JP2004269844A - 熱可塑性樹脂および成形体 - Google Patents

熱可塑性樹脂および成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】
光弾性係数の極めて小さい、高屈折率を有する熱可塑性樹脂を提供する。この熱可塑性樹脂は光学用途に好適で、レンズあるいはフィルムやシート等の各種分野に用いることができる。
【解決手段】
下記構造式(1)
【化1】
Figure 2004269844

で示される繰り返し単位と、下記構造式(2)
【化2】
Figure 2004269844

で示される繰り返し単位と、下記構造式(3)
【化3】
Figure 2004269844

で示される繰り返し単位を含み、前記構造式(1)の繰り返し単位と前記構造式(3)の繰り返し単位のモル分率が、次式(4)
(a)/[(a)+(b)]≧0.05 式(4)
(式中、(a)は前記構造式(1)の繰り返し単位のモル数、(b)は前記構造式(3)の繰り返し単位のモル数をそれぞれ表す。)
を満足し、かつ光弾性係数K(Pa-1)が3×10-13≦K≦7.0×10-11 であることを満足する熱可塑性樹脂。
【選択図】 なし

Description

本発明は、透明でかつ光学特性に優れた光学用に好適な熱可塑性樹脂と成形体に関するものである。
ガラスや樹脂等の無色透明材料の主要な用途として光学レンズやフィルムがあるが、その中で眼鏡用レンズについては、薄型化、軽量化あるいはファッション性等の観点から活発な材料開発が行われており、現在では耐衝撃性と軽量性等の利点から、市場の90%は樹脂レンズが占めるようになっている。
一方、熱可塑性光学用樹脂の代表的なものとしてポリカーボネート樹脂が知られており、このポリカーボネート樹脂はその無色透明性や耐衝撃性を生かしてディスク用基板等に用いられている。このポリカーボネート樹脂をレンズに適用する場合、ポリカーボネート樹脂は熱可塑性であるため成形性がよく、熱硬化性樹脂に比べて格段にレンズ製造コストを安くできるという利点がある。しかしながら、この樹脂は、光弾性係数が高いために、成形したレンズをめがねフレームに装着すると、レンズのフレ-ム付近部には応力がかかるため、光学歪みが発生しやすい等の問題があった。
現在、光学特性(高屈折率、低分散)を向上させるために、ホスホン酸残基を主鎖中に有する熱可塑性樹脂の研究が精力的に行われている(特許文献1参照。)。しかしながら、本発明者らが同特許文献に準処し樹脂を試作し評価したところ、ポリホスホネートはポリカーボネート樹脂と比較すると、光学特性(高屈折率、低分散)は大きく向上したものの、光弾性係数は大きく改善されていないことが判明した。
また、光学用途フィルムはIT化の進展に伴い、偏光板や位相差板等の情報表示装置部材に使用され、この光学用途のフィルム、シートにもポリカーボネート樹脂が広く用いられ、中でも位相差フィルム、樹脂基板は液晶表示装置部材の色調を左右する重要な構成部材である。 しかしながら、ポリカーボネート樹脂の位相差フィルムでは、表示画面の色調特性を決定する波長依存性が不十分である。
位相差フィルムは、液晶表示装置、有機電界発光表示装置などに用いられ、色調などの問題を解決するために用いられる。一般には、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンおよびアモルファスポリオレフィンなどが用いられている。位相差フィルムの一種である1/4波長板は、円偏光を直線偏光に、直線偏光を円偏光に変換する機能を有している。
上記の偏光板反射型液晶表示や反射防止フィルム用途においては、可視光全領域である380nm〜780nmにおいて位相差がλ/4(nm)となることが理想的特性である。
一方、上記のような、現在一般的に用いられている位相差フィルムの構成材料については、短波長ほど位相差が大きく、長波長ほど位相差が小さくなる傾向で、すなわち理想的特性とは全く逆の特性を有してる。つまり、高分子フィルム単層で光の波長380nm〜780nmの間において、理想的な1/4波長位相差特性を得ることは困難であり、種々の工夫が試みられてきた。
例えば、1/4波長板と1/2波長板を適当な角度で貼り合わせて用いる例(特許文献2参照)、アッベ数が異なる2枚のフィルムを積層するといった技術で逆分散特性を得られる提案(特許文献3参照)がされている。しかしながら、上記した理想的な1/4波長板となるフィルムを得るためには、フィルムを2枚以上用いなくては逆分散特性が得られず、フィルム貼り合わせ工程等によるコスト増、光学特性の悪化等の問題がある。
また、フィルムや樹脂基板用シートの加工工程や他のフィルムとの貼り合わせの張力、樹脂基板を装置に組み込んだ際に生じる応力がかかる場合、フィルムやシートの光学特性が変化し表示画面の色調悪化等の問題があった。
無色透明樹脂材料からなる光学用途フィルムはIT化の進展に伴い、偏光板や位相差板(位相差フィルム)等の情報表示装置部材に使用されている。この光学用途のフィルム等のシート状物には、ポリカーボネート樹脂が広く用いられ、中でも位相差フィルム、樹脂基板は液晶表示装置部材の色調を左右する重要な構成部材である。しかしながら、ポリカーボネート樹脂の位相差フィルムでは、表示画面の色調特性を決定する波長依存性が不十分である。
位相差フィルムは、液晶表示装置や有機電界発光表示装置などに用いられ、色調などの問題を解決するために用いられる。その材料としては、一般には、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンおよびアモルファスポリオレフィンなどが用いられている。位相差フィルムの一種である1/4波長板は、円偏光を直線偏光に、直線偏光を円偏光に変換する機能を有している。
上記の偏光板反射型液晶表示や反射防止フィルム用途においては、可視光全領域である380nm〜780nmにおいて位相差がλ/4(nm)となることが理想的特性である。
一方、上記のような、現在一般的に用いられている位相差フィルムの構成材料については、短波長ほど位相差が大きく、長波長ほど位相差が小さくなる傾向で、すなわち理想的特性とは全く逆の特性を有してる。つまり、高分子フィルム単層で光の波長380nm〜780nmの間において、理想的な1/4波長位相差特性を得ることは困難であり、種々の工夫が試みられてきた。
特開2002−167440号公報 特開平10−68816号公報 特開平2−285304号公報
そこで本発明は、上記した問題を解決し光学特性に優れ、任意の応力下でも光学特性の変化が極めて少ない(低光弾性係数)光学用に好適な熱可塑性樹脂、およびその熱可塑性樹脂からなるレンズやフィルム等のシート状物等の成形体を提供することを目的とするものである。さらに、本発明は、上記した問題を解決し、光学歪みの極めて小さい位相差フィルム得ること、また、高分子フィルム単層で光の波長380nm〜780nmの間において、理想的な1/4波長位相差特性を得られ、かつ光学特性に優れ、任意の応力下でも光学特性の変化が極めて少ない(低光弾性係数)光学用に好適な熱可塑性樹脂、およびその熱可塑性樹脂からなるレンズやフィルム等のシート状物等の成形体を提供することを目的とするものである。
本発明は、上記課題を解決するために以下の構成を有するものである。すなわち根本発明の熱可塑性樹脂は、下記構造式(1)
Figure 2004269844
(式中、Rは炭素数1〜20の炭化水素基、Xは酸素、硫黄あるいはセレンを表し、RあるいはXの異なるホスホン酸残基をともに含んでもよい。)で示される繰り返し単位と、下記構造式(2)
Figure 2004269844
(式中、R'は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜20の芳香族炭化水素基およびニトロ基からなる群から選ばれ、pとqはp+q=0〜8の整数であり、Yは単結合、酸素原子、硫黄原子、アルキレン基、アルキリデン基、シクロアルキレン基、シクロアルキリデン基、ハロ置換アルキレン基、ハロ置換アルキリデン基、フェニルアルキリデン基、カルボニル基、脂肪族ホスフィンオキシド基、芳香族ホスフィンオキシド基、アルキルシラン基、ジアルキルシラン基、フルオレン基からなる群から選ばれる。)で示される繰り返し単位と、下記構造式(3)
Figure 2004269844
で示される繰り返し単位を含み、前記構造式(1)の繰り返し単位と前記構造式(3)の繰り返し単位のモル分率が、次式(4)
(a)/[(a)+(b)]≧0.05 式(4)
かつ光弾性係数K(Pa-1)が3×10-13≦K≦7.0×10-11 であることを満足する熱可塑性樹脂である。
本発明の熱可塑性樹脂においては、上記の熱可塑性樹脂を1軸配向させて得られた単層状態のシート状物の450nmおよび550nmおよび650nmの光線における位相差(レタデーション値)が、下記式(5)および下記式(6)を満足するものであることが好ましい。
R(450nm)/R(550nm)≦1 (5)
R(650nm)/R(550nm)≧1 (6)
[式中、R(450nm)、R(550nm)およびR(650nm)は、それぞれ光の波長が450nm、550nmおよび650nmにおける面内位相差である。]
また、本発明の熱可塑性樹脂の好ましい態様の一つは、上記の繰り返し単位に加えて、さらに下記構造式(7)
Figure 2004269844
(式中、R”は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜20の芳香族炭化水素基およびニトロ基からなる群から選ばれ、nとmはn+m=0〜8の整数を表す。)で示される繰り返し単位を含むことである。その際、光弾性係数K(Pa-1)は3×10-13≦K≦4.5×10-11 であることが好ましい。
また、本発明の熱可塑性樹脂の好ましい態様の一つは、前記構造式(7)で示される繰り返し単位が、下記構造式(8)または/および下記構造式(9)
Figure 2004269844
Figure 2004269844
(両式中、R”は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜20の芳香族炭化水素基およびニトロ基からなる群から選ばれ、nとmはn+m=0〜8の整数を表す。)で示される繰り返し単位であることである。
さらに本発明の熱可塑性樹脂では、次の好ましい態様を有している。
(1) 前記構造式(1)で示されるホスホン酸残基において、該ホスホン酸残基の代わりに、一部ホスホナイト残基により構成され、その置換比率が50%以下であること。
(2) 熱可塑性樹脂のガラス転移点温度が100℃以上でかつ250℃以下であること。
(3) 熱可塑性樹脂のd線屈折率が1.59以上1.70以下であり、かつアッベ数が20以上40以下であること。
(4) 熱可塑性樹脂の数平均分子量が10,000以上500,000以下であること。
また、本発明の熱可塑性樹脂はそれを、例えば、膜厚が10μm以上3mm以下のシート状物のような成形体にすることができ、また、波長589nmにおける位相差が0nm以上2,000nm以下の成形体に成形することができる。成形体は光学用品として好適である。
本発明によれば、高屈折率、高アッベ数で耐衝撃性に優れ低い光弾性係数を有する熱可塑性樹脂が得られる。この熱可塑性樹脂は光学用途に好適で、レンズあるいはフィルムやシート等の各種分野に用いることができる。
本発明の熱可塑性樹脂は、基本的に、3つの繰り返し単位、すなわち、上記構造式(1)で示されるホスホン酸残基、上記構造式(2)で示される2価フェノール残基および上記構造式(3)で示されるカーボネート残基を含むものであり、本発明では効果を妨げない範囲で、その他の繰り返し単位を含むことも許容する。
一般に位相差フィルムは、高分子フィルムを1軸以上に延伸したフィルムであり、ある任意の配向方向とその直交方向に屈折率差を生じさせたフィルムである。位相差とは、膜厚dとフィルムの配向方向とその直交方向との屈折率差(Δn:複屈折率)との積であるΔn・dとして定義される。本発明において配向とは、高分子分子鎖が特定の方向に並ぶ傾向を言い、通常光の波長550nmで位相差が0.1nm以上であることを言う。高分子配向フィルムの面内における配向方向の屈折率がその直交方向の屈折率より大きい場合を光学的異方性が正といい、反対に配向方向の屈折率がその直交方向の屈折率より小さい場合はを光学的異方性が負という。位相差は絶対値であらわすこともあるが、光学異方性が負の場合には位相差は負の値を有している。本発明では特にことわりのない限りは絶対値で説明する。
本発明では、上記式(5)、(6)に記載する特性を満足するような光の波長が長いほど位相差が大きくなる特性を逆分散特性と呼ばれている。このような逆分散特性をもつ位相差フィルムを得るためには、フィルムを構成する樹脂自体の光学異方性が正と負の境界線付近になるような分子構造設計が必要で、このような特性を得るためには、モノマー自体の光学異方性が小さいものを用いて重合するか、またはモノマーの光学異方性が正のものと負のものを複数種併用してすることで、逆分散特性を得ることが可能となる。また、光学異方性が正のポリマーと負のポリマーをブレンドして逆分散特性を得ることも可能である。工業的には、光学異方性の異なる複数種のモノマーから重合してなる樹脂、または光学異方性が正のポリマーと負のポリマーをブレンドして逆分散特性を得る方法が好ましく使用される。
R(450nm)/R(550nm)≦1 (5)
R(650nm)/R(550nm)≧1 (6)
[以下、式中それぞれ光の波長が450nm、550nm、650nmにおける面内位相差をそれぞれR(450nm)、R(550nm)、R(650nm)と呼ぶ。]
また、本発明では、上記構造式(7)のようなフルオレン骨格を持つモノマーは負の光学異方性を持つものが多く、このような骨格を持つモノマーであるを用いる場合は下記のような構成になる。すなわち、本発明の熱可塑性樹脂は、基本的に、4つの繰り返し単位、すなわち、(a)フルオレン骨格、(b)ホスホン酸残基、(c)2価フェノール残基および(d)カーボネート残基を含むものであり、本発明では効果を妨げない範囲で、その他の繰り返し単位を含むことも許容する。
本発明者らは、任意の応力下でも光学特性変化の極めて少ない熱可塑性樹脂を見いだすべく鋭意検討した結果、光弾性係数の低減化には熱可塑性樹脂の分子鎖が配向しても、前記の構造式(7)に示すようなフルオレン構造を配合させることによって熱可塑性樹脂自体の複屈折率を抑制し、光弾性係数を大きく低減できることを見いだした。
熱可塑性樹脂の複屈折率を抑制するには、分子鎖が配向した状態の配向方向と直交方向の屈折率を近似させることである。通常の熱可塑性樹脂は、1本の主鎖から直接側鎖が装飾される形を取るため、それを配向した場合は主鎖方向が配向方向の屈折率であり、側鎖方向が直交方向屈折率と見ることができる。熱可塑性樹脂を配向させると、一般的にはポリカーボネート樹脂に代表されるように、相対的には主鎖方向が高屈折率となり、側鎖方向が低屈折率になることが殆どである(光学的異方性が正)。しかしながら、一部の熱可塑性樹脂ではポリスチレンのように側鎖にベンゼン環をもつものの場合、それを配向させると側鎖方向の屈折率が高くなる(光学的異方性が負)ものもある。そこで、光学的異方性が正のもの光学的異方性が負のものを混合して相溶することによって、配向したときの主鎖方向と側鎖方向の屈折率を同一、または近似させることが可能で、複屈折率を極めて小さくすることができる。ただし、樹脂同士の相溶性や他の特性が大きく異なる等の問題がある場合は用いることはできない。
単一系の熱可塑性樹脂で上記のような効果を得るには、光学的異方性が正の場合は側鎖方向に屈折率を向上させる置換基を修飾させることであったが、従来の熱可塑性樹脂では、修飾の種類は限定され側鎖方向の屈折率を主鎖方向並にすることは不可能であった。そこで、5価のリン原子を有する構造、中でもホスホン酸構造をポリマーの主鎖に導入することによって、側鎖方向の屈折率を向上させ無色透明な光弾性係数を改善した熱可塑性樹脂が得られることを見いだした。
前記の式(4)中、(a)は前記構造式(1)に示す繰り返し単位(ホスホン酸残基)のモル数であり、(b)は前記構造式(3)に示す繰り返し単位(カーボネート残基)のモル数をそれぞれ表す。構造式(1)で示されるホスホン酸残基のモル分率が0.05未満である場合、良好な光弾性特性が発現せず効果が得られ難い。以上のことからホスホン酸残基のモル分率が〔(a)/{(a)+(b)}〕≧0.05の範囲にあることが重要である。前記構造式(1)で示されるホスホン酸残基のリン原子上に、置換基Rを修飾させることによって、側鎖方向の屈折率を向上させることが可能で、これにより複屈折率を抑制し、光弾性係数を改善することができるが、まだ十分な結果ではなかった。
本発明では、更に側鎖方向の屈折率を向上させるため前記構造式(1)だけでなく、側鎖方向にベンゼン環2つを配向することができる前記構造式(7)に示されるフルオレン骨格を有する成分のモノマーと組み合わせて用いる。フルオレン骨格は、負の屈折率異方性(ポリマー側鎖方向に高屈折率)を有する高分子化合物のモノマー単位として用いられ、分子鎖が配向した状態時の配向方向と直交方向の屈折率を近似させることが可能である。フルオレン骨格を有する分子構造は特に限定されるものではないが、例を挙げると、9,9・ビス(4・ヒドロキシ・3・メチルフェニル)フルオレン、フルオレンビスフェノール、9,9・ビス(4・ヒドロキシ3,5ジメチルフェニル)フルオレン、9,9・ビス(4・ヒドロキシ・3・メチルフェニル)フルオレン、9,9・ビス(4・ヒドロキシ・3・メチルフェニル)フルオレン、4,4'−(9H−フルオレン−9−イリデン)ビスフェノール、4,4'−(9H−フルオレン−9−イリデン)ビス[2−メチルフェノール]、4,4'−(9H−フルオレン−9−イリデン)ビス[4−メチルフェノール]、4,4'−(9H−フルオレン−9−イリデン)ビス[2,5−ジメチルフェノール]、4,4'−(9H−フルオレン−9−イリデン)ビス[2,6−ジメチルフェノール]、4,4'−(9H−フルオレン−9−イリデン)ビス[2−シクロヘキシルフェノール]、4,4'−(9H−フルオレン−9−イリデン)ビス[2−シクロヘキシル−5−メチルフェノール]、4,4'−(9H−フルオレン−9−イリデン)ビス[2−フルオロフェノール]、4,4'−(9H−フルオレン−9−イリデン)ビス[4−フルオロフェノール]、4,4'−(9H−フルオレン−9−イリデン)ビス[2−フェニルフェノール]、4,4'−(9H−フルオレン−9−イリデン)ビス[4−フェニルフェノール]、4,4'−ジヒドロキシテトラフェニルメタンおよび2,2’−ジヒドロキシ−9,9’−スピロビフルオレン等が挙げられ、中でも請求項2記載のフルオレンビスフェノール(FBP、構造式(8)に対応)やビスクレゾールフルオレン(BCF、構造式(9)に対応)を含む共重合体または高分子化合物ブレンドが最も好ましく用いられる。これらの成分の配合比は、好ましくは1〜99モル%で用いられ、より好ましくは5〜90モル%、さらには20〜80モル%で最も好ましく用いられる。
なお、光学物質の光の分散の度合いを表す指標としては、一般にアッベ数が用いられ、これは次式(10)によって算出される。
アッベ数(νd)=(nd−1)/(nf−nc) 式(10)
nd:d線屈折率(波長587.6nm)
nf:f線屈折率(波長486.1nm)
nc:c線屈折率(波長656.3nm)
すなわち、その数値が大きいほど低分散であることを示している。
前記構造式(1)で示されるホスホン酸残基のリン原子上の置換基Rの具体例としては、フェニル、ハロ置換フェニル、メトキシフェニル、エトキシフェニル、エチル、イソプロピル、シクロヘキシル、ビニル、アリル、ベンジル、アミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ハロ置換アルキルおよびアルキルサルファイド基等が挙げられる。
また、これら構造式(1)で示されるホスホン酸残基を構成するホスホン酸を具体的に例示すると、メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、n−プロピルホスホン酸、イソプロピルホスホン酸、n−ブチルホスホン酸、イソブチルホスホン酸、t―ブチルホスホン酸、n−ペンチルホスホン酸、ネオペンチルホスホン酸、シクロヘキシルホスホン酸、ベンジルホスホン酸、クロロメチルホスホン酸、ジクロロメチルホスホン酸、ブロモメチルホスホン酸、ジブロモメチルホスホン酸、2−クロロエチルホスホン酸、1、2−ジクロロエチルホスホン酸、2―ブロモエチルホスホン酸、1、2−ジブロモエチルホスホン酸、3−クロロプロピルホスホン酸、2、3−ジクロロプロピルホスホン酸3−ブロモプロピルホスホン酸、2、3−ジブロモプロピルホスホン酸、2−クロロー1−メチルエチルホスホン酸、1、2−ジクロロー1−メチルエチルホスホン酸、2−ブロモー1−メチルエチルホスホン酸、1、2−ジブロモー1−メチルエチルホスホン酸、4−クロロブチルホスホン酸、3、4−ジクロロブチルホスホン酸、4−ブロモブチルホスホン酸、3、4−ジブロモブチルホスホン酸、3−クロロー1―メチルプロピルホスホン酸、2、3−ジクロロ−1−メチルプロピルホスホン酸、3−ブロモ−1メチルプロピルホスホン酸、2、3−ジブロモ−1−メチルホスホン酸、1−クロロメチルプロピルホスホン酸、1−クロロー1−クロロメチルプロピルホスホン酸、1−ブロモメチルプロピルホスホン酸、1−ブロモ−1−ブロモメチルプロピルホスホン酸、5−クロロペンチルホスホン酸、4、5−ジクロロペンチルホスホン酸、5−ブロモペンチルホスホン酸、4、5−ジブロモペンチルホスホン酸、1−ヒドロキシメチルホスホン酸、2−ヒドロキシエチルホスホン酸、3−ヒドロキシプロピルホスホン酸、4−ヒドロキシブチルホスホン酸、5−ヒドロキシペンチルホスホン酸、1−アミノメチルホスホン酸、2−アミノエチルホスホン酸、3−アミノプロピルホスホン酸、4−アミノブチルホスホン酸、5−アミノペンチルホスホン酸、メチルチオメチルホスホン酸、メチルチオエチルホスホン酸、メチルチオプロピルホスホン酸、メチルチオブチルホスホン酸、エチルチオメチルホスホン酸、エチルチオエチルホスホン酸、エチルチオプロピルホスホン酸、プロピルチオメチルホスホン酸、プロピルチオエチルホスホン酸、ブチルチオメチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、4−クロロフェニルホスホン酸、3、4−ジクロロフェニルホスホン酸、3、5−ジクロロフェニルホスホン酸、4−ブロモフェニルホスホン酸、3、4−ブロモフェニルホスホン酸、3、5−ブロモフェニルホスホン酸、4−メトキシフェニルホスホン酸、3、4−ジメトキシフェニルホスホン酸、1―ナフチルホスホン酸、2―ナフチルホスホン酸、ベンジルホスホン酸、4−ブロモフェニルメチルホスホン酸、3、4−ジブロモフェニルメチルホスホン酸、ノルボルニルホスホン酸、ノルボルニルチオホスホン酸、3、5−ジブロモフェニルメチルホスホン酸、2−フェニルエチルホスホン酸、2−(4−ブロモフェニル)エチルホスホン酸、2−(3、4−ジブロモフェニル)エチルホスホン酸、2−(3、5−ジブロモフェニル)エチルホスホン酸、3−フェニルプロピルホスホン酸、3−(4−ブロモフェニル)プロピルホスホン酸、3−(3、4−ジブロモフェニル)プロピルホスホン酸、3−(3、5−ジブロモフェニル)プロピルホスホン酸、4−フェニルブチルホスホン酸、4−(4−ブロモフェニル)ブチルホスホン酸、4−(3、4−ジブロモフェニル)ブチルホスホン酸、4−(3、5−ジブロモフェニル)ブチルホスホン酸、2―ピリジルホスホン酸、3−ピリジルホスホン酸、4−ピリジルホスホン酸、1−ピロリジノメチルホスホン酸、1―ピロリジノエチルホスホン酸、1−ピロリジノプロピルホスホン酸、1−ピロリジノブチルホスホン酸、ピロール−1−ホスホン酸、ピロール−2―ホスホン酸、ピロール−3−ホスホン酸、チオフェン−2―ホスホン酸、チオフェン−3―ホスホン酸、ジチアン−2―ホスホン酸、トリチアン−2―ホスホン酸、フラン−2―ホスホン酸、フラン−3―ホスホン酸、ビニルホスホン酸およびアリルホスホン酸などが挙げられ、また、これらのリン原子に2重結合で結合している酸素原子が硫黄原子に置換されたチオホスホン酸も同様に挙げられる。これらは1種類でも、複数種併用することもできる。
また、これらホスホン酸は、その酸塩化物、エステルおよびアミドなどのホスホン酸誘導体であってもよい。またこれらホスホン酸残基については、それぞれ対応する3価のリン官能基であるホスホナイト残基に一部置き換えてもよい。これにより樹脂の耐酸化性を付与することができるが、光学特性等の特性安定性を考慮すると、その置換比率は0%以上50%以下が好ましく、より好ましくは0以上25%以下、さらに好ましくは0%以上10%以下である。
また、前記構造式(2)で示される2価フェノール残基を構成する2価フェノールを具体的に例示すると、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−メチル−2−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロオクタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、4,4'−ビフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−secブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビスフェノールフローレン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)−2−メチルプロパン、4,4'−〔1,4−フェニレン−ビス(2−プロピリデン)〕−ビス(2−メチルフェノール)、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4'−ジヒドロキシフェニルエーテル、1,1−ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、2,4'−メチレンビスフェノール、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−ブタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、3,3−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、3,3−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノナン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、テルペンジフェノール、1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)−2−メチルプロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3,5−ジtert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3,5−ジsecブチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジtert−ブチルフェニル)エタン、1,1−ビス(3−ノニル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,5−ジtert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジtert−ブチル−6−メチルフェニル)メタン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチルエステル、1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−5−フルオロフェニル)メタン、2,2−ビス(4ーヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルメタン、1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1−(p−フルオロフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−(p−フルオロフェニル)メタン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ニトロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、3,3'−ジメチル−4,4'−ビフェノール、3,3',5,5'−テトラメチル−4,4'−ビフェノール、3,3',5,5'−テトラtert−ブチル−4,4'−ビフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、3,3'−ジフルオロ−4,4'−ビフェノール、3,3',5,5'−テトラフルオロ−4,4'−ビフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジメチルシラン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)チオエーテル、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)チオエーテル、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)チオエーテル、1,1−ビス(2,3,5−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ドデカン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ドデカン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ドデカン、1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(3,5−ジtert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジtert−ブチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン酸メチルエステル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン酸エチルエステル、イサチンビスフェノール、イサチンビスクレゾール、2,2',3,3',5,5'−ヘキサメチル−4,4'−ビフェノール、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、2,4'−メチレンビスフェノール、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(2−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(2−ヒドロキシ−3−アリルフェニル)メタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)エタン、ビス(2−ヒドロキシ−5−フェニルフェニル)メタン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタデカン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタデカン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタデカン、1,2−ビス(3,5−ジtert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジtert−ブチルフェニル)メタン、2,2−ビス(3−スチリル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−(p−ニトロフェニル)エタン、ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルメタン、ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、3,3',5,5'−テトラtert−ブチル−2,2'−ビフェノール、2,2'−ジアリル−4,4'−ビフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5,5−テトラメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,4−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−エチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロペンタン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9、9−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、1,1−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサンおよびα、α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、フェノールフタレイン、フェノールレッド、フェノールフタリン、1,1ビス(4ヒドロキシフェニル−3,3,5トリメチルシクロヘキサン)、4,4'−ジヒドロキシテトラフェニルメタン等が挙げられる。これらは1種類でも、複数種併用することもできる。これらは限定されるものではないが、複数種用いる方が、波長依存性の選択範囲が広がり、他にも式(5)、(6)を満足するような逆分散特性が得られやすく好ましく用いられる。この構造式(2)で示される2価フェノール残基を有する化合物の配合比は任意に選択することができるが、構造式(7)を併用するような場合は(100−構造式(7)のモル%)%で用いられる。
これら2価フェノールは得られる熱可塑性樹脂(ポリマー)の性能に応じて用いることができる。前記構造式(2)中、pとqは、p+q=0〜8の整数である。
また、ジヒドロキシベンゼンを本発明の効果が損なわれない範囲で用いることができ、これらジヒドロキシベンゼンとしては、レゾルシノール、ハイドロキノンおよび1,2−ジヒドロキシベンゼン等が挙げられ、これらは1種類でも、複数種併用することもできる。
また、本発明で用いられる熱可塑性樹脂(ポリマー)は必ずしも直鎖状である必要はなく、得られるポリマーの性能に応じて多価フェノールを共重合することができる。このような多価フェノールを具体的に例示すると、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、4,4'−〔1−〔4−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル〕フェニル〕エチリデン〕ビスフェノール、2,3,4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−〔ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチル〕−2−メトキシフェノール、トリス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、4−〔ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕−2−メトキシフェノール、4−〔ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕−2−メトキシフェノール、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、トリス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,6−ビス〔(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル〕−4−メチルフェノール、4−〔ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕−1,2−ジヒドロキシベンゼン、2−〔ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)メチル〕−フェノール、4−〔ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)メチル〕−1,2−ジヒドロキシベンゼン、4−メチルフェニル−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、4−〔(4−ヒドロキシフェニル)メチル〕−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、4−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−エチル〕−1,3−ジヒドロキシベンゼン、4−〔(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、1,4−ビス〔1−ビス(3,4−ジヒドロキシフェニル)−1−メチル−エチル〕ベンゼン、1,4−ビス〔1−ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−1−メチル−エチル〕ベンゼン、2,4−ビス〔(4−ヒドロキシフェニル)メチル〕−1,3−ジヒドロキシベンゼン、2−〔ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェイル)メチル〕フェノール、4−〔ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェイル)メチル〕フェノール、2−〔ビス(2−メチル−4−ヒドロキシフェイル)メチル〕フェノール、4−〔ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕−1,2−ジヒドロキシベンゼン、4−〔ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチル〕−2−エトキシフェノール、2−〔ビス(2,3−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕フェノール、4−〔ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕フェノール、3−〔ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕フェノール、2−〔ビス(2−ヒドロキシ−3,6−ジメチルフェニル)メチル〕フェノール、4−〔ビス(2−ヒドロキシ−3,6−ジメチルフェニル)メチル〕フェノール、4−〔ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕−2−メトキシフェノール、3,6−〔ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕−1,2−ジヒドロキシベンゼン、4,6−〔ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、2−〔ビス(2,3,6−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕フェノール、2−〔ビス(2,3,5−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕フェノール、3−〔ビス(2,3,5−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕フェノール、4−〔ビス(2,3,5−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕フェノール、4−〔ビス(2,3,5−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕−1,2−ジヒドロキシベンゼン、3−〔ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)メチル〕フェノール、4−〔ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)メチル〕フェノール、4−〔ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)メチル〕−2−メトキシフェノール、2,4,6−〔トリス(4−ヒドロキシフェニルメチル)−1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,1,2,2−テトラ(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラ(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,4−〔〔ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチル〕〕ベンゼン、1,4−ジ〔ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕ベンゼン、1,4−ジ〔ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕ベンゼン、4−〔1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕アニリン、(2,4−ジヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、2−〔ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチル〕フェノールおよび1,3,3−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ブタン等が挙げられる。これらは1種類でも、複数種併用することもできる。これらは限定されるものではないが、複数種用いる方が、逆分散特性が得られやすく好ましく用いられる。この構造式(2)で示される2価フェノール残基を有する化合物の配合比は任意に選択することができるが、構造式(7)を併用するような場合は100−(構造式(7)のモル%)%で用いられる。
また、前記構造式(3)で示されるカーボネート残基とは、炭酸エステル、炭酸ハライドなどを原料として得られる構造単位であり、例えば、ジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネートなどの炭酸エステル、ホスゲンおよびトリホスゲンなどの炭酸ハライドが挙げられる。
本発明の熱可塑性樹脂の前記構造式(1)、(2)、(3)の繰り返し単位については、[構造式(2)]のモル数に対する[構造式(1)+構造式(3)]のモル数の比が0.95以上1.05以下の関係であることが最も好ましい。
また構造式(7)のようなフルオレン骨格を持つモノマーを用いる場合の繰り返し単位について下記すると、本発明の熱可塑性樹脂の前記構造式(1)、(2)、(3)、(7)の繰り返し単位については、[構造式(7)+構造式(2)]のモル数に対する[構造式(1)+構造式(3)]のモル数の比が0.95以上1.05以下の関係であることが最も好ましい。
次に、本発明の熱可塑性樹脂(ポリマー)の製造方法について説明する。本発明の熱可塑性樹脂の製造方法としては、酸ハライドと2価のフェノールを有機溶剤中で反応させる溶液重合法(A.Conix Ind.Eng.ohem.51 147 1959年、特公昭37−5599号公報参照。)、酸ハライドと2価のフェノールを塩化マグネシウム等の触媒存在下で加熱する溶融重合法、2価の酸と2価のフェノールをジアリルカーボネートの存在下で加熱する溶融重合法(特公昭38−26299号公報参照。)、水と相溶しない有機溶剤に溶解せしめた2価の酸ハライドとアルカリ水溶液に溶解せしめた2価のフェノールとを混合する界面重合法(W.M.EARECKSON J.Poly.Sci.XL399 1959年、特公昭40−1959号公報参照。)等が挙げられるが、本発明では、特に溶液重合法が好適に採用される。
溶液重合法について一例を説明すると、ホスホン酸残基の前駆体分子であるホスホン酸誘導体と、2価フェノールをトリエチルアミンなどの塩基存在下混合して反応させ、続いてカーボネート残基の前駆体分子、例えば、トリホスゲンなどを添加して縮合重合することによって、本発明の熱可塑性樹脂を得ることができる。ホスホン酸誘導体あるいはカーボネート誘導体としては、それらのハロゲン化物、酸無水物およびエステル等を用いることができるが特に限定されない。
本発明の熱可塑性樹脂(ポリマー)の分子量を調節する方法としては、重合時に一官能の物質(分子量調節剤)を添加して行うことができる。ここで言う分子量調節剤として用いられる一官能物質としては、フェノール、クレゾール、p−tert−ブチルフェノール等の一価フェノール類、安息香酸クロライド、メタンスルホニルクロライドおよびフェニルクロロホルメート等の一価酸クロライド類が挙げられる。
本発明の熱可塑性樹脂には、その特性を損なわない範囲で、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、チオエーテル系および燐系の各種抗酸化剤や、市販ポリカーボネートに用いられている紫外線吸収剤、塩基不活剤、ブルーイング剤等の顔料、離型剤等を添加し樹脂組成物とすることができる。また、本発明の熱可塑性樹脂には、その特性を損なわない範囲で、他の樹脂成分等を添加し樹脂組成物とすることができる。
また、本発明の熱可塑性樹脂は、有機溶媒に対して高い溶解性を有しており、このような溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、トルエン、キシレン、γ−ブチロラクトン、ベンジルアルコール、イソホロン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンおよびヘキサフルオロイソプロパノール等が挙げられる。
さらに、本発明の熱可塑性樹脂は非晶性であり、非晶性であるかどうかは、公知の方法、例えば、示差走差熱量分析(DSC)や動的粘弾性測定等により融点が存在しているかどうかを確認することができる。
本発明の熱可塑性樹脂は、光弾性係数K(Pa-1)が3×10-13≦K≦7.0×10-11を満足することが重要である。本発明で述べる光弾性係数とは、絶対値を表し、光弾性係数K(Pa-1)が−3×10-13≦K≦−7.0×10-11、となる熱可塑性樹脂も本発明に含まれる。光弾性係数Kが、K>7.0×10-11の場合、レンズ用途ではめがねレンズをフレームに取り付けるときや、レンズ側面を研磨(コバ研磨)するときなどに一定の応力がかかり、めがねレンズ製品になったときには、レンズに光学歪みが常時残留し光学特性が劣悪なめがねになるという問題がある。また、位相差フィルム用途では、液晶表示装置等に加工するときに強い張力がかかったり、製品化後、一定の張力下で長期間保存されると、光学歪み等の光学特性が変化し情報表示色調が悪化するなどの問題があり、またシート用途では、樹脂基板を装置に組み込み製品化するときに、樹脂基板に応力がかかると同様に光学歪みによる情報表示色調が悪化するという問題がある。
反対に、光弾性係数Kが、K<3×10-13の場合、レンズ用途には全く問題がないが、位相差フィルム用途ではフィルムに位相差を与えようと一軸延伸しても、分子鎖の配向が十分に得られず、必要な位相差を得られない問題がある。このように分子鎖配向によって位相差を得られない場合は、フィルム膜厚を厚くする手段しかなく好ましいものではない。
この光弾性係数Kは、更に好ましくは3×10-13≦K≦4.5×10-11 である。ただし、光学用途に用いることから、光学歪みの要求が厳しいレンズ、光学用フィルム、光学用シートの場合は2×10-13≦K≦3×10-11 を満足することが最も好ましい。
光弾性係数Kとは、膜厚d(nm)のフィルムに張力T(Pa)を加えたときに生じる位相差Re(nm)とすると、次式で定義される。
K=Re/(d×T)
光弾性係数Kの測定は、フィルムに1kg/mm2(9.81×106Pa)の張力を加えた状態で、回転偏光子と回転検光子を備えた位相差測定装置を用いて行う。光源は、ナトリウム光源(589nm)を用いる。
一般にレンズは、光学歪みの極めて少ないことが必須とされており、高分子化合物が完全無配向状態であることが必要とされる。位相差とは、ある膜厚dのレンズが光が透過したときに、レンズの応力方向と直交方向に屈折率差(Δn:複屈折率)が生じると光の伝播速度が異なるので、位相差は複屈折率と樹脂厚の積であるΔn・dであることは知られている。また、光弾性係数Kとは、ある一定の応力下で生じる位相差を指し、光弾性係数が小さいほど大きな応力下でもレンズの位相差(光学歪み)を極めて小さくすることができる。フィルム等と比較し、レンズの場合は厚みが絶対的に大きく、フィルム以上に位相差が大きくなりやすい傾向にある。そこで光弾性係数の低い、本発明の熱可塑性樹脂を用い、成形することで光学歪みの極めて小さいめがねレンズ成形体、および光学用シートや光学用フィルム(シート状物)を得ることができる。
本発明の熱可塑性樹脂は、d線屈折率が1.59以上1.70以下でありかつアッベ数が20以上40以下であることで、レンズに用いることができ、中でも、めがねレンズに用いたときには、めがねレンズの薄肉化、すなわち軽量化することができる。さらなる軽量化と優れた光学特性を得るためにはd線屈折率が1.60以上1.70以下でかつアッベ数が26以上40以下であることが好ましく、最も好ましくはd線屈折率が1.60以上1.70以上でアッベ数が29以上40以下であり、このような熱可塑性樹脂からなるレンズは、極めてレンズコバ厚の薄い、極めて軽量で光学特性に優れたレンズである。
本発明の熱可塑性樹脂の数平均分子量は、10,000以上500,000以下の範囲であると、成形体にしたときの靭性、つまりレンズの耐衝撃性、フィルムやシートの靭性が十分得られ、成形体の生産性が向上することから好ましく用いられる。
一般にレンズの耐衝撃性は、米国FDAの落球試験(16.3gの球を高さ127cmから落下しても破断しないこと)に合格することが必要で、数平均分子量が10,000未満では、この落球試験に合格することは極めて困難であり、また数平均分子量10,000未満の樹脂組成物からなるフィルムやシート成形体は靭性不十分で脆弱である。反対に、数平均分子量が500,000を超えるような熱可塑性樹脂は重合が困難であり、重合生産性が低下したり、成形性が悪化する等の問題がある。そのため、数平均分子量はより好ましくは30,000以上400,000以下であり、更に好ましくは40,000以上300,000以下で用いられる。
本発明の熱可塑性樹脂のガラス転移点温度は、フィルム製膜時の溶媒乾燥温度、レンズやシート成形後の蒸着、ハードコート処理温度を加味すると100℃以上であることが好ましく、さらに好ましくは120℃、最も好ましくは140以上である。また上限は特に限定されるものではないが、樹脂の成形温度や樹脂の高温劣化を考慮すると250℃以下であることが好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂から成形される、レンズまたはフィルムやシート等のシート状物等の成形体は、光学用途で用いられることから、片面の表面粗さ(Ra)が5nm以下であることが好ましく、それでも光線の乱反射等で像の曇り、ゆがみが発生することから、更に好ましくはRaが3nm以下、めがねレンズ用途では一層の表面平滑性が要求されることから、最も好ましくは1nm以下である。また、本発明の熱可塑性樹脂を光学用途に用いる場合には、透明であることが必須であり、厚さ3mmに成形したときの全光光線透過率は80%以上のものが好ましく用いられ、位相差板やめがねレンズ用途の場合は、より高い透明性が必要であることから全光光線透過率は85%以上のものがさらに好ましく用いられ、最も好ましくは87%以上である。
本発明の熱可塑性樹脂の成形加工方法は特に限定されるものではなく、既知の成形方法を用いることができる。レンズ用途の場合は、その中でも光学歪みを小さく量産できることから圧縮成型、射出成形および射出圧縮成型が好ましく用いられる。
また、本発明の熱可塑性樹脂を成形することによって得られるシート状物は、情報表示装置部材に好ましく用いることが可能で、これらの成形加工方法としては、既知である様々な溶液製膜法や溶融製膜法を用いることができる。
本発明では、重合反応で得られた樹脂溶液をこのまま溶液製膜しても構わないが、樹脂溶液を貧溶媒中に投入するなどの方法で単離後、洗浄と乾燥を経て、粉末およびペレットとし、そのまま溶融製膜あるいは溶媒に溶解させて溶液製膜してフィルム等のシート状物を得ても差し支えない。ただし、光学用途で使用する場合には、物理的欠点をなくすために、濾過や洗浄をした樹脂溶液を用いることが好ましい。
溶液製膜の例を挙げると、乾式法、乾湿式法、湿式法および半乾半湿式法などにより溶液製膜されるがこれに限定されるものではない。次に、溶液製膜時の使用溶液例を挙げる。
使用する溶媒は、熱可塑性樹脂を溶解するものであれば特に限定されないが、塩化メチレン、2塩化エタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、トルエン、ジクロロベンゼン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトンおよび1メチル2ピロリドンなどが挙げられる。更に、光学用途に用いるため、溶液中の異物除去で低欠点性を得るべく、溶液濾過することが好ましく用いられる。濾過精度は、5,000nm以下を好ましく用いることができるが、光学用途であることから1,000nm以下が更に好ましく、600nm以下が更に好ましく用いられる。濾過精度とは、あるものを濾過したときに90%の確率でフィルターの捕捉される濾過物の大きさとして定義されている。
より品位の良好なシート状物を得るためにろ過後の樹脂溶液は脱泡をおこなうことが好ましい。脱泡方法は減圧または遠心脱泡が挙げられるが、溶剤の揮発を防ぐために樹脂溶液温度を15℃以下に保ち可能な限り短時間でおこなうことが好ましい。
流延する基材の材質はガラス板または有機シランカップリング剤で表面処理されたガラス板、平滑な金属板、硬質ゴム板、フッ素系樹脂板等を用いることが出来、ドラム状、板状、エンドレスベルトなど種々の形態が採用しうる。乾燥後のシート状物の均質性の観点から、鏡面研磨加工された金属製のエンドレスベルトを用ることが好ましい。
本発明の位相差フィルムにおける樹脂溶液の膜厚制御にはフィルムアプリケーター、ドクターブレードでの掃け引き、ロールコーターによる塗り付け、押し出しダイによる溶液の押し出し、スプレーによる吹き付け、ノズルから溶液を流す方法が挙げられる。フィルムの厚みおよび幅の均一性、物理的および光学的欠点の発生が少ないこと等から押出ダイによる溶液の押出が好ましい。
流延後の樹脂溶液の乾燥は自然乾燥、強制乾燥のいずれでも可能であるが、強制乾燥の方が好ましい。強制乾燥法としては常圧乾燥法と減圧乾燥法があるが、樹脂溶液に使用される溶剤の沸点で適宜使い分けることができる。どちらの方法にせよ、乾燥速度が重要であり、急激な乾燥は溶剤の揮発にともなう膜表面の結露による膜の白化、膜面の凹凸(ユズ肌)、膜面の発泡等の欠点を生じる原因となる。また、加熱延伸中の膜面の発泡、白化、配向不良は膜中の残存溶剤による影響であり、乾燥不足に起因している。乾燥時は膜の表面乾燥速度と膜内部の乾燥速度がほぼ等しくなるようにすることが望ましい。
本発明は上記基材上にて乾燥後、乾燥されたシート状物を剥離する。この剥離されたシート状物中に含まれる溶剤の含有量は該シート状物重量の1〜15重量%とすることが好ましい。より好ましいのは該シート状物重量の1〜10重量%である。溶剤の含有量が1重量%未満だとフィルムの剛性が高いためにフィルムの乾燥収縮によるカール、基材からの自然剥離、剥離時の破損、延伸時の破損等取扱い性不良の原因となる。また、溶剤の含有量が15重量%を超えるとフィルムの柔軟性による表面の傷つき、剥離不良、加熱延伸中の膜面の発泡、白化、配向不良の原因となる。
本発明のフィルムやシート等のシート状物の膜厚は、10μm以上3mm以下であることが好ましいが、情報表示装置部材の一層の軽量化という観点からすると10μm以上1mm以下に薄肉化した方が更に好ましく、更にはシート状物の靭性さえ確保できれば、10μm以上500μm以下であることが最も好ましい。
位相差フィルムとは高分子配向フィルムであり、これは無配向フィルムを1軸以上に延伸したフィルムで、ある任意の配向方向と直交方向に屈折率差を生じさせたフィルムである。位相差とは、ある膜厚dのフィルムに光が透過したときにフィルムの配向方向と直交方向に屈折率差(Δn:複屈折率)が生じると光の伝播速度が異なるので、位相差は複屈折率とフィルム膜厚の積であるΔn・dであることは知られている。本発明でシート状物として得られる高分子配向フィルムの配向とは、高分子分子鎖が主として特定の方向に並んだ状態を指しており、ここで述べる配向とは光の波長589nmで位相差を指す。
位相差Δn・dは高分子配向フィルムの膜厚が同一であれば複屈折Δnに比例するため位相差波長依存性と複屈折波長依存性は同一で表すことができる。高分子配向フィルムの面内における配向方向の屈折率がそれに垂直方向の屈折率より大きい場合を光学的異方性が正といい、反対に配向方向の屈折率がそれに垂直方向の屈折率より小さい場合はを光学的異方性が負という。ここでの高分子配向フィルムの配向方向とは、例えば、公知の位相差フィルム製造条件であるガラス転移点温度Tg付近(Tg±20℃)の条件で1軸延伸した場合にはその延伸方向であり、2軸以上の延伸の場合には最も配向が高くなる様に延伸した方向を指す。
なお、本発明での位相差は絶対値であり、光学異方性が負の場合には位相差が負であるが、本発明では特にことわりのない限りは正負の符号は無視するものとする。
本発明の熱可塑性樹脂からなるフィルム等のシート状物は、透明性が求められる分野では、どのような用途にも適用できる。特に、偏光板、位相差板、反射防止板および基板等の情報表示装置部材、光ディスク(CDやDVD等)の基板、保護板等の記録部材の構成部材に用いることができ、また、表面性と内部構造の均一性に優れ、光弾性係数の極めて小さいことから、ある一定の応力下でも光学特性変化の極めて小さい成形体を得ることができる。
これらのフィルム等のシート状物の位相差は、波長589nmにおいて、好ましくは0nm〜2,000nmの範囲である。位相差がこのような範囲にあると光学歪みを小さく用いることができる。位相差は、0nm〜1,000nmの範囲であることがさらに光学歪みを小さくできることから好ましく、最も好ましくは0nm〜500nmである。なお、位相差板の位相差フィルム等に用いる場合は、故意に位相差を発現しなければならないので20nm〜1000nmの範囲で使用することが好ましい。
本発明の位相差フィルムは、位相差フィルムの位相差を延伸温度、延伸倍率等の調整によって、波長依存性が理想に近い良好な1/4波長板や1/2波長板を構成する事もできる。なお、1/4波長板の場合は80nm≦R(550nm)≦180nmであることが好ましく、より好ましくは100nm≦R(550nm)≦160nmである。また1/2波長板の場合は220nm≦R(550nm)≦320nmであることが好ましく、より好ましくは250nm≦R(550nm)≦300nmである。また、本発明の位相差板、円偏光板は反射型液晶表示装置や有機電界発光表示装置などに用いることが可能である。
また本発明の位相差フィルムを以下の構成にすることで円偏光板、楕円偏光板を得ることができる。波長550nmで100nm≦R(550nm)≦160nmの位相差を持つ本発明の位相差フィルムを粘着層、接着層を介して、位相差フィルムの面内屈折率楕円体の長軸方向と偏光フィルムを偏光軸45°の積層角度にて貼り合わせて円偏光板とすることができる。得られた円偏光板は偏光板側から光を入射させると広帯域波長で円偏光化することができる。また、位相差フィルムの位相差を1/3波長や1/5波長にしたり、積層角度を任意の角度にすることで楕円偏光板を得ることもできる。なお、円偏光板、楕円偏光板の構成はこれに限定されるものではなく、多層構造の位相差フィルムを構成することが可能で、本発明の熱可塑性樹脂からなる位相差フィルムとポリカーボネートフィルムやシクロオレフィンフィルムとの積層からなる位相差板、円偏光板、楕円偏光板を構成することも可能である。
本発明の熱可塑性樹脂からなる成形体は、単独でも優れた光学特性を示すが、2層以上の積層体として用いた場合にも、積層時にかかる応力にも、光弾性係数が極めて小さいことから優れた光学特性を発揮することができる。
本発明の具体的実施態様を以下に実施例をもって説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
窒素雰囲気下、塩化メチレン(40ml)中に、1,1ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(60mmol)、9,9−ビス−(4−ヒドロキフェニル)フルオレン(20mmol)およびトリエチルアミン(168mmol)を混合し、氷冷下攪拌した。得られた溶液に、フェニルホスホン酸ジクロライド(60mmol)の塩化メチレン(10ml)溶液を15分間かけて滴下し、滴下終了後室温で60分間攪拌した。その後、濃度0.584mol/lであるトリホスゲンの塩化メチレン溶液(11.41ml)を15分かけて滴下し、滴下終了後60分間攪拌した。その後、反応溶液を濾過精度1μmの濾過で異物を除去し、0.1N塩酸水溶液80mlと純水300mlの混合液で数回洗浄し分離した。その後、分離した有機層をエタノール2,000mlに投入して再沈し、ポリマーを濾取した後、(1)エタノール1,000ml、(2)水/エタノール=1/1混合溶液1000ml、次いで(3)水1,000mlの順で生成したポリマーを洗浄し、乾燥して目的の樹脂粉末を収率90%で得た。得られた樹脂粉末について、DSC(セイコー電子工業(株)製:SSC5200)にてガラス転移点温度を測定した。また、得られた樹脂粉末を下記に示す方法でフィルム化し、位相差、光弾性係数を測定した。
すなわち、溶液キャスト製膜の場合は、クロロホルムに溶解させ、ポリマー固形分濃度10wt%のドープ溶液を作製した。このドープ溶液をガラス板上に製膜し、乾燥させることによって、キャストフィルムを得た。得られたフィルムを幅10mm、長さ70mmのサンプルを切り出し厚み計(ミツトヨ(株)製;ABSデジマチックインジケータ、ダイヤルゲージスタンド)にて膜厚を測定後、未延伸状態フィルムのナトリウムD線(589nm)位相差を測定した。位相差の測定にはセルギャップ検査装置(大塚電子(株)製:RETS−1100)を用いた。次に両端を10mmずつチャックで固定して、チャック間距離を50mmのサンプルにフィルム断面積に1kgf/mm2(9.81×106Pa)相当の張力をかけた。この状態で、ナトリウムD線(589nm)の位相差から、K=Γ/(d×T)にあてはめて光弾性係数Kを算出した。さらに得られたキャストフィルムから20mm×50mmを切り出し、両端15mmをつかみ部にして、チャック間距離を20mmとなるように延伸治具に取り付けた。この延伸治具ごと、延伸温度164℃となるよう164℃のオーブンに15分放置した後、チャック間距離40mmとなるように延伸した。延伸後のフィルムの位相差測定はセルギャップ検査装置(大塚電子(株)製:RETS−1100)を用い、450nm(R(450nm))、550nm(R(550nm))、650nm(R(650nm))の位相差を測定した。
数平均分子量は、樹脂の0.2wt%クロロホルム溶液を、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)(東ソー(株)製、GPC8020)を用いて測定し、数平均分子量を求めた。なお、測定値は標準ポリスチレン換算の値である。
また別に、得られた樹脂粉末を、下記に示す方法で成形し評価した。すなわち、プレス成形の場合は、得られた樹脂粉末を樹脂のガラス転移点温度+100℃に加熱した金型に投入した。金型はφ30mmの円盤状のプレートが成形可能なもの用いた。金型を閉じ、圧力2tにて加圧後、金型を冷却した。金型を分割することによってφ30mm、厚さ3mmの円盤状の樹脂プレートを得た。得られた樹脂成形サンプルを、サンドペーパーでバフ研磨した。互いに直行する2面を研磨し、それらが鏡面仕上げになるように研磨した。
研磨した樹脂サンプルを屈折計(カルニュー光学工業(株)製:KPR−2)にて評価を行い、d線屈折率(nd)、および前記の式(10)より求められるアッベ数(νd)を測定した。
(実施例2)
窒素雰囲気下、塩化メチレン(40ml)中に、1,1ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(48mmol)、9,9−ビス−(4−ヒドロキフェニル)フルオレン(32mmol)およびトリエチルアミン(168mmol)を混合し、氷冷下攪拌した。得られた溶液に、フェニルホスホン酸ジクロライド(60mmol)の塩化メチレン(10ml)溶液を15分間かけて滴下し、滴下終了後室温で60分間攪拌した。その後、濃度0.584mol/lであるトリホスゲンの塩化メチレン溶液(11.41ml)を15分かけて滴下し、滴下終了後60分間攪拌した。その後、実施例1と同様に処理(収率89%)し、つづいて、延伸温度を182℃で行ったこと以外は、実施例1と同様の方法で評価した。
(実施例3)
窒素雰囲気下、塩化メチレン(40ml)中に、1,1ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(36mmol)、9,9−ビス−(4−ヒドロキフェニル)フルオレン(44mmol)およびトリエチルアミン(168mmol)を混合し、氷冷下攪拌した。得られた溶液に、フェニルホスホン酸ジクロライド(60mmol)の塩化メチレン(10ml)溶液を15分間かけて滴下し、滴下終了後室温で60分間攪拌した。その後、濃度0.584mol/lであるトリホスゲンの塩化メチレン溶液(11.41ml)を15分かけて滴下し、滴下終了後60分間攪拌した。その後、実施例1と同様に処理(収率87%)し、つづいて、延伸温度を191℃で行ったこと以外は、実施例1と同様の方法で評価した。
(実施例4)
窒素雰囲気下、塩化メチレン(40ml)中に、メチルベンジリデンビスフェノール(44mmol)、9,9−ビス−(4−ヒドロキフェニル)フルオレン(36mmol)およびトリエチルアミン(168mmol)を混合し、氷冷下攪拌した。得られた溶液に、フェニルホスホン酸ジクロライド(60mmol)の塩化メチレン(10ml)溶液を15分間かけて滴下し、滴下終了後室温で60分間攪拌した。その後、濃度0.584mol/lであるトリホスゲンの塩化メチレン溶液(11.41ml)を15分かけて滴下し、滴下終了後60分間攪拌した。その後、実施例1と同様に処理(収率91%)し、つづいて、延伸温度を188℃で行ったこと以外は、実施例1と同様の方法で評価した。
(実施例5)
窒素雰囲気下、塩化メチレン(40ml)中に、メチルベンジリデンビスフェノール(56mmol)、9,9−ビス−(4−ヒドロキフェニル)フルオレン(24mmol)およびトリエチルアミン(168mmol)を混合し、氷冷下攪拌した。得られた溶液に、フェニルホスホン酸ジクロライド(60mmol)の塩化メチレン(10ml)溶液を15分間かけて滴下し、滴下終了後室温で60分間攪拌した。その後、濃度0.584mol/lであるトリホスゲンの塩化メチレン溶液(11.41ml)を15分かけて滴下し、滴下終了後60分間攪拌した。その後、実施例1と同様に処理(収率89%)し、つづいて、延伸温度を178℃で行ったこと以外は、実施例1と同様の方法で評価した。
(実施例6)
窒素雰囲気下、塩化メチレン(40ml)中に、メチルベンジリデンビスフェノール(52mmol)、9,9−ビス−(4−ヒドロキフェニル)フルオレン(28mmol)およびトリエチルアミン(168mmol)を混合し、氷冷下攪拌した。得られた溶液に、フェニルホスホン酸ジクロライド(60mmol)の塩化メチレン(10ml)溶液を15分間かけて滴下し、滴下終了後室温で60分間攪拌した。その後、濃度0.584mol/lであるトリホスゲンの塩化メチレン溶液(11.41ml)を15分かけて滴下し、滴下終了後60分間攪拌した。その後、実施例1と同様に処理(収率91%)し、つづいて、延伸温度を194℃で行ったこと以外は、実施例1と同様の方法で評価した。
(実施例7)
窒素雰囲気下、塩化メチレン(40ml)中に、メチルベンジリデンビスフェノール(54mmol)、9,9−ビス−(4−ヒドロキフェニル)フルオレン(26mmol)およびトリエチルアミン(168mmol)を混合し、氷冷下攪拌した。得られた溶液にフェニルホスホン酸ジクロライド(60mmol)の塩化メチレン(10ml)溶液を15分間かけて滴下し、滴下終了後室温で60分間攪拌した。その後、濃度0.584mol/lであるトリホスゲンの塩化メチレン溶液(11.41ml)を15分かけて滴下し、滴下終了後60分間攪拌した。その後、実施例1と同様に処理(収率89%)し、つづいて、延伸温度を192℃で行ったこと以外は、実施例1と同様の方法で評価した。
(実施例8)
窒素雰囲気下、塩化メチレン(40ml)中に、α、α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン(32mmol)、9,9−ビス−(4−ヒドロキフェニル)フルオレン(48mmol)およびトリエチルアミン(168mmol)を混合し、氷冷下攪拌した。得られた溶液にフェニルホスホン酸ジクロライド(72mmol)の塩化メチレン(10ml)溶液を15分間かけて滴下し、滴下終了後室温で60分間攪拌した。その後、濃度0.590mol/lであるトリホスゲンの塩化メチレン溶液(4.52ml)を15分かけて滴下し、滴下終了後60分間攪拌した。その後、実施例1と同様に処理(収率89%)し、つづいて、延伸温度を198℃で行ったこと以外は、実施例1と同様の方法で評価した。
(実施例9)
窒素雰囲気下、塩化メチレン(40ml)中に、α、α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン(26.4mmol)、9,9−ビス−(4−ヒドロキフェニル)フルオレン(53.6mmol)およびトリエチルアミン(168mmol)を混合し、氷冷下攪拌した。得られた溶液にフェニルホスホン酸ジクロライド(72mmol)の塩化メチレン(10ml)溶液を15分間かけて滴下し、滴下終了後室温で60分間攪拌した。その後、濃度0.590mol/lであるトリホスゲンの塩化メチレン溶液(4.52ml)を15分かけて滴下し、滴下終了後60分間攪拌した。その後、実施例1と同様に処理(収率89%)し、つづいて、延伸温度を205℃で行ったこと以外は、実施例1と同様の方法で評価した。
(実施例10)
窒素雰囲気下、塩化メチレン(40ml)中に、α、α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン(28mmol)、9,9−ビス−(4−ヒドロキフェニル)フルオレン(52mmol)およびトリエチルアミン(168mmol)を混合し、氷冷下攪拌した。得られた溶液にフェニルホスホン酸ジクロライド(60mmol)の塩化メチレン(10ml)溶液を15分間かけて滴下し、滴下終了後室温で60分間攪拌した。その後、濃度0.590mol/lであるトリホスゲンの塩化メチレン溶液(11.3ml)を15分かけて滴下し、滴下終了後60分間攪拌した。その後、実施例1と同様に処理(収率87%)し、つづいて、延伸温度を198℃で行ったこと以外は、同様の方法で評価した。
(実施例11)
窒素雰囲気下、塩化メチレン(40ml)中に、α、α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン(25.6mmol)、9,9−ビス−(4−ヒドロキフェニル)フルオレン(54.4mmol)およびトリエチルアミン(168mmol)を混合し、氷冷下攪拌した。得られた溶液にフェニルホスホン酸ジクロライド(60mmol)の塩化メチレン(10ml)溶液を15分間かけて滴下し、滴下終了後室温で60分間攪拌した。その後、濃度0.590mol/lであるトリホスゲンの塩化メチレン溶液(11.3ml)を15分かけて滴下し、滴下終了後60分間攪拌した。その後、実施例1と同様に処理(収率85%)し、つづいて、延伸温度を200℃で行ったこと以外は、実施例1と同様の方法で評価した。
(実施例12)
窒素雰囲気下、塩化メチレン(40ml)中に、α、α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン(32mmol)、9,9−ビス−(4−ヒドロキフェニル)フルオレン(48mmol)およびトリエチルアミン(168mmol)を混合し、氷冷下攪拌した。得られた溶液にフェニルホスホン酸ジクロライド(60mmol)の塩化メチレン(10ml)溶液を15分間かけて滴下し、滴下終了後室温で60分間攪拌した。その後、濃度0.590mol/lであるトリホスゲンの塩化メチレン溶液(11.3ml)を15分かけて滴下し、滴下終了後60分間攪拌した。その後、実施例1と同様に処理(収率85%)し、つづいて、延伸温度を192℃で行ったこと以外は、実施例1と同様の方法で評価した。
(実施例13)
窒素雰囲気下、塩化メチレン(40ml)中に、α、α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン(20mmol)、9,9−ビス−(4−ヒドロキフェニル)フルオレン(60mmol)およびトリエチルアミン(168mmol)を混合し、氷冷下攪拌した。得られた溶液にエチルルホスホン酸ジクロライド(60mmol)の塩化メチレン(10ml)溶液を15分間かけて滴下し、滴下終了後室温で60分間攪拌した。その後、濃度0.590mol/lであるトリホスゲンの塩化メチレン溶液(11.3ml)を15分かけて滴下し、滴下終了後60分間攪拌した。その後、実施例1と同様に処理(収率85%)し、つづいて、延伸温度を205℃で行ったこと以外は、実施例1と同様の方法で評価した。
(実施例14)
窒素雰囲気下、塩化メチレン(40ml)中に、α、α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン(21.6mmol)、9,9−ビス−(4−ヒドロキフェニル)フルオレン(58.4mmol)およびトリエチルアミン(168mmol)を混合し、氷冷下攪拌した。得られた溶液にエチルルホスホン酸ジクロライド(60mmol)の塩化メチレン(10ml)溶液を15分間かけて滴下し、滴下終了後室温で60分間攪拌した。その後、濃度0.590mol/lであるトリホスゲンの塩化メチレン溶液(11.3ml)を15分かけて滴下し、滴下終了後60分間攪拌した。その後、実施例1と同様に処理(収率85%)し、つづいて、延伸温度を205℃で行ったこと以外は、実施例1と同様の方法で評価した。
(実施例15)
窒素雰囲気下、塩化メチレン(40ml)中に、α、α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン(24mmol)、9,9−ビス−(4−ヒドロキフェニル)フルオレン(56mmol)およびトリエチルアミン(168mmol)を混合し、氷冷下攪拌した。得られた溶液にフェニルホスホン酸ジクロライド(8mmol)の塩化メチレン(10ml)溶液を15分間かけて滴下し、滴下終了後室温で60分間攪拌した。その後、濃度0.590mol/lであるトリホスゲンの塩化メチレン溶液(40.7ml)を15分かけて滴下し、滴下終了後60分間攪拌した。その後、実施例1と同様に処理(収率86%)し、つづいて、延伸温度を240℃で行ったこと以外は、実施例1と同様の方法で評価した。
(実施例16)
窒素雰囲気下、塩化メチレン(40ml)中に、メチルベンジリデンビスフェノール(43.2mmol)、9,9−ビス−(4−ヒドロキフェニル)フルオレン(36.8mmol)およびトリエチルアミン(168mmol)を混合し、氷冷下攪拌した。得られた溶液にフェニルホスホン酸ジクロライド(40mmol)の塩化メチレン(10ml)溶液を15分間かけて滴下し、滴下終了後室温で60分間攪拌した。その後、濃度0.590mol/lであるトリホスゲンの塩化メチレン溶液(22.6ml)を15分かけて滴下し、滴下終了後60分間攪拌した。その後、実施例1と同様に処理(収率89%)し、つづいて、延伸温度を220℃で行ったこと以外は、実施例1と同様の方法で評価した。
(実施例17)
窒素雰囲気下、塩化メチレン(40ml)中に、α、α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン(24mmol)、構造式(9)に記載のビスクレゾールフルオレン(大阪ガス(株)社製)フルオレン(56mmol)およびトリエチルアミン(168mmol)を混合し、氷冷下攪拌した。得られた溶液にフェニルホスホン酸ジクロライド(60mmol)の塩化メチレン(10ml)溶液を15分間かけて滴下し、滴下終了後室温で60分間攪拌した。その後、濃度0.590mol/lであるトリホスゲンの塩化メチレン溶液(11.3ml)を15分かけて滴下し、滴下終了後60分間攪拌した。その後、実施例1と同様に処理(収率89%)し、つづいて、延伸温度を205℃で行ったこと以外は、実施例1と同様の方法で評価した。
(実施例18)
窒素雰囲気下、塩化メチレン(40ml)中に、α、α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン(32mmol)、構造式(9)に記載のビスクレゾールフルオレン(大阪ガス(株)社製)フルオレン(48mmol)およびトリエチルアミン(168mmol)を混合し、氷冷下攪拌した。得られた溶液にフェニルホスホン酸ジクロライド(60mmol)の塩化メチレン(10ml)溶液を15分間かけて滴下し、滴下終了後室温で60分間攪拌した。その後、濃度0.590mol/lであるトリホスゲンの塩化メチレン溶液(11.3ml)を15分かけて滴下し、滴下終了後60分間攪拌した。その後、実施例1と同様に処理(収率89%)し、つづいて、延伸温度を200℃で行ったこと以外は、実施例1と同様の方法で評価した。
(実施例19)
窒素雰囲気下、塩化メチレン(40ml)中に、α、α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン(24mmol)、フェノールフタレイン(56mmol)およびトリエチルアミン(168mmol)を混合し、氷冷下攪拌した。得られた溶液にフェニルホスホン酸ジクロライド(60mmol)の塩化メチレン(10ml)溶液を15分間かけて滴下し、滴下終了後室温で60分間攪拌した。その後、濃度0.590mol/lであるトリホスゲンの塩化メチレン溶液(11.3ml)を15分かけて滴下し、滴下終了後60分間攪拌した。その後、実施例1と同様に処理(収率89%)し、つづいて、延伸温度を210℃で行ったこと以外は、実施例1と同様の方法で評価した。
(実施例20)
窒素雰囲気下、塩化メチレン(40ml)中に、α、α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン(32mmol)、フェノールフタレイン(48mmol)およびトリエチルアミン(168mmol)を混合し、氷冷下攪拌した。得られた溶液にフェニルホスホン酸ジクロライド(60mmol)の塩化メチレン(10ml)溶液を15分間かけて滴下し、滴下終了後室温で60分間攪拌した。その後、濃度0.590mol/lであるトリホスゲンの塩化メチレン溶液(11.3ml)を15分かけて滴下し、滴下終了後60分間攪拌した。その後、実施例1と同様に処理(収率90%)し、つづいて、延伸温度を203℃で行ったこと以外は、実施例1と同様の方法で評価した。
(実施例21)
窒素雰囲気下、塩化メチレン(40ml)中に、1,1ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(80mmol)、およびトリエチルアミン(168mmol)を混合し、氷冷下攪拌した。得られた溶液に、フェニルホスホン酸ジクロライド(60mmol)の塩化メチレン(10ml)溶液を15分間かけて滴下し、滴下終了後室温で60分間攪拌した。その後、濃度0.584mol/lであるトリホスゲンの塩化メチレン溶液(11.41ml)を15分かけて滴下し、滴下終了後60分間攪拌した。その後、実施例1と同様に処理(収率90%)し、つづいて延伸温度を150℃で行ったこと以外は、実施例1と同様の方法で評価した。
(実施例22)
窒素雰囲気下、塩化メチレン(40ml)中に、メチルベンジリデンビスフェノール(80mmol)、トリエチルアミン(168mmol)を混合し、氷冷下攪拌した。得られた溶液に、フェニルホスホン酸ジクロライド(60mmol)の塩化メチレン(10ml)溶液を15分間かけて滴下し、滴下終了後室温で60分間攪拌した。その後、濃度0.584mol/lであるトリホスゲンの塩化メチレン溶液(11.41ml)を15分かけて滴下し、滴下終了後60分間攪拌した。その後、実施例1と同様に処理(収率88%)し、つづいて延伸温度を170℃で行ったこと以外は、実施例1と同様の方法で評価した。
(比較例1)
窒素雰囲気下、塩化メチレン(40ml)中に、ビスフェノールA(80mmol)、トリエチルアミン(168mmol)を混合し、氷冷下攪拌した。得られた溶液に、濃度0.590mol/lであるトリホスゲンの塩化メチレン溶液(44.2ml)を15分かけて滴下し、滴下終了後180分間攪拌した。その後、実施例1と同様に処理(収率92%)し、つづいて延伸温度を140℃、延伸後チャック間距離を30mmで行ったこと以外は、実施例1と同様の方法で評価した。
(比較例2)
市販のポリアリレート樹脂(ユニチカ(株)製:Uポリマー、U−100)を塩化メチレンに溶解させ、ポリマー固形分濃度7wt%のドープ溶液を作製した。このドープ溶液をガラス板上に製膜し、乾燥させることによって、キャストフィルムを得た。このフィルムを延伸温度を195℃、延伸後チャック間距離を30mmで行ったこと以外は、実施例1と同様の方法で評価した。
上記実施例1〜22と比較例1〜2の方法で作成した樹脂の評価結果を表1と表2に示す。
Figure 2004269844
Figure 2004269844
上記比較例1〜2の結果から、従来の熱可塑性樹脂は、高屈折率だが光弾性係数が大きく、レンズ、光学用フィルムあるいは光学用シートなどの用途に用いるには到底不十分である。これに対して本発明の樹脂は高屈折率かつ光弾性係数が低いという有用な光学特性を有していることがわかる。さらに、位相差比が式(5)、(6)を満足し、逆分散特性を得ることが可能となり、これらの熱可塑性樹脂からなる単層フィルムだけで、良好な光学特性を持つ位相差フィルムを得ることができる。
本発明は、上記した問題を解決し光学特性に優れ、任意の応力下でも光学特性の変化が極めて少ない(低光弾性係数)ため光学用に好適な熱可塑性樹脂、及びその熱可塑性樹脂からなるレンズやフィルム等のシート状物等の成形体を提供することが可能となった。そのため光学レンズなどカメラ付き携帯電話、デジタルカメラ部品などにも有用に用いることができる。 さらに、本発明は、上記した問題を解決し、光学歪みの極めて小さい位相差フィルム得ることが可能で、本発明の熱可塑性樹脂からなる高分子フィルムは光の波長380nm〜780nmの間において、理想的な1/4波長位相差特性を得られ、任意の応力下でも光学特性の変化が極めて少ない(低光弾性係数)ものである。この位相差フィ
ルムを用いた、モバイル用途ディスプレイ(反射型LCD、半透過型LCD等)の画質は最高レベルを誇るため今後も有用に活用される。

Claims (13)

  1. 下記構造式(1)
    Figure 2004269844
    (式中、Rは炭素数1〜20の炭化水素基、Xは酸素、硫黄あるいはセレンを表し、RあるいはXの異なるホスホン酸残基をともに含んでもよい。)で示される繰り返し単位と、下記構造式(2)
    Figure 2004269844
    (式中、R'は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜20の芳香族炭化水素基およびニトロ基からなる群から選ばれ、pとqはp+q=0〜8の整数であり、Yは単結合、酸素原子、硫黄原子、アルキレン基、アルキリデン基、シクロアルキレン基、シクロアルキリデン基、ハロ置換アルキレン基、ハロ置換アルキリデン基、フェニルアルキリデン基、カルボニル基、脂肪族ホスフィンオキシド基、芳香族ホスフィンオキシド基、アルキルシラン基、ジアルキルシラン基、フルオレン基からなる群から選ばれる。)で示される繰り返し単位と、下記構造式(3)
    Figure 2004269844
    で示される繰り返し単位を含み、前記構造式(1)の繰り返し単位と前記構造式(3)の繰り返し単位のモル分率が、次式(4)
    (a)/[(a)+(b)]≧0.05 式(4)
    を満足し、かつ光弾性係数K(Pa-1)が3×10-13≦K≦7.0×10-11 であることを満足する熱可塑性樹脂。
  2. 1軸配向させて得られた単層状態のシート状物の450nmおよび550nmおよび650nmの光線における位相差(レタデーション値)が、下記式(5)および下記式(6)を満足する請求項1記載の熱可塑性樹脂。
    R(450nm)/R(550nm)≦1 (5)
    R(650nm)/R(550nm)≧1 (6)
    [式中、R(450nm)、R(550nm)およびR(650nm)は、それぞれ光の波長が450nm、550nmおよび650nmにおける面内位相差である。]
  3. さらに下記構造式(7)
    Figure 2004269844
    (式中、R”は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜20の芳香族炭化水素基およびニトロ基からなる群から選ばれ、nとmはn+m=0〜8の整数を表す。)で示される繰り返し単位を含む請求項1または2記載の熱可塑性樹脂。
  4. 光弾性係数K(Pa-1)が3×10-13≦K≦4.5×10-11 である請求項3記載の熱可塑性樹脂。
  5. 構造式(7)で示される繰り返し単位が、下記構造式(8)または/および下記構造式(9)
    Figure 2004269844
    Figure 2004269844
    (両式中、R”は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜20の芳香族炭化水素基およびニトロ基からなる群から選ばれ、nとmはn+m=0〜8の整数を表す。)で示される繰り返し単位であることを特徴とする請求項3または4載の熱可塑性樹脂。
  6. 構造式(1)で示されるホスホン酸残基において、該ホスホン酸残基の代わりに、一部ホスホナイト残基により構成され、その置換比率が50%以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂。
  7. ガラス転移点温度が100℃以上でかつ250℃以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の熱可塑性樹脂。
  8. d線屈折率が1.59以上1.70以下であり、かつアッベ数が20以上40以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の熱可塑性樹脂。
  9. 数平均分子量が10,000以上500,000以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の熱可塑性樹脂。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の熱可塑性樹脂からなる成形体。
  11. 膜厚が10μm以上3mm以下のシート状物である請求項10記載の成形体。
  12. 波長589nmにおける位相差が0nm以上2,000nm以下である請求項10または11記載の成形体。
  13. 請求項1〜9のいずれかに記載の熱可塑性樹脂からなる光学用品。
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