JP2004275063A - 新規なフルクトシルアミンオキシダーゼをコードする遺伝子及びそれを用いての該フルクトシルアミンオキシダーゼの製造方法 - Google Patents

新規なフルクトシルアミンオキシダーゼをコードする遺伝子及びそれを用いての該フルクトシルアミンオキシダーゼの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】新規なフルクトシルアミンオキシダーゼの新規な製造手段の提供。
【解決手段】例えば、カーブラリア(Curvularia)属、ピレノケータ(Pyrenochaeta)属、アルスリニウム(Arthrinium)由来の特定のアミノ酸配列をコードするDNA、及びこのDNAを含有する発現ベクターにより形質転換された宿主細胞を培養することを特徴とする1−デオキシフルクトシル−L−バリル−L−ヒスチジンに作用し、1−デオキシフルクトシル−L−バリル−L−ロイシンに実質的に作用しないフルクトシルアミンオキシダーゼの新規な製造方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、1−デオキシフルクトシル−L−バリル−L−ヒスチジン(以下フルクトシルバリルヒスチジンと称する)に作用し、1−デオキシフルクトシル−L−バリル−L−ロイシン(以下フルクトシルバリルロイシンと称する)に実質的に作用しないフルクトシルアミンオキシダーゼをコードする新規な遺伝子系、及びフルクトシルバリルヒスチジンに作用し、フルクトシルバリルロイシンに実質的に作用しないフルクトシルアミンオキシダーゼの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
糖化蛋白はグルコースなどの還元糖が共存する場合、アミノ基とアルデヒド基が非酵素的かつ非可逆的に結合し、アマドリ転移することにより生成される。生体内では血液中のヘモグロビンが糖化されたグリコヘモグロビン、アルブミンが糖化されたグリコアルブミン、血液中のタンパク質が糖化されたフルクトサミンなどが知られている。
【0003】
これらの血中濃度は、過去の一定期間の平均血糖値を反映しており、その測定値は糖尿病の病状の診断及び症状の管理の重要な指標となり得るために測定手段の確立は臨床上、極めて有用である。その中でも、現在、糖尿病診断の指標となる最も一般的かつ臨床データのそろっているものは、血中ヘモグロビンA1c濃度であり、特にその測定手段の確立が求められている。
【0004】
従来、アマドリ化合物の測定法としては、高速液体クロマトグラフィーを用いる方法(Chromatogr. Sci., 10:659(1979))、ホウ酸を結合させた固体を詰めたカラムを用いる方法(Clin. Chem. 26:1598(1982))、抗原−抗体反応を利用する方法(JJCLA 18:620(1993))還元能をテトラゾリウム塩を用いて比色定量する方法(Clin. Chim. Acta 127:87(1982))、チオバリビツール酸を用いて比色定量する方法(Clin. Chim. Acta 112:197(1981))等が知られている。しかしながらこれらの方法は、いずれも操作が煩雑であったり、高価な機器が必要であったり、必ずしも正確で迅速な方法ではなかった。
【0005】
現在、上記方法よりも操作が簡単で、安価に、短時間で精度良く糖蛋白質を測定する方法として、酵素的方法が提案されている。アマドリ化合物を定量する方法として、特公平05−33997号公報、特公平6−65300号公報、特開平02−195900号公報、特開平03−155780号公報、特開平04−4874号公報、特開平05−192193号公報、特開平06−46846号公報、糖尿病の診断のための糖化蛋白質の測定法として、特開平02−195899号公報、特開平02−19590号公報、特開平05−192193号公報、特開平06−46846号公報等が知られている。
【0006】
上記方法で使用されているフルクトシルアミンオキシダーゼとしてはこれまでにコリネバクテリウム属(特開昭61−268178号公報)、アスペルギルス属(特開平3−155780号公報)、ペニシリウム属(特開平4−4874号公報)、フザリウム属(特開平5−192193号公報、特開平7−289253号公報、特開平8−154672号公報)、ギベレラ属(特開平5−192193号公報、特開平7−289253号公報)、カンジダ属(特開平6−46846号公報)、アスペルギルス属(特開平10−33177号公報、特開平10−33180号公報)由来の酵素が報告されている。
【0007】
糖化ヘモグロビンの酵素を用いた測定法として、ロイシンのC末端側を切断するプロテアーゼとジペプチジルカルボキシペプチダーゼを作用させてβ鎖のN末端糖化バリンのみを遊離させる方法が考案された(特開2000−300294号公報)が、この方法ではプロテアーゼにより多量のペプチドが遊離するため、目的とするフルクトシルバリルヒスチジルロイシンを完全に分解するためには高価なジペプチジルカルボキシペプチダーゼが多量に必要となる等の問題がある。また、N末端の糖化バリルヒスチジンに作用するフルクトシルアミンオキシダーゼを用いた測定法(特開2001−95598号公報)が報告されたが、これには糖化ヘモグロビンのα鎖から遊離するフルクトシルバリルロイシンに対する反応性については全く述べられていなかった。
【0008】
つまり、ヘモグロビンのβ鎖のN末端バリンの糖化部位を特異的に認識して測定しているのではなくα鎖およびβ鎖の両方のN末端糖化バリンを測定するものであり、本来のヘモグロビンA1c、すなわちβ鎖のN末端糖化バリンを測定しているものではなかった。
この課題を解決し、本来のヘモグロビンA1cを測定しうる酵素に関し、カーブラリア(Curvularia)属、ピレノケータ(Pyrenochaeta)属、アルスリニウム(Arthrinium)属等の微生物により生産されるフルクトシルアミンオキシダーゼが特願2003−67266に記載されている。これらのフルクトシルアミンオキシダーゼの諸性質は表1にまとめた。
【0009】
【表1】
Figure 2004275063
【0010】
ヘモグロビンA1cの本来の定義であるβ鎖のN末端バリンの糖化部位を特異的に認識し、測定するためにフルクトシルバリルヒスチジンに作用し、α鎖のN末端バリンの糖化部位であるフルクトシルバリルロイシンに実質的に作用しないヘモグロビンA1cの測定に適したフルクトシルアミンオキシダーゼである。しかしながらその酵素生産性は最大0.007ユニット/mlと非常に低く、実用化には酵素生産性の向上が必須である。また、生産性向上に利用できるこの酵素をコードする遺伝子については全く記載されていない。
【0011】
【特許文献1】
特公平05−33997号公報
【特許文献2】
特公平6−65300号公報
【特許文献3】
特開平02−195900号公報
【特許文献4】
特開平03−155780号公報
【特許文献5】
特開平04−4874号公報
【0012】
【特許文献6】
特開平05−192193号公報
【特許文献7】
特開平06−46846号公報
【特許文献8】
特開平02−195899号公報
【特許文献9】
特開平02−19590号公報
【特許文献10】
特開平05−192193号公報
【0013】
【特許文献11】
特開平06−46846号公報
【特許文献12】
特開昭61−268178号公報
【特許文献13】
特開平3−155780号公報
【特許文献14】
特開平4−4874号公報
【特許文献15】
特開平5−192193号公報
【0014】
【特許文献16】
特開平7−289253号公報
【特許文献17】
特開平8−154672号公報
【特許文献18】
特開平5−192193号公報
【特許文献19】
特開平7−289253号公報
【特許文献20】
特開平6−46846号公報
【0015】
【特許文献21】
特開平10−33177号公報
【特許文献22】
特開平10−33180号公報
【特許文献23】
特開2000−300294号公報
【特許文献24】
特開2001−95598号公報
【0016】
【非特許文献1】
Chromatogr. Sci., 10:659(1979)
【非特許文献2】
Clin. Chem. 26:1598(1982)
【非特許文献3】
JJCLA 18:620(1993)
【非特許文献4】
Clin. Chim. Acta 127:87(1982)
【非特許文献5】
Clin. Chim. Acta 112:197(1981)
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明は、フルクトシルバリルヒスチジンに作用し、フルクトシルバリルロイシンに実質的に作用しないフルクトシルアミンオキシダーゼ、すなわち、カーブラリア属、ピレノケータ属およびアルスリニウム属等由来のフルクトシルアミンオキシダーゼを効率よく製造することができる方法を提供しようとするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、フルクトシルバリルヒスチジンに作用し、フルクトシルバリルロイシンに実質的に作用しないフルクトシルアミンオキシダーゼを効率よく製造する方法として、カーブラリア属、ピレノケータ属およびアルスリニウム属等由来のフルクトシルアミンオキシダーゼ遺伝子をクローニングすべく種々検討した結果、カーブラリア属、ピレノケータ属およびアルスリニウム属の微生物からフルクトシルアミンオキシダーゼをコードするゲノムDNA及びcDNAをクローニングすることに成功し、本発明を完成させた。
【0019】
従って本発明は、配列番号:2、配列番号:4又は配列番号:6に示すアミノ酸配列を有するフルクトシルバリルヒスチジンに作用し、フルクトシルバリルロイシンに実質的に作用しないフルクトシルアミンオキシダーゼをコードする遺伝子、すなわち、ゲノムDNA及びcDNAを提供する。
【0020】
本発明はまた、配列番号:2、配列番号:4又は配列番号:6に示すアミノ酸配列中のアミノ酸配列において、1個又は複数個のアミノ酸の欠失、付加及び/又は置換により修飾されたアミノ酸配列を有し、且つフルクトシルバリルヒスチジンに作用し、フルクトシルバリルロイシンに実質的に作用しないフルクトシルアミンオキシダーゼ活性を有する修飾されたフルクトシルバリルヒスチジンに作用し、フルクトシルバリルロイシンに実質的に作用しないフルクトシルアミンオキシダーゼをコードする遺伝子を提供する。
【0021】
本発明はまた、配列番号:1、配列番号:3および配列番号:5に示す塩基配列を有する核酸のエクソン領域とストリンジェント条件下でハイブリダイズすることができ、且つフルクトシルバリルヒスチジンに作用し、フルクトシルバリルロイシンに実質的に作用しないフルクトシルアミンオキシダーゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子を提供する。
【0022】
本発明はまた、前記の遺伝子を含んで成るベクター、特に発現ベクターを提供する。
本発明はさらに、前記ベクターにより形質転換された宿主細胞を提供する。
本発明はさらに、前記宿主を培養し、該培養物から、フルクトシルバリルヒスチジンに作用し、フルクトシルバリルロイシンに実質的に作用しないフルクトシルアミンオキシダーゼを採取することを特徴とする、フルクトシルバリルヒスチジンに作用し、フルクトシルバリルロイシンに実質的に作用しないフルクトシルアミンオキシダーゼの製造方法を提供する。
【0023】
また、実質的に作用しない酵素とは測定したい基質に対する活性を100%とした時、測定対象としたくない基質に対する相対活性が例えば20%以下、好ましくは5%以下、より好ましくは1%以下である酵素をいう。
【0024】
【本発明の実施の形態】
本発明はまず、配列番号:2、配列番号:4又は配列番号:6に示すアミノ酸配列を有するフルクトシルバリルヒスチジンに作用し、フルクトシルバリルロイシンに実質的に作用しないフルクトシルアミンオキシダーゼをコードする遺伝子、すなわちゲノムDNA及びcDNAを提供する。
【0025】
しかしながら、ある酵素がその酵素活性を発揮するには、生来のアミノ酸配列の全てがそのまま必要なわけではなく、活性の発現に必須の領域以外の領域においては、アミノ酸の欠失、付加、置換等によりアミノ酸配列が修飾されていても本来の酵素活性を発揮することが知られている。従って本発明は、配列番号:2、配列番号:4又は配列番号:6に記載のアミノ酸配列において、1又は複数個のアミノ酸の欠失、付加及び/又は置換により修飾されているアミノ酸配列を有し、且つフルクトシルバリルヒスチジンに作用し、フルクトシルバリルロイシンに実質的に作用しないフルクトシルアミンオキシダーゼ活性を維持している修飾型フルクトシルアミンオキシダーゼをコードする遺伝子を提供する。
【0026】
上記の修飾の程度は、PCR、部位特定変異誘発等、周知の技術により修飾できる程度であり、且つフルクトシルアミンオキシダーゼ活性を喪失しない範囲である。例えば、配列番号:2、配列番号:4又は配列番号6に記載のアミノ酸配列に対して、80%以上、85%以上、90%以上、又は95%以上の相同性を有するものである。
従って本発明はまた、配列番号:2、配列番号:4及び配列番号6に記載のアミノ酸配列に対して、80%以上、85%以上、90%以上、又は95%以上の相同性を有するアミノ酸配列を有し、且つフルクトシルバリルヒスチジンに作用し、フルクトシルバリルロイシンに実質的に作用しないフルクトシルアミンオキシダーゼ活性を維持している修飾型フルクトシルアミンオキシダーゼをコードする遺伝子を含む。
【0027】
一旦、酵素をコードする生来のゲノムDNA又はcDNAがクローニングされれば、該ゲノムDNA特にそのエクソン部分もしくはcDNA、又はそれらの一部をプローブとして用いることにより、同じ酵素活性を有する他の蛋白質をコードするDNAを選択することができる。従って、本発明は、配列番号:1、配列番号:3及び配列番号5に記載の塩基配列を有する核酸、例えばDNA、特にエクソン部分の配列を有する核酸、例えばDNA、例えば、ゲノムDNA又はcDNA、あるいはそれらの断片、例えば好ましくは15塩基以上、さらに好ましくは20塩基以上、例えば30残基以上の長さの断片とハイブリダイズすることができ、且つフルクトシルバリルヒスチジンに作用し、フルクトシルバリルロイシンに実質的に作用しないフルクトシルアミンオキシダーゼ活性を有するタンパク質をコードする核酸も提供できる。
【0028】
上記の場合のハイブリダイゼーション条件は、例えば、野村慎太郎、稲澤譲治著「脱アイソトープ実験プロトコール」p.40(秀潤社、1994)に記載の条件 (500mM NaPi 緩衝液(pH7.2), 7% SDS, 1mM EDTA)である。上記ハイブリダイゼーションによるスクリーニングの対象となる核酸は特に限定される。例えば合成DNA や、生来のDNA を前記のごとく修飾したものでもよいが、天然のDNA 、例えば、ゲノムDNA やcDNAのライブラリーが好ましい。この様なDNA ライブラリーは、例えばカーブラリア属、ピレノケータ属およびアルスリニウム属の微生物等から、常法に従って調製することができる。
【0029】
本発明のフルクトシルバリルヒスチジンに作用し、フルクトシルバリルロイシンに実質的に作用しないフルクトシルアミンオキシダーゼ活性を有する蛋白質をコードする核酸、特にDNA は配列番号:1、配列番号:3、又は配列番号:5に示す塩基配列を有するゲノムDNA 又はそのエクソン部分のみから成るcDNAである。ゲノムDNA のクローニング方法の1例は、実施例1において具体的に記載する。
【0030】
一旦、ゲノムDNA がクローニングされれば、該ゲノムDNA 、又はその1部分、特にエクソン部分のDNA をプローブとして、cDNAライブラリーをスクリーニングすることにより本発明のフルクトシルバリルヒスチジンに作用し、フルクトシルバリルロイシンに実質的に作用しないフルクトシルアミンオキシダーゼをコードするcDNAを得ることができる。
cDNAライブラリーの調製及びプローブハイブリダイゼーションによるそのスクリーニングは常法に従って行うことができる。cDNAライブラリーは、例えば前記の出発材料、例えばカーブラリア属、ピレノケータ属、アルスリニウム属微生物等から調製することができる。
【0031】
また、修飾されたフルクトシルバリルヒスチジンに作用し、フルクトシルバリルロイシンに実質的に作用しないフルクトシルアミンオキシダーゼをコードするDNA は、生来のゲノムDNA 又はcDNAを基礎とし、部位特定変異誘発、PCR 、ランダム変異、ジーンシャッフリング等の常法に従って行うことができる。また、1又は複数個のアミノ酸が欠失した短縮型酵素をコードするDNA は、生来のDNA に開始コドン及び/又は終止コドンを導入することによっても得られる。さらに、適当な制限酵素により、生来のDNAを切断することによっても得られる。
【0032】
本発明はまた、上記のDNA を含んで成るベクター、特に発現ベクター、及び該ベクターにより形質転換された宿主細胞に関する。フルクトシルバリルヒスチジンに作用し、フルクトシルバリルロイシンに実質的に作用しないフルクトシルアミンオキシダーゼを生産するための宿主細胞としては、フルクトシルバリルヒスチジンに作用し、フルクトシルバリルロイシンに実質的に作用しないフルクトシルアミンオキシダーゼをコードするDNA がゲノムDNA である場合にはスプライシング活性を有する宿主細胞である必要があり、真核性細胞、例えば真菌類、例えば酵母又は糸状真菌類、又は動物細胞、さらには植物細胞が使用される。
【0033】
酵母としては例えばサッカロミセス(Saccharomyces) 属酵母、例えばサッカロミセス・セービシエー(Saccharomyces cerevisiae)等が挙げられ、糸状真菌類としては、例えばアスペルギルス属微生物、例えばアスペルギルス・オリゼー、アスペルギルス・ニガー、等が挙げられる。動物細胞としては、昆虫細胞、例えばカイコの細胞、哺乳類培養細胞、例えばCOS 細胞等が挙げられる。さらに植物細胞を用いることもできる。
【0034】
さらに、フルクトシルバリルヒスチジンに作用し、フルクトシルバリルロイシンに実質的に作用しないフルクトシルアミンオキシダーゼをコードするDNA がcDNAである場合、上記の宿主の他に、原核性宿主、例えば細菌宿主を用いることができる。細菌宿主としては、例えば大腸菌(Escherichia coli)、バシルス(Bacillus)属細菌、例えばバシルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)等の常用の宿主が用いられる。
【0035】
発現ベクターは、宿主に応じて発現制御配列、例えばプロモーター、ターミネーター等を含有する必要がある。例えば、酵母用のプロモーターとしては解糖系酵素、遺伝子のプロモーター、Gal プロモーター等が挙げられ、糸状菌用プロモーターとしてはAmyAプロモーター等が挙げられ、動物細胞用プロモーターとしてはウイルスプロモーター等が用いられる。また、細菌用プロモーターとしては、ウイルスベクター用プロモーター等が用いられる。
宿主としての細胞とそれに適合するベクター系の使用はすでに常用技術となっており、本発明においては、それらの既知の発現系を適宜選択して使用することができる。
【0036】
本発明はまた、本発明のフルクトシルバリルヒスチジンに作用し、フルクトシルバリルロイシンに実質的に作用しないフルクトシルアミンオキシダーゼの製造方法を提供する。本発明のフルクトシルバリルヒスチジンに作用し、フルクトシルバリルロイシンに実質的に作用しないフルクトシルアミンオキシダーゼの製造方法によれば、本発明のフルクトシルバリルヒスチジンに作用し、フルクトシルバリルロイシンに実質的に作用しないフルクトシルアミンオキシダーゼをコードするDNA を含んで成る発現プラスミドにより形質転換された宿主を培養する。宿主としては詳細に前記したものを使用し、常法に従って培養、好ましくは液体培養すればよい。
【0037】
培養物もしくは菌体を水又は水性緩衝液、例えばリン酸緩衝液等により抽出することにより酵素含有水溶液が得られる。酵素含有液から酵素を採取、精製するには、酵素の精製のための常法を用いればよい。
例えば、塩析、ゲル濾過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、吸着クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等を組合せて使用することができる。
【0038】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。
実施例 1. ピレノケータ エスピー( Pyrenocaeta sp. YH807 FERM P−19210 )フルクトシルアミンオキシダーゼをコードするゲノム DNA のクローニング
部分アミノ酸配列の決定
特願2003−の記載の方法に従って、ピレノケータ・エスピー(Pyrenocaeta sp.)YH807(FERM P−19210)から得た精製酵素の凍結乾燥品60μgを用い、常法(マイクロシークエンスのための微量タンパク質精製法、p48−52、羊土社、1992年)に準じて、酵素の断片を得て、その配列を決定した。即ち、50μlの45mMジチオスレイトールを加え、50℃、15分間処理を行い、5μlの100mMヨードアセトアミドを加え、15分間放置した。
【0039】
140μlの蒸留水を加え、1.0μgエンドプロテーナーゼLys−C(ロッシュ・ダイアグノスティックス製)を添加後、37℃、一晩インキュベートした。その断片化した酵素をHPLCにより分離し、各酵素断片を取得した。その各断片をN末端配列シークエンサー(島津製作所製 PPSQ−21)を用いて解析した。得られた配列は次のようになった。
【0040】
断片(1)Val Xaa Asp Glu Phe Pro Gly Phe Thr Arg Phe Lys(配列番号:7)
断片(2)Glu Leu Phe Asn Arg Ala Met Xaa Trp Xaa Thr Asp Thr Ala Asp Ala Ala(配列番号:8)
断片(3)Thr Thr Val Ile Val Val Gly Gly Gly Gly Thr Ile Gly Ser Ser Thr Ala Leu His(配列番号:9)
断片(4)Asp Leu Ala Asp Met Pro Gly Trp Asn His Asp Glu Ser Pro Arg Ala Lys(配列番号:10)
断片(5)Val Val Leu Ala Ala Gly Ala Trp Ser Pro Ala Leu Val Asp Leu Glu Asp Gln Xaa: Val Ser Lys(配列番号:11)断片(6)Asn Phe Met Leu Ala Thr Gly Asp Ser Gly His Ser Phe Lys(配列番号:12)
断片(7)His Pro Thr Asp Thr Tyr Pro His Ala Ser Glu Ala Ser Ile Lys(配列番号:13)
断片(8)Ala Trp Val Tyr Ala His Met Gln Leu Thr Pro Lys(配列番号:14)
【0041】
ピレノケータ エスピー( Pyrenocaeta sp. YH807 FERM P−19210 )フルクトシルアミンオキシダーゼをコードするゲノム DNA のクローニング
(1) 染色体DNAの調製
サブロー培地(グルコース4.0%、ポリペプトン1.0%、pH5.6)100mlを500ml容坂口フラスコに入れ、オートクレーブし、ピレノケータ エスピー(Pyrenocaeta sp.)YH807を植菌した。25℃で4日間振盪培養した後、No.2ろ紙でろ過して菌体を回収した。
【0042】
液体窒素で菌体を凍結し、乳鉢で微粉末になるまで粉砕した。DNA抽出用緩衝液(5.0%SDS、0.1M NaCl、50mM Tris−HCl、pH8.0)15mlを加え、ゆっくり振盪して溶解した。遠心分離(5,000rpm、6min、rt.)により上清を得、フェノール/クロロホルム抽出を3回、エーテル抽出を2回行い、エーテルを蒸発させた後、3M酢酸ナトリウム1ml、エタノール25mlを加え、−30℃で30分間放置した。
【0043】
遠心分離(12,000rpm、10min、4℃)により染色体DNAを回収し、70%エタノール似て洗浄した後、TE400μlに溶解した。次に、得られたDNA溶液にRNase 10μl(0.132U)を加え、37℃で1時間処理した後、プロテイナーゼKを5μl(0.6U)を加え、50℃で1時間処理した。フェノール/クロロホルム抽出(2回)、クロロホルム/イソアミルアルコール抽出(1回)を行った後、エタノール沈殿にてDNAを回収した。70%エタノール溶液により洗浄した後、エタノールを除去し、TE200μlに溶解した。
【0044】
(2) フルクトシルアミンオキシダーゼ遺伝子断片の増幅
i. プライマーの設計
断片(1)中の(Lys) Val (Cys) Asp Glu Phe Pro Glyの配列(配列番号:15)からセンスで P1 プライマーを設計した。
P1 AA(A/G)GT(T/C/A/G)TG(T/C)GA(T/C)GA(A/G)TT(T/C)CC(A/T/G/C)GG(配列番号:16)
断片(2)のMet (Cys) Trp (Cys) Thr Asp Thr Alaの配列(配列番号:17)からアンチセンスで P2 プライマーを設計した。
P2 GC(A/T/G/C)GT(G/A)TC(A/T/G/C)GT(G/A)CACCA(G/A)CACAT(配列番号:18)
【0045】
ii. フルクトシルアミンオキシダーゼ遺伝子断片の取得
前述の方法で得られた染色体DNAを鋳型DNAとしてP1プライマーとP2プライマーの組み合わせでPCR反応を35サイクル行った。その結果、230 bpのDNA断片が特異的に増幅された。得られたDNA断片の塩基配列「配列番号:19」(配列番号:1の 1148 〜 1377 番目までの塩基配列)を決定した。
【0046】
(3)フルクトシルアミンオキシダーゼ遺伝子の塩基配列の決定
i 5’上流域のDNA断片の増幅
「配列番号:19」から P3 プライマーを設計した。
P3 TTTGGCATGAGATCTGGGAACCGA(配列番号:20)
(配列番号:1の 1229 〜 1252 番目までの塩基配列の相補配列)
「配列番号:19」から P4 プライマーを設計した。
P4 GCCCTTGCACCAAATGGTTGATGC(配列番号:21)
(配列番号:1の 1192 〜 1215 番目までの塩基配列の相補配列)
【0047】
5’上流域のDNA断片の増幅は、次のようにして行った。Raeder らの方法(U. Raeder and P. Broda, Lett. Appl. Microb., 1, 17−20 (1985))にしたがって調製した ピレノケータ・エスピーYH807(FERM P−19210)株の染色体DNAを制限酵素 Eco RI で消化した後、宝酒造製 LA−PCR in vitro Cloning kit を用いて、cassette−ligation−mediated PCR を行った。
【0048】
即ち、制限酵素処理断片にEco RIカセット(宝酒造製)を結合させ、このDNAを鋳型 DNAとして C1プライマ−(宝酒造製)及び P3プライマ−をそれぞれ使用して、PCR反応を35サイクル行った。100倍希釈した反応液を鋳型DNAとしてC2プライマ−(宝酒造製)及びP4プライマ−を使用して、PCR反応をさらに35サイクル行った。その結果、1,200 bpのDNA断片が特異的に増幅された。その塩基配列「配列番号:22」(配列番号:1の1 〜 1,180番目の塩基配列)を決定した。
【0049】
ii. 3’下流域のDNA断片の増幅
「配列番号:22」から P5 プライマーを設計した。
P5 TACTTATCCTCACGCATCCGAAGCC(配列番号:23)(配列番号:1の 1,264 〜 1,288 番目までの塩基配列)
「配列番号:22」から P6 プライマーを設計した。
P6 GCGGCATTCTTACCACAGTTCAAGG(配列番号:24)(配列番号:1の 1,307 〜 1,331 番目までの塩基配列)
【0050】
3’下流域のDNA断片の増幅は、次のようにして行った。ピレノケータ・エスピーYH807株の染色体 DNA を制限酵素 Sal I で消化した後、制限酵素処理断片に Sal Iカセット(宝酒造製)を結合させ、宝酒造製 LA−PCR in vitro Cloning kit を用いて、cassette−ligation−mediated PCR を行った。このDNAを鋳型DNAとしてC1プライマ−及びP5プライマ−を使用して、PCR反応を35サイクル行った。
【0051】
100倍希釈した反応液を鋳型DNAとしてC2プライマ−及びP6プライマ−を使用して、PCR反応をさらに35サイクル行った。その結果、720 bp の DNA 断片が特異的に増幅された。増幅されたDNA断片の塩基配列「配列番号:25」(配列番号:1の1,338 〜 2,025番目の塩基配列)を決定した。
配列番号:19、配列番号:22、配列番号:25をつなぎ合わせて、フルクトシルアミンオキシダーゼ遺伝子の塩基配列「配列番号:1」を決定した。
【0052】
得られた塩基配列を元に既知のフルクトシルアミンオキシダーゼとの相同性を検索した結果、ペニスリウム・ヤンシネラム(Penicillium janthinellum)のフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ遺伝子(特開平11−46769)と67.1%、アスペルギルス・ニドランス(Aspergillus nidulans)のフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ遺伝子(Jeong, H. Y. et. al., Arch. Microbiol. 178 (5), 344−350 (2002))と66.7%の相同性を示した。
【0053】
実施例2ピレノケータ エスピー( Pyrenocaeta sp. YH807 FERM P−19210 )フルクトシルアミンオキシダーゼをコードする cDNA のクローニング
(1)全RNAの調製
YM培地(グルコース1.0%、ポリペプトン0.5%、酵母エキス0.3%、麦芽エキス0.3%、KHPO 0.1%、MgSO・7HO 0.05%、pH 6.0)100 mlを500 ml容坂口フラスコに入れ、オートクレーブし、ピレノケータ・エスピーYH807を植菌した。25℃で4日間振盪培養した後、No.2ろ紙でろ過して菌体を回収した。培養後の培養物を液体窒素で凍結した後、乳鉢で粉砕し、ライフテックオリエンタル社製 TRIZOL Reagent を用い、そのプロトコールに従って抽出し、全RNA を得た。
【0054】
(2)フルクトシルアミンオキシダーゼ遺伝子のcDNAの取得
A)プライマ−の設計
転写開始点と思われるATGを推測し、その上流の配列よりP7プライマーを設計した。
P7 AGGAAGAAGTTTCACCTCGACTCCAGC(配列番号:26)(配列番号:1の91〜117番目までの塩基配列)
断片(5)のLys Val Val Leu Ala Ala Gly Alaの配列(配列番号:27)からセンスで P8 プライマーを設計した。
P8 AAAGTTGTCCTGGCAGCTGGTGCA(配列番号:28)(配列番号:1の864〜887番目までの塩基配列)
断片(8)のAla His Met Gln Leu Thr Pro Lysの配列(配列番号:29)からアンチセンスで P9 プライマーを設計した。
P9 CTTCGGGGTGAGCTGCATGTGAGC(配列番号:30)(配列番号:1の864〜887番目までの塩基配列)
【0055】
B)cDNA配列の決定
約1 μgの全RNAから3’−Full RACE Core Set (宝酒造製)用いて、プロトコールに準じた条件でcDNAの合成を行った。得られたcDNAを鋳型DNAとしてプライマ−に3site Adaptor Primer(宝酒造製)とP8プライマー及びP7プライマーとP9プライマーを用いてPCR反応を35サイクル行った。得られたDNA断片の塩基配列を決定して「配列番号:31」(配列番号:1の225〜440番目までのアミノ酸配列)、「配列番号:32」(配列4の1〜237番目までのアミノ酸配列)を決定した。配列番号:31及び配列番号:32をつなぎ合わせて、フルクトシルアミンオキシダーゼ遺伝子cDNAの塩基配列「配列番号:33」を決定した。
【0056】
得られた塩基配列から推定されるアミノ酸配列を元に既知のフルクトシルアミンオキシダーゼとの相同性を検索した結果、ペニスリウム・ヤンシネラム(Penicillium janthinellum)のフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ(特開平11−46769)と71%、アスペルギルス・ニドランス(Aspergillus nidulans)のフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ遺伝子(Jeong, H. Y. et. al., Arch. Microbiol. 178 (5), 344−350 (2002))と74.8%の相同性を示した。
【0057】
実施例3 ピレノケータ エスピー( Pyrenocaeta sp. YH807 FERM P−19210 )フルクトシルアミンオキシダーゼの発現
フルクトシルアミンオキシダーゼを効率よく発現させるため、ピレノケータ エスピー(Pyrenocaeta sp.)YH807(FERM P−19210)株からゲノムDNAを再度クローニングした。
ピレノケータ・エスピー(Pyrenocaeta sp.)YH807フルクトシルアミンオキシダーゼ遺伝子塩基配列を基にP10プライマー、P11プライマーを設計した。
P10 AAAGGATCCATGCATGCTTCACGAGCAAAGACGACAGTGATCGTC(配列番号:34)(配列番号:1の124〜153番目までの塩基配列にEco T22IとBam HIサイトを付加した配列)
P11 ATTGAATTCTTGCTCCCACGTGCTTCAGGCCTGAAAAGG(配列番号:35)(配列番号:1の1,941〜1,970番目までの塩基配列の相補配列にEco RIサイトを付加した配列)
【0058】
Raeder らの方法(U. Raeder and P. Broda, Lett. Appl. Microb., 1, 17−20 (1985))にしたがって調製したピレノケータ・エスピー( Pyrenochaeta sp.)YH807株の染色体DNAを単離精製し、そのDNA を鋳型DNAとして P10プライマーとP11プライマーを用いてPCR 反応を35サイクル行った。その結果、約 1,900bpの DNA 断片が得られた。得られた DNA 断片を制限酵素 EcoT22I 及び Eco RI で消化した後、制限酵素 EcoT22I 及び Eco RI で消化したベクター pTF100 (N. Kitamoto, J. Matsui, Y. Kawai, Y. Kato, S. Yoshino, K. Ohmiya, and N. Tsukagoshi, Appl. Microbiol. Biotechnol., 50, 85 − 92 (1998))に組み込みフルクトシルアミンオキシダーゼ遺伝子を含むベクターpTFFAODP100を作製した。
【0059】
上述の方法で作成した組み込みベクターpTFFAODP100 でアスペルギルス・オリゼー( A. oryzae)KBN616−39( niaD) 株を形質転換した。すべての形質転換株をGP 培地(N. Kitamoto, J. Matsui, Y. Kawai, Y. Kato, S. Yoshino, K. Ohmiya, and N. Tsukagoshi, Appl. Microbiol. Biotechnol., 50, 85 − 92 (1998)) 100 mlを用い、30℃、5日間液体振盪培養を行ったところ、5.98ユニット/ml のフルクトシルアミンオキシダーゼ活性(基質としてフルクトシルバリルヒスチジンを使用し、測定は特願2003−67266に準じて行った。)を有するフルクトシルアミンオキシダーゼ高生産アスペルギルス・オリゼー(A. oryzae)FAODP株を得ることができた。酵素活性1単位は37℃で1分間に1マイクロモルの過酸化水素を生成させる酵素量とした。
【0060】
また、同じ培養液を濃縮後、Laemmli の方法に基づく SDS−PAGE を行ったところ、精製したフルクトシルアミンオキシダーゼと同様の位置にバンドが存在し、同様のフルクトシルアミンオキシダーゼの発現が確認できた。
【0061】
実施例4. アルスリニウム・エスピー( Arthrinium sp.)TO6 (FERM P−19211 )フルクトシルアミンオキシダーゼをコードするゲノムDNAのクローニング
(1)染色体DNAの調製
サブロー培地(グルコース4.0%、ポリペプトン1.0%、pH5.6)100mlを500ml容坂口フラスコに入れ、オートクレーブし、アルスリニウム・エスピー(Arthrinium sp.)TO6を植菌した。25℃で4日間振盪培養した後、No.2ろ紙でろ過して菌体を回収した。
【0062】
液体窒素で菌体を凍結し、乳鉢で微粉末になるまで粉砕した。DNA抽出用緩衝液(5.0%SDS、0.1M NaCl、50mM Tris−HCl、pH8.0)15mlを加え、ゆっくり振盪して溶解した。遠心分離(5,000rpm、6min、rt.)により上清を得、フェノール/クロロホルム抽出を3回、エーテル抽出を2回行い、エーテルを蒸発させた後、3M酢酸ナトリウム1ml、エタノール25mlを加え、−30℃で30分間放置した。
【0063】
遠心分離(12,000rpm、10min、4℃)により染色体DNAを回収し、70%エタノール似て洗浄した後、TE400μlに溶解した。次に、得られたDNA溶液にRNase 10μl(0.132U)を加え、37℃で1時間処理した後、プロテイナーゼKを5μl(0.6U)を加え、50℃で1時間処理した。フェノール/クロロホルム抽出(2回)、クロロホルム/イソアミルアルコール抽出(1回)を行った後、エタノール沈殿にてDNAを回収した。70%エタノール溶液により洗浄した後、エタノールを除去し、TE200μlに溶解した。
【0064】
(2)フルクトシルアミンオキシダーゼ遺伝子断片の増幅
i. プライマーの設計
実施例1、実施例2に記載のピレノケータ・エスピー(Pyrenocaeta sp.)YH807(FERM P−19210)由来フルクトシルアミンオキシダーゼ遺伝子のアミノ酸配列(配列番号1)を基に下記のP12〜P17プライマーを設計した。
配列番号:1のPhe Arg Asp Phe Phe His Asnの配列(配列番号:36)(85〜91番目までのアミノ酸配列)からセンスで P12 プライマーを設計した。
P12 TT(T/C)(A/C)A(T/C/A/G)GA(T/C)TT(T/C)TT(T/C)CA(T/C)AA(T/C)GT(配列番号:37)
【0065】
配列番号:1のLys Ala Ile Asn Ala Ile Glyの配列(配列番号:38)(164〜170番目までのアミノ酸配列)からセンスで P13 プライマーを設計した。
P13 AA(A/G)GC(C/T)AT(C/T)AACGC(C/T)AT(C/T)GG(配列番号:39)
配列番号:1のPhe Phe Phe Glu Pro Asn Gluの配列(配列番号:40)(265〜271番目までのアミノ酸配列)からセンスで P14 プライマーを設計した。
P14 TT(T/C)TT(T/C)TT(T/C)GA(A/G)CC(T/A/C)AA(T/C)GA(配列番号:41)
配列番号:1のPhe Phe Phe Glu Pro Asn Gluの配列(配列番号:42)(265〜271番目までのアミノ酸配列)からアンチセンスで P15 プライマーを設計した。
P15 TC(A/G)TT(A/T/G)GG(T/C)TC(A/G)AA(A/G)AA(A/G)AA(配列番号:43)
【0066】
配列番号:1のMet Cys Trp Cys Thr Asp Thrの配列(配列番号:44)(344〜350番目までのアミノ酸配列)からアンチセンスで P16 プライマーを設計した。
P16 GTGTC(T/C/G)GTGCACCAGCACAT(配列番号:45)
配列番号:1のAsn Ile Gly Lys His Val Valの配列(配列番号:46)(382〜388番目までのアミノ酸配列)からアンチセンスで P17 プライマーを設計した。
P17 AC(C/G)ACGTGCTT(A/G)CC(A/G)ATGTT(配列番号:47)
【0067】
ii. フルクトシルアミンオキシダーゼ遺伝子断片の取得
前述の方法で得られた染色体DNAを鋳型DNAとしてP12プライマーとP17プライマーの組み合わせでPCR反応を35サイクル行った。その結果、約900 bpのDNA断片が特異的に増幅された。得られたDNA断片の塩基配列「配列番号:48」(配列番号:3の601 〜 1494 番目までの塩基配列)を決定した。
【0068】
(3) フルクトシルアミンオキシダーゼ遺伝子の塩基配列の決定
i. 5’上流域のDNA断片の増幅
「配列番号:48」から P18 プライマーを設計した。
P18 TCTTTGCCAGGATGGCATCCTCA(配列番号:49)(配列番号:3の 726 〜 748 番目までの塩基配列の相補配列)
「配列番号:48」から P19 プライマーを設計した。
P19 AGCAAGGTCTGGTACTGCTGCTT(配列番号:50)(配列番号:3の 658 〜 680 番目までの塩基配列の相補配列)
【0069】
5’上流域のDNA断片の増幅は、次のようにして行った。Raeder らの方法(U. Raeder and P. Broda, Lett. Appl. Microb., 1, 17−20 (1985))にしたがって調製した Arthrinium sp. TO6株の染色体DNAを制限酵素 Pst I で消化した後、宝酒造製 LA−PCR in vitro Cloning kit を用いて、cassette−ligation−mediated PCR を行った。
【0070】
即ち、制限酵素処理断片にPst Iカセット(宝酒造製)を結合させ、このDNAを鋳型 DNAとして C1プライマ−(宝酒造製)及び P18プライマ−をそれぞれ使用して、PCR反応を35サイクル行った。100倍希釈した反応液を鋳型DNAとしてC2プライマ−(宝酒造製)及びP19プライマ−を使用して、PCR反応をさらに35サイクル行った。その結果、約700 bpのDNA断片が特異的に増幅された。その塩基配列「配列番号:51」(配列番号:3の1 〜 641番目の塩基配列)を決定した。
【0071】
ii. 3’下流域のDNA断片の増幅
「配列番号:48」から P20 プライマーを設計した。
P20 ATGTGCTGGTGCACCGACACG(配列番号:52)(配列番号:3の 1,375 〜 1,395 番目までの塩基配列)
「配列番号:48」から P21 プライマーを設計した。
P21 TATTCTGGCTACGGGCGACAGC(配列番号:53)(配列番号:3の 1,443 〜 1,464 番目までの塩基配列)
【0072】
3’下流域のDNA断片の増幅は、次のようにして行った。アルスリニウム・エスピーTO6株の染色体 DNA を制限酵素Eco RIで消化した後、制限酵素処理断片に Eco RIカセット(宝酒造製)を結合させ、宝酒造製 LA−PCR in vitro Cloning kit を用いて、cassette−ligation−mediated PCR を行った。このDNAを鋳型DNAとしてC1プライマ−及びP20プライマ−を使用して、PCR反応を35サイクル行った。
【0073】
100倍希釈した反応液を鋳型DNAとしてC2プライマ−及びP21プライマ−を使用して、PCR反応をさらに35サイクル行った。その結果、1,200 bp の DNA 断片が特異的に増幅された。増幅されたDNA断片の塩基配列「配列番号:54」(配列番号:3の1,500 〜 1,876番目の塩基配列)を決定した。
配列番号:48、配列番号:51、配列番号:54をつなぎ合わせて、フルクトシルアミンオキシダーゼ遺伝子の塩基配列「配列番号:3」を決定した。
【0074】
得られた塩基配列を元に既知のフルクトシルアミンオキシダーゼとの相同性を検索した結果、ピレノケータ・エスピーYH807のフルクトシルアミンオキシダーゼと70.0%、ペニスリウム・ヤンシネラムのフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ遺伝子(特開平11−46769)と66.9%、アスペルギルス・ニドランスのフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ遺伝子(Jeong, H. Y. et. al., Arch. Microbiol. 178 (5), 344−350 (2002))と70.7%の相同性を示した。
【0075】
実施例5 アルスリニウム・エスピー( Arthrinium sp. TO6 FERM P−19211 )フルクトシルアミンオキシダーゼをコードする cDNA のクローニング
(1)全RNAの調製
YM培地(グルコース1.0%、ポリペプトン0.5%、酵母エキス0.3%、麦芽エキス0.3%、KHPO 0.1%、MgSO・7HO 0.05%、pH 6.0)100 mlを500 ml容坂口フラスコに入れ、オートクレーブし、アルスリニウム・エスピー TO6を植菌した。25℃で4日間振盪培養した後、No.2ろ紙でろ過して菌体を回収した。培養後の培養物を液体窒素で凍結した後、乳鉢で粉砕し、ライフテックオリエンタル社製 TRIZOL Reagent を用い、そのプロトコールに従って抽出し、全RNA を得た。
【0076】
(2)フルクトシルアミンオキシダーゼ遺伝子のcDNAの取得
A)プライマ−の設計
転写開始点と思われるATGを推測し、その上流の配列よりP22プライマーを設計した。
P22 GGATTCCACAGGGGCTTCAACAACACC(配列番号:55)(配列番号:3の310〜336番目までの塩基配列)
断片(5)のLys Val Val Leu Ala Ala Gly Alaの配列(配列番号:56)からセンスで P23 プライマーを設計した。
P23 AAGGTCGTCCTGGCCGCGGGCGCG(配列番号:57)(配列番号:3の979〜1002番目までの塩基配列)
断片(8)のAla His Met Gln Leu Thr Pro Hisの配列(配列番号:58)からアンチセンスで P24 プライマーを設計した。
P24 GCCCACATGCAGCTGACGCCGCAC(配列番号:59)(配列番号:3の1060〜1083番目までの塩基配列)
【0077】
B)cDNA配列の決定
約1μgの全RNAから3’−Full RACE Core Set (宝酒造製)用いて、プロトコールに準じた条件でcDNAの合成を行った。得られたcDNAを鋳型DNAとしてプライマ−に3site Adaptor Primer(宝酒造製)とP23プライマー及びP22プライマーとP24プライマーを用いてPCR反応を35サイクル行った。得られたDNA断片の塩基配列を決定して「配列番号:60」(配列番号:3の213〜452番目までのアミノ酸配列)、「配列番号:61」(配列番号:3の1〜239番目までのアミノ酸配列)を決定した。配列番号:60及び配列番号:61をつなぎ合わせて、フルクトシルアミンオキシダーゼ遺伝子cDNAの塩基配列「配列番号:62」を決定した。
【0078】
得られた塩基配列から推定されるアミノ酸配列を元に既知のフルクトシルアミンオキシダーゼとの相同性を検索した結果、ピレノケータ・エスピーYH807のフルクトシルアミンオキシダーゼと80.2%、ペニシリウム・ヤンシネラムのフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ(特開平11−46769)と74.6%、アスペルギルス・ニドランスのフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ遺伝子(Jeong, H. Y. et. al., Arch. Microbiol. 178 (5), 344−350 (2002))と74.3%の相同性を示した。
【0079】
実施例6.アルスリニウム・エスピー( Arthrinium sp. TO6 FERM P−19211 )フルクトシルアミンオキシダーゼの発現
フルクトシルアミンオキシダーゼを効率よく発現させるため、アルスリニウム・エスピー(Arthrinium sp.)TO6(FERM P−19211)株からゲノムDNAを再度クローニングした。
アルスリニウム・エスピー(Arthrinium sp.)TO6フルクトシルアミンオキシダーゼ遺伝子の転写開始点下流の配列を基にP25プライマー、P26プライマーを設計した。
P25 AAAGGATCCATGCATCGTCACGAAAGACCACCAAAGTGATTGTCG(配列番号:63)(配列番号:3の344〜373番目までの塩基配列にEco T22IとBam HIサイトを付加した配列)
P26 ATTGAATTCTTGGTGTCACCCACTTGGGGAAACAAATCA(配列番号:64)(配列番号:3の1,831〜1,860番目までの塩基配列の相補配列にEco RIサイトを付加した配列)
【0080】
Raeder らの方法(U. Raeder and P. Broda, Lett. Appl. Microb., 1, 17−20 (1985))にしたがって調製したアルスリニウム・エスピー(Arthrinium sp.)TO6株の染色体DNAを単離精製し、そのDNA を鋳型DNAとして P25プライマーとP26プライマーを用いてPCR 反応を35サイクル行った。その結果、約 1,500bpの DNA断片が得られた。得られた DNA 断片を制限酵素 EcoT22I 及び Eco RI で消化した後、制限酵素 EcoT22I 及び Eco RI で消化したベクター pTF100 (N. Kitamoto, J. Matsui, Y. Kawai, Y. Kato, S. Yoshino, K. Ohmiya, and N. Tsukagoshi, Appl. Microbiol. Biotechnol., 50, 85 − 92 (1998))に組み込みフルクトシルアミンオキシダーゼ遺伝子を含むベクターpTFFAODA100を作製した。
【0081】
上述の方法で作成した組み込みベクターpTFFAODA100 でアスペルギルス・オリゼー( A. oryzae)KBN616−39( niaD) 株を形質転換した。すべての形質転換株をGP 培地(N. Kitamoto, J. Matsui, Y. Kawai, Y. Kato, S. Yoshino, K. Ohmiya, and N. Tsukagoshi, Appl. Microbiol. Biotechnol., 50, 85 − 92 (1998)) 100 mlを用い、30℃、5日間液体振盪培養を行ったところ、5.31ユニット/ml のフルクトシルアミンオキシダーゼ活性(基質としてフルクトシルバリルヒスチジンを使用し、測定は特願2003−67266に準じて行った。)を有するフルクトシルアミンオキシダーゼ高生産アスペルギルス・オリゼー(A. oryzae)FAODA株を得ることができた。
【0082】
また、同じ培養液を濃縮後、Laemmli の方法に基づく SDS−PAGE を行ったところ、精製したフルクトシルアミンオキシダーゼと同様の位置にバンドが存在し、同様のフルクトシルアミンオキシダーゼの発現が確認できた。
【0083】
実施例7 カーブラリア・クラベータ( Curvularia claveta YH923 (FERM−P19209) フルクトシルアミンオキシダーゼをコードするゲノム DNA のクローニング
(1)染色体DNAの調製
サブロー培地(グルコース4.0%、ポリペプトン1.0%、pH5.6)100mlを500ml容坂口フラスコに入れ、オートクレーブし、カーブラリア・クラベータ(Curvularia claveta. )YH923を植菌した。25℃で4日間振盪培養した後、No.2ろ紙でろ過して菌体を回収した。
【0084】
液体窒素で菌体を凍結し、乳鉢で微粉末になるまで粉砕した。DNA抽出用緩衝液(5.0%SDS、0.1M NaCl、50mM Tris−HCl、pH8.0)15mlを加え、ゆっくり振盪して溶解した。遠心分離(5,000rpm、6min、rt.)により上清を得、フェノール/クロロホルム抽出を3回、エーテル抽出を2回行い、エーテルを蒸発させた後、3M酢酸ナトリウム1ml、エタノール25mlを加え、−30℃で30分間放置した。
【0085】
遠心分離(12,000rpm、10min、4℃)により染色体DNAを回収し、70%エタノール似て洗浄した後、TE400μlに溶解した。次に、得られたDNA溶液にRNase 10μl(0.132U)を加え、37℃で1時間処理した後、プロテイナーゼKを5μl(0.6U)を加え、50℃で1時間処理した。フェノール/クロロホルム抽出(2回)、クロロホルム/イソアミルアルコール抽出(1回)を行った後、エタノール沈殿にてDNAを回収した。70%エタノール溶液により洗浄した後、エタノールを除去し、TE200μlに溶解した。
【0086】
(2)フルクトシルアミンオキシダーゼ遺伝子断片の増幅
i. プライマーの設計
実施例4に記載のP12〜P17プライマーを設計した。
【0087】
ii. フルクトシルアミンオキシダーゼ遺伝子断片の取得
前述の方法で得られた染色体DNAを鋳型DNAとしてP13プライマーとP17プライマーの組み合わせでPCR反応を35サイクル行った。その結果、それぞれ約800 bpのDNA断片が特異的に増幅された。得られたDNA断片の塩基配列「配列番号:65」(配列番号:6の 1021 〜 1790 番目までの塩基配列)を決定した。
【0088】
フルクトシルアミンオキシダーゼ遺伝子の塩基配列の決定
i. 5’上流域のDNA断片の増幅
「配列番号:65」から P27 プライマーを設計した。
P27 GCCAAAAGAGGCTGCTTGAACGAT(配列番号:66)(配列番号:5の 1083 〜 1106 番目までの塩基配列の相補配列)
「配列番号:65」から P28 プライマーを設計した。
P28 CGATCCAGCACCACCAAAACCAAAC(配列番号:67)(配列番号:5の 1062 〜 1086 番目までの塩基配列の相補配列)
【0089】
5’上流域のDNA断片の増幅は、次のようにして行った。Raeder らの方法(U. Raeder and P. Broda, Lett. Appl. Microb., 1, 17−20 (1985))にしたがって調製したカーブラリア・クラベータ(Curvularia claveta) YH923株の染色体DNAを制限酵素 Xba I で消化した後、宝酒造製 LA−PCR in vitro Cloning kit を用いて、cassette−ligation−mediated PCR を行った。
【0090】
即ち、制限酵素処理断片にXba Iカセット(宝酒造製)を結合させ、このDNAを鋳型 DNAとして C1プライマ−(宝酒造製)及び P27プライマ−をそれぞれ使用して、PCR反応を35サイクル行った。100倍希釈した反応液を鋳型DNAとしてC2プライマ−(宝酒造製)及びP28プライマ−を使用して、PCR反応をさらに35サイクル行った。その結果、1,200 bpのDNA断片が特異的に増幅された。その塩基配列「配列番号:68」(配列番号:5の1 〜 1044番目の塩基配列)を決定した。
【0091】
ii. 3’下流域のDNA断片の増幅
「配列番号:65」から P29 プライマーを設計した。
P29 TGGTGCCAGAACAACATGTACTGACC(配列番号:69)(配列番号:5の 1,713 〜 1,738 番目までの塩基配列)
「配列番号:65」から P30 プライマーを設計した。
P30 ACCTGGTTTGCCTAGGCACACA(配列番号:70)(配列番号:5の 1,736 〜 1,757 番目までの塩基配列)
【0092】
3’下流域のDNA断片の増幅は、次のようにして行った。カーブラリア・クラベータ(Curvularia claveta) YH923株の染色体 DNA を制限酵素 Sal I で消化した後、制限酵素処理断片に Sal Iカセット(宝酒造製)を結合させ、宝酒造製 LA−PCR in vitro Cloning kit を用いて、cassette−ligation−mediated PCR を行った。このDNAを鋳型DNAとしてC1プライマ−及びP29プライマ−を使用して、PCR反応を35サイクル行った。100倍希釈した反応液を鋳型DNAとしてC2プライマ−及びP30プライマ−を使用して、PCR反応をさらに35サイクル行った。その結果、1,000 bp の DNA 断片が特異的に増幅された。増幅されたDNA断片の塩基配列「配列番号:71」(配列番号:5の1,775 〜 2,212番目の塩基配列)を決定した。
配列番号:65、配列番号:68、配列番号:71をつなぎ合わせて、フルクトシルアミンオキシダーゼ遺伝子の塩基配列「配列番号:5」を決定した。
【0093】
得られた塩基配列を元に既知のフルクトシルアミンオキシダーゼとの相同性を検索した結果、ピレノケータ・エスピーYH807のフルクトシルアミンオキシダーゼと75.0%、アルスリニウム・エスピーTO6のフルクトシルアミンオキシダーゼと71.5%、ペニシリウム・ヤンシネラムのフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ遺伝子(特開平11−46769)と67.2%、アスペルギルス・ニドランスのフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ遺伝子(Jeong, H. Y. et. al., Arch. Microbiol. 178 (5), 344−350 (2002))と67.8%の相同性を示した。
【0094】
実施例8 カーブラリア・クラベータ( Curvularia claveta. YH923 (FERM−P19209) フルクトシルアミンオキシダーゼをコードする cDNA のクローニング
(1)全RNAの調製
YM培地(グルコース1.0%、ポリペプトン0.5%、酵母エキス0.3%、麦芽エキス0.3%、KHPO 0.1%、MgSO・7HO 0.05%、pH 6.0)100 mlを500 ml容坂口フラスコに入れ、オートクレーブし、カーブラリア・クラベータ(Curvularia claveta)YH923を植菌した。25℃で4日間振盪培養した後、No.2ろ紙でろ過して菌体を回収した。培養後の培養物を液体窒素で凍結した後、乳鉢で粉砕し、ライフテックオリエンタル社製 TRIZOL Reagent を用い、そのプロトコールに従って抽出し、全RNA を得た。
【0095】
(2)フルクトシルアミンオキシダーゼ遺伝子のcDNAの取得
A)プライマ−の設計
転写開始点と思われるATGを推測し、その上流の配列よりP31プライマーを設計した。
P31 TCATTTAGACATGGCGCCCTCAAGAGC(配列番号:72)(配列番号:5の471〜500番目までの塩基配列)
断片(5)のLys Val Val Leu Ala Ala Gly Alaの配列(配列番号:73)からセンスで P32 プライマーを設計した。
P32 AAAGTTGTGCTTGCAGCTGGTGCTTG(配列番号:74)(配列番号:5の1,162〜1,187番目までの塩基配列)
断片(8)のAla His Ile Gln Leu Thr Pro Gluの配列(配列番号:75)からアンチセンスで P33 プライマーを設計した。
P33 TCCTCAGGCGTAAGCTGTATGTGAGC(配列番号:76)(配列番号:5の1,292〜1,317番目までの塩基配列)
【0096】
B)cDNA配列の決定
約1μgの全RNAから3’−Full RACE Core Set (宝酒造製)用いて、プロトコールに準じた条件でcDNAの合成を行った。得られたcDNAを鋳型DNAとしてプライマ−に3site Adaptor Primer(宝酒造製)とP32プライマー及びP31プライマーとP33プライマーを用いてPCR反応を35サイクル行った。得られたDNA断片の塩基配列を決定して「配列番号:77」(配列番号:5の213〜440番目までのアミノ酸配列)、「配列番号:78」(配列番号:5の1〜237番目までのアミノ酸配列)を決定した。配列番号:77及び配列番号:78をつなぎ合わせて、フルクトシルアミンオキシダーゼ遺伝子cDNAの塩基配列「配列番号:79」を決定した。
【0097】
得られた塩基配列から推定されるアミノ酸配列を元に既知のフルクトシルアミンオキシダーゼとの相同性を検索した結果、ピレノケータ・エスピーYH807のフルクトシルアミンオキシダーゼと86.1%、アルスリニウム・エスピーTO6のフルクトシルアミンオキシダーゼと80.3%、ペニシリウム・ヤンシネラムのフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ(特開平11−46769)と75.2%、アスペルギルス・ニドランスのフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ遺伝子(Jeong, H. Y. et. al., Arch. Microbiol. 178 (5), 344−350 (2002))と74.6%の相同性を示した。
【0098】
実施例9 カーブラリア・クラベータ( Curvularia claveta YH923 (FERM−P19209) フルクトシルアミンオキシダーゼの発現
フルクトシルアミンオキシダーゼを効率よく発現させるため、カーブラリア・クラベータ(Curvularia claveta)YH923株からゲノムDNAを再度クローニングした。
カーブラリア・クラベータ(Curvularia claveta)YH923フルクトシルアミンオキシダーゼ遺伝子の塩基配列を基にP34プライマー、P35プライマーを設計した。
P34 GACATGCATCCCTCAAGAGCAAACACTTCTGTTATCGTT(配列番号:80)(配列番号:5の477〜506番目までの塩基配列にEco T22IとBam HIサイトを付加した配列)
P35 TCCATGCATGTGCCAGATCCTCCGCGAGTGTACCC(配列番号:81)(配列番号:5の1,805〜1,839番目までの塩基配列の相補配列)
P36 CACATGCATGGAGATGGCGGCCTGGTACTGGCGAT(配列番号:82)(配列番号:5の1,828〜1,862番目までの塩基配列)
P37 ATTGAATTCTCAGATTCTTTCCCCTGCACCAGTCGCACC(配列番号:83)(配列番号:5の2,281〜2,210番目までの塩基配列の相補配列にEco RIサイトを付加した配列)
【0099】
Raeder らの方法(U. Raeder and P. Broda, Lett. Appl. Microb., 1, 17−20 (1985))にしたがって調製したカーブラリア・クラベータ(Curvularia claveta)YH923株の染色体DNAを単離精製し、そのDNA を鋳型DNAとして P34プライマーとP35プライマー、P36プライマーとP37プライマーを用いてPCR 反応を35サイクル行った。その結果、約 1,400bpと約400bpの DNA 断片が得られた。得られた DNA 断片を制限酵素 EcoT22I 及び Eco RI で消化した後、制限酵素 EcoT22I 及び Eco RI で消化したベクター pTF100 (N. Kitamoto, J. Matsui, Y. Kawai, Y. Kato, S. Yoshino, K. Ohmiya, and N. Tsukagoshi, Appl. Microbiol. Biotechnol., 50, 85 − 92 (1998))に組み込みフルクトシルアミンオキシダーゼ遺伝子を含むベクターpTFFAODC100を作製した。
【0100】
上述の方法で作成した組み込みベクターpTFFAODC100 でアスペルギルス・オリゼー( A. oryzae)KBN616−39( niaD) 株を形質転換した。すべての形質転換株をGP 培地(N. Kitamoto, J. Matsui, Y. Kawai, Y. Kato, S. Yoshino, K. Ohmiya, and N. Tsukagoshi, Appl. Microbiol. Biotechnol., 50, 85 − 92 (1998)) 100 mlを用い、30℃、5日間液体振盪培養を行ったところ、6.52ユニット/ml のフルクトシルアミンオキシダーゼ活性(基質としてフルクトシルバリルヒスチジンを使用し、測定は特願2003−67266に準じて行った。)を有するフルクトシルアミンオキシダーゼ高生産アスペルギルス・オリゼー(A. oryzae)FAODC株を得ることができた。
【0101】
また、同じ培養液を濃縮後、Laemmli の方法に基づく SDS−PAGE を行ったところ、精製したフルクトシルアミンオキシダーゼと同様の位置にバンドが存在し、同様のフルクトシルアミンオキシダーゼの発現が確認できた。
【0102】
比較例1 ペニシリウム・ヤンシネラム NBRC6581 由来フルクトシルアミノ酸オキシダーゼの基質特異性
<培養方法と酵素調製方法>
500mlの坂口フラスコに100mlの0.5%のフルクトシル−ε−リジン、1.0%のグルコース、0.1%のリン酸2カリウム、0.1%リン酸1ナトリウム、0.05%硫酸マグネシウム、0.01%塩化カリウム、0.2%酵母エキスを含有する培地(pH 6.0)をそれぞれ入れ、殺菌後、ペニシリウム・ヤンシネラムNBRC6581菌株を植菌し、28℃、48時間間振とう培養した。培養終了後、集菌し、液体窒素で凍結した菌体を乳鉢で磨砕して菌体破砕を行い、40 mlの0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH 7.3)を加えて、5℃で1晩放置した後、遠心分離して無細胞抽出液を得た。
【0103】
得られた無細胞抽出液を濃縮後、0.2Mリン酸カリウム緩衝液(pH7.5)にて平衡化したハイロード16/60スーパーデックス200pg(アマシャムファルマシア バイオテク製)によるゲルろ過を行い、フルクトシルバリンに作用するフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ画分(分子量約50,000〜10,000)を集めた。得られたフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ画分を濃縮し、フルクトシルアミノ酸オキシダーゼを得た。得られた酵素液のフルクトシルバリンに対する活性は4.3mU/mlであった。
【0104】
得られたフルクトシルアミノ酸オキシダーゼを用いてフルクトシルバリルヒスチジン、フルクトシルバリルロイシンに対する作用を調べた。測定方法は特願2003−67266に準じて行った。その結果、ペニシリウム・ヤンシネラムNBRC6581由来フルクトシルアミノ酸オキシダーゼは、フルクトシルバリルヒスチジンならびにフルクトシルバリルロイシンには全く作用しなかった。
【0105】
比較例2 アスペルギルス・ニドランス FGSCA4 由来フルクトシルアミノ酸オキシダーゼの基質特異性
<培養方法と酵素調製方法>
500ml坂口フラスコに100mlの1.0%のフルクトシルバリン、2.0%のグルコース、1.0%のポリペプトンを含有する培地(pH6.0)をそれぞれ入れ、殺菌後、アスペルギルス・ニドランスFGSCA4株を植菌し、30℃、48時間振とう培養した。培養終了後、集菌し、液体窒素で凍結した菌体を乳鉢で磨砕して菌体破砕を行い、40mlの0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH7.3)を加え、5℃で一晩放置した後、遠心分離して無細胞抽出液を得た。
【0106】
得られた無細胞抽出液を濃縮した後、0.2Mリン酸カリウム緩衝液(pH7.5)にて平衡化したハイロード16/60スーパーデックス200pg(アマシャムファルマシアバイオテク製)による濾過を行い、フルクトシルバリンに作用するフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ画分(分子量約50,000〜10,000)を集めた。得られたフルクトシルアミノ酸オキシダーゼ画分を濃縮し、フルクトシルアミノ酸オキシダーゼを得た。得られた酵素液を用いて特願2003−67266に準じてフルクトシルバリンに対する活性を測定したところ、3.5mU/mlであった。
【0107】
また、得られたフルクトシルアミノ酸オキシダーゼを用いてフルクトシルバリルヒスチジン、フルクトシルバリルロイシンに対する対する作用を同様に調べた結果、アスペルギルス・ニドランスFGSCA4由来フルクトシルアミノ酸オキシダーゼは、フルクトシルバリルヒスチジン及びフルクトシルバリルロイシンに全く作用しなかった。
【0108】
【配列表】
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Claims (6)

  1. 配列番号:2、配列番号:4又は配列番号:6に示すアミノ酸配列を有する 1−デオキシフルクトシル−L−バリル−L−ヒスチジンに作用し、1−デオキシフルクトシル−L−バリル−L−ロイシンに実質的に作用しないフルクトシルアミンオキシダーゼをコードする遺伝子。
  2. 配列番号:2、配列番号:4又は配列番号:6に示すアミノ酸配列中のアミノ酸配列において、1個又は複数個のアミノ酸の欠失、付加及び/又は置換により修飾されたアミノ酸配列を有し、且つ1−デオキシフルクトシル−L−バリル−L−ヒスチジンに作用し、1−デオキシフルクトシル−L−バリル−L−ロイシンに実質的に作用しないフルクトシルアミンオキシダーゼ活性を有する修飾された1−デオキシフルクトシル−L−バリル−L−ヒスチジンに作用し、1−デオキシフルクトシル−L−バリル−L−ロイシンに実質的に作用しないフルクトシルアミンオキシダーゼをコードする遺伝子。
  3. 配列番号:1、配列番号:3又は配列番号:5に示す塩基配列を有する核酸のエクソン領域とストリンジェント条件下でハイブリダイズすることができ、且つ1−デオキシフルクトシル−L−バリル−L−ヒスチジンに作用し、1−デオキシフルクトシル−L−バリル−L−ロイシンに実質的に作用しないフルクトシルアミンオキシダーゼ活性を有するタンパク質をコードする遺伝子。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の遺伝子を含んでなるベクター。
  5. 請求項4に記載のベクターにより形質転換された宿主細胞。
  6. 1−デオキシフルクトシル−L−バリル−L−ヒスチジンに作用し、1−デオキシフルクトシル−L−バリル−L−ロイシンに実質的に作用しないフルクトシルアミンオキシダーゼの製造方法において、請求項5に記載の宿主細胞を培養し、該培養物から、1−デオキシフルクトシル−L−バリル−L−ヒスチジンに作用し、1−デオキシフルクトシル−L−バリル−L−ロイシンに実質的に作用しないフルクトシルアミンオキシダーゼを採取することを特徴とする方法。
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