JP4765164B2 - カードリーダ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カード等の情報記録媒体に、可視画像を形成、消去するカードリーダに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、カードはその携帯性に利便なことから、種々の用途で使用され、その種類も様々である。例えば、テレホンカード、乗車券等のプリペイドカード、定期券、回数券、ポイントカード、更に、銀行カード、キャッシュカード、クレジットカード、運転免許証等のIDカード、会員カード、身分証明書等が挙げられる。
【0003】
また、これらのカードは、個人識別情報や残高、累積ポイント等の情報を記録・保持するため、磁気記録層、光記録層、或いはICメモリ等に代表されるメモリ部を有している。これらのメモリ部に記録された情報は、専用のカードリーダで再生されるが、磁気記録層、光記録層、ICメモリーに記録された情報は不可視情報であるので、カードの持ち主がその記録情報を直接確認する事はできない。
【0004】
そこで従来から、これら不可視の記録情報を可視的に表示する事がなされている。例えば、インクジェット、感熱転写、レーザービームプリンタ等の様々な印字手段によってカード表面に情報を印字したり、カードに予め感熱発色層を形成し感熱記録する等の追記型の表示がなされている。
【0005】
また、これら追記型の表示方法では、カード表面の表示領域の制約で、より多くの情報を表示できないので、最近では、書換可能な表示方法が採用されている。
【0006】
例えば、カードに液晶表示体を形成する場合や、加熱によって、繰り返し印字・消去が可能である熱可逆的材料を使用して表示する事がなされている。
【0007】
更に、これらのカードの用途、情報記録方式、表示方法が様々であることに加えて、カード基材を構成する材料や、磁気ストライプ、ICチップ等のメモリ部の位置、カードの大きさや厚み等の規格等も多種多様となっている。
【0008】
例えば、カード材料としては、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化酢酸ビニル(PVCA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネイト(PC)、生分解性材料等のプラスチックや紙、合成紙が使用されている。また、全ての識別カードに関するJISX6301や外部端子付きICカードに関するJISX6303の規定では、厚さが0.76mm±0.08mmである。一般には、0.28mm厚の塩化ビニルシート2枚を積層し、この表裏に0.1mm厚の塩化ビニルシートを貼合わせた構成が知られている。そして、カードによっては、口座番号、有効期限や所有者氏名が、カード基材を物理的に隆起させて形成される、いわゆるエンボス加工も施されている。また、このようなカードばかりではなく、テレホンカードに代表されるプリペイドカード等は、カード厚みが0.20〜0.28mm程度の薄手のカードである。
【0009】
このように現在カードは多種多様なものとなっている。そして、これらのカードから情報を読み取ったり(リード)、或いは、カードに対して情報を記録したり(ライト)、或いは、カードに表示する情報を書き換えたりする機能を有する装置がカードリーダである。
【0010】
ところで、上述したように、カードの磁気記録層、光記録層、ICメモリ等のメモリ部に記録・保持された個人識別情報や残高、累積ポイント等の不可視の記録情報を含め、その他に広告・宣伝文等、種々の情報を可視的に表示する方法として、カードの表示部を繰り返し印字・消去が可能な熱可逆性材料によるリライト層で構成したカード(リライトカード)を用いて、このカードにサーマルヘッド等で印字を行って表示する方法がある。
【0011】
近年、このようなリライトカードに対応し、印字ヘッドと消去ヘッドを備え、リライトカードの表示部に印字した情報を何度でも繰り返し書き換え可能なリライト機能を有するカードリーダが普及している。現在は、磁気記録層を備えたリライトカードを用い、磁気的な情報を磁気ヘッドを用いて記録・再生する機能と組み合わせて、商店街等のポイントカードシステム等で広く利用されている。
【0012】
ここで、従来のカードリーダの一例を挙げる。図5は従来のカードリーダを示す模式側断面図であり、以下図5を用いて説明する。
【0013】
図5において、100はカードリーダ、2はカードであり、カード2には、その表面に(図5中上側)、表示部として、繰り返し印字・消去が可能な熱可逆性材料によるリライト層が形成され、その裏面に(図5中下側)、メモリ部として磁気ストライプを有している。3aはカード2が挿入される(或いは排出される)挿入口、3bはカード2が排出される排出口、4はカード2が搬送される搬送路、5a,(5b)は搬送路4に設けられ、カード2の両側部を案内するガイドである。
【0014】
まず、挿入口3aから挿入されたカード2は、その両端部をガイド5a,(5b)に案内されながら、搬送路4に沿って搬送される。そして、表示部への印字・消去、メモリ部への記録・再生等の処理が行われ、再び挿入口3aから排出される。なお、挿入口3aから排出されずに、処理が行われた後、排出口3bから排出される場合もある。
【0015】
更に、6〜14は駆動ローラ、15は押圧ローラ、16〜19は従動ローラ、20,21は矯正ローラである。そして、22,23,24,25は、それぞれの駆動ローラ6,7,8,9が取り付られている回転軸であり、26は押圧ローラ15が取り付けられているシャフトである。また、27はモータを示す。
【0016】
回転軸22に取り付けられた駆動ローラ6には、従動ローラ16が対向しており、従動ローラ16は、コイルバネ等の弾性部材(図示せず)によって搬送路4方向に付勢されている。モータ27の駆動力は、プーリとベルトの組み合わせ等の伝達手段(図示せず)によって回転軸22に伝達され、駆動ローラ6は、回転軸22を介してモータ27から駆動力が伝達される。そして、駆動ローラ6と従動ローラ16とのローラ対で、カード2を挟み込んで挿入口3aからカード2をカードリーダ100内に引き込み、と同時に、次のローラ対に送り出す。
【0017】
また、駆動ローラ7,8,9と従動ローラ17,18,19は、駆動ローラ6と従動ローラ16の関係と同様であり、従動ローラ17,18,19は、コイルバネ等の弾性部材(図示せず)によって搬送路4方向に付勢され、駆動ローラ7,8,9は、回転軸23,24,25を介してモータ27から駆動力が伝達される。この場合も、モータ27の駆動力は、プーリとベルトの組み合わせ等の伝達手段(図示せず)によって回転軸23,24,25に伝達されている。そして、駆動ローラ7と従動ローラ17とのローラ対、駆動ローラ8と従動ローラ18とのローラ対、駆動ローラ9と従動ローラ19とのローラ対で、カード2を挟み込み、次のローラ対に送り出す。
【0018】
また、28は搬送路4に対して出没自在に設けられた印字ユニットであり、29は印字ヘッドで、30は印字ユニット28を昇降させて搬送路4に対して出没自在とするモータである。また、印字ユニット28に設けられた、矯正ローラ20、印字ヘッド29には、それぞれ駆動ローラ10,11が対向している。
【0019】
カード2の表示部に所定のキャラクタ等を印字する場合、印字ユニット28は、モータ30とカム等(図示せず)の組み合わせからなる昇降駆動手段によって駆動されて搬送路4に突出し、カード2を矯正ローラ20と駆動ローラ10で挟み、カード2の曲がり等の変形を矯正しながら送り出し、印字ヘッド29でカード2の表示部に印字を行う。この時カード2は、印字へッド29とこれに対向する駆動ローラ11により保持されている。
【0020】
また、カード2の表示部に印字しない場合には、印字ユニット28は搬送路4から後退して待避した位置にあり、搬送路4における印字ユニット28の領域をカード2が高速で搬送される場合でも、カード2が印字ヘッド29に接触して、カード2の停止による搬送不良の発生、或いは、印字ヘッド29の破壊が発生することがない。
【0021】
更に、31は印字ユニット28に固定された印字ヘッド29を搬送路4の方向に付勢する弾性部材、32は印字ユニット28に設けられたシャフトである。そして、弾性部材31はシャフト32に直接力を加えている。33は矯正ローラ20を搬送路4の方向に付勢する弾性部材である。弾性部材31,33としてはコイルバネ等が好適に用いられる。このように印字ヘッド29と矯正ローラ20に対して、個別に弾性部材31,33により押圧力を付加している。よって、カード2の材質や厚み等の違いによって、適切に押圧力を設定することができ、印字品質や摩擦等の信頼性を向上させることが可能である。
【0022】
また、印字ユニット28に隣接して、押圧ローラ15が設けられ、この押圧ローラ15に対向して、駆動ローラ12が設けられている。ここで、34は押圧ローラ15を搬送路4の方向に付勢する弾性部材である。押圧ローラ15はシャフト26に支持されて回転自在であり、弾性部材34がシャフト26に押圧力を与える事によって、押圧ローラ15が搬送路4の方向に付勢されている。
【0023】
更に、35は搬送路4に対して出没自在に設けられた消去ユニットであり、36は消去ヘッドで、37は消去ユニット35を昇降させて搬送路4に対して出没自在とするモータである。また、消去ユニット35に設けられた消去ヘッド36、矯正ローラ21には、それぞれ駆動ローラ13,14が対向している。
【0024】
消去ユニット35は、印字ユニット28と同様に、モータ37とカム等(図示せず)の組み合わせからなる昇降駆動手段によって駆動されて搬送路4に突出する。例えば、カード2を一旦排出口3b側に搬送し、そこから逆転搬送して、消去の処理を行う場合では、カード2を矯正ローラ21と駆動ローラ14で挟み、カード2の曲がり等の変形を矯正しながら送り出し、消去ヘッド36でカード2の表示部に印字された画像の消去を行う。この時カード2は、消去へッド36とこれに対向する駆動ローラ13により保持されている。
【0025】
また、カード2の表示部に印字された画像の消去を必要としない場合には、消去ユニット35は搬送路4から後退して待避した位置にあり、搬送路4における消去ユニット35の領域をカード2が高速で搬送される場合でも、カード2が消去ヘッド36に接触して、カード2の停止による搬送不良の発生、或いは、消去ヘッド36の破壊が発生することがない。
【0026】
更に、38は消去ユニット35に固定された消去ヘッド36を搬送路4の方向に付勢する弾性部材、39は消去ユニット35に設けられたシャフトである。そして、弾性部材38はシャフト39に直接力を加えている。40は矯正ローラ21を搬送路4の方向に付勢する弾性部材である。弾性部材38,40としてはコイルバネ等が好適に用いられる。このように消去ヘッド36と矯正ローラ21に対して、個別に弾性部材38,40により押圧力を付加している。よって、カード2の材質や厚み等の違いによって、適切に押圧力を設定することができ、消去性能や摩擦等の信頼性を向上させることが可能である。
【0027】
なお、図示はしていないがカードリーダ100には、磁気ヘッドが設けられて、カード2のメモリ部としての磁気ストライプに記録・再生の処理を行う。
【0028】
また、押圧ローラ15、矯正ローラ20,21、駆動ローラ10,11,12,13,14のローラの幅は、カード2の変形の矯正と印字品質の安定の為に、カード2における短手方向の表示部の幅(短手方向印字領域)以上となっている。
【0029】
なお、カード2において、カード2が搬送される方向と垂直な方向をカード2の短手方向、カード2が搬送される方向と平行な方向(同方向)をカード2の長手方向と定義している。
【0030】
ここで、図6は従来のカードリーダを示す正面断面図である。図6に示すように、搬送路4の両側には、断面が略コの字形のガイド5a,5bが設けられている。また、一方のガイド5aは、バネ等の弾性部材からなるガイド付勢部材(図示せず)によって、他方のガイド5b側に付勢されている。このように搬送路4にガイド5a,5bを設けることによって、カード2の位置を規制して搬送することが可能となっている。
【0031】
また、ガイド5a,5bを設け、一方のガイド5aをガイド付勢部材によって、他方のガイド5b側に付勢することによって、カード2の短手方向(図6中左右方向)の位置規制を行うことができ、ガイド5a,5bの形状を断面略コの字形とすることにより、カード2の厚み方向(図6中上下方向)の位置規制を行うものである。
【0032】
このような構成を有する従来のカードリーダ100は、上述したように、ポイントカードシステム等で広く利用されているが、最近では、リライトカードのメモリ部として磁気ストライプ等の磁気記録層を備えたものだけでなく、ICメモリを備えた、いわゆるICカードの普及も見込まれている。
【0033】
また、ICカードには、カード内部にICを搭載し、カード表面にICと接続された電極を有した接触式のICカードと、カード内部にICを有し、無線でデータの授受を行うことができるアンテナを有した非接触ICカードがある。特に、この非接触ICカードでは、カード表面にはICとの接続電極が不要であるため、カード表面の全面を表示部として使用することが可能である。そして、カード全面が印字領域となり、大きな文字を印字して表示することができるので、視認性を向上させることができる。
【0034】
更に、非接触ICカードに限らず、視認性の向上、或いは、より多くの情報表示を可能とするため、カードの全面を表示部として使用することが望まれている。
【0035】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のカードリーダ100の構成では、カード2の全面を表示部として使用する場合に次のような問題あった。
【0036】
カード2の全面を表示部として使用する場合、カード2の短手方向の表示部の幅(短手方向印字領域)は、カード2自体の短手方向の幅と等しくなる。そうすると、押圧ローラ15、矯正ローラ20,21、駆動ローラ10,11,12,13,14のローラの幅は、カード2の変形の矯正と印字品質の安定の為に、カード2自体の短手方向の幅以上とする必要がある。更に、印字ヘッド29、消去ヘッド36の幅も同様に、カード2自体の短手方向の幅以上となる。
【0037】
この場合、押圧ローラ15、矯正ローラ20,21、駆動ローラ10,11,12,13,14の各ローラが、カード2の搬送時にその両端部を案内し、短手方向の位置規制、厚み方向の位置規制を行っているガイド5a,5bと干渉してしまい、カード2の変形の矯正と印字品質の安定を図ることができないと言う問題がある。
【0038】
仮に、ガイド5a,5bを取り外してしまえば、カード2の位置規制を行うことができず、安定な搬送ができなくなり、カード2の正確な位置に印字、消去が行うことができない。更に、カード2が変形している場合、特に、長手方向に凹状の変形がある場合には、印字ヘッド29や消去ヘッド36を破壊していまうと言う問題もある。
【0039】
そこで、本発明は、上記従来の課題を解決するもので、カードの短手方向の幅にほぼ等しい領域、或いは、全面を表示部とするカードに画像形成・消去が可能であり、カードの搬送性に優れたカードリーダを提供することを目的とする。
【0040】
【課題を解決するための手段】
本発明のカードリーダは、カードを搬送路内で移動させる搬送手段と、搬送路に設けられ、移動するカードの位置を規制するガイドと、カードに可視画像を形成する画像形成手段と、カードに形成された可視画像を消去する画像消去手段と、を備え、ガイドは、画像形成手段と画像消去手段の前後で分割され、搬送手段は、分割されたガイドのうちカードの挿入側にあるガイドと画像形成手段との間に、カードの変形を矯正する矯正ローラと、カードの搬送路を挟んで矯正ローラと対向しカードに搬送力を伝達する駆動ローラとを有し、画像形成手段を支持するとともに矯正ローラをカードの搬送路面に対して上下動可能に支持する支持手段と、支持手段および画像形成手段をカードの搬送路面に対して上下動させる昇降駆動手段と、矯正ローラの回転軸の位置規制を行うストッパーとをさらに備え、画像形成手段が搬送路から退避した状態にある場合、矯正ローラの回転軸を支持手段における上下動可能域の最下部に位置させ、矯正ローラを画像形成手段よりも搬送路に近接させるとともに、矯正ローラの駆動ローラとの近接の程度をガイドの高さ寸法内とし、画像形成手段が搬送路に突出した状態にある場合、矯正ローラの回転軸とストッパーとを当接させて、矯正ローラの回転軸を支持手段における上下動可能域の最下部より上に位置させ、画像形成手段を矯正ローラよりも搬送路に近接させるとともに、矯正ローラと駆動ローラとの間に、カードの厚みよりも小さく設定される隙間を持たせた構成としたものである。
【0041】
請求項1に記載の発明は、カードを搬送路内で移動させる搬送手段と、搬送路に設けられ、移動するカードの位置を規制するガイドと、カードに可視画像を形成する画像形成手段と、カードに形成された可視画像を消去する画像消去手段と、を備え、ガイドは、画像形成手段と画像消去手段の前後で分割され、搬送手段は、分割されたガイドのうちカードの挿入側にあるガイドと画像形成手段との間に、カードの変形を矯正する矯正ローラと、カードの搬送路を挟んで矯正ローラと対向しカードに搬送力を伝達する駆動ローラとを有し、画像形成手段を支持するとともに矯正ローラをカードの搬送路面に対して上下動可能に支持する支持手段と、支持手段および画像形成手段をカードの搬送路面に対して上下動させる昇降駆動手段と、矯正ローラの回転軸の位置規制を行うストッパーとをさらに備え、画像形成手段が搬送路から退避した状態にある場合、矯正ローラの回転軸を支持手段における上下動可能域の最下部に位置させ、矯正ローラを画像形成手段よりも搬送路に近接させるとともに、矯正ローラの駆動ローラとの近接の程度をガイドの高さ寸法内とし、画像形成手段が搬送路に突出した状態にある場合、矯正ローラの回転軸とストッパーとを当接させて、矯正ローラの回転軸を支持手段における上下動可能域の最下部より上に位置させ、画像形成手段を矯正ローラよりも搬送路に近接させるとともに、矯正ローラと駆動ローラとの間に、カードの厚みよりも小さく設定される隙間を持たせたことを特徴とするカードリーダである。この構成により、カードの全面に可視画像を形成し、或いは、形成された可視画像を消去することができる。また、ガイドが画像形成手段と画像消去手段の前後で分割されていても、カードの反りを抑えることができ、かつ安定して搬送することができる。さらに、カードが画像形成手段、画像消去手段に接触することがなく、カードの停止による搬送不良の発生もせず、画像形成手段、画像消去手段の破壊が発生することがなく、カードに画像形成、消去をしない場合に、カードを速い速度で搬送することができる。またさらに、カードとカード矯正ローラの衝撃を緩和し、画像消去手段による画像消去を良好に行うことができる。
【0059】
以下、本発明の一実施の形態について説明する。
【0060】
図1は本発明の一実施の形態におけるカードリーダを示す側断面図、図2は本発明の一実施の形態におけるカードリーダを示す上部平面図である。なお、本実施の形態において、従来の技術で説明した図5,6に示すものと同様のものには、同じ符号を付している。
【0061】
図1において、1はカードリーダ、2はカードである。カード2には、その表面(図1中上側)に、表示部として、繰り返し印字・消去が可能な熱可逆性材料によるリライト層が形成され、メモリ部として、例えばカード2の裏面(図1中下側)に、磁気ストライプを有している。
【0062】
3aはカード2が挿入される(或いは排出される)挿入口、3bはカード2が排出される排出口、4はカード2が搬送される搬送路である。
【0063】
また、51a,(51b)及び52a,(52b)は、搬送路4に設けられ、カード2の両側部を案内するガイドである。そして、図1に示す通り、ガイド51a,51bとガイド52a,52bとで分割されている。
【0064】
このように、従来のカードリーダ100では、ガイド5a,5bが搬送路4に連続して設けられているのに対して、本実施の形態のカードリーダ1では、分割されたガイド51a,51bとガイド52a,52bとを備えている点で異なるが、ガイド51a,51b及びガイド52a,52bの構成は、図6で示したガイド5a,5bと同様のものである。よって、本実施の形態におけるガイド51a,51b及びガイド52a,52bの構成についても、図6を用いて説明する。まず、断面が略コの字形であり、また、一方のガイド51a,52aは、バネ等の弾性部材からなるガイド付勢部材によって、他方のガイド51b,52b側に付勢されている。このように搬送路4にガイド51a,51b及びガイド52a,52bを設けることによって、カード2の位置を規制して搬送することが可能となっている。そして、一方のガイド51a,52aをガイド付勢部材によって、他方のガイド51b,52b側に付勢することによって、カード2の短手方向(図6中で左右方向)の位置規制を行うことができ、ガイド51a,51bとガイド52a,52bの形状を断面略コの字形とすることにより、カード2の厚み方向(図6中で上下方向)の位置規制を行うものである。
【0065】
また、挿入口3aから挿入されたカード2は、その両端部をガイド51a,51b及び52a,52bに案内されながら、搬送路4に沿って搬送される。そして、表示部への印字・消去、メモリ部への記録・再生等の処理が行われ、再び挿入口3aから排出される。なお、挿入口3aから排出されずに、処理が行われた後、排出口3bから排出される場合もある。
【0066】
更に、6〜14は駆動ローラ、15は押圧ローラ、16〜19は従動ローラ、20,21は矯正ローラである。そして、22,23,24,25は、それぞれの駆動ローラ6,7,8,9が取り付られている回転軸であり、26は押圧ローラ15が取り付けられているシャフトである。また、27はモータを示す。
【0067】
回転軸22に取り付けられた駆動ローラ6には、従動ローラ16が対向しており、従動ローラ16は、コイルバネ等の弾性部材(図示せず)によって搬送路4方向に付勢されている。モータ27の駆動力は、プーリとベルトの組み合わせ等の伝達手段(図示せず)によって回転軸22に伝達され、駆動ローラ6は、回転軸22を介してモータ27から駆動力が伝達される。そして、駆動ローラ6と従動ローラ16とのローラ対で、カード2を挟み込んで挿入口3aからカード2をカードリーダ1内に引き込み、と同時に、次のローラ対に送り出す。
【0068】
また、駆動ローラ7,8,9と従動ローラ17,18,19は、駆動ローラ6と従動ローラ16の関係と同様であり、従動ローラ17,18,19は、コイルバネ等の弾性部材(図示せず)によって搬送路4方向に付勢され、駆動ローラ7,8,9は、回転軸23,24,25を介してモータ27から駆動力が伝達される。この場合も、モータ27の駆動力は、プーリとベルトの組み合わせ等の伝達手段(図示せず)によって回転軸23,24,25に伝達されている。そして、駆動ローラ7と従動ローラ17とのローラ対、駆動ローラ8と従動ローラ18とのローラ対、駆動ローラ9と従動ローラ19とのローラ対で、カード2を挟み込み、次のローラ対に送り出す。
【0069】
また、28は搬送路4に対して出没自在に設けられた印字ユニットであり、29は印字ヘッドで、30は印字ユニット28を昇降させて搬送路4に対して出没自在とするモータである。また、印字ユニット28に設けられた、矯正ローラ20、印字ヘッド29には、それぞれ駆動ローラ10,11が対向している。そして、搬送路4における印字ユニット28の領域では、ガイド51a,51bは存在せず、矯正ローラ20の手前で途切れている。
【0070】
カード2の表示部に所定のキャラクタ等を印字する場合、印字ユニット28は、モータ30とカム等(図示せず)の組み合わせからなる昇降駆動手段によって駆動されて搬送路4に突出し、カード2を矯正ローラ20と駆動ローラ10で挟み、カード2の曲がり等の変形を矯正しながら送り出し、印字ヘッド29でカード2の表示部に印字を行う。この時カード2は、印字へッド29とこれに対向する駆動ローラ11により保持されている。
【0071】
また、カード2の表示部に印字しない場合には、印字ユニット28は搬送路4から後退して待避した位置にあり、搬送路4における印字ユニット28の領域をカード2が高速で搬送される場合でも、カード2が印字ヘッド29に接触して、カード2の停止による搬送不良の発生、或いは、印字ヘッド29の破壊が発生することがない。
【0072】
更に、31は印字ユニット28に固定された印字ヘッド29を搬送路4の方向に付勢する弾性部材、32は印字ユニット28に設けられたシャフトである。そして、弾性部材31はシャフト32に直接力を加えている。33は矯正ローラ20を搬送路4の方向に付勢する弾性部材である。弾性部材31,33としてはコイルバネ等が好適に用いられる。このように印字ヘッド29と矯正ローラ20に対して、個別に弾性部材31,33により押圧力を付加している。よって、カード2の材質や厚み等の違いによって、適切に押圧力を設定することができ、印字品質や摩擦等の信頼性を向上させることが可能である。
【0073】
また、印字ユニット28に隣接して、押圧ローラ15が設けられ、この押圧ローラ15に対向して、駆動ローラ12が設けられている。ここで、34は押圧ローラ15を搬送路4の方向に付勢する弾性部材である。押圧ローラ15はシャフト26に支持されて回転自在であり、弾性部材34がシャフト26に押圧力を与える事によって、押圧ローラ15が搬送路4の方向に付勢されている。
【0074】
更に、35は搬送路4に対して出没自在に設けられた消去ユニットであり、36は消去ヘッドで、37は消去ユニット35を昇降させて搬送路4に対して出没自在とするモータである。また、消去ユニット35に設けられた消去ヘッド36、矯正ローラ21には、それぞれ駆動ローラ13,14が対向している。そして、搬送路4における消去ユニット35の領域には、ガイドは存在しないが、矯正ローラ21の後方で、ガイド52a,52bが設けられている。
【0075】
消去ユニット35は、印字ユニット28と同様に、モータ37とカム等(図示せず)の組み合わせからなる昇降駆動手段によって駆動されて搬送路4に突出する。例えば、カード2を一旦排出口3b側に搬送し、そこから逆転搬送して、消去の処理を行う場合では、カード2を矯正ローラ21と駆動ローラ14で挟み、カード2の曲がり等の変形を矯正しながら送り出し、消去ヘッド36でカード2の表示部に印字された画像の消去を行う。この時カード2は、消去へッド36とこれに対向する駆動ローラ13により保持されている。
【0076】
また、カード2の表示部に印字された画像の消去を必要としない場合には、消去ユニット35は搬送路4から後退して待避した位置にあり、搬送路4における消去ユニット35の領域をカード2が高速で搬送される場合でも、カード2が消去ヘッド36に接触して、カード2の停止による搬送不良の発生、或いは、消去ヘッド36の破壊が発生することがない。
【0077】
更に、38は消去ユニット35に固定された消去ヘッド36を搬送路4の方向に付勢する弾性部材、39は消去ユニット35に設けられたシャフトである。そして、弾性部材38はシャフト39に直接力を加えている。40は矯正ローラ21を搬送路4の方向に付勢する弾性部材である。弾性部材38,40としてはコイルバネ等が好適に用いられる。このように消去ヘッド36と矯正ローラ21に対して、個別に弾性部材38,40により押圧力を付加している。よって、カード2の材質や厚み等の違いによって、適切に押圧力を設定することができ、消去性能や摩擦等の信頼性を向上させることが可能である。
【0078】
このように、搬送路4における印字ユニット28から消去ユニット36の領域では、ガイド51a,51b及び52a,52bは存在せず、分割されている。そして、ガイド51a,51bは、印字ユニット28の矯正ローラ20の手前で途切れ、消去ユニット35の矯正ローラ21の後方で、ガイド52a,52bが設けられている。
【0079】
次に、印字ユニット28、消去ユニット35を昇降させて搬送路4に対して出没自在とする昇降機構について説明する。なお、印字ユニット28、消去ユニット35の昇降機構は同じであるので、ここでは、印字ユニット28の昇降機構について図2を用いて説明する。図2において、41はギア、42は減速ギアであり、43,44はカム、43aはカム43に設けられたギア部、45はカム43,44が取り付けられているシャフトである。
【0080】
図2に示すように、モータ30が駆動すると、モータ30に取り付けられたギア41が回転し、その回転は減速ギア42を介してカム43に設けられたギア部43aに伝達される。伝達された回転力は、カム43、カム43が取り付けられたシャフト45、シャフト45の一方の端部に取り付けられたカム44に伝えられ、回転する。カム43,44には、図1で示した弾性部材31に押圧されているシャフト32が接しており、カム43,44の回転に伴いシャフト32が上下し(図1中上下方向)、シャフト32が固定されている印字ユニット28も上下動作を行い、搬送路4への突出と待避を行う。
【0081】
また、図3(a),(b)は本発明の一実施の形態におけるカードリーダの印字ユニットを示す側断面図であり、図3(a)は、印字ユニット28が搬送路4から待避した状態を示し、図3(b)は、印字ユニット28が搬送路4に突出した状態を示す。また、図4は本発明の一実施の形態におけるカードリーダの印字ユニットを示す上部平面図である。
【0082】
図3(a),(b)において、20aは矯正ローラ20が取り付けられているシャフト、28aは印字ヘッドホルダー、28bは印字ヘッドホルダー28aに形成された溝、46はシャフト20aを保持するシャフトストッパーである。
【0083】
図3(a),(b)に示すように、印字ユニット28は、そのメインボディとなる印字ヘッドホルダー28aに、印字ヘッド29、シャフト32が固定されている。また、印字ヘッドホルダー28aの溝28bには、矯正ローラ20のシャフト20aが掛けられており、矯正ローラ20は、溝28bを上下動可能である。
【0084】
図3(a)に示すように、印字ユニット32が搬送路4から待避した状態にある場合、矯正ローラ20のシャフト20aは、溝28bの底部に位置し、図1に示すように弾性部材33によって付勢されているため、矯正ローラ20はその位置が規制されている。このとき、矯正ローラ20は、印字ヘッド21よりも搬送路4に近接している。そして、矯正ローラ20は、ガイド51a,51bの高さ寸法内に留まる事が好ましい。
【0085】
ここで、印字ユニット28が搬送路4から待避した状態にある場合に、矯正ローラ20が、印字ヘッド21よりも搬送路4に近接して留まることの利点について説明する。
【0086】
カード2に印字を行わず単に搬送路4における印字ユニット28の領域を通過する場合、カード2が挿入口3a側(図3(a)中左方向)から搬送され、カード2が曲がり等の変形をしていれば、ガイド51a,51bを抜け出た瞬間に、カード2が印字ユニット28側に反り上がり、カード2と印字ヘッド29が衝突する可能性がある。
【0087】
しかしながら、矯正ローラ20が、印字ヘッド29よりも搬送路4に近接して留まることによって、カード2の反りを抑えることができ、かつ安定して搬送することができる。その時、印字ヘッド29は、矯正ローラ20よりも搬送路4から待避した位置にあるので、カード2との衝突を回避できる。そして、例えカード2がガイド51a,51bに案内されることなく、かつ、変形していようとも、まず矯正ローラ20と接触することによって、カード2はその位置規制がなされる。また、矯正ローラ20は、カード2を案内して搬送することが可能である。更に、矯正ローラ20の近接の程度がガイド51a,51bの高さ寸法内であれば、搬送されるカード2をガイド51a,51bの高さ寸法内で位置規制し、変形を抑制して搬送することが可能となる。
【0088】
次に、図3(b)に示すように、カード2の表示部に印字を行うために、印字ユニット28が搬送路4に突出した状態にある場合、矯正ローラ20のシャフト20aは、溝28bの底部から距離Lだけ離れた位置に留まる。シャフト20aは、図1に示すように弾性部材33によって付勢されているが、シャフトストッパー46によって、その位置が規制されており、矯正ローラ20と対向する駆動ローラ10との間に隙間を持たせている。また、図4に示すように、1a、1bはそれぞれカードリーダ1の左右のシャーシであり、シャフトストッパー46はシャーシ1a、1bに設けられ、矯正ローラ20のシャフト20aの位置規制を行っている。
【0089】
ここで、カード2の表示部に印字を行うために、印字ユニット28が搬送路4に突出した状態にある場合に、矯正ローラ20と対向する駆動ローラ10との間に隙間を持たせることの利点について説明する。
【0090】
カード2の表示部に印字を行うために、印字ユニット28が搬送路4に突出した状態にあり、カード2が挿入口3a側(図3(b)中左方向)から搬送され、矯正ローラ20と対向する駆動ローラ10との間を通過する際、矯正ローラ20と駆動ローラ10との間に隙間が無い場合では、カード2が矯正ローラ20と駆動ローラ10との間を通るときに、カード2が矯正ローラ20に当たり、矯正ローラ20を押し上げて通っていき、その時の衝撃で、矯正ローラ20の直後にある印字ヘッド29による印字のトビ(ムラ)が発生する。
【0091】
しかしながら、矯正ローラ20のシャフト20aが、溝28bの底部から距離Lだけ離れた位置に留まり、即ち、シャフト20aがシャフトストッパー46によって、その位置が規制され、矯正ローラ20と対向する駆動ローラ10との間に隙間を持たせることによって、カード2が矯正ローラ20と駆動ローラ10との間を通るときの衝撃を小さくし印字ヘッド29における印字トビ(ムラ)の発生をおさえることが可能である。また、この隙間が大きい程、カード2が矯正ローラ20と駆動ローラ10との間を通るとき、矯正ローラ20との接触による衝撃も小さくなる。更には、矯正ローラ20との接触がなくなる程度の隙間であれば衝撃はなくなるが、矯正ローラ20と駆動ローラ10によるカード2の搬送を良好に行えなくなる。そこで、矯正ローラ20と対向する駆動ローラ10間の隙間は、カード2の厚みよりも小さく設定することで、矯正ローラ20と駆動ローラ10とでカード2を搬送することができる。また、隙間があることで、衝撃の緩和を行うことが可能である。
【0092】
以上のように、印字ユニット28を用いて、その昇降機構や、印字ユニット32が搬送路4から待避した状態にある場合に、矯正ローラ20が、印字ヘッド21よりも搬送路4に近接して留まることの利点、カード2の表示部に印字を行うために、印字ユニット28が搬送路4に突出した状態にある場合に、矯正ローラ20と対向する駆動ローラ10との間に隙間を持たせることの利点等について説明したが、消去ユニット35についても同様である。なお、その場合、矯正ローラ20が矯正ローラ21に、駆動ローラ10が駆動ローラ14に、印字ヘッド29が消去ヘッド36にそれぞれ対応する。
【0093】
また、図示はしていないがカードリーダ1には、磁気ヘッドが設けられて、カード2のメモリ部としての磁気ストライプに記録・再生の処理を行う。
【0094】
以上のように、本発明の一実施の形態におけるカードリーダ1は、搬送路4、ガイド51a,51b,52a,52b、画像形成手段としての印字ユニット28(印字ヘッド29)、画像消去手段としての消去ユニット35(消去ヘッド36)等を備えている。更に、本発明の一実施の形態におけるカードリーダ1について説明する。
【0095】
押圧ローラ15、矯正ローラ20,21、駆動ローラ10,11,12,13,14のローラの幅は、カード2の変形の矯正と印字品質の安定の為に、カード2における短手方向の表示部の幅(短手方向印字領域)以上、即ち、カード2全面を表示部とする場合には、カード2自体の短手方向の幅以上とすることが好ましい。
【0096】
また、印字ユニット28に設けられた印字ヘッド29としては、サーマルヘッドが好適に用いられる。
【0097】
消去ユニット35に設けられた消去ヘッド36としては、発熱抵抗体(基板上に発熱体を設け、その発熱体を覆うようにガラスやシリカ等の保護膜を設けた構成のヒータ等)等が好適に用いられる。
【0098】
また、印字ユニット28に設けられた矯正ローラ20の代わりに、ガイド51a,51bと印字ユニット28の間に、単独で矯正ローラを設けてもよい。また、同様に、消去ユニット35に設けられた矯正ローラ21の代わりに、ガイド52a,52bと消去ユニット35の間に、単独で矯正ローラを設けてもよい。そして、いずれの場合でも、カード2がガイド51a,51b(52a,52b)に案内されることなく、かつ、変形していようとも、その矯正ローラと接触することによって、カード2はその位置規制がなされる。
【0099】
更に、カードリーダ1には、カード2からデータを読み出すかカード2にデータを記録する少なくとも一つの動作を行うデータ記録再生手段を設けることができる。本実施の形態では、カード2が磁気ストライプを有し、そのデータ記録再生手段の一例として磁気ヘッドを用いることを述べたが、データ記録再生手段としては、磁気ヘッド以外に光学的にデータを記録か再生の少なくとも一方を行う光学ヘッド(この場合には、カード2には光ストライプやバーコード等が設けられている。)を用いても良い。また、それ以外にも、カード2が磁気ストライプや光ストライプのメモリ部に加え、ICメモリ部を有する接触、非接触ICカードである場合には、接触、非接触ICリードユニットを設けてもよい。接触ICリードユニットとしては、接触ICカードであるカード2の表面に設けられた電極と接触する少なくとも一つの電極を有する構成であり、カード2が内部にICと無線でデータの授受を行うことができるアンテナ(コイルやコンデンサ)を有したいわゆる非接触ICカードの場合には、コイル状のアンテナや容量を発生させる部材を設けた構成を備えて非接触ICリードユニットとなる。なお、これらを数種、複数、カードリーダ1に搭載してもよい。
【0100】
また、カードリーダ1を上下2つのシャーシに分割してもよい。この上下2つのシャーシを回動自在に取り付ける事によって、カード2が詰まったり、内部のメンテナンスのために例えば上シャーシを回動軸を中心に回動させることで、搬送路4をむき出しにする事ができる。
【0101】
また、カードリーダ1を筐体に搭載してもよく、その筐体に、カードリーダへの処理入力を行うテンキーやファンクションキー、液晶表示部等の操作パネルを設けることもできる。筐体により、外観の意匠性が向上し、ゴミの混入や、外力による衝撃等からカードリーダ1を保護することが可能である。また、操作パネルにより、カードリーダ1へのカード処理入力等も簡単に行える。
【0102】
更に、本実施の形態においては、特に詳細な説明はしていないが、カードリーダ1には、モータ27,30,37を駆動させて制御したり、印字ユニット28や消去ユニット35、データ記録再生手段等の記録再生の制御命令を出力するCPU等で構成される制御部や、印字ユニット28の画像形成データ(印字データ)やデータ記録再生手段の記録再生されるデータを記憶するデータメモリ部等のカードリーダ1を駆動し、制御するために必要な回路や装置、或いはこれらの装置に電力を供給する電源装置等が設けられているのは言うまでもない。また、カードリーダ1には、カード2を検出するカード検出センサも設けられる。カード検出センサは、挿入され、搬送されるカード2の存在の有無や、その位置検出を行うためのものである。また、コンピュータ、POS端末、印字装置等の外部接続機器に接続(ネットワーク接続を含む)する為のインターフェイス等も必要に応じて設けられる。
【0103】
なお、本発明のカードリーダ1に使用することができるカード2としては、表示部として、繰り返し印字・消去が可能な熱可逆性材料によるリライト層が形成され、メモリ部として、磁気ストライプ、その他磁気記録層、光記録層、或いはICメモリ等を有していてもよい。カード2の表示部に形成されるリライト層の熱可逆性材料の例として、例えば、樹脂母材である高分子マトリックス中に、高級脂肪酸等の有機低分子物質を分散させ、温度に依存して透明状態と白濁状態とが可逆的に変化する可逆的加熱記録材料があげられ、更に、他の例として、発色剤と顕色剤との組み合わせを用いた可逆的熱発色性組成物があげられる。そして、これらの材料や組成物を適宜選択し、カード2に直接塗布して被膜を形成するか、或いは、材料や組成物が塗布されたシートやラベルを貼付して用いることができ、カード2の表示部を形成することができる。また、カード2の基材を構成する材料や、磁気ストライプ、ICチップ等のメモリ部の位置、カードの大きさや厚み等も限定されるものではなく、カード基材を構成する材料は、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化酢酸ビニル(PVCA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネイト(PC)、生分解性材料等のプラスチックや紙、合成紙等の種々の材料を用いることができ、0.20〜0.28mm程度の薄手のPETを基材とするもの、0.28mm厚の塩化ビニルシート2枚を積層し、この表裏に0.1mm厚の塩化ビニルシートを貼合わせ、0.76mm±0.08mm厚としたものも使用可能である。またカード2には、口座番号、有効期限や所有者氏名が、カード基材を物理的に隆起させて形成される、いわゆるエンボス加工も施されたものであってもよい。カード2の用途も、テレホンカード、乗車券等のプリペイドカード、定期券、回数券、ポイントカード、更に、銀行カード、キャッシュカード、クレジットカード、運転免許証等のIDカード、会員カード、身分証明書等、特に限定されない。
【0104】
【発明の効果】
以上のように本発明は、カードの短手方向の幅にほぼ等しい領域、或いは、全面を表示部とするカードに画像形成・消去が可能であり、カードの搬送性に優れたカードリーダを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態におけるカードリーダを示す側断面図
【図2】本発明の一実施の形態におけるカードリーダを示す上部平面図
【図3】本発明の一実施の形態におけるカードリーダの印字ユニットを示す側断面図
【図4】本発明の一実施の形態におけるカードリーダの印字ユニットを示す上部平面図
【図5】従来のカードリーダを示す模式側断面図
【図6】従来のカードリーダを示す正面断面図
【符号の説明】
1,100 カードリーダ
1a,1b シャーシ
2 カード
3a 挿入口
3b 排出口
4 搬送路
5a,5b,51a,51b,52a,52b ガイド
6〜14 駆動ローラ
15 押圧ローラ
16〜19 従動ローラ
20,21 矯正ローラ
22,23,24,25 回転軸
20a,26,32,39,45 シャフト
27,30,37 モータ
28 印字ユニット
28a 印字ヘッドホルダー
28b 溝
29 印字ヘッド
31,34,38,40 弾性部材
35 消去ユニット
36 消去ヘッド
41 ギア
42 減速ギア
43,44 カム
43a ギア部
46 シャフトストッパー
Claims (1)
- カードを搬送路内で移動させる搬送手段と、前記搬送路に設けられ、移動するカードの位置を規制するガイドと、カードに可視画像を形成する画像形成手段と、カードに形成された可視画像を消去する画像消去手段と、を備え、
前記ガイドは、前記画像形成手段と前記画像消去手段の前後で分割され、
前記搬送手段は、前記分割されたガイドのうち前記カードの挿入側にあるガイドと前記画像形成手段との間に、前記カードの変形を矯正する矯正ローラと、前記カードの搬送路を挟んで前記矯正ローラと対向し前記カードに搬送力を伝達する駆動ローラとを有し、
前記画像形成手段を支持するとともに前記矯正ローラを前記カードの搬送路面に対して上下動可能に支持する支持手段と、前記支持手段および前記画像形成手段を前記カードの搬送路面に対して上下動させる昇降駆動手段と、前記矯正ローラの回転軸の位置規制を行うストッパーとをさらに備え、
前記画像形成手段が前記搬送路から退避した状態にある場合、前記矯正ローラの回転軸を前記支持手段における上下動可能域の最下部に位置させ、前記矯正ローラを前記画像形成手段よりも前記搬送路に近接させるとともに、前記矯正ローラの前記駆動ローラとの近接の程度を前記ガイドの高さ寸法内とし、
前記画像形成手段が前記搬送路に突出した状態にある場合、前記矯正ローラの回転軸と前記ストッパーとを当接させて、前記矯正ローラの回転軸を前記支持手段における上下動可能域の最下部より上に位置させ、前記画像形成手段を前記矯正ローラよりも前記搬送路に近接させるとともに、前記矯正ローラと前記駆動ローラとの間に、前記カードの厚みよりも小さく設定される隙間を持たせたことを特徴とするカードリーダ。
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