JP2011076849A - 燃料電池用のマイクロポーラス層付きガス拡散電極、マイクロポーラス層付き触媒層、触媒層付きガス拡散電極、膜−電極接合体及び固体高分子形燃料電池 - Google Patents

燃料電池用のマイクロポーラス層付きガス拡散電極、マイクロポーラス層付き触媒層、触媒層付きガス拡散電極、膜−電極接合体及び固体高分子形燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、ガス拡散層の変形が少なく、強度に優れ、電気抵抗を増大させることなく、排水性、保水性、ガス透過性及び拡散性に優れたガス拡散層から形成される膜−電極接合体、並びにこれを製造するためのマイクロポーラス層付きガス拡散電極、マイクロポーラス層付き触媒層及び触媒層付きガス拡散電極を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明の燃料電池用のマイクロポーラス層付きガス拡散電極は、ガス拡散基材の片面上にマイクロポーラス層が形成されており、前記マイクロポーラス層は、導電性炭素粒子、金属繊維及びフッ素系樹脂を含有しており、前記金属繊維のアスペクト比は30以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は、燃料電池用のマイクロポーラス層付きガス拡散電極、マイクロポーラス層付き触媒層、触媒層付きガス拡散電極、膜−電極接合体及び固体高分子形燃料電池に関する。
固体高分子形燃料電池を構成する膜−電極接合体(MEA)は、ガス拡散層、触媒層、イオン伝導性固体高分子電解質膜(以下、単に「電解質膜」ということもある)、触媒層及びガス拡散層が順次積層された構造を有している。
このうち、ガス拡散層は、セパレータから供給されるガスを触媒層に均一に行き渡らせる役割を果たすため、良好なガス透過性及び拡散性を備えていることが必要とされる。また、触媒層で発生した電子が効率的にセパレータへ輸送されるための導電性を有していることも必要である。このため、ガス拡散層の材質には、カーボンペーパー等の導電性多孔質基材が一般的に使用されている。
更にガス拡散層に求められる性能として、撥水性が挙げられる。これは電池反応により触媒層上で水が発生し、この生成水がガス拡散層の細孔を埋めてしまうと、ガス拡散性に悪影響を及ぼすため、水はけを良くし、速やかに水をMEA系外に排出させるためである。また、低加湿条件で運転する際には、固体高分子膜のプロトン導電性を保持するのに十分な水分を確保するためにガス拡散層に保水性が求められる。
ところが、カーボンペーパー等の導電性多孔質基材そのものには、一般的に撥水性が備わっていない。そこで、撥水性を付与するために、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂及びカーボンブラックからなる撥水層を導電性多孔質基材に形成させる方法が行われている(特許文献1)。
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、導電性多孔質基材に、安定した高い撥水性及びガス透過性・拡散性を付与できない欠点を有している。
特開2002−313359号公報
本発明は、ガス拡散層の変形が少なく、強度に優れ、電気抵抗を増大させることなく、排水性、保水性、ガス透過性及び拡散性に優れたガス拡散層から形成される膜−電極接合体、並びにこれを製造するためのマイクロポーラス層付きガス拡散電極、マイクロポーラス層付き触媒層及び触媒層付きガス拡散電極を提供することを主な課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねてきた。その結果、ガス拡散層基材に、導電性炭素粒子、金属繊維、フッ素系樹脂及び溶剤からなるマイクロポーラス層形成用ペーストを塗工することにより得られたマイクロポーラス層付きガス拡散基材を用いることで、上記課題を解決した膜−電極接合体が得られることを見い出した。本発明は、このような知見に基づき完成されたものである。
本発明は、下記項1〜10に示す燃料電池用のマイクロポーラス層付きガス拡散電極、マイクロポーラス層付き触媒層、触媒層付きガス拡散電極及び膜−電極接合体、並びに固体高分子形燃料電池を提供する。
項1.ガス拡散基材の片面上にマイクロポーラス層が形成されている燃料電池用のマイクロポーラス層付きガス拡散電極であって、前記マイクロポーラス層は、導電性炭素粒子、金属繊維及びフッ素系樹脂を含有しており、前記金属繊維のアスペクト比が30以下である、マイクロポーラス層付きガス拡散電極。
項2.前記マイクロポーラス層は導電性炭素繊維を更に含有している、項1に記載のマイクロポーラス層付きガス拡散電極。
項3.項1又は2に記載のマイクロポーラス層付きガス拡散電極のマイクロポーラス層の上に触媒層が形成されている、燃料電池用の触媒層付きガス拡散電極。
項4.触媒層の片面上にマイクロポーラス層が形成されている燃料電池用のマイクロポーラス層付き触媒層であって、前記マイクロポーラス層は、導電性炭素粒子、金属繊維及びフッ素系樹脂を含有しており、前記金属繊維のアスペクト比が30以下である、マイクロポーラス層付き触媒層。
項5.前記マイクロポーラス層は導電性炭素繊維を更に含有している、項4に記載のマイクロポーラス層付き触媒層。
項6.項4又は5に記載のマイクロポーラス層付き触媒層のマイクロポーラス層の上にガス拡散電極が形成されている、燃料電池用の触媒層付きガス拡散電極。
項7.イオン伝導性固体高分子電解質膜の片面又は両面上に、項3又は6に記載の触媒層付きガス拡散電極が、イオン伝導性固体高分子電解質膜と触媒層とが接するように形成されている、燃料電池用の膜−電極接合体。
項8.ガス拡散基材/マイクロポーラス層/触媒層/イオン伝導性固体高分子電解質膜/触媒層/マイクロポーラス層/ガス拡散基材で構成される燃料電池用の膜−電極接合体であって、前記マイクロポーラス層は、導電性炭素粒子、金属繊維及びフッ素系樹脂を含有している、膜−電極接合体。
項9.前記マイクロポーラス層は導電性炭素繊維を更に含有している、項8に記載の膜−電極接合体。
項10.項7〜9のいずれかに記載の膜−電極接合体を備えた固体高分子形燃料電池。
1.マイクロポーラス層付きガス拡散電極
本発明の燃料電池用のマイクロポーラス層付きガス拡散電極は、ガス拡散基材の片面上にマイクロポーラス層が形成されている。
<ガス拡散基材>
ガス拡散基材としては、導電性を有し、かつ、多孔質のものであれば、特に制限されないが、固体高分子形燃料電池に用いられる観点から、通常はシート状である。例えば、導電性の繊維を用いた炭素紙からなる、カーボンペーパー、カーボンクロス、カーボンフェルト等が挙げられる。
ガス拡散基材の膜厚は特に制限されないが、通常は50μm〜400μm程度、好ましくは100μm〜300μm程度である。
また、これらのガス拡散基材は撥水処理されたものを用いてもよい。撥水処理は、例えば、ガス拡散基材をポリテトラフルオロエチレンエマルジョン液に含浸させた後、乾燥及び焼成することにより、行うことができる。また、撥水処理されたガス拡散基材としては、市販のものを使用してもよい。
<マイクロポーラス層>
本発明において、マイクロポーラス層は、電池反応時に生成する水の排水性を高め、ガス拡散層の電気抵抗を低減し、良好な電池特性を発揮するために設けられる。特に、マイクロポーラス層は排水性の向上に寄与する。
本発明において、マイクロポーラス層は、導電性炭素粒子、金属繊維及びフッ素系樹脂を含有している。
前記マイクロポーラス層は、更に導電性炭素繊維を含有しているのが好ましい。導電性炭素繊維を含有させることで、マイクロポーラス層のクラック発生を更に抑えられ、かつ導電性を更に向上させることができる。
マイクロポーラス層は、導電性炭素粒子、金属繊維及びフッ素系樹脂、更に必要に応じて導電性炭素繊維を含むマイクロポーラス層形成用ペースト組成物をガス拡散基材の片面上に塗布し、乾燥することにより、形成される。
マイクロポーラス層の気孔率は、例えば、(株)島津製作所製の水銀ポロシメータによる水銀圧入法により測定することができる。マイクロポーラス層の気孔率は、45%〜75%が好ましく、50%〜75%がより好ましい。
導電性炭素粒子
導電性炭素粒子は、導電性を有しているものであれば限定的ではなく、公知又は市販のものを広く使用できる。例えば、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック等のカーボンブラック;黒鉛;活性炭等を1種又は2種以上で用いることができる。導電性炭素粒子を配合することによりマイクロポーラス層に優れた導電性を付与することができる。
導電性炭素粒子の算術平均粒子径は、通常5nm〜200nm程度、好ましくは20〜80nm程度である。この導電性炭素粒子の平均粒子径は、例えば、粒子径分布測定装置LA−920:(株)堀場製作所製等により測定できる。
金属繊維
金属繊維は、金属からなる繊維状のものや金属を被覆した繊維状のものであれば限定的ではなく、公知又は市販のものを利用できる。
例えば、ステンレススチール、鉄、金、銀、アルミニウム、ニッケル、チタン等を細く、長く伸ばす伸線法、又は切削法により作製された繊維が使用でき、1種又は2種以上を使用することができる。特に、耐腐食性や強度面からステンレススチール等が好ましい。
金属を被覆した繊維としては、例えばアクリル繊維に金、銀、アルミニウム、ニッケル、チタン等をコーティングした繊維等が挙げられる。
金属繊維の平均繊維径は限定的でなく、5〜100μm程度であるのがよい。金属繊維の平均繊維径が5μm未満では三次元構造体の製造時に充填密度が過度になり空隙率の高い構造体が得られず、平均繊維径が100μmを越えると剛性が大きくなり過ぎ、電解質膜と一体化した際に電解質膜を損傷する惧れがある。金属繊維の平均繊維長も限定的でなく、5〜100μm程度、好ましくは10〜50μm程度とすればよい。
本発明では、マイクロポーラス層には、アスペクト比が30以下の金属繊維が含まれているが、実施例で使用しているJFEテクノリサーチ(株)製のX−SMF530AE−EPのように、アスペクト比が30以下の金属繊維と他の金属繊維(例えばアスペクト比が30をこえるもの)とを混合して含んでいてもよい。アスペクト比が30以下の金属繊維と他の金属繊維をあわせて、金属繊維の平均アスペクト比は、3〜50程度であり、好ましくは3〜30程度であり、より好ましくは5〜30程度であり、更に好ましくは、10〜30程度である。
金属繊維の平均繊維径、平均繊維長及び平均アスペクト比は、走査型電子顕微鏡(SEM)等により測定した画像等により測定できる。
なお、金属繊維を含有することにより、ペースト塗布表面でのクラックの発生が抑えられ、且つ導電性、生成した水の排水性を一段と向上させることができる。また、低加湿時には保水性を一段と向上させることもできる。
フッ素系樹脂
フッ素系樹脂は、フッ素を含有し、重量平均分子量が10万〜1000万程度のポリマーであれば特に限定されない。フッ素系樹脂としては、公知又は市販のものを使用できる。例えば、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、フッ化エチレンプロピレン樹脂(FEP)、パーフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)等が挙げられる。これらのフッ素系樹脂は、1種又は2種以上を使用することができる。
このようなフッ素系樹脂を含有することにより、マイクロポーラス層に高い撥水性を付与できると共に、導電性炭素粒子等を基材表面により強固に結着できるため、優れた撥水性を長期に亘り維持させることができる。
フッ素系樹脂の溶融粘度は380℃で10〜10Pa程度であり、融点は270〜327℃、平均粒子径は0.3〜30μm程度が好ましい。
導電性炭素繊維
導電性炭素繊維としては、例えば、気相成長法炭素繊維(VGCF)、カーボンナノチューブ、ワイヤーカップ、ワイヤーウォール等が挙げられる。これらの導電性炭素繊維は、1種又は2種以上を使用することができる。
導電性炭素繊維の平均繊維径は限定的でなく、50〜400nm程度、好ましくは100〜250nm程度とすればよい。導電性炭素繊維の平均繊維長も限定的でなく、5〜50μm程度、好ましくは10〜20μm程度とすればよい。導電性炭素繊維の平均アスペクト比は、10〜500程度である。なお、導電性炭素繊維の平均繊維径、平均繊維長及び平均アスペクト比は、走査型電子顕微鏡(SEM)等により測定した画像等により測定できる。
本発明で形成されるマイクロポーラス層に含まれるアスペクト比30以下の金属繊維の含有量は、導電性炭素粒子100重量部に対して、通常0.05〜50重量部、好ましくは0.5〜30重量部、より好ましくは1〜10重量部である。また、本発明で形成されるマイクロポーラス層に含有されるフッ素系樹脂の含有量は、導電性炭素粒子100重量部に対して、通常1〜500重量部、好ましくは10〜300重量部、より好ましくは50〜500重量部である。なお、アスペクト比30以下の金属繊維が上記記載の量だけ含まれていれば、他の金属繊維は、本発明の効果を損なわない範囲でどの程度含まれていてもよい。
アスペクト比30以下の金属繊維の含有量を上記範囲内とすることで、繊維同士が絡み合うのを防止できるため、マイクロポーラス層を緻密にしすぎることがない。また、マイクロポーラス層のガス拡散性及び強度を十分に高くすることができる。
フッ素系樹脂の含有量を上記範囲内とすることで、フッ素系樹脂は絶縁性であるにもかかわらず、マイクロポーラス層の導電性を保持できる。また、フッ素系樹脂が細孔を埋めることがなく、マイクロポーラス層のガス拡散性が低下するのを防止することができる。さらに、触媒層で生成される生成水に対して十分な撥水性を得ることもできる。
本発明で形成されるマイクロポーラス層には、導電性炭素繊維が含有されていてもよい。導電性炭素繊維の含有量は、導電性炭素粒子100重量部に対して、通常0〜50重量部、好ましくは10〜40重量部、より好ましくは15〜30重量部である。
導電性炭素繊維の含有量を上記範囲内とすることで、繊維同士が絡み合わないためマイクロポーラス層が緻密になりすぎず、ガス拡散性を更に向上させることができる。
マイクロポーラス層の厚みは、限定されるものではない。
例えば、マイクロポーラス層の厚みは、通常1〜100μm程度、好ましくは10〜50μm程度である。
マイクロポーラス層の厚みを上記範囲内とすることで、ガス拡散性、排水性及び強度を更に向上させることができる。
次にマイクロポーラス層形成用ペースト組成物について説明する。
マイクロポーラス層形成用ペースト組成物
本発明において、マイクロポーラス層を形成するためのペースト組成物には、上記導電性炭素粒子、金属繊維及びフッ素系樹脂が含まれている。
また、マイクロポーラス層形成用ペースト組成物には、導電性炭素繊維が含まれているのが好ましい。導電性炭素繊維を含有させることで、形成されるマイクロポーラス層のクラック発生を更に抑えられ、かつ導電性を更に向上させることができる。
マイクロポーラス層形成用ペースト組成物には、更に、以下に示す分散剤及び溶剤が含有されているのがよい。
分散剤:
分散剤としては、例えば、水系分散剤等が好ましい。
水系分散剤は、導電性炭素粒子及び水とともに使用されるものであり、導電性炭素粒子を水中で分散させることができる限り限定されず、公知又は市販のものが使用できる。例えば、ポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、酸性基含有構造変性ポリアクリレート等が挙げられる。
溶剤:
本発明で用いる溶剤としては特に限定されず、公知または市販のものを広く使用することができる。例えば、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、3−ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等の炭素数1〜4程度の1〜3価のアルコール等が好適に挙げられる。これらの溶媒は1種単独または2種以上混合して使用できる。
前記ペースト組成物中の各成分の配合割合は上記成分を含有する限り限定的ではなく、例えば、導電性炭素粒子100重量部に対して、金属繊維0.05〜50重量部(好ましくは0.5〜30重量部)程度、フッ素系樹脂1〜500重量部(好ましくは10〜300重量部)程度、導電性炭素繊維0〜50重量部(好ましくは10〜40重量部)程度、溶剤50〜5000重量部(好ましくは500〜2500重量部)程度とすればよい。なお、分散剤を使用する場合には、その配合量は、導電性炭素粒子100重量部に対して5〜300重量部(好ましくは7〜200重量部)程度とすればよい。
<マイクロポーラス層付きガス拡散電極の製造方法>
本発明のマイクロポーラス層付きガス拡散電極は、ガス拡散基材の片面上にマイクロポーラス層が形成されているものであり、マイクロポーラス層形成用ペースト組成物を、ガス拡散基材表面に塗工し、次いで乾燥を行う工程を経ることにより得られる。これによりガス拡散基材に高い撥水性、保水性及び高いガス拡散性を発現させることができ、生成水による細孔の閉塞を防ぐことができ、効率よく燃料ガスを電極に拡散させることができる。
ガス拡散基材、マイクロポーラス層及びマイクロポーラス層形成用ペースト組成物については、上述した通りである。
マイクロポーラス層をガス拡散基材上に形成させる際の塗工方法は、特に限定されるものではなく、例えばナイフコーター、バーコーター、ブレードコーター、スプレー、ディップコーター、スピンコーター、ロールコーター、ダイコーター、カーテンコーター、スクリーン印刷等の一般的な方法を適用できる。
マイクロポーラス層をガス拡散基材上に形成させる際のペースト組成物の塗工量は、特に制限されないが、固形分換算で、通常5〜500g/m程度、好ましくは10〜300g/m程度とすればよい。
マイクロポーラス層を形成させる際の乾燥温度は、特に限定的ではなく、例えば、大気中にて、90〜200℃程度、好ましくは120〜180℃程度に加熱することにより行えばよい。
マイクロポーラス層を形成させる際の乾燥時間は、乾燥温度等に応じて適宜決定されるが、通常10〜30分程度とすればよい。
本発明では、上記のようにしてマイクロポーラス層を形成させた後、焼成処理を行う。この焼成処理によってマイクロポーラス層に含まれるフッ素系樹脂を熱融着させ、マイクロポーラス層に優れた撥水性を付与すると共に、バインダー樹脂としての役割を発揮できるようになる。
焼成温度は、特に限定的ではなく、例えば、大気中にて、200〜400℃程度、好ましくは260〜350℃程度とすればよい。
焼成時間は、焼成温度により適宜決定されるが、通常10〜150分程度、好ましくは30〜120分程度とすればよい。
2.マイクロポーラス層付き触媒層
本発明の燃料電池用のマイクロポーラス層付き触媒層は、触媒層の片面上にマイクロポーラス層が形成されている。
<触媒層>
触媒層は、公知又は市販の白金含有の触媒層(カソード触媒又はアノード触媒)を使用することができる。具体的には、触媒層は、(1)触媒粒子を担持させた炭素粒子及び(2)水素イオン伝導性高分子電解質を含有する触媒層形成用ペースト組成物の乾燥及び焼成物から構成される。
触媒粒子としては、例えば、白金、白金合金、白金化合物等が挙げられる。白金合金としては、例えば、ルテニウム、パラジウム、ニッケル、モリブデン、イリジウム、鉄及びコバルトよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属と、白金との合金等が挙げられる。なお、通常は、カソード触媒層に含まれる触媒粒子は白金であり、アノード触媒層に含まれる触媒粒子は前記金属と白金との合金である。
触媒層の厚みは限定的ではないが、通常1〜100μm程度、好ましくは2〜50μm程度とすればよい。
なお、触媒層には、通常、フッ素樹脂材料を含有していないが、必要に応じて撥水剤として、フッ素系樹脂;非ポリマー系フッ素材料であるフッ化ピッチ、フッ化カーボン、フッ化黒鉛等を添加することもできる。
<マイクロポーラス層>
マイクロポーラス層及びマイクロポーラス層形成用ペースト組成物については、上述した通りである。
<マイクロポーラス層付き触媒層の製造方法>
本発明では、マイクロポーラス層付き触媒層は、ガス拡散基材の代わりに触媒層を使用すること以外は、上述のマイクロポーラス層付きガス拡散電極と同様に製造することができる。つまり、マイクロポーラス層形成用ペースト組成物を、触媒層表面に塗工し、次いで乾燥を行う工程を経ることにより得られる。
触媒層、マイクロポーラス層及びマイクロポーラス層形成用ペースト組成物については、上述した通りである。また、マイクロポーラス層を触媒層上に形成させる際の塗工方法、塗工量、乾燥条件、焼成条件等も、上述のマイクロポーラス層付きガス拡散電極にて説明したものと同様とすることができる。
3.触媒層付きガス拡散電極
本発明の触媒層付きガス拡散電極は、例えば、上記の方法で、マイクロポーラス層付きガス拡散電極を得た後、公知の触媒層形成用のペースト組成物を、マイクロポーラス層表面に塗工し、次いで乾燥工程を経ることにより、溶剤を除去して触媒層を形成し、触媒層付きガス拡散電極とすることができる。
触媒層をマイクロポーラス層上に形成させる際の塗工方法は、特に限定されるものではなく、マイクロポーラス層をガス拡散基材上に形成させる際の塗工方法と同様とすることができる。
触媒層をマイクロポーラス層上に形成させる際の塗工量は、特に制限されないが、固形分換算で、通常2〜20g/m程度、好ましくは5〜17g/m程度とすればよい。
触媒層をマイクロポーラス層上に形成させる際の乾燥温度は限定的ではなく、例えば、大気中にて、30〜120℃程度、好ましくは50〜100℃程度に処理することにより行えばよい。
触媒層をマイクロポーラス層上に形成させる際の乾燥時間は、乾燥温度等に応じて適宜決定されるが、通常10〜30分程度とすればよい。
また、上記の方法で、マイクロポーラス層付き触媒層を得た後、前記マイクロポーラス層付き触媒層の片面にガス拡散基材を、ガス拡散基材とマイクロポーラス層とが接するように積層することによっても、本発明の触媒層付きガス拡散電極を製造することができる。
例えば、ガス拡散基材を、本発明のマイクロポーラス層付き触媒層の片面に、マイクロポーラス層とガス拡散基材とが対面するように配置し、ホットプレス等の熱プレス処理をすることにより、製造することができる。なお、この熱プレス処理には、各種のプレス機を用いることができる。
熱プレスする際の加圧レベルは、限定的ではないが、通常0.5〜10MPa程度、好ましくは1〜10MPa程度で加圧すればよい。
この際の加熱温度は、限定的ではないが、通常80〜200℃程度、好ましくは135〜150℃程度に加熱すればよい。
また、プレス時間は、加熱温度に応じて適宜決定されるが、例えば、通常10〜240秒程度、好ましくは30〜150秒程度とすればよい。
4.膜−電極接合体
本発明の膜−電極接合体は、イオン伝導性固体高分子電解質膜の片面又は両面上に、本発明の触媒層付きガス拡散電極が、イオン伝導性固体高分子電解質膜と触媒層とが接するように形成されている。この本発明の膜−電極接合体は、電解質膜の片面又は両面上に、本発明の触媒層付きガス拡散電極を、触媒層と電解質膜とが対向するように配置し、電解質膜の片面又は両面に触媒層及びマイクロポーラス層を形成したガス拡散基材を積層することにより得られる。
<電解質膜>
電解質膜は、公知又は市販のものを使用することができるが、例えば、基材上に水素イオン伝導性高分子電解質を含有する溶液を塗工し、乾燥することによっても製造することができる。水素イオン伝導性高分子電解質としては、例えば、パーフルオロスルホン酸系のフッ素イオン交換樹脂、より具体的には、炭化水素系イオン交換膜のC−H結合をフッ素で置換したパーフルオロカーボンスルホン酸系ポリマー(PFS系ポリマー)等が挙げられる。電気陰性度の高いフッ素原子を導入することで、化学的に非常に安定し、スルホン酸基の解離度が高く、高いイオン伝導性が実現できる。このような水素イオン伝導性高分子電解質の具体例としては、デュポン社製の「Nafion」(登録商標)、旭硝子(株)製の「Flemion」(登録商標)、旭化成(株)製の「Aciplex」(登録商標)、ゴア(Gore)社製の「Gore Select」(登録商標)等が挙げられる。
また、炭化水素系電解質イオン伝導性高分子電解質として、アルドリッチ社のスルホン化(ポリスチレン−ブロック−ポリ(エチレン−ランダム−ブチレン)−ブロック−ポリスチレン)等も使用できる。
液状物質を含浸させたイオン伝導性高分子電解質膜も使用することができる。この液状物質を含浸させたイオン伝導性高分子電解質膜としては、特に制限されるわけではなく、水素イオン伝導性のものであればよく、公知又は市販のものを使用することができる。例えば、多孔質高分子基材フィルムにリン酸を含浸させた膜を挙げることができる。このような液状物質を含浸させたイオン伝導性電解質膜の具体例としては、例えば、BASF社製の「Celtec P」等が挙げられる。
水酸基イオンを伝導するものとして、炭化水素系及びフッ素樹脂系のいずれかの高分子電解質膜も用いることができる。本発明に用いるアニオン高分子電解質膜は高濃度のアルカリ水溶液を用いた場合は、耐高濃度アルカリ性のフッ素樹脂系高分子電解質膜を使用することが好ましく、低濃度もしくはアルカリ水溶液を用いない場合は、コスト面からも炭化水素系が好ましい。これらの選択はシステムにより適宜最適化される。
本発明で使用できる炭化水素系のアニオン高分子電解質膜としては、旭化成(株)製のアシプレックス(登録商標)A−201、211、221等、トクヤマ(株)製のネオセプタ(登録商標)AM−1、AHA等、フッ素樹脂系のアニオン交換膜としては、東ソー(株)製のトスフレックス(登録商標)IE−SF34等がある。
固体高分子電解質含有溶液中に含まれる固体高分子電解質の濃度は、通常5〜60重量%程度、好ましくは20〜40重量%程度である。なお、電解質膜の厚みは通常20〜250μm程度、好ましくは20〜80μm程度である。
また、固体高分子電解質膜は、水の吸収・放出に伴い、寸法形状が変化し、膨張収縮することが知られており、燃料電池を運転する温度及び湿度により、0〜10%程度寸法が変化する。
<膜−電極接合体の製造方法>
本発明の膜−電極接合体は、例えば、二枚の触媒層付きガス拡散電極を用い、これら触媒層付きガス拡散電極の触媒層を、固体高分子電解質膜を挟んで触媒層面が対面するように配置し、ホットプレス等の熱プレス処理をすることにより、製造することができる。なお、この熱プレス処理には、各種のプレス機を用いることができる。これにより、ガス拡散基材/マイクロポーラス層/触媒層/イオン伝導性固体高分子電解質膜/触媒層/マイクロポーラス層/ガス拡散基材で構成される燃料電池用の膜−電極接合体を製造することができる。
なお、一枚の触媒層付きガス拡散基材を用い、触媒層付きガス拡散電極の触媒層を、固体高分子電解質膜と対面するように配置し、ホットプレス等の熱プレス処理をすることにより、電解質膜の片面のみに、触媒層及びマイクロポーラス層を形成したガス拡散基材を積層させてもよい。
積層する際には、触媒層付きガス拡散基材のガス拡散基材側から、公知のプレス機等を用いて加圧すればよい。その際の加圧レベルは、接合不良を避けるために、通常0.5〜10MPa程度、好ましくは1〜10MPa程度がよい。また、この加圧操作の際に、接合不良を避けるために、加圧面を加熱するのが好ましい。加熱温度は、電解質膜の破損、変性等を避けるために、通常80〜200℃程度、好ましくは135〜150℃程度とすればよい。
また、プレス時間は、加熱温度に応じて適宜決定されるが、例えば、通常10〜240秒程度、好ましくは30〜150秒程度とすればよい。
プレス後に、触媒層付きガス拡散基材と電解質膜が一体化された本発明の膜−電極接合体を得ることができる。
5.固体高分子形燃料電池
本発明の膜−電極接合体に公知又は市販のセパレータを設けることにより、本発明の膜−電極接合体を具備する、固体高分子形燃料電池を得ることができる。
本発明のマイクロポーラス層付きガス拡散電極又はマイクロポーラス層付き触媒層を使用することにより、電解質膜上に触媒層と所望のガス拡散基材とを容易に形成でき、本発明の課題とする所望の膜−電極接合体を製造することができる。即ち、本発明の触媒層付きガス拡散電極又はマイクロポーラス層付き触媒層から製造される膜−電極接合体は、変形が少なく、強度に優れ、望ましい電気抵抗値を保持したままで、排水性、ガス透過性及び拡散性に優れている。
本発明の膜−電極接合体は、ガス拡散層の細孔の閉塞を軽減できるため、ガス透過性・拡散性を劣化させず、優れたガス透過性及び拡散性を長期間維持することができる。
図1は、実施例1〜5及び比較例1〜2の電圧−電流特性を示すグラフである。 図2は、実施例1、4及び比較例2の膜−電極接合体を用いて連続運転した結果を示すグラフである。 図3は、実施例1、3、4及び比較例2の膜−電極接合体の表面観察の結果を示す写真である。
以下に実施例及び比較例を掲げて、本発明をより一層明らかにする。
実施例及び比較例では、以下の材料を使用した。
<材料>
導電性炭素粒子:ファーネスブラック(バルカンXC72R:キャボット社製)、重量平均分子量1000〜3000
金属繊維:ステンレススチールファイバー(X−SMF530AE−EP、JFEテクノリサーチ(株)製)、平均繊維径10〜15μm、平均繊維長50〜500μm、平均アスペクト比3.3〜50、アスペクト比30以下のものの割合は全体の80重量%、嵩密度0.95〜1.15
導電性炭素繊維:VGCF(登録商標)(標準品)(昭和電工(株)製)、平均繊維径150nm、平均繊維長10〜20μm、平均アスペクト比10〜500
分散剤:ポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテル(エマルゲンMS110:花王(株)製)
フッ素系樹脂:ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)(ルブロンLDW−410:固形分40重量%:ダイキン工業(株)製)
白金触媒担持炭素粒子:(TEC10E50E:田中貴金属工業(株)製)
イオン伝導性高分子電解質溶液:Nafion5wt%溶液(DE−520CS:デュポン社製)
実施例1
導電性炭素粒子50重量部、金属繊維3.75重量部、フッ素系樹脂25重量部、分散剤5重量部及び水250重量部をホモジナイザにて60分攪拌し、マイクロポーラス層形成用ペースト組成物を調製した。
次に、マイクロポーラス層形成用ペースト組成物を、撥水処理されたカーボンペーパー(SGLカーボン社製、35BA、300μm)にアプリケーターにより、マイクロポーラス層形成用ペースト組成物の乾燥後の塗工量が50g/mとなるように塗布し、150℃程度で15分乾燥させ、マイクロポーラス層付きガス拡散電極を得た。
次に、白金触媒担持炭素粒子4重量部、イオン伝導性高分子電解質膜溶液40重量部、蒸留水12重量部、n−ブタノール50重量部及びt−ブタノール50重量部を配合し、分散機にて攪拌混合することにより、アノード及びカソードの触媒層形成用ペースト組成物を得た。
上記で作製したマイクロポーラス層上にアプリケーターを使用して触媒層形成用ペースト組成物を塗工(塗工量:固形分換算で12〜15g/m)し、95℃で乾燥し、実施例1の触媒層付きガス拡散電極を製造した。この時のアノード及びカソード触媒層の厚さをマイクロメータ(ミツトヨ社製、デジマチック標準外側マイクロメータ)にて測定したところ、アノード触媒層の厚さ及びカソード触媒層の厚さは共に20μmであった。
実施例2
マイクロポーラス層形成用ペースト組成物中の金属繊維を3.75重量部から、11.35重量部に変更する以外は実施例1と同様にして、実施例2の触媒層付きガス拡散電極を作製した。
実施例3
マイクロポーラス層形成用ペースト組成物中の金属繊維を3.75重量部から、22.7重量部に変更する以外は実施例1と同様にして、実施例3の触媒層付きガス拡散電極を作製した。
実施例4
マイクロポーラス層形成用ペースト組成物の導電性炭素粒子50重量部に対し、更に、導電性炭素繊維を12.5重量部添加する以外は、実施例1と同様にして、実施例4の触媒層付きガス拡散電極を作製した。
実施例5
マイクロポーラス層形成用ペースト組成物の導電性炭素粒子50重量部に対し、更に、導電性炭素繊維を12.5重量部添加する以外は、実施例2と同様にして実施例5の触媒層付きガス拡散電極を作製した。
比較例1
ガス拡散基材として市販品の撥水処理されたカーボンペーパー(SGLカーボン社製、35BA、300μm)を用い、実施例1で作製した触媒層形成用ペースト組成物を、カーボンペーパー上に塗工(塗工量:固形分換算で12〜15g/m)し、95℃で乾燥し、比較例1の触媒層付きガス拡散電極を形成した。
比較例2
マイクロポーラス層形成用ペースト組成物中の金属繊維を添加しない以外は実施例1と同様にして、比較例2の触媒層付きガス拡散電極を作製した。
比較例3
マイクロポーラス層形成用ペースト組成物中の金属繊維として、ステンレス繊維の集合体であるナスロン(日本精線(株)製、平均ファイバー径2〜12μm、平均繊維長1〜8mm、平均アスペクト比83.3〜4000)を実施例1の金属繊維の代わりに添加し、実施例1と同様にして、比較例3の触媒層付きガス拡散電極を作製した。
実施例1〜5及び比較例1〜3の触媒層付きガス拡散電極におけるマイクロポーラス層中の金属繊維及び導電性炭素繊維の含有量は表1のとおりである。
Figure 2011076849
試験例
<膜−電極接合体の作製>
実施例1〜5及び比較例1〜3の触媒層付きガス拡散電極をプロトン伝導性固体高分子電解質膜(デュポン社製「NRS−212CS」)の両面に、それぞれ電解質膜と触媒層とが対向するように配置し、6MPa、150℃の条件で120秒ホットプレスすることで一体化を行なうことにより、実施例1〜5及び比較例1〜3の膜−電極接合体を作製した。
<燃料電池の製造>
上記で作製した実施例1〜5及び比較例1〜2の膜−電極接合体を燃料電池セルに組み込むことにより、実施例1〜5及び比較例1〜2の固体高分子形燃料電池を製造した。なお、比較例3では、添加した金属繊維により、電解質膜を損傷したため、燃料電池は製造できなかった。
<評価>
上記の実施例1〜5及び比較例1〜2の膜−電極接合体を使用しての電池性能評価を、以下の条件により行った。
セル温度:80℃
加湿温度:カソード65℃、アノード65℃
ガス利用率:カソード40%、アノード70%
負荷電流を0〜25Aまで変動させた時のセル電圧値の測定を行い、下記表2及び図1には、電圧−電流特性を示す。
Figure 2011076849
また、実施例1、4及び比較例2の膜−電極接合体を用いて、定電流7.5アンペアにて100時間の連続運転を行った。結果を図2に示す。比較例2と比較し、マイクロポーラス層に金属繊維を入れた実施例1及び4では、フラッディングによる電圧の低下は見られず、排水性が高く、燃料ガスが良好に拡散できていることが示された。
更に、実施例1、3、4及び比較例2のマイクロポーラス層付きガス拡散電極について、デジタルマイクロスコープ(キーエンス社製)を用い、倍率50倍での表面観察を行った。
結果を図3に示す。
比較例1の膜−電極接合体は、マイクロポーラス層が無いため、排水性及び保湿性に乏しく、電池性能が悪い結果となった。比較例2の膜−電極接合体は、カーボン層を形成することで比較例1の膜−電極接合体と比較して電池性能向上が見られるが、排水性が不十分な結果となった。
また、比較例1〜2の膜−電極接合体に比べ実施例1〜5の膜−電極接合体では、総じて高い電池性能が得られた。マイクロスコープの写真からも金属繊維を添加することでクラックの減少が観察された。このように、実施例1〜5では、クラックが抑制されることで保水性が高まり、低加湿運転での性能が良好になったと考えられる。また、実施例4のように金属繊維よりも分散性に優れる導電性繊維を金属繊維に混合させることで、保水性及び排水性に優れたマイクロポーラス層を形成できることを見出した。
また、マイクロポーラス層を形成することで、拡散性に優れた薄層を形成することができた。その結果、ガス透過性及び拡散性が向上したため、生成水によるフラッディングを防止することができた。また、薄くても剛性の高いマイクロポーラス層に、触媒層を形成することでハンドリングに優れた電極を提供することが可能となった。
以上の結果から、金属繊維を添加したマイクロポーラス層付きのガス拡散層に触媒層を形成して作成した膜−電極接合体は、電池性能に優れるだけでなく、生産性にも優れ、かつ排水性、ガス拡散性にも優れていることがわかった。

Claims (10)

  1. ガス拡散基材の片面上にマイクロポーラス層が形成されている燃料電池用のマイクロポーラス層付きガス拡散電極であって、
    前記マイクロポーラス層は、導電性炭素粒子、金属繊維及びフッ素系樹脂を含有しており、
    前記金属繊維のアスペクト比が30以下である、マイクロポーラス層付きガス拡散電極。
  2. 前記マイクロポーラス層は導電性炭素繊維を更に含有している、請求項1に記載のマイクロポーラス層付きガス拡散電極。
  3. 請求項1又は2に記載のマイクロポーラス層付きガス拡散電極のマイクロポーラス層の上に触媒層が形成されている、燃料電池用の触媒層付きガス拡散電極。
  4. 触媒層の片面上にマイクロポーラス層が形成されている燃料電池用のマイクロポーラス層付き触媒層であって、
    前記マイクロポーラス層は、導電性炭素粒子、金属繊維及びフッ素系樹脂を含有しており、
    前記金属繊維のアスペクト比が30以下である、マイクロポーラス層付き触媒層。
  5. 前記マイクロポーラス層は導電性炭素繊維を更に含有している、請求項4に記載のマイクロポーラス層付き触媒層。
  6. 請求項4又は5に記載のマイクロポーラス層付き触媒層のマイクロポーラス層の上にガス拡散電極が形成されている、燃料電池用の触媒層付きガス拡散電極。
  7. イオン伝導性固体高分子電解質膜の片面又は両面上に、請求項3又は6に記載の触媒層付きガス拡散電極が、イオン伝導性固体高分子電解質膜と触媒層とが接するように形成されている、燃料電池用の膜−電極接合体。
  8. ガス拡散基材/マイクロポーラス層/触媒層/イオン伝導性固体高分子電解質膜/触媒層/マイクロポーラス層/ガス拡散基材で構成される燃料電池用の膜−電極接合体であって、
    前記マイクロポーラス層は、導電性炭素粒子、金属繊維及びフッ素系樹脂を含有している、膜−電極接合体。
  9. 前記マイクロポーラス層は導電性炭素繊維を更に含有している、請求項8に記載の膜−電極接合体。
  10. 請求項7〜9のいずれかに記載の膜−電極接合体を備えた固体高分子形燃料電池。
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