JP3689408B2 - 炭化珪素質ハニカム構造体とそれを用いたセラミックフィルター - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐熱衝撃性に優れるセラミックスハニカム構造体と、そのハニカム構造体で構成されてなるセラミックフィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、各種排気ガスに含まれる有害物質による地球環境汚染問題が深刻さを増してきており、その対策が緊急の課題となっている。有害物質を排気ガスから捕集するフィルターの代表的なものの一つとして、ディーゼルエンジンの排気ガスに含まれる粒子状物質(以下「PM」という)を捕集するディーゼルパティキュレートフィルター(以下「DPF」という。)が挙げられる。
【0003】
DPFとして、コーディエライト又は炭化珪素を主成分とし、入口端面から出口端面へ延びる多数の貫通孔を有するハニカム構造の多孔質セラミックス構造体が知られている。多数の貫通孔はセル壁と呼ばれる多孔質壁で隔てられており、また多数の貫通孔の入口端面と出口端面は市松模様に交互に封止され、入口端面が封止された貫通孔は出口端面で開放され、入口端面が開放された貫通孔は出口端面で封止されているものである。
【0004】
DPFは、ディーゼル機関の排気ガス系統の一部として取り付けられ、入口端面の開放された貫通孔から排気ガスが流入し、多孔体であるセル壁を透過する際にPMが捕集され、PMを含まない排気ガスとなって出口端面の開放された貫通孔より流出する。従ってセル壁はPMを含む排気ガスが容易に透過でき、その際にPMのほとんど又は全てを捕集できるような気孔径及び気孔率を有していることが必要である。
【0005】
DPFのセル壁にPMが捕集され堆積してくると、通気抵抗が増大してくるので、捕集されたPMを定期的に除去する必要がある。ディーゼル機関の排気ガス中のPM主成分は煤であり、従ってその除去には空気中で燃焼させる方法が簡便で一般的である。しかし煤が燃焼する際には大きな発熱が生じるため、フィルター内部で短時間に温度勾配が生じ、それに応じた熱衝撃が加わることになる。
【0006】
コーディエライトは熱膨張係数が小さいことから、このような熱衝撃に対しては強いが、高温での耐食性に問題が有る。その点炭化珪素は高温でも耐食性に優れており、自動車用ディーゼルエンジンの排気ガスに用いる場合の様に、高温になることが想定される場合に有用である。しかし炭化珪素は熱膨張係数が比較的高いことから、耐熱衝撃性に懸念がある。すなわち、PMの燃焼時に発生する熱衝撃によってフィルターに大きなクラックが生じ、それによってPMの捕集漏れが発生してしまうという問題である。
【0007】
炭化珪素質の多孔体を用いたハニカム構造体として耐熱衝撃性の向上を試みた例としては、強度とヤング率の比を強度(MPa)/ヤング率(GPa) ≧1.1としたものが開示されている(特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−154876号公報
【0009】
前記公知技術には、水中投下法による耐熱衝撃性試験で、温度差ΔT=500℃においての残存強度が初期強度に対して50〜70%であり、従来の一般的な再結晶炭化珪素質多孔体の場合(残存強度30%)よりは耐熱衝撃性が向上していることが開示されている。ただそれでも初期強度の70%以下に低下しており十分でないし、また、前記技術に於いては前記効果を得るために、炭化珪素に金属珪素を添加しているが、金属珪素が存在することによる焼結体の耐食性が低下することも懸念される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、セラミックスフィルターや触媒担体に用いた時に、実使用条件下での高温において、十分な耐食性を有し、大きな熱衝撃に耐えられる多孔質炭化珪素質ハニカム構造体及びその製造方法を、また、前記の高耐熱衝撃性の多孔質炭化珪素ハニカム構造体で構成されてなるDPF等に好適なセラミックフィルターを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成する為に鋭意研究した結果、ハニカム構造体を構成する結晶相に金属珪素を含まない炭化珪素質多孔体の強度σ(MPa)とヤング率(GPa)からなるパラメーターE/σ2の値が特定な値以上の場合とするときに、ハニカム構造体の耐熱衝撃性を著しく向上されることを見出し、本発明に至ったものである。
【0012】
即ち、本発明は、結晶相に金属珪素を含まない炭化珪素質多孔体からなるハニカム構造体であって、その炭化珪素質多孔体の強度をσ(MPa)、ヤング率をE(GPa)とした場合に、E/σ2が2.5×10-2以上であることを特徴とするハニカム構造体である。
【0013】
また、本発明は、前記の強度とヤング率の関係を満たす炭化珪素質多孔体において、その強度を(σ)が2MPa以上45MPa以下であることを特徴とする炭化珪素質ハニカム構造体である。また、本発明は、前記の強度とヤング率の関係を満たす炭化珪素質多孔体において、その強度を(σ)が2MPa以上19MPa以下であることを特徴とする炭化珪素質ハニカム構造体である。
【0014】
また、本発明は、上記の強度とヤング率の関係を満たす炭化珪素質多孔体において、そのヤング率(E)が0.5GPa以上25GPa以下であることを特徴とする炭化珪素質ハニカム構造体である。また、本発明は、上記の強度とヤング率の関係を満たす炭化珪素質多孔体において、そのヤング率(E)が0.7GPa以上10GPa以下であることを特徴とする炭化珪素質ハニカム構造体である。
【0015】
更に、本発明は、前記炭化珪素質ハニカム構造体を用いて構成されることを特徴とするセラミックフィルターである。更にまた、本発明は、炭化珪素粉末と窒化珪素粉末との混合粉末に、窒化珪素粉末が反応して炭化珪素になるのに必要な分以上の炭素質物質とを加えた混合物に、水及び有機バインダーを加えて混合し、所望の形状に成形した成形物を、窒素、アルゴン等の非酸化性雰囲気中、焼結温度1800℃〜2500℃で焼結する結晶相に金属珪素を含まない炭化珪素質多孔体からなるハニカム構造体の製造方法であって、炭化珪素質多孔体の強度(σ;MPa)とヤング率(E;GPa)とがE/σ 2 が2.5×10 -2 以上であることを特徴とするハニカム構造体の製造方法である。
【0016】
【発明の実施の形態】
耐熱衝撃性を表す指標の一つとしては、熱衝撃破壊抵抗係数(R)が挙げられる。このRは、破壊強度をσ、ポアソン比をν、ヤング率をE、熱膨張係数をαとした場合に、下記式(1)で表される。
【0017】
【数2】
【0018】
ここでν、αは同じ材料であれば変化はほとんど見られない材料固有の値であり、σ及びEについてはその材料の微構造などによって大きく変化する値である。従って前記特許文献1で述べられているようにσ/Eを耐熱衝撃性の指標として用いる例は多い。
【0019】
しかし、耐熱衝撃性を表す別の指標として、下記式(2)で示されるような、熱衝撃損傷抵抗係数(R’)というものが一方で知られている。
【0020】
【数3】
【0021】
ここでE、σ、νは式(1)と同じである。前述のRはクラックの発生に対する抵抗性の指標であるのに対し、R’は発生したクラックの進展に対する抵抗性の指標となる。強度は一般的にはクラックの長さに対応することから、換言すれば、Rが大きいことは強度の低下が生じるΔTが大きいことを示し、一方R’が大きいことは強度の低下の度合が小さいことを示す。
【0022】
フィルターとして使用する場合、耐熱衝撃性として問題視するのは、熱衝撃により生じるクラックがPM漏れを生じる程度にまで大きくなってしまう場合である。ところが、ハニカム構造体を形成している炭化珪素多孔体は、平均気孔径で数μm〜数十μm、気孔率30%以上の特性を有する多孔体であることから、微細なマイクロクラックが入ることはさほど大きな問題ではない。従って、フィルターの耐熱衝撃性の指標としては、R’を適用する方がふさわしいと考えられる。
【0023】
本発明者は、前記の考え方に基づき、いろいろな炭化珪素多孔体に関する強度(σ)とヤング率(E)との関係について実験的検討を重ねた結果、そのE/σ2値が特定の値以上であるときに本発明の目的を達成できることを見出し、本発明に至ったものである。
【0024】
即ち、結晶相に金属珪素を含まない炭化珪素質多孔体の強度をσ(MPa)、ヤング率をE(GPa)とした場合に、E/σ2≧2.5×10-2の関係が満足されるときに、熱衝撃を受けても大きなクラックに進展しないハニカム構造体が得られるし、その結果、当該ハニカム構造体をフィルターに用いたときには、PM漏れを生じることがない、高い耐熱衝撃性を有するフィルターが得られる。
【0025】
また、本発明のハニカム構造体に於いて、ハニカム構造体を構成する炭化珪素質多孔体の強度σ(MPa)の範囲が2〜45であり、ヤング率E(GPa)が0.5〜25であることが好ましい。強度、ヤング率がそれぞれ前記範囲より小さいときには、ハニカム構造体を製造する際や、ハニカム構造体を他の部品と共に組み立ててDPF等のフィルターに適用しようとする際に変形したり、酷い時には破損したりする問題が生じることがあるからである。
【0026】
一方、強度、ヤング率がそれぞれ前記範囲より大きな場合には、格別の技術上の不都合はないものの、当該特性を有する炭化珪素多孔体を得るには高温で長時間の焼結操作を必要としたり、炭化珪素多孔体中の気孔径や気孔率等の特性を犠牲にせざるを得なくなることがある。また、本発明の目的を達成する上で、ハニカム構造体を構成する炭化珪素質多孔体の強度σ(MPa)の2〜19が、ヤング率E(GPa)の0.7〜10がそれぞれより好ましい範囲である。
【0027】
本発明のハニカム構造体においては、セル壁に形成される気孔の平均気孔径と気孔率については特に制限はない。しかし、フィルターとしての使用を考える場合には、セル壁の気孔率としては40%以上、特に50〜80%が好ましく、また平均気孔径については5〜50μmであることが好ましい。セル壁の気孔率が40%未満では通気時の圧力損失が高くなり、一方80%を超える場合には強度が低下し、ハンドリング性が不良となる。また、セル壁の平均気孔径が5μm未満ではセル壁内部でのPMの目詰まりしやすく、50μmを超える場合には逆にPMの漏れが発生する可能性が出てくるとともに、強度の保持が困難になってくる。なお、本発明におけるセル壁の平均気孔径とは、水銀圧入法により求めたものをいう。
【0028】
強度σ、ヤング率Eはともに気孔率、気孔径の影響を受けることから、耐熱衝撃性を気孔率や気孔径で制御することも考えられる。しかし強度やヤング率に対しては、気孔率・気孔径の他、組織の微細構造の影響も大きく、またそれらが複雑に絡んでいることから、明確な相関を得ることは困難である。従って強度・ヤング率が上記の関係を満たす、という基準でハニカム構造体を構成する炭化珪素多孔体を選択する方が良い。
【0029】
次に、本発明のハニカム構造体を製造する方法について説明する。本発明のハニカム構造体は、炭化珪素粉末、あるいは炭化珪素粉末と窒化珪素粉末の混合物に炭素質物質の所定量を加えた混合物をハニカム形状の成形体に成形し、それを非酸化性雰囲気中で加熱し、焼結させることによって製造することができる。また窒化珪素粉末の代わりに金属珪素粉末を用い、窒素雰囲気中で加熱することによっても、同様に製造することが可能である。
【0030】
まずハニカム形状の成形体の作製にあたっては、炭化珪素粉末、または炭化珪素粉末と窒化珪素粉末の混合粉、あるいは炭化珪素粉末と窒化珪素粉末の混合粉末に、窒化珪素粉末または金属珪素粉末が反応して炭化珪素になるのに必要な分以上の炭素質物質を加えた混合物に、適量の水と有機バインダーを添加し、混合して押出成形用の坏土を得る。混合・混練については、乾式、湿式混合等の均一に混合できる方法であれば何れの方法でも採用することができる。有機バインダーにも特に制限はなく、メチルセルロースやポリビニルアルコール等、あるいはそれらを主成分とする一般的なもので良い。
【0031】
なお、炭素質物質は、酸化性雰囲気中で熱処理することにより容易に除去することができることから、その添加量及び粒度を調節することによって、ハニカム構造体の気孔率、気孔径等を制御することができる。
【0032】
ついで、得られた坏土を押出成形法などにより所望のハニカム形状に成形し、乾燥、脱脂工程を経て加熱し焼結する。焼結は、窒素、アルゴン等の非酸化性雰囲気中で行う。この際、焼結方法には特に制限はなく、ヒーター加熱炉、高周波加熱炉等一般的な加熱炉を用いる事ができる。またその他に、窒化珪素粉末を原料に含むなどして炭化珪素中に若干の窒素を固溶させた場合には、導電性が発現することから、公知の通電焼結法(特許文献2参照)を用い、焼結を短時間で行うことも可能である。
【0033】
【特許文献2】
特開平10−52618号公報
【0034】
焼結温度は、1800℃〜2500℃であることが好ましい。焼結温度が1800℃未満では、炭化珪素の粒成長や焼結が不十分である他、未反応の窒化珪素及び炭素質物質が残存するなどで耐熱性が低下する可能性がある。一方2500℃を超えると結晶転移や昇華などが生じ、極端な粒成長により強度が低下する。
【0035】
また、本発明のハニカム構造体からなるフィルターの製造にあたっては、ハニカム貫通孔をそれぞれの両端面で目封じすることによって製造することができる。その目封じ方法については、特許文献3等に記載された方法等によって行うことができる。
【0036】
【特許文献3】
特開平9−19613号公報
【0037】
なお、本発明のフィルターは、前記ハニカム構造体を用いて構成されているので、実使用条件下での高温において十分な耐食性を有し、しかも大きな熱衝撃に耐えられるという特徴を有している。
【0038】
【実施例】
(実施例1〜6、比較例1〜2)
炭化珪素粉末(平均粒径10μm)、窒化珪素粉末(平均粒径5μ)、及び炭素粉末2種(平均粒径25μmのものと50μmのもの)を表1に示す割合とした混合物100質量部に対し、水20質量部、バインダーとしてメチルセルロースを表1に示す質量部配合し、ヘンシェル混合機で10分間混合して混練物を調整した。
【0039】
【表1】
【0040】
ついで、前記混練物を真空押出成形機を用い、成形圧力8MPaの条件で、シート状成形体とハニカム状成形体とを押出成形した。シート状成形体は厚さ2mmで長さ100mmであり、ハニカム成形体は、外形寸法100mm、セル寸法2.0mm角、壁厚0.4mmで、長さ100mmとした。得られたシート状成形体及びハニカム成形体を乾燥後、窒素雰囲気中、450℃×1hrの脱脂を行ってから、窒素雰囲気中2200℃で1時間焼成し、焼結体を得た。さらにこの焼結体を大気1100℃で3時間熱処理し、残存する炭素を焼失させた。
【0041】
得られたシート状焼結体のそれぞれから適当な大きさの試験片を切出し、水銀ポロシメーターによって平均細孔直径を測定すると共に、アルキメデス法によって気孔率を測定した。また別にシート状焼結体を切断加工し、40×10×2mmのテストピースを多数作製して、強度試験より三点曲げ強さ(単に強度という)σを測定し、またその際の荷重と変位量から静的ヤング率計算式を用いてヤング率Eを算出した。以上の結果を表2に示す。なお、X線回折にて結晶相を同定したところ、炭化珪素のみからなっていることが確認された。
【0042】
【表2】
【0043】
得られたハニカム状焼結体を切断加工し、3×3セルのハニカムテストピースを多数作製して、その一部について初期強度を測定した。残りの一部については大気中電気炉で所定温度に加熱して20分保持後、水中に投下することで熱衝撃を加え、その残存強度を測定した。その結果を表2に示す。実施例1〜6では、強度σ(MPa)、ヤング率E(GPa)とがE/σ2≧2.5×10−2をみたしており、初期強度に対する残存強度の比が70%以上であり、比較例1、2がそれぞれ38%、32%であるのに対し、格段に耐熱衝撃性に優れることが明らかである。
【0044】
(実施例7)実施例1と同じ原料配合及び操作で作製した混練物を真空押出成形機を用い、成形圧力8MPaの条件で、外形寸法100mm、セル寸法2.0mm角、壁厚0.4mmのハニカム形状に押出成形してから、長さ140mmに切断した。得られたハニカム成形体を乾燥後、ハニカム形状の成形体の貫通孔の入口端面と出口端面を炭化珪素質封止材で市松模様に交互に封止し、窒素雰囲気中、450℃×1hrの脱脂を行ってから、窒素雰囲気中2200℃で1時間焼成し、焼結体を得た。さらにこの焼結体を大気1100℃で3時間熱処理し、残存する炭素を焼失させて、炭化珪素質ハニカムフィルターを作製した。
【0045】
得られた炭化珪素質ハニカムフィルターに煤を8g担持し、空気気流中700℃に加熱して煤を燃焼させた。その後フィルターを観察したところ、クラックは見られなかった。
【0046】
(比較例3)比較例1と同じ原料配合及び操作で作製した混練物を真空押出成形機を用い、成形圧力8MPaの条件で、外形寸法100mm、セル寸法2.0mm角、壁厚0.4mmのハニカム形状に押出成形してから、長さ140mmに切断した。得られたハニカム成形体を乾燥後、ハニカム形状の成形体の貫通孔の入口端面と出口端面を炭化珪素質封止材で市松模様に交互に封止し、窒素雰囲気中、450℃×1hrの脱脂を行ってから、窒素雰囲気中2200℃で1時間焼成し、焼結体を得た。さらにこの焼結体を大気1100℃で3時間熱処理し、残存する炭素を焼失させて、炭化珪素質ハニカムフィルターを作製した。
【0047】
得られた炭化珪素質ハニカムフィルターに煤を8g担持し、空気気流中700℃に加熱して煤を燃焼させた。その後フィルターを観察したところ、円筒縦方向にクラックが発生した。
【0048】
【発明の効果】
本発明のハニカム構造体は、それを構成する炭化珪素質多孔体について、強度とヤング率とが特定条件を満足し極めて耐熱衝撃性に優れるので、大きな熱衝撃を受けた際にも強度低下が小さい特性を有していることから、また、X線回折結果からあきらかな通りに炭化珪素以外の成分を含まず耐食性にも優れることから、セラミックスフィルターや触媒担体に好適に用いることができるので、産業上有用である。
【0049】
また、本発明のセラミックフィルターは、前記特徴のあるハニカム構造体を用いているので、耐熱衝撃性に優れ、実使用時於ける熱衝撃を受けても大きなクラックに進展することがなく、PM漏れを生じることを防止できる特徴があり、産業上非常に有用である。
Claims (7)
- 結晶相に金属珪素を含まない炭化珪素質多孔体からなるハニカム構造体であって、炭化珪素質多孔体の強度(σ;MPa)とヤング率(E;GPa)とが次の関係を満たすことを特徴とするハニカム構造体。
【数1】
E/σ2≧2.5×10-2 - 炭化珪素多孔質体の強度(σ)が2MPa以上45MPa以下であることを特徴とする請求項1記載のハニカム構造体。
- 炭化珪素多孔質体の強度(σ)が2MPa以上19MPa以下であることを特徴とする請求項2記載のハニカム構造体。
- 炭化珪素多孔質体のヤング率(E)が0.5GPa以上25GPa以下であることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のハニカム構造体。
- 炭化珪素多孔質体のヤング率(E)が0.7GPa以上10GPa以下であることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載のハニカム構造体。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載のハニカム構造体を用いて構成されることを特徴とするセラミックフィルター。
- 炭化珪素粉末と窒化珪素粉末との混合粉末に窒化珪素粉末が反応して炭化珪素になるのに必要な分以上の炭素質物質とを加えた混合物に、
水及び有機バインダーを加えて混合し、所望の形状に成形した成形物を、窒素、アルゴン等の非酸化性雰囲気中、焼結温度1800℃〜2500℃で焼結する結晶相に金属珪素を含まない炭化珪素質多孔体からなるハニカム構造体の製造方法であって、炭化珪素質多孔体の強度(σ;MPa)とヤング率(E;GPa)とが次の関係を満たすことを特徴とするハニカム構造体の製造方法。
【数1】
E/σ 2 ≧2.5×10 -2
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