JP2004273370A - 燃料電池セパレータ用チタン系材料とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐食性に優れ、長時間使用しても接触電気抵抗の増加が小さい接触通電材を提供する。
【解決手段】TiB 系析出物が析出分散したチタン系材料を酸性水溶液中で腐食して、その表面に導電性を有するTiB 系金属析出物粒子を露出させ、次いでpHが7以上であるアルカリ性水溶液中により中和処理を行い、その後さらに水洗、乾燥する。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、チタン系材料すなわち純チタンおよびチタン合金とその製造方法に関する。
【0002】
さらに詳述すれば、本発明は、特に固体高分子型燃料電池用のセパレータとして好適である、接触電気抵抗が小さく、耐食性に優れたチタン系材料とその製造方法に関する。
【0003】
【従来の技術】
最近多くの注目を浴びている燃料電池には幾つかの形態があるが、そのうちで固体高分子型燃料電池は、低公害電気自動車搭載用電源としてその実用化が期待されているものの一つである。
【0004】
図1は、固体高分子型燃料電池の構造の一例を分解して示す説明図であり、この型の燃焼電池は、固体高分子電解質膜10の1面に燃料電極膜( アノード)12 を、他面に酸化剤電極膜( カソード)14 が積層されており、その両面にセパレータ16a 、16b が重ねられた構造となっている。
【0005】
セパレータはバイポーラプレートとも呼ばれ、グラファイト、カーボン板、ステンレス鋼板などによって構成されている。それぞれの材料について開発の努力が続けられている現状であるが、これらは大きく分けて非金属系材料と金属系材料とに区分される。
【0006】
ところで、そのうちの金属系材料に関して、耐食性の問題を考えると、ステンレス鋼、アルミニウムおよびニッケル−鉄合金などが考えられ、研究が行われている。 (特許文献1、段落0006)
しかしながら、金属系材料においては、例えば、このようなセパレータ16がステンレス鋼板またはチタン板から構成される場合、セパレータ16と電極膜12、14との接続は図2に示すように、金めっきなどの貴金属めっき層20を設けることでその導通をとっている。 (特許文献1、請求項4および特許文献2)
すなわち、表面に不働態膜を備えたステンレス鋼のような金属材料をそのままセパレータに用いても、接触抵抗が高いばかりでなく、耐食性が十分でなく金属の溶出が起こり、溶出金属イオンにより担持触媒性能が劣化する。また、溶出後に生成するCr−OH、Fe−OHのような腐食生成物により、セパレータの接触抵抗が増加するという問題があるので、金属材料からなるセパレータには、コストを度外視した金めっき等の貴金属めつきを施すのが良いとされているのが現状である。
【0007】
なお、ステンレス鋼板の表面に生成する不働態皮膜の表面の接触抵抗が非常に大きく、通常の市販品では、100 Ωm ・cm以上となる。
ところで、固体高分子型燃料電池は、自動車搭載用ということで、軽量化が求められており、ステンレス鋼板と比較して軽量化が図られるチタン系材料が着目されてきている。 (特許文献3)
チタン系材料の場合にもステンレス鋼と同様に不働態皮膜の存在による問題があるが、チタン系材料の場合には、めっきが容易でないことから、貴金属をめっきして導通をとるという解決策を取ることはできない。
【0008】
ここに、本明細書においては純チタンおよびチタン合金を総称してチタン系材料という。
【0009】
【特許文献1】特開平10−228914号公報、段落0006、請求項4
【特許文献2】特開2001−6713号公報
【特許文献3】特開2001−357862号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
固体高分子型電池では電池セパレータの表面抵抗や接触抵抗を下げることで接触部分で発生する多量のジュール熱を下げることが有効である。また実際にセパレータを燃料電池に組み込む場合にはセパレータを数十枚、数百枚を重ねて用いるため、燃料電池自体の重量がかなり増加することから、自動車等の移動体用の燃料電池用としては軽量化が強く求められている。
【0011】
ここに、純チタンおよびチタン合金は、他の金属材料に比較して軽量で耐食性に優れていることはよく知られているが、表面の不働態皮膜はステンレス鋼と同様に電気抵抗が大きいため、そのままでは小さい接触電気抵抗が要求される燃料電池通電用部材としては用いることができない。不働態皮膜が厚くなれば耐食性はより優れたものとなるが、電気抵抗はより大きくなる。固体高分子型燃料電池内における耐食性は十分であるので、何らかの手段により接触電気抵抗を低減できれば、純チタンやチタン合金を燃料電池内通電部品用として使用することが可能である。
【0012】
特許文献3に開示のチタン系材料は、導電性硬質粒子を材料表面に埋め込み、それを材料表面から露出させ、それを導通路として利用するというのである。
その場合の導電性硬質粒子は、金属炭化物であって、これをショット加工によってチタン系材料表面に埋め込むというのである。
【0013】
すなわち、特許文献3にはチタンおよびチタン合金中の表面に導電性を有する硬質粒子(M23、MC 、MC)を埋込み、バイポーラプレート用材料を得る方法が開示されている。この場合には導電性硬質粒子にTiB は含まれていない。また、この方法では硬質粒子は表面のみに存在している。
【0014】
ここに、本発明の解決すべき課題は、チタン系材料から構成された安価な接触通電部材とその製造方法を提供することである。
さらに本発明は、前述の従来のチタン系材料より接触電気抵抗が小さく、かつ耐食性に優れた接触通電部材、特に固体高分子型燃料電池のセパレータとその製造方法を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
ここに、本発明者らは次のような知見を得た。
a)チタン系材料表面に生成する不働態皮膜の電気抵抗は、固体高分子型燃料電池のセパレータとして用いて電池性能を十分に発揮させるのに十分なまで低い値に安定して維持することは困難である。酸浸漬処理などにより不働態皮膜を薄くすることも可能であるが、チタン系材料の優れた不働態化能により不働態皮膜が再び厚く成長し、時間とともに接触電気抵抗は増加する。さらに、電気的に電位が変動する燃料電池内で、安定して不働態皮膜を薄く維持することは困難である。
【0016】
b)接触電気抵抗は、単位面積当りの接触面積に依存している。すなわち、全面で接触しているようにみえる接触も点接触であり、単位面積当りの接触点数、接触点総面積、個々の接触点の電気抵抗に依存している。
【0017】
c)チタン系材料表面に導電性析出物を不働態皮膜を突き破るようにして分散、露出させると接触電気抵抗を大きく下げることが可能である。導電性析出物が“電気の通り道”として機能することで、接触電気抵抗を安定して低く維持できるのである。
【0018】
d)導電性析出物として、TiC 系析出物、TiB 系析出物、TiB析出物が考えられるが、特にTiB 系析出物が量産性、性能の観点より好ましいが、特に耐食性が併せて改善されるという効果がみられることが分かった。
【0019】
e)TiB 系析出物を表面に露出させたチタン系材料は優れた耐食性を有しており、TiB 系析出物が分散析出することによる耐食性低下は認められない。
結局、TiB 系析出物を不働態皮膜から露出させたチタン系材料が固体高分子型燃料電池内でセパレータとして良好な性能を有していることを知り、本発明に至った。
【0020】
かくして、本発明によれば、純チタンあるいはチタン合金中に析出、分散する導電性を有し、かつ耐食性良好なTiB 系析出物の一部を表面の不働態皮膜を貫通させて露出させることにより、表面の接触電気抵抗を低減する。素材としての燃料電池内での耐食性は、純チタンおよびチタン合金表面に生成する不働態皮膜により安定して良好である。
【0021】
本発明によれば、従来のチタンおよびチタン合金では不十分であった接触抵抗性能、電気的通電性能を、純チタンあるいはチタン合金としての耐食性を維持したまま確保できる。
【0022】
本発明にかかるチタン系材料は、金属素材として、ステンレス鋼に比較して約4割軽量であり、軽量化を求められる自動車等の移動体に使用される燃料電池用セパレータとして最適である。
【0023】
燃料電池セパレータとして、グラファイト製あるいはカーボン製が鋭意検討されている状況であるが、それらと比較して量産性に優れ、薄肉化による軽量化が図れることから、本発明にかかる燃料電池用セパレータの持つ可能性は大きく、その実用性は高い。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明においてTi系材料を上述のように規定した理由および各要素の作用について詳述する。なお、本明細書においてとくにことわりがない限り、合金組成を示す「%」表示は「質量%」である。
【0025】
TiB 系硼化物粒子
本発明のチタン系材料では、導電性金属析出物であるTiB 系硼化物粒子、つまりTiB 系析出物が、分散析出している。
【0026】
TiB 系析出物の組成は、TiB 析出物中のTiの一部がその他合金含有金属元素で置き換わった組成のTiB 系折出物も包含する。そのため、TiB 析出物と表記せず、TiB 系析出物と表記するのである。実際、本発明においてもTiの一部がAlで置き換わったTiB 系析出物を確認している。
【0027】
本発明にかかるチタン系材料中において、TiB 系析出物を特定して析出させる方法には、溶解法などがある。
次に、本発明において、母材にをTiB 系析出物を析出分散させる方法についてより詳細に説明する。
【0028】
溶解法
溶解法は、純チタンあるいはチタン合金溶湯中に、添加合金元素としてB源を添加してTiB 系析出物を析出させる方法である。最も望ましいB源の一例として、アルミ硼化物AlB12 がある。金属硼素も好適である。
【0029】
溶湯に添加されたB源は一旦、溶湯中に均一溶解し、凝固過程においてTiB 系析出物として析出することが組成を安定させる上で望ましい。
なお、B源として、TiB を用いることも机上では可能であるが、工業的に溶解原料として入手することが難しい。
【0030】
凝固過程において析出するTi系硼化物組成、析出温度、析出挙動は、溶湯中のB量を調整することにより制御可能である。共晶組成以上のBを含有するチタン系材料では、TiB 系析出物が初析として液相中に析出し、共晶温度付近で析出が完了する。一方、共晶組成以下のBを含有するチタン系材料では、母相が初析として析出し、TiB 系析出物は共晶温度付近で一気に析出する。液相中にTiB が優先的に析出してくる条件では、TiB の密度が溶湯に比べてわずかに大きいため溶湯中で沈積しマクロ的に偏析することも懸念されるが、溶湯の熱対流および濃度流とともに溶湯中を対流するためか、顕著な沈積現象あるいはマクロ的偏析は目だって発生しない。
【0031】
共晶温度付近で析出したTiB 系介在物は、溶湯中で析出したTiB 系析出物に比べ小さく、微細に分散している特徴を有している。BはTiに対する固溶限が0.l 質量%以下と非常に小さく、溶湯中に添加されたBは、凝固過程および固相線直下の温度域でほとんどが硼化物として析出する。
【0032】
また、Bは、α相のみならず、β相をも安定化する効果を持たず、B添加により何れの場合も最終的にTiB 系析出物が分散析出した純チタンあるいはチタン合金が得られる。
【0033】
TiB 系析出物は、純チタンあるいはチタン合金が、溶湯より凝固する際に、1500℃付近の高温において析出する。析出物は針状を呈しており、冷却速度が速いほど微細化するが、そのままでは本発明の目的とする十分な分散状態は得られない。熱間鍛造、熱間圧延および冷間圧延工程にて破砕し、微細に分散させることが好ましい。これは、TiB 系析出物が硬質であり、金型摩耗を促進するためである。微細化の程度は、析出物の長径が20μm 以下、望ましくは10μm 以下であることが好ましい。良好なプレス加工性、打ち抜き性を確保するためには、より微細で、均一に分散していることが望ましい。
【0034】
凝固の際に、高温で共晶反応により析出するため、比較的均一に分散析出させることが可能である。金属析出物として熱力学的に安定であり、導電性に優れるとともに、燃料電池内部においても母材並みに優れた耐食性を有する。また、硬度が高く、圧延時に変形しにくいため、破砕され微細に分散する性質を有している。
【0035】
B量を高めると、TiBなどのTiB系硼化物も析出するが、本発明においてはTiB 系硼化物を用いる。共存する添加元素によって若干変化するが、添加するB量により析出形態の制御が可能である。
【0036】
金属系析出物として、TiB系析出物ではなくTiB 系析出物を用いる理由は、TiB系析出物の融点が高く、製造性が著しく劣るためである。
チタン系材料 (純チタンおよびチタン合金) の化学組成:
(a)純チタン:
基本的には合金元素を含まないが、酸素や鉄等の微量含有量により強度レべルを調整することが可能である。不可避不純物元素として、質量%で、酸素0.5 %以下、炭素0.2 %以下、鉄0.5 %以下、水素0.1 %以下、窒素0.1 %以下、Al 0.3%以下を含有し、この他不可避の不純物を除いて実質的にチタンから構成される。
【0037】
これに金属硼素を添加することによりTiB 系粒子を析出させた純チタンを本発明では単に純チタンと表記する。
α型チタンは、チタンの中でも柔らかく冷間加工性に富む特徴を有する。不可避不純物元素として、質量%で、酸素0.5 %以下、炭素0.2 %以下、鉄0.5 %以下、水素0.1 %以下、窒素0.1 %以下、Al 0.3%以下と限定したのは、これら制限量を越えた不純物を含むと、固溶強化や化合物の生成により純チタンの加工性が低下し、固体高分子型燃料電池セパレータ用材料として不適切となるためである。
【0038】
なお、Alは耐食性を劣化させ腐食後の接触抵抗を上昇させるので、できるだけ少ない方が望ましい。
(b)チタン合金:
純チタンの基本的な特性、即ち軽量性、耐食性を極力損なわないように主として強度を向上させるために積極的に合金元素を添加したのがチタン合金である。チタン合金元素は結晶構造が六方晶構造α相を安定化する元素と立方晶構造であるβ相を安定化する元素がある。
【0039】
β相を安定化する元素としてはV、Mo、Cr、Fe、Nb、Ni、W、Cu等があり、元素の種類によりβ相を安定化する能力が異なるために、複数の合金元素が添加された場合のβ相安定化能力を表すためにV量で規定した数値としてV当量と呼ぶ指標がある。このV当量は次式で表される。
【0040】
Figure 2004273370
このV当量の増加に伴い、合金元素の固溶供強化により強度は上昇し、高温のβ相域からの急冷とこれに続くα+β相域における時効処理により強度が上昇する。この時、V当量が30質量%を超えると (1)比重が大きくなり、チタンの軽量性が損なわれる。(2) β相の固溶強化による変形抵抗が上昇し、加工性が劣化する。(3) 時効処理による強度上昇が小さくなる、等の不都合が生じるために30質量%以下に限定する。
【0041】
一方、α相を安定化する元素の代表的なものとしてはAlがあり、また中立型の元素ではあるが、弱いα相の安定化効果を有する元素としてSnとZrがある。酸素も強力なα相安定化元素である。上記V当量と同様にAl量でα相安定化の能力の指標としてAl当量があり、次式で表される。
【0042】
Al当量=Al+(1/3)Sn +(1/6)Zr +10×0(酸素)
このAl当量が増加すると固溶強化によりで強度が上昇するが、反面冷間加工性は低下する。また、8質量%を超えるとα相(TiAl) が生成し、脆化を起こしやすくなるため、8質量%以下とする。
【0043】
(c)B
本発明は、純チタンあるいはチタン合金中に微細分散する、耐食性に優れた導電性金属TiB 系析出物を、純チタンあるいはチタン合金表面に生成する不働態皮膜を貫通させて露出させて、電気の通り道とすることにより、不働態皮膜に覆われた純チタンあるいはチタン合金表面の接触抵抗を低くすることを特徴としている。
【0044】
本発明において最も望ましい添加合金元素のひとつにAlB12 がある。本発明にかかるチタン系材料のすべての合金系にB源として適用可能である。AlB12 を溶湯に添加すると、比較的容易にTi溶湯中に完全溶解する。金属硼素もB添加源として適用可能である。AlB12 と同様に本発明のすべての合金系において適用可能である。
【0045】
溶湯に添加されたBは、溶湯中に均一溶解した後、凝集過程において析出する。B量に応じて、液相中にTiB が優先的に析出してくる場合と、チタンあるいはチタン合金が初析として析出してくる場合がある。チタンあるいはチタン合金が初析として析出してくるような場合には、高固相率領域で一気にTiB が共晶として析出するため、TiB 系介在物は微細分散し易い。
【0046】
BはTiに対する固溶限が0.1 質量%以下と非常に小さく、添加されたBは、ほとんどが硼化物として析出する。また、Bは、α相のみならず、β相をも安定化する効果を持たず、B添加により何れの場合も最終的にTiB 粒子が分散生成した材料が得られる。
【0047】
析出したTiB 系析出物は、硬質であり、ほとんど変形能を有していないため、熱間鍛造、熱間圧延および冷間圧延工程において破砕される。破砕することによりTiB 系析出物は、より微細に分散することとなる。
【0048】
チタンおよびチタン合金中に、Bを多量に含有させるとTiB 系析出物分散量が増加し、延性が低下し、製造性も低下する。固体高分子型燃料電池用セパレータ材としての成形性を確保するために、チタン材料中に生成する硼化物量は過剰となることは好ましくない。また、製造過程において、熱間加工により、変形能が低下する原因である硼化物を“砕き”微細に分散させることが可能である。微細に破砕することで靱性劣化を軽減することができる。冷間加工することも変形能が低下する原因である硼化物を“砕き”微細に分散させることにとって有効である。しかし、冷間加工による方法では微小クラックが生成し、破壊の起点になる可能性があるので注意を要する。このように微細に破砕することで成形性や靱性の低下を軽減することができる。
【0049】
硼化物の析出温度は含有量にもよるが、チタンおよびチタン合金凝固温度近傍にあり、一旦析出すると、ほとんど再固溶しない挙動を示す。B含有量が多くホウ化物析出が顕著になるほど製造時、加工時の割れ問題が大きくなり、量産性が悪くなる。ただし、B量が5%までは、相当の困難さを伴うものの工業的規模での製造は可能である。一方、Bを5%を超えて含有させる場合は、通常の溶解法での製造が困難となる。また、固体高分子型燃料電池セパレータ用としての常温での成形性が確保できなくなる。したがって、Bを含有させる場合は5質量%以下とする。Bの下限は特に規定しないが、通常 0.5%以上あれば必要量のTiB 系粒子は確保できる。
【0050】
加工変形能をほとんど有しないTiB 系ホウ化物は、“圧延方向に砕ける”ような様相で分散しながら圧延される。ホウ化物分散状態の制御は、鍛造条件、熱間圧延条件を工夫することで可能である。またホウ化物の細かく分散されるほど成形性が向上する。
【0051】
B含有量が、数十ppm 程度である場合には、硼化物は結晶粒界に析出する傾向が大きい。接触電気抵抗を低くする上で、硼化物が粒界、粒内いずれに析出しても大きな差異は認められないが、常温での加工性、割れ問題回避の点より均一に分散させる方が好ましいことは言うまでもない。
【0052】
(d)TiB 系析出物の体積率
TiB 系析出物の体積率は、合金中に添加されるB量で決まる。体積率が30vol%を超えると熱間、冷間合めて加工性が著しく低下し、事実上製造が困難となる。一方、体積率が3vol %未満になると接触抵抗が低く保てない。したがって、TiB 系析出物の体積率は、3vol%〜30vol%が良い。なお、母材における2%BでTiB 系析出物は、体積率で10%となる。
【0053】
(e)TiB 粒子の寸法
TiB 粒子の寸法は通電性には特に影響を与えないが、チタン材料の冷間加工性に影響を与える。TiB 系析出物粒子はチタン材料中に棒状に生成するが、この時の長径が長すぎると粒子が外力により割れやすくなり、クラック生成の原因となる可能性が大きいことから、長径が30μm 以下、望ましくは20μm 以下とする。
【0054】
(f)接触抵抗
さらに、本発明にかかるチタン系材料では、純チタンあるいはチタン合金中に析出分散するTiB 系粒子を表面に露出させる。金属系析出物がチタン系材料表面に生成する不働態皮膜で覆われることなく、最外表面に突出することにより、導電性を有するTiB 系析出物が“電気の通り道”として機能して、固体高分子型燃料電池セパレータ用金属素材としての低接触抵抗の機能が得られるようになる。本発明においては後述する実施例におけると同様の計測法で抵触抵抗は、付加荷重10kg/cmで腐食後の純Tiの接触抵抗値が100 mΩ・cmを超えるのに対して、通常は20mΩ・cm以下、好ましくは7〜15mΩ・cmの範囲とする。
【0055】
接触抵抗は、周知のごとく、接触する双方が決まっている場合には、接触面積に依存する。微細に分散するTiB 系析出物では、大きさと点数が接触抵抗に対して大きな影響を及ぼすこととなる。見掛け上、加圧力を増すことによりある程度の性能改善は可能であるが接触面積、点数が増加しているに過ぎないと判断している。接触抵抗低減の観点からは、TiB 系析出物を破砕することで微細にして、数多く均一に分散させることが望ましい。
【0056】
TiB 系析出物を微細に分散させる方法としては、Bを溶解段階で金属硼素、AlB12 といった合金元素として添加することが最も望ましい。量産性、工業的手段、コストいずれの面からも、最も有効である。
【0057】
TiB 微粉末を機械的に投射、研磨あるいは研削などの機械加工時に材料表面にめり込ませて残留させることも可能であるが、表面での均質性保障、安定した性能確保に難がある。蒸着、イオンインプランテーションなど、表面改質と呼ばれる表面処理方法と析出処理のための熱処理を組み合わせることでも製造は可能であるが、コスト面と量産性の面で難がある。
【0058】
これらの各手法は、将来の工業的生産手段の革新により、量産的な手法として実用性を有するようになる可能性もある。本発明にあってはこれらの手法を含め、所望のTiB 系金属析出物が均一に分散析出し、表面不働態皮膜を突き破るように突出していれば、工業的な手法は問わない。
【0059】
チタンおよびチタン合金中に析出した導電性金属介在物を、チタン材料表面に生成する不働態皮膜の外面に露出させるには、それらの組み合わせも含めて、(1) チタン材料を酸洗処理すること、あるいは、(2) ロール表面を“ショット加工”あるいは“エッチング加工”した微小凹凸を有する圧延ロール(通称、“ダルロール”)で圧延、あるいは (3)チタン材料の板を直接ショット加工すること、さらには (4)蒸着を利用すること等により可能である。特に酸洗処理は、工業的に安価な方法であり、大面積の表面をマクロ的に均一に、かつ表面をわずかに溶解させて、耐食的に優れる金属介在物を残留させたまま突出させるのに極めて有効な量産的な工業的手段である。酸洗液としては、母相液が選択的に腐食されるものであれば種類は問わない。一例として、55℃、10%HNO−3%HFなどがある。
【0060】
本発明の好適態様にあっては、表面に露出するTiB 系析出物としては母材から析出した析出物に由来するものが好ましい。
しかし、母材表面に存在する不働態皮膜を貫通して露出させる処理を施さず、純チタンあるいはチタン合金中に単に分散析出したのみでは、表面接触抵抗は安定せず、また表面接触抵抗も高い。
【0061】
次に、上述のようにしてTiB 系析出物粒子を分散させたチタン系材料の表面にTiB 系析出物粒子を露出させる代表的方法について説明する。
酸洗法:
酸洗は、チタン系材料の母相を溶解することができる酸性溶液中に浸漬、あるいは酸性溶液中で電解して実施すればよい。酸性溶液として望ましくは、母相を均一、かつ導電性介在物であるTiB 系析出物を残しながら母相のみを選択的に腐食する溶液がよい。
【0062】
酸性溶液の一例としては、チタン系材料の量産ラインにおいて最も一般的に用いられている酸洗溶液である硝ふっ酸系水溶液、硫酸系水溶液、塩酸系水溶液などがある。必要に応じて、酸性溶液の劣化を軽減、あるいは腐食面を平滑にする有機系、無機系の添加剤を添加することも可能である。
【0063】
酸洗に必要な酸性水溶液濃度は、純チタンおよびチタン合金の種類や処理温度により異なる。酸洗処理温度は、室温から沸点以下の温度範囲でよく、腐食状況をみながら濃度、温度を決めるのがよい。酸性水溶液中での平均腐食減量が5〜60g/m、表面粗度が中心線平均粗さRaで0.06から5μm となるように調整するのが好ましい。
【0064】
好適な酸性水溶液は、硝ふっ酸系水溶液中のフッ化水素酸濃度としては2〜20質量%、硝酸濃度としては5〜20質量%であり、水溶液の温度は30〜90℃である。ふっ酸、硝酸いずれも上記の濃度の下限未満では酸洗能率が劣り、上限を超えるとチタン材料の表面粗さが悪化し、接触電気抵抗が増加する。硝フッ酸系水溶液を用いると、導電性金属介在物の露出処理と母相表面の不働態強化処理を同時におこなうことが可能である。
【0065】
酸洗溶液は、硝ふっ酸液と他の酸との混合溶液でもよく、必要に応じて腐食速度を抑制する市販のインヒビターを添加してもよい。
なお、酸洗は上記のようにチタン系材料を酸性水溶液に浸漬するのが効率がよく、酸性溶液を攪拌、流動させると、効率がよい。また、チタン系材料の表面に酸性溶液をノズルによる噴射、シャワー、あるいは噴霧する方法でもよい。
【0066】
機械的方法
機械的方法は、TiB 系硼化物粒子を機械的に不働態皮膜にショットしたり、研磨、研削する際などに“めり込ませて残留”させる方法である。一般に、この方法では安定した性能を得ることは難しい。本発明において母材全体にTiB 系析出物を分散させた上で、さらにその不働態化皮膜に機械的に“めり込ませて残留”させるというのである。
【0067】
表面改質法
表面改質法は、蒸着などの手法を用いる方法であるが、製造コストが割高である。この方法も上述の機械的方法と同じく補助的方法である。
【0068】
(g)表面粗さ
表面粗さは接触電気抵抗に影響するため、中心線平均粗さRaが0.06μm 未満では表面が平滑過ぎて、導電性析出粒子が材料表面近傍に存在しても改善効果が小さい。平滑過ぎるとかえって接触点が少なくなる。一方、5μm を超えると単位面積当りの接触点数が著しく減少し接触電気抵抗が低くなる傾向となる。したがって、Raは0.06〜5μm とするのが望ましく、さらに好ましくは0.06〜2.5 μm 、である。上記表面粗さ“中心線平均粗さRa”とは、JIS B O601−19812において定義されている二次元的な表面粗さの程度を表す値である。
中和処理
本発明の製造方法において、酸洗処理後に中和処理を施すことは重要なことである。十分な水洗を実施した酸洗後の表面でも、表面の微小凹凸内部、金属介在物と母相の隙間内部、粒界には酸成分が残留しているので、乾燥に伴い、酸成分が濃化する場合が多い。酸成分の濃化、噴き出しにより表面の腐食が進み、時間の経過と共に表面の接触抵抗が高くなる問題が起こる。pHがが7以上であるアルカリ性水溶液中に浸漬、あるいはpHが7以上であるアルカリ性水溶液を表面に噴霧する中和処理を行うことで、特性劣化を顕著に改善することができる。ここでいう噴霧とは、アルカリ水溶液をノズルから噴射、シャワーすることも含むものとする。
【0069】
アルカリ性水溶液としては、▲1▼水溶性であること、▲2▼処理後の水洗浄性に優れること、▲3▼工業的に廃液を処理しやすいこと、▲4▼入手が容易であり、安価であることを満足するものがよい。好適例として、3〜10質量%濃度の水酸化ナトリウム水溶液がある。
【0070】
【実施例】
表1に示した20種の化学組成の純チタンおよびチタン合金材料を次の方法で製造した。
【0071】
まず、非消耗電極式アーク溶解炉を用いて40×80×14mmの200gのボタン鋳塊を、あるいは消耗電極式アーク溶解(VAR溶解炉)により15kgのインゴット (形状直径 140×150mm)の鋳塊を得た。溶解原料としては、市販のスポンジチタン、合金元素の溶解原料を使用した。B添加には市販のAl−Bの母合金や金属Bを用いた。表中、aは純チタン材であり、他はチタン合金材である。
【0072】
各ボタン鋳塊( インゴット) から下記の工程により冷間圧延板を作製した。
インゴット→熱間圧延→焼鈍→冷却→ショットブラストで脱スケール→酸洗→冷間圧延(→中間焼鈍→冷間圧延)→焼鈍→酸洗
但し、VAR 鋳塊については、1200℃に2時間加熱後、プレス装置により鍛造し、50mm厚のビレットとした。
【0073】
熱間圧延は、ボタン鋳塊あるいは50mm厚ビレットを1200℃に加熱して実施し、約3.4mm 厚までまで熱間圧延を実施した。およそ1000℃以上、1200℃以下の温度範囲で再加熱を繰り返しながら鍛造、圧延を実施した。また、熱間圧延後の焼鈍は真空中で700 ℃で30分間保持して冷却する熱処理を施した。焼鈍後はショットブラストにより脱スケールを行ってから、硝フッ酸液で酸洗を行った。冷間圧延は全て3mmから始めて0.3mm の厚さに仕上げた。
【0074】
必要に応じて、冷問圧延途中で700 ℃で軟化焼鈍と通常の量産ライン条件を模擬した7質量%硝酸、3質量%ふっ酸水溶液、60℃中で酸洗を実施した。
冷延板は上記熱延板と同様の条件で最終焼鈍を行い供試材とした。
【0075】
本例では、かかる供試材を用い、下記の方法により純チタン板またはチタン合金板の表面にTiB 系粒子を分散、露出させた。
投射角度:80度であった。
【0076】
用いた酸洗液は下記の3種類であった。
▲1▼ 硝酸:10%、フツ酸:2%、水:残部
▲2▼ 硝酸:5%、フツ酸:1%、水:残部
▲3▼ 硝酸:5%、フツ酸:5%、水:残部
酸洗液の温度は室温から沸騰の間で変化させて検討を行い、60℃とした。冷延板の表面にTiB 系粒子を分散、露出させるために、上記の条件で酸洗を行った。表面粗さの変化は酸洗時間を変えることにより行った。
【0077】
酸洗後は、水洗、乾燥を行った後、液温が25℃の6質量%の水酸化ナトリウム溶液中に3分間浸漬、超音波洗浄し、さらに蒸留水中で15分間の超音波洗浄を行った。比較例の一部については中和処理を施さなかった。
【0078】
なお、冷風ドライアーで乾燥させた後、JIS B O60−1982に規定の表面粗さ(中心平均粗さRaおよび最大高さRmax)と、中和直後の接触電気抵抗と500 時間大気中で放置した後の接触電気抵抗を測定した。
【0079】
接触電気抵抗の測定は、0.3mm 厚の上記酸洗後の冷延鋼板と厚さ0.6 mmの市販のグラッシーカーボン板(昭和電工製、商品名“SG3 ”) を用い、評価用チタン(合金)製試験片接触面積を1cmとし、4端子法にて測定した。評価用試験片表面は、評価直前に、表面を水洗浄後評価に供試した。
【0080】
酸洗処理を行わない場合、湿式600 番エメリー研磨面である。付加荷重は10kg/cmとした。
表2においてNo.11 は導電性金属介在物であるTiB 系粒子が生成しているにもかかわらず接触抵抗が高い。これは中心線平均租さが0.04μm と極めて平滑であるために導電性介在物が表面から突出しておらず、他方、No.8は中心点平均粗さが6.9 μm と大きく表面が粗いために接触点に導電性介在物が存在する割合が低く、導電性介在物が“電気の通り道”として十分に機能しなかったためと考えられる。
【0081】
チタン材料の表面粗さが中心線平均粗さRaで0.06〜5μm であることが好ましい。ショット加工は表面粗さを中心線平均粗さRaで0.05〜5μm に調整することを満足させる極めて有効な工業的手段の一つであることが明かである。
【0082】
また、比較例から明らかなように、中和処理しなかった場合 500時間経過後の接触電気抵抗が大きくなっており、中和処理の効果が顕著である。
図3は、湿式600 番エメリー紙研磨した合金記号f(表1) を、5%硝酸−1%ふっ酸中で2分間酸洗した後の表面粗さ状態を示す。Ra=0.88μm であった。市販の粗さ計を用いて測定した。
【0083】
図4は、図3の供試材(記号f )の表面SEM 写真を示す。白い棒状に見えるのが分散相のTiB ホウ化物である。上方には、表面にTiB 粒子が“頭を出して”突出、分散している状況が判別できる。
【0084】
次いで、本発明により得られた導電性を有するチタン材料(記号e とg ) を用いて作製したセパレータを固体高分子型燃料電池に組み込んだ試験を実施した。
本発明のチタン材料を固体高分子型燃料電池にセパレータとして装填した場合の性能評価のために、最終焼鈍したチタン系材料からコルゲート形状のセパレータ板を作製した。セパレータ板は、図1に示す形状で両面(アノード極側、カソード極側)に機械加工により溝幅2mm、溝深さ1mmのガス流路を切削、放電加工し、固体高分子型単セル電池内部にセパレータとして装填した状態で評価した。
【0085】
特性評価は、電池内に燃料ガスを流してから1時間経過後に単セル電池の電圧を測定し、初期の電圧と比較することにより電圧の低下率を調べて行った。なお、低下率は、1−(1時間経過後の電圧V/初期電圧V)により求めた。結果は表3にまとめて示す。
【0086】
評価に用いた固体高分子型燃料単セル電池は、米国Electrochem 社製市販電池セルFC50を改造したものであった。アノード極側燃料用ガスとしては99.999%水素ガスを用い、カソード極側ガスとしては空気を用いた。電池本体は全体を78℃に保温すると共に、電池内部の温度制御を、セル出側の排ガス水分濃度測定をもとに入り側で調整した。電池内部の圧力は、1気圧である。水素ガス、空気の電池への導入ガス圧は0.04〜0.20bar で調整した。セル性能評価は、単セル電圧で500 ±20mA/cm−0.62±0.04V が確認できた状態より継時的に測定を行った。
【0087】
単セル性能測定用システムとしては、米国スクリブナ一社製890 シリーズを基本とした燃料電池計側システムを改造して用いた。電池運転状態により、特性に変化があると予想されるが、同一条件での比較評価である。その結果、表3から分かるように、低下率:1−(1時間経過後の電圧V/初期電圧V)はいずれも0.05以下(n数3) となり、燃料電池として十分作用することが示された。
【0088】
本発明より得られた表面不働態皮膜に導電性を有するチタン系材料は、固体高分子型燃料電池セルに装填した状態においても、接触電気抵抗を小さく維持することができた。
【0089】
【表1】
Figure 2004273370
【0090】
【表2】
Figure 2004273370
【0091】
【表3】
Figure 2004273370
【0092】
【発明の効果】
本発明によれば、耐食性に優れ、接触電気抵抗を長時間にわたり低く維持することができるチタン系材料の製造ができ、本発明の方法により製造されたチタン系材料は、特に固体高分子型燃料電池の製造に貢献するところ大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】固体高分子型燃料電池の構造を示す分解図である。
【図2】セパレータと電極との接触状況の説明図である。
【図3】実施例の結果を表面粗さで示すグラフである。
【図4】実施例で得られたチタン系材料の表面SEM写真である。

Claims (8)

  1. 質量%にて、母材として5%以下のBを含有し、母材全体にTiB 系硼化物粒子が分散析出しており、その一部が母材表面に形成された不働態皮膜の表面に露出して電気の導通路を構成することを特徴とした、燃料電池用セパレータ用チタン系材料。
  2. 前記母材が、不可避不純物元素として、質量%にて、酸素0.5 %以下、炭素0.2 %以下、鉄0.5 %以下、水素0.1 %以下、窒素0.1 %以下、Al 0.3%以下を含有し、この他の不可避の不純物を除いて実質的にチタンから成る、請求項1記載のチタン系材料。
  3. 前記母材が、V、Mo、Nb、W、Cr、Fe、Ni、Cuの1種または2種以上を次式で表されるV当量
    Figure 2004273370
    で30質量%以下となる量だけ含有し、
    さらに/または
    Al、Sn、Zr、酸素の1種または2種以上を次式で表されるAl当量
    Al当量=Al+(1/3)Sn +(1/6)Zr +10×0(酸素)
    で8質量%以下となる量だけ含有し、残部は実質的にチタンから成る、請求項1記載のチタン系材料。
  4. 前記TiB 系硼化物粒子を体積比率で30%以下含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のチタン系材料。
  5. 前記TiB 系硼化物粒子の長軸長さが30μm 以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のチタン系材料。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載のチタン系材料の母材表面を酸性水溶液により腐食させて、その表面に導電性を有するTiB 系硼化物粒子を露出させ、次いで、必要に応じて該母材にpHが7以上であるアルカリ性水溶液により中和処理を行い、その後さらに水洗、乾燥することを特徴とする燃料電池用セパレータ用チタン系材料の製造方法。
  7. 上記酸性水溶液が、少なくとも1〜5質量%のフッ化水素酸と、5〜10質量%の硝酸を含んでいることを特徴とする請求項7記載の製造方法。
  8. 中和処理前のチタン系材料の表面粗度を、中心線平均粗さRaで0.06〜5μm とすることを特徴とする請求項6または7記載の製造方法。
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