JP2002293660A - 多孔質炭化珪素部材の製造方法 - Google Patents

多孔質炭化珪素部材の製造方法

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JP2002293660A
JP2002293660A JP2001103609A JP2001103609A JP2002293660A JP 2002293660 A JP2002293660 A JP 2002293660A JP 2001103609 A JP2001103609 A JP 2001103609A JP 2001103609 A JP2001103609 A JP 2001103609A JP 2002293660 A JP2002293660 A JP 2002293660A
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Kazuya Naruse
和也 成瀬
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    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
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    • C04B2111/00793Uses not provided for elsewhere in C04B2111/00 as filters or diaphragms

Abstract

(57)【要約】 【課題】 反りや、曲げ強度の低下が発生することがな
く、高い気孔率を有する多孔質炭化珪素部材を容易に製
造することができる多孔質炭化珪素部材の製造方法を提
供する。 【解決手段】 円形度が0.85以下の粉末の含有量が
5%以上の炭化珪素粉末とバインダーと分散媒液とを含
む炭化珪素成形体を作製した後、上記炭化珪素成形体の
脱脂及び焼成を行い、気孔率が40〜70%の多孔質炭
化珪素部材を製造することを特徴とする多孔質炭化珪素
部材の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、その内部に多数の
気孔を有する多孔質炭化珪素部材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、様々な種類の多孔質炭化珪素部材
からなるセラミック製品が開発され、製造されている。
このようなセラミック製品の一例として、バス、トラッ
ク等の車両や建設機械等の内燃機関から排出される排気
ガス中に含まれるパティキュレートを捕集するセラミッ
クフィルタが種々提案されている。
【0003】図1は、このようなセラミックフィルタの
一例であるハニカムフィルタを模式的に示した斜視図で
ある。また、図2(a)は、図1に示したハニカムフィ
ルタを構成する多孔質炭化珪素部材の一例を模式的に示
した斜視図であり、(b)は、そのA−A線断面図であ
る。
【0004】図1に示したように、ハニカムフィルタ1
0は、多孔質炭化珪素部材20が接着層14を介して複
数個結束されて円柱状のセラミックブロック15を構成
し、その外周にシール材層13が形成されている。ま
た、この多孔質炭化珪素部材20は、図2に示したよう
に、長手方向に多数の貫通孔21が並設され、貫通孔2
1同士を隔てる隔壁23がフィルタとして機能するよう
になっている。
【0005】即ち、多孔質炭化珪素部材20に形成され
た貫通孔21は、図2(b)に示したように、排気ガス
の入り口側又は出口側の端部のいずれかが充填材22に
より目封じされ、一の貫通孔21に流入した排気ガス
は、必ず貫通孔21を隔てる隔壁23を通過した後、他
の貫通孔21から流出するようになっており、排気ガス
がこの隔壁23を通過する際、パティキュレートが隔壁
23部分で捕捉され、排気ガスが浄化される。このよう
な多孔質炭化珪素部材20は、極めて耐熱性に優れ、再
生処理等も容易であるため、種々の大型車両やディーゼ
ルエンジン搭載車両等に使用されている。
【0006】従来、このような多孔質炭化珪素部材を製
造する際には、まず、炭化珪素粉末とバインダーと分散
媒液とを混合して成形体作製用の混合組成物を調製した
後、この混合組成物の押出成形等を行うことにより、炭
化珪素成形体を作製する。
【0007】次に、得られた炭化珪素成形体をヒーター
等により乾燥させることで、炭化珪素成形体を、一定の
強度を有し、取り扱い性に優れる乾燥体とする。
【0008】この炭化珪素成形体の乾燥工程の後、炭化
珪素成形体を酸素含有雰囲気下において、400〜65
0℃に加熱し、有機バインダー成分中の溶剤を揮発させ
るとともに、樹脂成分を分解消失させる脱脂工程を行
い、さらに、炭化珪素粉末を不活性ガス雰囲気下、20
00〜2200℃に加熱することにより焼結させる焼成
工程を行うことで、多孔質炭化珪素部材を製造する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の多孔質炭化珪素部材の製造方法において、上
述したような方法により製造された多孔質炭化珪素部材
の気孔率を、40%を超える高いものとしようとする
と、成形体作製用の混合組成物にバインダー等として、
有機物や溶媒等を多量に添加する必要があるため、多孔
質炭化珪素部材に反りが発生したり、曲げ強度の低下が
発生しやすく、製造条件等の管理に手間がかかるもので
あった。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
反りや、曲げ強度の低下が発生することがなく、高い気
孔率を有する多孔質炭化珪素部材を容易に製造するため
に、鋭意研究を行った結果、原料の炭化珪素粉末に含ま
れる円形度0.85以下の炭化珪素粉末の割合を増加さ
せれば上述した問題が生じないことを見出し、本発明を
完成した。
【0011】即ち、本発明は、円形度0.85以下の粉
末の含有量が5%以上の炭化珪素粉末とバインダーと分
散媒液とを含む炭化珪素成形体を作製した後、上記炭化
珪素成形体の脱脂及び焼成を行い、気孔率が40〜70
%の多孔質炭化珪素部材を製造することを特徴とする多
孔質炭化珪素部材の製造方法である。以下、本発明を詳
細に説明する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の多孔質炭化珪素部材の製
造方法は、円形度0.85以下の粉末の含有量が5%以
上の炭化珪素粉末とバインダーと分散媒液とを含む炭化
珪素成形体を作製した後、上記炭化珪素成形体の脱脂及
び焼成を行い、気孔率が40〜70%の多孔質炭化珪素
部材を製造することを特徴とする。
【0013】上記円形度とは、粒子(炭化珪素粉末)を
平面視した際の形状が、真円からどの程度ズレているの
かを示す指標であって、円形度1.0が真円を意味し、
数値が小さくなる程真円から外れていくことを意味す
る。このような円形度を測定する方法としては、例え
ば、市販されている沈降式又は循環式のフロー式粒子像
分析装置を用いて、被測定物である炭化珪素粒子を含む
試料流にストロボ光やレーザー光を照射することによ
り、上記炭化珪素粒子を、対物レンズを通してCCDカ
メラ等で、静止画像として撮影し、この撮影した炭化珪
素粒子像を画像解析して投影面積と周囲長とから円形度
を算出することができる。なお、このようなフロー粒子
像分析装置を用いることで、円形度の測定と同時に、炭
化珪素粒子の円相当径を算出することもできる。
【0014】上記円形度0.85以下の粉末の含有量と
は、炭化珪素粉末の円形度を上述したような方法により
測定した際、測定した全粉末中に占める、円形度0.8
5以下の粉末の割合を意味し、本発明では、炭化珪素粉
末における円形度0.85以下の粉末の含有量は5%以
上である。
【0015】本発明の多孔質炭化珪素部材の製造方法に
おいては、このような炭化珪素粉末を用いることによ
り、40〜70%の高い気孔率を有する多孔質炭化珪素
部材を製造することができる。この理由は明確ではない
が、以下の通りであると考えられる。
【0016】即ち、通常、円形度0.85以下の粉末
は、細長い形状のものであるので、嵩密度が低く、この
ような円形度0.85以下の粉末の含有量が5%以上の
炭化珪素粉末も、嵩密度が低いものとなる。このような
嵩密度の低い炭化珪素粉末を用いて、炭化珪素成形体を
作製すると、上記炭化珪素成形体を構成する炭化珪素粉
末同士は、余り密に接触しておらず、炭化珪素粉末に関
する密度は低いものとなる。従って、上記炭化珪素成形
体を脱脂、焼成すると、製造される多孔質炭化珪素部材
を構成する炭化珪素粉末間には、多数の気孔が形成され
ることとなり、本発明の多孔質炭化珪素部材の製造方法
により製造した多孔質炭化珪素部材の気孔率も高いもの
となると考えられる。また、このようにして製造した多
孔質炭化珪素部材には、反りや曲げ強度の低下が発生す
ることがない。この理由については後述する。
【0017】本発明の多孔質炭化珪素部材の製造方法で
は、まず、円形度0.85以下の粉末の含有量が5%以
上の炭化珪素粉末とバインダーと分散媒液とを含む混合
組成物を調製する。
【0018】上記炭化珪素粉末の円相当径は、1〜10
0μmであることが望ましい。1μm未満であると、製
造する多孔質炭化珪素部材が緻密に焼結してしまい、平
均気孔率を40〜70%と高くすることができないこと
がある。一方、100μmを超えると、製造する多孔質
炭化珪素部材の曲げ強度が低下し、容易に破壊されてし
まうことがある。
【0019】上記バインダーとしては特に限定されず、
例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコ
ール、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることが
できる。また、上記バインダーの配合量は、通常、上記
炭化珪素粉末100重量部に対して、1から10重量部
程度が好ましい。
【0020】上記分散媒液としては特に限定されず、例
えば、ベンゼン等の有機溶媒;メタノール等のアルコー
ル、水等を挙げることができる。上記分散媒液は、上記
炭化珪素粉末、バインダー等の粘度が一定範囲内となる
ように、適量配合される。
【0021】また、上記炭化珪素粉末、バインダー及び
澱粉分散媒液とともに、分散剤が含まれていてもよい。
上記分散剤としては特に限定されず、例えば、トリメチ
ルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチル
ホスフェート、トリス(2−クロロエチル)ホスフェー
ト、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェ
ート、クレジル・ジフェニルホスフェート等のリン酸エ
ステル系化合物等を挙げることができる。また、この分
散剤は、炭化珪素粒子100重量部に対して0.1〜5
重量部添加されることが望ましい。
【0022】上記混合組成物は、上記炭化珪素粉末、バ
インダー及び分散媒液等を、アトライター等で混合した
後、ニーダー等で充分に混練することで調製することが
できる。
【0023】次に、このようにして調製した混合組成物
を用いて、押出成形等することにより、炭化珪素成形体
を作製する。
【0024】上記炭化珪素成形体の形状としては特に限
定されず、目的とする多孔質炭化珪素部材に合わせて適
宜選択すればよい。
【0025】次に、マイクロ波や熱風等を利用した乾燥
手段を用いて、上記炭化珪素成形体の内部に存在する水
分を飛散、蒸発させて炭化珪素成形体の乾燥体とする。
【0026】ここで、従来の多孔質炭化珪素部材の製造
方法により、高い気孔率を有する多孔質炭化珪素部材の
気孔率を製造しようとすると、上記炭化珪素成形体の乾
燥を経た炭化珪素成形体の乾燥体に反りが発生すること
があった。これは、上述したように、従来の多孔質炭化
珪素部材の製造方法では、炭化珪素成形体を作製する際
に添加するバインダーの添加量を増やすことにより、製
造する多孔質炭化珪素部材の気孔率を向上させるもので
あったため、上記バインダーの添加量の増加に伴って、
炭化珪素成形体に含有される水分量も増加させる必要が
あった。そのため、上記炭化珪素成形体の乾燥工程にお
いて、蒸発する水分量が多くなり、炭化珪素成形体の乾
燥体に反りが発生してしまい、その後製造する多孔質炭
化珪素部材にも反りが発生していたものと考えられる。
【0027】しかしながら、本発明の多孔質炭化珪素部
材の製造方法においては、従来の方法のようにバインダ
ーの添加量を増加させる必要がないため、炭化珪素成形
体に含まれる水分量も多くなることがなく、炭化珪素成
形体の乾燥体に反りが発生することがない。従って、そ
の後製造する多孔質炭化珪素部材に反りが発生すること
もない。
【0028】続いて、上記炭化珪素成形体の脱脂を行
う。上記炭化珪素成形体の脱脂工程は、通常、炭化珪素
成形体を脱脂用治具に載置した後、脱脂炉に搬入し、酸
素含有雰囲気下、400〜650℃に加熱することによ
り行う。これにより、上記バインダー等の大部分が揮散
するとともに、分解、消失する。
【0029】本発明の多孔質炭化珪素部材の製造方法に
おいては、上述したような炭化珪素粉末を用いているの
で、上記脱脂工程を経た炭化珪素脱脂体の強度が高く、
取り扱い性に優れたものとすることができる。この理由
は明確ではないが、以下の通りであると考えられる。
【0030】即ち、円形度0.85以下の粉末の含有量
が5%以上の炭化珪素粉末は、3次元的に複雑な絡み合
いを形成しながら炭化珪素成形体中に分散しているもの
と考えられる。従って、この炭化珪素成形体を脱脂して
製造した炭化珪素脱脂体中においても、上記炭化珪素粉
末は、3次元的に複雑に絡み合った構造を形成してお
り、上記炭化珪素脱脂体の強度が高くなるものと考えら
れる。
【0031】最後に、上記炭化珪素脱脂体の焼成を行
う。この焼成工程では、窒素、アルゴン等の不活性ガス
雰囲気下、2000〜2200℃で脱脂した炭化珪素成
形体を加熱し、炭化珪素粒子を焼結させることにより、
気孔率が40〜70%の多孔質炭化珪素部材を製造する
ことができる。
【0032】このようにして製造した多孔質炭化珪素部
材は、その曲げ強度が低下することがない。これは、多
孔質炭化珪素部材を構成する炭化珪素粒子も、上述した
炭化珪素脱脂体と同様に、3次元的に複雑に絡み合った
構造を形成しているからであると考えられる。
【0033】なお、本発明の多孔質炭化珪素部材の製造
方法において、上記焼成工程は、従来の多孔質炭化珪素
部材の製造方法における焼成工程に比べて、安価に行う
ことができる。この理由は明確ではないが、以下の通り
であると考えられる。
【0034】即ち、上記焼成工程において、円形度0.
85以下の粉末の含有量が5%以上の炭化珪素粉末を焼
結させるのであるが、このような炭化珪素粉末の総表面
積は、上述した従来の多孔質炭化珪素部材の製造方法に
おいて使用していた炭化珪素粉末の総表面積よりも広
く、表面エネルギーが高い状態にあると考えられる。こ
のように、表面エネルギーが高い状態の炭化珪素粉末を
焼結させる場合、余り高い熱エネルギーを印加しなくて
も上記炭化珪素粉末同士の焼結がスムーズに進行する。
従って、上記焼成工程において、印加する熱エネルギー
を少なくすることができ、多孔質炭化珪素部材を安価に
製造することができるのではないかと考えられる。
【0035】本発明の多孔質炭化珪素部材の製造方法に
より製造される多孔質炭化珪素部材を用いた製品の具体
例としては、例えば、図1に示したような排気ガスを浄
化するためのハニカムフィルタ、汚水等を浄化するため
のフィルタ、その他、バイオリアクター等を挙げること
ができ、特には、触媒を担持したハニカムフィルタに好
適に使用することができる。
【0036】以上説明した通り、本発明の多孔質炭化珪
素部材の製造方法によると、円形度0.85以下の粉末
の含有量が5%以上の炭化珪素粉末を用いているので、
該炭化珪素粉末の嵩密度は、従来の多孔質炭化珪素部材
の製造方法において使用していた炭化珪素粉末の嵩密度
よりも小さいものとなる。従って、多孔質炭化珪素部材
を製造した際、該多孔質炭化珪素部材を構成する炭化珪
素粒子間には、多数の隙間(気孔)が形成されることと
なり、かつ、粒子同士は、3次元的に複雑に絡み合った
構造をとっているため、反りや曲げ強度の低下が発生す
ることなく、容易に、40〜70%の気孔率を有する多
孔質炭化珪素部材を製造することができる。
【0037】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0038】実施例1 その円形度0.85以下の粉末の含有量が12.5%の
炭化珪素粉末(平均円相当径12μm)100重量部、
メチルセルロースからなるバインダー9重量部、ポリオ
キシエチレンモノブチルエーテルからなる分散剤(日本
油脂社製、商品名:ユニルーブ)4.5重量部、グリセ
リンからなる溶媒2重量部、水21重量部を配合した
後、ボールミル中にて5時間混合することにより、均一
な混合組成物を調製した。
【0039】なお、上記炭化珪素粉末の円形度の測定
は、シスメックス社製のフロー式粒子像分析装置を用い
て行った。
【0040】この混合組成物を押出成形装置に充填し、
押出速度2cm/分にて、図1に示した多孔質炭化珪素
部材20のような角柱形状からなる炭化珪素成形体を作
製した。この炭化珪素成形体は、その大きさが33mm
×33mm×300mmで、貫通孔の数が31個/cm
、隔壁の厚さが0.35mmであった。
【0041】次に、上記炭化珪素成形体の乾燥を行っ
た。その後、ET−10(イビデン社製)からなるセラ
ミック焼成用治具に多孔質成形体の乾燥体を載置して、
5%の酸素濃度を有する空気と窒素との混合ガス雰囲気
下、450℃で加熱することにより脱脂工程を行った。
【0042】そして、上記脱脂された炭化珪素成形体を
セラミック焼成用治具に載置したまま、焼成装置に搬入
し、2200℃に加熱することにより炭化珪素成形体の
焼成を行い、図1及び図2に示したような多孔質炭化珪
素部材を製造した。
【0043】このようにして製造した多孔質炭化珪素部
材について、アルキメデス法にて、その気孔率を測定し
たところ60%であった。
【0044】そして、上記炭化珪素部材を複数個組み上
げて、図1に示したようなハニカムフィルタを作製し、
このハニカムフィルタを背圧センサとともに、エンジン
の排気ガス排出通路に設けたケーシング内に設置して、
パティキュレートを捕集し、背圧の変化を測定した。そ
の結果、上記エンジンを無負荷状態で最高の回転数にし
て8時間運転し、背圧センサにより背圧を測定したとこ
ろ40kPaの値を示した。
【0045】実施例2 その円形度0.85以下の粉末の含有量が9%の炭化珪
素粉末(平均円相当径10.5μm)を用いたほかは、
実施例1と同様にして多孔質炭化珪素部材を製造した。
【0046】そして、実施例2に係る多孔質炭化珪素部
材の気孔率を、実施例1と同様に、アルキメデス法によ
り測定したところ45%であった。
【0047】本実施例2に係る多孔質炭化珪素部材も、
実施例1と同様にしてハニカムフィルタを作製し、パテ
ィキュレートの捕集を行い、背圧の変化を測定した。そ
の結果、エンジンを無負荷状態で最高の回転数にして8
時間運転した時点で、灰圧が略40kPaの値を示し、
実施例1に係るハニカムフィルタと略同様の結果を示し
た。
【0048】比較例1 その円形度0.85以下の粉末の含有量が1%の炭化珪
素粉末(平均円相当径10.5μm)を用いたほかは、
実施例1と同様にして多孔質炭化珪素部材を製造した。
【0049】そして、比較例1に係る多孔質炭化珪素部
材の気孔率を、実施例1と同様に、アルキメデス法によ
り測定したところ31%であった。
【0050】本比較例1に係る多孔質炭化珪素部材も、
実施例1と同様にしてハニカムフィルタを作製し、パテ
ィキュレートの捕集を行い、背圧の変化を測定したとこ
ろ、4時間エンジンを運転した時点で、背圧が40kP
aに達し、実施例1及び実施例2に係るハニカムフィル
タよりも背圧の上昇が早かった。従って、この背圧の上
昇傾向からすると、比較例1に係る多孔質炭化珪素部材
は、実施例1及び実施例2に係る多孔質炭化珪素部材よ
りもパティキュレートの捕集量が少なく、再生を短時間
で行う必要があり、フィルタとしての能力に劣るものと
考えられる。
【0051】また、本比較例1に係る多孔質炭化珪素部
材の気孔率を、実施例1に係る多孔質炭化珪素部材の気
孔率と同レベルの60%に向上させるため、原料の混合
組成物に添加するバインダーの量を増加して、多孔質炭
化珪素部材を製造したところ、製造した多孔質炭化珪素
部材には反りが発生してしまい、その後、ハニカムフィ
ルタを製造することができなかった。
【0052】なお、本実施例1及び実施例2に係る多孔
質炭化珪素部材の曲げ強度を3点曲げ試験により評価し
たところ、充分に高い値を示し、ハニカムフィルタを構
成する多孔質炭化珪素部材として充分に使用することが
できるものであった。
【0053】
【発明の効果】本発明の多孔質炭化珪素部材の製造方法
は、上記の通りであるので、反りや曲げ強度の低下が発
生することなく、その気孔率が40〜70%の多孔質炭
化珪素部材を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多孔質炭化珪素部材を用いた製品の一
例であるハニカムフィルタを模式的に示した斜視図であ
る。
【図2】(a)は、図1に示したハニカムフィルタを構
成する多孔質炭化珪素部材を模式的に示した斜視図であ
り、(b)は、そのA−A線断面図である。
【符号の説明】
10 ハニカムフィルタ 20 多孔質炭化珪素部材 21 貫通孔 22 充填材 23 隔壁

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円形度0.85以下の粉末の含有量が5
    %以上の炭化珪素粉末とバインダーと分散媒液とを含む
    炭化珪素成形体を作製した後、前記炭化珪素成形体の脱
    脂及び焼成を行い、気孔率が40〜70%の多孔質炭化
    珪素部材を製造することを特徴とする多孔質炭化珪素部
    材の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004142978A (ja) * 2002-10-23 2004-05-20 Ngk Insulators Ltd 多孔質ハニカム構造体の製造方法、及びハニカム成形体
JP2004275854A (ja) * 2003-03-14 2004-10-07 Tokyo Yogyo Co Ltd 炭化珪素質ハニカム構造体とそれを用いたセラミックフィルター
US7364689B2 (en) 2004-03-23 2008-04-29 Ngk Insulators, Ltd. Method of producing cordierite honeycomb structure
JP5367363B2 (ja) * 2006-03-24 2013-12-11 日本碍子株式会社 接合体、接合材組成物、ハニカムセグメント接合体、並びにそれを用いたハニカム構造体

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