JP6319875B2 - プリン体化合物除去発酵麦芽飲料、その製造方法 - Google Patents

プリン体化合物除去発酵麦芽飲料、その製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、プリン体化合物が極力除去され、しかも発酵麦芽飲料の香味を保持したプリン体化合物除去発酵麦芽飲料、及びその製造方法に関し、より詳しくは、ビール若しくは発泡酒等の麦芽を原料の一部或いは全部として用いる発酵麦芽飲料の製造工程において、特定の平均細孔径(平均細孔直径)を有する木質系活性炭を用いて、発酵麦芽飲料中のプリン体化合物を吸着、除去することにより、発酵麦芽飲料中のプリン体化合物が「0.00mg/100mL」以下(0.005g/100mL未満)であるようにプリン体化合物が極力除去され、しかも発酵麦芽飲料の香味を保持したプリン体化合物除去発酵麦芽飲料及びその製造方法を提供することに関する。
プリン体化合物は、肉や、白子、魚卵、肝等のプリン体高含有食品をはじめとして、多くの食品に含有されている。健常人においては、食餌中の遊離プリン塩基、プリンヌクレオシド、プリンヌクレオチド、及び高分子核酸は、消化器官中で、消化、吸収され、肝臓で尿酸に分解される。高尿酸血症や痛風の原因の一つとしては、プリン体高含有食の摂取が挙げられており、高尿酸血症や痛風の予防手段として、摂取プリン体量を減らすことが挙げられている。近年、食生活の変化等から、成人男子等の血中尿酸値の上昇が問題として取り上げられ、健康管理の面からも、プリン体の過剰摂取を警戒する傾向が見受けられる。
ビール中には、総プリン体化合物が40〜100mg/L程度存在する。プリン体化合物である、プリン塩基(アデニン、グアニン、キサンチンなど)、プリンヌクレオシド(アデノシン、グアノシン、イノシンなど)、プリンヌクレオチド(アデニル酸、グアニル酸、イノシン酸など)並びにその高分子核酸は、食餌として摂取された場合、尿酸に分解される。高尿酸血症における食餌制限では、このプリン体化合物の摂取の制限がなされる場合がある。したがって、ビールなども食餌制限を受けることがある。そこで、消費者のニーズとして、ビール等のアルコール飲料においても、健康管理の面から、飲料中に含まれるプリン体を低減したアルコール飲料の提供を望む声がある。
従来より、麦芽等を用いて製造する、ビール等の発酵麦芽飲料において、発酵麦芽飲料中のプリン体を低減化する技術として、いくつかの方法が開示されている。例えば、再公表特許公報WO96/25483、特開平10−57063号公報には、ビールの製造工程において、麦汁にヌクレオシド・フォスフォリラーゼ及び/又はヌクレオシダ―ゼを作用させて、麦汁中のヌクレオシドを分解させる方法が開示されている。この方法は、ビールの製造において、麦汁中に含まれるプリンヌクレオシドを、酵素を用いてプリン塩基に分解せしめ、該プリン塩基を発酵工程において酵母に資化させ、プリン化合物含量を低減させたビールを得るというものであるが、この方法では、プリンヌクレオシド分解比率(試行例では約60〜64%)と、生成されたプリン塩基と元々麦汁に存在するプリン塩基の合計量の酵母による資化率により、左右されるものでありその低減量には限界がある。また、特開2011−83276号公報には、アルコール飲料を含む可食材のプリン含量を、ニホンコウジカビのようなプリン体化合物を消化することが可能な微生物で処理して、可食材のプリン含量を低減する方法が開示されている。この開示の方法では、約40%程度のプリン体除去率が限度となる。
また、特開2004−290072号公報には、ビール等の発酵麦芽飲料の製造において、発酵液を、シリカ/アルミナのモル比が15以上であるプリン体化合物を選択的に吸着、除去するゼオライトを用いてプリン体化合物低減発酵麦芽飲料を製造する方法が、特開2012−125205号公報には、麦類や麦芽を発酵原料として用いたビール風味発酵アルコール飲料の製造方法において、細孔容積が0.20〜0.50mL/gである、活性白土や酸性白土のようなモンモリロナイトを主成分とする吸着剤で処理して、発酵液中のプリン塩基化合物キサンチンを低減したビール風味発酵アルコール飲料の製造方法が開示されている。前者の発酵麦芽飲料のプリン体化合物の低減率は、約80%程度が可能であり、後者の方法では、プリン体化合物のうち、キサンチンの選択除去が可能となる。
国際公開公報WO2012/008100には、発酵麦芽飲料の製造工程において、最頻度細孔50〜60[Å]のスチレン系樹脂を担体とするイオン交換樹脂のような合成樹脂を用いて麦汁中のプリン体を除去する方法が開示されている。該方法プリン体の除去方法のよる製品中のプリン体濃度は、8mg/L程度であるので、該方法のものをプリン体除去率に換算すると、約91%程度である。
また、ビール等の発酵麦芽飲料において、発酵麦芽飲料中のプリン体を低減化する技術として、活性炭を用いる方法も開示されている。例えば、特許第3730935号公報には、発酵麦芽飲料の製造工程において、平均細孔直径が、1.8〜2.4nmである活性炭を用いて、発酵麦芽飲料中の総プリン体化合物の少なくとも90%以上を選択的に吸着、除去する方法が開示されている。該方法において、活性炭での処理を1回行った場合のプリン体除去率が98.3%であり、2回行った場合の発酵麦芽飲料の除去率が99.7%であり、該高度のプリン体除去率を達成することができる。更に、特許第4018576号公報には、発酵麦芽飲料の製造工程において、平均細孔直径が、1〜3.5nmの活性炭を用い、該活性炭による処理を、糖化工程以降、ホップ添加前の工程において、25〜80℃の温度で行うプリン体化合物低減発酵麦芽飲料の製造方法が開示されている。該製造方法では、プリン体化合物除去率が95%を達成することが可能となる。
特許第4073342号公報には、発酵麦芽飲料の製造工程において、比表面積が1000m/g以上であり、平均細孔直径が2nm以下である活性炭を用いることにより、発酵麦芽飲料の香味成分等であるタンパク質等を過剰に除去することなく、プリン体を除去する方法が開示されており、該方法によれば、発酵麦芽飲料中のプリン体含量を、0.3〜1.7mg/100mLに低減した発酵麦芽飲料を製造することができる。また、特許第4076901号公報には、発酵麦芽飲料の製造工程において、比表面積が1000m/g以上であり、平均細孔直径が2nm以下である活性炭を用い、予め珪藻土及び該活性炭をプリコートしたフィルター等を用いて、発酵麦芽飲料中のプリン体含量を低減する方法が開示されている。該方法によれば、発酵麦芽飲料中のプリン体含量を、0.3〜1.7mg/100mLに低減した発酵麦芽飲料を製造することができる。
また、特開2013−106581号公報には、プリン体低減清酒の製造方法において、比表面積が950〜1600m/gの範囲であり、かつ、算術平均径が15〜80μmの範囲である活性炭でろ過することにより、プリン体低減清酒を製造する方法が開示されている。該活性炭によるプリン体の除去率は、約80%程度を達成することが可能である。
このように、発酵麦芽飲料等の製造方法において、含有するプリン体化合物を除去する各種の方法が開示され、高除去率でプリン体化合物を除去する方法が提供されている。しかしながら、発酵麦芽飲料において、該発酵麦芽飲料の香味を保持しつつ、しかも、プリン体含量「0.00mg/100mL」以下(0.005g/100mL未満)のプリン体含量を達成することができる方法は、これまでに報告されていない。
特開平10−57063号公報。 特開2004−290072号公報。 特開2011−83276号公報。 特開2012−125205号公報。 特開2013−106581号公報。 特許第3730935号公報。 特許第4018576号公報。 特許第4073342号公報。 特許4076901号公報。 再公表特許公報WO96/25483。 国際公開公報WO2012/008100。
本発明の課題は、麦芽を原料として用いる発酵麦芽飲料の製造方法において、発酵麦芽飲料の香味を保持しつつ、しかも、含有するプリン体化合物を「0.00mg/100mL」以下(0.005g/100mL未満)に除去するプリン体除去発酵麦芽飲料及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、麦芽を原料として用いる発酵麦芽飲料の製造方法において、吸着剤を用いて、発酵麦芽飲料の香味を保持しつつプリン体化合物を高度に吸着、除去する方法について鋭意検討する中で、特定の平均細孔径を有する木質系の活性炭を用いて、発酵麦芽飲料中のプリン体化合物を吸着・除去することにより、発酵麦芽飲料中のプリン体化合物含量を「0.00mg/100mL」以下(0.005g/100mL未満)に除去し、しかも、発酵麦芽飲料の香味及び色度を、発酵麦芽飲料を調製する上で問題のない範囲で保持することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、発酵麦芽飲料の製造工程において、平均細孔径が2.0〜3.0nmの木質系活性炭を用いて、発酵麦芽飲料中のプリン体化合物を選択的に吸着、除去することを特徴とするプリン体化合物を除去し、かつ、発酵麦芽飲料の香味を保持したプリン体化合物除去発酵麦芽飲料の製造方法からなる。本発明に於いて用いられる木質系活性炭は、おが屑、木炭、樹皮のような木材を原料にして製造される活性炭であり、該活性炭は、メソ孔及びマイクロ孔の双方がバランス良く発達し、通常用いられているヤシ殻系活性炭(ココナッツ(ヤシ)原料)のようなマイクロ孔が発達しやすい活性炭に比較して、液相における吸着分子の効率的吸着を可能とする。本発明においては、該木質系活性炭を用いることにより、プリン体化合物の高度の吸着・除去を行うことができ、しかも、該プリン体化合物の高い除去率に対して、色素(特に褐色色素)苦み成分の減少率も低く、発酵麦芽飲料を調製する上で問題なく、発酵麦芽飲料の香味も保持することができ、したがって、発酵麦芽飲料の香味を保持したプリン体化合物除去発酵麦芽飲料を製造することが可能となった。
本発明のプリン体化合物除去発酵麦芽飲料の製造方法においては、発酵麦芽飲料中のプリン体化合物の吸着、除去後の発酵麦芽飲料中のプリン体化合物含量が、0.005mg/100mL未満(「0.00mg/100mL」以下)である発酵麦芽飲料を製造することができ、発酵麦芽飲料中のプリン体化合物の吸着、除去が、総プリン体化合物の99.9%以上を吸着・除去することができる。本発明のプリン体化合物除去発酵麦芽飲料の製造方法において用いられる木質系活性炭のメソ孔細孔容積は、0.2〜0.6mL/gであることが好ましい。
本発明のプリン体化合物除去発酵麦芽飲料の製造方法における発酵麦芽飲料の製造工程において、木質系活性炭を用いて発酵麦芽飲料中のプリン体化合物を選択的に吸着、除去する処理は、発酵工程以降の濾過の工程において行われることが好ましい。また、本発明のプリン体化合物除去発酵麦芽飲料の製造方法における発酵麦芽飲料の製造工程において、木質系活性炭を用いてプリン体化合物を吸着・除去する処理は、プリン体化合物の吸着・除去効率を高めるために、2段階以上で行なうことが好ましい。本発明のプリン体化合物除去発酵麦芽飲料の製造方法におけるプリン体化合物を吸着・除去する処理に用いる木質系活性炭の使用量は、好ましくは、発酵麦芽飲料1kL当たり2〜10kgの範囲で用いられる。
本発明のプリン体化合物除去発酵麦芽飲料の製造方法における発酵麦芽飲料の製造工程において、木質系活性炭を用いて発酵麦芽飲料中のプリン体化合物を選択的に吸着、除去する処理を行った後の工程において、吸着、除去によって減少した苦み成分及び/又は色素を補充することが好ましい。
本発明は、本発明のプリン体化合物除去発酵麦芽飲料の製造方によって製造された、発酵麦芽飲料中のプリン体化合物含量が、0.005mg/100mL未満であるプリン体化合物が除去され、かつ、発酵麦芽飲料の香味を保持したプリン体化合物除去発酵麦芽飲料自体の発明を包含する。該発酵麦芽飲料としては、ビール又は発泡酒を挙げることができる。
すなわち具体的には本発明は、(1)発酵麦芽飲料の製造工程において、平均細孔径が2.0〜3.0nmの木質系活性炭を用いて、発酵麦芽飲料中のプリン体化合物を選択的に吸着、除去することを特徴とするプリン体化合物を除去し、かつ、発酵麦芽飲料の香味を保持したプリン体化合物除去発酵麦芽飲料の製造方法や、(2)発酵麦芽飲料中のプリン体化合物の吸着、除去後の発酵麦芽飲料中のプリン体化合物含量が、0.005mg/100mL未満であることを特徴とする上記(1)に記載のプリン体化合物除去発酵麦芽飲料の製造方法や、(3)発酵麦芽飲料中のプリン体化合物の吸着、除去が、総プリン体化合物の99.9%以上を吸着、除去するものであることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のプリン体化合物除去発酵麦芽飲料の製造方法や、(4)木質系活性炭のメソ孔細孔容積が、0.2〜0.6mL/gであることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のプリン体化合物除去発酵麦芽飲料の製造方法や、(5)発酵麦芽飲料の製造工程において、木質系活性炭を用いて発酵麦芽飲料中のプリン体化合物を選択的に吸着、除去する処理が、発酵工程以降の濾過の工程において行われることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載のプリン体化合物除去発酵麦芽飲料の製造方法や、(6)発酵麦芽飲料の製造工程において、木質系活性炭を用いてプリン体化合物を吸着、除去する処理を、2段階以上で行なうことを特徴とする上記(5)に記載のプリン体化合物除去発酵麦芽飲料の製造方法や、(7)プリン体化合物を吸着、除去する処理に用いる木質系活性炭の使用量が、発酵麦芽飲料1kL当たり2〜10kgであることを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載のプリン体化合物除去発酵麦芽飲料の製造方法や、(8)発酵麦芽飲料の製造工程において、木質系活性炭を用いて発酵麦芽飲料中のプリン体化合物を選択的に吸着、除去する処理を行った後の工程において、苦み成分及び/又は色素を補充することを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載のプリン体化合物除去発酵麦芽飲料の製造方法からなる。
また、本発明は、(9)上記(1)〜(8)のいずれかに記載のプリン体化合物除去発酵麦芽飲料の製造方によって製造された、発酵麦芽飲料中のプリン体化合物含量が、0.005mg/100mL未満であることを特徴とするプリン体化合物が除去され、かつ、発酵麦芽飲料の香味を保持したプリン体化合物除去発酵麦芽飲料や、(10)発酵麦芽飲料が、ビール又は発泡酒であることを特徴とする上記(9)に記載のプリン体化合物低減発酵麦芽飲料からなる。
本発明により、麦芽を原料として用いる発酵麦芽飲料において、従来の吸着剤を用いる方法では製造することができなかった、含有するプリン体化合物が「0.00mg/100mL」以下(0.005g/100mL未満)に除去され、しかも、発酵麦芽飲料の香味を保持したプリン体除去発酵麦芽飲料及びその製造方法を提供することができる。
図1は、ヤシ殻系活性炭又は木質系活性炭の細孔分布の一例として、横軸に細孔の直径を、縦軸にLog微分細孔容積をとって表したグラフである。縦軸のピークが左側に位置する方のグラフがヤシ殻系活性炭の細孔分布を表し、縦軸のピークが右側に位置する方のグラフが木質系活性炭の細孔分布を表す。 図2は、本発明の実施例における[より優れた活性炭の選定]の試験において、各種(A1〜A6)の活性炭を用いた場合の濾過ビール中に残存している総プリン体化合物濃度及び色度(EBC)を、それぞれ現行のヤシ殻系活性炭(A0)を用いた場合の濾過ビール中に残存している総プリン体化合物濃度及び色度(EBC)に対する割合で表すグラフである。 図3は、本発明の実施例における[木質系活性炭の平均細孔径及びメソ孔細孔容積とプリン体吸着能との関係の評価]の試験において、各種(SD1〜SD7)の木質系活性炭又は混合系活性炭を用いた場合の濾過ビール中に残存している総プリン体化合物濃度及び色度(EBC)を、それぞれ木質系活性炭SDを用いた場合の濾過ビール中に残存している総プリン体化合物濃度及び色度(EBC)に対する割合で表すグラフである。 図4は、本発明の実施例における[活性炭の使用濃度と、残存する総プリン体化合物濃度との関係の評価]の試験において、木質系活性炭SDを、4、8又は16kg/kL用いた場合の濾過ビール中に残存している総プリン体化合物濃度を、現行活性炭を4kg/kL用いた場合の濾過ビール中に残存している総プリン体化合物濃度に対する割合(%)で表すグラフである。 図5は、本発明の実施例における[ラボスケールにおける活性炭処理試験]でのプリン体除去試験の結果を表すグラフである。 図6は、本発明の実施例における[プラントスケールにおける活性炭処理試験]でのプリン体除去試験の結果を表すグラフである。
本発明は、発酵麦芽飲料の製造工程において、平均細孔径が2.0〜3.0nmの木質系活性炭を用いて、発酵麦芽飲料中のプリン体化合物を選択的に吸着、除去することにより、含有するプリン体化合物が0.005g/100mL未満(「0.00mg/100mL」以下)に除去され、しかも、発酵麦芽飲料の香味を保持したプリン体化合物除去発酵麦芽飲料を製造することからなる。
<木質系活性炭>
本発明のプリン体化合物除去発酵麦芽飲料の製造方法において、プリン体化合物を選択的に吸着、除去に用いられる木質系活性炭は、平均細孔径が2.0〜3.0nmの木質系活性炭であり、木質系活性炭のうち、おが屑を原料として製造され、メソ孔及びマイクロ孔がバランス良く発達した、木質系活性炭が好ましい。該木質系活性炭としては、発酵麦芽飲料中のプリン体化合物をより高い効率で吸着、除去しつつ、発酵麦芽飲料の香味を保持し、色素、苦成分の減少率をプリン体除去率に対抗して抑制させる観点から、平均細孔径が2.0〜3.0nmの範囲内のものが採用されるが、2.26〜2.42nmの範囲内のものがより好ましく、2.26〜2.36nmの範囲内のものがさらに好ましい。また、メソ孔細孔容積が0.2〜0.31mL/gの範囲内であるものが好ましく、0.213〜0.301mL/gの範囲内であるものがより好ましい。中でも、平均細孔径が2.25〜2.40nmの範囲内、好ましくは2.26〜2.42nmの範囲内、より好ましくは2.26〜2.36nmの範囲内であり、かつ、メソ孔細孔容積が0.213〜0.301mL/gの範囲内であるものがさらに好ましく挙げられる。
活性炭の平均細孔径は、細孔を円筒形と仮定することによって、次式から求めることができる。
活性炭の細孔容積は、例えば水銀圧入法、窒素ガス吸着法(慶伊富長:吸着、第95〜113頁(1967)、共立出版)などの方法によって測定することができ、また、活性炭の比表面積は、例えば窒素ガス吸着等温線からBET式(慶伊富長:吸着、第95〜113頁(1967)、共立出版)により計算することができる。
メソ孔細孔容積の測定法は、窒素ガス吸着等温線から、Dollimore−Heal法にて算出することができる。
本発明に用いる木質系活性炭は、例えば、味の素ファインテクノ株式会社、日本ノリット株式会社、フタムラ化学株式会社などから市販されているものを用いることができ、中でも、味の素ファインテクノ株式会社から市販されている「ホクエツSD」という活性炭を好適に用いることができる。
活性炭の製造は、通常、活性炭原料を400〜600℃で蒸焼き炭化する炭化処理の工程、及び該工程の後、炭化物を900〜1100℃で処理し、賦活、多孔室化・部分酸化して活性化する賦活処理の工程によって製造されるが、植物質原料を用いた場合には、該植物質原料によって、木質系活性炭(原料:おが屑、木炭、樹皮等)と、ヤシ殻系活性炭(ココナッツ:ヤシ)等にわけられる。通常、化合物等の吸着、除去に用いられているヤシ殻系活性炭は、マイクロ孔(直径2nm以下)が良く発達し、分子量の小さな有機物を除去する能力があって、選択性も高い吸着、除去能力を有するが、これに対して木質系活性炭は、メソ孔(直径2nm〜50mm)及びマクロ孔(直径50nm以上)の双方がバランス良く発達して、分子量の大きな有機物を除去するのに適している。ヤシ殻系活性炭又は木質系活性炭の細孔分布の一例として、横軸に細孔の直径を、縦軸にLog微分細孔容積をとって表したグラフを図1に示す。図に示されるように、木質系活性炭では、ヤシ殻系活性炭と比較して、縦軸の値のピークが右に位置している上、細孔の直径が10nmのところでも縦軸の値が比較的高く、より大きな直径の細孔が発達していることが分かる。本発明においては、木質系活性炭を用いることにより、発酵麦芽飲料中のプリン体化合物を略完全に除去すると共に、発酵麦芽飲料の香味は、そのまま保持することができ、色及び苦みの成分の減少も抑制して、発酵麦芽飲料の香味を保持し、プリン体化合物除去発酵麦芽飲料の製造を可能とした。
<木質系活性炭による処理>
本発明のプリン体化合物除去発酵麦芽飲料の製造方法における製造工程は、該製造工程において、木質系活性炭を用いてプリン体化合物を吸着、除去する処理を行う工程を挿入することを除いて、該製造工程は通常の発酵麦芽飲料の製造工程と特に変わることはない。木質系活性炭を用いてプリン体化合物を吸着、除去する処理を行う方法は、木質系活性炭が充填されたカラムに麦汁若しくは発酵液を通す方法や、木質系活性炭を麦汁若しくは発酵液に一定時間接触させた後、該木質系活性炭を分離する方法などが挙げられる。
本発明において、木質系活性炭を用いてプリン体化合物を吸着、除去する処理は、プリン体化合物をより高い効率で吸着、除去させる観点から、発酵工程後の濾過の工程において行うことが好ましい。更に、木質系活性炭による処理は、通常の発酵麦芽飲料の製造工程における発酵液の熟成工程や、その後の発酵液濾過工程等と合体して適宜実施することもでき、特に、発酵工程終了後の貯蔵タンクにおける熟成工程において、有利に実施することができる。例えば、発酵終了後の発酵麦芽飲料を貯蔵タンクに移した時(酒下し)に、或いは、貯蔵タンクより熟成した発酵麦芽飲料を導出するとき(酒出し)の直前に、木質系活性炭を添加して、プリン体化合物を吸着、除去することができる。
本発明において、木質系活性炭により処理する期間としては、1時間から7日間の期間で実施することができる。木質系活性炭により処理する温度としては、特に制限されず、例えば、かかる処理を発酵後の工程、熟成工程あるいは濾過工程で行う場合は、それぞれの工程の温度で木質系活性炭による処理を行うことができる。また、本発明において、木質系活性炭の使用濃度は、発酵麦芽飲料中のプリン体化合物をより高い効率で吸着、除去しつつ、色素の減少率をプリン体除去率の割に抑制させる観点から、発酵麦芽飲料1kL当たり2〜16kg、好ましくは2〜10kg、より好ましくは4〜10kg、さらに好ましくは6〜10kg、より好ましくは6〜8kgとすることができる。また、本発明において、木質系活性炭の処理は、回数は、1回の処理であってもよいが、その吸着、除去効率を高める観点から2回以上(2段階以上)の処理とすることが好ましい。
本発明のプリン体化合物除去発酵麦芽飲料の製造方法においては、発酵麦芽飲料中のプリン体化合物を選択的に吸着、除去することにより、含有するプリン体化合物が0.005g/100mL未満(「0.00mg/100mL」以下)に除去された発酵麦芽飲料が製造されるが、該発酵麦芽飲料中の総プリン体化合物含量は、試料を70%過塩素酸で分解して遊離型のプリン体化合物量を測定する藤森らの方法(「アルコール飲料中のプリン体含有量」、尿酸、第9巻、第2号、P128、(1985年)) に準じて測定することができる。
本発明のプリン体化合物除去発酵麦芽飲料の製造方法においては、該発酵麦芽飲料の製造工程において、特定の平均細孔径を有する木質系活性炭を用いて、発酵麦芽飲料中のプリン体化合物を選択的に吸着、除去する処理が行われるが、該処理により、色素成分や、苦味成分が減少した場合には、該活性炭による吸着、除去後(ろ過後)の工程において、適宜、苦味量や色素成分(カラメル色素)を添加して補充することができる。また、色度の減少に対しては、予め、濃色麦芽を用いて対応することもできる。
以下、実施例により、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
[より優れた活性炭の選定]
<(1)試験に用いる麦汁の調製>
仕込槽に麦芽粉砕物300kgと副原料100kgに温水900Lを加えて混合し、50〜76℃で糖化を行った。糖化工程終了後、これを麦汁濾過槽において濾過して、その濾液として透明な麦汁を得た。得られた麦汁を煮沸釜に移し、ホップを5kg加えて、100℃で煮沸した。煮沸した麦汁をワールプール槽に入れて、沈殿により生じたタンパク質などの粕を除去した。この際、煮沸後の麦汁に温水を加え、糖度を14%に調整した。得られた麦汁(2,000L)をプレートクーラーで10℃まで冷却し、1mLあたり100万個に相当する酵母を添加した。発酵タンクにて7日間10℃でアルコールを生成させた後、貯蔵タンクに移して−1℃まで冷却、十分な熟成期間をとった。このようにして調製した麦汁を、後述のプリン体除去試験に供した。なお、かかるビールの総プリン体化合物濃度及び色度(EBC)を測定したところ、総プリン体化合物濃度が30〜40mg/Lであり、色度(EBCが)10〜20EBCであった。なお、総プリン体化合物濃度及び色度(EBC)の測定は、それぞれ後述の(プリン体除去試験)及び(色度測定試験)に記載した方法で行った。
<(2)供試した活性炭>
現行の活性炭(ヤシ殻系活性炭)よりもプリン体除去率等が優れた活性炭を探索するために、活性炭の製造メーカーである日本エンバイロケミカルズ株式会社、味の素ファインテクノ株式会社、日本ノリット株式会社、クラレケミカル株式会社及びフタムラ化学株式会社の製造した様々な活性炭を合計40種類用意し、後述のプリン体除去試験及び色度測定試験に供した。
<(3)プリン体除去試験及び評価方法>
上記の「(1)試験に用いる麦汁の調製」で調製した麦汁1Lをビーカーに採取した。このようなビーカーを活性炭の種類の数だけ用意し、各ビーカーに各活性炭を5.6g/Lずつ添加した。添加後、3℃で6時間接触させた。その後、各ビールをメンブラン濾過機により濾過し、濾過ビールを得た。各濾過ビールの総プリン体化合物濃度を測定した。ビール中の総プリン体化合物含量は、試料を70%過塩素酸で分解して遊離型のプリン体化合物量を測定する藤森らの方法(「アルコール飲料中のプリン体含有量」、尿酸、第9巻、第2号、P128、(1985年)) に準じて測定した。
<(4)色度測定方法>
上記の「プリン体除去試験」おける各濾過ビールの色度(EBC)を、EBC法(ビール酒造組合:「ビール分析法」8.8.2(1990年))に準じて測定した。
<(5)試験結果>
ヤシ殻系、木質系活性炭の平均細孔径とプリン体吸着性能について、本試験では合計40種類のヤシ殻系や木質系の活性炭を用いて試験を実施した。その一部の結果を図2に示す。ただし、A0、A1、A2、A3はヤシ殻系活性炭、A4、A5、A6は木質系活性炭、A0〜A6の平均細孔径はそれぞれ1.82、1.88、1.84、1.87、2.31、3.47、4.13nmであった。図2は、A1〜A6の6種の活性炭を用いた場合の濾過ビール中に残存している総プリン体化合物濃度及び色度(EBC)を、それぞれ現行のヤシ殻系活性炭(A0)を用いた場合の濾過ビール中に残存している総プリン体化合物濃度及び色度(EBC)に対する割合で表すグラフである。図2の結果から分かるように、ヤシ殻系活性炭であるA0〜A3では、残存する総プリン体化合物濃度も、残存する色度の割合も共に高く、木質系活性炭であるA5及びA6では、残存する総プリン体化合物濃度は低かったが、残存する色度の割合もきわめて低かった。他方、木質系活性炭A4の活性炭(味の素ファインテクノ株式会社から市販されている「ホクエツSD」。以下、単に「SD」とも表す。)は、残存する総プリン体化合物濃度を、現行のヤシ殻系活性炭(A0)を用いた場合の約3分の1にまで低下させつつ、しかも、他の木質系活性炭であるA5やA6を用いた場合よりも、残存する色度の割合が高く、プリン体除去率の高さと、色度の減少率の抑制とのバランスに優れているという、顕著に優れた性質を有していることが示された。そこで、この木質系活性炭SD(A4)を選定した。
[木質系活性炭の平均細孔径及びメソ孔細孔容積とプリン体吸着能との関係の評価]
<試験方法>
上記試験で選定した木質系活性炭SDについて、好ましい平均細孔径(nm)及びメソ孔細孔容積(mL/g)を検討するために、SDとは平均細孔径やメソ孔細孔容積が若干異なる木質系活性炭を7種類用意した(「SD−K1」〜「SD−K7」:味の素ファインテクノ株式会社製)。SD及びSD−K1からSD−K7のそれぞれの平均細孔径及びメソ孔細孔容積を以下の表1に示す。
<結果>
SD及びSD−K1からSD−K7を用いて、上記(プリン体除去試験)及び(色度測定試験)を行った結果を図3に示す。図3において、SD−K1はSD1などと略記した。図3の結果から分かるように、SD1〜SD3では、残存する総プリン体化合物濃度がSDのそれの約2倍以上と高く、プリン体除去率がかなり劣っており、また、残存する色度はSDのそれの約0.6倍以下と低く、色度の減少率の抑制の点でも劣っていた。他方、SD4〜SD7では、残存する総プリン体化合物濃度がSDのそれの一定範囲内となり、プリン体除去率が優れており、また、残存する色度については、SD4〜6ではSDよりも若干低いものの、SD7ではSDよりも高かった。これらの結果から、SD及びSD4〜SD7が本発明における木質系活性炭として好適であり、SD及びSD5〜SD7がより好適であることが示された。これらの好適な木質系活性炭の平均細孔径(nm)の範囲は2.26〜2.42nm、より好ましくは2.26〜2.36nmであり、かつ、メソ孔細孔容積(mL/g)の範囲は0.213〜0.301mL/gであった。
[活性炭の使用濃度と、残存する総プリン体化合物濃度との関係の評価]
<試験方法>
活性炭の使用濃度と、残存する総プリン体化合物濃度との関係を調べるために、活性炭の使用濃度を4kg/kL、8kg/kL、及び16kg/kLと変化させた上で、上記(プリン体除去試験)を行った。
<結果>
結果を図4に示す。図4は、木質系活性炭SDを、4、8又は16kg/kL用いた場合の濾過ビール中に残存している総プリン体化合物濃度を、現行活性炭を4kg/kL用いた場合の濾過ビール中に残存している総プリン体化合物濃度に対する割合(%)で表すグラフである。現行活性炭の場合、16kg/kLもの高濃度で使用しても、上記割合で8%にまでしか低下させることができなかったのに対し、木質系活性炭SDの場合は8kg/kLの使用濃度で、上記割合で3%にまで低下させることができた。
[ラボスケールにおける活性炭処理試験]
<試験方法>
発酵麦芽飲料の貯酒を用い、木質系活性炭(味の素ファインテクノ社製SD-K6 平均細孔径2.26nm、メソ孔細孔容積0.274mL/g)を用いて、2回(2段階)の活性炭処理により、プリン体化合物の吸着、除去試験を実施した。試験は、5kg/kL(4kg+1kgの2回)、6kg/kL(4kg+2kgの2回)、7kg/kL(4kg+3kgの2回)、8kg/kL(4kg+4kgの2回)を添加し、恒温振とう機にて4℃で20時間以上吸着処理した。
プリン体除去試験は以下のような方法で行った。所定量のビールに所定量の活性炭を添加した後、恒温振とう機にて4℃で20時間以上反応させた。ビール中の活性炭を孔径0.45μmのフィルターで除去した。活性炭除去後の濾過ビールに対して、再度、所定量の活性炭を添加した後、恒温振とう機にて4℃で20時間以上反応させた。ビール中の活性炭を孔径0.454μmのフィルターで除去した。活性炭除去後の濾過ビール中の総プリン体化合物濃度を、前述の藤森らの方法で測定した。
<結果>
結果を図5に示す。図5の結果から分かるように、2回目の活性炭処理で用いた活性炭の濃度が高くなるにつれて、濾過ビール中の総プリン体化合物濃度(ppb)が低下した。2回目の活性炭処理濃度が2kg/kL以上のサンプルである、(4+2)、(4+3)及び(4+4)では、いずれも総プリン体化合物濃度が40ppb(約0.004mg/100mL)未満となり、プリン体含量「0.00mg/100mL」との表示が許されるプリン体含量0.005mg/100mL未満という濃度が達成できた。
[プラントスケールにおける活性炭処理試験]
<試験方法>
2kL貯蔵タンクを用い、発酵麦芽飲料の貯酒について、木質系活性炭(味の素ファインテクノ社製SD-K6 平均細孔径2.26nm、メソ孔細孔容積0.274mL/g)を用いて、2回活性炭処理により、プリン体化合物の吸着、除去試験を実施した。プリン体除去試験は以下のような方法で行った。空の貯蔵タンクAに所定量(4kg/kL)の活性炭を投入した。プラントで製造したビール(貯酒)が入った貯蔵タンクB内のビールを貯蔵タンクAに移送した後、1週間反応させた。空の貯蔵タンクCに、2回目の活性炭処理用の所定量(それぞれ+1kg/kL、+3kg/kL、+4kg/kL)の活性炭を投入した後、貯蔵タンクB内のビールを貯蔵タンクCに移送し、1週間反応させた。活性炭をほとんど含まないビール上清中の総プリン体化合物濃度を、前述の藤森らの方法で測定した。
<結果>
結果を図6に示す。図6の結果から分かるように、(4+3)のサンプルでは、総プリン体化合物濃度が50ppb(約0.005mg/100mL)未満となり、プリン体含量「0.00mg/100mL」との表示が許されるプリン体含量0.005mg/100mL未満という濃度が達成できた。上記実施例4の[ラボスケールにおける活性炭処理試験]の試験結果と比較すると、プラントスケールの試験では、残存する総プリン体化合物濃度が若干高かったが、本発明における木質系活性炭は、プラントスケールでも優れたプリン体除去率を発揮することが示された。
本発明は、麦芽を原料として用いる発酵麦芽飲料において、従来の吸着剤を用いる方法では製造することができなかった、含有するプリン体化合物が「0.00mg/100mL」以下(0.005g/100mL未満)に除去され、しかも、発酵麦芽飲料の香味を保持したプリン体除去発酵麦芽飲料及びその製造方法を提供する。

Claims (6)

  1. プリン体化合物除去発酵麦芽飲料の製造方法であって、
    発酵麦芽飲料の製造工程において、平均細孔径が2.0〜3.0nmの木質系活性炭を用いて、発酵麦芽飲料中のプリン体化合物を選択的に吸着、除去し、プリン体化合物含量が0.005mg/100mL未満である発酵麦芽飲料を調製すること、及び、
    前記プリン体化合物を選択的に吸着、除去する処理が、発酵工程後の製造工程において行われること
    を特徴とする前記プリン体化合物除去発酵麦芽飲料の製造方法。
  2. 発酵麦芽飲料中のプリン体化合物の吸着、除去が、総プリン体化合物の99.9%以上を吸着、除去するものであることを特徴とする請求項1に記載のプリン体化合物除去発酵麦芽飲料の製造方法。
  3. 木質系活性炭のメソ孔細孔容積が、0.2〜0.6mL/gであることを特徴とする請求項1又は2に記載のプリン体化合物除去発酵麦芽飲料の製造方法。
  4. 発酵麦芽飲料の製造工程において、木質系活性炭を用いてプリン体化合物を吸着、除去する処理を、2段階以上で行なうことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプリン体化合物除去発酵麦芽飲料の製造方法。
  5. プリン体化合物を吸着、除去する処理に用いる木質系活性炭の使用量が、発酵麦芽飲料1kL当たり2〜10kgであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のプリン体化合物除去発酵麦芽飲料の製造方法。
  6. 発酵麦芽飲料の製造工程において、木質系活性炭を用いて発酵麦芽飲料中のプリン体化合物を選択的に吸着、除去する処理を行った後の工程において、苦み成分及び/又は色素を補充することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のプリン体化合物除去発酵麦芽飲料の製造方法。
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