JP2004275854A - 炭化珪素質ハニカム構造体とそれを用いたセラミックフィルター - Google Patents

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Abstract

【課題】高温での耐食性を有し、高い熱衝撃に耐えられる、DPF等のセラミックスフィルターや触媒担体に用いられる多孔質炭化珪素質ハニカム構造体を提供する。
【解決手段】炭化珪素質多孔体からなり、炭化珪素質多孔体を一平面で切断した際に、切断面に占める粒子部分の総面積をS(単位;mm)、各粒子の円相当径の総和をr(単位;mm)、周囲長の総和をL(単位;mm)としたときに、R=L×r/Sが5以上8以下であることを特徴とする炭化珪素質ハニカム構造体であり、好ましくは、炭化珪素質多孔体の構成粒子並びに前記構成粒子間のネック部分の夫々の表面をコートしている第2相を有することを特徴とする前記の炭化珪素質ハニカム構造体。
【選択図】なし。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭化珪素質ハニカム構造体、及びそのハニカム構造体で構成されてなるセラミックフィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、各種排気ガスに含まれる有害物質による地球環境汚染問題が深刻さを増してきており、その対策が緊急の課題となっている。有害物質を排気ガスから捕集するフィルターの代表的なものの一つとして、ディーゼルエンジンの排気ガスに含まれる粒子状物質(以下「PM」という)を捕集するディーゼルパティキュレートフィルター(以下「DPF」という)が挙げられる。
【0003】
DPFには、コーディエライト又は炭化珪素を主成分とし、入口端面から出口端面へ延びる多数の貫通孔を有するハニカム構造の多孔質セラミックス構造体が提案されている。その多数の貫通孔はセル壁と呼ばれる多孔質壁で隔てられており、またその多数の貫通孔の入口端面と出口端面は市松模様に交互に封止され、入口端面が封止された貫通孔は出口端面で開放され、入口端面が開放された貫通孔は出口端面で封止されているものである。
【0004】
DPFは、ディーゼル機関の排気ガス系統の一部として取り付けられ、入口端面の開放された貫通孔から排気ガスが流入し、多孔体であるセル壁を透過する際にPMが捕集され、PMを含まない排気ガスとなって出口端面の開放された貫通孔より流出する。従ってセル壁はPMを含む排気ガスが容易に透過でき、その際にPMのほとんど又は全てを捕集できるような気孔径及び気孔率を有している。
【0005】
DPFのセル壁にPMが捕集され堆積してくると、通気抵抗が増大してくるので、捕集されたPMを定期的に除去する必要がある。ディーゼル機関の排気ガス中のPM主成分は煤であり、従ってその除去には空気中で燃焼させる方法が簡便で一般的である。しかし煤が燃焼する際には大きな発熱が生じるため、フィルター内部で温度勾配が生じ、それに応じた熱衝撃が加わることになる。
【0006】
炭化珪素はおよそ4×10−6/Kの線膨張係数を有しており、従って一般に単相ではある程度以上の熱衝撃を受けると、耐熱衝撃性に懸念がある。すなわち、PMの燃焼時に発生する熱衝撃によってフィルターに大きなクラックが生じ、それによってPMの捕集漏れが発生してしまうという問題がある。
【0007】
この耐熱衝撃性だけを解決するならば、他の材料を用いるという手段がある。例えばコーディエライトは熱膨張係数が非常に小さいことから、実際にフィルター材料としての応用が図られている。また他に、炭化珪素より線膨張係数の小さい窒化珪素を適用したものや、金属材料を用いたものも考案されている。しかし前記いずれの材料についても、高温での耐食性、耐酸化性、あるいはフィルターの細孔特性などにおいて問題点を有している。自動車用ディーゼルエンジンの排気ガスに用いる場合の様に高温になることが想定される場合には、トータル的に見れば炭化珪素材料が非常に有用であるが、その課題は耐熱衝撃性の改善である(特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−162119号公報。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、DPF等のセラミックスフィルターや触媒担体に用いられる場合に、その高温での耐食性を損なわずにより高い熱衝撃に耐えられる多孔質炭化珪素質ハニカム構造体を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成する為に鋭意研究した結果、ハニカム構造体を構成する炭化珪素質多孔体の構成粒子間の結合部分(ネック)を細くし、更に、構成粒子やネック表面を低弾性、低熱膨張性の第2相でコーティングすることにより、耐熱衝撃性が著しく向上することを見出し、本発明に至ったものである。
【0011】
ネックに関して、直径が数μm程度しかないので、ネックの定量的評価は非常に難しい。直接評価しようとするならば、顕微鏡で写真撮影し、写真から径を計測する方法が考えられるが、本来三次元の図を平面で表現していることになるから、実際の径と写真に表示されている径は当然同一ではない。多孔体の二次元断面を顕微鏡観察すれば上記のような誤差はないが、当然二次元断面の取り方によってネックのどの程度の部分がその断面に含まれるかが変わってしまう。このようにネックの太さを直接定量化するのはほぼ不可能であると言える。
【0012】
そこで本発明者らは、ネック太さを間接的に定量化する手法として、パラメーターRを設定した。Rは、多孔体の二次元の断面の顕微鏡写真から、粒子部分の面積S(単位;mm)、円相当径r(単位;mm)と周囲長L(単位;mm)を計測し、以下の数式(1)で表されるものである。
【0013】
R = L×r/S ・・・ (1)
【0014】
ネックが細ければ、L/Sは大きくなる。しかしL/Sは単に多孔体の構成粒子の粒径が小さくなることでも大きくなってしまう。そこで各構成粒子の円相当径r(単位;mm)の項を分子に乗ずることにより、単なる粒径の影響を消去させ、ネックの太さを間接的ながらも有効に表すパラメーターRを導入したものである。即ち、Rが大きいことはネックが細いことに、Rが小さいことはネックが太いことに対応している。
【0015】
本発明は、炭化珪素質多孔体からなり、当該炭化珪素質多孔体を構成する粒子のネック太さを上記のようなパラメーターRで定量化した場合に、そのRが5以上8以下の特定数値範囲を有していることを特徴とする炭化珪素質ハニカム構造体である。
【0016】
本発明は、上記のようにネック太さが特定されている炭化珪素質多孔体からなるハニカム構造体において、その炭化珪素質多孔体の構成粒子並びに前記構成粒子間のネック部分の夫々の表面に第2相がコートされていることを特徴とする前記の炭化珪素質ハニカム構造体である。
【0017】
また、本発明は、第2相の弾性率及び熱膨張係数が炭化珪素よりも小さいことを特徴とする前記の炭化珪素質ハニカム構造体である。
【0018】
また、本発明は、第2相が炭化珪素質多孔体の全質量に対して0.5mass%以上15mass%以下であることを特徴とする前記の炭化珪素質ハニカム構造体である。
【0019】
加えて、本発明は、前記の炭化珪素質ハニカム構造体を用いて構成されることを特徴とするセラミックフィルターである。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明のハニカム構造体は、特定な微構造を有する炭化珪素質多孔体からなることを特徴としており、そして、前記特定な微構造とは、炭化珪素質多孔体を構成する粒子の接合部分(ネック)が前述のパラメーターRで規定した場合に、5〜8の特定な数値範囲に入るように設定、作製されているものであり、そしてこのような特徴ある構成を有している故に、本発明のハニカム構造体は耐熱衝撃性に優れ、ことにDPFに用いたときには、当該ハニカム構造体からなるフィルターに捕集されたPMを燃焼させる際に発生する燃焼熱により生じる熱応力に耐え、クラックを発生することが低減出来るという優れた効果を得ることができる。
【0021】
本発明に於いて、ネック太さを表す上述のパラメータRはハニカム構造体の耐熱衝撃性を確保する意味で重要である。Rが5未満である場合には耐熱衝撃性が低く、例えばこのようなハニカム構造体をDPFとして用いた場合には、フィルターに捕集されたPMを燃焼させる際に発生する燃焼熱によって生じる熱応力に耐え切れず、クラックが発生しまう危険性が高くなり本発明の目的を達成し難いし、一方、Rの値が8を超える場合には、ネックが細すぎることから材料強度が不十分となり、ハンドリング等の点で問題が発生することがある。
【0022】
また、本発明のハニカム構造体は、炭化珪素質多孔体を構成する粒子(以下、構成粒子という)並びに前記構成粒子間のネック部のそれぞれの表面を第2相でコートされている特徴を有している。第2相の存在は、前記パラメーターRが前記5〜8の特定の範囲の大きさを有するネックの働きに加えて、ハニカム構造体の耐熱衝撃性を一層向上せしめる特徴がある。
【0023】
本発明に於いて、第2相を構成する材料については、当該ハニカム構造体が使用されるいろいろな用途において、炭化珪素と反応せず、また本発明の目的を阻害しないものであればどのような材料であっても構わない。然るに、本発明のハニカム構造体は、それを構成する炭化珪素質多孔体のネック太さパラメーターR値が5以上8以下になるように作製されているため、それだけでも比較的優れた耐熱衝撃性を示すからである。
【0024】
上記した通りに、第2相を構成する材料については格別の制限はないものの、炭化珪素よりも耐熱衝撃性の良好な材料が好ましく選択される。具体的な物性に関しては、耐熱衝撃性が一般に熱膨張係数が小さいほど、また弾性率が小さいほど良好であることから、第2相が炭化珪素よりも熱膨張係数、弾性率が小さい材料で構成されることが好ましい。
【0025】
また、本発明に於いて、炭化珪素質多孔体の構成粒子並びに前記構成粒子間の接合部(ネック)の夫々の表面をコートする第2相の割合については、炭化珪素質多孔体の全質量に対して0.5mass%以上15mass%以下になるように設定することが、更に良好な耐熱衝撃性を得られるので、好ましい。
【0026】
本発明のハニカム構造体においては、セル壁に形成される気孔の平均気孔径と気孔率、更に強度等について格別の制限はないが、以下に示す通りに、このましい特性値の範囲がある。
【0027】
まず、本発明のハニカム構造体の強度に関しては、例えばDPFなどのフィルターとして用いることを想定した場合、概ね2.0MPa以上の強度(三点曲げ強さ)を満たせば問題なく使用できる。
【0028】
また、本発明のハニカム構造体をフィルターとして使用する場合を想定すると、セル壁の気孔率としては40%以上、特に50〜80%が好ましく、また平均気孔径については5〜50μmであることが好ましい。セル壁の気孔率が40%未満では通気時の圧力損失が高くなり、一方80%を超える場合には2.0MPa以上の強度を満たすことが困難になる。またセル壁の平均気孔径が5μm未満ではセル壁内部でのPMの目詰まりしやすく、50μmを超える場合には、逆にPMの漏れが発生する可能性が出てくるとともに、強度の保持が困難になってくるからである。なお、本発明におけるセル壁の平均気孔径とは、水銀圧入法により求めたものをいう。
【0029】
次に、本発明のハニカム構造体について、その作製方法を説明しながら、更に詳細に説明する。
【0030】
本発明のハニカム構造体は、炭化珪素粉末、あるいは炭化珪素粉末と窒化珪素粉末の混合物に炭素質物質の所定量を加えた混合物をハニカム形状の成形体に成形し、それを非酸化性雰囲気中で加熱し、焼結させることによって製造することができる。また窒化珪素粉末の代わりに金属珪素粉末を用い、窒素雰囲気中で加熱することによっても、同様に製造することが可能である。
【0031】
ハニカム形状の成形体の作製にあたっては、炭化珪素粉末、または炭化珪素粉末と窒化珪素粉末の混合粉、あるいは炭化珪素粉末と窒化珪素粉末の混合粉末に、窒化珪素粉または金属珪素粉が反応して炭化珪素になるのに必要な量以上の炭素質を加えた混合物に、適量の水と有機バインダーを添加し、混合して押出成形用の坏土を得る方法が採用される。
【0032】
混合或いは混練については、乾式、湿式混合等の均一に混合できる方法であれば何れの方法でも採用することができる。有機バインダーについても特に制限はなく、メチルセルロースやポリビニルアルコール等、あるいはそれらを主成分とする一般的なもので良い。
【0033】
炭素質は、酸化性雰囲気中で熱処理することにより容易に除去することができることから、その添加量や粒度を調節することによって、ハニカム構造体の気孔率、気孔径等を制御することができる。
【0034】
ついで、得られた坏土を押出成形法などにより所望のハニカム形状に成形し、乾燥、脱脂工程を経て加熱、焼結する。焼結は、窒素、アルゴン等の非酸化性雰囲気中で行う。この際、焼結方法に特に制限はなく、ヒーター加熱炉、高周波加熱炉等一般的な加熱炉を用いる事ができる。また、窒化珪素粉末を原料に含むなどして炭化珪素中に若干の窒素を固容させた場合には、導電性が発現することから、特許文献2に開示されている通りの通電焼結法を用い、焼結を短時間で行うことも可能である。
【0035】
【特許文献2】
特開平10−52618号公報。
【0036】
焼成温度は、1800℃〜2500℃であることが好ましい。焼成温度が1800℃未満では、炭化珪素の粒成長や焼結が不十分である他、未反応の窒化珪素及び炭素質が残存するなどで耐熱性が低下する可能性がある。一方、2500℃を超えると結晶転移や昇華などが生じ、極端な粒成長により強度が低下する。
【0037】
また、本発明のハニカム構造体からなるフィルターの製造にあたっては、ハニカム構造体の貫通孔をそれぞれの両端面で目封じすることによって製造することができる。その目封じ方法については、特許文献3等に開示された方法等によって行うことができる。
【0038】
【特許文献3】
特開平09−019613号公報。
【0039】
炭化珪素質多孔体の構成粒子並びに構成粒子間のネックの表面に第2相をコートする方法については多々有るが、前記炭化珪素質多孔体の焼結体を、例えば第2相を構成する成分を含有するスラリーに浸漬し、その後加熱する方法が挙げられる。
【0040】
前記第2相を構成する成分を含有するスラリーの例としては、例えば、AlLiOスラリー、又はAl−MgOスラリー等を挙げることができる。前者は第2相の組成をLiAlSiOとすることが、後者はコーディエライトと同組成とすることができ、しかも、得られる第2相はいずれも非晶質状態だけでなく結晶質状態であっても炭化珪素よりも低弾性、低熱膨張性を示す特徴があり、好ましい第2相を得ることができる。
【0041】
また第2相の形成方法に関しては、スプレー塗布等他の手法で炭化珪素質多孔体表面に前記の第2相形成用の原料を付着させても良い。あるいは、炭化珪素質多孔体がある程度高い気孔率を有することから、CVDなどの気相法による薄膜作製技術も適応可能であるし、また第2相を酸化珪素質とする場合には、単に大気中等酸化雰囲気中で加熱することで、表面に炭化珪素より弾性率、熱膨張係数の低い酸化珪素質の第2相を作製することもできる。
【0042】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0043】
(実施例1〜3、比較例1)
炭化珪素粉末(平均粒径10μm)、窒化珪素粉末(平均粒径5μm)、炭素粉末2種(平均粒径25μm、50μm)、及びバインダーとしてメチルセルロースを表1に示す割合とした混合物100質量部に対し、水20質量部を配合し、ヘンシェル混合機で10分間混合して混練物を調整した。
【0044】
前記混練物を真空押出成形機を用い、成形圧力8MPaの条件で、外形寸法100mm、セル寸法2.0mm角、壁厚0.4mmのハニカム形状に押出成形してから、長さ100mmに切断した。得られたハニカム成形体を乾燥後、窒素雰囲気中、450℃×1hrの脱脂を行ってから、窒素雰囲気中2200℃で1時間焼成を行い、ハニカム焼結体を作製した。得られた焼結体は、さらに大気中900℃で3時間加熱処理することで残留する炭素質分を焼失させ、ハニカム構造体とした。
【0045】
得られたハニカム状焼結体を切断加工し、セル数3×3のハニカムテストピースを多数作製して、耐熱衝撃性試験を行った。耐熱衝撃性試験は、まずテストピースの一部について初期強度を測定し、残りの一部について電気炉で大気中で所定温度に加熱して20分保持後、水中に投下することで熱衝撃を加え、その残存強度を測定した。その結果を表2に示す。
【0046】
【表1】
Figure 2004275854
【0047】
【表2】
Figure 2004275854
【0048】
(実施例4、5、比較例2)
実施例1、2及び比較例1と同じ操作で得られたハニカム構造体について、それぞれをさらにリチウムアルミネート1質量%を水に分散したスラリー中に浸漬した後、1100℃で4時間焼成することで、表面にAl−Li−Si−O系の第2相を形成したハニカム構造体を作製した。これらをまた実施例1〜3、比較例1と同様にテストピースを加工し耐熱衝撃性を評価した。その結果を表3に示す。
【0049】
【表3】
Figure 2004275854
【0050】
(実施例6〜9)
実施例1と同じ操作で得られたハニカム構造体を、表4に示す条件のリチウムアルミネートスラリーに浸漬した後、1100℃で4時間焼成して、表面にAl−Li−Si−O系の第2相を形成したハニカム構造体を作製した。この時、処理前後の重量変化から第2相の重量を推定した。これらを実施例1と同じく、テストピースを加工し耐熱衝撃性を評価した。その結果を表4に示す。
【0051】
【表4】
Figure 2004275854
【0052】
(実施例10)
実施例1と同じ原料配合及び操作で作製した混練物を真空押出成形機を用い、成形圧力8MPaの条件で、外形寸法100mm、セル寸法2.0mm角、壁厚0.4mmのハニカム形状に押出成形してから、それぞれ長さ140mmに切断した。得られたハニカム成形体を乾燥後、ハニカム形状の成形体の貫通孔の入口端面と出口端面を炭化珪素質封止材で市松模様に交互に封止し、窒素雰囲気中、450℃×1hrの脱脂を行ってから、窒素雰囲気中2200℃で1時間焼成し、焼結体を得た。さらにこの焼結体を大気900℃で3時間熱処理し、残存する炭素を焼失させて、炭化珪素質ハニカムフィルターを作製した。さらにこのフィルターを、1mass%を水に分散させたリチウムアルミネートスラリーに浸漬した後、1100℃で大気中4時間加熱し、表面にAl−Li−Si−O系の第2相を形成した。
【0053】
得られた炭化珪素質ハニカムフィルターに煤を8g担持し、空気気流中700℃に加熱して煤を燃焼させた。その後フィルターを観察したところ、クラックは見られなかった。
【0054】
(比較例3)
比較例1と同じ原料配合及び操作で作製した混練物を真空押出成形機を用い、成形圧力8MPaの条件で、外形寸法100mm、セル寸法2.0mm角、壁厚0.4mmのハニカム形状に押出成形してから、それぞれ長さ140mmに切断した。得られたハニカム成形体を乾燥後、ハニカム形状の成形体の貫通孔の入口端面と出口端面を炭化珪素質封止材で市松模様に交互に封止し、窒素雰囲気中、450℃×1hrの脱脂を行ってから、窒素雰囲気中2200℃で1時間焼成し、焼結体を得た。さらにこの焼結体を大気1100℃で3時間熱処理し、残存する炭素を焼失させて、炭化珪素質ハニカムフィルターを作製した。
【0055】
得られた炭化珪素質ハニカムフィルターに煤を8g担持し、空気気流中700℃に加熱して煤を燃焼させた。その後フィルターを観察したところ、円筒縦方向にクラックが発生した。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の炭化珪素質多孔体からなるハニカム構造体は、炭化珪素質多孔体の構成粒子同士の結合部(ネック)の太さが所定の領域にあることから極めて高い耐熱衝撃性を有している。更に、本発明のハニカム構造体は、その構成粒子並びにネックの表面を第2相によってコートしてあるので耐熱衝撃性が一層向上していることから、大きな熱衝撃を受けても強度の低下が生じ難い特性を有している。
【0057】
本発明のフィルターは、前記の耐熱衝撃性を有するハニカム構造体を用いて作製されているので、やはり優れた耐熱衝撃性を有しており、例えばDPFに使用した場合において、堆積したPMを燃焼させた際に急激な発熱を生じてフィルター内に大きな温度分布が生じても、フィルターにPMの漏れを生じるような大きなクラック等の致命的欠陥を発生することなく、好適に使用することができるので、産業上非常に有用である。

Claims (5)

  1. 炭化珪素質多孔体からなり、該炭化珪素質多孔体が、任意の一平面で切断した際に、切断面に占める粒子部分の総面積をS(単位;mm)、各粒子の円相当径の総和をr(単位;mm)、周囲長の総和をL(単位;mm)としたときに、R=L×r/Sが5以上8以下であることを特徴とする炭化珪素質ハニカム構造体。
  2. 炭化珪素質多孔体の構成粒子並びに前記構成粒子間のネック部分の夫々の表面をコートしている第2相を有することを特徴とする請求項1記載の炭化珪素質ハニカム構造体。
  3. 第2相の弾性率及び熱膨張係数が炭化珪素よりも小さいことを特徴とする請求項2記載の炭化珪素質ハニカム構造体。
  4. 第2相が、炭化珪素質多孔体の全質量に対して0.5mass%以上15mass%以下であることを特徴とする請求項3記載の炭化珪素質ハニカム構造体。
  5. 請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4記載の炭化珪素質ハニカム構造体を用いて構成されることを特徴とするセラミックフィルター。
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