JP2004304018A - 圧電/電歪膜型素子及び圧電/電歪磁器組成物 - Google Patents

圧電/電歪膜型素子及び圧電/電歪磁器組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】緻密であるとともに極めて高い圧電特性を有する圧電/電歪部を備え、かつ、基体と圧電/電歪部間の振動伝達性に優れた、アクチュエータ、センサー等に好適な小型・高特性な圧電/電歪膜型素子を提供する。
【解決手段】セラミックスからなる基体1上に、圧電/電歪磁器組成物からなる少なくとも一の圧電/電歪部2と、圧電/電歪部2に電気的に接続される、正極及び負極からなる少なくとも一対の電極4,5とを備える圧電/電歪膜型素子において、圧電/電歪磁器組成物が、PbMg1/3Nb2/3−PbZrO−PbTiO三成分固溶系組成物を主成分とし、NiOを0.05〜3.0質量%含有するとともに、MgとNiの合計モル数に対して2.0〜22.0モル%のSiを含有してなり、圧電/電歪部2が、基体1上に直接又は正極若しくは負極を介して固着されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電/電歪膜型素子、及びこれを構成する圧電/電歪磁器組成物に関し、更に詳しくは、緻密であるとともに極めて高い圧電特性を有する圧電/電歪部を備え、かつ、基体と圧電/電歪部間の振動伝達性に優れた、アクチュエータ、センサー等に好適な小型・高特性な圧電/電歪膜型素子、及びこれを構成する圧電/電歪磁器組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、サブミクロンのオーダーで微小変位を制御できる素子として、圧電/電歪膜型素子が知られている。特に、セラミックスからなる基体上に、圧電/電歪磁器組成物からなる圧電/電歪部と、電圧が印加される電極部とを積層した圧電/電歪膜型素子は、微小変位の制御に好適である他、高電気/機械変換効率、高速応答性、高耐久性、及び少消費電力等の優れた特性を有するものであるため、圧電型圧力センサ、走査型トンネル顕微鏡のプローブ移動機構、超精密加工装置における直進案内機構、油圧制御用サーボ弁、VTR装置のヘッド、フラットパネル型の画像表示装置を構成する画素、又はインクジェットプリンタのヘッド等、様々な用途に用いられている。
【0003】また、圧電/電歪部を構成する圧電/電歪磁器組成物についても、種々検討がなされており、例えば、Pb(Mg1/3Nb2/3)O−PbTiO−PbZrO三成分固溶系組成物、又はこれらの組成物中のPbの一部をSr、La等で置換した圧電/電歪磁器組成物が開示されており(例えば、特許文献1,2参照)、圧電/電歪素子の圧電特性を決定する最も重要な要素である圧電/電歪部自体について、優れた圧電特性(例えば、圧電d定数)を有する圧電/電歪素子が得られるものと期待されている。
【0004】しかしながら、従来の圧電/電歪素子では、これら圧電/電歪磁器組成物からなる圧電/電歪材料を基体上に形成した後に熱処理して圧電/電歪素子を製造していたことから、圧電/電歪磁器組成物が熱処理により収縮し緻密化しようとしても、基体が収縮しにくいために、圧電/電歪部の緻密性が低くなってしまい、屈曲変位が低い、又は電圧を印加した際に緻密性が低い部分で絶縁破壊を起こしてしまうという問題があった。特に、多層型圧電/電歪素子の場合には、この問題は顕著であり、その改良が強く要望されていた。
【0005】このような状況下、従来の圧電/電歪素子としては、上述した圧電/電歪磁器組成物からなる圧電/電歪材料を予め熱処理した圧電/電歪部を基体に貼り付けて、圧電/電歪部の緻密化を図ったものが開示されている(例えば、特許文献3参照)。
【0006】しかしながら、この圧電/電歪素子では、圧電/電歪部を基体に貼り付ける際に無機・有機系の接着剤を用いる必要があるため、この接着剤が、基体と圧電/電歪部間の振動伝達を阻害したり、又は接着剤成分が圧電/電歪部や基体の特性を劣化させてしまう場合があった。また、従来の圧電/電歪素子では、多層型とする際に、個々の圧電/電歪部毎に圧電/電歪磁器組成物の組成を変えるといった点については全く考慮されておらず、必ずしも十分な圧電/電歪特性が得られるものではなかった。
【0007】一方、バルク体の圧電/電歪材料は、従来、所定の圧電/電歪磁器組成物を所定の温度条件下で焼成することにより製造しているが、所望とする優れた圧電特性を有する圧電/電歪材料を製造するには、十分に高い温度(例えば、1200℃以上)で焼成する必要があるために、設備、コスト面等における問題があった。
【0008】
【特許文献1】
特公昭44−17103号公報
【特許文献2】
特公昭45−8145号公報
【特許文献3】
特開平11−29357号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、緻密であるとともに極めて高い圧電特性を有する圧電/電歪部を備え、かつ、基体と圧電/電歪部間の振動伝達性に優れた、アクチュエータ、センサー等に好適な小型・高特性な圧電/電歪膜型素子、及び低温での熱処理によっても緻密であるとともに高い圧電特性を有する圧電/電歪部を構成し得る圧電/電歪磁器組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明によれば、セラミックスからなる基体上に、圧電/電歪磁器組成物からなる少なくとも一の圧電/電歪部と、前記圧電/電歪部に電気的に接続される、正極及び負極からなる少なくとも一対の電極とを備える圧電/電歪膜型素子において、前記圧電/電歪磁器組成物が、PbMg1/3Nb2/3−PbZrO−PbTiO三成分固溶系組成物を主成分とし、NiOを0.05〜3.0質量%含有するとともに、MgとNiの合計モル数に対して2.0〜22.0モル%のSiを含有してなり、前記圧電/電歪部が、前記基体上に直接又は前記正極若しくは前記負極を介して固着されていることを特徴とする圧電/電歪膜型素子(第一の発明)が提供される。
【0011】本発明(第一の発明)においては、圧電/電歪磁器組成物が、下記一般式(7)に示すPbMg1/3Nb2/3−PbZrO−PbTiO三成分固溶系組成物を主成分としてなるものであることが好ましい。
【0012】
【化7】
Pb(Mgy/3Nb2/3TiZr …(7)
「式(7)中、0.95≦x≦1.05、0.8≦y≦1.0であり、かつa,b,cが、該a,b,cの3つを座標軸とする座標中、(a,b,c)=(0.550,0.425,0.025)、(0.550,0.325,0.125)、(0.375,0.325,0.300)、(0.100,0.425,0.475)、(0.100,0.525,0.375)、(0.375,0.425,0.200)で囲まれる範囲の小数である(但し、a+b+c=1.00である。)。」
【0013】また、本発明によれば、セラミックスからなる基体上に、圧電/電歪磁器組成物からなる少なくとも一の圧電/電歪部と、前記圧電/電歪部に電気的に接続される、正極及び負極からなる少なくとも一対の電極とを備える圧電/電歪膜型素子において、前記圧電/電歪磁器組成物が、Pb(Mg、Ni)1/3Nb2/3−PbZrO−PbTiO三成分固溶系組成物を主成分とし、かつ、MgとNiの合計モル数に対して4.0〜37.0モル%のSiを含有してなり、前記圧電/電歪部が、前記基体に直接又は前記正極若しくは前記負極を介して固着されていることを特徴とする圧電/電歪膜型素子(第二の発明)が提供される。
【0014】本発明(第二の発明)においては、圧電/電歪磁器組成物が、下記一般式(8)に示すPb(Mg、Ni)1/3Nb2/3−PbZrO−PbTiO三成分固溶系組成物を主成分としてなるものであることが好ましい。
【0015】
【化8】
Pb{(Mg1−yNi(1/3) × Nb2/3TiZr …(8)
「式(8)中、0.95≦x≦1.05、0.05≦y≦0.20、0.90≦a≦1.10であり、かつb,c,dが、該b,c,dを座標軸とする座標中、(b,c,d)=(0.550,0.425,0.025)、(0.550,0.325,0.125)、(0.375,0.325,0.300)、(0.100,0.425,0.475)、(0.100,0.525,0.375)、(0.375,0.425,0.200)で囲まれる範囲の小数である(但し、(b+c+d)=1.000である。)。」
【0016】本発明(第一及び第二の発明)においては、圧電/電歪部を複数、及び電極を複数対備え、複数の圧電/電歪部が、複数対の電極の正極及び負極により交互に挟持・積層されてなることが好ましく、一の圧電/電歪部の厚みが、1〜10μmであることが好ましい。
【0017】また、本発明によれば、セラミックスからなる基体上に、圧電/電歪磁器組成物からなる複数の圧電/電歪部と、前記圧電/電歪部に電気的に接続される、正極及び負極からなる複数対の電極とを備え、複数の前記圧電/電歪部が、複数対の前記電極の前記正極及び前記負極により交互に挟持・積層されてなる圧電/電歪膜型素子において、少なくとも一の前記圧電/電歪部(第一圧電/電歪部)を構成する前記圧電/電歪磁器組成物が、Pb(Mg、Ni)1/3Nb2/3−PbZrO−PbTiO三成分固溶系組成物を主成分とし、かつ、MgとNiの合計モル数に対して4.0〜37.0モル%のSiを含有してなり、少なくとも一の前記圧電/電歪部(第二圧電/電歪部)を構成する前記圧電/電歪磁器組成物が、PbMg1/3Nb2/3−PbZrO−PbTiO三成分固溶系組成物を主成分とし、NiOを0.05〜3.0質量%含有するとともに、MgとNiの合計モル数に対して2.0〜22.0モル%のSiを含有してなることを特徴とする圧電/電歪膜型素子(第三の発明)が提供される。
【0018】本発明(第三の発明)においては、第二圧電/電歪部を構成する圧電/電歪磁器組成物が、下記一般式(9)に示すPbMg1/3Nb2/3−PbZrO−PbTiO三成分固溶系組成物を主成分としてなり、第一圧電/電歪部を構成する圧電/電歪磁器組成物が、下記一般式(10)に示すPb(Mg、Ni)1/3Nb2/3−PbZrO−PbTiO三成分固溶系組成物を主成分としてなることが好ましい。
【0019】
【化9】
Pb(Mgy/3Nb2/3TiZr …(9)
「式(9)中、0.95≦x≦1.05、0.8≦y≦1.0であり、かつa,b,cが、該a,b,cの3つを座標軸とする座標中、(a,b,c)=(0.550,0.425,0.025)、(0.550,0.325,0.125)、(0.375,0.325,0.300)、(0.100,0.425,0.475)、(0.100,0.525,0.375)、(0.375,0.425,0.200)で囲まれる範囲の小数である(但し、a+b+c=1.00である。)。」
【0020】
【化10】
Pb{(Mg1−yNi(1/3) × Nb2/3TiZr …(10)
「式(10)中、0.95≦x≦1.05、0.05≦y≦0.20、0.90≦a≦1.10であり、かつb,c,dが、該b,c,dを座標軸とする座標中、(b,c,d)=(0.550,0.425,0.025)、(0.550,0.325,0.125)、(0.375,0.325,0.300)、(0.100,0.425,0.475)、(0.100,0.525,0.375)、(0.375,0.425,0.200)で囲まれる範囲の小数である(但し、(b+c+d)=1.000である。)。」
【0021】本発明(第三の発明)においては、複数の圧電/電歪部の厚みが、各々1〜10μmであることが好ましく、最下層の圧電/電歪部を構成する圧電/電歪磁器組成物のNi含有率が、最下層の圧電/電歪部以外の圧電/電歪部を構成する圧電/電歪磁器組成物のNi含有率よりも小さいことが好ましい。
【0022】また、本発明によれば、PbMg1/3Nb2/3−PbZrO−PbTiO三成分固溶系組成物を主成分とし、NiOを0.05〜3.0質量%含有するとともに、MgとNiの合計モル数に対して2.0〜22.0モル%のSiを含有してなることを特徴とする圧電/電歪磁器組成物(第四の発明)が提供される。
【0023】本発明(第四の発明)においては、下記一般式(11)に示すPbMg1/3Nb2/3−PbZrO−PbTiO三成分固溶系組成物を主成分としてなることが好ましい。
【0024】
【化11】
Pb(Mgy/3Nb2/3TiZr …(11)
「式(11)中、0.95≦x≦1.05、0.8≦y≦1.0であり、かつa,b,cが、該a,b,cの3つを座標軸とする座標中、(a,b,c)=(0.550,0.425,0.025)、(0.550,0.325,0.125)、(0.375,0.325,0.300)、(0.100,0.425,0.475)、(0.100,0.525,0.375)、(0.375,0.425,0.200)で囲まれる範囲の小数である(但し、a+b+c=1.00である。)。」
【0025】また、本発明によれば、Pb(Mg、Ni)1/3Nb2/3−PbZrO−PbTiO三成分固溶系組成物を主成分とし、かつ、MgとNiの合計モル数に対して4.0〜37.0モル%のSiを含有してなることを特徴とする圧電/電歪磁器組成物(第五の発明)が提供される。
【0026】本発明(第五の発明)においては、下記一般式(12)に示すPb(Mg、Ni)1/3Nb2/3−PbZrO−PbTiO三成分固溶系組成物を主成分としてなることが好ましい。
【0027】
【化12】
Pb{(Mg1−yNi(1/3) × Nb2/3TiZr …(12)
「式(12)中、0.95≦x≦1.05、0.05≦y≦0.20、0.90≦a≦1.10であり、かつb,c,dが、該b,c,dを座標軸とする座標中、(b,c,d)=(0.550,0.425,0.025)、(0.550,0.325,0.125)、(0.375,0.325,0.300)、(0.100,0.425,0.475)、(0.100,0.525,0.375)、(0.375,0.425,0.200)で囲まれる範囲の小数である(但し、(b+c+d)=1.000である。)。」
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ具体的に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜、設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
【0029】本発明(第一の発明)の実施形態である圧電/電歪膜型素子は、図1に示すように、セラミックスからなる基体1上に、圧電/電歪磁器組成物からなる少なくとも一の圧電/電歪部2と、この圧電/電歪部2に電気的に接続される、正極及び負極からなる少なくとも一対の電極4,5とを備えている。
【0030】本実施形態の圧電/電歪膜型素子の圧電/電歪部2を構成する圧電/電歪磁器組成物は、PbMg1/3Nb2/3−PbZrO−PbTiO三成分固溶系組成物を主成分とし、NiOを0.05〜3.0質量%含有するものである。即ち、所定割合のNiOを添加したPbMg1/3Nb2/3−PbZrO−PbTiO三成分固溶系組成物を主成分とする圧電/電歪磁器組成物により圧電/電歪部2が構成されているため、この圧電/電歪部2においては異相の形成が抑制され、屈曲変位に寄与するペロブスカイト相の占める割合が大きく、組成物自体の特性に起因する圧電特性の向上がなされている。なお、本実施形態においては、圧電/電歪部2における異相の形成をより抑制する観点からは、圧電/電歪磁器組成物がNiOを0.10〜2.5質量%含有することが好ましく、0.15〜2.0質量%含有することが更に好ましい。
【0031】また、本実施形態の圧電/電歪膜型素子は、Siを含有する圧電/電歪磁器組成物により圧電/電歪部2が構成されている。この圧電/電歪部2は、所定の組成を有する圧電/電歪磁器組成物となるように混合された原材料混合物(圧電材料)を、更にシリカ(SiO)を添加した状態で焼結することにより形成される。SiOは圧電材料中のPbと反応して低融点ガラス層を形成し、得られる圧電/電歪磁器組成物を緻密化させる役割を担うものと考えられる。
【0032】また、SiOは圧電材料中のNi、Mg等と反応してNiSiO等の化合物を形成する。従って、本実施形態圧電/電歪膜型素子は、ペロブスカイト構造からのPbの減少が抑制されて、化学量論組成からのずれが小さいため、圧電/電歪部2が緻密化されているとともに極めて屈曲変位の大きいものである。
【0033】特に、本実施形態の圧電/電歪膜型素子の圧電/電歪部2を構成する圧電/電歪磁器組成物は、MgとNiの合計モル数に対して2.0〜22.0モル%のSiを含有している。Si含有割合が22.0モル%超であると、緻密化される一方で圧電特性を示さないNiSiO等の化合物が過剰に生成するため、圧電/電歪部2の圧電特性が低下するために好ましくない。Si含有割合が2.0モル%未満であると、Siを含有することによる緻密化効果が発揮され難いために好ましくない。なお、より緻密、かつ圧電/電歪部2の圧電特性の低下を起こさせないといった観点からは、圧電/電歪磁器組成物がMgとNiの合計モル数に対して3.0〜21.0モル%のSiを含有することが好ましく、3.9〜19.8モル%のSiを含有することが更に好ましい。
【0034】また、本実施形態においては、圧電/電歪磁器組成物が、下記一般式(13)に示すPbMg1/3Nb2/3−PbZrO−PbTiO三成分固溶系組成物を主成分としてなるものであることが、高い圧電特性を有する点で好ましい。
【0035】
【化13】
Pb(Mgy/3Nb2/3TiZr …(13)
「式(13)中、0.95≦x≦1.05、0.8≦y≦1.0であり、かつa,b,cが、該a,b,cの3つを座標軸とする座標中、(a,b,c)=(0.550,0.425,0.025)、(0.550,0.325,0.125)、(0.375,0.325,0.300)、(0.100,0.425,0.475)、(0.100,0.525,0.375)、(0.375,0.425,0.200)で囲まれる範囲の小数である(但し、a+b+c=1.00である。)。」
【0036】次に、本発明(第二の発明)の実施形態について説明する。第二の発明の実施形態である圧電/電歪膜型素子は、第一の発明の実施形態と同様、図1に示すような、セラミックスからなる基体1上に、圧電/電歪磁器組成物からなる少なくとも一の圧電/電歪部2と、この圧電/電歪部2に電気的に接続される、正極及び負極からなる少なくとも一対の電極4,5とを備えてなるものである。
【0037】本実施形態の圧電/電歪膜型素子の圧電/電歪部2を構成する圧電/電歪磁器組成物は、Pb(Mg、Ni)1/3Nb2/3−PbZrO−PbTiO三成分固溶系組成物を主成分とするものである。このPb(Mg、Ni)1/3Nb2/3−PbZrO−PbTiO三成分固溶系組成物は、Pb(Mg1/3Nb2/3)O−PbTiO−PbZrO三成分固溶系組成物中のMgの一部をNiで置換したものである。Mgの一部をNiで置換したものであるため、圧電/電歪部2においては異相の形成が抑制され、屈曲変位に寄与するペロブスカイト相の占める割合が大きくなるため、組成物自体の特性に起因する圧電特性の向上がなされている。
【0038】また、本実施形態の圧電/電歪膜型素子の圧電/電歪部2を構成する圧電/電歪磁器組成物は、MgとNiの合計モル数に対して4.0〜37.0モル%のSiを含有している。Si含有割合が37.0モル%超であると、緻密化される一方で圧電特性を示さないNiSiO等の化合物が過剰に生成するため、圧電/電歪部2の圧電特性が低下するために好ましくない。Si含有割合が4.0モル%未満であると、Siを含有することによる緻密化効果が発揮され難いために好ましくない。なお、より緻密、かつ圧電/電歪部2の圧電特性の低下を起こさせないといった観点からは、圧電/電歪磁器組成物がMgとNiの合計モル数に対して5.5〜34.0モル%のSiを含有することが好ましく、6.6〜32.8モル%のSiを含有することが更に好ましい。
【0039】また、本実施形態においては、圧電/電歪磁器組成物が、下記一般式(14)に示すPb(Mg、Ni)1/3Nb2/3−PbZrO−PbTiO三成分固溶系組成物を主成分としてなるものであることが、高い圧電特性を有する点で好ましい。
【0040】
【化14】
Pb{(Mg1−yNi(1/3) × Nb2/3TiZr …(14)
「式(14)中、0.95≦x≦1.05、0.05≦y≦0.20、0.90≦a≦1.10であり、かつb,c,dが、該b,c,dを座標軸とする座標中、(b,c,d)=(0.550,0.425,0.025)、(0.550,0.325,0.125)、(0.375,0.325,0.300)、(0.100,0.425,0.475)、(0.100,0.525,0.375)、(0.375,0.425,0.200)で囲まれる範囲の小数である(但し、(b+c+d)=1.000である。)。」
【0041】また、本発明(第一及び第二の発明)の実施形態である圧電/電歪膜型素子(図1参照)は、これを構成する圧電/電歪部2が基体1に直接、又は次に述べる正極若しくは負極(電極4)を介して固着されているものであり、接着剤等の介在による基体1と圧電/電歪部2間との振動伝達性の低下、及び接着剤成分等の影響による圧電/電歪部2又は基体1の特性劣化が回避され得るものである。なお、「固着」とは、有機系、無機系の一切の接着剤を用いることなく、圧電/電歪部2と、基体1又は電極4との固相反応により両者が緊密一体化することを意味する。
【0042】本発明(第一及び第二の発明)の実施形態である圧電/電歪膜型素子においては、図3に示すように圧電/電歪部2,3を複数、及び電極4,5,6を複数対備え、複数の圧電/電歪部2,3が、複数対の電極4,5,6の正極及び負極により交互に挟持・積層してなる構成としてもよい。
【0043】また、本発明(第一及び第二の発明)の実施形態である圧電/電歪膜型素子(図1参照)においては、一の圧電・電歪部(圧電/電歪部2)の厚みが1〜10μmであることが好ましく、2〜9μmであることが更に好ましく、3〜8μmであることが特に好ましい。圧電/電歪部2の厚みが1μm未満であると、前述した所定の圧電/電歪磁器組成物からなる圧電/電歪部であっても緻密化が不十分となり易い。一方、圧電/電歪部2の厚みが10μmを超えると、基体破壊を防止するためにより厚いセラミックス基体が必要となり、結局、小型化への対応が困難になる。
【0044】次に、本発明(第三の発明)の実施形態について説明する。第三の発明の実施形態である圧電/電歪膜型素子は、図3に示すように、セラミックスからなる基体1上に、圧電/電歪磁器組成物からなる複数の圧電/電歪部2,3と、圧電/電歪部2,3に電気的に接続される、複数対の電極4,5,6とを備え、圧電/電歪部2,3が、電極4,5,6の正極及び負極により交互に挟持・積層されてなるものである。
【0045】本実施形態の圧電/電歪膜型素子は、複数の圧電/電歪部2,3のうちの少なくとも一の圧電/電歪部(第一圧電/電歪部12)を構成する圧電/電歪磁器組成物が、Pb(Mg、Ni)1/3Nb2/3−PbZrO−PbTiO三成分固溶系組成物を主成分とするものである。従って、第二の発明の場合と同様に、第一圧電/電歪部12においては異相の形成が抑制され、屈曲変位に寄与するペロブスカイト相の占める割合が大きく、組成物自体の特性に起因する圧電特性の向上がなされている。
【0046】また、第一圧電/電歪部12を構成する圧電/電歪磁器組成物は、MgとNiの合計モル数に対して4.0〜37.0モル%のSiを含有してなるものである。従って、本実施形態圧電/電歪膜型素子は、第二の発明の場合と同様に、ペロブスカイト構造からのPbの減少が抑制されているため、第一圧電/電歪部12が緻密化されているとともに極めて屈曲変位の大きいものである。Si含有割合が37.0モル%超であると、緻密化される一方で圧電特性を示さないNiSiO等の化合物が過剰に生成するため、第一圧電/電歪部12の圧電特性が低下するために好ましくない。Si含有割合が4.0モル%未満であると、Siを含有することによる緻密化効果が発揮され難いために好ましくない。なお、より緻密、かつ第一圧電/電歪部12の圧電特性の低下を起こさせないといった観点からは、圧電/電歪磁器組成物がMgとNiの合計モル数に対して5.5〜34.0モル%のSiを含有することが好ましく、6.6〜32.8モル%のSiを含有することが更に好ましい。
【0047】また、第一圧電/電歪部12とは別の、少なくとも一の圧電/電歪部(第二圧電/電歪部13)を構成する圧電/電歪磁器組成物が、PbMg1/3Nb2/3−PbZrO−PbTiO三成分固溶系組成物を主成分とし、NiOを0.05〜3.0質量%含有するとともに、MgとNiの合計モル数に対して2.0〜22.0モル%のSiを含有してなるものである。
【0048】従って、本実施形態圧電/電歪膜型素子は、第一の発明の場合と同様に、ペロブスカイト構造からのPbの減少が抑制されているため、第二圧電/電歪部13が緻密化されているとともに極めて屈曲変位の大きいものである。Si含有割合が22.0モル%超であると、緻密化される一方で圧電特性を示さないNiSiO等の化合物が過剰に生成するため、第二圧電/電歪部13の圧電特性が低下するために好ましくない。Si含有割合が2.0モル%未満であると、Siを含有することによる緻密化効果が発揮され難いために好ましくない。なお、より緻密、かつ第二圧電/電歪部13の圧電特性の低下を起こさせないといった観点からは、圧電/電歪磁器組成物がMgとNiの合計モル数に対して3.0〜21.0モル%のSiを含有することが好ましく、3.9〜19.8モル%のSiを含有することが更に好ましい。
【0049】なお、図3においては、下層側(基板1側)を第一圧電/電歪部12、上層側を第二圧電/電歪部13として示しているが、本発明においてはこのような形成順に限定されるものではない。即ち、より基板1に近い下層側を第二圧電/電歪部、上層側を第一圧電/電歪部としてもよいが、図3に示すように、下層側を第一圧電/電歪部12、上層側を第二圧電/電歪部13とすることが、より高い圧電特性を有する点で好ましい。更に、異なる圧電/電歪磁器組成物からなる圧電/電歪部を三層以上形成して構成することも同様に好ましい。
【0050】また、本実施形態においては、第二圧電/電歪部13を構成する圧電/電歪磁器組成物が、下記一般式(15)に示すPbMg1/3Nb2/3−PbZrO−PbTiO三成分固溶系組成物を主成分としてなり、第一圧電/電歪部12を構成する圧電/電歪磁器組成物が、下記一般式(16)に示すPb(Mg、Ni)1/3Nb2/3−PbZrO−PbTiO三成分固溶系組成物を主成分としてなるものであることが、高い圧電特性を有する点で好ましい。
【0051】
【化15】
Pb(Mgy/3Nb2/3TiZr …(15)
「式(15)中、0.95≦x≦1.05、0.8≦y≦1.0であり、かつa,b,cが、該a,b,cの3つを座標軸とする座標中、(a,b,c)=(0.550,0.425,0.025)、(0.550,0.325,0.125)、(0.375,0.325,0.300)、(0.100,0.425,0.475)、(0.100,0.525,0.375)、(0.375,0.425,0.200)で囲まれる範囲の小数である(但し、a+b+c=1.00である。)。」
【0052】
【化16】
Pb{(Mg1−yNi(1/3) × Nb2/3TiZr …(16)
「式(16)中、0.95≦x≦1.05、0.05≦y≦0.20、0.90≦a≦1.10であり、かつb,c,dが、該b,c,dを座標軸とする座標中、(b,c,d)=(0.550,0.425,0.025)、(0.550,0.325,0.125)、(0.375,0.325,0.300)、(0.100,0.425,0.475)、(0.100,0.525,0.375)、(0.375,0.425,0.200)で囲まれる範囲の小数である(但し、(b+c+d)=1.000である。)。」
【0053】なお、本発明(第三の発明)の実施形態である圧電/電歪膜型素子(図3参照)においては、複数の圧電/電歪部(第一圧電/電歪部12、第二圧電/電歪部13)の厚みが、各々1〜10μmであることが好ましく、2〜9μmであることが更に好ましく、3〜8μmであることが特に好ましい。1μm未満であると、前述した所定の圧電/電歪磁器組成物からなる圧電/電歪部であっても緻密化が不十分となり易い。一方、10μmを超えると、基体破壊を防止するためにより厚いセラミックス基体が必要となり、結局、小型化への対応が困難になる。
【0054】また、本発明(第三の発明)の実施形態である圧電/電歪膜型素子(図3参照)においては、最下層の圧電/電歪部(第一圧電/電歪部12)を構成する圧電/電歪磁器組成物のNi含有率が、第一圧電/電歪部13以外の圧電/電歪部を構成する圧電/電歪磁器組成物のNi含有率よりも小さいことが好ましい。これにより、第一圧電/電歪部12では、異相の形成が抑制され、屈曲変位に寄与するペロブスカイト相の占める割合が大きくなるため、組成物自体の特性から圧電特性を向上させることができる。しかも、Niをより多く含有する第二圧電/電歪部13以降の圧電/電歪部は、焼結収縮に関する基体1の拘束が小さく、Niを含有させた効果が顕著に現れる。従って、第二圧電/電歪部13以降の圧電/電歪部は、製造工程の熱処理により非常に緻密化され、その影響により、隣接する第一圧電/電歪部12も緻密化される。この結果、磁器組成物自体の特性と相俟って、より高い圧電特性を有する圧電/電歪膜型素子とすることができる。
【0055】本発明において、第二圧電/電歪部13は、より緻密であるとともに異相の形成をより抑制する点から、圧電/電歪磁器組成物がNiOを0.10〜2.5質量%含有することが好ましく、0.15〜2.0質量%含有することが更に好ましい。また、本発明においては、第一圧電/電歪部12のNi含有率と第二圧電/電歪部13のNiO含有率との比(第一/第二)の値が、0.07〜0.35であることが好ましく、0.10〜0.33であることが更に好ましく、0.12〜0.30であることが特に好ましい。(第一/第二)の値が0.07未満であると、第二圧電/電歪部13における異相が大きくなり易いため、全体の圧電特性が小さくなり易い。一方、0.35を超えると、第二圧電/電歪部13における緻密化の程度が小さくなるため、第一圧電/電歪部12も緻密化されなくなり、やはり全体の圧電特性が小さくなり易い。なお、三層以上の圧電/電歪部を設ける場合でも、第二圧電/電歪部が、第一圧電/電歪部との関係で、上記のNiO含有率であることが好ましい。また、各圧電/電歪部の緻密化をより一層促進させるためには、第三以降の圧電/電歪部が、第二圧電部と同一又はより大きなNiO含有率であることが好ましい。
【0056】本発明(第一〜第三の発明)の圧電/電歪膜型素子においては、基体はセラミックスからなり、このセラミックスの種類に特に制限はない。もっとも、耐熱性、化学的安定性、及び絶縁性の点から、安定化された酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、ムライト、窒化アルミニウム、窒化珪素、及びガラスからなる群より選択される少なくとも一種を含むセラミックスからなることが好ましく、中でも、機械的強度が大きく、靭性に優れる点から安定化された酸化ジルコニウムからなることが更に好ましい。なお、本発明にいう「安定化された酸化ジルコニウム」とは、安定化剤の添加により結晶の相転移を抑制した酸化ジルコニウムをいい、安定化酸化ジルコニウムの他、部分安定化酸化ジルコニウムを包含する。
【0057】安定化された酸化ジルコニウムとしては、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化イットリウム、酸化スカンジウム、酸化イッテルビウム、酸化セリウム又は希土類金属の酸化物等の安定化剤を、1〜30モル%含有するものを挙げることができる。中でも、振動部の機械的強度が特に高くなる点で、酸化イットリウムを安定化剤として含有させたものが好ましく、この際、酸化イットリウムは、1.5〜6モル%含有させることが好ましく、2〜4モル%含有させることが更に好ましい。また、更に酸化アルミニウムを0.1〜5モル%含有させたものが好ましい。安定化された酸化ジルコニウムの結晶相は、立方晶+単斜晶の混合相、正方晶+単斜晶の混合相、立方晶+正方晶+単斜晶の混合相などであってもよいが、主たる結晶相が、正方晶、又は正方晶+立方晶の混合相であるものが、強度、靭性、及び耐久性の観点から好ましい。
【0058】なお、基体の厚みは、1μm〜1mmが好ましく、1.5〜500μmが更に好ましく、2〜200μmが特に好ましい。基体の厚みが1μm未満であると、圧電/電歪素子の機械的強度が弱くなることがあり、1mmを超えると圧電/電歪素子に電圧を印加した場合に圧電/電歪部の収縮応力に対する基体の剛性が大きくなり、圧電素子の屈曲変位が小さくなってしまうことがある。
【0059】但し、図2に示すように、基体1は、圧電/電歪部2(図2においては電極4が基体1に固着した例を示す)又は電極4との固着面1aに略対応する領域で設けられ、上記の厚みを有する薄肉部1cと、固着面1a以外に略対応する領域で設けられ、薄肉部1cより肉厚である厚肉部1bとを有するものでもよい。これにより、圧電/電歪膜型素子の屈曲変位を大きくし、かつ機械的強度を大きくすることができる。また、図4に示すように、このような構造単位を、一の基体1に設け、複数の圧電/電歪素子単位10で基体1を共用化させることもできる。
【0060】本発明における基体の表面形状(図1における、電極4が固着される面形状)について特に制限はなく、例えば、長方形、正方形、三角形、楕円形、真円形、R付正方形、R付長方形、又はこれらを組合わせた複合形等の表面形状を挙げることができる。また、基体自体の形状についても特に制限はなく、適当な内部空間を有するカプセル型等の形状であってもよい。
【0061】また、基体の薄肉部の形状としては、電界に対する屈曲変位の直線性が高い点で、図7に示すように中央部が圧電/電歪部2,3を有する面と反対側に屈曲した形状、或いは図8に示すように厚さ方向における断面形状が3つの変曲点を有するW形状となるものが好ましい。なお、図7に示す屈曲形状は、各圧電/電歪部2,3の熱処理工程における収縮を利用して形成することができ、図8に示すW形状は、圧電/電歪部2と圧電/電歪部3との焼成収縮開始タイミングや焼成収縮量、さらには薄肉部1cの形状を調整することにより形成することができる。
【0062】本発明において、電極は圧電/電歪部に電気的に接続されるものであり、二以上の圧電/電歪部を備える場合には、各圧電/電歪部との間に配設される。このように配設されることにより、特に、最下層の圧電/電歪部を構成する圧電/電歪磁器組成物のNi含有率が、最下層の圧電/電歪部以外の圧電/電歪部を構成する圧電/電歪磁器組成物のNi含有率よりも小さい場合においては、配設された電極がNi移動障壁としても機能し、より低Ni含有率とした圧電/電歪部に、より高Ni含有率とした圧電/電歪部からNiが移行して異相を形成することが有効に防止される。
【0063】従って、本発明においては、圧電/電歪部の実質上屈曲変位等に寄与する領域を含んだ状態で電極が配設されることが好ましく、例えば、図3に示すように第一圧電/電歪部12と第二圧電/電歪部13との形成面のうちの、その中央部分付近を含む80面積%以上の領域において電極4,5,6が配設されていることが好ましい。
【0064】また、図5(a)、図5(b)に示すように、複数の圧電素子単位10a〜10cで基体1を共用化する場合には、各圧電素子単位10a〜10cにおける最下層の電極14と最上層の電極16は各圧電素子単位10a〜10c間で共用化され、各圧電/電歪部2a〜2c,3a〜3cに対応する領域に配設される一体型の電極14としてもよい。このような一体型の電極14とすれば、個々の圧電/電歪部2a〜2c,3a〜3cに対応した形状とする必要がなく、電極を形成する際の位置合わせが容易となる。
【0065】本発明においては、電極の材質としては、白金、パラジウム、ロジウム、金、銀、及びこれらの合金からなる群より選択される少なくとも一種の金属を挙げることができる。中でも、圧電/電歪部を熱処理する際の耐熱性が高い点で、白金、又は白金を主成分とする合金が好ましい。また、電極の寸法について特に制限はないが、例えば、図6及び図12(a)、図12(b)に示すように、各電極4,5,6を同寸法とし、各電極4,5,6が厚さ方向で同範囲で対応する位置に設けられているものでもよい。また、図9に示すように、各電極4,5,6が、最下層に位置する電極4から、順次、下層に位置する電極に対応する範囲を含んでより広い範囲で設けられているものも好ましい。このような構成とすることにより、上層に位置する圧電/電歪部を下層に位置する圧電/電歪部より大きく歪ませることができるため、曲げ効率を高め、屈曲変位をより有効に発現することができる。
【0066】但し、本発明において多層型圧電素子の駆動電圧を高めることにより大きな屈曲変位を得る場合には、図10に示すように、中間に位置する電極5が、その下層又は上層に位置する電極4,6より広い範囲で設けられているもの、或いは図11に示すように、中間に位置する電極5が、電極4,6より狭い範囲で設けられているものが好ましい。このような構成とすることにより、圧電部2,3の層厚が薄くなり易い(短手方向)端部近傍で電界が殆ど加わらず、圧電/電歪部2,3の絶縁破壊を回避することができる。なお、電極を設ける範囲に広狭の差を設ける場合におけるその広狭差は、電界分布を考慮して最適化することが好ましい。例えば、圧電/電歪部2(又は3)を挟んで隣接する電極4,5(又は5,6)間で、電極を設ける面積(形成面の面積)の比の値が0.5〜2であることが好ましく、0.67〜1.5であることが更に好ましく、0.83〜1.2であることが特に好ましい。
【0067】本発明においては、電極の厚みは15μm以下であることが好ましく、5μm以下であることが更に好ましい。15μmを超えると電極が緩和層として作用し、屈曲変位が小さくなることがある。
【0068】次に、本発明(第四の発明)の実施形態について説明する。第四の発明の実施形態である圧電/電歪磁器組成物は、PbMg1/3Nb2/3−PbZrO−PbTiO三成分固溶系組成物を主成分とし、NiOを0.05〜3.0質量%含有するとともに、MgとNiの合計モル数に対して2.0〜22.0モル%のSiを含有してなることを特徴とするものである。
【0069】本実施形態の圧電/電歪磁器組成物は、所定割合のNiOを含有するものであるため、これを焼成して形成される圧電/電歪部における異相の形成を抑制することができ、電界誘起歪に寄与するペロブスカイト相の占める割合が大きく、これまで述べてきたような、小型・高特性な圧電/電歪膜型素子を構成する、緻密であるとともに極めて高い圧電特性を有する圧電/電歪部を形成することができる。また、所定割合のSiを含有するものであるため、Siを含有しない従来の圧電/電歪磁器組成物よりも、より低い温度で焼成することにより、高い圧電特性を有する緻密な圧電/電歪材料(バルク体)を製造することができる。更に、より低い焼成温度で圧電/電歪材料(バルク体)を製造できるため、設備、コスト面等においても優れている。
【0070】なお、焼成することによる異相の形成をより抑制する観点からは、NiO含有割合が0.10〜2.5質量%であることが好ましく、0.15〜2.0質量%であることが更に好ましい。また、より緻密、かつ得られる圧電/電歪部の圧電特性の低下を起こさせないといった観点からは、MgとNiの合計モル数に対するSiの含有割合が3.0〜21.0モル%であることが好ましく、3.9〜19.8モル%であることが更に好ましい。
【0071】また、本発明の圧電/電歪磁気組成物は、下記一般式(17)に示すPbMg1/3Nb2/3−PbZrO−PbTiO三成分固溶系組成物を主成分としてなるものであることが、より高い圧電特性を有する圧電/電歪部を形成することができる点で好ましい。
【0072】
【化17】
Pb(Mgy/3Nb2/3TiZr …(17)
「式(17)中、0.95≦x≦1.05、0.8≦y≦1.0であり、かつa,b,cが、該a,b,cの3つを座標軸とする座標中、(a,b,c)=(0.550,0.425,0.025)、(0.550,0.325,0.125)、(0.375,0.325,0.300)、(0.100,0.425,0.475)、(0.100,0.525,0.375)、(0.375,0.425,0.200)で囲まれる範囲の小数である(但し、a+b+c=1.00である。)。」
【0073】次に、本発明(第五の発明)の実施形態について説明する。第五の発明の実施形態である圧電/電歪磁器組成物は、Pb(Mg、Ni)1/3Nb2/3−PbZrO−PbTiO三成分固溶系組成物を主成分とし、かつ、MgとNiの合計モル数に対して4.0〜37.0モル%のSiを含有してなることを特徴とするものである。
【0074】本実施形態の圧電/電歪磁器組成物は、Mgの一部をNiで置換したものであるため、これを焼成して形成される圧電/電歪部における異相の形成を抑制することができ、電界誘起歪に寄与するペロブスカイト相の占める割合が大きく、これまで述べてきたような、小型・高特性な圧電/電歪膜型素子を構成する、緻密であるとともに極めて高い圧電特性を有する圧電/電歪部を形成することができる。また、本実施形態の圧電/電歪磁器組成物は、所定割合のSiを含有するものであるため、Siを含有しない従来の圧電/電歪磁器組成物よりも、より低い温度で焼成することにより、高い圧電特性を有する緻密な圧電/電歪材料(バルク体)を製造することができる。更に、より低い焼成温度で圧電/電歪材料(バルク体)を製造できるため、設備、コスト面等においても優れている。
【0075】なお、より緻密、かつ得られる圧電/電歪部の圧電特性の低下を起こさせないといった観点からは、MgとNiの合計モル数に対するSiの含有割合が5.5〜34.0モル%であることが好ましく、6.6〜32.8モル%であることが更に好ましい。
【0076】また、本発明(第五の発明)の圧電/電歪磁気組成物は、下記一般式(18)に示すPb(Mg、Ni)1/3Nb2/3−PbZrO−PbTiO三成分固溶系組成物を主成分としてなるものであることが、より高い圧電特性を有する圧電/電歪部を形成することができる点で好ましい。
【0077】
【化18】
Pb{(Mg1−yNi(1/3) × Nb2/3TiZr …(18)
「式(18)中、0.95≦x≦1.05、0.05≦y≦0.20、0.90≦a≦1.10であり、かつb,c,dが、該b,c,dを座標軸とする座標中、(b,c,d)=(0.550,0.425,0.025)、(0.550,0.325,0.125)、(0.375,0.325,0.300)、(0.100,0.425,0.475)、(0.100,0.525,0.375)、(0.375,0.425,0.200)で囲まれる範囲の小数である(但し、(b+c+d)=1.000である。)。」
【0078】次に、本発明の圧電/電歪膜型素子(第一〜第三の発明)、及び本発明の圧電/電歪磁器組成物(第四、第五の発明)の製造方法について説明する。まず、セラミックスからなる基体上に、又は基体表面に形成された電極上に、圧電/電歪磁器組成物を形成する。電極を形成する方法としては、例えば、イオンビーム、スパッタリング、真空蒸着、PVD、イオンプレーティング、CVD、メッキ、スクリーン印刷、スプレー、又はディッピング等の方法を挙げることができる。中でも、基体及び圧電/電歪部との接合性の点でスパッタリング法、スクリーン印刷法が好ましい。形成された電極は、1000〜1400℃程度の熱処理により、基体及び/又は圧電/電歪部と一体化することができる。この熱処理は、圧電材料を形成する前に、電極を形成した時点で行ってもよいが、所望の形成体を作製した後に行う熱処理によって一括して行ってもよい。
【0079】圧電/電歪磁器組成物はその組成に対応させて各種原料を混合してなる混合原料を仮焼、粉砕して調製するか、或いは混合原料を仮焼後、NiO、SiOを添加し、更に仮焼後、粉砕して調製することができる。以下、代表例としてPbMg1/3Nb2/3−PbZrO−PbTiO三成分固溶系組成物を主成分とする圧電/電歪磁器組成物の調製方法について具体的に述べる。
【0080】まず、Pb、Mg、Nb、Zr、若しくはTiの各元素単体、これら各元素の酸化物(PbO、Pb、MgO、Nb、TiO、又はZrO等)、炭酸塩(MgCO等)、又はこれら各元素を複数種含有する化合物(MgNbO等)等を、各元素の含有率が所望の圧電/電歪磁器組成物の組成割合になるように混合して、圧電/電歪磁器組成物の主成分となる混合原料を調製する。
【0081】次に、この混合原料を750〜1300℃で仮焼した後、NiO、SiOを所望量添加した後に混合し、再度750〜1300℃で仮焼することにより、圧電/電歪磁器組成物を得ることができる。得られた圧電/電歪磁器組成物は、X線回折装置による回折強度において、パイロクロア相の最強回折線の強度と、ペロブスカイト相の最強回折線の強度との比が5%以下であることが好ましく、2%以下であることが更に好ましい。
【0082】得られた圧電/電歪磁器組成物は、ボールミル、アトライタ、ビーズミルなどの一般的な粉砕装置を用いることにより粉砕して、所望の粒径の粉末とする。この際、粉末の平均粒径は0.1〜1.0μmであることが好ましく、0.3〜0.7μmであることが更に好ましい。
【0083】なお、粉末粒径の調整は、粉砕して得られた粉末を400〜750℃で熱処理することにより行ってもよい。この際には、微細な粒子ほど他の粒子と一体化して粒径の揃った粉末となり、粒径が揃った圧電/電歪部とすることができるため好ましい。また、圧電/電歪磁器組成物は、例えば、アルコキシド法や共沈法等によって調製してもよい。
【0084】一方、Pb(Mg、Ni)1/3Nb2/3−PbZrO−PbTiO三成分固溶系組成物を主成分とする圧電/電歪磁器組成物は、Pb、Mg、Ni、Nb、Zr、若しくはTiの各元素単体、これら各元素の酸化物(PbO、Pb、MgO、NiO、Nb、TiO、又はZrO等)、炭酸塩(MgCO等)、又はこれら各元素を複数種含有する化合物(MgNbO等)等を、Pb、Mg、Ni、Nb、Zr、及びTiの各元素の含有率が、所望の圧電/電歪磁器組成物の組成割合になるように混合してなる混合原料を一度で仮焼することの他は、前述したPbMg1/3Nb2/3−PbZrO−PbTiO三成分固溶系組成物を主成分とする圧電/電歪磁器組成物の場合と同様である。
【0085】得られた圧電/電歪磁器組成物を基体表面上に形成する方法としては、例えば、スクリーン印刷、スプレー、又はディッピング等の方法を挙げることができる。中でも、簡単に精度の高い形状、厚さで連続して形成することができる点でスクリーン印刷法が好ましい。次に、基板表面上に形成した圧電/電歪磁器組成物からなる層の上に、前述の方法と同様に方法により電極を形成する。なお、必要に応じて更にこの電極上に圧電/電歪磁器組成物及び電極を順次形成すればよい。
【0086】その後、得られた形成体を一体的に熱処理する。この熱処理により、圧電/電歪部を基体に直接又は電極を介して固着させることができる。なお、この熱処理は必ずしも一体的に実施する必要はなく、一層形成させる毎に順次実施してもよいが、生産効率の観点からは電極も含めた状態で一体的に熱処理することが好ましい。
【0087】熱処理温度は1000〜1400℃が好ましく、1100〜1350℃が更に好ましい。1000℃未満では、基体又は電極と、圧電/電歪部との固着が不完全であったり、圧電/電歪部の緻密性が不十分となることがあり、1400℃を超えると圧電/電歪磁器組成物中のPb、Niの揮発量が多くなるため、所望の組成の圧電/電歪部を形成することが困難となる。また、熱処理時の最高温度保持時間は10分以上10時間以下が好ましく、20分以上4時間以下が更に好ましい。最高温度保持時間が10分未満では、圧電/電歪部の緻密化が不十分となり易く、所望の特性が得られない場合があり、最高温度保持時間が10時間を超えると、たとえ雰囲気制御を行っていてもPbやNiの揮発総量が多くなり、圧電特性が低下したり、絶縁破壊が増えるという不具合が発生する。
【0088】Ni含有率を所望量に制御した状態の圧電/電歪部を形成するには、形成した圧電材料のNi含有率と略同一であるNi含有率である雰囲気制御用材料を共存させて熱処理を行うことが好ましい。なお、雰囲気制御用材料は、更に、他の成分の揮発をも防止し、所望の組成の圧電/電歪部を確実に得るという点からは、他の成分の含有率についても形成した圧電/電歪磁器組成物と略同一とすることが好ましい。
【0089】その後、適当な条件下で分極処理を実施するが、その際には公知の通り素子を加熱して分極処理することが好ましい。加熱温度は、圧電/電歪体のキュリー点にもよるが、40〜200℃とすることが好適である。
【0090】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、製造した圧電/電歪膜型素子、バルク体である圧電/電歪材料について以下のようにして各々屈曲変位比率、電界誘起歪を測定して評価した。
【0091】
(屈曲変位比率)
上下電極間に電界が4kV/mmとなるように電圧を印加した際に生じた屈曲変位(μm)をレーザー変位測定機により測定し、後述する比較例1の圧電/電歪膜型素子の屈曲変位を100%とした場合における、各試料の屈曲変位を、屈曲変位比率(%)として測定・算出した。
【0092】
(電界誘起歪)
バルク体である圧電/電歪材料を12×3×1mmの寸法形状の試料として切り出し、この試料の両面に12×3mmのAgからなる電極を形成する。これらの電極上に歪ゲージを貼付し、電極間に4kV/mmの電圧を印加した場合における、電界と垂直な方向の歪量を電界誘起歪(ppm)として測定した。
【0093】
(実施例1〜3、比較例1〜3)
で安定化されたZrO基板上に、このZrO基板と同一寸法形状で厚み3μmのPtからなる下部電極をスクリーン印刷法により形成し、熱処理して基体と一体化させた。次いで、その上にPb1.00(Mg1/3Nb2/30.20Ti0.43Zr0.37を主成分とし、NiOを1.0質量%含有するとともに、NiとMgの合計モル数に対するSiの含有割合(Si/(Ni+Mg))が、表1に示す割合(モル%)である圧電/電歪磁器組成物をスクリーン印刷法により、厚さ7μmとなるように形成した。更にその上に、Auからなる上部電極をスクリーン印刷法により形成した後に熱処理して、圧電/電歪膜型素子(実施例1〜3、比較例1〜3)を製造した。なお、熱処理後の圧電/電歪部の厚みは全て5μmであった。屈曲変位比率の測定結果を表1に示す。
【0094】
【表1】
Figure 2004304018
【0095】表1に示すように、Si/(Ni+Mg)(モル%)の値が小さいと(比較例1,2)、焼き締まり難いために屈曲変位が小さくなることが明らかである。一方、Si/(Ni+Mg)(モル%)の値が大き過ぎても(比較例3)、屈曲変位が小さくなることが判明した。これは、SiがPbと異相を形成し、屈曲変位が低下したためと考えられる。
【0096】
(実施例4〜6)
NiとMgの合計モル数に対するSiの含有割合(Si/(Ni+Mg))が6.5モル%である、表2に示す組成の圧電/電歪磁器組成物を用いたこと以外は、前述の実施例1〜3、比較例1〜3と同様にして、圧電/電歪膜型素子(実施例4〜6)を製造した。なお、熱処理後の圧電/電歪部の厚みは全て5μmであった。屈曲変位比率の測定結果を表2に示す。
【0097】
【表2】
Figure 2004304018
【0098】表2に示すように、実施例4,6に比して実施例5の方がより屈曲変位が高いものであることが明らかである。従って、圧電/電歪磁器組成物を構成する三成分(PbMg1/3Nb2/3、PbZrO、及びPbTiO)の組成比率に最適な数値範囲があることが分かる。
【0099】
(実施例7〜9、比較例4,5)
Pb1.00{(Mg0.87Ni0.131/3Nb2/30.20Ti0.43Zr0.37を主成分とし、NiとMgの合計モル数に対するSiの含有割合(Si/(Ni+Mg))が、表3に示す割合(モル%)である圧電/電歪磁器組成物を用いたこと以外は、前述の実施例1〜3、比較例1〜3と同様にして、圧電/電歪膜型素子(実施例7〜9、比較例4,5)を製造した。なお、熱処理後の圧電/電歪部の厚みは全て5μmであった。屈曲変位比率の測定結果を表3に示す。
【0100】
【表3】
Figure 2004304018
【0101】表3に示すように、Si/(Ni+Mg)(モル%)の値が小さいと(比較例4)、焼き締まり難いために屈曲変位が小さくなることが明らかである。一方、Si/(Ni+Mg)(モル%)の値が大き過ぎても(比較例5)、屈曲変位が小さくなることが判明した。これは、SiがPbと異相を形成し、屈曲変位が低下したためと考えられる。
【0102】
(実施例10〜12)
NiとMgの合計モル数に対するSiの含有割合(Si/(Ni+Mg))が9.4モル%である、表4に示す組成の圧電/電歪磁器組成物を用いたこと以外は、前述の実施例7〜9、比較例4,5と同様にして、圧電/電歪膜型素子(実施例10〜12)を製造した。なお、熱処理後の圧電/電歪部の厚みは全て5μmであった。屈曲変位比率の測定結果を表4に示す。
【0103】
【表4】
Figure 2004304018
【0104】表4に示すように、実施例10,12に比して実施例11の方がより屈曲変位が高いものであることが明らかである。従って、圧電/電歪磁器組成物を構成する三成分(PbMg1/3Nb2/3、PbZrO、及びPbTiO)の組成比率に最適な数値範囲があることが分かる。
【0105】
(実施例13)
で安定化されたZrO基板上に、このZrO基板と同一寸法形状で厚み3μmのPtからなる下部電極をスクリーン印刷法により形成し、熱処理して基体と一体化させた。次いで、その上にPb1.00(Mg1/3Nb2/30.20Ti0.43Zr0.37を主成分とし、NiOを1.0質量%含有するとともに、NiとMgの合計モル数に対するSiの含有割合(Si/(Ni+Mg))が9.9モル%である圧電/電歪磁器組成物をスクリーン印刷法により、厚さ7μmとなるように形成した。次いで、その上に、Ptからなる中間部電極をスクリーン印刷法により形成し、その上に前述の一層目と同一の圧電/電歪磁器組成物をスクリーン印刷法により、厚さ7μmとなるように形成した。更にその上に、Auからなる上部電極をスクリーン印刷法により形成した後に熱処理して、圧電/電歪膜型素子(実施例13)を製造した。なお、熱処理後の圧電/電歪部の厚みは各々5μmであった。
【0106】実施例13の圧電/電歪膜型素子の屈曲変位比率を測定したところ、188%と極めて高い数値を示した。
【0107】
(実施例14)
Pb1.00{(Mg0.87Ni0.131/3Nb2/30.20Ti0.43Zr0.37を主成分とし、NiとMgの合計モル数に対するSiの含有割合(Si/(Ni+Mg))が16.4モル%である圧電/電歪磁器組成物を用いたこと以外は、前述の実施例13と同様にして圧電/電歪膜型素子(実施例14)を製造した。なお、熱処理後の圧電/電歪部の厚みは各々5μmであった。
【0108】実施例14の圧電/電歪膜型素子の屈曲変位比率を測定したところ、191%と極めて高い数値を示した。
【0109】
(実施例15〜17)
NiとMgの合計モル数に対するSiの含有割合(Si/(Ni+Mg))が9.9モル%である圧電/電歪磁器組成物を用いたこと、及び圧電/電歪部の厚みが表5に示す値となるように圧電/電歪磁器組成物を形成したこと以外は、前述の実施例1〜3、比較例1〜3と同様にして圧電/電歪膜型素子(実施例15〜17)を製造した。屈曲変位比率の測定結果を表5に示す。
【0110】
【表5】
Figure 2004304018
【0111】表5に示すように、実施例15,17に比して実施例16の方がより屈曲変位が高いものであることが明らかである。従って、圧電/電歪部の厚みに、屈曲変位が極大となる最適な数値範囲があることが分かる。
【0112】
(実施例18)
で安定化されたZrO基板上に、このZrO基板と同一寸法形状で厚み3μmのPtからなる下部電極をスクリーン印刷法により形成し、熱処理して基体と一体化させた。次いで、その上にPb1.00{(Mg0.87Ni0.131/3Nb2/30.20Ti0.43Zr0.37を主成分とし、NiとMgの合計モル数に対するSiの含有割合(Si/(Ni+Mg))が16.4モル%である圧電/電歪磁器組成物をスクリーン印刷法により、厚さ7μmとなるように形成した。次いで、その上に、Ptからなる中間部電極をスクリーン印刷法により形成し、その上にPb1.00(Mg1/3Nb2/30.20Ti0.43Zr0.37を主成分とし、NiOを1.0質量%含有するとともに、NiとMgの合計モル数に対するSiの含有割合(Si/(Ni+Mg))が9.9モル%である圧電/電歪磁器組成物圧電/電歪磁器組成物をスクリーン印刷法により、厚さ7μmとなるように形成した。更にその上に、Auからなる上部電極をスクリーン印刷法により形成した後に熱処理して、圧電/電歪膜型素子(実施例18)を製造した。なお、熱処理後の圧電/電歪部の厚みは各々5μmであった。
【0113】実施例18の圧電/電歪膜型素子の屈曲変位比率を測定したところ、193%と極めて高い数値を示した。
【0114】
(実施例19)
Pb1.00(Mg1/3Nb2/30.20Ti0.43Zr0.37を主成分とし、NiOを1.0質量%含有するとともに、NiとMgの合計モル数に対するSiの含有割合(Si/(Ni+Mg))が9.9モル%である圧電/電歪磁器組成物(実施例19)を、表6に示す各焼成温度で焼成(熱処理)することにより、圧電/電歪材料(バルク体)を製造した。電界誘起歪の測定結果を表6に示す。
【0115】
(実施例20)
Pb1.00{(Mg0.87Ni0.131/3Nb2/30.20Ti0.43Zr0.37を主成分とし、NiとMgの合計モル数に対するSiの含有割合(Si/(Ni+Mg))が16.4モル%である圧電/電歪磁器組成物(実施例20)を、表6に示す各焼成温度で焼成(熱処理)することにより、圧電/電歪材料(バルク体)を製造した。電界誘起歪の測定結果を表6に示す。
【0116】
(比較例6)
Pb1.00(Mg1/3Nb2/30.20Ti0.43Zr0.37をからなる圧電/電歪磁器組成物(比較例6)を、表6に示す各焼成温度で焼成(熱処理)することにより、圧電/電歪材料(バルク体)を製造した。電界誘起歪の測定結果を表6に示す。
【0117】
【表6】
Figure 2004304018
【0118】表6に示すように、SiとNiを含有しない場合(比較例6)には、低温(1150℃以下)の焼成温度では電界誘起歪を測定することができず、より高い焼成温度(1200℃以上)でなければ緻密な圧電/電歪材料(バルク体)を製造できないことが明らかである。これに対して、実施例19,20の圧電/電歪磁器組成物は、比較的低温で焼成することによっても十分に緻密化した圧電/電歪材料(バルク体)を製造できることが明らかである。
【0119】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の圧電/電歪膜型素子は、これを構成する圧電/電歪磁器組成物が、所定の三成分固溶系組成物に所定割合のNiOとSiとを含有してなり、圧電/電歪部が、基体上に直接又は正極若しくは負極を介して固着されているものであるため、緻密であるとともに極めて高い圧電特性を有する圧電/電歪部を備え、かつ、基体と圧電/電歪部間の振動伝達性に優れた圧電/電歪膜型素子である。
【0120】また、本発明の圧電/電歪膜型素子は、第一及び第二圧電/電歪部を構成する圧電/電歪磁器組成物が、所定の三成分固溶系組成物に所定割合のNiOとSiとを含有してなるものであるため、緻密であるとともに極めて高い圧電特性を有する圧電/電歪部を備え、かつ、基体と圧電/電歪部間の振動伝達性に優れた圧電/電歪膜型素子である。また、本発明の圧電/電歪膜型素子は、その特性を生かし、アクチュエータ、センサー等として好適である。
【0121】また、本発明の圧電/電歪磁器組成物は、所定の三成分固溶系組成物を主成分とし、所定割合のNiOとSiとを含有してなるものであるため、上述した特性を有する圧電/電歪膜型素子を構成するための圧電/電歪磁器組成物として好適であり、かつ、より低い焼成温度で緻密な圧電/電歪材料(バルク体)を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧電/電歪膜型素子の一の実施形態を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明の圧電/電歪膜型素子の他の実施形態を模式的に示す断面図である。
【図3】本発明の圧電/電歪膜型素子の、更に他の実施形態を模式的に示す断面図である。
【図4】本発明の圧電/電歪膜型素子の、更に他の実施形態を模式的に示す断面図である。
【図5】本発明の圧電/電歪膜型素子の、更に他の実施形態を模式的に示す図面であり、図5(a)は上面図、図5(b)は断面図である。
【図6】図3に示す実施形態のより具体的な一例を示す断面図である。
【図7】図3に示す実施形態のより具体的な他の例を示す断面図である。
【図8】図3に示す実施形態のより具体的な更に他の例を示す断面図である。
【図9】図3に示す実施形態のより具体的な更に他の例を示す断面図である。
【図10】図3に示す実施形態のより具体的な更に他の例を示す断面図である。
【図11】図3に示す実施形態のより具体的な更に他の例を示す断面図である。
【図12】図12(a)は図6のX−X’断面図であり、図12(b)は図6の上面図である。
【符号の説明】
1…基体、1a…固着面、1b…厚肉部、1c…薄肉部、2,2a,2b,2c,3,3a,3b,3c…圧電/電歪部、4,5,6,14,16…電極、10,10a,10b,10c…圧電/電歪素子単位、12…第一圧電/電歪部、13…第二圧電/電歪部。

Claims (14)

  1. セラミックスからなる基体上に、圧電/電歪磁器組成物からなる少なくとも一の圧電/電歪部と、前記圧電/電歪部に電気的に接続される、正極及び負極からなる少なくとも一対の電極とを備える圧電/電歪膜型素子において、
    前記圧電/電歪磁器組成物が、PbMg1/3Nb2/3−PbZrO−PbTiO三成分固溶系組成物を主成分とし、NiOを0.05〜3.0質量%含有するとともに、MgとNiの合計モル数に対して2.0〜22.0モル%のSiを含有してなり、
    前記圧電/電歪部が、前記基体上に直接又は前記正極若しくは前記負極を介して固着されていることを特徴とする圧電/電歪膜型素子。
  2. 前記圧電/電歪磁器組成物が、下記一般式(1)に示すPbMg1/3Nb2/3−PbZrO−PbTiO三成分固溶系組成物を主成分としてなるものである請求項1に記載の圧電/電歪膜型素子。
    【化1】
    Pb(Mgy/3Nb2/3TiZr …(1)
    「式(1)中、0.95≦x≦1.05、0.8≦y≦1.0であり、かつa,b,cが、該a,b,cの3つを座標軸とする座標中、(a,b,c)=(0.550,0.425,0.025)、(0.550,0.325,0.125)、(0.375,0.325,0.300)、(0.100,0.425,0.475)、(0.100,0.525,0.375)、(0.375,0.425,0.200)で囲まれる範囲の小数である(但し、a+b+c=1.00である。)。」
  3. セラミックスからなる基体上に、圧電/電歪磁器組成物からなる少なくとも一の圧電/電歪部と、前記圧電/電歪部に電気的に接続される、正極及び負極からなる少なくとも一対の電極とを備える圧電/電歪膜型素子において、
    前記圧電/電歪磁器組成物が、Pb(Mg、Ni)1/3Nb2/3−PbZrO−PbTiO三成分固溶系組成物を主成分とし、かつ、MgとNiの合計モル数に対して4.0〜37.0モル%のSiを含有してなり、前記圧電/電歪部が、前記基体に直接又は前記正極若しくは前記負極を介して固着されていることを特徴とする圧電/電歪膜型素子。
  4. 前記圧電/電歪磁器組成物が、下記一般式(2)に示すPb(Mg、Ni)1/3Nb2/3−PbZrO−PbTiO三成分固溶系組成物を主成分としてなるものである請求項3に記載の圧電/電歪膜型素子。
    【化2】
    Pb{(Mg1−yNi(1/3) × Nb2/3TiZr …(2)
    「式(2)中、0.95≦x≦1.05、0.05≦y≦0.20、0.90≦a≦1.10であり、かつb,c,dが、該b,c,dを座標軸とする座標中、(b,c,d)=(0.550,0.425,0.025)、(0.550,0.325,0.125)、(0.375,0.325,0.300)、(0.100,0.425,0.475)、(0.100,0.525,0.375)、(0.375,0.425,0.200)で囲まれる範囲の小数である(但し、(b+c+d)=1.000である。)。」
  5. 前記圧電/電歪部を複数、及び前記電極を複数対備え、複数の前記圧電/電歪部が、複数対の前記電極の前記正極及び前記負極により交互に挟持・積層されてなる請求項1〜4のいずれか一項に記載の圧電/電歪膜型素子。
  6. 一の前記圧電/電歪部の厚みが、1〜10μmである請求項1〜5のいずれか一項に記載の圧電/電歪膜型素子。
  7. セラミックスからなる基体上に、圧電/電歪磁器組成物からなる複数の圧電/電歪部と、前記圧電/電歪部に電気的に接続される、正極及び負極からなる複数対の電極とを備え、複数の前記圧電/電歪部が、複数対の前記電極の前記正極及び前記負極により交互に挟持・積層されてなる圧電/電歪膜型素子において、
    少なくとも一の前記圧電/電歪部(第一圧電/電歪部)を構成する前記圧電/電歪磁器組成物が、Pb(Mg、Ni)1/3Nb2/3−PbZrO−PbTiO三成分固溶系組成物を主成分とし、かつ、MgとNiの合計モル数に対して4.0〜37.0モル%のSiを含有してなり、
    少なくとも一の前記圧電/電歪部(第二圧電/電歪部)を構成する前記圧電/電歪磁器組成物が、PbMg1/3Nb2/3−PbZrO−PbTiO三成分固溶系組成物を主成分とし、NiOを0.05〜3.0質量%含有するとともに、MgとNiの合計モル数に対して2.0〜22.0モル%のSiを含有してなることを特徴とする圧電/電歪膜型素子。
  8. 前記第二圧電/電歪部を構成する前記圧電/電歪磁器組成物が、下記一般式(3)に示すPbMg1/3Nb2/3−PbZrO−PbTiO三成分固溶系組成物を主成分としてなり、
    前記第一圧電/電歪部を構成する前記圧電/電歪磁器組成物が、下記一般式(4)に示すPb(Mg、Ni)1/3Nb2/3−PbZrO−PbTiO三成分固溶系組成物を主成分としてなる請求項7に記載の圧電/電歪膜型素子。
    【化3】
    Pb(Mgy/3Nb2/3TiZr …(3)
    「式(3)中、0.95≦x≦1.05、0.8≦y≦1.0であり、かつa,b,cが、該a,b,cの3つを座標軸とする座標中、(a,b,c)=(0.550,0.425,0.025)、(0.550,0.325,0.125)、(0.375,0.325,0.300)、(0.100,0.425,0.475)、(0.100,0.525,0.375)、(0.375,0.425,0.200)で囲まれる範囲の小数である(但し、a+b+c=1.00である。)。」
    【化4】
    Pb{(Mg1−yNi(1/3) × Nb2/3TiZr …(4)
    「式(4)中、0.95≦x≦1.05、0.05≦y≦0.20、0.90≦a≦1.10であり、かつb,c,dが、該b,c,dを座標軸とする座標中、(b,c,d)=(0.550,0.425,0.025)、(0.550,0.325,0.125)、(0.375,0.325,0.300)、(0.100,0.425,0.475)、(0.100,0.525,0.375)、(0.375,0.425,0.200)で囲まれる範囲の小数である(但し、(b+c+d)=1.000である。)。」
  9. 前記複数の圧電/電歪部の厚みが、各々1〜10μmである請求項7又は8に記載の圧電/電歪膜型素子。
  10. 最下層の前記圧電/電歪部を構成する前記圧電/電歪磁器組成物のNi含有率が、前記最下層の前記圧電/電歪部以外の前記圧電/電歪部を構成する前記圧電/電歪磁器組成物のNi含有率よりも小さい請求項7〜9のいずれか一項に記載の圧電/電歪膜型素子。
  11. PbMg1/3Nb2/3−PbZrO−PbTiO三成分固溶系組成物を主成分とし、NiOを0.05〜3.0質量%含有するとともに、MgとNiの合計モル数に対して2.0〜22.0モル%のSiを含有してなることを特徴とする圧電/電歪磁器組成物。
  12. 下記一般式(5)に示すPbMg1/3Nb2/3−PbZrO−PbTiO三成分固溶系組成物を主成分としてなる請求項11に記載の圧電/電歪磁器組成物。
    【化5】
    Pb(Mgy/3Nb2/3TiZr …(5)
    「式(5)中、0.95≦x≦1.05、0.8≦y≦1.0であり、かつa,b,cが、該a,b,cの3つを座標軸とする座標中、(a,b,c)=(0.550,0.425,0.025)、(0.550,0.325,0.125)、(0.375,0.325,0.300)、(0.100,0.425,0.475)、(0.100,0.525,0.375)、(0.375,0.425,0.200)で囲まれる範囲の小数である(但し、a+b+c=1.00である。)。」
  13. Pb(Mg、Ni)1/3Nb2/3−PbZrO−PbTiO三成分固溶系組成物を主成分とし、かつ、MgとNiの合計モル数に対して4.0〜37.0モル%のSiを含有してなることを特徴とする圧電/電歪磁器組成物。
  14. 下記一般式(6)に示すPb(Mg、Ni)1/3Nb2/3−PbZrO−PbTiO三成分固溶系組成物を主成分としてなる請求項13に記載の圧電/電歪磁器組成物。
    【化6】
    Pb{(Mg1−yNi(1/3) × Nb2/3TiZr …(6)
    「式(6)中、0.95≦x≦1.05、0.05≦y≦0.20、0.90≦a≦1.10であり、かつb,c,dが、該b,c,dを座標軸とする座標中、(b,c,d)=(0.550,0.425,0.025)、(0.550,0.325,0.125)、(0.375,0.325,0.300)、(0.100,0.425,0.475)、(0.100,0.525,0.375)、(0.375,0.425,0.200)で囲まれる範囲の小数である(但し、(b+c+d)=1.000である。)。」
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