JP4214705B2 - 位相差フィルム及び円偏光板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置、有機電界発光表示装置、防眩フィルムの光学素子に好適に用いられる位相差フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
位相差フィルムは、液晶表示装置、有機電界発光表示装置などに用いられ、色調などの問題を解決するために用いられる。一般には、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、アモルファスポリオレフィンなどが用いられている。位相差フィルムの一種である1/4波長板は、円偏光を直線偏光に、直線偏光を円偏光に変換する機能を有している。
【0003】
上記の偏光板反射型液晶表示や反射防止フィルム用途においては、可視光全領域である380nm〜780nmにおいて位相差がλ/4(nm)となることが理想的特性である。
【0004】
一方、上記のような、現在一般的に用いられている位相差フィルムの構成材料については、短波長ほど位相差が大きく、長波長ほど位相差が小さくなる傾向で、すなわち理想的特性とは全く逆の特性を有してる。つまり、高分子フィルム単層で光の波長380nm〜780nmの間において、理想的な1/4波長位相差特性を得ることは困難であり、種々の工夫が試みられてきた。
【0005】
例えば、特開平10−68816号公報には1/4波長板と1/2波長板を適当な角度で貼り合わせて用いる例、特開平2−285304号公報には、アッベ数が異なる2枚のフィルムを積層するといった技術などが提案されている。しかし、上記した理想的な1/4波長板となるフィルムを得るためには、フィルムを2枚以上用いなくてはならず、フィルム貼り合わせ工程等によるコスト増、光学特性の悪化等の問題がある。
【0006】
また、樹脂の面からの改良では、フルオレン骨格を部分構造に有する単層の高分子配向フィルムとすることで測定波長が短いほど位相差が小さくなる位相差フィルムが特開2002−48919号公報等で提案されている。一般に、このような位相差板逆分散型位相差板と呼ばれている。しかし、当該ポリマーにおいて充分な波長依存性を得るには40モル%以上のフルオレン骨格を部分構造に有するモノマーを用いなくてはならず、係るフィルムは高Tgで非常に脆いために加工上の制約が多い。また、波長依存性についても改善の余地があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、低Tgの単層のフィルムであって、かつ測定波長が短いほど位相差が小さい逆分散特性を有し、波長依存性にも優れた理想的な1/4波長板としての特性を具備し、また、ハンドリング性も良好である位相差フィルムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
式(9)を部分構造として有する繰り返し単位、式(2)で示される繰り返し単位、式(3)で示される繰り返し単位、および、式(4)で示される繰り返し単位からなる樹脂を用いてなる位相差フィルムであって、式(2)の繰り返し単位と式(4)の繰り返し単位のモル分率が式(5)を満足し、かつ式(9)を部分構造として有する繰り返し単位のモル分率を(c)、式(3)で示される繰り返し単位のモル分率を(d)とした時、式(6)を満足し、かつ該フィルムのガラス転移温度が100℃以上かつ190℃未満であることを特徴とする位相差フィルム。
【0009】
【発明の実施の形態】
一般に位相差フィルムとは高分子フィルムを1軸以上に延伸したフィルムであり、ある任意の配向方向とその直交方向に屈折率差を生じさせたフィルムである。位相差とは、膜厚dとフィルムの配向方向とその直交方向との屈折率差(Δn:複屈折率)との積であるΔn・dとして定義される。本発明において配向とは、高分子分子鎖が特定の方向に並ぶ傾向を言い、通常光の波長550nmで位相差が15nm以上であることを言う。高分子配向フィルムの面内における配向方向の屈折率がその直交方向の屈折率より大きい場合を光学的異方性が正といい、反対に配向方向の屈折率がその直交方向の屈折率より小さい場合はを光学的異方性が負という。位相差は絶対値であらわすこともあるが、光学異方性が負の場合には位相差は負の値を有している。本発明では特にことわりのない限りは絶対値で説明する。
【0010】
従来1枚のフィルムで理想の波長分散を発現させる試みとして特開2002−48919号公報に、波長依存性の大きいフルオレン骨格を含有する単層の高分子配向フィルムが提案されている。式(11)、(12)に記載する特性を満足する、すなわち光の波長が長いほど位相差が大きくなる特性を得られることが提案されている。このような特性は逆分散特性と呼ばれている。なお、式(11)、(12)を満たす位相差特性を得るためには、波長依存性の大きいフルオレン骨格を有する成分を最低でも40モル%以上含有させなければならず、このようなフィルムは非常に脆いために加工上の制約も多い。また、各光の波長の位相差が理想値から大きくずれる等の波長依存性に問題があった。
【0011】
R(450nm)/R(550nm)<1 (11)
R(650nm)/R(550nm)>1 (12)
[以下、式中それぞれ光の波長が450nm、550nm、650nmにおける面内位相差をそれぞれR(450nm)、R(550nm)、R(650nm)と呼ぶ。]
さらに、40モル%以上のフルオレン骨格を含有した位相差フィルムはガラス転移温度(以下Tgと呼ぶ)が高くなる傾向にあり、このような位相差フィルムのTgは200℃以上を示す。そのため、係るフィルムの延伸時には200℃付近ないしそれ以上の温度に加熱する必要があり、熱劣化等による物性低下や樹脂が着色するなどの問題が生じる。ただし、ディスプレイ用の位相差フィルムにおいては、耐熱性が必要であり最低でTg100℃以上、より好ましくは120℃以上の耐熱性が必要であることを考慮すると、一般的な位相差フィルムのTgは100℃〜200℃の範囲であることが好ましい。
【0012】
そこで本発明者らは、これらの問題を解決すべく鋭意検討した結果、5価のリン原子を有する構造、中でもホスホン酸構造をポリマーの主鎖に導入した無色透明熱可塑性樹脂を用いた位相差フィルムを作製することによって、樹脂のフルオレン骨格を部分構造に有するモノマーの含有量が40モル%未満でも逆分散特性を得られることを見いだし、すなわち式(11)及び式(12)を満足し、かつTgが100℃以上かつ190℃未満であることを特徴とする位相差フィルムを見いだし本発明に至った。
【0013】
本発明は、単層のフィルムであり、450nmおよび550nmおよび650nmの光線における位相差(レタデーション値)が式(7)及び式(8)を満たし、かつ該フィルムのTgが100℃以上かつ190℃未満であることを特徴とする位相差フィルムを提供する。
【0014】
0.70<R(450nm)/R(550nm)<0.90 (7)
1.05<R(650nm)/R(550nm)<1.25 (8)
位相差フィルムの理想的な位相差特性とは、式(13)及び(14)を満足するものであるが、現在までこのような特性を持つ樹脂は見いだされていない。
【0015】
R(450nm)/R(550nm)=0.82 (13)
R(650nm)/R(550nm)=1.18 (14)
本発明の位相差フィルムは正の複屈折率異方性を持つものと、負の複屈折率依存性のものを含有させることによって、低Tg、かつ単層の高分子配向フィルムで逆分散特性である式(11)、(12)を満足する、優れた位相差特性を有し、すなわちその波長依存性が好ましくは式(15)および式(16)を満足し、より好ましくは式(7)および式(8)を満足し、最も好ましくは式(17)かつ式(18)を満足する。なお、正の複屈折率異方性をもつものは、延伸方向と屈折率楕円体の長軸方向が同一方向であるのに対し、負の複屈折率異方性をもつものは、延伸方向と屈折率楕円体の長軸方向が直交方向になる。
【0016】
0.70<R(450nm)/R(550nm)<0.94 (15)
1.03<R(650nm)/R(550nm)<1.28 (16)
0.70<R(450nm)/R(550nm)<0.90 (7)
1.05<R(650nm)/R(550nm)<1.25 (8)
0.72<R(450nm)/R(550nm)<0.87 (17)
1.101<R(650nm)/R(550nm)<1.25 (18)
負の屈折率異方性を有する負モノマ−には、物質の安定性、製膜性が良好であるフルオレンビスフェノール(FBP、式(9)記載)やビスクレゾールフルオレン(BCF、式(10)記載)の共重合体またはブレンド高分子が最も好ましく用いられる。またフルオレン骨格成分の配合比は、5価のリン原子を有する構造、中でもホスホン酸構造をポリマーの主鎖に導入した位相差フィルムでは、樹脂のフルオレン骨格含有量が40モル%未満でも逆分散特性が得られる。すなわち式(11)及び式(12)を満足し、かつTgが100℃以上かつ190℃未満であることを見いだされた。よって、式(9)記載のFBP、または式(10)記載のBCF等のフルオレン骨格成分を部分構造に有するモノマーの含有率を低減させることができる。これらの配合比は5〜40モル%で用いることができ、より好ましくは5〜38モル%、さらには15〜36モル%が最も好ましく用いられる。このようにして、ハンドリング性が良好、かつ低Tgで、波長依存性が従来品よりも理想特性に近い位相差フィルムを得ることができる。
【0017】
本発明における、式(11)かつ式(12)、式(7)かつ式(8)、式(17)かつ式(18)のようなの特性を持つ、本発明の共重合体からなるフィルムのフルオレン骨格成分量は、ビスフェノール成分中の5〜40モル%が用いることができ、最も好ましくは15〜36モル%で用いることができると前記した。また、良好な位相差特性を得るための、ビスフェノール成分中フルオレン骨格成分含有量(式8)は、式(5)で表すホスホン酸残基(式(2)記載)とカーボネート残基(式(4)記載)のモル分率によって異なる。以下に限定されるものではないが例を挙げると、ホスホン酸残基75モル%、カーボネート残基25モル%の場合、フルオレン骨格成分含有量はビスフェノール成分中30〜80モル%が好ましく用いられ、式(7)及び式(8)を満たし、かつ良好なハンドリング性、低Tg、逆分散特性が得られる。
【0018】
また式(5)で示されるホスホン酸残基のモル分率が75モル%以上になると、ビスフェノール成分中のフルオレン骨格成分を少なく/多くすることで式(7)及び式(8)を満たし、かつ大きな波長分散特性が得られる。また反対に、式(5)で示されるホスホン酸残基のモル分率が75モル%未満の場合はフルオレン骨格成分を多く/少なく含有させることで、式(7)及び式(8)を満足し、かつ大きな波長分散特性が得られる。ホスホン酸残基のモル分率については、 1〔(a)/{(a)+(b)}〕≧0.05 (5)
の範囲にあることが好ましい。[式(5)中、(a)は式(2)の繰り返し単位のモル数、(b)は式(4)の繰り返し単位のモル数。]
本発明の位相差フィルムは、波長依存性の大きいフルオレン骨格成分を有していることから発現しており、フルオレン骨格成分含有量基が5モル%未満の時は、逆分散特性が発現しない。また、フルオレン骨格成分含有量が80モル%以上の時も、フィルム面内複屈折率異方性が負になるだけで、逆分散特性は発現しない。本発明によれば、逆分散特性を有する高分子配向フィルムからなる位相差フィルムは、構成される部分構造が(A)または(B)の条件を満たす高分子配向フィルムによって得られるものである。
(A)
(1)正の屈折率異方性を有する高分子のモノマー単位(以下、正モノマー単位という。)と負の屈折率異方性を有する高分子のモノマー単位(負モノマー単位という。)とを含む高分子から構成されるフィルムであって、(2)正のモノマー単位に基づく高分子のR(450nm)/R(550nm)は、負モノマー単位に基づく高分子のR(450nm)/R(550nm)よりも小さく、かつ (3)正の屈折率異方性を有する、高分子配向フィルム。
(B)
(1)正の屈折率異方性を有する高分子を形成する正モノマー単位と負の屈折率異方性を有する高分子を形成する負モノマー単位とを含む高分子から構成されるフィルムであって、(2)正モノマー単位に基づく高分子のR(450nm)/R(550nm)は、負モノマー単位に基づく高分子のR(450nm)/R(550nm)よりも大きく、かつ (3)負の屈折率異方性を有する、高分子配向フィルム。
【0019】
上記(A)(B)の条件を満たす態様の例として、下記条件(C)(D)を満たすものがある。
(C)
(1)正の屈折率異方性を有する高分子と負の屈折率異方性を有する高分子とからなるブレンド高分子及び/又は正の屈折率異方性を有する高分子のモノマー単位と負の屈折率異方性を有する高分子のモノマー単位とからなる共重合体から構成されるフィルムであって、
(2)該正の屈折率異方性を有する高分子のR(450nm)/R(550nm)は該負の屈折率異方性を有する高分子のR(450nm)/R(550nm)よりも小さく、かつ
(3)正の屈折率異方性を有する、
高分子配向フィルム。
(D)
(1)正の屈折率異方性を有する高分子と負の屈折率異方性を有する高分子とからなるブレンド高分子及び/又は正の屈折率異方性を有する高分子のモノマー単位と負の屈折率異方性を有する高分子のモノマー単位とからなる共重合体から構成されるフィルムであって、
(2)該正の屈折率異方性を有する高分子のR(450nm)/R(550nm)は該負の屈折率異方性を有する高分子のR(450nm)/R(550nm)よりも大きく、かつ
(3)負の屈折率異方性を有する、
高分子配向フィルム。
【0020】
ここで、正又は負の屈折率異方性を有する高分子とは、正又は負の屈折率異方性を有する高分子配向フィルムを与える高分子をいう。
【0021】
本発明のフィルムは、前記式(9)を部分構造に有する繰り返し単位と(2)〜(4)の繰り返し単位からなる、位相差フィルムを構成する部分構造が、(A)〜(D)のいずれかの条件を満たす高分子配向フィルムによって得られるものである。また、限定されるものではないが、負モノマー系である式(9)を部分構造にもつ繰り返し単位と正モノマー系である式(3)の配合比によって、フィルムの屈折率異方性を正または負とすることができ、かつ位相差特性も、式(11)かつ式(12)、更に好ましくは式(7)かつ式(8)を満足し、最も好ましくは式(17)かつ(18)を満足することができる。
【0022】
式(9)を部分構造として有する繰り返し単位、式(2)で示される繰り返し単位、式(3)で示される繰り返し単位、および、式(4)で示される繰り返し単位からなる樹脂を用いてなる位相差フィルムであって、式(2)の繰り返し単位と式(4)の繰り返し単位のモル分率が式(5)を満足したポリホスホネートを含むものからなる樹脂(E)と異種樹脂(F)からなるブレンド高分子でも、本発明を適用することができる。
【0023】
すなわち、ブレンド高分子は上記条件の(C)または(D)のいずれかの条件を満足すれば、樹脂(E)には何種類の樹脂(F)をブレンドすることができるが、式(9)を部分構造として有する繰り返し単位の重量%がブレンド高分子中で1〜25重量%で用いられ、好ましくは1〜22重量%未満であることが好ましく、最も好ましくは1〜20重量%である。また位相差特性も、式(11)かつ式(12)、更に好ましくは式(7)かつ式(8)を満足し、最も好ましくは式(17)かつ(18)を満足することができる。
【0024】
本発明におけるフィルムのブレンド高分子とは既知の樹脂を用いることが可能で、樹脂(F)が、正の複屈折率の場合、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、アモルファスポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート等が用いられ、また負の複屈折率の場合はポリスチレンや、フルオレン構造を有する樹脂、例えば、フルオレン構造を有したポリカーボネートやフルオレン構造を有したポリアリレート等が好ましく用いることができる。
【0025】
この中でもさらに好ましくは、本発明の樹脂との相溶性が良い、ポリカーボネート、ポリアリレートやフルオレン構造を有するポリカーボネート等のブレンドが最も好ましい。 また、これらの樹脂のブレンド比によっても波長依存性特性をコントロールすることができる。
【0026】
また高分子ブレンドにするには、樹脂(E)と樹脂(F)等の相溶性が重要であり、相溶性が良好な場合は問題ないが、あまり良好でない場合、ブレンド高分子のフィルムは無色、かつ高透過率なフィルムにならない場合がある。このように相溶性が良好でない場合は、モノマー段階で共重合体した方が無色、高透過率のフィルムが得られる。
【0027】
またブレンド方法も特に限定されないが、有機溶剤中に何種類の樹脂を溶解させて、樹脂を得る溶液ブレンド法や何種類の樹脂を溶融させてブレンドする溶融ブレンド法が好ましく用いられる。
【0028】
なお、一般に式(11)かつ(12)を満足するような逆分散型位相差フィルムのTgは高くなる傾向にあり、分子構造によっては200〜240℃を示す。そのため、係るフィルムの延伸時には200〜250℃付近ないし、それ以上の温度に加熱する必要があり、熱劣化等による物性低下や樹脂が着色するなどの問題が生じる。ただし、ディスプレイ用の位相差フィルムにおいては、ある程度耐熱性が必要でありTg100℃以上、より好ましくは120℃以上必要であることを考慮すると、Tgは120℃〜195℃の範囲であることが好ましく。さらに好ましくは140〜190℃であり、最も好ましくは150〜185℃である。
【0029】
本発明の位相差フィルムは従来以上に理想特性に近づいた良好な位相差特性を有する1/4波長板や、1/2波長板を得ることができる。
【0030】
更に本発明の位相差フィルムには、添加剤を加えることも可能で、フェニルサリチル酸、2−ヒドロキシベンゾフェノン、トリフェニルホスホネートなどの紫外線吸収剤や、ブルーイング剤、酸化防止剤等を添加しても良い。
【0031】
位相差フィルムの膜厚は特に限定されるものではないが1μm〜500μmであることが好ましい。なお本発明は位相差フィルムと表現しているが、シート等も含む意味で用いている。
【0032】
本発明の位相差フィルムは透明であることが好ましく、ヘーズ値3%以下、全光線透過率は80%以上であることが好ましい。また本発明の位相差フィルムは無色であることが好ましく、黄色度(ΔYI)で2.0以下であることが好ましく、さらには0.5以下であることが最も好ましい。なお本発明で述べている全光線透過率、ヘーズ値(曇価)とは、日本工業規格JIS K7105に準じたものである。
【0033】
式(2)で表される化合物のリン原子上の置換基Rの具体例としては、フェニル、ハロ置換フェニル、メトキシフェニル、エトキシフェニル、エチル、イソプロピル、シクロヘキシル、ビニル、アリル、ベンジル、アミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ハロ置換アルキル、アルキルサルファイド基等が挙げられる。またこれら式(2)で表されるホスホン酸残基を構成するホスホン酸を具体的に例示すると、メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、n−プロピルホスホン酸、イソプロピルホスホン酸、n−ブチルホスホン酸、イソブチルホスホン酸、t―ブチルホスホン酸、n−ペンチルホスホン酸、ネオペンチルホスホン酸、シクロヘキシルホスホン酸、ベンジルホスホン酸、クロロメチルホスホン酸、ジクロロメチルホスホン酸、ブロモメチルホスホン酸、ジブロモメチルホスホン酸、2−クロロエチルホスホン酸、1、2−ジクロロエチルホスホン酸、2―ブロモエチルホスホン酸、1、2−ジブロモエチルホスホン酸、3−クロロプロピルホスホン酸、2、3−ジクロロプロピルホスホン酸3−ブロモプロピルホスホン酸、2、3−ジブロモプロピルホスホン酸、2−クロロー1−メチルエチルホスホン酸、1、2−ジクロロー1−メチルエチルホスホン酸、2−ブロモー1−メチルエチルホスホン酸、1、2−ジブロモー1−メチルエチルホスホン酸、4−クロロブチルホスホン酸、3、4−ジクロロブチルホスホン酸、4−ブロモブチルホスホン酸、3、4−ジブロモブチルホスホン酸、3−クロロー1―メチルプロピルホスホン酸、2、3−ジクロロ−1−メチルプロピルホスホン酸、3−ブロモ−1メチルプロピルホスホン酸、2、3−ジブロモ−1−メチルホスホン酸、1−クロロメチルプロピルホスホン酸、1−クロロー1−クロロメチルプロピルホスホン酸、1−ブロモメチルプロピルホスホン酸、1−ブロモ−1−ブロモメチルプロピルホスホン酸、5−クロロペンチルホスホン酸、4、5−ジクロロペンチルホスホン酸、5−ブロモペンチルホスホン酸、4、5−ジブロモペンチルホスホン酸、1−ヒドロキシメチルホスホン酸、2−ヒドロキシエチルホスホン酸、3−ヒドロキシプロピルホスホン酸、4−ヒドロキシブチルホスホン酸、5−ヒドロキシペンチルホスホン酸、1−アミノメチルホスホン酸、2−アミノエチルホスホン酸、3−アミノプロピルホスホン酸、4−アミノブチルホスホン酸、5−アミノペンチルホスホン酸、メチルチオメチルホスホン酸、メチルチオエチルホスホン酸、メチルチオプロピルホスホン酸、メチルチオブチルホスホン酸、エチルチオメチルホスホン酸、エチルチオエチルホスホン酸、エチルチオプロピルホスホン酸、プロピルチオメチルホスホン酸、プロピルチオエチルホスホン酸、ブチルチオメチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、4−クロロフェニルホスホン酸、3、4−ジクロロフェニルホスホン酸、3、5−ジクロロフェニルホスホン酸、4−ブロモフェニルホスホン酸、3、4−ブロモフェニルホスホン酸、3、5−ブロモフェニルホスホン酸、4−メトキシフェニルホスホン酸、3、4−ジメトキシフェニルホスホン酸、1―ナフチルホスホン酸、2―ナフチルホスホン酸、ベンジルホスホン酸、4−ブロモフェニルメチルホスホン酸、3、4−ジブロモフェニルメチルホスホン酸、3、5−ジブロモフェニルメチルホスホン酸、2−フェニルエチルホスホン酸、2−(4−ブロモフェニル)エチルホスホン酸、2−(3、4−ジブロモフェニル)エチルホスホン酸、2−(3、5−ジブロモフェニル)エチルホスホン酸、3−フェニルプロピルホスホン酸、3−(4−ブロモフェニル)プロピルホスホン酸、3−(3、4−ジブロモフェニル)プロピルホスホン酸、3−(3、5−ジブロモフェニル)プロピルホスホン酸、4−フェニルブチルホスホン酸、4−(4−ブロモフェニル)ブチルホスホン酸、4−(3、4−ジブロモフェニル)ブチルホスホン酸、4−(3、5−ジブロモフェニル)ブチルホスホン酸、2―ピリジルホスホン酸、3−ピリジルホスホン酸、4−ピリジルホスホン酸、1−ピロリジノメチルホスホン酸、1―ピロリジノエチルホスホン酸、1−ピロリジノプロピルホスホン酸、1−ピロリジノブチルホスホン酸、ピロール−1−ホスホン酸、ピロール−2―ホスホン酸、ピロール−3−ホスホン酸、チオフェン−2―ホスホン酸、チオフェン−3―ホスホン酸、ジチアン−2―ホスホン酸、トリチアン−2―ホスホン酸、フラン−2―ホスホン酸、フラン−3―ホスホン酸、ビニルホスホン酸、アリルホスホン酸などが挙げられ、またこれらのリン原子に2重結合で結合している酸素原子が硫黄原子に置換されたチオホスホン酸も同様に挙げられる。これらは1種類でも、複数種併用することもできる。
【0034】
また、これらホスホン酸はその酸塩化物、エステル、アミドなどのホスホン酸誘導体であってもよい。
【0035】
またこれらホスホン酸残基については、それぞれ対応する3価のリン官能基であるホスホナイト残基に一部置き換えてもよい。これにより樹脂の耐酸化性を付与することができるが、光学特性等の特性安定性を考慮すると、その置換比率は50モル%以下が好ましく、より好ましくは25モル%以下、さらに好ましくは10モル%以下である。なお、この場合、式(5)における(a)としては、ホスホナイト残基とホスホン酸残基のモル分率の和として式(5)を満足することが好ましい。
【0036】
また、式(3)で表される2価フェノール残基を構成する2価フェノールを具体的に例示すると、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−メチル−2−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロオクタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、4,4'−ビフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−secブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビスフェノールフローレン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)−2−メチルプロパン、4,4'−〔1,4−フェニレン−ビス(2−プロピリデン)〕−ビス(2−メチルフェノール)、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4'−ジヒドロキシフェニルエーテル、1,1−ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、2,4'−メチレンビスフェノール、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−ブタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、3,3−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、3,3−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノナン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、テルペンジフェノール、1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)−2−メチルプロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3,5−ジtert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3,5−ジsecブチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジtert−ブチルフェニル)エタン、1,1−ビス(3−ノニル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,5−ジtert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジtert−ブチル−6−メチルフェニル)メタン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチルエステル、1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−5−フルオロフェニル)メタン、2,2−ビス(4ーヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルメタン、1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1−(p−フルオロフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−(p−フルオロフェニル)メタン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ニトロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、3,3'−ジメチル−4,4'−ビフェノール、3,3',5,5'−テトラメチル−4,4'−ビフェノール、3,3',5,5'−テトラtert−ブチル−4,4'−ビフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、3,3'−ジフルオロ−4,4'−ビフェノール、3,3',5,5'−テトラフルオロ−4,4'−ビフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジメチルシラン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)チオエーテル、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)チオエーテル、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)チオエーテル、1,1−ビス(2,3,5−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ドデカン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ドデカン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ドデカン、1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(3,5−ジtert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジtert−ブチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン酸メチルエステル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン酸エチルエステル、イサチンビスフェノール、イサチンビスクレゾール、2,2',3,3',5,5'−ヘキサメチル−4,4'−ビフェノール、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、2,4'−メチレンビスフェノール、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(2−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(2−ヒドロキシ−3−アリルフェニル)メタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)エタン、ビス(2−ヒドロキシ−5−フェニルフェニル)メタン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタデカン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタデカン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタデカン、1,2−ビス(3,5−ジtert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジtert−ブチルフェニル)メタン、2,2−ビス(3−スチリル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−(p−ニトロフェニル)エタン、ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルメタン、ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、3,3',5,5'−テトラtert−ブチル−2,2'−ビフェノール、2,2'−ジアリル−4,4'−ビフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5,5−テトラメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,4−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−エチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロペンタン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、α、α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、ビスクレゾールフルオレン等が挙げられ、これらは1種類でも、複数種併用することもできる。これら2価フェノールはフルオレン骨格を有する成分のモノマーと組合せて用いることもできる。また、負モノマーに用いるフルオレン骨格を有する分子構造は、前述した様に、樹脂の靭性、製膜性、延伸性等を考慮すると、フルオレンビスフェノール(FBP、式(9)に対応)やビスクレゾールフルオレン(BCF、式(10)に対応)を含む共重合体または高分子ブレンドが最も好ましく用いられる。
【0037】
【化11】
Figure 0004214705
【0038】
【化12】
Figure 0004214705
【0039】
また、式(4)の繰り返し単位であるカーボネート残基とは、炭酸エステル、炭酸ハライドなどを原料として得られる構造単位であり、例えばジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネートなどの炭酸エステル、ホスゲン、トリホスゲンなどの炭酸ハライドが挙げられる。
【0040】
また、ジヒドロキシベンゼンを本発明の効果が損なわれない範囲で用いることができ、これらジヒドロキシベンゼンとしては、レゾルシノール、ハイドロキノン、1,2−ジヒドロキシベンゼン等が挙げられ、これらは1種類でも、複数種併用することもできる。
【0041】
また、本発明のフィルムの樹脂組成物は必ずしも直鎖状である必要はなく、得られるポリマーの性能に応じて多価フェノールを共重合することができる。このような多価フェノールを具体的に例示すると、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、4,4'−〔1−〔4−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル〕フェニル〕エチリデン〕ビスフェノール、2,3,4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−〔ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチル〕−2−メトキシフェノール、トリス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、4−〔ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕−2−メトキシフェノール、4−〔ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕−2−メトキシフェノール、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、トリス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,6−ビス〔(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル〕−4−メチルフェノール、4−〔ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕−1,2−ジヒドロキシベンゼン、2−〔ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)メチル〕−フェノール、4−〔ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)メチル〕−1,2−ジヒドロキシベンゼン、4−メチルフェニル−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、4−〔(4−ヒドロキシフェニル)メチル〕−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、4−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−エチル〕−1,3−ジヒドロキシベンゼン、4−〔(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、1,4−ビス〔1−ビス(3,4−ジヒドロキシフェニル)−1−メチル−エチル〕ベンゼン、1,4−ビス〔1−ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−1−メチル−エチル〕ベンゼン、2,4−ビス〔(4−ヒドロキシフェニル)メチル〕−1,3−ジヒドロキシベンゼン、2−〔ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェイル)メチル〕フェノール、4−〔ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェイル)メチル〕フェノール、2−〔ビス(2−メチル−4−ヒドロキシフェイル)メチル〕フェノール、4−〔ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕−1,2−ジヒドロキシベンゼン、4−〔ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチル〕−2−エトキシフェノール、2−〔ビス(2,3−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕フェノール、4−〔ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕フェノール、3−〔ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕フェノール、2−〔ビス(2−ヒドロキシ−3,6−ジメチルフェニル)メチル〕フェノール、4−〔ビス(2−ヒドロキシ−3,6−ジメチルフェニル)メチル〕フェノール、4−〔ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕−2−メトキシフェノール、3,6−〔ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕−1,2−ジヒドロキシベンゼン、4,6−〔ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、2−〔ビス(2,3,6−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕フェノール、2−〔ビス(2,3,5−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕フェノール、3−〔ビス(2,3,5−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕フェノール、4−〔ビス(2,3,5−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕フェノール、4−〔ビス(2,3,5−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕−1,2−ジヒドロキシベンゼン、3−〔ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)メチル〕フェノール、4−〔ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)メチル〕フェノール、4−〔ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)メチル〕−2−メトキシフェノール、2,4,6−〔トリス(4−ヒドロキシフェニルメチル)−1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,1,2,2−テトラ(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラ(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,4−〔〔ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチル〕〕ベンゼン、1,4−ジ〔ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕ベンゼン、1,4−ジ〔ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕ベンゼン、4−〔1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕アニリン、(2,4−ジヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、2−〔ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチル〕フェノール、1,3,3−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ブタン等が挙げられ、これらは1種類でも、複数種併用することもできる。
【0042】
本発明のフィルムの樹脂組成物の製造方法としては、酸ハライドと2価のフェノールを有機溶剤中で反応させる溶液重合法(A.Conix Ind.Eng.chem.,51,147,1959年、特公昭37−5599号公報)、酸ハライドと2価のフェノールを塩化マグネシウム等の触媒存在下で加熱する溶融重合法、2価の酸と2価のフェノールをジアリルカーボネートの存在下で加熱する溶融重合法(特公昭38−26299号公報)、水と相溶しない有機溶剤に溶解せしめた2価の酸ハライドとアルカリ水溶液に溶解せしめた2価のフェノールとを混合する界面重合法(W.M.EARECKSON J.Poly.Sci.,XL399,1959年、特公昭40−1959号公報)等が挙げられるが、特に溶液重合法が好適に採用される。溶液重合法について一例を説明すると、ホスホン酸残基の前駆体分子であるホスホン酸誘導体と、2価フェノールをトリエチルアミンなどの塩基存在下混合して反応させ、続いてカーボネート残基の前駆体分子、たとえばトリホスゲンなどを添加して縮合重合することによって本発明の樹脂を得ることができる。ホスホン酸誘導体あるいはカーボネート誘導体としてはそれらのハロゲン化物、酸無水物、エステル等が用いられるが特に限定されない。
【0043】
本発明のフィルムの樹脂組成物の分子量を調節する方法としては、重合時に一官能の物質を添加して行うことができる。ここで言う分子量調節剤として用いられる一官能物質としては、フェノール、クレゾール、p−tert−ブチルフェノール等の一価フェノール類、安息香酸クロライド、メタンスルホニルクロライド、フェニルクロロホルメート等の一価酸クロライド類が挙げられる。
【0044】
本発明のフィルムの樹脂組成物には、その特性を損なわない範囲で、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、チオエーテル系、燐系の各種抗酸化剤を添加することができる。
【0045】
また、本発明のフィルムの樹脂組成物は、有機溶媒に対して高い溶解性を有しており、このような溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、トルエン、キシレン、γ−ブチロラクトン、ベンジルアルコール、イソホロン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ヘキサフルオロイソプロパノール等が挙げられる。さらに、本発明のフィルムの樹脂組成物は非晶性であり、非晶性であるかどうかは、公知の方法例えば示差走差熱量分析(DSC)や動的粘弾性測定等により融点が存在しているかどうかを確認すればよい。
【0046】
本発明の位相差フィルムの樹脂溶液の作製においては溶剤を撹拌しながら樹脂のペレットまたは粉末を投入して完全に溶解させる。
【0047】
流延製膜に使用される樹脂溶液中の樹脂の濃度は流延時の作業性と樹脂の数平均分子量によって樹脂濃度を適宜選択できる。好ましい樹脂溶液の樹脂濃度は5〜28重量%である。より好ましい樹脂溶液の樹脂濃度は、乾燥後のシート状物表面の品位や特性から10〜26重量%である。
【0048】
溶液中に異物等が混入されている場合、フィルムの品位を低下させるため、該異物を除去するために溶解後は溶液をろ過することが好ましい。ろ過に使用するフィルターエレメントの材質はろ紙、ガラス、セラッミックス、フッ素系樹脂、セルロース、羊毛フェルト、ポリエステル繊維、焼結金属等が挙げられる。フィルターエレメントは目開きが0.6μm〜500μmの範囲で目開きの異なるものを複数組み合わせて用いることが好適である。
【0049】
より品位の良好なシート状物を得るためにろ過後の樹脂溶液は脱泡をおこなうことが好ましい。脱泡方法は減圧または遠心脱泡が挙げられるが、溶剤の揮発を防ぐために樹脂溶液温度を15℃以下に保ち可能な限り短時間でおこなうことが好ましい。
【0050】
流延する基材の材質はガラス板または有機シランカップリング剤で表面処理されたガラス板、平滑な金属板、硬質ゴム板、フッ素系樹脂板等を用いることが出来、ドラム状、板状、エンドレスベルトなど種々の形態が採用しうる。乾燥後のシート状物の均質性の観点から、鏡面研磨加工された金属製のエンドレスベルトを用ることが好ましい。
【0051】
本発明の位相差フィルムにおける樹脂溶液の膜厚制御にはフィルムアプリケーター、ドクターブレードでの掃け引き、ロールコーターによる塗り付け、押し出しダイによる溶液の押し出し、スプレーによる吹き付け、ノズルから溶液を流す方法が挙げられる。フィルムの厚みおよび幅の均一性、物理的および光学的欠点の発生が少ないこと等から押出ダイによる溶液の押出が好ましい。
【0052】
流延後の樹脂溶液の乾燥は自然乾燥、強制乾燥のいずれでも可能であるが、強制乾燥の方が好ましい。強制乾燥法としては常圧乾燥法と減圧乾燥法があるが、樹脂溶液に使用される溶剤の沸点で適宜使い分けることができる。どちらの方法にせよ、乾燥速度が重要であり、急激な乾燥は溶剤の揮発にともなう膜表面の結露による膜の白化、膜面の凹凸(ユズ肌)、膜面の発泡等の欠点を生じる原因となる。また、加熱延伸中の膜面の発泡、白化、配向不良は膜中の残存溶剤による影響であり、乾燥不足に起因している。乾燥時は膜の表面乾燥速度と膜内部の乾燥速度がほぼ等しくなるようにすることが望ましい。
【0053】
本発明は上記基材上にて乾燥後、乾燥されたシート状物を剥離する。この剥離されたシート状物中に含まれる溶剤の含有量は該シート状物重量の1〜15重量%とすることが好ましい。より好ましいのは該シート状物重量の1〜8重量%である。溶剤の含有量が1重量%未満だとフィルムの剛性が高いためにフィルムの乾燥収縮によるカール、基材からの自然剥離、剥離時の破損、延伸時の破損等取扱い性不良の原因となる。また、溶剤の含有量が15重量%を超えるとフィルムの柔軟性による表面の傷つき、剥離不良、加熱延伸中の膜面の発泡、白化、配向不良の原因となる。
【0054】
このように剥離されたシート状物は、更に乾燥・延伸を行う。このシート状物は通常非晶性であるため、配向させるために等方的でない延伸をおこなう。通常は1軸延伸である。1軸延伸は横方向の1軸延伸または縦方向の1軸延伸のいずれでも可能であるが、製膜性に優れることから縦1軸延伸が好ましい。
【0055】
この乾燥・延伸工程おいて、延伸温度は樹脂のガラス転移温度をTg(℃)としたとき、Tg〜(Tg±50℃)の範囲で延伸することが好ましく、より好ましくは、Tg〜(Tg±30℃)の範囲で延伸することがより好ましく、Tg〜(Tg±15℃)の範囲で延伸することが最も好ましい。また(Tg−50℃)以下ではフィルムが剛直となるため、引っ張り応力に抗しきれず、延伸中にフィルムが破断したり、微細なクラックによりフィルム表面が白化したりする場合がある。
【0056】
本発明におけるフィルムの延伸倍率は、配向性の良好なフィルムを得るため、樹脂組成物の構造に応じて元のフィルム長さの1.01〜3.0倍の範囲で延伸倍率を変えることができる。しかし、延伸倍率が高いほど配向性は良くなるが、フィルムの破断、ネックダウンの増大等加工性の問題が生じる。より好ましくは延伸倍率は元の長さの1.01〜2.50倍の範囲で延伸することにより表面品位、配向性の良好な位相差フィルムが得られる。
【0057】
本発明の位相差フィルムは、位相差フィルムの位相差を延伸温度、延伸倍率等の調整によって、波長依存性が理想に近い良好な1/4波長板や1/2波長板を構成する事もできる。なお、1/4波長板の場合は80nm≦R(550nm)≦180nmであることが好ましく、より好ましくは100nm≦R(550nm)≦160nmである。また1/2波長板の場合は220nm≦R(550nm)≦320nmであることが好ましく、より好ましくは250nm≦R(550nm)≦300nmである。また、本発明の位相差板、円偏光板は反射型液晶表示装置や有機電界発光表示装置などに用いることが可能である。
【0058】
また本発明の位相差フィルムを以下の構成にすることで円偏光板、楕円偏光板を得ることができる。波長550nmで100nm≦R(550nm)≦160nmの位相差を持つ本発明の位相差フィルムを粘着層、接着層を介して、位相差フィルムの面内屈折率楕円体の長軸方向と偏光フィルムを偏光軸45°の積層角度にて貼り合わせて円偏光板とすることができる。得られた円偏光板は偏光板側から光を入射させると広帯域波長で円偏光化することができる。また、位相差フィルムの位相差を1/3波長や1/5波長にしたり、積層角度を任意の角度にすることで楕円偏光板を得ることもできる。なお、円偏光板、楕円偏光板の構成はこれに限定されるものではない。
【0059】
【実施例】
本発明の具体的実施態様を以下に実施例をもって述べるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0060】
実施例1
窒素雰囲気下、塩化メチレン(40ml)中にメチルベンジリデンビスフェノール(53.6mmol)、9,9−ビス−(4−ヒドロキフェニル)フルオレン(26.4mmol)およびトリエチルアミン(168mmol)を混合し、氷冷下攪拌した。この溶液にフェニルホスホン酸ジクロライド(60mmol)の塩化メチレン(10ml)溶液を15分間かけて滴下し、滴下終了後室温で60分間攪拌した。その後、濃度0.584mol/lであるトリホスゲンの塩化メチレン溶液(11.41ml)を15分かけて滴下し、滴下終了後60分間攪拌した。
【0061】
その後、反応溶液を0.5μmの濾過で異物を除去し、0.1N塩酸水溶液80mlと純水300mlの混合液で数回洗浄し分離した。その後分離した有機層をエタノール2000mlに投入して再沈し、ポリマーを濾取した後、(1)エタノール1000ml(2)水/エタノール=1/1混合溶液1000ml(3)水1000mlの順で生成したポリマーを洗浄、乾燥して目的の樹脂粉末を収率90%で得た。得られた樹脂粉末をDSC(セイコー電子工業(株)製:SSC5200)にてガラス転移温度を測定した。また、得られた樹脂粉末は下記に示す方法で高分子配向フィルム化し位相差特性評価した。すなわち溶液キャスト製膜の場合は、塩化メチレンに溶解させ、ポリマー固形分濃度15重量%のドープ溶液を作製した。このドープ溶液をガラス板上に製膜、乾燥させることによってキャストフィルムを得た。得られたキャストフィルムを温度190℃で1.7倍で幅方向自由の1軸延伸し、位相差フィルムを得た。
【0062】
延伸時のフィルム幅と延伸方向の延伸前の長さの比は1:1とした。得られたフィルムの位相差測定はセルギャップ検査装置(大塚電子(株)製:RETS−1100)を用いて、各光の波長の位相差を測定した。屈折率異方性の確認は、直交に積層された2枚の偏光板の間に得られたフィルムの延伸軸を45°方向に積層させ、その上にあらかじめ屈折率異方性が正だとわかっている位相差80nmのポリカーボネート製の位相差フィルムを45°にて積層させて光を透過させる。その光が明るくなったら得られたフィルムは屈折率異方性は正であり、暗ければその得られたフィルムは屈折率異方性は負である。反対に、ポリカーボネートに代わってあらかじめ屈折率異方性が負だとわかっているポリスチレン製の位相差フィルムを45°方向に積層させて光を透過させた場合は、その光が明るくなったら得られたフィルムは屈折率異方性は負であり暗くなれば、その得られたフィルムは屈折率異方性は正である。
【0063】
実施例2
窒素雰囲気下、塩化メチレン(40ml)中にメチルベンジリデンビスフェノール(53.4mmol)、9,9−ビス−(4−ヒドロキフェニル)フルオレン(26.6mmol)およびトリエチルアミン(168mmol)を混合し、氷冷下攪拌した。この溶液にフェニルホスホン酸ジクロライド(60mmol)の塩化メチレン(10ml)溶液を15分間かけて滴下し、滴下終了後室温で60分間攪拌した。その後、濃度0.584mol/lであるトリホスゲンの塩化メチレン溶液(11.41ml)を15分かけて滴下し、滴下終了後60分間攪拌した。その後、実施例1と同様に処理(収率89%)し、つづいて実施例1と同様の方法で配向フィルム化して評価した。
【0064】
実施例3
窒素雰囲気下、塩化メチレン(40ml)中にメチルベンジリデンビスフェノール(53.2mmol)、9,9−ビス−(4−ヒドロキフェニル)フルオレン(26.8mmol)およびトリエチルアミン(168mmol)を混合し、氷冷下攪拌した。この溶液にフェニルホスホン酸ジクロライド(60mmol)の塩化メチレン(10ml)溶液を15分間かけて滴下し、滴下終了後室温で60分間攪拌した。その後、濃度0.584mol/lであるトリホスゲンの塩化メチレン溶液(11.41ml)を15分かけて滴下し、滴下終了後60分間攪拌した。その後、実施例1と同様に処理(収率87%)し、つづいて実施例1と同様の方法で配向フィルム化して評価した。
【0065】
実施例4
窒素雰囲気下、塩化メチレン(40ml)中にメチルベンジリデンビスフェノール(53mmol)、9,9−ビス−(4−ヒドロキフェニル)フルオレン(27mmol)およびトリエチルアミン(168mmol)を混合し、氷冷下攪拌した。この溶液にフェニルホスホン酸ジクロライド(60mmol)の塩化メチレン(10ml)溶液を15分間かけて滴下し、滴下終了後室温で60分間攪拌した。その後、濃度0.584mol/lであるトリホスゲンの塩化メチレン溶液(11.41ml)を15分かけて滴下し、滴下終了後60分間攪拌した。その後、実施例1と同様に処理(収率91%)し、つづいて実施例1と同様の方法で配向フィルム化して評価した。
【0066】
実施例5
窒素雰囲気下、塩化メチレン(40ml)中にメチルベンジリデンビスフェノール(52.8mmol)、9,9−ビス−(4−ヒドロキフェニル)フルオレン(27.2mmol)およびトリエチルアミン(168mmol)を混合し、氷冷下攪拌した。この溶液にフェニルホスホン酸ジクロライド(60mmol)の塩化メチレン(10ml)溶液を15分間かけて滴下し、滴下終了後室温で60分間攪拌した。その後、濃度0.584mol/lであるトリホスゲンの塩化メチレン溶液(11.41ml)を15分かけて滴下し、滴下終了後60分間攪拌した。その後、実施例1と同様に処理(収率89%)し、つづいて同様の方法で配向フィルム化して評価した。
実施例6
(樹脂A)
窒素雰囲気下、塩化メチレン(40ml)中にメチルベンジリデンビスフェノール(80mmol)、およびトリエチルアミン(168mmol)を混合し、氷冷下攪拌した。この溶液にフェニルホスホン酸ジクロライド(60mmol)の塩化メチレン(10ml)溶液を15分間かけて滴下し、滴下終了後室温で60分間攪拌した。その後、濃度0.584mol/lであるトリホスゲンの塩化メチレン溶液(11.41ml)を15分かけて滴下し、滴下終了後60分間攪拌した。
【0067】
その後、反応溶液を0.5μmの濾過で異物を除去し、0.1N塩酸水溶液80mlと純水300mlの混合液で数回洗浄し分離した。その後分離した有機層をエタノール2000mlに投入して再沈し、ポリマーを濾取した後、(1)エタノール1000ml(2)水/エタノール=1/1混合溶液1000ml(3)水1000mlの順で生成したポリマーを洗浄、乾燥して目的の樹脂粉末を収率90%で得た。
【0068】
(樹脂B)
窒素雰囲気下、塩化メチレン(40ml)中に9,9−ビス−(4−ヒドロキフェニル)フルオレン(80mmol)およびトリエチルアミン(168mmol)を混合し、氷冷下攪拌した。この混合液にフェニルホスホン酸ジクロライド(60mmol)の塩化メチレン(10ml)溶液を15分間かけて滴下し、滴下終了後室温で60分間攪拌した。その後、濃度0.584mol/lであるトリホスゲンの塩化メチレン溶液(11.41ml)を15分かけて滴下し、滴下終了後60分間攪拌した。
【0069】
その後、反応溶液を0.5μmの濾過で異物を除去し、0.1N塩酸水溶液80mlと純水300mlの混合液で数回洗浄し分離した。その後分離した有機層をエタノール2000mlに投入して再沈し、ポリマーを濾取した後、(1)エタノール1000ml(2)水/エタノール=1/1混合溶液1000ml(3)水1000mlの順で生成したポリマーを洗浄、乾燥して目的の樹脂粉末を収率87%で得た。(ブレンド・配向フィルム化)
塩化メチレン300mlに正モノマー、負モノマーが実施例5と同様の比率になるように樹脂Aを12.82g、樹脂Bを7.62g投入した後、3時間攪拌し樹脂溶液を得た。つづいて該溶液をエタノール3000mlに投入して再沈し、ポリマーを濾取後、乾燥して目的の樹脂粉末を得た。つづいて実施例1と同様の方法で配向フィルム化して評価した。また得られたフィルムは、非常に透明であり、2つの樹脂は相溶系であることを確認した。
【0070】
比較例1
窒素雰囲気下、塩化メチレン(40ml)中にビスフェノールA(25.6mmol)、9,9−ビス−(4−ヒドロキフェニル)フルオレン(54.4mmol)およびトリエチルアミン(168mmol)を混合し、氷冷下攪拌した。その後、濃度0.584mol/lであるトリホスゲンの塩化メチレン溶液(45.64ml)を15分かけて滴下し、滴下終了後60分間攪拌した。その後、実施例1と同様に処理(収率90%)し、つづいて実施例1と同様の方法でキャストフィルム化して、得られたキャストフィルムを温度220℃で1.85倍で幅方向自由の1軸延伸し、配向フィルム化して評価した。
【0071】
比較例2
窒素雰囲気下、塩化メチレン(40ml)中にメチルベンジリデンビスフェノール(52mmol)、9,9−ビス−(4−ヒドロキフェニル)フルオレン(28mmol)およびトリエチルアミン(168mmol)を混合し、氷冷下攪拌した。その後、濃度0.584mol/lであるトリホスゲンの塩化メチレン溶液(45.64ml)を15分かけて滴下し、滴下終了後60分間攪拌した。その後、実施例1と同様に処理(収率88%)し、つづいて実施例1と同様の方法でキャストフィルム化して、得られたキャストフィルムを温度230℃で1.65倍で幅方向自由の1軸延伸し、配向フィルム化して評価した。
【0072】
比較例3
窒素雰囲気下、塩化メチレン(40ml)中にメチルベンジリデンビスフェノール(44mmol)、9,9−ビス−(4−ヒドロキフェニル)フルオレン(36mmol)およびトリエチルアミン(168mmol)を混合し、氷冷下攪拌した。その後、濃度0.584mol/lであるトリホスゲンの塩化メチレン溶液(45.64ml)を15分かけて滴下し、滴下終了後60分間攪拌した。その後、実施例1と同様に処理(収率91%)し、つづいて実施例1と同様の方法でキャストフィルム化して、得られたキャストフィルムを温度240℃で1.65倍で幅方向自由の1軸延伸し、配向フィルム化して評価した。
実施例1〜6と比較例1〜3の方法で作成した高分子配向フィルムの評価結果を行った。結果を表1に示す。
【0073】
【表1】
Figure 0004214705
【0074】
表1からフルオレン成分を部分構造に有するモノマー(負モノマー)の含有量を低減させて、ハンドリング性を向上させながら、逆分散特性を有し、かつ低Tgであり、かつ波長依存性が良好な位相差フィルムを提供することができた。
【0075】
【発明の効果】
本発明によりガラス転移温度が100℃以上かつ190℃未満である単層の高分子配向フィルムで測定波長が短いほど位相差が小さい逆分散特性を有し、かつ良好な波長依存性特性をもつ逆分散型位相差フィルムを提供することができる。

Claims (5)

  1. 式(9)を部分構造として有する繰り返し単位、式(2)で示される繰り返し単位、式(3)で示される繰り返し単位、および、式(4)で示される繰り返し単位からなる樹脂を用いてなる位相差フィルムであって、式(2)の繰り返し単位と式(4)の繰り返し単位のモル分率が式(5)を満足し、かつ式(9)を部分構造として有する繰り返し単位のモル分率を(c)、式(3)で示される繰り返し単位のモル分率を(d)とした時、式(6)を満足し、かつ該フィルムのガラス転移温度が100℃以上かつ190℃未満であることを特徴とする位相差フィルム。
    Figure 0004214705
    Figure 0004214705
    Figure 0004214705
    Figure 0004214705
    式(9)中R”は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜20の芳香族炭化水素基、ニトロ基からなる群から選ばれ、m、nはm+n=0〜8の整数。式(2)中Rは炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基、Xは酸素、硫黄あるいはセレンを表し、RあるいはXの異なるホスホン酸残基をともに含んでもよい。式(3)中R’は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜20の芳香族炭化水素基、ニトロ基からなる群から選ばれ、p、qはp+q=0〜8の整数。Yは単結合、酸素原子、硫黄原子、アルキレン基、アルキリデン基、シクロアルキレン基、シクロアルキリデン基、ハロ置換アルキレン基、ハロ置換アルキリデン基、フェニルアルキリデン基、カルボニル基、スルホン基、脂肪族ホスフィンオキシド基、芳香族ホスフィンオキシド基、アルキルシラン基、ジアルキルシラン基、フルオレン基からなる群から選ばれる。]
    (a)/{(a)+(b)}≧0.05 (5)
    [式(5)中、(a)は式(2)の繰り返し単位のモル数、(b)は式(4)の繰り返し単位のモル数。]
    0.40>(c)/{(c)+(d)}≧0.01 (6)
    [式(6)中、(c)は式(9)を部分構造として有する繰り返し単位のモル数、(d)は式(3)の繰り返し単位のモル数。]
  2. 式(9)を部分構造として有する繰り返し単位、式(2)で示される繰り返し単位、および、式(3)で示される繰り返し単位、及び/または、式(4)で示される繰り返し単位からなる樹脂(E)と該樹脂(E)と異なる樹脂(F)からなるブレンド高分子樹脂で構成される位相差フィルムであって、該フィルムの樹脂において式(9)を部分構造として有する繰り返し単位が樹脂組成物中の25重量%以下であり、かつ樹脂(E)が式(2)で示される単位と式(4)で示される繰り返し単位のモル分率が式(5)を満足することを特徴とする位相差フィルム。
    Figure 0004214705
    Figure 0004214705
    Figure 0004214705
    Figure 0004214705
    式(9)中R”は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜20の芳香族炭化水素基、ニトロ基からなる群から選ばれ、m、nはm+n=0〜8の整数。式(2)中Rは炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基、Xは酸素、硫黄あるいはセレンを表し、RあるいはXの異なるホスホン酸残基をともに含んでもよい。式(3)中R’は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数1〜20の芳香族炭化水素基、ニトロ基からなる群から選ばれ、p、qはp+q=0〜8の整数。Yは単結合、酸素原子、硫黄原子、アルキレン基、アルキリデン基、シクロアルキレン基、シクロアルキリデン基、ハロ置換アルキレン基、ハロ置換アルキリデン基、フェニルアルキリデン基、カルボニル基、スルホン基、脂肪族ホスフィンオキシド基、芳香族ホスフィンオキシド基、アルキルシラン基、ジアルキルシラン基、フルオレン基からなる群から選ばれる。]
    (a)/{(a)+(b)}≧0.05 (5)
    [式(5)中、(a)は式(2)の繰り返し単位のモル数、(b)は式(4)の繰り返し単位のモル数。]
  3. 単層のフィルムであり、450nmおよび550nmおよび650nmの光線における位相差(レタデーション値)が式(7)及び(8)を満足する請求項1または2記載の位相差フィルム。
    0.70<R(450nm)/R(550nm)<0.90 (7)
    1.05<R(650nm)/R(550nm)<1.25 (8)
    [式中、R(450nm)、R(550nm)、R(650nm)は、それぞれ光の波長が450nm、550nm、650nmにおける面内位相差である。]
  4. 式(2)で示される繰り返し単位であるホスホン酸残基の50モル%以下を対応するホスホナイト残基に置換した樹脂を用い、式(5)において(a)を該ホスホン酸残基と該ホスホナイト残基との和として式(5)を満足することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の位相差フィルム。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の位相差フィルムを用いたことを特徴とする円偏光板。
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