JP2004289089A - 積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電気的特性を劣化させることなく、且つ信頼性に優れる積層セラミック電子部品を容易に製造する。
【解決手段】セラミック焼結体の内部電極露出面に外部電極ペーストを塗布し、連続式トンネル型焼成炉に投入する。該連続式トンネル型焼成炉は、投入口側から、それぞれ雰囲気および温度の異なる、脱脂ゾーン、焼結ゾーン、および再酸化ゾーンに分かれるように雰囲気、温度設定されている。脱脂ゾーンでは酸素濃度は100ppmで700℃まで昇温し、焼結ゾーンでは酸素濃度10ppm以下で焼結温度まで昇温した後、この温度を所定時間保持して降温する。そして、降温時の700℃〜600℃で再酸化ゾーンが始まり、酸素濃度は100ppm〜1000ppmに維持される。
【選択図】 図1
【解決手段】セラミック焼結体の内部電極露出面に外部電極ペーストを塗布し、連続式トンネル型焼成炉に投入する。該連続式トンネル型焼成炉は、投入口側から、それぞれ雰囲気および温度の異なる、脱脂ゾーン、焼結ゾーン、および再酸化ゾーンに分かれるように雰囲気、温度設定されている。脱脂ゾーンでは酸素濃度は100ppmで700℃まで昇温し、焼結ゾーンでは酸素濃度10ppm以下で焼結温度まで昇温した後、この温度を所定時間保持して降温する。そして、降温時の700℃〜600℃で再酸化ゾーンが始まり、酸素濃度は100ppm〜1000ppmに維持される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、積層セラミックコンデンサ等の積層セラミック電子部品の製造方法、特に外部電極の焼結方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
積層セラミック電子部品として、例えば積層セラミックコンデンサは、内部電極とセラミック層とが所定枚数積層形成されたセラミック焼結体における内部電極が露出する端面に外部電極が形成された構造である。
【0003】
このような積層セラミックコンデンサの外部電極は次に示すような方法で形成される。
【0004】
まず、所定の金属粉末とガラス粉末とバインダと溶剤とを混練して外部電極ペーストを作成する。次に、該外部電極ペーストをセラミック焼結体の内部電極が露出した端面に塗布し、乾燥した後に所定の温度および雰囲気で焼結させて外部電極を形成する。そして、この外部電極表面にNiメッキを形成し、さらにこのNiメッキの表面にSn/Pb系のメッキを形成する。
【0005】
このような積層セラミックコンデンサの外部電極には、製品コストを安価にすること等からCu等の卑金属が多く用いられているが、外部電極に卑金属を用いた場合、酸素濃度が高いと、ガラスが表面に浮き出してしまうことによるNiメッキの不着が発生したり、Cuの酸化による内部電極と外部電極であるCuとの不接合が生じ、電気特性および信頼性が悪化する。
【0006】
また、近年、卑金属であるNiを内部電極に用いた積層セラミックコンデンサが多く製造されているが、このようなNiを内部電極とする積層セラミックコンデンサの場合、前述のように高い酸素濃度で焼結を行うと、Niが酸化膨張してしまい、セラミック焼結体の内部構造に欠陥が生じてしまう。
【0007】
このため、外部電極ペーストの焼結は低い酸素濃度の雰囲気によって行わなければならない。
【0008】
このような焼き付け方法として、昇温時に或る程度の酸素濃度にして、外部電極ペーストのバインダを燃焼し、所定温度に達した時点で酸素濃度を低く保ち焼き付ける方法がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0009】
ところが、このように低い酸素濃度で外部電極の焼き付けを行った場合、セラミック焼結体のセラミックが還元してしまい絶縁抵抗が低下したり、使用する時間に応じて絶縁抵抗値が大幅に低下してしまう等の信頼性における問題が生じる。また、外部電極ペースト内のガラスの流動性が低下することで、外部電極の緻密性が低くくなり、Niメッキ等が内部に侵入することで劣化するという問題も生じる。
【0010】
このため、外部電極焼結後に再度、所定の酸素濃度雰囲気で所定の温度(700℃〜800℃)で焼結し直す方法がある(例えば、特許文献2参照。)。
【0011】
【特許文献1】
特開平5−243083号公報
【特許文献2】
特開平11−97281号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前述の特許文献2に記載の積層セラミックコンデンサの製造方法では、外部電極を焼結した後に再度、ガラス軟化温度より高い、焼結温度に近い温度で焼結を行うため、外部電極内に存在するガラスが再度流動し、外部電極表面に析出してガラス層を形成してしまう。このため、外部電極表面でのNiメッキの不着という問題が生じる。
【0013】
また、一旦外部電極を形成した後に、再度別工程で積層セラミックコンデンサを焼き付け炉に投入しなければならないので、作業負荷が増加してしまう。
【0014】
この発明の目的は、電気的特性を劣化させることなく、且つ信頼性に優れる積層セラミック電子部品を容易に製造することができる積層セラミック電子部品の製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この発明は、積層セラミックコンデンサの外部電極焼結工程において、
酸素濃度が約100ppmに維持された雰囲気中で、室温から外部電極ペーストに含まれるガラスの軟化温度である約700℃まで昇温することで、外部電極ペースト内のバインダを燃焼させる脱脂ゾーンと、
酸素濃度が10ppm以下に維持された還元性雰囲気中で、前記ガラス軟化温度(約700℃)から外部電極ペーストに含まれるCuが焼結する焼結温度(約850℃)まで昇温し、所定時間に亘り焼結温度(約850℃)を維持した後、略700℃〜600℃内の所定温度である再酸化開始温度まで降温することで、外部電極ペーストを緻密に焼結させる焼結ゾーンと、
酸素濃度が100ppm〜1000ppmに維持された雰囲気中で、略700℃〜600℃内の所定温度(再酸化開始温度)から室温まで降温することで、セラミック焼結体中のセラミックを再酸化させる再酸化ゾーンとを、連続で備えたことを特徴としている。
【0016】
この構成では、まず、脱脂ゾーンを前記所定の酸素濃度に設定することで、外部電極ペーストに含まれるバインダを燃焼して外部電極ペーストから放出させる。次に、焼結ゾーンでは、酸素濃度を低下させて、酸化しないようにCuを焼結させることで、外部電極であるCuと内部電極であるNiとの接合を得る。また、低い酸素濃度にすることで、外部電極ペースト内のガラスが表面に集中するような不必要な移動を抑制する。さらに、内部電極であるNiの酸化を抑制し、酸化膨張による構造劣化を抑制する。次に、再酸化ゾーンでは、約700℃〜600℃の間の所定温度から酸素濃度を100ppm〜1000ppmと高くすることで、焼結ゾーンで一旦還元したセラミックを再度酸化させ、絶縁抵抗の低下および信頼性の低下を抑制する。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態に係る積層セラミック電子部品の製造方法について、図を参照して説明する。なお、本実施形態では、積層セラミック電子部品として積層セラミックコンデンサについて説明する。
【0018】
図1は、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサの外部電極焼結工程の温度プロファイルを表す図である。
【0019】
まず、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサの製造フローについて説明する。
【0020】
BaTiO3 を主成分とする非還元性誘電体粉末とバインダと可塑材と溶剤とを混合してセラミックスラリーを作成し、該セラミックスラリーをドクターブレード等を用いて、支持フィルム表面に均一な厚みで塗工し、乾燥することでセラミックグリーンシートを形成する。
【0021】
次に、このセラミックグリーンシートの表面にNi粉末とバインダと溶剤とを混合した内部電極ペーストをスクリーン印刷法等により印刷し、乾燥することで、所定パターンの内部電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートを得る。
【0022】
このように内部電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートを所定枚数積層して、グリーンシート積層体を形成し、加熱プレスする。
【0023】
次に、加熱プレスされたグリーンシート積層体を、それぞれが個々の積層セラミックコンデンサとなる大きさの素体に切り分け、匣等に積載して焼成炉に投入し、所定の雰囲気で焼成することによりセラミック焼結体を得る。
【0024】
そして、このように形成されたセラミック焼結体の内部電極が露出する端面にCuを主成分とする金属粉末とガラス粉末とバインダと有機溶剤とからなる外部電極ペーストを浸漬法等を用いて塗布し、乾燥させた後、本発明の熱処理炉に対応する焼成炉に投入して外部電極の焼成を行う。
【0025】
この後、外部電極表面に電解メッキ等により、下地メッキであるNiメッキを施し、さらに、このNiメッキの表面に半田濡れ性を向上させるSnメッキやPbメッキ等を施すことで積層セラミックコンデンサが形成される。
【0026】
ここで、前述の外部電極焼結工程の詳細について、次に説明する。
外部電極焼結工程は、図1に示すように、三つのゾーンから構成されており、室温からガラス軟化温度付近(約700℃)まで昇温することで、バインダを燃焼させて外部電極ペーストの脱脂を行う脱脂ゾーンと、Cuの焼結温度(約850℃)まで引き続き昇温し、この温度を所定時間に亘り維持して、外部電極ペーストに含まれるガラスを軟化させ、Cuを液相焼結させることで外部電極を形成した後、約700℃〜600℃の間の所定温度(再酸化開始温度)まで降温する焼結ゾーンと、引き続き前記約700℃〜600℃の間の所定温度(再酸化開始温度)から室温まで降温して、主にセラミック焼結体内のセラミックを再度酸化させる再酸化ゾーンとからなり、これらが、例えば連続式トンネル型焼成炉のような一体の焼成炉内の連続した個別のゾーンとして設定されている。なお、バッチ式焼成炉で、温度及び雰囲気を前述したのものと同様に設定して外部電極を焼結させてもよい。
【0027】
このような脱脂ゾーン、焼結ゾーン、および再酸化ゾーンでは、酸素濃度が個別に設定されており、脱脂ゾーンでは、例えば100ppmのように、バインダを燃焼するに必要な酸素濃度が設定されており、焼結ゾーンでは、還元性雰囲気内で焼結するため10ppm以下に酸素濃度が設定されている。また、再酸化ゾーンでは、再度セラミック焼結体内のセラミックを酸化させるため、後に述べる測定結果に基づいて、酸素濃度が100ppm〜1000ppmに設定されている。
【0028】
次に、再酸化ゾーンの酸素濃度および再酸化ゾーン開始温度をパラメータにして、作成した複数種類の積層セラミックコンデンサについて、品質比較を行った結果を示す。
【0029】
この実験に用いた積層セラミックコンデンサとしては、前述の内部電極焼成工程で、1300℃を最高到達温度として還元性雰囲気中で焼成したセラミック焼結体を用いた。このセラミック焼結体の静電容量は1.0μFであり、絶縁抵抗値は2000MΩとした。これは、前記セラミック焼結体の内部電極露出面にIn−Gaからなる金属端子を形成し、測定することで確認した。
【0030】
また、前記品質比較の項目は、接合性不良発生率、絶縁抵抗不良発生率、および信頼性不良発生率である。
【0031】
ここで、接合性不良の検出方法は、外部電極が形成された積層セラミックコンデンサに実効電圧1Vで1kHzの交流電圧を印加して静電容量を測定し、静電容量が0.9μF未満のものを不良品とするものである。
【0032】
また、絶縁抵抗不良の検出方法は、外部電極が形成された積層セラミックコンデンサに10Vの直流電圧を印加し続け、1分後の絶縁抵抗値を測定して、絶縁抵抗値が1000MΩ未満のものを不良品とするものである。
【0033】
また、信頼性不良の検出方法は、125℃の雰囲気中で直流電圧20V通電を行い、1000時間後の絶縁抵抗値を測定して、この時点での絶縁抵抗値が500MΩ未満のものを不良品とするものである。
【0034】
また、この実験における焼成炉には、投入した積層セラミックコンデンサがコンベア等で搬送される間に前記3つの雰囲気内を通過して搬出されるように炉内で雰囲気の異なる3つのゾーンがコンベアの搬送方向に沿って順に構成されている連続式トンネル型焼成炉を用いた。
【0035】
このような条件下で、再酸化ゾーンの酸素濃度を50ppm,100ppm,500ppm,1000ppm,2000ppmとし、焼結ゾーンの酸素濃度を5ppmまたは10ppmに設定して行った実験結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
なお、表1において、比較例1,2,3は焼結ゾーンと再酸化ゾーンとを同じ酸素濃度に設定したものであり、従来の製造方法に対応する。
【0038】
表1に示すように、実施例2〜実施例6(再酸化ゾーンの酸素濃度:100ppm〜1000ppm)では、接合性不良、絶縁抵抗不良、信頼性不良の発生はなかった。これは、焼結ゾーンで還元されたセラミックが再酸化されるに必要十分な酸素量が再酸化ゾーンで供給されることにより、セラミックが再酸化されて、結合強度が強く、絶縁抵抗値の高い本来の組成状態に戻るためと考えられる。また、供給される酸素量がセラミックの再酸化に殆ど利用される量であるので、内部電極であるNiが不必要に酸化されて酸化膨張することが抑制されるためと考えられる。
【0039】
一方、実施例1(再酸化ゾーンの酸素濃度:50ppm)では、信頼性不良が発生した。これは再酸化ゾーンの酸素濃度が少ないため、焼結ゾーンで還元されたセラミックを十分に再酸化させて元の組成状態に戻すことができなかったためと考えられる。
また、実施例7(酸化ゾーンの酸素濃度:2000ppm)では、信頼性不良が発生した。これは、再酸化ゾーンの酸素濃度が多すぎるため、供給された酸素により、セラミックのみでなく内部電極であるNiも酸化されることで、Niが酸化膨張して、セラミック焼結体の構造劣化が生じるためと考えられる。
【0040】
このように、脱脂ゾーンの酸素濃度を100ppmとし、焼結ゾーンの酸素濃度を10ppm以下とした状態で、再酸化ゾーンの開始温度を降温時の700℃に設定した場合、再酸化ゾーンの酸素濃度を100ppm〜1000ppmとすることで、電気的特性および信頼性に優れる積層セラミックコンデンサを製造することができる。
【0041】
次に、酸素濃度を前述の条件にし、さらに再酸化ゾーンの開始温度を550℃,600℃,650℃,700℃,750℃に設定して行った実験結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】
表2に示すように、実施例2〜実施例6(表1に示した実施例2〜実施例6に対応)では、接合性不良、絶縁抵抗不良、信頼性不良の発生はなかった。
【0044】
また、実施例9(再酸化ゾーンの開始温度:600℃、再酸化ゾーンの酸素濃度:100ppm)と、実施例11(再酸化ゾーンの開始温度:650℃、再酸化ゾーンの酸素濃度:100ppm)とでも、接合性不良、絶縁抵抗不良、信頼性不良の発生はなかった。
【0045】
一方、実施例1、実施例7(表1に示した実施例1、実施例7に対応)では、前述の原因により信頼性不良が発生した。
【0046】
また、実施例8(再酸化ゾーンの開始温度:600℃、再酸化ゾーンの酸素濃度:50ppm)では、絶縁抵抗不良および信頼性不良が発生した。これは、再酸化ゾーンの酸素濃度が十分でないことに加えて、再酸化開始温度が低いため、セラミックの再酸化反応を十分に行えなかったためと考えられる。
【0047】
また、実施例10(再酸化ゾーンの開始温度:550℃、再酸化ゾーンの酸素濃度100ppm)でも、絶縁抵抗不良および信頼性不良が発生した。これは、酸素濃度が必要十分に供給されていても、再酸化反応を行う温度が低いため、再酸化反応を十分に行うことができなかったためと考えられる。
【0048】
また、実施例12(再酸化ゾーンの開始温度:750℃、再酸化ゾーンの酸素濃度100ppm)、および実施例13(再酸化ゾーンの開始温度:750℃、再酸化ゾーンの酸素濃度500ppm)では、信頼性不良が発生した。これは、酸素濃度が適正であっても、再酸化反応を行う温度が高いため、Niも再酸化してしまうためと考えられる。
【0049】
このように、前述の、脱脂ゾーンの酸素濃度を100ppmとし、焼結ゾーンの酸素濃度を10ppm以下とし、再酸化ゾーンの酸素濃度を100ppm〜1000ppmとする条件に加え、再酸化ゾーンの開始温度を700℃〜600℃に設定することで、電気的特性および信頼性に優れる積層セラミックコンデンサを製造することができる。
【0050】
また、前述のように、再酸化反応を焼結直後の降温時におこなうことにより、従来のような焼結、冷却した後に再度熱処理して再酸化させる場合と違い、外部電極内に存在するガラスの移動、特に、外部電極内部から表面へのガラスの移動を抑制することができるのでメッキ付着性が良好となる。これにより、耐メッキ性に優れ、高信頼性を有する積層セラミックコンデンサを容易に製造することができる。
【0051】
また、このような雰囲気の設定を、一つの連続式トンネル型焼成炉の連続する複数のゾーンで個別に行うことができるので、焼結後に一旦冷却して再度、焼成炉に投入する必要が無く、高信頼性を有しながら、さらに作業性に優れる積層セラミックコンデンサを製造することができる。
【0052】
なお、本実施形態では、積層セラミックコンデンサについて説明したが、積層インダクタ等の積層セラミック電子部品全般についてもこの発明の構成を適用することができる。
【0053】
【発明の効果】
この発明によれば、脱脂ゾーンの酸素濃度を100ppmとし、焼結ゾーンの酸素濃度を10ppm以下とした状態で、再酸化ゾーンの酸素濃度を100ppm〜1000ppmし、且つ再酸化ゾーンの開始温度を700℃〜600℃に設定することで、電気的特性および信頼性に優れる積層セラミック電子部品を製造することができる。
【0054】
また、再酸化反応を焼結後の降温時におこなうことにより、外部電極内部から表面へのガラスの移動を抑制することができるのでメッキ付着性が良好となる。これにより、耐メッキ性に優れ、高信頼性を有する積層セラミック電子部品を容易に製造することができる。
【0055】
また、このような雰囲気の設定を一つの連続式トンネル型焼成炉の連続する複数のゾーンで個別に行うことができるので、高信頼性を有しながら、さらに作業性に優れる積層セラミック電子部品を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る積層セラミックコンデンサの外部電極焼き付け工程の温度プロファイル
【発明の属する技術分野】
この発明は、積層セラミックコンデンサ等の積層セラミック電子部品の製造方法、特に外部電極の焼結方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
積層セラミック電子部品として、例えば積層セラミックコンデンサは、内部電極とセラミック層とが所定枚数積層形成されたセラミック焼結体における内部電極が露出する端面に外部電極が形成された構造である。
【0003】
このような積層セラミックコンデンサの外部電極は次に示すような方法で形成される。
【0004】
まず、所定の金属粉末とガラス粉末とバインダと溶剤とを混練して外部電極ペーストを作成する。次に、該外部電極ペーストをセラミック焼結体の内部電極が露出した端面に塗布し、乾燥した後に所定の温度および雰囲気で焼結させて外部電極を形成する。そして、この外部電極表面にNiメッキを形成し、さらにこのNiメッキの表面にSn/Pb系のメッキを形成する。
【0005】
このような積層セラミックコンデンサの外部電極には、製品コストを安価にすること等からCu等の卑金属が多く用いられているが、外部電極に卑金属を用いた場合、酸素濃度が高いと、ガラスが表面に浮き出してしまうことによるNiメッキの不着が発生したり、Cuの酸化による内部電極と外部電極であるCuとの不接合が生じ、電気特性および信頼性が悪化する。
【0006】
また、近年、卑金属であるNiを内部電極に用いた積層セラミックコンデンサが多く製造されているが、このようなNiを内部電極とする積層セラミックコンデンサの場合、前述のように高い酸素濃度で焼結を行うと、Niが酸化膨張してしまい、セラミック焼結体の内部構造に欠陥が生じてしまう。
【0007】
このため、外部電極ペーストの焼結は低い酸素濃度の雰囲気によって行わなければならない。
【0008】
このような焼き付け方法として、昇温時に或る程度の酸素濃度にして、外部電極ペーストのバインダを燃焼し、所定温度に達した時点で酸素濃度を低く保ち焼き付ける方法がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0009】
ところが、このように低い酸素濃度で外部電極の焼き付けを行った場合、セラミック焼結体のセラミックが還元してしまい絶縁抵抗が低下したり、使用する時間に応じて絶縁抵抗値が大幅に低下してしまう等の信頼性における問題が生じる。また、外部電極ペースト内のガラスの流動性が低下することで、外部電極の緻密性が低くくなり、Niメッキ等が内部に侵入することで劣化するという問題も生じる。
【0010】
このため、外部電極焼結後に再度、所定の酸素濃度雰囲気で所定の温度(700℃〜800℃)で焼結し直す方法がある(例えば、特許文献2参照。)。
【0011】
【特許文献1】
特開平5−243083号公報
【特許文献2】
特開平11−97281号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前述の特許文献2に記載の積層セラミックコンデンサの製造方法では、外部電極を焼結した後に再度、ガラス軟化温度より高い、焼結温度に近い温度で焼結を行うため、外部電極内に存在するガラスが再度流動し、外部電極表面に析出してガラス層を形成してしまう。このため、外部電極表面でのNiメッキの不着という問題が生じる。
【0013】
また、一旦外部電極を形成した後に、再度別工程で積層セラミックコンデンサを焼き付け炉に投入しなければならないので、作業負荷が増加してしまう。
【0014】
この発明の目的は、電気的特性を劣化させることなく、且つ信頼性に優れる積層セラミック電子部品を容易に製造することができる積層セラミック電子部品の製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この発明は、積層セラミックコンデンサの外部電極焼結工程において、
酸素濃度が約100ppmに維持された雰囲気中で、室温から外部電極ペーストに含まれるガラスの軟化温度である約700℃まで昇温することで、外部電極ペースト内のバインダを燃焼させる脱脂ゾーンと、
酸素濃度が10ppm以下に維持された還元性雰囲気中で、前記ガラス軟化温度(約700℃)から外部電極ペーストに含まれるCuが焼結する焼結温度(約850℃)まで昇温し、所定時間に亘り焼結温度(約850℃)を維持した後、略700℃〜600℃内の所定温度である再酸化開始温度まで降温することで、外部電極ペーストを緻密に焼結させる焼結ゾーンと、
酸素濃度が100ppm〜1000ppmに維持された雰囲気中で、略700℃〜600℃内の所定温度(再酸化開始温度)から室温まで降温することで、セラミック焼結体中のセラミックを再酸化させる再酸化ゾーンとを、連続で備えたことを特徴としている。
【0016】
この構成では、まず、脱脂ゾーンを前記所定の酸素濃度に設定することで、外部電極ペーストに含まれるバインダを燃焼して外部電極ペーストから放出させる。次に、焼結ゾーンでは、酸素濃度を低下させて、酸化しないようにCuを焼結させることで、外部電極であるCuと内部電極であるNiとの接合を得る。また、低い酸素濃度にすることで、外部電極ペースト内のガラスが表面に集中するような不必要な移動を抑制する。さらに、内部電極であるNiの酸化を抑制し、酸化膨張による構造劣化を抑制する。次に、再酸化ゾーンでは、約700℃〜600℃の間の所定温度から酸素濃度を100ppm〜1000ppmと高くすることで、焼結ゾーンで一旦還元したセラミックを再度酸化させ、絶縁抵抗の低下および信頼性の低下を抑制する。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態に係る積層セラミック電子部品の製造方法について、図を参照して説明する。なお、本実施形態では、積層セラミック電子部品として積層セラミックコンデンサについて説明する。
【0018】
図1は、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサの外部電極焼結工程の温度プロファイルを表す図である。
【0019】
まず、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサの製造フローについて説明する。
【0020】
BaTiO3 を主成分とする非還元性誘電体粉末とバインダと可塑材と溶剤とを混合してセラミックスラリーを作成し、該セラミックスラリーをドクターブレード等を用いて、支持フィルム表面に均一な厚みで塗工し、乾燥することでセラミックグリーンシートを形成する。
【0021】
次に、このセラミックグリーンシートの表面にNi粉末とバインダと溶剤とを混合した内部電極ペーストをスクリーン印刷法等により印刷し、乾燥することで、所定パターンの内部電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートを得る。
【0022】
このように内部電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートを所定枚数積層して、グリーンシート積層体を形成し、加熱プレスする。
【0023】
次に、加熱プレスされたグリーンシート積層体を、それぞれが個々の積層セラミックコンデンサとなる大きさの素体に切り分け、匣等に積載して焼成炉に投入し、所定の雰囲気で焼成することによりセラミック焼結体を得る。
【0024】
そして、このように形成されたセラミック焼結体の内部電極が露出する端面にCuを主成分とする金属粉末とガラス粉末とバインダと有機溶剤とからなる外部電極ペーストを浸漬法等を用いて塗布し、乾燥させた後、本発明の熱処理炉に対応する焼成炉に投入して外部電極の焼成を行う。
【0025】
この後、外部電極表面に電解メッキ等により、下地メッキであるNiメッキを施し、さらに、このNiメッキの表面に半田濡れ性を向上させるSnメッキやPbメッキ等を施すことで積層セラミックコンデンサが形成される。
【0026】
ここで、前述の外部電極焼結工程の詳細について、次に説明する。
外部電極焼結工程は、図1に示すように、三つのゾーンから構成されており、室温からガラス軟化温度付近(約700℃)まで昇温することで、バインダを燃焼させて外部電極ペーストの脱脂を行う脱脂ゾーンと、Cuの焼結温度(約850℃)まで引き続き昇温し、この温度を所定時間に亘り維持して、外部電極ペーストに含まれるガラスを軟化させ、Cuを液相焼結させることで外部電極を形成した後、約700℃〜600℃の間の所定温度(再酸化開始温度)まで降温する焼結ゾーンと、引き続き前記約700℃〜600℃の間の所定温度(再酸化開始温度)から室温まで降温して、主にセラミック焼結体内のセラミックを再度酸化させる再酸化ゾーンとからなり、これらが、例えば連続式トンネル型焼成炉のような一体の焼成炉内の連続した個別のゾーンとして設定されている。なお、バッチ式焼成炉で、温度及び雰囲気を前述したのものと同様に設定して外部電極を焼結させてもよい。
【0027】
このような脱脂ゾーン、焼結ゾーン、および再酸化ゾーンでは、酸素濃度が個別に設定されており、脱脂ゾーンでは、例えば100ppmのように、バインダを燃焼するに必要な酸素濃度が設定されており、焼結ゾーンでは、還元性雰囲気内で焼結するため10ppm以下に酸素濃度が設定されている。また、再酸化ゾーンでは、再度セラミック焼結体内のセラミックを酸化させるため、後に述べる測定結果に基づいて、酸素濃度が100ppm〜1000ppmに設定されている。
【0028】
次に、再酸化ゾーンの酸素濃度および再酸化ゾーン開始温度をパラメータにして、作成した複数種類の積層セラミックコンデンサについて、品質比較を行った結果を示す。
【0029】
この実験に用いた積層セラミックコンデンサとしては、前述の内部電極焼成工程で、1300℃を最高到達温度として還元性雰囲気中で焼成したセラミック焼結体を用いた。このセラミック焼結体の静電容量は1.0μFであり、絶縁抵抗値は2000MΩとした。これは、前記セラミック焼結体の内部電極露出面にIn−Gaからなる金属端子を形成し、測定することで確認した。
【0030】
また、前記品質比較の項目は、接合性不良発生率、絶縁抵抗不良発生率、および信頼性不良発生率である。
【0031】
ここで、接合性不良の検出方法は、外部電極が形成された積層セラミックコンデンサに実効電圧1Vで1kHzの交流電圧を印加して静電容量を測定し、静電容量が0.9μF未満のものを不良品とするものである。
【0032】
また、絶縁抵抗不良の検出方法は、外部電極が形成された積層セラミックコンデンサに10Vの直流電圧を印加し続け、1分後の絶縁抵抗値を測定して、絶縁抵抗値が1000MΩ未満のものを不良品とするものである。
【0033】
また、信頼性不良の検出方法は、125℃の雰囲気中で直流電圧20V通電を行い、1000時間後の絶縁抵抗値を測定して、この時点での絶縁抵抗値が500MΩ未満のものを不良品とするものである。
【0034】
また、この実験における焼成炉には、投入した積層セラミックコンデンサがコンベア等で搬送される間に前記3つの雰囲気内を通過して搬出されるように炉内で雰囲気の異なる3つのゾーンがコンベアの搬送方向に沿って順に構成されている連続式トンネル型焼成炉を用いた。
【0035】
このような条件下で、再酸化ゾーンの酸素濃度を50ppm,100ppm,500ppm,1000ppm,2000ppmとし、焼結ゾーンの酸素濃度を5ppmまたは10ppmに設定して行った実験結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
なお、表1において、比較例1,2,3は焼結ゾーンと再酸化ゾーンとを同じ酸素濃度に設定したものであり、従来の製造方法に対応する。
【0038】
表1に示すように、実施例2〜実施例6(再酸化ゾーンの酸素濃度:100ppm〜1000ppm)では、接合性不良、絶縁抵抗不良、信頼性不良の発生はなかった。これは、焼結ゾーンで還元されたセラミックが再酸化されるに必要十分な酸素量が再酸化ゾーンで供給されることにより、セラミックが再酸化されて、結合強度が強く、絶縁抵抗値の高い本来の組成状態に戻るためと考えられる。また、供給される酸素量がセラミックの再酸化に殆ど利用される量であるので、内部電極であるNiが不必要に酸化されて酸化膨張することが抑制されるためと考えられる。
【0039】
一方、実施例1(再酸化ゾーンの酸素濃度:50ppm)では、信頼性不良が発生した。これは再酸化ゾーンの酸素濃度が少ないため、焼結ゾーンで還元されたセラミックを十分に再酸化させて元の組成状態に戻すことができなかったためと考えられる。
また、実施例7(酸化ゾーンの酸素濃度:2000ppm)では、信頼性不良が発生した。これは、再酸化ゾーンの酸素濃度が多すぎるため、供給された酸素により、セラミックのみでなく内部電極であるNiも酸化されることで、Niが酸化膨張して、セラミック焼結体の構造劣化が生じるためと考えられる。
【0040】
このように、脱脂ゾーンの酸素濃度を100ppmとし、焼結ゾーンの酸素濃度を10ppm以下とした状態で、再酸化ゾーンの開始温度を降温時の700℃に設定した場合、再酸化ゾーンの酸素濃度を100ppm〜1000ppmとすることで、電気的特性および信頼性に優れる積層セラミックコンデンサを製造することができる。
【0041】
次に、酸素濃度を前述の条件にし、さらに再酸化ゾーンの開始温度を550℃,600℃,650℃,700℃,750℃に設定して行った実験結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】
表2に示すように、実施例2〜実施例6(表1に示した実施例2〜実施例6に対応)では、接合性不良、絶縁抵抗不良、信頼性不良の発生はなかった。
【0044】
また、実施例9(再酸化ゾーンの開始温度:600℃、再酸化ゾーンの酸素濃度:100ppm)と、実施例11(再酸化ゾーンの開始温度:650℃、再酸化ゾーンの酸素濃度:100ppm)とでも、接合性不良、絶縁抵抗不良、信頼性不良の発生はなかった。
【0045】
一方、実施例1、実施例7(表1に示した実施例1、実施例7に対応)では、前述の原因により信頼性不良が発生した。
【0046】
また、実施例8(再酸化ゾーンの開始温度:600℃、再酸化ゾーンの酸素濃度:50ppm)では、絶縁抵抗不良および信頼性不良が発生した。これは、再酸化ゾーンの酸素濃度が十分でないことに加えて、再酸化開始温度が低いため、セラミックの再酸化反応を十分に行えなかったためと考えられる。
【0047】
また、実施例10(再酸化ゾーンの開始温度:550℃、再酸化ゾーンの酸素濃度100ppm)でも、絶縁抵抗不良および信頼性不良が発生した。これは、酸素濃度が必要十分に供給されていても、再酸化反応を行う温度が低いため、再酸化反応を十分に行うことができなかったためと考えられる。
【0048】
また、実施例12(再酸化ゾーンの開始温度:750℃、再酸化ゾーンの酸素濃度100ppm)、および実施例13(再酸化ゾーンの開始温度:750℃、再酸化ゾーンの酸素濃度500ppm)では、信頼性不良が発生した。これは、酸素濃度が適正であっても、再酸化反応を行う温度が高いため、Niも再酸化してしまうためと考えられる。
【0049】
このように、前述の、脱脂ゾーンの酸素濃度を100ppmとし、焼結ゾーンの酸素濃度を10ppm以下とし、再酸化ゾーンの酸素濃度を100ppm〜1000ppmとする条件に加え、再酸化ゾーンの開始温度を700℃〜600℃に設定することで、電気的特性および信頼性に優れる積層セラミックコンデンサを製造することができる。
【0050】
また、前述のように、再酸化反応を焼結直後の降温時におこなうことにより、従来のような焼結、冷却した後に再度熱処理して再酸化させる場合と違い、外部電極内に存在するガラスの移動、特に、外部電極内部から表面へのガラスの移動を抑制することができるのでメッキ付着性が良好となる。これにより、耐メッキ性に優れ、高信頼性を有する積層セラミックコンデンサを容易に製造することができる。
【0051】
また、このような雰囲気の設定を、一つの連続式トンネル型焼成炉の連続する複数のゾーンで個別に行うことができるので、焼結後に一旦冷却して再度、焼成炉に投入する必要が無く、高信頼性を有しながら、さらに作業性に優れる積層セラミックコンデンサを製造することができる。
【0052】
なお、本実施形態では、積層セラミックコンデンサについて説明したが、積層インダクタ等の積層セラミック電子部品全般についてもこの発明の構成を適用することができる。
【0053】
【発明の効果】
この発明によれば、脱脂ゾーンの酸素濃度を100ppmとし、焼結ゾーンの酸素濃度を10ppm以下とした状態で、再酸化ゾーンの酸素濃度を100ppm〜1000ppmし、且つ再酸化ゾーンの開始温度を700℃〜600℃に設定することで、電気的特性および信頼性に優れる積層セラミック電子部品を製造することができる。
【0054】
また、再酸化反応を焼結後の降温時におこなうことにより、外部電極内部から表面へのガラスの移動を抑制することができるのでメッキ付着性が良好となる。これにより、耐メッキ性に優れ、高信頼性を有する積層セラミック電子部品を容易に製造することができる。
【0055】
また、このような雰囲気の設定を一つの連続式トンネル型焼成炉の連続する複数のゾーンで個別に行うことができるので、高信頼性を有しながら、さらに作業性に優れる積層セラミック電子部品を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る積層セラミックコンデンサの外部電極焼き付け工程の温度プロファイル
Claims (3)
- Niを主成分とする内部電極を備えたセラミック焼結体を形成する工程と、該セラミック焼結体の前記内部電極が露出した端面にCu粉末とガラス粉末とバインダと溶剤とからなる外部電極ペーストを塗布して乾燥する工程と、塗布、乾燥された外部電極ペーストを熱処理炉で焼結させる工程とを含む積層セラミック電子部品の製造方法であって、
前記外部電極ペーストを焼結させる工程は、前記外部電極ペーストに含まれる前記バインダを燃焼させる脱脂ゾーンと、前記外部電極ペーストを還元性雰囲気中で焼結させる焼結ゾーンと、該焼結ゾーンにより還元された前記セラミック焼結体を再酸化させる再酸化ゾーンとからなり、
該再酸化ゾーンにおける酸素濃度が100ppm〜1000ppmであるとともに、再酸化ゾーンの開始温度が降温時の700℃〜600℃であることを特徴とする積層セラミック電子部品の製造方法。 - 前記脱脂ゾーンにおける酸素濃度が約100ppmである請求項1に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
- 前記焼結ゾーンにおける酸素濃度が10ppm以下である請求項1または請求項2に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
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