートシンクの製造方法のその他の態様は、前記複数のフィン収容穴が概ね格子状に形成され、前記フィン収容穴に挿入された前記柱状フィンの間の間隙を、平面状の刃先によって、前記凹部を形成して、前記柱状フィンを前記フィン収容穴にかしめ接合する、ヒートシンクの製造方法である。
【0017】
この発明のヒートシンクの製造方法のその他の態様は、前記複数のフィン収容穴が概ね格子状に形成され、前記フィン収容穴に挿入された前記柱状フィンの全周に、前記柱状フィンの形状と概ね相似形の平面状の刃先によって、前記凹部を形成して、前記柱状フィンを前記フィン収容穴にかしめ接合する、ヒートシンクの製造方法である。
【0018】
この発明のヒートシンクの製造方法のその他の態様は、前記複数のフィン収容穴が概ね千鳥格子状に形成されている、ヒートシンクの製造方法である。
【0019】
この発明のヒートシンクの製造方法のその他の態様は、前記刃が二股形状の刃からなっており、前記二股形状の刃のそれぞれの断面が台形状に先細りに形成されてた平面状の刃先からなっている、ヒートシンクの製造方法である。
【0020】
この発明のヒートシンクの製造方法のその他の態様は、前記柱状フィンが円筒状ピンフィン、または、四角注状ピンフィンからなっている、ヒートシンクの製造方法である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施態様を図面を参照して具体的に説明する。
この発明のヒートシンクは、複数のフィン収容穴および前記フィン収容穴の周囲の少なくとも一部に、塑性変形によって形成された、底面および傾斜した側面を有する断面が凹部を備えたベースプレートと、
前記フィン収容穴に装入され、前記凹部の前記塑性変形によって形成された前記傾斜した側面によって、かしめ接合された複数の柱状フィンとからなるヒートシンクである。即ち、柱状フィンの形状に応じて、その周りの一部、または、全周を完全にカシメる。
【0022】
図1は、本発明のヒートシンクの1つの態様を示す概略平面図である。図2(a)は、ベースプレートに形成されたフィン収容穴を示す部分図である。図2(b)は、フィン収容穴に装入される柱状フィンの一例を示す図である。図3(e)は、柱状フィン間に形成された、平らな底面および傾斜した側面を有する断面形状が凹部を示す部分拡大図である。
【0023】
この態様のヒートシンクにおいては、ベースプレート1のフィン取付面に、概ね格子状(等間隔で縦横方向に)に設けた複数のフィン収容穴2に柱状(例えば、角柱状)フィン3が装入され、フィン収容穴の周囲に、平らな底面および傾斜した側面からなる断面が概ね台形状に先細りに形成された凹部が、塑性変形によって形成されている。このようになされた塑性変形によって、柱状フィン3がフィン収容穴2内にかしめ接合されている。
【0024】
図3(e)に示すように、このヒートシンクにおいては、フィン取付面のフィン収容穴側方の近傍に塑性変形によって形成された凹部4は、断面が概ね台形状に先細りに形成されているので、塑性変形の量が多く、傾斜した側面4bが柱状フィン3に押し付けられて、フィン収容穴2の深い位置まで圧縮される。従って、柱状フィン3は、広い面積において、フィン収容穴2の側面によって強固にかしめ接合される。
【0025】
この発明のヒートシンクは、下記工程によって製造される:即ち、
ベースプレートのフィン取付面に複数のフィン収容穴を形成し、
前記フィン収容穴に柱状フィンを装入し、
前記フィン収容穴の周囲の少なくとも一部に、塑性変形により、底面および傾斜した側面を有する断面が概ね先細りに形成された凹部を形成して、前記柱状フィンを前記フィン収容穴にかしめ接合する。
【0026】
図3は、この発明のヒートシンクの製造方法を示す図である。図3(a)は、柱状フィンの間にカシメ刃を配置した部分断面図である。図3(b)は、柱状フィンの間に配置されたカシメ刃が、柱状フィンの近傍に押圧された状態を示す部分断面図である。図3(c)は、柱状フィンが、塑性変形によって形成された傾斜した側面によってカシメ接合された状態を示す部分断面図である。図3(d)は、カシメ刃の先端部の断面の拡大図である。図3(e)は、柱状フィン間に形成された、平らな底面および傾斜した側面を有する断面形状が概ね台形状に先細りに形成された凹部を示す部分拡大図である。
【0027】
図2(a)に示す、ベースプレート1に形成されたフィン収容穴2に、柱状フィン例えば四角柱フィン3が装入される。図3(a)に示すように、ベースプレート1に形成されたフィン収容穴2に装入された柱状フィン3の間に、その先端がベースプレート1に接するように、カシメ刃5が配設される。図3(d)に示すように、カシメ刃5の先端部は、二股形状の刃からなっており、二股形状の刃のそれぞれの断面が台形状に先細りに形成された平面状の刃先51、52からなっている。
【0028】
次いで、図3(b)に示すように、ベースプレート1に形成されたフィン収容穴2に装入された柱状フィン3の間に、その先端がベースプレート1に接するように配設されたカシメ刃5が、ベースプレートに押圧され、柱状フィン間を塑性変形させる。このように柱状フィン間になされた塑性変形によって、柱状フィンがベースプレートに堅固にカシメ接合される。
【0029】
即ち、図3(e)に示すように、フィン収容穴2側方の近傍に塑性変形によって形成された凹部4は、断面が概ね台形状に先細りに形成されているので、塑性変形の量が多い。従って、傾斜した側面4bが柱状フィン3に押し付けられて、フィン収容穴2の深い位置まで圧縮される。その結果、柱状フィン3は、広い面積において、フィン収容穴2の側面によって強固にかしめ接合される。
【0030】
図5は、この発明のヒートシンクおよびその製造方法の他の態様を示す概略平面図である。この態様のヒートシンクは、概ね千鳥格子状に配置された複数のフィン収容穴および前記フィン収容穴の周囲の少なくとも一部に、塑性変形によって形成された、底面および傾斜した側面を有する断面が概ね先細りに形成された凹部を備えたベースプレートと、
フィン収容穴に装入され、凹部の塑性変形によって形成された傾斜した側面によって、かしめ接合された複数の柱状フィンとからなるヒートシンクである。
【0031】
この態様にヒートシンクは、下記工程によって製造される:即ち、
ベースプレートのフィン取付面に複数のフィン収容穴を概ね千鳥格子状に形成し、
前記フィン収容穴に柱状フィンを装入し、
前記フィン収容穴に挿入された前記柱状フィンの間の間隙を、平面状の刃先によって、底面および傾斜した側面を有する断面が概ね先細りに形成された凹部を、塑性変形によって形成して、前記柱状フィンを前記フィン収容穴にかしめ接合する。
【0032】
図5に示すように、ベースプレート1上に、概ね千鳥格子状にフィン収容穴を形成し、このように形成されたフィン収容穴に、円柱状フィンを装入する。例えば、図5に示すように、フィン収容穴、装入された円柱フィンが、3a、3b、3c、3d、3eと千鳥格子状に概ね正三角形を形成するように配置する。このように配置されたフィン収容穴に装入された円柱フィンの間の間隙を、平面状の刃先によって塑性変形する。
【0033】
例えば、図5に示すように、円柱フィン3aと3b3cの間、3b、3c、と3d、3eの間の間隙を、平行に配置されたカシメ刃群(図中には、2枚のカシメ刃25を示す)によって押圧して、平らな底面および傾斜した側面を有する断面が概ね先細りに形成された凹部を形成して、円柱状フィンをフィン収容穴にかしめ接合する。更に、上述したカシメ刃群に交差する方向に(図中に点線で示す)、同様にカシメ群を用いて、円柱状フィンをフィン収容穴にかしめ接合する。
【0034】
図6を参照して、その詳細を説明する。図6は、この態様のヒートシンクの製造方法を示す図である。図6(a)は、柱状フィンの間にカシメ刃を配置した部分断面図である。図6(b)は、柱状フィンの間に配置されたカシメ刃が、柱状フィンの間の間隙に押圧された状態を示す部分断面図である。図6(c)は、柱状フィンが、塑性変形によって形成された傾斜した側面によってカシメ接合された状態を示す部分断面図である。図6(d)は、カシメ刃の先端部の断面の拡大図である。図6(e)は、柱状フィン間に形成された、平らな底面および傾斜した側面を有する断面形状が概ね台形状に先細りに形成された凹部を示す部分拡大図である。
【0035】
図6(a)に示す、ベースプレート1に、千鳥格子状に形成されたフィン収容穴2に、柱状フィン例えば円柱フィン3が装入される。図6(a)に示すように、ベースプレート1に形成されたフィン収容穴2に装入された柱状フィン3の間の間隙に、その先端がベースプレート1に接するように、平行に配置されたカシメ刃25が配設される。図6(d)に示すように、カシメ刃5の先端部は、平面状の刃先からなっている。
【0036】
次いで、図6(b)に示すように、ベースプレート1に形成されたフィン収容穴2に装入された柱状フィン3の間に、その先端がベースプレート1に接するように配設されたカシメ刃25が、ベースプレートに押圧され、柱状フィン間を塑性変形させる。このように柱状フィン間になされた塑性変形によって、柱状フィンがベースプレートに堅固にカシメ接合される。
【0037】
即ち、図6(e)に示すように、フィン収容穴2側方の近傍に塑性変形によって形成された凹部24は、断面が概ね台形状に先細りに形成されているので、塑性変形の量が多い。従って、傾斜した側面24bが柱状フィン3に押し付けられて、フィン収容穴2の深い位置まで圧縮される。その結果、柱状フィン3は、広い面積において、フィン収容穴2の側面によって強固にかしめ接合される。
【0038】
この態様のヒートシンクにおいては、フィン収容穴に装入された円柱フィンが、平行に配置されたカシメ刃群によって、先ず、一方の方向に沿って押圧され、更に、それと交差する他の方向に沿って更に押圧されて、フィン収容穴にカシメ接合される。従って、固定強度が高まる。
【0039】
図7は、この発明のヒートシンクおよびその製造方法の他の態様を示す概略平面図である。この態様のヒートシンクは、概ね千鳥格子状に配置された複数のフィン収容穴、および、前記フィン収容穴の周囲に、塑性変形によって形成された、底面および傾斜した側面を有する断面が概ね先細りに形成された凹部を備えたベースプレートと、
フィン収容穴に装入され、凹部の塑性変形によって形成された傾斜した側面によって、かしめ接合された複数の柱状フィンとからなるヒートシンクである。上述した凹部が、柱状フィンの廻りに、柱状フィンと相似形に形成されている
【0040】
この態様にヒートシンクは、下記工程によって製造される:即ち、
ベースプレートのフィン取付面に複数のフィン収容穴を概ね千鳥格子状に形成し、
前記フィン収容穴に柱状フィンを装入し、
前記フィン収容穴に挿入された前記柱状フィンの間の全周に、前記柱状フィンの形状と概ね相似形の平面状の刃先によって、底面および傾斜した側面を有する断面が概ね先細りに形成された凹部を、塑性変形によって形成して、柱状フィンをフィン収容穴にかしめ接合する。
【0041】
図8に示すように、ベースプレート1上に、概ね千鳥格子状にフィン収容穴を形成し、このように形成されたフィン収容穴に、円柱状フィンを装入する。例えば、図8に示すように、フィン収容穴、装入された円柱フィンが、3a、3b、3c、更に、3d、3e、3fと千鳥格子状に概ね正三角形を形成するように配置する。このように配置されたフィン収容穴に装入された各円柱フィンの全周に、円柱フィンと概ね相似形の平面状の刃先によって塑性変形する。図7に円柱状フィンと相似形の円筒状のカシメ刃を配設した状態を示す。図7に示すように、ベースプレート1上に形成されたフィン収容穴に装入された円柱状フィンのそれぞれの全周をフィンと相似形の円筒状のカシメ刃が囲み、押圧される。
【0042】
図9を参照して、その詳細を説明する。図9は、この態様のヒートシンクの製造方法を示す図である。図9(a)は、柱状フィンの周りに円筒状のカシメ刃を配置した部分断面図である。図9(b)は、図9(a)の刃先部を拡大した部分断面図である。図9(c)は、柱状フィンが、塑性変形によって形成された傾斜した側面によってカシメ接合された状態を示す部分断面図である。図9(d)は、カシメ刃の先端部の断面の拡大図である。
【0043】
図9(a)に示すように、ベースプレート1に、千鳥格子状に形成されたフィン収容穴2に、柱状フィン例えば円柱フィン3が装入される。ベースプレート1に形成されたフィン収容穴2に装入された柱状フィン3の全周を囲み、その先端がベースプレート1に接するように、円筒状のカシメ刃35が配設される。図9(d)に示すように、円筒状のカシメ刃35の先端部35aは、平面状の刃先からなっている。
【0044】
図9(b)に示すように、ベースプレート1に形成されたフィン収容穴2に装入された柱状フィン3の全周を囲むように、その先端がベースプレート1に接するように配設されたカシメ刃25が、柱状フィンの周囲の近傍を押圧し、先端部が平面状の刃先によって、塑性変形させる。円筒状カシメ刃は、円柱状フィンと同心円である。図9(c)に示すように、フィン収容穴2の全周を囲むように、塑性変形によって形成された凹部34は、断面が概ね台形状に先細りに形成されているので、塑性変形の量が多い。従って、傾斜した側面34bが柱状フィン3に押し付けられて、フィン収容穴2の深い位置まで圧縮される。その結果、柱状フィン3の全周は、広い面積において、フィン収容穴2の側面34bによって強固にかしめ接合される。
【0045】
この態様のヒートシンクにおいては、カシメ刃群をベースプレートに所定の圧力で押し付けるので、円柱状フィンの周囲のベースプレートが円周状にカシメられ、完全に固定される。円筒状のカシメ刃は、板状のカシメ刃よりも強度が高く、細かい間隙でも、効果的にカシメることができる。
上述した柱状フィンの断面形状は、多角形、長方形、舟形、翼型でもよい。柱状フィンの材質として、アルミニウム、銅、その他の熱伝導素材を利用することができる。更に、柱状フィンの配置は格子状に限定されることはない。穴あけ等の必要な箇所、他の部品が存在する箇所は、柱状フィンを配置しなくてもよい。更に、柱状フィンの高さは、状況に対応して、適宜、変更することができる。
【0046】
図4は、柱状フィンの上に設けられるファンの取り付け方法の一例を示す。図4(a)は部分側面図を示す。図4(b)は平面図を示す。図4に示すように、4本の柱状フィンの先端を外側から固定し、その中心部にネジを挿入することができるファンアタッチメント7を使用して、柱状ファンの上部にファンを取り付ける。このようにファンを配置することによって、ファンの風はヒートシンクに向かって吹き付けられる。
【0047】
複数の柱状フィンが格子状、または、千鳥格子状に配置されているので、ファンから吹き付けられた風の流れの方向は、特定の方向に固定されること無く、四方八方にファンの間を広がり、通過するので、均一な熱伝達によって放熱性能が向上する。
更に、この発明のヒートシンクにおいては、ヒートシンクのベースプレート1が板型ヒートパイプからなっていてもよい。この場合には、ベースプレートに伝わった熱が、ヒートパイプにより速やかに移動するため、ベースプレート内の熱拡散が効率良く行われ、ヒートシンクの放熱特性が向上する。
この発明のヒートシンクを実施例によって更に詳細に説明する。
【0048】
【実施例】
実施例1
縦80mm、横80mm、厚さ10mmのアルミニウム製のベースプレート1に、8mmピッチで、図2(a)に示すような一辺が4mmの正方形のフィン収容穴2を格子状に合計100箇所配列した。このフィン収容穴は、鍛造によって形成した。
上述したフィン収容穴に、図2(b)に示すような一辺が4mm、長さ(高さ)44mmの銅製の正方形柱のフィン部材を装入した。次いで、正方形柱状フィンの間を、平行に配置された複数のカシメ刃からなるカシメ刃群によって、押圧して塑性変形して、正方形柱状フィンをベースプレートにカシメ接合した。即ち、カシメ刃は、正方形柱フィン間の中心に、それぞれ平行に等間隔で挿入され、その刃先は2つの刃を有する二股形状からなっている。
【0049】
二股形状の刃先のそれぞれが、正方形柱状フィンから約1mmの部分を連続的に押し込んで、図3(e)に示すように、底面4aと傾斜した側面4bを有する断面が概ね台形状に先細りに形成された凹部を、塑性変形によって形成し、このように塑性変形された傾斜した側面4bによって、正方形柱状フィンをベースプレートと機械的にかしめて、図1に示すようなヒートシンクを作製した。
【0050】
このように作製したヒートシンクにおいては、正方形柱状フィンがベースプレートから外れることがない充分な機械的強度が得られると共に、正方形柱状フィンとベースプレートが広い面積で熱的に接触して、伝熱性能が向上する。
更に、本実施例では、図4に示すように、隣接する4本の角柱状フィン3の上端部を外側から固定して、その中心にネジ6を挿入することができるファンアタッチメント7を用いて、上部にファン8を取り付けている。ファンの風は、ヒートシンクに向かって吹き付けられるが、従来の押し出し材によるヒートシンクと異なり、風の流れ方向が固定されることなく、四方八方に角柱状フィン間を通過するため、均一な熱伝達によって放熱性能が向上する。
【0051】
実施例2
図5に示すように、縦60mm、横60mm、厚さ8mmのアルミニウム製のベースプレート1に、6mmピッチでφ4mm、深さ3mmのフィン収容穴2を、正三角形からなる千鳥格子状に配置(3a、3b、3c、3d、3e…)されるように、形成した。このフィン収容穴は、エンドミルによって機械加工を施した。上述したファン収容穴2に、アルミニウム製のφ4mm、長さ(高さ)32mmの円筒形のフィン部材3を装入した。次いで、円筒形状フィンの間を、平行に配置された複数のカシメ刃からなるカシメ刃群によって、交差する2方向において押圧し、塑性変形して、円筒形状フィンをベースプレートにカシメ接合した。
【0052】
即ち、カシメ刃25は、図5に示すように、平行に配置された複数本のカシメ刃からなっており、それぞれ刃厚が1.4mmで、ベースプレートの周囲の辺に対して、30°の角度で平行に約8.5mm間隔で配設され、ベースプレート部を、刃先で押圧して、図6(e)に示すような、底面24aと傾斜した側面24bを有する断面が概ね台形状に先細りに形成された凹部を、塑性変形によって形成して、傾斜した側面によって、円筒状フィンとベースプレートとを機械的にかしめて接合している。次いで、図5に点線で示すように、30°方向で再度カシメの刃先で、ベースプレート部を押圧して、上述したと同様に、塑性変形された傾斜した側面によって、円筒状フィンとベースプレートとを機械的にかしめて接合し、固定強度を増した。
【0053】
このように作製したヒートシンクにおいては、円筒形状フィンがベースプレートから外れることがない充分な機械的強度が得られると共に、円筒形状フィンとベースプレートが広い面積で熱的に接触して、伝熱性能が向上する。
【0054】
実施例3
図8に示すように、縦60mm、横60mm、厚さ8mmのアルミニウム製のベースプレートに、6mmピッチでφ3mm、深さ3mmのフィン収容穴を、正三角形からなる千鳥格子状に配置されるように、形成した。このフィン収容穴は、鍛造工程によって成型されている。上述したフィン収容穴に、アルミニウム製のφ3mm、長さ(高さ)33mmの円筒形のフィン部材を装入した。次いで、円筒形状フィンの周囲を、円筒形状フィンと同心円の相似形の複数のカシメ刃からなるカシメ刃群によって、押圧して塑性変形して、円筒形状フィンをベースプレートにカシメ接合した。
【0055】
即ち、カシメ刃は、刃先の直径が4.5mm、厚さが1.4mmの円筒形からなっており、カシメ刃も、ピッチ6mmの正三角形からなる千鳥格子状に配列されており、各円筒形状フィンに対して同心円上で囲むようになっている。このカシメ群をベースプレートに所定の圧力で押し付けることによって、円筒形状フィンは、その全周をベースプレートにカシメられ、完全に固定される。円筒形のカシメ刃は、平板状のカシメ刃よりも強度が高いので、円筒形状フィンの間隙が更に細かいときにも、円筒形状フィンをベースプレートに効果的にカシメることができる。
【0056】
上述したように、この発明によると、柱状フィンの間をカシメ刃でプレスすることによって、銅などの硬い部材であってもアルミニウムと同等の設備で製造が可能となるばかりでなく、フィン全体を均一に嵌合でき信頼性が向上する。
【0057】
カシメ刃の刃先の形状は、上述した以外の各種態様を用いることもできる。カシメ刃のプレス方法は、フィン間を1回づつクリンプしていっても、一度に何本かの刃でクリンプしても構わない。また、カシメ刃を移動するのではなく、固定したカシメ刃に対して、柱状フィンが装入されたベースプレートをプレスする等の方法をとっても構わない。また、カシメ刃の刃先の形状は、材質、硬度、大きさによって自由に変更することができる。
【0058】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明のヒートシンクは、ベースプレートのフィン取付面に設けた複数のフィン収容穴に柱状フィンが装入され、フィン収容穴の近傍に断面略台形の凹部が塑性変形によって設けられ、この塑性変形によって柱状フィンがフィン収容穴内にかしめ接合されているので、柱状フィンはフィン収容穴の奥深くまで圧縮され、柱状フィンはフィン収容穴に強固にかしめ接合される。更に、柱状フィンとベースプレートの接触面積が広いので、熱的に広い範囲で接続され、伝熱効果に優れており、工業上顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のヒートシンクの1つの態様を示す概略平面図である。
【図2】図2(a)は、ベースプレートに形成されたフィン収容穴を示す部分図である。図2(b)は、フィン収容穴に装入される柱状フィンの一例を示す図である。
【図3】図3(a)は、柱状フィンの間にカシメ刃を配置した部分断面図である。図3(b)は、柱状フィンの間に配置されたカシメ刃が、柱状フィンの近傍に押圧された状態を示す部分断面図である。図3(c)は、柱状フィンが、塑性変形によって形成された傾斜した側面によってカシメ接合された状態を示す部分断面図である。図3(d)は、カシメ刃の先端部の断面の拡大図である。
【図4】図4は、柱状フィンの上に設けられるファンの取り付け方法の一例を示す。
【図5】図5は、この発明のヒートシンクおよびその製造方法の他の態様を示す概略平面図である。
【図6】図6は、この態様のヒートシンクの製造方法を示す図である。図6(a)は、柱状フィンの間にカシメ刃を配置した部分断面図である。図6(b)は、柱状フィンの間に配置されたカシメ刃が、柱状フィンの間の間隙に押圧された状態を示す部分断面図である。図6(c)は、柱状フィンが、塑性変形によって形成された傾斜した側面によってカシメ接合された状態を示す部分断面図である。図6(d)は、カシメ刃の先端部の断面の拡大図である。図6(e)は、柱状フィン間に形成された、平らな底面および傾斜した側面を有する断面形状が概ね台形状に先細りに形成された凹部を示す部分拡大図である。
【図7】図7は、この発明のヒートシンクおよびその製造方法の他の態様を示す概略平面図である。
【図8】図8は、この発明のヒートシンクの1つの態様の平面図である。
【図9】図9(a)は、柱状フィンの周りに円筒状のカシメ刃を配置した部分断面図である。図9(b)は、図9(a)の刃先部を拡大した部分断面図である。図9(c)は、柱状フィンが、塑性変形によって形成された傾斜した側面によってカシメ接合された状態を示す部分断面図である。図9(d)は、カシメ刃の先端部の断面の拡大図である。
【符号の説明】
1 ベースプレート
2 フィン収容穴
3 柱状フィン
4 凹部
4a底面
4b傾斜した側面
5 カシメ刃
6 ネジ
7 ファンアタッチメント
8 ファン
24a底面
24b傾斜した側面
25カシメ刃
34a底面
34b傾斜した側面
35カシメ刃
Claims (9)
- 複数のフィン収容穴および前記フィン収容穴の周囲の少なくとも一部に、塑性変形によって形成された、底面および傾斜した側面を有する断面が凹部を備えたベースプレートと、
前記フィン収容穴に装入され、前記凹部の前記塑性変形によって形成された前記傾斜した側面によって、かしめ接合された複数の柱状フィンとからなるヒートシンク。 - 前記凹部が平らな底面および傾斜した側面を有する断面が概ね台形状に先細りに形成されている、請求項1に記載のヒートシンク。
- 前記フィン収容穴の全周に前記凹部が形成され、前記柱状フィンが周囲からかしめ接合されている、請求項1または2に記載のヒートシンク。
- 前記柱状フィンが円筒状ピンフィン、または、四角注状ピンフィンからなっている、請求項1から3の何れか1項に記載のヒートシンク。
- 前記複数の柱状フィンが概ね格子状に配置されている、請求項1から4の何れか1項に記載のヒートシンク。
- 前記複数の柱状フィンが概ね千鳥格子状に配置されている、請求項1から4の何れか1項に記載のヒートシンク。
- 前記凹部が、前記柱状フィンの廻りに、前記柱状フィンと相似形に形成されている請求項1から6の何れか1項に記載のヒートシンク。
- ファンが前記柱状フィンの上部に更に備えられている、請求項1から7の何れか1項に記載のヒートシンク。
- 下記工程を備えたヒートシンクの製造方法:
ベースプレートのフィン取付面に複数のフィン収容穴を形成し、
前記フィン収容穴に柱状フィンを装入し、
前記フィン収容穴の周囲の少なくとも一部に、塑性変形により、底面および傾斜した側面を有する断面が凹部を形成して、前記柱状フィンを前記フィン収容穴にかしめ接合する。
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