JP2003268114A - 光学樹脂 - Google Patents

光学樹脂

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JP2003268114A
JP2003268114A JP2002078591A JP2002078591A JP2003268114A JP 2003268114 A JP2003268114 A JP 2003268114A JP 2002078591 A JP2002078591 A JP 2002078591A JP 2002078591 A JP2002078591 A JP 2002078591A JP 2003268114 A JP2003268114 A JP 2003268114A
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JP2002078591A
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English (en)
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Isamu Shigemoto
勇 茂本
Keijiro Takanishi
慶次郎 高西
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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  • Liquid Crystal (AREA)
  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高屈折率・高アッベ数の光学樹脂を提供す
る。 【解決手段】 非晶構造の空隙率が34%未満であるこ
とを特徴とする光学樹脂。ホスホン酸残基、および2価
フェノール残基およびカーボネート残基からなり、ホス
ホン酸残基(a)とカーボネート残基(b)のモル分率
が下式1を満足することを特徴とする。(a)/
[(a)+(b)]≧0.05 式1

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高屈折率、高アッ
ベ数の熱可塑性光学樹脂に関するものである。
【0002】
【従来の技術】無色透明材料の主要な用途として眼鏡、
カメラ等の光学レンズがあるが、現在では耐衝撃性、軽
量性等の利点から、例えば眼鏡レンズ市場の90%は樹
脂レンズが占めるようになっている。
【0003】従来の光学レンズ用樹脂はCR39、アク
リル、ウレタンの3つに大別され(特開平06−016
729号公報など)、低分散、高屈折を目指して多くの
樹脂が開発実用化されている。これらの樹脂はすべて熱
硬化性であるため、光学レンズへの成形は注型重合が用
いられるが、この方法は重合時間が長く、その後のアニ
ーリングプロセスなど、製造コストが高いという問題点
がある。
【0004】一方、熱可塑性光学用樹脂の代表的なもの
としてポリカーボネートがある。これはその無色透明性
や耐衝撃性を生かしてディスク用基板等に用いられてい
る。この樹脂をレンズに適用する場合、熱可塑性である
ため成形性がよく、熱硬化性樹脂に比べ格段にレンズ製
造コストを安くできるという利点がある。しかし、屈折
率が低いため(1.58)レンズを薄くすることができ
ないという問題がある。またポリカーボネート以外の芳
香族系の熱可塑性樹脂は、屈折率は高いものの高分散
性、着色性等の問題があり、光学レンズ用途には適用で
きない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の背景に鑑み、屈折率が高く、かつ波長分散性の低
い熱可塑性の光学樹脂を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、次の手段を有する。すなわち、非晶空隙
率が34%未満であることを特徴とする光学樹脂であ
る。
【0007】好適には、下記一般式(1)で示されるホ
スホン酸残基、および下記一般式(2)で示される2価
フェノール残基およびカーボネート残基からなり、ホス
ホン酸残基とカーボネート残基のモル分率が式(3)を
満足することを特徴とする、非晶空隙率が34%未満の
光学樹脂である。 一般式(1)
【0008】
【化3】
【0009】一般式(2)
【0010】
【化4】
【0011】[一般式(1)中Rは炭素数1〜20の炭
化水素基、Xは酸素、硫黄あるいはセレンを表し、Rあ
るいはXの異なるホスホン酸残基をともに含んでもよ
い。一般式(2)中R’は各々独立に水素原子、ハロゲ
ン原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数1
〜20の芳香族炭化水素基、ニトロ基からなる群から選
ばれ、p、qはp+q=0〜8の整数。Yは単結合、酸素
原子、硫黄原子、アルキレン基、アルキリデン基、シク
ロアルキレン基、シクロアルキリデン基、ハロ置換アル
キレン基、ハロ置換アルキリデン基、フェニルアルキリ
デン基、カルボニル基、スルホン基、脂肪族ホスフィン
オキシド基、芳香族ホスフィンオキシド基、アルキルシ
ラン基、ジアルキルシラン基、フルオレン基からなる群
から選ばれる。] (a)/[(a)+(b)]≧0.05 (3) [式(3)中、(a)はホスホン酸残基、(b)はカーボネー
ト残基のモル数を示す。]
【0012】
【発明の実施の形態】本発明者らは、高屈折率で低分散
な熱可塑性樹脂を見いだすべく鋭意検討した結果、非晶
構造中における分子鎖間の空隙を充填して空隙率を低下
せしめることにより、従来樹脂に比較して屈折率を向上
させうることを見出した。さらに、空隙の充填に波長分
散性の低い置換基を用いることにより、波長分散性の上
昇を最小限に抑えながら屈折率を向上させることが可能
であり、斯くして高屈折率で低分散な熱可塑性樹脂の供
給が可能になったものである。
【0013】本発明では、樹脂中に占める空隙の割合を
百分率で表し、これを空隙率と呼ぶ。
【0014】空隙率を定量するには、実験的な手段とし
て例えば陽電子消滅法が考えられる。しかし、陽電子消
滅法は一般的な測定手段とは言い難い上に、測定結果の
厳密な数量化が難しく、樹脂の特性を定量的に評価する
方法として不適当である。
【0015】これに対して、分子シミュレーションによ
って自由空間体積を求める方法は、樹脂の一般式および
計算に用いるパラメータの組合せを指定すれば、ほぼ一
意的に空隙率を定量することが可能である。ここで自由
空間体積とは、分子シミュレーションの単位セル体積か
ら、単位セル中の樹脂分子鎖の分子体積を差し引いた値
として定義される。ここで言う分子体積とは、分子を構
成する個々の原子を中心に各々の原子に対応したvan de
r Waals半径の球を置いたとき、これらの球の重なりで
ある立体の体積を言う。近似的に自由空間体積を求める
には、単位セルに多数のグリッド点を配置し、グリッド
点がどの原子のvan der Waals半径にも含まれない確率
を求め、セルの体積に掛け合わせるという方法も考えら
れる。
【0016】本発明では、実施例の項に記した方法で非
晶モデルに対する分子シミュレーションを実行し、その
結果から求めた空隙率を非晶空隙率と言う。空隙の充填
による屈折率向上効果を十分に発現させるためには、非
晶空隙率は34%未満であることが好ましく、より好ま
しくは33.5%未満である。
【0017】本発明の樹脂は係る空隙率を持つものとす
ることにより、従来なしえなかった高屈折率であり、か
つ、低分散であると言う二律背反と言われる特性を具備
する光学樹脂とできる。
【0018】次に、本発明の樹脂を得る一例を示す。も
ちろん、本発明はこれに限定されるわけではない。
【0019】空隙率を低下させる手段として、5価のリ
ン原子を有する構造単位はその低分散特性から好ましく
用いられ、中でもホスホン酸構造をポリマーの主鎖に導
入するのが有効である。
【0020】上記一般式(1)で表される化合物のリン
原子上の置換基Rの具体例としては、フェニル、ハロ置
換フェニル、メトキシフェニル、エトキシフェニル、エ
チル、イソプロピル、シクロヘキシル、ビニル、アリ
ル、ベンジル、アミノアルキル、ヒドロキシアルキル、
ハロ置換アルキル、アルキルサルファイド基等が挙げら
れる。
【0021】またこれらホスホン酸残基については、そ
れぞれ対応する3価のリン官能基であるホスホナイト残
基に一部置き換えてもよい。これにより樹脂の耐酸化性
を付与することができるが、光学特性等の特性安定性を
考慮すると、その置換比率は50%以下が好ましく、よ
り好ましくは25%以下、さらに好ましくは10%以下
である。
【0022】また、一般式(2)で表される2価フェノ
ールは、得られるポリマーの性能に応じて用いることが
できる。中でも脂肪族環構造を持つ2価フェノールは、
その低分散特性から空隙率の低下に好ましく用いられ
る。このような特徴を備えた2価フェノールを具体的に
例示すると、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘプタ
ン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロオクタン、
1,1-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキ
サン,1,1-ビス(3-フェニル-4-ヒドロキシフェニル)シク
ロヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロペ
ンタン、1,1-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)シ
クロペンタン、1,1-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフ
ェニル)シクロヘキサン等である。
【0023】また、空隙率の制御という観点から見て、
本発明のポリマーは必ずしも直鎖状である必要はなく、
得られるポリマーの性能に応じて多価フェノールを共重
合することができる。
【0024】本発明では、ポリマーに占めるホスホン酸
残基の比率を式(3)のように(a)/[(a)+(b)]として表
す。ここで、(a)はホスホン酸残基、(b)はカーボネート
残基のモル数である。この値は、好ましくは(a)/[(a)+
(b)]≧0.05であり、より好ましくは(a)/[(a)+(b)]≧0.2
5、さらに好ましくは(a)/[(a)+(b)]≧0.5である。この
値が小さすぎると、5価のリン原子の特質を十分発揮さ
せることができず、好ましくない。
【0025】なお、光学物質の光の分散の度合いを表す
指標としては一般にアッベ数が用いられ、式(4)によ
って算出される。
【0026】 アッベ数(νd)=(nd-1)/(nf-nc) (4) nd:d線屈折率(波長587.6nm) nf:f線屈折率(波長486.1nm) nc:c線屈折率(波長656.3nm) すなわちその数値が大きいほど低分散であることを示し
ている。
【0027】一般に、構造に芳香族環を含むポリマーは
高い屈折率を持つが、その一方で芳香族環は分子分極率
の波長依存性が大きいため、芳香族環の割合を大きくす
ると分散性が大きくなり光学樹脂として用いるに好まし
くないことが判った。本発明においては、ポリマーの分
子量に占める芳香族環の割合を芳香族環分率として数式
(1)のように定義し、実施例の項に記した方法で求め
られる芳香族環分率としてこれを特定の値の範囲とする
ことで、波長依存性を抑制し、高アッベ数の樹脂とでき
る。芳香族環分率は59%未満であるのが好ましく、さ
らに好ましくは57.5%未満である。なお、芳香族環
はポリマー分子中に如何なる形で含まれていても芳香族
環部分としての計算に含まれるが、芳香族環上に置換さ
れる置換基はそれ自身が芳香環でない場合は芳香族環部
分としての計算に含まれない。
【0028】本発明の樹脂は、レンズ用途、光学フィル
ム用途などの光学分野において好適に用いられるが、他
の用途として液晶表示装置パネルやプラズマディスプレ
イパネル、有機電界表示装置等のプラスチック基板用
途、CD−ROM、DVD−ROM、MO等に挙げられ
る光記録用途、また、光通信分野では高屈折率特性を生
かし、光ファイバーのコア材等に用いることができる。
【0029】
【実施例】本発明の具体的実施態様を以下に実施例をも
って述べるが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【0030】実施例1 [非晶空隙率の定量方法]Accelrys社製の分子設計シス
テムCerius2上で3D-Sketcherを用いて以下の構造式
(6)、(7)に示すモノマー単位を作成し、構造式中
に明示したもの以外の水素原子を削除してunited atom
モデルとした。次に、構造式(6)のモノマー単位につ
いて、構造式に明示した2つの水素原子をそれぞれhead
およびtailに指定した。構造式(7)のモノマー単位に
ついても同様の処理を行った。 (構造式6)
【0031】
【化5】
【0032】(構造式7)
【0033】
【化6】
【0034】これら2つのモノマー単位を、Polymer Bu
ilderを用いて3:1の共重合比率で分子量約2万のラ
ンダム共重合ポリマー1本鎖に組み上げた。次いでAmor
phous Builderを用い、周期境界条件を課して非晶構造
モデルを作成した。このモデルに対して、Minimizerを
用いて構造最適化を行った後、Dynamics Simulationを
用いて定圧・定温条件の動力学計算を行い、1気圧・25
℃の状態を再現した。構造最適化および動力学計算の力
場パラメータにはDREIDING2.21を用い、動力学計算の時
間刻みは0.5fs、ステップ数は200000とした。その他の
設定項目やパラメータはソフトウェアの標準設定を用い
た。
【0035】動力学計算の終了したモデルについて、3D
-SketcherのH ADJUST機能を用いて水素原子を付加し、
空隙率を計算した。空隙率の計算には、Free Volume機
能を用いた。計算条件として、Grid SpacingはHIGH、VD
W Scale Factorは1.0を指定した。こうして得られる自
由空間体積を単位セル体積に対する比率として百分率に
換算し、空隙率とした。 [芳香族環分率の定量方法]Cambridge Soft社製の化学
構造式作図ソフトChem Drawに、構造式(6)に含まれ
るホスホン酸残基C6H5OPを入力し、Analyze Structure
機能を用いて分子量を求めたところ、124.08であった。
このホスホン酸残基に含まれる芳香族環であるフェニル
基C6H5の分子量を同様の方法で求めると、77.10であっ
た。同様に、構造式(6)、(7)に含まれるビスフェ
ノール残基C18H18O2の分子量は266.33、含まれる芳香族
環であるフェニレン基の分子量は2つで152.20であっ
た。同様に、構造式(7)に含まれるカーボネート残基
COは分子量28.01で、芳香族環は含まれていない。ホス
ホン酸残基対ビスフェノール残基対カーボネート残基の
モル比を3:4:1とし、数式(1)に従って芳香族環
分率を計算すると(77.10×3+152.20×4)/(124.08
×3+266.33×4+28.01)×100=57.3%であった。 [樹脂の合成方法]窒素雰囲気下、常温で塩化メチレン
(40ml)中に1,1ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサン(40mmol)、およびトリエチルアミン(88mmol)を混
合、攪拌した。この溶液にフェニルホスホン酸ジクロラ
イド(30mmol)の1-2ジクロロエタン(90ml)溶液を60分間
かけて滴下し、滴下終了後60分間攪拌した。その後、濃
度0.571mol/lであるトリホスゲンの1-2ジクロロエタン
(5.83ml)溶液を30分かけて滴下し、滴下終了後60分間攪
拌した。反応溶液をヘキサン2000mlに投入して再沈し、
ポリマーを濾取した後、(1)エタノール2000ml、(2)水/
エタノール=1/1混合溶液2000ml、(3)水2000mlの順
で生成したポリマーを洗浄、乾燥して目的の樹脂粉末を
収率91%で得た。 [樹脂の評価方法]得られた樹脂粉末は下記に示す方法
で成型し評価した。すなわちプレス成形の場合は、得ら
れた樹脂粉末を、樹脂のガラス転移温度点以上である2
50℃に加熱した金型に投入した。金型はφ30mmの円盤
状のプレートが成形可能なもの用いた。金型を閉じ、圧
力2tにて加圧後、金型を冷却した。金型を分割するこ
とによってφ30mm、厚さ3mmの円盤状の樹脂プレートを
得た。さらに溶融粘度の低い場合には試験管に封入して
溶融成形することもできる。すなわち、得られた樹脂粉
末を、外形24mmの試験管に3g投入し試験管内を真空に
して、真空下にて樹脂をヒーターにて試験管ごと280
℃に加熱した。樹脂の溶融を確認した後、ヒーターを止
め試験管を冷却した。試験管冷却後、樹脂の固化を確認
して試験管のみを破壊して樹脂の塊を得た。
【0036】得られた樹脂成形サンプルをサンドペーパ
ー、バフ研磨した。互いに直行する2面を研磨し、それ
らが鏡面仕上げになるように研磨した。研磨した樹脂サ
ンプルを屈折計(カルニュー光学工業(株)製:KPR-
2)にて評価を行い、d線(波長:587.6nm)屈折率(n
d)、式(4)より求められるアッベ数(νd)を測定し
た。
【0037】 アッベ数(νd)=(nd-1)/(nf-nc):式(4) nd:d線屈折率(波長587.6nm) nf:f線屈折率(波長486.1nm) nc:c線屈折率(波長656.3nm)。
【0038】比較例1 [非晶空隙率の定量方法]以下の構造式(8)、(9)
に示すモノマー単位について、実施例1と同様の方法で
共重合比率3:1の分子量約2万のランダム共重合ポリ
マー1本鎖を作成し、実施例1と同様の方法で空隙率を
定量した。 (構造式8)
【0039】
【化7】
【0040】(構造式9)
【0041】
【化8】
【0042】[芳香族環分率の定量方法]実施例1と同
様の方法で、ホスホン酸残基C6H5OP、ビスフェノール残
基C15H14O2、およびカーボネート残基COの分子量および
各残基に含まれる芳香族環の分子量を求め、ホスホン酸
残基対ビスフェノール残基対カーボネート残基のモル比
を3:4:1として芳香族環分率を計算した。 [樹脂の合成方法]窒素雰囲気下、常温で塩化メチレン
(40ml)中に2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン
(40mmol)、およびトリエチルアミン(88mmol)を混合、攪
拌した。この溶液にフェニルホスホン酸ジクロライド(3
0mmol)の1-2ジクロロエタン(90ml)溶液を60分間かけて
滴下し、滴下終了後60分間攪拌した。その後、濃度0.57
1mol/lであるトリホスゲンの1-2ジクロロエタン(5.83m
l)溶液を30分かけて滴下し、滴下終了後60分間攪拌し
た。反応溶液をヘキサン2000mlに投入して再沈し、ポリ
マーを濾取した後、(1)エタノール2000ml、(2)水/エタ
ノール=1/1混合溶液2000ml、(3)水2000mlの順で生
成したポリマーを洗浄、乾燥して目的の樹脂粉末を収率
92%で得た。 [樹脂の評価方法]得られた樹脂粉末は実施例1と同様
の方法で成型し評価した。
【0043】比較例2 [非晶空隙率の定量方法]構造式(9)に示すモノマー
単位について、実施例1と同様の方法で分子量約2万の
ホモポリマー1本鎖を作成し、実施例1と同様の方法で
空隙率を定量した。(構造式9)
【0044】
【化9】
【0045】[芳香族環分率の定量方法]実施例1と同
様の方法で、ビスフェノール残基C15H14O2、およびカー
ボネート残基COの分子量および各残基に含まれる芳香族
環の分子量を求め、ビスフェノール残基対カーボネート
残基のモル比を1:1として芳香族環分率を計算した。 [樹脂の評価方法]市販されているポリカーボネー
ト:"タフロンA2200"(出光石油化学(株)製)を用い
て、実施例1と同様の方法で研磨して評価した。
【0046】実施例1と比較例1〜2の方法で作成した
樹脂の評価を行った。結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】比較例から、高屈折な樹脂は高分散、低分
散な樹脂は低屈折となり、レンズなど光学用途に用いる
には不十分であることが明らかである。対して本発明の
樹脂は、高屈折、低分散という有用な光学特性を有して
いることがわかる。
【0049】
【発明の効果】本発明により高屈折率、高アッベ数を有
する熱可塑性樹脂を提供でき、この樹脂よりなるレンズ
は各種分野に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H050 AB42 2H090 JB03 4J029 AA09 AB01 AC03 AE02 AE03 AE04 AE05 BB12A BD09A BE05A BF14A BG08Y BH02 BH03 BH04 DB07 DB11 DC04 HC01 JC031 KB12 KB13 KE03 KE09 4J030 CA01 CB23 CB34 CB35 CD11 CE02 CE11 CG06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子シミュレーションによって計算した
    非晶空隙率が34%未満であることを特徴とする光学樹
    脂。
  2. 【請求項2】 下記一般式(1)で示されるホスホン酸
    残基、および下記一般式(2)で示される2価フェノー
    ル残基およびカーボネート残基からなり、ホスホン酸残
    基とカーボネート残基のモル分率が式(3)を満足する
    ことを特徴とする請求項1に記載の光学樹脂。 一般式(1) 【化1】 一般式(2) 【化2】 [一般式(1)中Rは炭素数1〜20の炭化水素基、X
    は酸素、硫黄あるいはセレンを表し、RあるいはXの異
    なるホスホン酸残基をともに含んでもよい。一般式
    (2)中R’は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭
    素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜20の芳
    香族炭化水素基、ニトロ基からなる群から選ばれ、p、
    qはp+q=0〜8の整数。Yは単結合、酸素原子、硫
    黄原子、アルキレン基、アルキリデン基、シクロアルキ
    レン基、シクロアルキリデン基、ハロ置換アルキレン
    基、ハロ置換アルキリデン基、フェニルアルキリデン
    基、カルボニル基、スルホン基、脂肪族ホスフィンオキ
    シド基、芳香族ホスフィンオキシド基、アルキルシラン
    基、ジアルキルシラン基、フルオレン基からなる群から
    選ばれる。] (a)/[(a)+(b)]≧0.05 (3) [式(3)中、(a)はホスホン酸残基、(b)はカーボネー
    ト残基のモル数を示す。]
  3. 【請求項3】 一般式(1)で示されるホスホン酸残基
    の一部をそれぞれ対応するホスホナイト残基に置き換え
    て得られる請求項2に記載の光学樹脂。
  4. 【請求項4】 下記数式(1)に定義する芳香族環分率
    が59%未満である請求項1〜3のいずれかに記載の光
    学樹脂。数式(1) 【数1】
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Cited By (4)

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