JP2004283395A - パチンコ玉ホッパー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】この発明は、貯留タンクと整列部と玉払出し装置とを屈曲しない同一傾斜通路上に備えたパチンコ玉ホッパーであって、前記貯留タンク内部の流下方向の下流側に設置され、該貯留タンクに貯留されている貸玉数が残少して払出し維持限界数に至ったことを検知する玉有無検知スイッチを前記貯留タンクに備えたことを特徴とする。
【選択図】 図8
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばパチンコ遊技機の入賞玉の払出しや貸玉装置の貸玉の払出しを行うパチンコ玉ホッパーに関し、さらに詳しくは貯留タンクから玉払出し装置までの通路の短縮を図ったパチンコ玉ホッパーに関する。
【0002】
【従来の技術】
以下、パチンコ遊技機を例にとって説明する。
一般に、特許文献1、特許文献2および特許文献3に開示されるようなパチンコ遊技機は、パチンコ玉(以下、玉と称す)を遊技媒体として、パチンコ台の背面側からパチンコ台の前面側に玉を供給している。この玉の供給に際しては、パチンコ遊技機の背面上部に多数個の玉を貯留する貯留タンク(景品玉タンク)を設置し、この貯留タンクへは上方の図示しない補給機構から玉を補給させて貯留し、これより貯留した玉を下方に払出すようにしている。この玉の払出し時に、貯留タンクから玉を整列する玉整列装置を介して、下方の玉払出し装置(入賞玉処理装置)に導き、ここで払出し指令された玉数を払出して、パチンコ遊技機の前面下部に位置する上皿または下皿に払出している。
【0003】
このように、上流側の貯留タンクから供給された玉が玉整列装置を介して下流側の玉払出し装置へと導かれるが、この間の通路(樋)は玉が詰まらずにスムーズに下流へ転動していくように比較的緩やかな傾斜をしている。
【0004】
また、玉整列装置は不規則に貯留された山積み状態の玉を1列または2列に整列させて玉払出し装置へと供給して行くため、整列する通路の距離を長く必要としていた。このため、貯留タンク、玉整列装置および玉払出し装置をパチンコ台の背面側に設けようとすると、貯留タンクから玉払出し装置までの一連の通路がS字状やL字状などの折り返し通路になってしまう。
【0005】
このため、貯留タンク、玉整列装置および玉払出し装置のそれぞれを高さ方向に積み重ねる形で配置しなければならず、それゆえ高さ方向の寸法が大きくなってしまい遊技台背面側の多くのスペースを占有してしまっていた。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−208064号公報
【特許文献2】
特開平6−233865号公報
【特許文献3】
特開平8−71212号公報。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述の3つの特許文献に開示された技術では、貯留タンクから玉払出し装置までの処理順において、下流側の玉払出し装置の直前では玉の重なりを制限して通路を流れる玉を1個ずつ整列通過させることが必要になる。
【0008】
ところが、貯留タンク内に多数の玉が山積みされている積層状態から、玉が、そのまま低位の下流側へと移動してくると、この山積み状態の玉を崩す部分での玉圧が高まり、この玉の重なりを崩す部分では玉がひしめき合って玉詰りを発生させやすくなっていた。
【0009】
このように、積層状態のまま流下する玉を短い距離で1個高さに整列するのは問題点を解決して達成するための障害が多く、現状では貯留タンクから玉払出し装置までの通路の短縮に限界が生じていた。
【0010】
例えば、上流側の貯留タンクから下流側の玉払出し装置までの通路間には、貯留タンクに貯留されている多数の貸玉数が残少して、払出し維持限界数になったことを検知する玉有無検知スイッチを通路に設置する必要があるため、そのスイッチを設置した長さ分だけ通路は長くなっていた。
【0011】
また、通路の短縮を追及して玉有無検知スイッチを貯留タンク内に設置することが考えられる。ところが、この場合はスイッチ部分で玉噛みが生じやすくなるほか、残少したときの玉がスイッチ部分に引っ掛って、誤計数の原因になる玉残りを生じさせる問題を有していた。
【0012】
そこでこの発明は、玉有無検知スイッチを既存の貯留タンク内に組込んでも玉噛みや玉残りを解消して、貯留タンクから玉払出し装置までの通路長さを短縮することができるパチンコ玉ホッパーを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明は、多数個のパチンコ玉をパチンコ台の上流側で貯留する貯留タンクと、前記貯留タンクに貯留されたパチンコ玉を自重により傾斜通路上を転動させながら下流側に導いて整列する整列部と、前記整列部に整列された玉を定められた数だけ払出す玉払出し装置とを備えたパチンコ玉ホッパーであって、前記貯留タンク内の下流側に設置され、該貯留タンクに貯留されている貸玉数が残少して払出し維持限界数に至ったことを検知する玉有無検知スイッチを前記貯留タンクに備えたことを特徴とする。
【0014】
ここで貯留タンクとは、パチンコ遊技機に遊技利用される玉の多数個を貯留許容できる大きさの凹形状を有し、これより玉の自重を利用して下流側に玉を少しずつ供給するものである。
【0015】
前記整列部とは、貯留タンクの下流側に接続され、前記貯留タンクより供給された玉を1列あるいは複数列に整列させて下流側の玉払出し装置に玉を安定供給できるように整列流下させるものである。
【0016】
前記玉払出し装置とは、整列部の下流側に接続され、ここに整列して導かれた玉をスプロケットの回転により払出し指定された数だけ下流側の受皿へと払出すものである。
【0017】
前記払出し維持限界数とは、貸玉を払い出せなくなる恐れが生じたときの限界の残り玉の数であり、この払出し維持限界数を玉有無検知スイッチが検知したときは払出し動作を一時停止させる。
【0018】
この発明によれば、玉有無検知スイッチを貯留タンク内に設置することができるので、この玉有無検知スイッチの長さの分だけパチンコ玉ホッパーの通路を短くできる。この結果、貯留タンクから玉払出し装置までの通路長さを短縮することができる。
【0019】
別の発明では、多数個のパチンコ玉をパチンコ台の上流側で貯留する貯留タンクと、前記貯留タンクに貯留されたパチンコ玉を自重により傾斜通路上を転動させながら下流側に導いて整列する整列部と、前記整列部に整列された玉を定められた数だけ払出す玉払出し装置とを備えたパチンコ玉ホッパーであって、前記貯留タンクの下流側に開口する玉流下口に至る直前の該貯留タンク内の底面に設置され、該貯留タンクに貯留されている貸玉数が残少して払出し維持限界数に至ったことを検知する玉有無検知スイッチと、前記貯留タンクの上流側に設置され、該貯留タンクに貯留されている貸玉数が残少したことを検知する残少検知スイッチとを備えたことを特徴とする。
【0020】
この場合は、貯留タンク内の下流側に玉有無検知スイッチを設置すれば、玉有無検知スイッチの長さの分だけパチンコ玉ホッパーの通路を短くできることに加えて、タンク内での少数の残り玉を検知できるため払出し維持限界数を検知するのに適した取付け位置となる。
【0021】
この発明の他の形態として、前記玉有無検知スイッチは、前記貯留タンクに貯留されている貸玉数が残少し、その残りの玉数が予め設定された払出し維持限界数になったことを検知するパチンコ玉ホッパーであることを特徴とする。
【0022】
この場合は、貯留タンク内において玉有無検知スイッチにより予め設定されている払出し維持限界数を検知できる。また、貯留タンク内での該玉有無検知スイッチの設置位置によって玉数の検知量が異なるため、その設置位置を選ぶことによって払出し維持限界数を任意に設定できる。
【0023】
この発明の他の形態として、前記貯留タンクは、貯留した多数個の玉を自重により上流側から下流側へと傾斜させて導く底面を有し、この底面に、玉の重みを受けて出没する検知レバーを前記玉有無検知スイッチと残少検知スイッチとにそれぞれ設け、前記底面より上方に突出したときの前記検知レバーの上流側の端縁形状を、同平面上で玉流下方向に対して傾斜または弯曲させた玉残り防止用の滑り面に設けたパチンコ玉ホッパーであることを特徴とする。
【0024】
前記滑り面は、検知レバーの上流側の玉と最初に接触対応する端縁位置を、同平面上で玉流下方向に対して傾斜または弯曲させて設けたものである。この傾斜または弯曲を持たせることにより、玉は引っ掛らずに下流側へと流下する。例えば、矩形の検知レバーであれば、その上流側の端縁の形状を、流下方向に対して傾斜させるか、あるいは上流側を頂点とする山形状に傾斜させて設ければよい。このほかにも、円形の検知レバーであれば、該円形の上流側の縁部は円形の弯曲した傾斜を有しているので玉を滞留させることがない。
【0025】
この場合は、貯留タンク内で貸玉数が残少して、検知レバーに玉の重みが加わらなくなって検知レバーが底面よりタンク内に向けて突出しても、この検知レバーの上流側の玉と最初に接触対応する端縁には滑り面を有しているため、ここに当接した玉は検知レバーの滑り面に沿って流下する。このため、検知レバーに引っ掛って滞留する恐れがなくなる。
【0026】
この発明の他の形態として、前記貯留タンクは、貯留した多数個の玉を自重により上流側から下流側へと傾斜させて導く底面を有し、この底面に、玉の重みを受けて出没する検知レバーを前記玉有無検知スイッチと残少検知スイッチとにそれぞれ設け、前記底面より上方に突出したときの前記検知レバーの上流側の端縁形状を、同平面上で玉流下方向に対して傾斜または弯曲させた玉残り防止用の滑り面に設け、前記滑り面の玉流下方向の上流側先端部より上流側の底面の位置に、玉の滞留を防止する小さく尖った滞留防止突起を突設したパチンコ玉ホッパーであることを特徴とする。
【0027】
この場合は、玉が検知レバーに当接する前に滞留防止突起に当接するため、この時点で玉は幅方向に変位して検知レバーの上流側には当接しなくなる。具体的には、玉の流下方向を変える滞留防止突起と、傾斜または弯曲した滑り面を有する検知レバーとを併用することによって、流下する玉の滞留しようとする動きを防ぐことができ、貯留タンクでの玉残り現象を完全に解消できる。
【0028】
【発明の実施の形態】
この発明の一実施の形態を以下図面に基づいて説明する。
図1はパチンコ遊技機のパチンコ台11Aの背面側上部に装備されるパチンコ玉ホッパー11を示す。このパチンコ玉ホッパー11は、図2にも示すように、上流側の貯留タンク12と下流側の玉払出し装置13とを一体化して構成され、これらは横長に設置した大きな貯留タンク12の台端側に小さな玉払出し装置13を連結した単体構成をとっている。
【0029】
上述の貯留タンク12は、図3に示すように、上面を開放した先細の凹形状を有し、この上面開放部に対して上方の図示しない補給機構から玉が補給され、ここで多数個の玉を貯留許容している。この貯留タンク12に貯留された玉は自重により転動して上流側から下流側の玉払出し装置13へと導くように構成している。
【0030】
この場合、玉を上流側から下流側に円滑に通過させるために玉払出し装置13の前段には整列通路14を形成している。この整列通路14は、図4に示すように、貯留タンク12と一体に構成され、この貯留タンク12の先端部に細長い整列通路14を突出させて備えている。
【0031】
ところで、上流側の貯留タンク12内のタンク底面から下流側の玉払出し装置13の玉を払出す底面にかけては、同一傾斜方向に緩やかに傾斜させて直進する長い同一傾斜通路Lを設けている。
【0032】
この同一傾斜通路Lは、貯留タンク12と整列通路14と玉払出し装置13との順に玉を転動させて通過させる各通路の底面を、同一傾斜方向の緩やかな傾斜角度に設定して接続した通路である。このため、玉が自重により上流側から下流側へと緩やかに転動する。またこの場合は、同一傾斜方向に直進する通路であるため、玉流下時の落差や方向変換がなくなり、玉の流下に適した滑らかな直進移動によって流下する。
【0033】
この場合、傾斜角度が小さければ、その傾きが緩いので玉の転動速度が遅くなり、下流側への玉の供給が滞りやすくなる。これに対し、傾斜角度が大きいと、その傾きが急になるので連なって流下する玉への重力による負荷が増大する。この結果、例えば5〜8度程度の緩やかな傾斜角度にして転動させるのが適している。このため、ここを転動する玉は速度差が少なくなり安定して流下する。
【0034】
ことに、同一傾斜通路Lは、斜め下向きに長く直進する通路であるため縦(高さ)方向よりも横方向に長く延びることになる。このため、高さ方向の占有場所が少なくて済み、高さ方向の長さを短縮した通路となる。
【0035】
上述の貯留タンク12と整列通路14と玉払出し装置13との順に連設される3要素については、これらを通路方向に直列して横長に一体に保持板15で保持してなる一体物の水平払出しユニット16を設けている。
【0036】
この水平払出しユニット16の保持板15は、パチンコ台11Aの幅長さよりも短い横長で平板状を有し、この保持板15の一片面に整列通路14を備えた貯留タンク12と玉払出し装置13とをビス等で一体に取付けた状態で、他片面をパチンコ台背面側に取付けて、該保持板15の両面を取付け面に有効に利用している。また、この場合は1枚の保持板15を介して取付けるため部品点数が少なくなり、取付けが簡単化する。さらに、パチンコ台11Aの背面側から見て、保持板15の背面側には貯留タンク12と玉払出し装置13とが露出しているため、これら3要素に対しては係員による保守点検が容易になる。
【0037】
また、貯留タンク12と整列通路14と玉払出し装置13との3要素は横長の直列に連設された一体物の水平払出しユニット16として単品で扱うことができるため、パチンコ台への組付け作業が容易になる。
【0038】
さらに、この水平払出しユニット16は横方向に向けて長い緩やかな同一傾斜通路Lを有しているため、全長が横方向に長く、直方体状の一体物となり、該通路Lの高さ方向を短くできる。このため、縦型のパチンコ台背面側の上部位置に横長にして小さく組込むことができる。このため、パチンコ台背面側に取付けられた水平払出しユニット16の下方には他部品の取付けスペースが大きく取れる。また、3要素を直列させることにより、S字形通路のように通路を湾曲させたり、折り返させたりせずに済み、直線的に設けることができる。このため、全通路長さを短縮して小型化している。
【0039】
さらに、水平払出しユニット16からの玉の払出し口17を、該ユニット16の玉払出し装置13の通路終端側に位置する一端面に設けて、該払出し口17より玉を斜め下方に払出すように構成している。このため、該ユニットの側方のスペースを十分に活用できる。ここに、玉降下通路18(図1参照)を接続して、これより払出された玉を下方の図示しないパチンコ台前面の受皿へと払出す。
【0040】
上述の同一傾斜通路Lの上流側に位置する貯留タンク12の底面には、残少検知スイッチSW1と、玉有無検知スイッチSW2を配設して、該タンク12内での玉の収容状態を検知している。
【0041】
この貯留タンク12の下流側の先端部には、該タンク12に貯留された積層状態の玉を少しずつ整列させて流下させるように先端部の左右の両壁を八の字形の先細に絞り、その絞った細長い通路を前方に長く延設し、この延設部分を整列通路14に設けている。
【0042】
この整列通路14は、左右の壁面とその間の仕切板とで2列の凹溝を有する通路14a,14bを構成している。
【0043】
この場合、整列通路14の底部には異物排除用に格子状に開口した排除口14cを開口している。この排除口14cを設けることにより、貯留タンク内に異物が混入しても、その下流側の整列通路14に移動した時点で、異物は排除口14cより落下して排除される。このため、常に玉Pのみを通過させるようにして異物の混入による玉詰りを回避することができる。
【0044】
上述の2列の通路14a,14bを持つ整列通路14と、その上方に対設される後述する重なり制限ローラ19とで、ここに不規則に導かれた玉を2列に整列させる。
【0045】
上述の重なり制限ローラ19は、整列通路14の上方に玉の重なりを崩して整列する整列部20として対設したものである。この整列部20は、通路方向に直交する上部の片持ち支持軸21を傾動支点に通路方向に回動許容し、該軸21の下部に回転自由な重なり制限ローラ19を吊支している。この重なり制限ローラ19を備えることにより、玉を貯留タンク12から下流側の整列通路14を介して玉払出し装置13へと受渡す場合の玉の重なりを崩して過負荷を抑制することができ、玉の受渡しに適した流下ガイド作用が得られる。上述した重なり制限ローラ19は回転自由に軸支して設けるだけでもよく、崩し力を高めるために回転力を伝達して回転駆動するように構成することもできる。
【0046】
そして、整列された玉はその下流側に位置する玉払出し装置13へと2列に導かれる。この場合、図5に示すように、整列通路14の先端部14dは玉払出し装置13の位置まで延びており、上流側の貯留タンク12と下流側の玉払出し装置13とは整列通路14を介して直線的に同一傾斜通路Lにて接続されている。また、玉払出し装置13は水平払出しユニット16から着脱許容して設け、この玉払出し装置13の内部の保守点検を容易にしている。
【0047】
上述の貯留タンク12は、貯留した多数個の玉Pを、自重により転動させて下流側の玉流下口12aへと導くようにしており、この玉流下口12aに向けて側面の幅方向を次第に幅狭に絞ったハの字形の絞り部12bを設けている。
【0048】
この絞り部12bは両側面をハの字形の先細に絞ることにより、ここに導いた玉Pを両側より幅方向中央部に導いて流れ易くしている。
【0049】
さらに、底面12cを上流側から下流側にかけて傾斜させて設けるとともに、底面12cの絞り部幅方向を、両側面12dより該絞り部12bの中心位置に向けて傾斜させて設けている。これにより、玉は貯留タンク内の高低差の付いた底面12cを、自重により上流側から下流側へと自然に導かれる。さらに、絞り部12bの幅方向にも高低差を付けているため、絞り部近傍の玉Pは幅方向の絞り部中心位置へと流下移動する。このため、全ての玉は自然な流れで玉流下口へと導かれる。
【0050】
また、この貯留タンク12の下流側上部には、図6および図7にも示すように、天板22を備えている。この天板22は、整列通路14と玉払出し装置13の上面を覆う長さを有する平板で構成できる。この天板22の上流側の端部には、貯留タンク12の下流側に対応し、該貯留タンク内の上方から臨んで、重なり移動する玉Pの上層部を受止める受止め片 (図2参照) 23を垂設している。
【0051】
この受止め片23を設けることによって、積層状態にある玉Pの上層部の流れを阻止する。このため、下部層の玉Pだけを流下させることができ、これ以降は玉数を十分に減らして下流側に供給することができる。これにより、下流側への玉圧を軽減できることになり、貯留タンク12から整列通路14側への玉Pの供給に適した円滑な流れを確保できる。
【0052】
また、天板22を設けたことにより、貯留タンク12に供給された玉Pが仮に勢いよく飛び跳ねて整列通路14や玉払出し装置13に至っても天板22で遮って、飛び込まなくなるので、玉詰りや誤動作を誘起する恐れがなくなる。
【0053】
次に、玉を払出し動作する玉払出し装置13について説明する。
この玉払出し装置13は貯留タンク12の下流側の整列通路14に続く同一傾斜通路L沿って送り部24と検出部25とをこの順に有している。
【0054】
上述の送り部24は、同一傾斜通路Lの終端部上面にスプロケット26を対設し、このスプロケット26と同一傾斜通路Lとの間に導いた玉を払出し回転方向に1個ずつ連続的に送り出すものである。
【0055】
また、上述のスプロケット26と、その下方の同一傾斜通路Lとの上下間に導かれた玉はスプロケット26の回転に伴って1個ずつ送り動作される。このため、連続的に供給される複数個の玉は途切れることなく連続的に払出しされる。このスプロケット26は図示しない駆動モータおよび駆動機構の出力を受けて回転する。
【0056】
上述の検出部25は、払出された玉を計数する計数センサSとして、例えば近接センサを同一傾斜通路Lの終端位置近くに配設して構成する。そして、玉が同一傾斜通路Lを通って払出されたとき、通過した払出し直後の玉を計数センサSが計数する。図中、27は重なり防止カバーを示し、スプロケット26の直前の通路上に配設して玉の重なりを完全に防止する。また、28は玉止めストッパ片を示し、上動退避位置と下動ストッパ位置とに傾動して、玉の流れを開放または停止させるものである。
【0057】
次に、貯留タンク12に貯留されている玉の貯留状態を検知する残少検知スイッチSW1と玉有無検知スイッチSW2について具体的に説明する。
先ず、残少検知スイッチSW1は、図8にも示すように、貯留タンク12の上流側の底面12cに設置され、該貯留タンク12に貯留されている貸玉数が残少したことを検知する。そして、この残少検知に基づいてパチンコ玉の全体を制御する制御部から補給信号を図示しない補給装置に出力して補給玉を貯留タンク12に補給させる。
【0058】
次に、玉有無検知スイッチSW2は、貯留タンク12内の下流側の底面12cに設置され、該貯留タンク12に貯留されている貸玉数が残少して貯留数が後述する払出し維持限界数に至ったとき、これを検知する。
【0059】
上述の払出し維持限界数とは、貸玉を払い出せなくなる恐れが生じたときの限界の残り玉数である。この払出し維持限界数を玉有無検知スイッチSW2が検知したとき、パチンコ玉の全体を制御する制御部が払出し禁止信号を出力して払出し動作を停止させる。この停止動作は、入賞玉を検知し、この入賞玉に応じて一定数の払出し要請の信号が生じるが、このとき払出し要請に応じると払出し途中で払出し数が不足して計数管理できなくなる恐れがあるので払出し動作を一時停止させるものである。
【0060】
このような払出し維持限界数を検知する玉有無検知スイッチSW2を貯留タンク12の内部に設置したものである。これにより、この玉有無検知スイッチ12の長さの分だけパチンコ玉ホッパー11の通路を短くできる。
【0061】
また、貯留タンク内において残少検知スイッチSW1と玉有無検知スイッチSW2を上流側と下流側とに分けて設置するため、双方の検知スイッチSW1,SW2の設置スペースには支障がなく貯留タンク12内に設置することができる。
【0062】
さらに、この玉有無検知スイッチSW2は、貯留タンク12内での流下方向の設置位置によって玉数の検知量が異なるため、その設置位置を選ぶことによって払出し維持限界数(例えば25個)を任意に設定することができる。
【0063】
上述した各検知スイッチSW1,SW2は、同じ検知構造でよく、その検知構造は例えば図9に示す玉有無検知スイッチSW2について説明すると、貯留タンク12の底面12cに開口するスイッチ取付口29に、上面を検知高さ位置に臨ませて取付けている。
【0064】
この玉有無検知スイッチSW2は、底面12cより下側で玉流下方向の上流側の一端部を支点ピン30で軸支して、下流側の端部を上下方向に傾動自由に支持している。通常は、貯留タンク12内の玉の重さを受けて下動したOFF状態にあり、該玉有無検知スイッチSW2の上面に設けられた検知レバー31が下動時に底面12cと略面一の高さ位置に支持されている。
【0065】
これに対し、検知レバー31上に玉がなくなって玉の負荷を受けなくなったときは、該スイッチSW2の図示しない弾性部材の弾性復帰作用を受けて該レバー31の下流側の端部が底面12cより上方の僅かに突出してON状態になる。このように底面12cより出没自在の検知レバー31は、上流側を傾動支点に下流側を底面12cより上方に突出させて、上流側は底面12cより低いか、面一にして玉の流れを阻害しないようにしている。
【0066】
これらの両検知スイッチSW1,SW2の両検知レバー31の形状は、流下方向を長辺とする長方形状にして設置し、その上流側の端縁形状を、上流側を頂点とする山形状に傾斜させ、その両側の傾斜部分を玉流下接触時の滑り面32に設けている。
【0067】
前記滑り面32は、検知レバー31の上流側が、流下される玉Pと最初に接触対応する端縁部分であるため、この端縁部分に玉の滞留を防止するための滑り機能として傾斜した滑り面32を形成したものである。従って、ここに当接した玉Pは検知レバー31の滑り面32に沿って流下し、検知レバー31に引っ掛って滞留する恐れがなくなる。
【0068】
さらに、玉有無検知スイッチSW2に対しては、図10にも示すように、滑り面32の上流側先端部より、さらに上流側の底面12cの位置に、玉の滞留を防止するため、上流側に向けて三角錐状に小さく尖った滞留防止突起33を突設している。
【0069】
この滞留防止突起33を設けることにより、流下してきた玉は検知レバー31に当接する前に該滞留防止突起33に当接し、このときに玉は三角錐状の突出部分により左右に振分けられ、玉の流下方向が幅方向に変位して、検知レバー31の上流側には当接せずに流下する。このため、流下する玉の滞留防止作用を一層高めることができ、貯留タンク12の内部での玉残りを完全に解消できる。
【0070】
一方、残少検知スイッチSW1は、該スイッチSW1の上流側がタンク内の上流側の壁面に近接して設置すれば、滞留スペースがなくなるので滞留防止突起33は省略できる。
【0071】
このように構成されたパチンコ玉ホッパー11における玉の払出し処理動作を次に説明する。
【0072】
パチンコ台11Aの背面側上部に設置されたパチンコ玉ホッパー11の貯留タンク12には、多数個の玉が払出し待機された状態で貯留されている。
【0073】
この待機状態から、今、パチンコ遊技機の全体を制御するメイン制御部から玉の払出し信号が入力されて駆動モータが駆動されると、この駆動に基づいて上流側の貯留タンク12では、玉Pが自重により高い位置から下流側の低い位置へと導かれる。
【0074】
このとき、貯留タンク12内で貸玉数が残少して、残少検知スイッチSW1または玉有無検知スイッチSW2の検知レバー31に玉の重みが加わらなくなると、該検知レバー31が底面12cの下方よりタンク内に向けて僅かに突出した状態になりON検知信号を出力する。このとき、突出した検知レバー31に上流側から流下してきた玉が当接しても、この玉Pと最初に接触対応するレバー上流側の端縁には滑り面32を有しているため、玉Pは検知レバー31の滑り面32に沿って滑らかに流下する。このため、残少した玉が流下するときに検知レバー31に引っ掛って滞留する恐れがない。
【0075】
また、玉有無検知スイッチSW2側の検知レバー31には、滑り面32に加えて滞留防止突起33を備えているため、この滞留防止突起33によって、ここにきた玉は滞留防止突起33に当接した後、図8に示すように、左右に振分けられて、その両側から玉が流れる。このため、検知レバー31の上流側に当接するのを回避させて下流へと導くことができる。このように滞留の恐れがない状態で玉を玉流下口12aへと流下させることができる。
【0076】
一方、貯留タンク12の下流側にあっては、受止め片23によって貯留タンク12内の上層部の玉を受止めて、その上層部の流れを制限し、下層部の玉Pだけを通過させる。
【0077】
その後、玉Pは同一傾斜通路Lを通って流下し、整列通路14へと至る。ここで不規則に貯留されている玉が整列された後、該整列通路14から下流側の玉払出し装置13へと導かれる。
【0078】
このとき、玉は同一傾斜通路Lを傾斜方向に直進して流下するため玉は方向変換することがなく、上流側の貯留タンク12から下流側の玉払出し装置13までの短縮された直線距離を通過して払出し動作される。また、同一傾斜通路Lの中間位置に該当する整列通路14にあっては、払出し毎に玉は2列に順序よく整列された状態で流下し、これより玉払出し装置13へと導かれる。
【0079】
玉払出し装置13では、スプロケット26の回転に伴って玉Pは連続して個別送りされ、このスプロケット26の回転駆動・停止の制御を受けて、定められた玉数が払出される。払出された玉は玉降下通路18を介してパチンコ台前面側の上皿または下皿へと払出される。
【0080】
この発明は、上述の一実施の形態の構成に限定されるものではなく、請求項に記載される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。
【0081】
【発明の効果】
この発明によれば、玉有無検知スイッチを貯留タンク内に設置することができるので、この玉有無検知スイッチの長さの分だけパチンコ玉ホッパーの通路を短くできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ玉ホッパーを備えたパチンコ台の要部背面図。
【図2】パチンコ玉ホッパーを示す縦断面図。
【図3】パチンコ玉ホッパーを示す斜視図。
【図4】貯留タンク内の玉の流れを示す斜視図。
【図5】整列通路の玉整列状態を示す一部分解斜視図。
【図6】パチンコ玉ホッパーを示す一部分解斜視図。
【図7】パチンコ玉ホッパーの玉払出し状態を示す要部縦断面図。
【図8】滞留防止突起による玉の流れを示す貯留タンクの平面図。
【図9】滞留防止突起と玉有無検知スイッチを示す要部拡大縦断面図。
【図10】滞留防止突起を示す要部拡大斜視図。
【符号の説明】
11…パチンコ玉ホッパー
12…貯留タンク
13…玉払出し装置
14…整列通路
32…滑り面
33…滞留防止突起
SW1…残少検知スイッチ
SW2…玉有無検知スイッチ
L…同一傾斜通路
P…玉
Claims (5)
- 多数個のパチンコ玉をパチンコ台の上流側で貯留する貯留タンクと、前記貯留タンクに貯留されたパチンコ玉を自重により傾斜通路上を転動させながら下流側に導いて整列する整列部と、前記整列部に整列された玉を定められた数だけ払出す玉払出し装置とを備えたパチンコ玉ホッパーであって、
前記貯留タンク内の下流側に設置され、該貯留タンクに貯留されている貸玉数が残少して払出し維持限界数に至ったことを検知する玉有無検知スイッチを前記貯留タンクに備えた
パチンコ玉ホッパー。 - 多数個のパチンコ玉をパチンコ台の上流側で貯留する貯留タンクと、前記貯留タンクに貯留されたパチンコ玉を自重により傾斜通路上を転動させながら下流側に導いて整列する整列部と、前記整列部に整列された玉を定められた数だけ払出す玉払出し装置とを備えたパチンコ玉ホッパーであって、
前記貯留タンクの下流側に開口する玉流下口に至る直前の該貯留タンク内の底面に設置され、該貯留タンクに貯留されている貸玉数が残少して払出し維持限界数に至ったことを検知する玉有無検知スイッチと、
前記貯留タンクの上流側に設置され、該貯留タンクに貯留されている貸玉数が残少したことを検知する残少検知スイッチとを備えた
パチンコ玉ホッパー。 - 前記玉有無検知スイッチは、前記貯留タンクに貯留されている貸玉数が残少し、その残りの玉数が予め設定された払出し維持限界数になったことを検知する請求項1または2記載のパチンコ玉ホッパー。
- 前記貯留タンクは、貯留した多数個の玉を自重により上流側から下流側へと傾斜させて導く底面を有し、この底面に、玉の重みを受けて出没する検知レバーを前記玉有無検知スイッチと残少検知スイッチとにそれぞれ設け、
前記底面より上方に突出したときの前記検知レバーの上流側の端縁形状を、同平面上で玉流下方向に対して傾斜または弯曲させた玉残り防止用の滑り面に設けた請求項1または2記載のパチンコ玉ホッパー。 - 前記貯留タンクは、貯留した多数個の玉を自重により上流側から下流側へと傾斜させて導く底面を有し、この底面に、玉の重みを受けて出没する検知レバーを前記玉有無検知スイッチと残少検知スイッチとにそれぞれ設け、
前記底面より上方に突出したときの前記検知レバーの上流側の端縁形状を、同平面上で玉流下方向に対して傾斜または弯曲させた玉残り防止用の滑り面に設け、前記滑り面の玉流下方向の上流側先端部より上流側の底面の位置に、玉の滞留を防止する小さく尖った滞留防止突起を突設した
請求項1または2記載のパチンコ玉ホッパー。
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- 2003-03-24 JP JP2003079546A patent/JP2004283395A/ja active Pending
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