JP2004310180A - カードリーダ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、カードの搬送路と、カードを搬送路内で移動させる搬送手段と、搬送路内に存在するカードの位置を検出するカード位置検出手段と、カードに可視画像を形成すると共に、カードに形成された可視画像を消去する画像形成消去手段とを備えたカードリーダであって、搬送路にカードを外部から取り込んだことを検知して、画像形成消去手段に予備加熱を行う構成とした。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カード等の情報記録媒体に、可視画像を形成、消去するカードリーダに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、カードはその携帯性に利便なことから、種々の用途で使用され、その種類も様々である。例えば、テレホンカード、乗車券等のプリペイドカード、定期券、回数券、ポイントカード、更に、銀行カード、キャッシュカード、クレジットカード、運転免許証等のIDカード、会員カード、身分証明書等が挙げられる。
【0003】
また、これらのカードは、個人識別情報や残高、累積ポイント等の情報を記録・保持するため、磁気記録層、光記録層、或いはICメモリ等に代表されるメモリ部を有している。これらのメモリ部に記録された情報は、専用のカードリーダで再生されるが、磁気記録層、光記録層、ICメモリに記録された情報は不可視情報であるので、カードの持ち主がその記録情報を直接確認する事はできない。
【0004】
そこで従来から、これら不可視の記録情報を可視的に表示する事がなされている。例えば、インクジェット、感熱転写、レーザービームプリンタ等の様々な印字手段によってカード表面に情報を印字したり、カードに予め感熱発色層を形成し感熱記録する等の追記型の表示がなされている。追記型の表示方法では、カード表面の表示領域の制約で、より多くの情報を表示できない。そこで最近では、書換可能な表示方法が採用されている。例えば、カードに液晶表示体を形成する場合や、加熱によって、繰り返し印字・消去が可能である熱可逆的材料を使用して表示する事もなされている。
【0005】
更に、これらのカードの用途、情報記録方式、表示方法が様々であることに加えて、カード基材を構成する材料や、磁気ストライプ、ICチップ等のメモリ部の位置、カードの大きさや厚み等の規格等も多種多様となっている。例えば、カード材料としては、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化酢酸ビニル(PVCA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネイト(PC)、生分解性材料等のプラスチックや紙、合成紙が使用されている。また、全ての識別カードに関するJISX6301や外部端子付きICカードに関するJISX6303の規定では、厚さが0.76mm±0.08mmである。一般には、0.28mm厚の塩化ビニルシート2枚を積層し、この表裏に0.1mm厚の塩化ビニルシートを貼合わせた構成が知られている。更に、カードによっては、口座番号、有効期限や所有者氏名が、カード基材を物理的に隆起させて形成される、いわゆるエンボス加工も施されている。このようなカードばかりではなく、テレホンカードに代表されるプリペイドカード等は、カード厚みが0.20〜0.28mm程度の薄手のカードである。
【0006】
このように現在カードは多種多様なものとなっている。そして、これらのカードから情報を読み取ったり(リード)、或いは、カードに対して情報を記録したり(ライト)、或いは、カードに表示する情報を書き換えたりする機能を有する装置がカードリーダである。
【0007】
ところで、上述したように、カードの磁気記録層、光記録層、ICメモリ等のメモリ部に記録・保持された個人識別情報や残高、累積ポイント等の不可視の記録情報を含め、その他種々の情報を可視的に表示する方法として、カードの表示部を繰り返し印字・消去が可能な熱可逆性材料によるリライト層で構成したカード(リライトカード)を用いて、このカードにサーマルヘッド等で印字を行って表示する方法がある。
【0008】
このような従来のカードリーダの装置構成としては、磁気ヘッド、印字ヘッド及び消去ヘッドを備えたものである。そして、磁気記録層及びリライト層を備えたカードに対して、磁気ヘッドによって、カードの磁気記録層に磁気情報の記録及び/又は再生を行い、印字ヘッドによって、カードに設けられたリライト層を加熱して、可視的な画像を形成し、更に、消去ヘッドによって、カードに設けられたリライト層に形成された画像を消去すると言うものである。
【0009】
また、印字ヘッドと消去ヘッドを個別に設けずに、一つの発熱抵抗体を設け、カードに設けられたリライト層を加熱して、オーバーライト記録することも行われている。このオーバーライト記録するカードリーダに関しては、(特許文献1)に開示されている。
【0010】
【特許文献1】
特開平05−8509号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のカードリーダは次のような課題があった。印字ヘッドと消去ヘッドを個別に設ける構成の場合では、熱容量の大きな消去ヘッドを用いるのでその消費電力が大きいと言う問題があった。また、印字ヘッドと消去ヘッドを独立運動させるための機構などを必要とし、カードリーダ自体を小型化する際の制約となっていた。更に、消去ヘッドの発熱量が大きいことも小型化の際の制約となっていた。
【0012】
また、印字ヘッドと消去ヘッドを個別に設けずに、オーバーライト記録する構成の場合では、熱容量の小さな印字ヘッドを使用して画像の形成と同時に消去を行うので、熱容量の大きな消去ヘッドを個別に設ける構成と比較して画像の消去能力が著しく劣り、カード上に形成された所定の画像等を完全に消去するためには、カードリーダの設置環境やカードの保持状態などが著しく限定されると言う問題があった。
【0013】
そこで、本発明は、上記従来の課題を解決するもので、低消費電力で、かつカードの消去性に優れたカードリーダを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、カードの搬送路と、カードを搬送路内で移動させる搬送手段と、搬送路内に存在するカードの位置を検出するカード位置検出手段と、カードに可視画像を形成すると共に、カードに形成された可視画像を消去する画像形成消去手段とを備えたカードリーダであって、搬送路にカードを外部から取り込んだことを検知して、画像形成消去手段に予備加熱を行う構成とした。
【0015】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、カードの搬送路と、カードを搬送路内で移動させる搬送手段と、搬送路内に存在するカードの位置を検出するカード位置検出手段と、カードに可視画像を形成すると共に、カードに形成された可視画像を消去する画像形成消去手段とを備えたカードリーダであって、搬送路にカードを外部から取り込んだことを検知して、画像形成消去手段に予備加熱を行う事を特徴とする。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、カード位置検出手段により、カードの搬送異常を検知して、実行中の画像形成消去手段への予備加熱を終了する事を特徴とする。
【0017】
請求項3に記載の発明は、請求項1,2において、時間を計測するタイマー機能を設け、画像形成消去手段への予備加熱が一定時間経過したことを検知して、実行中の画像形成消去手段への予備加熱を終了する事を特徴とする。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3において、搬送路内に存在するカードにデータを記録する動作かカードからデータを再生する動作の少なくとも一方の動作を行うデータ記録再生手段を設け、カードへのデータ記録の異常か、カードからのデータ再生の異常かの少なくとも一方を検知して、実行中の画像形成消去手段への予備加熱を終了する事を特徴とする。
【0019】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4において、カードへデータを正常に記録できた事か、カードからデータが正常に再生できた事かの少なくとも一方を検知して、画像形成消去手段に、カードに可視画像の形成及びカードに形成された可視画像への消去が可能な温度まで、加熱を行う事を特徴とする。
【0020】
請求項6に記載の発明は、請求項5において、画像形成消去手段によって、カードに可視画像の形成及び消去がなされた場合に、画像形成消去手段への加熱を終了する事を特徴とする。
【0021】
(実施の形態1)
以下、本発明の一実施の形態について説明する。
【0022】
図1は本発明の実施の形態1におけるカードリーダを示す模式側断面図である。
【0023】
図1において、1はカードであり、2はカード1が挿入される挿入口、3はカード1が搬送される搬送路、4はカード1を搬送する搬送ローラである。5はデータ記録再生手段としての磁気ヘッド、6は磁気ヘッド5に対してカード1を押圧する磁気ヘッド押圧ローラである。また、7は画像形成消去手段としてのサーマルヘッドであり、8はサーマルヘッド7に対向するプラテンローラである。更に、9は発光素子、10は受光素子であり、カード位置検出手段を構成している。
【0024】
カード1には、熱可逆性材料等を設けたリライトカードが用いられ、磁気記録層も有している。リライトカードは、例えば所定の温度以上に加熱することで、可視的な像などを形成し(印字)、所定の温度範囲内にカード1の温度を所定時間加熱することで、その形成された像などを不可視にすること(消去)が可能な熱可逆性材料によるリライト層を有した構成となっている。
【0025】
このカード1には、熱可逆性材料によるリライト層が用いられるが、その熱可逆性材料の例として、樹脂母材である高分子マトリックス中に、高級脂肪酸等の有機低分子物質を分散させ、温度に依存して透明状態と白濁状態とが可逆的に変化する可逆的加熱記録材料があげられ、更に、他の例として、発色剤と顕色剤との組み合わせを用いた可逆的熱発色性組成物があげられる。そして、これらの材料や組成物を適宜選択し、カードに直接塗布して被膜を形成するか、或いは、材料や組成物が塗布されたシートやラベルを貼付して用いることができ、カード1に表示部を形成することができる。これら熱可逆性材料を用いた表示部は、所定の温度以上で発色し、特定の温度範囲をある程度保持すれば消色するものである。
【0026】
なお、カード1は、図1中上側(サーマルヘッド7側)にリライト層を、図1中下側(磁気ヘッド5側)に磁気記録層をそれぞれ有している。
【0027】
カード1は挿入口2から挿入され、挿入口2の近傍に設けられたカード位置検出手段としての発光素子9及び受光素子10によって、カード1が挿入された事が検出される。
【0028】
そして、カード1は、搬送路3を複数の搬送ローラ4により搬送される。搬送ローラ4はローラ対を構成し、カード1を挟み込んでカード1を引き込み、送り出す動作を行うものであり、ローラ対の内、一方のローラが駆動し、他方のローラが連れ回るように構成されている。
【0029】
また、磁気ヘッド5は、カード1に磁気的な情報を記録か又は再生する動作の少なくとも一方の動作を行う。この時、カード1は、磁気ヘッド5及びこれに対向する磁気ヘッド押圧ローラ6によって挟み込まれ、カード1は一定速度で搬送され、カード1の磁気記録層に磁気情報の記録及び/又は再生がなされる。
【0030】
サーマルヘッド7は、カード1に設けられたリライト層を加熱して、可視的な画像を形成すると共に、不要な画像を消去するものであり、いわゆるオーバーライトを行う。サーマルヘッド7は、発熱抵抗体素子が一画素を形成し、この発熱抵抗体素子群を備える。
【0031】
このサーマルヘッド7について更に詳しく説明する。図2は本発明の実施の形態1におけるサーマルヘッドを示す斜視図である。図2において、11はセラミックベース、12は断熱グレース層、13は発熱抵抗体素子を示し、14は個別電極、15は共通電極である。また、16はサーミスタを示している。
【0032】
図2に示すように、サーマルヘッド7は、セラミックなどの断熱特性に優れた材料により形成されるセラミックベース11の端面に、セラミックベース11よりもさらに断熱特性に優れるガラスやシリカからなる50〜100μmの厚みの断熱グレース層12が形成されている。そして、断熱グレース層12の表面に発熱抵抗体素子13を備えている。この発熱抵抗体素子13には、個別電極14と共通電極15が接続され、各発熱抵抗体素子13が制御される。また、発熱抵抗体素子13は幅方向(カード1の幅方向であり、カード1の搬送方向と略垂直な方向)に複数形成され、発熱抵抗体素子群をなしている。更に、セラミックベース11には、セラミックベース11の温度を測定するためのサーミスタ16が接合されている。
【0033】
次に、本発明の実施の形態1におけるカードリーダの印字・消去の処理手順について図1〜図4を用いて説明する。
【0034】
ここで、図3は本発明の実施の形態1における印字・消去の処理手順を示すフローチャートであり、図4は本発明の実施の形態1におけるカード処理開始から完了までのサーマルヘッドの温度変化を示すグラフである。なお、図4において、(a)はセラミックベース11の温度であり、(b),(c)は発熱抵抗体素子13の温度である。(b)は印字温度、(c)は消去温度に相当する。
【0035】
図3に示すように、印字・消去の処理手順(1)〜(8)は次の通りである。
【0036】
(1)カード挿入検知
まず、挿入口2からカード1が挿入されると、制御部(図示せず)は、挿入口2の近傍に配置された発光素子9と受光素子10との組み合わせからなるカード位置検出手段により、カード1が挿入されたことを検知し(カード挿入検知)、タイマー動作を開始して(タイマーセット)、サーマルヘッド7の予備加熱を開始する(予備加熱開始)。サーマルヘッド7を加熱している間は、サーマルヘッド7に取り付けられたサーミスタ16によって温度を計測する。なお、発熱抵抗体素子13の温度は、予め、付与するエネルギーに対応する温度を測定しておき、付与エネルギーから算出して求める。
【0037】
(2)磁気データリード
その後、カード1を搬送ローラ4で、カードリーダの後端部側へ搬送する。カード1が磁気ヘッド5の上を通過すると、カード1の磁気記録層に記録された磁気データが磁気ヘッド5で読み取られる(磁気データリード)。この時、カード1の磁気記録層に記録された磁気データが不正なデータであった場合、或いは、磁気データを読み取れなかった場合(リードエラー)、更に、カード1が搬送路3内で搬送不良となった場合、異常な動作と判断してサーマルヘッド7への通電を停止する(予備加熱停止)。
【0038】
(3)キー入力待ち
読み取ったデータが正常な場合には、読み取った磁気データに応じた次の処理をカードリーダに設けられたディスプレイ部(図示せず)に表示する。この時、カードリーダはキー入力待ち状態にある。操作員は、そのディスプレイ部の表示に従い、カードリーダに設けられたキーパッド(図示せず)から新たなデータを入力する。この時、そのデータ入力が完了するまでの間も、サーマルヘッド7の温度は一定の温度に保たれているが、データ入力が、正常処理と判断される所定の時間内に完了しない場合、制御部は、所定時間を測定するタイマー機能を有しており、異常な動作と判断してサーマルヘッド7への通電を停止する(予備加熱停止)。なお、このデータ入力は外部接続機器から行うこともできる。
【0039】
(4)磁気データライト・リード
データの入力が正常に完了した場合には、カード1を逆転搬送してカードリーダの挿入口2側に移動し、磁気ヘッド5上を通過させ、磁気ヘッド5でカード1の磁気記録層に更新された新たな磁気データを書き込む(磁気データライト)。そして更に、カード1を逆転搬送して後端部側に移動し、再度磁気ヘッド5上を通過させ、その時にカード1に記録したデータを読み取り(磁気データリード)、データの記録ミスが無いかどうかチェックする。この時、読み取ったデータが正常でなかった場合(ライトエラー)、また、カード1が搬送路3内で搬送不良となった場合、異常な動作と判断してサーマルヘッド7への通電を停止する(予備加熱停止)。
【0040】
(5)本加熱開始
正常に磁気データが書き込まれた場合、サーマルヘッド7の本加熱を開始し、サーマルヘッド7の温度は、短時間で設定印字消去温度に達する。
【0041】
(6)消去・印字開始
そして、カード1はサーマルヘッド7よりも後端部側の位置まで搬送される。次いで、カード1を挿入口2側の方向へ移動させ、サーマルヘッド7にて、カード1に既に印字されている画像を消去すると同時に、カード1に所定の画像等を印字する。
【0042】
即ち、カード1のリライト層(可視画像表示領域)において、消去すべき(印字を要しない)領域には、その領域に対応する画素の発熱抵抗体素子13に消去用のエネルギーを与え、印字すべき領域には、その領域に対応する画素の発熱抵抗体素子13に印字用のエネルギーを与える。なお、消去すべき(印字を要しない)領域に対しては、そこに既に印字が行われているか否かは区別せず、その領域に対応する画素の発熱抵抗体素子13に消去用のエネルギーを与える。
【0043】
(7)加熱停止
消去・印字動作が終了すると、サーマルヘッド7への通電を停止する。
【0044】
(8)カード排出
一連の処理が終了した後、カード1をカードリーダ装置外へ排出する。
【0045】
このように、予備加熱を行うことで、あらかじめサーマルヘッド7全体の温度を一定の温度とすることができ、カード1の変形や、環境の変化などによる消去不良の発生を低減することができる。
【0046】
そして、サーマルヘッド7の加熱を他の処理と平行して行うことでサーマルヘッド7の温度上昇に要する時間を削減することができ、カード1の挿入から排出までの全体の処理時間を短縮することができる。
【0047】
ここで、図5は本発明の実施の形態1における印字時の印加パルス及びサーマルヘッドの温度と時間との関係を示すグラフであり、図6は本発明の実施の形態1における予備加熱時の印加パルス及びサーマルヘッドの温度と時間との関係を示すグラフである。なお、図5、図6において、(1)はサーマルヘッド7の表面温度(発熱抵抗体素子13の温度)であり、(2)は印加パルスを示す。
【0048】
図5、図6に示すように、予備加熱時の印加パルスは、印字時の印加パルスよりも短い周期として、予備加熱時の最大温度を印字時の最大温度よりも抑制している。このようにすることで、予備加熱時におけるサーマルヘッド7の発熱抵抗体素子13へのダメージを小さくすることができ、耐久性を向上させることができる。
【0049】
更に、図7(a)は本発明の実施の形態1におけるサーマルヘッドを示す正面図であり、図7(b)は本発明の実施の形態1における印字時の印加パルスと時間との関係を示すグラフである。なお、図7(a)は図2におけるサーマルヘッド7を下方から見た状態を示す。
【0050】
予備加熱時では、図7(a)、図7(b)に示すように、サーマルヘッド7の発熱抵抗体素子13に与えられる印加パルスは、隣接する発熱抵抗体素子13において、そのパターンが異なっていることが好ましい。この場合、奇数、偶数で異ならせて、パルスパターンが一致しないようにしている。
【0051】
これは、隣接する発熱抵抗体素子13に同じパルスパターンを与えると、相乗効果で発熱抵抗体素子13が高温となり、少なくとも熱のダメージを受ける。そこで、このように隣接する発熱抵抗体素子13でパルスパターンをずらすことにより、予備加熱時におけるサーマルヘッド7の発熱抵抗体素子13へのダメージを小さくすることができ、耐久性を向上させることができる。
【0052】
また、上述した例では、(5)本加熱開始と(6)消去・印字開始は略同時に行う場合で説明したが、図8に示すように、(5)本加熱開始と(6)消去・印字開始の間にある程度の時間を設定し、緩やかに温度を上昇させてもよい。この場合にも、サーマルヘッド7の発熱抵抗体素子13へのダメージを小さくすることができ、耐久性を向上させることができる。なお、図8は本発明の実施の形態1におけるカード処理開始から完了までのサーマルヘッドの温度変化を示すグラフである。
【0053】
以上のように本発明の実施の形態1について説明したが、これに限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【0054】
本実施の形態1では、カード位置検出手段、例えば、発光素子9及び受光素子10を挿入口2近傍に設けているが、その他にも、図示しないカード位置検出手段が、必要に応じて搬送路3内に適宜配置されていてもよい。
【0055】
また、カードリーダの装置構成において、サーマルヘッド7は搬送路3に対して、ソレノイド等の駆動装置によって出没自在とすることによって、カード1に消去・印字を行う場合のみカード1と接触し、磁気ヘッド5による読み取りや記録時に、カード1の搬送を阻害することがない。また、ソレノイド等の駆動装置によって、サーマルヘッド7をカード1に対して押圧し、圧着できるので、確実な消去・印字を行うことができる。
【0056】
更に、本実施の形態1では、磁気ストライプ等の磁気記録層を有するカード1を使用し、カード1からデータを読み出すかカード1にデータを記録する少なくとも一つの動作を行うデータ記録再生部として、磁気ヘッド5を用いたが、他のデータ記録再生部としては、磁気ヘッド5以外に光学的にデータを記録か再生の少なくとも一方を行う光学ヘッドを用いても良く、その場合には、カード1には光記録層、光ストライプやバーコード等が設けられる。
【0057】
また、カード1が内部にICを搭載し、カード1の表面にICと接続された電極を有した、いわゆる接触式のICカードを用いる場合は、カードリーダにICリードユニットを設ければ良い。なお、カード1が内部にICと無線でデータの授受を行うことができるアンテナ(コイルやコンデンサ)を有したいわゆる非接触ICカードの場合には、カードリーダのICリードユニットは、コイル状のアンテナや容量を発生させる部材を設けた構成となる。
【0058】
更に、カードリーダ内部には、モータを駆動させて制御し、磁気ヘッド5、サーマルヘッド7等の記録再生の制御命令を出力するCPU等で構成される制御部や、サーマルヘッド7の画像形成消去データ(印字消去データ)や磁気ヘッド5で記録再生されるデータを記憶するデータメモリ部等、カードリーダを駆動し制御するために必要な回路や装置、更に、これらの装置に電力を供給する電源装置等が設けられているのは言うまでもない。
【0059】
また、PC(パーソナルコンピュータ)、POS端末、印字装置等の外部接続機器に接続(ネットワーク接続を含む)する為のインターフェイス等も必要に応じて設けられる。更に、図示はしていないが、カードリーダに、テンキーやファンクションキー、液晶表示部等の操作パネルを設け、カードリーダへの処理入力を行うことができるのは言うまでもない。
【0060】
【発明の効果】
本発明は、カードがカードリーダ内に取り込まれた場合のみサーマルヘッドへの通電を行うことで、カードリーダの消費電力を低くすることができ、消去品質を安定させることができる。また、カード排出までの処理時間を短縮することができる。さらに、カード上のデータが読み取れない場合、カードが搬送不良となった場合等、異常処理と判断される場合に自動的にサーマルヘッドへの通電を停止する機能を付加することで、サーマルヘッドの温度低下の待ち時間が減り、メンテナンスを容易に行うことができる。
【0061】
よって、種々のカードに対応が可能であり、低消費電力で、カード処理時間が短く、メンテナンスが容易で、かつカードの消去性に優れたカードリーダを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1におけるカードリーダを示す模式側断面図
【図2】本発明の実施の形態1におけるサーマルヘッドを示す斜視図
【図3】本発明の実施の形態1における印字・消去の処理手順を示すフローチャート
【図4】本発明の実施の形態1におけるカード処理開始から完了までのサーマルヘッドの温度変化を示すグラフ
【図5】本発明の実施の形態1における印字時の印加パルス及びサーマルヘッドの温度と時間との関係を示すグラフ
【図6】本発明の実施の形態1における予備加熱時の印加パルス及びサーマルヘッドの温度と時間との関係を示すグラフ
【図7】(a)本発明の実施の形態1におけるサーマルヘッドを示す正面図
(b)本発明の実施の形態1における印字時の印加パルスと時間との関係を示すグラフ
【図8】本発明の実施の形態1におけるカード処理開始から完了までのサーマルヘッドの温度変化を示すグラフ
【符号の説明】
1 カード
2 挿入口
3 搬送路
4 搬送ローラ
5 磁気ヘッド
6 磁気ヘッド押圧ローラ
7 サーマルヘッド
8 プラテンローラ
9 発光素子
10 受光素子
11 セラミックベース
12 断熱グレース層
13 発熱抵抗体素子
14 個別電極
15 共通電極
16 サーミスタ
Claims (6)
- カードの搬送路と、カードを前記搬送路内で移動させる搬送手段と、前記搬送路内に存在するカードの位置を検出するカード位置検出手段と、カードに可視画像を形成すると共に、カードに形成された可視画像を消去する画像形成消去手段とを備えたカードリーダであって、
前記搬送路にカードを外部から取り込んだことを検知して、前記画像形成消去手段に予備加熱を行う事を特徴とするカードリーダ。 - 前記カード位置検出手段により、前記カードの搬送異常を検知して、実行中の前記画像形成消去手段への予備加熱を終了する事を特徴とする請求項1記載のカードリーダ。
- 時間を計測するタイマー機能を設け、前記画像形成消去手段への予備加熱が一定時間経過したことを検知して、実行中の前記画像形成消去手段への予備加熱を終了する事を特徴とする請求項1,2いずれか1記載のカードリーダ。
- 前記搬送路内に存在するカードにデータを記録する動作かカードからデータを再生する動作の少なくとも一方の動作を行うデータ記録再生手段を設け、前記カードへのデータ記録の異常か、前記カードからのデータ再生の異常かの少なくとも一方を検知して、実行中の前記画像形成消去手段への予備加熱を終了する事を特徴とする請求項1〜3いずれか1記載のカードリーダ。
- 前記カードへデータを正常に記録できた事か、前記カードからデータが正常に再生できた事かの少なくとも一方を検知して、前記画像形成消去手段に、前記カードに可視画像の形成及び前記カードに形成された可視画像への消去が可能な温度まで、加熱を行う事を特徴とする請求項1〜4いずれか1記載のカードリーダ。
- 前記画像形成消去手段によって、前記カードに可視画像の形成及び消去がなされた場合に、前記画像形成消去手段への加熱を終了する事を特徴とする請求項5記載のカードリーダ。
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