JP2004281363A - 固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極、その製造方法及びそれを用いた固体高分子型燃料電池 - Google Patents

固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極、その製造方法及びそれを用いた固体高分子型燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、カーボンブラックの多孔質繊維シートへの固着が良好であり、かつ、供給水及び生成水による閉塞が発生せず、また、触媒層との密着性が均一で耐久性に優れた固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極、その製造方法及びそれを用いた固体高分子型燃料電池を提供することを目的とする。
【解決手段】多孔質繊維シートの少なくとも片面にフッ化ビニリデン樹脂化合物及びカーボンブラックを含有した導電性多孔質層を形成してなるか、又は多孔質繊維シートの内部にフッ化ビニリデン樹脂化合物及びカーボンブラックを含有してなる固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極、その製造方法及びそれを用いた固体高分子型燃料電池。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極、その製造方法及びそれを用いた固体高分子型燃料電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、燃料と酸化剤とを連続的に供給し、これらが反応したときの化学エネルギーを電力として取り出す発電システムである。燃料電池は、これに用いる電解質の種類によって、動作温度が比較的低いアルカリ型、リン酸型、固体高分子型と、高温で動作する溶融炭酸塩型,固体酸化物電解質型とに大別される。これらの中で、固体高分子型燃料電池は、固体高分子固体電解質として作用する隔膜の両面に触媒が担持されたガス拡散電極を接合し、一方のガス拡散電極が存在する側の室(燃料室)に燃料である水素を、他方のガス拡散電極が存在する側の室(酸化剤室)に酸化剤である酸素や空気等の酸素含有ガスをそれぞれ供給し、両ガス拡散電極間に外部負荷回路を接続することにより、燃料電池として作用させる。また、該固体高分子型燃料電池に用いられる燃料は水素の他、メタノールを直接燃料として用いる場合もある。
【0003】
固体高分子型燃料電池において使用されるガス拡散電極は、従来カーボンペーパーやカーボンクロスを基材として、カーボンブラックを微小なポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEという)粒子で結着し固定化したものを用いることが提案されている。このカーボンブラック層は、触媒との密着性をよくして集電効率を向上させる目的の他、触媒のカーボンペーパーやカーボンクロスへの沈み込みによる触媒効率の低下を防ぐ目的がある。PTFE粒子を用いる目的は、上記のカーボンブラック粒子の結着の他、燃料極へ供給される水分と、空気極で生成される水分濃度を適度に保つための撥水性の付与にある。しかし、カーボンブラック層に含まれるPTFE粒子は高温で溶融させても、全てのカーボンブラック粒子を結着するにはいたらない。これは、PTFEが溶融状態においても全てのカーボンブラック粒子を濡らすほど低粘度には至らず濡れ拡がらないためと考えられる。その結果、カーボンブラックは、該基材への固着性が不十分であり、燃料電池セルを組み立てるまでの工程で基材より欠落し不具合を生ずる場合がある。また、PTFE粒子の密度がカーボンブラック層内で不均一となることで、強い撥水性を有する部分と、撥水性が低い部分とが不均一に存在することとなる。特に空気極で生成する水は、親水性が強い部分で排出されやすいが、連続運転時において、生成水が親水性の高い部分で凝縮して水の排出流路を閉塞させ出力低下に繋がる問題を有する。また水素を供給する側の燃料極においても、水蒸気で加湿した水素を供給する場合に、このような親水性と疎水性の不均一性に起因して、燃料極と同様の水による閉塞現象が発生して出力を低下させる原因となる。
【0004】
このような問題を解決するために、溶媒可溶性含フッ素樹脂を用いて、フッ素樹脂を均一にカーボンペーパーやカーボンクロスに結着させる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。該方法では、溶媒可溶性含フッ素樹脂は単にカーボンブラック粒子の結着剤として用いている。該方法においては、例えば、カーボンブラックの溶媒可溶性含フッ素樹脂に対する含有比率が高い場合には、燃料を透気するための気孔が含フッ素樹脂で閉塞する場合があり出力があがらない問題を有する。また、該方法においてカーボンブラックの含有率が含フッ素樹脂に比べて非常に多い場合は、カーボンブラックによる多孔質層ができるものの、親水性が相対的に高くなるため、閉塞現象を抑制することが困難となる場合がある他、結着効果が低下してカーボンブラック粒子が脱落しやすくなる問題を有する。また、固体高分子型燃料電池の課題の一つに今後の大幅な製造コストの低下が挙げられるが、該方法における含フッ素樹脂は実質的に脂肪族環構造を有するものであり、溶媒に溶解しにくく製造効率が低い他、比較的高価であるなどの問題がある。
【0005】
また、多孔質繊維シートをガス拡散電極の基材とする場合、毛羽立ちによる電解質膜の貫通が問題とされている。この貫通を防ぐために、カーボンブラック層は緩衝材として重要であるが、PTFE粒子をカーボンブラックの結着に用いた場合、繊維の毛羽立ちによりカーボンブラック層が破損する問題を有する。また、従来用いられているカーボンペーパーやカーボンクロスはその表面粗さに起因して、セルに組み付けに際して触媒層と強く密着する部分と、密着が弱い部分とが存在する。このような密着性の不均一性に起因して、密着性が弱い部分では優先的に水素が通過する。この様な密着性が弱く水素が通過しやすい部分では密着性が強く水素が通過しにくい部分に比べて、連続使用時における触媒の劣化が進みやすく、耐久性の低下につながる問題を有する。このようなことから、ガス拡散電極と、触媒層とがより均一な押圧で密着できるカーボンブラック層が望まれている。
また従来ガス拡散電極の基材として用いられているカーボンペーパーやカーボンクロスは機械的強度においても課題があり、組み付けまでのハンドリング性の向上が望まれている。また、これらの基材は高価であり、より安価な基材が求められている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−351637号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明は、カーボンブラックの多孔質繊維シートへの固着が良好であり、なおかつ、供給水及び生成水による閉塞が発生せず、また、触媒層との密着性が均一で耐久性に優れた固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極、その製造方法及びそれを用いた固体高分子型燃料電池を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極は、多孔質繊維シートの少なくとも片面にフッ化ビニリデン樹脂化合物及びカーボンブラックを含有した導電性多孔質層を形成してなることを特徴とする。
また、本発明の固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極は、多孔質繊維シートの内部にフッ化ビニリデン樹脂化合物及びカーボンブラックを含有してなることを特徴とする。
また、本発明の固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極の製造方法は、フッ化ビニリデン樹脂化合物を該フッ化ビニリデン樹脂化合物が溶解する溶媒に分散させ溶液を得た後、該溶液に前記溶媒より沸点が高く且つ前記フッ化ビニリデン樹脂化合物が溶解しない溶媒を混合し、次いでカーボンブラックを混合して塗液を得た後、該塗液を多孔質繊維シート上に塗布することを特徴とする。
また、本発明の固体高分子型燃料電池は、前記固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極と触媒層、高分子電解質膜及びセパレータを用いたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられる多孔質繊維シートはいずれのものも使用できるが、カーボンペーパー、カーボンクロス、ステンレス等の金属繊維シートなどの導電性が高いものが集電性能が優れているため好ましい。金属を素材とする多孔質繊維シートは、酸性雰囲気下で燃料電池内における酸性雰囲気下でも腐食しやすいが、本発明においては、導電性多孔質層に用いるフッ化ビニリデン樹脂化合物により被覆されるために、腐食が防止される。更に耐酸性を向上するためには、多孔質繊維シートの金属素材に予め酸化皮膜を設けることや、金属表面を耐酸性の高い樹脂や貴金属でコーティングする等の表面処理することが好ましい。また、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリベンズオキサイド樹脂などからなる樹脂繊維シートや、ガラス、炭素、セラミックスなどからなる無機繊維シートなどの絶縁性の高い材質のものでも何らかまわない。これは、絶縁性を有する繊維であっても、カーボンブラックとフッ化ビニリデン樹脂化合物の導電性多孔質層が繊維を覆うために良好な導電性が得られるためである。また、前記樹脂繊維シート、特にフッ素樹脂からなる繊維シートはガス拡散電極に適度な疎水性を与えるために、燃料電池セル内部での水分コントロールに寄与する場合があり本発明において好適に用いられる。また、本発明に用いられる多孔質繊維シートは、カレンダー処理や平板プレスなどで表面を平滑化処理したものがより好適に用いられるが、特に多孔質繊維の毛羽立ちにより、触媒層及び高分子電解質が機械的な損傷を受ける場合においては、カレンダー処理でその毛羽立ちを抑え、多孔質繊維表面を平滑化することで、このような不具合の発生を抑えることが可能となる。以上の理由により、カレンダー処理が好ましい。多孔質繊維シートに毛羽立ちがある場合には、このような平滑化処理を施すことで、電解質膜を傷つけることがなくなりセルの信頼性が向上する。また、多孔質繊維シートを構成する繊維は単独の組成であっても、複合化された組成のシートでもよく、炭素繊維、ステンレス繊維、フッ素繊維、ガラス繊維から選ばれた2種以上を混抄してなるものが挙げられる。特に多孔質繊維シートを構成する繊維が、ステンレス繊維とポリテトラフルオロエチレン繊維を混抄したものは、疎水性と撥水性のバランスをとる上で好都合な多孔質繊維シートであり本発明に好適に用いられる。また、多孔質繊維シートは、不織布やメッシュ状のものであってもかまわない。
また、本発明における多孔質繊維シートの厚さは、10〜500μm、より好ましくは、15〜350μm、更により好ましくは15〜100μmである。10μmより薄い場合では、多孔質繊維シートそのものの機械的強度が低下し、セル組み付けまでのハンドリングが困難になる。一方500μmより厚い場合では、ガス透過のための多孔質内の流路が長くなり、高負荷時の出力電圧が低下する他、特に空気極側では生成水による多孔質繊維シートの閉塞現象が発生して好ましくない。
【0010】
本発明に用いられるフッ化ビニリデン樹脂化合物は、フッ化ビニリデンのホモポリマー、あるいは四フッ化エチレン、六フッ化プロピレン、エチレン等のモノマーのいずれか1種類以上とフッ化ビニリデンとからなるコポリマーを用いることが可能である。これらのポリマーは電気化学的に安定で耐酸性が極めて優れているため、燃料電池内部に組み込まれても、長期安定性において優れている。したがって、これらホモポリマーあるいはコポリマーはそれぞれ単独で用いても差支えなく、また、2種類以上の混合物であっても好適に本発明を実施することができる。特にフッ化ビニリデンのホモポリマーは、耐熱性が高く、機械的強度が良好であるために好ましい。このようなフッ化ビニリデン樹脂化合物は、フッ化ビニリデンを含むモノマーの付加重合反応により得られ、その重合方法としては、公知の技術を用いることができる。すなわちラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合、光・放射線重合などにより得ることができる。本発明において好適に用いられるフッ化ビニリデン樹脂化合物の分子量は、重量平均分子量において10万から120万が好ましく、10万未満の場合では、導電性多孔質層の機械的な強度が不十分となるおそれがあり、120万を越えた場合では、溶剤への溶解性が低下して製造効率を低下せしめる等のおそれがあるが、これに限定されるものではない。
【0011】
本発明で用いられるカーボンブラックは、比表面積が大きく、かつ二次凝集粒子の大きさが比較的大きい高ストラクチャーのものが、性能と生産性の両立から好適に利用できる。例えば、ライオンアクゾ社の商品名:ケッチンECやキャボット社の商品名:VulcanXC72Rは、導電性グレードのカーボンブラックの中でも、塗液での高分散性と導電性多孔質層に用いた場合の抵抗の低さから本発明に好適に用いられるが、本発明で使用可能なカーボンブラックはこの例に限られることはなく、比表面積や粒子径の大きさによらずいずれのグレードも使用可能である。また、ファーネスブラックやチャネルブラック等に代表されるいわゆるカーボンブラック以外では、アセチレンブラック、黒鉛、カーボン繊維、カーボンナノチューブなども、本発明でいうカーボンブラックであり、同様に好適に用いられるが、導電性を有する無機材料であり酸化雰囲気に耐性があるものであれば、いずれも利用するこが可能である。
【0012】
本発明において、カーボンブラックの含有量はフッ化ビニリデン樹脂化合物100重量部に対して、5〜1000重量部であり、好ましくは8〜800重量部であり、より好ましくは10〜500重量部である。カーボンブラックが5重量部より少ないと、ガス拡散電極としての抵抗率が高すぎて良好な集電効果が得られない。一方、1000重量部より多いと、フッ化ビニリデン樹脂化合物によるカーボンブラックの多孔質繊維シートへの固着が不十分となる他、カーボンブラックの存在量が過多となり、フッ化ビニリデン樹脂化合物による多孔質構造が維持できなくなる。
【0013】
次に本発明の固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極の製造方法について説明する。前記多孔質繊維シートの少なくとも片面にフッ化ビニリデン樹脂化合物及びカーボンブラックを含有した導電性多孔質層を形成する方法としては、例えば、相分離法、乾燥法、抽出法、発泡法等が挙げられるが下記に述べる形成方法が好ましい。すなわち、はじめにフッ化ビニリデン樹脂化合物を溶媒に分散させた溶液を得る。溶媒としてはフッ化ビニリデン樹脂化合物が溶解するものを選択しなければならず、例えば、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルスルホキシド等を挙げることができる。フッ化ビニリデン樹脂化合物を溶媒に分散、溶解する方法としては市販の攪拌機を使用すればよい。本発明に用いられるフッ化ビニリデン樹脂化合物は前記溶媒に室温で容易に溶解するので、特に加熱する必要はない。分散溶液の濃度としては、得るべき導電性多孔質層の特性を考慮に入れ適宜変更する必要がある。次いで、この溶液に上記溶媒より沸点が高く、且つフッ化ビニリデン樹脂化合物が溶解しない溶媒を添加混合する。このような第二の溶媒としては、フタル酸ジブチル等のフタル酸エステル、エチレングリコール等のグリコール類を選択することが可能である。
【0014】
次に、カーボンブラックを上記と同様のフッ化ビニリデン樹脂化合物を溶解する溶媒に適宜分散し、得られた分散液を上記のフッ化ビニリデン樹脂化合物の溶液と混合し塗液とする。カーボンブラックの分散には、市販のミキサーを用いるが、例えば特殊機化社製のホモミキサー、キーエンス社製のハイブリッドミキサー等が好適に用いられる。
次に前記で得られた塗液を、多孔質繊維シートの片面または両面にディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、ドクターブレード法、グラビアコート法、スクリーン印刷法等により塗布し、乾燥することで、フッ化ビニリデン樹脂化合物が溶解する溶媒が溶解しない溶媒より先に蒸発し、溶解度が低下したポリマーが析出を開始し、溶解しない溶媒の存在体積相当の空孔率を有する導電性多孔質層を得ることができる。また、抽出法で導電性多孔質層を形成する手法については、フッ化ビニリデン樹脂化合物が溶解する溶媒を用いてフッ化ビニリデン樹脂化合物を溶解させ、それにカーボンブラックを加え、得られた溶液を多孔質繊維シートの片面または両面に塗布した後、フッ化ビニリデン樹脂化合物が溶解しない溶媒中に浸漬し、ポリマー中の溶解する溶媒を抽出し溶解しない溶媒と置換することで、フッ化ビニリデン樹脂化合物中にカーボンブラックが分散した導電性多孔質層を得ることができる。
なお、前記塗布方法によってそれぞれで好適な塗液の粘度範囲が存在するが、それぞれの塗布方法にあった粘度に調整するためには、上記のフッ化ビニリデン樹脂を溶解する溶媒の添加量を変えることで容易に調整が可能である。
【0015】
また、多孔質繊維シートの内部にフッ化ビニリデン樹脂化合物及びカーボンブラックを含有させるためには、前記フッ化ビニリデン樹脂化合物及びカーボンブラックからなる塗液の粘度を低下させ、この低粘度の塗液を多孔質繊維シートに浸透し、乾燥させることによって、多孔質繊維シートの内部にフッ化ビニリデン樹脂化合物及びカーボンブラックを含有させることができる。
本発明においては、多孔質繊維シートの少なくとも片面に導電性多孔質層を形成し、更に、その多孔質繊維シートの内部にフッ化ビニリデン樹脂化合物及びカーボンブラックを含有させて固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極を構成してもよい。
なお、本発明においては、フッ化ビニリデン樹脂化合物及びカーボンブラックの他に、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−フルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体等の他、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体、パーフロロ環状重合体、ポリビニルフルオライド等の1種又は2種以上を併用して導電性多孔質層を構成してもよい。
【0016】
本発明における導電性多孔質層の厚さは0.5〜400μm、より好ましくは、5〜200μm、更により好ましくは10〜150μmである。0.5μmより薄い場合では、導電性多孔質層の弾性効果が得られず、触媒層との密着性が低下し好ましくない。400μmより厚い場合では、電気的な接触抵抗が大きくなるほか、ガスの拡散距離が長くなることで、燃料供給が滞る場合があるほか、生成水の排出効率が低下し好ましくない。
前記のようにして得られた導電性多孔質層の構造を測る尺度としては空隙率、透気度、密度がある。多孔質繊維シート上に形成したフッ化ビニリデン樹脂化合物とカーボンブラックからなる導電性多孔質層の空隙率は10〜90%の範囲内が好適であり、より好適には70〜90%であり、さらに好適には50〜90%である。10%未満では、燃料極の場合には透過する水素量が少なくなり、空気極の場合では水蒸気の透過流路が狭まる等の問題が生ずる。90%を超える場合には機械的強度の低下が著しく、燃料電池セルに組み上げるまでの工程で破損しやすく不都合を生じる場合がある。透気度は1〜1000sec/100ml、密度は0.15〜1.3g/cmが上記と同様の理由で好適である。
【0017】
本発明のようなフッ化ビニリデン樹脂化合物を用いた導電性多孔質層は、フッ化ビニリデン樹脂化合物そのものがゴム状の弾性体であることと、更に同材質を用いた多孔質体であることから、これと接する触媒層との密着性が極めて良好であるばかりでなく、上記触媒層の表面粗さが低くても接触圧力が極めて均一に保たれることで、触媒層全面にわたって触媒が効率的に使用できる。このため、触媒の部分的な劣化が抑えられセルの高寿命化が達成できる。従来のカーボンブラックそのものによる多孔質層では、カーボンブラック自体が長期使用において親水性が次第に強くなることと、孔径が1μ以下と小さいことから、カーボンブラックの多孔質構造中で、生成水や供給水が凝縮して閉塞することで発電効率の低下をきたす問題があった。これに対し、本発明のフッ化ビニリデン樹脂化合物を用いた導電性多孔質層は、フッ化ビニリデン樹脂化合物そのものによる1〜3μm程度の比較的大きい孔構造を有するために、水素や水蒸気などのガスの透過が従来のカーボンブラックそのものによる多孔質体より極めて良好であるばかりでなく、フッ化ビニリデン樹脂が適度な疎水性を有するために、上記のような水による閉塞現象がおこらず、安定した発電特性を長期にわたって維持することが可能である。また、このような多孔質構造を有することで、燃料極における水素の供給及び空気極における水分の透過性が極めて良好であり発電効率の向上が容易に実現できる。また、従来のポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂微粒子をバインダーとするガス拡散電極では、該フッ素樹脂が微粒子であること故に、溶融しても該フッ素樹脂が個々のカーボンブラック粒子には必ずしも均一に濡れ拡がらない。従って、該フッ素樹脂の濃度が高い部分と低い部分で水の透過性が不均一となり、発電特性が向上しない。これに対して、本発明のフッ化ビニリデン樹脂化合物は塗液の溶媒に相溶可能であるため、カーボンブラックを均一に濡らすことが可能となり、上記のような不具合がない。また、前記のように本発明の導電性多孔質層は弾性に富むため、セル組み付けの加圧によりカーボンブラック粒子どうし、及び、カーボンブラックと多孔質繊維シートとの接触が良好となり、電気的な接触抵抗が低減することで集電性が向上という効果を奏する。
【0018】
次に本発明の固体高分子型燃料電池について説明する。
本発明の固体高分子型燃料電池は、前記固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極を使用するものであり、その他に触媒層、水素イオン伝導性を有する高分子電解質膜及びセパレータを有するものである。触媒層は高分子電解質膜の両側に配置されるものであり、燃料を供給する側においては、水素やメタノールなどの燃料から水素イオンを分離し供給する機能を有するものである。一方、空気極側に配置される触媒層は、高分子電解質膜を透過して供給された水素イオンを酸化する機能を有する。上記の両触媒層に隣接して本発明の固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極が配置され、更に該ガス拡散電極に隣接してセパレータが配置される。燃料極側のセパレータは燃料をガス拡散電極に供給する機能を有し、空気極側に配置されるセパレータは、空気を触媒層に供給する機能とともに触媒層において生成される水を排出する機能を併せ持っている。
【0019】
【実施例】
以下に、実施例及び比較例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
重量平均分子量10万のフッ化ビニリデンホモポリマーを1−メチル−2−ピロリドンに溶解し、フタル酸ジブチルを添加してフッ化ビニリデンホモポリマー成分が10重量%になるように溶液1を調整した。次に、カーボンブラック(キャボット社製 商品名:VulcanXC72R)10重量%と1−メチル−2−ピロリドン90重量%になるようにメディア式撹拌機を用いて混合し、分散液1を調整した。前記溶液1と分散液1とを、カーボンブラックとフッ化ビニリデンホモポリマーが、重量比において、カーボンブラック:フッ化ビニリデンホモポリマー=3:1となるように混合し調製して塗液1を得た。次に、厚さ270μmのカーボンペーパーからなる多孔質繊維シート上に、ドクターブレード法により上記塗液1を塗布し、乾燥して厚さ50μmの導電性多孔質層を形成し、本発明の固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極を得た。
【0020】
実施例2
多孔質繊維シートを厚さ50μmのステンレス繊維シートに代えた以外は実施例1と同様にして厚さ25μmの導電性多孔質層を形成し、本発明の固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極を得た。
【0021】
実施例3
重量平均分子量50万のフッ化ビニリデンホモポリマーを用いた他は、実施例1と同様にして溶液2を作製した。次に、この溶液2と実施例1の分散液1を、カーボンブラックとフッ化ビニリデンホモポリマーが、重量比において、カーボンブラック:フッ化ビニリデンホモポリマー=4:1となるように混合し、調製して塗液2を得た。次に、厚さ270μmのカーボンペーパーからなる多孔質繊維シート上に、ドクターブレード法により上記塗液2を塗布し、乾燥して厚さ30μmの導電性多孔質層を形成し、本発明の固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極を得た。
【0022】
実施例4
多孔質繊維シートを厚さ70μmのポリテトラフルオロエチレン繊維シートに代え、該繊維シートの両面に厚さ5μmの導電性多孔質層を形成した以外は実施例3と同様にして本発明の固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極を得た。
【0023】
実施例5
多孔質繊維シートを厚さ100μmのポリテトラフルオロエチレン繊維とステンレス繊維を混抄した繊維シートに代えた以外は実施例3と同様にして本発明の固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極を得た。
【0024】
実施例6
多孔質繊維シートを厚さ90μmのポリテトラフルオロエチレン繊維とガラス繊維を混抄した繊維シートに代えた以外は実施例3と同様にして本発明の固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極を得た。
【0025】
実施例7
多孔質繊維シートを厚さ40μmの常温でカレンダー処理を施したステンレス繊維シートに代えた以外は実施例1と同様にして厚さ25μmの導電性多孔質層を形成し、本発明の固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極を得た。
【0026】
実施例8
実施例1の塗液1に、厚さ270μmのカーボンペーパーを浸漬し、カーボンペーパーの内部に塗液1をしみ込ませた後、該カーボンペーパーの両面に付着した塗液1を一旦ドクターブレードで擦り落とし、その片面に実施例1の塗液1を実施例1と同様の方法で塗工し、カーボンペーパー内にフッ化ビニリデン樹脂化合物とカーボンブラックを含有した本発明の固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極を得た。
【0027】
実施例9
多孔質繊維シートを厚さ40μmのポリベンズオキサイド樹脂繊維からなる不織布に代えた以外は実施例1と同様にして厚さ25μmの導電性多孔質層を形成し、本発明の固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極を得た。
【0028】
実施例10
厚さ25μmのポリエステル繊維シートの両面に、ドクターブレード法により前記実施例3の塗液2を塗布し、乾燥して片面の厚さが5μmの導電性多孔質層を形成し、本発明の固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極を得た。
【0029】
実施例11
実施例10におけるポリエステル繊維シートをカレンダー処理して厚さ15μmに調整した多孔質繊維シートの片面に、ドクターブレード法により前記実施例3の塗液2を塗布し、乾燥して厚さが5μmの導電性多孔質層を形成し、本発明の固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極を得た。
【0030】
実施例12
炭化タングステンからなるウィスカー状繊維とポリエステル繊維とを混抄した厚さ50μmの多孔質繊維シートの片面に、ドクターブレード法により前記実施例3の塗液2を塗布し、乾燥して厚さが10μmの導電性多孔質層を形成し、本発明の固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極を得た。
【0031】
比較例1
カーボンブラック(キャボット社製 商品名:VulcanXC72R)10重量%、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル1重量%、イオン交換水89重量%をメディア式分散機を用いて混合した分散液100重量部に、ポリテトラフルオロエチレン微粒子のディスパ−ジョン(三井・デュポンフロロケミカル社製 商品名:30J)5重量部を加え、レッドデビル社製のペイントシェーカーで30分撹拌して塗液3を得た。次に、厚さ270μmのカーボンペーパーからなる多孔質繊維シート上に、ドクターブレード法により上記塗液3を塗布し、乾燥して比較用の固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極を得た。
【0032】
比較例2
フタル酸ジブチルを使用しない以外は実施例1と同様にして厚さ40μmの多孔質を有しない導電性層を多孔質繊維シート上に形成し、比較用の固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極を得た。
【0033】
次に、前記実施例及び比較例に示した固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極を次のように評価した。
(1)触媒インクの作製
カーボンブラック(ライオンアクゾ社製 商品名:ケッチンEC)80重量部に白金20重量部を担持した触媒10重量部と酢酸ブチル90重量部とを混合し、超音波洗浄機にて10分間分散した後、この分散液100重量部に対して、更に水及びアルコールの混合溶媒にイオン交換溶液(デュポン社製 商品名:Nafion)5重量部を溶解した溶液200重量部、及び、ポリテトラフルオロエチレンのディスパージョン(三井・デュポンフロロケミカル社製 商品名:30J)5重量部とを追加混合し、更に超音波洗浄機で30分分散し触媒インクを得た。
(2)固体高分子型燃料電池(単セル)の作製
次に上記触媒インクを前記実施例及び比較例で作製した固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極上に白金量が0.8mg/cmとなるように塗布、乾燥し触媒層を形成した。以上の処理を施した実施例及び比較例の触媒インクを塗布したそれぞれの固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極2枚を燃料極、空気極として、その触媒層面がイオン交換膜からなる高分子電解質膜(デュポン社製 商品名:Nafion117)に接触するように配し、熱圧プレス(140℃)にて接合して電極と膜の接合体を作製した。この電極と膜の接合体を更にセパレータで挟んでセル化し固体高分子型燃料電池(単セル)とした。
次に各単セルへ水素及び酸素からなるガスを供給した。供給ガスはいずれもバブリングにて加湿し2.5気圧の供給圧とした上で、単セルにかかる温度を70℃に保持した状態で供給し電圧を発生させた。電流密度が1A/cmにおける電圧を調べた結果を表1に記す。なお、表1における電圧は、数値が高い方が固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極として優れることを示している。
【0034】
【表1】
Figure 2004281363
【0035】
上記表1の結果から、本発明の固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極はいずれも連続運転時における電圧低下が少ない結果であった。これは、本発明による固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極の多孔質繊維シート及び導電性多孔質層がいずれも高いガス透過性と良好な撥水性を合わせもっているからと考えられる。一方、比較例1では、PTFEの密度が低い部分では長時間運転で供給水や生成水がカーボンブラックの粒子間隙に閉塞して電圧低下をきたしたものと考えられる。また、比較例2においては、多孔質繊維シートの部分ではガスが良好に供給される構造多孔質構造が維持されているものの、ポリフッ化ビニリデン樹脂化合物と非相溶の溶媒が塗液に混合されていないために、ポリフッ化ビニリデン樹脂化合物による多孔質が形成されず、その結果、ガスの供給量が低下して発電性能の低下をきたしたものと考えられる。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、燃料ガスや生成水の透過が極めて良好であり、触媒層との密着が良好であり、親水性と疎水性バランスに優れ、長期に渡り水による閉塞現象が生じにくい良好な発電特性を有する安価な固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極及び固体高分子型燃料電池を提供することができる。

Claims (15)

  1. 多孔質繊維シートの少なくとも片面にフッ化ビニリデン樹脂化合物及びカーボンブラックを含有した導電性多孔質層を形成してなることを特徴とする固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極。
  2. 前記多孔質繊維シートが、カーボンペーパー、カーボンクロス、樹脂繊維シート、金属繊維シート、無機繊維シートのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極。
  3. 前記樹脂繊維シートを構成する樹脂繊維が、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリベンズオキサイド樹脂のいずれかであることを特徴とする請求項2に記載の固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極。
  4. 前記金属繊維シートを構成する金属繊維が、ステンレスであることを特徴とする請求項2に記載の固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極。
  5. 前記無機繊維シートを構成する無機繊維が、ガラス、炭素、セラミックスのいずれかであることを特徴とする請求項2に記載の固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極。
  6. 前記多孔質繊維シートが、その表面をカレンダー処理してあることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極。
  7. 前記多孔質繊維シートが、炭素繊維、ステンレス繊維、フッ素繊維、ガラス繊維から選ばれた2種以上を混抄してなることを特徴とする請求項1に記載の固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極。
  8. 前記フッ化ビニリデン樹脂化合物の重量平均分子量が10万〜120万であることを特徴とする請求項1に記載の固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極。
  9. 多孔質繊維シートの内部にフッ化ビニリデン樹脂化合物及びカーボンブラックを含有してなることを特徴とする固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極。
  10. 前記多孔質繊維シートが、カーボンペーパー、カーボンクロス、樹脂繊維シート、金属繊維シート、無機繊維シートのいずれかであることを特徴とする請求項9に記載の固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極。
  11. 前記多孔質繊維シートが、その表面をカレンダー処理してあることを特徴とする請求項9または10に記載の固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極。
  12. 前記フッ化ビニリデン樹脂化合物の重量平均分子量が10万〜120万であることを特徴とする請求項9に記載の固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極。
  13. フッ化ビニリデン樹脂化合物を該フッ化ビニリデン樹脂化合物が溶解する溶媒に分散させ溶液を得た後、該溶液に前記溶媒より沸点が高く且つ前記フッ化ビニリデン樹脂化合物が溶解しない溶媒を混合し、次いでカーボンブラックを混合して塗液を得た後、該塗液を多孔質繊維シート上に塗布することを特徴とする固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極の製造方法。
  14. 前記フッ化ビニリデン樹脂化合物の溶液に、前記フッ化ビニリデン樹脂化合物が溶解する溶媒にカーボンブラックを分散した分散液を混合することを特徴とする請求項13に記載の固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極の製造方法。
  15. 多孔質繊維シートの少なくとも片面にフッ化ビニリデン樹脂化合物及びカーボンブラックを含有した導電性多孔質層を形成してなるか、または多孔質繊維シートの内部にフッ化ビニリデン樹脂化合物及びカーボンブラックを含有してなる固体高分子型燃料電池用ガス拡散電極と、触媒層、高分子電解質膜及びセパレータを用いたことを特徴とする固体高分子型燃料電池。
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