JP2004290071A - プリン体化合物低減発酵麦芽飲料の製造方法 - Google Patents

プリン体化合物低減発酵麦芽飲料の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】プリン体化合物が低減化された発酵麦芽飲料、及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】プリン体化合物を吸着剤で選択的に吸着、除去するビールや発泡酒等の発酵麦芽飲料の製造工程において、吸着剤でプリン体化合物を吸着、除去する処理を、糖化工程以降、ホップ添加前の工程において、25℃以上、糖化工程温度以下の温度範囲で行うことにより、苦味成分等のビールや発泡酒等にとって必要な成分の除去を避け、プリン体化合物の吸着、除去を効率的に行なうことができる。本発明の吸着剤処理における温度範囲としては、通常、25℃〜80℃の温度範囲であり、特に、40℃〜60℃の温度範囲が好ましい。本発明の吸着処理におけるプリン体化合物の吸着、除去の条件により、プリン体化合物の吸着、除去に使用する吸着剤の量を減少させることができる。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリン体化合物が低減化された発酵麦芽飲料、及びその製造方法に関する。より詳しくは、ビールもしくは発泡酒等の麦芽を原料の一部又は全部とする発酵麦芽飲料の製造において、プリン体化合物をより効率的且つ効果的に除去する方法、及びその方法により製造されるプリン体化合物が低減化された発酵麦芽飲料に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビール中には、総プリン体化合物が40〜100mg/L程度存在する。プリン体化合物である、プリン塩基(アデニン、グアニン、キサンチンなど)、プリンヌクレオシド(アデノシン、グアノシン、イノシンなど)、プリンヌクレオチド(アデニル酸、グアニル酸、イノシン酸など)並びにその高分子核酸は、食餌として摂取された場合、尿酸に分解される。高尿酸血症における食餌制限では、このプリン体化合物の摂取の制限がなされる場合があるが、より高含有食物としての肉、卵、肝等の制限に加えて、ビールなどの食餌制限を受けることがある。この場合に、ビール等においてもプリン化合物を低減化した製品が望まれる。
【0003】
ビールの製造において、プリン化合物を低減化する試みが、報告されている。再公表特許公報WO96/25483には、ビールの麦汁にヌクレオシド・フォスフォリラーゼ及び/又はヌクレオシダーゼを作用させて、麦汁中のヌクレオシドを分解させ、プリン化合物の濃度を低減させたビールの製造方法が開示されている。この方法は、ビールの製造において、麦汁中に含まれるプリンヌクレオシドを酵素を用いてプリン塩基に分解せしめ、該プリン塩基を発酵工程において酵母に資化させ、プリン化合物含量を低減させたビールを得るというものであるが、この方法は、プリンヌクレオシドの分解比率(本実施例では約60%)と、生成されたプリン塩基と元々麦汁に存在するプリン塩基の合計量の酵母による資化率により、左右されるものでありその低減量には限界がある。したがって、血中尿酸値の上昇を懸念する消費者の要望を満足するために、効率的で、且つ効果的なプリン体化合物の低減化方法の開発が望まれているところであった。
【0004】
【特許文献1】
WO96/25483。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、プリン体化合物が低減化された発酵麦芽飲料、及びその製造方法を提供すること、より詳しくは、ビール若しくは発泡酒等の発酵麦芽飲料の製造において、ビールや発泡酒の必要な成分への影響が少なく、しかも、プリン体化合物をより効率的且つ効果的に除去する方法、及びその方法により製造されるプリン体化合物が低減化された発酵麦芽飲料を提供することにある。
【0006】
本発明者は、先に、ビールや発泡酒等の発酵麦芽飲料の製造工程において、麦汁若しくは発酵液中のプリン体化合物を選択的に吸着する吸着剤、特に活性炭で処理することにより、麦汁若しくは発酵液中のプリン体化合物を選択的に吸着、除去し、プリン体化合物の低減された発酵麦芽飲料を効率的且つ効果的に製造できる技術を開発した(特願2001−298661号、特願2002−130275号)。この方法において、吸着、除去に必要な活性炭を添加することにより、発酵液中のプリン体化合物を選択的に吸着、除去するが、その添加する工程によっては、プリン体化合物と共に、ビールや発泡酒等にとって必要な成分の除去が避けられず、特に、一部の苦味成分や色素成分への影響が大きかった。
【0007】
したがって、このような場合には、その後に苦味成分の補充や香味の調整等の工程を補充する必要があった。また、発酵液中のプリン体化合物の吸着、除去に際して、吸着剤の量が増えれば、その分だけ多く、プリン体化合物と併せて本来発酵麦芽飲料にとって必要な成分も同時に吸着、除去されてしまうため、使用する吸着剤の量にも制限が必要であった。そこで、本発明の課題は、これらの制約を取り除いた、より効率的で且つ効果的なプリン体化合物の吸着、除去方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究の結果、プリン体化合物を吸着剤で選択的に吸着、除去する、ビールや発泡酒等の発酵麦芽飲料の製造工程において、吸着剤でプリン体化合物を吸着、除去する処理を、糖化工程以降、ホップ添加前の工程において、25℃以上、糖化工程温度以下の温度範囲で行うことにより、苦味成分等のビールや発泡酒等にとって必要な成分の除去を避け、しかも、プリン体化合物の吸着、除去を効率的に行なうことができることを見い出し、本発明を完成するに至つた。25℃以上、糖化工程温度以下の温度範囲としては、通常、25℃〜80℃の温度範囲であり、特に、40℃〜60℃の温度範囲が好ましい。吸着剤としては、平均細孔直径が1〜3.5nmの活性炭が特に望ましい吸着剤として用いることができる。本発明の吸着剤でのプリン体化合物の吸着、除去の条件により、活性炭等の吸着剤のプリン体吸着率を増大し、プリン体化合物の吸着、除去に使用する吸着剤の量を減少させることができる。
【0009】
すなわち具体的には本発明は、発酵麦芽飲料の製造工程において、プリン体化合物を選択的に吸着する吸着剤でプリン体化合物を吸着、除去する処理を、糖化工程以降、ホップ添加前の工程において、25℃以上、糖化工程温度以下の温度範囲で行うことを特徴とするプリン体化合物低減発酵麦芽飲料の製造方法(請求項1)や、25℃以上、糖化工程温度以下の温度範囲が、25℃〜80℃の温度であることを特徴とする請求項1記載のプリン体化合物低減発酵麦芽飲料の製造方法(請求項2)や、25℃以上、糖化工程温度以下の温度範囲が、40℃〜60℃の温度であることを特徴とする請求項1又は2記載のプリン体化合物低減発酵麦芽飲料の製造方法(請求項3)や、プリン体化合物を選択的に吸着する吸着剤が、活性炭であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載のプリン体化合物低減発酵麦芽飲料の製造方法(請求項4)や、吸着剤の平均細孔直径が1〜3.5nmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載のプリン体化合物低減発酵麦芽飲料の製造方法(請求項5)や、吸着剤の粒度が、60メッシュパスのものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載のプリン体化合物低減発酵麦芽飲料の製造方法(請求項6)や、発酵麦芽飲料の製造工程において、プリン体化合物を選択的に吸着する吸着剤による処理が、発酵麦芽飲料の仕込み工程であって麦汁濾過前の醪中において行われることを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載のプリン体化合物低減発酵麦芽飲料の製造方法(請求項7)や、発酵麦芽飲料の製造工程において、プリン体化合物を選択的に吸着する吸着剤による処理が、発酵麦芽飲料の仕込み工程であって麦汁濾過後の麦汁中おいて行われることを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載のプリン体化合物低減発酵麦芽飲料の製造方法(請求項8)や、発酵麦芽飲料の製造に、濃色麦芽を使用することを特徴とする請求項1〜8のいずれか記載のプリン体化合物低減発酵麦芽飲料の製造方法(請求項9)からなる。
【0010】
また本発明は、請求項1〜9のいずれか記載の製造方法により製造されることを特徴とするプリン体化合物低減発酵麦芽飲料(請求項10)や、発酵麦芽飲料が、ビール又は発泡酒であることを特徴とする請求項10記載のプリン体化合物低減発酵麦芽飲料(請求項11)からなる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明は、発酵麦芽飲料の製造工程において、プリン体化合物を選択的に吸着する吸着剤でプリン体化合物を吸着、除去する処理を、糖化工程以降、ホップ添加前の工程において、25℃以上、糖化工程温度以下の温度範囲で行うことよりなる。本発明の該25℃以上、糖化工程温度以下の温度範囲としては、通常、25℃〜80℃の温度範囲が用いられ、より好ましくは40℃〜60℃の温度範囲が用いられる。この温度範囲を用いることにより、高効率のプリン体吸着率を得ることができる。本発明において、プリン体化合物を選択的に吸着する吸着剤としては、活性炭を用いることが好ましい。該吸着剤の平均細孔直径は、1〜3.5nmの範囲のものが好ましく、吸着剤の粒度は、60メッシュパスのものであることが好ましい。
【0012】
本発明において、プリン体化合物を選択的に吸着する吸着剤による処理は、糖化工程以降、ホップ添加前の工程において行われる。該処理工程としては、発酵麦芽飲料の麦汁濾過前の醪中において実施することが挙げられる。例えば、糖化工程中の醪に吸着剤を添加して、或いは、糖化終了後の醪に、該醪を吸着剤の処理に最適な温度(40℃〜60℃)に調整した後、活性炭等の吸着剤を添加して、吸着処理を行うことができる。また、該処理工程として、発酵麦芽飲料の仕込み工程であって麦汁濾過後、ホップ添加前の麦汁中において行うことができる。この場合には、吸着剤の処理に最適な温度(25℃〜80℃)へのコントロールが容易になる点が、有利な点として挙げられる。吸着剤の処理方法としては、カラム処理や吸着剤を一定時間接触後該吸着剤を分離するなどの方法により、醪若しくは麦汁と吸着剤とを接触させることにより行うことができる。また、吸着剤による処理工程は、通常の発酵麦芽飲料の製造工程における、麦汁濾過工程と合体して適宜実施することができる。
【0013】
本発明においては、吸着剤による処理を、糖化工程以降、ホップ添加前の工程において行うことにより、吸着処理により、色度の低下やホップ由来の苦味成分の減少を防ぐことができる。したがって、その後に苦味成分の補充や香味の調整等を行なう処理を省略することができる。
本発明によれば、簡便な処理で、プリン体化合物をより効率的、効果的に低減することができ、且つ、品質の高い発酵麦芽飲料を製造することが可能になる。本発明の発酵麦芽飲料のプリン体の低減の程度は、総プリン体が少なくとも75%以上除去されることが望ましく、より好ましくは90%以上は除去されることが望ましい。なお、本発明の活性炭等の吸着剤による吸着処理において、若干の色素の吸着が避けられない場合は、麦汁の色素を維持する目的で、予め色度の濃い麦芽(濃色麦芽)を使用することができる。
【0014】
【実施例】
以下に、実施例を挙げてこの発明を更に具体的に説明するが、この発明の範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
(1)プリン体化合物の活性炭による吸着能
(プリン体化合物の測定方法)
試料を70%過塩素酸で分解して遊離型のプリン塩基量を測定する藤森らの方法(「アルコール飲料中のプリン体含有量」、尿酸、第9巻、第2号、P128、(1985))に準じて測定した。
【0015】
(供試プリン体化合物水溶液の調製)
ビールに多く含まれるプリン体化合物であるアデノシン、グアノシン、グアニンの3種のプリン体化合物をそれぞれ30mg/L、80mg/L、10mg/L含有する水溶液を調製した。各水溶液のO.D.260は、それぞれ1.61、2.23、0.46である。これらは260nmの吸光度で、その濃度に変換できることから、濃度をO.D.260(260nmの吸光度)で示す。
【0016】
(平均細孔直径の異なる活性炭へのプリン体化合物の吸着能)
上記3種のプリン体化合物水溶液100mLに平均細孔直径の異なる活性炭(微粉末、ヤシガラ)20mgを添加し、55℃で1時間攪拌後濾別して、濾過液のO.D.260を測定した。3種のO.D.260値を合計したその吸光度と平均細孔直径との関係を図1に示す。
図1の結果から、平均細孔直径が1〜3.5nmのものが効率良くプリン体を吸着することが分かった。
【0017】
(プリン体化合物吸着能に及ぼす活性炭の粒度の影響)
平均細孔直径が1.8nmで粒度の異なる活性炭を用意して、上記と同様、3種のプリン体化合物水溶液100mLに各活性炭を20mg添加した。55℃で、1時間攪拌し、濾過して、濾過液のO.D.260を測定した。結果を表1に示す。表1の結果から、表面積が大きくなり接触面積が大きくなる微粉末状の活性炭が好ましく、また、活性炭処理のハンドリング上、例えば、活性炭の沈降性や濾過性の観点から、60メッシュパスの粒度が好ましい。
【0018】
【表1】
Figure 2004290071
【0019】
(2)吸着処理温度の違いによるプリン体化合物の吸着
麦芽・副原料を使用した通常のビール麦汁(オリジナルエキス14.1)100mLに平均細孔直径1.8nmの粉末状活性炭300mg(乾物換算)を添加し、所定の温度(5℃〜90℃)で30分間攪拌後濾別して、該処理後の麦汁中の総プリン体化合物を測定し、吸着能の違いについて試験した。図2に示すとおり、処理温度が低すぎたり、又は高すぎたりすると、プリン体の吸着能が低下した。特に、処理温度が25℃〜80℃の場合にプリン体化合物に対して高い吸着能を示し、また、40℃〜60℃においてはさらに高い吸着能を示すことがわかった。
【0020】
(3)活性炭添加量の違いによるプリン体化合物の吸着
仕込み工程における麦汁濾過後ホップ添加前の麦汁(オリジナルエキス14.1)について、平均細孔直径1.8nmの粉末状活性炭の添加量を変えて、処理温度40℃、55℃における吸着能を測定した。結果を図3に示す。
いずれの処理温度においても、活性炭添加量の増加とともに麦汁中のプリン体含有量は減少するものの、一定の活性炭添加量に対して効率良くプリン体含有量の減少を示すのは、処理温度が55℃の場合であった。
(300mg活性炭)/(100mL麦汁)の添加量で比較すると、55℃の場合、総プリン体化合物の約80%、40℃の場合、約65%の除去となった。一方、処理温度55℃の場合を例にとると、(250mg活性炭)/(100mL麦汁)の添加量で、総プリン体化合物の約70%、(500mg活性炭)/(100mL麦汁)の添加量で、約95%以上の除去が達成できた。
【0021】
(4)糖化工程での活性炭処理によるプリン体化合物の低減化
麦芽・副原料を使用した通常のビール製造用の醪(オリジナルエキス19.3)200Lに対し活性炭1.7kg(乾物換算)を添加し、75℃で60分間接触後、ロイターで濾過して活性炭を除去し、ホップを添加し、さらに発酵工程に供した場合において、活性炭処理直後麦汁濾過前の醪、麦汁濾過後の麦汁、ホップ添加・煮沸後の冷却麦汁、主発酵後のビール(酒下し品)、貯蔵後のビール(酒出し品)、および濾過壜詰品のそれぞれについて、プリン体含量を実測した。また、活性炭添加前の醪中のプリン体含量を100とした場合の相対値をそれぞれ算出した。結果を表2に示す。
【0022】
【表2】
Figure 2004290071
【0023】
醪の段階での活性炭処理により、約82%まで総プリン体化合物量を減少させることが可能であることが確認できた。また、若干プリン体量の変動はあるものの、発酵後や濾過壜詰品におけるプリン体含量は、醪の段階における総プリン体化合物量の約75%にまで減少していることがわかった。したがって、初期の仕込み工程、特に醪の段階で活性炭による処理をしたとしても、活性炭による吸着、除去の効果は十分に認められ、さらに、発酵後のビールにおいても、その効果は維持されることがわかった。尚、このプリン体の除去率は、活性炭の量を増やすことで、さらに高くなることが確認されている。
【0024】
【発明の効果】
本発明においては、ビールや発泡酒等の発酵麦芽飲料の製造工程において、プリン体化合物を活性炭のような吸着剤で選択的に吸着、除去する処理を、発酵麦芽飲料の製造工程の特定段階及び特定の温度条件下で行なうことにより、発酵麦芽飲料中のプリン体化合物を選択的且つ効率的、効果的に除去することができると共に、苦味成分や色素成分等の発酵麦芽飲料として必要な成分が吸着処理と同時に除去されるのを防止できるという優れた効果を奏する。したがって、本発明の方法によれば、吸着処理による苦味の低下や色度の低下が抑制され、その後の苦味成分の補充や香味の調整等の工程を省略することが可能になる。よって、この方法によれば、プリン体を低減した発酵麦芽飲料の製造のためのコストを削減することができるだけでなく、発酵麦芽飲料の品質をより高めることが可能になる。すなわち、本発明は、プリン体化合物が低減され且つ品質の高い発酵麦芽飲料のより効率的で且つ効果的な製造をするために有力な手段を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例において、平均細孔直径の異なる活性炭へのプリン体化合物の吸着能の関係を示す図である。
【図2】本発明の実施例において、活性炭による処理温度を変え、プリン体化合物の吸着能を測定した結果を示す図である。
【図3】本発明の実施例において、一定の活性炭による処理温度における活性炭添加量とプリン体化合物の吸着能を測定した結果を示す図である。

Claims (11)

  1. 発酵麦芽飲料の製造工程において、プリン体化合物を選択的に吸着する吸着剤でプリン体化合物を吸着、除去する処理を、糖化工程以降、ホップ添加前の工程において、25℃以上、糖化工程温度以下の温度範囲で行うことを特徴とするプリン体化合物低減発酵麦芽飲料の製造方法。
  2. 25℃以上、糖化工程温度以下の温度範囲が、25℃〜80℃の温度であることを特徴とする請求項1記載のプリン体化合物低減発酵麦芽飲料の製造方法。
  3. 25℃以上、糖化工程温度以下の温度範囲が、40℃〜60℃の温度であることを特徴とする請求項1又は2記載のプリン体化合物低減発酵麦芽飲料の製造方法。
  4. プリン体化合物を選択的に吸着する吸着剤が、活性炭であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載のプリン体化合物低減発酵麦芽飲料の製造方法。
  5. 吸着剤の平均細孔直径が1〜3.5nmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載のプリン体化合物低減発酵麦芽飲料の製造方法。
  6. 吸着剤の粒度が、60メッシュパスのものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載のプリン体化合物低減発酵麦芽飲料の製造方法。
  7. 発酵麦芽飲料の製造工程において、プリン体化合物を選択的に吸着する吸着剤による処理が、発酵麦芽飲料の仕込み工程であって麦汁濾過前の醪中において行われることを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載のプリン体化合物低減発酵麦芽飲料の製造方法。
  8. 発酵麦芽飲料の製造工程において、プリン体化合物を選択的に吸着する吸着剤による処理が、発酵麦芽飲料の仕込み工程であって麦汁濾過後の麦汁中おいて行われることを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載のプリン体化合物低減発酵麦芽飲料の製造方法。
  9. 発酵麦芽飲料の製造に、濃色麦芽を使用することを特徴とする請求項1〜8のいずれか記載のプリン体化合物低減発酵麦芽飲料の製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか記載の製造方法により製造されることを特徴とするプリン体化合物低減発酵麦芽飲料。
  11. 発酵麦芽飲料が、ビール又は発泡酒であることを特徴とする請求項10記載のプリン体化合物低減発酵麦芽飲料。
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